JP6453697B2 - 電磁弁組立体及びこの電磁弁組立体の組立方法 - Google Patents

電磁弁組立体及びこの電磁弁組立体の組立方法 Download PDF

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本発明は流体の流れ方向や流量を制御する電磁弁組立体及びこの電磁弁組立体の組立方法に関するものである。
電磁弁組立体は、軸方向の両側に移動可能な可動鉄心と、可動鉄心を軸方向の一方に吸引する磁力を発生させるコイルと、可動鉄心とともに磁気回路を形成する固定鉄心とを備えている。固定鉄心は、可動鉄心の外周面を覆う筒部および可動鉄心を吸引する吸引部を有している。
このような電磁弁組立体の構成は種々提案されており、そのつとして例えば特開2007−182938号公報(特許文献1)には、以下のような構成の電磁弁組立体が提案されている。
すなわちこの電磁弁組立体は、非磁性材によって形成されたカップ状のガイド部材と、このガイド部材の内部に軸方向へ摺動可能に設けられた磁性材の可動鉄心と、ガイド部材の外周側に配置されて、通電されることによって磁力を発生させるコイルと、このコイルに磁力が発生した際に可動鉄心と共に磁路を形成して可動鉄心を軸方向へ吸引する固定鉄心とを備えている。更に、固定鉄心は、ガイド部材の外周側にコイルを覆う形で配置された円筒状の外側ヨークと、この外側ヨークの前端部に当接配置されて、可動鉄心を軸方向へ吸引する吸引部と、可動鉄心の軸方向前端面に対向配置されて、吸引部の磁力を補強する磁力補強部材と、を備えている。
このような構成にすれば、可動鉄心から磁力補強部材を経由しないで固定鉄心の吸引部に入る磁気回路に加えて、可動鉄心から磁力補強部材を経由して固定鉄心の吸引部に入る磁気回路が形成されることになるので強い吸引力が得られ、しかも、その磁力補強部材は、可動鉄心の軸方向の吸引部側の端面に対向して配置されているので、可動鉄心の軸方向の位置が吸引部に近くなっても吸引力が低下することが少なくなるものである。
特開2007−182938号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電磁弁組立体においては、磁気回路を形成する磁力補強部材が特許文献1の図2に示されているように、小径円筒部と大径円筒部から構成され、大径円筒部がバルブボディとカップ状部材のフランジの間に配置され、外側ヨークを外周側からバルブボディに加締めて一体化する構成としている。したがって、バルブボディ、カップ状部材のフランジ及び大径円筒部の3者の軸方向の長さの寸法精度と組み付け精度を正確に管理する必要があり、磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けに関して余計な時間やコストが必要になるという課題があった。このため、磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制することが要請されている。
更に、磁力補強部材を含む電磁駆動部とバルブ機構部を組み付けて一体化する際に、一般的には電磁駆動部を下側の組み付け雇いに載置し、上側からバルブ機構部を組み付けるようにしている。したがって、磁力補強部材が可動鉄心の軸方向前端面に対向配置されているだけなので、磁力補強部材を所定の位置に保持しながら組み付ける必要があり、更には、バルブ機構部のスプールもバルブボディから脱落しない様に保持しながら組み付ける必要があるため、電磁弁組立体の組立が容易にできないという課題があった。このため、電磁弁組立体の組み立てが容易にできる電磁弁組立体の組立方法の確立が要請されている。
本発明の目的は、可動鉄心を軸方向へ吸引する吸引部の磁力を補強する磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制できる新規な電磁弁組立体を提供することにある。
本発明の他の目的は、電磁駆動部とバルブ機構部の組み付けが容易にできる新規な電磁弁組立体の組立方法を提供することにある。
本発明の特徴は、バルブ機構部のバルブボディに形成されたスプール収納室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材を固定したところにある。
また、本発明の他の特徴は、バルブボディのスプール収納室にスプールを収納した後に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材をスプール収納室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側の内周面に固定し、この状態で磁力補強部材側のバルブボディの端面を電磁駆動部と一体化する、ところにある。
本発明の特徴によれば、スプール収納室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側の内周面に磁力補強部材を固定することによって、磁力補強部材がバルブボディと電磁駆動部の間の固定部分に介在しなくなるので、可動鉄心を軸方向へ吸引する吸引部の磁力を補強する磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制できるようになる。
また、本発明の他の特徴によれば、バルブボディのスプール収納室にスプールを収納した後に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材をスプール収納室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側の内周面に固定することによって、スプールがバルブボディから抜け出すことがなくなり、電磁駆動部とバルブ機構部の組み付けが容易にできるようになる。
本発明の電磁弁組立体が使用される可変動弁装置の構成を示す構成図である。 図1に示す油圧切換機構に本発明の実施形態になる電磁弁組立体を組み付けた時の断面図である。 図2に示す電磁弁組立体の要部拡大断面図である。 図2に示す磁力補強部材の第1の実施例を示す斜視図である。 図2に示す磁力補強部材の第2の実施例を示す斜視図である。 図2に示す磁力補強部材の第3の実施例を示す斜視図である。 図2に示す磁力補強部材の第4の実施例を示す斜視図である。 図2に示す磁力補強部材の第5の実施例を示す斜視図である。 図2に示す電磁弁組立体を構成部品毎に分解して斜め上方から見た分解斜視図である。 図5に示す電磁弁組立体の組み付け工程を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明に係る電磁弁組立体の代表的な実施形態を図面に基づいて詳述する。尚、本実施形態では、内燃機関の油圧式の可変動弁装置(以下、バルブタイミング制御装置と表記する)に適用したものを示している。
まず、本発明に係る電磁弁組立体が適用される油圧式バルブタイミング制御装置について説明すれば、このバルブタイミング制御装置1は、図1に示すように、図示しない内燃機関の例えば吸気側のカムシャフト2に設けられ、油圧を利用して図示しないクランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を連続的に変化させる位相変換機構3と、この位相変換機構3に油圧を給排する油圧給排手段4と、この油圧給排手段4の作動を制御する制御手段である電子コントロールユニット5と、を備えている。
位相変換機構3は、外周部に一体に形成された複数の歯部6aをもって図示しないタイミングチェーンを介してクランクシャフトに連係されたハウジング6と、カムシャフト2の端部に一体回転可能に固定され、ハウジング6内においてこのハウジング6と相対回動可能に収容されたベーンロータ7とから構成されている。
そして、ベーンロータ7の外周には、その外周面がハウジング6の内周面に摺接するように構成された、例えば4つのベーン7bが周方向に所定間隔をもって径方向外側に突設されている。
一方、ハウジング6の内周には、その内周面がベーンロータ7の環状基部7aの外周面に摺接する例えば4つのシュー6bが、ベーンロータ7の相対回動範囲に相当する所定間隔をもって径方向内側に突設されている。ハウジング6の内周面と各ベーン7bの間及び環状基部7aと各シュー6bの間はそれぞれ所定のシール部材をもって液密にシールされている。
かかる構成から、ハウジング6とベーンロータ7間には、各ベーン7bによって隔成される一対の作動油室である遅角油室Pr及び進角油室Paが構成されていて、かかる一対の両室Pr、Pa内において、一方側の室に作動油を供給すると共に他方側の室内の作動油を排出することにより、ベーンロータ7の回転位相が制御されるようになっている。尚、複数のベーン7b及びこれに対応する複数のシュー6bの数は4つに限定されるものではなく、内燃機関の仕様等に応じて任意に設定可能である。
また、各ベーン7bの幅の広いベーンには、図示しない付勢部材によりベーンロータ7に対して軸直角方向へ突出するように付勢されたロックピン7cが出没可能に収容されている。ベーンロータ7が最遅角側へと移動した際に対向する図示しないピン係合孔にロックピン7cが係合することで、特に機関停止時において最遅角状態が維持されるようになっている。これによって、機関始動時やアイドル運転時等における機関の安定化に寄与することができる。
油圧給排手段4は、オイルパン9内に貯留された作動油を圧送する油圧供給源であるポンプ8と、このポンプ8によって圧送された作動油を電子コントロールユニット5からの制御信号に応じて遅角油室Pr又は進角油室Paの一方に供給すると共に他方の作動油をオイルパン9へと導く流路切替弁である電磁式油圧切換機構EVと、この電磁式油圧切換機構EV及びオイルパン9と遅角油室Pr及び進角油室Paとを連通する油通路Lとから構成されている。
そして、電磁式油圧切換機構EVを介して遅角油室Pr又は進角油室Paの作動油を給排することでベーンロータ7をハウジング6に対して正逆回転させ、これによって、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を変更するようになっている。
油通路Lは、電磁式油圧切換機構EVの遅角ポートP1(後述する)と遅角油室Prとを連通し、遅角油室Prに対して作動油を給排する遅角通路L1と、電磁式油圧切換機構EVの進角ポートP2(後述する)と進角油室Paとを連通し、進角油室Paに対して作動油を給排する進角通路L2を備えている。
更に、オイルパン9とポンプ8の吸入口とを連通する吸入通路L0と、電磁式油圧切換機構EVの導入ポートP3(後述する)とポンプ8の吐出口とを連通し、ポンプ8により吐出された作動油を位相変換機構3側へと導く導入通路L3と、電磁式油圧切換機構EVにおける後記の排出ポートP4とオイルパン9とを連通し、排出ポートP4から排出された作動油をオイルパン9へと還流するドレン通路L4を備えている。
このようにして、この油通路Lは、2系統に分岐構成されて、これを電磁式油圧切換機構EVによって切り替えるようになっている。
図2に示しているように、電磁式油圧切換機構EVは、いわゆるスライドスプール形の4ポート3位置の電磁式油圧切換機構である。電子コントロールユニット5からの制御電流に基づいて発生する電磁力をもって後述するスプール25を駆動する電磁駆動部11と、スプール25の軸方向位置に応じて後述するバルブボディ24に設けられた各ポートP1〜P4の連通状態を切り替える弁(バルブ)を構成するバルブ機構部23とから構成されている。
そして、このような電磁式油圧切換機構EVは、電磁駆動部11を構成する第1固定鉄心14のフランジ部14bを延長し設けられたステー14cを介して内燃機関10の側部にボルト60によって固定されている。
次に本発明の実施形態になる電磁弁組立体について説明する。この電磁弁組立体は図2に示すように電磁式油圧切換機構EVに使用されているものである。
図2において、電磁駆動部11は、磁性体によりほぼ円筒状に形成された外側ヨーク12と、この外側ヨーク12の内周側に収容配置されたコイル13と、その一端部に有する各フランジ部14b、15bを介して外側ヨーク12の各端部に固定されると共に、その他端側の各筒状部14a、15aがコイル13の内周側に収容され、互いに対峙するよう配置された磁性体からなる第1固定鉄心14及び第2固定鉄心15を備えている。
尚、本実施例では、外側ヨーク12、第1固定鉄心14及び第2固定鉄心15はメッキ鋼板から作られており、プレス加工によって所定の形状に形成されている。また、外側ヨーク12と第2固定鉄心15、或いは外側ヨーク12と第1固定鉄心14を一体的に形成することも可能である。
また、この第1固定鉄心14と第2固定鉄心15の内周側に配置されるカップガイド16の内周部に摺動可能に収容配置された磁性体からなる可動鉄心であるアーマチュア17と、この第1固定鉄心14の内周側に位置し、アーマチュア17の摺動方向と対向するよう配置された筒状の磁力補強部材18と、この磁力補強部材18の内周側に収容され、その一端面がスプール25の他端面に当接すると共に、その他端面がアーマチュア17の一端面に当接するように設けられた非磁性体からなるロッド19とを備えている。
外側ヨーク12は、例えば鉄等の磁性金属材料によってコイル13の外周を囲繞するように構成されていて、軸方向の一端部に設けられた爪部12aを介して、バルブ機構部23を構成するバルブボディ24の一端部に設けられたフランジ部24aに加締め固定されている。
また、一方で、外側ヨーク12の他端部に設けられた爪部12bを介して第2固定鉄心15の一端部に設けられたフランジ部15bに加締め固定されている。
コイル13は、樹脂材料によってほぼ円筒状に形成されたボビン20の外周に巻回され、外側ヨーク12の他端部に固定された樹脂製のコネクタ21及びこれに接続される図示しないハーネスを介して電子コントロールユニット5に接続されている。
そして、この電子コントロールユニット5から通電されることで、外側ヨーク12と第1固定鉄心14、第2固定鉄心15、磁力補強部材18とアーマチュア17とによって磁路が形成され、これによって、第1固定鉄心14、第2固定鉄心15、磁力補強部材18とアーマチュア17の間に磁気吸引力が発生することになる。この磁力補強部材18の詳細は後で詳細に説明する。
ここで、電子コントロールユニット5は、機関の回転数を検出するクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータ等の各種センサ類からの信号に基づいて機関運転状態を検出し、この機関運転状態に応じて電磁式油圧切換機構EVのコイル13に制御電流を通電し又はこれを遮断することで、後述するような油通路Lの切り替えが行われる。
第1固定鉄心14は、例えば鉄等の磁性金属材料によってほぼ円筒状に形成されてなり、軸方向に沿って延出する筒状部14aの後端部に拡径状のフランジ部14bが一体に設けられている。そして、筒状部14aが第2固定鉄心15及びアーマチュア17と対峙するようにしてコイル13(ボビン20)の一端側内周に同軸上に収容配置され、フランジ部14bがボビン20とバルブボディ24とにより挟持された状態で固定されると共に、外側ヨーク12の周壁に磁気結合されている。
また、筒状部14aの先端部外周には、円錐状のテーパ部14dが設けられていて、このテーパ部14dにより、コイル13の通電時には、この通電により発生した磁気吸引力によって第1固定鉄心14にアーマチュア17がひきつけられ、アーマチュア17の移動に伴う磁気吸引力の変化が抑制され、この磁気吸引力を一定とする特性が維持されるようになっている。
一方、第2固定鉄心15も、例えば鉄等の磁性金属材料によりほぼ円筒状に形成されてなり、軸方向へと延出する筒状部15aの後端部に拡径状のフランジ部15bが一体に設けられている。筒状部15aが第1固定鉄心14と対峙するかたちでコイル13(ボビン20)の他端側内周にほぼ同軸上に収容されるようコイル13と一体になるよう成形されており、フランジ部15bが共締め状態に固定されると共に、外側ヨーク12の周壁に磁気結合されている。
カップガイド16は、例えば薄肉の非磁性ステンレス板等の非磁性材料によって第1、第2固定鉄心14、15の内径より僅かに小さい外径を有するほぼ有底円筒状に形成されている。底部が形成されない端面部にフランジ部16aが形成されており、第1固定鉄心14の筒状部14aが形成されない端面のフランジ部14bに接触するよう配置されている。バルブボディ24の軸方向端面との間には周知のOリング22が介装されることにより、それぞれ液密にシールされていて、外部への作動油の漏出が抑制されている。
アーマチュア17は、例えば鉄等の磁性金属材料によってカップガイド16の内径より僅かに小さい外径を有するほぼ円筒状に形成されている。そして、第1固定鉄心14の筒状部14a、第2固定鉄心15の筒状部15aの内周にほぼ同軸上に配置されることで、カップガイド16を介し、この第1固定鉄心14、第2固定鉄心15との間に微小の径方向隙間であるエアギャップ(サイドギャップ)が形成されるようになっている。
また、かかるアーマチュア17の内周部には、所定の内径に設定されたいわゆる呼吸孔17aが、アーマチュア17の軸線方向に沿って貫通形成されている。この呼吸孔17aによって後述するメインギャップに充満した作動油を第2固定鉄心15側へと逃がすことで、作動油中におけるアーマチュア17の軸方向移動が確保されている。
このような構成により、アーマチュア17は、第2固定鉄心15の内周側において、その周壁にガイドされるようにして、第2固定鉄心15に対し相対移動可能となっている。コイル13の通電時には、第1固定鉄心14、磁力補強部材18に形成される磁束により、第1固定鉄心14側へ吸引されることで、その一端が、後述するロッド19のフランジ部19aを介して磁力補強部材18の端部18aの内側面に当接するまでの範囲内で軸方向移動するようになっている。
磁力補強部材18は、鉄などの磁性材料により中空の筒状に形成されたものであって、外周部の一端をバルブボディ24の圧入孔24bに圧入固定されるものである。この場合、磁力補強部材18のアーマチュア17側の端面はカップガイド16のフランジ部16aを越えてカップガイド16の内部まで延びている。したがって、特許文献1のように磁力補強部材が電磁駆動部とバルブ機構部の間の固定部分に介在しない構成となっている。
本実施例では、磁力補強部材18はメッキ鋼板から作られており、プレス加工によって所定の形状に形成されている。また、磁力補強部材18の内周部はスプール25の両端に形成した各ランド部31、32の外径に比べて若干小さい所定の内径に設定されている。これによって、組み付け工程においてスプール25がバルブボディ24から抜け出すことを防止している。
また、圧入端部と異なる端部18aは、コイル13の非通電時には、磁力補強部材18とアーマチュア17との間に、いわゆるエアギャップ(メインギャップ)が形成されており、コイル13の通電時には発生した磁気吸引力によって第1固定鉄心14、磁力補強部材18にアーマチュア17が吸引されるものである。また、アーマチュア17の最大移動量は端部18aによって規制されるようになっている。
ロッド19は、スプール25とアーマチュア17の間に配置されており、例えば樹脂材料等の非磁性材料により形成されている。そして、アーマチュア17側の端部にフランジ部19aが形成され、スプール25側の端部に径方向に内周部と連通し等間隔に設けられた切欠き部19bを有する筒状に形成されたものである。
また、ロッド19は磁力補強部材18の内周側に相対的に移動可能に収容配置されており、スプール25の端面のランド部32に設けられた第1収容孔25aに圧入固定されると共に、リターンスプリング26の付勢力に基づくスプール25側からの押圧力によってアーマチュア17側へと常時付勢されている。
そして、フランジ部19a側の端面がアーマチュア17の対向端面に常時当接し、これにより、ロッド19はアーマチュア17及びスプール25と一体となって移動するようになっている。また、このロッド19の外周には、フランジ部19aの近傍に径方向へ延びる連通孔19cが周方向にほぼ等間隔に設けられ、この連通孔19cはロッド19に形成した内部通路と接続されており、これら連通孔19cをもって、第1固定鉄心14の内周面との間に、作動油が通流する油通路が構成されるようになっている。
したがって、ロッド19が軸方向へ移動する際、第1固定鉄心14の内周部の作動油は内部通路を介し、スプール25の排出通路25bへ排出されることでロッド19の軸方向移動が確保されている。
更に、フランジ部19aは磁力補強部材18の端部18aと当接することで、ロッド19の進出移動時の最大移動量を規制するストッパとして機能する。また、このフランジ部19aによりアーマチュア17の呼吸孔17aの一端開口縁を当接させることで呼吸孔17aとロッド19の内部通路の接続性の向上が図られている。また、ロッド19の切欠き部19bは、図2に示す遅角ポートP1から流入した作動油をロッド19の内部通路を介してスプール25の排出通路25bへ排出させる。
バルブ機構部23は、図2に示すように各通路L1〜L4に接続される各ポートP1〜P4を有するバルブボディ24と、バルブボディ24内に摺動可能に収容配置され、その軸方向位置によって各ポートP1〜P4の連通状態を切り替えるスプール25とを備えている。以下、バルブ機構部23の構成について説明する。
バルブボディ24は、例えばアルミニウム等の非磁性金属材料によってほぼ円筒状に形成されていて、電磁駆動部11側の一端部に拡径形成されたフランジ部24aを介して、外側ヨーク12の爪部12aによって第1固定鉄心14のフランジ部14bと共にボビン20の一端部に共締め固定されている。上述したように、フランジ部24aと第1固定鉄心14のフランジ部14bとの間には、特許文献1のように磁力補強部材18が介在しておらず、フランジ部24aと第1固定鉄心14のフランジ部14bは直接的に当接してボビン20の一端部に共締め固定されている。
そして、このバルブボディ24のフランジ部24aの内周面には磁力補強部材18の外周が圧入、固定される圧入孔24bが形成されている。したがって、この圧入孔24bに磁力補強部材18が圧入されて図2の状態に構成されている。また、バルブボディ24の内周側にスプール25を摺動可能に収容し、圧入孔24bの内径に比べて若干小さい所定の内径に設定されたスプール収容室24cが軸線方向に沿って設けられている。
また、スプール収容室24cの周壁には、図2に示すように遅角通路L1と接続する遅角ポートP1、進角通路L2と接続する進角ポートP2及び導入通路L3と接続する導入ポートP3が、それぞれ周方向に沿って一定の軸方向幅をもって貫通形成されると共に、その他端壁には、ドレン通路L4と接続する排出ポートP4が軸線方向に沿って貫通形成されている。なお、この遅角ポートP1、進角ポートP2及び導入ポートP3は、それぞれ周方向において対抗するよう2つずつ設けられている。
スプール収容室24cは、スプール25の各ランド部31、32の外径よりも僅かに大きい内径に設定されることで各ランド部31、32の外周面と摺接するように構成されていて、その一端には排出ポートP4と連通するドレン室27が形成されている。このドレン室27は、スプール収容室24cの内径に対して段差状に拡径形成されていて、スプール25を電磁駆動部11側へ常時付勢するコイルスプリングであるリターンスプリング26が収容配置されている。
このリターンスプリング26は、その一端がドレン室27の壁面に着座する一方、スプール25のランド部31に設けられた第2収容孔25cに着座するかたちで、バルブボディ24とスプール25との間に弾装されている。
遅角ポートP1は、バルブボディ24の一端側においてスプール収容室24c内に臨むように設けられ、スプール25の第2ランド部32により開閉可能に構成されている。一方、進角ポートP2は、バルブボディ24の他端側においてスプール収容室24c内に臨むように設けられ、スプール25の第1ランド部31により開閉可能に構成されている。
また、導入ポートP3は、遅角ポートP1と進角ポートP2との間であってスプール25の各ランド部31、32のいずれにも閉塞されない軸方向位置において、スプール収容室24c内における後記の第1、第2ランド部31、32間に形成される導入室28に臨むように設けられている。
スプール25には、その移動範囲において導入ポートP3に常時対向する位置に段差状に縮径して形成され、バルブボディ24の内径に比べて若干小さい所定の外径に設定された小径部30と、この小径部30の軸方向両側に遅角ポートP1及び進角ポートP2と対向するように設けられ、バルブボディ24の内径とほぼ同一の外径に設定された第1ランド部31及び第2ランド部32と、スプール25の内周側に貫通形成された排出通路25bと、両端部に排出通路25bに比べて若干大きい所定の内径および深さに形成された第1収容孔25aと第2収容孔25cと、が設けられている。また、スプール25のランド部31,32の間には作動油を各ポートに導入する導入室28が形成されている。
第1、第2ランド部31、32は、それぞれ対応する各ポートP1、P2の軸方向幅よりも大きい所定の軸方向幅に設定されている。
排出通路25bは、スプール25の軸方向に沿って貫通形成されており、図1に示す遅角油室Prから排出された作動油を、ロッド19及び排出通路25bを通じてバルブボディ24の一端側に設けられた排出ポートP4へ導くようになっている。このように、スプール25の両端側を、排出通路25bを介して連通可能に構成して、排出ポートP4をバルブボディ24の他端側にのみ設ける構成としている。これによって、排出ポートP4をバルブボディ24の両端側に設ける場合に比べ、バルブボディ24の軸方向長さを短縮することが可能となり、電磁式油圧切換機構EVの小型化に寄与している。
また、スプール25に設けられた第1収容孔25a第2収容孔25cは同一の内径と深さに設定されており、前述した第1、第2ランド部31、32が同一の軸方向幅であるため、スプール25がスプール収容室24cに軸方向反対側に配置された場合、すなわち遅角ポートP1を第1ランド部31で、進角ポートP2を第2ランド部32で切り換えを行った場合でも同一の切り替え特性を得ることができる。つまりは組立時スプール25の軸方向の向きを管理せずに組立が可能である。
以下、本実施形態に係る電磁式油圧切換機構EVの動作について簡単に説明する。まず、電磁式油圧切換機構EVは、例えば機関始動時ないしアイドル運転時など電子コントロールユニット5からコイル13に制御電流が通電されない状態では、スプール25にはリターンスプリング26の付勢力のみが作用するため、スプール25は、ロッド19を介してアーマチュア17を図中で右側に押し出して最も後退した状態となる。
このような状態にあっては、両ポートP1、P2に対し両ランド部31、32も右側に偏倚した状態となり、遅角ポートP1が導入室28を介して導入ポートP3と連通する一方、進角ポートP2が排出ポートP4と直接連通することとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角油室Prに作動油が供給されると共に、進角油室Paの作動油が排出されることとなり、カムシャフト2の相対回転位相が最遅角側に制御され、機関の良好な始動性や、アイドル運転時の機関の安定性及び燃費向上等に寄与する。
続いて、例えば通常運転に移行して所定の運転状態で保持されることになると、スプール25を中間位置で保持するような所定の制御電流がコイル13に通電され、コイル13の周囲に磁界が発生し、このコイル13の周囲に設けられた外側ヨーク12及び第1固定鉄心14、第2固定鉄心15、磁力補強部材18に形成された磁束に基づいてアーマチュア17が第1固定鉄心14側へと吸引されることとなる。
すなわち、アーマチュア17がロッド19を介してスプール25を図中で左側に押し出し、スプール25をリターンスプリング26の付勢力に抗して進出移動することで、スプール25が中間位置へ進出した状態となる。かかる状態では、遅角ポートP1が第2ランド部32により閉塞されると共に、進角ポートP2が第1ランド部31により閉塞されることとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角油室Pr及び進角油室Paの両室内の油圧が保持され、例えばポンプ8等の無駄なエネルギ消費の削減に寄与する。
更に、例えば高回転運転状態へと移行した場合などは、最大の制御電流がコイル13に通電され、吸引力が最大となることから、アーマチュア17、ロッド19及びスプール25がリターンスプリング26の付勢力に抗して更に左側に進出することにより、最も進出した状態となる。
かかる状態では、両ポートP1、P2に対し両ランド部31、32が左側に最大に偏倚した状態となって、遅角ポートP1がドレン室27、排出通路25b及び切欠き部19bを介して排出ポートP4と連通する一方、進角ポートP2が導入室28を介して導入ポートP3と連通することとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角油室Prの作動油が排出されると共に、進角油室Paに作動油が供給されることとなり、カムシャフト2の相対回転位相が最進角側に制御され、機関の高出力化に寄与する。
次に、本実施形態に関する磁力補強部材18の詳細について図3に基づき説明する。図3は図2に示す電磁弁組立体の磁力補強部材18付近を拡大した断面を示している。
上述したように、磁力補強部材18はバルブボディ24のフランジ部24aに形成されている圧入孔24bに圧入、固定されている。尚、圧入せずに溶接や接着等の固定方法で磁力補強部材18とバルブボディ24のフランジ部24を固定することも可能である。ただ、本実施例では磁力補強部材18は鉄等の磁性材料で作られ、バルブボディ24はアルミニウム等の非磁性金属材料で作られているので、圧入によって固定するのが望ましい。
コイル13に制御電流が供給されると、図3に示すように外側ヨーク12、第2固定鉄心15、アーマチュア17から磁力補強部材18を経由しないで第1固定鉄心14のテーパ部14dに入る第1の磁気回路Mg1が形成される。また、その第1の磁気回路Mg1に加えて、外側ヨーク12、第2固定鉄心15、アーマチュア17から磁力補強部材18を経由して第1固定鉄心14に入る第2の磁気回路Mg2も形成される。この第2の磁気回路Mg2によって、アーマチュア17の端面と磁力補強部材18の対向面との間に吸引力が発生する。このため、第1の磁気回路Mg1しか形成されない場合に比較して、吸引力が更に増加することになる。
尚、特許文献1のように、磁力補強部材を小径円筒部と大径円筒部から構成し、大径円筒部がバルブボディとカップ状部材のフランジの間に配置され、外側ヨークを外周側からバルブボディに加締めて一体化する構成とすると、バルブボディ、カップ状部材のフランジ及び大径円筒部の3者の軸方向の長さの寸法精度と組み付け精度を正確に管理する必要があり、磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けに関して余計な時間やコストが必要になるという課題があった。
これに対して、本実施例においては、磁力補強部材18の外周部の一端をバルブボディ24の圧入孔24bに圧入固定しているものである。そして、磁力補強部材18のアーマチュア17側の端面はカップガイド16のフランジ部16aを越えてカップガイド16の内部まで延びている。したがって、特許文献1のように磁力補強部材が電磁駆動部とバルブ機構部の間の固定部分に介在しない構成となっている。これによって、磁力補強部材18の寸法精度や組み付け精度をそれほど厳密に管理する必要がなく、磁力補強部材18の製造や、磁力補強部材18の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制できるようになるものである。
また、本実施例ではアーマチュア17を吸引する第1固定鉄心14、磁力補強部材18の形状が簡素化され、メッキ鋼板を用いてプレス加工のみで製作可能であり、プレスなどの塑性加工後の機械加工や、防錆を目的とした機械加工後のめっき処理などが不要となり、生産性を向上させることができる。
ここで、磁極補強部材18はバルブボディ24のフランジ部24aに形成した圧入孔24bに圧入されているが、その長さLgは第1固定鉄心14のフランジ部14bの配置位置を越えてアーマチュア17側に延びている。すなわち、フランジ部14bのコイル13側の表面よりΔLだけコイル13側に延びており、フランジ部14bの厚さLfに重なるようになっている。これによって第2の磁気回路Mg2の磁束が通りやすくなっている。
磁力補強部材18の内径Dgiはスプール25のランド部32の外径Dbより小さく設定されており、スプール25をバルブボディ24のスプール収容室24cに収納した後に、磁力補強部材18をバルブボディ24のフランジ部24aの圧入孔24bに圧入することで、磁力補強部材18によってスプール25がバルブボディ24から抜け出すことを防止することができる。
また、磁力補強部材18の内径Dgiはロッド19の外径Drより大きく設定されており、両者にはΔDの隙間が形成されている。これによって、ロッド19は磁力補強部材18に対して自由に動くことができる。そして、磁力補強部材18をフランジ部24aの圧入孔24bに圧入、固定した後に、ロッド19をスプール25のランド部32の第1収容孔25aに圧入、固定する場合も、問題なくロッド19をランド部32の第1収容孔25aに組み付けることができる。
更に、磁力補強部材18の外径Dgoはカップガイド16の内径より僅かに小さく設定されており、しかも磁力補強部材18は第1固定鉄心14のフランジ部14bを越えて延びているので、組み付けに際しての案内構造(いんろう構造)としても利用できるものである。
次に、磁力補強部材18の具体的な形状について図4A〜図4Eを用いて説明する。尚、これらの磁力補強部材18はメッキ鋼板によって作られているものである。
図4Aに示す磁力補強部材18は円筒の形状をしており、絞り加工によって形成されているものである。このように単なる円筒状であるため、部品として簡単な形状であるため製造単価を低く抑えることができる。
図4Bに示す磁力補強部材18は円筒の形状をしており、平板を巻き加工して形成されているものである。したがって、磁力補強部材18の軸方向の突き合わせ面に隙間18fが形成されることになる。この構成によれば、絞り加工より更に安価に形成でき、また径方向の弾性力があるので、フランジ部24aの圧入孔24bに圧入する際の公差を緩和できる。更に、隙間18fによって作動油がロッド19の間に流れ易くなり潤滑性を向上できるようになる。
図4Cに示す磁力補強部材18は円筒の形状をしており、絞り加工によって形成されているものである。そして、アーマチュア17に対向する対向面18bが形成されている。この構成によれば、対向面18bによって磁束が通る面積が増えてアーマチュア17に対する吸着面を大きくできるようになる。
図4Dに示す磁力補強部材18は円筒の形状をしており、絞り加工によって形成されているものである。そして、フランジ部24aの圧入孔24bに圧入される側には複数の切り欠き18cが形成されている。この構成によれば、径方向の弾性力があるので、フランジ部24aの圧入孔24bに圧入する際の公差を緩和できる。
図4Eに示す磁力補強部材18は円筒の形状をしており、絞り加工によって形成されているものである。そして、小径部18dと大径部18eとが形成されている。この構成によれば、フランジ部24aの圧入孔24bの径が大きい場合に、大径部18eを利用して圧入することができる。
以上述べた通り本実施例は、バルブ機構部のバルブボディに形成されたスプール収容室の電磁駆動部のアーマチュア(可動鉄心)と対向する側に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材を固定したところにある。これによれば、スプール収容室の電磁駆動部のアーマチュアと対向する側の内周面に磁力補強部材を固定することによって、磁力補強部材がバルブボディと電磁駆動部の間の固定部分に介在しなくなるので、アーマチュアを軸方向へ吸引する吸引部の磁力を補強する磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制できるようになる。
次に本実施例になる電磁弁組立体の組立方法について説明する。図5に示すように本実施例になる電磁弁組立体は、バルブ機構部23と電磁駆動部11とから構成されている。
バルブ機構部23は、バルブボディ24の内部空間にリターンスプリング26、スプール25、磁力補強部材18、Oリング及びロッド19が収納されている。また、電磁駆動部11は、外側ヨーク12内にコネクタ21、第2固定鉄心15及びコイル13が収納され、更にコイル13内にカップガイド16、アーマチュア17が収納され、その上から第1固定鉄心14、Oリング22が固定されている。そして、これらは図6に示す工程を経て組み付けられるものである。
図6において、行程1ではコネクタ21、コイル13、第2固定鉄心15を合成樹脂でモールドして一体的に形成し、その後に外側ヨーク12内に収納して爪部12bを加締めて一体化する。次に、行程2ではコネクタ21を下側に反転して組み付け雇いに載置する。反転する理由は、バルブ機構部11の加締めを行うこと、及びカップガイド16やアーマチュア17を下側に落ちないように保持するためである。この工程2で、第1固定鉄心14が外側ヨーク12及び第2固定鉄心14と磁気結合するように組み付けられる。
次の工程3ではコイル13(実際はボビン20内)内にカップガイド16を収納、配置する。カップガイド16は行程2で外側ヨーク12が反転されているので下側に落下することはない。行程4ではカップガイド16内にアーマチュア17を収納、配置する。これらの工程によって電磁駆動部11が組み立てられるものである。
一方、行程1〜工程4と並行して、行程5ではバルブボディ24を立てた状態で、バルブボディ24のスプール収容室24c内にリターンスプリング26を収納、配置する。工程6ではスプール25をバルブボディ24内に収納、配置する。次に、工程7では磁力補強部材18をバルブボディ24のフランジ部24aの内部に形成した圧入孔24bに圧入する。
この場合、磁力補強部材18の内径がスプール25のランド部32の外径より小さいので、磁力補強部材18がフランジ部24aの圧入孔24bに圧入された状態では、スプール25はバルブボディ24から抜け出すことができないようになっている。次に工程8ではロッド19をスプール25のランド部32に形成した第1収容孔25aに圧入してバルブ機構部23が組み立てられるものである。
そして、工程1〜行程4で組み立てられた電磁駆動部11と、工程5〜行程8で組み立てられたバルブ機構部23を、行程9において組み合わせ、更に行程10で外側ヨークの爪部12aをバルブボディ24のフランジ部24aの外周に加締めて電磁弁組立体が完成されるものである。
このように、本実施例によれば、バルブボディ24のスプール収容室24cにスプール25を収納した後に、スプール25の外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材18をスプール収容室24cの電磁駆動部11のアーマチュア17と対向する側の内周面に固定し、この状態で磁力補強部材18側のバルブボディ24を電磁駆動部11の外側ヨーク12によって加締めて一体化するようにした。したがって、スプール25がバルブボディ24から抜け出すことがなくなり、電磁駆動部11とバルブ機構部23の組み付けが容易にできるようになる。
特許文献1のような構成の電磁弁組立体だと、電磁駆動部とバルブ機構部を組み付けて一体化する際に、一般的には電磁駆動部を下側の組み付け雇いに載置し、上側からバルブ機構部側を組み付けるようにしている。したがって、磁力補強部材が可動鉄心の軸方向前端面に対向配置されているだけなので、磁力補強部材を所定の位置に保持しながら組み付ける必要があり、更には、バルブ機構部のスプール弁もバルブボディから脱落しない様に保持しながら組み付ける必要があるため、電磁弁組立体の組立が容易にできないという課題があった。
これに対して、本実施例では行程5、行程6でスプール収容室24cにリターンスプリング26およびスプール25を挿入した後に、行程7で磁力補強部材18を圧入孔24bに圧入することにより、リターンスプリング26及びスプール25がバルブボディ24から脱落するのを防止できる。
すなわち、磁力補強部材18の内径がスプール25の第1ランド部31、第2ランド部32の外径より小さいことから、バルブボディ24を外側ヨーク12へ加締め固定するためにバルブボディ24を反転させた時に、バルブボディ24内に収容されたスプール25及びリターンスプリング26が脱落することがなく、簡便にフランジ部24aを爪部12a内周に挿入することができる。更にロッド19をスプール25の第1収容孔25aへ圧入することにより、フランジ部24aの爪部12a内周への挿入性が向上する。
以上述べた通り、本発明によれば、バルブ機構部のバルブボディに形成されたスプール収容室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材を固定する構成とした。これによれば、スプール収容室の電磁駆動部の可動鉄心に対向する側の内周面に磁力補強部材を固定することによって、磁力補強部材がバルブボディと電磁駆動部の間の固定部分に介在しなくなるので、可動鉄心を軸方向へ吸引する吸引部の磁力を補強する磁力補強部材の製造や、磁力補強部材の組み付けにかかる余計な時間やコストを抑制できるようになる。
また、本発明によれば、バルブボディのスプール収容室にスプールを収納した後に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材をスプール収容室の電磁駆動部の可動鉄心と対向する側の内周面に固定し、この状態で磁力補強部材側のバルブボディの端面を電磁駆動部と一体化する組立方法とした。これによれば、バルブボディのスプール収容室にスプールを収納した後に、スプールの外径より小さい内径を有する中空の磁力補強部材をスプール収容室の電磁駆動部の可動鉄心に対向する側の内周面に固定することによって、スプールがバルブボディから抜け出すことがなくなり、電磁駆動部とバルブ機構部の組み付けが容易にできるようになる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
EV…電磁式油圧切換機構、Pr…遅角油室、Pa…進角油室、L…油通路、L0…吸入通路、L1…遅角通路、L2…進角通路、L3…導入通路、L4…ドレン通路、P1…遅角ポート、P2…進角ポート、P3…導入ポート、P4…排出ポート、1…バルブタイミング制御装置、2…カムシャフト、3…位相変換機構、4…油圧給排手段、5…電子コントロールユニット、6…ハウジング、6a…歯部、6b…シュー、7…ベーンロータ、7a…環状基部、7b…ベーン、7c…ロックピン、8…ポンプ、9…オイルパン、10…内燃機関、11…電磁駆動部、12…外側ヨーク、12a…爪部、13…コイル、14…第1固定鉄心、14a…筒状部、14b…フランジ部、14c…ステー、14d…テーパ部、15…第2固定鉄心、15a…筒状部、15b…フランジ部、16…カップガイド、16a…フランジ部、17…アーマチュア(可動鉄心)、17a…呼吸孔、18…磁力補強部材、18a…端部、19…ロッド、19a…フランジ部、19b…切欠き部、19c…連通孔、20…ボビン、21…コネクタ、22…Oリング、23…バルブ機構部、24…バルブボディ、24a…フランジ部、24b…圧入孔、24c…スプール収容室、25…スプール、25a…第1収容孔、25b…排出通路、25c…第2収容孔、26…リターンスプリング、27…ドレン室、28…導入室、30…小径部、31…ランド部、32…ランド部、60…ボルト。

Claims (9)

  1. 非磁性材料によって形成されたカップ状のガイド部材と、前記ガイド部材の内部に配置され、軸方向へ摺動可能に設けられた磁性材料からなる可動鉄心と、前記ガイド部材の外周側に配置されて、通電されることによって磁力を発生させるコイルと、前記コイルに磁力が発生した際に前記可動鉄心と共に磁気回路を形成して前記可動鉄心を軸方向へ吸引する固定鉄心と、前記固定鉄心に固定され、内部に軸方向に延びるスプール収容室と作動油を通流させる複数のポートが形成された筒状のバルブボディと、前記バルブボディの前記スプール収容室に軸方向に摺動可能に配置され、前記可動鉄心の動きに対応して前記複数のポートの開閉切り換えを行うスプールと、前記可動鉄心と対向する側の前記スプール収容室に固定され、前記スプールの外径より小さな内径を有し、前記スプールと前記可動鉄心を連動させるロッドが挿通する磁性材料からなる中空状の磁力補強部材とを備え
    前記磁力補強部材は、前記バルブボディが前記固定鉄心から分離された状態において、前記バルブボディから前記スプールが脱落しないように前記スプール収容室に固定されていることを特徴とする電磁弁組立体。
  2. 請求項1に記載の電磁弁組立体において、
    前記磁力補強部材は円筒状に形成され、前記スプール収容室の端部に圧入、固定されていることを特徴とする電磁弁組立体。
  3. 請求項1に記載の電磁弁組立体において、
    前記磁力補強部材が圧入される前記スプール収容室の端部は前記スプールが収容される部分より直径が大きく形成されていることを特徴とする電磁弁組立体。
  4. 請求項2に記載の電磁弁組立体において、
    前記スプールには前記スプール収容室の内周壁と摺動するランド部が形成されており、前記ランドの外径より前記磁力補強部材の内径の方が小さいことを特徴とする電磁弁組立体。
  5. 請求項2に記載の電磁弁組立体において、
    前記磁力補強部材は、前記ガイド部材の内部まで延びていることを特徴とする電磁弁組立体。
  6. 請求項2に記載の電磁弁組立体において、
    前記固定鉄心はフランジ部を有し、前記固定鉄心の前記フランジ部と前記バルブボディに形成したフランジ部は相互に当接して固定され、前記磁力補強部材は前記固定鉄心の前記フランジ部の配置位置を越えて前記可動鉄心側に延びていることを特徴とする電磁弁組立体。
  7. 請求項2に記載の電磁弁組立体において、
    前記固定鉄心はフランジ部を有し、前記固定鉄心の前記フランジ部と前記バルブボディに形成したフランジ部は相互に当接して固定され、前記磁力補強部材は前記固定鉄心の前記フランジ部の配置位置を越えて前記ガイド部材の内部まで延びており、更に前記スプールと前記可動鉄心を連動する前記ロッドだけが前記磁力補強部材の内部を挿通していることを特徴とする電磁弁組立体。
  8. 非磁性材料によって形成されたカップ状のガイド部材と、前記ガイド部材の内部に配置され、軸方向へ摺動可能に設けられた磁性材料からなる可動鉄心と、前記ガイド部材の外周側に配置されて、通電されることによって磁力を発生させるコイルと、前記コイルに磁力が発生した際に前記可動鉄心と共に磁気回路を形成して前記可動鉄心を軸方向へ吸引する固定鉄心と、前記固定鉄心に固定され、内部に軸方向に延びるスプール収容室と作動油を通流させる複数のポートが形成された筒状のバルブボディと、前記バルブボディの前記スプール収容室に軸方向に摺動可能に配置され、前記可動鉄心の動きに対応して前記複数のポートの開閉切り換えを行うスプールと、前記可動鉄心に対向する側の前記スプール収容室に固定され、前記スプールの外径より小さな内径を有し、前記スプールと前記可動鉄心を連動させるロッドが挿通する磁性材料からなる中空状の磁力補強部材とを備えた電磁弁組立体において、
    前記ガイド部材、前記可動鉄心、前記コイル及び前記固定鉄心を組み付けて電磁駆動部を組み立てる電磁駆動部組立工程と、
    前記バルブボディ、前記スプール及び前記磁力補強部材を組み付けてバルブ機構部を組み立てるバルブ機構部組立工程と、
    前記電磁駆動部組立工程で組み立てられた前記電磁駆動部と、前記バルブ機構部組立工程で組み立てられた前記バルブ機構部を結合させる結合工程と、
    によって前記電磁弁組立体を組み立てることを特徴とする電磁弁組立体の組立方法。
  9. 請求項8に記載の電磁弁組立体の組立方法において、
    前記バルブ機構部組立工程においては、前記バルブボディの前記スプール収容内に前記スプールを組み込んだ後に、前記磁力補強部材を前記バルブボディの前記スプール収容に圧入、固定する工程を含んでいることを特徴とする電磁弁組立体の組立方法。
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