JP6455533B2 - 大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶接入熱量が400kJ/cmを超える大入熱溶接であっても、溶接熱影響部の靭性に優れる、降伏強さ(YP)が650MPa以上、降伏比(YR)が85%以下で、建築用として好適な、板厚12mm以上の低降伏比高強度厚鋼板およびその製造方法に関する。
近年、建築構造物の大型化、長スパン化に伴い、使用される鋼材の厚肉化、高強度化が要望され、鋼構造物の安全性の観点からは、高い許容応力を有するとともに、降伏比を低減することが要求されている。
降伏比を低減すると、降伏点以上の応力が付加されても破壊までに許容される応力が大きくなり、また、一様伸びが大きくなるため、塑性変形能に優れた鋼材となる。
特に、引張強さ(TS)が780MPaを超える高張力鋼板では、強度確保のために合金を多量に添加することが一般的であるため、降伏比が上昇する傾向で、靭性も低下する。
従来、低降伏比高強度厚鋼板の製造プロセスとしては、フェライト+オーステナイト2相域への再加熱焼入れを含む多段熱処理が一般的である。しかしながら、得られるミクロ組織は、フェライト相を主体とし、硬質第2相としてベイナイトあるいはマルテンサイトを分散させるため、フェライト相の体積分率によっては、780MPa以上の引張強度、650MPa以上の降伏強さを安定して達成することが困難である。
一方、構造物に鋼板を使用する場合は、一般に溶接接合が用いられ、安全性の観点から、使用される鋼材の母材靭性は勿論のこと、溶接熱影響部(HAZと称することもある)の靭性に優れることが要求される。
近年では、上述したように建築構造物の大型化に伴い、使用鋼材の厚肉化が要望され、構造物の施工能率向上と施工コストの低減の観点から、大入熱溶接の適用範囲が拡大している。高層建築物に用いられるボックス柱では、サブマージアーク溶接やエレクトロスラグ溶接などの溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような超大入熱溶接が適用されている。
また、近年、建築構造物の耐震性向上が求められ、溶接継手部についても、高い靭性を有することが要求されるようになっている。例えば、柱−梁接合部については、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47Jを超えるような、高い靭性を有することが要求されている。
一般に、鋼材に大入熱溶接を適用した際に、最も問題となるのは、溶接熱影響部のボンド部における靭性劣化である。ボンド部は、大入熱溶接時に溶融点直下の高温に曝されて、オーステナイトの結晶粒が最も粗大化し、また引き続く冷却によって、脆弱な上部ベイナイト組織に変態し、脆化組織である島状マルテンサイトが生成して靭性が低下する。そのため、高強度、低降伏比、高靭性といった母材機械的特性と溶接熱影響部靭性とを併せ持った厚鋼板が要望されており、種々の提案がなされている。
特許文献1、特許文献2には、熱間圧延後の鋼板を焼入れした後、再度フェライト+オーステナイトの2相域まで加熱して焼入れを行い、高強度化と低降伏比化を達成することが記載されている。
特許文献3には、圧延後、直ちに焼入れする直接焼入れ法により、焼入れ後のミクロ組織をベイナイト相あるいはマルテンサイト相とした後、再度フェライト+オーステナイトの2相域まで加熱し焼ならしを行い、高強度化と低降伏比化を達成することが記載されている。
特許文献4には、圧延後、一定時間経過し、フェライトを析出させた後、焼入れを行う直接焼入れ法により、フェライト相+マルテンサイト相の2相組織とし、高強度化と低降伏比化を達成することが記載されている。
特許文献5には、成分調整の後、圧延後直接焼入れ法により、残留オーステナイト(残留γと称することもある。)を生成させることにより、母材の高強度化と低降伏比化と溶接部の高靭性を達成することが記載されている。
特許文献6には、ベイナイト主体の組織にマルテンサイトあるいは島状マルテンサイトを含有させ、その体積分率、粒径、およびアスペクト比を適正に制御することにより、590MPa以上の引張強さと80%以下の低降伏比を有する母材が記載され、その製造方法として、成分調整の後、圧延後直接焼入れし、さらには、冷却停止後の再加熱処理を適正化することが記載されている。
特開2001−288512号公報 特開平6−248337号公報 特開平5−230530号公報 特開平7−97626号公報 特開2001−226740号公報 特開2006−291348号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載された技術は、煩雑な熱処理プロセスにより、製造コストが上昇することが懸念される。また、特許文献4および特許文献5に記載された技術では、製造条件や鋼板内位置により、フェライトとマルテンサイト相の体積分率が変化しやすく、高強度化と低降伏比を安定的に得るために製造条件を調整する操業負荷が大きい。
特許文献6に記載された技術では、780MPa以上の引張強度や650MPa以上の降伏強さといった強度レベルの厚鋼板およびその製造方法に関する具体的な示唆が認められない。
更に、特許文献1〜6に記載された技術では、溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接の溶接熱影響部靭性を安定して達成することを想定していない。
本発明は、かかる事情に鑑み、安定した母材性能を備えるとともに、溶接入熱量が400kJ/cmを超える大入熱溶接の溶接熱影響部靭性を向上することができる低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、母材の強度と低降伏比という観点から島状マルテンサイトを積極的に活用し、一方で、溶接熱影響部靭性という観点から大入熱溶接部ではなるべく島状マルテンサイトの生成を抑制する方法について、鋭意研究を行い、以下の知見を得た。
(1)本発明者らは、島状マルテンサイトになりやすいCの濃化領域に着目した。溶接入熱量が400kJ/cmを超える大入熱溶接を施したとき、母材のミクロ組織中のCの濃化領域が粗大であると、溶接で高温に加熱されても粗大なCの濃化領域が残存しやすくなる。その結果、溶接の冷却過程でCの濃化領域の残存部が粗大な島状マルテンサイトへと発達しやすくなり、靭性の低下を招く。そこで、母材のミクロ組織に島状マルテンサイトになりやすいCの濃化領域を微細分散させることにより、溶接で高温に加熱されたときに粗大なCの濃化領域がほぼ消失し、溶接の冷却過程で粗大な島状マルテンサイトが生成しにくくなり、大入熱溶接熱影響部靭性が向上すると考えた。
(2)本発明者らが鋭意検討した結果、母材のミクロ組織中に、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含むことにより、大入熱溶接熱影響部で生成する島状マルテンサイトの面積分率を減少させ、微細化することができる。その結果、溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接熱影響部の靭性確保を実現することができる。
(3)SiおよびPの含有量を低減した成分組成を有する鋼を、熱間圧延を施した後、冷却速度と冷却停止温度を適正化した冷却処理を施し、さらには、冷却停止後の昇温速度と再加熱温度を適正化した再加熱処理を実施することにより、ミクロ組織中にCの濃化領域を微細分散させた組織とすることができ、母材の特性として650MPa以上の降伏強度と85%以下の低降伏比を安定して達成できる。
本発明は、上記した知見に、さらに検討を加えて完成されたものである。本発明の要旨は次のとおりである。
[1]成分組成が、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜0.08%、Mn:1.4〜3.0%、P:0.015%以下、S:0.0050%以下、Al:0.005〜0.1%、Ti:0.004〜0.03%、N:0.0015〜0.0065%を含有し、下記(1)式で定義されるCeqが0.50〜0.70%であり、Ti/Nが2.0超え〜4.2未満を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含むことを特徴とする降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
ただし、C、Mn、Si、Ni、Cr、Mo、Vは各元素の含有量(質量%)で、含有しない場合は0とする。
[2]さらに質量%で、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:1.5%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ca:0.005%以下、REM:0.02%以下、Mg:0.005%以下およびB:0.005%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板。
[3][1]または[2]に記載の成分組成を有する鋼素材を、1000〜1250℃に加熱し、表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上、圧延終了温度が表面温度で900℃以下Ar変態点以上とする熱間圧延を行い、次いで、Ar変態点以上の温度域から5〜100℃/sの平均冷却速度で、Ar−300〜Ar−150℃の冷却停止温度まで冷却を行った後、冷却停止温度+100℃〜Ac変態点未満の温度域まで0.5℃/s以上の昇温速度で再加熱した後、0.5〜3min保持し、空冷することを特徴とする降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板の製造方法。
[4]さらに、400℃以上Ac変態点未満で焼き戻すことを特徴とする[3]に記載の降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、母材の降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下であり、溶接入熱量が400kJ/cmを超える大入熱溶接の溶接熱影響部靭性に優れた厚鋼板を、煩雑な熱処理なく、安定して製造することができる。このため、鋼構造物の大型化、鋼構造物の耐震性の向上や施工能率向上に大きく寄与し、産業上格段の効果を奏する。
図1は、エレクトロスラグ溶接の開先形状を示す模式図である。 図2は、図1に示すエレクトロスラグ溶接部からのシャルピー衝撃試験片の採取位置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<成分組成>
以下、各成分について説明する。なお、成分の含有量を表す「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.03〜0.10%
Cは、鋼の強度を増加させ、構造用鋼材として必要な強度を確保するのに有用な元素であり、0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.10%を超える含有は、特に大入熱溶接熱影響部の靭性を顕著に劣化させる。また、耐溶接割れ性を劣化させるとともに、母材の低温靭性を劣化させるため、0.03〜0.10%の範囲に限定する。好ましくは、0.05〜0.08%である。
Si:0.01〜0.08%
Siには脱酸材としての作用や、母材強度を高める効果もあるので、0.01%以上とする。また、Siは島状マルテンサイトの生成を促進する元素である。そのためSiを0.08%以下とすることで生成する島状マルテンサイトの生成を抑え、島状マルテンサイトのサイズを減ずることができる。好ましくは0.03〜0.07%である。さらに好ましくは0.03〜0.05%である。
Mn:1.4〜3.0%
Mnは、鋼の強度を増加させる効果を有している。本発明では、大入熱溶接熱影響部のミクロ組織中の島状マルテンサイトを低減し、微細化することで靭性を確保するとともに、母材の降伏強さが650MPa以上を確保するためには、1.4%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超えて含有すると、母材の靭性および溶接熱影響部靭性が著しく劣化するため、1.4〜3.0%の範囲に限定する。好ましくは、1.5〜2.8%である。
P:0.015%以下
Pは、HAZ組織において島状マルテンサイトに濃化し、また、Pはパーライト変態を抑制することで島状マルテンサイトの生成、粗大化を助長するため、HAZ靭性を低下させる。したがって、HAZ靭性向上にはPの低減が望ましい。よって0.015%以下とする。
S:0.0050%以下
Sは母材の低温靭性を劣化させる元素であり、できるだけ低減することが望ましい。0.0050%を超えて含有すると、この傾向が顕著となるため、上限とした。
Al:0.005〜0.1%
Alは、脱酸剤として作用し、高張力鋼の溶鋼脱酸プロセスに於いて、もっとも汎用的に使われる。また、鋼中のNをAlNとして固定し、母材の靭性向上に寄与するが、0.1%を超える含有は、母材の靭性が低下するとともに、溶接時に溶接金属部に混入して、靭性を劣化させるため、0.1%以下に限定した。なお、このような効果は0.005%以上の含有で認められる。好ましくは、0.01〜0.07%である。
Ti:0.004〜0.03%
Tiは、Nとの親和力が強く凝固時にTiNとして析出し、大入熱溶接熱影響部でのオーステナイト粒の粗大化を抑制して溶接熱影響部の高靭化に寄与する重要な元素である。このような効果を確保するためには、0.004%以上の含有が必要である。一方、0.03%を超えるとTiN粒子が粗大化して、期待するオーステナイト粒の粗大化抑制効果が飽和するため、0.004〜0.03%の範囲に限定する。好ましくは、0.006〜0.025%である。
N:0.0015〜0.0065%
NはTiNを確保する上で必要な元素であり、0.0015%未満では十分なTiN量が確保できない。一方、0.0065%を超えて含有すると、固溶N量の増加により、母材および溶接部靭性が著しく低下するため、0.0065%以下に限定する。好ましくは、0.0030〜0.0060%である。
Ceq:0.50〜0.70%
本発明では、(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.50〜0.70%となるように、上述した成分組成の範囲内で含有量を調整する。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
ただし、C、Mn、Si、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%)で、含有しない場合は0とする。
Ceqが0.50%未満では、大入熱溶接熱影響部の焼入れ性が不足し、溶接熱影響部のミクロ組織が、脆化組織である島状マルテンサイトを含む脆弱な上部ベイナイト組織に変態し、所望の大入熱溶接部の高靭性が確保できない。一方、Ceqが0.70%を超えると、母材の靭性が著しく劣化するとともに、耐溶接割れ性が劣化するため、0.50〜0.70%の範囲に限定した。好ましくは、0.58超〜0.70%の範囲である。
また、本発明ではTi/N(ただし、Ti、Nは含有量(質量%))が2.0超え〜4.2未満となるように、上述の成分範囲内でTiおよびN含有量を調整する。
Ti/Nが2.0以下では、ピンニング効果により大入熱溶接熱影響部の組織粗大化抑制効果を介した靭性の向上に必要なTiN量を確保できない。一方、Ti/Nが4.2以上では、TiC粒子の生成およびTiNの粗大化のため母材靭性および溶接熱影響部が劣化するため、Ti/Nは2.0超え〜4.2未満の範囲に限定した。
本発明では、上記した基本成分に加えて、必要に応じて、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ca、REM、MgおよびBの1種または2種以上を含有することができる。
Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%
CuおよびNiは、高靭性を保ちつつ強度を増加させることが可能な元素であり、大入熱溶接熱影響部靭性への影響も小さいため、高強度化のために有用な元素であり、必要に応じ選択して含有できる。含有する場合は、Cuは0.1%以上含有することが好ましい。しかしながら、Cu量が1.0%を超えると熱間脆性を生じて鋼板の表面性状を劣化させるため、0.1〜1.0%とする。なお、好ましくは、0.2〜0.7%である。
Niは、含有する場合は、0.1%以上含有することが好ましい。しかしながら、2.0%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利になるため、含有する場合は0.1〜2.0%とする。なお、好ましくは0.2〜1.7%である。
Cr:1.5%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下
Cr、Mo、Nb、Vは、いずれも鋼の強度向上に寄与する元素であり、所望する強度に応じて適宜含有できる。
Crは、含有する場合、0.05%以上含有することが好ましい。しかしながら、1.5%を超える含有は、大入熱溶接熱影響部靭性を劣化させるため、1.5%以下に限定することが望ましい。
Moは、含有する場合、0.05%以上含有することが好ましい。しかしながら、1.0%を超える含有は、母材靭性および大入熱溶接熱影響部靭性に悪影響を及ぼすため、1.0%以下に限定することが望ましい。
Nbは、含有する場合、0.005%以上含有することが好ましい。しかしながら、0.1%を超える含有は、母材靭性および大入熱溶接熱影響部靭性を劣化させるため、0.1%以下に限定することが望ましい。
Vは、含有する場合、0.01%以上含有することが好ましい。しかしながら、0.2%を超える含有は、大入熱溶接熱影響部靭性を劣化させるため、0.2%以下に限定することが望ましい。
Ca:0.005%以下、REM:0.02%以下およびMg:0.005%以下
Ca、REMおよびMgは、いずれも靭性向上に寄与する元素であり、所望する特性に応じて選択して含有できる。
Caは、結晶粒の微細化を介して靭性を向上させる有用な元素であり、含有させる場合、0.001%以上含有することが好ましい。しかしながら、0.005%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は0.005%を上限とする。
REMは、含有させる場合、0.002%以上含有することが好ましい。しかしながら、0.02%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は0.02%を上限とする。
Mgは、結晶粒の微細化を介して靭性を向上させる有用な元素であり、0.001%以上含有することが好ましい。しかしながら、0.005%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は0.005%を上限とする。
B:0.005%以下
Bは、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する。また、大入熱溶接時には、溶接熱影響部において脆弱な上部ベイナイト相を抑制し、下部ベイナイト相の生成を促進するとともに、固溶窒素を窒化物として固着することにより、靭性向上に有用な元素である。一方、0.005%を超える含有は焼入れ性を著しく増加させ、母材の靭性、延性の劣化をもたらす。このため、含有する場合は0.005%以下とする。なお、好ましくは、0.0003〜0.0020%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
<ミクロ組織>
本発明では、ミクロ組織が、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含むことを特徴とする。
Cの濃化領域は、母材組織、HAZ組織いずれにおいてもマルテンサイト組織もしくは残留γを含む島状マルテンサイトとなりやすく、転位密度が高い。また、Cの濃縮により、後述する母相と比べて硬い硬質相となる。そのため、TSが向上するとともに、多量に導入された可動転位がYPの上昇を抑制することにより、高強度と低降伏比の両立に有効である。
母材のミクロ組織中にCの濃化領域があると、Cの濃化領域は溶接中に高温にさらされるためCが拡散し、徐々にCの濃度が低下していく。そして最終的には母材のC成分値まで低下する。しかしながら、高温にさらされている時間が短い場合には、Cは十分に拡散せず、粗大なCの濃化領域がHAZ組織に残った状態になる。
ここで、高温のオーステナイト域から温度が低くなるにつれて、C濃度の低い部分や旧γ粒界からフェライトが核生成する。そして、C濃度の高いところが最もオーステナイトが安定であることから最後にフェライト変態する。一方で、フェライト変態が進んでいく途中でCは未変態オーステナイト側に吐き出されるので(フェライトは0.02%程度までしかCを含有することができず、オーステナイトは数%のCを含有することができるため。)、フェライト変態が進むにつれて未変態オーステナイト中のC濃度はどんどん高くなっていく。そして最後に、C濃度が高くなった状態である未変態オーステナイト中のC、すなわち、Cの濃化領域が島状マルテンサイトに変態する。このとき、Cの濃化領域が粗大である場合、HAZ組織に形成される島状マルテンサイトも大きなものとなってしまう。したがって、母材のCの濃化領域が小さければ、最終的にHAZ組織にできる島状マルテンサイトも小さくなる。
すなわち、島状マルテンサイトになりやすいCの濃化領域を母材のミクロ組織中に微細分散させておけば、大入熱溶接熱影響部で生成する島状マルテンサイトの面積分率を減少させ、微細化することができ、その結果、溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接熱影響部の靭性確保を実現することができる。
本発明では、母材のミクロ組織中に、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含むことにより、大入熱溶接熱影響部で生成する島状マルテンサイトの面積分率を減少させ、微細化することができる。その結果、溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接熱影響部の靭性確保を実現することができる。
濃化領域において、Cが0.2質量%未満では、上記のような、高強度化と低降伏比化の効果が得られず、1.0質量%を超えると母材の延性、低温靭性が劣化する。
また、Cの濃化領域の平均円相当径が1.0μm未満では、上記のような、高強度と低降伏比の効果が得られない。一方、5.0μmを超えると溶接部の靭性が劣化する。このため、平均円相当径は1.0〜5.0μmの範囲に限定する。
また、Cの濃化領域の面積分率が5%未満では、上記のような、高強度化と低降伏比化の効果が得られず、一方、15%を超えると母材の延性、低温靭性が劣化する.このため、面積分率は5〜15%の範囲に限定する。なお、好ましくは、6〜12%である。
Cの濃化領域は、後述する冷却停止温度と再加熱温度を制御するとともに、Si量を0.08%以下およびP量を0.015%以下にすることにより得られる。Si量が0.08%を超えたり、P量が0.015%を超えると、その他の元素や製造条件が適切であっても、C濃化領域のサイズが5.0μm超え、および/または、面積分率が15%超えとなり、目標とする溶接部靱性が得られない。これは、Siが0.08%以下であればセメンタイトが生成しやすく、また、Pが0.015%以下であればパーライトが生成しやすくなり、粗大なC濃化領域が形成されにくいためである。
なお、Cの濃化領域の面積は、EPMAを用いて求めることができる。
島状マルテンサイトになりやすいCの濃化領域を除く母相は、実質的にベイナイト相とフェライト相の混合組織が主体組織であり、パーライトおよびセメンタイト等の組織が混在すると強度が低下するため、これらの組織の面積分率は少ない方が良い。ただし、パーライトおよびセメンタイト等の組織が面積分率で15%以下の場合には影響が無視できるため含有してもよい。強度確保の観点から、ベイナイト相の面積分率は60%以上であることが好ましい。
<製造方法>
次に、製造方法について説明する。なお、温度は特に限定されない限り、板厚1/2位置の温度とする。また、板厚中央の温度は、放射温度計で測定した鋼板表面温度から、伝熱計算により求める。また、圧延後の冷却条件における温度条件は、板厚中央の温度とし、冷却速度も板厚中央の温度に基づいて算出された平均冷却速度を意味する。
鋼素材を1000℃〜1250℃に加熱
上述した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等、定法で溶製し、得られた鋼素材を1000℃〜1250℃に加熱する。加熱温度が1000℃未満では、熱間圧延での変形抵抗が高くなり、1パス当たりの圧下量が大きく取れなくなることから、圧延パス数が増加し、圧延能率の低下を招くとともに、鋼素材(スラブ)中の鋳造欠陥を圧着することができない場合がある。一方、再加熱温度が1250℃を超えると、加熱時のスケールによって表面疵が生じやすく、圧延後の手入れ負荷が増大する。このため、鋼素材の再加熱温度は1000〜1250℃の範囲とする。
鋼板表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上
次に、ミクロ組織を微細化するため、鋼板表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上の熱間圧延を行う。950℃以下の温度域での累積圧下率が30%未満では、ミクロ組織が粗大化し、所望の組織微細化が図れず所望の高靭性を確保できない。このため、熱間圧延における鋼板表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率は30%以上に限定した。なお、板厚が80mmを超える極厚鋼板の場合には、ザク圧着のために1パスあたりの圧下率が15%以上となる圧延パスを少なくとも1パス以上確保することが望ましい。
圧延終了温度:鋼板表面温度で900℃以下Ar変態点以上
圧延終了温度が鋼板表面温度で900℃を超えると、ミクロ組織が粗大化し所望の母材靭性を確保できないうえ、焼入性が増加しすぎて、所望のミクロ組織を確保できなくなる。一方、圧延終了温度が鋼板表面温度でAr変態点未満では、圧延中あるいは圧延直後にフェライト相が生成し粗大化して、母材の靱性が低下する。このため、圧延終了温度は鋼板表面温度で900℃以下Ar変態点以上に限定した。
Ar変態点以上の温度域から5〜100℃/sの平均冷却速度でAr−300〜Ar−150℃の温度域まで冷却
圧延終了後、得られた厚鋼板は、Ar変態点以上の温度域から5〜100℃/sの平均冷却速度で、Ar−350〜Ar−150℃の冷却停止温度まで冷却する。圧延終了後の冷却速度が5℃/s未満では、加速冷却後のミクロ組織がフェライト主体組織となり、また、島状マルテンサイトの生成も阻害されるので、650MPa以上の降伏強さを確保できなくなる。一方、冷却速度が100℃/sを超えると、鋼板内の各位置における温度制御が困難となり、板幅方向や圧延方向に材質ばらつきが出やすくなり、その結果、引張特性などの材質上のばらつきが生じる。
また、冷却停止温度は、本発明の製造方法において、特に重要な制御因子である。冷却停止温度がAr−300℃よりも低くなると、冷却停止時にはベイナイト変態が完了し残留オーステナイトが存在せず、その後の再加熱、空冷時に、残留オーステナイトからの硬質相の生成がなく、微細なCの濃化領域を作ることができなくなるため、降伏比85%以下を満足することができない。一方、冷却後の冷却停止温度がAr−150℃よりも高くなると、冷却停止時にはベイナイト変態が進行せず、残留オーステナイトへのCの拡散が進行しないために、硬質相が生成せず、650MPa以上の降伏強さおよび降伏比85%以下を満足することができない。
上記した、圧延後の冷却速度が5〜100℃/sの平均冷却速度範囲で、かつ加速冷却停止温度がAr−300℃〜Ar−150℃の範囲を満足することにより、加速冷却直後に、ベイナイト主体組織中に、残留オーステナイトが微細に分散したミクロ組織が得られる。
冷却停止温度+100℃〜Ac変態点の温度域まで0.5℃/s以上の昇温速度で再加熱した後、0.5〜3min保持し、空冷
加速冷却終了後の厚鋼板は、冷却停止温度+100℃〜Ac変態点未満の温度域まで0.5℃/s以上の昇温速度で再加熱した後、0.5〜3min保持し、空冷する。ベイナイト主体組織中に未変態γが微細に分散したミクロ組織の状態から再加熱を行うため、得られる母材のCの濃化領域を微細分散させることができる。
昇温速度が0.5℃/s未満では、目的の再加熱温度まで長時間を要するために製造効率が低下し、またパーライト変態が生じるために島状マルテンサイトが生成せず、降伏比85%以下を満足することができない。
また、冷却停止温度+100℃未満だと未変態γへCを十分濃化させることができない。一方、再加熱温度がAc変態点以上になるとベイナイトの軟化により、所望の650MPa以上の降伏強さを満足することができなくなる。
再加熱後の保持時間は、生産性を阻害しないように、保持時間0.5〜3minとする。再加熱の手段として、雰囲気炉加熱、ガス炎、誘導加熱等が利用でき、経済性、制御性等を考慮すると、誘導加熱が好ましい。
上記した、0.5℃/s以上の昇温速度でAc変態点以下までの再加熱および空冷により、微細に分散した残留オーステナイトにCが拡散して島状マルテンサイトが生成され、目的とするミクロ組織が達成されるとともに、高強度で650MPa以上の降伏強さと85%以下の低降伏比を両立することができる。
なお、Ar変態点は下記(2)式により求めることができる。
Ar=868−396C+25Si−68Mn−21Cu−36Ni−25Cr−30Mo・・・(2)
ただし、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Moは各合金元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
また、Ac変態点は下記(3)式により求めることができる。
Ac=751−27C+18Si−12Mn−23Cu−23Ni+24Cr+23Mo−40V−6Ti+233Nb−169Al−895B・・・(3)
ただし、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Ti、Nb、Al、Bは、各合金元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
本発明では、鋼板を室温まで冷却した後、再加熱、焼戻し処理を施してもよい。焼戻し工程では、400℃以上Ac変態点未満に焼き戻すことにより、靭性を向上させることが可能である。
焼戻し処理後のミクロ組織として、硬質相が、母相よりも十分に硬度が高ければ、高強度と低降伏比を両立させる効果を得ることができる。このような効果を得るためには、焼戻し温度を400℃以上とする必要がある。しかしながら、Ac変態点を超えると強度低下を招くため、焼戻し処理は、400℃以上Ac変態点以下で行うことが望ましい。なお、保持時間は、0〜20minであることが好ましい。
上記した組成の鋼素材を用いて、上記した条件の熱間圧延、冷却および再加熱、空冷を施すことにより、母材のミクロ組織中に所望のCの濃化領域を分散させることができる。その結果、溶接後のHAZ組織において島状マルテンサイトを分散して生成させることが可能となり、650MPa以上の降伏強さおよび降伏比85%以下の母材特性と、溶接入熱量が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接熱影響部の高靭性を兼備する低降伏比高強度鋼板を製造することができる。
転炉−取鍋精錬−連続鋳造法で、調製された鋼素材を、熱間圧延−加速冷却−再加熱−空冷、さらには焼もどしにより種々の板厚の厚鋼板とした。
表1に鋼素材の成分組成を、表2に製造条件とCの濃化領域の面積分率および平均円相当径を示す。Cの濃度はEPMAで測定した。C濃度は標準試料から作成した検量線をもとに算出した。濃化領域は、EPMA測定した領域におけるSEM組織写真を撮影し測定した。なお、表1中のAr変態点(℃)は(2)式で、Ac変態点(℃)は(3)式でそれぞれ求めた。
Figure 0006455533
Figure 0006455533
得られた各厚鋼板の板厚1/2位置から、JIS4号引張試験片を採取し、JISZ2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性を調査した。
また、得られた各厚鋼板の板厚1/2位置から、JISZ2202の規定に準拠してVノッチ試験片を採取し、JISZ2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、0℃における吸収エネルギー(vE)を求め、母材靭性を評価した。
また、各厚鋼板から採取した継手用試験板に、図1に示す開先を準備し、エレクトロスラグ溶接(溶接入熱量≧400kJ/cm)により、溶接継手を作製した。その後、図2に示すように、溶接継手部から切欠き位置をボンド部とするJIS4号衝撃試験片を採取し、試験温度:0℃でのシャルピー衝撃試験を行って、継手ボンド部の0℃における吸収エネルギー(vE)を求めた。継手用試験板の板厚tは母材と同じとした。
母材の引張強さ(TS)が780MPa以上、降伏強さ(YP)が650MPa以上、降伏比(YR)が85%以下、母材靭性(vE)100J以上、継手ボンド部の0℃における吸収エネルギー(vE)47J以上のものを合格とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0006455533
発明例は、いずれも、引張強さ780MPa以上で650MPa以上の降伏強さおよび降伏比85%以下、0℃での吸収エネルギーvEが100J以上の高強度、低降伏比で、高靭性の母材特性を有する。また、大入熱溶接施工を施した場合であっても、ボンド部でのvEが47J以上と優れた大入熱溶接熱影響部靭性が得られることが認められる。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、母材強度、降伏比、母材靭性、大入熱溶接熱影響部靭性のうち、いずれか、あるいは複数の特性が目標値を満足していない。

Claims (4)

  1. 成分組成が、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜0.08%、Mn:1.4〜3.0%、P:0.015%以下、S:0.0050%以下、Al:0.005〜0.1%、Ti:0.004〜0.03%、N:0.0015〜0.0065%を含有し、下記(1)式で定義されるCeqが0.50〜0.70%であり、Ti/Nが2.0超え〜4.2未満を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含むことを特徴とする降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である板厚12mm以上の大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板。
    Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
    ただし、C、Mn、Si、Ni、Cr、Mo、Vは各元素の含有量(質量%)で、含有しない場合は0とする。
  2. さらに質量%で、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:1.5%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ca:0.005%以下、REM:0.02%以下、Mg:0.005%以下およびB:0.005%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である板厚12mm以上の大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼素材を、1000〜1250℃に加熱し、表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上、圧延終了温度が表面温度で900℃以下Ar変態点以上とする熱間圧延を行い、次いで、Ar変態点以上の温度域から5〜100℃/sの平均冷却速度で、Ar−300〜Ar−150℃の冷却停止温度まで冷却を行った後、冷却停止温度+100℃〜Ac変態点未満の温度域まで0.5℃/s以上の昇温速度で再加熱した後、0.5〜3min保持し、空冷することを特徴とする、ミクロ組織が、Cが0.2〜1.0質量%の濃化領域を有し、前記濃化領域は、平均円相当径で1.0〜5.0μmであり面積分率で5〜15%含み、降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である板厚12mm以上の大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板の製造方法。
  4. さらに、400℃以上Ac変態点未満で焼き戻すことを特徴とする請求項3に記載の降伏強さが650MPa以上、降伏比が85%以下である板厚12mm以上の大入熱溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高強度厚鋼板の製造方法。
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