[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る情報コード生成装置を有する情報コード利用システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る情報コード利用システム1は、複数の情報コードが表示されることで記録される記録媒体(以下、表示媒体Rともいう)と、これら複数の情報コードを生成するための情報コード生成装置10とを有するように構成されている。情報コード生成装置10は、情報コードが表示された表示媒体Rに対して当該表示済みの情報コード(以下、第1情報コードC1ともいう)と異なる新たな情報コード(以下、第2情報コードC2ともいう)を生成して配置(表示)する装置である。ここで、表示媒体Rとしては、例えば、乗車券(切符)や駐車券等が想定される。
まず、情報コード生成装置10について説明する。
情報コード生成装置10は、CPUなどからなる制御部11と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部12と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部13と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部14と、公知の印刷装置等と同様のハードウェア構成をなし且つ制御部11からの印刷データに基づいて第2情報コードC2等を表示媒体Rに対して印刷可能な印刷部15と、第1情報コードC1等の情報コードを光学的に読み取り可能な読取部20とを備えている。
読取部20は、情報コードを光学的に読み取るように機能するもので、図2に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ23、結像レンズ22、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部21などを備えた構成をなしており、制御部11と協働して表示媒体Rに付された第1情報コードC1等の情報コードを読み取るように機能する。
この読取部20によって読み取りを行う場合、まず、制御部11によって指令を受けた照明部21から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口(図示略)を通って表示媒体Rに表示される情報コードに照射される。そして、照明光Lfが情報コードにて反射した反射光Lrは読取口および結像レンズ22を通って受光センサ23に受光される。読取口と受光センサ23との間に配される結像レンズ22は、情報コードの像を受光センサ23上に結像させる構成をなしており、受光センサ23はこの情報コードの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ23から出力された受光信号は、画像データとして記憶部12に記憶され、情報コードに含まれる情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、読取部20には、受光センサ23からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
このように構成される情報コード生成装置10は、制御部11により実施される情報コード生成処理(後述する)にて、読取部20により表示媒体Rの第1情報コードC1が読み取られることで生成された第2情報コードC2を、その第1情報コードC1が表示された表示媒体Rに対して表示するように機能する。
次に、表示媒体Rに表示される第1情報コードC1および第2情報コードC2について図3および図4を参照して説明する。
第1情報コードC1および第2情報コードC2は、表示媒体Rに対して、いずれか一方の情報コードが他方の情報コード(以下、フレームQR100ともいう)におけるコード領域の内部おいて後述する空き領域110内に配置されるように表示される。
例えば、図1および図3の例では、フレームQR100として構成される第1情報コードC1に対して、そのコード領域の空き領域110内に第2情報コードC2が表示(配置)されている。すなわち、図3(A)に示すように、表示媒体Rには第1情報コードC1がフレームQR100として予め表示されている。そして、後述するようにフレームQR100の特定パターン(位置検出パターン104)の位置に基づいて空き領域110を特定してから、図3(B)に示すように、この特定された空き領域110内に第2情報コードC2が追加して表示(配置)される。
また、図4の例では、フレームQR100として構成される第2情報コードC2に対して、そのコード領域の空き領域110内に第1情報コードC1が表示(配置)されている。すなわち、図4(A)に示すように、表示媒体RにはQRコード等からなる第1情報コードC1が予め表示されている。そして、図4(B)に示すように、そのコード領域の空き領域110内に第1情報コードC1が位置するように第2情報コードC2がフレームQR100として追加して表示(配置)される。
ここで、フレームQR100の構成等について図7等を参照して説明する。なお、図1,図3,図4の例と図7右図の例では、セル配列や特定パターンのサイズ等が若干異なるが基本的な考えは同様であり、同様の特徴を有している。図7等に示すフレームQR100は、例えば上述の情報コード生成装置10によって生成されるものであり、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセル102(明色セル102a又は暗色セル102b)を配列した構成となっている。なお、フレームQR100において、「コード領域」は、複数配列された暗色セルを全て含み得る矩形状の領域であり、具体的には、3つの位置検出パターン(切り出しシンボル)104を全て含む最小の正方形領域又は長方形領域となっている。なお、図7等の例では、複数のセル102が、矩形状(例えば外径が正方形状)の明色(白色)セル102a又は暗色(黒色)セル102bのいずれかによって構成されており、コード領域の内部において後述する空き領域110の周囲にこれらセル102がマトリックス状に配置されている。明色セル102a及び暗色セル102bは、それぞれ白色セル、黒色セルに限られるものではなく、暗色セル102bが所定の明度で構成される場合、明色セル102aはそれよりも明度が高ければよい。また、フレームQR100において上記コード領域の周囲には、当該コード領域を取り囲むように明色又は暗色のマージン領域が構成されるようになっており、図7等の例では、明色(例えば、白色或いは暗色セルよりも明度の大きい他色)のマージン領域がコード領域の周囲に隣接して配置されている。
このフレームQR100は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。図7等のように、フレームQR100の特定パターンは、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番(図7の例では、JIS等で規格化されたQRコードの所定型番)の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図7等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。また、上記所定型番において予め定められた位置に、特定パターンとしてのタイミングパターン106やアライメントパターン108も設けられている。このように、フレームQR100では、予め定められた位置に決まった形状の特定パターン(位置検出パターン104(以下、特定パターン104とも称する)、タイミングパターン106、アライメントパターン108(図5では省略))が配置されるようになっている。なお、コード領域の内部において、後述する空き領域110以外の位置は、このような特定パターンの領域、記録領域(データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域のいずれかからなる領域)などによって構成されている。
フレームQR100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(コードワードの配置順序を特定するアドレス)等は読取装置がどのような方法で把握してもよい。例えば、フレームQR100の種別において複数の型番が設けられていてもよく、この場合、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードを配置する候補位置(アドレス)が予め定められていればよい。そして、上記型番を特定する型番情報がコード領域内の決められた位置(予約領域)に配置されていれば、読取装置はこの型番情報に基づいてフレームQR100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できるようになる。なお、この方法に限定されるものではなく、読取装置が把握し得る方法であれば他の方法でもよい。
そして、コード領域の内部において、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域以外の位置には、セル102によってデータが記録されない領域であり且つ誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域である空き領域110が、単一のセル102のサイズよりも大きいサイズで設けられている。なお、図7等の例では、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域がコード領域の周縁に沿って環状且つ矩形状に配置されており、コード領域の中央部(コード領域の中心を含む所定領域)に空き領域110が構成されている。なお、「セル102によってデータが記録されない領域」とは、即ち、フレームQR100において後述するデータコードワードや誤り訂正コードワードなどのコードワードが記録されない領域であり、且つフォーマット情報が記録されない領域であることを意味する。また、「誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域」とは、即ち、フレームQR100において誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いた誤り訂正が行われない領域であることを意味する。従って、空き領域110に何らかの表示がなされていても、空き領域110の周囲に存在する誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号によってその表示に対する誤り訂正がなされることはない。なお、図7の例では、空き領域110(画像領域)の境界を符号121で示しており、この境界121よりも内側が空き領域110となっている。
なお、以下の説明では、図7右図のような上記所定型番に対応する構成と、図7左図のような所定型番よりもサイズが小さい別の型番(Ver.番号)とが対応付けられ、図7右図のフレームQR100の各コードワードの位置と、図7左図の他種コード120の各コードワードの位置とが図7下図のような配置変換表によって対応付けられている例を代表例として説明する。この例では、図7左図の他種コード120で格納し得るデータ量であれば、図7右図のようなフレームQR100により空き領域110を設けた上で表現できるようになっている。逆に、図7右図のフレームQR100を読み取る場合には、フレームQR100の各コードワードを、図7左図のような他種コード120のコードワードとして読み取ることができるようになっている。
また、図7右図では、空き領域110の周囲に配置される各コードワードの領域を破線枠等によって概念的に示している。なお、図7右図では、一部のコードワードの領域のみを概念的に示し、残りのコードワードの領域の図示を省略しているが、空き領域110の周囲を埋めるように他のコードワードも配置することができる。また、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)は、所定種類のハッチングにて概念的に示している。なお、図7右図では、フォーマット情報を記録する領域や、コードワードを記録する領域では、升目のみを示し、明色セルや暗色セルの具体的配列を省略して示している。また、図7右図の例では、セル配列と対応付けるべく空き領域110(コード領域の中央部分)の内部にも升目を付しているが、空き領域110の構成は自由であり、図3,図4等のように構成してもよく、その他の構成であってもよい。
フォーマット情報(形式情報)は、例えば図8のように構成されてフレームQR100内の所定位置105(所定種類のハッチング位置)に特定のフォーマット構成で記録されている。このフォーマット情報は、誤り訂正レベルを特定する訂正レベル情報と、マスク番号を特定するマスク番号情報とを含んでいる。訂正レベル情報は、フレームQR100で用いる誤り訂正レベルを特定する情報であり、例えば他種コード120に変換して読み取る場合の当該他種コード120で用いる誤り訂正レベルにも相当する。また、マスク番号は、フレームQR100のコードワード領域(データコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスクがどのマスク種別であるかを特定する情報である。
図8に示すようにフォーマット情報は、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で記録されており、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報のマスク種別を識別することで、図7右図に示すような特定のコード種別(空き領域110を設けた種別)であることを検出できるようになっている。公知規格のQRコードでは、例えばモデル1として構成する場合には、図8のようなフォーマット情報に対してモデル1用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録し、モデル2として構成する場合には、図8のようなフォーマット情報に対してモデル2用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録するようになっている。一方、図7右図に示す本実施形態のフレームQR100(空き領域110を有する特別種類のコード)では、図8のようなフォーマット情報に対してモデル1、2とは異なる種類の特定マスク(図8ではフレームQR用と例示)をかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置105に記録するようになっている。そして、公知規格のモデル1及びモデル2、フレームQR100の種別のいずれの場合でも、記録する訂正レベル(訂正レベル情報)及びマスク番号(マスク番号情報)に対応するチェックデジットが付された上でフォーマット情報が構成されており、その上で各種別用のマスクがかけられるようになっている。具体的には、各種別用のマスクパターンを用いて公知の方法でマスク処理が行われ、マスク処理後のビットパターンが所定位置105に記録されるようになっている。従って、フレームQR100のようにフォーマット情報に対して特定マスク(図8ではフレームQR用と例示)をかけた上で所定位置105に記録する場合、このように所定位置105に記録された情報を上記特定マスクに基づいてマスク処理を解除して解読すればチェックデジットが合うため、フレームQR100の種別であることを特定することができる。逆に、フレームQR100の所定位置105のデータを、モデル1やモデル2のマスクに基づいてマスクを外しても、チェックデジットが合わなくなるため、公知規格のモデル1やモデル2でないことを特定することができる。
このフレームQR100では、特定パターン(位置検出パターン104等)を検出し、公知のQRコードと同様の方法でコード領域、コードの向き、各セル位置を特定した後、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報が記録された所定位置105を解読することで、解読時に成功したマスクの種別によりフレームQR100の種別(空き領域110を有する特別種類)であることを特定することができる。そして、解読されたフォーマット情報により、フレームQR100で用いる誤り訂正レベルを特定でき、且つフレームQR100のコードワード領域(セルによってデータコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスク種別を特定できるようになっている。
フレームQR100に記録する内容は、例えば、図5のような構成をなしており、データ配列の先頭部分にヘッダデータ(フレームQR用ヘッダー)が設定され、ヘッダデータの後に入力データ(解読対象データ)が続くようになっている。図5の例では、入力データ(解読対象データ)については、例えば公知の方法で圧縮し、データワード(データコードワード)に変換しているが、このような圧縮を行わなくてもよい。なお、フレームQR100で用いるヘッダデータは、以降の説明では、「フレームQR用ヘッダー」とも称する。また、本明細書では、このようなヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ)のデータワード(データコードワード)を記録する領域、及び上述のフォーマット情報を記録する領域が「データ記録領域」に相当する。また、図5の例では、ヘッダデータ(フレームQR用ヘッダー)として、後述する他種コード120(フレームQR100を解読するために用いるコード種別であり、配置変換表(図7)によってフレームQR100と対応付けられたコード)の種別(型番)を特定し得る情報(図5では、Ver.番号と例示)や、空き領域内の形式を特定し得る識別情報が記録されている。なお、図5の例では、ヘッダデータとして、他種コードの種類(Ver.番号)に加え、空き領域110の形式が図7等に示す画像形式あることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110(画像領域)の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されている。このうち、空き領域110の形式が画像形式であることを特定する情報(第1情報)は、画像領域の存在を示す「識別情報」の一例に相当する。また、空き領域110(画像領域)の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報)は、コード領域内における画像領域の位置を示す「位置データ」の一例に相当する。
図5、図7の例では、画像領域として構成される空き領域110の列位置及び行位置を特定し得る情報が画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。より具体的には、図7に示すような矩形状に構成されるフレームQR100を複数行且つ複数列に格子状に分割したときの空き領域110の左上の行位置及び列位置の組み合わせと、空き領域110の右下の行位置及び列位置の組み合わせとが画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。なお、図7のようにフレームQR100を格子状に分割したときの各行及び各列の幅は、それぞれ単一のセルの行方向の幅及び列方向の幅に相当している。
そして、図5に示すデータ構成では、入力データ(解読対象データであるデータワード)の後には誤り訂正符号となる誤り訂正コードワード(ECCワード)が続いている。フレームQR100では、この誤り訂正符号を記録する領域が誤り訂正符号記録領域となる。なお、データワード(図5の例ではヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ))に基づいて誤り訂正符号(誤り訂正コードワード)を生成する方法は、公知の二次元コード(QRコード等)の規格で定められた方法などを用いることができる。例えば、データワード(データコードワード)に基づいて誤り訂正コードワードを生成する方法として、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)などを用いることができる。なお、誤り訂正コードワードの生成方法はこれに限られず、公知の様々な方法を用いることができる。
また、フレームQR100では、解読対象データを表現する各データワード(データコードワード)や誤り訂正コードワードが予め定められた配置位置情報に基づいてコード領域内に配置されている。本構成では、図7のように、フレームQR100のコード領域内において予め各コードワードの配置候補位置が定められており、各配置候補位置にそれぞれ番号(アドレス)が割り当てられている。そして、配置位置情報は、図5に示す記録内容を構成する各コードワードをそれぞれどの配置候補位置に配置すべきかを特定する情報となっている。なお、図7右図の例では、1〜25番の配置候補位置を概略的に例示しており、各配置候補位置では、先頭と最後のビット部分に番号を付して明示している。また、図7右図では、26番以降の配置候補位置は省略している。
具体的には、他種コード120(公知のQRコード)の型番(図5に示すヘッダデータで特定される他種コード120の型番)では、各順番のコードワードを他種コード120内のどの位置に配置すべきかが公知規格等により予め定められており、他種コード120を解読する場合にはこのように定められた配置に基づいて各順番のコードワードを解読する。例えば、図7左図に示す他種コード120の例では、0番目のコードワードを右下に配置し、1番目のコードワードをその上に配置し、2番目のコードワードをその上に配置するといった具合に各コードワードの配置位置が予め決められている。従って、この他種コード120を解読する場合には、このように決められた配置に基づいて0番目のコードワード、1番目のコードワード、2番目のコードワード、3番目のコードワード・・・といった具合に順番に解読することになる。
一方、図7に示す配置位置情報(配置変換表)では、このように他種コード120で予め定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)の番号を、フレームQR100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)の番号にそれぞれ対応付けている。具体的には、「他種コード120における1番目のコードワードの配置位置がフレームQR100の1番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における2番目のコードワードの配置位置がフレームQR100の2番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における3番目のコードワードの配置位置がフレームQR100の3番目の配置候補位置に相当」といった情報が、例えばテーブルデータなどとしてそれぞれ記録されており、他種コード120における各番号のコードワードの配置位置を、フレームQR100の各配置候補位置にそれぞれ対応付けている。このように構成されているため、フレームQR100を解読する場合には、コード領域内の各配置候補位置のコードワード(各アドレスのコードワード)を配置位置情報(配置変換表)で対応付けられた他種コード120の各配置位置にそれぞれ配置し直し、このように配置し直された他種コード120を公知の方法で解読すれば良い。例えば、図7下図に示す配置変換表を用いてフレームQR100の解読を行う場合、フレームQR100の1番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における1番目のコードワードの配置位置に配置し、フレームQR100の2番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における2番目のコードワードの配置位置に配置し、フレームQR100のN番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120において当該N番目の配置候補位置に対応付けられているM番目のコードワードの配置位置に配置するといった具合にそれぞれ配置し直した上で、このように配置し直された他種コード(QRコード)を公知の方法で解読すればよい。なお、上述の配置位置情報(配置変換表)については、フレームQR100を生成する情報コード生成装置及びフレームQR100を読み取る情報コード読取装置(情報コード生成装置10の読取部20)に共通のデータ(共通の配置変換表)がそれぞれ設けられていることが望ましい。
(情報コードの生成処理)
次に、図9等を参照してフレームQR100を生成する情報コード生成処理及び情報コード生成方法について説明する。以下では、図7のように他種コード120がQRコード(登録商標)であり、フレームQR100がQRコードと同様の特定パターンを有する場合を例に挙げて説明する。
図9の情報コード生成処理は、情報コード生成装置10などフレームQR100を生成可能な情報コード生成装置によって行われる処理であり、この処理では、まず、外部からコード化するデータ(解読対象データ)と、属性データと、コード種別データ(フレームQR100を生成するか、一般的な二次元コード(例えば一般的なQRコード)を生成するかを特定するデータ)を取得する(S1)。
S1でデータを取得した後には、その取得したデータを圧縮する方法を公知の方法で定め(S2)、入力データを圧縮したデータ(解読対象データ)を複数のデータワード(データコードワード)で表現する(S3)。そして、S3の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別であるか否かを判断する。S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別である場合には、S4にてYesに進み、空き領域110を有するフレームQR100の種別で用いられる特有のヘッダデータ(上述)を生成し、図5のように複数のデータワードを含んだデータ配列の先頭にセットする(S5)。図5のヘッダデータには、上述したように、図7右図に示す他種コード120の種別(型番)を特定し得る情報(バージョン番号情報等)と、空き領域110の形式が画像形式であることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110(画像領域)の位置を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されることになる。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別でない場合(一般的な二次元コードを選択するデータ(例えば、モデル1又はモデル2を選択するデータ)である場合)には、S4にてNoに進む。
S4でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。一方、S4からS5に進む場合、S3、S5で生成された最終的なデータワード(ヘッダデータ及び入力データを表現する複数のデータコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。
S6の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別であるか否かを判断する(S7)。そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別でない場合には、S7にてNoに進み、公知の方法で二次元コード(例えばQRコード)を生成することになる。S7でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を格納しうるサイズの二次元コードの型番(この例では、規格化された公知のQRコードの複数の型番において、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納しうるサイズの型番)を決定し、当該型番で予め定められた配置パターンに従い、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを配置する(S9)。
一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別である場合には、S7にてYesに進み、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)と、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)と、空き領域と、を格納しうるフレームQR100の型番を決定する(S10)。なお、空き領域のサイズは、予め定められた一定サイズであってもよく、S10の前段階でユーザが入力などによって指定してもよい。また、空き領域のサイズは、行数及び列数で特定してもよく、何ワード分に相当するか、あるいは何セル分に相当するか等の情報によって特定してもよい。図7、図9の例では、例えばフレームQR100の種別で予め定められた複数の型番(サイズ)において、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番を決定することになる。なお、フレームQR100の種別で複数の型番を使用可能とする場合、各型番毎に、行数及び列数、特定パターンの形状及び配置、フォーマットデータの配置、各コードワードの配置候補位置をそれぞれ定めておけばよい。また、いずれの型番でも、図7右図のように外周側から順番に各コードワードの配置候補位置を定めるようにし(例えば、外周側から内側に渦巻き状に配置候補位置を順番に設定し)、番号が若い配置候補位置ほど外側とするように各コードワードの配置候補位置を定め、用意された配置候補位置の内、コードワードが配置されない部分(即ち、使用されない部分)については、空き領域として用いるようにすれば、中央部により広い空き領域を確保し易くなる。また、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番が複数存在する場合には、その中から一番小さい型番(サイズ)を決定するようにしてもよく、ユーザがその中からいずれかの型番(サイズ)を指定できるようにしてもよい。そして、フレームQR100を生成する際には、このように決定された型番において予め定められたサイズ(行数及び列数)、特定パターンの配置、コードワードの各配置候補位置を用いると共に、具体的な各コードワードの配置位置は、上述の配置変換表に従って決定することになる。なお、以下では、S10において図7右図のような型番が決定された例について具体的に説明する。
S10の後には、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を上述の配置位置情報(配置変換表)に基づいて配置することになる。情報コード生成装置では、上述の配置位置情報(配置変換表)が記憶部5に記憶されており、この配置変換表では、上述したように他種コード120で定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)を、フレームQR100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)にそれぞれ対応付けている。S11の処理では、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード))を、図6、図7左図で示す他種コード120(フレームQR100よりもサイズが小さく、且つS3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納し得るサイズの二次元コード)で表現するときの各コードワード(各順番のコードワード)の配置位置を特定した上で、それら各順番のコードワードを、配置位置情報(配置変換表)によって各順番のコードワードの配置位置に対応付けられているフレームQR100内の各配置候補位置に配置する。例えば、図7の配置位置情報(配置変換表)では、他種コード120での1番目のコードワードの配置位置と、フレームQR100の1番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワード)の内の1番目のコードワードについてはフレームQR100内の1番の配置候補位置に配置する。また、他種コード120での2番目のコードワードの配置位置と、フレームQR100の2番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワードの内の2番目のコードワードについてはフレームQR100内の2番の配置候補位置に配置する。このように、記録すべきコードワードにおいてN番目のコードワードを配置する他種コード120での配置位置(N番目のコードワードの配置位置)と、フレームQR100のM番の配置候補位置とが対応付けられていれば、記録すべきコードワードの内のN番目のコードワードについてはフレームQR100内のM番の配置候補位置に配置することになる。
つまり、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードだけなら、フレームQR100よりも小サイズの他種コード120(公知のQRコードとして構成されたもの)で表現できるが、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を格納する場合には、これよりも大きいサイズのフレームQR100によって表現する必要がある。そこで、本実施形態では、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を、他種コード120よりも大きいサイズのフレームQR100によって表し、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを他種コード120(公知のQRコード)で表現した場合のコードワードの各配置と、これよりも大きいサイズのフレームQR100に格納する場合のコードワードの各配置との対応関係を、予め定められた配置変換表によって特定できるようにしている。
なお、本構成では、図7のような「配置変換表」が「解読対象データを表現する複数のデータワードをコード領域に配置する際の各配置位置を特定する配置位置情報」の一例に相当しており、この配置変換表(配置位置情報)は、解読対象データを複数のデータワードで表現したときの各順番のデータワードと、各順番のデータワードのコード領域内での各配置位置とを対応付けて定める情報として構成されている。また、記憶部12が「配置位置情報記録部」の一例に相当し、このような配置変換表のデータ(配置位置情報)を記録するように機能する。なお、このような配置変換表のデータは、フレームQR100の読み取りが想定されている情報コード読取装置(情報コード生成装置10の読取部20)にも設けておくことになる。
S9又はS11の後には、S9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに対してかけるべきマスクパターンを公知の所定方法(例えばQRコードで用いられる公知方法)で決定し、その決定されたマスクパターンをS9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに反映するように公知のマスク処理方法でマスクをかける(S12)。そして、S12で設定したマスクパターンの情報(マスク番号)及び誤り訂正レベルの情報に基づいてチェックデジットを算出し、図8のように誤り訂正レベル、マスク番号、チェックデジットを含んだフォーマット情報を生成する(S13)。なお、フォーマット情報として記録するマスク番号や誤り訂正レベルなどのデータは、S1で入力できるようにしてもよい。
そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別である場合には、S14にてYesに進み、S13で生成されたフォーマット情報に、上述の特定マスク(フレームQRマスク)を反映するようにマスク処理を行う(図8参照)。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有するフレームQR100の種別でない場合には、S14にてNoに進み、S16で設定するマスクパターンとは異なるマスクパターンのマスク(モデル1のマスク又はモデル2のマスク)をセットする。S15又はS16によりフォーマット情報に対してマスクをかけた後には、そのマスク処理後のフォーマット情報をコード領域内の所定位置105に配置する(S17)。そして、このようにフレームQR100又は他の二次元コードが生成された後には、そのコードを表示媒体Rに対して印刷部15等によって所定の位置に印刷して配置(表示)する(S18)。
(運用例の概要)
次に、このように生成されるフレームQR100を利用した情報コード利用システム1の運用例について、図10および図11を参照して説明する。
以下の説明では、情報コード利用システム1は鉄道関連のシステムとして採用され、表示媒体Rは乗車券(以下、乗車券Rともいう)であって、情報コード生成装置10は改札出口手前等に設置されている乗り越し精算機として構成され、乗車券Rに表示される情報コードから読み取った情報に基づいて乗り越し精算等を行う場合について詳述する。
利用者が改札入口手前等に設置されている乗車券発券機にて降車駅までの運賃を支払って操作することで、乗車駅名および購入金額(降車駅)に応じた第1情報コードC1が表示された乗車券Rが発券される。ここで、第1情報コードC1は、図10(A)に例示するようにフレームQR100として構成されており、乗車駅名および購入金額(降車駅)に関する情報や購入日時等の情報が記録されるように乗車券Rに印刷されて表示される。また、乗車券Rには、第1情報コードC1とともに鉄道会社名や乗車駅名、購入金額や購入日等の情報が印刷されて表示される。
そして、利用者は、乗車券Rを乗車駅の改札機に読み取らせることでその改札機を通過して駅構内に入り、所望の車両に乗車して降車駅まで移動した後、降車駅の改札機に乗車券Rを読み取らせる。この降車駅の改札機にて乗車券Rに表示される第1情報コードC1が読み取られ、乗車券Rの購入料金で降車可能な駅での降車であることが確認されると、利用者の改札機の通過が許可される。
これに対して、利用者が、乗車券Rの購入料金で降車可能な降車駅よりも先の駅(変更後降車駅ともいう)まで乗り越す場合がある。この場合には、利用者は、変更後降車駅の改札出口手前等に乗り越し精算機として設置されている情報コード生成装置10に乗車券Rを読み取らせる。この情報コード生成装置10は、制御部11にて行われる情報コード生成処理により、支払われた乗り越し料金に応じた第2情報コードC2を乗車券Rに対して追加して印刷(配置)するように機能する。この第2情報コードC2は、乗り越し料金を支払ったことを示す情報が記録されるように生成される。
以下、情報コード生成装置10の情報コード生成処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
制御部11の情報コード生成処理は、利用者により差し出された乗車券Rが乗り越し精算機の移送手段(図示略)により所定の位置まで移送されたことが検知されることで開始される。まず、上記所定の位置に移送された乗車券Rの少なくとも第1情報コードC1が印刷される領域を読取部20の受光センサ23にて撮像する(S21)。S21で撮像された第1情報コードC1がフレームQR100として構成されることを認識することで、この第1情報コードC1を上述のように解読する(S22)。なお、読取部20は、「読取手段」の一例に相当し得る。
第1情報コードC1の読取結果から取得した乗車駅名および購入金額(降車駅)等に基づいて、変更後降車駅に応じた不足する追加料金を算出する(S23)。そして、S23で算出された追加料金を表示部13に表示し(S24)、利用者が追加料金を支払うことで乗り越し精算が完了したとしてS25にてYesに進む。
そして、乗り越し精算が完了したことを示す情報が取得されると、この取得情報に関連する情報や清算時刻等が含まれるように、空き領域110内に配置可能な所定の大きさにて第2情報コードC2を生成する(S26)。なお、S26を実行する制御部11は、「生成手段」の一例に相当し得る。
そして、S22にて第1情報コードC1を読み取ったときに検出された各位置検出パターン(特定パターン)104の位置に基づいて、第1情報コードC1の空き領域110の位置を特定する(S27)。なお、S27を実行する制御部11は、「空き領域検出手段」の一例に相当し得る。
そして、特定された第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2を追加配置するように印刷部15に対して印刷指示を出力する(S28)。これにより、図10(B)に示すように、乗車券Rにおいて第2情報コードC2が第1情報コードC1の空き領域110内に追加配置され、この乗車券Rを利用者に返却することで、情報コード生成処理が終了する。なお、印刷部15は、「配置手段」の一例に相当し得る。
その後、利用者は、乗り越し精算に応じて第2情報コードC2が追加配置された乗車券Rを変更後降車駅の改札機に読み取らせる。この改札機では、乗車券Rに表示される第1情報コードC1がまず読み取られ、第1情報コードC1に記録される情報では料金不足であると判断されて、次に、第1情報コードC1の空き領域110内の第2情報コードC2を読み取る。この第2情報コードC2の読み取りにより、乗り越し精算が完了していることが確認されると、利用者の改札機の通過が許可される。
なお、乗車券Rは、図10(A)(B)に示すように、発券時にフレームQR100として構成される第1情報コードC1が印刷され、乗り越し精算時に第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2が追加配置されることに限らず、図12(A)(B)に例示するように、発券時にQRコード等として構成される第1情報コードC1が印刷され、乗り越し精算時に空き領域110内に第1情報コードC1が位置するように第2情報コードC2がフレームQR100として追加配置されてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード生成装置10では、表示媒体Rに対して表示された第1情報コード(表示済みの情報コード)C1は、所定のコード領域の内部にセルを配列して構成され、このコード領域の内部に特定パターン領域、データ記録領域および空き領域110が設けられて形成されている。そして、読取部20による第1情報コードC1の読み取りに応じて第2情報コード(新たな情報コード)C2が上記空き領域110内に配置可能な大きさにて生成されると、この第2情報コードC2が印刷部15による印刷により表示媒体Rに対して上記空き領域110内に配置される。
これにより、上記空き領域110を利用することで表示スペースの効率化を図りつつ、この空き領域110を有する第1情報コードC1と第2情報コードC2とを区別して表示することができる。特に、使用者は、空き領域110を有する第1情報コードC1と第2情報コードC2とを視覚的に区別できるので、第1情報コードC1および第2情報コードC2の両コードが重なって表示されるためにデコードが失敗することを防止することができる。したがって、デコード成功率を低下させることなく表示スペースの効率化を図り得る情報コードを生成することができる。
さらに、検出された各位置検出パターン104の位置に基づいて空き領域110の位置が特定されると、このように特定された空き領域110内に第2情報コードC2が配置される。
これにより、上記コード領域における空き領域110の位置を特定しやすくなるので、第1情報コードC1と第2情報コードC2とが確実に区別されるように第2情報コードC2を空き領域110内に配置することができる。特に、上述のように第2情報コードC2が配置される位置が空き領域110内の所定の位置に限定される場合であっても、第2情報コードC2をその所定の位置に対して確実に配置することができる。
また、図4(A)(B)の構成を乗車券Rに適用した図12(A)(B)の例からわかるように、読取部20による図12(A)の第1情報コードC1の読み取りに応じて当該第1情報コードC1が内部に配置可能な空き領域110を有するように第2情報コードC2をフレームQR100として生成することができる。この場合、第2情報コードC2を、図12(B)に示すように、表示媒体Rに対して上記空き領域110内に第1情報コードC1が位置するように印刷部15により配置することができる。
このようにしても、上記空き領域110を利用することで表示スペースの効率化を図りつつ、第1情報コードC1と上記空き領域110を有する第2情報コードC2とを区別して表示することができる。この場合でも、使用者は、第1情報コードC1と上記空き領域110を有する第2情報コードC2とを視覚的に区別できるので、第1情報コードC1および第2情報コードC2の両コードが重なって表示されるためにデコードが失敗することを防止することができる。したがって、デコード成功率を低下させることなく表示スペースの効率化を図り得る情報コードを生成することができる。
特に、表示媒体Rは、乗車券であって、乗り越し精算が完了したことを示す情報が取得されると、この取得情報に関連する情報が含まれるように第2情報コードC2が生成される。
これにより、降車駅等を記録した情報コードが第1情報コードC1として印字(表示)された乗車券Rに対して、乗り越し精算が完了したことを示す情報が記録された第2情報コードC2を印字等で後から配置することができる。このため、乗り越し精算用の乗車券を新たに発行等することなく、1つの乗車券Rを利用して乗り越し精算まで行うことができる。
なお、第2情報コード(新たな情報コード)C2は、読取部20による第1情報コード(表示済みの情報コード)C1の読取結果に関連する情報の一部が記録されるように生成されてもよい。例えば、第1情報コードC1の読取結果として得られる乗車駅名および購入金額(降車駅)等の少なくともいずれか1つが記録されるように第2情報コードC2を生成することができる。
これにより、第2情報コードC2の読取結果と第1情報コードC1の読取結果とに基づいて、当該第2情報コードC2が第1情報コードC1の読取結果に関連する情報を記録した正当な情報コードであるか否かについて判断することができる。このため、不正な情報コードが上記空き領域110に配置されている場合であっても、その不正な情報コードが、配置されるべき第2情報コードC2と異なると容易に判断でき、乗車券Rに関する不正利用を確実に検出することができる。
また、第2情報コードC2が第1情報コードC1の読取結果に関連する情報の一部を記録するように生成される構成は、乗車券Rに適用されることに限らず、いずれか一方の情報コードが他方の情報コードの空き領域110内に配置される表示媒体R(図3または図4)に適用することで、真贋判定等、不正使用防止に利用可能な情報コードを生成することができる。
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る情報コード生成装置を有する情報コード利用システムについて、図13〜図16を参照して説明する。
本第2実施形態では、本発明の他の運用例として、情報コード生成装置10を改札機の一部として組み込むことで改札の通過を必要とする乗り換えに対応可能に構成される点が、上記第1実施形態に係る情報コード生成装置および情報コード利用システムと主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、情報コード生成装置10を改札機の一部として組み込むことで、乗車券Rに表示される情報コードを利用して改札の通過を必要とする乗り換えを可能とする情報コード利用システムを実現する。例えば、図13に例示するように、A路線のA4駅とB路線のB4駅との間で乗り換えが想定されるA路線およびB路線において、A路線のA1駅を乗車駅としB路線のB6駅を降車駅とするときでも、1つの乗車券Rで乗り換えを行うことができる。
具体的には、A路線のA1駅でB路線のB6駅までの乗車券Rを購入するとき、乗車券発券機では、予め設定されている規定の乗り換えルート(図13の例ではA4駅およびB4駅を経由するルート)に基づいて、乗換情報としてA1駅、A4駅、B4駅、B6駅に関する情報が記録されるように、第1情報コードC1がフレームQR100として表示された乗車券Rが発券される。そして、乗車駅での乗車券発券機にて図10(A)に例示するような乗車券Rが発券されると、乗換退場時におけるA4駅の改札機では図14(A)に例示するように乗換退場を示す第2情報コード(以下、乗換退場用コードC2aともいう)が追加配置され、乗換入場時におけるB4駅の改札機では図14(B)に例示するように乗換入場を示す第2情報コード(以下、乗換入場用コードC2bともいう)が追加配置される。そして、降車駅の改札機にて、第1情報コードC1、乗換退場用コードC2aおよび乗換入場用コードC2bが全て読み取られるか否かに基づいて、規定の乗り換えがなされているか否かを把握することができる。
なお、乗換退場用コードC2aを、乗換退場駅名および乗換退場時刻に加えて第1情報コードC1の記録内容の少なくとも一部が記録されるように生成することができる。また、乗換入場用コードC2bを、乗換入場駅名および乗換入場時刻に加えて第1情報コードC1の記録内容の少なくとも一部が記録されるように生成することができる。
そして、乗換退場用コードC2aおよび乗換入場用コードC2bの空き領域110内での位置は、その生成順に応じて予め設定されている。すなわち、乗車駅での改札を通過した後、最初に第1情報コードC1が読み取られることで生成される乗換退場用コードC2aが、空き領域110内の図14(A)に示す位置に配置され、次に第1情報コードC1が読み取られることで生成される乗換入場用コードC2bが、空き領域110内の図14(B)に示す位置に配置される。
以下、退場用の改札機における情報コード生成装置10にて実施される退場時情報コード生成処理と、入場用の改札機における情報コード生成装置10にて実施される入場時情報コード生成処理とについて、利用者がA路線のA1駅からB路線のB6駅まで乗車する場合を例に詳述する。
まず、A1駅から乗車した利用者がA4駅にて乗り換えのために改札を退場通過する場合の退場時情報コード生成処理について、図15に示すフローチャートを用いて詳述する。
制御部11の退場時情報コード生成処理は、利用者により差し出された乗車券Rが退場用の改札機の移送手段(図示略)により所定の位置まで移送されたことが検知されることで開始される。まず、上記所定の位置に移送された乗車券Rの少なくとも第1情報コードC1が印刷される領域を読取部20の受光センサ23にて撮像する(S31)。S31で撮像された第1情報コードC1がフレームQR100として構成されることを認識することで、この第1情報コードC1を上述のように解読する(S32)。この解読処理では、乗換情報としてA1駅、A4駅、B4駅、B6駅に関する情報を解読結果の少なくとも一部として取得することができる。
S32の後には、降車予定駅での降車であるか否かを判断する(S33)。そして、上述のようにA4駅にて乗り換えのために改札を退場通過しているため、S32の解読結果に基づいて降車予定駅での降車でないと判断されてS33にてNoに進み、既定の乗り換えであるとしてS34にてYesに進む。すなわち、S34は、読取部20による読取結果に基づいて第1情報コードC1を読み取った状態が改札の退場通過を必要とする乗り換え状態であるか否かについて判定する判定手段として機能する。そして、S35にて乗換退場駅名および乗換退場時刻に加えて第1情報コードC1の記録内容の少なくとも一部が記録されるように、空き領域110内の所定の位置に配置可能な所定の大きさにて乗換退場用コードC2aを生成する(S35)。
そして、S32にて第1情報コードC1を読み取ったときに検出された各位置検出パターン(特定パターン)104の位置に基づいて、第1情報コードC1の空き領域110の位置を特定し、この特定された空き領域110内において、乗換退場用コードC2aを配置すべき位置を上述のように生成順に応じて決定する(S36)。そして、決定された位置に乗換退場用コードC2aを追加配置するように印刷部15に対して印刷指示を出力する(S37)。これにより、図14(A)に示すように、乗車券Rにおいて乗換退場用コードC2aが第1情報コードC1の空き領域110内の所定の位置に追加配置され、この乗車券Rを利用者に返却することで、本退場時情報コード生成処理が終了する。
なお、A4駅と異なる駅にて改札を退場通過している場合には、S32の解読結果に基づいて既定の乗り換えでないと判断されてS34にてNoに進む。また、S32の解読が失敗している場合にもS33にてNo、S34にてNoに進む。この場合には、所定の警告音の発音や警告灯の点灯等がなされ、想定されていない改札の退場通過であることが報知される(S38)。
次に、A4駅にて乗換退場した利用者がB4駅にて乗り換えのために改札を入場通過する場合の入場時情報コード生成処理について、図16に示すフローチャートを用いて詳述する。
制御部11の入場時情報コード生成処理は、利用者により差し出された乗車券Rが入場用の改札機の移送手段(図示略)により所定の位置まで移送されたことが検知されることで開始される。まず、上記所定の位置に移送された乗車券Rの少なくとも第1情報コードC1が印刷される領域を読取部20の受光センサ23にて撮像する(S51)。S51で撮像された第1情報コードC1がフレームQR100として構成されることを認識することで、この第1情報コードC1を上述のように解読する(S52)。この解読処理では、乗換情報としてA1駅、A4駅、B4駅、B6駅に関する情報を解読結果の少なくとも一部として取得することができる。
S52の後には、乗車駅での乗車であるか否かを判断する(S53)。そして、上述のようにB4駅にて乗り換えのために改札を通過しているため、乗車駅での乗車でないと判断されてS53にてNoに進む。なお、A1駅の改札での入場通過であれば、S53にてYesに進み、本入場時情報コード生成処理が終了する。
そして、S52にて第1情報コードC1を読み取ったときに検出された各位置検出パターン(特定パターン)104の位置に基づいて、第1情報コードC1の空き領域110の位置を特定して検出する(S54)。そして、特定された第1情報コードC1の空き領域110内の情報コードを読取部20の受光センサ23にて撮像して解読する(S55)。このS55では、上記生成順に応じて空き領域110内における乗換退場用コードC2aの位置が決まっているため、乗換退場用コードC2aの位置を容易に特定でき、乗換退場用コードC2aを迅速に解読することができる。
そして、乗換退場用コードC2aの読取が成功すると、既定の乗り換えであるとしてS56にてYesに進む。すなわち、S56は、読取部20による読取結果に基づいて第1情報コードC1および乗換退場用コードC2aを読み取った状態が改札の入場通過を必要とする乗り換え状態であるか否かについて判定する判定手段として機能する。そして、乗換入場駅名および乗換入場時刻に加えて第1情報コードC1の記録内容の少なくとも一部が記録されるように、空き領域110内の所定の位置に配置可能な所定の大きさにて乗換入場用コードC2bを生成する(S57)。
そして、S54にて特定された第1情報コードC1の空き領域110内において、乗換入場用コードC2bを配置すべき位置を上述のように生成順に応じて決定する(S58)。そして、決定された位置に乗換入場用コードC2bを追加配置するように印刷部15に対して印刷指示を出力する(S59)。これにより、図14(B)に示すように、乗車券Rにおいて乗換入場用コードC2bが第1情報コードC1の空き領域110内の所定の位置に追加配置され、この乗車券Rを利用者に返却することで、本入場時情報コード生成処理が終了する。
なお、A1駅およびB4駅と異なる駅にて改札を入場通過している場合には、S55の解読結果に基づいて既定の乗り換えでないと判断されてS56にてNoに進む。また、S55の解読が失敗している場合にもS56にてNoに進む。この場合には、所定の警告音の発音や警告灯の点灯等がなされ、想定されていない改札の入場通過であることが報知される(S60)。
次に、B4駅にて乗換入場した利用者がB6駅にて改札を退場通過する場合の退場時情報コード生成処理について、図15に示すフローチャートを用いて詳述する。
S31で撮像された第1情報コードC1を上述のように解読することで、乗換情報としてA1駅、A4駅、B4駅、B6駅に関する情報を取得する(S32)。そして、降車予定駅での降車であるため、S33でYesに進み、S40にて乗り換えが必要な乗車券であるか否か判断される。上述のように乗換情報を取得しているため、乗り換えが必要な乗車券であるとしてS40でYesに進む。
そして、S32にて第1情報コードC1を読み取ったときに検出された各位置検出パターン(特定パターン)104の位置に基づいて、第1情報コードC1の空き領域110の位置を特定して検出する(S41)。そして、特定された第1情報コードC1の空き領域110内の情報コードを読取部20の受光センサ23にて撮像して解読する(S42)。このS42では、上記生成順に応じて空き領域110内における乗換退場用コードC2aおよび乗換入場用コードC2bの位置が決まっているため、両コードC2a,C2bの位置を容易に特定でき、これら両コードC2a,C2bを迅速に解読することができる。
そして、乗換退場用コードC2aおよび乗換退場用コードC2aの読取が成功すると、既定の乗り換えが行われているとしてS43にてYesに進み、本退場時情報コード生成処理が終了する。一方、乗換退場用コードC2aおよび乗換退場用コードC2aの少なくともいずれか1つの読み取りが失敗すると、既定の乗り換えが行われていないとしてS43にてNoに進む。この場合には、所定の警告音の発音や警告灯の点灯等がなされ、想定されていない改札の退場通過であることが報知される(S44)。
なお、乗り換えを必要としない乗車券Rにて降車予定駅で降車する場合には、S40にてNoに進み、本退場時情報コード生成処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード生成装置10では、表示媒体Rは、乗車券であって、読取部20による読取結果に基づいて第1情報コードC1を読み取った状態が改札の退場通過を必要とする乗り換え状態であると判定されると(S34でYes)、当該乗り換えに関する情報が含まれるように乗換退場用コードC2aが生成され、第1情報コードC1を読み取った状態が改札の入場通過を必要とする乗り換え状態であると判定されると(S56でYes)、当該乗り換えに関する情報が含まれるように乗換入場用コードC2bが生成される。
これにより、降車駅等を記録した情報コードが第1情報コードC1として印字(表示)された乗車券Rに対して、上記乗り換えに関する情報が記録された乗換退場用コードC2aや乗換入場用コードC2bを印字等で後から配置することができる。このため、改札の通過を必要とする乗り換え用の乗車券を新たに発行等することなく、1つの乗車券を利用して改札の通過を必要とする乗り換えまで行うことができる。
特に、第1情報コードC1が読み取られるごとに1つずつ第2情報コードC2(乗換退場用コードC2a、乗換入場用コードC2b)が生成される。そして、印刷部15により配置される乗換退場用コードC2aや乗換入場用コードC2bの空き領域110内での位置は、生成された生成順に応じて設定される。
これにより、複数の第2情報コードC2(乗換退場用コードC2a、乗換入場用コードC2b)が空き領域110内に配置される場合でも、その複数の第2情報コードC2のうちから読取対象となる情報コードをその生成順に基づいて容易に特定して読み取ることができる。
なお、例えば、図17に例示するように、D路線のD2駅とA路線のA2駅との間、A路線のA4駅とB路線のB4駅との間で乗り換えが想定されるような3つの路線において、D路線のD1駅を乗車駅としB路線のB5駅を降車駅とするときでも、1つの乗車券Rで乗り換えを行うことができる。この場合には、乗車券発券機では、予め設定されている規定の乗り換えルート(図17の例ではD2駅およびA2駅とA4駅およびB4駅とを経由するルート)に基づいて、乗換情報としてD1駅、D2駅、A2駅、A4駅、B4駅、B5駅に関する情報が記録されるように、第1情報コードC1がフレームQR100として表示された乗車券Rが発券される。
そして、規定の乗り換えルートに沿って乗り換えることで、入場時におけるD1駅の改札機では乗換情報としてD1駅に関する情報が照合される。そして、乗換退場時におけるD2駅の改札機では乗換情報としてD2駅に関する情報が照合され、空き領域110内に乗換退場用コードC2aが生成順に応じて印刷(配置)される。そして、乗換入場時におけるA2駅の改札機では乗換情報としてA2駅に関する情報が照合され、D2駅にて印刷された乗換退場用コードC2aが読み取られると、空き領域110内に乗換入場用コードC2bが生成順に応じて印刷(配置)される。そして、乗換退場時におけるA4駅の改札機では乗換情報としてA4駅に関する情報が照合され、空き領域110内に乗換退場用コードC2aが生成順に応じて印刷(配置)される。そして、乗換入場時におけるB4駅の改札機では乗換情報としてB4駅に関する情報が照合され、A4駅にて印刷された乗換退場用コードC2aが読み取られると、空き領域110内に乗換入場用コードC2bが生成順に応じて印刷(配置)される。そして、降車予定駅であるB5駅の改札機では乗換情報としてB5駅に関する情報が照合され、D2駅にて印刷された乗換退場用コードC2a、A2駅にて印刷された乗換入場用コードC2b、A4駅にて印刷された乗換退場用コードC2aおよびB4駅にて印刷された乗換入場用コードC2bがそれぞれ読み取られると、既定の乗り換えが行われていると判断される。例えば、4つの路線を経由して乗り換えを行う場合でも、上述のような処理構成とすることで、1つの乗車券Rで乗り換えを行うことができる。すなわち、2以上の路線を経由して乗り換えを行う場合でも上述のような処理構成とすることで、1つの乗車券Rで乗り換えを行うことができる。
なお、3以上の路線を経由して乗り換えを行う場合、不正利用を確実に報知するため、改札機での情報コード生成装置10では、直近の乗換退場用コードC2aまたは乗換入場用コードC2bを照合対象とすることに限らず、その乗り換えにおいてこれまでに空き領域110内に配置された全ての第2情報コードC2を照合対象としてもよい。この場合、情報コード生成装置10は、管理対象の各路線における乗り換えに関する情報をまとめた乗換照合リストを予めその記憶部12に記憶させることができる。そして、例えば、図17の例では、乗換入場時におけるB4駅の改札機の情報コード生成装置10にて、D2駅にて印刷された乗換退場用コードC2a、A2駅にて印刷された乗換入場用コードC2bおよびA4駅にて印刷された乗換退場用コードC2aの全ての第2情報コードC2を照合対象とすることができる。
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る情報コード生成装置を有する情報コード利用システムについて、図18および図19を参照して説明する。
本第3実施形態では、本発明の他の運用例として、フレームQR100として構成される第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2を追加配置することで表示媒体Rを集計用紙として利用する点が、上記第1実施形態に係る情報コード生成装置および情報コード利用システムと主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、図18に例示するように、表示媒体Rが投票用紙(以下、投票用紙Rともいう)として採用されており、この投票用紙Rには、選挙候補者ごとにフレームQRとして構成される第1情報コードC1がそれぞれ表示されている。図18の例では、6人の選挙候補者がいることから、6つの第1情報コードC1a〜C1fが投票用紙Rに表示されている。各第1情報コードC1a〜C1fには、それぞれ同じ外形形状であって、選挙候補者の指名、政策、キャッチコピーなど、その選挙候補者に関する情報が記録されている。また、各第1情報コードC1a〜C1fの空き領域110は、それぞれ同じ形状であって、その空き領域110内には、対応する選挙候補者に関する情報がそれぞれ表示されている。なお、各第1情報コードC1a〜C1fは、便宜上同じセル配列として図示されているが、それぞれ記録される情報が異なるために、それぞれ異なるセル配列にて構成されるものである。
このため、空き領域110内の選挙候補者に関する情報を見て、投票者が興味をもった選挙候補者の第1情報コードC1を読み取り可能な携帯電話やスマートフォン等の携帯端末を用いて読み取る場合には、その選挙候補者に関する情報を取得することができる。
そして、投票用紙Rとは別に、投票前に各投票者に対してそれぞれ1つずつ配布される貼付票S(図19参照)が用意されている。この貼付票Sは、空き領域110よりも小さくなるように形成され、その表面には他の貼付票Sと区別するための固有のID等が記録された第2情報コードC2が表示され、裏面が貼り付け可能なシール状になっている。なお、本実施形態では、第2情報コードC2は、例えば、QRコードとして構成されているが、これに限らず、フレームQRとして構成しその空き領域に複製防止用のホログラム等が配置されるように構成されてもよい。また、固有のID等は、投票者を特定するための個人情報とは関連付けられてはいない。
投票用紙Rおよび貼付票Sは、投票前に投票案内はがきの代わりとして、投票者に送付される。投票者は、投票期日になると、投票用紙Rおよび貼付票Sを携帯して投票所へ行く。投票所入口には第2情報コードC2を読取可能な情報コード読取装置が設置されており、投票者に対して貼付票Sの第2情報コードC2を情報コード読取装置に読み取らせることが要求される。情報コード読取装置は、第2情報コードC2に記録されている固有のID等を読み取り、所定のデータベースを参照することで、その固有のID等がこれまでに読み取られているか否かを判断し、1度でも情報コード読取装置にて読み取られているときは、不正と判断する。なお、フレームQRとして構成される第2情報コードC2の空き領域内にホログラム等が表示された貼付票Sであれば、そのホログラム等を確認することによって、その貼付票Sが不正に発行されたかどうかをより厳密に検査することができる。そして、貼付票Sの第2情報コードC2がこれまでに読み取られていないことが判断できたとき、投票所の入口を通過できるしくみになっている。
投票所の入口を通過した投票者は、投票用紙Rに表示された各候補者のうち、投票をする候補者を選択し、その選択した候補者に対応する第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2が配置されるように、貼付票Sを投票用紙Rに貼付する。例えば、第1情報コードC1aに対応する候補者を選択する場合には、投票者は、図19に示すように、第1情報コードC1aの空き領域110内に第2情報コードC2が配置されるように、貼付票Sを投票用紙Rに貼付する。そして、このように貼付票Sが貼り付けられた投票用紙Rを投票箱へ投票することで、投票作業が終了する。なお、貼付票Sの投票用紙Rへの貼付は、投票所にて行われることに限らず、投票所に行く前に事前に行われてもよい。
次に、上述のように投票された投票用紙Rの開票および得票数の集計作業について説明する。
開票および得票数の集計作業は、投票用紙Rに対して、第1情報コードC1および第2情報コードC2を読取可能な情報コード読取装置を使用して行う。まず、情報コード読取装置を用いて投票用紙Rの紙面を撮像し全ての情報コードの読取りを行う。この読み取りの際、第2情報コードC2が読み取れない場合には、その投票用紙Rを無効投票とする。第2情報コードC2が読み取れると、その第2情報コードC2が空き領域110内に位置する第1情報コードC1を特定する。第2情報コードC2がどの空き領域110内に配置されているかを特定する方法は、例えば、第2情報コードC2の位置検出パターン104がどの第1情報コードC1の位置検出パターン104から特定される領域内に配置されているかによって行ってもよい。また、各第1情報コードC1a〜C1fをそれぞれ読取ることによって特定された空き領域110内に第2情報コードC2が配置されているかによって行ってもよい。
上述のように複数の第1情報コードC1から第2情報コードC2が空き領域110内に位置する1つの第1情報コードC1(図19の例では第1情報コードC1a)を特定すると、その特定された第1情報コードC1の解読結果の少なくとも一部と第2情報コードC2の解読結果の少なくとも一部とを関連付けて集計用のデータベースへ記録する。そして、全ての投票者が投票した投票用紙Rの読取処理および集計処理を行い、第1情報コードC1ごとに関連付けられる第2情報コードC2の数をそれぞれ集計する。
以上説明したように、本実施形態では、選挙候補者ごとにフレームQRとして構成される第1情報コードC1がそれぞれ表示される投票用紙Rに対して、選択された候補者に対応する第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2が配置される。これにより、候補者ごとに投票者が入れた票を容易に確認することができる。特に、投票時に誤記による票が無効かどうかを判断する必要がなくなり、集計時に集計者が目視で確認する作業がなくなるため、ヒューマンエラーによる集計ミスを抑制させることができる。
なお、本実施形態に係る特徴的構成は、投票用紙の集計作業に採用されることに限らず、他の集計作業に採用されてもよい。例えば、複数の選択肢ごとにフレームQRとして構成される第1情報コードC1をそれぞれ表示媒体Rに表示し、選択された項目に対応する第1情報コードC1の空き領域110内に第2情報コードC2が配置される構成において、選択された項目を集計する集計作業に採用されてもよい。このような構成でも、選択された項目を容易に確認でき、集計ミスも抑制できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)第2情報コードC2は、印刷部15を用いて表示媒体Rに印刷されることで配置されることに限らず、例えば、第2情報コードC2が表示された用紙を機械的または手作業で表示媒体Rに貼り付け等することで配置してもよい。この場合、第2情報コードC2が表示された用紙を貼り付け等する構成が「配置手段」の一例に相当し得る。
(2)第1情報コードC1および第2情報コードC2のいずれか一方がフレームQR100として構成される他方の情報コードの空き領域110内に配置される表示媒体Rは、上記第1,2実施形態のような乗車券に適用されることに限らず、例えば、複数の情報コードを表示しつつその表示スペースの効率化が図られる駐車券等の表示媒体に適用することもできる。