以下図面を参照して、受信回路及びその制御方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
実施形態に係る受信回路は、受信回路は、取込回路と、補正量生成回路と、デューティ比補正回路とを有する。取込回路は、同一の周期を有する第1クロックの第1エッジ〜第4クロックの第4エッジで、第1エッジ、第3エッジ、第2エッジ及び第4エッジの順にデータを取り込む。補正量生成回路は、取込回路が第1エッジ〜第4エッジでデータをπ/2の位相差で取り込むように、データのバウンダリで取り込んだデータとデータの中央で取り込んだデータとを比較して補正量を生成する。ここで、データのバウンダリで取り込んだデータは、1ビットに相当するデータの端部で取り込んだデータであり、データの中央で取り込んだデータは、1ビットに相当するデータの中央で取り込んだデータである。デューティ比補正回路は、補正量に応じて第1クロック〜第4クロックのデューティ比を補正する。実施形態に係る受信回路は、取込回路で取り込んだデータを使用して第1クロック〜第4クロックのデューティ比を補正するので、第1クロックの第1エッジ〜第4クロックの第4エッジを所望のタイミングに調整できる。
(通信システムの構成)
図1は、実施形態に係る通信システムの回路ブロック図である。
通信システム1は、送信回路(Tx)2と、伝送線路3と、受信回路(Rx)4と、受信回路4を制御する制御部20を有する。送信回路2は、送信信号を送信するドライバ5を有する。受信回路4は、アナログ等化回路(Analog Equlizer)6と、取込回路(Decision Latch)7と、デマルチプレクサ8と、クロックデータ再生回路9とを有する。受信回路4は、位相がπ/2ずつ相違する4つのクロックを生成する4相クロック生成回路10と、位相補間回路(Phase interpolator:PI)11と、デューティ比補正回路(Duty-Cycle Corrector:DCC)12と、スイッチ制御回路13とを更に有する。
送信回路2から送信された信号は、伝送線路3を経て、受信回路4に受信される。伝送線路3の周波数特性のため、送信信号波形の高周波成分が失われ、受信回路4の受信波形は劣化する。システムの各部における信号の状態例が、図1の下側に示されている。劣化が大きく正しくデータが受信されない場合には、受信回路4のアナログ等化回路6が等化処理を行い信号波形の劣化を補正した後、取込回路7がデータを取り込む。取込回路7は、位相がπ/2ずつ相違する4つのクロックを使用して、DDR(Double Data Rate)のように、クロックの1周期当たり2つのデータを取り込む。このとき、2つのクロックがデータの両側のバウンダリでデータを取り込み、他の2つのクロックがデータの中央でデータを取り込む。クロックデータ再生回路9は、取込回路7が取り込んだデータを基に、受信信号に含まれるデータとデータを取り込むクロックのエッジとの位相関係を示す情報を生成する。
4相クロック生成回路10は、エッジの位相がπ/2相違する2つのクロックと、エッジの位相がπ/2相違する2つのクロックのそれぞれを反転した2つの反転クロックを生成する。すなわち、4相クロック生成回路10は、一方のクロックの立上りエッジと他方のクロックの立下りエッジが略同一時間に遷移し、且つ一方のクロックの立下りエッジと他方のクロックの立上りエッジが略同一時間に遷移する2対のクロック対を生成する。4相クロック生成回路10が生成するクロック対の間の位相差は略π/2である。位相補間回路11は、クロックデータ再生回路9が生成した位相情報を使用して、4相クロック生成回路10が生成した4つのクロックの位相を補間して、データを取り込むクロック対とデータのバウンダリを検出するクロック対とを生成する。デューティ比補正回路12は、クロックデータ再生回路9が生成した情報を使用して、取込回路7がπ/2の位相差でデータを順次取り込むように、位相補間回路11から出力されるクロックのデューティ比を補正する。位相補間回路11は、データが、通信システム1を初期化する初期化期間に受信するテストデータであるか、又は通信システム1の初期化後に実際の処理を実行する間に使用されるデータであるかにかかわらず、クロックの位相を補間する処理を実行する。一方、デューティ比補正回路12は、初期化期間にクロックのデューティ比を補正する処理を実行する。スイッチ制御回路13は、制御部20から入力される信号に応じてCDR9の内部に配置されるスイッチをオンオフする。
(受信回路の構成)
図2は、受信回路4の回路ブロック図である。受信回路4は、アナログ等化回路6〜デューティ比補正回路12に加えて、それぞれが複数段のバッファで形成される第1クロックバッファ131〜第4クロックバッファ134を更に有する。図2では、アナログ等化回路6及び4相クロック生成回路10は省略される。図2では、アナログ等化回路6で等化処理された受信信号が取込回路7に入力され、4相クロック生成回路10で生成された互いに位相が略π/2相違する4相クロックが位相補間回路11に入力される。
取込回路7は、第1ラッチ回路21と、第2ラッチ回路22と、第3ラッチ回路23と、第4ラッチ回路24とを有する。通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第1ラッチ回路21及び第2ラッチ回路22は受信信号に含まれるデータを取り込み、第3ラッチ回路23及び第4ラッチ回路24は受信信号に含まれる1ビットに相当するデータの端部の近傍でデータを取り込む。
第1ラッチ回路21は、第1クロックDCKAの立上がりエッジである第1エッジで受信信号に含まれるデータを取り込む。通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第2ラッチ回路22は、第1クロックDCKAの第1エッジとの位相差が略πである第2クロックDCKAXの立上がりエッジである第2エッジで受信信号に含まれるデータを取り込む。第2ラッチ回路22は第1ラッチ回路21が取り込んだデータに次いで入力されるデータを取り込み、第1ラッチ回路21は第2ラッチ回路22が取り込んだデータに次いで入力されるデータを取り込む。すなわち、通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第1ラッチ回路21及び第2ラッチ回路22は、交互にデータを取り込む。
第3ラッチ回路23は、第1クロックDCKAの第1エッジとの位相差が略π/2である第3クロックDCKBの立上がりエッジである第3エッジでデータを取り込む。通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第3ラッチ回路23は、第1ラッチ回路21で取り込まれるデータと、次いで第2ラッチ回路22で取り込まれるデータの間のバウンダリ、すなわち1ビットに相当するデータの端部で取り込む。第4ラッチ回路24は、第1クロックDCKAの第1エッジとの位相差が略3π/2である第4クロックDCKBの立上がりエッジである第4エッジでデータを取り込む。第4ラッチ回路24は、通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第2ラッチ回路22で取り込まれるデータと、次いで第1ラッチ回路21で取り込まれるデータの間のバウンダリにおけるデータを取り込む。通信システム1が初期化後に実際の処理を実行するとき、第3ラッチ回路23及び第4ラッチ回路24は、交互にデータのバウンダリにおけるデータを取り込む。
デマルチプレクサ8は、第1データデマルチプレクサ31と、第2データデマルチプレクサ32と、第1バウンダリデマルチプレクサ33と、第2バウンダリデマルチプレクサ34とを有する。第1データデマルチプレクサ31は、第1ラッチ回路21が取り込んだシリアルデータをパラレルデータとして順次出力する。同様に、第2データデマルチプレクサ32〜第2バウンダリデマルチプレクサ34のそれぞれは、第2ラッチ回路22〜第4ラッチ回路24のそれぞれが取り込んだシリアルデータをパラレルデータとして順次出力する。
クロックデータ再生回路9は、入力スイッチング回路40と、第1位相検出回路41と、第2位相検出回路42と、位相補間量生成回路43と、デューティ比補正量生成回路44とを有する。クロックデータ再生回路9は、第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの位相を調整するために使用される位相補間量を生成する位相補間量生成回路として機能する。また、クロックデータ再生回路9は、取込回路7が第1エッジ〜第4エッジでデータをπ/2の位相差で取り込むように、第1エッジ〜第4エッジのそれぞれで取り込んだデータから補正量を生成する補正量生成回路として機能する。入力スイッチング回路40は、第1スイッチング状態と第2スイッチング状態との2つの状態を切り換える。第1スイッチング状態はデューティ比を補正するときに使用される状態であり、第2スイッチング状態はデューティ比を補正するときのみならず、通信システム1の初期化後に実際の処理を実行するときにも使用される状態である。第1スイッチング状態では、クロックデータ再生回路9は、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXが受信信号に含まれるデータのバウンダリに位置するように第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの位相を調整する。一方、第2スイッチング状態では、クロックデータ再生回路9は、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXが受信信号に含まれるデータのバウンダリに位置するように第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの位相を調整する。また、第1スイッチング状態では、クロックデータ再生回路9は、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正する。一方、第2スイッチング状態では、クロックデータ再生回路9は、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正するように動作する。第1スイッチング状態と第2スイッチング状態との間の切替えは、制御部20から入力される信号に応じてスイッチ制御回路13が実行する。
図3は第1スイッチング状態のときの受信回路4を示す回路ブロック図であり、図4は第2スイッチング状態のときの受信回路4を示す回路ブロック図である。図3及び4において、実線は信号が通過する配線を示し、破線は信号が通過しない配線を示す。
入力スイッチング回路40は、第1スイッチング回路51と、第2スイッチング回路52と、第3スイッチング回路53と、第4スイッチング回路54とを有する。第1スイッチング回路51は、第1スイッチング状態では第1データデマルチプレクサ31から出力されたデータを選択し、第2スイッチング状態では第1バウンダリデマルチプレクサ33から出力されたデータを選択する。第1スイッチング回路51は、選択したデータを第1位相検出回路41の第1入力端子D11に出力する。第2スイッチング回路52は、第1スイッチング状態では第2データデマルチプレクサ32から出力されたデータを選択し、第2スイッチング状態では第2バウンダリデマルチプレクサ34から出力されたデータを選択する。第2スイッチング回路52は、選択したデータを第2位相検出回路42の第1入力端子D21に出力する。
第3スイッチング回路53は、第1スイッチング状態では第1バウンダリデマルチプレクサ33から出力されたデータを選択し、第2スイッチング状態では第1データデマルチプレクサ31から出力されたデータを選択する。第3スイッチング回路53は、選択したデータを第1位相検出回路41の第2入力端子D12及び第2位相検出回路42の第2入力端子D22に出力する。第4スイッチング回路54は、第1スイッチング状態では第2バウンダリデマルチプレクサ34から出力されたデータを選択し、第2スイッチング状態では第2データデマルチプレクサ32から出力されたデータを選択する。第4スイッチング回路54は、選択したデータを第1位相検出回路41の第3入力端子D13及び第2位相検出回路42の第3入力端子D23に出力する。
第1位相検出回路41は、第1入力端子D11に入力されるデータと、第2入力端子D12に入力されたデータ及び第3入力端子D13に入力されたデータとの比較結果に応じた位相差を検出する。第1位相検出回路41は、第1入力端子D11にパラレル入力される8つのデータのそれぞれと、第2入力端子D12及び第3入力端子D13にパラレル入力された8つデータのデータのそれぞれとを比較する。そして、第1位相検出回路41は、第1入力端子D11のデータと第2入力端子D12のデータとの一致の程度及び第1入力端子D11のデータと第3入力端子D13のデータとの不一致の程度に応じた数値を検出した位相差として出力する。第1位相検出回路41は、第1入力端子D11のデータが第2入力端子D12のデータにより一致する場合に正の数値を位相差として出力し、第1入力端子D11のデータが第3入力端子D13のデータにより一致する場合に負の数値を位相差として出力する。例えば、第1入力端子D11に入力された8つのデータの何れもが第2入力端子D12に入力された8つのデータと一致し且つ第3入力端子D13に入力された8つのデータと一致しない場合、第1位相検出回路41は、「+4」を位相差として出力する。反対に、第1入力端子D11に入力された8つのデータの何れもが第2入力端子D12に入力された8つのデータと一致せず且つ第3入力端子D13に入力された8つのデータと一致する場合、第1位相検出回路41は、「−4」を位相差として出力する。また、第1入力端子D11に入力されたデータの半数が第2入力端子D12及び第3入力端子D13に入力されたデータとそれぞれ一致する場合、第1位相検出回路41は、「0」を位相差として出力する。また、第1入力端子D11に入力されたデータが第3入力端子D13に入力されたデータよりも第2入力端子D12に入力されたデータにより一致する場合、第1位相検出回路41は、「+1」〜「+3」を位相差として出力する。また、第1入力端子D11に入力されたデータが第2入力端子D12に入力されたデータよりも第3入力端子D13に入力されたデータにより一致する場合、第1位相検出回路41は、「−1」〜「−3」を位相差として出力する。
第2位相検出回路42は、第1入力端子D21に入力されるデータと、第2入力端子D22に入力されたデータ及び第3入力端子D23に入力されたデータとの比較結果に応じた位相差を検出する。第2位相検出回路42は、第1入力端子D21にパラレル入力される8つのデータのそれぞれと、第2入力端子D22及び第3入力端子D23にパラレル入力された8つデータのデータのそれぞれとを比較する。そして、第2位相検出回路42は、第1入力端子D21のデータと第2入力端子D22のデータとの不一致の程度及び第1入力端子D21のデータと第3入力端子D23のデータとの一致の程度に応じた数値を検出した位相差として出力する。第2位相検出回路42は、第1入力端子D21のデータが第2入力端子D22のデータにより一致する場合に負の数値を位相差として出力し、第1入力端子D21のデータが第3入力端子D23のデータにより一致する場合に正の数値を位相差として出力する。例えば、第1入力端子D21に入力された8つのデータの何れもが第2入力端子D22に入力された8つのデータと一致し且つ第3入力端子D23に入力された8つのデータと一致しない場合、「−4」を位相差として出力する。反対に、第1入力端子D21に入力された8つのデータの何れもが第2入力端子D22に入力された8つのデータと一致せず且つ第3入力端子D23に入力された8つのデータと一致する場合、「+4」を位相差として出力する。また、第1入力端子D21に入力されたデータの半数が第2入力端子D22及び第3入力端子D23に入力されたデータとそれぞれ一致する場合、第2位相検出回路42は、「0」を位相差として出力する。また、第2入力端子D21に入力されたデータが第3入力端子D23に入力されたデータよりも第2入力端子D22に入力されたデータにより一致する場合、第2位相検出回路42は、「−1」〜「−3」を位相差として出力する。また、第1入力端子D21に入力されたデータが第2入力端子D22に入力されたデータよりも第3入力端子D23に入力されたデータにより一致する場合、第2位相検出回路42は、「+1」〜「+3」を位相差として出力する。
位相補間量生成回路43は、加算器60と、ローパスフィルタ61と、位相補間量生成部62とを有する。加算器60は、第1位相検出回路41から入力される位相差と、第2位相検出回路42から入力される位相差を加算した加算値をローパスフィルタ61に出力する。ローパスフィルタ61は、加算器60から入力される加算値を平滑化した平滑値を位相補間量生成部62に出力する。位相補間量生成部62は、第1位相検出回路41の第1入力端子D11及び第2位相検出回路42の第1入力端子D21に入力されるクロックのエッジが受信信号に含まれるデータのバウンダリに位置するように位相補間量を生成する。すなわち、位相補間量生成回路43は、第1スイッチング状態のとき、第1クロックDCKAの第1エッジ及び第2クロックDCKAXの第2エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように位相補間量を生成する。また、位相補間量生成回路43は、第2スイッチング状態のとき、第3クロックDCKBの第3エッジ及び第4クロックDCKBXの第4エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように位相補間量を生成する。位相補間量生成部62は、生成した位相補間量を位相補間回路11に出力する。
デューティ比補正量生成回路44は、減算器70と、比較器71と、出力スイッチング回路72と、データ取込クロック補正レジスタ73と、バウンダリ取込クロック補正レジスタ74とを有する。減算器70は、第1位相検出回路41から入力される位相差から、第2位相検出回路42から入力される位相差を減算した減算値を比較器71に出力する。比較器71は、減算器70から入力される減算値の絶対値と、所定の参照値とを比較し、減算値の絶対値が参照値よりも大きい場合には、減算値を補正量として出力し、減算値の絶対値が参照値以下の場合、「0」を補正量として出力する。出力スイッチング回路72は、第1スイッチング状態のときに補正量をデータ取込クロック補正レジスタ73に出力し、第2スイッチング状態のときに補正量をバウンダリ取込クロック補正レジスタ74に出力する。データ取込クロック補正レジスタ73は、出力スイッチング回路72を介して比較器71から入力された補正量を記憶すると共に、記憶された補正量をデューティ比補正回路12に補正量を出力する。バウンダリ取込クロック補正レジスタ74は、出力スイッチング回路72を介して比較器71から入力された補正量を記憶すると共に、記憶された補正量をデューティ比補正回路12に出力する。
上述のように、第1スイッチング状態では、第1クロックDCKAの第1エッジ及び第2クロックDCKAXの第2エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置する。したがって、第1スイッチング状態で第1位相検出回路41が検出する位相差は、取込回路7が取り込んだデータの一方のバウンダリの位相と第1クロックDCKAの第1エッジの位相との位相差を示す第1位相差となる。また、第1スイッチング状態で第2位相検出回路42が検出する位相差は、取込回路7が取り込んだデータの他方のバウンダリの位相と第2クロックDCKAXの第2エッジの位相との位相差を示す第2位相差となる。このため、第1スイッチング状態では、第1位相差から第2位相差を減算した減算値である第1補正量は、第1エッジとデータの一方のバウンダリとの位相差と第2エッジとデータの他方のバウンダリとの位相差の差に対応する。受信回路4は、第1補正量の絶対値を小さくするようにフィードバック制御して、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を略50%にするように制御する。
第2スイッチング状態では、第3クロックDCKBの第3エッジ及び第4クロックDCKBXの第4エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置する。したがって、第2スイッチング状態での第1位相検出回路41が検出する位相差は、取込回路7が取り込んだデータの一方のバウンダリの位相と第3クロックDCKBの第3エッジの位相との位相差を示す第3位相差となる。また、第2スイッチング状態での第2位相検出回路42が検出する位相差は、取込回路7が取り込んだデータの他方のバウンダリの位相と第4クロックDCKBXの第4エッジの位相との位相差を示す第4位相差となる。このため、第2スイッチング状態では、第3位相差から第4位相差を減算した補正量である第2補正量は、第3エッジとデータの一方のバウンダリとの位相差と第4エッジとデータの他方のバウンダリとの位相差の差に対応する。受信回路4は、第2補正量の絶対値を小さくするようにフィードバック制御して、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を略50%にするように制御する。
位相補間回路11は、入力される4相クロックの隣接する2つのクロックを位相補間量に応じて重み付けして乗算することで、第1クロックDCKA、第2クロックDCKAX、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXを生成する。第1スイッチング状態では、位相補間回路11は、第1クロックDCKAの第1エッジ及び第2クロックDCKAXの第2エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように、入力される4相クロックを補間する。このとき、第3クロックDCKBの第3エッジ及び第4クロックDCKBXの第4エッジは、受信信号に含まれるデータの期間の略中央に位置する。第2スイッチング状態では、位相補間回路11は、第3クロックDCKBの第3エッジ及び第4クロックDCKBXの第4エッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように、入力される4相クロックを補間する。このとき、第1クロックDCKAの第1エッジ及び第2クロックDCKAXの第2エッジは受信信号に含まれるデータの期間の略中央に位置する。
デューティ比補正回路12は、データ取込クロック補正回路81とバウンダリ取込クロック補正回路82とを有し、第1クロックDCKA、第2クロックDCKAX、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する。データ取込クロック補正回路81は第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正し、バウンダリ取込クロック補正回路82は第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する。
図5は、データ取込クロック補正回路81の内部回路ブロック図である。バウンダリ取込クロック補正回路82は、データ取込クロック補正回路81に対応する構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明を省略する。
データ取込クロック補正回路81は、第1クロックDCKAのデューティ比を補正する第1デューティ比補正回路91と、第2クロックDCKAXのデューティ比を補正する第2デューティ比補正回路92とを有する。第1デューティ比補正回路91は、第1電流源911と、第2電流源912と、第1バッファ913と、第2バッファ914と、第1コンデンサ915とを有する。第1電流源911及び第2電流源912は、デューティ比補正量生成回路44から入力される第1補正量に応じて、流れる電流の大きさを変化させる。第1コンデンサ915は、第1バッファ913と第2バッファ914との間に配置され、第1バッファ913から出力される中間クロックmclkの直流成分を遮断する。
第1デューティ比補正回路91では、第1バッファ913に入力クロックiclkが入力されたときに、補正量に応じて入力クロックiclkからデューティ比が補正された出力クロックoclkを、第2バッファ914から出力する。第1バッファ913は、デューティ比補正量生成回路44から入力される第1補正量に応じて、第1バッファ913に入力される入力クロックiclkの電圧レベルを変動させて中間クロックmclkとして出力する。第2バッファ914のしきい値Vthは、補正量に関わらず一定なので、補正量に応じて中間クロックmclkの電圧レベルが変動することにより、出力クロックoclkのデューティ比は変動する。
例えば、入力クロックiclkの電圧レベルを上昇させることを示す補正量が入力される場合、第1電流源911の電流を減少させると共に、第2電流源912の電流を増加させる。第1電流源911の電流を減少させると第1電流源911の内部抵抗に流れる電流が減少して第1バッファ913と電源電圧との間の電圧降下量が減少する。また、第2電流源912の電流を増加させると第2電流源912の内部抵抗に流れる電流が増加して第1バッファ913と接地との間の電圧降下量が増加する。第1バッファ913と電源電圧との間の電圧降下量が減少し且つ第1バッファ913と接地との間の電圧降下量が増加することにより、第1バッファ913から出力される中間クロックmclkの電圧レベルが上昇する。第1バッファ913から出力される中間クロックmclkの電圧レベルを上昇させることにより、第2バッファ914のしきい値は相対的に低下する。
第2デューティ比補正回路92は、第3電流源921と、第4電流源922と、第3バッファ923と、第4バッファ924、第2コンデンサ925とを有する。第2デューティ比補正回路92は、第3バッファ923に入力クロックiclkxが入力されたときに、第1補正量の反転値に応じて入力クロックiclkxからデューティ比が補正された出力クロックoclkxを、第2バッファ914から出力する。第2デューティ比補正回路92の動作は、第1補正量の反転値に応じて動作すること以外は第1デューティ比補正回路91と同様なので、詳細な説明は省略する。
図6(a)は、入力クロックiclk及びiclkxの波形の一例を示す図である。図6(b)は、図6(a)に示す入力クロックiclkに対応する中間クロックmclk及びデューティ比が補正された中間クロックmclkの波形を示す図である。図6(c)は、図6(a)に示す入力クロックiclkxに対応する中間クロックmclkx及びデューティ比が補正された中間クロックmclkxの波形を示す図である。図6(d)は、デューティ比が補正された出力クロックoclk及びoclkxの波形の一例を示す図である。図6(a)〜6(d)において、横軸は時間軸であり、縦軸は電圧振幅である。図6(a)において、波形611は入力クロックiclkの波形を示し、波形612は入力クロックiclkxの波形を示す。図6(b)において、波形612は入力クロックiclkに対応する中間クロックmclkの波形を示し、波形613はデューティ比が補正された中間クロックmclkの波形を示す。図6(c)において、波形622は入力クロックiclkxに対応する中間クロックmclkxの波形を示し、波形623はデューティ比が補正された中間クロックmclkxの波形を示す。図6(d)において、波形614はデューティ比が補正された出力クロックoclkの波形を示し、波形624はデューティ比が補正された出力クロックoclkxの波形を示す。
図6(a)に示すように、波形611で示される入力クロックiclk及び波形621で示されるiclkxは、反転した波形を有する。すなわち、波形611で示される入力クロックiclk及び波形621で示されるiclkxは、互いに信号レベルを反転させたクロックである。入力クロックiclkの立上りエッジの位相と入力クロックiclkxの立下りエッジの位相は略同一時間に遷移し、且つ入力クロックiclkの立下りエッジと入力クロックiclkxの立上りエッジは略同一時間に遷移する。4相クロック生成回路10で位相差がπであるクロック対を生成するとき、まず、1つのクロックを生成し、生成したクロックを反転させることによって、反転クロックを生成することがある。4相クロック生成回路10が、最初に生成したクロックのデューティ比がA%であった場合、反転して生成された反転クロックのデューティ比は(100−A)%になる。このため、最初に生成したクロックのデューティ比が50%が外れていた場合、図6(a)に示すように、反転した波形を有し且つデューティ比が50%から外れた入力クロックiclk及びiclkxのような波形が生成されることになる。
図6(b)に示すように、図6(a)に示す入力クロックiclkに対応する中間クロックmclkの波形612では、Hレベル期間P1HはLレベルである期間P1Lよりも長い。Hレベルである期間P1HがLレベルである期間P1Lより長いので、波形612で示される中間クロックmclkのデューティ比D1(=P1H/P1H+P1L)は50%より大きくなる。デューティ比補正量生成回路44から入力される第1補正量の絶対値が徐々に小さくなることに応じて、mclkの波形は徐々に電圧レベルを低下させる。そして、中間クロックmclkのデューティ比が略50%になり、補正量が「0」になったときに制御を終了して、中間クロックmclkのデューティ比は波形613で示されるように略50%になる。
図6(c)に示すように、破線で示される図6(a)に示す入力クロックiclkxに対応する中間クロックmclkxの波形612では、Hレベル期間P1HはLレベルである期間P1Lよりも長い。Hレベルである期間P1HがLレベルである期間P1Lより長いので、波形622で示される中間クロックmclkのデューティ比D2(=P2H/P2H+P2L)は50%より大きくなる。デューティ比補正量生成回路44から入力される第1補正量の絶対値が徐々に小さくなることに応じて、mclkの波形は徐々に電圧レベルを上昇させる。そして、中間クロックmclkのデューティ比が略50%になり、補正量が「0」になったときに制御を終了して、中間クロックmclkのデューティ比は波形613で示されるように略50%になる。
図6(d)に示すように、デューティ比が補正された出力クロックoclkの波形614及びデューティ比が補正された出力クロックoclkxの波形624のそれぞれは、互いに反転し且つデューティ比が略50%になる。
第1クロックバッファ131及び第2クロックバッファ132は、データ取込クロック補正回路81でデューティ比が補正された第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXを第1ラッチ回路21及び第2ラッチ回路22にそれぞれ出力する。第3クロックバッファ133及び第4クロックバッファ134は、バウンダリ取込クロック補正回路82でデューティ比が補正された第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXを第3ラッチ回路23及び第4ラッチ回路24にそれぞれ出力する。
(受信回路におけるクロックのデューティ比補正処理)
図7は、受信回路4における第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXのデューティ比を制御部20が補正する処理のフローを示すフローチャートである。
まず、制御部20は、第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する処理を実行するためのテストデータを含む受信信号が受信回路4に入力する(S101)。受信回路4に入力される受信信号に含まれるテストデータは、Hレベルのデータ及びLレベルのデータの割合が50%程度であり、且つHレベルのデータとLレベルのデータが適度な頻度で交互に含まれるデータである。
次いで、制御部20は、スイッチ制御回路13に所定の信号を出力して、入力スイッチング回路40及び出力スイッチング回路72のそれぞれを、図3に示す第1スイッチング状態にする(S102)。第1スイッチング回路51は第1ラッチ回路21で第1クロックDCKAで取り込まれたデータを選択し、第2スイッチング回路52は第2ラッチ回路22で第2クロックDCKAXで取り込まれたデータを選択する。第3スイッチング回路53は第3ラッチ回路23で第3クロックDCKBで取り込まれたデータを選択し、第4スイッチング回路54は第4ラッチ回路24で第4クロックDCKBXで取り込まれたデータを選択する。そして、出力スイッチング回路72は、第1補正量をデータ取込クロック補正レジスタ73に出力する。受信回路4は、入力スイッチング回路40及び出力スイッチング回路72を第1スイッチング状態にすることにより、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正する処理を開始する。同時に、位相補間回路11は、位相補間量生成回路43から入力された位相補間量に応じて、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのエッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように位相補間する。
次いで、CDR9は、第1クロックDCKAの第1エッジ及び第2クロックDCKAXの第2エッジの位相がテストデータのバウンダリの位相に一致すように、第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの位相を補間する(S103)。次いで、CDR9は、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正するために、第1補正量を生成する(S104)。デューティ比補正量生成回路44は、第1位相検出回路41が検出した第1位相差と、第2位相検出回路42が検出した第2位相差とから第1補正量を生成し、生成した第1補正量をデューティ比補正回路12のデータ取込クロック補正回路81に出力する。次いで、CDR9は、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正する(S105)。データ取込クロック補正回路81は、入力された第1補正量に応じて第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比を補正する。CDR9は、第1位相差から第2位相差を減算した減算値が参照値以下になる(S106)まで、第1クロックDCKA及び第2クロックDCKAXのデューティ比の補正処理を繰り返す。
図8(a)は、デューティ比の補正前のテストデータと第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの第1エッジ〜第4エッジとの関係の一例を示す図である。図8(b)は、デューティ比の補正前のテストデータと第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの第1エッジ〜第4エッジとの関係の他の例を示す図である。図8(c)は、デューティ比の補正後のテストデータと第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの第1エッジ〜第4エッジとの関係の一例を示す。図8(a)に示す例では、第1クロックDCKAの第1エッジから第1エッジの次に現れる第2クロックDCKAXの第2エッジまでの期間が、第2エッジから第2エッジの次に現れる第1エッジまでの期間よりも短くなっている。一方、図8(b)に示す例では、第1クロックDCKAの第1エッジから第1エッジに次いで現れる第2クロックDCKAXの第2エッジまでの期間が、第2エッジから第2エッジの次に現れる第1エッジまでの期間よりも長くなっている。そして、図8(c)に示す例では、第1エッジから第2エッジまでの期間は、受信信号に含まれるデータD1〜D4のそれぞれの期間と略等しくなっている。
図8(a)に示す例では、第1クロックDCKAの第1エッジは、第3クロックDCKBの第3エッジが取り込んだデータと同一のデータをより多く取り込むことになる。このため、第1位相検出回路41は、第1ラッチ回路21で取り込まれた第1入力端子D11のデータと、第3ラッチ回路23で取り込まれた第2入力端子D12のデータとの一致の程度が高いことを示す正の数値を第1位相差として出力する。一方、第2クロックDCKAXの第2エッジもまた、第3クロックDCKBの第3エッジが取り込んだデータと同一のデータをより多く取り込むことになる。このため、第2位相検出回路42は、第2ラッチ回路22で取り込まれた第1入力端子D21のデータと、第3ラッチ回路23で取り込まれた第2入力端子D22のデータとの一致の程度が高いことを示す負の数値を第2位相差として出力する。正の数値である第1位相差から負の数値である第2位相差を減算して生成される第1補正量の絶対値を小さくすることにより、図8(c)に示すように受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリのそれぞれと、第1エッジ及び第2エッジの位相とを略一致させる。
図8(b)に示す例では、第1クロックDCKAの第1エッジは、第4クロックDCKBXの第4エッジが取り込んだデータと同一のデータをより多く取り込むことになる。このため、第1位相検出回路41は、第1ラッチ回路21で取り込まれた第1入力端子D11のデータと、第4ラッチ回路24で取り込まれた第3入力端子D13のデータとの一致が高いことを示す負の数値を第1位相差として出力する。一方、第2クロックDCKAXの第2エッジもまた、第4クロックDCKBXの第4エッジが取り込んだデータと同一のデータをより多く取り込むことになる。このため、第2位相検出回路42は、第2ラッチ回路22で取り込まれた第1入力端子D21のデータと、第4ラッチ回路24で取り込まれた第3入力端子D23のデータとの一致が高いことを示す正の数値を第2位相差として出力する。負の数値である第1位相差から正の数値である第2位相差を減算して生成される第1補正量の絶対値を小さくすることにより、図8(c)に示すようにデータの両側のバウンダリのそれぞれと、第1エッジ及び第2エッジの位相とを略一致させる。
第1位相差から第2位相差を減算した減算値の絶対値が参照値以下になる(S106)と、制御部20は、入力スイッチング回路40及び出力スイッチング回路72のそれぞれを、図4に示す第2スイッチング状態にする(S108)。第2スイッチング状態では、第1スイッチング回路51は第3ラッチ回路23で第3クロックDCKBで取り込まれたデータを選択し、第2スイッチング回路52は第4ラッチ回路24で第4クロックDCKBXで取り込まれたデータを選択する。第3スイッチング回路53は第1ラッチ回路21で第1クロックDCKAで取り込まれたデータを選択し、第4スイッチング回路54は第2ラッチ回路22で第2クロックDCKAXで取り込まれたデータを選択する。そして、出力スイッチング回路72は、第2補正量をバウンダリ取込クロック補正レジスタ74に出力する。受信回路4は、入力スイッチング回路40及び出力スイッチング回路72を第2スイッチング状態にすることにより、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する処理を開始する。同時に、位相補間回路11は、位相補間量生成回路43から入力された位相補間量に応じて、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのエッジが受信信号に含まれるデータの両側のバウンダリにそれぞれ位置するように位相補間する。
次いで、CDR9は、第3クロックDCKBの第3エッジ及び第4クロックDCKBXの第4エッジの位相がテストデータのバウンダリの位相に一致すように、第1クロックDCKA〜第4クロックDCKBXの位相を補間する(S108)。次いで、CDR9は、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正するために、第2補正量を生成する(S109)。デューティ比補正量生成回路44は、第1位相検出回路41が検出した第3位相差と、第2位相検出回路42が検出した第4位相差とから第2補正量を生成し、生成した第2補正量をデューティ比補正回路12のバウンダリ取込クロック補正回路82に出力する。次いで、受信回路4は、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する(S110)。バウンダリ取込クロック補正回路82は、入力された第2補正量に応じて第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比を補正する。CDR9は、第3位相差から第4位相差を減算した減算値の絶対値が参照値以下になる(S111)まで、第3クロックDCKB及び第4クロックDCKBXのデューティ比の補正処理を繰り返す。そして、第3位相差から第4位相差を減算した減算値の絶対値が参照値以下になる(S111)と、制御部20は、デューティ比補正処理を終了して、他の初期化処理を終了した後に、実際の処理を開始する。
実施形態に係る受信回路は、取込回路で取り込んだデータから生成される補正量を小さくするようにフィードバック制御することにより、第1クロック〜第4クロックのデューティ比を補正する。実施形態に係る受信回路は、取込回路で取り込んだデータをフィードバックして第1〜第4クロックのデューティ比を補正するため、第1〜第4クロックのエッジを所望のタイミングに精度よく調整できる。実施形態に係る受信回路は、第1〜第4クロックのエッジを所望のタイミングに精度よく調整できるので、ジッタを小さくすることができる。
また、実施形態に係る受信回路は、第1補正量で第1クロック及び第2クロックのデューティ比を補正し、第2補正量で第3クロック及び第4クロックのデューティ比を補正しているので、4つのクロックを2つの補正量で効率よく補正することができる。
また、実施形態に係る受信回路では、第2クロックは第1クロックの反転クロックであり、第4クロックは第3ロックの反転クロックであるので、4相クロック発生回路は、比較的容易に4相クロックを生成することができる。
実施形態に係る受信回路は、第1位相差〜第4位相差から第1補正量及び第2補正量を演算するので、取込回路が取り込んだデータを効率よく使用して第1補正量及び第2補正量を演算することができる。
また、実施形態に係る受信回路は、デューティ比を補正するクロックに応じて第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態のそれぞれで第1及び第2位相検出回路に入力されるデータを切り換える入力スイッチング回路を有する。実施形態に係る受信回路は、デューティ比を補正するクロックに応じてデータを切り換える入力スイッチング回路を有することにより、第1及び第2位相検出回路で2対のクロックのデューティ比を補正することができ回路規模を削減することができる。
また、実施形態に係る受信回路は、位相補間回路は、第1位相差及び第2位相差又は第3位相差及び第4位相差を加算して生成される位相補間量を使用して、第1クロック〜第4クロックを生成する。位相補間回路が第1位相差及び第2位相差から生成される位相補間量を使用するときは、第1位相差及び第2位相差は、第1補正量を生成するときに使用される。位相補間回路が第3位相差及び第4位相差から生成される位相補間量を使用するときは、第3位相差及び第4位相差は、第2補正量を生成するときに使用される。実施形態に係る受信回路では、位相補間回路における第1クロック〜第4クロック生成処理と、デューティ比補正回路におけるデューティ比補正処理とで、同一の位相差を使用することができるので、効率的且つ初規模な回路構成で双方の処理を実現できる。
実施形態に係る受信回路は、第1クロック〜第4クロックの4相クロックのデューティ比を補正するが、4相以上のクロックのデューティ比を補正する構成にしてもよい。例えば、8相クロックのデューティ比を補正する受信回路は、受信回路4のアナログ等化回路6〜デューティ比補正回路12のそれぞれを2つずつ有してもよい。この場合、アナログ等化回路6〜デューティ比補正回路12の一方は、エッジの位相がπ/2、π、3π/2及び2πであるクロックのデューティ比を補正する。また、アナログ等化回路6〜デューティ比補正回路12の他方は、エッジの位相がπ/4、3π/4、5π/4及び7π/4であるクロックのデューティ比を補正する。
また、実施形態に係る受信回路は、入力スイッチング回路により第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態を切り換えることにより、第1及び第2クロックのデューティ比並びに第3及び第4クロックのデューティ比を順に補正している。しかしながら、受信回路は、位相補間回路において、第1スイッチング状態及び第2スイッチング状態を切り換える構成としてもよい。この場合、第1位相検出回路は第1位相差及び第3位相差を同時に検出し、第2位相検出回路は第2位相差及び第4位相差を同時に検出する構成としてもよい。
また、実施形態に係る受信回路では、クロックデータ再生回路は、図2等を参照して説明した構成を有する回路として形成されるが、他の構成としてもよい。例えば、第1エッジ〜第4エッジでデータを所望のタイミングで取り込むように、第1エッジ〜第4エッジのそれぞれで取り込んだデータから補正量を生成する補正量生成回路としての機能は、クロックデータ再生回路と別の回路として形成してもよい。また、クロックデータ再生回路の機能は、記憶回路に記憶され且つ演算回路で処理が実行されるコンピュータプログラムで実現されてもよい。