JP6461039B2 - 可変特性アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、可変特性アンテナに関し、特に、2つの素子を備えるアンテナに関する。
工場、オフィスビル、各家庭等の建造物には、ガスメータや電力量計等の計測器が設けられている。ガス、電力等を供給するインフラ事業者の作業員は、計測器が設置されている場所に定期的に出向き、その指示値を読み取る。インフラ事業者は、計測器の指示値に応じて需用者から料金を徴収する。
近年では、計測器の指示値を読み取る労力を軽減するため、テレメータリングシステムの研究開発が広く行われている。テレメータリングシステムでは、計測器と共に無線機が需用者の建造物に設けられる。無線機は、計測器の指示値を無線信号によって中継機に送信し、中継機は通信網を介してインフラ事業者の事業所に指示値を送信する。これによって、インフラ事業者は各計測器の指示値を回収する。
また、近年では、インターネット等の有線通信網にアクセスするための公衆無線LAN(Local Area Network)が普及している。コンピュータやスマートフォンは、公衆無線LANを介して有線通信網に通信接続される。
テレメータリングシステムに用いられる無線機や、コンピュータ、スマートフォン等に内蔵される無線機のアンテナには、特許文献1および2に示されているような逆Fアンテナがある。逆Fアンテナは、接地導体板に沿って延伸する構造を有するため、小型化に適している。また、特許文献3には、本発明に関連するアンテナとして、ダイポールアンテナと逆Fアンテナとを組み合わせたアンテナが記載されている。
特開2015−50580号公報 特開2010−74489号公報 特開2001−345625号公報
テレメータリングシステムの無線機が設置される建造物の構造は様々である。また、コンピュータ、スマートフォン等の携帯端末は環境が異なる様々な場所で使用される。そのため、無線機で送受信される無線信号の伝搬状況は一定ではなく、無線機が置かれた環境によっては、無線機のアンテナの性能を十分に発揮できないことがある。
本発明は、環境の変化によるアンテナの性能の劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、可変特性アンテナにおいて、第1素子および第2素子を備え、前記第1素子および前記第2素子のそれぞれは、第1方向に伸びる給電区間と、前記給電区間の一端から前記第1方向とは異なる第2方向に伸びる本体区間と、前記本体区間の中途点と接地導体との間に設けられ、前記給電区間に対向する短絡区間と、を備え、前記第1素子における前記給電区間、および、前記第2素子における前記給電区間は、並べて配置されており、 前記第1素子における前記本体区間と、前記第2素子における前記本体区間とは、互いに離れる方向に伸びており、前記可変特性アンテナは、前記第2素子における前記給電区間の他端と前記接地導体との間に接続されたスイッチを備えることを特徴とする。
望ましくは、前記第1素子における前記本体区間、および前記第2素子における前記本体区間は、直線状に配置されており、前記第1素子および前記第2素子は、同一平面上に形成されている。
望ましくは、前記第1素子および前記第2素子が配置された絶縁体板を備え、前記第1素子と前記第2素子は、前記絶縁体板の異なる面に配置されている。
望ましくは、前記第1素子および前記第2素子の少なくとも一方における前記短絡区間と前記接地導体との間に設けられた接地スイッチを備える。
望ましくは、前記第1素子および前記第2素子の少なくとも一方における前記短絡区間と前記接地導体との間に設けられた可変リアクタンス素子を備える。
望ましくは、前記給電区間の幅は、前記本体区間の幅よりも広い。
本発明によれば、環境の変化によるアンテナの性能の劣化を抑制することができる。
可変特性アンテナの構成を模式的に示す図である。 特性切り換えスイッチがオフの場合における可変特性アンテナの構成を模式的に示す図である。 特性切り換えスイッチがオンの場合における可変特性アンテナの構成を模式的に示す図である。 絶縁体板上に形成された可変特性アンテナを示す図である。 可変特性アンテナの各部の大きさを示す図である。 給電端から可変特性アンテナ側を見た入力インピーダンスを示す図である。 給電端から可変特性アンテナ側を見た反射係数を示す図である。 垂直偏波についてのzx平面での指向性を示す図である。 垂直偏波についてのxy平面での指向性を示す図である。 水平偏波についてのzx平面での指向性を示す図である。 水平偏波についてのxy平面での指向性を示す図である。 第1素子と第2素子とを絶縁体板の互いに反対側の面に配置した可変特性アンテナを示す図である。 給電線としてコプレーナ線路を用いた可変特性アンテナを示す図である。 接地スイッチを用いた可変特性アンテナを示す図である。 可変容量ダイオードを用いた可変特性アンテナを示す図である。 本体区間をクランク形状とした可変特性アンテナを示す図である。 本体区間を渦巻き形状とした可変特性アンテナを示す図である。 可変特性アンテナを用いた無線機の構成を示す図である。
図1には、本発明の実施形態に係る可変特性アンテナの構成が模式的に示されている。x軸正方向は奥側から手前側に向かう方向に対応する。y軸正方向は水平右方向に対応し、z軸正方向は鉛直上方向に対応する。以下の説明では、y軸方向を水平方向とし、z軸方向を鉛直方向としているが、この定義は構造を説明するための便宜上のものであり、可変特性アンテナの姿勢を限定するものではない。
可変特性アンテナは、第1素子10、第2素子20、特性切り換えスイッチ14、および接地導体16を備える。第1素子10は、給電区間102、本体区間104、および短絡区間106を備える。給電区間102はz軸方向に伸びている。本体区間104は、給電区間102の上端からy軸正方向に伸びている。短絡区間106は、本体区間104の中途の位置からz軸負方向に接地導体16まで伸びており、給電区間102に対向している。
第2素子20は、第1素子10に対して左右対称の構造を有している。すなわち、第2素子20は、給電区間202、本体区間204、および短絡区間206を備える。特性切り換えスイッチ14の一端は接地導体16に接続されており、特性切り換えスイッチ14の他端に給電区間202の一端が接続されている。給電区間202は特性切り換えスイッチ14の他端からz軸正方向に伸びている。本体区間204は、給電区間202の上端からy軸負方向に伸びている。短絡区間206は、本体区間204の中途の位置からz軸負方向に接地導体16まで伸びており、給電区間202に対向している。
このように、第1素子10および第2素子20のそれぞれは、第1方向(z軸方向)に伸びる給電区間と、給電区間の一端(上端)から第1方向とは異なる第2方向(y軸方向)に伸びる本体区間と、本体区間の中途点と接地導体16との間に設けられ、給電区間に対向する短絡区間とを備えている。第1素子10における給電区間102、および、第2素子20における給電区間202は、延伸方向をz軸方向に揃えて並べて配置されており、第1素子10における本体区間104と、第2素子20における本体区間204とは、互いに離れる方向に伸びている。
第1素子10の本体区間104は、給電区間102の上端からy軸正方向よりも上側を見上げる方向に伸びた区間であってもよいし、給電区間102の上端からy軸正方向よりも下側を見下げる方向に伸びた区間であってもよい。同様に、第2素子20の本体区間204は、給電区間202の上端からy軸負方向よりも上側を見上げる方向に伸びた区間であってもよいし、給電区間202の上端からy軸負方向よりも下側を見下げる方向に伸びた区間であってもよい。
また、第1素子10における給電区間102および第2素子20における給電区間202は平行でなくてもよい。すなわち、これらの給電区間は、上側ほど間隔が広がるような位置関係で並べて配置されていてもよいし、下側ほど間隔が広がるような位置関係で並べて配置されてもよい。さらに、第1素子10における短絡区間106および第2素子20における短絡区間206は、z軸方向に対して斜めに伸びた区間であってもよい。
第1素子10の給電区間102の下端は可変特性アンテナの給電端Fとなる。すなわち、給電区間102の下端には給電線が接続され、給電線から供給された送信信号に応じた電磁波が可変特性アンテナから放射される。また、可変特性アンテナで受信された電磁波に基づく受信信号が給電端Fから出力される。なお、給電線として同軸ケーブル等の不平衡ケーブルを用いる場合、給電線に伴う接地導体線は接地導体16に接続される。
第1素子10は、本体区間104の一端側に給電区間102が設けられ、本体区間104の中途の位置に短絡区間106が設けられた逆Fアンテナを形成している。同様に、第2素子20もまた、本体区間204の一端側に給電区間202が設けられ、本体区間の中途の位置に短絡区間206が設けられた逆Fアンテナを形成している。特性切り換えスイッチ14がオフの場合、図2に示されているように、第2素子20の給電区間202は接地導体16から切り離される。
図2に示される構成では、給電端Fと接地導体16との間に信号源18が接続されている。この信号源18は、給電端Fと接地導体16との間に送信信号が入力されることを概念的に示すものである。信号源18は接地導体線を伴う不平衡ケーブルに置き換えられてもよい。
信号源18が給電端Fと接地導体16との間に送信信号を入力することで、第1素子10の給電区間102、本体区間104および短絡区間106のそれぞれに電流が流れる。第1素子10の各区間に流れる電流と、第1素子10の各区間に流れる電流に伴って接地導体16に流れる帰路電流によって電磁波が放射される。
図2に示される構成では、第1素子10における給電区間102にz軸方向の不平衡電流が集中する傾向がある。給電区間102に不平衡電流が集中した場合、第1素子10から放射される垂直偏波の大きさは、第1素子10から放射される水平偏波の大きさよりも大きくなる。
第1素子10における短絡区間106のy軸方向の位置を変化させると、給電端Fから可変特性アンテナ側を見た入力インピーダンスが変化する。短絡区間106のy軸方向の位置は、例えば、入力インピーダンスと、給電端Fから信号源18側を見た信号源インピーダンスとが整合条件を満たすように決定される。整合条件は、入力インピーダンスと信号源インピーダンスとが複素共役の関係にあるという条件である。
第1素子10は、電磁波の波長の1/4の長さが給電区間102と本体区間104とを併せた長さに近いときの周波数で共振する場合が多い。ただし、共振周波数は、短絡区間106の影響を受けるという条件下で定まる。可変特性アンテナから送信される電磁波の大きさは、送信信号の周波数と共振周波数とが一致するときに大きくなる。
次に、特性切り換えスイッチ14がオンの場合の動作について説明する。この場合、図3(a)に示されているように、第2素子20の給電区間202の下端が接地導体16に接続される。そして、第1素子10および第2素子20が並べて配置されたアンテナが形成される。
信号源18が、給電端Fと接地導体16との間に送信信号を入力することで、第1素子10の給電区間102の下端と、第2素子20の給電区間202の下端との間に送信信号が入力される。これによって、第1素子10および第2素子20の各区間に電流が流れる。
第1素子10の本体区間104と第2素子20の本体区間204は直線状に配置されており、これらの本体区間には同一方向の電流が流れる。したがって、第1素子10の本体区間104および第2素子20の本体区間204は、ダイポールアンテナを形成する2つの素子として機能する。
また、第1素子10の給電区間102と第2素子20の給電区間202は方向を揃えて並べられている。第1素子10の給電区間102の下端と、第2素子20の給電区間202の下端とでは電圧の極性が異なるため、これらの給電区間に互いに逆方向の平衡電流が流れる。この平衡電流は、給電区間102および202に同一方向に流れる不平衡電流よりも大きい。したがって、給電区間102および202から放射される電磁波は、図2に示される状態に比べて小さい。
よって、特性切り換えスイッチ14がオンの場合には、図3(b)に示されているように、第1素子10における給電区間102および本体区間104と、第2素子20における給電区間202および本体区間204とによって形成されるダイポールアンテナとしての動作が支配的となる。これによって、第1素子10および第2素子20から放射される水平偏波の大きさは、第1素子10および第2素子20から放射される垂直偏波の大きさよりも大きくなる。
特性切り換えスイッチ14がオンである場合、可変特性アンテナは、電磁波の波長の半分の長さが、第1素子10の本体区間104および第2素子20の本体区間204を併せた長さに近いときの周波数で共振する。ただし、共振周波数は、各短絡区間および接地導体16の影響を受けるという条件下で定まる。可変特性アンテナから送信される電磁波の大きさは、送信信号の周波数と共振周波数とが一致するときに大きくなる。
このように、特性切り換えスイッチ14がオフの場合、可変特性アンテナは第1素子10単独の不平衡アンテナとして動作する。これによって、可変特性アンテナから放射される垂直偏波は水平偏波よりも大きくなる。一方、特性切り換えスイッチ14がオンの場合、可変特性アンテナは、第1素子10および第2素子20のそれぞれにおける給電区間および本体区間によって形成されるダイポールアンテナ(平衡アンテナ)としての動作が支配的となる。これによって、可変特性アンテナから放射される水平偏波は垂直偏波よりも大きくなる。したがって、特性切り換えスイッチ14を制御することで、可変特性アンテナは、垂直偏波の送信に適した状態、または、水平偏波の送信に適した状態に切り換えられる。
ここでは、可変特性アンテナが電磁波を送信する動作について説明した。受動素子で構成されるアンテナには送信特性および受信特性について可逆性がある。したがって、可変特性アンテナで受信される電磁波に基づき給電端Fから出力される受信信号は、電磁波の周波数と可変特性アンテナの共振周波数とが一致するときに大きくなる。
そして、特性切り換えスイッチ14がオフの場合、可変特性アンテナは、水平偏波に対する受信感度よりも垂直偏波に対する受信感度の方が大きくなる。また、特性切り換えスイッチ14がオンの場合、可変特性アンテナは、垂直偏波に対する受信感度よりも水平偏波に対する受信感度の方が大きくなる。さらに、後述する指向性は、電磁波を送信する場合と受信する場合とで同一となる。なお、受信感度は、一定の強度の電磁波が到来している状況下で給電端Fから出力される受信信号の大きさとして定義される。
図4には、絶縁体板上に形成された可変特性アンテナが示されている。可変特性アンテナは、絶縁体板22、第1素子10、第2素子20および接地導体板24を備えている。絶縁体板22の下辺から高さH1までの長方形の領域には接地導体板24が接合されている。
第1素子10および第2素子20は、接地導体板24より上側の領域で絶縁体板22に接合されている。給電線として同軸ケーブルを用いる場合、給電端Fに内導体が接続され、接地導体板24に外導体が接続される。
第2素子20の給電区間202の下端と接地導体板24の上辺との間には、特性切り換えスイッチ14が接続されている。特性切り換えスイッチ14には、例えば、略直方体形状に形成され半田付けによって固定されるチップ部品が採用される。
図5には、図4に示された可変特性アンテナについて、使用周波数を2.8GHzとした場合の各部の大きさの例がミリメートルの単位で示されている。第2素子20は、第1素子10に対して左右対称の形状を有しているため、図5には第1素子10の大きさのみが示されている。絶縁体板の厚みは、1.6mm、比誘電率は4〜5である。
第1素子10および第2素子20のそれぞれにおける各区間の幅は、例えば、給電端におけるインピーダンス整合条件によって定められる。図5に示される例では、給電区間の幅が本体区間の幅よりも広く、短絡区間の幅が本体区間の幅よりも狭い。また、第1素子10および第2素子20のそれぞれにおける各区間の幅は、後述の水平偏波についての指向性または垂直偏波についての指向性が所望の特性となるように定められてもよい。
図6〜図9には、図5に示された大きさの可変特性アンテナの特性についてのシミュレーション結果が示されている。図6には、給電端から可変波長アンテナ側を見た入力インピーダンスがスミスチャートによって示されている。このスミスチャートは、中心点のインピーダンスを50Ωとしたものである。周波数範囲は2GHzから3GHzである。インピーダンス軌跡Z1は、特性切り換えスイッチがオフである場合の入力インピーダンスを示す。インピーダンス軌跡Z2は、特性切り換えスイッチがオンの場合の入力インピーダンスを示す。各インピーダンス軌跡に示されている矢印は、周波数が増加したときに軌跡が伸びる方向を示す。マーカM1は、特性切り換えスイッチがオフであるときの周波数2.8GHzでの入力インピーダンスを示し、マーカM2は、特性切り換えスイッチがオンであるときの周波数2.8GHzでの入力インピーダンスを示す。いずれのインピーダンス軌跡も2.8GHz付近で中心点に近付いている。
図7には、給電端から可変特性アンテナ側を見た反射係数(反射損失)が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸はデシベルスケールの反射係数を示す。反射係数Γoffは、特性切り換えスイッチがオフであるときの反射係数を示し、反射係数Γonは、特性切り換えスイッチがオンであるときの反射係数を示す。特性切り換えスイッチがオフである場合、2.8GHzでの反射係数は−11.4dBであり、定在波比VSWRに換算すると1.74である。特性切り換えスイッチがオンである場合、2.8GHzでの反射係数は−15.5dBであり、定在波比VSWRに換算すると1.4である。
図8Aには、垂直偏波についてのzx平面での指向性が示されている。図8Bには、垂直偏波についてのxy平面での指向性が示されている。指向性の単位はdBiであり、この単位は無指向性アンテナを基準とした指向性を表す。実線で示された指向性Vfは特性切り換えスイッチをオフにした場合の指向性を示す。破線で示された指向性Vnは指向性切り換えスイッチをオンにした場合の指向性を示す。指向性Vfは、xy平面におけるy軸正方向の強度が若干、指向性Vnよりも小さいものの、広い角度範囲に亘って指向性Vfの強度の方が、指向性Vnの強度よりも大きい。このように、図8Aおよび図8Bには、特性切り換えスイッチをオフにして不平衡アンテナとしての動作を支配的にした方が、特性切り換えスイッチをオンにしてダイポールアンテナとしての動作を支配的にした場合よりも、広い角度範囲に亘って垂直偏波に対する特性が良好であることが示されている。
図9Aには、水平偏波についてのzx平面での指向性が示されている。図9Bには、水平偏波についてのxy平面での指向性が示されている。指向性の単位はdBiである。実線で示された指向性Hfは特性切り換えスイッチをオフにした場合の指向性を示す。破線で示された指向性Hnは特性切り換えスイッチをオンにした場合の指向性を示す。指向性Hnの強度は、総ての角度範囲について指向性Hfの強度よりも大きい。このように、図9Aおよび図9Bには、特性切り換えスイッチをオンにしてダイポールアンテナとしての動作を支配的にした方が、特性切り換えスイッチをオフにして不平衡アンテナとしての動作を支配的にした場合よりも、水平偏波に対する特性が良好であることが示されている。
図10には、第1素子10と第2素子20とを絶縁体板22の互いに反対側の面に配置した可変特性アンテナが示されている。第2素子20および接地導体板24は図4に示されている構造と同一の構造を有している。裏面には、表面の接地導体板24に対向する接地導体板24Bが接合されている。第1素子10は絶縁体板22の裏面側に配置されている。なお、裏面に接地導体板24Bを設けない構造とし、第1素子10の給電区間102の下端に裏面から表面に至るスルーホールを設けた構造としてもよい。この場合、スルーホールの表側の端に給電端としてのランドが設けられてもよい。また、第1素子10の短絡区間106の下端には、裏面から表面に至り、表面に設けられた接地導体板24に接続されるスルーホールが設けられてもよい。
図11には、給電線としてコプレーナ線路を用いた可変特性アンテナが示されている。接地導体板24は、第1接地導体板241と第2接地導体板252の2つに分離されており、第1接地導体板241と第2接地導体板252との間には帯状の隙間26が形成されている。この隙間26には、給電端Fに一端が接続され、他端が無線回路30に接続された線状導体28が設けられている。線状導体28、第1接地導体板241、第2接地導体板252および絶縁体板22はコプレーナ線路を形成する。コプレーナ線路は、可変特性アンテナおよび無線回路30との間で信号を伝送する。
図12には、第1素子10の短絡区間106の下端と接地導体16との間に第1接地スイッチ132が設けられ、第2素子20の短絡区間206の下端と接地導体16との間に第2接地スイッチ232が設けられた例が示されている。
可変特性アンテナにつき不平衡アンテナとしての動作を支配的とする場合、特性切り換えスイッチ14をオフにし、第1接地スイッチ132をオンにする。第2接地スイッチ232はオンまたはオフのいずれの状態であってもよい。
一方、可変特性アンテナにつきダイポールアンテナとしての動作を支配的とする場合、特性切り換えスイッチ14をオンにする。その状態で、必要な特性に応じて第1接地スイッチ132をオンまたはオフとし、第2接地スイッチ232をオンまたはオフとする。例えば、受信された電磁波に基づき給電端Fから出力される受信信号の大きさが所定値を超えるか、あるいは、最も大きくなるように、第1接地スイッチ132および第2接地スイッチ232の状態を切り換える。
なお、第1接地スイッチ132および第2接地スイッチ232は、必ずしも両方が設けられている必要はなく、一方のみが設けられてもよい。また、第1接地スイッチ132および第2接地スイッチ232は、可変容量ダイオード等の可変リアクタンス素子に置き換えられてもよい。可変リアクタンス素子のリアクタンスを変化させることで、可変特性アンテナの特性が変化する。
図13には、可変リアクタンス素子として可変容量ダイオードを用いた場合の回路構成例が示されている。第1素子10の短絡区間106の下端と接地導体16との間には、容量切り換えスイッチ142の切り換えに応じて容量が変化する第1容量切り換え回路134が設けられている。第1容量切り換え回路134は、直流阻止キャパシタ136、可変容量ダイオード138、容量切り換えスイッチ142、および直流電圧源140を備える。
第1素子10の短絡区間106の下端には、直流阻止キャパシタ136の一端が接続されている。直流阻止キャパシタ136の他端には、可変容量ダイオード138のカソード端子が接続されている。可変容量ダイオード138のアノード端子は接地導体16に接続されている。直流電圧源140の負極端子は接地導体16に接続され、正極端子は容量切り換えスイッチ142の一端に接続されている。容量切り換えスイッチ142の他端は、直流阻止キャパシタ136と可変容量ダイオード138との接続点に接続されている。
直流阻止キャパシタ136の容量は、使用周波数でのインピーダンスが十分小さくなるように決定されている。容量切り換えスイッチ142がオンになると、直流電圧源140によって可変容量ダイオード138に逆方向バイアス電圧が印加され、逆方向バイアス電圧が印加されていないときよりも可変容量ダイオード138の容量が小さくなる。直流阻止キャパシタ36が設けられていることで、直流電圧源140から短絡区間106に直流電流が流入することはない。
このような回路構成によれば、容量切り換えスイッチ142が切り換えられることで、可変容量ダイオード138の容量が変化し、本体区間104から短絡区間106および可変容量ダイオード138を経て接地導体16に至るまでの電気長が変化する。
第2素子20の短絡区間206の下端と接地導体16との間にも、第1素子10側に設けられている第1容量切り換え回路134と同様の回路構成を有する第2容量切り換え回路234が設けられている。直流阻止キャパシタ236、可変容量ダイオード238、直流電圧源240、および容量切り換えスイッチ242は、それぞれ、直流阻止キャパシタ136、可変容量ダイオード138、直流電圧源140、および容量切り換えスイッチ142と同様の機能を有している。第2容量切り換え回路234の容量切り換えスイッチ242が切り換えられることで、第2容量切り換え回路234の可変容量ダイオード238の容量が変化し、本体区間204から短絡区間206および可変容量ダイオード238を経て接地導体16に至るまでの電気長が変化する。
したがって、第1容量切り換え回路134の容量切り換えスイッチ142、または、第2容量切り換え回路234の容量切り換えスイッチ242を切り換えることで、可変特性アンテナの特性が切り換えられる。なお、直流電圧源140および240は、別々に設ける必要はなく共通の電圧源であってもよい。
ここでは、可変リアクタンスとして、可変容量ダイオードを用いた場合について取り上げたが、可変リアクタンスとしては、インダクタンスが可変となる素子が用いられてもよい。
図14には、第1素子10および第2素子20のそれぞれにおける本体区間をクランク形状にした例が示されている。第1素子10の本体区間144は、短絡区間106の上端の位置よりも右側の位置で、下方向、右方向、上方向、右方向の順に伸び、このクランク形状がy軸正方向に沿って2回に亘って繰り返された形状を有している。第2素子20は、第1素子10に対して左右対称の形状を有している。すなわち、第2素子20の本体区間244は、短絡区間206の上端の位置よりも左側の位置で、下方向、左方向、上方向、左方向の順に伸び、このクランク形状がy軸負方向に沿って2回に亘って繰り返された形状を有している。
第1素子10および第2素子20の共振周波数は本体区間の長さに依存する。すなわち、本体区間が長い程共振周波数が低くなり、可変特性アンテナの使用周波数が低くなる。また、使用周波数が一定であるという条件の下では、本体区間の長さはほぼ一定である。そのため、クランク形状を採用することで、本体区間が横方向に占める長さが短くなる。したがって、このような構造によれば、使用周波数が一定であるという条件下で、第1素子10および第2素子20が横方向に占める長さが短くなる。また、第1素子10および第2素子20が横方向に占める長さを維持しつつ、使用周波数を低くする設計が容易となる。なお、クランク形状が繰り返される回数は任意であり、必要とされる特性に応じて定められる。
図15には、第1素子10および第2素子20のそれぞれにおける本体区間を渦巻き形状にした例が示されている。第1素子10の本体区間146は右端から下方向に延びた後、左方向、上方向、右方向、下方向、左方向の順に伸び、内側に向かいながら周回して終端に至る。第2素子20は、第1素子10に対して左右対称の形状を有している。すなわち、第2素子20の本体区間246は左端から下方向に延びた後、右方向、上方向、左方向、下方向、右方向の順に伸び、内側に向かいながら周回して終端に至る。このような構造によれば、図14に示される構造と同様の効果が得られる。すなわち、使用周波数が一定であるという条件下で、第1素子10および第2素子20が横方向に占める長さが短くなる。また、第1素子10および第2素子20が横方向に占める長さを維持しつつ、使用周波数を低くする設計が容易となる。なお、渦巻き形状の周回数は任意であり、必要とされる特性に応じて定められる。
図16には可変特性アンテナを用いた無線機100の構成が示されている。この無線機100は、例えば、テレメータリングシステムにおける計測器と共に用いられる。また、無線LAN用の無線モジュールとして、コンピュータ、携帯電話機、スマートホンに内蔵されてもよい。
無線機100は、可変特性アンテナ50および無線部54を備える。可変特性アンテナ50は電磁波を受信し受信信号を無線部54に出力する。無線部54は、受信信号の大きさに応じて可変特性アンテナ50が備える特性切り換えスイッチ52をオンまたはオフに設定する。例えば、特性切り換えスイッチ52をオンにした場合の受信信号の大きさと、特性切り換えスイッチ52をオフにした場合の受信信号の大きさとを比較し、受信信号が大きい方の状態に特性切り換えスイッチ52の状態を設定する。
無線部54は、オンまたはオフのうち、受信信号に応じて設定された特性切り換えスイッチ52の状態で、可変特性アンテナ50に送信信号を出力する。可変特性アンテナ50は、無線部54から出力された送信信号に応じた電磁波を送信する。
上述のように、可変特性アンテナ50は、特性切り換えスイッチ52がオフの場合には水平偏波よりも垂直偏波に対して特性が良好となる。そして、特性切り換えスイッチ52がオンの場合には垂直偏波よりも水平偏波に対して特性が良好となる。
一方、可変特性アンテナ50に到来する電磁波に含まれる垂直偏波の大きさと水平偏波の大きさは、無線機100が設置される環境によって異なる。したがって、受信信号の大きさに応じて特性切り換えスイッチ52を切り換えることで、無線機100における受信状況が良好となる。また、可変特性アンテナ50による受信状況が良好であるときは、その状態で信号を送信することで送信状況も良好になることが多い。したがって、受信信号の大きさに応じて特性切り換えスイッチ52を切り換えることで、無線機100における送信状況が良好となる。このように、無線機100は、受信状況に応じて指向性(偏波特性)を切り換える指向性ダイバーシチ方式(偏波ダイバーシチ方式)の送受信を行う。
なお、図12に示される可変特性アンテナを用いる場合には、無線部54は、受信信号の大きさに応じて、特性切り換えスイッチ14の他、第1接地スイッチ132および第2接地スイッチ232の状態を設定する。また、各接地スイッチに代えて可変リアクタンスを用いる場合には、無線部54は、受信信号の大きさに応じて、特性切り換えスイッチの他、各可変リアクタンスのリアクタンスを変化させる。
10 第1素子、14 特性切り換えスイッチ、16 接地導体、18 信号源、20 第2素子、102,202 給電区間、104,204,144,244,146,246 本体区間、106,206 短絡区間、22 絶縁体板、24,24B 接地導体板、241 第1接地導体板、252 第2接地導体板、26 隙間、28 線状導体、30 無線回路、132 第1接地スイッチ、232 第2接地スイッチ、134 第1容量切り換え回路、234 第2容量切り換え回路、136,236 直流阻止キャパシタ、138,238 可変容量ダイオード、140,240 直流電圧源、142,242 容量切り換えスイッチ。

Claims (6)

  1. 可変特性アンテナにおいて、
    第1素子および第2素子を備え、前記第1素子および前記第2素子のそれぞれは、
    第1方向に伸びる給電区間と、
    前記給電区間の一端から前記第1方向とは異なる第2方向に伸びる本体区間と、
    前記本体区間の中途点と接地導体との間に設けられ、前記給電区間に対向する短絡区間と、を備え、
    前記第1素子における前記給電区間、および、前記第2素子における前記給電区間は、並べて配置されており、
    前記第1素子における前記本体区間と、前記第2素子における前記本体区間とは、互いに離れる方向に伸びており、
    前記可変特性アンテナは、
    前記第2素子における前記給電区間の他端と前記接地導体との間に接続されたスイッチを備えることを特徴とする可変特性アンテナ。
  2. 請求項1に記載の可変特性アンテナにおいて、
    前記第1素子における前記本体区間、および前記第2素子における前記本体区間は、直線状に配置されており、
    前記第1素子および前記第2素子は、同一平面上に形成されていることを特徴とする可変特性アンテナ。
  3. 請求項1に記載の可変特性アンテナにおいて、
    前記第1素子および前記第2素子が配置された絶縁体板を備え、
    前記第1素子と前記第2素子は、前記絶縁体板の異なる面に配置されていることを特徴とする可変特性アンテナ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可変特性アンテナにおいて、
    前記第1素子および前記第2素子の少なくとも一方における前記短絡区間と前記接地導体との間に設けられた接地スイッチを備えることを特徴とする可変特性アンテナ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可変特性アンテナにおいて、
    前記第1素子および前記第2素子の少なくとも一方における前記短絡区間と前記接地導体との間に設けられた可変リアクタンス素子を備えることを特徴とする可変特性アンテナ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可変特性アンテナにおいて、
    前記給電区間の幅は、前記本体区間の幅よりも広いことを特徴とする可変特性アンテナ。
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