JP6451015B2 - 非接触振動抑制装置及び対象物加工方法 - Google Patents

Description

本発明は、非接触振動抑制装置及びこれを利用する対象物加工方法に係り、超音波振動によって発生した反撥力を利用して振動を抑制する非接触振動抑制装置及びこれを利用する対象物加工方法に関する。

対象物の加工（切断、研磨、成形、印刷、コーティングなど）工程、特に薄板加工工程において、対象物が機械的な振動などの様々な原因によって振動し、場合によっては、共振によって所望しない対象物の振動現象が生じることがある。このような対象物の振動は、単なる騷音だけではなく、様々な加工精度を劣化し、阻害する原因にもなる。このような振動は、対象物の加工のみならず、対象物の検査、測定、制御、搬送などの精度にも悪影響を与える。

図１及び図２は、従来の機械的な振動抑制装置を概略的に示す図である。

前記のような問題を解決するために、図１及び図２に示すように、従来は、機械的なロール（Ｒｏｌｌ）２１１、２１２を利用して振動を抑制していた（図１及び図２）。しかし、対象物が脆性材料であるか、その表面への異物やスクラッチに敏感な材料である場合には機械的接触によって損傷が起こりやすい。このため、かかる材料は機械的接触を避けなければならない。

図３及び図４は、従来の非接触振動抑制装置を概略的に示す図である。

従来のまた他の振動抑制方法では、図３及び図４に示すように、高圧空気供給部２１３、２１４から供給される流体ベント（高圧空気）を使用して非接触にて振動を抑制する技術がある（製鉄連続ラインにおける鋼板の非接触式振動抑制装置、韓国公開特許第２００３−００５３３９０）。しかし、この方法では、空気の流速だけで対象物の均一な高さを調節することが難しく、且つ、対象物を非接触状態で保持する力が非常に弱いことから、対象物の不安定な状態（揺れなど）が発生した場合に、接触しやすくなるという問題点があった（ウェブ隔離装置及びこれを利用するための方法、韓国公開特許第２０１１−００９５１９１）（図３及び図４）。

本発明は、前記したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、機械的な接触をすることなく対象物に均一な圧力を加えることで安定した非接触状態を保持し、対象物の工程で発生する振動現象を抑制するための装置を提供することである。

前記目的を達成するために、本発明は、第１の超音波振動部及び第２の超音波振動部を含み、前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部とは、対象物がそれらの間に介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動によって発生した反撥力を前記対象物に加えて、前記対象物を前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記対象物の振動を抑制することを特徴とする非接触振動抑制装置を提供する。

また、本発明は、前記非接触振動抑制装置を利用して前記対象物の振動を抑制する段階と、振動が抑制された前記対象物を加工する段階と、を含むことを特徴とする対象物加工方法を提供する。

前記した構成によれば、本発明は、機械的接触によって対象物を損傷させることがなく、対象物の振動を抑制することによって、加工、検査、測定、制御、搬送などの工程を安定して行うことができるという効果がある。

従来の機械的な振動抑制装置を概略的に示す図である。 従来の機械的な振動抑制装置を概略的に示す図である。 従来の非接触振動抑制装置を概略的に示す図である。 従来の非接触振動抑制装置を概略的に示す図である。 本発明の第１の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第１の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第１の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第２の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第２の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第３の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第４の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第５の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第５の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第６の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第７の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第８の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第８の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 本発明の第９の実施例に係る非接触振動抑制装置を示す図である。 超音波振動部の縁部構造の例を示す図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳しく説明する。

本発明は、対象物Ｏの加工（切断、研磨、成形、印刷、コーティングなど）、検査、測定、制御、搬送などに伴う振動を抑制するための非接触式振動抑制装置に関するものである。特に、薄板ガラスウェブの連続工程において薄板の振動現象を抑制するために使用されていてよい。薄板ガラスウェブまたはこれより得られる薄板ガラスシートは、ディスプレイ、電子素材（太陽電池、タッチセンサー、ウエハなど）、建築、家電などの種々の分野で使用可能である。

本発明の対象物Ｏは薄板材料であってよく、ウェブまたはシートであってもよい。典型的に、対象物Ｏは、脆性材料、例えば、ガラスであってよい。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、その他、様々な材質からなるものであってよい。

図５乃至図７は、本発明の第１の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を概略的に示す図である。

同図に示す非接触振動抑制装置２００は、薄板対象物Ｏを非接触にて拘束するための第１の超音波振動部２２１及び第２の超音波振動部２２２、超音波を発生する超音波発生器２３１、２３２、超音波振動部２２１、２２２の振動を吸収する振動吸収部２４１、２４２、超音波振動部２２１、２２２を固定するためのフレーム２５１、２５２、超音波振動部２２１、２２２間の離隔距離を調節するための高さ調節部２６１、２６２、外郭を保護するためのカバー２７１から構成されている。また、第１の超音波振動部２２１の振動条件と第２の超音波振動部２２２の振動条件をそれぞれ制御する制御部を設けてもよい。制御部は、典型的には、振動条件を電気的にそれぞれ制御することで、終局は対象物Ｏの両面に加えられる反撥力をそれぞれ制御する。

典型的に、対象物Ｏは工程中に搬送され、非接触振動抑制装置２００は対象物Ｏの搬送経路上に配設されて、搬送中の対象物Ｏの振動を抑制し、または停止状態で加工される対象物Ｏの振動を抑制する。

第１の超音波振動部２２１及び第２の超音波振動部２２２は、対象物Ｏがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設される。機械的接触による損傷がなく、均一な高さ及び安定した拘束力（圧力）の印加を可能にするために、平板及びアーチ状超音波振動部２２１、２２２に超音波を加振するように構成される（韓国公開特許第ＫＲ２０１０−００５７５３０号）。

第１の超音波振動部２２１と第２の超音波振動部２２２は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動によって発生した高圧空気層の反撥力を対象物Ｏに加えて、対象物Ｏを第１の超音波振動部２２１と第２の超音波振動部２２２との間で非接触にて拘束することで、対象物Ｏの振動を抑制する。すなわち、対象物Ｏと非接触状態を保持できるように、超音波振動部２２１、２２２の対向面には超音波による周期的な空気圧縮現象で対象物Ｏを安定して押し出す力が発生するようになり、上下（または、左右）から超音波振動部２２１、２２２を構成して対象物Ｏを非接触にて拘束する力を発生するようになる。

本発明では、発生する反撥力（Ａｉｒ Ｒｅｐｅｌｌｉｎｇ ｆｏｒｃｅ）が一定に保持され、従来の非接触振動抑制装置で惹起される不安定な状態（振動、揺れ）という問題点に対処することが可能になる。

精度よい加工、検査、測定、制御、搬送などを行うために、非接触振動抑制装置２００は伝わってくる振動から対象物Ｏを保護する。

図７に示すように、非接触振動抑制装置２００は、振動の単方向伝播を抑制することができる。

図８及び図９は、本発明の第２の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、振動外乱から対象物Ｏを保護することができる。

図１０は、本発明の第３の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、非接触振動抑制装置２００は、振動の両方向伝播を抑制することができる。

図１１は、本発明の第４の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

第１の超音波振動部２２１と第２の超音波振動部２２２との間の離隔空間は、その長手方向に直線をなすか、図１１に示すように曲線をなしていてよい。

図１２及び図１３は、本発明の第５の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、薄板対象物Ｏの垂直連続搬送工程（ダウンまたはアップ）における、下部から上部に伝わる振動を抑制することができる。

図１４は、本発明の第６の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、薄板対象物Ｏの搬送方向の変化に伴う連続ウェブ（Ｗｅｂ）工程において、ウェブ（Ｗｅｂ）の方向切替部位を拘束して、方向切替をガイドすると共に、発生する振動を隔離することができる。

図１５は、本発明の第７の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、シリンダー２８１を利用して超音波振動部２２１、２２２のアップダウンが可能となるように構成することができる。

図１６及び図１７は、本発明の第８の実施例に係る非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、薄板対象物Ｏの水平連続ウェブ（Ｗｅｂ）搬送において端部（Ｔｒｉｍ）を切断（トリム切断）し破砕する過程で発生する振動が、対象物Ｏの母体に伝わることを抑制することができる。このために、切断されたトリム部位Ｔに超音波振動によって発生した反撥力を加えて、トリム部位Ｔの振動を抑制する。

図１８は、本発明の第９の実施例に係る他の非接触振動抑制装置２００を示す図である。

同図に示すように、非接触振動抑制装置２００は、切断部５００による対象物Ｏの幅方向切断工程に採用され、対象物Ｏの切断部位の長手方向の両隣接部位に超音波振動による反撥力を加えて、両隣接部位の振動を抑制することができる。

図１９は、超音波振動部２２１、２２２の角部の構造の例を示す図である。

超音波振動部２２１、２２２の角部に薄板対象物Ｏが衝突することで破損または損傷する恐れがある。よって、角部が対象物Ｏから離れるよう、該角部を面取りまたはアール（Ｒｏｕｎｄ）形態で処理して対象物Ｏの破損または損傷を最小化することができる。

Claims (9)

1. 非接触振動抑制装置を利用して対象物の振動を抑制する段階と、
   振動が抑制された前記対象物を加工する段階と、を含み、
   前記対象物を加工する段階では、前記対象物を切断、研磨、成形、印刷、及びコーティングのうちの少なくとも一つを行い、
   前記対象物を加工する段階では、前記対象物を切断し、
   前記振動を抑制する段階では、前記対象物を切断した切断部位の長手方向の両隣接部位に超音波振動によって発生した反撥力を加えて、前記両隣接部位の振動を抑制し、
   前記非接触振動抑制装置は、第１の超音波振動部及び第２の超音波振動部を含み、
   前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部とは、対象物がそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動によって生成された反撥力を前記対象物に加えて、前記対象物を前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記対象物の振動を抑制することを特徴とする対象物加工方法。
2. 前記加工する段階では、前記対象物を長手方向にトリム切断し、
   前記振動を抑制する段階では、前記トリム切断したトリム部位に前記超音波振動によって発生した反撥力を加えて、前記トリム部位の振動を抑制することを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
3. 前記対象物は薄板ウェブまたは薄板シートであることを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
4. 前記対象物はガラスを含むことを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
5. 前記非接触振動抑制装置は、前記第１の超音波振動部の振動条件と前記第２の超音波振動部の振動条件をそれぞれ制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
6. 前記対象物は搬送され、
   前記非接触振動抑制装置は、前記対象物の搬送経路上に配設され、搬送中であるか停止状態で加工される前記対象物の振動を抑制することを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
7. 前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部との間の離隔空間は、その長手方向に直線または曲線をなすことを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
8. 前記第１の超音波振動部と前記第２の超音波振動部は、それぞれ振動吸収部によって支持されることを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。
9. 前記第１の超音波振動部及び第２の超音波振動部の角部は、前記第１の超音波振動部及び第２の超音波振動部の他の部位よりも前記対象物から離れるように面取り処理されたことを特徴とする請求項１に記載の対象物加工方法。

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