以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す断面図、図2は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの断面図、図3は本発明の実施の形態におけるラベルギャップにラベルカスがないラベルロール紙を説明する図、図4は本発明の実施の形態における透過型ラベルギャップ検知センサの出力を説明する図、図5は本発明の実施の形態におけるラベルギャップにラベルカスがあるラベルロール紙のブラックマークを説明する図、図6は本発明の実施の形態における反射型ブラックマーク検知センサの出力を説明する図である。なお、図3及び5において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は(b)の要部拡大図であり、図4及び6において、(a)はラベルロール紙の上面図、(b)はラベルロール紙とセンサの位置関係を示す側面図、(c)はセンサの出力電圧波形を示す図である。
図1において、10は本実施の形態におけるロール紙プリンタとしての画像形成装置であり、いかなる種類のものであってもよいが、ここでは、電子写真方式によって画像を形成する電子写真式プリンタであるものとして説明する。なお、前記画像形成装置10は、モノクロ画像を形成するものであってもよく、カラー画像を形成するものであってもよいが、本実施の形態においては、中間転写方式によって媒体としてのラベルロール紙31に印刷を行うカラー印刷装置である場合について説明する。
前記画像形成装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する4つの独立した画像形成手段としての画像形成ユニット20Y、20M、20C及び20Kを有し、該画像形成ユニット20Y、20M、20C及び20Kは、中間転写体としての中間転写ベルト12に沿って、その回転方向(搬送方向)上流から下流に向かって、順次並ぶように配設される。
この場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する4つの独立した画像形成ユニット20Y、20M、20C及び20Kが中間転写ベルト12の場面に接触して、回転方向上流から下流に向かって配設される。
なお、4つの画像形成ユニット20Y、20M、20C及び20Kは、基本的に同一の構造を有するので、統合的に説明する場合には、画像形成ユニット20として説明する。また、該画像形成ユニット20が含む各部材及びその他の部材についても、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応するものとして識別して説明する場合にはY、M、C及びKの符号を付与して説明し、統合的に説明する場合には、Y、M、C及びKの符号を付与せずに説明する。
各画像形成ユニット20は、図2に示されるように、感光体ドラムである感光体11、該感光体11の表面を帯電させるチャージローラ21、帯電した感光体11の表面を選択的に露光して静電潜像を書き込む露光手段としてのLEDヘッド22、前記感光体11の表面の静電潜像を現像剤としてのトナーで現像する現像ローラ23、該現像ローラ23の表面にトナーを供給しつつ現像ローラ23との間でトナーを擦り付けてマイナス極性に摩擦帯電させるスポンジローラ24、前記現像ローラ23の表面に供給されたトナーを均一な薄層にする現像ブレード25、前記スポンジローラ24にトナーを供給するトナータンク26、及び、前記感光体11の表面に残留したトナーをクリーニングするクリーニングブレード27を有する。なお、各トナータンク26には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーが各々収容されている。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ13、アイドルローラ14、2次転写バックアップローラ16b及びテンションローラ18の周囲に巻きかけられ、図示されないモータによって駆動される駆動ローラ13が回転することにより、矢印Aの方向に回転する。また、中間転写ベルト12を挟んで感光体11Y、11M、11C及び11Kに対向する位置には、1次転写ローラ15Y、15M、15C及び15Kが配設されている。該1次転写ローラ15Y、15M、15C及び15Kは、それぞれ、図示されないスプリングによって感光体11Y、11M、11C及び11Kに押し当てられ、1次転写部としての1次転写ニップ部を形成している。
該1次転写ニップ部においては、感光体11上に形成された現像剤像としてのトナー画像の中間転写ベルト12上への転写が行われる。そして、該中間転写ベルト12は、表面に転写されたトナー画像を担持して、2次転写ニップ部16にまで搬送する。
前記ラベルロール紙31は、図1に示されるように、図示されない芯(しん)の周囲にあらかじめ巻き付けられたロール31aの状態で用意され、前記芯を中心にして回転可能となるように、ユーザによって画像形成装置10に装着される。そして、前記ロール31aの回転に伴って、ラベルロール紙31は繰り出されて搬送される。また、31cは、画像形成済みのラベルロール紙31がリワインダー32に巻き取られた画像形成済みロールである。
本実施の形態におけるラベルロール紙31は、図3及び5に示されるように、台紙47と該台紙47上に貼付された複数のラベル46とを含むものであり、該ラベル46の表面にトナー画像を転写して印刷を行うものである。つまり、印刷が行われる媒体は、ラベル46である。この場合、前記台紙47は、連続した長尺の帯状又はテープ状の紙、樹脂フィルム等であり、巻かれてロール31aを構成する。また、ラベル46は、接着剤等によって前記台紙47の表面に剥(はく)離可能に貼付された紙、樹脂フィルム等であって、前記台紙47の長手方向、又は、進行方向に所定の間隔で複数枚並べて貼付される。そして、前記ラベル46は、印刷が完了した後、前記台紙47から剥(は)がして使用される。なお、図に示される例において、ラベル46は、概略矩(く)形であるが、円形、星型等の種々の形状であってもよい。
なお、本実施の形態におけるラベルロール紙31は、図3に示されるような第1のタイプのラベルロール紙31A、又は、図5に示されるような第2のタイプのラベルロール紙31Bである。一般に、ラベル46は、台紙47と同等の大きさの紙、樹脂フィルム等を台紙47の表面に貼付した後、その一部を所定の大きさ及び形状に型抜き乃至切り抜きすることによって形成されるので、その周辺に余白部分(不要部分)が残存する。該余白部分は、「カス」乃至「ラベルカス」と通称される。
そして、第1のタイプのラベルロール紙31Aは、前記余白部分を除去したものであって、隣接するラベル46同士の間(ラベルギャップ)及び各ラベル46の周囲には、余白部分としてのラベルカス48が残存していない。一方、第2のタイプのラベルロール紙31Bは、前記余白部分を除去する工程を省略したものであって、隣接するラベル46同士の間(ラベルギャップ)及び各ラベル46の周囲には、余白部分としてのラベルカス48が残存している。また、第2のタイプのラベルロール紙31Bの場合、図5に示されるように、台紙47の裏面に、各ラベル46の先端(図6において矢印で示される搬送方向の前端)の位置を示すマークとしてのブラックマーク43が印刷によって形成されている。なお、余白部分を除去し、裏面にブラックマークを印刷したラベルロール紙もあり、本実施の形態はこのようなラベルロール紙にも適用することができる。
なお、第1のタイプのラベルロール紙31Aと第2のタイプのラベルロール紙31Bとを統合的に説明する場合には、ラベルロール紙31として説明する。
そして、ロール31aから繰り出されたラベルロール紙31は、給紙ローラ33とピンチローラ34とに挟まれて搬送され、ガイド35に導かれて第1のラベル位置検知手段としての第1ラベルギャップ検知センサ36及び第1ブラックマーク検知センサ37の位置を通過する。第1ラベルギャップ検知センサ36は、透過型光学センサであり、発光部41と受光部42とを含み、ラベルロール紙31は、発光部41と受光部42との間を通過する。また、第1ブラックマーク検知センサ37は、反射型光学センサであり、台紙47の裏面のブラックマーク43を検知する。
図4に示されるように、第1ラベルギャップ検知センサ36の発光部41と受光部42とは、ラベルロール紙31の搬送経路を挟んで、互いに対向するように配設されている。そして、第1のタイプのラベルロール紙31Aの隣接するラベル46同士の間、すなわち、ラベルギャップが通過する際に、第1ラベルギャップ検知センサ36の出力レベル変化を得ることができるので、個々のラベル46の位置が検知可能である。
また、図6に示されるように、第1ブラックマーク検知センサ37は、ラベルロール紙31の搬送経路の一方(下方)のみに配設されている。そして、第2のタイプのラベルロール紙31Bの台紙47の裏面に形成されたブラックマーク43が通過する際に、第1ブラックマーク検知センサ37の出力レベル変化を得ることができるので、個々のラベル46の位置が検知可能である。
前記第1ラベルギャップ検知センサ36及び第1ブラックマーク検知センサ37の位置を通過したラベルロール紙31は、さらに、ガイド35に導かれて、カッター38の位置に到達する。該カッター38は、ラベルロール紙31を切断することができる。
続いて、該ラベルロール紙31は、さらに、ガイド35に導かれて、第1中間搬送ローラ51と該第1中間搬送ローラ51に対向する第1ピンチローラ53とのニップ部に噛(か)み込まれ、前記第1中間搬送ローラ51に駆動されて搬送される。続いて、前記ラベルロール紙31は、第2中間搬送ローラ52と第2ピンチローラ54とのニップ部に噛み込まれて搬送される。
続いて、前記ラベルロール紙31は、さらに、ガイド35に導かれて、第2ラベルギャップ検知センサ55及び第2ブラックマーク検知センサ56の位置を通過する。第2ラベルギャップ検知センサ55は、透過型光学センサであり、発光部57と受光部58とを含み、ラベルロール紙31は、発光部57と受光部58との間を通過する。また、第2ブラックマーク検知センサ56は、反射型光学センサであり、台紙47の裏面のブラックマーク43を検知する。
なお、前記第2ラベルギャップ検知センサ55は、図4に示されるような第1ラベルギャップ検知センサ36と同様の構成であって、第1のタイプのラベルロール紙31Aの隣接するラベル46同士の間、すなわち、ラベルギャップが通過する際に、第2ラベルギャップ検知センサ55の出力レベル変化を得ることができるので、個々のラベル46の位置が検知可能である。また、前記第2ブラックマーク検知センサ56は、図6に示されるような第1ブラックマーク検知センサ37と同様の構成であって、第2のタイプのラベルロール紙31Bの台紙47の裏面に形成されたブラックマーク43が通過する際に、第2ブラックマーク検知センサ56の出力レベル変化を得ることができるので、個々のラベル46の位置が検知可能である。
続いて、前記ラベルロール紙31は、さらに、ガイド35に導かれて、2次転写ローラ16aと2次転写バックアップローラ16bとで形成され、転写手段として機能する2次転写部としての2次転写ニップ部16に噛み込まれる。ラベルロール紙31に印刷を行う際には、各ラベル46と中間転写ベルト12上のトナー画像とが2次転写ニップ部16に到達するタイミングを一致させることによって、トナー画像が正しく位置決めされて各ラベル46に2次転写される。
続いて、前記ラベルロール紙31は、定着器61に到達する。該定着器61は、互いに圧接されて定着ニップを形成するアッパーローラ62及びロワーローラ63を備える。なお、前記アッパーローラ62の内部にはハロゲンランプ64が配設され、トナー画像を溶融して定着するための熱を供給している。そして、前記ラベルロール紙31は、前記定着ニップに噛み込まれて搬送され、これにより、各ラベル46に2次転写されたトナー画像は、加圧加熱されて定着する。
続いて、前記ラベルロール紙31は、リワインダー32に巻き取られ、画像形成済みロール31cとなる。前記リワインダー32は、図示されない駆動手段によって回転されており、ラベルロール紙31を巻き取っている。
このように、画像形成装置10は、ラベルロール紙31に連続的に画像形成を行うことができる構成を有する。
次に、前記第1ブラックマーク検知センサ37の構成について詳細に説明する。なお、第2ブラックマーク検知センサ56の構成は、前記第1ブラックマーク検知センサ37と同様であるので、その説明を省略する。
図7は本発明の実施の形態における第1ブラックマーク検知センサの構成を説明する図である。なお、図において、(a)は透視斜視図、(b)は正面図である。
図に示されるように、反射型光学センサである第1ブラックマーク検知センサ37は、第2のタイプのラベルロール紙31Bの下側(裏側)から、台紙47の裏面に形成されたブラックマーク43を検知する。前記第1ブラックマーク検知センサ37は、発光手段としてのLED65、及び、受光手段としてのフォトトランジスタ66を備える。なお、発光手段はLEDに限定されるものではなく、また、受光手段もフォトトランジスタに限定されるものではなく、同様な機能を発揮する別種の素子であってもよい。
前記LED65は、図示されない回路によって駆動され、所定の発光強度でラベルロール紙31の裏面に光を照射し、該裏面によって反射された光は、フォトトランジスタ66によって受光される。該フォトトランジスタ66には、図示されない回路と読み取り回路とが駆動されており、ラベルロール紙31の裏面の反射強度に対応した電圧を出力する。本実施の形態では、図6に示されるように、反射率が周囲より低いブラックマーク43の位置で出力電圧が低くなる回路構成であるが、必ずしもこれに限定されるものでなく、ブラックマーク43の位置で出力電圧が高くなるようにしてもよい。
次に、前記第1ラベルギャップ検知センサ36の構成について詳細に説明する。なお、第2ラベルギャップ検知センサ55の構成は、前記第1ラベルギャップ検知センサ36と同様であるので、その説明を省略する。
図8は本発明の実施の形態における第1ラベルギャップ検知センサの構成を説明する図である。なお、図において、(a)は光がラベルギャップを透過する状態を示す図、(b)は光がラベルを透過する状態を示す図である。
図に示されるように、第1ラベルギャップ検知センサ36は、発光部41が上から、受光部42が下から、第1のタイプのラベルロール紙31Aを挟み込んで対向する構成となっている。前記発光部41の内部には発光手段としてのLED67が固定され、該LED67は図示されない回路によって駆動され、所定の発光量で発光する。前記受光部42の内部には受光手段としてのフォトトランジスタ68が固定され、該フォトトランジスタ68は図示されない回路によって駆動され、第1のタイプのラベルロール紙31Aを透過したLED67からの光を受光して、受光量に対応した電圧を出力する。なお、発光手段はLEDに限定されるものではなく、また、受光手段もフォトトランジスタに限定されるものではなく、同様な機能を発揮する別種の素子であってもよい。さらにまた、発光部41及び受光部42の位置は、ラベルロール紙31Aに対して光を透過して受光することができる位置であればどこでも構わない。例えば、図8の位置に対して上下逆でもよい。
本実施の形態では、図4に示されるように、透過率が周囲より高いラベルギャップの位置で、出力電圧が低くなる回路構成であるが、必ずしもこれに限定されるものでなく、ラベルギャップの位置で出力電圧が高くなるようにしてもよい。
次に、前記画像形成装置10の制御部70の構成について説明する。
図9は本発明の実施の形態における画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図において、70は画像形成装置10の制御手段としての制御部である。該制御部70は、図に示されるように、エンジン制御部71、コマンド/画像処理部72、インターフェイス部73、RAM75Y、75M、75C及び75K、並びに、高圧供給部77を有する。前述のように、各色に対応する各種の部材を個別に説明する場合には、各色に対応する符号Y、M、C及びKを付与し、前記部材を統合的に説明する場合には、各色に対応する符号Y、M、C及びKを付与しないこととする。
前記コマンド/画像処理部72は、インターフェイス部73を介して、画像形成装置10の上位装置であるホストPC74と通信を行い、該ホストPC74から受信したコマンド及び画像データを処理する。そして、前記コマンド/画像処理部72は、ホストPC74から受信したコマンドに応じて、エンジン制御部71に指示を出力し、ホストPC74から受信した画像データを解釈してビットマップへの展開を行い、該ビットマップをRAM75に書き込む。
また、該RAM75はエンジン制御部71を介してLEDヘッド22に接続されており、前記エンジン制御部71は、RAM75のビットマップデータを読み出し、LEDヘッド22へ転送する。
なお、前記エンジン制御部71は画像形成装置10のハードウェア動作全般を制御する。そして、前記エンジン制御部71は、コマンド/画像処理部72からの指示に従って、印刷動作を制御する。また、前記エンジン制御部71は、LEDヘッド22、高圧供給部77、ハロゲンランプ64、RAM76、第1ラベルギャップ検知センサ36、第1ブラックマーク検知センサ37、第2ラベルギャップ検知センサ55及び第2ブラックマーク検知センサ56に接続されている。
そして、前記高圧供給部77は、画像形成ユニット20、1次転写ローラ15及び2次転写ローラ16aに必要な高電圧を供給する。また、前記ハロゲンランプ64は、アッパーローラ62を内側から加熱する。
次に、前記構成の画像形成装置10の動作について説明する。
まず、コマンド/画像処理部72が、ホストPC74から、ラベルロール紙31に印刷するための画像データ、すなわち、印刷データを受信すると、画像形成装置10は画像形成動作を開始する。前記コマンド/画像処理部72は、受信した印刷データを解釈し、各トナー色のビットマップデータに展開する。展開されたビットマップデータは、RAM75に保存される。また、前記コマンド/画像処理部72は、印刷データのビットマップデータへの展開と同時に、エンジン制御部71に印刷動作開始の指示を出す。
すると、該エンジン制御部71は、ハロゲンランプ64を制御して定着器61を加熱し、該定着器61の温度がトナー画像をラベルロール紙31に定着可能な温度範囲になるように制御する。そして、前記定着器61の温度が十分に上昇すると、エンジン制御部71は、駆動ローラ13及び各画像形成ユニット20の駆動を開始させる。また、エンジン制御部71は、同時に、高圧供給部77を制御して、画像形成ユニット20及び1次転写ローラ15に所定の高電圧バイアスを供給させる。
ここで、感光体11上へのトナー画像の形成動作について説明する。
まず、高圧供給部77から、高電圧バイアスとして、−1000〔V〕のチャージバイアスが供給されたチャージローラ21は、感光体11の表面を−600〔V〕に帯電させる。また、高圧供給部77から、高電圧バイアスとして、現像ローラ23には−200〔V〕の現像バイアスが供給され、スポンジローラ24には−250〔V〕のスポンジバイアスが供給される。一方、トナータンク26から供給されたトナーは、スポンジローラ24と現像ローラ23とに強く擦られてマイナス極性に摩擦帯電する。そして、マイナス極性に摩擦帯電されたトナーは、スポンジバイアスと現像バイアスとの電位差によって現像ローラ23に付着させられる。該現像ローラ23に付着したトナーは、現像ブレード25によって均一な厚さにならされて、現像ローラ23上にトナー層を形成する。該現像ローラ23上に形成されたトナー層は、現像ローラ23の回転によって、感光体11とのニップ部に運ばれる。
一方、エンジン制御部71は、LEDヘッド22に、感光体11への潜像の書き込みを開始させる。この場合、エンジン制御部71は、RAM75に書き込まれた印刷データのビットマップデータを、画像の先端から順次読み出し、1ライン単位で次々とLEDヘッド22に転送する。該LEDヘッド22は、転送されてきたビットマップデータに従ってLEDを点滅させ、−600〔V〕に帯電された感光体11の表面を露光する。該感光体11の表面における露光された箇所は−50〔V〕に除電され、静電潜像となる。
そして、感光体11の表面における静電潜像が形成された箇所は、感光体11の回転に従って、現像ローラ23とのニップ部に運ばれる。前記現像ローラ23上にはマイナス帯電したトナー層が形成されており、また、現像ローラ23には−200〔V〕の現像バイアスが供給されているので、現像ローラ23と感光体11の表面における静電潜像との電位差によって、静電潜像の部分にのみトナーが選択的に付着して、静電潜像はトナー画像として現像される。
各画像形成ユニット20における感光体11上にトナー画像が形成され、これらのトナー画像が中間転写ベルト12と感光体11との接触部、すなわち、1次転写ニップ部に到達すると、高圧供給部77から1次転写ローラ15に高電圧バイアスとしての1次転写バイアスが供給されているので、前記トナー画像は感光体11上から転写されて中間転写ベルト12に形成される。
なお、感光体11Y、11M、11C及び11K上への各色トナー画像の形成は、感光体11Y、11M、11C及び11Kの配置間隔の分だけタイミングをずらして行われるので、中間転写ベルト12上では互いに、ずれることなく、重なり合って積層される。
本実施の形態において、制御部70は、第1のラベル位置検知手段としての第1ラベルギャップ検知センサ36又は第1ブラックマーク検知センサ37の検知結果、及び、第2のラベル位置検知手段としての第2ラベルギャップ検知センサ55又は第2ブラックマーク検知センサ56の検知結果に基づいて、現像剤像、すなわち、トナー画像を中間転写ベルト12に形成するタイミングを制御するので、トナー画像の位置をラベル46の位置に高い精度で合致させることができる。
具体的には、制御部70は、ラベルロール紙31の第1のラベル位置検知手段と第2のラベル位置検知手段との間の搬送時間又は搬送速度を算出する。また、制御部70は、ラベル46の第1のラベル位置検知手段への到達時間間隔及び第2のラベル位置検知手段への到達時間間隔を算出する。さらに、制御部70は、ラベル46の第1のラベル位置検知手段への到達時間間隔及び第2のラベル位置検知手段への到達時間間隔の両方が算出可能であるときには、ラベル46の第1のラベル位置検知手段への到達時間間隔及び第2のラベル位置検知手段への到達時間間隔の両方に基づいて、又は、ラベル46の第2のラベル位置検知手段への到達時間間隔のみに基づいて、トナー画像を中間転写ベルト12に形成するタイミングを制御する。さらに、制御部70は、ラベル46の第1のラベル位置検知手段への到達時間間隔が算出可能であるが、第2のラベル位置検知手段への到達時間間隔が算出可能でないときには、ラベル46の第1のラベル位置検知手段への到達時間間隔のみに基づいて、トナー画像を中間転写ベルト12に形成するタイミングを制御する。
次に、ラベルロール紙31の搬送制御、ラベル位置検知制御(ブラックマーク検知又はラベルギャップ検知)、及び、画像位置補正制御について詳細に説明する。
図10は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの画像形成タイミングとラベルロール紙のブラックマーク検知タイミングとを説明する図である。
はじめに、ラベルロール紙31の搬送開始方法について説明する。ここでは、説明の都合上、ラベルロール紙31が、裏面にブラックマーク43が付与されている第2のタイプのラベルロール紙31Bであるものとして説明する。
ラベルロール紙31は、コマンド/画像処理部72がホストPC74から画像データを受信する以前に、その先端が画像形成装置10の内部に所定量だけ引き込まれて、待機している。
具体的には、画像形成装置10のユーザは、まず、画像形成開始前にラベルロール紙31を給紙ローラ33とピンチローラ34とのニップ部に挿入する。その後、画像形成装置10の図示されないオペレーショナルパネル等を操作して、ラベルロール紙31の先端引き込み動作を起動させる。すると、エンジン制御部71は、第1ブラックマーク検知センサ37の出力電圧を監視しながら給紙ローラ33を駆動させ、1つ目のブラックマーク43の先端エッジが検知された後、距離LIN[Line]だけラベルロール紙31を搬送した時点で給紙ローラ33を停止させる。このように、該給紙ローラ33を動作させることによって、ラベルロール紙31の1個目のブラックマーク43の先端が、第1ブラックマーク検知センサ37を距離LIN[Line]だけ通過した位置で、ラベルロール紙31が停止した状態となる。
中間転写ベルト12に沿った1次転写ニップ部から2次転写ニップ部16までの距離が最も長い画像形成ユニット20である画像形成ユニット20Yにおいて、ラベルロール紙31の先頭のラベル46に印刷するための画像形成が開始された後、ラベルロール紙31の駆動が開始されるまでの時間の長さLR [Line]は、次のように求められる。
LEDヘッド22Yが感光体11Yの表面を露光する位置から、感光体11Yの周面に沿って画像形成ユニット20Yの1次転写ニップ部を経由し、中間転写ベルト12の回転方向に中間転写ベルト12の表面に沿って2次転写ニップ部16まで到達する距離をLID[Line]とし、第1ブラックマーク検知センサ37からガイド35に沿って2次転写ニップ部16まで到達する距離をLSR1 [Line]とすると、ラベルロール紙31の先端が第1ブラックマーク検知センサ37を距離LIN[Line]だけ通過して待機しているので、次の式(1)で表される。
LR =LID−(LSR1 −LIN) ・・・式(1)
本実施の形態における画像形成装置10では、距離LID[Line]よりも距離LSR1 [Line]が短いので、時間LR [Line]は正の値を取る。時間LR [Line]が正の値の場合、LEDヘッド22Yが感光体11Yの露光を開始してから、時間LR [Line]が経過した後に、ラベルロール紙31の搬送を開始する。なお、距離LID[Line]よりも距離LSR1 [Line]が長い画像形成装置10の場合、すなわち、時間LR [Line]が負の値の場合には、ラベルロール紙31の搬送を開始してから時間LR [Line]が経過した後に、LEDヘッド22Yが感光体11Yの露光を開始すればよい。
また、画像形成ユニット20Yよりも2次転写ニップ部16までの距離が短い画像形成ユニット20である画像形成ユニット20M、20C及び20Kにおいて、LEDヘッド22M、22C及び22Kが感光体11M、11C及び11Kの露光を開始するタイミングは、LEDヘッド22Yが感光体11Yの露光を開始したタイミングから、感光体11Y〜11Kの間隔に相当する時間だけ遅らせれば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナー画像を、位置ずれすることなく、重ねることができる。
以上のようにして、LEDヘッド22Y、22M、22C及び22Kの露光タイミングとラベルロール紙31の搬送を開始するタイミングとを制御することによって、ラベルロール紙31の先頭のラベル46に、各色のトナー画像を、位置を合わせて、2次転写することができる。
次に、2枚目以降のラベル46に、各色のトナー画像を、位置を合わせて、2次転写する動作について説明する。
仮に、先頭のラベル46への位置合わせ動作の後、特別な制御、すなわち、第1ブラックマーク検知センサ37及び第2ブラックマーク検知センサ56の検知結果を用いずに印刷動作を続けると、以下のような問題が発生する。
すなわち、エンジン制御部71は、長さPIM[Line]の画像に固定の空白GO [Line]を追加して、トータルでラベルピッチPLO[Line]として、各ラベル46のトナー画像を形成し続ける。
一方、ラベルロール紙31上の各ラベル46が2次転写ニップ部16に到達する周期PL1[Line]は、ラベルピッチPLO[Line]とは一致せず、誤差ΔPL [Line]だけのずれを含むのが一般的である。このようなずれは、ラベル46そのものの寸法誤差であったり、搬送部材の寸法誤差によって発生するものである。
そして、トナー画像の形成ピッチ、すなわち、ラベルピッチPLO[Line]とラベル46の2次転写ニップ部16への到達ピッチ、すなわち、周期PL1[Line]との間に誤差ΔPL [Line]が存在する状態で印刷を継続すると、N枚目のラベル46にトナー画像が転写されるときには、(N−1)×ΔPL [Line]のトナー画像の位置誤差が発生する。誤差ΔPL [Line]が、1/1200[inch1Line]、すなわち、21〔um〕程度であっても、N=100とすれば、2次転写されるトナー画像の位置ずれは約2〔mm〕となる。これは、数百枚以上のラベル46を連続的に印刷するケースも考えられるラベルロール紙31への印刷では、許容することができない誤差である。
そこで、本実施の形態においては、以下のように制御を行うことによって、2次転写されるトナー画像の位置ずれを抑制する。
前述のタイミングで、LEDヘッド22Yによる感光体11Yの露光とラベルロール紙31の搬送とを開始した後、LEDヘッド22Yは、固定の空白、すなわち、画像の間隔GO [Line]で感光体11Yに露光して画像形成を繰り返す。
一方、エンジン制御部71は、第1ブラックマーク検知センサ37及び第2ブラックマーク検知センサ56の出力を監視し始め、ラベルロール紙31の裏面に印刷されたブラックマーク43の先端エッジ位置を検知する。該ブラックマーク43は、その先端エッジがラベル46の先端と一致するように、印刷されている。
先頭のラベル46に対応するブラックマーク43は、前述のように、ラベルロール紙31の搬送を開始する前に第1ブラックマーク検知センサ37を僅(わず)かに通過した状態で待機しているので、第1ブラックマーク検知センサ37が最初に検知するブラックマーク43は、2枚目のラベル46に対応するブラックマーク43である。
そして、ラベルロール紙31は引き続き搬送され、第1ブラックマーク検知センサ37は、3枚目のラベル46に対応するブラックマーク43を検知する。すると、エンジン制御部71は、2枚目のラベル46の位置と3枚目のラベル46の位置との差、すなわち、2枚目と3枚目とのラベル46のピッチPBM1 (2)[Line]を検知する。
同様にして、エンジン制御部71は、3枚目と4枚目とのラベル46のピッチPBM1 (3)[Line]、4枚目と5枚目とのラベル46のピッチPBM1 (4)[Line]、・・・、k枚目とk+1枚目とのラベル46のピッチPBM1 (k)[Line]を検知し続ける。
図10に示されるように、第1ブラックマーク検知センサ37がピッチPBM1 (2)[Line]を検知した時には、LEDヘッド22Yは、M+1枚目の画像を露光中である。M+1枚目の画像形成までは、第1ブラックマーク検知センサ37によるラベルピッチ測定情報が得られないので、エンジン制御部71は、1枚目と2枚目との画像の間隔G(1)[Line]〜M枚目とM+1枚目との画像の間隔G(M)[Line]は、すべて固定された画像の間隔GO [Line]で感光体11Yに露光して画像形成を行う。
そして、第1ブラックマーク検知センサ37がPBM1 (2)[Line]を検出すると、エンジン制御部71は、M+1枚目とM+2枚目との間の画像の間隔G(M+1)[Line]の値を以下のように補正し、M+2枚目が正しい位置に印刷されるように補正する。
LEDヘッド22Yの画像形成ピッチ、すなわち、ラベルピッチPLO[Line]は、次の式(2)で表される。
PLO=PIM+GO ・・・式(2)
M+1枚目までは、トナー画像は、ラベルピッチPLO[Line]で形成される。
一方、第1ブラックマーク検知センサ37が検知した2枚目と3枚目とのラベル46のピッチは、PBM1 (2)[Line]なので、ラベル46の1枚当たりのラベルピッチの誤差ΔPL (2)[Line]は、次の式(3)で表される。
ΔPL (2)=PBM1 (2)−PLO ・・・式(3)
したがって、M+1枚目の画像の位置に積算されている位置誤差ΔD(M+1)[Line]は、次の式(4)で表される。
ΔD(M+1)=M×ΔPL (2) ・・・式(4)
M+1枚目とM+2枚目との間の画像の間隔G(M+1)[Line]の正しい値は、次の式(5)で表されるように、画像の間隔の初期値GO [Line]に、M+1枚目の画像の位置に積算されている位置誤差ΔD(M+1)[Line]を加えることによって、得ることができる。
G(M+1)=GO +ΔD(M+1) ・・・式(5)
そして、ラベルロール紙31が更に搬送されると、第1ブラックマーク検知センサ37は、3枚目と4枚目とのラベル46のピッチPBM1 (3)[Line]を検知する。M+2枚目とM+3枚目との間の画像の間隔G(M+2)[Line]は、次の式(6)で表されるように、画像の間隔の初期値GO [Line]にM+1枚目までの画像の積算誤差を加え、そこからG(M+1)[Line]に適用した補正分を差し引いた値として得ることができる。
G(M+2)=GO +ΔD(M+2)−ΔD(M+1) ・・・式(6)
ただし、位置誤差ΔD(M+2)[Line]の計算には、ラベル46のピッチPBM1 (2)[Line]とPBM1 (3)[Line]との平均値に基づいて算出される次の式(7)で表されるようなラベル46のピッチの誤差ΔPL (3)[Line]を用い、検知されたラベル46のピッチの値の信頼性を高めることとする。
ΔPL (3)=Average(PBM1 (2)、PBM1 (3))−PLO ・・・式(7)
これにより、位置誤差ΔD(M+2)[Line]は、次の式(8)で表される。
ΔD(M+2)=(M+1)×ΔPL (3)
=(M+1)×(Average(PBM1 (2)、PBM1 (3))−PLO)
・・・式(8)
ここで、Average(x1、x2、x3、・・・)は、x1、x2、x3、・・・の平均値を表す。
よって、M+2枚目とM+3枚目との間の画像の間隔G(M+2)[Line]は、前記式(4)及び(8)を式(6)に代入すれば求めることができる。
以降、第1ブラックマーク検知センサ37によって検知されたラベル46のピッチの値は、過去3枚のラベル46のピッチの測定値の平均値とすれば、ラベル46の1枚当たりのラベルピッチの誤差ΔPL (k)、及び、位置誤差ΔD(M+k)は、一般に次の式(9)及び(10)のように求めることができる。
ΔPL (k)
=Average(PBM1 (k−2)、PBM1 (k−1)、PBM1 (k))−PLO
・・・式(9)
ΔD(M+k−1)=(M+k−2)×ΔPL (k)
=(M+k−2)×(Average(PBM1 (k−2)、PBM1 (k−1)、PBM1 (k))−PLO) ・・・式(10)
したがって、一般的に、M+k−1枚目とM+k枚目との間の画像の間隔G(M+k−1)[Line]は、次の式(11)で表される。
G(M+k−1)=GO +ΔD(M+k−1)−ΔD(M+k−2) ・・・式(11)
式(11)に基づいて、画像間ギャップ、すなわち、画像の間隔Gを制御すれば、画像位置を各ラベル46に対して平均的に合わせ込むことができる。
ところで、本実施の形態における画像形成装置10は、第2ブラックマーク検知センサ56を有する。そして、ラベルロール紙31の搬送状態を考慮すると、ブラックマーク43の位置の検知精度は、第1ブラックマーク検知センサ37よりも第2ブラックマーク検知センサ56の方が良好である。なぜなら、第1ブラックマーク検知センサ37から2次転写ニップ部16までは距離が長く、ラベルロール紙31の反りや蛇行によって、搬送速度が変動するリスクが高いためである。
そこで、ラベルロール紙31が第2ブラックマーク検知センサ56の位置に到達し、該第2ブラックマーク検知センサ56によってラベル46のピッチPBM2 (k)[Line]が検知され始めたら、画像の間隔Gの制御を、第2ブラックマーク検知センサ56によって検知されたピッチPBM2 (k)[Line]に基づいて行うように、切り替えることが望ましい。以下にその方法を説明する。
第1ブラックマーク検知センサ37と第2ブラックマーク検知センサ56との距離は、ラベルロール紙31に貼付されたラベル46のS枚以上でS+1枚未満の距離に相当する。したがって、第1ブラックマーク検知センサ37によってS+1枚目とS+2枚目とのラベル46のピッチPBM1 (S+1)[Line]が検知された後、第1ブラックマーク検知センサ37によってS+2枚目とS+3枚目とのラベル46のピッチPBM1 (S+2)[Line]が検知され、第2ブラックマーク検知センサ56によって1枚目と2枚目とのラベル46のピッチPBM2 (1)[Line]が検知される。
第2ブラックマーク検知センサ56によってピッチPBM2 (1)[Line]が検知された時点でLEDヘッド22Yが露光中の画像をM+S番目とすると、以下のようにすることにより、画像の間隔Gの制御を、第1ブラックマーク検知センサ37によって検知されるピッチPBM1 (S+k)[Line]に基づいて行われるものから、第2ブラックマーク検知センサ56によって検知されるピッチPBM2 (k)[Line]に基づいて行われるものへ、移行することができる。
ラベル46の1枚当たりのラベルピッチの誤差ΔPL (S)[Line]〜ΔPL (S+k)[Line]は、次のように表される。
ΔPL (S)
=Average(PBM1 (S−2)、PBM1 (S−1)、PBM1 (S))−PLO
ΔPL (S+1)
=Average(PBM1 (S−1)、PBM1 (S)、PBM2 (1))−PLO
ΔPL (S+2)
=Average(PBM1 (S)、PBM2 (1)、PBM2 (2))−PLO
ΔPL (S+3)
=Average(PBM2 (1)、PBM2 (2)、PBM2 (3))−PLO
・
・
・
ΔPL (S+k)
=Average(PBM2 (k−2)、PBM2 (k−1)、PBM2 (k))−PLO
したがって、第2ブラックマーク検知センサ56によって検知されたピッチPBM2 (k)[Line]に基づくラベル46の位置誤差ΔD(M+S+k)[Line]は、これらを前記式(10)に代入することによって、次の式(12)で表される。
ΔD(M+S+k−1)=(M+S+k−2)×ΔPL (S+k) ・・・式(12)
さらに、これらを前記式(11)に代入することによって、M+S+k−1枚目とM+S+k枚目との間の画像の間隔G(M+S+k−1)[Line]は、次の式(13)で表される。
G(M+S+k−1)=GO +ΔD(M+S+k−1)−ΔD(M+S+k−2)
・・・式(13)
このように制御することによって、ラベルロール紙31の2枚目と3枚目とのラベル46のピッチPBM1 (2)[Line]を第1ブラックマーク検知センサ37が検知した直後から、LEDヘッド22Yの露光タイミングを補正して画像位置を補正し始め、かつ、ラベルロール紙31の1枚目と2枚目とのラベル46のピッチPBM2 (1)[Line]を第2ブラックマーク検知センサ56が検知し始めるとともに、補正値の算出を第2ブラックマーク検知センサ56の検知結果に基づくものに移行して、より高精度な画像位置補正を実現することができる。
さらに、本実施の形態における画像形成装置10では、第1ブラックマーク検知センサ37と第2ブラックマーク検知センサ56とが同一のブラックマーク43を検知する時間間隔に基づいて、ラベルロール紙31の搬送速度を算出し、ラベルロール紙31の搬送速度誤差に起因する画像位置ずれを補正することができる。以下にその方法を説明する。
エンジン制御部71は、2枚目のラベル46に対応するブラックマーク43を第1ブラックマーク検知センサ37が検知してから、同一のブラックマーク43を第2ブラックマーク検知センサ56が検知するまでの期間LSS[Line]を測定する。なお、前記エンジン制御部71は、前記期間LSS[Line]の基準値LSSO [Line]を保持しており、ラベルロール紙31の速度変化割合RV を、次の式(14)で表されるように計算する。
RV =LSSO /LSS ・・・式(14)
ここで、第1ブラックマーク検知センサ37の位置から2次転写ニップ部16までラベルロール紙31が走行するラインカウントLSR1 [Line]は、本来以下の値LSR1 ’[Line]であると推定することができる。
LSR1 ’=LSR1 /RV
したがって、本来、LEDヘッド22Yが露光を開始した後、ラベルロール紙31の搬送を開始するまでのラインカウントLR [Line]は、次の式(15)で表されるようなLR ’[Line]であるべきであったことが分かる。
LR ’=LID−(LSR1 ’−LIN)
=LID−(LSR1 /RV −LIN) ・・・式(15)
すなわち、ラベルロール紙31の搬送を開始するタイミングは、次の式(16)で表されるようなΔLR [Line]だけ、ずれていたと言える。
ΔLR =LR −LR ’
=LSR1 /RV −LSR1
=(1/RV −1)LSR1 ・・・式(16)
ラベルロール紙31が基準速度よりも高速で搬送されている場合、すなわち、RV >1の場合、各ラベル46はトナー画像よりも早く2次転写ニップ部16に到達するので、このような場合には、画像間ギャップ、すなわち、画像の間隔G[Line]を減算することによって、画像位置を補正することができる。
ラベルロール紙31が基準速度よりも高速で搬送されている場合、前記式(16)によれば、ΔLR [Line]の値がマイナスになるので、ラベルロール紙31の速度変化割合RV が算出された時点で、ΔLR [Line]を画像の間隔G[Line]に加算すればよい。
図10に示されるように、期間LSS[Line]の測定に基づいて速度変化割合RV が算出された直後の画像の間隔G[Line]は、M+S枚目とM+S+1枚目との間の画像の間隔G(M+S)[Line]であるから、前記式(13)に基づく画像の間隔G(M+S)[Line]の計算結果にΔLR [Line]を加算することによって、ラベルロール紙31の搬送速度誤差に起因する画像位置ずれが補正されることが分かる。
なお、ラベルロール紙31が、ラベルカス48が残存しておらず、かつ、裏面にブラックマーク43が付与されていない第1のタイプのラベルロール紙31Aである場合には、ラベル位置検知手段として第1ラベルギャップ検知センサ36及び第2ラベルギャップ検知センサ55を使用すれば、前述の方法と同様の方法で画像位置補正制御が可能となることは、明白である。
また、画像形成装置10が、第1ブラックマーク検知センサ37、第2ブラックマーク検知センサ56、第1ラベルギャップ検知センサ36及び第2ラベルギャップ検知センサ55のすべてを備えていれば、裏面にブラックマーク43が付与されている第2のタイプのラベルロール紙31B、及び、ラベルカス48が残存しておらず、かつ、裏面にブラックマーク43が付与されていない第1のタイプのラベルロール紙31Aの両方に対応することができることは、明白である。
このように、本実施の形態においては、ラベルロール紙31の搬送経路における2次転写ニップ部16の上流に第1のラベル位置検知手段としての第1ラベルギャップ検知センサ36及び第1ブラックマーク検知センサ37、並びに、第2のラベル位置検知手段としての第2ラベルギャップ検知センサ55及び第2ブラックマーク検知センサ56が配設されているので、ラベル46が第1のラベル位置検知手段と第2のラベル位置検知手段との間を搬送される時間を測定することによって、ラベルロール紙31の搬送速度を正確に測定することができる。これにより、ラベルロール紙31の搬送速度にばらつきがあっても、又は、ラベルロール紙31の種類毎に搬送速度が異なっていても、ラベルロール紙31の各ラベル46が2次転写ニップ部16に到達するタイミングを正確に予測して、トナー画像の位置をラベル46の位置に高精度で合致させることが可能となる、という効果を得ることができる。
また、第1のラベル位置検知手段と第2のラベル位置検知手段とが配設されているので、ラベルロール紙31の搬送方向上流側に位置する第1のラベル位置検知手段によっていち早くラベルピッチの検知結果をフィードバックしつつ、ラベルピッチの検知精度の信頼性がより高い第2のラベル位置検知手段の位置にラベル46が到達した後は、第2のラベル位置検知手段が検知したラベルピッチの値に基づいて画像位置補正制御が可能であるから、各ラベル46に対する画像位置が大きくずれる前に画像位置補正制御を開始しつつ、かつ、連続印刷中はより高精度に画像位置を合致させることが可能である、という効果を得ることができる。
さらに、第1ブラックマーク検知センサ37及び第2ブラックマーク検知センサ56、並びに、第1ラベルギャップ検知センサ36及び第2ラベルギャップ検知センサ55の両方が配設されているので、裏面にブラックマーク43が付与されている第2のタイプのラベルロール紙31B、及び、ラベルカス48が残存しておらず、かつ、裏面にブラックマーク43が付与されていない第1のタイプのラベルロール紙31Aの両方に対応することができる、という効果を得ることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。