JP6450954B2 - 遮水壁の継手部止水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物最終処分場等に設置される矢板式の遮水壁にあって、矢板の継手部を好適に止水する方法に関し、特には、矢板設置後に継手部を事後的に止水可能な遮水壁の継手部止水方法に関する。
従来、海面埋立処分場等の廃棄物処分場の鉛直遮水工には、複数の箱形鋼矢板を壁幅方向で互いに接合させ、前後に間隔を置いて対向する複数の壁体を備えている箱形鋼矢板式の遮水壁が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
箱形鋼矢板1は、図8に示すように、互いに間隔を置いて対向する一対の側板部2,2と、両側板部2,2間に配置された一対のウェブ部3,3と、各側板部2,2の両側端に形成された継手部材4a,4aとを備えている。
この箱形鋼矢板1からなる遮水壁Aは、隣接する箱形鋼矢板1,1の継手部材4a,4aを互いに係合させつつ、各箱形鋼矢板1,1を水底地盤Bに打設することにより、継手部材4a,4aからなる継手部4を介して幅方向に連続する前後の壁体5a,5bと、前後両壁体5a,5bとウェブ部3,3とに囲まれた遮水室6とを備えた構造に形成される。
また、継手部4の止水は、継手部材4a,4aの内面に水膨潤性の一次止水材7を予め塗布しておき、その箱形鋼矢板1を水中に設置することで、係合された継手部材4a,4a内の一次止水材7が膨張して継手部材4a,4a間の隙間を埋める方法が広く用いられている。
更に、この種の遮水壁Aでは、高い信頼性が要求されることから、互いに隣り合う箱形鋼矢板1,1を接合する継手部4に止水処理(一次止水)を施すとともに、継手部4と隣接する遮水室6内に土質系の難透水材からなる二次止水材8を充填すること(二次止水)によって、多重の止水構造を形成し、継手部4又は遮水室6内の何れかの止水性能に障害が生じた場合でも遮水壁全体の遮水性能が維持されるようにしている。尚、図8において二次止水材8には、便宜上ハッチングを付している。
しかしながら、この種の遮水壁Aの継手部4では、例えば、箱形鋼矢板1の打設に際し、継手部材同士の摩擦や地盤との摩擦により継手部材4a,4aの内側に塗布された止水材が剥離又は損傷してしまう等、遮水壁Aの構築段階で止水性能が損なわれる場合が生じ得る。
そこで、遮水壁Aの構築においては、遮水室6に二次止水材8を充填する前に継手部4の止水状態を検査・評価することが好ましく、その方法としては、図9に示すように、継手部4に隣接する遮水室6内に水を張った状態で壁体5a,5bによって隔てられた内外水位WL1、WL2を計測し、計測した内外水位差WL1−WL2並びに内水位WL1の経時的変化に基づき評価するものがある。
特開2007−2554号公報
しかしながら、上述の如き従来の技術では、継手部材内の止水材が剥離又は損傷すること等により継手部の止水性能(一次止水)に支障が生じた場合、その支障を上述した検査・評価方法によって二次止水材を充填する前に現場で確認することが可能であるが、その支障を解消する具体的な方法が確立されていないのが現状であった。
例えば、ある継手部の止水状態に支障が生じた場合に、その支障を解消する方法としては、該当する継手部材を有する箱形鋼矢板を引抜き、そこに新たな箱形鋼矢板を再打設する方法が考えられるが、この方法は、莫大な工期と費用を要するため現実的に不可能であった。
また、他の方法としては、溝形鋼等からなる型枠部材を問題のある継手部に被せ、その型枠部材内に不透水性材からなる止水材を充填し、継手部を止水材で覆うことにより止水する方法が考えられるが、この方法では、溝形鋼等からなる型枠部材内に止水材を充填し、それが固化するまでの間に型枠部材内から止水材が漏れ出すのを防止する為、型枠部材の両端縁を壁体の表面に離反不能に取り付ける必要がある。
その場合には、箱形鋼矢板等の矢板の継手部近傍に型枠部材の端縁と互いに係合する係合部材を予め固定しておき、容易に型枠部材を取り付けられるようにする方法が考えられるが、この場合、多数の継手部のうちどの継手部に支障が生じるかを予測することは困難であるから、検査・評価を受けて事後的に対応するには、全ての箱形鋼矢板に予め係合部材を設けておかなければならず、一方、支障が生じなければ、使用しない係合部材は全て無駄になるので不経済であるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、矢板設置後の継手部の止水性能に支障が生じた場合の対応が容易で、安価に信頼性の高い止水構造を形成することができる遮水壁の継手部止水方法の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、両側端部に継手部材を有する複数の矢板を互いに隣り合わせ、前記継手部材を互いに係合させて前記各矢板を接合することにより形成される壁体を互いに間隔を置いて対向する配置に複数備えている多重壁状の遮水壁本体を構築した後、前記各壁体の互いに係合される前記継手部材からなる継手部を止水する遮水壁の継手部止水方法において、両端が前記隣り合う矢板に跨って前記継手部を覆う断面溝形状のカバー部材を互いに対向する一方の壁体の対向面側に設置するとともに、一端を互いに対向する他方の壁体に支持させ、他端で前記カバー部材の両端縁を前記一方の壁体に押し当てる支保工体を前記両壁体間に介在させる遮水壁の継手部止水方法にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記カバー部材内に止水材を充填し、前記カバー部材と前記壁体との間に前記継手部を覆う止水被覆部を形成することにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記止水材が固化した後、前記支保工体及び前記カバー部材を撤去することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の構成に加え、互いに対向する各壁体の継手部が対向方向で互いに対称な位置に配置され、前記カバー部材を、それぞれ壁体の内側面側に設置するとともに前記支保工体を前記両カバー部材間に介在させ、前記支保工体の一端を他方のカバー部材を介して前記対向する他方の壁体に支持させることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の構成に加え、前記カバー部材を深さ方向に案内する案内枠部を備えた幅留め体を前記遮水壁本体上に設置し、該幅留め体に案内させて前記カバー部材を設置した後、該カバー部材を幅留め体に保持させた状態で前記支保工体を前記壁体間に介在させることにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項1〜5の何れか1の構成に加え、前記カバー部材の支保工体側に壁体間方向に傾斜したテーパ面を有する楔状ガイドを備えるとともに、前記支保工体は、その端部に前記テーパ面と互いに摺接するテーパ状の押圧面を有する楔状に形成されていることにある。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項1〜5の何れか1の構成に加え、前記支保工体には、壁体間方向で伸縮する伸縮部と、該伸縮部を伸長方向に押し出すバネ体とを備えていることにある。
本発明に係る遮水壁の継手部止水方法は、上述したように、両側端部に継手部材を有する複数の矢板を互いに隣り合わせ、前記継手部材を互いに係合させて前記各矢板を接合することにより形成される壁体を互いに間隔を置いて対向する配置に複数備えている多重壁状の遮水壁本体を構築した後、前記各壁体の互いに係合される前記継手部材からなる継手部を止水する遮水壁の継手部止水方法において、両端が前記隣り合う矢板に跨って前記継手部を覆う断面溝形状のカバー部材を互いに対向する一方の壁体の対向面側に設置するとともに、一端を互いに対向する他方の壁体に支持させ、他端で前記カバー部材の両端縁を前記一方の壁体に押し当てる支保工体を前記両壁体間に介在させることにより、カバー部材で継手部を止水することができ、矢板にカバー部材を取り付けるための部材を予め設けておく必要がなく、継手部に施した止水に支障が生じた場合の補修にも容易且つ安価に対応することができる。
また、本発明において、前記カバー部材内に止水材を充填し、前記カバー部材と前記壁体との間に前記継手部を覆う止水被覆部を形成することにより、カバー部材を型枠として利用でき、それにより形成された止水用被覆部によって継手部を止水することができる。
更に、本発明において、前記止水材が固化した後、前記支保工体及び前記カバー部材を撤去することにより、カバー部材及び支保工体を再利用することができ、経済的である。
また、本発明において、互いに対向する各壁体の継手部が対向方向で互いに対称な位置に配置され、前記カバー部材を、それぞれ壁体の内側面側に設置するとともに前記支保工体を前記両カバー部材間に介在させ、前記支保工体の一端を他方のカバー部材を介して前記対向する他方の壁体に支持させることにより、支保工体で対向する壁体の継手部を同時に止水することができる。
更に、本発明において、前記カバー部材を深さ方向に案内する案内枠部を備えた幅留め体を前記遮水壁本体上に設置し、該幅留め体に案内させて前記カバー部材を設置した後、該カバー部材を幅留め体に保持させた状態で前記支保工体を前記壁体間に介在させることにより、カバー部材及び支保工体の設置を効率良く行うことができる。
更に、本発明において、前記カバー部材の支保工体側に壁体間方向に傾斜したテーパ面を有する楔状ガイドを備えるとともに、前記支保工体は、その端部に前記テーパ面と互いに摺接するテーパ状の押圧面を有する楔状に形成されていることにより、支保工体を容易に設置でき、且つ、カバー部材を確実に壁体に押し当てることができる。
また、本発明において、前記支保工体には、壁体間方向で伸縮する伸縮部と、該伸縮部を伸長方向に押し出すバネ体とを備えていることにより、支保工体を容易に設置でき、且つ、カバー部材を確実に壁体に押し当てることができる。
本発明に係る遮水壁の継手部止水方法により継手部が止水された遮水壁の一例を示す平面図である。 同上のX−X線断面図である。 (a)〜(c)は本発明に係る遮水壁の継手部止水方法の前半の各工程を説明するための平面図である。 (d)〜(f)は同上の後半の各工程を説明するための平面図である。 (a)〜(c)は図3中のカバー部材の種類を示す部分拡大平面図である。 図4(e)に示す支保工体を取り付けた状態を示す概略縦断面図である。 (a)は支保工体の他の実施例の使用態様を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 従来の箱形鋼矢板式遮水壁の一例を示す平面図である。 多重矢板式遮水壁の継手部の止水状態を検査する方法を説明するための縦断面図である。
次に、本発明に係る遮水壁の継手部止水方法の実施態様を図1〜図7に示した実施例に基づいて説明する。
本実施例は、産業廃棄物処分場等に設置された箱形鋼矢板式の遮水壁を例に説明する。尚、上述の従来例と同様の構成には同一符号を付して説明し、図中符号Aは遮水壁、符号Bは水底地盤、符号1は箱形鋼矢板である。
また、本実施例では、説明の便宜上、図1中の遮水壁Aを介して左側を前、右側を後、矢板を連ねた方向(図1中の上下)を壁幅方向とし、図2中の上下方向を深さ方向というものとする。
この遮水壁Aは、互いに側部を接合しつつ箱形鋼矢板1,1...を壁幅方向に連ねて打設することにより、前後に間隔を置いて対向する複数(本実施例では一対)の壁体5a,5bを有する遮水壁本体が構築され、各壁体5a,5bの隣り合う各箱形鋼矢板1,1間を接合する継手部4を止水することにより各壁体5a,5bの前後で遮水されるようになっている。
また、この遮水壁Aでは、継手部4と隣接する壁体5a,5b間の閉鎖空間(以下、遮水室6という)内に土質系の難透水材からなる二次止水材8を充填することによって、多重の止水構造を形成し、継手部4又は遮水室6の何れかの止水性能に障害が生じた場合でも遮水壁A全体の遮水性能が維持されるようにしている。
本願発明に係る継手部止水方法では、箱形鋼矢板1,1...等の矢板の打設後であって、遮水室6に二次止水材8を充填する前に、矢板1,1間を接合する継手部4の対向面側に継手部4を覆うカバー部材11及び止水被覆部10によって継手部4を止水する。尚、図1において、二次止水材8には、便宜上ハッチングを付している。
各箱形鋼矢板1,1...は、図1に示すように、互いに間隔を置いて対向する一対の側板部2,2と、端部がそれぞれ各側板部2,2の対向面に固定され、両側板部2,2を連結する一対のウェブ部3,3と、各側板部2の両側端に形成されたC形状等の継手部材4aとを備え、継手部材4a,4aを互いに係合させることにより隣り合う箱形鋼矢板1,1の側部を接合できるようになっている。
よって、遮水壁本体には、各箱形鋼矢板1,1...を所望の根入れ深さで壁幅方向に連ねて打設することにより、前後に間隔を置いて対向する複数(本実施例では一対)の壁体5a,5bと、前後両壁体5a,5bとウェブ部3,3とに囲まれた遮水室6とが形成され、前後各壁体5a,5bの継手部4,4がそれぞれ前後方向で対称な位置に配置される。
そして、図3、図4に示すように、両端が隣り合う矢板1,1に跨って継手部4を覆うように各壁体5a,5bの対向面側にカバー部材11,11を設置するとともに、カバー部材11,11の両端縁を壁体5a,5bに押し当てる支保工体12を壁体5a,5b間に介在させて継手部4を止水する。
更に、その状態でカバー部材11,11内に止水材を充填し、継手部4を覆うカバー部材11と各壁体5a,5bとの間に継手部4を覆う止水被覆部10を形成することによって継手部4を止水する。尚、図1において、止水被覆部10には、便宜上ハッチングを付している。
止水材は、投入時には一定の流動性を有し、その後水中で固化して水密性を発揮する材料によって構成され、例えば、エポキシ系樹脂、セメントベントナイト、水中不分離性モルタル、水中不分離性コンクリート、植物系(おがくずやくるみ殻)、鉱物系(雲母片等)、合成品(セロファン小片等)の材料を主成分とする逸泥防止材等を用いることができる。
カバー部材11は、コ形、半円形、C形、V形等の一方の側面に開口した溝形断面が長手方向に連続し、一方の側面及び長手方向両端が開口している断面溝形状に形成され、例えば、図5(a)に示す溝形鋼、図5(b)示す鋼管を軸方向に中央で二つに割った形状のもの、図5(c)に示すC形鋼等を用いることができる。
このカバー部材11の背面部、即ち、側面開口とは反対側には、互いに長手方向に向けて平行に配置した一対の支保工ガイド部材13a,13aからなる支保工ガイドが一体に取り付けられ、両支保工ガイド部材13a,13a間に支保工体12の端部が挿入され、支保工体12の端部がこの支保工ガイド13に深さ方向の移動がガイドされるようになっている。
また、支保工ガイド部材13a,13a間には、図6に示すように、壁体5a,5b間方向に傾斜したテーパ面14aを有する楔状ガイド14を備えている。
更に、カバー部材11の両端縁には、その端面の全長に亘って止水用当接材15,15が備えられ、設置されたカバー部材11の両端縁と壁体5a,5bとを密着できるようにしている。
尚、止水用当接材15,15の態様は、特に限定されないが、例えば、特殊ポリウレタン等からなる水膨潤性止水材やキャップ状、シール状又はマット状のゴム等の弾性材からなるもの等を使用できる。
支保工体12は、図6に示すように、作業船又は陸上に設置されたクレーンに吊り持ちされる上下方向に向けた支持基部20と、支持基部20の所望の高さ毎に支持された複数の楔部材21a〜21eとを備え、両端に同傾斜角の押圧面22が形成された長さの異なる楔部材21a〜21eを上下に間隔を置いて配置することにより全体が互いに下に進むにつれて両側端間幅が小さくなる楔状(逆台形状)である魚の骨状を成している。
よって、この支保工体12は、楔状ガイド14,14間に容易に挿入でき、所望の深さに至ると押圧面22がテーパ面14aと当接し、他方のカバー部材11及び楔状ガイド14を介して一方の壁体5a,5bに反力を取って各カバー部材11を壁体5b,5aに押し当てるようになっている。
尚、支保工体12の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、支保工体12全体で一の楔状(逆台形状)を形成するものであってもよく、また、図7に示すように、バネによってカバー部材11を壁体5a,5bに押し当てる構造の支保工体30であってもよい。
この支保工体30は、作業船又は陸上に設置されたクレーンに吊り持ちされる上下方向に向けた支持基部31と、支持基部31の所望の高さ毎に水平方向に向けて支持された複数の押し当て部材32,32...とを備え、各押し当て部材32には、その両端に壁体5a,5b間方向で伸縮する伸縮部33,33と、押し当て部材本体に支持されて伸縮部33,33を伸長方向に押し出すバネ体34とを備えている。
そして、この支保工体30は、両端の伸縮部33,33を縮めた状態で各押し当て部材32,32...を両カバー部材11、11間に介在させ、常にバネ体34によって伸縮部32,32先端がカバー部材11の背面に押し当てられるようにしている。
尚、伸縮部32の先端には、支保工ガイド13間に挿入されて両支保工ガイド13に深さ方向で案内されるキャスター35を備え、支保工体30が深さ方向で円滑に移動できるようにしている。
次に、カバー部材11を用いて止水被覆部10を形成する具体的な手順を説明する。
まず、図3(a)〜図3(b)に示すように、カバー部材11を深さ方向に案内する案内枠部40,40を備えた幅留め体41を、継手部4の位置に整合させて遮水壁本体の上面部に設置する。
幅留め体41は、例えば、継手部4を挟んで壁幅方向に間隔を置いて前後両壁体5a,5bに架設される一対の仮設幅留め部材42,42と、互いに他方の仮設幅留め部材42,42側に向けて一方の端部が突出するように仮設幅留め部材42,42に支持させた背面支持部材43,43とを備え、仮設幅留め部材42,42と背面支持部材43,43とによって枠状の案内枠部40,40が形成される。
仮設幅留め部材42,42及び背面支持部材43,43は、それぞれH形鋼、角鋼等の鋼材によって構成され、特に図示しないが、それぞれクランプ等の固定具により側板部2,2又はウェブ部3,3の上縁に固定されるようになっている。
案内枠部40,40は、仮設幅留め部材42,42と背面支持部材43,43との組み合わせによって図に示すカバー部材11の形状に整合させた枠状に形成され、両仮設幅留め部材42,42によってカバー部材11の側面を、背面支持部材43,43でカバー部材11の背面をそれぞれ深さ方向で案内するようになっている。
また、背面支持部材43,43は、壁幅方向に間隔を置いて配置され、両背面支持部材43,43端面間にカバー部材11背面部に突設された支保工ガイド13が挿入できるようになっている。
次に、図3(c)に示すように、遮水壁本体の上面側よりカバー部材11,11を幅留め体41の案内枠部40,40に挿入し、各カバー部材11,11をその下端が水底地盤Bに至るとともに上端が水面上に突出した状態に設置し、両端が隣り合う矢板1,1に跨った断面溝形状のカバー部材11で継手部4の対向面側を覆う。
その際、幅留め体41にガイドされた各カバー部材11と壁体5a,5bとの間は、非接触又は摩擦の小さい状態で摺接する状態にあり、カバー部材11を幅留め体41に案内させつつ止水用当接材15,15を損傷させずに円滑に下降させることができる。
そして、各カバー部材11の設置が完了したら、図4(d)に示すように、前後方向で対称に配置された両カバー部材11,11の間に支保工体12を介在させる。
支保工体12は、図6に示すように、作業船又は陸上に設置されたクレーン(図示せず)によって吊り持ちされた状態で、遮水壁本体の上面側から前後方向両端をそれぞれ支保工ガイド13に挿入し、支保工ガイド13に案内させつつ吊り下ろす。
そして、所定の深さ位置まで下降すると、支保工体12の押圧面22がテーパ面14aと当接し、支保工体12を介して壁体5a,5bに反力を取って各カバー部材11を壁体5a,5bに押し当て、各カバー部材11の止水用当接部材15を壁体5a,5bの対向面と密着させて壁体5a,5bとカバー部材11端面との隙間を塞ぎカバー部材11の内外を遮水し、継手部4が止水される。
次に、カバー部材11及び支保工体12の設置が完了したら、図4(e)に示すように、幅留め体41を撤去し、しかる後、カバー部材11を型枠として利用してカバー部材11内に止水材を投入する。
その際、カバー部材11が隣り合う矢板1,1に跨って継手部4を覆うとともに、支保工体12の両端がカバー部材11を介して壁体5a,5bに支持され、その反力によりカバー部材11をそれぞれ壁体5a,5bに押し当てているので、カバー部材11内に投入された止水材の漏れ出しが防止され、隣り合う箱形鋼矢板1,1を跨いで継手部4の周りに不透水性の止水材が密に充填される。
そして、支保工体12を介して各カバー部材11を壁体5a,5bから離脱不能に保持させたまま止水材を固化させ、継手部4の遮水室6に隣接する水底地盤B上に露出した部分を全体に亘って覆う止水被覆部10が形成される。
最後に、支保工体12及びカバー部材11を撤去し、隣り合う箱形鋼矢板1,1を接合する継手部4の止水(一次止水)が完了する。
この遮水壁Aの継手部止水方法では、カバー部材11が支保工体12(30)を介して一方の壁体に反力をとって他方の壁体に押し当てられるようにしたことで、箱形鋼矢板1,1...を設置した後に当該継手部4の止水(補修)が事後的に必要となった場合、例えば、本来の一次止水を継手部材4aの内側に塗布された水膨潤性の止水材によって担うところ、矢板設置後の遮水室6(継手部4)の検査・評価においてその一次止水に不具合が発見された場合等に容易且つ安価に対応できる。
即ち、本発明方法では、継手部4の止水が事後的に必要となった場合であっても、カバー部材11を壁体5a,5bに直接固定する必要がないので、全ての矢板に予めカバー部材11を固定するための部材を設けておく無駄を省くことができる。
また、カバー部材11は、止水被覆部10を形成する為の型枠としても利用でき、カバー部材11内に止水材を充填し、カバー部材11と壁体5a,5bとの間に継手部4を覆う止水被覆部10を形成することによって、継手部4をカバー部材11と止水被覆部10とで二重に止水できる。
更に、カバー部材11内に充填した止水材が固化し後には、カバー部材11が無くとも止水被覆部10によって継手部4の止水状態が維持されるので、カバー部材11及び支保工体12を撤去でき、それによって、カバー部材11及び支保工体12を何度も再利用でき、経済的である。
尚、上述の実施例では、カバー部材11内に止水材を充填し、止水被覆部10を形成する場合について説明したが、支保工体12に支持させたカバー部材11のみで継手部4を止水するようにしてもよい。
また、上述の実施例では、止水被覆部10を形成した後、カバー部材11と支保工体12を撤去する例について説明したが、カバー部材11と支保工体12の双方又はカバー部材11のみを遮水室6内に残置するようにしてもよい。
また、上述の実施例では、箱形鋼矢板式の遮水壁Aについて説明したが、本発明は、それぞれ鋼管矢板、U形鋼矢板等の矢板が継手部4を介して連結されている各壁体を対向配置に複数備えている遮水壁Aにも適用できる。
更に、継手部4の配置は、前後で対称な場合に限定されず、その場合には、支保工体12の一端を対向する一方の壁体5a,5bに直接支持させるようにしてもよい。
A 遮水壁
B 水底地盤
1 箱形鋼矢板
2 側板部
3 ウェブ部
4 継手
4a 継手部材
5a,5b 壁体
6 遮水室
7 一次止水材
8 二次止水材
10 止水被覆部
11 カバー部材
12 支保工体
13 支保工ガイド
13a 支保工ガイド部材
14 楔状ガイド
14a テーパ面
15 止水用当接材
20 支持基部
21 楔部材
22 押圧面
30 支保工体
31 支持基部
32 押し当て部材
33 伸縮部
34 バネ体
35 キャスター
40 案内枠部
41 幅留め体
42 仮設幅留め部材
43 背面支持部材

Claims (7)

  1. 両側端部に継手部材を有する複数の矢板を互いに隣り合わせ、前記継手部材を互いに係合させて前記各矢板を接合することにより形成される壁体を互いに間隔を置いて対向する配置に複数備えている多重壁状の遮水壁本体を構築した後、前記各壁体の互いに係合される前記継手部材からなる継手部を止水する遮水壁の継手部止水方法において、
    両端が前記隣り合う矢板に跨って前記継手部を覆う断面溝形状のカバー部材を互いに対向する一方の壁体の対向面側に設置するとともに、一端を互いに対向する他方の壁体に支持させ、他端で前記カバー部材の両端縁を前記一方の壁体に押し当てる支保工体を前記両壁体間に介在させることを特徴とする遮水壁の継手部止水方法。
  2. 前記カバー部材内に止水材を充填し、前記カバー部材と前記壁体との間に前記継手部を覆う止水被覆部を形成する請求項1に記載の遮水壁の継手部止水方法。
  3. 前記止水材が固化した後、前記支保工体及び前記カバー部材を撤去する請求項2に記載の遮水壁の継手部止水方法。
  4. 互いに対向する各壁体の継手部が対向方向で互いに対称な位置に配置され、前記カバー部材を、それぞれ壁体の内側面側に設置するとともに前記支保工体を前記両カバー部材間に介在させ、前記支保工体の一端を他方のカバー部材を介して前記対向する他方の壁体に支持させる請求項1〜3の何れか1に記載の遮水壁の継手部止水方法。
  5. 前記カバー部材を深さ方向に案内する案内枠部を備えた幅留め体を前記遮水壁本体上に設置し、該幅留め体に案内させて前記カバー部材を設置した後、該カバー部材を幅留め体に保持させた状態で前記支保工体を前記壁体間に介在させる請求項1〜4の何れか1に記載の遮水壁の継手部止水方法。
  6. 前記カバー部材の支保工体側に壁体間方向に傾斜したテーパ面を有する楔状ガイドを備えるとともに、前記支保工体は、その端部に前記テーパ面と互いに摺接するテーパ状の押圧面を有する楔状に形成されている請求項1〜5の何れか1に記載の遮水壁の継手部止水方法。
  7. 前記支保工体には、壁体間方向で伸縮する伸縮部と、該伸縮部を伸長方向に押し出すバネ体とを備えている請求項1〜5の何れか1に記載の遮水壁の継手部止水方法。
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