JP6449526B2 - 電子顕微鏡および観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子顕微鏡および観察方法に関する。
透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; 以下、TEMという。)は高電圧で加速された電子線を観察対象物質に照射し、物質を透過した電子線を電磁レンズによって結像、拡大することで物質の微細構造の観察を行う装置である。観察対象物質(試料)に対して観察フォーカスを合わせた状態では主に試料を透過した電子が形成する場の振幅情報が像コントラストとして観察される。生物試料や有機材料などの振幅の変化が小さい試料に対しては十分な像コントラストを得ることが難しい。このような振幅の変化が小さな試料に対してコントラストを得るための手段の一つとして、ナイフエッジを用いて回折波の一部を遮蔽することによりコントラスト得る手法が存在する(特許文献1)。
特開2014−049444号公報
G. S. Settles;「Schlieren and Shadowgraph Techniques」Chapter 2 ; Springer, 2001
特許文献1のようにナイフエッジにより回折波の一部を遮蔽することによりコントラスト得る手法では、エッジが非透過波に対して1方向に配置されることにより、回折波の遮断によって生じるコントラストは必然的に1方向となるため、得られる像コントラストは異方的なものとなり、像の解釈を妨げる。
本発明の課題は等方的な像コントラストを持つ観察像を得る電子顕微鏡および観察方法を提供することにある。
本発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、試料に対し電子線を照射し観察を行う電子顕微鏡は、前記試料から回折を受けずに透過する非回折波が収束する回折面ないし回折面と等価な面内に配置されるエッジ素子と、前記電子線または前記エッジ素子を制御する制御装置と、を備える。前記エッジ素子は前記電子線を遮断する遮蔽部と前記電子線を透過する開口とを有し、前記開口は前記非回折波が収束する点を前記回折面内において囲むように前記遮蔽部のエッジにより構成される。前記制御装置は前記非回折波が収束する点と前記エッジとの距離を所定間隔に保って前記非回折波が収束する点を前記エッジに沿って前記エッジに対して相対的に位置を変化させることにより観察像のコントラストを変化させる。
本発明により、等方的な像コントラストを持った観察像を得ることが可能となる。
図1はTEMの像観時の光学系を模式的に示す図である。 図2は比較例に係るTEMの観察光学系を模式的に示す図である。 図3Aは実施形態に係るTEMの装置構成を示す図である。 図3Bは図3AのTEMにおいて強調コントラストを得るための光学条件を示す図である。 図4Aは図3Bのエッジ素子上で回折スポットが取る位置を示す平面図である。 図4Bは回折スポットが移動する際の軌道を模式的に示す平面図である。 図4Cは図4Aの回折スポットの各位置に対応する観察像を示す図である。 図5Aは回折面上の回折スポットを移動させる方法の一例を説明するための図である。 図5Bは回折面上の回折スポットを移動させる方法の他の例を説明するための図である。 図6はエッジ素子を移動させてエッジと回折スポットの位置関係を変える例を説明するための図である。 図7は図3Bに示した構成に観察像を扱うために必要な構成を加えた構成の例を示す図である。 図8はエッジ素子に設けられた開口の形状の例を示す平面図である。 図9Aは、回折スポットに対するエッジの配置方向を複数の条件へ変化させた際の各観察像を示す図である。 図9Bは観察像中の特定箇所におけるコントラストの変化を示すグラフである。 図9Cは図9Bのコントラストの変化を回折スポットに対するエッジの配置角度に対してフーリエ変換をした一例を示すグラフである。 図10は様々な回折波の遮断条件において観察像の周波数条件のうち強調コントラストの成分を含む領域を示す図である。 図11Aは複数の異なる条件に対して回折スポットが描く軌道を示す図である。 図11Bは各条件において観察像の空間周波数成分のうち強調コントラストの成分を含む領域を示す図である。 図12Aはエッジ素子が遮断する電子の量を測定可能な装置の構成例を示す図である。 図12Bはエッジ素子に遮断されない電子の量を測定可能な装置の第1の構成例を示す図である。 図12Cはエッジ素子に遮断されない電子の量を測定可能な装置の第2の構成例を示す図である。 図12Dは回折面に配置されたエッジ素子とその上に形成される回折スポットが描く軌道を示す平面図である。 図12Eはエッジ素子に遮断される電子の量の回折スポットの方位角依存性を示すグラフである。 図12Fはエッジ素子を複数の電極を分割した例を示す平面図である。 図12Gはエッジ素子を複数の電極を分割した例を示す平面図である。 図13はエッジ素子により回折波の一部を遮断した状態で記録された像をフーリエ変換することで得られる空間周波数情報の分布を示す図である。 図14は観察像のコントラストの対称性に基づいて回折スポットの位置を調整する際に取得される像の例を示す図である。 図15は実施形態に係るTEMの構成を示す図である。 図16は実施形態に係るTEMの調整方法を示すフローチャートである。
以下、比較例および実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
まず、TEMについて図1を用いて説明する。図1はTEMの像観時の光学系を模式的に示した図である。観察試料20上方に形成された仮想光源1から広がった電子線7は照射系レンズ30を通過した後、試料面10に配置された観察試料20に対して照射される。観察試料20を透過した電子線7は、観察試料20から回折を受けた回折波4と、回折を受けずに透過する非回折波5とに分かれる。両者は観察試料20上から異なる角度で広がるため、その角度と方向に応じて観察試料20後方の対物レンズ31の後ろ焦点面11上の異なる点に回折スポット2、3として収束し、回折面を形成する。回折スポット3は回折スポット2に対して共役なスポットである。回折スポット2、3へ収束した回折波4は再び広がり、像面12の上で透過波と干渉し、その結果として観察像21が形成される。観察像21は更に下方に配置された結像系レンズ35により再度結像、投影された上で観察される。このような明視野観察では、観察試料20に対して観察フォーカスを合わせた状態では観察試料20を透過した電子が形成する場の振幅情報が主な像コントラストとして観察される。
また異なるコントラストの種類として、散乱コントラストと呼ばれるものがある。これは、図1中の回折面11上に配置された対物絞り36を用いて一部の回折波の成分を遮断した状態で観察が行われる。この場合、金属をはじめとした比較的重い元素で構成される部分など、電子線7を強く散乱させる部分は黒いコントラストとして観察される。
こうして得られる像コントラストはいずれも電子線7との相互作用の強い観察試料に対しては十分なコントラストを得ることが可能であるが、生物試料や有機材料などの電子線との相互作用が弱い観察試料に対しては十分な像コントラストを得ることが難しい。
このような電子線との相互作用が弱い観察試料に対してコントラストを得るために本願発明者らが検討したナイフエッジにより像コントラスト得る手法(比較例)について図2を用いて説明する。これは、試料を透過する際に微弱な偏向を受けた波がレンズ後方の回折面において分離することを利用するものである。
図2は比較例に係るTEMの観察光学系を模式的に示す図である。図2では説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。観察試料20上方に形成された仮想光源1から広がった電子線7は照射系レンズ30によって適切に調整された後、観察試料20に対して照射される。観察試料20を透過した電子線7は、観察試料20の局所構造に応じて回折を受けた回折波4と、回折を受けずにそのまま透過する非回折波5とに分かれる。この際、観察試料20からの回折は基本的には点対称な分布となることが知られており、非回折波5を中心として共役な分布となる。回折波4は回折面11上で回折スポット2に収束するが、回折面11上には半面を覆うようにナイフエッジ32が配置されており、回折波4の半分を遮断する。これにより、共役な回折波4の片方のみが失われるため、一方の回折スポット2を通過した回折波の成分のみが結像に寄与し、結果として観察像22では、観察試料20のエッジ部分など電子線7が特に強い偏向を受ける部分に対してコントラストが向上する強調コントラストが生じる。ナイフエッジ32は平面視で矩形状である。符号6で示す網掛けの領域は透過波と回折波の干渉領域である。比較例では、本来干渉で失われる位相由来の像情報を強調コントラストとして取得可能であり、1方向にコントラストの向上した像を得ることができる。
しかし、比較例では、上述したように、エッジが非透過波に対して1方向に配置されることにより、回折波の遮断によって生じるコントラストは必然的に1方向となるため、得られる像コントラストは異方的なものとなる。そこで、等方的な像コントラストを有する観察像を得る実施形態について以下説明する。
図3Aは実施形態に係るTEMの装置構成を示す図である。観察試料20上方に形成された仮想光源1から広がった電子線7は観察試料20に対して照射される。観察試料20を透過した電子線7は対物レンズ31によって収束され、回折面上に回折スポット2を形成した後、更に下方に配置された結像系レンズ35によって像面12上に観察像23を形成する。回折面上には開口37を備えたエッジ素子38が配置されている。エッジ素子38は特許文献1の位相板と異なり電子線7を透過させない阻止部材で形成される。また、開口37は特許文献1の位相板に設ける非常に小さな孔とは異なり大きな孔である。回折スポット2が開口の中央付近を通過する場合、得られる像は一般的な明視野像となる。
図3Bは図3AのTEMにおいて強調コントラストを得るための条件を示す図である。この例では、観察試料20に対して照射される電子線7を傾斜させることにより、回折面上の回折スポット2を移動させ、開口37を構成するエッジの一部に近接させている。この場合、回折スポット2のごく近傍の領域について考えると、開口37を構成するエッジの一部分は回折面のおおよそ半面を遮蔽しており、近似的にナイフエッジのように機能する。言い換えると、開口37は回折面のおおよそ半面を透過している。この場合、共役な一方の回折波は結像に寄与しないため、結果として観察像23には強調コントラストが生じる。
なお、開口37を構成するエッジは回折スポットの周囲にぐるりと位置するもので、特許文献1の直線状のエッジに設けた凹みのようにエッジが回折スポットの周囲にぐるりと位置せず、回析スポットを囲まない領域が1/2以上あるものは、エッジ素子38に設ける開口37には含まれない。
次に、強調コントラストについて図4A〜4Cを用いて説明する。図4Aは図3B中のエッジ素子と同一面内に形成された回折面上の回折スポットの位置関係を示す平面図である。図4Bはエッジ素子上で回折スポットが連続的に移動する軌道を示す平面図である。図4Cは図4Aの回折スポットの位置に対応する観察像を示す図である。例として、回折スポット2が符号40の位置にある場合、回折面の約半分がエッジにより遮られるため、その向きに応じた方向に対して強調コントラストが図4Cの(A)に示すような図面上左側が暗く右側が明るい異方的なコントラストとして現れる。同様に、回折スポット2が符号41の位置にある場合は図4Cの(B)のような左上側が暗く右下が明るい異方的なコントラスト、回折スポット2が符号42の位置にあった場合は図4Cの(C)のような上側が暗く下側が明るい異方的なコントラスト、回折スポット2が符号43の位置にあった場合は図4Cの(D)のような右上側が暗く左下側が明るい異方的なコントラストとなる。これは、回折スポット2近傍での電子線7の遮断の方向と、像に生じる強調コントラストの方向の間には対応関係が存在することを示している。なお、実際の装置では磁気レンズにより電子軌道に対して回転作用が加わる影響などにより、絞り上のスポット位置と像に対して生じるコントラストの方向の間に別途の回転量オフセットが加わり、本例における回折スポットの位置と像中のコントラストの関係とは異なる角度関係も成り立ちうることは言うまでもない。回折スポット2と開口37のエッジとの距離を同等に保った状態で図4Bに示すような軌道44に沿って回折スポット2が移動した場合、光学的には回折波の遮断の方向のみが連続的に変化したことと同等の効果が生じる。回折スポット2が軌道44に沿って周期的に移動し続けた場合、観察像では、強調コントラストの生じる方向が連続的かつ周期的に変化して観察されるため、観察者は観察試料20中に含まれる構造に対して、様々な方向からの強調コントラストを得ることが可能となる。よって、様々方向の強調コントラスト像を積算することで、等方的な像コントラストを得ることができる。
次に、回折面上の回折スポットの位置を変化させる第1方法について図5Aを用いて説明する。図5Aは回折面上の回折スポットを移動させる方法の一例を説明するための図である。図5Aでは説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。この例では、観察試料20上方に設けられた上下二段の偏向器33を組み合わせて電子線7を傾斜させることにより、観察試料20上の電子線7の照射箇所を変えることなく、照射角度のみを変化させている。照射する電子線7を傾斜させた際の軌道の一例を符号9に示す。電子線7の照射角度のみが変化した場合、電子線7は傾斜前と同じ回折面11内に回折スポット3を形成し、その位置は傾斜の角度と方向に応じて回折面11面内で移動する。これは観察試料20から回折した電子線に対しても同様となるため、結果として、照射する電子線7の傾斜により、回折面11全体が同じ強度分布を保ったまま平行移動する。これにより、エッジ素子38を動かすことなく、回折スポット3とエッジ素子38間の位置関係の調整を行うことが可能となる。
また、このような照射する電子線7の傾斜は図中に示すような偏向器33の配置に限定されるものではなく、観察試料20上方の任意の偏向器を組み合わせること、および適切な面に配置された1つ(1段)の偏向器を用いることによっても実現可能であることは言うまでもない。
次に、回折面上の回折スポットの位置を変化させる第2方法について図5Bを用いて説明する。図5Bは回折面上の回折スポットを移動させる方法の他の例を説明するための図である。図5Bでは説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。これは、観察試料20の下方に配置された偏向器33を使用した例である。この場合も、2段の偏向器33を用いることにより、観察像23を移動させることなく回折面11上の回折スポット2,3を動かすことができる。このような回折スポット2,3の制御は、図5Bで示した他に、1段の偏向器のみを使用して行うこともまた可能である。
このような回折スポット2,3とエッジ素子38のエッジと間の位置関係の調整に偏向器を使用すると、高速かつ高精度、再現性の高いビーム制御が可能となる。
回折スポットの制御は、図5A、5Bの偏向器の他に、電子顕微鏡の光学系上に配置された複数コイルを組み合わせて実現することも可能であるほか、点光源である仮想光源を移動させる代わりに輪帯照明のように光源を輪状に配置してもよい。
回折スポットに対してエッジが回折波の遮断を行う方向、遮断の量を制御する方法としては、エッジ素子38よりも光学的に上方に配置された電磁レンズを用いることも可能である。磁界を用いるレンズを使用する場合、レンズの作用により電子軌道は回転作用を受けるため、これにより遮断の方向を変化させる事が可能となる。特に、複数のレンズを組み合わせて使用した場合、回折面11の回転、倍率を独立に制御することが可能となるため、回折スポットに対するエッジの位置関係を制御する上で利点が得られる。
次に、エッジ素子38を移動させてエッジと回折スポットの位置関係を変える例について図6を用いて説明する。図6はエッジ素子を移動させてエッジと回折スポットの位置関係を変える例を説明するための図である。図6では説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。図6のTEMはエッジ素子38の位置を機械的に制御するための微動機構34を備える。回折スポット2,3の位置を一定とした状態でエッジ素子38を、エッジと回折スポット間の距離が一定となるように保つように移動させることにより、前述の図5A、5Bの回折スポットの位置を変える例と同様の効果を得ることが可能となる。また、エッジ素子38の動きが連続的でなく、仮に不規則であったとしても、一定時間の平均を考えた場合に回折スポット2とエッジとの間の距離が一定の分布に従う場合、観察される像は様々な方向からの強調コントラストが得られる。
次にエッジ素子38に設ける開口37の形状について図8を用いて説明する。図8はエッジ素子に設けられた開口の形状の例を示す平面図である。開口37の形状は基本的には円形(図8の(A))となることが好ましいが、そのほか三角形(図8の(C))、四角形(図8の(B))、五角形(図8の(F))、六角形(図8の(D))等の多角形、楕円(図8の(E))、それらを組み合わせた開口(例えば図8の(G))を用いた場合においても、本実施形態の効果を得ることが可能である。図8の(H)に示すように、開口37はエッジ素子38面上に閉じた形状である必要はないほか、図8の(J)に示すように、複数のエッジ素子38を組み合わせることにより形成された開口の形も取りうる。なお、図8の(H)のエッジが連続していない(閉じていない)箇所はスリット等の開口37に対して非常に狭い幅であるのが好ましい。また、図8の(I)に示すように、ひとつのエッジ素子38上に複数の開口37を備えたものであってもよい。この場合は、エッジ素子38を移動することにより、複数の開口37のいずれか一つの開口を用いて観察を行う。
エッジ素子38は開口37を含む面が光軸に対して、垂直となるように取り付けられていることが望ましいが、エッジ素子38がこのような条件から外れて取り付けられているような状態においても、本実施形態を実施することは可能である。また、そのような場合には光軸方向から見た開口の形に合わせて、回折スポットが移動時に描く軌道を変形させる手法も有効である。例として、円形の開口37を備えるエッジ素子38が光軸に対して垂直となる状態から傾いて取り付けられた場合、光軸から見て円形開口は楕円のような形状として作用する。このような場合、回折スポットが描く軌道を楕円状とすることにより、回折スポットとエッジ間の距離を一定に保ったまま、回折波の遮断が行われる方向を変化させることが可能となる。
これまでに述べた観察方法では、回折スポットに対する遮断の方向を変化させることにより、強調コントラストの現れる方向を制御することが可能となる。それにより得られる様々な条件での像は、変化している様子を観察することで、異方性にとらわれないかたちで像解釈を行うことは可能であるが、更に各条件で取得した像を基に積算、加算、減算、乗算、除算、微分、積分処理、コンボリューションなどの演算処理を行うことにより、より解釈の容易な像、あるいは定量的な情報を持った像を得ることが可能となる。
次に、観察像の処理について図7を用いて説明する。図7は図3Bに示した構成に、観察像を扱うために必要な構成を加えた構成の例を示した図である。観察像23は蛍光板60の上に形成され、観察される。更に蛍光板60に対しては映し出された像を記録するための撮像装置61が備えられ、記録された像は演算装置62内に取り込まれ、表示、処理を行うことが可能である。
回折スポット2に対する遮断条件を人間の認識できる速度、あるいは蛍光板60の発光現象の応答速度よりも早い周期で変化させた場合、蛍光板60上には実質的に各条件における観察像23を積算したものに相当する像が観察される。これにより、等方的な像コントラストを持った像を観察することが可能である。
また、撮像装置61は一定撮像時間の間に取り込まれた信号を一つの像として記録するが、この撮像時間を回折スポット2に対する遮断条件の変化周期よりも長い時間とすることにより、実質的に各条件における観察像23を積算した像を記録することが可能となる。1回の撮像の間に回折スポットが周期的に変化する回数に対して制約は無いが、望ましくは整数回数に近い周期がよく、回数は1回〜100回程度となることが、像の更新頻度、操作性の観点からも好ましい。
また、回折スポットの動きを、連続した円形の動きに限らない制御(120°ごとに分割して制御、取得。ランダムに円周上の位置を回折スポットが移動して、平均的には円周に分布するなど)を行ってもよい。すなわち、変化周期の1/3や1/2ごとに撮像を中断したり、1変化周期内に1度ずつ撮像し複数の変化周期期間で1変化周期分の撮像を行ったりして撮像時間が遮断条件の変化周期より短い場合であっても、記録された複数の像を加算することにより、実質的には更に長い時間撮像を行った場合と同等の像を得ることも可能である。
次に、観察像のコントラストについて図9A〜9Cを用いて説明する。図9Aは回折スポットに対するエッジの配置方向を複数の条件へ変化させた際の各観察像を示す図である。図9Bは観察像中の特定箇所におけるコントラストの変化を示すグラフである。図9Cは図9Bのコントラストの変化を回折スポットに対するエッジの配置角度に対してフーリエ変換をした一例を示すグラフである。例として、回折スポットを開口のエッジに沿って移動させ、再び元の位置に戻るように1周期移動させた場合、観察像に対して現れる強調コントラストの方向も1周期変化する。図9Aの(A)の観察像は図面上左側が暗く右側が明るく、図9Aの(B)の観察像は左上側が暗く右下側が明るく、図9Aの(C)の観察像は上側が暗く下側が明るく、図9Aの(D)の観察像は右上側が暗く左下側が明るい。また、図9Aの(E)の観察像は図面上右側が暗く左側が明るく、図9Aの(F)の観察像は左下側が暗く右上側が明るく、図9Aの(G)の観察像は下側が暗く上側が明るく、図9Aの(H)の観察像は左下側が暗く右上側が明るい。符号50で示すような、観察像中の特定箇所の像強度に注目すると、回折スポットの移動に伴って強調コントラストが周期的に変化した場合、その強度の変化は図9Bで示すグラフのように周期的な変化を示す。図中の横軸は回折スポットに対するエッジの方向(angle)であり、縦軸は像強度(contrast)を示す。図9Bの(a)〜(h)はそれぞれ図9Aの(A)〜(H)に対応する。
図9Cの横軸はコントラストの変化の周期を示す周波数(frequency)、縦軸はその周期に対応して変化する像コントラスト(intensity)の成分の強度を示す。実施形態によって得られる像は、観察試料20を透過した電子線の強度変化に対応する振幅コントラストと、位相変化に基づいて得られる強調コントラストの重ね合わせである。振幅コントラストは回折スポットに対するビーム遮断方向の変化の影響を受けないため、図9Cで示すグラフ中の周波数0の位置の強度に対応する。一方、強調コントラストはビーム遮断方向の周期的な変化に対応して周期的に変化するため、その周期に対応した周波数(f)の成分の強度に対応する。このように、像強度を周波数空間に変換した後、周期をもつ成分のみを抽出することにより、強調コントラストの成分のみを選択的に抽出することが可能となる。なお、本実施形態では像中のコントラストが正弦関数のように変化する例を示したが、実際には像コントラストには様々な成分が含まれるため、1周期内の像強度の変化は様々な形を取りうる。しかし、そのような場合に対しても周期性は存在するため、同様の手法により周期的に変化をしている成分のみを抽出することが可能である。そのような場合には、周期に対応した周波数(f)の他、その整数倍の周波数の成分として生じる高調波の成分も扱う必要があることは言うまでもない。
図10は様々な回折波の遮断条件において観察像の周波数条件のうち強調コントラストの成分を含む領域を示す図である。
図10の(A)は通常の明視野像に含まれる周波数情報の一例を示したものである。符号51で示す領域は明視野像の情報を含む空間周波数領域である。このような観察条件において、回折スポット2をエッジ素子38中の開口37に対して図4A中の符号40に示すような位置に合わせた場合、回折波の約半分は遮断を受けるため、それに対応した空間周波数領域に含まれる情報は強調コントラストの情報を含む。このような空間周波数領域を例として図10の(B)中に符号52として示す領域は強調コントラストの情報を含む空間周波数領域である。また一方で、図10の(B)中に符号51で示す領域は共役な回折波のいずれも遮断を受けることなく結像されているため、明視野像に相当する情報を含む空間周波数領域となる。更に回折スポットを図4A中の符号41に示すような位置にした場合は図10の(C)中の符号52に示す領域、図4A中の符号42に示すような位置にした場合は図10の(D)中の符号52に示す領域が強調コントラストの情報を含む空間周波数領域となる。このように、周波数空間において、強調コントラストの情報が含まれる領域は光学的条件を基に区別することができるため、通常の明視像または明視野像に相当する周波数領域との差分を基とした比較を行うことにより、強調コントラストに相当する情報を選択的に取得することが可能である。
図11Aは複数の異なる条件に対して回折スポットが描く軌道を示す図である。図11Bは図11Aの各条件において観察像の空間周波数成分のうち強調コントラストの成分を含む領域を示す図である。この例では、開口37は円形であるため、そのエッジに沿って移動する回折スポット2の軌道も必然的に円形となる。この円形軌道の半径が変化した場合、得られる像中に含まれる強調コントラストの情報成分が変化する。
図11A中に示す軌道44を回折スポット2が描く場合、その一連の過程の像を全て積算または加算した像が持つ空間周波数情報は図11Bの(A)に示すようなものとなる。回折スポット2からエッジまでの距離に相当する空間周波数領域においては、回折波の遮断は起こらないため、当該空間周波数領域の情報は明視野像と同等のものとなり、図11Bの(A)中に符号51で示すような領域に対応する。それよりも高い空間周波数領域、すなわち共役な回折電子線の一方が遮断を受ける空間周波数領域では、強調コントラストの情報成分が含まれる。これは図11Bの(A)中に符号52で示すような領域に対応する。
それに対し、回折スポット2が図11Aで示すような軌道45、軌道46を描く場合、より低角側の回折波までが遮断を受けるため、その条件で得られる像の空間周波数情報はそれぞれ図11Bの(B)(C)中に示すように、より低い空間周波数領域まで強調コントラストの情報成分を含んだものとなる。このように、回折スポット2とエッジとの位置関係と、観察像中で強調コントラストが得られる空間周波数帯の間には直接の関係が成り立つ。このことを利用し、複数の撮影像から、それらの撮影された条件の情報を基に、強調コントラストの情報を抽出、合成することが可能となる。強調コントラストの現れ方は、観察試料の構造、位相変化量およびその空間的な微分値により変化するため、観察試料および視野によって最適な光学条件は異なるが、このような手法を用いることにより、観察試料上の様々な視野、構造に対してそれぞれ適切な像コントラストを持った像を得ることが可能となる。
回折スポット2が軌道47を描く場合、非回折波が形成する0次の回折スポットはエッジ素子38に遮断されるため、結像は回折波のみによって行われ、その際の観察像に含まれる空間周波数情報は図11Bの(D)に示すようなものとなる。実際には、非回折波が形成する回折スポットは一定の大きさを持つため、回折スポット2の大半が遮断を受ける場合においても、強調コントラストは生じうるが、回折スポット2の軌道47の半径が開口37に対して十分に大きい場合は回折波の強度のみを用いて観察を行うこととなり、このような条件は環状暗視野観察像に近いものとなる。このような観察条件において、回折スポット2の移動に観察試料20への照射ビームの方向を変化させる、いわゆるホローコーン照明を用いた手法は一般にホローコーン暗視野観察法と呼ばれるものとなるが、この場合、非回折波と回折波間の干渉は生じていないため、基本的には強調コントラストは生じない。
次に、回折波の遮断条件(エッジ素子38の開口中心と回折スポットの描く軌道の中心)の調整について図12A〜12Gを用いて説明する。図12Aはエッジ素子が遮断する電子の量を測定可能な装置の構成例を示す図である。図12Aでは説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。図12Aではエッジ素子38が遮断した電子の量を測定できるようにエッジ素子38に電流計63が接続されている。
図12Dは回折面に配置されたエッジ素子と、その上に形成される回折スポットが描く軌道を示す平面図である。図12Eはエッジ素子に遮断される電子の量の回折スポットの方位角依存性を示すグラフである。本実施形態によるコントラスト向上効果を等方的に得ようとする場合、回折スポット2が描く軌道の中心48と開口37の中心は一致する必要がある。仮にこの中心がずれた場合、すなわち図12Dに示すような軌道44を回折スポット2が描く場合、回折スポットの低角の回折成分はおおよそ回転対称な強度分布を持つとみなすと、中心48に対する回折スポット2の方位角をθ[ラジアン]とした場合、エッジ素子38に遮断される電子の量(電流計63に流れる電流(I[アンペア]))はθに対して図12E中に符号70で示すような変化を示す。電流値変化70は回折スポットが描く軌道がエッジに対して合っていないことを示している。
電流計63に流れる電流が符号71で示すように直線状、すなわちθによらず同等量の電子がエッジ素子38に遮られるような状態に調整することにより、中心48と開口37の中心を一致させることができる。電流値変化71は回折スポットが描く軌道がエッジに対して合っていることを示している。また、更にこの軌道44の半径を小さくした場合、エッジ素子38に遮断される電子の量は更に小さくなることから、遮断される電子の量は図12E中に符号72で示すように、さらに低い電流量となる。電流値変化72は回折スポットが描く軌道がエッジに対して合っているがエッジから離れていることを示している。軌道44の中心を一定としたまま半径を変化させることは偏向器を用いることで容易に行えるため、このように半径を変化させた際の遮断電流量の変化を評価することにより、更に一層高精度な調整が可能となる。
また、図12F、12Gはエッジ素子を複数の電極に分割した例を示す平面図である。回折スポットの移動に対する、分割された各電極39に流れる電流の値を測定することにより、回折スポットが描く軌道の中心位置、および歪みを開口に対して高精度に調整することが可能となる。電極39の分割数は図に示す4分割に限るものではない。また各電極39の分離は直線以外のパターンによってなされても良く、エッジを等分しない構成であっても良いことは言うまでもない。
図12Bはエッジ素子に遮断されない電子の量を測定可能な装置の第1の構成例を示す図である。図12Cはエッジ素子に遮断されない電子の量を測定可能な装置の第2の構成例を示す図である。図12B、12Cでは説明を分かり易くするために結像系レンズ35を省略している。図12Bではエッジ素子38に遮断されず、蛍光板60上に結像された電子の量を測定するための電流計63を備えている。結像過程における電子の欠落などがない場合であれば、エッジ素子38により遮断される電子量と、遮断を受けず結像される電子量の和は一定となるため、蛍光板60上に届く電子の量を用いることによっても、図12Aの説明で述べたような調整を行うことが可能である。
また、遮断を受けなかった電子の量の測定は蛍光板60以外の手段、例として電子ビームを受け止める図12C中に示すファラデーカップ64や、別途装置の備わった絞り板などを用いることによっても可能である。
次に、回折波の遮断条件(回折スポットの位置)の調整について図13を用いて説明する。図13はエッジ素子により回折波の一部を遮断した状態で記録された像をフーリエ変換することで得られる空間周波数情報の分布を示した例である。エッジ素子38により回折波の一部が遮られた場合、その影響は図13に示すように観察像の空間周波数情報の中に影54のような形として現れる。周波数情報の中心からこの影54までの距離を測定することにより、間接的にエッジと回折スポットの間の距離を測定することができるため、この測定結果を基に回折スポットの位置を調整することが可能である。
また、回折パターンを観察した場合にも同様に絞りによる遮断の影響を影として見ることができるため、それによっても回折スポットの位置を調整することは可能である。
次に、回折波の遮断条件(観察像のコントラストの対称性に基づいて回折スポットの位置)の調整について図14を用いて説明する。図14は観察像のコントラストの対称性に基づいて回折スポットの位置を調整する際に取得される像の例を示す図である。
図14の(A)は孔の空いた観察試料を通常の明視野観察した場合に得られる像の例を示すものである。観察試料に対してフォーカスが合っている場合、観察試料上の孔のエッジ部分を強調するようなコントラストは生じない。
図14の(B)は同様の観察試料に対して、各方向に対して生じる強調コントラストの積算を行った際に得られる像の例を示したものである。遮断条件が等方的になるように光学系が調整されている場合、孔のエッジ部分に対しては等方向的なコントラストが生じる。
図14の(C)は同様の光学系において、回折スポットの描く軌道とエッジ素子38の開口37の中心が合っていない場合に生じる像の一例を示したものである。この場合、像中の左右方向に対しては遮断の条件が非対称となっているため、左右のエッジ部分に生じるコントラストは明暗の異なるコントラストとなっている。このように、観察試料の構造や系によっては観察像に形成されるコントラストの異方性を観察像から把握することができるため、それらの情報を基に回折波の遮断条件の調整を行うことが可能である。
例として、開口37が円形の形状を持つ場合を考えると、開口37が回折面の大きさに対して極端に小さい場合を除けば、開口37の一部分は近似的に回折面の約半分を遮断するナイフエッジと似た働きをもたらすため、回折波の約半分は遮断され、その結果強調コントラストが生じる。この状態で、回折面上の透過波スポットの位置を開口37のエッジに沿って移動させた場合、像に対して強調コントラストが生じる方向は連続的に変化する。円形の開口37を用いた場合、この回折スポットの動きは回折面内において円形の軌道を描く。
実施形態による観察は光学系内に形成されるいずれかの回折面とエッジの高さが一致してない場合、コントラスト向上効果は理想的な条件と比較して弱くなるものの、強調コントラスト自体は発生するため、本実施形態の効果は十分に得ることが可能である。
また、観察試料20上の電子線照射範囲を制御する際、合わせて観察試料20上方の仮想光源の高さが変化すると、それよりも下流に形成される回折面の高さも変化する。実施形態による観察を行う上ではこのような変化が生じないような制御をおこなうことが望ましく、そのための手段の一つとして、電子線照射領域の調整に複数の照射系レンズを使用する方法などが有効となる。
実施形態による観察において、回折スポットの位置の制御のために観察試料20へ照射される電子線の角度を制御する場合、観察時のフォーカスが観察試料20からずれていると、ビーム照射方向の変化に対応して観察像の位置が変化してしまう。そのため、像の変位量に基づいてフォーカスを調整する、像の変位を打ち消すように偏向器を用いて像を移動させる、もしくは像の変位量を補正して記録するといった手法により観察時の利便性を向上させることが可能となる。
エッジ素子38は基本的に金属で作成されることが望ましいが、エッジ素子38の表面に異物が付着した場合、異物に電荷が溜まることにより、電子線に対して偏向、位相変調といった作用を及ぼす可能性がある。このような問題は、特にエッジ素子38上の一か所に対して電子線を停止させた場合に影響が顕著となる。それに対し、本実施形態では回折面上で回折スポットを移動させるため、エッジ上の一か所に電荷が蓄積される量は回折スポットを停止させた場合と比較して小さくなり、結果として電子線に対する偏向や位相変調といった不要な作用を低減させる効果を得ることができる。
回折スポットを移動させる周期を高くした場合、回折スポットの制御に用いる偏向器に流れる電流はより高い周波数で変化することとなり、偏向器を構成するコイルのインダクタンス、偏向器周辺の磁性材料の特性により、応答速度に遅れが生じる場合がある。特に複数のコイルを組み合わせて電子線の制御を行う場合、このような遅れは偏向器ごとに異なるものとなるため、結果として、複数偏向器間の調整関係が崩れ、観察試料上で照射電子線の角度のみを変化させようとした際に、観察試料上の照射位置までもが変化してしまうといった現象が生じる場合がある。このような場合、偏向器へ加える制御電流の位相の調整、もしくはビーム制御に対する各偏向器の電流量の変化を、制御の周波数に応じて変化させるといった方法が有効となる。
本実施形態に使用するエッジ素子38のエッジの厚みは、数nm〜数百μmの範囲に収まっていることが望ましい。それよりもエッジが厚い場合、光学系のフォーカス広がりなどによって定まる回折面の厚みに対してエッジが厚い条件となるため、理想的な強調コントラストの条件からは外れるものの、コントラスト向上効果を得ることは可能である。
次に、実施形態に係るTEMの構成について図15を用いて説明する。図15は実施形態に係るTEMの構成を示す図である。図3A、3B、5A、5B、6,7、12A、12B、12Cでは説明を分かり易くするために一部の構成が省略されていたが、図15では図3A、5A、7、12A、12Bの構成が含まれている。
実施形態に係るTEMは、観察試料20上方に、仮想光源1と、仮想光源1から広がった電子線7が通過する照射系レンズ30と、電子線7を傾斜させる上下二段の偏向器33と、を備える。なお、図では電子線7は傾斜されていない場合を示している。また、電子顕微鏡は、観察試料20下方に、観察試料20を透過して広がる電子線7(回折波と非回折波)を収束させる対物レンズ31と、対物レンズ31の後ろ焦点面(回折面)11上に設けられるエッジ素子38と、エッジ素子38の位置を機械的に制御するための微動機構34と、エッジ素子38の開口37を通過して広がる電子線7(回折波と非回折波)を結像する結像系レンズ35と、結像系レンズ35を通過した観察像を形成する蛍光板60と、蛍光板60に映し出された像を記録するための撮像装置61と、を備える。また、実施形態に係るTEMは、記録された像を演算処理する演算装置62を含み、各レンズや偏向器、微動機構34を制御する制御装置65を備える。制御装置65はエッジ素子38や蛍光版60に接続される電流計63の値を取り込む。制御装置65はCPUにより制御される駆動電源回路、CPUが実行するソフトウエアを格納する記憶装置、操作者が入出力を制御できるキーボード、マウス、表示装置等のインタフェース等から構成されている。
ここで、仮想光源とは虚像の電子線スポットまたは電子源、静電型または磁界型の引出電極、静電加速電極等から構成される電子銃によって形成された実際の電子線のスポットであり、電子銃としては電子源を加熱しないで電子線を電界放出させる冷陰極型電界放出電子銃または電子源を加熱して電子線を放出させるショットキー型電子銃などの方式が考えられる。
次に、実施形態に係るTEMの調整方法について図16を用いて説明する。図16は実施形態に係るTEMの調整方法の一例を示すフローチャートである。
ステップS1:制御装置65はエッジ素子38の開口37を光軸上に入れる。
ステップS2:制御装置65は、図4Bに示すように、エッジ素子38の開口37を構成するエッジに対して回折スポットの位置を周期的に移動させる。
ステップS3:制御装置65は、例えば図12Aに示すようにエッジ素子38に接続された電流計63を用いて、図12Eに示すようなエッジ素子38が遮断した電子量の回折スポット移動の周期に応じた変化を測定する。または図12B、12Cに示すようにエッジ素子38に遮断されなかった電子量を測定してもよい。
ステップS4:制御装置65は、電子量が所定の範囲内かどうかを判定する。YESの場合はステップS6に移り、NOの場合はステップS5に移る。
ステップS5:制御装置65は、回折スポット移動の半径を変化させる。ステップS4に移る。
ステップS6:制御装置65は、電子量の変化幅が規定値以下かどうかを判定する。制御装置65は、例えば図12Aまたは図12Bに示すようにエッジ素子38に接続された電流計63を用いて電子量を測定する。ここで、電子量の変化幅は、電子量の最大値と最小値との差または標準偏差等により求める。YESの場合は調整を終了する。NOの場合はステップS7に移る。
ステップS7:制御装置65は、電子量が最大、最小となるそれぞれの条件のスポット位置の電子量の平均を求め、周期的変化の新たな基準値(中心値)とする。
実施形態によれば、等方的な像コントラストを得ることが可能である。
また、ソフトマテリアル(生物試料や有機材料など軽元素で構成され、電子線との相互作用が弱い試料)に対しても十分な像コントラストを得ることができる。これにより、これらの試料を観察する際に一般的に行われる金属元素など電子との作用が大きな元素を用いた染色処理が必要ない。よって、生体試料を本来の状態により近い状態で観察する凍結観察等染色処理が適用できない場合でも、高コントラスト観察を実現することができる。
また、高コントラストを得るため広く用いられている対物レンズのフォーカスを試料位置から大きくずらす手法を用いる必要がない。この手法は、対物レンズの球面収差の影響により、試料から回折した電子線と、試料から回折を受けずに透過した非回折波の間には光路差が生じ、結果として位相の差を生むものである。この位相差によって、試料透過時の電子線の位相変化に応じた像コントラストを得ることが可能となる。しかし、このような手法は対物レンズの収差を利用するという原理上、非常に低角の回折波に対しては位相差を与えることが難しく、結果として数nm以上のスケールを持つ構造に対してはコントラスト向上の効果が得にくい。この手法を用いないので、数nm以上のスケールを持つ構造に対してもコントラストを向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
実施形態では透過電子顕微鏡について説明したが、走査透過電子顕微鏡にも適用することができる。
1…仮想光源、2…回折スポット、3…回折スポット、4…回折波、5…非回折波、6…透過波と回折波の干渉領域、7…電子線、9…傾斜した照射電子線、10…試料面、11…回折面(後ろ焦点面)、12…像面、20…観察試料、21…観察像、22…観察像、23…観察像、30…照射系レンズ、31…対物レンズ、32…ナイフエッジ、33…偏向器、34…微動機構、35…結像系レンズ、36…対物絞り、37…開口、38…エッジ素子、39…電極、40…回折スポット、41…回折スポット、42…回折スポット、43…回折スポット、44…軌道、45…軌道、46…軌道、47…軌道、48…軌道の中心、50…観察像中の一部分、51…空間周波数領域、52…空間周波数領域、53…空間周波数領域、54…影、60…蛍光板、61…撮像装置、62…演算装置、63…電流計、64…ファラデーカップ、65…制御装置、70…電流値変化、71…電流値変化、72…電流値変化

Claims (14)

  1. 試料に対し電子線を照射し観察を行う電子顕微鏡において、
    前記試料から回折を受けずに透過する非回折波が収束する回折面ないし回折面と等価な面内に配置されるエッジ素子と、
    前記電子線または前記エッジ素子を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記エッジ素子は前記電子線を遮断する遮蔽部と前記電子線を透過する開口とを有し、
    前記開口は前記非回折波が収束する点を前記回折面内において囲むように前記遮蔽部のエッジにより構成され、
    前記制御装置は前記非回折波が収束する点と前記エッジとの距離を所定間隔に保って前記非回折波が収束する点を前記エッジに沿って前記エッジに対して相対的に位置を変化させることにより観察像のコントラストを変化させる
    電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記制御装置は前記非回折波が収束する点と前記エッジとの相対位置が異なる複数条件の像に対して演算処理を行い、前記試料の観察像を取得する
    電子顕微鏡。
  3. 請求項1において、
    前記制御装置は前記非回折波が収束する点を周期的に移動させる
    電子顕微鏡。
  4. 請求項1において、
    前記制御装置は前記エッジ素子により遮断される電子の量、もしくは前記エッジ素子により遮断されていない電子の量に基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    電子顕微鏡。
  5. 請求項1において、
    前記制御装置は観察される像に含まれる空間周波数情報、もしくは観察される像に基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    電子顕微鏡。
  6. 請求項1において、
    前記制御装置は観察される像のコントラストに基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    電子顕微鏡。
  7. 請求項1において、
    前記開口は平面視で円形状であり、前記エッジ素子は前記回折面のおおよそ半面を遮蔽し、前記制御装置は前記非回折波が収束する点を前記エッジに沿って移動させる
    電子顕微鏡。
  8. 試料に対し電子線を照射し観察を行う電子顕微鏡において、
    前記試料から回折を受けずに透過する非回折波が収束する回折面ないし回折面と等価な面内において、前記非回折波が収束する点を前記回折面内において囲むように、前記電子線を遮断するエッジにより構成される開口を有するエッジ素子を配置し、
    前記非回折波が収束する点と前記エッジとの距離を所定間隔に保って前記非回折波が収束する点を前記エッジに沿って前記エッジに対して相対的に位置を変化させることにより観察像のコントラストを変化させる
    観察方法。
  9. 請求項8において、
    前記非回折波が収束した点とエッジとの相対位置が異なる複数条件の像に対して演算処理を行い、試料の像を取得する
    観察方法。
  10. 請求項8において、
    前記非回折波が収束した点が周期的に移動する
    観察方法。
  11. 請求項8において、
    前述のエッジにより遮断された電子の量、もしくは前述のエッジにより遮断されていない電子の量に基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    観察方法。
  12. 請求項8において、
    観察される像に含まれる空間周波数情報、もしくは観察される像に基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    観察方法。
  13. 請求項8において、
    観察される像のコントラストに基づいて前記非回折波が収束する点と前記エッジとの位置関係を調整する
    観察方法。
  14. 請求項8において、
    前記開口は平面視で円形状であり、前記エッジ素子は前記回折面のおおよそ半面を遮蔽し、前記非回折波が収束する点を前記エッジに沿って移動させる
    観察方法。
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