JP6454620B2 - ポリイソプレン分解物の製造方法 - Google Patents

ポリイソプレン分解物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイソプレン分解物の製造方法に関し、より詳細には、分子量の制御が可能なポリイソプレン分解物の製造方法に関する。
近年、環境問題に対する懸念から、マテリアルリサイクルは重要な社会的課題である。このマテリアルリサイクルの必要性は樹脂分野においても所望されている。樹脂分野におけるマテリアルリサイクル方法として、いくつかの提案がなされている。例えば、ポリイソプレン系ゴムを微生物で分解して低分子化する方法(特許文献1)や加硫ゴムを加熱分解することにより低分子化する方法(特許文献2)が提案されている。
ここで、特許文献1に記載の方法では、エネルギーコストが低く、毒性の高い溶剤を用いることなく、ポリイソプレン系ゴムを分解することができる。しかし、分解による分子量の制御が困難であり、品質が揃った分解物を得ることができない点が指摘されている。また、特許文献2に記載の方法では、当該方法において加硫ゴムを200℃〜400℃もの高温に曝すことが必要であり、エネルギーコストが高くなる点が指摘されている。
このため、分解により得られる分解物の品質をほぼ一定に保持することができ、かつエネルギーコストの上昇を抑制することができるマテリアルリサイクル方法の開発が所望されている。
特開2009−247241号公報 特開2004−331821号公報
本発明は、上記課題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、分子量の制御が可能であり、かつ効率に優れたポリイソプレン分解物の製造方法を提供することにある。
本発明は、ポリイソプレン分解物の製造方法であって、
ポリイソプレンとリモネンとを混合して反応混合物を得る工程;
該反応混合物を加熱撹拌して、溶解液を得る工程;および
該溶解液と極性有機溶媒とを合わせて、該ポリイソプレン分解物を得る工程;
を包含する、方法である。
1つの実施形態では、上記極性有機溶媒は、アセトン、メタノールおよびエタノールからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒である。
1つの実施形態では、上記加熱撹拌工程は、50℃から90℃の温度で行われる。
1つの実施形態では、上記反応混合物は、上記ポリイソプレン100mgに対し、1mLから1000mLのリモネンを含有する。
1つの実施形態では、上記リモネンは、DL−リモネン、D−リモネン、およびL−リモネンからなる群から選択される少なくとも1種のモノテルペンである。
1つの実施形態では、上記ポリイソプレンは、トチュウ、グッタペルカノキおよびゴムノキからなる群から選択される少なくとも1種のバイオマス由来のポリマーである。
本発明によれば、ポリイソプレンから分子量が制御されたポリイソプレン分解物を得ることができる。本発明の方法はまた、必ずしも高温の付加を要しないため、より安全な作業環境を提供することができるとともに作業効率も改善することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明では、まず、ポリイソプレンとリモネンとが混合され、反応混合物が調製される。
本発明に用いられるポリイソプレンは、例えば、バイオマスから抽出されたポリマー(ポリイソプレノイド)および化学的に合成されたポリイソプレノイドであり、トランス型ポリイソプレノイドおよびシス型ポリイソプレノイドが包含される。
本発明に用いられるポリイソプレンがバイオマス由来のポリマーである場合、当該バイオマスの例としては、トチュウ、グッタペルカノキおよびゴムノキ(バラタゴムノキ;天然ゴム)が挙げられる。本発明において、バイオマス由来のポリマーは、例えば、自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野における工業的汎用性に富むという理由から、トチュウ由来のバイオポリマーであることが好ましい。
トチュウ(Eucommia ulmoides O.)は、木本性の蕎木である。このトチュウは、植物体の全体にトランス型ポリイソプレンを含んでおり、いずれの部位を用いてもよい。トランス型ポリイソプレンを多く含む点で、トチュウの種子、果皮、樹皮、および葉が好適に用いられ得る。上記トチュウ由来のバイオポリマーは、生のトチュウから抽出されたものであってもよく、予め乾燥したものから抽出されたものであってもよく、あるいはこれらの抽出されたものを組み合わせたものであってもよい。
本発明において、例えば、ポリイソプレンとしてトチュウ由来のバイオポリマーが用いられる場合、当該バイオポリマーは市販のものを用いてもよく、あるいは種々の方法、例えば、特開2009−221306号公報に記載の方法を用いて得ることができる。
ポリイソプレンの数平均分子量は、必ずしも限定されないが、例えば、ポリイソプレンがトチュウ由来のバイオポリマーである場合、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは50,000〜500,000、さらにより好ましくは100,000〜500,000である。
ポリイソプレンの重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、例えば、トチュウ由来のバイオポリマーである場合、好ましくは1×10〜5×10、より好ましくは1×10〜5×10、さらにより好ましくは1×10〜5×10である。
本発明において、上記ポリイソプレンは、当該ポリイソプレンの物性を損なわない範囲において種々の他の成分を含有していてもよい。当該他の成分の例としては、不純物(例えば、リグニンおよびセルロースナノファイバー);タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、珪藻土、ドロマイト、石膏、焼成クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉などの無機フィラー;リンター、リネン、サイザル、木粉、ヤシ粉、クルミ粉、でん粉、小麦粉、米粉などの有機フィラー;木綿、麻、羊毛などの天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維などの有機合成繊維や、アスベスト繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、ウィスカー繊維などの繊維フィラー;色素、顔料、カーボンブラックなどの着色剤;帯電防止剤;導電性付与剤;老化防止剤;難燃剤;防炎剤;撥水剤;撥油剤;防虫剤;防腐剤;ワックス類;界面活性剤;滑剤;紫外線吸収剤;熱安定剤;キレート剤;および分散剤;ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明において許容され得る上記他の成分の含有量は、ポリイソプレン100重量部に対し、好ましくは0.1重量部〜20重量部、より好ましくは0.1重量部〜1重量部である。
リモネンは単環式モノテルペンであり、通常、常温において無色透明の液体である。本発明において、リモネンの例としては、DL−リモネン、D−リモネン、およびL−リモネン、ならびにそれらの組合せが挙げられる。本発明の実施に要するコストの上昇を抑えることができるという理由から、DL−リモネンが好ましい。
本発明におけるポリイソプレンとリモネンとの混合割合について、ポリイソプレン1mgに対し、リモネンは、好ましくは1mL〜1000mL、より好ましくは10mL〜100mLである。リモネンの混合割合が1mL未満であると、ポリイソプレンが効率良く分解せず、得られる分解物の分子量の制御が困難となる場合がある。一方、リモネンの混合割合が1000mLを上回っても、得られるポリイソプレン分解物の量や分子量に変動はなく、むしろ大量のリモネンを使用するのみであり、作業効率が低下するおそれがある。
本発明においては、ポリイソプレンの分解を促進する目的で、上記ポリイソプレンおよびリモネン以外に、ペプタイザーを、全体重量を基準として0.1重量%以上となる割合で添加していてもよい。
このようにして、ポリイソプレンとリモネンとを混合して反応混合物を得ることができる。
次いで、反応混合物が加熱撹拌され、溶解液が調製される。
反応混合物の加熱に供する温度は、例えば、特許文献2で設定される温度(200℃〜400℃)と比較して著しく低い温度である。温度が低すぎるとポリイソプレンの分解が進みにくいため、好ましくは50℃以上に加熱される。なお、温度が高すぎるとリモネンが揮発により失われやすくなることから、加熱に供する温度としてより好ましくは50℃〜90℃、さらにより好ましくは60℃〜80℃である。
反応混合物の撹拌は、特に限定されず、ミキサー、スターラーなどの周知の撹拌手段を用いて行われる。撹拌速度は、使用するポリイソプレンおよびリモネンの量によって変動するため必ずしも限定されない。
反応混合物の加熱撹拌に要する時間は、使用するポリイソプレンおよびリモネンの量、所望するポリイソプレン分解物の分子量等を考慮して当業者によって適切な時間が選択され得る。反応混合物の加熱撹拌に要する時間は、例えば、3時間〜16時間、好ましくは10時間〜16時間である。加熱撹拌に要する時間が長いほど、ポリイソプレンの分解が進むため、より低分子量(例えば、低数平均分子量および低重量平均分子量)のポリイソプレン分解物を得ることができる。
このようにして、反応混合物を加熱撹拌することにより、ポリイソプレンがリモネンに溶解して構成される溶解液を得ることができる。
なお、本発明において、この溶解液には、使用したポリイソプレンに含まれていた他の成分が凝集し、固形残渣を形成していることがある。そのような場合は、当業者に周知の分離方法を用いて、この該固形残渣を当該溶解液から分離しておくことが好ましい。
次に、溶解液に極性有機溶媒が合わされる。
極性有機溶媒は、プロトン性極性溶媒および非プロトン性極性溶媒、ならびにこれらの組合せのいずれであってもよい。極性有機溶媒の例としては、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトニトリル、およびメチルエチルケトンならびにそれらの組合せが挙げられる。
極性有機溶媒の使用量は、使用するポリイソプレンの量100mgに対して、好ましくは1mL〜1000mL、より好ましくは10mL〜100mLである。極性有機溶媒の添加量が1mLを下回ると、ポリイソプレンの分解が充分に進行せず所望のポリイソプレン分解物が効率良く得られない場合がある。極性有機溶媒の添加量が1000mLを上回ると、極性有機溶媒の添加量に関わらず、生成されるポリイソプレン分解物の量に実質的な変動が観察されず、むしろ製造効率が損なわれるおそれがある。
本発明において、溶解液は、例えば、滴下により上記極性有機溶媒に徐々に添加されてもよい。このような添加は、例えば常温にて行われる。添加に要する時間は、必ずしも限定されず、溶解液および極性有機溶媒の量に応じて当業者により任意の時間が選択され得る。
上記のように溶解液と極性有機溶媒とを合わせることにより、その混合溶液の中にポリイソプレン分解物が析出する。得られたポリイソプレン分解物は、当業者に公知の方法を用いて分離、乾燥、溶媒の留去、精製等が行われ得る。
このようにして、ポリイソプレンから、ポリイソプレン分解物を得ることができる。
本発明の方法は、人体に対して毒性の高い溶媒を使用することも、加熱にあたり高温を付与することも特に必要とされず、より簡便かつ効率的な方法として種々の分野において広く使用され得る。特にポリイソプレンとリモネンとの反応混合物を加熱撹拌する時間を変化させることにより、最終的に得られるポリイソプレン分解物の分子量を制御することが可能である。本発明は、例えば、ポリイソプレンのためのマテリアルリサイクル手法として有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1;トチュウ由来のバイオポリマーを用いたポリイソプレン分解物の製造(A−1))
フラスコ中のリモネン(DL−リモネン、東京化成工業株式会社製)50mLに、トランス型ポリイソプレン(トチュウ由来のバイオポリマー;数平均分子量22万、重量平均分子量130万;日立造船株式会社製)500mgを添加した。次いで、この混合物を撹拌しながら60℃で3時間加熱した。加熱後、混合物を室温になるまで放冷した。
反応混合物を濾紙(Whatman(登録商標)113;シグマ−アルドリッチ社製)を通じて濾過し、得られた濾液(50mL)を、100mLのアセトンに滴下して、固形物を析出させた。さらに、当該固形物をろ別して回収し、風乾かつ減圧乾燥により溶媒を留去することにより、エラストマー(ポリイソプレン分解物)450mgを得た。
得られたエラストマー(2mg)を、10mLのテトラヒドロフランに溶解し、サイズ排除クロマトグラフィー(SECカラム;東ソー株式会社製)により、標準ポリスチレンによる分子量の校正を経て、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2;トチュウ由来のバイオポリマーを用いたポリイソプレン分解物の製造(A−2))
リモネンとトランス型ポリイソプレン(トチュウ由来のバイオポリマー)との混合物の加熱撹拌時間を6時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
(実施例3;トチュウ由来のバイオポリマーを用いたポリイソプレン分解物の製造(A−3))
リモネンとトランス型ポリイソプレン(トチュウ由来のバイオポリマー)との混合物の加熱撹拌時間を16時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006454620
表1に示すように、実施例1〜3の結果によれば、得られたエラストマーの分子量(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))は、使用前のものと比較して著しく低下しており、上記操作を通じてポリイソプレンの分解が起きていたことがわかる。さらに、実施例1〜3の結果によれば、リモネンとトランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を長く設定するほど、分子量(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))が低下したエラストマーを製造することができたことがわかる。
(実施例4;化学合成ポリイソプレンを用いたポリイソプレン分解物の製造(B−1))
実施例1で使用したトチュウ由来のバイオポリマーの代わりに、化学的に合成されたトランス型ポリイソプレン(数平均分子量5万、重量平均分子量120万;シグマ−アルドリッチ社製)500mgを用い、リモネンと当該トランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を2時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表2に示す。
(実施例5;化学合成ポリイソプレンを用いたポリイソプレン分解物の製造(B−2))
実施例1で使用したトチュウ由来のバイオポリマーの代わりに、化学的に合成されたトランス型ポリイソプレン(数平均分子量5万、重量平均分子量120万;シグマ−アルドリッチ社製)500mgを用い、リモネンと当該トランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を4時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表2に示す。
(実施例6;化学合成ポリイソプレンを用いたポリイソプレン分解物の製造(B−3))
実施例1で使用したトチュウ由来のバイオポリマーの代わりに、化学的に合成されたトランス型ポリイソプレン(数平均分子量5万、重量平均分子量120万;シグマ−アルドリッチ社製)500mgを用い、リモネンと当該トランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を6時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006454620
表2に示すように、実施例4〜6の結果によれば、得られたエラストマーの分子量(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))は、使用前のものと比較して著しく低下しており、上記操作を通じてポリイソプレンの分解が起きていたことがわかる。また、実施例4〜6の結果によれば、リモネンとトランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を長く設定するほど、分子量(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))が低下したエラストマーを製造することができたことがわかる。
なお、上記表1および表2の結果によれば、ポリイソプレンが、バイオマス由来のものか、化学合成由来のものかに関わらず、上記操作を通じて両者は同様の傾向(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の低下)を示すことがわかる。
(比較例1;トチュウ由来のバイオポリマーを用いたポリイソプレン分解物の製造(C−1))
実施例1で使用したリモネンの代わりに、トルエン50mLを用い、トルエンとトランス型ポリイソプレン(トチュウ由来のバイオポリマー)との混合物の加熱撹拌時間を3時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表3に示す。
(比較例2;トチュウ由来のバイオポリマーを用いたポリイソプレン分解物の製造(C−2))
実施例1で使用したリモネンの代わりに、トルエン50mLを用い、トルエンとトランス型ポリイソプレン(トチュウ由来のバイオポリマー)との混合物の加熱撹拌時間を6時間に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてエラストマーを得、当該エラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)をそれぞれ測定した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0006454620
表3に示すように、比較例1および2の結果によれば、リモネンの代わりにトルエンを用いた場合、実施例1〜3で得られたようなエラストマーの分子量(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))の著しい低下を確認することができなかった。分子量の低下が確認できない傾向は、比較例1および比較例2のように、トルエンとトランス型ポリイソプレンとの混合物の加熱撹拌時間を3時間から6時間に変化させた場合でも同様であった。なお、表3において、比較例1および2の重量平均分子量(Mw)の値は、いずれも使用前の値よりも大きくなっているが、これらは測定誤差であることに留意すべきである。
本発明は、例えば、自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野から生じた廃棄ポリイソプレンのマテリアルリサイクルに有用である。

Claims (6)

  1. ポリイソプレン分解物の製造方法であって、
    ポリイソプレンとリモネンとを混合して反応混合物を得る工程;
    該反応混合物を加熱撹拌して、溶解液を得る工程;および
    該溶解液と極性有機溶媒とを合わせて、該ポリイソプレン分解物を得る工程;
    を包含し、
    該ポリイソプレンがトランス型ポリイソプレンである、方法。
  2. 前記極性有機溶媒が、アセトン、メタノールおよびエタノールからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加熱撹拌工程が、50℃から90℃の温度で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応混合物が、前記ポリイソプレン100mgに対し、1mLから1000mLのリモネンを含有する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記リモネンが、DL−リモネン、D−リモネン、およびL−リモネンからなる群から選択される少なくとも1種のモノテルペンである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ポリイソプレンが、トチュウ、グッタペルカノキおよびゴムノキからなる群から選択される少なくとも1種のバイオマス由来のポリマーである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
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