JP6450993B2 - スクラッチ印刷物用の台紙、スクラッチ印刷物及びスクラッチ印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description
[第1実施形態]
図1(A)に示す第1実施形態のスクラッチ印刷物1は、ダストレスタイプのものである。図1(A)に示すスクラッチ面100を、例えばスクラッチ印刷物1を削る際に一般的に使用される10円硬貨(青銅)や100円硬貨(白銅)などの金属によって擦ることで金属自体が削れる。そして、図1(B)に示すように、当該金属の粉が付着して着色され秘匿画像aが視認可能となる。また、図2(A)は、図1(A)における金属による着色前のスクラッチ面100を拡大した図であり、図2(B)は、図1(B)における金属による着色後のスクラッチ面100を拡大した図である。なお、図1(A)及び図2(A)の秘匿画像aは、説明の便宜上実際よりも強調されて(視認しやすいように)図示されている。
スクラッチ印刷物1の製造工程には、有色迷彩層印刷工程と、被覆層印刷工程と、秘匿画像印刷工程と、が含まれる。
つまり、被覆層印刷工程が終了した段階(図3(B))で、スクラッチ印刷物用の台紙が製造される。そして、この台紙に対する秘匿画像aの印刷は、秘匿画像印刷工程(図3(C))によりオンデマンド印刷によって行うことが可能となる。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
図5(D)に示す第2実施形態のスクラッチ印刷物2は、基本的な構成は第1実施形態のスクラッチ印刷物1と同様であるため、共通する構成については同一の符号を用いて説明を省略し、相違点を中心に説明する。
無色迷彩層22は、やや白濁した透明な酸化チタン(TiO2)の印刷材(本実施形態ではインク)で形成されている。無色迷彩層22は、印刷基材10上に地紋c(本実施形態では格子模様)を形成する。なお、格子模様は一例であり、これに限定されず、例えばモザイク模様など、秘匿画像層30で形成される秘匿画像aの視認を困難にすることができる地紋であればよい。
スクラッチ印刷物2の製造工程には、第1実施形態の有色迷彩層印刷工程、スクラッチ層印刷工程及び秘匿画像印刷工程に加え、更に無色迷彩層印刷工程が含まれる。
なお、図5(A)、図5(B)、図5(C)及び図5(D)では、説明の便宜上、各層(印刷材)の厚みが実際よりも厚く示されている。
第2実施形態のスクラッチ印刷物2では、スクラッチ面100を形成する透明なスクラッチ層21を介して、無色迷彩層22により形成される地紋cが300nm〜400nmの波長を有するブラックライトの照射光下において視認される。したがって、ブラックライトの照射光下において、無色迷彩層22により秘匿画像aがカモフラージュされ、秘匿画像aの視認をより困難にするスクラッチ印刷物2を製造することができる。
図7に示す第3実施形態のスクラッチ印刷物3は、基本的な構成は第2実施形態のスクラッチ印刷物2と同様であるため、共通する構成については同一の符号を用いて説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、図7では、説明の便宜上、各層(印刷材)の厚みが実際よりも厚く示されている。
無色迷彩層22は、印刷基材10に、酸化チタンのインクで地紋c(本実施形態では格子模様)を形成する。スクラッチ層21は、酸化アルミニウムの印刷材で形成され、印刷基材10上に、無色迷彩層22を覆うようにベタ塗りされている。また、スクラッチ層21の表面には、金属を削るスクラッチ面100が形成される。なお、スクラッチ層21は、無色迷彩層22の前に形成されてもよい。有色迷彩層20は、スクラッチ層21の一部を覆うように印刷され、黄色の秘匿画像aを形成する。また、有色迷彩層20は、値が2.7以上であるモース硬度を有し、スクラッチ層21とともに、スクラッチ面100を形成する。秘匿画像層30は、スクラッチ面100上に黄色の秘匿画像aを形成する。
なお、上記第1、第2及び第3実施形態では、黄色のインクが所定色の印刷材の一例に相当し、地紋bが第1の迷彩画像の一例に相当し、有色迷彩層20が迷彩層及び第1の迷彩層の一例に相当する。また、無色迷彩層22が第2の迷彩層の一例に相当し、スクラッチ層21及び無色迷彩層22が被覆層及びベース層の一例に相当し、酸化チタンのインクが第1の印刷材の一例に相当し、無色迷彩層22が第1の印刷材による層の一例に相当し、地紋cが第2の迷彩画像の一例に相当する。また、酸化アルミニウムのインクが第2の印刷材の一例に相当し、スクラッチ層21が第2の印刷材による層の一例に相当し、黄色のトナーが所定色と同系色の印刷材の一例に相当する。また、有色迷彩層印刷工程が迷彩層印刷工程及び第1の迷彩層印刷工程の一例に相当し、無色迷彩層印刷工程が第2の迷彩層印刷工程の一例に相当する。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を取り得ることは言うまでもない。
バンドギャップ モース硬度
酸化マグネシウム 7.8 9
酸化タンタル 4.4 7
酸化カルシウム 7.0 4〜4.5
フッ化リチウム 14.2 4
塩化ナトリウム 9.0 3
なお、スクラッチ印刷物を削る金属として一般的に使用される硬貨のモース硬度は、以下に挙げられる。
モース硬度
1円硬貨(アルミニウム) 2.7
5円硬貨(黄銅) 3〜4
10円硬貨(青銅) 3.5
50円硬貨(白銅) 5〜5.5
100円硬貨(白銅) 5〜5.5
500円硬貨(白銅) 5〜5.5
なお、上記の数値は参考値である。
酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化ケイ素(シリコン)(SiC)、硫化カドミウム(CdS)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化タングステン(WO3)、リン化アルミニウム(AlP)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO2)、酸化スズ(SnO)、リン化ガリウム(GaP)
(f)上記実施形態では、スクラッチ層21が酸化アルミニウムのインクで形成された構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、酸化チタンによって形成されてもよい。この場合、スクラッチ層21及び無色迷彩層22による酸化チタンのインクの層は、地紋cが形成される部分はスクラッチ層21及び無色迷彩層22により当該インクが厚くなり、それ以外の部分はスクラッチ層21のみとなるので薄くなる。このため、このような厚みの差によって、400nm以下の波長を有する照射光下においても濃淡が生じて地紋cが浮かび上がり、秘匿画像aの視認を困難とさせる効果を維持することができる。なお、この場合の製造方法については特に限定されず、無色迷彩層印刷工程とスクラッチ層印刷工程とを上記第2実施形態と同様の順序で行ってもよく、また、同時に行ってもよい。なお、上記の工程を同時に行う場合、酸化チタンのインクの層は、地紋cが形成される部分とそれ以外の部分に、例えば網点の密度等、面積比率に差が生じるように印刷される。
Claims (10)
- スクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ印刷物は、スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して、前記台紙上に印刷される秘匿画像が視認可能となるものであり、
前記台紙は、
印刷基材上に印刷され、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する第1の迷彩層と、
前記印刷基材上において前記第1の迷彩層を覆うように印刷され、前記スクラッチ面を形成する、透明なスクラッチ層と、
を備える、スクラッチ印刷物用の台紙。 - 請求項1に記載のスクラッチ印刷物用の台紙であって、
バンドギャップが4.1eV未満である第1の印刷材により、400nm以下の波長を有する照射光が照射されることで視認可能となる第2の迷彩画像を形成する第2の迷彩層を更に備える、スクラッチ印刷物用の台紙。 - 請求項2に記載のスクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ層と前記第2の迷彩層とは、前記照射光の吸収率の異なる印刷材により形成される、スクラッチ印刷物用の台紙。 - 請求項2又は請求項3に記載のスクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ層は、バンドギャップが4.1eV以上である第2の印刷材により形成され、
前記スクラッチ層が、前記第1の迷彩層及び前記第2の迷彩層を覆うように印刷され、前記スクラッチ面を形成する、スクラッチ印刷物用の台紙。 - スクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ印刷物は、スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して、前記台紙上に印刷される秘匿画像が視認可能となるものであり、
前記台紙は、
印刷基材上に印刷され、バンドギャップが4.1eV未満である第1の印刷材により、400nm以下の波長を有する照射光が照射されることで視認可能となる第2の迷彩画像を形成する、第2の迷彩層と、
前記印刷基材上において、前記第2の迷彩層を覆うように印刷され、バンドギャップが4.1eV以上である第2の印刷材により形成され、前記スクラッチ面を形成するスクラッチ層と、
前記スクラッチ層の一部を覆うように印刷され、前記スクラッチ層とともに前記スクラッチ面を形成し、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する第1の迷彩層と、
を備える、スクラッチ印刷物用の台紙。 - スクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ印刷物は、スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して、前記台紙上に印刷される秘匿画像が視認可能となるものであり、
前記台紙は、
印刷基材上に印刷され、バンドギャップが4.1eV以上である第2の印刷材により形成され、前記スクラッチ面を形成するスクラッチ層と、
前記スクラッチ層上に印刷され、前記スクラッチ層とともに前記スクラッチ面を形成し、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する第1の迷彩層と、
前記スクラッチ層上に印刷され、バンドギャップが4.1eV未満である第1の印刷材により、400nm以下の波長を有する照射光が照射されることで視認可能となる第2の迷彩画像を形成する第2の迷彩層と、
を備える、スクラッチ印刷物用の台紙。 - スクラッチ印刷物用の台紙であって、
前記スクラッチ印刷物は、スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して、前記台紙上に印刷される秘匿画像が視認可能となるものであり、
前記台紙は、
印刷基材上に印刷され、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する第1の迷彩層と、
前記印刷基材上において前記第1の迷彩層を覆うように印刷され、バンドギャップが4.1eV未満である第1の印刷材により形成され、前記スクラッチ面を形成する、透明なスクラッチ層と、
を備え、
前記スクラッチ面を形成する層内に、400nm以下の波長を有する照射光が照射されることで視認可能となる迷彩画像が含まれる、スクラッチ印刷物用の台紙。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のスクラッチ印刷物用の台紙を備えるスクラッチ印刷物であって、
前記スクラッチ面上に、前記所定色と同系色の印刷材で前記秘匿画像が印刷されている、スクラッチ印刷物。 - スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して秘匿画像が視認可能となるスクラッチ印刷物の製造方法であって、
印刷基材上に、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する迷彩層を印刷する迷彩層印刷工程と、
前記迷彩層印刷工程よりも後に、前記印刷基材上に、前記スクラッチ面を形成する、透明な被覆層を、前記迷彩層を覆うように印刷する被覆層印刷工程と、
前記被覆層印刷工程よりも後に、前記スクラッチ面上に、前記所定色と同系色の印刷材で前記秘匿画像を印刷する秘匿画像印刷工程と、
を備える、スクラッチ印刷物の製造方法。 - スクラッチ面を金属で擦ることで当該金属が削れ、当該金属の粉が付着して秘匿画像が視認可能となるスクラッチ印刷物の製造方法であって、
印刷基材上に、所定色の印刷材で第1の迷彩画像を形成する第1の迷彩層を印刷する第1の迷彩層印刷工程と、
前記第1の迷彩層印刷工程の前又は後に、バンドギャップが4.1eV未満である第1の印刷材により400nm以下の波長を有する照射光が照射されることで視認可能となる第2の迷彩画像を形成する第2の迷彩層を印刷する第2の迷彩層印刷工程と、
前記第1の迷彩層印刷工程及び前記第2の迷彩層印刷工程よりも後に、前記印刷基材上に、前記スクラッチ面を形成するスクラッチ層を、バンドギャップが4.1eV以上である透明な第2の印刷材により前記第1の迷彩層及び前記第2の迷彩層を覆うように印刷するスクラッチ層印刷工程と、
前記スクラッチ層印刷工程よりも後に、前記スクラッチ面上に、前記所定色と同系色の印刷材で前記秘匿画像を印刷する秘匿画像印刷工程と、
を備える、スクラッチ印刷物の製造方法。
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