JP6446954B2 - 歯形修正によるフェースギヤ噛合い離れ抑制 - Google Patents

歯形修正によるフェースギヤ噛合い離れ抑制 Download PDF

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Description

本発明はフェースギヤ及びこれを用いたギヤセットに関する。
従来から、自動車、産業機械、精密機械等のギヤ装置に使用されるフェースギヤはピニオンと歯車対を構成している。フェースギヤとピニオンとが噛合って回転する際、フェースギヤはピニオンからフェースギヤの回転軸に平行で下方に向かう負荷を常に受けている。この場合、フェースギヤとピニオンとで噛合い離れが発生し、噛合い率の低下や、歯の強度が低い部分での噛合いが発生することがある。
特許文献1では、樹脂製フェースギヤの射出成型を容易にし、また樹脂製フェースギヤの不良を低減するような半径方向外方の歯形を修正している。
また特許文献2では、フェースギヤの回転中心から半径方向外方にかけてギヤ歯の全歯丈を連続的に低くしている。そして、フェースギヤのギヤ歯の歯末頂面に回転方向の歯厚の増大部を設けてエッジ状部分の形成を防止している。この結果、フェースギヤの耐久性を向上させている。
また特許文献3では、フェースギヤの半径方向外方に逃し部を形成し、フェースギヤとピニオンとの噛合い状態を滑らかにしている。
特開2008−069867号公報 特開2008−095724号公報 特開2007−259713号公報
しかしながら、特許文献1においては、フェースギヤとピニオンとの間の動力伝達効率の改良のための歯形修正が考慮されていない。
また、特許文献2及び特許文献3においては、フェースギヤのギヤ軸の下方に向かってピニオンから力を受け、その結果発生するフェースギヤの背面反りの場合の噛合いが考慮されていない。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、フェースギヤの回転を増加させて定格回転数に達し、フェースギヤの出力回転軸に平行で下方に向かうピニオンからの力によりフェースギヤに反りが発生した場合であっても、フェースギヤとピニオンとの噛合いが良好であるフェースギヤ及びそれを使用したギヤセットを得ることが目的である。
上記の目的を達成するために、本発明に係るフェースギヤは、回転軸まわりに環形状に配置された複数のギヤ歯を有し、環形状の半径方向外方の部分のギヤ歯の歯厚及び歯底から頂部までの全歯丈が、半径方向内方の部分のギヤ歯の歯厚及び全歯丈より大きいように構成されている。
また本発明に係るフェースギヤにおいては、ギヤ歯の歯厚は、環形状の半径方向内方から半径方向外方に向けて連続的に増加している。
また本発明に係るフェースギヤにおいては、ギヤ歯の全歯丈は、環形状の半径方向内方から半径方向外方に向けて連続的に増加している。
また本発明に係るフェースギヤは樹脂又は金属により作製されている。
また本発明に係るギヤセットは、本発明に係るフェースギヤと、フェースギヤの複数のギヤ歯と噛合う複数の歯を有するピニオンとを備え、フェースギヤの環形状の半径方向内方のギヤ歯の端部の全歯丈と環形状の半径方向外方のギヤ歯の端部の全歯丈との差は、ギヤセットが無回転の際の、フェースギヤの環形状の半径方向外方の端部におけるフェースギヤのギヤ歯の頂部とピニオンの歯の歯底との最少隙間と同じ大きさである。
また本発明に係るギヤセットにおいては、ギヤセットが無回転の際のフェースギヤとピニオンとの間のバックラッシはゼロである。
また本発明に係るギヤセットにおいては、フェースギヤの回転軸とピニオンの回転軸とはほぼ垂直である。
また本発明に係るギヤセットにおいては、フェースギヤは、フェースギヤの回転軸の半径方向に対して捩れ角をなす歯すじを有し、ピニオンは、はすば歯車である。
また本発明に係るギヤセットにおいては、フェースギヤは、フェースギヤの回転軸の半径方向と平行な歯すじを有し、ピニオンは、平歯車である。
また本発明に係るギヤセットにおいては、フェースギヤの回転軸とピニオンの回転軸とが一点で交わる交差軸歯車である。
また本発明に係るギヤセットにおいては、フェースギヤの回転軸とピニオンの回転軸との間に空間を有する食い違い軸歯車である。
本発明によれば、フェースギヤの回転を増加させて定格回転数に達し、フェースギヤの出力回転軸に平行で下方に向かうピニオンからの力によりフェースギヤの反りが発生した場合であっても、フェースギヤとピニオンとの噛合いが良好であるフェースギヤ及びそれを使用したギヤセットを得ることができる。
本発明によるフェースギヤの正面図を示す。 本発明によるフェースギヤの部分斜視図を示す。 本発明によるフェースギヤの図1のB−B断面図を示す。 本発明によるフェースギヤのギヤ歯の拡大斜視略図を示す。 本発明によるフェースギヤの歯すじ方向の断面図を示す。 (a)本発明によるフェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面による歯形の概略図を示す。(b)本発明によるフェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面による歯形の概略図を示す。 本発明によるギヤセットの回転時における噛合い状態を示す。(a)フェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図を示す。(b)フェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。(c)フェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。 本発明によるギヤセットの無回転時における噛合い状態を示す。(a)フェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図を示す。(b)フェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。(c)フェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。 従来技術によるギヤセットの回転時における噛合い状態を示す。(a)フェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図を示す。(b)フェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。(c)フェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。 従来技術によるギヤセットの無回転時における噛合い状態を示す。(a)フェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図を示す。(b)フェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。(c)フェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面によるギヤセットの噛合いの概略図を示す。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中において同一部材は同一記号で図示されているが、発明の理解を容易にするため、図中の寸法は必ずしも同一に表されていない部分もある。
はじめに、図1から図6を参照し、本発明のフェースギヤの詳細について説明する。
図1は本発明によるフェースギヤの正面図である。図2は本発明によるフェースギヤの部分斜視図である。図3は図1の本発明によるフェースギヤのB−B断面図である。
図4は本発明によるフェースギヤのギヤ歯の半径方向内方から見た拡大斜視図である。図5は本発明によるフェースギヤの歯すじ方向の断面図である。
図6(a)は本発明によるフェースギヤのギヤ歯の半径方向内方端部における歯直角断面による歯形の概略図である。図6(b)は本発明によるフェースギヤのギヤ歯の半径方向外方端部における歯直角断面による歯形の概略図である。ここで「歯直角断面」とは、複数の歯のそれぞれの延在方向を法線とする面により切った断面を指す。また、図6においては、フェースギヤの歯形を明確化すべく、ギヤ歯を紙面左右方向に模式的に展開する状態として示している。
図1を参照し、フェースギヤ1は基礎部2及び複数のギヤ歯3を備えている。基礎部2は円盤形状に作製されており、その中心に出力軸穴10が設けられている。不図示の出力回転軸が出力軸穴10にはめ込まれて固定されることで基礎部2に接続される。出力回転軸の軸線Aは出力軸穴10の中心、すなわち基礎部2の中心を通過しており、軸線Aの方向は基礎部2の半径方向に対し垂直となっている。
図2から図6を参照し、基礎部2には、その一方の円盤表面4の上に複数のギヤ歯3が設けられている。複数のギヤ歯3のそれぞれは、歯面5、頂部6、歯底7、半径方向内方端部8、及び半径方向外方端部9を有し、円盤形状を有する基礎部2の半径方向内方から半径方向外方に向かって延在して基礎部2の円周に沿った環形状を形成するよう配置されている。環形状の内円に半径方向内方端部8が一致し、外円に半径方向外方端部9が一致している。
歯面5は、複数のギヤ歯3の噛合い及び寸法の基準となる基準面(不図示)と複数のギヤ歯3の全ての頂部6を含む歯先面との間の歯末と、その基準面と複数のギヤ歯3の全ての歯底7を含む歯底面との間の歯元とから構成されている。基準面と歯面5との交線が複数のギヤ歯3のそれぞれの歯すじC(図1)となり、歯すじCの方向は複数のギヤ歯3のそれぞれの延在方向と一致している。歯面5は頂部6と歯底7とに接続してそれらの間に位置付けられ、歯面5と歯底7とにより、複数のギヤ歯3のそれぞれの隣り合う二つの間の空間である歯溝が形成されている。歯溝には歯車対(フェースギヤ対)を成す他方のギヤの歯が入り込み、ギヤの噛合いが構成される。
また、環形状に配置された複数のギヤ歯3のそれぞれにおいては、歯底7から頂部6までの軸線Aの方向に平行な高さである全歯丈が、半径方向内方端部8における部分よりも半径方向外方端部9における部分の方が連続的に大きくなっている。従って、頂部6の面は半径方向内方から半径方向外方にかけて傾斜平面を形成している。環形状部Dの半径方向長さをx、半径方向内方端部8と半径方向外方端部9との間の全歯丈の差をy、複数のギヤ歯3のそれぞれの頂部6の傾斜平面の傾斜角度をθとすると、tanθ=y/xが満たされている。また、複数のギヤ歯3のそれぞれにおいては、出力回転軸の軸線Aを法線とする面で切った場合、半径方向内方端部8におけるよりも半径方向外方端部9におけるほうが連続的に歯厚は大きく構成されている。また、ここで歯厚とは、歯直角断面における歯の横幅を指している。
本発明のフェースギヤ1は、例えば、POM(ポリアセタール)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等のプラスチック樹脂により作製されている。しかしこれには限られず、金属等により作製してもよい。
以上の構成により、歯車の運動は、複数のギヤ歯3の歯面5とフェースギヤ1と歯車対を成す他方のギヤの歯の歯面とが接触することで伝達可能となり、フェースギヤ1が複数のギヤ歯3にて受ける駆動入力は、基礎部2を介して軸線Aを中心とする回転として出力回転軸から出力することができる。
本実施例においては、基礎部2が円盤形状を有するものとしたが、本発明はこれには限られない。複数のギヤ歯3のそれぞれを基礎部2の半径方向内方から半径方向外方に向かって延在させて環形状を構成するように配置できれば円盤形状以外の形状を有するものであっても良い。例えば、椀形状を有するものであっても良い。
また本実施例においては、フェースギヤ1の出力回転軸を基礎部2と別個の部材としているが、本発明はこれには限られない。出力回転軸と基礎部2とを一体の部材、すなわち、出力回転軸とフェースギヤ1とを一体的に構成するようにしても良い。
また本実施例においては、頂部6が傾斜平面を構成するものでしているが、本発明はこれには限られない。環形状部Dの所定の半径方向長さx、半径方向内方端部8と半径方向外方端部9との間の所定の全歯丈の差yが満たされていれば、傾斜湾曲面であっても良く、またさらに、歯厚と全歯丈とが、連続的ではなく、段階的に増加するものであっても良い。
また本実施例においては、フェースギヤ1の歯すじCが基礎部2の半径方向に対し所定の捩れ角を有しているが、本発明はこれには限られない。フェースギヤ1の歯すじCが基礎部2の半径方向に対し平行であっても良い。
続いて、図7から図10を参照し、フェースギヤと、フェースギヤと歯車対(フェースギヤ対)を成すピニオンとを有するギヤセットについて説明する。
図7は本発明によるフェースギヤとピニオンとを有するギヤセットの回転時における噛合い状態を示している。図7(a)はフェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図である。図7(b)はフェースギヤの半径方向内方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。図7(c)はフェースギヤの半径方向外方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。なお、図7(b)及び図7(c)においては、フェースギヤとピニオンとの噛合い状態を明確化すべく、それぞれの歯を紙面左右方向に模式的に展開する状態として示している。
図8は本発明によるフェースギヤとピニオンとを有するギヤセットの無回転時における噛合い状態を示している。図8(a)はフェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図である。図8(b)はフェースギヤの半径方向内方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。図8(c)はフェースギヤの半径方向外方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。なお、図8(b)及び図8(c)においては、フェースギヤとピニオンとの噛合い状態を明確化すべく、それぞれの歯を紙面左右方向に模式的に展開する状態として示している。
図9は従来技術によるフェースギヤとピニオンとのギヤセットの回転時における噛合い状態を示す。図9(a)はフェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図である。図9(b)はフェースギヤの半径方向内方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。図9(c)はフェースギヤの半径方向外方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。なお、図9(b)及び図9(c)においては、フェースギヤとピニオンとの噛合い状態を明確化すべく、それぞれの歯を紙面左右方向に模式的に展開する状態として示している。
図10は従来技術によるフェースギヤとピニオンとのギヤセットの無回転時における噛合い状態を示す。図10(a)はフェースギヤの歯すじ方向のギヤセットの断面略図である。図10(b)はフェースギヤの半径方向内方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。図10(c)はフェースギヤの半径方向外方端部におけるギヤセットの噛合いの断面略図である。なお、図10(b)及び図10(b)においては、フェースギヤとピニオンとの噛合い状態を明確化すべく、それぞれの歯を紙面左右方向に模式的に展開する状態として示している。
図7及び図8を参照し、本発明のギヤセット200はフェースギヤ1とピニオン101とを備えている。ピニオン101は、円筒部102、及びその外面に複数の歯103を有している。円筒部102は内側に入力軸穴110が設けられている。不図示の入力回転軸が入力軸穴110にはめ込まれて固定されることで円筒部102に接続される。入力回転軸の軸線Eは入力軸穴110の中心、すなわち円筒部102の中心を通過しており、軸線Eの方向は、フェースギヤ1の出力回転軸の軸線Aの方向に対しほぼ垂直となっている。なお、入力回転軸と円筒部102とを一体的な構成に、すなわち、入力回転軸とピニオン101とを一体的に構成するようにしても良い。
ピニオン101の円筒部102には、その外面に複数の歯103が設けられている。ピニオン101の複数の歯103のそれぞれは、歯面105、頂部106、歯底107、入力軸方向内方端部108、及び入力軸方向外方端部109を有している。そして複数の歯103のそれぞれはさらに、円筒部102の入力軸方向内方端部108から入力軸方向外方端部109に向かって延在している。
複数の歯103のそれぞれは、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3の歯溝に入り込むことで噛合っている。ピニオン101の入力軸方向外方端部109がフェースギヤ1の半径方向内方端部8にほぼ一致し、ピニオン101の入力軸方向内方端部108がフェースギヤ1の半径方向外方端部9にほぼ一致している。
本実施例においては、フェースギヤ1の歯すじCが基礎部2の半径方向に対し所定の捩れ角を有しているため(図1)、ピニオン101の複数の歯103のそれぞれの歯すじは、入力回転軸の軸線Eに対し所定の捩れ角を有している。すなわち、ピニオン101は、はすば歯車となっている。
図9及び図10を参照し、従来技術のギヤセット400はフェースギヤ301とピニオン101とを備えている。フェースギヤ301は、不図示の出力回転軸、基礎部302及び複数のギヤ歯303を備えている。本発明の基礎部2と同様な構造を有する基礎部302は、円盤形状に作製されているとともに、円盤形状の中心に出力軸穴を備えている。出力回転軸は、基礎部302の出力軸穴にはめ込まれた状態で、固定され接続されている。
基礎部302には、その一方の円盤表面304の上に複数のギヤ歯303が設けられている。複数のギヤ歯303のそれぞれは、歯面305、頂部306、歯底307、半径方向内方端部308、及び半径方向外方端部309を有している。そして、複数のギヤ歯303のそれぞれは、円盤形状を有する基礎部302の半径方向内方から半径方向外方に向かって延在し、基礎部302の円周に沿った環形状を構成するよう配置されている。環形状の内円に半径方向内方端部308が一致し、外円に半径方向外方端部309が一致している。
歯面305は、複数のギヤ歯303の噛合い及び寸法の基準となる基準面(不図示)と複数のギヤ歯303の全ての頂部306を含む歯先面との間の歯末と、その基準面と複数のギヤ歯303の全ての歯底307を含む歯底面との間の歯元とから構成されている。そして、歯面305は頂部306と歯底307とに接続してそれらの間に位置付けられ、歯面305と歯底307とにより、複数のギヤ歯303のそれぞれの隣り合う二つの間の空間である歯溝が形成されている。歯溝には歯車対(フェースギヤ対)を成すピニオン101の歯103が入り込み、ギヤの噛合いが形成される。
フェースギヤ301の複数のギヤ歯303のそれぞれは、所定の全歯丈と歯厚とを有しており、それらは半径方向内方端部308から半径方向外方端部309に至るまで一定の寸法を有している。さらに複数のギヤ歯303のそれぞれの延在方向(歯すじ)は基礎部302の半径方向に対し所定の捩れ角を有している。
図7を参照し、本発明のギヤセット200のフェースギヤ1とピニオン101との間で回転が生じている場合、フェースギヤ1は常にピニオン101から、フェースギヤ1の出力回転軸の軸線Aに略平行でフェースギヤ1の方向の負荷を受けている。そのため、フェースギヤ1においては、軸線Aから半径方向外方に向かうに従い基礎部2の傾きが増加する。本発明においては、フェースギヤ1が半径方向内方端部8から半径方向外方端部9に向かうにつれ、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれの全歯丈及び歯厚が共に増加する構成を有している。そのため、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれは、半径方向内方端部8から半径方向外方端部9に向かうに従い、その半径方向内方端部8におけるフェースギヤ1のギヤ歯の頂部6とピニオン101の複数の歯103のそれぞれの歯底107との最少隙間の程度だけ全歯丈を連続的に増大させている。また、その半径方向内方端部8におけるフェースギヤ1のギヤ歯とピニオン101の歯との間のバックラッシの程度だけ、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれの歯厚を連続的に増大させている。
一方、図9を参照し、従来技術のギヤセット400のフェースギヤ301とピニオン101との間で回転が生じている場合、フェースギヤ301も常に本発明のフェースギヤ1と同様な負荷をピニオン101から受けている。そのため、フェースギヤ301においても、半径方向外方に向かうに従い基礎部302の傾きが増加する。フェースギヤ301は、半径方向内方端部308から半径方向外方端部309の間で複数のギヤ歯303のそれぞれの全歯丈及び歯厚が一定である構成を有している。そのため、半径方向内方端部308から半径方向外方端部309に向かうにつれて、フェースギヤ301とピニオン101との噛合い位置がピニオン101の歯の頂部側に移動する噛合い離れを生じる。その結果、フェースギヤとピニオンとの噛合い率の低下や歯の強度が低い部分での噛合いが発生する。
本発明のギヤセット200の構成においては、フェースギヤ1の構造により、フェースギヤ1とピニオン101との間の回転を増加させて定格回転に達し、フェースギヤ1の基礎部2において傾きが生じた場合であっても、その傾きに応じた歯接触部の位置の最適化が行われている。従って、フェースギヤ1とピニオン101との間の噛合いは定格回転時においても常に最良の状態とすることができ、従来技術と比較し、フェースギヤとピニオンとの間の応答性や動力の伝達効率の向上、静粛化、高強度化等が図られている。
なお、フェースギヤ1が回転時に傾く割合は、フェースギヤ1の材質、ピニオン101からの入力トルク等により異なる。そのため、歯の諸言設計の前に使用先のアクチュエータ等の仕様やギヤの材質を決定し、傾き角度を予め算出しておく必要がある。しかし、フェースギヤ1の基礎部2の一方の面4の背面に負荷受けの構造等を配置することで、フェースギヤ1の最大の傾き角度を容易に所定の値に設定することもできる。
図8を参照し、本発明のギヤセット200のフェースギヤ1とピニオン101との間が停止時である又は逆回転に移行する場合、すなわち無回転時の場合、フェースギヤ1はピニオン101から負荷を受けない。フェースギヤ1は半径方向内方端部8から半径方向外方端部9に向かうにつれ、フェースギヤ1のギヤ歯の全歯丈及び歯厚のそれぞれが増加する構成を有している。そのため、フェースギヤ1の基礎部2において回転による傾きが発生しない際は、半径方向外方端部9に近づくに従い、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれがピニオン101の歯溝により深く入り込む。
一方、図10を参照し、従来技術のギヤセット400のフェースギヤ301とピニオン101との間が停止時である又は逆回転に移行する場合、すなわち無回転時の場合においても、フェースギヤ301はピニオン101から負荷を受けない。そのため、フェースギヤ301においては、基礎部302において回転の際に生じる傾きが発生しない。フェースギヤ301は、半径方向内方端部308から半径方向外方端部309の間で複数のギヤ歯303のそれぞれの全歯丈及び歯厚が一定である構成を有している。そのため、フェースギヤ301とピニオン101との噛合いは所定のバックラッシを保持した状態になる。
本発明のギヤセット200においては、無回転時において、半径方向外方端部9に近づくに従い、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれがピニオン101の歯溝により深く入り込む。そのため、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3の半径方向外方端部9の近傍において、フェースギヤ1とピニオン101との間のバックラッシがゼロ(ノンバッラッシ)となる。すなわち、フェースギヤ1の複数のギヤ歯3のそれぞれが、ピニオン101の複数の歯103のそれぞれと隙間無く接触している部分が存在する。これにより、従来技術と比較し、無回転又は逆回転時におけるフェースギヤ1とピニオン101との間の応答性の向上や歯打ち音の低減を図ることができる。そして、例えば、精密な位置制御が要求され得る産業機械のアクチュエータ等においても本発明は非常に有用となる。
本実施例のギヤセット200は、フェースギヤ1のギヤ歯3の歯すじCが基礎部2の半径方向に対し所定の捩れ角を有しているため(図1)、ピニオン101は、はすば歯車となっている。しかし本発明はこれに限定されず、フェースギヤ1のギヤ歯3の歯すじCが基礎部2の半径方向に対し平行であっても良く、その場合、ピニオン101は平歯車となる。
また、本実施例のギヤセット200は、フェースギヤ1の軸線Aとピニオン101の軸線Eとが一点で交わる交差軸歯車による歯車対として記載されている。しかし本発明はこれに限定されず、ピニオン101がはすば歯車であれば、軸線Aから軸線Eがオフセットされた、すなわち軸線Aと軸線Eとの間に空間を有する食い違い軸歯車による歯車対であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1:フェースギヤ
2:基礎部
3:フェースギヤのギヤ歯
4:一方の円盤表面
5:フェースギヤのギヤ歯の歯面
6:フェースギヤのギヤ歯の頂部
7:フェースギヤのギヤ歯の歯底
8:半径方向内方端部
9:半径方向外方端部
10:出力軸穴
101:ピニオン
102:円筒部
103:ピニオンの歯
105:ピニオンの歯の歯面
106:ピニオンの歯の頂部
107:ピニオンの歯の歯底
108:入力軸方向内方端部
109:入力軸方向外方端部
110:入力軸穴
200:ギヤセット
A:軸線
C:歯すじ
D:環形状部
E:軸線

Claims (10)

  1. 回転軸まわりに環形状に配置された複数のギヤ歯を有するフェースギヤと、前記ギヤ歯と噛合う複数の歯を有するピニオンと、を備えるギヤセットであって、
    前記フェースギヤの半径方向外方の部分における前記ギヤ歯の歯厚及び全歯丈が、前記フェースギヤの半径方向内方の部分における前記ギヤ歯の歯厚及び全歯丈より大きく、
    前記フェースギヤの半径方向内方端部から半径方向外方端部に向かうに従い、前記半径方向内方端部における前記ギヤ歯の頂部と、前記ピニオンの前記歯の歯底との最小隙間の程度だけ前記ギヤ歯の全歯丈が連続的に増大しているギヤセット
  2. 前記ギヤ歯の歯厚は、前記径方向内方から前記半径方向外方に向けて連続的に増加している請求項1に記載のギヤセット
  3. 前記ギヤ歯の歯厚は、前記半径方向内方から前記半径方向外方に向けて段階的に増加している請求項1に記載のギヤセット。
  4. 前記フェースギヤは樹脂又は金属により作製される請求項1乃至3のいずれか一項に記載のギヤセット
  5. 前記ギヤセットが無回転の際の前記フェースギヤと前記ピニオンとの間のバックラッシはゼロである請求項1から4のいずれか一項に記載のギヤセット。
  6. 前記フェースギヤの転軸と前記ピニオンの回転軸とはほぼ垂直である請求項1から5のいずれか一項に記載のギヤセット。
  7. 前記フェースギヤは、前記フェースギヤの転軸の半径方向に対して捩れ角をなす歯すじを有し、前記ピニオンは、はすば歯車である請求項からのいずれか一項に記載のギヤセット。
  8. 前記フェースギヤは、前記フェースギヤの転軸の半径方向と平行な歯すじを有し、前記ピニオンは、平歯車である請求項からのいずれか一項に記載のギヤセット。
  9. 前記フェースギヤの転軸と前記ピニオンの回転軸とが一点で交わる交差軸歯車である請求項1から8のいずれか一項に記載のギヤセット。
  10. 前記フェースギヤの転軸と前記ピニオンの回転軸との間に空間を有する食い違い軸歯車である請求項1から9のいずれか一項に記載のギヤセット。
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