以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、SHVを含む超高精細映像を伝送するためのシリアルデジタルインタフェースが規定された前記非特許文献2(ARIB STD−B58)の方式において、ベーシックストリームの補助データ領域に、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコード(フレームの時間情報を表すタイムコード)を含む時間情報データパケットを格納することを特徴とする。また、本発明は、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードを生成し、タイムコードのフレーム番号及び時刻を所定領域にそれぞれ格納し、時間情報データパケットを生成することを特徴とする。これにより、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを伝送することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態(実施例1)による映像信号送信装置及び映像信号受信装置を含む映像信号送受信システムの概略を示す全体構成図である。この映像信号送受信システムは、映像信号送信装置(タイムコード多重装置)1−1及び映像信号受信装置(タイムコード分離装置)2−1を備えて構成される。映像信号送信装置1−1と映像信号受信装置2−1とは、1本のケーブルの伝送路を介して接続される。
映像信号送信装置1−1は、UHDTV用の映像信号にUHDTV用のタイムコードを多重し、10.692Gbpsの所定数のリンク信号(シリアルデータストリーム)を10Gリンク信号として送信する装置である。
映像信号送信装置1−1は、UHDTV用の映像信号である1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を入力し、映像信号のフレーム周波数に同期したUHDTV用のタイムコードを生成し、タイムコードを含む時間情報データパケットを生成し、映像信号のベーシックストリームに時間情報データパケットを格納し、10Gリンク信号を生成して映像信号受信装置2−1へ送信する。
映像信号受信装置2−1は、UHDTV用の映像信号にUHDTV用のタイムコードが多重された10Gリンク信号を受信し、10Gリンク信号からタイムコードを分離(復元)する装置である。
映像信号受信装置2−1は、映像信号送信装置1−1から10Gリンク信号を受信してベーシックストリームを復元し、ベーシックストリームから時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットからタイムコードを復元する。
図2は、本発明の第2の実施形態(実施例2)による映像信号送信装置、映像信号受信装置及びタイムコード送信装置を含む映像信号送受信システムの概略を示す全体構成図である。この映像信号送受信システムは、映像信号送信装置(タイムコード多重装置)1−2、映像信号受信装置(タイムコード分離装置)2−2及びタイムコード送信装置3を備えて構成される。映像信号送信装置1−2と映像信号受信装置2−2とは、1本のケーブルの伝送路を介して接続され、映像信号送信装置1−2とタイムコード送信装置3との間も同様である。映像信号送信装置1−2及びタイムコード送信装置3により映像信号送信システム4が構成される。
タイムコード送信装置3は、映像信号のフレーム周波数に同期したUHDTV用のタイムコードを生成し、タイムコードを含む時間情報データパケットを生成し、時間情報データパケットをHD−SDI信号に格納して映像信号送信装置1−2へ送信する。
映像信号送信装置1−2は、UHDTV用の映像信号を入力すると共に、タイムコード送信装置3からHD−SDI信号を受信し、HD−SDI信号から時間情報データパケットを抽出し、映像信号のベーシックストリームに時間情報データパケットを格納し、10Gリンク信号を生成して映像信号受信装置2−2へ送信する。
映像信号受信装置2−2は、映像信号送信装置1−2から10Gリンク信号を受信してベーシックストリームを復元し、ベーシックストリームから時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットをHD−SDI信号に格納して出力する。
以下、実施例1,2について、映像信号のフレーム周波数60Hzを120Hzに拡張した場合に、フレーム周波数120Hzに同期したタイムコードを伝送する例を挙げて説明する。
〔実施例1〕
まず、図1に示した実施例1の映像信号送信装置1−1及び映像信号受信装置2−1について説明する。前述のとおり、映像信号送信装置1−1は、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコードを生成し、映像信号にタイムコードを多重して10Gリンク信号を送信し、映像信号受信装置2−1は、10Gリンク信号からタイムコードを復元する。
(映像信号送信装置1−1)
まず、図1に示した実施例1の映像信号送信装置1−1について詳細に説明する。図3は、映像信号送信装置1−1の構成を示すブロック図である。この映像信号送信装置1−1は、サブイメージ生成部10、ベーシックイメージ生成部11、ベーシックストリーム生成部12、リンク信号生成部13及び時間情報データパケット生成部14−1を備えている。
サブイメージ生成部10は、UHDTV用の映像信号を入力し、映像信号を構成する色信号コンポーネント毎に、1フレームのソースイメージを分割して複数のサブイメージを生成する。そして、サブイメージ生成部10は、色信号コンポーネント毎に生成した複数のサブイメージをベーシックイメージ生成部11に出力する。
ベーシックイメージ生成部11は、サブイメージ生成部10により生成された色信号コンポーネント毎の複数のサブイメージを入力し、サブイメージ毎に、当該サブイメージを分割して複数のベーシックイメージを生成する。そして、ベーシックイメージ生成部11は、生成した複数のベーシックイメージをベーシックストリーム生成部12に出力する。
時間情報データパケット生成部14−1は、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコードを生成し、タイムコードを時間情報データパケットの所定領域に格納する。そして、時間情報データパケット生成部14−1は、時間情報データパケットをベーシックストリーム生成部12に出力する。時間情報データパケット生成部14−1の詳細については後述する。
ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージ生成部11により生成されたベーシックイメージを入力すると共に、時間情報データパケット生成部14−1により生成された時間情報データパケットを入力する。そして、ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージから画素のラインデータを順次取り出し、取り出した画素のラインデータを、ベーシックストリームの有効映像領域に格納すると共に、入力した時間情報データパケットを、ベーシックストリームの補助データ領域に格納する。
また、ベーシックストリーム生成部12は、所定の制御データ(タイミング基準、ライン番号等)を所定領域に格納し、ベーシックストリームを生成する。そして、ベーシックストリーム生成部12は、生成したベーシックストリームをリンク信号生成部13に出力する。ベーシックストリーム生成部12の詳細については後述する。
リンク信号生成部13は、ベーシックストリーム生成部12により生成されたベーシックストリームを入力し、複数のベーシックストリームに対して多重化処理等を施し、所定伝送速度の10Gリンク信号を生成する。そして、リンク信号生成部13は、生成した10Gリンク信号を映像信号受信装置2−1へ送信する。
このように、映像信号送信装置1−1は、ベーシックストリーム生成部12において映像信号とタイムコードとを多重したベーシックストリームを生成し、所定伝送速度の10Gリンク信号をシリアルデータストリームとして、1本のケーブルの伝送路を介して映像信号受信装置2−1へ送信する。
尚、サブイメージ生成部10、ベーシックイメージ生成部11、ベーシックストリーム生成部12及びリンク信号生成部13の処理の詳細については、映像信号のみを送受信する手法が記載された前記特許文献1及び前記非特許文献2(ARIB STD−B58)を参照されたい。
(時間情報データパケット生成部14−1)
次に、図3に示した時間情報データパケット生成部14−1について詳細に説明する。前述のとおり、時間情報データパケット生成部14−1は、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコードを生成し、タイムコードを時間情報データパケットの所定領域に格納し、時間情報データパケットを生成する。図3に示すように、この時間情報データパケット生成部14−1は、タイムコード生成手段15、時間情報データパケット生成手段16及びテーブル17を備えている。
図4は、時間情報データパケット生成部14−1の処理を示すフローチャートである。まず、時間情報データパケット生成部14−1のタイムコード生成手段15は、当該映像信号送信装置1−1の内部時計を用いて、映像信号のフレーム周波数に同期した時刻(時、分及び秒)及び映像信号のフレーム番号を生成し、時刻及びフレーム番号を含む時間情報のタイムコードを生成する(ステップS401)。そして、タイムコード生成手段15は、生成したタイムコードを時間情報データパケット生成手段16に出力する。
例えば、映像信号のフレーム周波数が120Hzの場合、当該映像信号送信装置1−1は、1秒毎に120枚のフレームの映像信号を入力することから、タイムコード生成手段15は、フレーム周波数120Hzのフレームの映像信号に対応して、フレーム周波数120Hzに同期した時刻を生成すると共に、1秒毎に0〜119のフレーム番号を生成する。また、映像信号のフレーム周波数が60Hzの場合、当該映像信号送信装置1−1は、1秒毎に60枚のフレームの映像信号を入力することから、タイムコード生成手段15は、フレーム周波数60Hzのフレームの映像信号に対応して、フレーム周波数60Hzに同期した時刻を生成すると共に、1秒毎に0〜59のフレーム番号を生成する。
尚、映像信号のフレーム周波数は、入力する映像信号のペイロードIDに基づいて設定される。
時間情報データパケット生成手段16は、タイムコード生成手段15からタイムコードを入力し、タイムコードからフレーム番号を抽出し、テーブル17から、フレーム番号に対応するビットデータを読み出す(ステップS402)。これにより、フレーム番号に対応するビットデータが特定される。
図5は、テーブル17の構成を示す図である。このテーブル17は、フレーム番号、フレームラベル(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5)、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータにより構成される。フレームラベルは、30個のフレーム番号を表すためのデータであり、後述する時間情報データパケットにおけるUDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5のデータにて表される。フレームラベルを表すUDW1のb4〜b7は、30個のフレーム番号である0〜29における1の桁を表し、フレームラベルを表すUDW3のb4,b5は、0〜29における10の桁を表す。UDWは、後述する時間情報データパケットにおけるユーザデータワード(User Data Words)の領域を示し、bはそのビット番号を示す。DBB1は、後述する時間情報データパケットにおける割り当てバイナリビット(Distributed Binary Bits)の領域を示す。つまり、UDW3のb7は、3番目のUDWの領域における7番目のビットのデータであり、UDW7のb7は、7番目のUDWの領域における7番目のビットのデータである。
図5(1)は、フレーム周波数120Hzの場合におけるテーブル17の構成を示す。このテーブル17には、1秒毎の120枚のフレームにおけるそれぞれのフレーム番号0,1,2,3,4,・・・,119に対応して、フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1が定義されている。例えば、フレーム番号0に対応して、フレームラベル=0、UDW3のb7=0、UDW7のb7=0、及びDBB1=00000001の各データが定義されている。また、フレーム番号1に対応して、フレームラベル=0、UDW3のb7=1、UDW7のb7=0、及びDBB1=00000001の各データが定義されている。
フレームラベルは、フレーム周波数30Hzである1秒毎に30フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、連続する4個のフレーム番号(0〜3,4〜7,・・・,116〜119)毎に、0〜29が定義されている。したがって、フレームラベルは、1/30秒を識別するための情報として用いられる。
UDW3のb7は、フレーム周波数120Hzである1秒毎に120フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、フレーム番号毎に、0,1が順番に定義されている。したがって、UDW3のb7は、1/120秒を識別するためのフラグとして用いられる。
UDW7のb7は、フレーム周波数60Hzである1秒毎に60フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、連続する2個のフレーム番号(0及び1,2及び3,4及び5,・・・,116及び117,118及び119)毎に、0,1が順番に定義されている。したがって、UDW7のb7は、1/60秒を識別するためのフラグとして用いられる。
DBB1は、UDW7のb7と同様に、フレーム周波数60Hzである1秒毎に60フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、連続する2個のフレーム番号毎に、00000001,00000010が順番に定義されている。したがって、DBB1は、1/60秒を識別するための情報として用いられる。
このように、図5(1)のテーブル17には、フレーム番号0,1,2,3,4,・・・,119に対応して、これらのフレーム番号を識別するためのフレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1が定義されている。フレーム周波数120Hzのフレーム番号0,1,2,3,4,・・・,119は、フレームラベル、UDW3のb7及びUDW7のb7により、または、フレームラベル、UDW3のb7及びDBB1により特定することができる。
図5(2)は、フレーム周波数60Hzの場合におけるテーブル17の構成を示す。このテーブル17には、1秒毎の60枚のフレームにおけるそれぞれのフレーム番号0,1,2,3,4,・・・,59に対応して、フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1が定義されている。例えば、フレーム番号0に対応して、フレームラベル=0、UDW3のb7=0、UDW7のb7=0、及びDBB1=00000001の各データが定義されている。また、フレーム番号1に対応して、フレームラベル=0、UDW3のb7=0、UDW7のb7=1、及びDBB1=00000010の各データが定義されている。
フレームラベルは、図5(1)と同様である。UDW3のb7は、フレーム周波数120Hzである1秒毎に120フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために用いられるから、フレーム周波数60Hzの場合は使用しない。したがって、UDW3のb7には、全てのフレーム番号に対応して、0が定義されている。
UDW7のb7は、フレーム周波数60Hzである1秒毎に60フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、フレーム番号毎に、0,1が順番に定義されている。したがって、UDW7のb7は、1/60秒を識別するためのフラグとして用いられる。
DBB1は、UDW7のb7と同様に、フレーム周波数60Hzである1秒毎に60フレームのフレーム番号に対応したデータを表すために、フレーム番号毎に、00000001,00000010が順番に定義されている。したがって、DBB1は、1/60秒を識別するためのフラグとして用いられる。
このように、図5(2)のテーブル17には、フレーム番号0,1,2,3,4,・・・,59に対応して、これらのフレーム番号を識別するためのフレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1が定義されている。フレーム周波数60Hzのフレーム番号0,1,2,3,4,・・・,59は、フレームラベル及びUDW7のb7により、または、フレームラベル及びDBB1により特定することができる。
尚、前記非特許文献4(SMPTE 12M−2)の規格には、後述する時間情報データパケットにおいて、UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5により表されるフレームラベルが1/30秒を識別するために用いられ、UDW7のb7及びDBB1が1/60秒を識別するために用いられる点が記載されている。
図4に戻って、時間情報データパケット生成手段16は、ステップS402において、図5(1)(2)に示したテーブル17から、フレーム番号に対応するフレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータを読み出す。
時間情報データパケット生成手段16は、テーブル17から読み出したフレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータを、時間情報データパケットにおけるフレームラベルを表すUDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びに、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1の各領域に格納する(ステップS403)。
時間情報データパケット生成手段16は、タイムコードから時刻を抽出し、時刻を所定のUDWの領域に格納する(ステップS404)。このように、時間情報データパケット生成手段16は、ステップS403及びステップS404の処理等にて、UDWの領域等に各種データを格納することで、時間情報データパケットを生成し(ステップS405)、時間情報データパケットをベーシックストリーム生成部12に出力する(ステップS406)。
(補助データパケット)
図6は、補助データパケットの構成を示す図である。この補助データパケットは、後述する図10及び図11に示すベーシックストリームの補助データ領域に格納可能なパケットとして、前記非特許文献2(ARIB STD−B58)に規定されている。時間情報データパケット生成手段16により生成される時間情報データパケットは、この補助データパケットの構成に従って生成される。
補助データパケットは、ADF(補助データフラグ)、DID(データ識別ワード)、DBN(データブロック番号ワード)またはSDID(第2データ識別ワード)、DC(データカウントワード)、UDW(ユーザデータワード)及びCS(チェックサム)により構成される。
ADF領域には、補助データパケットの先頭を示す固定のデータが格納される。DID領域には、パケットの種類を示す識別情報が格納される。時間情報データパケットの場合、後述する図7(1)に示すように、DID領域には、当該パケットであることを示す識別情報(260h)が格納される。また、SDID領域には、当該パケットであることを示す第2の識別情報(260h)が格納され、DC領域には、固定のデータカウント(110h)が格納される。尚、DID領域、SDID領域及びDC領域は10ビット長であり、下位8ビットにデータ(DID領域及びSDID領域の場合60h、DC領域の場合10h)が格納され、上位2ビットにパリティデータが格納される。パリティデータは、DID領域及びSDID領域の場合2h、DC領域の場合1hである。
HDTV用のインタフェースは、10ビット/ワードで規定されるのに対し、UHDTV用のインタフェースは、12ビット/ワードで規定される。この補助データパケットは、UHDTV用のパケットであり、HDTV用の10ビット/ワードの補助データパケットを前提とした構造となっている。
(時間情報データパケット)
図7(1)は、ADFを除く10ビット/ワードの時間情報データパケットの構造を示す図であり、図7(2)は、時間情報データパケット生成手段16により生成される時間情報データパケットを説明する図である。図7(2)に示すように、この時間情報データパケットは、3ワード長のADF、1ワード長のDID、1ワード長のSDID、1ワード長のDC、16ワード長のUDW、及び1ワード長のCSにより構成される。
図7(1)に示すADFを除く10ビット/ワードの時間情報データパケットは、前記非特許文献4(SMPTE 12M−2)に規定されている。時間情報データパケットのUDWの領域には、DBB1、DBB2、UDWペイロード(タイムコードデータ)及びパリティ等の各データにより構成される。
1〜8番目(ワード目)のUDWの領域において、0,1ビット目の領域(b0,b1)には、0が格納され、b2にも0が格納され、b3にはDBB1が格納される。9〜16番目(ワード目)のUDWの領域において、0,1ビット目の領域(b0,b1)には、0が格納され、b2には0が格納され、b3にはDBB2が格納される。また、1〜16番目(ワード目)のUDWの領域において、b4〜b7には、後述する図8に示すように、UDWペイロードであるタイムコードデータが格納される。さらに、1〜16番目(ワード目)のUDWの領域において、b8には、同じワード領域におけるb0〜b7の偶数パリティが格納され、b9には、b8を反転させたパリティが格納される。DID領域、SDID領域及びDC領域のb8,b9についても同様である。
図8は、図7(1)に示した時間情報データパケットにおけるUDWペイロード(タイムコードデータ)のビット割り当てを説明する図であり、前記非特許文献4(SMPTE 12M−2)の規定に準じたものである。時間情報データパケットは、前述のとおり、フレーム周波数120Hzのフレームに対応して、1秒毎に120個の固有のタイムコードを割り当てることができる構成とする必要がある。そこで、前述のとおり、固有のタイムコードを、フレームラベルを表すUDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びにUDW3のb7及びUDW7のb7の各領域を用いて表す。
フレームラベルを表すUDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5は、0〜29を表すVITCのデータが格納され、1/30秒を識別するための情報として用いられる。UDW3のb7は、フレーム周波数120Hzを識別するためのフラグとして用いられ、UDW7のb7は、フレーム周波数60Hzを識別するためのフラグとして用いられる。その他のUDWの領域には、前記非特許文献4(SMPTE 12M−2)の規定に従い、時刻等の各種情報が格納される。
このように、図7及び図8に示した時間情報データパケットは、フレーム周波数60Hzの映像フォーマットで使用しているパケット構造を維持しながら、1フレームの時間をさらに2分割するためのフラグ(UDW3のb7)を用意することで、60Hzの倍のフレーム周波数、すなわち120Hzのフレーム周波数に対応することができる。
また、この時間情報データパケットの構造は、フレーム周波数60Hz以下のフレームの場合と互換性があるから、現行のフレーム周波数60Hz以下の映像信号を対象とする映像信号送受信システムを前提にして、フレーム周波数60Hzを超える映像信号を対象とする映像信号送受信システムを容易に実現することができる。例えば、後述するベーシックストリーム生成部12は、フレーム周波数120Hzに対応した時間情報データパケットを、フレーム周波数120Hzの映像信号であるベーシックストリームに多重した場合、これをフレーム周波数60Hzの映像信号に変換するには、時間情報データパケットのUDW3の7ビット目に0または1が格納された時間情報データパケットを検出し、これに対応するベーシックストリームのみを抽出すればよい。
図4に戻って、時間情報データパケット生成手段16は、ステップS405において、UDWの領域等に各種データを格納することで、図7及び図8に示した時間情報データパケットを生成する。尚、時間情報データパケット生成手段16は、時間情報データパケットを生成する際に、図6に示したとおり、1ワードにつき2ビットを付加し、1ワードあたりのビット長を10ビットから12ビットに拡張する。
このように、時間情報データパケット生成部14−1により、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコード(時刻及びフレーム番号)が生成され、タイムコードのフレーム番号が、時間情報データパケットの所定領域(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びに、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1)に格納され、タイムコードの時刻が、時間情報データパケットの所定領域に格納される。これにより、タイムコードを含む時間情報データパケットが生成される。
(ベーシックストリーム生成部12)
次に、図3に示したベーシックストリーム生成部12について詳細に説明する。前述のとおり、ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージ生成部11により生成されたベーシックイメージに含まれる画素のラインデータ等を、ベーシックストリームの有効映像領域等に格納すると共に、時間情報データパケット生成部14−1により生成された時間情報データパケットを、ベーシックストリームの補助データ領域に格納する。これにより、タイムコードが映像信号に多重される。
図10は、ベーシックストリームのフレーム構造を示す図であり、図11は、ベーシックストリームのライン構造を示す図である。尚、図10及び図11に示すベーシックストリームのフレーム構造及びライン構造は、前記非特許文献2(ARIB STD−B58)に規定されている。
図10に示すベーシックストリームのフレームは、図11に示すベーシックストリームのラインを複数(1125ライン(ライン番号1〜1125))組み合わせることにより構成される。ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージを用いてベーシックストリームを生成する際に、必要なタイミング基準及びライン番号等の制御データを格納する領域と共に、補助データ領域を付加する。映像信号は、ベーシックイメージから取り出された画素のラインデータとして、有効映像領域(有効ライン)に格納され、時間情報データパケットは、補助データが格納される領域(補助データ領域)に格納される。EAV等の制御データは既知であるから、ここでは説明を省略する。
ここで、図7(2)に示した時間情報データパケットは、例えば、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームであって、図10に示したベーシックストリームのフレーム構造内の補助データ領域(ライン番号1〜1125のうちのサンプル番号1928〜2195)のうち、図10の斜め線に示した領域内のライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の領域(23ワード長の領域)に格納される。時間情報データパケットは、図7(2)に示したとおり、23ワード長のパケットである。
尚、1フレームの映像信号は、当該映像信号送信装置1−1から複数の10Gリンク信号として送信され、1本の10Gリンク信号は、複数のベーシックストリームにより構成される。つまり、時間情報データパケットは、1フレームの映像信号に対応する複数の10Gリンク信号のうちの1番目に送信される10Gリンク信号に多重される。また、時間情報データパケットは、1番目の10Gリンク信号において、当該10Gリンク信号を構成する複数のベーシックストリームのうちの1番目に送信されるベーシックストリームに多重される。
図9は、ベーシックストリーム生成部12の処理を示すフローチャートである。まず、ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージ生成部11からベーシックイメージを入力すると共に(ステップS901)、時間情報データパケット生成部14−1から時間情報データパケットを入力する(ステップS902)。
ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックイメージから画素のラインデータを取り出し、ベーシックストリームのライン構造の有効ライン(有効映像領域)に格納する(ステップS903)。ベーシックストリーム生成部12は、この処理をラインデータ毎に行う。これにより、ベーシックイメージの全ての画素は、ベーシックストリームのフレーム構造の有効映像領域に格納される。
また、ベーシックストリーム生成部12は、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームを作成する際に、時間情報データパケットを、ベーシックストリームのライン構造の補助データ領域(ライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納する(ステップS904)。また、ベーシックストリーム生成部12は、EAV等の制御データを所定領域に格納し(ステップS905)、ベーシックストリームを生成する(ステップS906)。
この場合、ベーシックストリーム生成部12は、ベーシックストリームのフレームを構成する際に、時間情報データパケットを補助データ領域に格納した後に、当該時間情報データパケットに対応するフレームのベーシックイメージから取り出した画素のラインデータを有効映像領域に格納する。つまり、ベーシックストリームのフレーム構造において、時間情報データパケットは、ベーシックイメージから取り出した画素のラインデータよりも時間的に先に伝送されるライン番号に対応した領域に格納される。
ここで、タイムコードは、図3に示したタイムコード生成手段15により、映像信号のフレーム周波数に同期して生成されるから、時間情報データパケットも、図3に示した時間情報データパケット生成手段16により、映像信号のフレーム周波数に同期して生成される。このため、ベーシックストリーム生成部12において、ベーシックストリームの有効映像領域に格納される画素のラインデータに対応するフレームと、ベーシックストリームの補助データ領域に格納される時間情報データパケットとは、必然的に同期することになる。したがって、ベーシックストリーム生成部12は、時間情報データパケットを、ベーシックイメージから取り出した画素のラインデータよりも時間的に先に伝送されるライン番号に対応した補助データ領域に格納することができる。
図9に戻って、ベーシックストリーム生成部12は、生成したベーシックストリームをリンク信号生成部13に出力する(ステップS907)。
このように、ベーシックストリーム生成部12により、ベーシックストリームの補助データ領域に、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードが多重される。
以上のように、実施例1の映像信号送信装置1−1によれば、時間情報データパケット生成部14−1のタイムコード生成手段15は、当該映像信号送信装置1−1の内部時計を用いて、映像信号のフレーム周波数に同期した時刻及びフレーム番号を含むタイムコードを生成するようにした。そして、時間情報データパケット生成手段16は、テーブル17から、タイムコードのフレーム番号に対応するビットデータ(フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータ)を読み出し、これらのビットデータを、時間情報データパケットの所定領域に格納すると共に、タイムコードの時刻を所定領域に格納することで、時間情報データパケットを生成する。
ベーシックストリーム生成部12は、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームを作成する際に、時間情報データパケットを、ベーシックストリームのライン構造の補助データ領域(ライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納するようにした。
これにより、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードは、ベーシックストリームの補助データ領域に多重される。つまり、SHVを含む超高精細映像を伝送するための所定のシリアルデジタルインタフェースを用いる際に、1本のシリアルデジタルインタフェースにより、映像信号だけでなく、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを同時に送信することができる。その結果、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードを送受信することができ、放送設備同士で映像信号を送受信する場合、映像信号を記録装置に記録する場合、編集機を用いて映像を編集する場合等において、利便性が向上する。
また、時間情報データパケットは、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームにおいて、ライン構造の所定の補助データ領域に格納するようにした。これにより、10Gリンク信号を受信する後述する映像信号受信装置2−1は、当該10Gリンク信号及び当該ベーシックストリームのみから時間情報データパケットを抽出すればよいから、簡易な処理で済み、当該映像信号受信装置2−1のハードウェア構成を簡略化できる。
また、時間情報データパケットは、フレーム周波数120Hzの場合に加え、フレーム周波数60Hzの場合にも適用があるから、UHDTV用の映像信号のタイムコードを伝送する際に、両フレーム周波数に対して互換性のあるパケットとして用いることができる。例えば、フレーム周波数120Hzの映像信号のタイムコードが、時間情報データパケットに格納されて伝送される場合、フレーム周波数60Hzのタイミングで時間情報データパケットを抽出することにより、フレーム周波数120Hzに対応した時間情報データパケットからフレーム周波数60Hzに対応した時間情報データパケットを抽出することができる。後述する映像信号受信装置2−1及び実施例2についても同様である。
(映像信号受信装置2−1)
次に、図1に示した実施例1の映像信号受信装置2−1について詳細に説明する。図12は、映像信号受信装置2−1の構成を示すブロック図である。この映像信号受信装置2−1は、ベーシックストリーム復元部20、ベーシックイメージ復元部21、サブイメージ復元部22、ソースイメージ復元部23及び時間情報データパケット復元部24−1を備えている。
ベーシックストリーム復元部20は、映像信号送信装置1−2から10Gリンク信号を入力し、図3に示したリンク信号生成部13の逆の処理により、10Gリンク信号に対して復号処理等を施し、1本の10Gリンク信号につき所定数のベーシックストリームを復元する。そして、ベーシックストリーム復元部20は、復元したベーシックストリームをベーシックイメージ復元部21及び時間情報データパケット復元部24−1に出力する。
ベーシックイメージ復元部21は、ベーシックストリーム復元部20により復元されたベーシックストリームを入力し、図3に示したベーシックストリーム生成部12の逆の処理により、ベーシックストリームの有効映像領域から映像信号のデータである画素のラインデータを抽出し、抽出した画素のラインデータを所定の順序で配列してベーシックイメージを復元する。そして、ベーシックイメージ復元部21は、復元したベーシックイメージをサブイメージ復元部22に出力する。
サブイメージ復元部22は、ベーシックイメージ復元部21により復元されたベーシックイメージを入力し、図3に示したベーシックイメージ生成部11の逆の処理により、複数のベーシックイメージを所定の順序で合成し、サブイメージを復元する。そして、サブイメージ復元部22は、復元したサブイメージをソースイメージ復元部23に出力する。
ソースイメージ復元部23は、サブイメージ復元部22により復元されたサブイメージを入力し、図3に示したサブイメージ生成部10の逆の処理により、複数のサブイメージを、所定の順序で合成し、ソースイメージを復元する。これにより、色信号コンポーネント毎のソースイメージが復元される。そして、ソースイメージ復元部23は、復元した色信号コンポーネント毎のソースイメージを、元の映像信号として出力する。
時間情報データパケット復元部24−1は、ベーシックストリーム復元部20により復元されたベーシックストリームを入力し、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットの所定領域からタイムコードを抽出する。これにより、タイムコードが復元される。時間情報データパケット復元部24−1の詳細については後述する。
このように、映像信号受信装置2−1により、受信した10Gリンク信号から、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号及びタイムコードが復元される。
尚、ベーシックストリーム復元部20、ベーシックイメージ復元部21、サブイメージ復元部22及びソースイメージ復元部23の処理の詳細については、映像信号のみを送受信する手法について記載された前記特許文献1及び前記非特許文献2(ARIB STD−B58)を参照されたい。
(時間情報データパケット復元部24−1)
次に、図12に示した時間情報データパケット復元部24−1について詳細に説明する。前述のとおり、時間情報データパケット復元部24−1は、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットの所定領域からタイムコードを抽出する。図12に示すように、この時間情報データパケット復元部24−1は、時間情報データパケット抽出手段25、タイムコード復元手段26及びテーブル27を備えている。
図13は、時間情報データパケット復元部24−1の処理を示すフローチャートである。まず、時間情報データパケット復元部24−1の時間情報データパケット抽出手段25は、ベーシックストリーム復元部20からベーシックストリームを入力する(ステップS1301)。
時間情報データパケット抽出手段25は、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出する(ステップS1302)。そして、時間情報データパケット抽出手段25は、時間情報データパケットをタイムコード復元手段26に出力する。
具体的には、時間情報データパケット抽出手段25は、ベーシックストリームの補助データ領域に格納されたデータに対し、連続する3ワードのデータが、図6に示したADFであり、かつ、その次の1ワードのデータにおける上位10ビットのデータが、図7(1)に示したDID(260h)に合致するか否かを判定する。時間情報データパケット抽出手段25は、前記判定処理により合致したことを判定した場合、ADFを先頭とした連続する23ワード長のデータを時間情報データパケットとして抽出する。
これにより、映像信号受信装置2−1が受信した複数の10Gリンク信号(1フレームに対応する複数の10Gリンク信号)のうち1番目の10Gリンク信号において、1番目のベーシックストリームの補助データ領域のうちライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域に格納された時間情報データパケットが抽出される。この時間情報データパケットは、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームの補助データ領域のみに格納されており、複数の領域から抽出する必要がない。したがって、複数のデータを組み合わせて時間情報データパケットを生成する処理が不要になり、簡易な処理で済む。
タイムコード復元手段26は、時間情報データパケット抽出手段25から時間情報データパケットを入力し、時間情報データパケットの所定領域(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びに、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1)からビットデータを抽出する(ステップS1303)。
タイムコード復元手段26は、テーブル27から、ステップS1303にて抽出したビットデータに対応するフレーム番号を読み出す(ステップS1304)。テーブル27の構成は、図5(1)(2)に示したテーブル17の構成と同様である。タイムコード復元手段26は、フレーム周波数120Hzの場合、図5(1)に示したテーブル17と同じ構成のテーブル27を用い、フレーム周波数60Hzの場合、図5(2)に示したテーブル17と同じ構成のテーブル27を用いる。これにより、ビットデータに対応するフレーム番号が特定される。
尚、映像信号のフレーム周波数は、入力する10Gリンク信号のペイロードIDに基づいて設定される。
タイムコード復元手段26は、時間情報データパケットの所定のUDWの領域に格納されたデータを抽出し、時刻を特定する(ステップS1305)。尚、時刻は、図4のステップS404の処理により、所定のUDWの領域に格納されている。
タイムコード復元手段26は、ステップS1304にて読み出したフレーム番号及びステップS1305にて特定した時刻を含むタイムコードを生成し(ステップS1306)、生成したタイムコードを出力する(ステップS1307)。これにより、タイムコードは、表示装置等に表示することができる。
このように、時間情報データパケット復元部24−1により、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットが抽出され、時間情報データパケットの所定領域(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びに、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1)からビットデータが抽出され、時間情報データパケットの所定領域のデータから時刻が特定され、ビットデータに対応するフレーム番号及び時刻を含むタイムコードが生成される。これにより、フレーム番号及び時刻を含むタイムコードが復元される。
以上のように、実施例1の映像信号受信装置2−1によれば、時間情報データパケット復元部24−1の時間情報データパケット抽出手段25は、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出するようにした。そして、タイムコード復元手段26は、時間情報データパケットの所定領域(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5、並びに、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1)からビットデータを抽出し、テーブル27から、ビットデータに対応するフレーム番号を読み出し、時間情報データパケットの所定領域のデータから時刻を特定し、フレーム番号及び時刻を含むタイムコードを復元する。
これにより、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードは、ベーシックストリームの補助データ領域から抽出されて復元される。つまり、SHVを含む超高精細映像を伝送するための所定のシリアルデジタルインタフェースを用いる際に、1本のシリアルデジタルインタフェースにより、映像信号だけでなく、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを同時に受信して復元することができる。その結果、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードを送受信することができ、放送設備同士で映像信号を送受信する場合、映像信号を記録装置に記録する場合、編集機を用いて映像を編集する場合等において、利便性が向上する。
また、時間情報データパケットは、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームにおいて、ライン構造の所定の補助データ領域から抽出される。これにより、当該10Gリンク信号及び当該ベーシックストリームのみから時間情報データパケットが抽出されるから、全ての10Gリンク信号または全てのベーシックストリームに対して、時間情報データパケットを抽出する処理を行う必要がない。したがって、簡易な処理で済み、当該映像信号受信装置2−1のハードウェア構成を簡略化できる。
〔実施例2〕
次に、図2に示した実施例2の映像信号送信装置1−2、映像信号受信装置2−2及びタイムコード送信装置3について説明する。前述のとおり、タイムコード送信装置3は、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコードを生成し、タイムコードを時間情報データパケットに格納し、時間情報データパケットをHD−SDI信号に格納する。映像信号送信装置1−2は、HD−SDI信号から時間情報データパケットを抽出し、映像信号に時間情報データパケットを格納して10Gリンク信号を送信し、映像信号受信装置2−2は、10Gリンク信号から時間情報データパケットを復元し、時間情報データパケットをHD−SDI信号に格納して出力する。
(タイムコード送信装置3)
まず、図2に示した実施例2のタイムコード送信装置3について説明する。図14は、タイムコード送信装置3の構成を示すブロック図である。このタイムコード送信装置3は、タイムコード生成手段30、時間情報データパケット生成手段31、テーブル32及びHD−SDI信号生成手段33を備えている。
タイムコード生成手段30、時間情報データパケット生成手段31及びテーブル32は、図3に示した実施例1の映像信号送信装置1−1の時間情報データパケット生成部14−1に備えたタイムコード生成手段15、時間情報データパケット生成手段16及びテーブル17とそれぞれ同じである。
図15は、タイムコード送信装置3の処理を示すフローチャートである。図15に示すタイムコード生成手段30によるステップS1501の処理は、図4に示したタイムコード生成手段15によるステップS401の処理と同じである。また、図15に示す時間情報データパケット生成手段31によるステップS1502〜ステップS1505の処理は、図4に示した時間情報データパケット生成手段16によるステップS402〜ステップS405の処理と同じである。ステップS1501〜ステップS1505の処理については説明を省略する。
HD−SDI信号生成手段33は、時間情報データパケット生成手段31から時間情報データパケットを入力し、時間情報データパケットを、HD−SDI信号の補助データ領域(フレーム周波数120Hzの場合、ライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納し(ステップS1506)、HD−SDI信号を生成する(ステップS1507)。
尚、HD−SDI信号生成手段33は、フレーム周波数60Hzの場合、時間情報データパケットを、HD−SDI信号の補助データ領域(ライン番号9,571のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納する。
図16は、HD−SDI信号の構造を示す図であり、図17は、フレーム周波数120Hzの場合のHD−SDI信号に対する時間情報データパケットの多重位置を説明する図である。尚、HD−SDI信号の構造は、ARIB規格(BTA S−005)に規定されている。
HD−SDI信号は、フレーム周波数30Hzに対応した信号である。図16に示すHD−SDI信号は、フレーム周波数60Hzの映像信号の2フレームを、1/30秒のライン番号1〜1125内の所定の有効映像領域に格納される構造として示されており、サンプル番号1928〜2195の領域に補助データ領域が付加されている。
図17を参照して、フレーム周波数120Hzの場合、1/30秒間で4枚のフレームが伝送される。そこで、HD−SDI信号生成手段33は、1/30秒間で、HD−SDI信号の所定のライン番号(4つのライン番号)における補助データ領域に、4個の時間情報データパケットを格納する。これにより、フレーム周波数120Hzの映像信号のフレームに対応した時間情報データパケットを、HD−SDI信号に多重することができる。
具体的には、HD−SDI信号生成手段33は、HD−SDI信号をライン毎に生成するときに、ライン番号9のHD−SDI信号を生成する際に、例えばフレーム番号0に対応する時間情報データパケットを、サンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域に格納する。また、HD−SDI信号生成手段33は、ライン番号290のHD−SDI信号を生成する際に、フレーム番号1に対応する時間情報データパケットを、サンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域に格納する。同様に、HD−SDI信号生成手段33は、ライン番号571,852のHD−SDI信号を生成する際に、フレーム番号2,3に対応する時間情報データパケットを、サンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域にそれぞれ格納する。
この場合、HD−SDI信号生成手段33が1/30秒のタイミングでHD−SDI信号を生成する際に、時間情報データパケットを補助データ領域に格納した後のタイミングにおいて、当該時間情報データパケットに対応する映像信号のフレームが伝送される。つまり、1/30秒のHD−SDI信号において、時間情報データパケットは、当該時間情報データパケットに対応する映像信号のフレームよりも時間的に先に伝送されるライン番号に対応した補助データ領域に格納される。
ここで、タイムコードは、図14に示したタイムコード生成手段30により、映像信号のフレーム周波数に同期して生成されるから、時間情報データパケットも、図14に示した時間情報データパケット生成手段31により、映像信号のフレーム周波数に同期して生成される。このため、HD−SDI信号生成手段33において、伝送される映像信号のフレームと、HD−SDI信号の補助データ領域に格納される時間情報データパケットとは、必然的に同期することになる。
一方で、ライン番号1〜1125の1/30秒間で4枚のフレームが伝送されるから、各フレームのタイミングは、ライン番号10.5,291.75,573,854.25となる。つまり、これらのライン番号は、時間情報データパケットが格納されるライン番号9,290,571,852よりも大きい値である。
したがって、HD−SDI信号生成手段33は、時間情報データパケットを、当該時間情報データパケットに対応する映像信号のフレームよりも時間的に先に伝送されるライン番号に対応した補助データ領域に格納することができる。
図15に戻って、HD−SDI信号生成手段33は、ステップS1507にて生成したHD−SDI信号を映像信号送信装置1−2へ送信する(ステップS1508)。
このように、HD−SDI信号生成手段33により、HD-SDI信号の補助データ領域に、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードが多重される。
以上のように、実施例2のタイムコード送信装置3によれば、タイムコード生成手段30は、当該タイムコード送信装置3の内部時計を用いて、映像信号のフレーム周波数に同期した時刻及びフレーム番号を含むタイムコードを生成するようにした。そして、時間情報データパケット生成手段31は、テーブル32から、タイムコードのフレーム番号に対応するビットデータ(フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータ)を読み出し、これらのビットデータを、時間情報データパケットの所定領域に格納すると共に、タイムコードの時刻を所定領域に格納することで、時間情報データパケットを生成する。
これにより、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを含む時間情報データパケットが生成され、当該時間情報データパケットを送信することができる。
また、HD−SDI信号生成手段33は、時間情報データパケットを、HD−SDI信号の補助データ領域(フレーム周波数120Hzの場合、ライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納し、HD−SDI信号を生成するようにした。
これにより、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードは、HD−SDI信号の補助データ領域に多重される。そして、タイムコード送信装置3は、時間情報データパケットを含むHD-SDI信号を、後述する映像信号送信装置1−2へ送信することで、映像信号送信装置1−2に対し、時間情報データパケットに含まれるタイムコードを、当該タイムコードに同期した映像信号のベーシックストリームに多重させることができる。
つまり、後述する映像信号送信装置1−2がSHVを含む超高精細映像を伝送するための所定のシリアルデジタルインタフェースを用いる際に、後述する映像信号送信装置1−2に対し、1本のシリアルデジタルインタフェースにより、映像信号だけでなく、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを同時に送信させることができる。その結果、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードを送受信することができ、放送設備同士で映像信号を送受信する場合、映像信号を記録装置に記録する場合、編集機を用いて映像を編集する場合等において、利便性が向上する。
(映像信号送信装置1−2)
次に、図2に示した実施例2の映像信号送信装置1−2について説明する。図18は、映像信号送信装置1−2の構成を示すブロック図である。この映像信号送信装置1−2は、サブイメージ生成部10、ベーシックイメージ生成部11、ベーシックストリーム生成部12、リンク信号生成部13及び時間情報データパケット生成部14−2を備えている。
図3に示した実施例1の映像信号送信装置1−1と図18に示す実施例2の映像信号送信装置1−2とを比較すると、両映像信号送信装置1−1,1−2は、サブイメージ生成部10、ベーシックイメージ生成部11、ベーシックストリーム生成部12及びリンク信号生成部13を備えている点で同一であるが、映像信号送信装置1−2は、映像信号送信装置1−1の時間情報データパケット生成部14−1とは異なる時間情報データパケット生成部14−2を備えている点で相違する。
図18において、図3と共通する部分には図3と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(時間情報データパケット生成部14−2)
次に、図18に示した時間情報データパケット生成部14−2について詳細に説明する。時間情報データパケット生成部14−2は、タイムコード送信装置3からHD−SDI信号を受信し、HD−SDI信号から時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットの1ワードあたりのビット長を10ビットから12ビットに変換する。そして、時間情報データパケット生成部14−2は、12ビット長を単位とした時間情報データパケットをベーシックストリーム生成部12に出力する。この時間情報データパケット生成部14−2は、時間情報データパケット抽出手段18及び10/12ビット変換手段19を備えている。
図19は、時間情報データパケット生成部14−2の処理を示すフローチャートである。まず、時間情報データパケット生成部14−2の時間情報データパケット抽出手段18は、タイムコード送信装置3からHD−SDI信号を受信し(ステップS1901)、HD−SDI信号の補助領域から時間情報データパケットを抽出する(ステップS1902)。そして、時間情報データパケット抽出手段18は、抽出した時間情報データパケットを10/12ビット変換手段19に出力する。
具体的には、時間情報データパケット抽出手段18は、HD−SDI信号の補助データ領域に格納されたデータに対し、連続する3ワードのデータが、図6に示したADFであり、かつ、その次の1ワードのデータにおける上位10ビットのデータが、図7(1)に示したDID(260h)に合致するか否かを判定する。時間情報データパケット抽出手段18は、前記判定処理により合致したことを判定した場合、ADFを先頭とした連続する23ワード長のデータを時間情報データパケットとして抽出する。
これにより、映像信号送信装置1−2が入力したHD−SDI信号のうちライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域に格納された時間情報データパケットが抽出される。
10/12ビット変換手段19は、時間情報データパケット抽出手段18から時間情報データパケットを入力し、時間情報データパケットにおける1ワードあたりのビット長を、10ビットから12ビットに変換する(ステップS1903)。具体的には、10/12ビット変換手段19は、図6に示したとおり、時間情報データパケットの1ワードにつき2ビットを付加し、1ワードあたりのビット長を10ビットから12ビットに拡張することで、12ビット長を単位とした時間情報データパケットを生成する。そして、10/12ビット変換手段19は、12ビット長を単位とした時間情報データパケットをベーシックストリーム生成部12に出力する(ステップS1904)。
このように、時間情報データパケット生成部14−2により、HD−SDI信号から、映像信号のフレーム周波数に同期したタイムコード(時刻及びフレーム番号)を含む時間情報データパケットが抽出され、時間情報データパケットのビット長が変換され、12ビット長を単位とした時間情報データパケットが生成される。
以上のように、実施例2の映像信号送信装置1−2によれば、時間情報データパケット生成部14−2の時間情報データパケット抽出手段18は、タイムコード送信装置3により生成されたHD−SDI信号の補助データ領域(ライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域)から、時間情報データパケットを抽出するようにした。そして、10/12ビット変換手段19は、時間情報データパケットにおける1ワードあたりのビット長を10ビットから12ビットに変換する。
ベーシックストリーム生成部12は、実施例1と同様に、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームを作成する際に、時間情報データパケットを、ベーシックストリームのライン構造の補助データ領域(ライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納するようにした。
これにより、実施例1と同様の効果を奏する。また、10/12ビット変換手段19により、10ビット/ワードで規定されるHDTV用のHD−SDI信号のインタフェースに適用する時間情報データパケットは、図6に示した補助データパケットとの互換性を保つように、12ビット/ワードで規定されるUHDTV用のインタフェースに適用する時間情報データパケットに変換される。したがって、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードとして、映像信号に多重することができる。
すなわち、SHVを含む超高精細映像を伝送するための所定のシリアルデジタルインタフェースを用いる際に、1本のシリアルデジタルインタフェースにより、映像信号だけでなく、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを同時に送信することができる。また、実施例1と同様に、10Gリンク信号を受信する後述する映像信号受信装置2−2のハードウェア構成を簡略化できる。
(映像信号受信装置2−2)
次に、図2に示した実施例2の映像信号受信装置2−2について詳細に説明する。図20は、映像信号受信装置2−2の構成を示すブロック図である。この映像信号受信装置2−2は、ベーシックストリーム復元部20、ベーシックイメージ復元部21、サブイメージ復元部22、ソースイメージ復元部23及び時間情報データパケット復元部24−2を備えている。
図12に示した実施例1の映像信号受信装置2−1と図20に示す実施例2の映像信号受信装置2−2とを比較すると、両映像信号受信装置2−1,2−2は、ベーシックストリーム復元部20、ベーシックイメージ復元部21、サブイメージ復元部22及びソースイメージ復元部23を備えている点で同一であるが、映像信号受信装置2−2は、映像信号受信装置2−1の時間情報データパケット復元部24−1とは異なる時間情報データパケット復元部24−2を備えている点で相違する。
図20において、図12と共通する部分には図12と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(時間情報データパケット復元部24−2)
次に、図20に示した時間情報データパケット復元部24−2について詳細に説明する。時間情報データパケット復元部24−2は、ベーシックストリーム復元部20により復元されたベーシックストリームを入力し、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出し、時間情報データパケットにおける1ワードあたりのビット長を12ビットから10ビットに変換し、HD−SDI信号を生成する。この時間情報データパケット復元部24−2は、時間情報データパケット抽出手段25、12/10ビット変換手段28及びHD−SDI信号生成手段29を備えている。
図21は、時間情報データパケット復元部24−2の処理を示すフローチャートである。まず、時間情報データパケット復元部24−2の時間情報データパケット抽出手段25は、図13のステップS1301と同様に、ベーシックストリーム復元部20からベーシックストリームを入力する(ステップS2101)。そして、時間情報データパケット抽出手段25は、図13のステップS1302と同様に、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出する(ステップS2102)。時間情報データパケット抽出手段25は、時間情報データパケットを12/10ビット変換手段28に出力する。
12/10ビット変換手段28は、時間情報データパケット抽出手段25から時間情報データパケットを入力し、時間情報データパケットにおける1ワードあたりのビット長を、12ビットから10ビットに変換する(ステップS2103)。具体的には、12/10ビット変換手段28は、図6に示したとおり、時間情報データパケットの1ワードにつき2ビットを削除し、1ワードあたりのビット長を12ビットから10ビットに縮小することで、10ビット長を単位とした時間情報データパケットを生成する。そして、12/10ビット変換手段28は、10ビット長を単位とした時間情報データパケットをHD−SDI信号生成手段29に出力する。
HD−SDI信号生成手段29は、12/10ビット変換手段28から時間情報データパケットを入力し、図14に示したHD−SDI信号生成手段33と同様の処理(図15のステップS1506及びステップS1507の処理)を行う。すなわち、HD−SDI信号生成手段29は、時間情報データパケットを、HD−SDI信号の補助データ領域(フレーム周波数120Hzの場合、ライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の領域)に格納し(ステップS2104)、HD−SDI信号を生成する(ステップS2105)。そして、HD−SDI信号生成手段29は、生成したHD−SDI信号を外部の表示装置等へ送信する(ステップS2106)。
この場合、HD−SDI信号生成手段29は、図14に示したHD−SDI信号生成手段33と同様に、時間情報データパケットを、当該時間情報データパケットに対応する映像信号のフレームよりも早い時間のライン番号に対応した補助データ領域に格納することができる。つまり、映像信号のフレームに同期したHD−SDI信号が生成され、送信される。
このように、時間情報データパケット復元部24−2により、映像信号のベーシックストリームから時間情報データパケットが復元され、HD-SDI信号の補助データ領域に、映像信号のフレーム単位で遷移するタイムコードが多重される。
以上のように、実施例2の映像信号受信装置2−2によれば、時間情報データパケット復元部24−2の時間情報データパケット抽出手段25は、ベーシックストリームの補助データ領域から時間情報データパケットを抽出するようにした。そして、12/10ビット変換手段28は、時間情報データパケットにおける1ワードあたりのビット長を10ビットに変換し、HD−SDI信号生成手段29は、時間情報データパケットを、HD−SDI信号の補助データ領域に格納し、HD−SDI信号を生成するようにした。
これにより、実施例1と同様の効果を奏する。また、12/10ビット変換手段28により、12ビット/ワードで規定されるUHDTV用のインタフェースに適用する時間情報データパケットは、図6に示した補助データパケットとの互換性を保つように、10ビット/ワードで規定されるHDTV用のHD−SDI信号のインタフェースに適用する時間情報データパケットに変換される。したがって、HD−SDI信号を用いてタイムコードを送信し、画面表示することができる。
すなわち、SHVを含む超高精細映像を伝送するための所定のシリアルデジタルインタフェースを用いる際に、1本のシリアルデジタルインタフェースにより、映像信号だけでなく、60Hzを超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを同時に受信することができる。また、実施例1と同様に、当該映像信号受信装置2−2のハードウェア構成を簡略化できる。
以上、実施例1,2を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施例1,2では、映像信号送信装置1−1,1−2のベーシックストリーム生成部12は、1番目の10Gリンク信号における1番目のベーシックストリームを作成する際に、時間情報データパケットを、当該ベーシックストリームのライン構造におけるライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域に格納するようにした。本発明は、時間情報データパケットを格納するベーシックストリームの補助データ領域を、ライン番号9のうちのサンプル番号1928〜1950の領域に限定するものではなく、ライン番号1〜41のうちのサンプル番号1928〜2195の領域(図10の斜線の領域)のうち、23ワード長の領域であればどこでもよい。要するに、ベーシックストリーム生成部12は、時間情報データパケットを、ベーシックイメージから取り出した画素のラインデータを格納する有効映像領域よりも早い時間のライン番号に対応した補助データ領域に格納すればよい。
また、ベーシックストリーム生成部12は、時間情報データパケットを、1フレームの映像信号に対応する複数の10Gリンク信号のうち1番目の10Gリンク信号であって、当該10Gリンク信号を構成する複数のベーシックストリームのうち1番目のベーシックストリームに格納するようにした。本発明は、時間情報データパケットの格納先を、1番目の10Gリンク信号に限定するものではなく、2番目以降の10Gリンク信号の任意のベーシックストリームに格納するようにしてもよい。この場合、時間情報データパケットの格納先を特定したうえで、映像信号送信装置1−1,1−2及び映像信号受信装置2−1,2−2を設計することにより、ハードウェア構成を簡素化することができる。
また、前記実施例2では、タイムコード送信装置3のHD−SDI信号生成手段33は、時間情報データパケットを、HD−SDI信号におけるライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の23ワード長の補助データ領域に格納するようにした。本発明は、時間情報データパケットを格納するHD−SDI信号の補助データ領域を、ライン番号9,290,571,852のうちのサンプル番号1928〜1950の領域に限定するものではなく、ライン番号9,290,571,852におけるサンプル番号1928〜2195の領域のうち、23ワード長の領域であればどこでもよい。また、本発明では、時間情報データパケットを、ライン番号9,290,571,852よりも早い番号の補助データ領域に格納すればよい。要するに、HD−SDI信号生成手段33は、時間情報データパケットを、当該時間情報データパケットに対応する映像信号のフレームよりも早い時間のライン番号に対応した補助データ領域に格納すればよい。
また、前記実施例1では、映像信号送信装置1−1の時間情報データパケット生成部14−1に備えた時間情報データパケット生成手段16は、テーブル17から、フレーム番号に対応するフレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータを読み出すようにした。これに対し、時間情報データパケット生成手段16は、予め設定された数式を用いて、フレーム番号をパラメータとして、フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータを算出するようにしてもよい。実施例2におけるタイムコード送信装置3の時間情報データパケット生成手段31についても同様である。
また、前記実施例1では、映像信号受信装置2−1の時間情報データパケット復元部24−1に備えたタイムコード復元手段26は、テーブル27から、フレームラベル(UDW1のb4〜b7及びUDW3のb4,b5)、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータに対応するフレーム番号を読み出すようにした。これに対し、タイムコード復元手段26は、予め設定された数式を用いて、フレームラベル、UDW3のb7、UDW7のb7及びDBB1のビットデータをパラメータとして、フレーム番号を算出するようにしてもよい。
また、前記実施例2では、タイムコード送信装置3は、時間情報データパケットをHD−SDI信号に格納し、時間情報データパケットを含むHD−SDI信号を映像信号送信装置1−2へ送信するようにした。これに加え、タイムコード送信装置3は、時間情報データパケットを含むHD−SDI信号を、タイムコードを表示する表示装置へ送信するようにしてもよい。
また、前記実施例2の映像信号送受信システムは、図2に示したように、映像信号送信装置1−2、映像信号受信装置2−2及びタイムコード送信装置3を備えて構成される。実施例2の変形例として、さらに、映像信号受信装置2−2からHD−SDI信号を受信するタイムコード受信装置5を備えるようにしてもよい。この場合、映像信号受信装置2−2及びタイムコード受信装置5により映像信号受信システムが構成される。
図22は、HD−SDI信号を受信するタイムコード受信装置5の構成を示すブロック図である。このタイムコード受信装置5は、図12に示した時間情報データパケット復元部24−1の構成と同じように、時間情報データパケット抽出手段34、タイムコード復元手段35及びテーブル36を備える。時間情報データパケット抽出手段34は、図12に示した時間情報データパケット抽出手段25において、ベーシックストリームを入力する代わりに、映像信号受信装置2−2からHD−SDI信号を受信する。そして、時間情報データパケット抽出手段34は、時間情報データパケット抽出手段25と同様に、HD−SDI信号の補助データ領域から時間情報データパケットを抽出する。
タイムコード復元手段35は、図12に示したタイムコード復元手段26と同様に、時間情報データパケットの所定領域からビットデータを抽出し、テーブル36から、ビットデータに対応するフレーム番号を読み出す。そして、タイムコード復元手段35は、時間情報データパケットの所定のUDWの領域に格納されたデータを抽出して時刻を特定し、フレーム番号及び時刻を含むタイムコードを生成して出力する。テーブル36の構成は、図12に示したテーブル27と同様に、図5(1)(2)に示したテーブル17の構成と同じである。
また、前記実施例1,2では、映像信号のフレーム周波数が120Hzの例を挙げて、フレーム周波数60Hzを120Hzに拡張する場合について説明した。一般に、映像信号のフレーム周波数を60Hzと表記する場合、60Hzまたは60/1.001Hzのどちらかが用いられる。また、映像信号のフレーム周波数を120Hzと表記する場合、120Hzまたは120/1.001Hzのどちらかが用いられる。したがって、前記実施例1,2は、フレーム周波数60/1.001Hzを120/1.001Hzに拡張する場合についても適用がある。つまり、本発明は、SHVを含む超高精細映像を伝送するためのシリアルデジタルインタフェースが規定された前記非特許文献2(ARIB STD−B58)の方式において、フレーム周波数60Hz(または60/1.001Hz)及び当該フレーム周波数60Hz(または60/1.001Hz)を超える映像信号のフレーム周波数に対応したタイムコードを伝送する場合に適用がある。