JP6451203B2 - レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents

レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6451203B2
JP6451203B2 JP2014214343A JP2014214343A JP6451203B2 JP 6451203 B2 JP6451203 B2 JP 6451203B2 JP 2014214343 A JP2014214343 A JP 2014214343A JP 2014214343 A JP2014214343 A JP 2014214343A JP 6451203 B2 JP6451203 B2 JP 6451203B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resist
resist layer
group
substrate
antistatic film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014214343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016080964A (ja
Inventor
紘也 福田
紘也 福田
正志 鵜澤
正志 鵜澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2014214343A priority Critical patent/JP6451203B2/ja
Publication of JP2016080964A publication Critical patent/JP2016080964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6451203B2 publication Critical patent/JP6451203B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

本発明は、レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法、パターンが形成された基板に関する。
電子線リソグラフィの分野では、基板上にレジストパターンを形成するために、酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト(以下、単にレジストともいう。)が多く使用されている。該レジストは、電子線照射部において、酸発生剤にエネルギーが与えられることで酸発生剤の分解反応が起こり、酸が生じることで、レジスト内の反応(典型的には、ポジ型レジストでは分解反応、ネガ型レジストでは架橋反応)を誘起する技術を用いている。
また、この分野では、レジストパターンの精度を高める手段の一つとして、レジスト層上の帯電による精度の低下を抑制するために帯電防止膜(導電膜)を形成することが知られている。該帯電防止膜を形成する材料としては、酸性基を有する水溶性導電性ポリマーが多く使用されている。
しかし、該帯電防止膜が化学増幅型レジスト層上に形成されると、帯電防止膜の影響で、レジスト層の性能(感度等)の変化、パターン形状の変化等が起こる問題があった。
例えば、水溶性導電性ポリマーとして酸性基置換ポリアニリンが提案されている。酸性基置換ポリアニリンは、ドープ剤を添加することなく導電性を発現できる自己ドープ性を有する。その合成方法として、スルホン酸基置換アニリンまたはカルボキシ基置換アニリンなどの酸性基置換アニリンを、塩基性反応助剤の存在下で酸化剤により重合する方法が提案されている。従来、酸性基置換アニリンは、それ単独では重合しにくく、高分子量化が困難とされていたが、塩基性反応助剤の存在下で重合することにより、高分子量の重合体の製造が可能となっている。しかも、塩基性反応助剤の存在下で重合して得られる酸性基置換ポリアニリンは、酸性からアルカリ性の水溶液に対して優れた溶解性を示す。
しかし、酸性基置換ポリアニリンは、通常、副反応の併発に伴うオリゴマー、酸性物質(残存モノマーや、酸化剤の分解物である硫酸イオン等)、塩基性物質(塩基性反応助剤や、酸化剤の分解物であるアンモニウムイオン等)等の副生成物が混合した反応混合物として得られる。また、酸性基置換ポリアニリンの酸性基部分は加水分解等の影響を受けやすく不安定であり、レジスト層上に酸性基置換ポリアニリンを塗布した後、加熱処理して帯電防止膜を形成する際に、酸性基が脱離しやすい。
なお、以下の明細書において、残存モノマーや硫酸イオンなどと、酸性基置換ポリアニリンから脱離した酸性基とを総称して「酸性物質」という。
よって、酸性基置換ポリアニリンを用いてレジスト層上に帯電防止膜を形成し、その状態で露光(電子線照射)及び露光後ベーク(PEB)処理を行うと、酸性物質や塩基性物質が帯電防止膜からレジスト層へ移行しやすかった。その結果、酸性物質や塩基性物質がレジスト層に影響し、パターン形状の変化、感度の変動等が起こる問題があった。
具体的には、レジスト層がポジ型の場合、酸性物質がレジスト層へ移行すると、現像時に未露光部のレジスト層が溶解してしまうため、レジスト層の膜減り、パターンの細り、高感度側への感度変動などが起こる。塩基性物質がレジスト層へ移行すると、露光部の酸が失活してしまい、パターン形状の変化や低感度側への感度変動などが起こる。
レジスト層がネガ型の場合、上記副生成物のレジスト層への移行は、各々逆の現象を引き起こす。
そこで、塩基性反応助剤の存在下、酸性基置換アニリンを酸化剤により重合させた後、得られた反応混合物からイオン交換法等により塩基性物質を除去し、その後、塩基性添加剤をさらに加えて導電性樹脂組成物を製造する方法が提案されている(特許文献1)。該方法により製造された導電性樹脂組成物は、加熱による酸性物質や塩基性物質の揮発が少なく、これを帯電防止膜に用いることで、レジスト層への酸性物質および塩基性物質の移行を抑制できるとされている。
また、一方の表面にレジスト層と導電性膜とを有する基板に対する電子線の照射工程、露光後ベーク工程、現像工程を経ることでレジストパターンを形成する従来のプロセスに対し、電子線の照射工程の後、露光後ベーク工程の前に、水洗等によって導電性膜を除去する導電性膜除去工程を導入した方法が提案されている(特許文献2)。該導電性膜(帯電防止膜)は、加熱により酸を放出するが、露光後ベーク工程の前に導電性膜を除去することで、高精細なパターンを形成できるとされている。
特開2011−219680号公報 特開2003−307856号公報
近年の半導体デバイスの微細化の流れに伴い、レジストパターンの精度等の管理が厳格化している。
特許文献1〜2に記載の方法では、帯電防止膜のレジストパターンへの影響(膜減り、硬化、パターン劣化等)をある程度抑制できるものの、半導体デバイスの微細化に伴うレジストパターン管理の厳格化の要求に完全には対応できない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、化学増幅型レジスト層に接して設けられた帯電防止膜がレジストパターンに与える影響を抑制できるレジストパターンの形成方法、これを用いた、パターンが形成された基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ポジ型レジスト減膜率が10%以下である、レジストパターンの形成方法。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
]前記水洗にアルカリ現像液を用い、前記帯電防止膜の除去と共に前記レジスト層の現像を行う、[1]に記載のレジストパターンの形成方法。
3]ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ポジ型レジスト減膜率が4%以下である、レジストパターンの形成方法。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
]ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上12%以下である、レジストパターンの形成方法。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
]ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上13%以下である、レジストパターンの形成方法。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
]前記水洗にアルカリ現像液を用い、前記帯電防止膜の除去と共に前記レジスト層の現像を行う、[]または[]に記載のレジストパターンの形成方法。
]ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下である、レジストパターンの形成方法。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
]ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下である、レジストパターンの形成方法。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
[9][1]〜[]のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成して、片面上にレジストパターンが形成された基板を得る工程、
を有することを特徴とする、パターンが形成された基板の製造方法。
[10前記パターンが形成された基板がフォトマスクである、[]に記載のパターンが形成された基板の製造方法
本発明によれば、化学増幅型レジスト層に接して設けられた帯電防止膜がレジストパターンに与える影響を抑制できるレジストパターンの形成方法、これを用いた、パターンが形成された基板およびその製造方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「導電性(を有する)」とは、その材料(ポリマー、組成物等)から形成された塗膜(膜厚10〜20nm)が1011Ω/□以下の表面抵抗値を有することを意味する。表面抵抗値は、前記塗膜に一定の電流を流した場合の電極間の電位差より求められる。
本発明において「水溶性」とは、単なる水、塩基および/または塩基性塩を含む水、酸を含む水、または水と水溶性有機溶媒との混合物10g(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
本発明において「室温」とは、25℃を意味する。
<レジストパターンの形成方法(P1)>
本発明の第一の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(P1)ともいう。)は、
ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク(以下、PEBともいう。)工程と、
前記PEB工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
下記ポジ型レジスト減膜率が6%以下であることを特徴とする。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
(積層工程)
基板としては、本発明の効果を有する限り特に限定されないが、ガラス、石英ガラス、各種ウエハ、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、タンタル、ステンレス鋼等、及びこれらの基板表面に各種塗料や感光性樹脂がコーティングされているものなどを例示することができる。
基板の片面上には、ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層(以下、ポジ型レジスト層ともいう。)が設けられる。
ポジ型の化学増幅型レジストとしては、電子線に感度を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用できる。典型的には、電子線の照射により酸を発生する酸発生剤と、酸分解性基を有する構成単位を含む重合体とを含有するものが用いられる。
ポジ型レジスト層は公知の方法により形成できる。例えば基板の片面上に化学増幅型レジストの有機溶剤溶液を塗布し、必要に応じて加熱(プリベーク)を行うことによりポジ型レジスト層を形成できる。
ポジ型レジスト層の表面に導電性組成物を塗布し、必要に応じて加熱することにより、帯電防止膜を形成できる。これにより、基板とポジ型レジスト層と帯電防止膜とがこの順に積層した積層体が得られる。
導電性組成物としては、後述する導電性組成物(I)が好ましい。
導電性組成物の塗布方法としては、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の手法が挙げられる。
塗布後の加熱条件は、溶剤を蒸発させる点から、50〜100℃で1〜20分間程度が好ましい。
帯電防止膜の膜厚は、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、5〜30nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。帯電防止膜の膜厚が前記範囲の下限値以上であると製膜性に優れ、上限値以下であると表面平滑性に優れる。
(露光工程)
露光工程では、基板に対し、帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射(露光)する。これにより、基板と帯電防止膜との間のポジ型レジスト層に潜像が形成される。
このとき、ポジ型レジスト層の表面に帯電防止膜が設けられていることにより、帯電防止膜からアースをとることができ、基板全体の帯電を防止できる。そのため、帯電の影響でポジ型レジスト層に入射する電子の位置がずれることを抑制でき、目的とするレジストパターンに対応する潜像を精度良く形成できる。
(PEB工程)
PEB工程では、露光工程で電子線を照射した基板を加熱(PEB)する。これにより、ポジ型レジスト層の電子線照射部(露光部)で、酸発生剤から発生した酸の作用による反応が促進され、現像液への溶解性が増大する。なお、後述のネガ型レジスト層の場合は逆に、現像液への溶解性が低下する。
基板の加熱は、ホットプレートを用いる等の公知の方法により行うことができる。加熱条件は、レジストにより異なるが、帯電防止膜の耐熱性の点から、200℃以下、1時間以内が好ましい。
(水洗・現像工程)
帯電防止膜は水溶性であるため、水洗を行うと、帯電防止膜が溶解除去される。また、ポジ型レジスト層を現像すると、ポジ型レジスト層の電子線照射部(露光部)が溶解除去され、ポジ型レジスト層の電子線未照射部(未露光部)からなるレジストパターンが形成される。
水洗は、水性液に接触させることを示す。水性液としては、単なる水、塩基および/または塩基性塩を含む水、酸を含む水、水と水溶性有機溶媒との混合物等が挙げられる。
水洗・現像工程は、例えば以下の(α)または(β)の方法により行うことができる。
方法(α):水洗にアルカリ現像液を用い、帯電防止膜の除去と共にポジ型レジスト層の現像を行う。
方法(β):水洗により帯電防止膜のみを除去し、次いで、現像液によりポジ型レジスト層を現像する。
方法(α)で用いるアルカリ現像液(アルカリ水溶液)としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等が挙げられる。
方法(β)の水洗は、現像液に該当しない水性液、例えば水等を用いて行うことができる。現像は、方法(α)と同様、アルカリ現像液を用いて行うことができる。
現像後、必要に応じて、基板を純水等でリンス処理してもよい。
現像後、またはリンス処理後、必要に応じて、レジストパターンが形成された基板を加熱(ポストベーク)してもよい。
(ポジ型レジスト減膜率)
前記の積層工程から水洗・現像工程までの一連の工程を経ることで、片面上にレジストパターンを有する基板が得られる。
レジストパターン形成方法(P1)においては、ポジ型レジスト減膜率が6%以下であり、2.5%未満であることが特に好ましい。
ポジ型レジスト減膜率は、以下の式により算出される。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
上記式中、Aは、帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚、つまり、ポジ型レジスト層の電子線未照射部であって帯電防止膜で被覆されなかった部分の現像後の膜厚(nm)である。
Bは、帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚、つまり、ポジ型レジスト層の電子線未照射部であって帯電防止膜で被覆された部分の現像後の膜厚(nm)である。
A、Bは、例えば後述の実施例に示す手順で測定できる。
ポジ型レジスト減膜率は、帯電防止膜に起因する、ポジ型レジスト層の電子線照射部の現像時の減膜の程度を示す指標である。
レジストパターン形成方法(P1)において、ポジ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として後述の導電性組成物(I)を用いることで、前記減膜率を6%以下にすることができる。
(導電性組成物(I))
導電性組成物(I)は、導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含む。
導電性組成物(I)は、溶剤(d)をさらに含むことが好ましい。
[導電性ポリマー(a)]
導電性ポリマー(a)は、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する。
スルホン酸基及びカルボキシ基はそれぞれ、酸の状態(−SOH、−COOH)で含まれていてもよく、イオンの状態(−SO 、−COO)で含まれていてもよい。
スルホン酸基またはカルボキシ基の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等が挙げられる。
導電性ポリマー(a)が有する酸性基は1種でも2種以上でもよい。
導電性ポリマー(a)に含まれる酸性基は、導電性向上の観点から、少なくとも一部が酸の状態(遊離酸型)であることが好ましい。
導電性ポリマー(a)としては、前記酸性基を有するものであれば、本発明の効果を有する限り特に限定されない。
具体的には、特開昭61−197633号公報、特開昭63−39916号公報、特開平1−301714号公報、特開平5−504153号公報、特開平5−503953号公報、特開平4−32848号公報、特開平4−328181号公報、特開平6−145386号公報、特開平6−56987号公報、特開平5−226238号公報、特開平5−178989号公報、特開平6−293828号公報、特開平7−118524号公報、特開平6−32845号公報、特開平6−87949号公報、特開平6−256516号公報、特開平7−41756号公報、特開平7−48436号公報、特開平4−268331号公報に示された導電性ポリマーなどが、溶解性の観点から好ましい。
具体的には、α位またはβ位が前記酸性基で置換されたフェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、およびカルバゾリレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含むπ共役系導電性ポリマーが挙げられる。
また、イミノフェニレン、およびガルバゾリレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含み、該構成単位の窒素原子上に、前記酸性基、又は前記酸性基で置換されたアルキル基、又は前記酸性基で置換された、エーテル結合を含むアルキル基を有するπ共役系導電性ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、導電性や溶解性の観点から、β位が前記酸性基で置換されたチエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン、フェニレンビニレン、カルバゾリレン、およびイソチアナフテンからなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含むπ共役系導電性ポリマーが好ましい。
導電性ポリマー(a)としては、導電性や溶解性の観点から、下記一般式(2)、(3)または(4)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含む導電性ポリマーが好ましい。
Figure 0006451203
Figure 0006451203
Figure 0006451203
一般式(2)〜(4)中、Xは硫黄原子、又は窒素原子を表し、R〜R15は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br又はI)、炭素数1〜24のアルキル基、−A、−R16A、−N(R17、−NHCOR17、−SR17、−OH、−OR17、−OCOR17、−NO、−COOR17、−COR17、−CHO、または−CNを表す。ただし、一般式(2)のR〜Rのうちの少なくとも一つ、一般式(3)のR〜R10のうちの少なくとも一つ、一般式(4)のR11〜R15のうちの少なくとも一つは、−Aまたは−R16Aである。
Aは、前記酸性基を表す。すなわち、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩のいずれかを表す。スルホン酸基およびカルボキシ基はそれぞれ、酸の状態(−SOH、−COOH)で含まれていてもよく、イオンの状態(−SO 、−COO)で含まれていてもよい。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等が挙げられる。
16は、炭素数1〜24のアルキレン基、炭素数1〜24のアリーレン基、又は炭素数1〜24のアラルキレン基を表す。
17は、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアリール基、又は炭素数1〜24のアラルキル基を表す。R17は、炭素数1〜24のアルキレン基が好ましい。アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えば−CH、−C等が挙げられる。
導電性ポリマー(a)としては、導電性や溶解性の観点から、上記一般式(4)で表される構成単位を含む導電性ポリマーが好ましく、下記一般式(1)で表される構成単位を含む導電性ポリマーが特に好ましい。
Figure 0006451203
一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br又はI)、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルコキシ基、−A、−OH、または−NOを表し、Aは、前記酸性基を表し、R〜Rのうちの少なくとも一つは−Aである。
アルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、直鎖でも分岐でもよい。
前記一般式(1)で表される構成単位としては、製造が容易な点で、R〜Rのうち、いずれか1つが炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のいずれか一つがスルホン酸基であり、残りが水素原子であるものが好ましい。
導電性ポリマー(a)において、ポリマー中の芳香環の総数に対する前記酸性基の含有量は、50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、100%が最も好ましい。前記含有量が50%以上の導電性ポリマーであれば、溶解性が非常に良好となるため好ましい。
前記含有量は、導電性ポリマー(a)製造時の、モノマーの仕込み比から算出できる。
導電性ポリマー(a)において、ポリマー中の芳香環上の前記酸性基以外の置換基は、モノマーへの反応性付与の観点から、電子供与性基が好ましく、具体的には、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルコキシ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br又はI)等が好ましい。これらのうち、電子供与性の観点から、炭素数1〜24のアルコキシ基が最も好ましい。
導電性ポリマー(a)としては、溶解性の観点から、下記一般式(5)で表される構造式を有するポリマーであることが好ましく、ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)が特に好ましい。
Figure 0006451203
一般式(5)中、R18〜R33は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br又はI)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−A、−OH、または−NOを表し、Aは、前記酸性基を表し、R18〜R33のうちの少なくとも一つは−Aである。nは重合度を示す。
アルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、直鎖でも分岐でもよい。
nは5〜2500の整数であることが好ましい。
導電性ポリマー(a)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」という)のポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算で、2000〜100万であることが好ましく、3000〜80万であることがより好ましく、5000〜50万であることがさらに好ましく、1万〜10万であることが特に好ましい。
導電性ポリマー(a)の質量平均分子量が2000以上であると、導電性、及び成膜性に優れる。質量平均分子量が100万以下であると、溶解性に優れる。
ここで、「成膜性」とは、ハジキ等が無い均一な膜となる性質のことを指し、ガラス上へのスピンコート等の方法で評価することができる。
〔導電性ポリマー(a)の製造方法〕
導電性ポリマー(a)は公知の方法で製造できる。例えば、酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(モノマー)を、塩基性反応助剤の存在下、酸化剤を用いて重合することで得られる。
酸性基置換アニリンとしては、例えば酸性基としてスルホン酸基を有するスルホン酸基置換アニリンが挙げられる。
スルホン酸基置換アニリンとして代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸などが好ましく用いられる。
アミノベンゼンスルホン酸類以外のスルホン酸基置換アニリンとしては、例えば、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベンゼンスルホン酸、n−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンスルホン酸等のアルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類;メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシアミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンスルホン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸等のハロゲン置換アミノベンゼンスルホン酸類;それらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩;等が挙げられる。
これらのスルホン酸基置換アニリンはそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
導電性ポリマー(a)の製造に用いられるモノマーとしては、上記の中では、導電性や溶解性に特に優れる導電性ポリマー(a)が得られる点で、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ハロゲン置換アミノベンゼンスルホン酸類、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、製造が容易な点で、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
導電性ポリマー(a)の製造に用いられる塩基性反応助剤としては、例えば無機塩基、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類等が挙げられる。
塩基性反応助剤としては、無機塩基が好ましく、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
また、無機塩基以外では、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン等の脂式アミン類;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン等の環式不飽和アミン類が、塩基性反応助剤として好ましく用いられる。
これらの塩基性反応助剤はそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
導電性ポリマー(a)の製造に用いられる酸化剤としては、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば限定はないが、例えばペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素等を用いることが好ましい。
これらの酸化剤はそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
重合の方法としては、例えば、酸化剤溶液中にモノマーと塩基性反応助剤との混合溶液を滴下する方法、モノマーと塩基性反応助剤との混合溶液に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等にモノマーと塩基性反応助剤との混合溶液と、酸化剤溶液とを同時に滴下する方法、等が挙げられる。
重合後は、通常、遠心分離器等の濾過器により溶媒を濾別する。さらに、必要に応じて濾過物を洗浄液により洗浄した後、乾燥させて、重合体(導電性ポリマー(a))を得る。
このようにして得られる導電性ポリマー(a)には、副反応の併発に伴うオリゴマー、酸性物質(残存モノマーや、酸化剤の分解物である硫酸イオン等)、塩基性物質(塩基性反応助剤や、酸化剤の分解物であるアンモニウムイオン等)等が含まれている場合があり、これらが導電性を阻害する要因となることがある。
従って、導電性ポリマー(a)を精製してオリゴマー、酸性物質、塩基性物質などを除去することが好ましい。これらを除去することで導電性がより向上する。
導電性ポリマー(a)の精製方法としては特に限定されず、イオン交換法、プロトン酸溶液中での酸洗浄、加熱処理による除去、中和析出などあらゆる方法を用いることができるが、特に、イオン交換法が有効である。
イオン交換法を用いることにより、導電性ポリマーの酸性基と塩を形成した状態で存在する塩基性物質や、酸性物質などを効果的に除去でき、純度の高い導電性ポリマー(a)を得ることができる。
イオン交換法としては、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂を用いたカラム式、バッチ式の処理;電気透析法などが挙げられる。
なお、イオン交換法で酸性物質や塩基性物質等を除去する場合は、重合で得られた反応混合物を所望の固形分濃度になるように水性媒体に溶解させ、反応混合物溶液としてから酸性物質や塩基性物質等を除去する。
水性媒体としては、水、水溶性有機溶媒、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒は、水に可溶な有機溶媒であり、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類;等が挙げられる。
イオン交換樹脂を用いたイオン交換法の場合、イオン交換樹脂に対する試料液の量は、例えば固形分濃度5質量%の反応混合物溶液の場合、イオン交換樹脂に対して10倍の容積までが好ましく、5倍の容積までがより好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、例えばオルガノ株式会社製の「アンバーライトIR−120B」などが挙げられる。陰イオン交換樹脂としては、例えばオルガノ株式会社製の「アンバーライトIRA410」などが挙げられる。
電気透析法の場合、電気透析法のイオン交換膜は特に限定はされないが、不純物の拡散による浸透をより抑制するために、一価イオン選択透過処理が施されたイオン交換膜であって、分画分子量が300以下のものを使用することが好ましい。このようなイオン交換膜としては、例えば株式会社アストム製の「ネオセプタCMK(カチオン交換膜、分画分子量300)」、「ネオセプタAMX(アニオン交換膜、分画分子量300)」などが好適である。また、電気透析法に用いるイオン交換膜として、アニオン交換層、カチオン交換層を張り合わせた構造を持ったイオン交換膜であるバイポーラ膜を用いてもよい。このようなバイポーラ膜としては、例えば株式会社アストム製の「PB−1E/CMB」などが好適である。電気透析における電流密度は限界電流密度以下であることが好ましい。バイポーラ膜での印加電圧は、10〜50Vが好ましく、25〜35Vがより好ましい。
このようにして精製された導電性ポリマー(a)は、オリゴマー、酸性物質(特に残存モノマーや、酸化剤の分解物である硫酸イオン等)、塩基性物質(塩基性反応助剤や、酸化剤の分解物であるアンモニウムイオン等)等が十分に除去されているので、より優れた導電性を示す。加えて、本実施形態の導電性組成物(I)を用いてレジスト層上に帯電防止膜を形成した際、酸性物質や塩基性物質のレジスト層側への移行が抑制されやすくなり、レジスト層への影響をより軽減できる。
なお、精製後の導電性ポリマー(a)は、水などの水性媒体に分散または溶解した状態である。従って、エバポレータなどで水性媒体を全て除去すれば固体状の導電性ポリマー(a)が得られるが、導電性ポリマー(a)は溶媒に分散または溶解した状態のまま導電性組成物の製造に用いてもよい。
[塩基性化合物(b)]
塩基性化合物(b)は、導電性ポリマー(a)の酸性基と塩を形成しやすく、酸性基を安定化して帯電防止膜からの酸性物質のレジストパターンへの影響を抑制する効果に優れる点から、下記の第4級アンモニウム塩(b−1)および塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
第4級アンモニウム塩(b−1):窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩。
塩基性化合物(b−2):2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物。
第4級アンモニウム塩は、第4級アンモニウムイオンと対イオンとの塩である。化合物(b−1)において、4つの置換基が結合する窒素原子は、第4級アンモニウムイオンの窒素原子である。
化合物(b−1)において、第4級アンモニウムイオンの窒素原子に結合する炭素数3以上の炭化水素基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基等が挙げられる。
アルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、炭素数3〜6のアルキル基が好ましい。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
窒素原子に結合する4つの置換基のうち、炭素数3以上の炭化水素基であるのは1つでも2つ以上でもよい。2つ以上が炭素数3以上の炭化水素基である場合、各炭化水素基は同じでも異なってもよい。
窒素原子に結合する置換基として、炭素数3以上の炭化水素基以外の他の基を有していてもよい。該他の基としては、例えばメチル基、エチル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
化合物(b−1)において、第4級アンモニウムイオンと塩を形成する対イオン(アニオン)としては、例えば、SO 、OH、NO 、またはハロゲンイオン(F、Cl、Br、またはI)等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩(b−1)の具体例としては、例えば、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラペンチルアンモニウム、水酸化テトラヘキシルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
塩基性化合物(b−2)としては、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
これらの塩基性化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
塩基性化合物(b)として、第4級アンモニウム塩(b−1)および塩基性化合物(b−2)以外の他の塩基性化合物を混合することもできる。
他の塩基性化合物としては、例えば、第4級アンモニウム塩(b−1)以外の他の第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級の塩基性化合物等が挙げられる。
他の第4級アンモニウム塩としては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
導電性組成物中の塩基性化合物(b)の含有量は、導電性ポリマー(a)の酸性基の安定化の観点から、導電性ポリマー(a)1molに対し、1〜100mol当量が好ましく、50〜80mol当量がより好ましく、60〜80mol当量が特に好ましい。塩基性化合物(b)の含有量が50mol当量以上であれば、導電性組成物を用いてレジスト上に導電膜を形成した際に、加熱によって導電膜から酸性物質が拡散するのを充分に抑制できる。一方、塩基性化合物(b)の含有量が80mol当量以下であれば、導電膜としての性能を充分に保持できる。
[水溶性ポリマー(c)]
水溶性ポリマー(c)としては、本発明の効果を有する限り特に限定はされず、種々の水溶性ポリマーを用いることができる(ただし、導電性ポリマー(a)を除く。)。
水溶性ポリマー(c)としては、導電性組成物をレジスト層表面に塗布する際の塗布性の観点から、界面活性能を有するものが好ましく、例えばノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
水溶性ポリマー(c)としては、レジスト層への影響を抑制する観点から、含窒素官能基を有する水溶性ポリマー(以下、水溶性ポリマー(c1)という。)も好ましい。
水溶性ポリマー(c1)としては、例えば、含窒素官能基を有するビニルモノマーのホモポリマー、または該ビニルモノマーと他のビニルモノマーとのコポリマーであり、かつ水溶性であれば特に限定されない。
含窒素官能基を有するビニルモノマーとしては、アクリルアミドおよびその誘導体、含窒素官能基を有する複素環状モノマー等が挙げられ、その中でも、アミド結合を持つものが好ましい。具体的には、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。これらの中でも、アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタムが特に好ましい。
他のビニルモノマーとしては、含窒素官能基を有するビニルモノマーと共重合可能であれば特に制限されないが、例えばスチレン、アクリル酸、酢酸ビニル、α−オレフィン等が挙げられる。
水溶性ポリマー(c)としては、含窒素官能基および末端疎水基を有する水溶性ポリマー(以下、水溶性ポリマー(c2)という。)が特に好ましい。水溶性ポリマー(c2)は、含窒素官能基を有する主鎖部分(親水性部分)と、末端の疎水性基部分とによって界面活性能を有し、塗布性の向上効果が高い。しかも、水溶性ポリマー(c2)は酸や塩基を含まないうえ、加水分解により副生成物が生じにくいことから、レジスト層への悪影響が少ない。
末端疎水性基としては、例えばアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、一級または二級のアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基などが挙げられる。これらの中でも、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基が好ましい。
末端疎水性基の炭素数は、界面活性能の点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上がさらに好ましく、13以上が特に好ましい。また、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下が特に好ましい。
水溶性ポリマー(c2)中の末端疎水性基の数は特に制限されない。同一分子内に末端疎水性基を2つ以上有する場合、末端疎水性基は同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
水溶性ポリマー(c2)としては、例えば、水溶性ポリマー(c1)に末端疎水性基を導入したものが挙げられる。
水溶性ポリマー(c1)への末端疎水性基の導入方法としては特に制限されないが、通常、ビニル重合時の連鎖移動剤を選択することにより導入するのが簡便で好ましい。この場合、連鎖移動剤としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基等の疎水性基を含む基が、得られる重合体の末端に導入されるものであれば特に限定はされない。例えば、末端疎水性基としてアルキルチオ基、アラルキルチオ基、またはアリールチオ基を有する水溶性ポリマーを得る場合は、これらの末端疎水性基に対応する疎水性基を有する連鎖移動剤、具体的にはチオール、ジスルフィド、チオエーテルなどを用いてビニル重合することが好ましい。
水溶性ポリマー(c)の質量平均分子量は、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、典型的には1000以上であり、1500〜100万であることが好ましく、2000〜10万であることがより好ましく、3000〜1万であることが特に好ましい。水溶性ポリマー(c)の質量平均分子量が2000以上であると、低分子量成分の含有量が少なく、導電性組成物をレジスト層上に塗布して塗膜を形成する際に低分子量成分がレジスト層の表面を溶解することによる減膜を抑制できる。
ここで、「低分子量成分」とは、質量平均分子量が、500〜1000程度のオリゴマー成分のことを意味する。
水溶性ポリマー(c)の質量平均分子量は、後述の実施例に示す方法で測定される。
水溶性ポリマー(c)のガラス転移温度は、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、典型的には50℃以上であり、加熱時の流動性の観点から、60℃〜250℃が好ましく、65℃〜200℃がより好ましく、70℃〜150℃が特に好ましい。
導電性組成物中の水溶性ポリマー(c)の含有量は、導電性ポリマー(a)の溶液または分散液100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましい。水溶性ポリマー(c)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、界面活性剤としての効果(すなわち、塗布性の向上効果など)が十分に得られる。一方、前記範囲の上限値を超えて含有しても塗布性の向上効果は頭打ちとなるため、コストを高めるだけである。
[溶剤(d)]
溶剤(d)としては、導電性ポリマー(a)、塩基性化合物(b)及び水溶性ポリマー(c)を溶解することができる溶剤であれば、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、水、または水と有機溶剤との混合溶剤が好ましく用いられる。
有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エチレングリコール類、プロピレングリコール類、アミド類、ピロリドン類等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、エチルイソブチルケトン等が挙げられる。エチレングリコール類としては、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。プロピレングリコール類としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等が挙げられる。アミド類としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。ピロリドン類としては、N−エチルピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
混合溶剤における水と有機溶剤との質量比は、水/有機溶剤=1/100〜100/1であることが好ましく、2/100〜100/2であることがより好ましい。
導電性組成物中の溶剤(d)の含有量は、導電性ポリマー(a)1質量部に対して0.1〜1000質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましい。
[導電性組成物(I)の製造方法]
導電性組成物(I)は、導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを混合することで得られる。
導電性ポリマー(a)としては、精製後の導電性ポリマー(a)を用いることが好ましい。
精製後の導電性ポリマー(a)は、上述したように、水などの水性媒体に分散または溶解した状態(以下、この状態の導電性ポリマー(a)を導電性ポリマー溶液ともいう。)で得られる。そのため、導電性ポリマー溶液に塩基性化合物(b)と水溶性ポリマー(c)とを添加して導電性組成物(I)を製造することができる。
導電性ポリマー溶液に塩基性化合物(b)および水溶性ポリマー(c)を添加する方法としては特に制限されず、それぞれ任意の温度および添加速度で導電性ポリマー溶液に添加することができる。通常は、導電性ポリマー溶液を室温に保持し、攪拌しながら塩基性化合物(b)および水溶性ポリマー(c)を添加することが好ましい。塩基性化合物(b)、水溶性ポリマー(c)はそれぞれ、固体状のもの添加してもよく、水などの水性媒体に分散または溶解した状態で添加してもよい。
<レジストパターンの形成方法(P2)>
本発明の第二の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(P2)ともいう。)は、
ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
下記ポジ型レジスト減膜率が10%以下であることを特徴とする。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(P2)は、積層工程の後、露光工程の前に保管工程を行うこと、およびポジ型レジスト減膜率が10%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P1)と同様である。
積層工程の後、保管期間を設けると、その間にポジ型レジスト層が帯電防止膜からの影響を受け、ポジ型レジスト層の電子線未照射部の現像後の膜厚が、保管期間を設けない場合に比べて薄くなる傾向がある。レジストパターンの形成方法(P2)においては、このような保管時の帯電防止膜からの影響を充分に抑制できる。
(保管工程)
保管工程における保管期間、温度、湿度等の保管条件は、本発明の効果を有する限り特に限定はされないが、2か月以内、5℃〜30℃、70%以下が好ましい。
(ポジ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(P2)においては、ポジ型レジスト減膜率が10%であり、3.1%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(P2)において、ポジ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ポジ型レジスト減膜率を10%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(P3)>
本発明の第三の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(P3)ともいう。)は、
ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
下記ポジ型レジスト減膜率が3%以下であることを特徴とする。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(P3)は、水洗による帯電防止膜の除去を、露光工程の後、PEB工程の前に行うこと、およびポジ型レジスト減膜率が3%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P1)と同様である。
PEB時に帯電防止膜があると、熱によって帯電防止膜中の酸性物質や塩基性物質がポジ型レジスト層に移行し、レジストパターンに影響しやすい。レジストパターンの形成方法(P3)においては、PEB工程の前に帯電防止膜を除去することで、PEB時にポジ型レジスト層が帯電防止膜からの影響を受けることを防止でき、帯電防止膜からの影響がより少ないレジストパターンを形成できる。
(水洗工程)
水洗工程は、レジストパターンの形成方法(P1)の水洗・現像工程における水洗と同様に実施できる。
(ポジ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(P3)においては、ポジ型レジスト減膜率が3%であり、1%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(P3)において、ポジ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ポジ型レジスト減膜率を3%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(P4)>
本発明の第四の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(P4)ともいう。)は、
ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
下記ポジ型レジスト減膜率が4%以下であることを特徴とする。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
(Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(P4)は、積層工程の後、露光工程の前に保管工程を行うこと、およびポジ型レジスト減膜率が4%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P3)と同様である。
前述のとおり、積層工程の後、保管期間を設けると、その間にポジ型レジスト層が帯電防止膜からの影響を受け、ポジ型レジスト層の電子線未照射部の現像後の膜厚が、保管期間を設けない場合に比べて薄くなる傾向がある。レジストパターンの形成方法(P4)においては、このような保管時の帯電防止膜からの影響を充分に抑制できる。
(保管工程)
保管工程は、レジストパターンの形成方法(P2)の保管工程と同様に実施できる。
(ポジ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(P4)においては、ポジ型レジスト減膜率が4%であり、1.3%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(P4)において、ポジ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ポジ型レジスト減膜率を4%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(N1)>
本発明の第五の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(N1)ともいう。)は、
ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上12%以下であることを特徴とする。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(N1)は、ポジ型レジスト層を、ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層(以下、ネガ型レジスト層ともいう。)に変更し、ポジ型レジスト減膜率が6%以下である代わりにネガ型レジスト減膜率が0%以上12%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P1)と同様である。
ネガ型レジスト層を現像すると、ポジ型レジスト層の場合とは逆に、電子線未照射部(未露光部)が溶解除去され、ネガ型レジスト層の電子線照射部(露光部)からなるレジストパターンが形成される。
ネガ型の化学増幅型レジストとしては、電子線に感度を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用できる。典型的には、電子線の照射により酸を発生する酸発生剤と、現像液に可溶性の重合体と、架橋剤とを含有するものが用いられる。
ネガ型レジスト層は、ポジ型レジスト層と同様、公知の方法により形成できる。
(ネガ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(N1)においては、ネガ型レジスト減膜率が0%以上12%以下であり、0%以上7%未満であることが特に好ましい。
ネガ型レジスト減膜率は、以下の式により算出される。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
上記式中、Cは、帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚、つまり、ネガ型レジスト層の電子線照射部であって帯電防止膜で被覆されなかった部分の現像後の膜厚(nm)である。
Dは、帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚、つまり、ネガ型レジスト層の電子線照射部であって帯電防止膜で被覆された部分の現像後の膜厚(nm)である。
C、Dは、例えば後述の実施例に示す手順で測定できる。
ネガ型レジスト減膜率は、帯電防止膜に起因する、ネガ型レジスト層の電子線照射部の現像時の減膜の程度を示す指標である。
レジストパターン形成方法(N1)において、ネガ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ネガ型レジスト減膜率を12%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(N2)>
本発明の第六の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(N2)ともいう。)は、
ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
を有し、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上13%以下であることを特徴とする。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
積層工程の後、保管期間を設けると、その間にネガ型レジスト層が帯電防止膜からの影響を受け、ネガ型レジスト層の電子線未照射部の現像後の膜厚が、保管期間を設けない場合に比べて薄くなるか、または厚くなる傾向がある。レジストパターンの形成方法(N2)においては、このような保管時の帯電防止膜からの影響を充分に抑制できる。
レジストパターンの形成方法(N2)は、ポジ型レジスト層をネガ型レジスト層に変更し、ポジ型レジスト減膜率が10%以下である代わりにネガ型レジスト減膜率が0%以上13%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P2)と同様である。
ネガ型レジスト層は前記と同様である。
(ネガ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(N2)においては、ネガ型レジスト減膜率が0%以上13%以下であり、0%以上9.2%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(N2)において、ネガ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ネガ型レジスト減膜率を0%以上13%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(N3)>
本発明の第七の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(N3)ともいう。)は、
ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下であることを特徴とする。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(N3)は、ポジ型レジスト層をネガ型レジスト層に変更し、ポジ型レジスト減膜率が3%以下である代わりにネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P3)と同様である。
ネガ型レジスト層は前記と同様である。
(ネガ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(N3)においては、ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%であり、0%以上1%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(N3)において、ネガ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ネガ型レジスト減膜率を0%以上3%以下にすることができる。
<レジストパターンの形成方法(N4)>
本発明の第八の態様のレジストパターンの形成方法(以下、レジストパターンの形成方法(N4)ともいう。)は、
ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
前記基板を保管する保管工程と、
前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
前記水洗工程の後、前記基板を加熱するPEB工程と、
前記PEB工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有し、
下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下であることを特徴とする。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
(Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
レジストパターンの形成方法(N4)は、ポジ型レジスト層をネガ型レジスト層に変更し、ポジ型レジスト減膜率が4%以下である代わりにネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下であること以外は、レジストパターンの形成方法(P4)と同様である。
ネガ型レジスト層は前記と同様である。
(ネガ型レジスト減膜率)
レジストパターン形成方法(N4)においては、ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下であり、0%以上1.5%未満であることが特に好ましい。
レジストパターン形成方法(N4)において、ネガ型レジスト減膜率は、導電性組成物の組成等によって調整できる。
例えば導電性組成物として前述の導電性組成物(I)を用いることで、ネガ型レジスト減膜率を0%以上3%以下にすることができる。
<パターンが形成された基板の製造方法>
本発明のパターンが形成された基板の製造方法は、前述のレジストパターンの形成方法(P1)、(P2)、(P3)、(P4)、(N1)、(N2)、(N3)または(N4)によりレジストパターンを形成して、片面上にレジストパターンが形成された基板を得る工程(以下、レジストパターン形成工程)、を有する。
該レジストパターン工程により、片面上にレジストパターンを有する基板が得られる。
本発明の製造方法は、上記のレジストパターン工程の後、得られた基板を、前記レジストパターンをマスクとしてエッチングする工程(エッチング工程)をさらに有してもよい。
また、エッチング工程の後に基板上にレジストパターンが残存する場合は、基板上のレジストパターンを剥離剤によって除去する工程をさらに有してもよい。
上記のようにして、パターンが形成された基板が得られる。例えば、基板として、透明基板とその表面に設けられた遮光膜とを備えるものを使用し、エッチング工程で遮光膜をエッチングすることにより、フォトマスクを製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
後述の各例で用いた評価方法を以下に示す。
<分子量評価>
水溶性ポリマー(c)の0.1質量%水溶液を、0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過し、サンプルを調製した。前記サンプルのGPC測定を以下の条件で行い、水溶性ポリマー(c)の質量平均分子量について評価を行った。
測定機:TOSOH GPC−8020(東ソー社製)。
溶離液:0.2M−NaNO−DIW/アセトニトリル=80/20(v/v)。
カラム温度:30℃。
検量線:EasiVial(登録商標)ポリエチレングリコール/オキシド(PolymerLab社製)を用いて作成。
<導電性評価>
導電性組成物を、ガラス基材上に、スピンコート塗布(2000rpm×60秒間)した後、ホットプレートにて80℃、2分間加熱処理を行い、膜厚10〜30nmの塗膜を形成して導電体を得た。
得られた導電体の表面抵抗値[Ω/□]を、ハイレスタMCP−HT260(三菱化学社製)を用い2端子法(電極間距離20mm)にて測定した。
<ガラス転移温度測定>
水溶性ポリマー(c)の粉末5mgを用い、示差走査熱量測定(DSC)を以下の条件で行い、水溶性ポリマー(c)のガラス転移温度について評価を行った。
測定機:Thermoplus EV0 DSC 8230(Rigaku社製)。
雰囲気:窒素。
流量:50mL/min。
昇温速度:150℃(10℃/min)、20℃(50℃/min)、150℃(10℃/min)。
リファレンス:アルミナ。
<ポジ型レジスト減膜率評価>
[1.帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚Aの測定]
化学増幅型電子線ポジ型レジスト(例えば、市販されている富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製ポジ型レジストFEP−171等が挙げられる。以下、「ポジ型レジスト」と略す。)を使用し、帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚Aを、以下の方法で測定した。
(1)レジスト膜形成:4インチシリコンウエハー(基板)上にポジ型レジストを2000rpmで60秒間回転塗布した後、130℃で90秒間プリベークを行って溶剤を除去した。これにより、膜厚400nmのポジ型レジスト層を得た。
(2)ベーク処理:ポジ型レジスト層が積層された基板を、空気雰囲気下、ホットプレートにて、120℃で20分間加熱し、その後、基板を空気雰囲気下、常温(25℃)で90秒間静置した。
(3)現像:2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液よりなる現像液20mLをポジ型レジスト層の表面に滴下した。60秒間静置した後、2000rpmで回転させて現像液を除去し、その後60秒間回転を維持して乾燥させた。
(4)ポジ型レジスト層を一部剥離した後、触針式段差計(Stylus profiler P−16+, KLA−Tencor Corporation製)を用い、現像後膜厚A(nm)を測定した。
[2.帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚Bの測定]
ポジ型レジストおよび導電性組成物を使用し、帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚Bの測定を、導電性組成物により形成される塗膜(帯電防止膜)を除去するタイミングが異なる2種類の手順で実施した。それぞれ、ベーク処理後に水洗により塗膜を除去するPEB後剥離工程と、ベーク処理前に水洗により塗膜を除去するPEB前剥離工程である。ポジ型レジストは、現像後膜厚Aの測定に用いたものと同じである。
PEB後剥離工程での現像後膜厚Bの測定は以下の手順で実施した。
(1)レジスト膜形成:4インチシリコンウエハー(基板)上にポジ型レジストを2000rpmで60秒間回転塗布した後、130℃で90秒間プリベークを行って、溶剤を除去した。これにより、膜厚400nmのポジ型レジスト層を得た。
(2)帯電防止膜形成:基板上に形成されたポジ型レジスト層の表面に、導電性組成物2mLを滴下し、ポジ型レジスト層の表面全面を覆うように配置した後、スピンコーターにて2000rpmで60秒間回転塗布して膜厚10〜30nmの帯電防止膜を作成した。
(3)ベーク処理:帯電防止膜とポジ型レジスト層が積層された基板を、空気雰囲気下、ホットプレ−トにて、120℃で20分間加熱し、その後、基板を空気雰囲気下、常温(25℃)で90秒間静置した。
(4)水洗:帯電防止膜を、20mLの水で洗い流した。その後、スピンコーターにて2000rpmで60秒間回転させ、ポジ型レジスト層の表面の水を除去した。
(5)現像:2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液よりなる現像液20mLをポジ型レジスト層の表面に滴下した。60秒間静置した後、2000rpmで回転させて現像液を除去し、その後60秒間回転を維持して乾燥させた。
(6)ポジ型レジスト層を一部剥離した後、触針式段差計(Stylus profiler P−16+, KLA−Tencor Corporation製)を用い、現像後膜厚B(nm)を測定した。
PEB前剥離工程では、前記(3)のベーク処理の前に、前記(4)と同等の条件で水洗を行い、ベーク処理後に水洗を行わなかった以外はPEB後剥離工程と同様にして、現像後膜厚Bを測定した。
[3.ポジ型レジスト減膜率の算出]
以下の計算式により、ポジ型レジスト減膜率(帯電防止膜に起因する減膜率)(%)を算出した。
ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
[4.保管(経時)による影響]
化学増幅型レジストは、レジスト層形成後の保管期間によって、現像液への感度が異なり、現像後膜厚が異なる。
前記の現像後膜厚A、Bそれぞれの測定では一連の手順を連続的に実施した(保管無)が、経時の影響を見積もるために、ベーク処理前の基板を乾燥空気(相対湿度20%以下)で1週間保管する工程を追加し、それ以外は前記と同じ条件で現像後膜厚A、Bを測定し、ポジ型レジスト減膜率を算出した。
<ネガ型レジスト減膜率評価>
[1.ネガ型レジスト層の現像後膜厚C、Dの測定]
化学増幅型電子線ネガ型レジスト(例えば、市販されている富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製ネガ型レジストFEN−271等が挙げられる。以下、「ネガ型レジスト」と略す。)を使用し、PEB後剥離工程でのレジストの現像後膜厚C、Dを、以下の方法で測定した。
(1)レジスト膜形成:4インチシリコンウエハー(基板)上にネガ型レジストを2000rpmで60秒間回転塗布した後、120℃で90秒間プリベークを行って溶剤を除去した。これにより、膜厚400nmのネガ型レジスト層を得た。
(2)帯電防止膜形成:基板上に形成されたネガ型レジスト層の表面の中心より外側(中心と端の中点)に、導電性組成物0.1mLを滴下した後、スピンコーターにて2000rpmで60秒間回転塗布して膜厚10〜30nmの帯電防止膜を部分的に作成した。
(3)ベーク処理:帯電防止膜とネガ型レジスト層が積層された基板を、空気雰囲気下、ホットプレ−トにて、130℃で5分間加熱し、その後、基板を空気雰囲気下、常温(25℃)で90秒間静置した。
(4)水洗:帯電防止膜を、20mLの水で洗い流した。その後、スピンコーターにて2000rpmで60秒間回転させ、レジスト表面の水を除去した。
(5)現像:2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液よりなる現像液20mLをレジスト表面に滴下した。15秒間静置した後、2000rpmで回転させて現像液を除去し、その後60秒間回転を維持して乾燥させた。
(6)帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の一部と、帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の一部を剥離した後、触針式段差計(Stylus profiler P−16+,KLA−Tencor Corporation製)を用い、各部位のネガ型レジスト層の膜厚(nm)を測定した。帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の膜厚を現像後膜厚C、帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の膜厚を現像後膜厚Dとした。
前記(3)のベーク処理の前に、前記(4)と同等の条件で水洗を行い、ベーク処理後に水洗を行わなかった以外は前記と同様にして、PEB前剥離工程での現像後膜厚C、Dを測定した。
[2.ネガ型レジスト減膜率の計算]
以下の計算式により、ネガ型レジスト減膜率(%)を算出した。なお、減膜率がマイナス(−)となる場合は、帯電防止膜の被覆により、ネガ型レジストが現像液に難溶化していることを示す。
ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
[3.保管(経時)による影響]
前記の現像後膜厚C、Dそれぞれの測定では一連の手順を連続的に実施した(保管無)が、経時の影響を見積もるために、ベーク処理前の基板を乾燥空気(相対湿度20%以下)で1週間保管する工程を追加し、それ以外は前記と同じ条件で現像後膜厚C、Dを測定し、ネガ型レジスト減膜率を算出した。
[製造例1:導電性ポリマー水溶液(a−1)]
3−アミノアニソール−4−スルホン酸1molを、4mol/L濃度のピリジン溶液(溶媒:水/アセトニトリル=3/7)300mLに0℃で溶解し、モノマー溶液を得た。別途、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1molを、水/アセトニトリル=3/7の溶液1Lに溶解し、酸化剤溶液を得た。ついで、酸化剤溶液を5℃に冷却しながら、モノマー溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間さらに攪拌して、導電性ポリマーを得た。その後、得られた導電性ポリマーを含む反応混合物を遠心濾過器にて濾別した。さらに、メタノールにて洗浄した後乾燥させ、粉末状の導電性ポリマー(a−1−1)185gを得た。
得られた導電性ポリマー(a−1−1)20gを、超純水980gに溶解させ、固形分濃度2質量%の導電性ポリマー水溶液(a−1−2)1000gを得た。
超純水により洗浄した陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、「アンバーライトIR−120B」)500mLをカラムに充填した。このカラムに、導電性ポリマー水溶液(a−1−2)1000gを、50mL/分(SV=6)の速度で通過させて、塩基性物質等が除去された導電性ポリマー水溶液(a−1−3)900gを得た。
次に、超純水により洗浄した陰イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、「アンバーライトIRA410」)500mLをカラムに充填した。このカラムに、導電性ポリマー水溶液(a−1−3)900gを、50mL/分(SV=6)の速度で通過させて、塩基性物質等が除去された導電性ポリマー水溶液(a−1)800gを得た。
この導電性ポリマー水溶液(a−1)についてイオンクロマトグラフィにより組成分析を行ったところ、残存モノマーは60%、硫酸イオンは99%、塩基性物質は99%以上除去されていた。また、導電性ポリマー水溶液(a−1)についてGPC測定を行ったところ、導電性ポリマーの質量平均分子量(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算)は1万であった。
なお、1スベルドラップ(SV)は 1×10/s(1GL/s)と定義される。
[製造例2:水溶性ポリマー(c−1)]
含窒素官能基を含むビニルモノマーとしてN−ビニルピロリドン46g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル5.1g、末端疎水性基導入のための連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン1.7gを、溶剤であるイソプロピルアルコール100mLに攪拌溶解して反応溶液を得た。その後、予め80℃に加熱しておいたイソプロピルアルコール中に、前記反応溶液を1mL/minの滴下速度で滴下し、滴下重合を行った。滴下重合は、イソプロピルアルコールの温度を80℃に保ちながら行った。滴下終了後、80℃で更に2時間熟成した後、放冷した。その後、減圧濃縮を行い、得られた反応物を少量のアセトンに再溶解させた。この反応物のアセトン溶液を、過剰のn−ヘキサンに滴下することで得られた白色沈殿を濾別し、n−ヘキサンで洗浄した後乾燥させ、38gの水溶性ポリマー(c−1)を得た。水溶性ポリマー(c−1)の質量平均分子量は1000、ガラス転移温度は51℃であった。
[製造例3:水溶性ポリマー(c−2)]
含窒素官能基を含むビニルモノマーとしてN−ビニルピロリドン46g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.84g、末端疎水性基導入のための連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.14gを、溶剤であるイソプロピルアルコール100mLに攪拌溶解して反応溶液を得た。その後、予め80℃に加熱しておいたイソプロピルアルコール中に、前記反応溶液を1mL/minの滴下速度で滴下し、滴下重合を行った。滴下重合は、イソプロピルアルコールの温度を80℃に保ちながら行った。滴下終了後、80℃で更に2時間熟成した後、放冷した。その後、減圧濃縮を行い、得られた反応物を少量のアセトンに再溶解させた。この反応物のアセトン溶液を、過剰のn−ヘキサンに滴下することで得られた白色沈殿を濾別し、n−ヘキサンで洗浄した後乾燥させ、38gの水溶性ポリマー(c−2)を得た。水溶性ポリマー(c−2)の質量平均分子量は4380、ガラス転移温度は113℃であった。
[製造例4:水溶性ポリマー(c−3)]
含窒素官能基を含むビニルモノマーとしてN−ビニルピロリドン46g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.84g、末端疎水性基導入のための連鎖移動剤としてn−オクタデシルメルカプタン0.14gを、溶剤であるイソプロピルアルコール100mLに攪拌溶解して反応溶液を得た。その後、予め80℃に加熱しておいたイソプロピルアルコール中に、前記反応溶液を1mL/minの滴下速度で滴下し、滴下重合を行った。滴下重合は、イソプロピルアルコールの温度を80℃に保ちながら行った。滴下終了後、80℃で更に2時間熟成した後、放冷した。その後、減圧濃縮を行い、得られた反応物を少量のアセトンに再溶解させた。この反応物のアセトン溶液を、過剰のn−ヘキサンに滴下することで得られた白色沈殿を濾別し、n−ヘキサンで洗浄した後乾燥させ、45gの水溶性ポリマー(c−3)を得た。水溶性ポリマー(c−3)の質量平均分子量は4800、ガラス転移温度は114℃であった。
[導電性組成物1〜19]
製造例1で得られた導電性ポリマー水溶液(a−1)、製造例2〜4で得られた水溶性ポリマー(c−1)〜(c−3)の4.5%水溶液、並びに以下に示す塩基性化合物水溶液(b−11)〜(b−18)、イソプロピルアルコール(IPA)および水を用いて、表1の通り、導電性組成物1〜14、16〜19を調製した。
b−11:水酸化テトラブチルアンモニウム5%水溶液。
b−12:水酸化テトラプロピルアンモニウム5%水溶液。
b−13:水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム5%水溶液。
b−14:水酸化テトラメチルアンモニウム5%水溶液。
b−15:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン5%水溶液。
b−16:ピリジン5%水溶液。
b−17:アンモニア5%水溶液。
b−18:トリエチルアミン5%水溶液。
また、導電性組成物15として、三菱レイヨン社製aquaSAVE−57xsを用いた。
Figure 0006451203
(実施例1〜14、比較例1〜5)
導電性組成物として表1に示すものを用いて、上記の導電性評価、ポジ型レジスト減膜率評価、ネガ型レジスト減膜率評価をそれぞれ行った。結果を表2に示す。
Figure 0006451203
表2中の総合評価は、表3に示す指標に基づき評価した。表3中のxは、ポジ型レジスト減膜率またはネガ型レジスト減膜率である。
表2〜3中の「経時有」は、ベーク処理前の基板乾燥空気(相対湿度20%以下)で1週間保管する工程を行ったことを示し、「経時無」は、前記の保管する工程を行わず、一連の手順を連続的に実施したことを示す。
Figure 0006451203
表2に示すとおり、実施例1〜14は、比較例1〜5と比べて、ポジ型レジスト減膜率及びネガ型レジスト減膜率が小さかった。
また、保管の有無や帯電防止膜の剥離のタイミングの違い等のプロセスの違いはポジ型レジスト減膜率及びネガ型レジスト減膜率に影響するが、実施例1〜14の方が、プロセスの違いによる減膜率の差が少なかった。
本発明においては、電子線リソグラフィにおいて、化学増幅型レジストからなるレジスト層上に設けられる帯電防止膜がレジストパターンに与える影響を抑制できる。そのため、本発明は、化学増幅型レジストがポジ型である場合およびネガ型である場合、帯電防止膜の形成後に基板を保管する場合および保管しない場合、電子線照射後の帯電防止膜の除去のタイミングがPEBの前である場合およびPEBの後である場合等、種々のプロセスにおいて有用である。

Claims (10)

  1. ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板を保管する保管工程と、
    前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ポジ型レジスト減膜率が10%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
    (Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  2. 前記水洗にアルカリ現像液を用い、前記帯電防止膜の除去と共に前記レジスト層の現像を行う、請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
  3. ポジ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板を保管する保管工程と、
    前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
    前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ポジ型レジスト減膜率が4%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ポジ型レジスト減膜率={(A−B)/A}×100
    (Aは帯電防止膜を積層しない場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Bは帯電防止膜を積層した場合のポジ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  4. ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上12%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
    (Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  5. ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板を保管する保管工程と、
    前記保管工程の後、前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する水洗・現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上13%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
    (Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  6. 前記水洗にアルカリ現像液を用い、前記帯電防止膜の除去と共に前記レジスト層の現像を行う、請求項またはに記載のレジストパターンの形成方法。
  7. ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
    前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
    (Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  8. ネガ型の化学増幅型レジストからなるレジスト層を片面上に有する基板の前記レジスト層の表面に、導電性組成物を塗布して帯電防止膜を形成する積層工程と、
    前記基板を保管する保管工程と、
    前記基板に対し、前記帯電防止膜の側から電子線をパターン状に照射する露光工程と、
    前記露光工程の後、水洗により前記帯電防止膜を除去する水洗工程と、
    前記水洗工程の後、前記基板を加熱する露光後ベーク工程と、
    前記露光後ベーク工程の後、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
    を有し、
    前記導電性組成物が、スルホン酸基、カルボキシ基およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、塩基性化合物(b)と、水溶性ポリマー(c)とを含み、
    前記塩基性化合物(b)が、水酸化テトラメチルアンモニウム、窒素原子に結合する4つの置換基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上の炭化水素基である第4級アンモニウム塩(b−1)、および2つ以上の窒素原子を有する塩基性化合物(b−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    下記ネガ型レジスト減膜率が0%以上3%以下である、レジストパターンの形成方法。
    ネガ型レジスト減膜率={(C−D)/C}×100
    (Cは帯電防止膜未被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)であり、Dは帯電防止膜被覆部のネガ型レジスト層の現像後膜厚(nm)である。)
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成して、片面上にレジストパターンが形成された基板を得る工程、
    を有することを特徴とする、パターンが形成された基板の製造方法。
  10. 前記パターンが形成された基板がフォトマスクである、請求項に記載のパターンが形成された基板の製造方法
JP2014214343A 2014-10-21 2014-10-21 レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法 Active JP6451203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014214343A JP6451203B2 (ja) 2014-10-21 2014-10-21 レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014214343A JP6451203B2 (ja) 2014-10-21 2014-10-21 レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016080964A JP2016080964A (ja) 2016-05-16
JP6451203B2 true JP6451203B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=55958619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014214343A Active JP6451203B2 (ja) 2014-10-21 2014-10-21 レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6451203B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6919172B2 (ja) * 2016-10-14 2021-08-18 信越化学工業株式会社 積層体及びパターン形成方法
KR101703654B1 (ko) * 2016-10-19 2017-02-09 (주)네프코 정전기 방전에 의한 패턴 손상 방지용 포토마스크 및 그 제조 방법
TWI810256B (zh) * 2018-03-15 2023-08-01 日商三菱化學股份有限公司 導電膜及其製造方法、導電體、抗蝕劑圖案的形成方法及積層體
EP3780009B1 (en) * 2018-04-10 2024-09-25 Mitsubishi Chemical Corporation Electrically conductive composition, electrically conductive film, and laminate
JP7135570B2 (ja) * 2018-08-14 2022-09-13 三菱ケミカル株式会社 導電性組成物、導電体の製造方法及びレジストパターンの形成方法
JP7318198B2 (ja) * 2018-11-26 2023-08-01 三菱ケミカル株式会社 導電性ポリマーの製造方法
JP7108565B2 (ja) 2019-03-11 2022-07-28 信越化学工業株式会社 導電性高分子組成物、被覆品、及びパターン形成方法
JP7305992B2 (ja) * 2019-03-14 2023-07-11 三菱ケミカル株式会社 導電体の保存方法
JP2020152748A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 三菱ケミカル株式会社 導電性ポリマー及びその製造方法と、導電性組成物
KR20220034157A (ko) * 2019-08-29 2022-03-17 후지필름 가부시키가이샤 감활성광선성 또는 감방사선성 수지 조성물, 감활성광선성 또는 감방사선성막, 패턴 형성 방법, 및, 전자 디바이스의 제조 방법
JP7415382B2 (ja) * 2019-09-05 2024-01-17 三菱ケミカル株式会社 導電性組成物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0636999A (ja) * 1992-07-20 1994-02-10 Oki Electric Ind Co Ltd 電子線リソグラフィーにおけるチャージアップ防止方法
JP3402415B2 (ja) * 1994-03-03 2003-05-06 沖電気工業株式会社 レジストパターン形成方法
TW200619301A (en) * 2004-09-22 2006-06-16 Showa Denko Kk The water-soluable composition of antistatic agent, the antistatic agent, the method of forming antistatic film, coated products and pattern by using the same the agent
JP2006301073A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd レジストパタン形成用導電性組成物
JP4964608B2 (ja) * 2006-02-08 2012-07-04 昭和電工株式会社 帯電防止剤、帯電防止膜及び帯電防止膜被覆物品
JP5830444B2 (ja) * 2012-07-02 2015-12-09 信越ポリマー株式会社 導電性高分子組成物、該組成物より得られる帯電防止膜が設けられた被覆品、及び前記組成物を用いたパターン形成方法。
KR20220136489A (ko) * 2012-07-24 2022-10-07 미쯔비시 케미컬 주식회사 도전체, 도전성 조성물, 및 적층체
US8802351B2 (en) * 2012-07-31 2014-08-12 International Business Machines Corporation Water-dispersible electrically conductive fluorine-containing polyaniline compositions for lithography
JP6382780B2 (ja) * 2014-09-30 2018-08-29 信越化学工業株式会社 導電性高分子組成物、被覆品、パターン形成方法、及び基板。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016080964A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6451203B2 (ja) レジストパターンの形成方法、パターンが形成された基板の製造方法
JP6604357B2 (ja) 導電性組成物
JP6903864B2 (ja) 帯電防止膜、積層体とその製造方法、およびフォトマスクの製造方法
JP7087265B2 (ja) 導電性組成物、導電体及びレジストパターンの形成方法
TWI810256B (zh) 導電膜及其製造方法、導電體、抗蝕劑圖案的形成方法及積層體
JP7136197B2 (ja) 導電性組成物、導電膜及び積層体
JP2016122028A (ja) レジストのパターン形成方法
JP7135570B2 (ja) 導電性組成物、導電体の製造方法及びレジストパターンの形成方法
JP7517352B2 (ja) 導電性組成物、レジスト被覆材料、レジスト、及びレジストパターンの形成方法
JP7310204B2 (ja) 導電膜の形成方法、導電体の製造方法、レジストパターンの形成方法
JP7298291B2 (ja) 導電性組成物、塗膜、レジストパターンの形成方法
JP2020158576A (ja) 導電性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180605

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181126

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6451203

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151