JP6447059B2 - 車両用デフロスタ装置 - Google Patents
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Description
車両前席の側方の主サイドウィンドガラスと、前記車両前席の前側方の副サイドウィンドガラスとにダクトからの空気を吹き付ける車両用デフロスタ装置に関する。
特許文献1に開示されているように、前記副サイドウィンドガラスを備えた副サイドウィンドには、窓枠部材を覆うトリムを設けてある。
従来、前記副サイドウィンドガラスに空気を吹き付ける副空気吹き出し口を、車両前後方向に沿う下側のトリム部分に形成し、主サイドウィンドガラスに空気を吹き付ける主空気吹き出し口を、インストルメントパネルの側部の上面に形成してあった。
これにより、前記副空気吹き出し口が主空気吹き出し口に対し、斜め後ろ側にある程度離れて位置するようになっていた。
その結果、ダクト内を流れる空気の圧力損失が生じて送風性能が低下するという問題や、ダクトの重量が増加するという問題があった。
また、
(1) 副空気吹き出し口の近傍で、副ダクトを車体あるいはインストルメントパネル本体に締め付け固定する必要があることから締め付け固定箇所が増加し、
(2) ダクトをブロー成形した後、主空気吹き出し口を形成するためのダクトのカット工程だけでなく、副空気吹き出し口を形成するためのダクトのカット工程も必要になってカット工数が増加し、
(3) 組み付け工程では、インストルメントパネルを車体に取り付けた後に前記トリムを車体に取り付けているために、副ダクトの開口の周縁部と、トリムに形成された副空気吹き出し口の周縁部との間に、これら両者の位置ずれ対策としてパッキンを介在させなければならなかった。
以上の(1)〜(3)により、従来の技術では、製作コストが増加し、ダクトの重量がより増加するという問題もあった。
本発明の目的は、送風性能を向上させることができ、製作コストを低減でき、軽量化できる車両用デフロスタ装置を提供する点にある。
車両前席の側方の主サイドウィンドガラスと、前記車両前席の前側方の副サイドウィンドガラスとにダクトからの空気を吹き付ける車両用デフロスタ装置において、
インストルメントパネルの側部の表面に、前記主サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す主空気吹き出し口と、前記副サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す副空気吹き出し口とを並べて開口形成し、
前記ダクトの排気口部を、互いに連通する主排気口部分と副排気口部分とから構成し、
前記主排気口部分を前記主空気吹き出し口に連通接続するとともに、前記副排気口部分を前記副空気吹き出し口に連通接続し、
前記ダクト内を流れる空気を、前記主排気口部分及び前記主空気吹き出し口に向かう空気と、前記副排気口部分及び前記副空気吹き出し口に向かう空気とに分配する分配壁部を前記ダクトの後部の内周部に設けたことを特徴とする。(請求項1)
[イ] インストルメントパネルの側部の表面に、主空気吹き出し口と副空気吹き出し口とを並べて形成してあるから、主副両空気吹き出し口を近接させることができる。
その結果、ダクトの一つの排気口部に主副の両空気吹き出し口を形成することができ、主空気吹き出し口に向かって空気を流すダクトから、副空気吹き出し口に向かって空気を流すダクトを分岐させる必要がない。従って、ダクト内での空気の圧力損失を抑制でき、送風性能を向上させることができる。
例えば、主空気吹き出し口に空気を送る主ダクトから分岐する副ダクト(分岐ダクト)を設け、この副ダクトで副空気吹き出し口に空気を送るよう構成した場合、副空気吹き出し口の近傍で、副ダクトを車体あるいはインストルメントパネル本体に締め付け固定する必要があり、締め付け固定箇所が増加する。しかしながら、本発明の上記構成によれば、このような締め付け固定個所を設ける必要がなく、車体あるいはインストルメントパネル本体へのダクトの固定のための締め付け固定個所の数を少なくすることができる。
さらに、ダクトをブロー成形した後、主空気吹き出し口と副空気吹き出し口とを形成するためのダクトのカットを一挙に行うことができてカット工数が一つで済む。つまり、ダクトを製作する工数を少なくすることができる。
また、ダクトの排気口部と主空気吹き出し口及び副空気吹き出し口とを正確に重ね合わせることができる。従って、これらの間にパッキンを介在させる必要がなく、パッキンに要する材料コスト及び組み付けコストをなくすことができる。
以上により、製作コストを低減でき、ダクトを軽量化することができる。また、組み付け性を向上させることができる。(請求項1)
また、
[ロ] 主空気吹き出し口に空気を送るダクトから分岐する副ダクト(分岐ダクト)を設けなくても、前記ダクト内を流れる空気を、前記主空気吹き出し口に向かう空気と、前記副空気吹き出し口に向かう空気とに確実に分配することができる。これにより、製作コスト面、重量面で有利になる。 (請求項1)
車両前席の側方の主サイドウィンドガラスと、前記車両前席の前側方の副サイドウィンドガラスとにダクトからの空気を吹き付ける車両用デフロスタ装置において、
インストルメントパネルの側部の表面に、前記主サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す主空気吹き出し口と、前記副サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す副空気吹き出し口とを、前記インストルメントパネルの表面に車幅方向に並べて開口形成したことを特徴とする。(請求項2)
前記[イ]と同様の作用を奏することができる。
また、インストルメントパネルは車幅方向に長いので、インストルメントパネルの車幅方向のスペースを有効利用して、主空気吹き出し口と副空気吹き出し口とをインストルメントパネルの表面に形成することができる。(請求項2)
前記主空気吹き出し口から吹き出す空気を、前記主副両サイドウィンドガラス間のピラーの車両後方側の面で前記主サイドウィンドガラスにガイドし、
前記副空気吹き出し口から吹き出す空気を、前記ピラーの車両前方側の面で前記副サイドウィンドガラスにガイドすることを特徴とすると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記主空気吹き出し口と前記副空気吹き出し口とを、前記インストルメントパネルの表面に車幅方向に並べて配置したことを特徴とすると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
送風性能を向上させることができ、製作コストを低減でき、軽量化できる車両用デフロスタ装置を提供することができた。
図1に、自動車の車室内の右側前部を示してある。左右一対のフロントピラー1間には樹脂製のインストルメントパネル2が位置し、前席の側方にはサイドドア3が位置している。
図5(a)に示すように、デフロスタ装置7は、空調装置(図示せず)から送出される空気を車両後方側Rrに向かって流す角筒状のダクト8を備えている。また、図1,図2,図5(a)に示すように、前記フロントピラー1の車室内側W1に位置するインストルメントパネル2の上壁4の表面に、主サイドウィンドガラスG1に向かって空気を吹き出す主空気吹き出し口9と、副サイドウィンドガラスG2に向かって空気を吹き出す副空気吹き出し口10とを車幅方向に並べて開口形成してある。主空気吹き出し口9は副空気吹き出し口10よりも車両の左右中心側(車室内側W1)に位置する。
図3(a),図3(b),図5(a),図5(b)に示すように、前記ダクト8は、上壁11・下壁12・車両の左右中心側(車室内側W1)の第1側壁13・車室外側W2の第2側壁14を備えている。このダクト8は、車両後方側Rrほど上方に位置するように後ろ上がりに傾斜するとともに(図4(a)参照)、車両後方側Rrほど車幅方向外側W2に位置するように傾斜している(図5(a)参照)。
図3(a),図3(b)に示すように、前記ダクト8の排気口部8Hを、互いに車幅方向に連通する主排気口部分8H1と副排気口部分8H2とから構成してある。そして、図4(a),図4(b)に示すように、主排気口部分8H1を前記主空気吹き出し口9に連通接続し、図5(a),図5(b)に示すように、副排気口部分8H2を前記副空気吹き出し口10に連通接続してある。
そして、前記第2側壁14の上端部14Jの傾斜角を大きくして、前記上端部14Jを図5(b)の第4仮想線L4上に位置させた場合、空気を図5(a)の矢印E方向に吹き出して、副サイドウィンドガラスG2の上側に当てることができる。
インストルメントパネル2の側部の表面に、主空気吹き出し口9と副空気吹き出し口10とを並べて形成してあるから、主副の両空気吹き出し口9,10を近接させることができる。
その結果、ダクト8の一つの排気口部8Hに主副の両空気吹き出し口8H1,8H2を形成することができ、主空気吹き出し口9に向かって空気を流すダクト8から、副空気吹き出し口10に向かって空気を流す分岐ダクト(図示せず)を分岐させる必要がない。従って、ダクト8内での空気の圧力損失を抑制でき、送風性能を向上させることができる。
例えば、主空気吹き出し口9に空気を送るダクトから分岐する副ダクト(分岐ダクト)を設け、この副ダクトで副空気吹き出し口10に空気を送るよう構成した場合、副空気吹き出し口10の近傍で、副ダクトを車体あるいはインストルメントパネル本体に締め付け固定する必要があり、締め付け固定箇所が増加する。しかしながら、本発明の上記構成によれば、このような締め付け固定個所を設ける必要がなく、車体あるいはインストルメントパネル本体へのダクト8の固定のための締め付け固定個所の数を少なくすることができる。
図3(a),図3(b)の符号30は、ダクト8のフランジ8Fに設けた舌片である。この舌片30に形成したスクリュー挿通孔30Hにスクリューを挿通させるとともに、そのスクリューをインストルメントパネル本体のスクリュー孔に螺合して、前記ダクト8をインストルメントパネル本体に締め付け固定する。
本発明によれば、ダクト8をブロー成形した後、主空気吹き出し口9と副空気吹き出し口10とを形成するためのダクト8のカットを一挙に行うことができてカット工数が一つで済む。つまり、ダクト8を製作する工数を少なくすることができる。
また、ダクト8の排気口部8Hと主空気吹き出し口9及び副空気吹き出し口10とを正確に重ね合わせることができる。従って、これらの間にパッキンを介在させる必要がなく、パッキンに要する材料コスト及び組み付けコストをなくすることができる。
以上により、製作コストを低減でき、ダクトを軽量化することができる。また、組み付け性を向上させることができる。
1A1 ピラーの車両前方側の面
1A2 ピラーの車両後方側の面
2 インストルメントパネル
8 ダクト
8H ダクトの排気口部
8H1 主排気口部分
8H2 副排気口部分
9 主空気吹き出し口
10 副空気吹き出し口
31 分配壁部
Fr 車両前方側
G1 主サイドウィンドガラス
G2 副サイドウィンドガラス
Claims (4)
- 車両前席の側方の主サイドウィンドガラスと、前記車両前席の前側方の副サイドウィンドガラスとにダクトからの空気を吹き付ける車両用デフロスタ装置において、
インストルメントパネルの側部の表面に、前記主サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す主空気吹き出し口と、前記副サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す副空気吹き出し口とを並べて開口形成し、
前記ダクトの排気口部を、互いに連通する主排気口部分と副排気口部分とから構成し、
前記主排気口部分を前記主空気吹き出し口に連通接続するとともに、前記副排気口部分を前記副空気吹き出し口に連通接続し、
前記ダクト内を流れる空気を、前記主排気口部分及び前記主空気吹き出し口に向かう空気と、前記副排気口部分及び前記副空気吹き出し口に向かう空気とに分配する分配壁部を前記ダクトの後部の内周部に設けたことを特徴とする車両用デフロスタ装置。 - 車両前席の側方の主サイドウィンドガラスと、前記車両前席の前側方の副サイドウィンドガラスとにダクトからの空気を吹き付ける車両用デフロスタ装置において、
インストルメントパネルの側部の表面に、前記主サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す主空気吹き出し口と、前記副サイドウィンドガラスに向かって空気を吹き出す副空気吹き出し口とを、前記インストルメントパネルの表面に車幅方向に並べて開口形成したことを特徴とする車両用デフロスタ装置。 - 前記主空気吹き出し口から吹き出す空気を、前記主副両サイドウィンドガラス間のピラーの車両後方側の面で前記主サイドウィンドガラスにガイドし、
前記副空気吹き出し口から吹き出す空気を、前記ピラーの車両前方側の面で前記副サイドウィンドガラスにガイドすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用デフロスタ装置。 - 前記主空気吹き出し口と前記副空気吹き出し口とを、前記インストルメントパネルの表面に車幅方向に並べて配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用デフロスタ装置。
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