JP6451528B2 - 車両用ワイパ装置 - Google Patents

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本発明は、カバーを備えた車両用ワイパ装置に関する。
車両用ワイパ装置では、ワイパアームを構成するリテーナの開口部を塞ぐカバーを備えたものがある(例えば、下記特許文献1参照)。これにより、リテーナの見栄えを向上することができ、リテーナの開口部から走行風等が侵入することを抑制できる。なお、カバーをリテーナに取付けるときには、カバーとリテーナとを係合させることで、簡易な構造でカバーをリテーナに取付けることができる。
米国特許第2850755号公報
ところで、一般にリテーナの幅寸法は先端側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。このため、カバーの先端部をリテーナの先端側の部分に取付けるときには、例えば、カバーの係合爪をリテーナの側壁にカバーを係合させる構造が考えられる。しかしながら、この場合には、例えば、カバーの係合爪を係合させる孔等をリテーナの側壁に形成する必要があるため、車両用ワイパ装置の見栄えを損ねるという課題がある。
本発明は、上記事実を考慮し、見栄えを向上しつつリテーナの先端側の部分にカバーを取付けることができる車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。
本開示の車両用ワイパ装置は、ピボット軸に固定され、前記ピボット軸の軸回りに回動するアームヘッドと、基端部が前記アームヘッドに連結された長尺状を成すと共に、先端側へ向かうに従い幅寸法が小さく設定され、且つ長手方向から見た断面視でウインドシールドガラス側へ開口された凹状に形成され、先端側の部分における開口部に幅方向一方側の側壁から内側に突出された第1係合部が形成されたリテーナと、長尺板状に形成され、基端部が前記リテーナに係合された状態で前記リテーナの開口部を塞ぐカバーと、前記カバーの先端部に形成されると共に、前記カバーの基端側へ弾性変形可能に構成され、前記第1係合部に係合されて前記カバーの先端部の前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する第1係合爪と、を備えている。
上記構成によれば、長尺状を成すリテーナの基端部が、ピボット軸に固定されたアームヘッドに連結されている。このリテーナの幅寸法は、先端側へ向かうに従い小さく設定されており、リテーナは、その長手方向から見た断面視で、ウインドシールドガラス側へ開口された凹状に形成されている。また、リテーナの開口部は、長尺板状を成すカバーによって塞がれており、カバーの基端部がリテーナに係合されている。
ここで、リテーナの先端側の部分における開口部には、リテーナの幅方向一方側の側壁から内側に突出された第1係合部が形成されている。また、カバーの先端部には、カバーの基端側へ弾性変形可能に構成された第1係合爪が形成されており、第1係合爪が第1係合部に係合されて、カバーの先端部におけるウインドシールドガラス側への移動が制限される。これにより、第1係合部と第1係合爪とをリテーナの長手方向に並べて配置しつつ、第1係合爪の弾性変形の変位方向を長手方向に沿った方向としてカバーの先端部をリテーナに取付けできる。したがって、幅寸法の小さいリテーナの先端側の部分においても幅寸法に制約されずに第1係合爪の充分な変位量を確保してカバーの先端部をリテーナにしっかりと取付けることができる。しかも、第1係合爪は、リテーナの幅方向一方側の側壁からリテーナの開口部へ突出された第1係合部に係合されているため、第1係合爪と第1係合部との係合状態がウインドシールドガラスとは反対側から視認されることを抑制できる。
また、本開示の車両用ワイパ装置は、前記リテーナの開口部には、前記第1係合部に対して前記リテーナの基端側の位置において、前記リテーナの前記幅方向一方側の側壁から内側に突出された第2係合部が形成され、前記カバーの先端部には、前記第1係合部に対して前記カバーの基端側の位置において、前記カバーの先端側へ弾性変形可能に構成された第2係合爪が形成されており、前記第2係合爪が前記第2係合部に係合されて前記カバーの先端部の前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する。
上記構成によれば、第1係合爪に加えて第2係合爪によってもカバーの先端部におけるウインドシールドガラス側への移動を制限することができる。また、第2係合爪は、カバーの先端側へ弾性変形可能に構成されているため、第1係合爪及び第2係合爪によって、カバーの長手方向の移動を制限することができる。
また、本開示の車両用ワイパ装置は、前記リテーナには、前記第1係合部に対して先端側の位置において第1ウォッシャノズルが取付けられると共に、前記第2係合部に対して基端側の位置において第2ウォッシャノズルが取付けられており、前記第2ウォッシャノズルが、前記リテーナの前記幅方向一方側の側壁における内側面に隣接して収容配置されている。
上記構成によれば、リテーナの内部において、第1係合爪、第2係合爪、及び第2ウォッシャノズルを、リテーナの幅方向一方側に纏めて配置することができる。これにより、第2ウォッシャノズルよりも先端側に配置される第1ウォッシャノズルに接続されるホースを、リテーナの内部において第1係合爪、第2係合爪、及び第2ウォッシャノズルに対してリテーナの幅方向他方側に配策することができる。したがって、リテーナの内部において、効率のよい配置構造を実現することができる。
本開示の車両用ワイパ装置は、前記第2係合部における前記リテーナの先端側の部分に前記第2係合爪が係合されており、前記第2係合部における前記リテーナの基端側の部分に前記第2ウォッシャノズルが係合されている。
上記構成によれば、第2係合爪が係合される第2係合部を活用して、第2ウォッシャノズルをリテーナに係合させることができる。これにより、第2係合爪及び第2ウォッシャノズルの配置スペースを省スペース化することができ、リテーナの構造を簡素化することができる。
本開示の車両用ワイパ装置は、前記リテーナの開口部には、前記第2係合部に対して前記リテーナの基端側の位置において、前記リテーナの幅方向両側の側壁からそれぞれ突出された一対の第3係合部が形成され、前記カバーには、前記カバーの幅方向内側に弾性変形可能に構成された一対の第3係合爪が形成されており、前記第3係合爪が前記第3係合部に係合されて前記カバーにおける前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する。
上記構成によれば、第3係合爪によってカバーのリテーナに対する幅方向の移動を制限することができる。したがって、カバーの取付状態を良好にすることができる。
図1は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置に用いられるリテーナカバーを、ワイパアームからリテーナカバーを取り外した状態で示すアーム下側から見た分解斜視図である。 図2は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置を示すアーム上側から見た平面図である。 図3は、図2に示されるワイパアームの回動を説明するためのウインドシールドガラスの払拭面の外側から見た平面図である。 図4は、図2に示されるワイパアームを示す側面図である。 図5は、図2に示されるワイパアームを示すアーム下側から見た背面図である。 図6(A)は、図4に示されるアームヘッドのヘッド側連結部に付勢機構が連結された状態を示す斜視図であり、図6(B)は、図6(A)に示される付勢機構を示すアーム先端側から見た斜視図である。 図7(A)は、リテーナが払拭姿勢位置に配置されたときの付勢機構の状態を示す側断面図であり、図7(B)は、リテーナが起立姿勢位置に配置されたときの付勢機構の状態を示す側断面図である。 図8は、図1に示されるリテーナの長手方向中間部を拡大して示す斜視図である。 図9は、リテーナが起立姿勢位置に配置されたときのリテーナの基端部周辺を示す斜視図である。 図10は、図1に示されるリテーナカバーの内側を示す斜視図である。 図11(A)は、リテーナカバーの第3係合爪をアーム先端側から見た断面図(図1の11A−11A線断面図)であり、図11(B)は、リテーナカバーの第1係合爪及び第2係合爪をリテーナカバーの幅方向一方側から見た断面図(図1の11B−11B線断面図)である。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る車両用ワイパ装置10について説明する。図2及び図3に示されるように、車両用ワイパ装置10は、略長尺状に形成されたワイパアーム12と、ワイパアーム12の先端部に連結された略長尺状のワイパブレード120と、を含んで構成されている。そして、ワイパアーム12が回動されることで、ワイパブレード120が車両(自動車)のウインドシールドガラスG(以下、WSガラスGという)の被払拭面Sを払拭するようになっている。以下、主として車両用ワイパ装置10のワイパアーム12の構成について説明する。
(ワイパアーム12について)
図4及び図5に示されるように、ワイパアーム12は、略長尺状に形成されて、WSガラスG(図4及び図5では不図示)の厚さ方向(被払拭面Sに対して直交する方向であり、図4の矢印C及び矢印D方向)においてWSガラスGと対向して配置されている。なお、以下の説明では、ワイパアーム12の長手方向一方側(図4及び図5に示される矢印A方向側)をアーム先端側と称し、ワイパアーム12の長手方向他方側(図4及び図5に示される矢印B方向側)をアーム基端側と称する。また、ワイパアーム12に対してWSガラスGとは反対側(図4に示される矢印C方向側)をアーム上側と称し、ワイパアーム12に対してWSガラスG側(図4に示される矢印D方向側)をアーム下側と称する。
ワイパアーム12は、ワイパアーム12の基端側の部分を構成するアームヘッド14と、ワイパアーム12の先端側の部分を構成するリテーナ30と、を含んで構成されている。また、リテーナ30には、その先端部において「第1ウォッシャノズル」としてのメインノズル60(図5参照)が取付けられており、その長手方向中間部において「第2ウォッシャノズル」としてのサブノズル70(図5参照)が取付けられている。すなわち、ワイパアーム12は、ノズル付ワイパアームとして構成されている。さらに、ワイパアーム12は、リテーナ30の開口部を塞ぐ「カバー」としてのリテーナカバー90を備えている。
(アームヘッド14について)
アームヘッド14は、略長尺状に形成されると共に、先端側から見てWSガラスG側へ開口された凹状に形成されている。このアームヘッド14の基端部には、固定部16が形成されており、固定部16には、略円柱形状のピボット軸PA(図4参照)の先端部が締結固定されている。このピボット軸PAは、車両のフレーム等に固定されたピボットホルダ(図示省略)に回動自在に支持されると共に、ワイパモータ(図示省略)にリンク機構等を介して連結されている。そして、ワイパモータの駆動力によってピボット軸PAが往復回動することで、図3に示されるように、ワイパアーム12が、停止位置と反転位置との間を往復回動するようになっている。なお、ワイパアーム12が、停止位置から反転位置へ向かう方向(図3の矢印a方向)を回動方向一方側としており、反転位置から停止位置へ向かう方向(図3の矢印b方向)を回動方向他方側としている。
図6(A)に示されるように、アームヘッド14の先端部には、後述するリテーナ30をアームヘッド14に連結させるためのヘッド側連結部18が形成されている。なお、図6(A)では、便宜上リテーナ30を図示省略している。このヘッド側連結部18には、アームヘッド14の幅方向を軸方向とする連結軸20が貫通して設けられている。また、ヘッド側連結部18の先端部には、連結軸20に対してアーム先端側で且つアーム上方側の位置において、後述するスプリングガイド54を支持する支持軸22が埋設されており、支持軸22は、アームヘッド14の幅方向を軸方向として連結軸20と平行に配置されている。さらに、ヘッド側連結部18の先端部には、幅方向中央部において、アーム上下方向に貫通されたスリット18Aが形成されており、スリット18Aは、アームヘッド14の先端側へ開放されている。そして、スリット18A内に支持軸22の長手方向中間部が露出された状態で配置され、スプリングガイド54がこのスリット18A内において回動可能に支持されている。なお、アームヘッド14には、アームヘッド14の開口部を塞ぐヘッドカバー24(図5参照)が取付けられている。
(リテーナ30について)
図1、図4、及び図5に示されるように、リテーナ30は、略長尺状に形成されると共に、長手方向から見てアーム下方側(WSガラスG側)へ開放された断面略U字状(凹状)に形成されている。具体的には、リテーナ30は、頂壁30Aと、頂壁30Aの幅方向両端からそれぞれアーム下方側へ延出された一対の側壁30B,30Cと、を含んで構成されている。また、リテーナ30の幅寸法(言い換えれば、一対の側壁30B,30Cの対向間隔であり、ワイパアーム12の幅寸法に対応する)は、リテーナ30の先端側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。すなわち、リテーナ30が先端側へ向かうに従い細くなるように構成されている(図1及び図5参照)。
図1及び図9に示されるように、リテーナ30の基端部における内部には、アームヘッド14のヘッド側連結部18が収容されて、リテーナ30の基端部がアームヘッド14に連結されている。具体的には、リテーナ30における一対の側壁30B,30Cの基端部に、前述した連結軸20の長手方向両端部がカシメ加工等によって固定されている。これにより、リテーナ30が、アームヘッド14に連結されると共に、連結軸20の軸回り(図9の矢印c方向及び矢印d方向)に回動可能に構成されている。詳しくは、リテーナ30が、WSガラスGと対向して配置される払拭姿勢位置(図7(A)に示される位置)と、払拭姿勢位置からWSガラスGに対して離間する方向に回動されてWSガラスGに対して起立する起立姿勢位置(図7(B)に示される位置)との間を回動するように構成されている。なお、リテーナ30が起立姿勢位置に回動されたときには、リテーナ30の頂壁30Aの基端がアームヘッド14の先端部に当接されて、リテーナ30のWSガラスGとは反対側への回動が制限されるようになっている。
さらに、図6(A)及び図6(B)に示されるように、リテーナ30とアームヘッド14との間には、付勢機構50が設けられており、リテーナ30の払拭姿勢位置では、リテーナ30が付勢機構50によってWSガラスG側へ付勢されるようになっている。以下、付勢機構50について説明する。
付勢機構50は、リテーナ30に付勢力を付与するための圧縮スプリング52と、圧縮スプリング52の姿勢を維持するためのスプリングガイド54と、スプリングガイド54の先端側を係止するためのピン56及びストッパ58と、を含んで構成されている。
スプリングガイド54は、鋼板などによって製作されて、リテーナ30の長手方向に沿った略長尺状に形成されている。このスプリングガイド54は、アームヘッド14のヘッド側連結部18に連結されると共に、リテーナ30の幅方向を板厚方向としてリテーナ30の基端部の内部に配置されている。具体的には、スプリングガイド54の基端部には、略台形板状の台座部54Aが形成されており、台座部54Aの基端側の部分が、アームヘッド14におけるヘッド側連結部18のスリット18A内に挿入されている。また、台座部54Aには、連結孔54A1(図6(B)参照)が貫通形成されており、連結孔54A1内に支持軸22が挿入されてスプリングガイド54が支持軸22に回転可能に支持されている。
また、スプリングガイド54は、略矩形棒状のガイド部54Bを備えており、ガイド部54Bは台座部54Aの略上下方向中間部からリテーナ30の先端側へ延出されている。そして、リテーナ30の払拭姿勢位置では、ガイド部54Bが、連結孔54A1(支持軸22)に対してアーム下方側(WSガラスG側)に配置されている。換言すると、連結孔54A1(支持軸22)が、ガイド部54Bに対してアーム上方側(WSガラスGとは反対側)にオフセットして配置されている。
図7(A)及び図7(B)にも示されるように、ピン56は、軸方向をリテーナ30の幅方向にして配置されると共に、リテーナ30の一対の側壁30B,30Cに架け渡されて固定されている。また、ピン56は、スプリングガイド54(ガイド部54B)の先端部に対して、アーム下方側(WSガラスG側)に配置されて、ガイド部54Bの先端部と当接状態で係止している。
ストッパ58は、リテーナ30の内部に配置されると共に、側面視で略逆L字形板状に形成されている。具体的には、ストッパ58は、リテーナ30の頂壁30Aと平行に配置された固定壁58Aと、固定壁58Aにおけるアーム基端側の端部からアーム下方側へ延出されたストッパ壁部58Bと、を含んで構成されている。そして、固定壁58Aが、ピン56のアーム上方側の位置において、リテーナ30の頂壁30Aに固定ピンPによってカシメ固定されている。また、この状態では、ストッパ壁部58Bがピン56に対してリテーナ30の基端側に配置されている。
さらに、ストッパ壁部58Bには、幅方向中央部において、アーム下方側へ開放されたガイド用スリット58B1が形成されており、ガイド用スリット58B1内にスプリングガイド54(ガイド部54B)の先端部が挿通されている。すなわち、スプリングガイド54(ガイド部54B)の先端部が、ストッパ58(のガイド用スリット58B1)及びピン56によってアーム上下方向に挟まれている。これにより、リテーナ30がアームヘッド14に対して連結軸20の軸回りに回動しても、スプリングガイド54が支持軸22の軸回りに回動可能に構成されている。
圧縮スプリング52は、スプリングガイド54に取付けられて、ストッパ58とスプリングガイド54の台座部54Aとの間に配置されている。具体的には、圧縮スプリング52の内部にスプリングガイド54のガイド部54Bが挿入されて、圧縮スプリング52が圧縮変形した状態でスプリングガイド54に取付けられている。そして、この状態では、圧縮スプリング52の先端部がストッパ58のストッパ壁部58Bをリテーナ30の先端側へ付勢している。また、圧縮スプリング52の基端部とスプリングガイド54の台座部54Aとの間には、ワッシャ59(図6(B)参照)が介在されており、圧縮スプリング52の基端部をワッシャ59によって支持するようになっている。
ここで、図7(A)に示されるように、リテーナ30の払拭姿勢位置では、側面視で連結軸20の軸心と支持軸22の軸心とを結ぶ架空線Lに対してストッパ壁部58BがWSガラスG側に位置している。このため、リテーナ30の払拭姿勢位置では、圧縮スプリング52によってリテーナ30にWSガラスG側への付勢力が作用して、ワイパブレード120がWSガラスGを押圧するようになっている。
一方、図7(B)に示されるように、リテーナ30の起立姿勢位置では、上記架空線Lに対してストッパ壁部58BがWSガラスGとは反対側に位置している。このため、リテーナ30の起立姿勢位置では、圧縮スプリング52によってリテーナ30にWSガラスGとは反対側への付勢力が作用するようになっている。これにより、リテーナ30にWSガラスGとは反対側への付勢力が作用して、リテーナ30が起立姿勢位置に保持されるようになっている。
また、リテーナ30が起立姿勢位置に配置されたときには、リテーナ30が払拭姿勢位置に配置されたときと比べて、支持軸22がリテーナ30の側壁30B,30Cの先端側(リテーナ30の開口側)に配置される。そして、このときには、圧縮スプリング52における基端側の部分の一部が、リテーナ30の開口部から突出する(はみ出る)ようになっている。
リテーナ30の構成の説明に戻って、図1に示されるように、リテーナ30の先端側には、クランク状に屈曲された横曲げ部32が形成されて、リテーナ30の先端部がその基端部に対して回動方向一方側へオフセットしている。そして、リテーナ30の先端部にワイパブレード120の長手方向中間部が連結されている。これにより、アーム上下方向から見て、ワイパブレード120が、リテーナ30(の先端部を除く部分)に対して、回動方向一方側に配置されている(図2及び図3参照)。
リテーナ30の幅方向一方側の側壁30Bには、リテーナ30の先端側の部分(詳しくは、横曲げ部32に対してアーム基端側の部分)において、後述するリテーナカバー90の第1係合爪94が係合される「第1係合部」としての第1係合片34が一体に形成されている。この第1係合片34は、側壁30Bの下端においてリテーナ30の幅方向内側へ屈曲されている。すなわち、第1係合片34の幅方向がリテーナ30(ワイパアーム12)の長手方向と一致している。そして、第1係合片34における以下の説明では、アーム先端側(図1の矢印A方向側)を第1係合片34の幅方向一方側とし、アーム基端側(図1の矢印B方向側)を第1係合片34の幅方向他方側としている。
また、図8に示されるように、リテーナ30の側壁30Bには、第1係合片34に対してアーム基端側の位置において、後述するリテーナカバー90の第2係合爪98が係合される「第2係合部」としての第2係合片36が一体に形成されている。第2係合片36は、第1係合片34と同様に構成されている。すなわち、第2係合片36は、側壁30Bの下端においてリテーナ30の幅方向内側へ屈曲されている。これにより、第2係合片36においても、第2係合片36の幅方向がリテーナ30(ワイパアーム12)の長手方向と一致している。そして、第2係合片36における以下の説明では、アーム先端側(図8の矢印A方向側)を第2係合片36の幅方向一方側とし、アーム基端側(図8の矢印B方向側)を第2係合片36の幅方向他方側としている。
以上により、リテーナ30では、第1係合片34及び第2係合片36が、側壁30Bに対してリテーナ30の幅方向内側へ突出されて、リテーナ30の開口部における幅方向一方側においてリテーナ30の長手方向に並んで配置されている。さらに、第1係合片34の先端及び第2係合片36の先端がリテーナ30の幅方向中心よりも幅方向一方側に配置されるように、第1係合片34及び第2係合片36の突出量が設定されている。
また、リテーナ30の側壁30Bにおける下端縁部には、第2係合片36に対してアーム基端側の位置において、後述するサブノズル70を取付けるためのエンボス38(広義には「突出部」として把握される要素である)が一体に形成されている(図8参照)。このエンボス38は、リテーナ30の長手方向に沿った略矩形ブロック状を成すと共に、側壁30Bに対してリテーナ30の幅方向内側へ押し出(突出)されている。また、エンボス38は、半抜き加工等によって、側壁30Bの板厚寸法よりも小さい寸法でリテーナ30の幅方向内側へ打ち抜かれている。
さらに、リテーナ30の幅方向他方側の側壁30Cには、後述するサブノズル70を取付けるための一対の係合孔40が貫通形成されている。一対の係合孔40は、リテーナ30の長手方向に沿った長孔状を成すと共に、側壁30Cの下端部にそれぞれ配置されて、リテーナ30の長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。
図1に示されるように、リテーナ30の側壁30B,30Cの長手方向中間部には、後述するリテーナカバー90の第3係合爪102が係合される一対の「第3係合部」としての第3係合片42が一体に形成されている。第3係合片42は、側壁30B,30Cの下端においてリテーナ30の幅方向内側へそれぞれ屈曲されて、リテーナ30の幅方向に並んで配置されている。
また、リテーナ30の側壁30B,30Cには、リテーナ30の基端部において、後述するリテーナカバー90の基端部が係合される一対の第4係合片44(広義には、「第4係合部」として把握される要素である)が一体に形成されている。第4係合片44は、第3係合片42と同様に構成されている。すなわち、第4係合片44は、側壁30B,30Cの下端においてリテーナ30の幅方向内側へそれぞれ屈曲されて、リテーナ30の幅方向に並んで配置されている。
以上により、リテーナ30では、第3係合片42及び第4係合片44が、側壁30B,30Cに対してリテーナ30の幅方向内側へ突出されてリテーナ30の開口部に配置されている。また、一対の第3係合片42の先端同士及び一対の第4係合片44の先端同士が、それぞれリテーナ30の幅方向に離間して配置されるように、第3係合片42及び第4係合片44の突出量が設定されている。なお、リテーナ30では、先端側の幅寸法が細くなっているが基端側は幅広となっているため、第3係合片42及び第4係合片44がリテーナ30の幅方向に対向離間して形成されても十分な突出量設定が可能である。
(メインノズル60について)
図1に示されるように、メインノズル60は、リテーナ30の先端部に設けられている。メインノズル60は、略矩形ブロック状に形成されて、リテーナ30の幅方向一方側の側壁30Bの外側面に当接した状態でリテーナ30に取付けられている。具体的には、メインノズル60はノズル取付部62を有しており、ノズル取付部62は、リテーナ30の側壁30Bに形成された第1孔部(図示省略)内を通過して、リテーナ30の内部に配置されている。そして、ノズル取付部62には、一対の爪部が形成されており、当該爪部が第1孔部の縁部に係合されて、メインノズル60がリテーナ30に取付けられている。
また、メインノズル60はメインノズル接続部64を有している。このメインノズル接続部64は、リテーナ30の側壁30Bに形成された第2孔部(図示省略)内を通過して、リテーナ30の内部に配置されている。また、メインノズル60の下面には、複数(本実施の形態では2箇所)のメインノズル噴射孔66A,66Bが凹設されており、メインノズル噴射孔66A,66Bは、ワイパアーム12の長手方向に並んで配置されると共に、メインノズル接続部64に連通されている。
さらに、メインノズル接続部64には、アームヘッド14及びリテーナ30の内部に配策されたメインノズル用ホース68の一端部が接続されており、メインノズル接続部64がメインノズル用ホース68を介して車両の第1ウォッシャポンプ(図示省略)と接続されている。これにより、車両のウォッシャタンク(図示省略)から第1ウォッシャポンプによって圧送された洗浄液がメインノズル用ホース68を介してメインノズル60に供給されるようになっている。そして、メインノズル60に供給された洗浄液が、メインノズル噴射孔66A,66BによってWSガラスGへ噴射されるようになっている。具体的には、ワイパブレード120の往復回動においてワイパブレード120が往動側(図3の矢印a方向)へ回動するときに、メインノズル噴射孔66A,66Bから洗浄液がワイパブレード120の進行方向側に噴射されるようになっている。
(サブノズル70について)
図8に示されるように、サブノズル70は、リテーナ30の内部において、第2係合片36に対してアーム基端側に隣接するように配置されている。具体的には、図3に示されるように、サブノズル70がワイパブレード120の長手方向中間部よりもワイパアーム12の基端側の部分に対して回転方向他方側に配置されるように、サブノズル70がリテーナ30に取付けられている。また、図8に示されるように、サブノズル70は、ノズル本体72と、一対のノズル係合片80と、を含んで構成されている。
ノズル本体72は、略直方体状に形成されて、リテーナ30の長手方向に延在されている。そして、ノズル本体72が、リテーナ30の幅方向一方側の側壁30Bに隣接して配置されている。具体的には、ノズル本体72は、リテーナ30の幅方向中心に対して幅方向一方側に配置されるようになっている。また、ノズル本体72の上面(ワイパアーム12の頂壁30Aとアーム上下方向に対向する面)には、一対のリブ72Aが一体に設けられている。このリブ72Aは、ノズル本体72からアーム上方側へ突出されると共に、ノズル本体72の長手方向に延在されている。そして、リブ72Aの先端面がリテーナ30の頂壁30Aに当接されている。一方、ノズル本体72の下面(WSガラスG側の面)は、リテーナ30の側壁30Bの端面と面一に配置されている。
そして、ノズル本体72の長手方向一方側(アーム先端側)の端部が、第1被係合部72Bとされており、第1被係合部72Bが、リテーナ30の第2係合片36における幅方向他方側の端部に対してアーム上方側に隣接して配置されている。換言すると、第1被係合部72Bが、リテーナ30の頂壁30Aと第2係合片36との間にアーム基端側から差し込まれている。これにより、第1被係合部72Bが第2係合片36にアーム上下方向に係合されて、ノズル本体72(サブノズル70)のリテーナ30に対するアーム下方側(WSガラスG側)への相対移動が制限されるようになっている。
また、ノズル本体72の幅方向一方側の側面には、溝部72Cが形成されている。この溝部72Cは、アーム上下方向から見てノズル本体72の幅方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、アーム上下方向に貫通されている。そして、溝部72Cの幅寸法(ノズル本体72の長手方向に沿った方向の寸法)が、リテーナ30のエンボス38の幅寸法(ワイパアーム12の長手方向に沿った方向の寸法)よりも大きく設定されている。
さらに、ノズル本体72の下面には、溝部72Cに対してノズル本体72の長手方向他方側の位置において、収容凹部72Dが形成されている。この収容凹部72Dは、ノズル本体72の幅方向一方側及びノズル本体72の長手方向一方側へ開放されて、溝部72Cと連通されている。そして、収容凹部72D内にリテーナ30のエンボス38が配置されて、ノズル本体72(サブノズル70)のリテーナ30に対するアーム下方側(WSガラスG側)への移動が、エンボス38によっても制限されるようになっている。
また、ノズル本体72の下面には、長手方向一方側の先端側の部分において、ストッパ部72Eが一体に形成されている。ストッパ部72Eは、略矩形ブロック状に形成されて、ノズル本体72からアーム下方側へ突出されている。そして、ストッパ部72Eが、リテーナ30の第2係合片36に対してアーム基端側に隣接して配置されて、第2係合片36の幅方向の端面に当接されるようになっている。
さらに、ノズル本体72は、WSガラスGに洗浄液を噴射するノズル部74を有している。このノズル部74は、アーム下側から見て、前述した第1被係合部72B及びストッパ部72Eに対してノズル本体72の長手方向他方側に配置されると共に、前述した溝部72Cに対してノズル本体72の幅方向内側に配置されている。また、ノズル部74は、複数(本実施の形態では3箇所)のサブノズル噴射孔74A,74B,74Cと、サブノズル噴射孔74A〜74Cを囲む囲繞壁74Dと、を含んで構成されている。
複数のサブノズル噴射孔74A〜74Cは、ノズル本体72の下面に凹設されると共に、ノズル本体72の長手方向に並んで配置されている。囲繞壁74Dは、略矩形枠状に形成される共に、ノズル本体72の下面からアーム下側へ突出されて、サブノズル噴射孔74A〜74Cを囲っている。
さらに、ノズル本体72の長手方向他方側の端部には、サブノズル接続部76が一体に形成されている。このサブノズル接続部76は、ノズル本体72の長手方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、ノズル本体72からアーム基端側へ突出されている。また、サブノズル70の内部は、ノズル本体72内においてサブノズル噴射孔74A〜74Cの内部と連通されている。
また、サブノズル接続部76には、アームヘッド14及びリテーナ30の内部に配策されたサブノズル用ホース78の一端部が接続されており、サブノズル接続部76がサブノズル用ホース78を介して車両の第2ウォッシャポンプ(図示省略)と接続されている。これにより、車両のウォッシャタンク(図示省略)から第2ウォッシャポンプによって圧送された洗浄液がサブノズル70へ供給されるようになっている。
そして、サブノズル70に供給された洗浄液が、サブノズル噴射孔74A〜74CによってWSガラスGへ噴射されるようになっている。具体的には、ワイパブレード120の往復回動においてワイパブレード120が復動側(図3の矢印b方向)へ回動するときに、サブノズル噴射孔74A〜74Cから洗浄液がワイパブレード120の進行方向側に噴射されるようになっている。
ここで、サブノズル70をリテーナ30に取付けるときには、先ずリテーナ30のエンボス38をサブノズル70の溝部72Cに挿入するように、サブノズル70をアーム下側からリテーナ30の内側に取付けるようになっている。また、このときには、サブノズル70の第1被係合部72Bがリテーナ30の第2係合片36に干渉しないように第2係合片36に対して基端側に位置するよう設定されている。そして、エンボス38がサブノズル70の溝部72Cに挿入された状態で、サブノズル70をリテーナ30の先端側へスライドすることで、エンボス38が収容凹部72D内に収容されると共に、第1被係合部72Bが第2係合片36のアーム上方側に差し込まれて、サブノズル70がリテーナ30に取付けられるようになっている。
一対のノズル係合片80は、ノズル本体72の下端部からリテーナ30の幅方向他方側へ延出されると共に、ノズル本体72の長手方向から見て略L字形状に屈曲されている。具体的には、ノズル係合片80は、ノズル本体72の下端部からリテーナ30の幅方向他方側へ延出された第1アーム80Aと、第1アーム80Aの先端からアーム下側(リテーナ30の開口側)へ延出された第2アーム80Bと、を含んで構成されている。
また、一対のノズル係合片80は、ノズル本体72の長手方向に並んで配置されると共に、前述したリテーナ30の係合孔40に対応した位置に配置されている。また、第1アーム80Aと第2アーム80Bとの境界部分(屈曲部)は、ノズル本体72の長手方向から見て略円弧状に形成されて、第1アーム80Aと第2アーム80Bとを滑らかに接続している。さらに、ノズル係合片80(主として第2アーム80B)は、ワイパアーム12の幅方向に弾性変形可能(リテーナ30の幅方向他方側に弾性押圧可能)に構成されている。
また、ノズル係合片80の先端部(第2アーム80B)には、ワイパアーム12の幅方向他方側へ突出された爪部82が一体に形成されている。この爪部82はワイパアーム12の長手方向に沿った略矩形ブロック状に形成されており、本組位置において係合孔40内に爪部82が嵌め込まれて(係合されて)いる。これにより、アーム上下方向及びワイパアーム12の長手方向におけるノズル係合片80(サブノズル70)のリテーナ30に対する相対移動が制限されている。
(リテーナカバー90について)
図1及び図10に示されるように、リテーナカバー90は、樹脂材により構成されている。このリテーナカバー90は、リテーナ30の長手方向に沿った略長尺板状に形成され、アーム上下方向を板厚方向として配置されて、リテーナ30の開口部をアーム下方側から塞ぐようにリテーナ30に取付けられている。また、リテーナカバー90の幅寸法は、リテーナ30の幅寸法に対応して、先端側へ向かうに従い小さくなるように設定されており、リテーナカバー90の取付状態では、リテーナカバー90がリテーナ30に対して幅方向外側へ突出しないように構成されている(図5参照)。
リテーナカバー90の先端部には、前述したリテーナ30の第1係合片34に対応する位置において、第1切欠部92が形成されており、第1切欠部92は、リテーナカバー90の幅方向一方側へ開放された略凹形状に形成されている。すなわち、第1切欠部92の幅方向がリテーナカバー90(ワイパアーム12)の長手方向と一致している。そして、第1切欠部92の以下の説明では、アーム先端側を第1切欠部92の幅方向一方側とし、アーム基端側を第1切欠部92の幅方向他方側としている。また、第1切欠部92の幅寸法は、リテーナ30の第1係合片34の幅寸法よりも大きく設定されており、リテーナカバー90の取付状態において、第1係合片34が第1切欠部92内に配置されるようになっている(図5及び図11(B)参照)。
また、第1切欠部92の幅方向他方側の縁部には、アーム上方側へ突出された第1係合爪94が一体に形成されている。この第1係合爪94は、リテーナカバー90の略長手方向を板厚方向とする板状に形成されると共に、側面視でアーム下方側へ開放された略V字形状に屈曲されている。具体的には、図11(B)に示されるように、第1係合片34は、第1切欠部92の幅方向他方側の縁部からアーム上方側へ延出された第1本体部94Aと、第1本体部94Aの先端(上端)からアーム先端側且つアーム下方側へ延出された第1アーム部94Bと、を含んで構成されている。このため、アーム上下方向から見て、第1切欠部92の内部に第1アーム部94Bが配置されている。さらに、第1アーム部94Bの板厚が、第1本体部94Aの板厚よりも薄く設定されており、第1アーム部94Bはアーム基端側(第1本体部94Aに接近する方向)へ弾性変形可能に構成されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、第1本体部94Aがリテーナ30の第1係合片34に対してアーム基端側に位置している。
さらに、第1係合片34における第1アーム部94Bの先端部には、係合凹部94Cが形成されており、係合凹部94Cは、側面視で、アーム先端側及びアーム上方側に開放された略逆L字形状に形成されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、第1アーム部94Bがアーム基端側へ弾性変形した状態で、リテーナ30の第1係合片34における幅方向他方側の端部が係合凹部94Cに係合されている。これにより、リテーナカバー90の先端部におけるアーム下方側(WSガラスG側)への移動が第1係合爪94によって制限されるようになっている。
また、図1及び図10に示されるように、リテーナカバー90の先端部には、第1切欠部92に対してアーム基端側の位置において、第2切欠部96が形成されており、第2切欠部96はリテーナカバー90の幅方向一方側へ開放された略凹形状に形成されている。すなわち、第2切欠部96においても、第2切欠部96の幅方向がリテーナカバー90(ワイパアーム12)の長手方向と一致している。そして、第2切欠部96における以下の説明では、アーム先端側を第2切欠部96の幅方向一方側とし、アーム基端側を第2切欠部96の幅方向他方側としている。また、第2切欠部96の幅寸法は、リテーナ30の第2係合片36の幅寸法とサブノズル70のストッパ部72Eの幅寸法との合計よりも大きく設定されている。そして、リテーナカバー90の取付状態において、第2係合片36及びストッパ部72Eが第2切欠部96内に配置されるようになっている(図5及び図11(B)参照)。
さらに、第2切欠部96の幅方向一方側の縁部には、アーム上方側へ突出された第2係合爪98が一体に形成されている。この第2係合爪98は、第1係合爪94と対を成して構成されており、リテーナ30の長手方向において第1係合爪94と略対称形状に形成されている。すなわち、第2係合爪98は、リテーナカバー90の略長手方向を板厚方向とする板状に形成されると共に、側面視でアーム下方側へ開放された略V字形状に屈曲されている。そして、図11(B)に示されるように、第2係合片36は、第2切欠部96の幅方向一方側の縁部からアーム上方側へ延出された第2本体部98Aと、第2本体部98Aの先端(上端)からアーム下方側且つアーム基端側へ延出された第2アーム部98Bと、を含んで構成されている。このため、アーム上下方向から見て、第2切欠部96の内部に第2アーム部98Bが配置されている。さらに、第2アーム部98Bの板厚が、第2本体部98Aの板厚よりも薄く設定されており、第2アーム部98Bはアーム先端側(第2本体部98Aに接近する方向)へ弾性変形可能に構成されている。また、第2本体部98Aの延出長さは、第1係合爪94の第1本体部94Aの延出長さよりも若干長く設定されており、第2アーム部98Bの延出長さが第1係合爪94の第1アーム部94Bの延出長さよりも若干長く設定されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、第2本体部98Aがリテーナ30の第2係合片36に対してアーム先端側に位置している。
さらに、第2係合爪98における第2アーム部98Bの先端部には、係合凹部98Cが形成されており、係合凹部98Cは、側面視で、アーム基端側及びアーム上方側に開放された略L字形状に形成されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、第2アーム部98Bがアーム先端側へ弾性変形した状態で、リテーナ30の第2係合片36における幅方向一方側の端部が係合凹部98Cに係合されている。これにより、リテーナカバー90の先端部におけるアーム下方側(WSガラスG側)への移動が第2係合爪98によっても制限されるようになっている。
そして、リテーナカバー90の取付状態では、第1係合爪94、第2係合爪98、及びサブノズル70(ノズル本体72)が、リテーナ30の側壁30Bに隣接して配置されると共に、リテーナ30の長手方向に並んで配置されている。すなわち、第1係合爪94、第2係合爪98、及びサブノズル70(ノズル本体72)が、リテーナ30の内部において、リテーナ30の幅方向一方側に纏まって配置されている。そして、リテーナ30の内部において、第1係合爪94、第2係合爪98、及びサブノズル70に対してリテーナ30の幅方向他方側のエリアが、ホース配策エリアHA(図1及び図8参照)とされており、ホース配策エリアHAにメインノズル用ホース68が配策されている。
また、図1及び図10に示されるように、リテーナカバー90の長手方向中間部には、リテーナ30における一対の第3係合片42に対応する位置において、一対の第3切欠部100が形成されており、一対の第3切欠部100はリテーナカバー90の幅方向外側へ開放された略凹形状に形成されている。すなわち、第3切欠部100においても、第3切欠部100の幅方向がリテーナカバー90(ワイパアーム12)の長手方向と一致している。この第3切欠部100の幅寸法は、リテーナ30の第3係合片42の幅寸法よりも大きく設定されており、リテーナカバー90の取付状態において、第3係合片42が第3切欠部100内に配置されるようになっている。
さらに、各第3切欠部100の底辺における縁部には、アーム上方側へ突出された第3係合爪102が一体に形成されている。この第3係合爪102は、リテーナ30の幅方向において左右対称に形成されている。具体的には、第3係合爪102は、リテーナカバー90の略幅方向を板厚方向とする板状に形成されると共に、リテーナカバー90の長手方向から見てアーム下方側へ開放された略V字形状に屈曲されている。そして、図11(A)に示されるように、第3係合片42は、第3切欠部100の底辺における縁部からアーム上方側へ延出された第3本体部102Aと、第3本体部102Aの先端(上端)からアーム下方側且つリテーナカバー90の幅方向外側へ延出された第3アーム部102Bと、を含んで構成されている。これにより、アーム上下方向から見て、第3切欠部100内に第3アーム部102Bが配置されている。さらに、第3アーム部102Bの板厚が、第3本体部102Aの板厚よりも薄く設定されており、第3アーム部102Bはリテーナカバー90の幅方向内側(第3本体部102Aに接近する方向)へ弾性変形可能に構成されている。そして、リテーナカバー90の取付状態において、一対の第3本体部102Aは、リテーナ30の第3係合片42に対してリテーナ30の幅方向内側に配置されている。
また、第3係合爪102における第3アーム部102Bの先端部には、係合凹部102Cが形成されており、係合凹部102Cは、リテーナカバー90の長手方向から見て、リテーナカバー90の幅方向外側及びアーム上方側に開放された略L字形状に形成されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、第3アーム部102Bがリテーナカバー90の幅方向内側へ弾性変形した状態で、リテーナ30の第3係合片42における先端部が係合凹部102Cに係合されている。これにより、リテーナカバー90の長手方向中間部におけるアーム下方側への移動が第3係合爪102によって制限されるようになっている。
さらに、図1及び図10に示されるように、リテーナカバー90の基端部には、幅方向中央部において、スプリング用切欠部104が形成されている。スプリング用切欠部104は、アーム上下方向から見てリテーナカバー90の基端側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、リテーナ30の起立姿勢位置において、リテーナ30の開口部から突出される圧縮スプリング52の一部がリテーナカバー90に干渉することを、スプリング用切欠部104によって防止するようになっている(図9参照)。すなわち、スプリング用切欠部104の幅寸法は、圧縮スプリング52の外径よりも若干大きく設定されており、スプリング用切欠部104の切欠き深さは、起立姿勢位置において圧縮スプリング52がリテーナカバー90に干渉しない深さに設定されている。
さらに、リテーナカバー90の基端部には、スプリング用切欠部104に対して幅方向外側の位置において、基端側係合部106が形成されている。この基端側係合部106は、リテーナカバー90と段差部を介して接続されて、リテーナカバー90に対してアーム上方側に一段下がった位置に配置されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、基端側係合部106がリテーナ30の第4係合片44のアーム上方側に差し込まれている。これにより、リテーナカバー90の基端部におけるアーム下方側(WSガラスG側)への移動が制限されている。
また、リテーナカバー90の基端部には、一対の仕切壁108が一体に形成されている。この仕切壁108は、板厚方向をリテーナカバー90の幅方向にして配置されて、スプリング用切欠部104の開口縁部からアーム上方側に延出されている。また、仕切壁108は、圧縮スプリング52に対してリテーナ30の幅方向外側に隣接して配置されている。これにより、リテーナ30の内部が、仕切壁108によって、圧縮スプリング52が配置される空間と、圧縮スプリング52に対してリテーナ30の幅方向外側の空間と、に仕切られている。そして、仕切壁108によって仕切られた、圧縮スプリング52に対してリテーナ30の幅方向外側の空間内に、メインノズル用ホース68及びサブノズル用ホース78の各々が配策されている。
さらに、リテーナカバー90の幅方向一方側の部分には、第2切欠部96と第3切欠部100との間において、前述したサブノズル70のノズル部74を露出させるための露出孔110が貫通形成されている。露出孔110は、サブノズル70の囲繞壁74Dに対応してリテーナカバー90の長手方向に沿った略矩形状に形成されている。また、露出孔110の大きさがサブノズル70の囲繞壁74Dの外形に対して僅かに大きく設定されている。そして、囲繞壁74Dが、露出孔110の内部に配置(嵌め込まれて)されて、ノズル部74がリテーナカバー90からアーム下側へ露出されている(図5参照)。
また、図10に示されるように、リテーナカバー90における上面(WSガラスGとは反対側の面)には、幅方向外側部分において、複数のリブ112が形成されており、リブ112はリテーナカバー90からアーム上方側へ突出されている。そして、リテーナカバー90の取付状態では、リテーナカバー90における上面の外周縁部が、リテーナ30の側壁30B,30Cの先端面に当接されると共に、リブ112が側壁30B,30Cの内側面に隣接して配置されている。
次に、リテーナカバー90のリテーナ30への取付け手順を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
リテーナカバー90をリテーナ30に取付けるときには、リテーナ30の第4係合片44のアーム上側に、リテーナカバー90の基端側係合部106をアーム先端側から斜めに差し込んで、基端側係合部106と第4係合片44とをアーム上下方向に係合させる。そして、この状態から、リテーナカバー90の長手方向中間部及び先端部をアーム上方側(リテーナ30側)へ押し込んで、リテーナカバー90をリテーナ30に取付ける。
具体的には、リテーナカバー90における一対の第3切欠部100の内部にリテーナ30の第3係合片42を配置させ、第2切欠部96の内部にリテーナ30の第2係合片36を配置させ、第1切欠部92の内部にリテーナ30の第1係合片34を配置させるように、リテーナカバー90をリテーナ30の開口部に配置させる。
そして、リテーナカバー90の長手方向中間部をアーム上方側へ押し込むと、第3係合片42の先端がリテーナカバー90の第3係合爪102の第3アーム部102Bに当接して、第3アーム部102Bがリテーナカバー90の幅方向内側へ弾性変形する。そして、リテーナカバー90の長手方向中間部をアーム上方側へさらに押し込むと、第3アーム部102Bがリテーナカバー90の幅方向内側へ弾性変形した状態で、第3係合片42の先端部が第3係合爪102の係合凹部102C内に嵌まり込んで、第3係合片42と第3係合爪102とが係合する。これにより、リテーナカバー90の長手方向中間部がリテーナ30に取付けられる。
一方、リテーナカバー90の先端部をアーム上方側へ押し込むと、第2係合片36の幅方向一方側の端部がリテーナカバー90における第2係合爪98の第2アーム部98Bに当接して、第2アーム部98Bがリテーナカバー90の先端側へ弾性変形する。また、第1係合片34の幅方向他方側の端部がリテーナカバー90の第1係合爪94の第1アーム部94Bに当接して、第1アーム部94Bがリテーナカバー90の基端側へ弾性変形する。つまり、第1係合爪94の第1アーム部94B及び第2係合爪98の第2アーム部98Bの変位方向は、リテーナ30(リテーナカバー90)の長手方向に沿った方向に弾性変位する。
そして、リテーナカバー90の先端部をアーム上方側へさらに押し込むと、第2アーム部98Bがリテーナカバー90の先端側へ弾性変形した状態で、第2係合片36の幅方向一方側の端部が第2係合爪98の係合凹部98C内に嵌まり込んで、第2係合片36と第2係合爪98とが係合する。また、第1アーム部94Bがリテーナカバー90の基端側へ弾性変形した状態で、第1係合片34の幅方向他方側の端部が第1係合爪94の係合凹部94C内に嵌まり込んで、第1係合片34と第1係合爪94とが係合する。これにより、リテーナカバー90の先端部がリテーナ30に取付けられる。なお、この状態では、リテーナカバー90の露出孔110内にサブノズル70の囲繞壁74Dが嵌まり込んで、サブノズル70のノズル部74がアーム下方側へ露出される。また、この状態では、リテーナカバー90の下面における外周縁部が、リテーナ30の側壁30B,30Cの端面に当接し、リテーナカバー90のリブ112が側壁30B,30Cの内側に配置される。
以上により、本実施の形態の車両用ワイパ装置10によれば、上述したように、リテーナカバー90の先端部に第1係合爪94が形成されており、第1係合爪94はリテーナカバー90の基端側へ弾性変形可能に構成されている。そして、第1係合爪94がリテーナ30の第1係合片34に係合されて、リテーナカバー90の先端部におけるWSガラスG側への移動が制限される。これにより、第1係合片34と第1係合爪94とをリテーナ30の長手方向に並べて配置しつつ、第1係合爪94の弾性変形の変位方向を長手方向に沿った方向としてリテーナカバー90の先端部をリテーナ30に取付けることができる。したがって、幅寸法の小さいリテーナ30の先端側の部分においてもリテーナ30の幅寸法に制約されずに第1係合爪94の充分な変位量を確保してリテーナカバー90の先端部をリテーナ30にしっかりと取付けることができる。しかも、第1係合爪94は、リテーナ30の側壁30Bからリテーナ30の開口部へ突出された第1係合片34に係合されている。このため、第1係合爪94と第1係合片34との係合状態がWSガラスGとは反対側(アーム上方側)から視認されることを抑制できる。以上により、車両用ワイパ装置10の見栄えを向上しつつ、リテーナカバー90の先端部をリテーナ30に取付けることができる。
以下、この点について比較例を用いてさらに説明する。すなわち、例えば、比較例において、第1係合爪94を第3係合爪102と同様にリテーナカバー90の幅方向に弾性変形可能に構成した場合には、上述と同様に第1係合爪94と第1係合片34との係合状態をアーム上方側から視認することを抑制できる。しかしながら、この比較例では、第1係合爪94を第1係合片34の先端部に係合させる必要がある。つまり、第1係合爪94と第1係合片34とをリテーナ30の幅方向に並べて配置し、且つ第1係合爪94の第1アーム部94Bの弾性変形の変位方向がリテーナ30の幅方向に弾性変位するエリアを確保する必要がある。一方、リテーナカバー90の先端部における幅寸法は、リテーナ30の幅寸法に対応して、基端部に対して小さく設定されている。このため、比較例におけるリテーナカバー90では、リテーナカバー90における第1係合爪94が形成される部位の幅寸法が小さくなり、リテーナカバー90の剛性を確保することができなくなる虞がある。また、リテーナ30の幅寸法によっては、第1係合爪94をリテーナカバー90に形成することができなくなる可能性があり、リテーナカバー90の先端部においてはしっかりとしたリテーナ30への取付が困難となる。
これに対して、本実施の形態の車両用ワイパ装置10によれば、上述したように、第1係合片34と第1係合爪94とをリテーナ30の長手方向に並べて配置しつつ、第1係合爪94の弾性変形の変位方向を長手方向に沿った方向としてリテーナカバー90の先端部をリテーナ30に取付けできる。これにより、幅寸法の小さいリテーナ30の先端側の部分においてもリテーナ30の幅寸法に制約されずに第1係合爪94の充分な変位量とリテーナカバー90の先端部における剛性を確保しつつリテーナカバー90の先端部をリテーナ30にしっかりと取付けできる。しかも、第1係合爪94が、リテーナ30の側壁30Bからリテーナ30の開口部へ突出された第1係合片34に係合されている。このため、第1係合爪94と第1係合片34との係合状態がアーム上方側から視認されることを抑制できる。以上により、車両用ワイパ装置10の見栄えを向上しつつ、リテーナカバー90の先端部をリテーナ30に取付けることができる。
また、上述したように、リテーナカバー90の先端部には、第1係合爪94に加えて第2係合爪98が形成されており、第2係合爪98は、リテーナカバー90の先端側へ弾性変形可能、つまり第2係合爪98の弾性変形の変位方向も長手方向に沿った方向として構成されている。そして、第2係合爪98がリテーナ30の第2係合片36に係合されて、リテーナカバー90におけるWSガラスG側への移動が制限される。このため、第1係合爪94に加えて第2係合爪98によってもリテーナカバー90の先端部におけるWSガラスG側への移動を制限することができる。これにより、リテーナカバー90の先端部における取付状態を良好に維持することができる。
さらに、リテーナカバー90の取付状態では、第1係合爪94がリテーナカバー90の基端側へ弾性変形した状態でリテーナ30の第1係合片34に係合されており、第2係合爪98がリテーナカバー90の先端側へ弾性変形した状態でリテーナ30の第2係合片36に係合されている。このため、リテーナ30の長手方向におけるリテーナカバー90のリテーナ30に対する相対移動を第1係合爪94及び第2係合爪98によって制限することができる。
また、サブノズル70(ノズル本体72)が、リテーナ30の第2係合片36に対してリテーナ30の基端側の位置において、リテーナ30の幅方向一方側の側壁30Bの内側面に隣接して配置されている。このため、リテーナカバー90の内部において、第1係合爪94、第2係合爪98、及びサブノズル70(ノズル本体72)を、リテーナ30の幅方向一方側に纏めて配置することができる。これにより、第1係合爪94、第2係合爪98、及びサブノズル70(ノズル本体72)に対してリテーナ30の幅方向他方側の部分(詳しくは、ホース配策エリアHA)において、メインノズル60に接続されるメインノズル用ホース68を配策することができる。したがって、幅の細いリテーナ30の先端部の内部において、効率のよい配置構造を実現することができる。
さらに、リテーナ30の第2係合片36における幅方向一方側の端部に、リテーナカバー90の第2係合爪98が係合されており、リテーナ30の第2係合片36における幅方向他方側の端部にサブノズル70の第1被係合部72Bが上下方向に係合されている。このため、第2係合爪98が係合される第2係合片36を活用して、サブノズル70をリテーナ30に係合させることができる。これにより、第2係合爪98及びサブノズル70の配置スペースを省スペース化することができ、第2係合爪98及びサブノズル70に対するリテーナ30の取付構造を簡素化することができる。
また、リテーナカバー90には、リテーナカバー90の幅方向内側へ弾性変形可能に構成された一対の第3係合爪102が形成されており、一対の第3係合爪102がリテーナカバー90の幅方向内側へ弾性変形した状態で、リテーナ30の第3係合片42の先端部に係合されている。このため、リテーナカバー90の長手方向中間部におけるアーム下方側への移動を制限することができると共に、リテーナカバー90の幅方向への移動を制限することができる。したがって、リテーナカバー90の取付状態を良好にすることができる。
さらに、リテーナカバー90の基端部には、基端側係合部106が形成されており、基端側係合部106をリテーナ30の第4係合片44のアーム上方側へ差し込むことによって、リテーナカバー90の基端部がリテーナ30に取付けられる。これにより、リテーナカバー90をリテーナ30に取付けるときの初期段階において、リテーナ30に対するリテーナカバー90の位置を決めることができる。これにより、リテーナカバー90の取付性を向上することができる。
また、リテーナカバー90には、露出孔110が形成されており、露出孔110内にサブノズル70の囲繞壁74Dが嵌め込まれている。これにより、サブノズル70をリテーナカバー90のリテーナ30に対する位置決めとして活用できる。これにより、リテーナカバー90の取付状態を一層良好にすることができる。
さらに、リテーナ30の第2係合片36は、側壁30Bの下端部から幅方向内側へ屈曲されて、リテーナ30の開口部に配置されている。また、リテーナ30の第3係合片42は、側壁30B,30Cの下端部から幅方向内側へ屈曲されて、リテーナ30の開口部に配置されている。このため、上述と同様に、第2係合爪98と第2係合片36との係合状態及び第3係合片42と第3係合爪102との係合状態においても、アーム上方側から視認することが抑制される。これにより、車両用ワイパ装置10の見栄えを向上することができる。
なお、本実施の形態では、リテーナカバー90の先端部に第1係合爪94及び第2係合爪98が形成されているが、第2係合爪98を省略してもよい。この場合には、リテーナカバー90の先端部に第1係合爪94のみが形成される形態になるが、第1係合爪94はリテーナカバー90の基端側へ弾性変形可能に構成されており、リテーナカバー90の基端部には、基端側係合部106が形成されているため、リテーナカバー90の長手方向におけるリテーナ30の位置を第1係合爪94及び基端側係合部106によって制限することができる。
また、本実施の形態では、リテーナ30の第2係合片36が、リテーナカバー90の第2係合爪98が係合される部分と、サブノズル70が係合される部分とを兼用している。これに代えて、リテーナカバー90の第2係合爪98が係合される部分と、サブノズル70が係合される部分と、を別々に設定してもよい。
10…車両用ワイパ装置、14…アームヘッド、30…リテーナ、34…第1係合片(第1係合部)、36…第2係合片(第2係合部)、42…第3係合片(第3係合部)、60…メインノズル(第1ウォッシャノズル)、70…サブノズル(第2ウォッシャノズル)、90…リテーナカバー(カバー)、94…第1係合爪、98…第2係合爪、102…第3係合爪、G…ウインドシールドガラス、PA…ピボット軸

Claims (5)

  1. ピボット軸に固定され、前記ピボット軸の軸回りに回動するアームヘッドと、
    基端部が前記アームヘッドに連結された長尺状を成すと共に、先端側へ向かうに従い幅寸法が小さく設定され、且つ長手方向から見た断面視でウインドシールドガラス側へ開口された凹状に形成され、先端側の部分における開口部に幅方向一方側の側壁から内側に突出された第1係合部が形成されたリテーナと、
    長尺板状に形成され、基端部が前記リテーナに係合された状態で前記リテーナの開口部を塞ぐカバーと、
    前記カバーの先端部に形成されると共に、前記カバーの基端側へ弾性変形可能に構成され、前記第1係合部に係合されて前記カバーの先端部の前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する第1係合爪と、
    を備えた車両用ワイパ装置。
  2. 前記リテーナの開口部には、前記第1係合部に対して前記リテーナの基端側の位置において、前記リテーナの前記幅方向一方側の側壁から内側に突出された第2係合部が形成され、
    前記カバーの先端部には、前記第1係合部に対して前記カバーの基端側の位置において、前記カバーの先端側へ弾性変形可能に構成された第2係合爪が形成されており、
    前記第2係合爪が前記第2係合部に係合されて前記カバーの先端部の前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
  3. 前記リテーナには、前記第1係合部に対して先端側の位置において第1ウォッシャノズルが取付けられると共に、前記第2係合部に対して基端側の位置において第2ウォッシャノズルが取付けられており、
    前記第2ウォッシャノズルが、前記リテーナの前記幅方向一方側の側壁における内側面に隣接して収容配置されている請求項2に記載の車両用ワイパ装置。
  4. 前記第2係合部における前記リテーナの先端側の部分に前記第2係合爪が係合されており、前記第2係合部における前記リテーナの基端側の部分に前記第2ウォッシャノズルが係合されている請求項3に記載の車両用ワイパ装置。
  5. 前記リテーナの開口部には、前記第2係合部に対して前記リテーナの基端側の位置において、前記リテーナの幅方向両側の側壁からそれぞれ突出された一対の第3係合部が形成され、
    前記カバーには、前記カバーの幅方向内側に弾性変形可能に構成された一対の第3係合爪が形成されており、
    前記第3係合爪が前記第3係合部に係合されて前記カバーにおける前記ウインドシールドガラス側への移動を制限する請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置。
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