JP6448482B2 - プレス加工品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ワークの外周面におけるバリの発生を防止したプレス加工品の製造方法に関するものである。
プレス加工品は、ワーク(被加工材)が種々の金型を用いたプレス加工の工程を経ることによって完成される。その中には、ワークから一部分を打ち抜いて取り除いたり、あるいは、後続工程のワークとなる部分を帯状素材板(コイル材)のワークから打ち抜き分離させたりする打ち抜き工程が含まれる。打ち抜き工程では、一般に、金型の上型又は下型に打ち抜き予定ラインの形状に形成されたパンチを設け、そのパンチの形状に対応するダイ穴が形成されたダイを下型又は上型に設け、下型(ダイ又はパンチ)の上に置かれたワークに上型(パンチ又はダイ)を下降させて押し当て、パンチとダイにより打ち抜き予定ラインに沿って垂直方向に剪断する。
このとき、ワークの材料(金属材料)が摩擦によって上型(パンチ又はダイ)に追従し、ワークの剪断面においてワーク裏面(ワークの裏面)の近傍にバリが発生するので、後続工程で、押さえ潰すなどしてバリ取りが行われる。このバリ取りでは、バリが残ったりバリ取りの過程で箔状剥離物が付着したりしないように、極めて慎重な作業が必要であり、その作業の完全性を確保するのは容易とは言えない。
そのため、バリ取りを必要としない打ち抜き加工方法も提案されている。
例えば、特許文献1には、ワークにおいてワーク表面(ワークの表面)及びワーク裏面に打ち抜き予定ラインに沿う一対の溝部(断面がV字状)を形成する溝部形成工程と、その溝部の内側にパンチを下降させて押し当てて打撃し、クラック(破断)を生じさせてその内側部分をワークから落下させる打ち抜き工程と、を含む打ち抜き加工方法が開示されている。この一連の溝部形成工程と打ち抜き工程を用いると、ワークにおいて打ち抜かれた内周面では、その中央部分(板厚方向の中央部分)は破断面となるが、バリは発生せず、ワーク表面近傍及びワーク裏面近傍は滑らかな面である。溝部形成工程におけるワーク表面及びワーク裏面の一対の溝部の形成は、溝切バイトをX軸及びY軸方向に移動させて切削することによって行われる。なお、特許文献1には、溝部をワーク裏面だけに形成することも記載されている。
特許文献2には、帯状素材板のワークにおいてワーク表面又はワーク裏面に打ち抜き予定ラインに沿う溝部(断面が台形形状、半円形状、半楕円形状、V字状などの凹部)を形成する溝部形成工程と、その溝部に沿うようにパンチを下降させて押し当ててワークを垂直方向に剪断することによって、後続工程のワークとなる部分を打ち抜き分離させる打ち抜き工程と、を含む打ち抜き加工方法が開示されている。ここでは、打ち抜き工程で発生するバリは、溝部内に生じてワーク表面又はワーク裏面には達しないようにしている。溝部形成工程におけるワーク表面又はワーク裏面の溝部の形成は、溝部に対応する凸部を設けたパンチ(プレッシャー)によるプレスによって行われる。
特開平5−42330号公報 特開2014−172079号公報
このような特許文献1及び2などに開示の一連の溝部形成工程と打ち抜き工程を含む打ち抜き加工方法を用いて製造されたプレス加工品は、ワーク表面であった面又はワーク裏面であった面に略平行に他の部品が配置される場合、バリ又は箔状剥離物によって他の物品を傷付けること、が防止される。特に、プレス加工品が電子部品に用いられ、他の物品がバリ又は箔状剥離物で短絡等を起こすおそれがある場合には、非常に有効である。
しかしながら、特許文献2においては、打ち抜き工程に剪断を用いているので、バリが発生することは変わらずそれを全てのワークについてワーク表面又はワーク裏面に確実に達しないようにするのは、必ずしも容易ではない。
特許文献1においては、打ち抜き工程に破断を用いているのでバリは発生しないが、溝部形成工程におけるワーク表面及びワーク裏面の少なくともワークの裏面の溝部の形成は、溝切バイトをX軸及びY軸方向に移動させて切削することによって行っている。作業の効率化という点では、溝切バイトをX軸及びY軸方向に移動させて切削するよりは、溝部に対応する凸部を設けたパンチによるプレスの方が望ましい。
本願発明者は、後続工程のワークとなる部分(つまり、最終的にはプレス加工品となる部分)を帯状素材板のワークから打ち抜き分離する場合に、溝部形成工程におけるワーク表面及びワーク裏面の一対の溝部の形成を凸部を設けたパンチによるプレスによって行うと、ワークの材料流動の量が大きいためにワークが歪み易くなることを発見し、その解決策を鋭意研究した。ワークが歪むと、プレス加工品に要求される寸法などの規格を満たさなくなる可能性が生じるほかに、製造工程においても問題点が生じる場合がある。例えば、図11に示すように、溝部105の形成によりワーク101Aが変形して位置合わせ孔104の位置又は形が変わり、溝部形成工程が完了したとき位置合わせ孔104に挿通したガイドポストからワーク101Aを抜き出せなくなったり、後続の打ち抜き工程の実行が不可能になったりすることも起こり得ることになる。
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、分離したワークの外周面においてバリの発生及び箔状剥離物の付着を防止でき、かつ、作業が効率的であり、しかも、ワークの歪みを抑止できるプレス加工品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のプレス加工品の製造方法は、最終打ち抜き予定ラインを大略拡大した形状の準備打ち抜き予定ラインに沿ってワークを剪断して打ち抜き分離する準備打ち抜き工程と、分離された前記ワークにおいてワーク表面及びワーク裏面に一対の溝部を、該溝部の最深部が前記最終打ち抜き予定ラインに沿うように形成する溝部形成プレス工程と、前記溝部の最深部の外側のスクラップ部分をクリアランスを設けて打撃し、前記溝部の最深部間を破断させることにより打ち抜き分離する最終打ち抜き工程と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1に記載のプレス加工品の製造方法において、前記最終打ち抜き工程により、バリは発生せず、前記破断による破断面の両側の前記ワーク表面の近傍及び前記ワーク裏面の近傍は滑らかな面であることを特徴とする。
請求項3に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1又は2に記載のプレス加工品の製造方法において、前記溝部の断面形状は、前記最深部における外側の傾きが内側の傾きよりも緩やかであることを特徴とする。
請求項4に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記溝部形成プレス工程において、前記最深部より外側の幅は少なくとも板厚よりも長いことを特徴とする。
請求項に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記ワークの外周面であった面の中央部分の破断面の長さは、板厚の5〜30%であることを特徴とする。
請求項に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記ワークの外周面であった面の中央部分の破断面の両側の傾き角は、70〜90度であることを特徴とする。
請求項に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記ワークの外周面であった面の両方の角部にアールが付けられていることを特徴とする。
請求項に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記ワークの外周面であった全部又は一部の面に破断面が形成されていることを特徴とする。
請求項に記載のプレス加工品の製造方法は、請求項に記載のプレス加工品の製造方法において、前記最終打ち抜き工程、又は前記溝部形成プレス工程及び最終打ち抜き工程の両方、が前記最終打ち抜き予定ラインの一部について行われることにより、前記ワークの外周面であった一部の面に破断面が形成されていることを特徴とする。
本発明に係るプレス加工品の製造方法によれば、上記の最終打ち抜き工程を経て得たワークの外周面、すなわちプレス加工品におけるワークの外周面であった面、においてバリの発生及び箔状剥離物の付着を防止でき、かつ、作業が効率的であり、しかも、ワークの歪みを抑止できる。
本発明の実施形態に係る製造方法によって製造されるプレス加工品の例の外観を示す斜視図である。 同上のプレス加工品となるワークを示す平面図である。 本発明の実施形態に係るプレス加工品の製造方法の準備打ち抜き工程のワークを示す平面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の準備打ち抜き工程の概略を示す断面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の溝部形成プレス工程のワークを示す平面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の溝部形成プレス工程のワークの断面の一部を示す拡大断面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の溝部形成プレス工程の概略を示す断面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の最終打ち抜き工程での打撃の様子を示す拡大断面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の最終打ち抜き工程での打撃の後の様子を示す拡大断面図である。 同上のプレス加工品の製造方法の最終打ち抜き工程の概略を示す断面図である。 従来のプレス加工品の製造方法の溝部形成工程後のワークの変形を示す縮小平面図である。
本発明の実施形態を、以下説明する。本発明の実施形態に係る製造方法によって製造されるプレス加工品1は、例えば、図1に示すように、四角形の本体部10とそれに対して略垂直方向に延びた2本の脚部11を有しているものである。このようなプレス加工品1は、それまでのプレス加工によって図2に示すように加工された平板状のワーク1Cの2本の脚部11を曲げ加工することによって得られる。
プレス加工品1は、電池ユニットにおいてエレメントのいずれかの電極に接続される集電体として用いることができる。その場合、エレメントの電極は、2本の脚部11の間に挟み込まれるように配置されるため、エレメントに対向するのはワーク1Cの裏面(ワーク裏面)1bであった面1b’となる。後述するように、ワーク1Cは、外周面1cではワーク表面1a近傍及びワーク裏面1b近傍は滑らかな面であり、バリは発生せず、箔状剥離物の付着もない。よって、エレメントがプレス加工品1によって傷付くことを防止できる。なお、図1においては、ワーク1Cのワーク表面1aであった面を符号1a’、ワーク1Cの外周面1cであった面を符号1c’で示している。また、図2においては、ワーク裏面1bは現れていないが、ワーク表面1aの裏側の面である。
本発明の実施形態に係るプレス加工品の製造方法は、以下のような準備打ち抜き工程と溝部形成プレス工程と最終打ち抜き工程を含んでなる。ワーク1Cはこれらの工程を経て得られるものである。
準備打ち抜き工程は、図3に示すように、準備打ち抜き予定ライン2に沿ってワーク1Aを垂直方向(ワーク表面1aに対して垂直方向)に剪断して打ち抜き分離する工程である。準備打ち抜き予定ライン2は、後述する最終打ち抜き予定ライン3を大略拡大した形状である。大略拡大した形状とは、最終打ち抜き予定ライン3の凹凸に応じた凹凸を有する形状を意味し、最終打ち抜き予定ライン3を略比例拡大した形状を含むが、それには限定されない。
準備打ち抜き工程では、詳細には、金型の下型に準備打ち抜き予定ライン2と同じ輪郭形状に形成された準備打ち抜き用パンチP1を設け、その準備打ち抜き用パンチP1に対応するダイ穴が形成されたダイD1を上型に設けており(図4(a)参照)、準備打ち抜き用パンチP1の上に置かれたワーク1Aに上型のダイD1を下降させて押し当て、準備打ち抜き用パンチP1とダイD1により、準備打ち抜き予定ライン2に沿って垂直方向に剪断する(図4(b)参照)。剪断による打ち抜き後には、打ち抜き分離されたワーク1BからダイD1を外す(図4(c)参照)。上型のダイD1のダイ穴の部分には、ノックアウトN1が設けられており、ダイD1に食らい付くワーク1Bを押さえてダイD1を外し易くしている。図示は省略しているが、ノックアウトN1は、その上面において、通常、ダイD1が固定されるバックプレートにバネ体を介して結合している。なお、ワーク1Aは、帯状素材板(コイル材)のワークであり、位置合わせ孔4を有しており(図3参照)、この準備打ち抜き工程までの工程では、ワーク1Aの工程間の移動は、順送方式が採用される。
溝部形成プレス工程は、図5及び図6に示すように、打ち抜き分離されたワーク1Bにおいてワーク表面1a及びワーク裏面1bに一対の溝部5、5’を、溝部5、5’の最深部5a、5a’が最終打ち抜き予定ライン3に沿うように形成する。より具体的には、溝部5’の最深部5a’の位置を、溝部5の最深部5aの位置に一致させてもよいし、後述する破断面6の形状の安定化のために溝部5の最深部5aの位置の僅かに内側又は外側にしてもよい。溝部5、5’の最深部5a、5a’の内側が本体部分1Ba、外側がスクラップ部分1Bbである。ワーク1Bは、後述するように、最終打ち抜き工程で溝部5、5’の最深部5a、5a’において打ち抜き分離され、本体部分1Baが後続工程で使用されるワーク1Cとなり、スクラップ部分1Bbは不用な部分となる。
溝部形成プレス工程における一対の溝部5、5’の形成は、詳細には、溝部5、5’に対応する凸部を設けた上型及び下型の溝部形成用パンチP2a、P2bによるプレスによって行われる(図7(a)、(b)参照)。上型及び下型の溝部形成用パンチP2a、P2bのそれぞれの中央部には、穴部が形成され、その部分にノックアウトN2a、N2bが設けられており、溝部形成用パンチP2a、P2bに食らい付くワーク1Bを押さえて溝部形成用パンチP2a、P2bを外し易くしている(図7(c)参照)。図示は省略しているが、ノックアウトN2aはその上面において通常、溝部形成用パンチP2aが固定される上型のバックプレートにバネ体を介して結合し、ノックアウトN2bはその下面において通常、溝部形成用パンチP2bが固定される下型のバックプレートにバネ体を介して結合している。溝部5と溝部5’は、このように同時に形成してもよいし、2回の工程で別々に形成してもよい。なお、この溝部形成プレス工程から以降の工程では、ワーク1B(又はワーク1C)の工程間の移動は、トランスファー方式が採用される。
ワーク1Bの板厚Tは、例えば、2mm程度である。最深部5a、5a’間の長さTGは、板厚Tの5〜30%とするのが好ましい。TGが板厚Tの5%よりも短いと溝部形成用パンチP2a、P2bの凸部が摩耗或いは損傷し易くなる場合がある。また、TGが板厚Tの30%よりも長いと、最深部5a、5a’間の後述する破断が容易ではなくなる場合がある。なお、最深部5a、5a’間の長さTGは、後述するようにワーク1Cの外周面1c、すなわちプレス加工品1におけるワーク1Cの外周面1cであった面1c’、の破断面6の長さとなる。また、ワーク1Bの板厚Tは、ワーク1Cの板厚、すなわちプレス加工品1の板厚、となる。
このように、準備打ち抜き工程でワーク1Aからワーク1Bを打ち抜き分離してから、ワーク1Bで一対の溝部5、5’を形成する。そうすると、溝部5、5’の部分の材料(金属材料)をその外側のスクラップ部分1Bbに向かって流動させることができる。スクラップ部分1Bbは、流動して来た材料により周辺部が拡大する。従って、ワーク1B(特に本体部分1Ba)が歪むのを抑止することができる。
溝部5、5’の断面形状は、後述するように最深部5a、5a’間にクラックが入り易いように、略V字形状であるのが好ましい。更に好ましくは、最深部5a、5a’における外側の傾きを内側の傾きよりも緩やかにする。換言すると、最深部5a、5a’における外側の傾き角(ワーク表面1a又はワーク裏面1bに平行な面に対しての角度)φoを最深部5a、5a’における内側の傾き角φiよりも小さくする。こうすると、溝部5、5’の部分の材料をその外側のスクラップ部分1Bbに向かって流動させ易く(逃がし易く)なる。傾き角φoは、10〜40度とするのが好ましい。こうすると、更に、材料をスクラップ部分1Bbに向かって流動させ易くなる。また、傾き角φiは、70〜90度とするのが好ましい。傾き角φiが70度よりも小さいと、ワーク1B(詳しくは、本体部分1Ba)が溝部形成用パンチP2a、P2bに強く食らい付くことで、ワーク1Bから溝部形成用パンチP2a、P2bを外すのが容易ではなくなる場合がある。
また、溝部5、5’の断面形状は、最深部5a、5a’よりも内側を曲線にして、ワーク表面1aとの角部及びワーク裏面1bとの角部にアール(R)を付けておくことができる。こうすると、最深部5a、5a’よりも内側はワーク1Cの外周面1cとなるので、プレス加工品1の角部において必要なアール(R)をここで付けておくことができる。
また、溝部形成プレス工程においては、一対の溝部5、5’の最深部5a、5a’より外側の幅(スクラップ部分1Bbの幅)Wは、スクラップ部分1Bbが本体部分1Baに引っ張り込まれないように、短すぎないようにする必要があり、少なくとも板厚Tよりも長くするのが好ましい。
最終打ち抜き工程は、図8に示すように、一対の溝部5、5’の最深部5a、5a’の外側のスクラップ部分1BbをクリアランスCを設けて打撃し、溝部5、5’の最深部5a、5a’間を破断させることにより打ち抜き分離する工程である。この打撃により、図9に示すように、溝部5、5’の最深部5a、5a’間はクラックが入り、破断面6となるが、バリは発生せず、破断面6の両側のワーク表面1a近傍及びワーク裏面1b近傍は滑らかな面のままである。ワーク1Bにおいて溝部5、5’の最深部5a、5a’間の破断面6よりも内側は、ワーク1Cとなる(図2参照)。よって、ワーク1Cにおける外周面1cでは、その中央部分(板厚方向の中央部分)は破断面6であるが、バリは発生せず、破断面6の両側のワーク表面1a近傍及びワーク裏面1b近傍は滑らかな面である。また、ワーク1Cにおける外周面1cは、後続工程で、押さえ潰しなどのバリ取りを行わなくてもよいので、箔状剥離物の付着もない。なお、図8において、符号D3で示すのは、後述するようにワーク1Bを打撃するダイであり、符号N3で示すのはワーク1Bを押さえる部材である。
最終打ち抜き工程では、詳細には、金型の下型に最終打ち抜き予定ライン3よりも小さい(又は同じ)輪郭形状に形成された最終打ち抜き用パンチP3を設け、上型にダイ穴を形成する内周形状が最終打ち抜き予定ライン3よりもクリアランスC分だけ大きいダイD3を設けており(図10(a)参照)、最終打ち抜き用パンチP3の上に置かれたワーク1Bに上型のダイD3を下降させて押し当てて打撃する(図10(b)参照)。打撃による打ち抜き後には、打ち抜き分離されたワーク1CからダイD3を離す(図10(c)参照)。上型のダイD3のダイ穴の部分には、ワーク1Bを押さえる部材N3が設けられている。図示は省略しているが、ワーク1Bを押さえる部材N3は、その上面において、通常、ダイD3が固定されるバックプレートにバネ体を介して結合している。
クリアランスCの値は、溝部5、5’の最深部5a、5a’間を破断させて打ち抜き分離するので、かなり大きい。クリアランスCの値は、最深部5a、5a’間の長さTGの90%以上とするのが好ましい。TGの90%よりも小さいと、破断ではなく剪断となってバリが発生する場合がある。
このように、本発明の実施形態に係るプレス加工品の製造方法によれば、上記の最終打ち抜き工程を経て得たワーク1Cの外周面1c、すなわちプレス加工品1におけるワーク1Cの外周面1cであった面1c’、においてバリの発生及び箔状剥離物の付着を防止でき、かつ、作業が効率的であり、しかも、ワーク1Cの歪みを防止可能になる。
以上、本発明の実施形態に係るプレス加工品の製造方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな変更が可能である。例えば、上記の最終打ち抜き工程(又は、上記の溝部形成プレス工程及び最終打ち抜き工程の両方)を最終打ち抜き予定ライン3の全部について行わずに、バリの発生及び箔状剥離物の付着を防止したい一部についてだけ行うことも可能である。つまり、破断面6がワーク1Cの外周面1c、すなわちプレス加工品1におけるワーク1Cの外周面1cであった面1c’、の一部だけに形成されるようにすることも可能である。この場合、外周面1c(面1c’)の残りは剪断面が形成されることになる。
また、プレス加工品1の形状は、図1に示した例に限らず、任意のものが可能である。また、準備打ち抜き工程と溝部形成プレス工程と最終打ち抜き工程よりも前の工程又は後の工程において、穴あけ加工や前述した曲げ加工などさまざまな工程を含み得る。
1 プレス加工品
1A、1B、1C プレス加工品となるワーク
1Bb スクラップ部分
1a ワーク表面
1b ワーク裏面
1c ワークの外周面
1c’ プレス加工品におけるワークの外周面であった面
2 準備打ち抜き予定ライン
3 最終打ち抜き予定ライン
4 位置合わせ孔
5 ワーク表面の溝部
5’ ワーク裏面の溝部
5a、5a’溝部の最深部
6 破断面
TG 溝部の最深部間の長さ(破断面の長さ)
板厚
溝部の最深部より外側の幅(スクラップ部分の幅)
φi 溝部の最深部における内側の傾き角
φo 溝部の最深部における外側の傾き角
クリアランス

Claims (9)

  1. 最終打ち抜き予定ラインを大略拡大した形状の準備打ち抜き予定ラインに沿ってワークを剪断して打ち抜き分離する準備打ち抜き工程と、
    分離された前記ワークにおいてワーク表面及びワーク裏面に一対の溝部を、該溝部の最深部が前記最終打ち抜き予定ラインに沿うように形成する溝部形成プレス工程と、
    前記溝部の最深部の外側のスクラップ部分をクリアランスを設けて打撃し、前記溝部の最深部間を破断させることにより打ち抜き分離する最終打ち抜き工程と、
    を含んでなることを特徴とするプレス加工品の製造方法。
  2. 請求項1に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記最終打ち抜き工程により、バリは発生せず、前記破断による破断面の両側の前記ワーク表面の近傍及び前記ワーク裏面の近傍は滑らかな面であることを特徴とするプレス加工品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記溝部の断面形状は、前記最深部における外側の傾きが内側の傾きよりも緩やかであることを特徴とするプレス加工品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記溝部形成プレス工程において、前記最深部より外側の幅は少なくとも板厚よりも長いことを特徴とするプレス加工品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記ワークの外周面であった面の中央部分の破断面の長さは、板厚の5〜30%であることを特徴とするプレス加工品の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記ワークの外周面であった面の中央部分の破断面の両側の傾き角は、70〜90度であることを特徴とするプレス加工品の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記ワークの外周面であった面の両方の角部にアールが付けられていることを特徴とするプレス加工品の製造方法
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記ワークの外周面であった全部又は一部の面に破断面が形成されていることを特徴とするプレス加工品の製造方法
  9. 請求項に記載のプレス加工品の製造方法において、
    前記最終打ち抜き工程、又は前記溝部形成プレス工程及び最終打ち抜き工程の両方、が前記最終打ち抜き予定ラインの一部について行われることにより、前記ワークの外周面であった一部の面に破断面が形成されていることを特徴とするプレス加工品の製造方法。
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