JP6451577B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の無線通信装置に関する。
車車間通信や携帯電話網を使用した緊急通報のシステムにおいては、車両が事故を起こした場合などの緊急時に、その状態を無線により外部に通報する技術が採用されている。このとき、事故の状況によっては、車体に設置されたアンテナが破損するなど使用不能になることが想定される。この問題に対して、アンテナの異常時には、通信に使用するアンテナを、車両の通信装置内に設置された予備アンテナへ切り換える技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−177462号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載の構成では、通信装置内に予備アンテナを設置するため、予備アンテナ設置のためのスペースを確保しなければならない問題があった。
本発明は、アンテナの異常時における車両と外部との通信を予備アンテナを用いずに実現することを目的としている。
本発明の一側面は、車両に搭載された無線通信装置であって、アンテナと、通信回路と、検出回路と、同軸ケーブルと、切替部と、を備える。アンテナは、車両の外部から無線送信された信号の受信及び車両の外部への信号の無線送信のうち少なくとも一方を行うための放射部を有する。通信回路は、アンテナを介して通信される信号を処理する回路であって、回路の接地電位となる接地部を有する。検出回路は、アンテナの異常状態を検出する。同軸ケーブルは、内部導体及び外部導体を備え、内部導体は、一端がアンテナの放射部に接続され、もう一端が通信回路に接続され、外部導体は、一端がアンテナの一部に接続され、もう一端が接地部に接続されている。検出回路により異常状態が検出された場合、切替部は外部導体の接地部との接続先を内部導体へ切り替える。
このような構成によれば、アンテナの異常が発生した場合でも、同軸ケーブルがアンテナとして機能するので、予備アンテナを用いることなく、車両と外部との通信が可能となる。
無線通信装置の構成を示す模式図である。 ECUの基板部分の斜視図である。 無線通信装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態のアンテナ通信部の回路図である。 第1実施形態のアンテナ監視処理のフローチャートである。 第2実施形態のアンテナ通信部の回路図である。 第3実施形態のアンテナ通信部の回路図である。 第3実施形態のアンテナ監視処理の一部のフローチャートである。 第3実施形態のアンテナ監視処理の残りのフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。また、下記の実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、これは本発明の理解を容易にする目的で使用しており、本発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す無線通信装置100は、車両1に搭載され、シャークフィンアンテナ2と、ECU10と、車車間・路車間通信用アンテナ用の2本の同軸ケーブル(以下「アンテナ用同軸ケーブル」という。)200と、GPS用同軸ケーブル201と、携帯電話網用同軸ケーブル202と、を備える。
シャークフィンアンテナ2は、車車間・路車間通信用アンテナ21と、GPSアンテナ22と、携帯電話網用アンテナ23と、地板24と、を備える。
車車間・路車間通信用アンテナ21は、2本のモノポールアンテナで構成されているダイバーシティアンテナであり、車両1の外部から無線送信された信号の受信及び車両1の外部への信号の無線送信を行うための放射素子210を有する。また、車車間・路車間通信用アンテナ21は、車両1のルーフ面に沿って設けられ当該車車間・路車間通信用アンテナ21の接地部を構成する地板24を有する。
また、車車間・路車間通信用アンテナ21は、図2に示すように、アンテナ用同軸ケーブル200を介してECU10のアンテナ用端子4に接続されている。具体的に、車車間・路車間通信用アンテナ21が有する2つの放射素子210のうち一方は、2本のアンテナ用同軸ケーブル200のうち一方を介して、2つのアンテナ用端子4のうち一方に接続されている。また、2つの放射素子210のうちもう一方は、2本のアンテナ用同軸ケーブル200のうちのもう一方を介して、2つのアンテナ用端子4のうちのもう一方に接続されている。
アンテナ用同軸ケーブル200は、高周波信号伝送用の同軸ケーブルで、周知のように、円形断面の導体線である図示しない内部導体と、当該導体を取り囲んで支持する管状の絶縁体の外周に所定の膜厚の被覆管状に形成された図示しない外部導体と、を備える。
GPSアンテナ22は、GPS用の人工衛星からの測位信号を受信可能なアンテナである。また、GPSアンテナ22は、図2に示すように、GPS用同軸ケーブル201を介してECU10のGPS用端子Aに接続されている。
携帯電話網用アンテナ23は、車両1と携帯電話網用の基地局との携帯電話網通信を行う。また、携帯電話網用アンテナ23は、図2に示すように、携帯電話網用同軸ケーブル202を介してECU10の携帯電話網用端子Bに接続されている。また、携帯電話網用端子Bの隣には、インタフェース用ケーブル203を介してECU10の電源及び車両との接続を行うインタフェース用端子Cが配設されている。
図3に示すように、ECU10は、アンテナ通信部3を2つ備える。2つのアンテナ通信部3は同じ構成である。
各アンテナ通信部3は、それぞれ、アンテナ用同軸ケーブル200を介して車車間・路車間通信用アンテナ21に接続されている。より具体的に、2つのアンテナ通信部3のうち一方に接続されたアンテナ用同軸ケーブル200の内部導体は、車車間・路車間通信用アンテナ21が有する2つの放射素子210のうち一方に接続されている。また、2つのアンテナ通信部3のうちもう一方に接続されたアンテナ用同軸ケーブル200の内部導体は、2つの放射素子210のうちのもう一方に接続されている。
アンテナ通信部3は、図4に示すように、アンテナ用端子4と、内部接続ライン51と、外部接続ライン52と、切替スイッチ6と、グランド7と、通信回路8と、検出制御部9と、を備える。
アンテナ用端子4は、図2にも示すように、アンテナ用同軸ケーブル200を接続するための端子である。アンテナ通信部3と車車間・路車間通信用アンテナ21とを接続するアンテナ用同軸ケーブル200は、アンテナ通信部3においてはアンテナ用端子4に接続される。
アンテナ用同軸ケーブル200がアンテナ用端子4に接続された状態で、アンテナ用同軸ケーブル200の内部導体は、一端が車車間・路車間通信用アンテナ21の放射素子210に接続され、もう一端が内部接続ライン51に接続されている。内部接続ライン51は、通信回路8及び検出制御部9に接続されている。一方、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体は、一端が車車間・路車間通信用アンテナ21の地板24に接続され、もう一端が外部接続ライン52に接続されている。外部接続ライン52は、切替スイッチ6に接続されている。
切替スイッチ6は、図4に示すように、通信回路8の回路基板上に形成されたグランド7に接続されているグランド側端子6aと、内部接続ライン51に接続されている短絡側端子6bと、を備える。切替スイッチ6は、検出制御部9からの指示に応じて、外部接続ライン52の接続先を、グランド7(グランド側端子6aを介する)と、内部接続ライン51(短絡側端子6bを介する)と、のいずれかに切り替える。
具体的には、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態である場合、外部接続ライン52は、グランド側端子6aに接続されている。事故などにより車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態となった場合、検出制御部9は、後述するように、異常状態を検出し、その旨を伝える信号(以下、異常信号という)を切替スイッチ6に送る。そして、切替スイッチ6は、外部接続ライン52の接続先を、グランド側端子6aから短絡側端子6bへ切り替える。なお、切替スイッチ6は、例えばPINダイオードなど電子半導体で構成された周知の高周波電子式スイッチであってもよく、また、周知の機械式スイッチであってもよい。
通信回路8は、当該通信回路8の接地電位となるグランド7と、コンデンサ81と、送信増幅器82と、受信増幅器83と、を備え、内部接続ライン51に接続されている。通信回路8は、車車間・路車間通信用アンテナ21を介して通信される信号を処理する。
送信増幅器82は、図示しない送信信号生成回路から出力される高周波信号を増幅し、コンデンサ81を介して送信信号を放射素子210へ出力する。なお、送信増幅器82は、グランド7によって接地されている。
受信増幅器83は、コンデンサ81を介してアンテナ通信部3が受信した受信信号を増幅して図示しない受信信号処理回路へ出力する。なお、受信増幅器83は、グランド7によって接地されている。
検出制御部9は、マイクロコンピュータを備え、当該マイクロコンピュータが備える図示しないCPUが所定のプログラムを実行することにより、各種制御が実現される。検出制御部9により実現される各種制御の1つに、アンテナ監視制御がある。アンテナ監視制御は、主としてCPUがアンテナ監視処理のプログラムを実行することにより実現される。アンテナ監視制御とは、具体的には、内部接続ライン51の電圧を監視することによって、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態を検出し、異常と判定した際には切替スイッチ6に異常信号を送る、という制御である。
本実施形態において想定している車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態には、一例として、車車間・路車間通信用アンテナ21の短絡(以下、アンテナ短絡という)、及び車車間・路車間通信用アンテナ21の開放(以下、アンテナ開放という)がある。アンテナ短絡とは、例えば、放射素子210と地板24とが短絡した状態になることである。アンテナ短絡が生じると、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体と内部導体も短絡した状態となる。アンテナ開放とは、例えば、放射素子210がアンテナ用同軸ケーブル200から切り離された状態になることである。アンテナ短絡及びアンテナ開放は、車車間・路車間通信用アンテナ21に対して生じ得る各種の異常状態のうち発生する可能性が最も高いケースの1つである。
本実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態の場合と異常状態の場合とで、内部接続ライン51の電圧のうち直流成分の値(以下、直流電圧レベルという)が変化するように構成されている。よって、検出制御部9は、内部接続ライン51の直流電圧レベルに基づいて、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常か否かを検出することができる。
図4では図示を省略したが、本実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態の場合と異常状態の場合とで内部接続ライン51の直流電圧レベルを変化させるための特定の構成要素が設けられている。その特定の構成要素についての詳細説明は本実施形態では省略し、後述する第2実施形態において図6を用いて詳しく説明する。
なお、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態の検出方法は、上記のような、内部接続ライン51の直流電圧レベルに基づく方法に限定されない。例えば、方向性結合器を用いて電圧定在波比を検出し、その電圧定在波比に基づいて異常状態を検出してもよい。電圧定在波比に基づいて車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態を検出する方法については、後述する第3実施形態において図7を用いて詳しく説明する。なお、検出制御部9による制御は、ソフトウェアにて実現されている必要はなく、例えばその一部又は全部をロジック回路等のハードウェアにて実現してもよい。
[1−2.アンテナ監視制御の概要]
次に、本実施形態の検出制御部9により実現されるアンテナ監視制御の概要について説明する。アンテナ監視制御は、検出制御部9が(詳しくはCPUが)アンテナ監視処理のプログラムを実行することにより実現される。そのアンテナ監視処理の具体的内容について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、検出制御部9は、ECU10に電力が供給されている間、車両1のエンジンがオン/オフの状態にかかわらず常時アンテナ監視処理を実行する。
まず、検出制御部9は、車車間・路車間通信用アンテナ21の状態を検出する(S101)。本実施形態では、前述したように、車車間・路車間通信用アンテナ21の状態は内部接続ライン51の直流電圧レベルにより検出される。なお、図5では図示を省略したが、アンテナ監視処理の実行開始時には、初期処理として、切替スイッチ6へ正常信号を送ることにより、切替スイッチ6に対し、外部接続ライン52をグランド側端子6aに接続させる。つまり、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態が検出されていない通常時は、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体はグランド7に接続された状態となる。
S110で車車間・路車間通信用アンテナ21の状態を検出した後、検出制御部9は、その検出結果に基づいて、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態であるか否かを判定する(S102)。具体的には、当該電圧センサがアンテナ短絡又はアンテナ開放を検出した場合、異常状態であると判定する。
車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態でないと判定された場合(S102:NO)、検出制御部9は、S101へ処理を戻す。なお、S102の判定処理において車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態と判断されなかった場合は、切替スイッチ6へ正常信号を送るようにしてもよい。
車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態であると判定された場合(S102:YES)、検出制御部9は、異常信号を切替スイッチ6に送った後(S103)、S101へ処理を戻す。
これにより、外部接続ライン52の接続先が、切替スイッチ6によりグランド7から内部接続ライン51へ切り替えられ、アンテナ用同軸ケーブル200の内部導体と外部導体が電気的に接続される。このとき、アンテナ用同軸ケーブル200は、送信増幅器82及び受信増幅器83のグランド7から切り離された状態となる。その結果、アンテナ用同軸ケーブル200は単なる1つの導体としてアンテナ用端子4に接続された状態となり、アンテナ用同軸ケーブル200自体が通信回路8のグランド7と合わせてアンテナとして機能する。
[1−3.第1実施形態の効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
無線通信装置100の検出制御部9により、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態が検出された場合、切替スイッチ6が外部接続ライン52のグランド7との接続先を内部接続ライン51へ切り替える。これにより、アンテナ用同軸ケーブル200の内部導体及び外部導体が電気的に単一導体とみなせる。その結果、アンテナ用同軸ケーブル200自体がアンテナとして機能する。したがって、本実施形態によれば、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常が発生した場合でも、アンテナ用同軸ケーブル200が車車間・路車間通信用アンテナ21として機能するので、予備アンテナを用いることなく、車両1と外部との通信が可能となる。
なお、本実施形態では車車間・路車間通信用アンテナ21がアンテナの一例に相当し、放射素子210が放射部の一例に相当する。また、検出制御部9が検出回路の一例に相当し、切替スイッチ6が切替部の一例に相当し、グランド7が接地部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態について、図6を用いて説明する。なお、図6において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同じ符号を付している。そして、第2実施形態では、第1実施形態と共通する構成については説明を省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図6に示すように、第2実施形態のアンテナ通信部30は、アンテナ整合回路31と、整合切替スイッチ32とを備えている。整合切替スイッチ32の共通端子は、通信回路8及び検出制御部35に接続されている。整合切替スイッチ32は、共通端子と選択的に接続される2つの端子として、ライン側端子32aと回路側端子32bとを備えている。ライン側端子32aは、内部接続ライン51に接続されており、回路側端子32bは、アンテナ整合回路31に接続されている。また、アンテナ整合回路31は、外部接続ライン52に接続されている。つまり、外部接続ライン52と整合切替スイッチ32の回路側端子32bとの間の通電経路上にアンテナ整合回路31が設けられている。
整合切替スイッチ32は、検出制御部35からの正常信号及び異常信号によって、切替スイッチ6と連動するように制御される。即ち、検出制御部35から正常信号が出力された場合(初期状態を含む)は、整合切替スイッチ32はライン側端子32aに切り替えられ、これにより通信回路8及び検出制御部35には内部接続ライン51が接続された状態となる。なおこのとき、切替スイッチ6は、グランド側端子6aに切り替えられた状態となっており、外部接続ライン52がグランド7に接続された状態となっている。
一方、検出制御部35から異常信号が出力された場合は、整合切替スイッチ32は回路側端子32bに切り替えられ、これにより通信回路8及び検出制御部35にはアンテナ整合回路31が接続された状態となる。なおこのとき、切替スイッチ6は、短絡側端子6bに切り替えられた状態となっており、外部接続ライン52と内部接続ライン51とが短絡された状態となっている。
このような構成により、本第2実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常の場合は、電気的に第1実施形態と同じ状態となる。即ち、アンテナ用同軸ケーブル200の内部導体は内部接続ライン51及び整合切替スイッチ32を経て通信回路8及び検出制御部35に接続される。
一方、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態となった場合、切替スイッチ6により外部接続ライン52と内部接続ライン51が接続され(即ち、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体と内部導体が短絡され)、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体がグランド7から切り離されることによって、アンテナ用同軸ケーブル200が単なる1つの導体となることは、第1実施形態と同様である。なお、このようにアンテナ用同軸ケーブル200が単なる1つの導体となっている状態を、以下、単一導体状態という。
ただし本第2実施形態では、単一導体状態にされたアンテナ用同軸ケーブル200は、第1実施形態のように通信回路8等に直接接続されるのではなく、アンテナ整合回路31を介して通信回路8等に接続される。換言すれば、通信回路8は、アンテナ整合回路31を介して、単一導体状態のアンテナ用同軸ケーブル200に接続される。
アンテナ整合回路31は、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態が検出されてアンテナ用同軸ケーブル200が単一導体状態となった場合に、その単一導体状態のアンテナ用同軸ケーブル200と通信回路8との整合が適切にとれるように設計されている。
即ち、アンテナ整合回路31は、アンテナ短絡又はアンテナ開放の異常が発生した場合に、整合切替スイッチ32から通信回路8側のインピーダンスと、整合切替スイッチ32からアンテナ整合回路31側をみたインピーダンスとの差が抑えられるように(理想的には一致するように)構成されている。アンテナ整合回路31は、アンテナ短絡及びアンテナ開放の双方の異常に対して適用可能である。
なお、アンテナ整合回路31における、アンテナ用端子4側の入出力端は、アンテナ用端子4のグランド側に接続されているため、アンテナ正常時は、グランド7接続され、よって通信回路8や車車間・路車間通信用アンテナ21の動作に影響しない。
ここで、第1実施形態で図示を省略した特定の構成要素、即ち、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態の場合と異常状態の場合とで内部接続ライン51の直流電圧レベルを変化させるための特定の構成要素について、説明する。
図6に示すように、第2実施形態のアンテナ通信部30において、検出制御部35は、異常判定部36を備えている。異常判定部36は、コイルLを介して内部接続ライン51に接続されている。コイルLを設けている主な目的は、内部接続ライン51の電圧のうち交流成分を抑えて直流成分を異常判定部36へ入力させるためである。コイルLと異常判定部36の間の配線には、抵抗R1を介して直流の電源電圧Vccが印加されている。
一方、シャークフィンアンテナ2の内部においては、放射素子210と地板24との間に抵抗R2が接続されている。なお、抵抗R2の抵抗値は、通信回路8による通常の無線通信動作に影響しない値である。
このような構成により、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態のときは、異常判定部36に入力される電圧の直流電圧レベル(以下、検出電圧Vxという)は、電源電圧Vccが2つの抵抗R1,R2で分圧された値となる。一方、アンテナ短絡が発生すると、検出電圧Vxはほぼ0となる。また、アンテナ開放が発生すると、検出電圧Vxは電源電圧Vccとほぼ同じ値となる。よって、異常判定部36は、検出電圧Vxの値に基づいて、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態か否かを判定することができる。そして、検出制御部35は、異常判定部36による判定結果に従って、切替スイッチ6及び整合切替スイッチ32に対して正常信号又は異常信号を出力することにより、各スイッチ6,22を制御する。
[2−2.第2実施形態の効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。即ち、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態となった場合、単一導体状態のアンテナ用同軸ケーブル200が、アンテナ整合回路31を介して通信回路8と接続される。そのため、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態となっても、単一導体状態のアンテナ用同軸ケーブル200と通信回路8との間の信号の伝送ロスを抑え、効率良く信号を送受することができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.第2実施形態との相違点]
第3実施形態について、図7を用いて説明する。なお、図7において、第2実施形態と共通する構成については、第2実施形態と同じ符号を付している。そして、第3実施形態では、第2実施形態と共通する構成については説明を省略し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、本第3実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態であるか否かを検出するための回路構成が、第2実施形態とは異なる。即ち、第2実施形態では、図6を用いて説明したように、2つの抵抗R1,R2を用い、内部接続ライン51の直流電圧レベルに基づいて異常状態の有無を判定する構成であった。これに対し、本第3実施形態では、アンテナ通信部40において、車車間・路車間通信用アンテナ21の状態判定用に、VSWR測定用回路44が設けられている。よって、本第3実施形態では、第2実施形態のように放射素子210と地板24との間に抵抗R2は接続されておらず、また、検出制御部45における異常判定方法も第2実施形態とは異なる。
VSWR測定用回路44は、通信回路8と車車間・路車間通信用アンテナ21との間の信号伝送用の伝送線路を備え、且つ、通信回路8から車車間・路車間通信用アンテナ21へ送信用の信号が出力される際のVSWR(電圧定在波比)を測定するための信号を出力する機能を有している。VSWR測定用回路44自身がVSWRを直接検出して出力するように構成されていてもよいが、本第3実施形態のVSWR測定用回路44は、一例として、方向性結合器及び検波機能を有している。即ち、VSWR測定用回路44は、送信時における進行波電力に比例した直流電圧である進行波信号Vfと、反射波電力に比例した直流電圧である反射波信号Vrとを出力する。
検出制御部45は、VSWR測定用回路44から入力される進行波信号Vf及び反射波信号VrをそれぞれAD変換し、そのAD変換されたデータに基づいて、VSWRを算出する。そして、その算出したVSWRに基づいて、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態を判定する。
また、図7に示すように、第3実施形態のアンテナ通信部40は、第1切替スイッチ41及び第2切替スイッチ42を備えている。このうち第1切替スイッチ41は、実質的に第2実施形態の整合切替スイッチ32と同じ機能を有する。
第1切替スイッチ41の共通端子は、VSWR測定用回路44を介して通信回路8に接続されている。第1切替スイッチ41は、共通端子と選択的に接続される2つの端子として、ライン側端子41aと回路側端子41bとを備えている。ライン側端子41aは、第2切替スイッチ42のライン側端子42aに接続されており、回路側端子41bは、アンテナ整合回路43に接続されている。
第2切替スイッチ42の共通端子は、内部接続ライン51に接続されている。第2切替スイッチ42は、共通端子と選択的に接続される2つの端子として、ライン側端子42aと回路側端子42bとを備えている。ライン側端子42aは、第1切替スイッチ41のライン側端子41aに接続されており、回路側端子42bは、アンテナ整合回路43に接続されている。つまり、第1切替スイッチ41の回路側端子41bと第2切替スイッチ42の回路側端子42bとの間の通電経路上にアンテナ整合回路43が設けられている。なお、第1切替スイッチ41のライン側端子41aと第2切替スイッチ42のライン側端子42aとの間の伝送ラインを、正常時伝送ライン46と称する。
アンテナ整合回路43は、第2実施形態のアンテナ整合回路31と同様、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常状態(特にアンテナ短絡及びアンテナ開放)が判定されてアンテナ用同軸ケーブル200が単一導体状態となった場合に整合が適切にとれるように設計されている。
第1切替スイッチ41及び第2切替スイッチ42の2つのスイッチは、検出制御部45から出力される各種切替信号によって制御される。
検出制御部45は、初期処理時、及び、算出したVSWRに基づいて車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態と判定した場合は、切替スイッチ6、第1切替スイッチ41、及び第2切替スイッチ42の3つのスイッチに対して、第1切替信号を送る。
切替スイッチ6は、検出制御部45から第1切替信号が入力された場合は、外部接続ライン52をグランド側端子6aに接続(ひいてはグランド7に接続)させる。また、第1切替スイッチ41は、検出制御部45から第1切替信号が入力された場合は、VSWR測定用回路44をライン側端子41aに接続させる。また、第2切替スイッチ42は、検出制御部45から第1切替信号が入力された場合は、内部接続ライン51をライン側端子42aに接続させる。
よって、検出制御部45から第1切替信号が出力された場合は、結果として、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体はグランド7に接続され、内部導体は各切替スイッチ42,41及びVSWR測定用回路44を介して通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。以下、この接続状態を、第1の接続状態という。
一方、検出制御部45は、算出したVSWRに基づいて車車間・路車間通信用アンテナ21が異常状態と判定した場合は、後述するように、3つのスイッチ6,41,42に対して、第2切替信号、第3切替信号、及び第4切替信号の3種類の切替信号を順次送る。
切替スイッチ6は、検出制御部45から第2切替信号が入力された場合は、外部接続ライン52を短絡側端子6bに接続(ひいては内部接続ライン51に接続)させる。一方、第2切替信号に対する、第1切替スイッチ41及び第2切替スイッチ42の動作状態は、第1切替信号の入力時と同じである。
よって、検出制御部45から第2切替信号が出力された場合は、結果として、アンテナ用同軸ケーブル200は単一導体状態となり、その単一導体状態となったアンテナ用同軸ケーブル200が、各切替スイッチ42,41及びVSWR測定用回路44を介して通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。以下、この接続状態を、第2の接続状態という。第2の接続状態は、第1実施形態及び第2実施形態における、アンテナ異常状態時の接続状態と同じである。
切替スイッチ6は、検出制御部45から第3切替信号が入力された場合は、外部接続ライン52を短絡側端子6bに接続(ひいては内部接続ライン51に接続)させる。また、第1切替スイッチ41は、検出制御部45から第3切替信号が入力された場合は、VSWR測定用回路44を回路側端子41bに接続させる。また、第2切替スイッチ42は、検出制御部45から第3切替信号が入力された場合は、内部接続ライン51を回路側端子42bに接続させる。
よって、検出制御部45から第3切替信号が出力された場合は、結果として、アンテナ用同軸ケーブル200は単一導体状態となり、その単一導体状態となったアンテナ用同軸ケーブル200が、アンテナ整合回路43及びVSWR測定用回路44を介して、通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。以下、この接続状態を、第3の接続状態という。第3の接続状態は、第2の接続状態に対してアンテナ整合回路43による整合補正を加えた状態である。
切替スイッチ6は、検出制御部45から第4切替信号が入力された場合は、外部接続ライン52をグランド側端子6aに接続(ひいてはグランド7に接続)させる。一方、第4切替信号に対する、第1切替スイッチ41及び第2切替スイッチ42の動作状態は、第3切替信号の入力時と同じである。
よって、検出制御部45から第4切替信号が出力された場合は、結果として、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体はグランド7に接続され、内部導体は、アンテナ整合回路43及びVSWR測定用回路44を介して、通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。以下、この接続状態を、第4の接続状態という。第4の接続状態は、第1の接続状態に対してアンテナ整合回路43による整合補正を加えた状態である。
[3−2.アンテナ監視処理]
次に、第3実施形態のアンテナ監視処理について、図8、図9のフローチャートを用いて説明する。図8に示すように、検出制御部45のCPUは、アンテナ監視処理を開始すると、S201で、3つの各切替スイッチ6,41,42へ、第1切替信号を出力する。これにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態は、第1の接続状態となる。即ち、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体はグランド7に接続され、内部導体は正常時伝送ライン46及びVSWR測定用回路44を介して通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。
S202では、VSWR測定用回路44からの各信号Vf、Vrに基づいて、第1の接続状態におけるVSWRを算出する。そして、その算出したVSWRの値を第1VSWR値A1としてメモリ(不図示)に記憶する。
S203では、S202で算出した第1VSWR値A1が、予め設定された閾値より大きいか否か判断する。第1VSWR値A1が閾値以下の場合は(S203:NO)、S201に戻る。第1VSWR値A1が閾値以下ということは、車車間・路車間通信用アンテナ21が正常状態であることを意味している。
一方、第1VSWR値A1が閾値より大きい場合は、車車間・路車間通信用アンテナ21の異常或いはその他の何らかの異常要因によって、整合状態が良好ではない状態になっている。そこでこの場合は(S203:YES)、S204以下の処理に進み、整合状態が最も良好な接続状態、即ちVSWR値が最も低い接続状態を探索して、その最も良好な接続状態へと切り替える。
具体的に、S204では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ、第2切替信号を出力する。これにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態は、第2の接続状態となる。即ち、アンテナ用同軸ケーブル200は単一導体状態となり、その単一導体状態となったアンテナ用同軸ケーブル200が、正常時伝送ライン46及びVSWR測定用回路44を介して通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。
S205では、VSWR測定用回路44からの各信号Vf、Vrに基づいて、第2の接続状態におけるVSWRを算出する。そして、その算出したVSWRの値を第2VSWR値A2としてメモリ(不図示)に記憶する。
S206では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ、第3切替信号を出力する。これにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態は、第3の接続状態となる。即ち、アンテナ用同軸ケーブル200は単一導体状態となり、その単一導体状態となったアンテナ用同軸ケーブル200が、アンテナ整合回路43及びVSWR測定用回路44を介して、通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。
S207では、VSWR測定用回路44からの各信号Vf、Vrに基づいて、第3の接続状態におけるVSWRを算出する。そして、その算出したVSWRの値を第3VSWR値A3としてメモリ(不図示)に記憶する。
S208では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ、第4切替信号を出力する。これにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態は、第4の接続状態となる。即ち、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体はグランド7に接続され、内部導体は、アンテナ整合回路43及びVSWR測定用回路44を介して、通信回路8及び検出制御部45に接続された状態となる。
S209では、VSWR測定用回路44からの各信号Vf、Vrに基づいて、第4の接続状態におけるVSWRを算出する。そして、その算出したVSWRの値を第4VSWR値A4としてメモリ(不図示)に記憶する。
S210では、上記算出した4つのVSWR値、即ちメモリに記憶されている最新の4つのVSWR値A1,A2,A3,A4のうち最小値を判定する。
S210の判定の結果、第1VSWR値A1が最小値であった場合は、S211に進む。S211では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ第1切替信号を出力することにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態を第1の接続状態にさせる。S211の処理後は、S201に戻る。
S210の判定の結果、第2VSWR値A2が最小値であった場合は、S212に進む。S212では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ第2切替信号を出力することにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態を第2の接続状態にさせる。S212の処理後は、S201に戻る。
S210の判定の結果、第3VSWR値A3が最小値であった場合は、S213に進む。S213では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ第3切替信号を出力することにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態を第3の接続状態にさせる。S213の処理後は、S201に戻る。
S210の判定の結果、第4VSWR値A4が最小値であった場合は、S214に進む。S214では、3つの各切替スイッチ6,41,42へ第4切替信号を出力することにより、各切替スイッチ6,41,42の接続状態を第4の接続状態にさせる。S214の処理後は、S201に戻る。
[3−3.第3実施形態の効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第2実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。即ち、VSWR値に基づいてアンテナの状態判定を行い、正常状態ではない場合は、4種類の接続状態のうちVSWR値が最も小さい接続状態、即ち整合状態が最も良い接続状態に切り替える。
そのため、アンテナ短絡及びアンテナ開放の異常状態に限らず、整合状態が悪化するような他の様々な事象が発生した場合にも、可能な限り効率の良い状態で通信を継続することが可能となる。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(a)上記実施形態では、検出制御部9が、ECU10に電力が供給されている間、車両1のエンジンがオン/オフの状態にかかわらず常時アンテナ監視制御を行う構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、車両1のエンジンがオンの状態にのみアンテナ監視制御を行う構成にしてもよい。
(b)第1実施形態及び第2実施形態において、第3実施形態と同様にVSWRに基づいてアンテナの状態判定を行うようにしてもよい。
(c)第3実施形態において、VSWRを測定する方法として、上述したVSWR測定用回路44からの信号に基づく方法とは異なる他の方法を採用してもよい。即ち、検出制御部45においてVSWRを適切に検出することができるような他の構成、方法を採用してもよい。またそもそも、VSWRを測定すること自体、必須ではない。VSWRは、通信回路8とアンテナ側との整合状態を示すパラメータである。そのため、通信回路8とアンテナ側との整合状態を適切に検出することができる他の構成、方法を採用してもよい。
(d)上記実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21の他に、GPSアンテナ22及び携帯電話網用アンテナ23を備える構成の無線通信装置100を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、GPSアンテナ22及び携帯電話網用アンテナ23のうちいずれか一方のみを備える構成にしてもよく、また、いずれも備えない構成にしてもよい。
(e)上記実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21として、モノポールアンテナ2本で構成されているダイバーシティアンテナを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、1本のモノポールアンテナのみで構成してもよい。また例えば、3本以上のモノポールアンテナから構成されるダイバーシティアンテナにしてもよい。
(f)上記実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21として、モノポールアンテナを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、モノポールアンテナではなく、金属板状のアンテナによって構成してもよい。
(g)上記実施形態では、車車間・路車間通信用アンテナ21は、車両1のルーフ面に沿って設けられ当該車車間・路車間通信用アンテナ21の接地部を構成する地板24を有するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、地板24を有さない構成にしてもよい。
(h)上記実施形態では、放射素子210が、車両1の外部から無線送信された信号の受信及び車両1の外部への信号の無線送信を行う構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、放射素子210は、車両1の外部から無線送信された信号の受信のみ行うものであってもよい。また例えば、放射素子210は、車両1の外部への信号の無線送信のみ行うものであってもよい。
(i)アンテナ用同軸ケーブル200の長さは、例えば、本無線通信装置100が使用する周波数の波長(λ)を考慮した長さ(例えば、λ/4の奇数倍数)に設計されていてもよい。こうすることにより、アンテナ異常時の無線通信の効率を向上させることが可能となる。
(j)上記実施形態では、アンテナ用同軸ケーブル200の外部導体の一端が、車車間・路車間通信用アンテナ21の地板24に接続されている構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、地板24ではなく、車両1のボディに接続されている構成にしてもよい。
(k)上記実施形態では、通信回路8が、送信増幅器82及び受信増幅器83を備える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、通信回路8が信号の送信のみを行う場合、送信増幅器82のみを備える構成としてもよい。また例えば、通信回路8が信号の受信のみを行う場合、受信増幅器83のみを備える構成としてもよい。
(l)上記実施形態では、同じ構成のアンテナ通信部を2つ有する例を示したが、アンテナ通信部を2つ有することは必須ではなく、1つ或いは3つ以上であってもよい。また、アンテナ通信部を複数有する場合に、それら複数のアンテナ通信部が全て同じ構成である必要はない。複数のアンテナ通信部がそれぞれ異なる構成であってもよい。
(m)上記実施形態では、車車間・路車間通信に本発明を適用した構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば携帯電話網を介した通信方式やその他の無線通信方式を使用する無線通信装置に本発明を適用してもよい。
(n)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(o)本発明は、前述した無線通信装置100の他、無線通信装置100が備える検出制御部9、検出制御部9としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、アンテナ監視制御方法など、種々の形態で実現することができる。
1…車両、2…シャークフィンアンテナ、3,30,40…アンテナ通信部、4…アンテナ用端子、6…切替スイッチ、6a…グランド側端子、6b…短絡側端子、7…グランド、8…通信回路、9,35,45…検出制御部、10…ECU、21…車車間・路車間通信用アンテナ、22…GPSアンテナ、23…携帯電話網用アンテナ、24…地板、31,43・・・アンテナ整合回路、32・・・整合切替スイッチ、32a,41a,42a・・・ライン側端子、32b,41b,42b・・・回路側端子、36・・・異常判定部、41・・・第1切替スイッチ、42・・・第2切替スイッチ、44・・・VSWR測定用回路、46・・・正常時伝送ライン、51…内部接続ライン、52…外部接続ライン、81…コンデンサ、82…送信増幅器、83…受信増幅器、100…無線通信装置、200…アンテナ用同軸ケーブル、201…GPS用同軸ケーブル、202…携帯電話網用同軸ケーブル、203…インタフェース用ケーブル、210…放射素子、R1,R2・・・抵抗、L・・・コイル。

Claims (4)

  1. 車両(1)に搭載された無線通信装置(100)であって、
    前記車両の外部から無線送信された信号の受信及び前記車両の外部への信号の無線送信のうち少なくとも一方を行うための放射部(210)を有するアンテナ(21)と、
    前記アンテナを介して通信される前記信号を処理する回路であって、前記回路の接地電位となる接地部(7)を有する通信回路(8)と、
    前記アンテナの異常状態を検出する検出回路(9,35,45)と、
    内部導体及び外部導体を備え、前記内部導体は、一端が前記アンテナの前記放射部に接続され、もう一端が前記通信回路に接続され、前記外部導体は、一端が前記アンテナの一部に接続され、もう一端が前記接地部に接続されている、同軸ケーブル(200)と、
    前記検出回路により前記異常状態が検出された場合、前記外部導体における前記もう一端の接続先を前記接地部から前記内部導体へ切り替える切替部(6)と、
    を備える、無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記アンテナは、当該アンテナの接地部を構成する地板(24)と、前記放射部と、を備え、
    前記外部導体は、一端が前記地板に接続され、もう一端が前記通信回路における前記接地部に接続されている、無線通信装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置であって、
    前記通信回路と前記外部導体の間に接続され、前記切替部によって前記外部導体が前記内部導体へ接続された状態における前記アンテナと前記通信回路とを整合させるための整合回路(31)と、
    前記通信回路の接続先を前記内部導体及び前記整合回路の何れか一方に選択的に切り替えるために設けられ、少なくとも前記検出回路により前記異常状態が検出された場合は、前記通信回路の接続先を前記整合回路に切り替えるように構成された整合用切替部(32)と、
    を備える、無線通信装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置であって、
    前記通信回路と前記内部導体の間に接続され、前記信号を伝送させるための伝送部(46)と、
    前記通信回路と前記内部導体の間において前記伝送部と並列に接続され、前記アンテナと前記通信回路とを整合させるための整合回路(43)と、
    前記アンテナと前記通信回路との整合状態を検出する整合状態検出部(44,45)と、
    前記切替部を第1の切替部として、この第1の切替部とは別に設けられ、前記通信回路を前記伝送部及び前記整合回路のうち何れか一方に選択的に切り替える第2の切替部(41,42)と、
    前記整合状態検出部により検出された前記整合状態に基づいて、前記第1の切替部及び前記第2の切替部の動作を個別に制御する切替制御部(45)と、
    を備える、無線通信装置。
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