JP6453793B2 - 骨盤支持具及び椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、骨盤支持具及びに関する。
従来、座り姿勢を良くすることを目的とし、腰や背中への負担の軽減やより良い座り姿勢の保持を図る椅子や補助具が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、座面のうち座ったときに臀部および太腿部と接触する部分が実質的に人体の曲面に合わせて形成されている凹陥部と、座面のうち座ったときに仙尾骨が当接する箇所であって凹陥部の一部を含んで形成されている穴部と、を含む座り装置(椅子)が開示されている。特許文献1に開示されている座り装置では、人体と座面との接触面積が増大することによって人体にかかる荷重が分散され、太腿部および臀部へ加わる圧迫力が軽減される。また、仙尾骨へは荷重がかからない。従って、長時間座った状態でも着座者に対する痛みや疲労が軽減される。
また、特許文献2には、椅子及び座席の背もたれに装着され、下方から上方へ向けた弾性のある多数の突起を施した背もたれ部マットと、椅子及び座席の座面に装着され、奥から手前へ向けた弾性のある多数の突起を施した座面部マットからなる、椅子及び座席に装着するためのマットが開示されている。特許文献1に開示されているマットでは、下方から上方へ向く方向と奥から手前へ向く方向との二方向の弾性によって着座者の腰部が牽引され、腰への負担が軽減されると共に腰痛が緩和される。
特許第2832705号公報 特開2005−288130号公報
理想的な座り姿勢では、図1(a),(b)に示すように、骨盤Hが立っていることが重要である。骨盤Hが立っている状態では、側面視において、図1(b)に示すように、着座者Uの背骨Bが自然なS字カーブSLを描いている。このとき、着座者Uの胸椎Eと仙骨Fが共通して胸部から背中に向かう方向D1に凸となるように弯曲し、且つ頸椎G及び腰椎Lが方向D1とは反対の方向D2(即ち、着座者Uの背中から胸部に向かう方向)に凸となるように弯曲している。このように背骨Bが自然なS字カーブSLを描くとき、側面視において大腿骨頭(図示略)の中心(即ち、大腿骨頭がはまる寛骨臼窩Zの中心Zc)と着座者Uの頭部側から七番目の頸椎G7が共通して水平方向に対して垂直をなす仮想線Y上に配置されている。
上述の特許文献1,2に開示されている座り装置や椅子及び座席に装着するためのマットをはじめとする従来の椅子や補助具は、「骨盤を立たせて保持する」という視点で構成されていない。そのため、従来の椅子や補助具では、着座者の骨盤を確実に立たせることが難しく、仮に立たせたとしても長時間にわたり骨盤を安定して立たせることは難しいという問題があった。そのため、従来の椅子や補助具に長時間着座すると、着座者の骨盤が前側(即ち、胸側)に倒れた状態になり、背筋に負担がかかり、腰痛を引き起こす、或いは着座者の骨盤が後側(即ち、背中側)に倒れた状態になり、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症を引き起こすおそれがあった。
本発明者は、図1(a),(b)に示すように骨盤Hが立つためには、腸骨Jが着座者Uの後外方から体の幅方向内側に押圧されると共に安定して支持され、坐骨Kが水平方向に拡開することが重要である点に着眼し、着座者Uの理想的な座り姿勢について検討を重ねた。そして、本発明者は、着座者Uの骨盤Hを立たせて保持し、理想的な座り姿勢とするためには、着座者Uの骨盤Hを立てて座ったときの坐骨Kの位置を保持すること、着座者Uの大腿部Cの先端部(即ち、膝側の部分であり、図示略)より基端部Ca(大腿部の後側、又は殿部側)を先端部(図示略)よりもやや高く保持すること、そして着座者Uの一対の腸骨Jを後外方から体の中心に向けて押圧及び支持することが有益であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、骨盤を安定して立たせ、長時間でも理想的な座り姿勢を保つことができる骨盤支持具及びを提供する
本発明に係る骨盤支持具は、着座することによって着座者の骨盤を支持する骨盤支持具であって、前記着座者の腸骨を後外方から前記着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持可能に構成された腸骨押圧支持部と、前記着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く保持可能に構成された大腿部保持部と、前記着座者の大腿部間に介在されると共に前記着座者の坐骨を前記着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部と、座部と、を備え、前記腸骨押圧支持部は、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部から上方に立ち上げられた軸部と、前記軸部の先端部に設けられ且つ前記着座者の腸骨に後外方から当接すると共に前記着座者の幅方向中央に向けて押圧可能に構成された湾曲部とを備えていることを特徴とする。
また、上述の骨盤支持具では、前記軸部は、前記座部側に屈曲又は屈折可能に構成されていることが好ましい。
また、上述の骨盤支持具は、座部を備え、前記大腿部保持部は、前記座部の上面に設けられ、前記着座者の大腿部を載置可能に形成された凹部であり、各々の前記凹部の底端では、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部の前記座部の上面からの高さが最も高く、前記凹部同士の間隔は前記基端部に近づくに従って小とされていることが好ましい。
また、上述の骨盤支持具において、前記大腿部保持部には、前記凹部内で移動可能に構成され、前記座部に対して着脱可能に構成された深さ調節部が設けられていることが好ましい。
また、上述の骨盤支持具は、座部を備え、前記坐骨拡開保持部は、前記座部の上面から上方に向けて突出する凸部であり、前記凸部の幅寸法は、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部から先端部に向かうに従って大とされていることが好ましい。
本発明に係る椅子は、上述の骨盤支持具を備えていることを特徴とする。
本発明に係る椅子は、着座することによって着座者の骨盤を支持する椅子であって、前記椅子の着座者の腸骨を後外方から前記着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持する腸骨押圧支持部と、前記着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く保持可能に構成されている大腿部保持部と、前記着座者の大腿部間に介在されるとともに着座者の坐骨を前記着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部と、座部と、を備え、前記大腿部保持部は、前記座部の上面に設けられ、前記着座者の大腿部を載置可能に形成された凹部であり、各々の前記凹部の底端では、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部の前記座部の上面からの高さが最も高く、前記凹部同士の間隔は前記基端部に近づくに従って小とされ、前記大腿部保持部には、前記凹部内で移動可能に構成され、前記座部に対して着脱可能に構成された深さ調節部が設けられていることを特徴とする。
本発明の骨盤支持具、椅子及び骨盤支持方法によれば、腸骨押圧支持部によって着座者の腸骨が後外方から互いに近接する方向に押圧されると共に互いに近接するように押圧された状態で支持され、一対の坐骨が互いに離間する方向に拡開する。これにより、骨盤の仙骨と上から七番目の頸椎が同一の仮想線上に配置され、その配置が安定し、着座者の理想的な座り姿勢が保持される。従って、着座者の骨盤を立たせると共に骨盤が立った状態を長時間でも安定して保持し、理想的な座り姿勢を実現することができる。
椅子やその付属物に着座した着座者の理想的な座り姿勢を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 本発明に係る骨盤支持具の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る骨盤支持具の一実施形態を示す模式図であり、腸骨押圧支持部30が前側に折り畳まれた状態を示す図である。 図2に示す骨盤支持具を装着した椅子に着座者が着座したときの姿勢及び骨の配置を示す模式図である。 図2に示す骨盤支持具を装着した椅子に着座者が着座したときの姿勢及び骨の配置を示す模式図であり、図4に示すR5領域を後側から見たときの拡大図である。 本発明に係る椅子の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明に係る骨盤支持具、椅子及び骨盤支持方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更できる。
本発明を適用した一実施形態である骨盤支持具1は、椅子に取り付け可能に構成された骨盤支持具であって、図1(a),(b)に示す着座者Uの理想的な座り姿勢を実現するためのものである。
図2に示すように、骨盤支持具1は、着座者の腸骨を後外方から着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持可能に構成された腸骨押圧支持部30と、着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く保持可能に構成された大腿部保持部20と、着座者の大腿部間に介在されると共に着座者の坐骨を着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部10と、を備えている。
骨盤支持具1は、例えば不図示の椅子の座面に取り付け可能に構成された座部2を備えている。なお、座部2は椅子等の座面に取り付けられなくてもよく、屋内、縁側等の床面に直接載置され、単独で使用されてもよく、その他の形態で配置されてもよい。
以下、座部2において着座者の背中側に配置される側を「後側」とし、着座者の背中側とは反対側に配置される側を「前側」とする。また、前側と後側とを前後する方向を前後方向D3とし、前後方向D3及び鉛直方向に直交する方向を左右方向(着座者の幅方向)D4とする。
座部2の高さ寸法は、後側から前側に向かうに従って小となっている。座部2の底面2bは、例えば椅子等の座面に当接することで略水平に配される。従って、座部2の上面2aは、後側から前側に向って下降するように傾斜している。座部2の上面2aの水平方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、骨盤後傾の補正を良好に行う点から、着座者の骨格等を勘案して適宜設定されており、例えば2°以上30°以下であることが好ましい。
腸骨押圧支持部30は、座部2に装着された軸部32,33と、軸部32の上端部(先端部)32xに設けられた湾曲部34によって構成されている。このような構成により、腸骨押圧支持部30は、着座者の腸骨を後外方から着座者の幅方向中央(即ち、左右方向D4における着座者の中央側)に向けて押圧及び支持可能に構成されている。
図5に示すように、左右方向に延びる軸部33の中心部は、座部2の左右方向の中心部に固定されている。軸部33の長さ寸法は、着座者Uの腸骨Jの幅寸法等を勘案して適当に設定され、腸骨Jの後側上部の幅広い部分の中心間の距離と略同等であることが好ましい。なお、腸骨Jの大きさや間隔には個人差があるため、軸部33は、左右方向において長さ寸法を調節するためのスライド部36を備えていることが好ましい。
軸部32は、軸部33の両端部33p,33qの各々に連なり、両端部33p,33qを基端とし、回転軸38を介して鉛直方向に沿って上方に延びるように設けられている。軸部32の長さ寸法は、着座者の腸骨の高さ寸法等を勘案して適当に設定されていることが好ましい。なお、腸骨の高さ寸法には個人差があるため、軸部32は、長さ寸法を調節するためのスライド部40を備えていることが好ましい。
湾曲部34は、着座者Uの腸骨J及び尻部の形状等を勘案して設計され、外周端から内方に向かうに従って後側にやや湾曲している(図2参照)。湾曲部34の背面34zにおいて最も後側に凸である部分は、回転軸42を介して、軸部32の上端部32xに連なっている。湾曲部34は、図4及び図5に示すように、着座者Uの腸骨Jの後外側上部の幅広い部分を主に後外方から包み込むように当接すると共に、腸骨Jを着座者Uの左右方向D4における中心BCに近接させるように押圧可能に構成されている。
上述した構成を備える腸骨押圧支持部30において、軸部32は長手方向の途中で前側に屈曲可能又は屈折可能とされていることが好ましい。軸部32が前側に屈曲又は屈折することで、図3に示すように、湾曲部34は前側へと、及び凹部22の上方に移動する。このように腸骨押圧支持部30が折り畳まれる際には、軸部32の屈曲位置又は屈折位置が座部2の背面2zの上端と略同じ位置であることが好ましい。また、腸骨押圧支持部30が折り畳まれた際に、湾曲部34が凹部22の内部に収容可能とされていることが好ましい。このように軸部32、湾曲部34、その他の構成の寸法等が適宜調節可能とされることで、腸骨押圧支持部30が折り畳まれた状態の骨盤支持具1の小型化、骨盤支持具1の搬送及び保管の効率化が図られる。
対をなす腸骨の大きさや間隔は着座者によって異なるが、図5に示すように、着座者Uによらず腸骨Jの押圧及び支持をより安定させる点から、腸骨押圧支持部30においては、上述のようにスライド部36を用いて軸部33の長さ寸法が調節可能とされ、スライド部40を用いて軸部32の長さ寸法が調節可能とされている。また、回転軸38を用いて、軸部33の両端部33p,33qのそれぞれを中心とした軸部33に対する軸部32の相対角度が調節可能とされている。さらに、回転軸42を用いて、軸部32の上端部32xを中心とした軸部32に対する湾曲部34の相対角度が調整可能とされている。これらの各部材の長さ寸法や相対角度を調節することで、湾曲部34が着座者Uの腸骨Jに対してより安定して後外方から当接すると共に、腸骨Jが着座者Uの中心BCに向けて押圧及び支持される。
軸部32,33及び回転軸38,42の材質は、特に限定されないが、着座者が凹部22に大腿部を配して着座した際に、湾曲部34を介して各部材にかかる荷重に対し、元の形状及び姿勢を維持可能な材質及び構成が好ましい。座部2の材質としては、例えば、ステンレス(SUS)、木材、アルミ合金、合成樹脂、ポリウレタンフォーム等が挙げられる。
湾曲部34の材質及び構成等は、特に限定されないが、着座者の腸骨を押圧及び支持するために尻部等に当接したときに、適度な柔軟性、衝撃吸収性を発揮し得ると共に、腸骨を押圧及び支持可能となるように適度な強度を有するものが好ましい。湾曲部34の材質及び構成としては、例えば、合成樹脂、シリコン、エアーマット、ポリウレタンフォーム、合成ゴム(エクスジェル)、超柔軟性特殊素材(アクションパッド)等が挙げられる。
図2に示すように、大腿部保持部20は、座部2の上面2aに設けられた凹部22及び深さ調節部24によって構成されている。このような構成により、大腿部保持部20は、凹部22及び深さ調節部24によって着座者の大腿部の膝側より骨盤側を高く保持可能に構成されている。
凹部22,22は、座部2の上面2aに、着座者の大腿部の下部を配置できるように対をなして形成されている。凹部22の内面22iは、大腿部に当接可能となるように大腿部の輪郭に沿って形成されている。凹部22において、後側に位置する基端部22cの座部2の上面2aからの高さが最も高く、基端部22cから先端部22dに向うに従って凹部22の底端22eの高さが低くなるように形成されている。このような凹部22の前後方向D3における傾斜によって、着座者Uの大腿部Cは骨盤Hに向かう程高く配置され、それにより骨盤Hが立った姿勢が安定して保持される。凹部22の底端22eの前後方向における傾斜角度は、特に限定されないが、骨盤後傾の補正を良好に行う点から、例えば2°以上30°以下であることが好ましい。
凹部22同士の左右方向D4における間隔は基端部22cに向かうに従って小とされ、基端部22cの左右方向D4の内側で凹部22同士が接している。なお、凹部22同士の左右方向D4における間隔や凹部22同士が接する位置は、着座者の体格や成長、大腿部の配置等を勘案して上述の位置等から適宜変更可能である。
座部2の材質は、特に限定されないが、着座者が凹部22に大腿部を載置して着座した際に座部2にかかる荷重に対して元の形状を維持可能な材質及び構成が好ましい。座部2の材質としては、例えば、形状記憶マット、スポンジ、エラストマー、ポリウレタンフォーム、合成ゴム(エクスジェル)、エアーマット等が挙げられる。
深さ調節部24は、凹部22に着脱可能、且つ凹部22の内面22iに沿って移動可能に設けられている。例えば、深さ調節部24は、凹部22の基端部22c付近に設置されているが、着座者の体格や成長に合わせて凹部22の底端22eに沿って前側に移動させて、着座者にとって最適に配置可能とされ、適宜取り外されてもよい。
深さ調節部24の上面24aの略中心部には、凹部26が形成されている。凹部26の形状は、着座者の坐骨が安定して嵌るように設定されている。
なお、深さ調節部は、図2に例示した深さ調節部24に限定されず、凹部22への装着時において、着座者の坐骨の開きを安定させ、凹部22の内面22i及び深さ調節部の上面を着座者の大腿部に当接させるように凹部の深さ等を調整可能な構造を備えていればよい。また、このような深さ調節部と深さ調節部24が併用されてもよい。
坐骨拡開保持部10は、座部2に設けられた凸部12によって構成されている。このような構成により、坐骨拡開保持部10は、凸部12によって着座者の大腿部間に介在されると共に着座者の坐骨を左右方向D4方向に沿って拡開可能に構成されており、着座者の坐骨を適度に開いた状態で保持する。
凸部12は、一対の凹部22の間に介在し、座部2の上面2aから上方に向けて突出するように設けられている。凸部12の幅寸法(即ち、凸部12の左右方向D4における寸法)は、基端部12cから先端部12dに従って大とされている。このような構成によって、大腿部保持部20に着座者の大腿部が配された際に、凸部12が着座者の大腿部間に介在し、着座者の坐骨が自然に且つ適度に拡開した状態で保持される。図2に示すように、座部2の上面視において基端部12cを中心とする凸部12の拡がり角度φは、特に限定されないが、着座者の坐骨の開きを適度に設定する点から、例えば5°以上45°以下であることが好ましい。また、座部2の先端側からの正面視断面において凸部12の上端を中心とする拡がり角度θは、特に限定されないが、着座者の坐骨の開きを適度に設定する点から、例えば120°以上178°以下であることが好ましい。
図4に示すように、骨盤支持具1を使用する際には、椅子Iや座席等の座面S上に、骨盤支持具1の座部2を設置すればよい。座部2には、椅子Iとの接続を保持及び解除自在な接続部(図示略)が設けられていてもよい。着座者Uは、大腿部Cを凹部22に合わせ、深さ調節部24の凹部26に坐骨を嵌めるようにして着座する。このように着座するだけで、着座者Uの骨盤Hを立たせ、理想的な座り姿勢をとると共に、長時間にわたっても理想的な座り姿勢を保つことができる。
次いで、本発明に係る椅子について説明する。
本発明を適用した一実施形態である椅子50は、上述の骨盤支持具1を備えている。但し、図6に示すように、本発明を適用した一実施形態である椅子50では、座部52に凹部22及び凸部12が直接形成されていてもよい。即ち、大腿部保持部20及び坐骨拡開保持部10は、座部52と一体的に形成されていてもよい。
また、本発明を適用した一実施形態である椅子は、着座することによって着座者の骨盤を支持する椅子であって、座部2と、背もたれ部52と、着座者の腸骨を後外方から着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持する腸骨押圧支持部30と、着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く傾斜させ、保持可能に構成されている大腿部保持部20と、着座者の大腿部間に介在されるとともに着座者の坐骨を前記着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部10と、を備えている。
次いで、本発明に係る骨盤支持方法について説明する。
本発明に係る骨盤支持方法は、着座することによって着座者の骨盤を支持する骨盤支持方法であって、着座者の腸骨を後外方から着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持する腸骨押圧支持工程と、着座者の大腿部の膝側より骨盤側の大腿部を高く保持する大腿部保持工程と、着座者の大腿部間に坐骨拡開保持部を介在させて坐骨を拡開させて保持する坐骨拡開保持工程と、を備えている。
以上説明した本実施形態の骨盤支持具1及び椅子50によれば、図4及び図5に示すように、腸骨押圧支持部30によって、骨盤支持具1に着座した着座者Uの仙骨Fが後外方から着座者Uの幅方向中央(即ち、左右方向の中心BC)に向けて互いに近接させる方向D10に押圧されると共に仙骨Fが支持され、押圧及び支持された仙骨Fの姿勢及び位置が保持される。このように仙骨Fの姿勢及び位置が保持されることにより、仙骨Fと着座者Uの坐骨Kが着座者Uの幅方向中央(即ち、左右方向の中心BC)から離間する方向D12に開くため、着座者Uの骨盤Hが自然に立つ。また、大腿部保持部20によって、且つ先端部(大腿部の膝側)Cbから基端部Caに近くなる程高く保持される。さらに、坐骨拡開保持部10によって、着座者Uの大腿部Cが基端部Caを中心に拡開され、拡開した状態の大腿部Cの姿勢も保持される。従って、着座者Uの骨盤Hを自然に立った状態で長時間にわたり安定して保持することができる。
本実施形態の骨盤支持具1によれば、図5に示すように、腸骨押圧支持部30の湾曲部34によって、着座者Uの腸骨Jが後外方から包み込むように当接することで湾曲部34の押圧力が湾曲部34の面方向に分散されながら腸骨Jにかかるので、着座者Uに不快感を与えず、且つ確実に腸骨Jを互いに近接するように押圧して支持することができる。さらに、軸部32,33を設けることで、湾曲部34の位置を着座者Uに合わせることができる。上述したように、軸部32,33にスライド部36,40や回転軸38,42を設けることで、着座者Uの体格、骨格等によらず、湾曲部34を着座者Uの腸骨Jに当接させ、腸骨Jを押圧及び支持することができる。
また、本実施形態の骨盤支持具1によれば、軸部32が屈曲又は屈折可能に構成されているため、腸骨押圧支持部30を前側に折り畳むことができ、骨盤支持具1の小型化を図るとともに、持ち運びや保管を容易にすることができる。
本実施形態の骨盤支持具1によれば、大腿部保持部20を凹部22で構成し、複雑な器具等を併用せず、着座者Uに不快感を与えずに、着座者Uの大腿部Cの基端部Caが最も高くなるように大腿部Cを安定させて保持することができる。
また、本実施形態の骨盤支持具1によれば、大腿部保持部20には深さ調節部24が設けられているので、着座者Uの体格や骨格等に応じて、坐骨Kの配置を微調整することができる。さらに、着座者Uの理想的な座り姿勢をより確実に保持することができる。
本実施形態の骨盤支持具1によれば、坐骨拡開保持部10を凸部12で構成し、複雑な器具等を併用せず、着座者Uに不快感を与えずに、着座者Uの大腿部Cを、基端部Caを中心に拡開させ、拡開した状態の大腿部Cの姿勢を安定して保持することができる。これにより、着座者Uの理想的な座り姿勢をより確実に保持することができる。
また、本実施形態の骨盤支持方法によれば、腸骨押圧支持工程において着座者の腸骨を後外方から着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持するので、坐骨が自然に拡開され、骨盤が立った状態になり、その状態が保持される。次に、大腿部保持工程及び坐骨拡開保持工程において、着座者の膝側の大腿部より骨盤側の大腿部が高く保持され、着座者の大腿部間に介在する坐骨拡開保持部によって坐骨が拡開した状態で安定して長時間にわたり支持される。これにより、着座者の骨盤を自然に立った状態で長時間にわたり安定して保持することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、骨盤支持具1は、座部2の基端部2cから上方に延びる背もたれ部を備え、腸骨押圧支持部30は軸部32,33を備えず、湾曲部34が背もたれ部の前側の面に埋め込まれて形成されていてもよい。
また、骨盤支持具1は、例えば大腿部中央等の所望の部位をマッサージすることが可能なマッサージ部等をさらに備えていてもよい。マッサージ部を備えることで、骨盤支持具1に着座しただけで着座者の理想的な座り姿勢を保持することに加えて、所望の部位のマッサージを行い、リラックス効果を高めることができる。骨盤支持具1は、マッサージ部以外の構成をさらに備えていてもよい。
1…骨盤支持具
2…座部
2a…上面
10…坐骨拡開保持部
20…大腿部保持部
22,26…凹部
24…深さ調節部
30…腸骨押圧支持部
32…軸部
34…湾曲部
50…椅子
C…大腿部
Ca…基端部(大腿部の骨盤側)
Cb…先端部(大腿部の膝側)
H…骨盤
J…腸骨
K…坐骨

Claims (7)

  1. 着座することによって着座者の骨盤を支持する骨盤支持具であって、
    前記着座者の腸骨を後外方から前記着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持可能に構成された腸骨押圧支持部と、
    前記着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く保持可能に構成された大腿部保持部と、
    前記着座者の大腿部間に介在されると共に前記着座者の坐骨を前記着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部と、
    座部と、を備え
    前記腸骨押圧支持部は、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部から上方に立ち上げられた軸部と、前記軸部の先端部に設けられ且つ前記着座者の腸骨に後外方から当接すると共に前記着座者の幅方向中央に向けて押圧可能に構成された湾曲部とを備えていることを特徴とする骨盤支持具。
  2. 前記軸部は、前記座部側に屈曲又は屈折可能に構成されている請求項に記載の骨盤支持具。
  3. 記大腿部保持部は、前記座部の上面に設けられ、前記着座者の大腿部を載置可能に形成された凹部であり、
    各々の前記凹部の底端では、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部の前記座部の上面からの高さが最も高く、
    前記凹部同士の間隔は前記基端部に近づくに従って小とされている請求項1又は請求項に記載の骨盤支持具。
  4. 前記大腿部保持部には、前記凹部内で移動可能に構成され、前記座部に対して着脱可能に構成された深さ調節部が設けられている請求項に記載の骨盤支持具。
  5. 記坐骨拡開保持部は、前記座部の上面から上方に向けて突出する凸部であり、
    前記凸部の幅寸法は、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部から先端部に向かうに従って大とされている請求項1から請求項の何れか一項に記載の骨盤支持具。
  6. 請求項1から請求項の何れか一項に記載の骨盤支持具を備えていることを特徴とする椅子。
  7. 着座することによって着座者の骨盤を支持する椅子であって、
    前記椅子の着座者の腸骨を後外方から前記着座者の幅方向中央に向けて押圧及び支持する腸骨押圧支持部と、
    前記着座者の大腿部の膝側より大腿部の骨盤側を高く保持可能に構成されている大腿部保持部と、
    前記着座者の大腿部間に介在されるとともに着座者の坐骨を前記着座者の幅方向外側に向けて拡開可能に構成された坐骨拡開保持部と、
    座部と、を備え
    前記大腿部保持部は、前記座部の上面に設けられ、前記着座者の大腿部を載置可能に形成された凹部であり、
    各々の前記凹部の底端では、前記座部において前記着座者の背中側に配置される基端部の前記座部の上面からの高さが最も高く、
    前記凹部同士の間隔は前記基端部に近づくに従って小とされ、
    前記大腿部保持部には、前記凹部内で移動可能に構成され、前記座部に対して着脱可能に構成された深さ調節部が設けられていることを特徴とする椅子。
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