JP6446841B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる(例えば特許文献1参照)。
特開2009−261415号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、表示制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、表示部を有する表示手段と、
データ生成手段によって生成された生成データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記データ生成手段は、
前記生成データを生成するために用いられる制御情報を導出する情報導出手段と、
当該情報導出手段により導出された前記制御情報を、当該制御情報の適用対象となる個別画像に対応させて設定されたデータであって動きの基準となるデータである基準データに適用する情報適用手段と、
を備え、
前記基準データは複数の単位基準データを有し、前記情報適用手段によりそれら複数の単位基準データに前記制御情報が適用されることでそれら複数の単位基準データの相対的な位置関係が変更されることにより当該基準データに対応する個別画像の表示態様が変更される構成であり、
前記情報導出手段は、
導出用記憶手段を導出前状態に設定する導出前設定手段と、
前記導出前状態に設定された前記導出用記憶手段を利用して前記制御情報を導出する導出実行手段と、
を備え、
前記導出前設定手段による前記導出前状態への設定は、一の画像の更新タイミングにおける前記生成データを生成するために複数回実行され得る構成であり、
前記導出実行手段は、
前記導出前設定手段により前記導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、所定種類の個別画像に対応した前記制御情報を導出する第1対応導出手段と、
前記導出前設定手段により前記導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、複数種類の個別画像に対応した前記制御情報を導出する第2対応導出手段と、
を備え
前記所定種類の個別画像に対応する前記単位基準データの個数は所定個数であり、当該単位基準データは1個の前記基準データに設定されており、
前記複数種類の個別画像に対応する前記単位基準データの合計個数は前記所定個数以下であり、当該単位基準データは1個の前記基準データに集約させて設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、表示制御を好適に行うことが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行される主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 制御パターンテーブルを説明するための説明図である。 (a)〜(c)音光側MPUから表示CPU72に送信されるコマンドの内容を説明するための説明図である。 各コマンドデータにより指示される内容を説明するための説明図である。 音光側MPUにて実行されるコマンド選択処理を示すフローチャートである。 表示CPUにて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 (a)表示CPUにて実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートであり、(b)コマンド格納バッファを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。 参照テーブルを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行される表示側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 タスク処理との関係で実行対象テーブルのポインタ情報の調整が行われる様子を示すタイムチャートである。 (a)〜(c)描画リストの内容を説明するための説明図である。 VDPにて実行される描画処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)色替え演出の内容を説明するための説明図である。 (a)色替え演出を実行するためのメモリモジュールのデータ構成を説明するための説明図であり、(b)カラーパレットを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される色替え演出用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される色替え演出用の設定処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される色替え演出用の書き込み処理を示すフローチャートである。 (a)〜(e)エフェクト演出を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行されるエフェクト演出用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行されるエフェクト演出用の設定処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行されるエフェクト演出用の書き込み処理を示すフローチャートである。 (a)〜(e)発展演出を説明するための説明図である。 各エフェクト用画像データを利用して発展演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 表示CPUにて実行される発展演出用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される発展演出用の設定処理を示すフローチャートである。 (a)同時表示演出を説明するための説明図であり、(b)同時表示演出を実行するためのデータ構成を説明するための説明図であり、(c)増加時用エフェクト画像を表示するための画像データを説明するための説明図である。 増加時用エフェクト画像を表示するための画像データとして、通常エフェクト用画像データ及び簡易エフェクト用画像データが使い分けられる様子を示すタイムチャートである。 表示CPUにて実行される同時表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される同時表示演出用の設定処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 表示CPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)描画リストの内容を説明するための説明図である。 VDPにて実行される描画処理を示すフローチャートである。 描画処理の実行に伴い描画データが作成される様子を説明するための説明図である。 (a),(b)ループ演出を説明するための説明図である。 (a)ループ演出を実行するためのデータ構成を説明するための説明図であり、(b)配合テーブルを説明するための説明図である。 ループ演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 表示CPUにて実行されるループ演出用の演算処理を示すフローチャートである。 表示CPUにて実行される補間表示期間用処理を示すフローチャートである。 ループ演出用Aキャラクタ及びループ演出用Bキャラクタについて配合による座標データの導出が開始されるタイミングを示すタイムチャートである。 VDPにて実行されるループ演出用の設定処理を示すフローチャートである。 先開始対象決定用テーブルを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される補間表示期間用処理を示すフローチャートである。 (a),(b)ボーンモデル表示の内容を説明するための説明図である。 ボーンモデル表示を行うためのデータ構成を説明するための説明図である。 (a)骨格データを説明するための説明図であり、(b)座標演算用エリアを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行されるボーンモデル表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。 表示CPUにて実行される座標演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行されるボーンモデル表示演出用の設定処理を示すフローチャートである。 (a),(b)集合キャラクタ群を説明するための説明図である。 各集合単位キャラクタの骨格データを説明するための説明図である。 (a)〜(c)ボーン表示用キャラクタと集合単位キャラクタとの各データ量を比較するための説明図である。 集合用ボーンアニメーションデータを説明するための説明図である。 (a),(b)各集合単位キャラクタの動作内容を説明するための説明図である。 (a),(b)平面影表示の内容を説明するための説明図である。 平面影表示を行うために必要なデータ構成を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される平面影表示用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される平面影表示用の設定処理を示すフローチャートである。 (a),(b)平面影表示の別形態の内容を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される平面影表示用の演算処理を示すフローチャートである。 (a)段差影表示の内容を説明するための説明図であり、(b)段差影表示を行うために必要なデータ構成を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される段差影表示用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される段差影表示用の設定処理を示すフローチャートである。 (a)変動表示演出の内容を説明するための説明図であり、(b)VRAMの展開用バッファにおいて変動表示演出の実行に際して利用されるエリアの構成を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される変動表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される変動表示演出用の設定処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される変動表示演出用の描画データ作成処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)各保存用バッファに保存された図柄表示部の描画データを説明するための説明図である。 (a)〜(e)各保存用バッファに保存された描画データを利用して変動表示演出用画像の描画データが作成される様子を説明するための説明図である。 (a),(b)歪み背景表示の内容を説明するための説明図である。 (a)〜(c)歪み背景表示を行うための画像データを説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される歪み背景表示用の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される歪み背景表示用の設定処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される屈折適用処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13には遊技盤24が搭載されている。図2は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。内枠13において遊技盤24の下方に取り付けられた遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射操作装置28が手動操作されることにより遊技球の発射動作を行う。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合又は第2作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面Pよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。すなわち、特図表示部37aにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
図柄表示装置41の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4は図柄表示装置41の表示面Pを示す図である。
図3(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Pには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面Pでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図4(b)に示すように、表示面Pは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Pには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当するとともに、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当する。15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せ又は同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。また、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組合せとは異なる所定の図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
図2の説明に戻り、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。また、開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードに対応した表示演出が図柄表示装置41にて実行される。
図1に示すように、上記構成の遊技盤24を有する内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部42が形成されている。窓部42は、略楕円形状をなし、窓パネル43が嵌め込まれている。窓パネル43は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル43を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部42の上方には表示発光部44が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部45が設けられている。また、窓部42の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部46と下側膨出部47とが上下に並設されている。上側膨出部46内側には上方に開口した上皿46aが設けられており、下側膨出部47内側には同じく上方に開口した下皿47aが設けられている。上皿46aは、裏パックユニット15に設けられた払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿47aは、上皿46a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
内枠13の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源・発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
<主制御装置50>
主制御装置50は、遊技の主たる制御を司る主制御基板51を具備している。なお、主制御装置50において主制御基板51などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板51には、MPU52が搭載されている。MPU52には、当該MPU52により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM53と、そのROM53内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM54と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM53として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM53として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM53と、RAM54とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU52には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU52の入力側には、電源・発射制御装置57が接続されている。電源・発射制御装置57は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板51に動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板51だけでなく、払出制御装置55や後述する表示制御装置70といった他の機器にも供給される。
なお、MPU52と電源・発射制御装置57との電力経路上に停電監視基板を設けてもよい。この場合、当該停電監視基板により停電の発生が監視され、停電の発生が確認された場合にはMPU52に対して停電信号が送信されるようにすることで、MPU52において停電時用の処理を実行することが可能となる。
また、MPU52の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU52において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU52では第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU52にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU52は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、これら各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、抽選カウンタ用バッファ54aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア54bに格納される。
保留格納エリア54bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM53に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口の開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は大入賞口への入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口の開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は大入賞口への入賞個数が6個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構58が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に特電入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に特電入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部38aにおける1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM53に振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、明示2R確変大当たり結果と、15R確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、2種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、確変大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示2R確変大当たり結果が含まれていてもよい。この場合、確変大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、特電入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面Pに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Pの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示面P内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図4の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置41の表示面Pにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画像をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM53のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置50において行うのではなく、音声発光制御装置60において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU52において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理が1回実行される毎に1回更新され、後述するメイン処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM53の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで電役保留エリア54cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
MPU52の出力側には、払出制御装置55が接続されているとともに、電源・発射制御装置57が接続されている。払出制御装置55には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置55は、主制御装置50から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置56により賞球や貸し球の払出制御を行う。電源・発射制御装置57には、発射操作装置28が操作されていることに基づいて発射許可コマンドが送信される。電源・発射制御装置57は、主制御装置50から受信した発射許可コマンドに基づいて、遊技球発射機構58を駆動させ遊技球を遊技領域に向けて発射させる。
また、MPU52の出力側には、特図表示部37a及び普図表示部38aが接続されており、これら特図表示部37a及び普図表示部38aの表示制御がMPU52により直接行われる。つまり、各遊技回に際しては、MPU52において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU52において普図表示部38aの表示制御が実行される。
MPU52の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉を開閉動作させる特電入賞駆動部、及び第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電役物駆動部が接続されている。つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口が開閉されるように、MPU52において特電入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU52において普電役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU52の出力側には、音声発光制御装置60が接続されており、当該音声発光制御装置60に対して演出用の各種コマンドを送信する。
ここで、MPU52にて実行される処理について説明する。かかるMPU52の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
図7はメイン処理を示すフローチャートである。ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。続くステップS102ではRAM54のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU52の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置57に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM54の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM54をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM54の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置60に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU52はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM54の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
次に、図8のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS205では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、RAM54に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。
続くステップS206では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部に行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電入賞駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電役物駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM54に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS213では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア54bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア54bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する処理を実行する。この場合、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無に対応した変動表示時間テーブルをROM53から読み出し、その読み出した変動表示時間テーブルと、そのタイミングにおける変動種別カウンタCSの数値情報とから今回の遊技回の継続時間を決定する。そして、その決定した遊技回の継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置60に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンドを音声発光制御装置60に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置60に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置60に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置60に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置60に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS213の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS214にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS216では、払出制御装置55から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS217では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS218では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<音声発光制御装置60>
次に、音声発光制御装置60について説明する。
音声発光制御装置60は、図5に示すように、MPU62が搭載された音声発光制御基板61を具備している。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM63として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM63として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM63と、RAM64とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置50が接続されているとともに、MPU62の出力側には表示発光部44及びスピーカ部45が接続されている。また、MPU62の入力側及び出力側の両方に対して、表示制御装置70の後述する表示CPU72が接続されている。つまり、MPU62は表示CPU72と双方向通信可能となるように接続されており、これらMPU62と表示CPU72との間でコマンドが双方向通信でやり取りされる。なお、当該双方向通信はシリアル通信で行われるが、これに限定されることはなくパラレル通信で行われる構成としてもよい。
MPU62では、主制御装置50から送信された変動用コマンドを受信することで、遊技回用の演出を開始させる必要があることを認識し、遊技回用演出開始処理を実行する。また、主制御装置50から送信された終了コマンドを受信することで、遊技回用の演出を終了させる必要があることを認識し、遊技回用演出終了処理を実行する。また、主制御装置50から送信された大当たり演出用の各種コマンドを受信することで、大当たり演出を開始させる必要があること又は進行させる必要があることを認識し、大当たり演出用処理を実行する。
なお、MPU62において主制御装置50からコマンドを受信するとは、主制御装置50からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板に中継されたコマンドを受信する構成も含まれる。
遊技回用演出開始処理では、変動用コマンド及び種別コマンドの両コマンドに基づいて、該当遊技回の変動表示時間を把握する変動表示時間の把握処理と、リーチ表示の有無を把握するリーチ表示把握処理と、大当たり結果の有無を把握する大当たり結果発生の把握処理と、大当たり結果が発生する場合における大当たり種別を把握する大当たり種別の把握処理と、を実行する。また、リーチ表示把握処理、大当たり結果発生の把握処理及び大当たり種別の把握処理における把握結果に基づいて、本遊技回において図柄表示装置41の表示面Pに最終停止表示させる図柄の種類を決定する図柄種別把握処理を実行する。そして、上記各把握処理の結果に基づいて、変動表示時間の情報及び表示演出の種類の情報を含む変動パターンコマンドと、最終停止表示させる図柄の種類の情報を含む図柄指定コマンドを、表示制御装置70に送信する。
また、遊技回用演出開始処理では、上記各把握処理の他に、予告表示を行うか否かの予告表示抽選処理を実行する。この場合、当該抽選処理では、予告表示の種別抽選についても実行される。そして、予告表示の発生当選である場合には、予告表示の種別の情報を含む予告コマンドを、表示制御装置70に送信する。
また、遊技回用演出開始処理では、上記各処理の処理結果に基づいて、遊技回用の表示発光テーブルと遊技回用の音声テーブルとをROM63から読み出す。遊技回用の表示発光テーブルにより、該当する遊技回の進行過程における表示発光部44の発光態様が規定される。また、遊技回用の音声テーブルにより、該当する遊技回の進行過程におけるスピーカ部45からの出力態様が規定される。
遊技回用演出終了処理では、現状の遊技回における表示発光部44の発光制御及びスピーカ部45の音声出力制御を終了する。また、当該遊技回用演出終了処理では、遊技回用演出を終了させるべき情報を含む終了コマンドを、表示制御装置70に送信する。
大当たり演出用処理では、受信している大当たり演出用の各種コマンドに基づいて、オープニング時、各ラウンド時、各ラウンド間及びエンディング時などの演出態様を把握し、その把握結果に対応した大当たり演出用のコマンドを表示制御装置70に送信する。また、当該把握結果に基づいて、大当たり演出用の表示発光テーブルと大当たり演出用の音声テーブルとをROM63から読み出し、大当たり演出中における表示発光部44の発光態様やスピーカ部45からの音声の出力態様を規定する。
<表示制御装置70>
次に、表示制御装置70について説明する。
表示制御装置70は、図5に示すように、表示CPU72と、ワークRAM73と、メモリモジュール74と、VRAM75と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)76と、が搭載された表示制御基板71を備えている。
表示CPU72は、表示制御装置70においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し、解釈及び実行を行う。詳細には、表示CPU72は表示制御基板71に搭載された入力ポート77に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置60から送信された各種コマンドは入力ポート77を通じて表示CPU72に入力される。なお、表示CPU72において音声発光制御装置60からコマンドを受信するとは、音声発光制御装置60からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板に中継されたコマンドを受信する構成も含まれる。
表示CPU72は、バスを介してワークRAM73、メモリモジュール74及びVRAM75と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール74に記憶された各種データをワークRAM73に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU72は、バスを介してVDP76と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に画像信号を出力させる描画指示を行う。以下、メモリモジュール74、ワークRAM73、VRAM75及びVDP76について説明する。
メモリモジュール74は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データを予め記憶しているとともに、図柄表示装置41に表示される図柄やキャラクタなどのスプライトデータ、背景データ、及び動画像データなどを含む各種画像データを予め記憶している記憶手段である。当該メモリモジュール74は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有してなる。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール74は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
ここで、各スプライトデータは、キャラクタの外形や模様を規定するビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットテーブルとの組合せを少なくとも含んでいる。また、背景データは、静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。動画像データについては、後に詳細に説明する。
ワークRAM73は、メモリモジュール74から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM73は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM73は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM73には、表示CPU72からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から制御用データが転送される。そして、表示CPU72は、ワークRAM73に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
VRAM75は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM75は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM75は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
VRAM75は展開用バッファ81を備えており、展開用バッファ81には、VDP76からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から画像データが転送される。また、VRAM75には、VDP76により描画データが作成されるフレームバッファ82が設けられている。なお、VRAM75がVDP76に内蔵されていてもよい。
VDP76は、表示CPU72からの描画指示に基づき、展開用バッファ81に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。VDP76はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP76は、制御部91と、レジスタ92と、動画デコーダ93と、表示回路94と、を備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、表示CPU72用のI/F95及びVRAM75用のI/F96と接続されている。
VDP76では、表示CPU72から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ92に記憶させる。レジスタ92に描画リストが記憶されることにより、制御部91では描画リストに従ったプログラムが起動されて予め定められた処理が実行される。なお、制御部91が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリを制御部91に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容とによって制御部91が所定の処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール74から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。
上記処理として、制御部91は、メモリモジュール74に記憶されている画像データをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す。また、制御部91は、展開用バッファ81に読み出された画像データを用いて(又は加工することにより)、フレームバッファ82に1フレーム分の描画データを作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の表示面Pにおける画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるために必要なデータのことをいう。
ここで、フレームバッファ82には、複数のフレーム領域82a,82bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域82aと、第2フレーム領域82bとが設けられている。これら各フレーム領域82a,82bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域82a,82bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち表示面P)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
フレームバッファ82に第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて図柄表示装置41への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、フレームバッファ82として、ダブルバッファ方式が採用されている。
表示回路94では、第1フレーム領域82a又は第2フレーム領域82bに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路94に接続された出力ポート78を介して図柄表示装置41に出力される。詳細には、出力対象のフレーム領域82a,82bから表示回路94へ描画データが転送される。その転送された描画データは図柄表示装置41の解像度に対応したものとなるように、図示しないスケーラにより解像度調整が行われて階調データに変換される。そして、当該階調データに基づいて図柄表示装置41の各ドットに対応した画像信号が生成されて出力される。なお、表示回路94からは水平同期信号又は垂直同期信号などの同期信号も出力される。また、動画デコーダ93では、VRAM75の展開用バッファ81に転送された動画像データのデコードを実行する。
<音声発光制御装置60のMPU62の処理構成>
次に、音声発光制御装置60のMPU62(以下、音光側MPU62という)にて実行される処理について説明する。図9は音光側MPU62にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まずステップS301にて、主制御装置50のMPU52(以下、主側MPU52という)から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行する。続くステップS302では、図柄表示装置41の表示制御の内容を表示CPU72に指示するためのコマンド選択処理を実行する。
その後、ステップS303にて、表示発光部44の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。当該発光制御処理では、上記ステップS301の主側コマンド対応処理にて読み出された制御パターンテーブルに従って表示発光部44の発光制御を行う。また、ステップS304では、スピーカ部45の音出力制御を行うための音出力制御処理を実行する。当該音出力制御処理では、上記ステップS301の主側コマンド対応処理にて読み出された制御パターンテーブルに従ってスピーカ部45の音出力制御を行う。その後、ステップS305にてポインタ更新処理を実行する。ポインタ更新処理では、現状の制御パターンテーブルのポインタ情報を次のポインタ情報に更新する。また、ステップS306では、表示CPU72から受信したコマンドに対応した処理を行うための表示側コマンド対応処理を実行する。
<主側コマンド対応処理>
図10は、タイマ割込み処理(図9)のステップS301にて実行される主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS401:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(ステップS402)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU52にて決定された当否抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報をRAM64に書き込む。
続くステップS403では、予告抽選処理を実行する。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置41にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
続くステップS404では、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれかであれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一の奇数図柄の組合せは15R確変大当たり結果の場合に選択される一方、同一の偶数図柄の組合せは通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれにおいても選択され得る。なお、同一の図柄の組合せが停止表示される有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、通常大当たり結果であっても同一の奇数図柄の組合せが選択され得る構成としてもよい。
停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が明示2R確変大当たり結果であれば、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一の有効ラインL1〜L5上に特定の図柄の組合せ(「3・4・1」)が成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。
停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ表示の有無を特定する。そして、リーチ表示が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
続くステップS405では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から遊技回の継続時間の情報を特定するとともに、当該継続時間の情報、上記ステップS402にて特定した遊技結果の情報、上記ステップS403における予告抽選処理の抽選結果の情報、及び上記ステップS404にて決定した停止結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。この演出パターンの選択に際しては、ROM63に設けられたパターン決定用テーブルを参照し、今回の上記継続時間の情報、上記遊技結果の情報、上記予告抽選処理の抽選結果の情報、及び上記停止結果の情報に対応した制御パターンテーブルのROM63におけるアドレスを特定し、そのアドレスの特定結果に基づいて当該制御パターンテーブルをROM63から読み出してRAM64に書き込む。
図11を参照しながら制御パターンテーブルについて、より具体的に説明する。なお、図11は15R確変大当たり結果となる場合に選択され得る制御パターンテーブルの一例である。
図11に示すように制御パターンテーブルには、対象となる遊技回の継続時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は今回の遊技回に対応した発光制御及び音出力制御を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた態様で表示発光部44の発光制御が行われるとともにスピーカ部45の音出力制御が行われる。
図11に示す制御パターンテーブルについて具体的には、「0」のポインタ情報に変動開始時のデータが設定されており、「200」のポインタ情報に予告演出開始時のデータが設定されており、「300」のポインタ情報に予告演出終了時のデータが設定されており、「400」のポインタ情報にノーマルリーチ開始時のデータが設定されており、「700」のポインタ情報に、スーパーリーチ開始時のデータが設定されており、「1000」のポインタ情報に、確定演出開始時のデータが設定されており、「1400」のポインタ情報に、変動終了時のデータが設定されている。これら各ポインタ情報は、演出の開始、演出の切り換わり、及び演出の終了といった区切りタイミングに対応している。また、これら以外のポインタ情報には、区切りタイミング間の発光制御及び音出力制御を可能とするためのデータが設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンドの出力の有無、及びそのコマンドの種類を示す情報である。制御パターンテーブルに従って表示CPU72へのコマンド出力が行われることで、図柄表示装置41における画像の内容と、表示発光部44における発光内容と、スピーカ部45における音出力内容とを関連付けることが可能となる。つまり、図柄表示装置41における動画の内容に応じて、表示発光部44にて光の演出が実行されるとともに、スピーカ部45にて音出力の演出が実行される。
図11に示す制御パターンテーブルについて具体的には、タスクの内容において変動開始時のデータが設定されている「0」のポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、遊技回の変動開始時には、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンド送信に基づき、表示CPU72において表示制御が開始される。また、タスクの内容において、予告演出開始時のデータ、ノーマルリーチ開始時のデータ、スーパーリーチ開始時のデータ、確定演出開始時のデータ及び変動終了時のデータのそれぞれが設定されている各ポインタ情報、具体的には、「200」、「400」、「700」、「1000」、「1400」の各ポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドが送信されるという所定の開始契機が発生したことにより開始される遊技回用の演出の範囲内において、遊技回用の演出に含まれる演出区分の種類が変化する場合には、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンド送信に基づき、表示CPU72において新たな演出区分に対応する表示制御が開始される。
追加データの情報は、制御パターンテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知の実行指示があった場合などに追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。例えば、報知として所定の文字を画像として表示することに対応した追加データが設定されている場合には、当該文字画像が、タスクの内容に対応した画像上に追加されるように画像表示がなされる。
なお、制御パターンテーブルは遊技回用の演出以外にも、開閉実行モード用の演出や、遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれも実行されていない状況における演出に対応させて設けられている。このように様々な状況に対応させて制御パターンテーブルが設定されていることにより、音光側MPU62に動作電力が供給されている状況では何らかの制御パターンテーブルがRAM64に読み出された状態となっている。
主側コマンド対応処理(図10)の説明に戻り、ステップS406では主側MPU52から報知実行コマンドを受信しているか否かを判定する。報知実行コマンドは、主側MPU52のタイマ割込み処理(図8)におけるステップS205の不正検知処理にて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生していることが特定された場合に出力されるとともに、ステップS212の入力状態監視処理にて、遊技機本体12又は前扉枠14が開放状態であることが特定された場合にも出力される。報知実行コマンドには報知対象の内容に対応したデータが含まれるため、音光側MPU62は受信した報知実行コマンドから報知対象の内容を特定することが可能である。
報知実行コマンドを受信している場合(ステップS406:YES)、報知開始用の設定処理を実行する(ステップS407)。報知開始用の設定処理では、現状設定されている制御パターンテーブルにおける現状のポインタ情報以降の追加データに、今回の報知実行コマンドに対応した報知を実行するためのデータを設定する。例えば、不正を検知したことに対応した報知実行コマンドを受信している場合には、不正報知を表示発光部44及びスピーカ部45にて行うためのデータを追加データとして設定する。また、遊技機本体12の開放といったパチンコ機10の状態変化に対応した報知実行コマンドを受信している場合には、状態報知を表示発光部44及びスピーカ部45にて行うためのデータを追加データとして設定する。これにより、表示発光部44及びスピーカ部45にて不正報知又は状態報知が実行される。なお、報知実行コマンドを受信した後であって報知解除コマンドを受信する前に、実行対象とする制御パターンテーブルが変更された場合にはその新たに変更された制御パターンテーブルの追加データに対して、直前の制御パターンテーブルの追加データに設定されていた内容と同様の内容の報知用データが設定される。これにより、報知の実行を継続することが可能となる。
その後、ステップS408にて、今回受信した報知実行コマンドの内容に対応した報知実行コマンドを表示CPU72に送信する。これにより、報知実行コマンドに対応した報知画像が図柄表示装置41にて表示されるように、表示CPU72にて表示制御が実行される。
ステップS409では、主側MPU52から報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。報知解除コマンドは、主側MPU52のタイマ割込み処理(図8)におけるステップS205の不正検知処理にて、所定の事象が発生している状態が解除されたことが特定された場合に出力されるとともに、ステップS212の入力状態監視処理にて、遊技機本体12又は前扉枠14が開放されている状態から閉鎖されたことが特定された場合にも出力される。
報知解除コマンドを受信している場合(ステップS409:YES)、報知解除用の設定処理を実行する(ステップS410)。報知解除用の設定処理では、現状設定されている制御パターンテーブルにおける現状のポインタ情報以降の追加データを「0」クリアする。これにより、表示発光部44及びスピーカ部45にて実行されている不正報知又は状態報知が解除される。その後、ステップS411にて、報知解除コマンドを表示CPU72に送信する。これにより、図柄表示装置41における報知画像の表示が終了される。
主側コマンド対応処理では、上記各処理以外にも、ステップS412にてその他の対応処理を実行する。その他の対応処理では、例えば、主側MPU52から最終停止コマンドを受信している場合には遊技回用の演出を終了させるための処理を実行する。また、主側MPU52からオープニングコマンドを受信している場合に開閉実行モード用の演出を実行するための制御パターンテーブルを読み出し、主側MPU52からエンディングコマンドを受信している場合には開閉実行モード用の演出を終了させるための処理を実行する。また、遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれもが実行されていない状況においては、待機中演出を実行するための制御パターンテーブルを読み出す。
<コマンド選択処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS302にて実行されるコマンド選択処理について説明する。コマンド選択処理の説明に先立ち、音光側MPU62から表示CPU72に送信されるコマンドの内容について説明する。図12は当該コマンドの内容を説明するための説明図である。
音光側MPU62から表示CPU72に送信されるコマンドは、複数バイトのデータ構成となっている。具体的には、図12(a)〜図12(c)に示すように、第1コマンドデータCD1と、第2コマンドデータCD2と、第3コマンドデータCD3とを有している。第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3は同一のバイト数となっており、具体的にはそれぞれ1バイトとなっている。但し、これに限定されることはなく各コマンドデータCD1〜CD3のそれぞれが複数バイトである構成としてもよい。
第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3のそれぞれは、上位2ビットが識別用ビットとしての機能を有し、残りの6ビットがデータ用ビットとしての機能を有する。識別用ビットには自身のコマンドデータが第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3のうちいずれであるのかを示すデータが設定される。具体的には、第1コマンドデータCD1の識別用ビットには図12(a)に示すように「01」が設定されており、第2コマンドデータCD2の識別用ビットには図12(b)に示すように「10」が設定されており、第3コマンドデータCD3の識別用ビットには図12(c)に示すように「11」が設定されている。
データ用ビットには、音光側MPU62から表示CPU72への指示内容に対応したデータが設定される。第1コマンドデータCD1のデータ用ビットには、指示内容のうち大枠の内容として第1種別の種類を表示CPU72に特定させるためのデータが設定される。具体的には、演出の実行を指示するコマンドであれば、遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出及び待機中演出において実行される演出の種類のデータが設定されるとともに、報知の実行を指示するコマンドであれば、不正報知及び状態報知のうちいずれが実行対象であるかを示すデータが設定される。
第2コマンドデータCD2のデータ用ビットには、第1コマンドデータCD1により指定された第1種別の種類に含まれる第2種別の種類を表示CPU72に特定させるためのデータが設定される。また、第3コマンドデータCD3のデータ用ビットには、第2コマンドデータCD2により指定された第2種別の種類に含まれる第3種別の種類を表示CPU72に特定させるためのデータが設定される。
図13の説明図を参照しながら、演出の実行を指示するコマンドを例に挙げて、各コマンドデータCD1〜CD3によりどのような内容が指示されるのかについて説明する。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、遊技回用の演出として予告表示が発生し得る。予告表示は、図柄表示装置41にて全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において行われる演出であり、リーチ表示が行われる場合の方が行われない場合よりも予告表示が発生し易く、さらに大当たり結果に対応した遊技回の方が外れ結果に対応した遊技回に比べ予告表示が発生し易い。当該予告表示は複数種類設定されており、その一部として、ステップアップ予告及び会話予告が設定されている。
ステップアップ予告は段階的に実行される演出であり、実行対象となる段階数、演出の実行に際して表示される文字の表示色、及び表示対象となる予告キャラクタの種類の組合せによって、リーチ表示が行われる期待度及び大当たり結果が発生する期待度が示唆される。また、会話予告は第1予告キャラクタと第2予告キャラクタとの間で会話が行われているような表示が行われる演出であり、実行対象となる会話の内容、当該会話の文字の表示色、及び表示対象となる第1予告キャラクタ及び第2予告キャラクタの種類の組合せによって、リーチ表示が行われる期待度及び大当たり結果が発生する期待度が示唆される。
第1コマンドデータCD1が16進数で表した場合において「41」である場合、ステップアップ予告に対応している。ステップアップ予告の場合、第2コマンドデータCD2によって、段階数、文字色及び予告キャラクタのいずれが指示対象であるのかが指示され、第3コマンドデータCD3によって、第2コマンドデータCD2により指示されている指示対象の具体的な内容が指示される。この場合、1種類のコマンドによって指示される内容は、ステップアップ予告に含まれる複数種類の第2種別の内容のうち1種類のみである。つまり、ステップアップ予告を実行する場合には、段階数、文字色及び予告キャラクタのそれぞれの種類を表示CPU72に指示する必要があるが、1種類のコマンドによっては1種類の第2種別の内容のみが指示される。したがって、ステップアップ予告の実行を指示する場合には、各コマンドデータCD1〜CD3を含むコマンドを、第2種別の内容の種類分、具体的には3種類送信する必要がある。音光側MPU62は、ステップアップ予告の実行を指示すべく3種類のコマンドの送信を完了した場合、1バイトの終了コマンドを表示CPU72に送信する。終了コマンドは、他のコマンドにおいて使用されないデータ構成となっている。具体的には16進数で「FF」となっている。表示CPU72は、終了コマンドを受信した場合、今回の指示対象となっているコマンド群の送信が完了したことを特定する。これにより、ステップ予告の実行を指示するために第1〜第3コマンドデータCD1〜CD3からなるコマンドが複数種類送信される構成であったとしても、それらコマンドの全ての受信が完了したことを表示CPU72において明確に把握することが可能となる。
第1コマンドデータCD1が16進数で表した場合において「42」である場合、会話予告に対応している。会話予告の場合、第2コマンドデータCD2によって、会話の内容、文字色、第1予告キャラクタ及び第2予告キャラクタのいずれが指示対象であるのかが指示され、第3コマンドデータCD3によって、第2コマンドデータCD2により指示されている指示対象の具体的な内容が指示される。この場合、会話予告の場合もステップアップ予告の場合と同様に、1種類のコマンドによって指示される内容は、会話予告に含まれる複数種類の第2種別の内容のうち1種類のみである。つまり、会話予告を実行する場合には、会話の内容、文字色、第1予告キャラクタ及び第2予告キャラクタのそれぞれの種類を表示CPU72に指示する必要があるが、1種類のコマンドによっては1種類の第2種別の内容のみが指示される。したがって、会話予告の実行を指示する場合には、各コマンドデータCD1〜CD3を含むコマンドを、第2種別の内容の種類分、具体的には4種類送信する必要がある。音光側MPU62は、会話予告の実行を指示すべく4種類のコマンドの送信を完了した場合、ステップアップ予告の場合と同様に、1バイトの終了コマンドを表示CPU72に送信する。これにより、会話予告の実行を指示するために第1〜第3コマンドデータCD1〜CD3からなるコマンドが複数種類送信される構成であったとしても、それらコマンドの全ての受信が完了したことを表示CPU72において明確に把握することが可能となる。また、ステップアップ予告と会話予告とで音光側MPU62から送信されるコマンドの総数が相違しているとしても各演出に対応したコマンドの全ての送信が完了した場合に終了コマンドが送信されることで、各演出に対応したコマンドの全ての受信が完了したことを表示CPU72において明確に把握することが可能となる。
なお、他の演出の実行指示に際しても複数種類の第2種別の内容を指示すべく、所定の演出の実行を指示するコマンドの送信に際しては複数種類のコマンドが送信されるとともに、それらコマンドの送信が完了した場合には終了コマンドが送信される。また、第2種別の内容が1種類のみの演出も存在しているが、かかる演出の実行を指示する場合には各コマンドデータCD1〜CD3を含む1種類のコマンドを送信するとともにその送信が完了した場合に終了コマンドを送信する。また、音光側MPU62は演出の実行指示用のコマンドだけでなく報知の実行指示用のコマンドを送信する場合にも最終的に終了コマンドを送信する。これにより、表示CPU72は終了コマンドを受信したか否かで、所定の指示を行うための音光側MPU62からのコマンドの受信が完了したか否かを把握することが可能となる。
所定期間において実行される予告表示の実行内容を音光側MPU62が表示CPU72に指示する場合、当該予告表示に含まれる第2段階の内容に対応させて、第1〜第3コマンドデータCD1〜CD3からなるコマンドが複数種類送信される。これにより、第2段階の種類数を増減させる場合や、第2段階の内容を変更する場合であっても、対応する第2段階の単位でコマンドの変更を行えばよいため、コマンドの設定の容易化が図られる。
また、このように第2種別の内容に1対1で対応させて複数種類のコマンドを送信する構成とすることにより、一のコマンドがノイズの影響などで伝送途中にデータが書き換えられたとしても、その影響を1種類の第2種別の内容に留めることが可能となる。
複数のコマンドデータCD1〜CD3によって段階的に指示内容を決定付ける構成とすることで、音光側MPU62から表示CPU72に指示する内容が多様化する場合であっても、パチンコ機10の設計段階におけるコマンドの設計の容易化が図られる。
また、ステップアップ予告の実行を指示するためのコマンドにおいて第2コマンドデータCD2として利用されるデータは、会話予告の実行を指示するためのコマンドにおける第2コマンドデータCD2としてそのまま利用され、同様に、ステップアップ予告の実行を指示するためのコマンドにおいて第3コマンドデータCD3として利用されるデータは、会話予告の実行を指示するためのコマンドにおける第3コマンドデータCD3としてそのまま利用される。これら各コマンドデータCD1〜CD3として利用されるデータはROM63に予め記憶されているが、上記のように第2コマンドデータCD2として利用されるデータ、及び第3コマンドデータCD3として利用されるデータが、複数種類のコマンドにおいて共通して利用される構成であることにより、ROM63においてコマンド用のデータを記憶するのに必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
以下、上記コマンドを送信するために音光側MPU62にて実行されるコマンド選択処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
制御パターンテーブルにおける現状のポインタ情報に対応したエリアに、表示CPU72へのコマンドの送信タイミングを示すデータが設定されている場合(ステップS501:YES)、当該制御パターンテーブルから今回の送信タイミングにおけるコマンドの種類数を読み出し、その種類数に対応する値をRAM64に設けられたコマンド種類数カウンタにセットする(ステップS502)。その後、制御パターンテーブルにおける現状のポインタ情報に対応したエリアにて指示されているROM63のコマンド用エリアのアドレスデータであって、現状のコマンド種類数カウンタの値に対応したアドレスデータを特定する。そして、その特定したアドレスデータに従って、第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3をROM63から読み出し(ステップS503〜ステップS505)、それら読み出した各コマンドデータCD1〜CD3をコマンド送信対象用エリアとしてRAM64に設けられたリングバッファにセットする(ステップS506)。音光側MPU62はタイマ割込み処理(図9)とは別に定期的(例えば1msec)に起動される送信割込み処理にて、リングバッファにセットされているコマンドを順次読み出して表示CPU72に送信する。この場合、リングバッファにセットされたタイミングが早いコマンドから順に送信する。
その後、コマンド種類数カウンタの値を1減算し(ステップS507)、その1減算後におけるコマンド種類数カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS508)。「0」となっていない場合には、更新後のコマンド種類数カウンタの値に対応したコマンドについてステップS503〜ステップS506の処理を実行する。「0」となっている場合にはステップS509にて、ROM63から終了コマンドを読み出して上記リングバッファにセットする。
<表示CPU72の処理構成>
次に、表示CPU72にて実行される処理について説明する。図15は表示CPU72にて予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動されるV割込み処理を示すフローチャートである。
なお、VDP76は図柄表示装置41に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示面Pの左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面Pの右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDP76は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示CPU72へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示CPU72に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。
V割込み処理では、まずステップS601にてコマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、図16(a)のフローチャートに示すように、ステップS701にて、音光側MPU62から新たなコマンドを受信しているか否かを判定する。表示CPU72は音光側MPU62からストローブ信号を受信した場合、その時点で実行されている処理が何であったとしても最優先でコマンド割込み処理を起動し、入力ポート77にて受信しているコマンドを、ワークRAM73に設けられたコマンド格納バッファ101に格納する。
コマンド格納バッファ101について詳細には、図16(b)に示すように、第1未処理エリア102と、第2未処理エリア103と、第3未処理エリア104とを備えている。各未処理エリア102〜104はそれぞれ、コマンド格納エリア102a〜102e,103a〜103e,104a〜104eを5個備えている。各コマンド格納エリア102a〜102e,103a〜103e,104a〜104eはそれぞれ、第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3からなる1種類のコマンドを格納することが可能となるように3バイトのデータ構成となっている。また、各未処理エリア102〜104に設けられているコマンド格納エリア102a〜102e,103a〜103e,104a〜104eの数は、音光側MPU62から演出の実行指示又は報知の実行指示が1回行われる場合に送信されるコマンドの最大種類数以上となっている。これにより、各未処理エリア102〜104のそれぞれにおいて1回の演出の実行指示に際して送信されるコマンド群及び1回の報知の実行指示に際して送信されるコマンド群を格納することが可能となる。また、未処理エリア102〜104の数は、表示CPU72にて未処理の状態で待機し得るコマンド群の最大数以上となっている。これにより、未処理のコマンド群が待機し得る構成において、コマンド群に対応した処理の実行漏れを防止することが可能となる。
コマンド割込み処理では、終了コマンドを前回受信してからコマンドを新たに受信した場合、第1未処理エリア102に未処理のコマンド群が格納されていない場合には第1未処理エリア102にそのコマンドを格納し、第1未処理エリア102に未処理のコマンド群が格納されている場合には第2未処理エリア103にそのコマンドを格納し、第2未処理エリア103に未処理のコマンド群が格納されている場合には第3未処理エリア104にそのコマンドを格納する。そして、終了コマンドを受信するまではコマンドを受信する度に、格納対象とした未処理エリアのコマンド格納エリアに対するコマンド格納処理を順次実行する。終了コマンドを受信した場合には、コマンド格納対象の未処理エリアを次の順番のエリアに設定する。なお、コマンド割込み処理ではコマンドを格納する処理を実行した場合、未処理エリア102〜104においていずれのコマンド格納エリア102a〜102e,103a〜103e,104a〜104eにコマンドが格納されているのかを特定可能とするためのデータ設定を行う。
コマンド解析処理(図16(a))の説明に戻り、ステップS701では未処理エリア102〜104へのコマンドの格納が新たに開始されたか否かを判定する。ステップS701にて肯定判定をした場合には、コマンド群の受信中であるか否かを表示CPU72にて特定するためにワークRAM73に設けられた受信中フラグに「1」をセットする。ステップS702の処理を実行した場合、又は受信中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS703:YES)、ステップS704にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信している場合(ステップS704:YES)、ワークRAM73に設けられた未処理カウンタの値を1加算するとともに(ステップS705)、受信中フラグを「0」クリアする(ステップS706)。
V割込み処理(図15)の説明に戻り、ステップS601にてコマンド解析処理を実行した後は、ワークRAM73の未処理カウンタの値が1以上であることを条件として(ステップS602:YES)、ステップS603にてコマンド対応処理を実行し、ステップS604にて未処理カウンタの値を1減算する。コマンド対応処理について図17のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
まず今回の処理対象のコマンドの読み出し処理を実行する(ステップS801)。具体的には、ワークRAM73のコマンド格納バッファ101における第1未処理エリア102に格納されているコマンドをワークRAM73の処理対象コマンド用のエリアに書き込む。なお、当該書き込みを実行した場合には、コマンド格納バッファ101において第2未処理エリア103の各データを第1未処理エリア102に上書きした後に、第3未処理エリア104の各データを第2未処理エリア103に上書きする。
その後、今回の処理対象のコマンドの種類数に対応した値をワークRAM73に設けられた処理対象カウンタにセットする(ステップS802)。その後、今回の処理対象のコマンドにおける第1コマンドデータCD1に対応した参照テーブルをメモリモジュール74から読み出す(ステップS803)。参照テーブルは、第1コマンドデータCD1のデータ内容に1対1で対応させて設けられており、処理対象のコマンドに対応した画像表示を図柄表示装置41にて実行するための表示パターンテーブルを特定するためのデータが設定されている。
ステップアップ予告に対応したデータが第1コマンドデータCD1に設定されている場合の参照テーブルRTについて、図18の説明図を参照しながら説明する。
参照テーブルRTには、ステップアップ予告において全ての第2種別の種類について生じ得る全ての第3種別の種類の組合せに1対1で対応させて実行対象テーブルのアドレスが設定されている。例えば、第2種別の種類が「段階数」である場合における第3種別の種類が「2」であり、第2種別の種類が「文字色」である場合における第3種別の種類が「赤色」であり、第2種別の種類が「予告キャラクタ」である場合における第3種別の種類が「第24キャラクタ」である場合、参照テーブルRTにおいて第2段階赤24テーブルのアドレスが実行対象テーブルのアドレスとして設定されている。
実行対象テーブルは、音光側MPU62からの1回のコマンド群の送信に対応した動画を図柄表示装置41の表示面Pに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。実行対象テーブルには、当該実行対象テーブルによる動画の表示期間に含まれる更新タイミングの数分のポインタ情報が設定されているとともに、各ポインタ情報のそれぞれに対応させて当該ポインタ情報に対応した更新タイミングにおける画像の表示を可能とするためのデータが設定されている。
コマンド対応処理(図17)の説明に戻り、ステップS803にて参照テーブルを読み出した後は、ステップS801にてワークRAM73の処理対象コマンドのエリアに書き込んだコマンドのうち、現状の処理対象カウンタの値に対応したコマンドを読み出し、そのコマンドにおける第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3の組合せに対応したデータを表示CPU72のレジスタに書き込む(ステップS804)。処理対象カウンタの値は、第1未処理エリア102のコマンド格納エリア102a〜102eと1対1で対応しており、ステップS804では、現状の処理対象カウンタの値に対応したコマンド格納エリアから処理対象コマンド用のエリアに書き込まれたコマンドを上記データの読み出し対象とする。
ステップS804の処理を実行した後はステップS805にて処理対象カウンタの値を1減算する。そして、ステップS806にて、その1減算後の処理対象カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、更新後の処理対象カウンタの値に対応したコマンドについてステップS804の処理を実行する。「0」となっている場合には、ステップS807にて実行対象テーブルの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、ステップS804にて表示CPU72のレジスタに読み出したデータに対応した実行対象テーブルのアドレスを、ステップS803にて読み出した参照テーブルから特定し、メモリモジュール74におけるその特定したアドレスのエリアに記憶されている実行対象テーブルをワークRAM73に読み出す。これにより、処理対象のコマンドに対応した実行対象テーブルの読み出しが完了し、当該処理対象のコマンドに対応した動画を図柄表示装置41にて表示させることが可能となる。
ちなみに、遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出及び待機演出といった演出を実行するための実行対象テーブルに基づく表示制御が実行されている状況で、不正報知又は状態報知を実行するための実行対象テーブルが読み出される場合、既に読み出されている演出用の実行対象テーブルをワークRAM73に記憶保持しながら報知用の実行対象テーブルをワークRAM73に読み出す。そして、後述するタスク処理(図19)ではそれら実行対象テーブルの両方に対応した画像の表示を可能とする演算処理を実行し、後述するポインタ更新処理(ステップS607)ではそれら実行対象テーブルの各ポインタ情報の更新を行う。
V割込み処理(図15)の説明に戻り、ステップS603のコマンド対応処理にて、不正報知用又は状態報知用の実行対象テーブルが新たにセットされた場合(ステップS605:YES)、又は不正報知用又は状態報知用の実行対象テーブルが新たにセットされていない場合(ステップS605:NO)であってもワークRAM73に設けられた演算完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS606:YES)、ステップS607にて、ポインタ更新処理を実行するとともに、演算完了フラグを「0」クリアする。ポインタ更新処理では、現状の実行対象テーブルのポインタ情報を次の更新タイミングに対応したポインタ情報に更新する。なお、コマンド対応処理(ステップS603)にて実行対象テーブルが新たにセットされた直後のステップS607では、最初の更新タイミングに対応したポインタ情報となるように当該ポインタ情報の更新処理を実行する。演算完了フラグは、一の更新タイミングに対応した画像を表示させるための各種演算処理が、V割込み処理の前回の処理実行回において完了しているか否かを表示CPU72にて特定するためのフラグである。
ステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にてタスク処理を実行する。タスク処理では、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP76に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。パラメータとして具体的には、メモリモジュール74において制御対象の画像データが記憶されているエリアのアドレス情報、VRAM75において制御対象の画像データを転送するエリアのアドレス情報、制御対象の画像データを用いて描画データを作成すべき対象のフレーム領域82a,82bの情報、作成対象のフレーム領域82a,82bにおいて制御対象の画像データを書き込む際の座標の情報、当該画像データを書き込む際のスケールの情報、及び当該画像データを書き込む際の一律α値(半透明値)の情報が含まれている。
その後、ステップS609にて描画リスト出力処理を実行する。描画リスト出力処理では、今回の処理回に係る更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP76に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータ情報が合わせて設定される。VDP76では、この描画リストに従ってVRAM75のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する。このVDP76における処理については後に詳細に説明する。
ステップS608のタスク処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。まずステップS901では、ワークRAM73に設けられた遅延中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。タスク処理では、詳細は後述するように背景用演算処理、演出用演算処理及び図柄用演算処理といった各種演算処理を実行する。この場合、図柄表示装置41に表示させる個別画像の数、個別画像の種類及び個別画像の表示態様によって各種演算処理の実行に要する期間が変動する。そして、期間が変動した結果、タスク処理において全ての演算処理の実行が完了するまでに、V割込み処理の次の処理回を開始すべきタイミングとなることが起こり得る。この場合に、V割込み処理の実行を待機すると、音光側MPU62からのコマンド送信に対して表示CPU72において迅速に対処することができなくなってしまう。そこで、タスク処理の実行途中にV割込み処理の次の処理回を開始すべきタイミングとなった場合には、タスク処理をそのまま続行するのではなく、V割込み処理の新たな処理回を開始する構成となっている。但し、V割込み処理の新たな処理回を開始する場合には、その時点におけるタスク処理の演算結果を記憶保持し、その新たな処理回のV割込み処理におけるタスク処理にてその演算途中から演算処理を再開することで、一の更新タイミング分の演算処理が実行されないままとなってしまわないようにしている。これにより、例えば所定の個別画像を表示させるためのパラメータの更新が前回の更新値からの差分により制御される構成においてパラメータの更新が1回飛んでしまいその後のパラメータの更新が正確に行えなくなってしまうといった不都合の発生を抑制することが可能となる。遅延中フラグは、上記のようにタスク処理における各種演算処理の実行が一旦中断されて遅延されている状況であるか否かを表示CPU72にて特定するためのフラグである。なお、個別画像とは、背景データといった静止画像データにより規定される一の静止画像や、図柄スプライトデータといったスプライトデータにより規定される一のスプライトのことである。
遅延中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS901:NO)、制御開始用の設定処理を実行する(ステップS902)。制御開始用の設定処理では、まず現状設定されている実行対象テーブルに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、ワークRAM73において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータ情報を設定する。
続くステップS903では、制御更新対象を把握する。この制御更新対象は、制御開始処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の画像に含まれる可能性がある個別画像が対象となる。
その後、ステップS904にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS905にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、背景用演算処理を実行する(ステップS906)。背景用演算処理では、背景の画像を構成することとなる最背面用の静止画像や背景用スプライトのうち今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、仮想2次元平面における座標、回転角度、スケール、一律α値及びαデータ指定などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータ情報を演算して導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、ステップS907にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS908にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、演出用演算処理を実行する(ステップS909)。演出用演算処理では、リーチ表示、予告表示及び大当たり演出といった各種演出において表示対象となる演出の画像を構成する演出スプライトのうち今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、上記各種パラメータ情報を導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、ステップS910にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS911にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、図柄用演算処理を実行する(ステップS912)。図柄用演算処理では、各遊技回において変動表示の対象となる図柄のうち、今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、上記各種パラメータ情報を導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
ちなみに、ステップS906、ステップS909及びステップS912の各演算処理では、個別画像の各種パラメータ情報を画像更新タイミングとなる度に、特定のパターンに従って変化させるように設定されたアニメーション用データが用いられる。このアニメーション用データは、個別画像の種類に応じて定められている。また、図柄用演算処理では、不正報知用又は状態報知用の実行対象テーブルがワークRAM73に読み出されている場合、当該実行対象テーブルに対応した報知画像を表示するための演算処理を実行するとともにその報知画像を表示するための報知スプライト、及び当該報知スプライトに適用する各種パラメータ情報を導出する。
その後、ステップS913にて、ワークRAM73に設けられた演算完了フラグに「1」をセットする。演算完了フラグは、ステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理をそれぞれ1回ずつ実行したことを表示CPU72にて特定するためのフラグである。
その後、ステップS914にて描画指示対象の把握処理を実行する。描画指示対象の把握処理では、上記ステップS906、ステップS909及びステップS912の各演算処理により制御更新対象となった各個別画像のうち、今回の描画データの作成指示に係る1フレーム分の画像に含まれる個別画像を把握する処理を実行する。当該把握は、各種個別画像の座標、回転角度及びスケールの情報とを参照して予め定められた演算を実行することで行われる。ここで把握された個別画像が、描画リストにおいて描画対象として設定される。このように描画リストにて指定する個別画像を、制御開始済みの全ての個別画像とするのではなく、表示対象の個別画像のみとすることで、VDP76において表示対象の個別画像を選別する必要がなく、また選別しないとしても表示対象ではない個別画像について無駄に描画処理を行う必要がなくなる。これにより、VDP76の処理負荷の低減が図られる。
ここで、V割込み処理の新たな処理回が開始された場合には当該V割込み処理の新たな起動が禁止されることとなるが、ステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理が実行される前の各タイミングで、V割込み処理の新たな起動が許可される(ステップS904、ステップS907及びステップS910)。これにより、ステップS904、ステップS907又はステップS910が実行された時点でV割込み処理の新たな処理回の開始タイミングとなっている場合、すなわち今回のV割込み処理が開始されてから既に20msecが経過している場合には、タスク処理がその時点で中断されて、V割込み処理の新たな処理回が開始されて上述したステップS601の処理を開始する。これにより、V割込み処理の新たな処理回の開始タイミングとなっているにも関わらずV割込み処理の新たな処理回の開始が待機されている期間を短くすることが可能となる。
但し、このようにV割込み処理の新たな処理回が開始される場合であっても、今回のタスク処理におけるそれまでの処理結果に対応したデータはそのまま記憶保持される。また、この場合、ワークRAM73に設けられた中断時用アドレスエリア111に、当該V割込み処理の新たな処理回が開始される直前に実行されていた処理に対応したアドレスデータが書き込まれる。中断時用アドレスエリア111に書き込まれたアドレスデータが、新たな処理回のV割込み処理におけるタスク処理の開始に際して参照されることで、前回のタスク処理において中断が発生したタイミングから処理の実行を再開することが可能となる。
また、ステップS904、ステップS907及びステップS910にてV割込み処理の新たな起動を許可した場合、ステップS905、ステップS908及びステップS911にてその新たな起動を禁止した後にステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理を実行する。これにより、各種演算処理の実行途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されてしまわないようにすることが可能となる。各種演算処理の実行途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されると、記憶保持すべき演算途中のデータのデータ量が極端に多くなってしまうことが想定され、さらにV割込み処理の新たな処理回において演算途中の状態に復帰する場合におけるアドレスデータの内容も複雑なものとなってしまうおそれがある。これに対して、各種演算処理が開始される前にV割込み処理の新たな起動を禁止することで、各種演算処理の途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
タスク処理の実行途中でV割込み処理の新たな処理回が開始された場合には、ステップS913にて演算完了フラグに「1」をセットする処理を実行することなく、V割込み処理(図15)のステップS601の処理が開始されることとなる。そうすると、演算完了フラグに「1」がセットされていないとしてステップS606にて否定判定をする。この場合、ステップS610にてワークRAM73の遅延中フラグに「1」をセットする。
遅延中フラグに「1」がセットされている場合、その後のタスク処理(図19)ではステップS901にて肯定判定をする。この場合、遅延中フラグを「0」クリアした後に(ステップS915)、ワークRAM73の中断時用アドレスエリア111からアドレスデータを読み出すことで、前回のタスク処理においてV割込み処理の新たな処理回が開始される直前に実行していた処理にジャンプする(ステップS916)。これにより、前回のタスク処理において中断が発生したタイミングから処理の実行を再開することが可能となる。
V割込み処理(図15)においては、ステップS606にて否定判定をした場合、さらに遅延コマンドを音光側MPU62に送信する(ステップS611)。遅延コマンドには、現状の実行対象テーブルにおけるポインタ情報のデータが含まれる。音光側MPU62において遅延コマンドを受信した場合の処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS306の表示側コマンド対応処理にて実行される。
具体的には、図20のフローチャートに示すように、遅延コマンドを受信した場合(ステップS1001:YES)、今回受信した遅延コマンドから実行対象テーブルのポインタ情報を読み出す(ステップS1002)。その後、音声発光制御装置60のRAM64に読み出されている制御パターンテーブルのポインタ情報と、上記遅延コマンドから読み出したポインタ情報とに基づいて、表示CPU72において更新タイミングの遅延が発生したことに対応する遅延分のポインタ範囲を算出する(ステップS1003)。
制御パターンテーブルには、表示CPU72へのコマンドの出力タイミングが設定されているため、表示CPU72における現状の実行対象テーブルに対応する演出の実行指示を行ったタイミングのポインタ情報を導出することが可能である。また、音光側MPU62において制御パターンテーブルのポインタ情報が更新される周期と、表示CPU72において実行対象テーブルのポインタ情報が更新される周期とは相違しているものの、これら周期は予め定められた周期で概ね一定となる。音光側MPU62は、制御パターンテーブルの現状のポインタ情報から表示CPU72にてタスク処理の中断が発生していない場合における実行対象テーブルの本来のポインタ情報を導出することが可能である。そして、その導出したポインタ情報と、表示CPU72の遅延コマンドから把握したポインタ情報との差分から、音光側MPU62における制御の進行具合と表示CPU72における制御の進行具合とを一致させるのに必要な、制御パターンテーブルのポインタ情報の減算値を導出することが可能である。
ステップS1004では、その導出した減算値を、制御パターンテーブルの現状のポインタ情報から減算することにより、当該ポインタ情報の調整処理を実行する。これにより、表示CPU72にてタスク処理の中断が発生して実行対象テーブルのポインタ情報の更新が遅延されたとしても、音光側MPU62における制御パターンテーブルのポインタ情報をその遅延が発生している実行対象テーブルのポインタ情報と対応させることが可能となる。
タスク処理との関係で実行対象テーブルのポインタ情報の調整が行われる様子について図21のタイムチャートを参照しながら説明する。図21(a)はV割込み処理の起動タイミングを示し、図21(b)はタスク処理の実行期間を示し、図21(c)は実行対象テーブルのポインタ情報の更新タイミングを示し、図21(d)は遅延コマンドの送信タイミングを示し、図21(e)は表示CPU72が音光側MPU62から報知実行コマンドを受信したタイミングを示す。なお、以下の説明ではV割込み処理の処理回が新たに開始されたタイミングでポインタ情報が更新されるものとするが、実際にはV割込み処理の処理回が新たに開始されたタイミングよりも後であってタスク処理が開始される前のタイミングでポインタ情報が更新される。これは遅延コマンドの出力タイミングについても同様である。
まずタスク処理の途中で中断が発生する場合であって、そのタスク処理の途中で報知実行コマンドを受信していない場合について説明する。
図21(a)に示すようにt1のタイミングでV割込み処理の新たな処理回が開始される。この場合、図21(c)に示すように実行対象テーブルのポインタ情報が更新される。その後、t2のタイミングで図21(b)に示すようにタスク処理が開始され、当該タスク処理はV割込み処理の新たな起動タイミング(t4のタイミング)よりも前のタイミングであるt3のタイミングで終了する。この場合、タスク処理の中断は発生しない。
その後、図21(a)に示すようにt4のタイミングでV割込み処理の新たな処理回が開始されるとともに、図21(c)に示すように実行対象テーブルのポインタ情報が更新される。そして、t5のタイミングで図21(b)に示すようにタスク処理が開始される。但し、当該タスク処理の実行途中であるt6のタイミングで図21(a)に示すようにV割込み処理の新たな起動タイミングとなる。この場合、現状実行されているタスク処理は図21(b)に示すように中断され、V割込み処理の新たな処理回が開始される。
当該t6のタイミングではV割込み処理の新たな処理回が開始されたとしても実行対象テーブルのポインタ情報は更新されない。これにより、その新たな処理回のV割込み処理ではポインタ情報の更新が行われないままタスク処理が開始されるため、V割込み処理の前回の処理回で設定されたポインタ情報に対応するデータを利用したタスク処理を実行することが可能となる。また、t6のタイミングで図21(d)に示すように表示CPU72から音光側MPU62に遅延コマンドが送信される。これにより、表示CPU72の実行対象テーブルにおいてポインタ情報の更新が遅れた状況において、その遅れに合わせて音光側MPU62の制御パターンテーブルのポインタ情報を調整することが可能となる。
次に、タスク処理の中断が発生する場合であって、そのタスク処理の途中で報知実行コマンドを受信している場合について説明する。
図21(a)に示すようにt9のタイミングでV割込み処理の新たな処理回が開始されるとともに、図21(c)に示すように実行対象テーブルのポインタ情報が更新される。そして、t10のタイミングで図21(b)に示すようにタスク処理が開始される。但し、当該タスク処理の実行途中であるt12のタイミングで図21(a)に示すようにV割込み処理の新たな起動タイミングとなる。この場合、現状実行されているタスク処理は図21(b)に示すように中断され、V割込み処理の新たな処理回が開始される。
但し、その中断対象となったタスク処理の開始タイミングであるt10のタイミングよりも後であって、V割込み処理の新たな処理回の開始タイミングであるt12のタイミングよりも前のタイミングであるt11のタイミングで、図21(e)に示すように音光側MPU62から報知実行を受信している。したがって、t12のタイミングでタスク処理が中断されてV割込み処理の新たな処理回が開始されたとしても、図21(c)に示すように実行対象テーブルのポインタ情報は更新される。また、図21(d)に示すように遅延コマンドは送信されない。
その後、t13のタイミングで図21(b)に示すようにタスク処理が開始される。当該タスク処理では、演出用の各種演算処理に関しては演出用の実行対象テーブルにおいてポインタ情報1個分のデータに対応した演算が実行されないままとなっているため、各種パラメータ情報の設定が正常通りに行われないことに起因して演出用の画像表示が円滑に行われない可能性がある。その一方、当該タスク処理において報知用の各種演算処理は開始されるため報知用の画像の表示を即座に開始することが可能となる。その後、当該タスク処理はV割込み処理の新たな起動タイミング(t15のタイミング)よりも前のタイミングであるt14のタイミングで終了する。この場合、タスク処理の中断は発生しない。
V割込み処理の新たな処理回が開始された場合には当該V割込み処理の新たな起動が禁止されることとなるが、ステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理が実行される前の各タイミングで、V割込み処理の新たな起動が許可される(ステップS904、ステップS907及びステップS910)。これにより、ステップS904、ステップS907又はステップS910が実行された時点でV割込み処理の新たな処理回の開始タイミングとなっている場合、すなわち今回のV割込み処理が開始されてから既に20msecが経過している場合には、タスク処理がその時点で中断されて、V割込み処理の新たな処理回が開始されて上述したステップS601の処理を開始する。これにより、V割込み処理の新たな処理回の開始タイミングとなっているにも関わらずV割込み処理の新たな処理回の開始が待機されている期間を短くすることが可能となる。
但し、このようにV割込み処理の新たな処理回が開始される場合であっても、今回のタスク処理におけるそれまでの処理結果に対応したデータはそのまま記憶保持される。また、この場合、ワークRAM73に設けられた中断時用アドレスエリア111に、当該V割込み処理の新たな処理回が開始される直前に実行されていた処理に対応したアドレスデータが書き込まれる。中断時用アドレスエリア111に書き込まれたアドレスデータが、新たな処理回のV割込み処理におけるタスク処理の開始に際して参照されることで、前回のタスク処理において中断が発生したタイミングから処理の実行を再開することが可能となる。
ステップS904、ステップS907及びステップS910にてV割込み処理の新たな起動を許可した場合、ステップS905、ステップS908及びステップS911にてその新たな起動を禁止した後に、ステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理を実行する。これにより、各種演算処理の実行途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されてしまわないようにすることが可能となる。各種演算処理の実行途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されると、記憶保持すべき演算途中のデータのデータ量が極端に多くなってしまうことが想定され、さらにV割込み処理の新たな処理回において演算途中の状態に復帰する場合におけるアドレスデータの内容も複雑なものとなってしまうおそれがある。これに対して、各種演算処理が開始される前にV割込み処理の新たな起動を禁止することで、各種演算処理の途中でV割込み処理の新たな処理回が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
表示CPU72にてタスク処理の中断が発生するとともに次回のV割込み処理においてその中断した状態からタスク処理が再開される場合には、表示CPU72から音光側MPU62に遅延コマンドが送信されることで、当該音光側MPU62において制御パターンテーブルのポインタ情報が当該遅延に対応させて調整される。これにより、当該遅延が発生する場合であったとしても、音光側MPU62における演出の実行制御の内容と、表示CPU72における演出の実行制御の内容とを同期させることが可能となる。
表示CPU72にてタスク処理の中断が発生した場合にV割込み処理(図15)のステップS606にて否定判定をすることで、実行対象テーブルのポインタ情報の更新が行われないとともに音光側MPU62への遅延コマンドの送信が行われる構成において、タスク処理の中断が発生しているとしても遅延非発生条件が成立している場合にはステップS606の判定処理が実行されないことで、実行対象テーブルのポインタ情報の更新が行われるとともに遅延コマンドが送信されない。具体的には、不正報知又は状態報知用の実行対象テーブルがワークRAM73に新たに読み出されている場合には、ステップS605にて肯定判定をすることで、ステップS606の判定処理を実行することなくステップS607の処理を実行する。これにより、演出用の画像表示を円滑に行えなくなる可能性はあるものの、不正報知又は状態報知に対応した画像の表示の開始を最優先することが可能となる。つまり、コマンド対応処理にて報知用の実行対象テーブルがワークRAM73に新たに読み出されたとしても、その後に当該実行対象テーブルについてステップS607のポインタ更新処理が実行されない限りは報知用の画像の表示が開始されない。これに対して、報知用の実行対象テーブルが新たに読み出されている場合には、タスク処理の中断が前回発生していたとしてもステップS607のポインタ更新処理を実行することで、報知用の画像表示の開始が遅れてしまわないようにすることが可能となる。
<VDP76における基本的な処理>
次に、VDP76にて実行される基本的な処理について説明する。
VDP76では、表示CPU72から送信されたコマンドに基づいてレジスタ92の値を設定する処理、表示CPU72から送信された描画リストに基づいてフレームバッファ82のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する処理、及びフレーム領域82a,82bに作成された描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号を出力する処理が実行される。
上記各処理のうち、レジスタ92の値を設定する処理は、表示CPU72用のI/F95に付随する図示しない回路によって、描画リストを受信した場合にその都度実行される。また、描画データを作成する処理は、予め定められた周期(例えば、1msec)で制御部91によって繰り返し起動される。また、画像信号を出力する処理は、表示回路94によって、予め定められた画像信号の出力開始タイミングとなることで実行される。
以下、上記描画データを作成する処理について詳細に説明する。当該処理の説明に先立ち、表示CPU72からVDP76に送信される描画リストの内容について説明する。図22(a)〜(c)は描画リストの内容を説明するための説明図である。
描画リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画リストに係る1フレーム分の画像に対応した描画データを第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bのうちいずれに描画するのかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。また、ヘッダ情報には、デコード指定の有無及びデコード対象となる動画像データのアドレスの情報が設定されている。
描画リストには、上記ヘッダ情報以外にも、1フレーム分の画像を表示するために用いられる複数種類の画像データが設定されており、さらに各画像データの描画順序の情報と、各画像データのパラメータ情報とが設定されている。詳細には、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させて使用する画像データの情報が設定されている。また、各画像データの情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
上記描画順序は、1フレーム分の画像において表示面P奥側に位置するように表示させたい個別画像から先に描画対象となるように設定されている。なお、個別画像とは、背景データといった静止画像データにより規定される一の静止画像や、図柄スプライトデータといったスプライトデータにより規定される一のスプライトのことである。図22(a)の描画リストでは、背景データが最初の描画対象として設定されているとともに、スプライトデータAが2番目、スプライトデータBが3番目、・・・として設定されている。したがって、描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、最初に背景データが書き込まれ、その後に当該背景データに重なるようにしてスプライトデータAが書き込まれ、さらにスプライトデータBが書き込まれる。なお、1フレーム分の画像においては、背景画像→演出画像→図柄の順序で手前側となるように、各個別画像が表示される。
パラメータ情報P(1),P(2),P(3),・・・には、複数種類のパラメータが設定されている。背景データのパラメータP(1)について具体的には、図22(b)に示すように、メモリモジュール74において背景データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、VRAM75において背景データを転送するエリアのアドレスの情報と、背景データを書き込む場合における2次元平面上の位置を示す座標の情報と、背景データを書き込む場合における2次元平面上の回転角度を示す回転角度の情報と、背景データの初期状態として設定されているサイズに対して、フレーム領域82a,82bに書き込む際の倍率を示すスケールの情報と、背景データを書き込む場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報とが設定されている。上記パラメータの種類は、図22(c)に示すように、スプライトデータAについても同様である。
座標の情報は、画像データを構成する全ピクセルについて個別に設定されるのではなく、一の画像データに対して一の座標の情報が設定される。具体的には、座標の情報が指定される基準ピクセルとして画像データの中心の1ピクセルが設定されている。VDP76では、指定される座標の情報が画像データの中心の1ピクセルであることを認識可能となっており、画像データの配置に際してはその中心の1ピクセルが指定された座標上となるようにする。これにより、表示CPU72において一の画像データに対して指定すべき座標の情報の情報容量(すなわちデータ量)を抑えることができる。また、表示CPU72やVDP76において画像データの全ピクセルについて座標を認識可能としておく必要がないため、プログラムの簡素化も図られる。
ちなみに、上記基準ピクセルは中心の1ピクセルに限定されることはなく、例えば左上や右上といった隅角のピクセルであってもよい。スプライトデータや静止画像データは基本的に矩形状として規定されているため、隅角のピクセルを基準ピクセルとすることで、表示CPU72やVDP76において基準ピクセルの認識を行い易くなる。
また、一律α値とは、一の画像データの全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、表示CPU72における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、背景データやスプライトデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてメモリモジュール74に予め記憶されている。当該αデータは、同一の背景データ又は同一のスプライトデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。
上記のように一律α値とαデータとが設定されていることにより、背景データやスプライトデータの透過度をピクセル単位で細かく制御するのではなく全ピクセルに対して一律で制御すればよい状況では一律α値で対応することができることで必要なデータ容量の削減が図られるとともに、αデータを適用することによって透過度をピクセル単位で細かく制御することも可能となる。
VDP76における描画処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1101では、既に受信している描画リストにて指示された描画データの作成が完了しているか否かを判定する。描画データの作成が完了している場合には、ステップS1102にて、表示CPU72から新たな描画リストを受信しているか否かを判定する。新たな描画リストを受信している場合には、ステップS1103にて、受信時の対応処理を実行する。
受信時の対応処理では、描画リストに含まれるターゲットバッファの情報から、今回受信した描画リストに対応した1フレーム分の描画データをいずれのフレーム領域82a,82bに描画するのかを把握する。
続くステップS1104では、内容把握処理を実行する。内容把握処理では、描画リストに読み出し対象として設定されている画像データをメモリモジュール74から読み出しVRAM75の展開用バッファ81に書き込む。また、内容把握処理では、描画リストにおいて描画対象として最初に設定されている画像データの種類を把握するとともに、当該画像データの各種パラメータ情報を把握する。書き込み処理では、ステップS1104における内容把握処理の把握結果に基づいて、作成対象として設定されているフレーム領域82a,82bに今回の描画対象の画像データを書き込む。
一方、ステップS1101にて、既に受信している描画リストにて指示された描画データの作成途中であると判定した場合には、ステップS1106にて描画リストのカウンタの更新処理を実行する。これにより、描画対象が次の描画順序の画像データに切り換えられる。そして、当該切り換えられた画像データについて、上記ステップS1104及びステップS1105の処理を実行する。つまり、描画処理が複数回実行されることで、一の描画リストにより指示された1フレーム分の画像の描画データが作成される。
なお、1回の描画処理で1個の画像データのみが処理される構成に限定されることはなく、1回の描画処理で複数個の画像データが処理される構成としてもよく、また描画処理の各処理回において同一個数の画像データが処理される構成に限定されることはなく、描画処理の各処理回において異なる個数の画像データが処理される構成としてもよい。
ステップS1102にて否定判定した場合、又はステップS1105の処理を実行した後は、ステップS1107にて、表示回路94において1フレーム分の画像信号出力が完了しているか否かを判定する。完了していない場合にはそのまま本描画処理を終了し、完了している場合にはステップS1108にて表示CPU72にV割込み信号を出力した後に、本描画処理を終了する。
上記1フレーム分の描画データの作成は20msec周期の範囲内で完了するように行われる。また、作成された描画データに基づいて表示回路94から図柄表示装置41に画像信号が出力されるが、既に説明したとおりダブルバッファ方式が採用されているため、当該画像信号の出力は当該出力に係るフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われる。なお、表示回路94は1フレーム分の画像信号の出力が完了する毎に参照対象とするフレーム領域82a,82bを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、制御部91において描画データの描画対象となっているフレーム領域82a,82bが画像信号を出力するための出力対象とならないように規制されている。
<色替え演出を行うための構成>
次に、色替え演出を行うための構成について説明する。
図24(a)〜図24(c)は色替え演出の内容を説明するための説明図である。色替え演出とは、図24(a−1)〜図24(a−3)に示すように、複数の画像更新タイミングからなる所定期間において色替え演出用キャラクタCH1が所定の動作を行う動画が表示される場合において、その色替え演出用キャラクタCH1の色替え対象領域CRの表示色が遊技の状況に応じて変更される演出のことである。例えば、遊技回用の演出として色替え演出が実行される場合、色替え対象領域CRの表示色によってリーチ表示発生の期待度や、大当たり結果となる期待度が遊技者に示唆される。また、パチンコ機10ではなくスロットマシンにおいて色替え演出を適用する場合には、内部抽選で当選となった役の種類に応じた表示色で色替え対象領域CRが表示される構成としてもよい。
色替え演出用キャラクタCH1は、顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識されるように表示される。色替え対象領域CRは、色替え演出用キャラクタCH1において複数箇所に設定されている。具体的には、色替え対象領域CRは、色替え演出用キャラクタCH1の頭部分、両肩部分及び胴体部分に設定されている。複数箇所の色替え対象領域CRの表示色は同一色に設定される。例えば、色替え対象領域CRの表示色が青色に設定されている場合には色替え演出用キャラクタCH1の頭部分、両肩部分及び胴体部分は青色で表示され、色替え対象領域CRの表示色が赤色に設定されている場合には色替え演出用キャラクタCH1の頭部分、両肩部分及び胴体部分は赤色で表示される。また、色替え演出の最終段階においては図24(a−3)に示すように、色替え演出用キャラクタCH1に対して色替え演出用エフェクト画像EG1が表示される。エフェクト画像とは、爆風を表す画像、水飛沫を表す画像、光源から周囲に光が照射されている様子を表す発光画像、及びキャラクタの周囲が発光しているかのにように表すオーラ画像といったように、視的効果を高めるための画像である。色替え演出用エフェクト画像EG1として、色替え演出用キャラクタCH1から周囲に光線が照射されているような画像が表示される。
色替え演出を行う場合には、図24(b−1)〜図24(b−3)に示すベース静止画像データBD1,BD2,BD3と、図24(c−1)〜図24(c−3)に示すパーツ画像データPD1,PD2,PD3とが利用される。ベース静止画像データBD1〜BD3は、色替え演出用キャラクタCH1を表示するための画像データである。パーツ画像データPD1〜PD3は、ベース静止画像データBD1〜BD3による色替え演出用キャラクタCH1における色替え対象領域CRに上書きするための画像データであるとともに上記色替え演出用エフェクト画像EG1を付加するための画像データである。描画対象のフレーム領域82a,82bに、図24(b−1)〜図24(b−3)に示すベース静止画像データBD1〜BD3を描画した後に、図24(c−1)〜図24(c−3)に示すパーツ画像データPD1〜PD3を描画することで、図24(a−1)〜図24(a−3)に示すように、図柄表示装置41の表示面Pに色替え演出用キャラクタCH1が表示されるとともに色替え対象領域CRの表示色が状況に応じて変更される。
以下、色替え演出を実行するための具体的な構成を説明する。まず色替え演出を実行するためのデータ構成について説明する。図25(a)は色替え演出を実行するためのメモリモジュール74のデータ構成を説明するための説明図である。図25(a)に示すように、メモリモジュール74には、ベース静止画像データBD1〜BD3の導出を可能とするためのベース動画データBMDと、第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3と、カラーパレットデータ群CPとが予め記憶されている。
ベース動画データBMDは、1フレーム分の静止画像データを基準として複数の差分データを有するようにフレーム間圧縮されて例えばMPEG2方式で符号化された画像データである。ベース動画データBMDがデコードされた場合には、複数フレーム分の静止画像データに展開される。詳細には、ベース動画データBMDは、最初のアドレスにファイルデータが設定され、それに続けて各フレームの圧縮データが設定されている。なお、各フレームの圧縮データにはフレームヘッダが付随している。圧縮データは、基準データに相当する1フレーム分のIピクチャデータと、第1の差分データに相当する複数フレーム分のPピクチャデータと、第2の差分データに相当する複数フレーム分のBピクチャデータと、を有している。Iピクチャデータは、復号に際して、当該データ単独で1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Pピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータを参照して前方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Bピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータと、1フレーム又は複数フレーム後のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータとを参照して双方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。ベース動画データBMDの圧縮データでは、1フレーム目のデータとしてIピクチャデータが設定されている。また、2フレーム目,・・,m―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、mフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。また、m+1フレーム目,・・,n―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、nフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。なお、ピクチャデータの配列パターンは上記のものに限定されることはなく任意である。
ベース動画データBMDを展開することで作成されたベース静止画像データBD1〜BD3の数は、色替え演出の実行期間に含まれる全てのフレーム分となっている。ベース静止画像データBD1〜BD3は、図24(b−1)〜図24(b−3)に示すように、色替え演出用キャラクタCH1のみを表示する画像データである。全てのベース静止画像データBD1〜BD3を利用することにより、色替え演出用キャラクタCH1が所定の動作経路に従って動作を行っているような動画を表示することが可能である。また、ベース静止画像データBD1〜BD3の各ピクセルにはRGBのそれぞれについて1バイト分の色情報が設定されているとともに、不透明のα値が設定されている。
第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3は、ベース静止画像データBD1〜BD3と1対1で対応するようにベース静止画像データBD1〜BD3と同じ数設けられている。第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3は、図24(c−1)〜図24(c−3)に示すように、対応するベース静止画像データBD1〜BD3による色替え演出用キャラクタCH1における色替え対象領域CRと同じ位置、形状及びサイズの色替え対象領域CRを表示することが可能なように設定されている。この場合、各パーツ画像データPD1〜PD3は、複数の色替え対象領域CRが離れた位置にて表示されるようにデータの設定がなされているが、それら複数の色替え対象領域CRをまとめて一の画像データとして扱うことが可能なように、複数の色替え対象領域CRの間を埋める枠領域FRのデータが設定されている。枠領域FRの各ピクセルには色情報が設定されておらずさらに完全透明のα値が設定されている。その一方、色替え対象領域CRの各ピクセルには1バイト分の色情報が設定されているものの、α値は設定されていない。したがって、ベース静止画像データBD1〜BD3に対してパーツ画像データPD1〜PD3を上書きした場合、色替え対象領域CRについてはパーツ画像データPD1〜PD3による画像が表示されることとなるが、その他の領域についてはベース静止画像データBD1〜BD3による画像がそのまま表示される。
パーツ画像データPD1〜PD3のうち色替え演出の終了側の途中タイミングのフレームから終了タイミングのフレームまでの複数フレーム分のパーツ画像データには、図24(c)に示すように、。色替え対象領域CRのみではなく、色替え演出用エフェクト画像EG1を表示するためのデータが設定されている。当該色替え演出用エフェクト画像EG1を表示するための各ピクセルには1バイト分の色情報が設定されているとともに半透明の値とされたα値が設定されている。かかるパーツ画像データをベース静止画像データに対して上書きした場合、色替え演出用キャラクタCH1において色替え対象領域CRが上書きされるだけでなく、図24(a−3)に示すように色替え演出用キャラクタCH1の周囲に半透明となった色替え演出用エフェクト画像EG1が表示されることとなる。そして、このように色替え演出用エフェクト画像EG1が表示された状態は、終了タイミングのフレームまでの複数フレームに亘って継続される。
カラーパレットデータ群CPには、各パーツ画像データPD1〜PD3における色替え対象領域CRの色情報に対して適用する表示色を指定するためのカラーパレットCP1,CP2が複数含まれている。カラーパレットCP1,CP2はパーツ画像データPD1〜PD3の各ピクセルに設定され得るデータの全てに1対1で対応させて色情報が定められたテーブルデータであり、使用対象となっているカラーパレットCP1,CP2を参照することで各ピクセルに設定されているデータに対応した色情報が導出される。
図25(b−1)及び図25(b−2)に示すように、各カラーパレットCP1,CP2はそれぞれ異なる色が基調となるようにデータが設定されている。例えば、図25(b−1)のカラーパレットCP1の場合には赤色が基調となっており、図25(b−2)のカラーパレットCP2の場合には緑色が基調となっている。したがって、図25(b−1)のカラーパレットCP1が適用された場合には各パーツ画像データPD1〜PD3による色替え対象領域CRは赤色が基調となり、図25(b−1)のカラーパレットCP1が適用された場合には各パーツ画像データPD1〜PD3による色替え対象領域CRは緑色が基調となる。カラーパレットCP1,CP2は色情報と表示色との関係のみが定められたデータであるため、一のカラーパレットCP1,CP2のデータ容量は一のパーツ画像データPD1〜PD3のデータ容量よりも小さく、さらにはカラーパレットデータ群CPに含まれる全てのカラーパレットCP1,CP2のデータ容量の合計は一のパーツ画像データPD1〜PD3のデータ容量よりも小さい。さらにまた、色替え対象領域CRの表示色が3種類以上設定されている構成において、パーツ画像データPD1〜PD3の全てのデータ容量とカラーパレットCP1,CP2の全てのデータ容量との和は、ベース動画データBMDのデータ容量を2倍した分のデータ容量よりも小さい。これにより、色替え対象領域CRの表示色の種類分、ベース動画データBMDを用意する構成に比べて、画像データを予め記憶しておくために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
以下、上記色替え演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図26は、表示CPU72にて実行される色替え演出用の演算処理を示すフローチャートである。色替え演出用の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS909の演出用演算処理にて実行される。また、当該色替え演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて色替え演出についての情報が設定されている場合に起動される。
色替え演出の開始タイミングとなっている場合(ステップS1201:YES)、メモリモジュール74におけるベース動画データBMDと第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3との各アドレスを把握する(ステップS1202及びステップS1203)。また、今回の実行対象テーブルにおいて設定されている表示色に対応したカラーパレットCP1,CP2のメモリモジュール74におけるアドレスを把握する(ステップS1204)。その後、ステップS1205にて色替え演出を開始すべきことをVDP76に認識させるための色替え演出開始指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
ステップS1201にて否定判定をした場合、又はステップS1205の処理を実行した場合、実行対象テーブルにおいて現状のポインタ情報に設定されている今回のフレーム番号に対応した各種アドレスを把握する(ステップS1206)。具体的には、ベース動画データBMDをデコードして複数フレーム分のベース静止画像データBD1〜BD3がVRAM75の展開用バッファ81に展開されている場合において、今回のフレーム番号に対応したベース静止画像データBD1〜BD3が格納されているエリアのアドレスと、VRAM75の展開用バッファ81において今回のフレーム番号に対応したパーツ画像データPD1〜PD3が格納されているエリアのアドレスと、VRAM75の展開用バッファ81において今回の表示色に対応したカラーパレットCP1,CP2が格納されているエリアのアドレスと、を把握する。
続くステップS1207では、今回の使用対象となるベース静止画像データBD1〜BD3及びパーツ画像データPD1〜PD3の各種パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれらベース静止画像データBD1〜BD3及びパーツ画像データPD1〜PD3に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS1208にて、色替え演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための色替え演出指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
上記のように色替え演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP76に送信される描画リストには、今回のフレーム番号に対応したベース静止画像データBD1〜BD3及びパーツ画像データPD1〜PD3が描画対象として設定されるとともに、今回の表示色に対応したカラーパレットCP1,CP2が使用対象として設定される。また、当該描画リストには、ベース静止画像データBD1〜BD3及びパーツ画像データPD1〜PD3に適用するパラメータ情報が設定されるとともに、色替え演出指定情報が設定される。なお、色替え演出の開始タイミングである場合には色替え演出開始指定情報が設定される。
次に、VDP76にて実行される色替え演出用の設定処理及び色替え演出用の書き込み処理について説明する。色替え演出用の設定処理は、描画処理(図23)のステップS1104にて実行される内容把握処理の一部の処理として実行され、色替え演出用の書き込み処理は、描画処理(図23)のステップS1105にて実行される書き込み処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて色替え演出指定情報が設定されている場合に、これら色替え演出用の設定処理及び色替え演出用の書き込み処理が実行される。ここで、描画リストでは、色替え演出指定情報が演出用の画像データに関連付けて設定されているため、色替え演出用の設定処理及び色替え演出用の書き込み処理は、今回の描画リストのうち、演出用の画像データの描画順序となった場合に起動される。
図27は色替え演出用の設定処理を示すフローチャートである。
今回の描画リストに色替え演出開始指定情報が設定されている場合(ステップS1301:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74においてベース動画データBMDが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74からベース動画データBMDをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS1302)。そして、動画デコーダ93を利用してベース動画データBMDのデコード処理を実行する(ステップS1303)。これにより、展開用バッファ81に設けられたベース動画用エリアにベース静止画像データBD1〜BD3の全てが展開されて記憶保持される。
その後、ステップS1304にて、描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3が記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74から第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3の全てを、VRAM75の展開用バッファ81に設けられたパーツ画像用エリアに読み出す。また、ステップS1305にて、描画リストに設定されているアドレスの情報から、今回の表示色に対応したカラーパレットCP1,CP2が記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74からそのカラーパレットCP1,CP2を、VRAM75の展開用バッファ81に設けられたパレット用エリアに読み出す。
ステップS1301にて否定判定をした場合、又はステップS1305の処理を実行した場合、ステップS1306にて、今回の設定対象のベース静止画像データBD1〜BD3が格納されているアドレスの情報を描画リストから把握するとともに、ステップS1307にて、今回の設定対象のパーツ画像データPD1〜PD3が格納されているアドレスの情報を描画リストから把握する。また、ステップS1308にて、これらベース静止画像データBD1〜BD3及びパーツ画像データPD1〜PD3のパラメータ情報を描画リストに設定されている情報から把握する。
図28は色替え演出用の書き込み処理を示すフローチャートである。
まず描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、今回の描画対象のベース静止画像データBD1〜BD3を描画する。この描画は、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて描画リストにて指定された座標を基準にして行う(ステップS1401)。
その後、ステップS1402〜ステップS1406にて、今回の描画対象のパーツ画像データPD1〜PD3を今回の表示色に対応したカラーパレットPD1,PD2に従って、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいてベース静止画像データBD1〜BD3が描画された各ドットに上書きする。
具体的には、まずステップS1402にて、今回の描画対象のパーツ画像データPD1〜PD3におけるピクセルの総数に対応した値をレジスタ92に設けられた書き込み処理カウンタにセットする。その後、ステップS1403にて、今回の描画対象のパーツ画像データPD1〜PD3において現状の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルに設定されているデータに対応する色情報を、今回の表示色に対応したカラーパレットPD1,PD2から読み出す。ステップS1404では、ステップS1403にて読み出した色情報を、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて現状の書き込み処理カウンタの値に対応したドットに上書きする。
ちなみに、今回のピクセルが色替え対象領域CR又は色替え演出用エフェクト画像EG1以外である枠領域FRに対応している場合には、いずれのカラーパレットPD1,PD2であったとしても無色の色情報が選択されるとともにその色情報が完全透明となるようにして上書きされる。この場合、描画対象のフレーム領域82a,82bに書き込まれているベース静止画像データBD1〜BD3の色情報は変更されることなく維持される。また、今回のピクセルが色替え対象領域CRに対応している場合には、今回の表示色を基調とした色情報が不透明として上書きされる。また、今回のピクセルが色替え演出用エフェクト画像EG1に対応している場合には、当該エフェクト画像EG1に対応した色情報が半透明として上書きされる。
その後、ステップS1405にてレジスタ92の書き込み処理カウンタの値を1減算し、ステップS1406にてその減算後における書き込み処理カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には減算後の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルの書き込み処理を実行し、「0」となっている場合にはそのまま本色替え演出用の書き込み処理を終了する。
色替え演出用キャラクタCH1を表示するための画像データとして、ベース動画データBMDとは別にパーツ画像データPD1〜PD3が設けられており、ベース動画データBMDをデコードすることにより得られたベース静止画像データBD1〜BD3に対してパーツ画像データPD1〜PD3を上書きするとともに当該パーツ画像データPD1〜PD3に適用するカラーパレットPD1,PD2の種類を変更することにより、同一のベース動画データBMDを利用しながら色替え演出用キャラクタCH1の色替え対象領域CRの表示色を変更することが可能となる。これにより、色替え対象領域CRの表示色の種類分、ベース動画データBMDを用意する構成に比べて、画像データを予め記憶しておくために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
パーツ画像データPD1〜PD3は、ベース動画データBMDをデコードすることにより得られるベース静止画像データBD1〜BD3と1対1で対応させて設けられている。これにより、ベース動画データBMDによる画像の表示期間の全体に亘って、色替え演出用キャラクタCH1の色替え対象領域CRの表示色を所定の色に設定することが可能となる。
パーツ画像データPD1〜PD3に適用するカラーパレットPD1,PD2を変更することにより色替え対象領域CRの表示色を変更する構成である。これにより、変更可能な表示色の数分、パーツ画像データPD1〜PD3の組合せを予め用意する構成に比べて、画像データを記憶するために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
ベース動画データBMDをデコードすることにより得られるベース静止画像データBD1〜BD3には色情報が設定されているものの完全透明又は半透明となるα値は設定されていない。完全透明又は半透明となるα値が設定された静止画像データを動画データとして圧縮するとα値が差分データに悪影響を及ぼし画質が劣化してしまうおそれがあるが、ベース静止画像データBD1〜BD3として完全透明又は半透明となるα値が設定されていないことにより、このような画質の劣化を生じさせないようにしながら画像データを圧縮することが可能となる。同様に、完全透明又は半透明のα値が色情報とともに設定されたパーツ画像データPD1〜PD3は動画データとして圧縮されるのではなく静止画像データとして用意されている。これにより、パーツ画像データPD1〜PD3についても画質の劣化を生じさせないようにすることが可能となる。
色替え演出の終了側の途中タイミングのフレームから終了タイミングのフレームまでの複数フレーム分のパーツ画像データPD3には、色替え演出用エフェクト画像EG1を表示するためのデータが設定されている。色替え演出用エフェクト画像EG1のデータは色情報だけでなく半透明のα値が設定されたデータであるため、このようなデータをベース動画データBMDとして圧縮すると、α値が差分データに悪影響を及ぼし画質が劣化してしまうおそれがある。これに対して、静止画像データであるパーツ画像データPD3に対して色替え演出用エフェクト画像EG1のデータが設定されていることにより、色替え演出用エフェクト画像EG1を表示する場合における画質を良好なものとすることが可能となる。
<色替え演出に係る構成の別形態>
・動画データをデコードすることにより作成された複数の静止画像データに対して他の画像データを重ねて設定することで追加される画像の内容は、動画データにより表示されるキャラクタの一部の領域の画像である構成に限定されることはなく、動画データにより表示されるキャラクタとは別のキャラクタが追加される構成としてもよい。この場合、動画データにおいてキャラクタが所定の動作を行うような動画表示が行われるとともに、動画データによる静止画像データに追加される画像データによって上記別のキャラクタが所定の動作を行うように動画表示が行われる構成としてもよい。
・動画データをデコードすることにより作成された複数の静止画像データに対して他の画像データを重ねて設定することで動画データにより表示される画像に対して当該他の画像データに対応する画像が追加される構成において、当該他の画像データが複数設けられていることで追加される画像の内容が変更される構成に代えて、動画データにより作成される複数の静止画像データに対して同一の画像データを重ねて設定することで動画データにより作成される動画表示に対して同一の静止画像が追加される構成としてもよい。
・パーツ画像データPD1〜PD3が静止画像データとしてそのまま記憶されている構成に限定されることはなく、パーツ画像データPD1〜PD3が動画データとして圧縮させて設けられている構成としてもよい。この場合、色替え演出を行う場合には、ベース動画データBMDと、パーツ画像データPD1〜PD3に対応する動画データとの両方をデコードし、ベース動画データBMDをデコードすることにより作成した静止画像データに対して後者の動画データをデコードすることにより作成した静止画像データを重ねて設定する必要がある。
・ベース動画データBMDをデコードすることにより作成される静止画像データと1対1で対応させてパーツ画像データPD1〜PD3が設けられている構成に限定されることはなく、ベース動画データBMDをデコードすることにより作成される静止画像データの方がパーツ画像データPD1〜PD3よりも多い構成としてもよい。この場合、所定の複数の更新タイミングにおいては同一のパーツ画像データPD1〜PD3がベース動画データBMDから作成された各静止画像データに適用されることとなる。例えば色替え対象領域CRの表示位置、形状及びサイズが複数の更新タイミングに対して1回のみ変更される構成においては、その変更タイミングの数分、パーツ画像データPD1〜PD3を設ける構成としてもよい。これにより、パーツ画像データPD1〜PD3の数を抑えることが可能となる。また、ベース動画データBMDをデコードすることにより作成される静止画像データよりもパーツ画像データPD1〜PD3の方が多い構成としてもよい。この場合、ベース動画データBMDから作成された同一の静止画像データに対して異なるパーツ画像データPD1〜PD3を設定することが可能となり、色替え演出用キャラクタCH1を静止させた状態で色替え対象領域CRを移動させたり変形させたりすることが可能となる。
・ベース動画データBMDによる動画表示が行われる期間の各更新タイミングにおいて当該ベース動画データBMDから作成される静止画像データに対して適用されるパーツ画像データPD1〜PD3は1個のみである構成に限定されることはなく、一の更新タイミングにおいて2個以上のパーツ画像データが適用される構成としてもよい。
<エフェクト演出を行うための構成>
次に、エフェクト演出を行うための構成について、図29を参照しながら説明する。図29(a)〜図29(e)はエフェクト演出を説明するための説明図である。
エフェクト演出とは、図29(a)に示すように、エフェクト演出用キャラクタCH2の動画表示が行われている状況でエフェクト演出用キャラクタCH2に表示面Pの手前から重なるようにしてエフェクト画像EG2が表示される演出である。エフェクト画像EG2として具体的には、煙を表す画像が表示される。
エフェクト演出用キャラクタCH2を表示させるための画像データとして、メモリモジュール74にはキャラクタ用静止画像データSDが予め記憶されている。キャラクタ用静止画像データSDは、エフェクト演出の実行期間においてエフェクト演出用キャラクタCH2が所定の動作を行うことが可能なように複数設けられている。キャラクタ用静止画像データSDは、図29(b)に示すように、個別画像としてエフェクト演出用キャラクタCH2を表示するためのデータと、キャラクタ用静止画像データSDによる画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするためにエフェクト演出用キャラクタCH2の周囲を囲むように設定された枠領域FR1のデータとを備えている。
エフェクト画像EG2を表示させるための画像データとして、メモリモジュール74にはエフェクト用画像データED1が予め記憶されている。エフェクト用画像データED1はエフェクト演出の実行期間においてエフェクト画像EG2が所定の態様で変化することが可能なように複数設けられている。エフェクト用画像データED1は、図29(c)に示すように、個別画像としてエフェクト画像EG2を表示するためのデータと、エフェクト用画像データED1による画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするためにエフェクト画像EG2の周囲を囲むように設定された枠領域FR2のデータとを備えている。
キャラクタ用静止画像データSDと、エフェクト用画像データED1とは、初期設定時において同一サイズ及び同一形状となるように形成されている。また、エフェクト演出用キャラクタCH2及びエフェクト画像EG2を構成するピクセルには不透明又は半透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象となるが、各枠領域FR1,FR2を構成するピクセルには完全透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象とならない。
キャラクタ用静止画像データSD及びエフェクト用画像データED1が描画されるフレーム領域82a,82bには、既に説明したとおり、多数の単位エリアが含まれており、各単位エリアには色情報を格納するためのエリアが設定されている。具体的には、図29(d)に示すように、各単位エリア121には、RGBの各色に1対1で対応させて1バイトからなる色情報格納用エリア121a〜121cが設定されており、RGBのそれぞれに256色の設定が可能となっている。
各色情報格納用エリア121a〜121cに格納される数値情報の値が小さいほどRGBにおいて暗い度合いの色が最終的に表示され、最小値の場合には黒色が表示される。また、数値情報の値が大きいほどRGBにおいて明るい度合いの色が最終的に表示され、最大値の場合には白色が表示される。なお、フルカラー方式ではなく、256色のみ表示可能な構成においては、色情報格納用エリア121a〜121cは1バイトのみでよい。
一方、キャラクタ用静止画像データSD及びエフェクト用画像データED1の各ピクセル122にも、図29(e)に示すように、カラーパレットなどを利用して数値情報からなる色情報が設定される。各ピクセル122には、RGBの各色に1対1で対応させて1バイトからなる色情報規定用エリア122a〜122cが設定されており、RGBのそれぞれに256色の表示が可能となっている。
なお、これに限定されることはなく、各単位エリア121の色情報格納用エリア121a〜121cが3バイトではなく1バイトで設定されており、256色のみ表示可能な構成においては各ピクセル122の色情報規定用エリア122a〜122cも1バイトで設定されている構成としてもよい。
各ピクセル122には、色情報規定用エリア122a〜122cの他にα値規定用エリア122dが設定されており、α値の情報が設定されている。α値規定用エリア122dとして1バイトの記憶容量が確保されているが、実際には十進数で「0〜100」のいずれかの数値情報が設定されている。また、α値の情報は「0〜100」の数値情報であるが、これが「0〜1」のα値に対応しており、α値を利用した演算に際しては1未満の値として扱われる。
各ピクセル122の色情報を描画対象の単位エリア121に描画する場合には、各ピクセル122におけるRGBの各数値情報に対してα値を積算した各数値情報が、単位エリア121における色情報格納用エリア121a〜121cのRGBのそれぞれ対応するエリアに対して格納される。この場合に、不透明のα値(具体的には「1」)が設定されている場合には、対応する単位エリア121に対してピクセル122の色情報がそのまま上書きされ、完全透明のα値(具体的には「0」)が設定されている場合には、対応する単位エリア121に対してピクセル122の色情報は書き込まれない。
0<α値<1である場合には、表示面Pの奥側において重ね合わせられる画像との間で、α値を利用した所定の演算が実行され、その演算結果が単位エリア121に対して書き込まれる。キャラクタ用静止画像データSDにおいて0<α値<1となっているピクセルを単位エリア121に書き込む場合、表示面Pの奥側において重ね合わせられる画像との間でブレンド処理が実行される。ブレンド処理について詳細には、単位エリア121に既に書き込まれている色情報を「r1,g1,b1」とし、当該単位エリア121に次に書き込まれる色情報を「r2,g2,b2」とし、当該色情報に付随して設定されたα値をα1とした場合、
R:r1×(1−α1)+r2×α1
G:g1×(1−α1)+g2×α1
B:b1×(1−α1)+b2×α1
となる。
一方、エフェクト用画像データED1の場合、エフェクト画像EG2を表示するための全ピクセルに対して半透明のα値として0<α値<1が設定されている。そして、当該ピクセルをフレーム領域82a,82bに描画する場合には、描画対象のフレーム領域82a,82bにおける各単位エリア121に対して、エフェクト画像EG2を表示するためのピクセルの加算処理が実行される。加算処理について詳細には、単位エリア121に既に書き込まれている色情報を「r3,g3,b3」とし、当該単位エリア121に書き込まれるエフェクト画像EG2の色情報を「r4,g4,b4」とし、当該色情報に付随して設定されたα値をα2とした場合、
R:r3+r4×α2
G:g3+g4×α2
B:b3+b4×α2
となる。
上記加算処理が実行されることにより、エフェクト用画像データED1に対応したエフェクト画像EG2は、当該エフェクト画像EG2が重ね合わせられるエフェクト演出用キャラクタCH2の色情報や明るさの度合いが反映された状態で表示される。エフェクト画像EG2は、既に説明したとおり、煙といったように奥側のものを透過させる画像であるため、エフェクト演出用キャラクタCH2と無関係に表示されると違和感が生じる。これに対して、上記のように加算処理が実行されることで、エフェクト演出用キャラクタCH2が反映された状態でエフェクト画像EG2が表示されることとなり、上記違和感を生じさせることなく、見た目上、好ましいものとなる。
このようにエフェクト画像EG2を適用する場合には加算処理が実行されることとなるが、明るい画像に対して同じく明るいエフェクト画像EG2が重ね合わせられると、フレーム領域82a,82bの単位エリア121において色情報格納用エリア121a〜121cが最大値となり、設計者の意図から外れて白色表示となってしまうことがある(所謂、白とびの発生)。これに対して、本パチンコ機10では、当該白とびの発生を抑制しながらエフェクト演出が実行される。
以下に、白とびの発生を抑制しながらエフェクト演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図30は、表示CPU72にて実行されるエフェクト演出用の演算処理を示すフローチャートである。エフェクト演出用の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS909の演出用演算処理にて実行される。また、当該エフェクト演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいてエフェクト演出についての情報が設定されている場合に起動される。
まずステップS1501では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、表示対象となるキャラクタデータを把握する。当該キャラクタデータには、キャラクタ用静止画像データSDが含まれているとともに、今回のフレームの更新タイミングに対応した種類のキャラクタ用静止画像データSDが表示対象として把握される。ちなみに、エフェクト演出が実行される場合、エフェクト画像EG2が表示されていない状況でエフェクト演出用キャラクタCH2が複数フレームに亘って所定の動作をしているかのように動画表示され、その後に動画表示されているエフェクト演出用キャラクタCH2に対してエフェクト画像EG2が重ね合わせられた表示が複数フレームに亘って行われる。続くステップS1502では、ステップS1501にて把握したキャラクタ用静止画像データSDのパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該キャラクタ用静止画像データSDに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
続くステップS1503では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、エフェクト用画像データED1を適用すべきか否かを判定する。エフェクト用画像データED1を適用する必要がある場合には、ステップS1504にて、今回のフレームの更新タイミングに対応した種類のエフェクト用画像データED1を表示対象として把握する。続くステップS1505では、ステップS1504にて把握したエフェクト用画像データED1のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該エフェクト用画像データED1に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS1506にて、エフェクト用画像データED1を利用すべきことをVDP76に認識させるためのエフェクト発生指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
続くステップS1507では、エフェクト用画像データED1を適用する場合に白とびの発生を抑制するための処理である部分加算処理の実行タイミングであるか否かを、現状設定されている実行対象テーブルに基づき判定する。部分加算処理の実行タイミングである場合には、ステップS1508にて、部分加算処理を実行すべきことをVDP76に認識させるための部分加算指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
ステップS1503にて否定判定をした場合、ステップS1507にて否定判定をした場合、又はステップS1508の処理を実行した場合、ステップS1509に進む。ステップS1509では、エフェクト演出を実行すべきことをVDP76に認識させるためのエフェクト演出指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
上記のようにエフェクト演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP76に送信される描画リストには、今回のフレームの更新タイミングに対応したキャラクタ用静止画像データSDが描画対象として設定されるとともに、エフェクト画像EG2を表示させる期間である場合にはエフェクト用画像データED1が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、キャラクタ用静止画像データSD及びエフェクト用画像データED1に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストにはエフェクト演出指定情報が設定されるとともに、エフェクト用画像EG2の表示期間であればエフェクト発生指定情報が設定され、さらに部分加算処理の実行タイミングであれば部分加算指定情報が設定される。なお、エフェクト演出の開始タイミングにおいては、メモリモジュール74においてキャラクタ用静止画像データSDが記憶されているアドレスの情報と、エフェクト用画像データED1が記憶されているアドレスの情報とが、描画リストに指定される。
次に、VDP76にて実行されエフェクト演出用の設定処理及びエフェクト演出用の書き込み処理について説明する。エフェクト演出用の設定処理は、描画処理(図23)のステップS1104にて実行される内容把握処理の一部の処理として実行され、エフェクト演出用の書き込み処理は、描画処理(図23)のステップS1105にて実行される書き込み処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいてエフェクト演出指定情報が設定されている場合に、これらエフェクト演出用の設定処理及びエフェクト演出用の書き込み処理が実行される。ここで、描画リストでは、エフェクト演出指定情報が演出用の画像データに関連付けて設定されているため、エフェクト演出用の設定処理及びエフェクト演出用の書き込み処理は、今回の描画リストのうち、演出用の画像データの描画順序となった場合に起動される。
図31はエフェクト演出用の設定処理を示すフローチャートである。
ステップS1601では、描画リストにて示されている今回の描画対象のキャラクタ用静止画像データSDがVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。なお、エフェクト演出の開始タイミングにおいて、エフェクト演出において使用するキャラクタ用静止画像データSD及びエフェクト用画像データED1は、メモリモジュール74から読み出され、展開用バッファ81の所定のエリアに書き込まれている。続くステップS1602では、今回の描画対象のキャラクタ用静止画像データSDに適用するパラメータ情報を把握する。
描画リストにおいてエフェクト発生指定情報が設定されている場合(ステップS1603:YES)、ステップS1604にて、描画リストにて示されている今回の描画対象のエフェクト用画像データED1がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。その後、ステップS1605にて、今回の描画対象のエフェクト用画像データED1に適用するパラメータ情報を把握する。
図32はエフェクト演出用の書き込み処理を示すフローチャートである。
まず描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、今回の描画対象のキャラクタ用静止画像データSDを描画する。この描画は、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて描画リストにて指定された座標を基準にして行う(ステップS1701)。
描画リストにエフェクト発生指定情報が設定されている場合(ステップS1702:YES)、ステップS1703〜ステップS1712にて、エフェクト用画像データED1を適用するための処理を実行する。具体的には、まずステップS1703にて、今回の描画対象のエフェクト用画像データED1におけるピクセルの総数に対応した値をレジスタ92に設けられた書き込み処理カウンタにセットする。その後、ステップS1704にて、描画リストに部分加算指定情報が設定されているか否かを判定する。部分加算指定情報が設定されている場合には、ステップS1705〜ステップS1708に示す部分加算用の設定処理を実行した後に、ステップS1709〜ステップS1711に示す加算処理を実行する。部分加算指定情報が設定されていない場合には、部分加算用の設定処理を実行することなく、加算処理を実行する。
部分加算用の設定処理を実行することなく加算処理を実行する場合について説明する。まず今回の描画対象のエフェクト用画像データED1において現状の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルに設定されているRGBの各色情報とα値とを積算する(ステップS1709)。そして、その積算結果の色情報を、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて現状の書き込み処理カウンタの値に対応したドットに格納されているRGBの各色情報に加算する(ステップS1710)。その後、書き込み処理カウンタの値を1減算する(ステップS1711)。これにより、キャラクタ用静止画像データSDのピクセルに設定されていた色情報に対して、エフェクト用画像データED1の対応するピクセルに設定されていた色情報とα値との積算結果がそのまま加算される。
部分加算用の設定処理を実行した後に加算処理を実行する場合について説明する。部分加算用の設定処理に際しては、まず今回の描画対象のエフェクト用画像データED1において現状の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルに設定されているRGBの各色情報を読み出す(ステップS1705)。そして、その読み出した各色情報を反転させる(ステップS1706)。この反転に際しては、RGBのそれぞれについて、色情報の最大値である「255」から上記読み出した色情報を減算する。また、その反転させた結果の値、すなわち「255」から上記読み出した色情報を減算した結果の値を、色情報の最大値である「255」で除算する(ステップS1707)。その後、その除算結果の値を、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて現状の書き込み処理カウンタの値に対応したドットに格納されているRGBの各色情報に積算する(ステップS1708)。
この場合、エフェクト用画像データED1において色情報として「0」が設定されているピクセルについては上記除算結果が「1」となるため、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて当該除算結果が積算されたドットの色情報は変化しない。一方、エフェクト用画像データED1において色情報として1以上の値が設定されているピクセルについては上記除算結果が1未満の値となる。描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて当該1未満の値の除算結果が積算されたドットの色情報は当初設定されていた値よりも小さい値となる。
その後、今回の描画対象のエフェクト用画像データED1において現状の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルに設定されているRGBの各色情報とα値とを積算する(ステップS1709)。そして、その積算結果の色情報を、描画対象のフレーム領域82a,82bにおいて現状の書き込み処理カウンタの値に対応したドットに格納されているRGBの各色情報に加算する(ステップS1710)。その後、ステップS1711にて書き込み処理カウンタの値を1減算し、ステップS1712にてその減算後における書き込み処理カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には減算後の書き込み処理カウンタの値に対応したピクセルの書き込み処理を実行し、「0」となっている場合にはそのまま本エフェクト演出用の書き込み処理を終了する。
上記のように部分加算用の設定処理が実行されることにより、フレーム領域82a,82bの各単位エリア121に既に描画されているキャラクタ用静止画像データSDの色情報が小さな値に低減される。これにより、加算処理を実行する前の状態でエフェクト用画像データED1が加算される単位エリア121の色情報の値を小さくすることが可能となり、白とびの発生を抑えることが可能となる。
この低減は、エフェクト用画像データED1の各色情報を反転させた結果の値を色情報の最大値で除算した値を積算することにより行われるため、フレーム領域82a,82bの各単位エリア121において、適用されるエフェクト用画像データED1の色情報が大きい単位エリア121ほど色情報が大きく低減される(つまり、小さい値が積算される)。これにより、エフェクト用画像データED1において大きな色情報のピクセルが適用される単位エリア121ほど色情報の事前の低減量が大きくなり、白とびの発生の可能性が高い単位エリア121の色情報を重点的に事前に低減することが可能となる。よって、白とびの発生の可能性が低い単位エリア121についてはキャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報の低減量を抑えることが可能となり、エフェクト演出用キャラクタCH2の表示内容を極力維持することが可能となる。
エフェクト用画像データED1の色情報の内容に応じた色情報の低減が当該エフェクト用画像データED1を利用して行われる。これにより、エフェクト用画像データED1とは別の部分加算用の画像データがメモリモジュール74に予め記憶されている構成に比べて、当該メモリモジュール74において画像データを記憶しておくために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
<エフェクト演出に係る構成の別形態>
・エフェクト用画像データED1を利用して色情報の低減が行われる構成に代えて、エフェクト用画像データED1とは別の低減用データをメモリモジュール74に予め記憶させておき、当該低減用データをキャラクタ用静止画像データSDに適用することで色情報を低減させる構成としてもよい。この場合、当該低減用データを、エフェクト用画像データED1における相対的に明るい色情報に対応するデータが適用される箇所は相対的に暗い色情報に対応するデータが適用される箇所よりも低減量が大きくなるように設定することで、上記実施形態と同様にエフェクト用画像データED1のデータ内容に応じた態様で色情報を低減させることが可能となる。
・キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報においてエフェクト用画像データED1における所定の数値以上の色情報が設定されることとなる箇所については色情報を低減させる一方、キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報においてエフェクト用画像データED1における所定の数値以上の色情報が設定されない箇所については色情報を低減させない構成としてもよい。
・キャラクタ用静止画像データSDにおいてエフェクト用画像データED1における完全透明のα値(具体的には「0」)が設定されているピクセルの色情報が設定されることとなる箇所については、色情報の低減が行われない構成としてもよい。この場合、エフェクト用画像データED1の加算処理を行ったとしても確実に白とびが発生しない箇所については色情報の低減対象から除外することが可能となり、本来表示すべき内容で画像を表示することが可能となる。
・エフェクト用画像データED1に設定されている各ピクセルの色情報に対応させて色情報を低減させる対象は、キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報のみに限定されることはなく、キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報と、エフェクト用画像データED1に設定されている色情報との両方であってもよく、キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報を低減させることなく、エフェクト用画像データED1に設定されている色情報のみを低減させる構成としてもよい。
・キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報に対応させて、当該キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報を低減させる構成としてもよく、キャラクタ用静止画像データSDにより設定された色情報に対応させて、エフェクト用画像データED1に設定されている色情報を低減させる構成としてもよい。
<発展演出を行うための構成>
次に、発展演出を行うための構成について、図33を参照しながら説明する。図33(a)〜図33(e)は発展演出を説明するための説明図である。
発展演出とは、適用されるエフェクト画像の種類が演出の進行に伴って変化するとともに、全体的なエフェクト画像の内容が段階的に派手なものとなるようにエフェクト画像の種類が増加していく演出である。具体的には、発展演出における第1段階の演出期間においては図33(a)に示すように中央から外側に向けて光線が照射される第1エフェクト画像EG3が動画表示され、発展演出における第2段階の演出期間においては図33(b)に示すように中央から外側に向けて粒子が移動していく第2エフェクト画像EG4が動画表示され、発展演出における第3段階の演出期間においては図33(c)に示すように第1エフェクト画像EG3及び第2エフェクト画像EG4の両方が重ね合わされた状態で動画表示され、発展演出における第4段階の演出期間においては図33(d)に示すように第1エフェクト画像EG3及び第2エフェクト画像EG4に加えて、光の輪が中央側から外側に向けて広がっていく第3エフェクト画像EG5が動画表示される。
発展演出は、遊技回用の演出として実行され、後側の段階まで進むほどリーチ表示の発生の期待度又は大当たり結果の発生の期待度が高くなる。つまり、第1段階のみで終了する場合、第1段階の後に第2段階まで実行されて終了する場合、第1段階〜第2段階の後に第3段階まで実行されて終了する場合、及び第1段階〜第3段階の後に第4段階まで実行されて終了する場合のそれぞれが発展演出の実行パターンとして設定されており、上記期待度は後側の実行パターンの発展演出が実行された場合の方が高くなる。
発展演出では上記のようにエフェクト画像EG3〜EG5の表示内容が複数段階で変更されることとなるが、発展演出においてエフェクト画像EG3〜EG5を表示させるためにメモリモジュール74に予め記憶されているエフェクト用画像データED2〜ED4の数は発展演出の段階数よりも少ない数となっている。具体的には、図33(e)に示すように、メモリモジュール74には発展演出を実行するための画像データとして、第1エフェクト用画像データED2と、第2エフェクト用画像データED3と、合成エフェクト用画像データED4とが予め記憶されている。
第1エフェクト用画像データED2は、発展演出の各エフェクト画像EG3〜EG5のうち第1エフェクト画像EG3のみを表示させるための画像データであり、第1段階の演出期間において第1エフェクト画像EG3を所定の態様で変化させることが可能なように複数設けられている。第1エフェクト用画像データED2は、個別画像として第1エフェクト画像EG3を表示するためのデータと、第1エフェクト用画像データED2による画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするために第1エフェクト画像EG3の周囲を囲むように設定された枠領域のデータとを備えている。第1エフェクト画像EG3を構成するピクセルには半透明のα値(0<α値<1)が設定されているため表示面Pへの表示対象となるが、枠領域を構成するピクセルには完全透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象とならない。
第2エフェクト用画像データED3は、発展演出の各エフェクト画像EG3〜EG5のうち第2エフェクト画像EG4のみを表示させるための画像データであり、第2段階の演出期間において第2エフェクト画像EG4を所定の態様で変化させることが可能なように複数設けられている。第2エフェクト用画像データED3は、個別画像として第2エフェクト画像EG4を表示するためのデータと、第2エフェクト用画像データED3による画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするために第2エフェクト画像EG4の周囲を囲むように設定された枠領域のデータとを備えている。第2エフェクト画像EG4を構成するピクセルには半透明のα値(0<α値<1)が設定されているため表示面Pへの表示対象となるが、枠領域を構成するピクセルには完全透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象とならない。
合成エフェクト用画像データED4は、発展演出の各エフェクト画像EG3〜EG5の全てを表示させるための画像データであり、第4段階の演出期間において第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5が所定の態様で変化することが可能なように複数設けられている。合成エフェクト用画像データED4は、個別画像として第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5を表示するためのデータと、合成エフェクト用画像データED4による画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするために第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5の周囲を囲むように設定された枠領域のデータとを備えている。第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5を構成するピクセルには半透明のα値(0<α値<1)が設定されているため表示面Pへの表示対象となるが、枠領域を構成するピクセルには完全透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象とならない。
ここで、発展演出の各エフェクト画像EG3〜EG5を表示するための画像データとして、第1エフェクト用画像データED2、第2エフェクト用画像データED3及び合成エフェクト用画像データED4のみが予め記憶された構成においては、第3段階の演出期間に対応したエフェクト用画像データが存在していないこととなる。これに対して、第3段階の演出期間においては第1エフェクト用画像データED2と第2エフェクト用画像データED3との両方が利用されることにより、第1エフェクト画像EG3及び第2エフェクト画像EG4の両方が重ね合わされた状態で動画表示される。
各エフェクト用画像データED2〜ED4を利用して発展演出が実行される様子について図34のタイムチャートを参照しながら説明する。図34(a)は第1エフェクト用画像データED2の使用期間を示し、図34(b)は第2エフェクト用画像データED3の使用期間を示し、図34(c)は合成エフェクト用画像データED4の使用期間を示す。
t1のタイミング〜第2のタイミングに亘って実行される第1段階の演出期間では、図34(a)に示すように第1エフェクト用画像データED2が使用され、第2エフェクト用画像データED3及び合成エフェクト用画像データED4は使用されない。t2のタイミング〜第3のタイミングに亘って実行される第2段階の演出期間では、図34(b)に示すように第2エフェクト用画像データED3が使用され、第1エフェクト用画像データED2及び合成エフェクト用画像データED4は使用されない。
t3のタイミング〜第4のタイミングに亘って実行される第3段階の演出期間では、図34(a)及び図34(b)に示すように第1エフェクト用画像データED2及び第2エフェクト用画像データED3の両方が使用され、合成エフェクト用画像データED4は使用されない。t4のタイミング〜第5のタイミングに亘って実行される第4段階の演出期間では、図34(c)に示すように合成エフェクト用画像データED4が使用され、第1エフェクト用画像データED2及び第2エフェクト用画像データED3は使用されない。
以下に、発展演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図35は、表示CPU72にて実行される発展演出用の演算処理を示すフローチャートである。発展演出用の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS909の演出用演算処理にて実行される。当該発展演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて発展演出についての情報が設定されている場合に起動される。
発展演出の開始タイミングとなっている場合(ステップS1801:YES)、メモリモジュール74における第1エフェクト用画像データED2、第2エフェクト用画像データED3及び合成エフェクト用画像データED4の各アドレスを把握する(ステップS1802)。そして、ステップS1803にて、発展演出を開始すべきことをVDP76に認識させるための発展演出開始指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
第1段階の演出期間である場合(ステップS1804:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の第1エフェクト用画像データED2を把握する(ステップS1805)。また、第1エフェクト用画像データED2のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該第1エフェクト用画像データED2に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS1806)。その後、ステップS1807にて第1段階の演出期間であることをVDP76に認識させるための第1段階指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
第2段階の演出期間である場合(ステップS1808:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の第2エフェクト用画像データED3を把握する(ステップS1809)。また、第2エフェクト用画像データED3のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該第2エフェクト用画像データED3に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS1810)。その後、ステップS1811にて第2段階の演出期間であることをVDP76に認識させるための第2段階指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
第3段階の演出期間である場合(ステップS1812:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の第1エフェクト用画像データED2を把握するとともに(ステップS1813)、今回の更新タイミングに対応した種類の第2エフェクト用画像データED3を把握する(ステップS1814)。また、第1エフェクト用画像データED2及び第2エフェクト用画像データED3のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれら第1エフェクト用画像データED2及び第2エフェクト用画像データED3に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS1815)。その後、ステップS1816にて第3段階の演出期間であることをVDP76に認識させるための第3段階指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
第3段階の演出期間ではない場合(ステップS1812:NO)、第4段階の演出期間であることを意味するため、ステップS1817に進む。ステップS1817では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の合成エフェクト用画像データED4を把握する。また、合成エフェクト用画像データED4のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該合成エフェクト用画像データED4に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS1818)。その後、ステップS1819にて第4段階の演出期間であることをVDP76に認識させるための第4段階指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
上記のように発展演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP76に送信される描画リストには、今回のフレームの更新タイミングに対応したエフェクト用画像データED2〜ED4が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、描画対象のエフェクト用画像データED2〜ED4に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには現状の演出期間に対応させて第1段階指定情報、第2段階指定情報、第3段階指定情報及び第4段階指定情報のいずれかが設定され、さらに発展演出の開始タイミングにおいては発展演出開始指定情報が設定される。
次に、VDP76にて実行される発展演出用の設定処理について説明する。発展演出用の設定処理は、描画処理(図23)のステップS1104にて実行される内容把握処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて第1〜第4段階指定情報のいずれかが設定されている場合に、発展演出用の設定処理が実行される。ここで、描画リストでは、第1〜第4演出指定情報が演出用の画像データに関連付けて設定されているため、発展演出用の設定処理は、今回の描画リストのうち、演出用の画像データの描画順序となった場合に起動される。
今回の描画リストに発展演出開始指定情報が設定されている場合(ステップS1901:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において各第1エフェクト用画像データED2が記憶されているアドレス、各第2エフェクト用画像データED3が記憶されているアドレス、及び各合成エフェクト用画像データED4が記憶されているアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74からエフェクト用画像データED2〜ED4の全てをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS1902)。
今回の描画リストに第1段階指定情報が設定されている場合(ステップS1903:YES)、ステップS1904にて、描画リストにて示されている今回の第1エフェクト用画像データED2がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS1905では、今回の第1エフェクト用画像データED2に適用するパラメータ情報を把握する。
今回の描画リストに第2段階指定情報が設定されている場合(ステップS1906:YES)、ステップS1907にて、描画リストにて示されている今回の第2エフェクト用画像データED3がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS1908では、今回の第2エフェクト用画像データED3に適用するパラメータ情報を把握する。
今回の描画リストに第3段階指定情報が設定されている場合(ステップS1909:YES)、ステップS1910にて、描画リストにて示されている今回の第1エフェクト用画像データED2がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握するとともに、ステップS1911にて、描画リストにて示されている今回の第2エフェクト用画像データED3がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS1912では、今回の第1エフェクト用画像データED2及び第2エフェクト用画像データED3に適用するパラメータ情報を把握する。
今回の描画リストに第1〜第3段階指定情報が設定されていない場合(ステップS1909:NO)、第4段階の演出期間であることを意味するため、ステップS1913に進む。ステップS1913では、描画リストにて示されている今回の合成エフェクト用画像データED4がVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS1914では、今回の合成エフェクト用画像データED4に適用するパラメータ情報を把握する。
発展演出用の設定処理が実行されることにより、その後の書き込み処理(ステップS1105)にて、描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、描画対象のエフェクト用画像データED2〜ED4がパラメータ情報を適用した状態で描画される。
第1エフェクト画像EG3及び第2エフェクト画像EG4の両方が重ね合わされた状態で動画表示される第3段階の演出期間においては、両エフェクト画像EG3,EG4がまとめて設定された合成エフェクト用画像データを予め用意しておくのではなく、第1段階の演出期間において描画対象となる第1エフェクト用画像データED2と第2段階の演出期間において描画対象となる第2エフェクト用画像データED3とを利用する構成としたことにより、エフェクト用画像データを予め記憶しておくために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。その一方、第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5が同時に表示される第4段階の演出期間に対しては、それらエフェクト画像EG3〜EG5がまとめて設定された合成エフェクト用画像データED4が予め用意されている。これにより、3種類のエフェクト用画像データを利用して各エフェクト画像EG3〜EG5を同時に表示する構成に比べて処理負荷の低減を図ることが可能となる。つまり、上記構成によれば、メモリモジュール74の記憶容量と処理負荷とのバランスを取りながら、エフェクト画像EG3〜EG5の種類数を段階的に増やす演出を行うことが可能となる。
<発展演出に係る構成の別形態>
・第3エフェクト画像EG5を表示するためのエフェクト用画像データがメモリモジュール74に予め記憶されている構成としてもよい。この場合、第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5のそれぞれを異なる表示期間において個別に表示させることが可能であるとともに、一の合成エフェクト用画像データED4を利用して第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5を同時に表示させることが可能である。また、本構成においては第1エフェクト画像EG3、第2エフェクト画像EG4及び第3エフェクト画像EG5のうち任意の2組の組合せの画像を表示することが可能となる。
<同時表示演出を行うための構成>
次に、同時表示演出を行うための構成について説明する。
同時表示演出とは、図37(a)の説明図に示すように、同時に表示される演出用キャラクタCH3〜CH7の数が途中で増加し、さらに演出用キャラクタCH3〜CH7の数が増加するタイミングで増加時用エフェクト画像EG6の表示が開始される演出である。増加時用エフェクト画像EG6は、中央から外側に向けて波が伝搬していく画像である。増加時用エフェクト画像EG6は、演出用キャラクタCH3〜CH7の数が同時に増加するタイミングから、複数のフレームの更新タイミングに亘る所定期間において所定の態様で変化するように表示される。
増加時用エフェクト画像EG6を表示させるための画像データとして図37(b)の説明図に示すように、通常エフェクト用画像データED5と、簡易エフェクト用画像データED6とがメモリモジュール74に予め記憶されている。通常エフェクト用画像データED5と簡易エフェクト用画像データED6とは共に増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データであるものの、簡易エフェクト用画像データED6の方が通常エフェクト用画像データED5よりもピクセル数が少ない点で相違する。また、通常エフェクト用画像データED5は演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データとピクセル数が同一となっているため、簡易エフェクト用画像データED6は演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データよりもピクセル数が少ないとも言える。
当該ピクセル数について具体的には、図37(c−1)及び図37(c−2)に示すように、簡易エフェクト用画像データED6はピクセル数が通常エフェクト用画像データED5の半分となっている。したがって、同一のサイズで増加時用エフェクト画像EG6を表示させるためには、簡易エフェクト用画像データED6を描画対象とする場合には、通常エフェクト用画像データED5を描画対象とする場合に比べてスケールの情報を2倍にする必要がある。
簡易エフェクト用画像データED6は1個のみ設けられているのに対して、通常エフェクト用画像データED5は増加時用エフェクト画像EG6を複数のフレームの更新タイミングに亘る所定期間において所定の態様で変化させることが可能なように複数設けられている。増加時用エフェクト画像EG6を表示する場合、詳細は後述するように、簡易エフェクト用画像データED6が先に使用対象となり、その後に複数の通常エフェクト用画像データED5が使用対象となる。この場合、複数のフレームの更新タイミングに亘る所定期間において所定の態様で増加時用エフェクト画像EG6を変化させることが可能となるように、簡易エフェクト用画像データED6により表示される増加時用エフェクト画像EG6の表示態様に対して、複数の通常エフェクト用画像データED5のうち使用順序が最初の通常エフェクト用画像データED5により表示される増加時用エフェクト画像EG6の表示態様は連続性を有している。
通常エフェクト用画像データED5及び簡易エフェクト用画像データED6は、増加時用エフェクト画像EG6を表示するためのデータと、通常エフェクト用画像データED5及び簡易エフェクト用画像データED6による画像を矩形状の画像として扱うことを可能とするために増加時用エフェクト画像EG6の周囲を囲むように設定された枠領域のデータとを備えている。増加時用エフェクト画像EG6を構成するピクセルには半透明のα値(0<α値<1)が設定されているため表示面Pへの表示対象となるが、枠領域を構成するピクセルには完全透明のα値が設定されているため表示面Pへの表示対象とならない。
増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして、通常エフェクト用画像データED5及び簡易エフェクト用画像データED6が使い分けられる様子について、図38のタイムチャートを参照しながら説明する。図38(a)は同時に表示される演出用キャラクタCH3〜CH7の数が少ない期間である少数表示期間を示し、図38(b)は同時に表示される演出用キャラクタCH3〜CH7の数が多い期間である多数表示期間を示し、図38(c)は増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6が使用される期間を示し、図38(d)は増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして通常エフェクト用画像データED5が使用される期間を示す。
図38(a)に示すように、t1のタイミング〜t2のタイミングに亘って少数表示期間となる。少数表示期間では、図38(A)に示すように表示面Pに表示される演出用キャラクタCH3,CH4は2個のみとなっている。
t2のタイミングで少数表示期間が終了することで、図38(b)に示すように多数表示期間が開始される。多数表示期間が開始されたタイミングで、図38(B)に示すように表示面Pに表示される演出用キャラクタCH3〜CH7の数が5個に増加するとともに、増加時用エフェクト画像EG6の表示が開始される。この場合、多数表示期間の開始タイミングであるt2のタイミングにおいては、図38(c)に示すように増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6が使用される。これにより、多数表示期間の開始タイミングにおいて演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データが複数読み出される構成において、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データの読み出しに要する時間の短縮化が図られる。よって、多数表示期間の開始タイミングにおける画像データの読み出し期間を短縮することが可能となり、多数表示期間の開始タイミングにおいて表示対象となる演出用キャラクタCH3〜CH7の増加と増加時用エフェクト画像EG6の表示開始との両方を好適に行うことが可能となる。また、本構成によれば増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データを多数表示期間が開始されるよりも前のタイミングでメモリモジュール74からVRAM75の展開用バッファ81に読み出しておく必要がないため、事前転送用のプログラムを設定する必要がない。
増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6が使用される状態は、複数フレームの更新タイミングに亘って継続される。その後、t3のタイミングで、図38(c)及び図38(d)に示すように増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データが簡易エフェクト用画像データED6から通常エフェクト用画像データED5に切り換えられる。これにより、簡易エフェクト用画像データED6が使用されていた期間よりも増加時用エフェクト画像EG6の画質を向上させることが可能となる。その後、t4のタイミングで、図38(b)及び図38(d)に示すように多数表示期間が終了するとともに通常エフェクト用画像データED5を使用した増加時用エフェクト画像EG6の表示が終了する。
以下に、同時表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図39は、表示CPU72にて実行される同時表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。同時表示演出用の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS909の演出用演算処理にて実行される。当該同時表示演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて同時表示演出についての情報が設定されている場合に起動される。
少数表示期間である場合(ステップS2001:YES)、ステップS2002にて少数表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する。少数表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2002:YES)、少数表示期間において表示対象となる演出用キャラクタCH3,CH4を表示するための画像データのメモリモジュール74における各アドレスを把握する(ステップS2003)。そして、ステップS2004にて、同時表示演出の少数表示期間を開始すべきことをVDP76に認識させるための少数表示開始指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
ステップS2002にて否定判定をした場合又はステップS2004の処理を実行した場合、現状設定されている実行対象テーブルに基づき今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2005)。また、当該画像データのパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該画像データに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS2006)。その後、ステップS2007にて少数表示期間であることをVDP76に認識させるための少数表示指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
多数表示期間である場合(ステップS2001:NO)、ステップS2008にて多数表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する。多数表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2008:YES)、多数表示期間において表示が開始される演出用キャラクタCH5,CH6,CH7を表示するための画像データ及び簡易エフェクト用画像データED6のメモリモジュール74における各アドレスを把握する(ステップS2009)。そして、ステップS2010にて、同時表示演出の多数表示期間を開始すべきことをVDP76に認識させるための多数表示開始指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
多数表示期間である場合であって簡易表示期間である場合(ステップS2001:NO、ステップS2011:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2012)。この場合、多数表示期間において表示対象となる演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データと簡易エフェクト用画像データED6とを把握する。また、これら画像データのパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれら画像データに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS2013)。その後、ステップS2014にて、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6を使用する簡易表示期間であることをVDP76に認識させるための簡易表示指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
一方、簡易表示期間ではない場合、すなわち増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして通常エフェクト用画像データED5を使用する通常表示期間である場合(ステップS2011:NO)、ステップS2015にて通常表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する。通常表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2015:YES)、複数の通常エフェクト用画像データED5の全てについてのメモリモジュール74におけるアドレスを把握する(ステップS2016)。そして、ステップS2017にて、通常表示期間を開始すべきことをVDP76に認識させるための通常表示開始指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
多数表示期間である場合であって通常表示期間である場合(ステップS2001:NO、ステップS2011:NO)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2018)。この場合、多数表示期間において表示対象となる演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データと通常エフェクト用画像データED5とを把握する。また、これら画像データのパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれら画像データに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する(ステップS2019)。その後、ステップS2020にて、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして通常エフェクト用画像データED5を使用する通常表示期間であることをVDP76に認識させるための通常表示指定情報を表示CPU72のレジスタに記憶する。
上記のように同時表示演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP76に送信される描画リストには、今回のフレームの更新タイミングに対応した演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データが描画対象として設定される。また、多数表示期間であれば当該描画リストに簡易エフェクト用画像データED6及び通常エフェクト用画像データED5のいずれかが描画対象として設定される。この場合、通常エフェクト用画像データED6については該当する更新タイミングに対応する種類の通常エフェクト用画像データED6が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、描画対象の画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには現状の演出期間に対応させて少数表示指定情報、簡易表示指定情報及び通常表示指定情報のいずれかが設定され、さらに各表示期間の開始タイミングにおいては少数表示開始指定情報、多数表示開始指定情報及び通常表示開始指定情報のいずれかが設定される。
次に、VDP76にて実行される同時表示演出用の設定処理について説明する。同時表示演出用の設定処理は、描画処理(図23)のステップS1104にて実行される内容把握処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて少数表示指定情報、簡易表示指定情報及び通常表示指定情報のいずれかが設定されている場合に、同時表示演出用の設定処理が実行される。ここで、描画リストでは、少数表示指定情報、簡易表示指定情報及び通常表示指定情報が演出用の画像データに関連付けて設定されているため、同時表示演出用の設定処理は、今回の描画リストのうち、演出用の画像データの描画順序となった場合に起動される。
今回の描画リストに少数表示指定情報が設定されている場合(ステップS2101:YES)、ステップS2102にて、当該描画リストにさらに少数表示開始指定情報が設定されているか否かを判定する。少数表示開始指定情報が設定されている場合(ステップS2102:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において少数表示期間にて表示対象となる演出用キャラクタCH3,CH4を表示するための画像データが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74からこれら画像データの全てをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS2103)。
また、少数表示指定情報が設定されている場合(ステップS2101:YES)、ステップS2104にて、描画リストにて示されている今回の画像データがVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS2105では、今回の画像データに適用するパラメータ情報を把握する。
今回の描画リストに多数表示開始指定情報が設定されている場合(ステップS2106:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において多数表示期間にて表示が開始される演出用キャラクタCH5,CH6,CH7を表示するための画像データが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74からこれら画像データの全てをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS2107)。
また、今回の描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において簡易エフェクト用画像データED6が記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74から簡易エフェクト用画像データED6をVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS2108)。そして、ステップS2109にて、その読み出した簡易エフェクト用画像データED6の拡大処理を実行する。拡大処理では、簡易エフェクト用画像データED6に対して色情報の補間処理を実行しながらピクセル数を増加させることで、ピクセル数が通常エフェクト用画像データED5のピクセル数と同一となる拡大処理後のエフェクト用画像データを作成し、展開用バッファ81に書き込む。
ここで、当該拡大処理にて要する処理時間は、メモリモジュール74から1個の通常エフェクト用画像データED5を読み出すのに要する時間とメモリモジュール74から1個の簡易エフェクト用画像データED6を読み出すのに要する時間との差の時間よりも短い時間となっている。これにより、簡易エフェクト用画像データED6に対して拡大処理が実行される構成であったとしても、多数表示期間の開始タイミングにおいて通常エフェクト用画像データED5を読み出す場合よりも処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
一方、今回の描画リストに通常表示開始指定情報が設定されている場合(ステップS2110:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール74において通常エフェクト用画像データED5が記憶されているアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール74から通常エフェクト用画像データED5の全てをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す(ステップS2111)。
今回の描画リストに簡易表示指定情報又は通常表示指定情報が設定されている場合、ステップS2112にて、描画リストにて示されている今回の画像データがVRAM75の展開用バッファ81において読み出されているエリアのアドレスを把握する。この場合、簡易表示期間であれば展開用バッファ81において拡大処理後のエフェクト用画像データが書き込まれているエリアのアドレスを把握する。一方、通常表示期間であれば展開用バッファ81において今回の更新タイミングに対応する通常エフェクト用画像データED5が読み出されているエリアのアドレスを把握する。続くステップS2113では、今回の画像データに適用されるパラメータ情報を把握する。
同時表示演出用の設定処理が実行されることにより、その後の書き込み処理(ステップS1105)にて、描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、描画対象の演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データがパラメータ情報を適用した状態で描画される。また、簡易表示期間であれば増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして拡大処理後のエフェクト用画像データがパラメータ情報を適用した状態で描画され、通常表示期間であれば増加時用エフェクト画像EG6を表示するための通常エフェクト用画像データED5がパラメータ情報を適用した状態で描画される。
多数表示期間の開始タイミングにおいては、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6が使用される。これにより、多数表示期間の開始タイミングにおいて演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データが複数読み出される構成において、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データの読み出しに要する時間の短縮化が図られる。よって、多数表示期間の開始タイミングにおける画像データの読み出し期間を短縮することが可能となり、多数表示期間の開始タイミングにおいて表示対象となる演出用キャラクタCH3〜CH7の増加と増加時用エフェクト画像EG6の表示開始との両方を好適に行うことが可能となる。また、本構成によれば増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データを多数表示期間が開始されるよりも前のタイミングでメモリモジュール74からVRAM75の展開用バッファ81に読み出しておく必要がないため、事前転送用のプログラムを設定する必要がない。
画像データの読み出しに要する時間の短縮化を図るべくピクセル数が少なく設定された画像データは、演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データではなく、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データである。これにより、画像表示として目立つ演出用キャラクタCH3〜CH7の画質を低下させないようにしながら、多数表示期間の開始タイミングにおける画像の表示を好適に行うことが可能となる。
多数表示期間がある程度進行した段階で、増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データが簡易エフェクト用画像データED6から通常エフェクト用画像データED5に変更される。これにより、多数表示期間の途中からは増加時用エフェクト画像EG6の画質も好適なものとすることが可能となる。
簡易エフェクト用画像データED6は読み出されたタイミングで拡大処理が実行され、その後の簡易表示期間においてはその拡大処理後のエフェクト用画像データが利用される。これにより、簡易表示期間において拡大処理が毎回実行される構成に比べて、処理負荷を低減することが可能となる。
<同時表示演出に係る構成の別形態>
・増加時用エフェクト画像EG6を表示するための画像データとして簡易エフェクト用画像データED6は設けられているものの通常エフェクト用画像データED5は設けられていない構成としてもよい。この場合であっても、多数表示期間の開始タイミングにおいて画像データの読み出しに要する時間の短縮化を図りながら増加時用エフェクト画像ED6を表示することが可能となる。当該構成においては、簡易エフェクト用画像データED6が演出用キャラクタCH3〜CH7を表示するための画像データと同一の解像度となるように拡大処理が実行されることとなる。
・簡易エフェクト用画像データED6は通常エフェクト用画像データED5の半分の解像度に設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、例えば1/4の解像度に設定されている構成としてもよく、1/3の解像度に設定されている構成としてもよく、2/3の解像度に設定されている構成としてもよい。
・簡易エフェクト用画像データED6が上記実施形態のように拡大させて使用される期間と、メモリモジュール74に記憶されている解像度のまま使用される期間とが存在している構成としてもよい。例えば、表示面Pの全体を利用して増加時用エフェクト画像EG6が表示される場合には簡易エフェクト用画像データED6を拡大して使用し、表示面Pの一部を区画するように設定された区画領域内の範囲内で増加時用エフェクト画像EG6が表示される場合には簡易エフェクト用画像データED6をそのままの解像度で使用する構成としてもよい。
・簡易エフェクト用画像データED6が1個のみ設けられている構成に代えて、簡易エフェクト用画像データED6が複数設けられている構成としてもよい。これにより、簡易エフェクト用画像データED6を利用して増加時用エフェクト画像EG6を表示する場合であっても、当該増加時用エフェクト画像EG6の表示態様を変化させることが可能となる。当該構成においては、簡易エフェクト用画像データED6を利用した増加時用エフェクト画像EG6の表示を開始するタイミングにおいて全ての簡易エフェクト用画像データED6をまとめて読み出すのではなく、各更新タイミングのそれぞれにおいて使用対象となる簡易エフェクト用画像データED6を個別に読み出し、さらに読み出した簡易エフェクト用画像データED6に対して拡大処理(ステップS2109)を実行する構成とすることが好ましい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、表示制御に関する電気的構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。図41は、本実施形態における電気的構成を示すブロック図である。
図41に示す構成では上記第1の実施形態と同様に、主制御装置50を備えている。また、主制御装置50には、払出装置56を制御する払出制御装置55と、主制御装置50を含めた各機器への電力供給の機能を担うとともに遊技球発射機構58を駆動制御する電源・発射制御装置57と、遊技回の結果を表示する特図ユニット37と、普電開放抽選の結果を表示する普図ユニット38と、が電気的に接続されている。また、主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて表示発光部44及びスピーカ部45を駆動制御する音声発光制御装置60が設けられており、さらに当該音声発光制御装置60から送信されるコマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する表示制御装置130が設けられている。
表示制御装置130は、図41に示すように、表示CPU131と、ワークRAM132と、メモリモジュール133と、VRAM134と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)135と、が搭載された表示制御基板136を備えている。
表示CPU131は、表示制御装置130においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し、解釈及び実行を行う。詳細には、表示CPU131は表示制御基板136に搭載された入力ポート137に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置60から送信された各種コマンドは入力ポート137を通じて表示CPU131に入力される。
表示CPU131は、バスを介してワークRAM132、メモリモジュール133及びVRAM134と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール133に記憶された各種データをワークRAM132に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU131は、バスを介してVDP135と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に3次元画像(3D画像)を表示させるための描画指示を行う。以下、メモリモジュール133、ワークRAM132、VRAM134及びVDP135について説明する。
メモリモジュール133は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データを予め記憶しているとともに、3次元画像を表示するための各種画像データを予め記憶している記憶手段である。当該メモリモジュール133は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有してなる。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置130における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール133は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
メモリモジュール133に記憶されている各種画像データには、図柄表示装置41に表示される図柄やキャラクタなどのオブジェクトデータと、当該オブジェクトデータに貼り付けられるテクスチャデータと、1フレーム分の画像において最背面の画像を構成する背面用の画像データとが含まれている。
ここで、オブジェクトデータとは、仮想3次元空間に相当する3次元の座標系であるワールド座標系に配置される3次元の仮想物体であり、複数のポリゴンによって構成された3次元情報である。また、ポリゴンとは、複数個の3次元座標の頂点で定義される多角形平面である。オブジェクトデータには、例えばサーフェスモデルを適用するため、オブジェクトデータ毎に予め設定された基準座標を原点として、各ポリゴンの頂点座標情報が設定されている。つまり、各オブジェクトデータでは、自己完結のローカル座標系において各ポリゴンの相対位置(すなわち、向きやサイズ)が3次元的に定義されている。
テクスチャデータとは、オブジェクトデータの各ポリゴンに貼り付ける画像であり、テクスチャデータがオブジェクトデータに貼り付けられることにより、オブジェクトデータに対応する画像、例えば図柄やキャラクタなどを含む表示画像が生成される。テクスチャデータの持ち方は、任意であるが、例えばビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットとの組合せを少なくとも含んでいる。
最背面の画像は、2次元画像(2D画像)を構成している。背面用の画像データの持ち方は、任意であるが、例えば2次元の静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。ちなみに、当該背面用の画像データがワールド座標系に配置される場合には板状オブジェクトデータ(すなわち板ポリゴン)が利用される。
ワークRAM132は、メモリモジュール133から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM132は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置130における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM132は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM132には、表示CPU131からメモリモジュール133へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール133から制御用データが転送される。そして、表示CPU131は、ワークRAM132に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
VRAM134は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM134は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置130における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM134は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
VRAM134は展開用バッファ141を備えており、展開用バッファ141には、VDP135からメモリモジュール133へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール133から画像データが転送される。また、VRAM134には、VDP135により描画データが作成されるフレームバッファ142が設けられている。
VDP135は、表示CPU131からの描画指示に基づき、展開用バッファ141に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。VDP135はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP135は、ジオメトリ演算部151と、レンダリング部152と、レジスタ153と、表示回路155と、を備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、表示CPU131用のI/F156及びVRAM134用のI/F157と接続されている。
表示CPU131用のI/F156は、表示CPU131から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ153に記憶させる。ジオメトリ演算部151は、レジスタ153に格納された描画リストに基づいて、メモリモジュール133に記憶されている各種画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す。また、ジオメトリ演算部151は、配置対象として指定されているオブジェクトデータをワールド座標系内に配置する。また、ジオメトリ演算部151は、オブジェクトデータをワールド座標系内に配置する場合及び配置した後に、各種の座標変換処理を実行する。そして、最終的に表示面Pのスクリーン座標に対応する3次元空間に対応させて、オブジェクトをクリッピングする。
レンダリング部152は、レジスタ153に格納された描画リストに基づいて、クリッピングされた各オブジェクトデータに対して光源調整や、テクスチャデータの貼付を行い、オブジェクトデータの外観を決定する。また、レンダリング部152は、各オブジェクトデータを所定の2次元平面上に投影させて2次元データを作成するとともに、深度情報に基づく各種調整を行い2次元データである1フレーム分の描画データをフレームバッファ142に作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の表示面Pにおける画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるのに必要なデータのことをいう。
なお、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリをVDP135に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容によってジオメトリ演算部151及びレンダリング部152が処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール133から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。また、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152がプログラムを利用することなく、描画リストに対応したハード回路の動作のみで処理を実行する構成としてもよい。
ここで、フレームバッファ142には、複数のフレーム領域142a,142bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域142aと、第2フレーム領域142bとが設けられている。これら各フレーム領域142a,142bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域142a,142bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち表示面P)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
フレームバッファ142に第1フレーム領域142a及び第2フレーム領域142bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて図柄表示装置41への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、フレームバッファ142として、ダブルバッファ方式が採用されている。
表示回路155では、第1フレーム領域142a又は第2フレーム領域142bに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路155に接続された出力ポート138を介して図柄表示装置41に出力される。詳細には、出力対象のフレーム領域142a,142bから表示回路155へ描画データが転送される。その転送された描画データは図柄表示装置41の解像度に対応したものとなるように、図示しないスケーラにより解像度調整が行われて階調データに変換される。そして、当該階調データに基づいて図柄表示装置41の各ドットに対応した画像信号が生成されて出力される。なお、表示回路155からは水平同期信号又は垂直同期信号などの同期信号も出力される。
<表示CPU131における基本的な処理>
次に、表示CPU131における基本的な処理について説明する。表示CPU131ではコマンド割込み処理及びV割込み処理が実行される。コマンド割込み処理の内容は、上記第1の実施形態と同様である。また、V割込み処理の内容は、ステップS608のタスク処理を除き、上記第1の実施形態の表示CPU72にて実行されるV割込み処理(図15)と同様である。
図42は、本実施形態におけるタスク処理を示すフローチャートである。
まずステップS2201では、ワークRAM132に設けられた遅延中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。遅延中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2201:NO)、ステップS2202にて制御開始用の設定処理を実行する。制御開始用の設定処理では、今回の処理回で表示CPU131において新たに制御を開始する個別画像を設定するための処理を実行する。なお、本実施形態において個別画像とは、背面用の画像データなどの静止画像データにより規定される一の2D画像や、オブジェクトデータとテクスチャデータとの組合せにより規定される一の3D画像のことである。
制御開始用の設定処理について具体的には、まず現状設定されている実行対象テーブルに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、ワークRAM132において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータ情報を設定する。
続くステップS2202では、制御更新対象を把握する。この制御更新対象は、制御開始処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の画像に含まれる可能性がある個別画像が対象となる。
その後、ステップS2204にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2205にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、背景用演算処理を実行する(ステップS2206)。背景用演算処理では、背景の画像を構成することとなる最背面用の画像や、背景用キャラクタについて、ワールド座標系内における座標、回転角度、スケール、明暗を付けるためのライトの情報、投影を行うためのカメラの情報、及びZテスト指定などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータ情報を演算して導き出す処理を実行する。
その後、ステップS2207にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2208にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、演出用演算処理を実行する(ステップS2209)。演出用演算処理では、リーチ表示、予告表示及び大当たり演出といった各種演出において表示対象となる個別画像について、上記各種パラメータ情報を演算して導き出す処理を実行する。
その後、ステップS2210にてV割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2211にてV割込み処理の新たな起動を禁止した後に、図柄用演算処理を実行する(ステップS2212)。図柄用演算処理では、各遊技回において変動表示の対象となる図柄の画像について、上記各種パラメータ情報を演算して導き出す処理を実行する。
ちなみに、ステップS2206、ステップS2209及びステップS2212の各処理では、ステップS2201にて設定された制御開始用のパラメータ情報を更新する処理を実行する。また、ステップS2206、ステップS2209及びステップS2212の各処理では、個別画像の各種パラメータ情報を画像更新タイミングとなる度に特定のパターンに従って変化させるように設定されたアニメーション用データが用いられる。このアニメーション用データは、個別画像の種類に応じて定められている。また、アニメーション用データは、メモリモジュール133に予め記憶されている。また、図柄用演算処理では、不正報知用又は状態報知用の実行対象テーブルがワークRAM132に読み出されている場合、当該実行対象テーブルに対応した報知画像を表示するための演算処理を実行するとともにその報知画像を表示するための報知スプライト、及び当該報知スプライトに適用する各種パラメータ情報を導出する。
その後、ステップS2213にて、ワークRAM132に設けられた演算完了フラグに「1」をセットするとともに、ステップS2214にてワールド座標系への配置対象の把握処理を実行した後に、本タスク処理を終了する。ワールド座標系への配置対象の把握処理では、上記ステップS2206、ステップS2209及びステップS2212の各処理により制御更新対象となった各個別画像のうち、今回の描画リストにおいて描画対象として設定する個別画像を把握する処理を実行する。当該把握は、現状設定されている実行対象テーブルに基づいて行われる。ここで把握された個別画像が、描画リストにおいて描画対象として設定される。
つまり、表示CPU131にて制御対象となる個別画像の方が、VDP135にて制御対象となる個別画像よりも多く設定されているため、ステップS2214においてその調整を行っている。但し、これに限定されることはなく、表示CPU131において制御対象となる個別画像と、VDP135において制御対象となる個別画像とが同一である構成としてもよく、この場合、ステップS2214の処理を実行する必要がなくなる。
一方、遅延中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2201:YES)、ステップS2215にて遅延中フラグを「0」クリアした後に、前回のタスク処理においてV割込み処理の新たな処理回が開始される直前に実行していた処理にジャンプする(ステップS2216)。これにより、前回のタスク処理において中断が発生したタイミングから処理の実行を再開することが可能となる。なお、遅延中フラグ及び演算完了フラグの内容は上記第1の実施形態と同様であるとともに、タスク処理においてステップS2201、ステップS2204〜ステップS2205、ステップS2207〜ステップS2208、ステップS2210〜ステップS2211、ステップS2213及びステップS2215〜ステップS2216が実行されることによる作用効果も上記第1の実施形態と同様である。
<VDP135における基本的な処理>
次に、VDP135にて実行される基本的な処理について説明する。
VDP135では、表示CPU131から送信されたコマンドに基づいてレジスタ153の値を設定する処理、表示CPU131から送信された描画リストに基づいてフレームバッファ142のフレーム領域142a,142bに描画データを作成する処理、フレーム領域142a,142bに作成された描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号を出力する処理が少なくとも実行される。
上記各処理のうち、レジスタ153の値を設定する処理は、表示CPU131用のI/F156に付随する図示しない回路によって、描画リストを受信した場合にその都度実行される。また、描画データを作成する処理は、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152の協同により、予め定められた周期(例えば、20msec)で繰り返し実行される。また、画像信号を出力する処理は、表示回路155によって、予め定められた画像信号の出力開始タイミングとなることで実行される。
以下、上記描画データを作成する処理について詳細に説明する。当該処理の説明に先立ち、表示CPU131からVDP135に送信される描画リストの内容について説明する。図43(a)〜(c)は描画リストの内容を説明するための説明図である。
描画リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画リストに係る1フレーム分の画像を、第1フレーム領域142a及び第2フレーム領域142bのうちいずれを作成対象とするかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。また、ヘッダ情報には、各種指定情報が設定されている。
描画リストには、上記ヘッダ情報以外にも、今回の描画データの作成に際してワールド座標系への配置対象となる複数種類の画像データが設定されており、さらに各画像データの描画順序の情報と、各画像データのパラメータ情報とが設定されている。詳細には、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
図43(a)の描画リストでは、背面用の画像データが最初の描画対象として設定されているとともに、背景用オブジェクトAが2番目、背景用オブジェクトBが3番目、・・・として設定されている。また、これら背景用の画像データよりも後の順番として、演出用の画像データが設定されており、例えば演出用オブジェクトAがm番目、演出用オブジェクトBがm+1番目、・・・として設定されている。また、これら演出用の画像データよりも後の順番として、図柄用の画像データが設定されており、例えば図柄用オブジェクトAがn番目、図柄用オブジェクトBがn+1番目、・・・として設定されている。
なお、描画リストにおいて各画像データが設定されている順番は上記のものに限定されることはなく、設定されている順番が上記のものとは逆の順番であってもよく、図柄用の画像データの後に演出用の画像データ又は背景用の画像データが設定されていてもよく、所定の演出用の画像データと他の演出用の画像データとの間の順番に図柄用の画像データが設定されていてもよい。
パラメータ情報P(1),P(2),P(3),・・・,P(m),P(m+1),・・・,P(n),P(n+1),・・・には、複数種類のパラメータ情報が設定されている。背面用の画像データのパラメータ情報P(1)について具体的には、図43(b)に示すように、メモリモジュール133において背面用の画像データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の位置を示す座標の情報(X値の情報,Y値の情報,Z値の情報)と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の回転角度を示す回転角度の情報と、背面用の画像データの初期状態として設定されているスケールに対して、ワールド座標系に設定する際の倍率を示すスケールの情報と、背面用の画像データを設定する場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、が設定されている。
ここで、座標の情報は、オブジェクトデータの全頂点について個別に設定される。また、この座標の情報はオブジェクトデータに対して設定されているが、テクスチャデータには設定されていない。テクスチャデータは、各ピクセルの座標値が、オブジェクトデータの各頂点に関連付けて予め定められている。この座標値は、ワールド座標系における座標値とは異なるUV座標値であり、オブジェクトデータ及びテクスチャデータの組合せに対して付属させた状態でメモリモジュール133に記憶されている。このUV座標値はテクスチャマッピングする際にVDP135により参照される。
パラメータ情報(P1)には、背面用の画像データを描画用の仮想2次元平面上に投影する場合における仮想カメラの座標及び向きの情報を含むカメラの情報と、背面用の画像データをレンダリングする場合における陰影を決定する仮想光源の位置及び向きの情報を含むライトの情報と、が設定されている。
パラメータ情報(P1)には、隠面消去を行う手法の一種であるZバッファ法の適用有無を示すZテスト指定の情報が設定されている。Zバッファ法とは、ワールド座標系内において多数のオブジェクトや2次元画像が奥行き方向(Z軸方向)に重なった場合に、Z軸上に並ぶ各ピクセル(又は各ボクセル、各画素、各ポリゴン)について視点からの距離を順次参照し、最も視点に近いピクセルに設定されている数値情報をフレーム領域142a,142bにおける対応する単位エリアに設定する深度調整用の処理方法である。
なお、上記隠面消去を行う手法としてZバッファ法以外にも、Zソート法が設定されている。Zソート法とは、Z軸上に並ぶ各ピクセルについて、各ピクセルに設定されている数値情報をフレーム領域142a,142bにおける対応する単位エリアに順次設定する深度調整用の処理方法である。当該Zソート法を適用する場合には、各ピクセルに設定されているα値が参照されて、Z軸上に並ぶ各ピクセルの色情報に対応した数値情報に対して対応するα値が適用された状態で、それら数値情報の加算処理や融合用の演算処理が実行されることとなる。Zソートによる隠面処理の具体的な処理構成の説明は省略するが、エフェクト画像を表示させる場合に起動される。
パラメータ情報(P1)には、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報と、フォグの適用有無及び適用対象を示すフォグ指定の情報と、が設定されている。
ここで、α値とは対応するピクセルの透過情報のことである。このα値の描画リスト上における設定の仕方として、上記一律α値を指定する方法と、αデータ指定を行う方法とがある。一律α値とは、一の画像データの全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、表示CPU131における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、2次元の静止画像データやテクスチャデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてメモリモジュール133に予め記憶されている。当該αデータは、同一の静止画像データ又は同一のテクスチャデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。
上記のように一律α値とαデータとが設定されていることにより、2次元の静止画像データやテクスチャデータの透過度をピクセル単位で細かく制御するのではなく全ピクセルに対して一律で制御すればよい状況では一律α値で対応することができることで必要なデータ容量の削減が図られるとともに、αデータを適用することによって透過度をピクセル単位で細かく制御することも可能となる。
フォグとは、ワールド座標系において所定方向、具体的にはZ軸方向の位置に対する明るさの度合いを調整するための情報である。フォグは、霧を表現したり、洞窟内を表現したりする場合に使用される。ここで、1フレーム分の画像の全体に対して単一のフォグを適用してもよい。この場合、1フレーム分の画像に一定の態様でフォグがかかることとなる。また、これに代えて、1フレーム分の画像の全体に対して複数のフォグを適用してもよい。この場合、Z軸方向の奥側に配置されているオブジェクトに対してその他のオブジェクトと同様のフォグを適用すると暗すぎることで質感がでないような状況において、当該オブジェクトには別のフォグを設定する構成とするとよい。これにより、上記質感を損なわせないようにしつつ、フォグを設定することによる効果を得ることができる。
パラメータ情報P(2)といった他のパラメータでは、図43(c)に示すように、上記図43(b)の各種情報のうち、背面用の画像データの情報に代えて、オブジェクトの情報とテクスチャの情報とが設定されている。これらの情報としては、メモリモジュール133においてオブジェクトやテクスチャが記憶されているエリアのアドレスの情報が設定されている。
VDP135における描画処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、描画処理の実行に伴い描画データが作成される様子を、図45を参照しながら説明する。
まずステップS2301では、表示CPU131から新たな描画リストを受信しているか否かを判定する。新たな描画リストを受信している場合には、ステップS2302にて、背景用の設定処理を実行する。
背景用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、背景画像を表示するための背面用の画像データ及びキャラクタを表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、それら画像データやオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。
配置されていない場合には、ワールド座標系への配置を行うために参照する空きバッファ領域を画像データ毎に検索し、空きバッファ領域を確保した場合にはその領域の初期化処理を実行する。その後、メモリモジュール133においてその画像データが記憶されているアドレスを把握して読み出すとともに、描画リストに指定された座標、回転角度及びスケールとなるように、その画像データについてのローカル座標系の座標値をワールド座標系の座標値に変換させるワールド変換処理を実行して、上記確保したバッファ領域に設定する。
配置されている場合には、既に確保されたバッファ領域に設定されている各種パラメータの更新処理を実行する。また、背景用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない背景用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
続くステップS2303では、演出用の設定処理を実行する。演出用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、演出画像を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、演出用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない演出用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
続くステップS2304では、図柄用の設定処理を実行する。図柄用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、図柄を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、図柄用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない図柄用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
上記ステップS2302〜ステップS2304の処理が実行されることにより、図45に示すように、X軸,Y軸,Z軸で規定されたワールド座標系内に、描画リストにより配置対象として指定されている最背面画像用の画像データPC1と、各種オブジェクトデータPC2〜PC10とが、同じく描画リストにより指定されている座標、回転角度及びスケールで配置されたシーンの設定が完了する。
なお、図45においては、最背面画像用の画像データPC1や各種オブジェクトデータPC2〜PC10が配置されている様子を簡易的に示している。また、最背面画像用の画像データPC1は、各種オブジェクトデータPC2〜PC10の全てに対してZ軸方向の座標が奥側に設定されている必要はなく、例えば、最背面画像用の画像データPC1が曲げられた状態又は傾斜した状態で配置されていることにより、一部のオブジェクトデータよりもZ軸方向の座標が手前側となる構成としてもよい。但し、この一部のオブジェクトデータとX軸方向の座標及びY軸方向の座標が同一である最背面画像用の画像データPC1の領域は、そのオブジェクトデータよりもZ軸方向の座標が奥側であることにより、全てのオブジェクトデータが最背面画像用の画像データPC1により覆われない状態となる。
続くステップS2305では、カメラ座標系(カメラ空間)への変換処理を実行する。カメラ座標系への変換処理では、描画リストにより指定されたカメラの情報により、視点の座標及び向きを決定するとともに、その視点の座標及び向きに基づいて、ワールド座標系を、視点を原点としたカメラ座標系(カメラ空間)に変換する。これにより、図45に示すように、カメラ形状で示す視点PC11が設定され、それに対応した座標系が設定された状態となる。
ここで、カメラの情報は、個別画像(最背面画像用の画像データPC1及び各種オブジェクトデータPC2〜PC10)毎に設定されており、実際には個別画像毎にカメラ座標系が存在することとなる。このように個別画像毎にカメラ座標系が設定されることにより、視点切換を個別に行うことが可能となり、描画データの作成の自由度が高められる。但し、説明の便宜上、図45には全ての個別画像が単一の視点に設定されている状態を示す。
続くステップS2306では、視野座標系(視野空間)への変換処理を実行する。視野座標系への変換処理では、上記各カメラ座標系を、視点からの視野(視野角)に対応する視野座標系に変換する。これにより、各個別画像について、対応する視点の視野内に含まれている場合にはそれが抽出されるとともに、視点から近い個別画像が拡大されるとともに、視点から遠い個別画像が縮小される。
続くステップS2307では、クリッピング処理を実行する。クリッピング処理では、ステップS2306にて抽出された各個別画像が、それぞれ対応する視点を共通の原点として把握される。そして、その状態で描画対象のフレーム領域142a,142b(すなわち、図柄表示装置41の表示面P)に応じたスクリーン領域PC12(図45を参照)に対応する空間を基準として、ステップS2306にて抽出された各個別画像をクリッピングする。
続くステップS2308では、ライティング処理を実行する。ライティング処理では、描画リストにより指定されたライトの情報により、仮想光源の種類、座標及び向きを決定するとともに、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトについて上記仮想光源に基づき陰影や反射等を演算する。
続くステップS2309では、色情報の設定処理を実行する。色情報の設定処理では、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトに対して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で、色情報を設定することで、各オブジェクトの外観を決定する。かかる色情報の設定処理では、基本的に、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトデータに対して、それぞれに対応するテクスチャデータを貼り付けるテクスチャマッピング処理が実行される。また、状況によっては、バンプマッピングや透明度マッピングなどの処理が実行される。
その後、ステップS2310及びステップS2311にて、ステップS2307にて抽出され、さらにライティング処理や色情報の設定処理が完了した各個別画像を、仮想2次元平面であるスクリーン領域PC12に投影(例えば、透視投影や平行投影)することで描画データを作成する。
具体的には、まずステップS2310にて、背景用の描画データ作成処理を実行する。背景用の描画データ作成処理では、背景画像として設定されている最背面画像用の画像データ及びオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで、背景用の描画データを作成する。
ここで、VRAM134には、図41に示すようにスクリーン用バッファ144が設けられており、スクリーン用バッファ144には背景用の描画データが書き込まれる背景用のバッファと、演出用の描画データ及び図柄用の描画データがまとめて書き込まれる演出及び図柄用のバッファとが設定されている。また、背景用のバッファ、演出及び図柄用のバッファには、スクリーン領域PC12のピクセル数と同一のドット数のエリアが設定されている。ステップS2310にて作成される背景用の描画データは、背景用のバッファに書き込まれる。なお、描画リストにおいて背景用の画像データが指定されていない場合には、背景用の描画データは作成されない。
続くステップS2311では、演出及び図柄用の描画データ作成処理を実行する。演出及び図柄用の描画データ作成処理では、演出画像として設定されているオブジェクトデータ及び図柄として設定されているオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで、スクリーン用バッファ144における演出及び図柄用のバッファに演出及び図柄用の描画データを作成する。なお、描画リストにおいて演出及び図柄用の画像データが指定されていない場合には、演出及び図柄用の描画データは作成されない。
その後、ステップS2312にて、描画データ合成処理を実行した後に、本描画処理を終了する。ステップS2312の描画データ合成処理では、ステップS2310及びステップS2311の処理によりそれぞれ個別にスクリーン用バッファ144に作成されている背景用の描画データと、演出及び図柄用の描画データとを合成して、その合成結果を描画対象のフレーム領域142a,142bに1フレーム分の描画データとして書き込む。
この場合、その書き込む順序は、背景用の描画データ→演出及び図柄用の描画データの順序で奥側から手前側に並ぶように規定されている。したがって、描画対象のフレーム領域142a,142bに対して、まず背景用の描画データを書き込み、次に演出及び図柄用の描画データを書き込む。この際、描画の実行対象となったピクセルに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像がそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像と手前側の画像との融合が行われ、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対する手前側の画像の上書きが行われるように、ブレンド用の演算が実行される。
ちなみに、各描画データは1フレーム分の面積を有するように規定されているが、演出及び図柄用の描画データにおいて投影が行われなかったブランク部分については完全透明のα値が設定されている。
上記1フレーム分の描画データの作成は20msec周期の範囲内で完了するように行われる。また、作成された描画データに基づいて表示回路155から図柄表示装置41に画像信号が出力されるが、既に説明したとおりダブルバッファ方式が採用されているため、当該画像信号の出力は当該出力に係るフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われる。また、表示回路155は1フレーム分の画像信号の出力が完了する毎に参照対象とするフレーム領域142a,142bを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、描画データの描画対象となっているフレーム領域142a,142bが画像信号を出力するための出力対象とならないように規制されている。
なお、上記ステップS2302〜ステップS2307までがジオメトリ演算部151により実行される処理であり、上記ステップS2308〜ステップS2312がレンダリング部152により実行される処理である。
<ループ演出を行うための構成>
次に、ループ演出を行うための構成について説明する。
ループ演出とは、複数の画像更新タイミングからなる所定期間においてループ演出用キャラクタが所定の動作を行う動画が繰り返し表示される演出である。当該ループ演出用の動画において最終フレームの画像と開始フレームの画像とは連続性を有するように設定されている。具体的には、ループ演出用キャラクタの動作が連続した動作であると遊技者に認識されるように、最終フレームの画像と開始フレームの画像とは連続性を有するように設定されている。これにより、ループ演出用の動画が1周した後において同一のループ演出用の動画を再度表示する場合に、ループ演出用キャラクタの動きを滑らかなものとすることが可能となる。
ループ演出の内容について、図46を参照しながら詳細に説明する。図46(a)及び図46(b)はループ演出における動画表示の内容を説明するための説明図である。
図46(a)及び図46(b)に示すように、ループ演出に際しては図柄表示装置41の表示面Pに複数のループ演出用キャラクタCH8,CH9が同時に表示される。具体的には、ループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とが同時に表示される。図46(a)及び図46(b)においてはループ演出用キャラクタCH8,CH9を簡略化して示しているが、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9は顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識されるように表示される。また、ループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とは、顔の表情や服装の柄を含めた模様、外縁形状及びサイズの少なくとも一つが相違していることにより、相互に異なるキャラクタであると遊技者に認識されるように表示される。ループ演出に際しては、ループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とが異なる動作を行っていると遊技者に認識されるように動画表示が行われる。
ループ演出として、図46(a)に示す第1ループ演出態様と、図46(b)に示す第2ループ演出態様とが設定されている。第1ループ演出態様と第2ループ演出態様とでは、図46(a)及び図46(b)に示すように、対応するループ演出用の動画の1周において行われるループ演出用AキャラクタCH8の動作内容が相違しているとともに、対応するループ演出用の動画の1周において行われるループ演出用BキャラクタCH9の動作内容が相違している。そして、ループ演出が実行される場合には、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画が複数回繰り返される第1アニメーション期間が行われた後に、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画が複数回繰り返される第2アニメーション期間が行われる。
ループ演出は遊技回用の演出として実行され、大当たり結果となる遊技回において発生する。第1アニメーション期間は図柄表示装置41の表示面Pにおいて大当たり結果であることを示す図柄の組合せが表示される前に発生し、第2アニメーション期間は表示面Pにおいて大当たり結果であることを示す図柄の組合せが表示された後に発生する。したがって、第1アニメーション期間においては大当たり結果となることを期待するような動作表示がループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれにて行われ、第2アニメーション期間においては大当たり結果となったことを祝福するような動作表示がループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれにて行われる。
上記のようにループ演出が実行される場合、第1ループ演出態様及び第2演出態様のそれぞれでループ演出用の動画が繰り返される場合には、最終フレームの画像と開始フレームの画像とでループ演出用AキャラクタCH8の動作が連続性を有するとともにループ演出用BキャラクタCH9の動作が連続性を有する。それに対して、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画における最終フレームの画像と、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画における開始フレームの画像との間では、ループ演出用AキャラクタCH8の動作が連続性を有さないとともにループ演出用BキャラクタCH9の動作が連続性を有さない。
そこで、第1アニメーション期間が行われた後に、第2アニメーション期間が行われる場合には、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画における最終フレームの画像を表示するためのデータと第2ループ演出態様によるループ演出用の動画における開始フレームの画像を表示するためのデータとを利用して導出されたデータによる補間表示が行われる補間表示期間が実行された後に、第2アニメーション期間が開始される。以下、上記ループ演出を実行するための具体的な構成を説明する。
まずループ演出を実行するためのデータ構成について説明する。図47(a)はループ演出を実行するためのメモリモジュール133のデータ構成を説明するための説明図である。図47(a)に示すように、メモリモジュール133には、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応した動作表示をループ演出用AキャラクタCH8に行わせるためのAキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1と、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応した動作表示をループ演出用AキャラクタCH8に行わせるためのAキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2と、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応した動作表示をループ演出用BキャラクタCH9に行わせるためのBキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3と、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応した動作表示をループ演出用BキャラクタCH9に行わせるためのBキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4と、が予め記憶されている。
各アニメーションデータAD1〜AD4は、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9を表示するためのオブジェクトデータにおける各頂点の座標を決定付けるデータである。各アニメーションデータAD1〜AD4には、連番となるようにして複数のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報のそれぞれには、対応するオブジェクトデータにおける各頂点の座標データが設定されている。ポインタ情報は、ループ演出が行われている状況において1フレーム分進行する場合(画像更新タイミングとなる度)に更新され、ポインタ情報の更新に伴って参照すべき座標データが次の順番のものに変更されることとなる。この場合に、それら連続する座標データは、対応するループ演出用キャラクタCH8,CH9が対応するループ演出用の動画に対応した動作表示を行うように設定されている。
上記のとおり第1ループ演出態様によるループ演出用の動画を表示するために第1アニメーションデータAD1,AD3が設けられており、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画を表示するために第2アニメーションデータAD2,AD4が設けられている。このように各ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応させてアニメーションデータAD1〜AD4が区別して設けられていることにより、各期間におけるループ演出用の動画の繰り返し表示を可能としながら、一度に読み出すアニメーションデータAD1〜AD4のデータ量を抑えることが可能となる。一度に読み出すアニメーションデータAD1〜AD4のデータ量を抑えることで、アニメーションデータAD1〜AD4の読み出しに要する期間を分散することが可能となる。
また、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9が同時に表示されて同一の期間においてループ演出用の動画が表示される構成であっても、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれに対応させてアニメーションデータAD1〜AD4が設けられている。これにより、ループ演出用AキャラクタCH8を動作させるためのアニメーションデータAD1,AD3と、ループ演出用BキャラクタCH9を動作させるためのアニメーションデータAD2,AD4とを個別に扱うことが可能となる。
メモリモジュール133には、図47(a)に示すように、ループ演出を実行するためのデータとして上記アニメーションデータAD1〜AD4以外にも配合テーブルCTが設けられている。配合テーブルCTは、補間表示期間の各更新タイミングにおける第1アニメーションデータAD1,AD3による座標データと第2アニメーションデータAD2,AD4による座標データとの配合割合を決定付けるデータである。
配合テーブルCTについて図47(b)の説明図を参照しながら詳細に説明する。配合テーブルCTには、補間表示期間に含まれる全ての更新タイミングと1対1で対応させて設定されたポインタ情報と、各ポインタ情報に対応した更新タイミングにおける第1アニメーションデータAD1,AD3による座標データと第2アニメーションデータAD2,AD4による座標データとの配合割合のデータとが設定されている。具体的には、補間表示期間の開始タイミングから終了タイミングに亘って、第1アニメーションデータAD1,AD3による座標データの配合割合が徐々に小さくなるとともに第2アニメーションデータAD2,AD4による座標データの配合割合が徐々に大きくなるように、配合テーブルCTが設定されている。この場合に、配合テーブルCTによる座標テーブルの配合は、第1アニメーションデータAD1,AD3による最終タイミングの座標データと、第2アニメーションデータAD2,AD4による開始タイミングの座標データとを対象に行われる。したがって、補間表示期間においてループ演出用キャラクタCH8,CH9は、第1アニメーション期間の最終タイミングにおける表示態様から第2アニメーション期間の開始タイミングにおける表示態様に徐々に変化するように動画表示される。
次に、ループ演出が実行される様子について図48のタイミングチャートを参照しながら説明する。図48(a)は第1アニメーション期間を示し、図48(b)は第1アニメーションデータAD1,AD3に基づく第1ループ演出態様によるループ演出用の動画が新たに開始されるタイミングを示し、図48(c)は補間表示期間を示し、図48(d)は第2アニメーション期間を示し、図48(e)は第2アニメーションデータAD2,AD4に基づく第2ループ演出態様によるループ演出用の動画が新たに開始されるタイミングを示す。
t1のタイミングで図48(a)に示すように第1アニメーション期間が開始され、t1のタイミング、t2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれで、図48(b)に示すように、第1ループ演出態様によるループ演出用の動画の表示周回が新たに開始される。その後、t3のタイミングで開始された第1ループ演出態様によるループ演出用の動画の表示周回が終了するタイミングであるt4のタイミングで、図48(a)に示すように第1アニメーション期間が終了され、図48(c)に示すように補間表示期間が開始される。補間表示期間は、t5のタイミングまで継続する。
t5のタイミングで補間表示期間が終了されることで、図48(d)に示すように第2アニメーション期間が開始される。そして、t5のタイミング、t6のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれで、図48(e)に示すように、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画の表示周回が新たに開始される。その後、t7のタイミングで開始された第2ループ演出態様によるループ演出用の動画の表示周回が終了するタイミングであるt8のタイミングで、図48(d)に示すように第2アニメーション期間が終了される。
ちなみに、補間表示期間の継続期間T2は、第1アニメーション期間において第1ループ演出態様によるループ演出用の動画が1周するために要する期間T1及び第2アニメーション期間において第2ループ演出態様によるループ演出用の動画が1周するために要する期間T3よりも短く設定されている。
以下、ループ演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図49は、表示CPU131にて実行されるループ演出用の演算処理を示すフローチャートである。ループ演出用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2209の演出用演算処理にて実行される。当該ループ演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいてループ演出についての情報が設定されている場合に起動される。
第1アニメーション期間である場合(ステップS2401:YES)、ステップS2402にて第1アニメーション期間の開始タイミングであるか否かを判定する。第1アニメーション期間の開始タイミングである場合(ステップS2402:YES)、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1及びBキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS2403)。続くステップS2404では、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9を表示するための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。その後、ステップS2405にて、ループ演出を開始すべきことをVDP135に認識させるためのループ演出開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS2402にて否定判定をした場合又はステップS2405の処理を実行した場合、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2406)。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2407にて、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて各頂点の座標データを更新する。具体的には、今回は第1アニメーション期間であるため、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1において今回の更新タイミングにおけるポインタ情報に対応させて設定されている全ての頂点の座標データを読み出すとともに、Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3において今回の更新タイミングにおけるポインタ情報に対応させて設定されている全ての頂点の座標データを読み出す。そして、これら読み出した座標データを、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。これにより、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1に従ってループ演出用AキャラクタCH8を動作させることが可能となるとともに、Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3に従ってループ演出用BキャラクタCH9を動作させることが可能となる。
続くステップS2408では、ステップS2406にて把握した各種画像データについて、座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS2409にて、ループ演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのループ演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
補間表示期間である場合(ステップS2401:NO、ステップS2410:YES)、ステップS2411にて補間表示期間用処理を実行する。補間表示期間用処理では、図50のフローチャートに示すように、まずステップS2501にて先側の補間表示開始タイミングであるか否かを判定する。
補間表示期間においては、既に説明したとおり、ループ演出用AキャラクタCH8における各頂点の座標データがAキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1とAキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2とを所定の割合で配合することにより導出されるとともに、ループ演出用BキャラクタCH9における各頂点の座標データがBキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3とBキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4とを所定の割合で配合することにより導出される。この場合に、配合による座標データの導出は、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて同時に開始されるのではなく、ループ演出用AキャラクタCH8についての配合による座標データの導出が先に開始され、その次の画像の更新タイミングにおいてループ演出用BキャラクタCH9についての配合による座標データの導出が開始される。
かかる内容について図51のタイミングチャートを参照しながら説明する。図51(a)は画像の更新タイミングを示し、図51(b)はループ演出用AキャラクタCH8の第1アニメーション期間を示し、図51(c)はループ演出用AキャラクタCH8の補間表示期間を示し、図51(d)はループ演出用BキャラクタCH9の第1アニメーション期間を示し、図51(e)はループ演出用BキャラクタCH9の補間表示期間を示す。
t1のタイミング、t2のタイミング、t3のタイミング及びt4のタイミングのそれぞれで図51(a)に示すように画像の更新タイミングとなる。この場合に、ループ演出用AキャラクタCH8については、t2のタイミングで、図51(b)に示すように第1アニメーション期間が終了するとともに図51(c)に示すように補間表示期間が開始される。但し、当該t2のタイミングでは、ループ演出用BキャラクタCH9については第1アニメーション期間が継続される。その後、1フレーム分だけ後の更新タイミングであるt3のタイミングで、ループ演出用BキャラクタCH9について、図51(d)に示すように第1アニメーション期間が終了するとともに図51(e)に示すように補間表示期間が開始される。
補間表示期間用処理(図50)の説明に戻り、補間表示期間の開始タイミングは、ループ演出用AキャラクタCH8についての配合による座標データの導出の開始タイミングである。この場合、ステップS2501にて肯定判定をしてステップS2502に進む。ステップS2502では、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。また、ステップS2503にて、配合テーブルCTをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。
続くステップS2504では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2505にて、ループ演出用AキャラクタCH8について各頂点の座標データを更新する。当該更新処理では、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1における最終タイミングの各頂点の座標データと、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2における開始タイミングの各頂点の座標データとを、配合テーブルCTにおいて最初のポインタ情報に対応した割合で配合する。具体的には、対応する頂点同士において第1アニメーションデータAD1における最終タイミングの座標データと第2アニメーションデータAD2における開始タイミングの座標データとを95対5の割合で配合する。そして、当該配合によって得られた座標データを、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、ステップS2506にて、ループ演出用BキャラクタCH9について各頂点の座標データを更新する。具体的には、Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3において最終タイミングの各頂点の座標データを読み出す。そして、これら読み出した座標データを、ワークRAM132においてループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。ここで、直前の更新タイミング、すなわち第1アニメーション期間の最終タイミングにおいても、ループ演出用BキャラクタCH9の各頂点の座標データとしてBキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3における最終タイミングの各頂点の座標データが使用されている。したがって、補間表示期間の開始タイミングにおいてはループ演出用BキャラクタCH9における各頂点の座標データは直前の更新タイミングから変更されない。
続くステップS2507では、ステップS2504にて把握した各種画像データについて、座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS2508にて、ループ演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのループ演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
補間表示期間の開始タイミングに対して次の画像の更新タイミングである場合(ステップS2501:NO、ステップS2509:YES)、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS2510)。また、ステップS2511にて、配合テーブルCTをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。ここで、補間表示期間の開始タイミングにおいては既に説明したとおり、Aキャラクタ用のアニメーションデータAD1,AD2に適用するための配合テーブルCTが、ステップS2503にて既にワークRAM132に読み出されている。これに対して、ステップS2511にて配合テーブルCTを新たに読み出すことにより、Aキャラクタ用のアニメーションデータAD1,AD2に適用するための配合テーブルCTとBキャラクタ用のアニメーションデータAD3,AD4に適用するための配合テーブルCTとがワークRAM132に個別に読み出されることとなる。これにより、配合テーブルCTを利用した座標データの配合が、ループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とで1回の更新タイミング分ずれて開始される構成であったとしても、配合テーブルCTによる最初のポインタ情報に対応した割合から座標データの配合を開始することが可能となる。
続くステップS2512では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2513にて、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて各頂点の座標データを更新する。当該更新処理では、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1における最終タイミングの各頂点の座標データと、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2における開始タイミングの各頂点の座標データとを、ループ演出用AキャラクタCH8に対応する配合テーブルCTにおいて今回のポインタ情報に対応した割合で配合する。そして、当該配合によって得られた座標データを、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。また、Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3における最終タイミングの各頂点の座標データと、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4における開始タイミングの各頂点の座標データとを、ループ演出用BキャラクタCH9に対応する配合テーブルCTにおいて今回のポインタ情報に対応した割合で配合する。そして、当該配合によって得られた座標データを、ワークRAM132においてループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
続くステップS2507では、ステップS2512にて把握した各種画像データについて、座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS2508にて、ループ演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのループ演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
補間表示期間であって後側の補間表示開始タイミングよりも後の更新タイミングである場合(ステップS2501:NO、ステップS2509:NO)、ステップS2510及びステップS2511の処理を実行することなくステップS2512に進む。ステップS2512では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2513にて、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて各頂点の座標データを更新する。当該更新処理では、Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1における最終タイミングの各頂点の座標データと、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2における開始タイミングの各頂点の座標データとを、ループ演出用AキャラクタCH8に対応する配合テーブルCTにおいて今回のポインタ情報に対応した割合で配合する。そして、当該配合によって得られた座標データを、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。また、Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3における最終タイミングの各頂点の座標データと、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4における開始タイミングの各頂点の座標データとを、ループ演出用BキャラクタCH9に対応する配合テーブルCTにおいて今回のポインタ情報に対応した割合で配合する。そして、当該配合によって得られた座標データを、ワークRAM132においてループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
続くステップS2507では、ステップS2512にて把握した各種画像データについて、座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS2508にて、ループ演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのループ演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ループ演出用の演算処理(図49)の説明に戻り、第2アニメーション期間である場合(ステップS2401及びステップS2410:NO)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2406)。当該画像データには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2407にて、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて各頂点の座標データを更新する。具体的には、今回は第2アニメーション期間であるため、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2において今回の更新タイミングにおけるポインタ情報に対応させて設定されている全ての頂点の座標データを読み出すとともに、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4において今回の更新タイミングにおけるポインタ情報に対応させて設定されている全ての頂点の座標データを読み出す。そして、これら読み出した座標データを、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。これにより、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2に従ってループ演出用AキャラクタCH8を動作させることが可能となるとともに、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4に従ってループ演出用BキャラクタCH9を動作させることが可能となる。
続くステップS2408では、ステップS2406にて把握した各種画像データについて、座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリア、及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータに対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。その後、ステップS2409にて、ループ演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのループ演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
上記のようにループ演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータの使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、各頂点の座標データを含めて、それら画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストにはループ演出指定情報が設定され、さらにループ演出の開始タイミングにおいてはループ演出開始指定情報が設定される。
次に、VDP135にて実行されるループ演出用の設定処理を、図52のフローチャートを参照しながら説明する。ループ演出用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2303にて実行される演出用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいてループ演出指定情報が設定されている場合に、ループ演出用の設定処理が実行される。
今回の描画リストにループ演出開始指定情報が設定されている場合(ステップS2601:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133においてループ演出用AキャラクタCH8に対応するオブジェクトデータ、ループ演出用AキャラクタCH8に対応するテクスチャデータ、ループ演出用BキャラクタCH9に対応するオブジェクトデータ、及びループ演出用BキャラクタCH9に対応するテクスチャデータが記憶されているアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133からこれら画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS2602)。
ステップS2601にて否定判定をした場合、又はステップS2602の処理を実行した場合、ステップS2603にて、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。また、ステップS2604にて、ループ演出用AキャラクタCH8を表示するためのオブジェクトデータ及びループ演出用BキャラクタCH9を表示するためのオブジェクトデータのそれぞれについてのワールド座標系における各頂点の座標データを今回の描画リストから把握し、さらにステップS2605にて、これらオブジェクトデータ及び対応するテクスチャデータの他のパラメータ情報を把握する。そして、ステップS2606にて、ステップS2603〜ステップS2605の把握結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。
上記のようにループ演出用の設定処理が実行されることにより、ワールド座標系にループ演出用AキャラクタCH8のオブジェクトデータ及びループ演出用BキャラクタCH9のオブジェクトデータが配置されるとともに、それらオブジェクトデータにおける各頂点の座標データとして各アニメーションデータAD1〜AD4から導出された座標データが適用される。これにより、表示面Pでは、第1アニメーション期間、補間表示期間及び第2アニメーション期間のそれぞれに対応した態様でループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9が動作するように動画表示が行われる。
第1ループ演出態様によるループ演出用の動画を表示するために第1アニメーションデータAD1,AD3が設けられており、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画を表示するために第2アニメーションデータAD2,AD4が設けられている。このように各ループ演出態様によるループ演出用の動画に対応させてアニメーションデータAD1〜AD4が区別して設けられていることにより、各期間におけるループ演出用の動画の繰り返し表示を可能としながら、一度に読み出すアニメーションデータAD1〜AD4のデータ量を抑えることが可能となる。一度に読み出すアニメーションデータAD1〜AD4のデータ量を抑えることで、アニメーションデータAD1〜AD4の読み出しに要する期間を分散することが可能となる。
また、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9が同時に表示されて同一の期間においてループ演出用の動画が表示される構成であっても、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれに対応させてアニメーションデータAD1〜AD4が設けられている。これにより、ループ演出用AキャラクタCH8を動作させるためのアニメーションデータAD1,AD3と、ループ演出用BキャラクタCH9を動作させるためのアニメーションデータAD2,AD4とを個別に扱うことが可能となる。
第1ループ演出態様によるループ演出用の動画が表示される第1アニメーション期間と、第2ループ演出態様によるループ演出用の動画が表示される第2アニメーション期間との間には、第1アニメーションデータAD1,AD3による座標データと第2アニメーションデータAD2,AD4による座標データとを所定の割合で配合することにより導出された座標データを利用して動画表示を行う補間表示期間が設定されている。これにより、第1アニメーションデータAD1,AD2と第2アニメーションデータAD2,AD4との間でループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作表示の連続性を担保しなくても、第1アニメーション期間から第2アニメーション期間への移行に際してループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作表示の連続性を担保することが可能となる。
ループ演出用AキャラクタCH8について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始されるタイミングと、ループ演出用BキャラクタCH9について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始されるタイミングとが異なる更新タイミングとなるように設定されている。これにより、補間表示期間の開始タイミングにおける処理負荷が極端に大きくなってしまうことを防止することが可能となる。
ループ演出用AキャラクタCH8について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始されたタイミングに対して、次の画像の更新タイミングにおいてループ演出用BキャラクタCH9について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始される。これにより、補間表示期間の開始タイミングをループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とで異ならせる構成であっても、ループ演出用AキャラクタCH8において第2アニメーション期間が開始された場合にはループ演出用BキャラクタCH9における第2アニメーション期間を早期に開始することが可能となる。
ループ演出用AキャラクタCH8についての補間表示期間及びループ演出用BキャラクタCH9についての補間表示期間のいずれであっても、同一の配合テーブルCTが利用される。これにより、補間表示期間を実行するために必要なデータ量を抑えることが可能となる。
<ループ演出に係る構成の別形態>
・ループ演出が実行される場合には第1アニメーション期間及び第2アニメーション期間の両方が常に発生する構成に限定されることはなく、例えば外れ結果となる遊技回では遊技回用の演出におけるリーチ表示の演出として第1アニメーション期間は発生するものの第2アニメーション期間は発生しない構成であり、大当たり結果となる遊技回では遊技回用の演出におけるリーチ表示の演出として第1アニメーション期間の後に第2アニメーション期間が発生する構成としてもよい。この場合、ループ演出として第1アニメーション期間のみが発生する場合と、第1アニメーション期間の後に第2アニメーション期間が発生する場合とのそれぞれが起こり得るため、アニメーションデータを第1アニメーションデータAD1,AD3と第2アニメーションデータAD2,AD4とで区別することが好ましい。そして、このようにアニメーションデータAD1〜AD4を第1アニメーション期間用と第2アニメーション期間用とで区別して設ける構成においては上記実施形態のようにループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作を滑らかなものとすべく補間表示期間を設定することが好ましい。
・ループ演出用AキャラクタCH8について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始されたタイミングに対して、次の画像の更新タイミングにおいてループ演出用BキャラクタCH9について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始される構成に限定されることはなく、前者のタイミングに対して複数分の更新タイミングの後に、ループ演出用BキャラクタCH9について第1アニメーション期間が終了して補間表示期間が開始される構成としてもよい。
・第1アニメーションデータAD1,AD3による座標データと第2アニメーションデータAD2,AD4による座標データとを所定の割合で配合することにより座標データを導出する処理の開始タイミングがループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とで異なる構成において、配合することにより導出された座標データが利用されることとなる補間表示期間がループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とで同時に開始される構成としてもよい。これにより、処理負荷の分散を図りながら、ループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用キャラクタCH9との見た目において補間表示期間の動作を同時に開始することが可能となる。
<補間表示期間用処理の別形態>
上記実施形態では、第1アニメーション期間の終了するタイミングが予め定められており、第1アニメーション期間の終了タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の各頂点の座標データが、ループ演出が実行される度に一定となる構成としたが、これに代えて、第1アニメーション期間の終了するタイミングが変動し得ることにより、第1アニメーション期間の終了タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の各頂点の座標データが、ループ演出が実行される度に変動し得る構成としてもよい。このように各頂点の座標データが変動し得る具体的な構成について以下に詳細に説明する。
本実施形態では、遊技者により操作される演出用操作装置が音声発光制御装置60と電気的に接続されており、第1アニメーション期間の実行途中で演出用操作装置が操作されたことが音光側MPU62にて特定された場合にはそれに対応するコマンドが表示CPU131に送信され、表示CPU131は当該コマンドを受信した場合には第1アニメーション期間を終了させて補間表示期間の実行後に第2アニメーション期間を開始させる。当該構成を、例えば外れ結果となる遊技回では遊技回用の演出におけるリーチ表示の演出として第1アニメーション期間は発生するものの第2アニメーション期間は発生しない構成であり、大当たり結果となる遊技回では遊技回用の演出におけるリーチ表示の演出として第1アニメーション期間の後に第2アニメーション期間が発生する構成に適用した場合、大当たり結果となる遊技回における第1アニメーション期間において演出用操作装置が操作されたタイミングに応じて、大当たり結果となることの確定報知となる第2アニメーション期間の開始タイミングを変動させることが可能となる。この場合、ループ演出を利用しながら、演出用操作装置の操作タイミングに対応したタイミングでの確定報知を行うことが可能となる。
上記のように第1アニメーション期間の終了するタイミングが変動し得る構成においては、第1アニメーション期間の終了タイミングにおけるループ演出用AキャラクタCH8の動作態様及びループ演出用BキャラクタCH9の動作態様も変動し得る。そうすると、補間表示期間の開始タイミングをループ演出用AキャラクタCH8とループ演出用BキャラクタCH9とで異なる更新タイミングとする場合において、第1アニメーション期間の終了タイミングにおけるループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作態様に応じて補間表示期間を先に開始する対象を変動させることが好ましい。
具体的には、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のうち、第1アニメーション期間の終了タイミングと第2アニメーション期間の開始タイミングとの間におけるループ演出用キャラクタCH8,CH9の変化動作量が多い側の方が、当該変化動作量が少ない側よりも補間表示期間における一の更新タイミングにおける動作量が多くなる。そうすると、上記変化動作量が多い側のループ演出用キャラクタCH8,CH9の方が補間表示期間における画像の更新タイミングは多い方が好ましい。これに対して、補間表示期間の開始タイミングが各ループ演出用キャラクタCH8,CH9が相違する構成であったとしても、補間表示期間の終了タイミグは各ループ演出用キャラクタCH8、CH9で同一となっているため、補間表示期間の終了タイミングが遅い側のループ演出用キャラクタCH8,CH9は早い側よりも補間表示期間において発生する画像の更新タイミングの回数が少なくなる。そこで、本別形態では、各ループ演出用キャラクタCH8,CH9のうち、第1アニメーション期間の終了タイミングとの関係で上記変化動作量が多い側から先に補間表示期間を開始させる構成となっている。
補間表示期間を先に開始させる対象のループ演出用キャラクタCH8,CH9を第1アニメーション期間の終了タイミングとの関係で決定するためのデータとして、本別形態では、メモリモジュール133に先開始対象決定用テーブルPDTが予め記憶されている。図53は、先開始対象決定用テーブルPDTを説明するための説明図である。
先開始対象決定用テーブルPDTには、第1アニメーション期間として発生し得るフレーム数(画像の更新タイミングの回数)の範囲と、補間表示期間を先に開始させる対象となるループ演出用キャラクタCH8,CH9との対応関係が予め定められている。当該対応関係は、パチンコ機10の設計段階において第1アニメーション期間の各更新タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作態様と、第2アニメーション期間の開始タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作態様とを比較することにより決定されている。具体的には、第1アニメーション期間におけるフレーム数が0フレーム目(開始タイミングのフレーム)〜49フレーム目、100フレーム目〜149フレーム目及び200フレーム目〜249フレーム目に対しては先開始側のキャラクタとしてループ演出用BキャラクタCH9が設定されている。一方、第1アニメーション期間におけるフレーム数が50フレーム目〜99フレーム目、150フレーム目〜199フレーム目及び250フレーム目〜299フレーム目(最終タイミングのフレーム)に対しては先開始側のキャラクタとしてループ演出用AキャラクタCH8が設定されている。
当該先開始対象決定用テーブルPDTを利用して補間表示期間を先に開始する対象のループ演出用キャラクタCH8,CH9を決定する処理構成について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。図54は、表示CPU72にて実行される補間表示期間用処理の別形態を説明するためのフローチャートである。なお、補間表示期間用処理は第1アニメーション期間の途中で演出用操作装置が操作された後又は第1アニメーション期間の最終タイミングとなった後であって、補間表示期間の終了タイミングとなるまで、ループ演出用の演算処理(図49)が起動される度に実行される。
補間表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2701:YES)、メモリモジュール133から先開始対象決定用テーブルPDTを読み出し、第1アニメーション期間の現状のフレーム数が先開始側のキャラクタをループ演出用AキャラクタCH8とするフレーム数に対応しているか否かを判定する(ステップS2702)。先開始側のキャラクタをループ演出用AキャラクタCH8とするフレーム数に対応している場合(ステップS2702:YES)、Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS2703)。一方、先開始側のキャラクタをループ演出用BキャラクタCH9とするフレーム数に対応している場合(ステップS2702:NO)、Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS2704)。ステップS2703の処理を実行した場合又はステップS2704の処理を実行した場合、ステップS2705にて、配合テーブルCTをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。
続くステップS2706では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。その後、ステップS2707にて、補間表示期間を先に開始させる側となったループ演出用キャラクタCH8,CH9について、配合テーブルCTに従った座標データの更新処理を実行する。また、ステップS2708にて、補間表示期間を先に開始させる側とならなかったループ演出用キャラクタCH8,CH9について、直前の更新タイミングにおける座標データと同一の座標データを把握する。その後、ステップS2709にて、その他のパラメータの更新処理を実行するとともに、ステップS2710にて、ループ演出指定情報を記憶する。これらステップS2706〜ステップS2710の各処理内容は、上記実施形態における補間表示期間用処理(図50)のステップS2504〜ステップS2508の処理内容と同一である。
補間表示期間の開始タイミングに対して次の画像の更新タイミングである場合(ステップS2701:NO、ステップS2711:YES)、補間表示期間を先に開始させる側とならなかったループ演出用キャラクタCH8,CH9に対応する第2アニメーションデータAD2,AD4をメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS2712)。具体的には、直前の補間表示期間用処理の処理回にてステップS2703の処理が実行されている場合にはBキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4を読み出し、直前の補間表示期間用処理の処理回にてステップS2704の処理が実行されている場合にはAキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2を読み出す。その後、ステップS2713にて、配合テーブルCTをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。
続くステップS2714では、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。その後、ステップS2715にて、ループ演出用AキャラクタCH8及びループ演出用BキャラクタCH9のそれぞれについて各頂点の座標データを更新する。その後、ステップS2709にて、その他のパラメータの更新処理を実行するとともに、ステップS2710にて、ループ演出指定情報を記憶する。これらステップS2709〜ステップS2710及びステップS2714〜ステップS2715の各処理内容は、上記実施形態における補間表示期間用処理(図50)のステップS2507〜ステップS2508及びステップS2512〜ステップS2513の処理内容と同一である。また、ステップS2711にて否定判定をした場合における処理内容は、上記実施形態における補間表示期間用処理(図50)のステップS2509にて否定判定をした場合における処理内容と同一である。
本別形態によれば、補間表示期間を先に開始させる対象となるループ演出用キャラクタCH8,CH9の種類が第1アニメーション期間の終了タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作態様に応じて変更されるため、補間表示期間の開始タイミングにおける処理負荷を低減することができるだけでなく、第1アニメーション期間の終了タイミングに応じた態様で補間表示を行うことが可能となる。よって、第1アニメーション期間の終了タイミングが変動し得る構成であったとしても、各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の補間表示を円滑に行えるようにしながら補間表示期間の開始タイミングにおける処理負荷を低減することが可能となる。
また、補間表示期間を先に開始させる対象となるループ演出用キャラクタCH8,CH9の第1アニメーション期間の終了タイミングに対応する種類が先開始対象決定用テーブルPDTとして予め設定されているため、補間表示期間を先に開始させる対象となるループ演出用キャラクタCH8,CH9の種類を決定する場合の処理負荷を低減することが可能となる。
<補間表示期間用処理のさらなる別形態>
・補間表示期間を先に開始させる対象となるループ演出用キャラクタCH8,CH9の種類が先開始対象決定用テーブルPDTとして予め設定されている構成に限定されることはなく、例えば第1アニメーション期間の終了タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の各頂点の座標データと、第2アニメーション期間の開始タイミングにおける各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の各頂点の座標データとから、第1アニメーション期間の終了タイミングから第2アニメーション期間の開始タイミングまでの各ループ演出用キャラクタCH8,CH9の動作量を演算により導出し、その導出した動作量が多い側のループ演出用キャラクタCH8,CH9から先に補間表示期間を開始させる構成としてもよい。
・第1アニメーション期間の終了タイミングから第2アニメーション期間の開始タイミングまでの動作量が多い側のループ演出用キャラクタCH8,CH9から先に補間表示期間を開始させる構成に代えて、当該動作量が少ない側のループ演出用キャラクタCH8,CH9から先に補間表示期間を開始させる構成としてもよい。
<ボーンモデル表示演出を行うための構成>
次に、ボーンモデル表示演出を行うための構成について説明する。図55(a)及び図55(b)はボーンモデル表示の内容を説明するための説明図である。
ボーンモデル表示とは、図55(a)に示すように人などを表現したボーン表示用キャラクタCH10を3Dで表示する場合に、オブジェクトデータとして、図55(b)に示すように、複数のボーンデータBOD及び複数のジョイントデータJODを有する骨格データFRD1と、骨格データFRD1に関連付けて設定され皮膚の部分を表す皮膚データSKD1とを利用する表示内容のことである。ボーンデータBODはボーン表示用キャラクタCH10の骨部分に対応し、ジョイントデータJODは複数のボーンデータBODを繋ぐ関節部分に対応している。したがって、ジョイントデータJODを基準としながらボーンデータBODの座標データ及び向きのデータを変更することで、骨格データFRD1に関連付けて設定された皮膚データSKD1における各頂点データTDの座標データが変更され、それに応じてボーン表示用キャラクタCH10の形態が変更されることとなる。なお、図55(b)においては皮膚データの一部を省略している。
複数のボーンデータBODには親と子の関係が設定されており、親対象のボーンデータBODが移動した場合にはそれに追従して、当該親対象のボーンデータBODに対して子対象の関係にあるボーンデータBODが移動することとなる。ボーン表示用キャラクタCH10においては背骨部分に対応するボーンデータが最上位の親対象としてメイン親対象のボーンデータBODに設定されており、当該メイン親対象のボーンデータBODに対してジョイントデータJODを介して連結されたボーンデータBODは全て子対象のボーンデータBODに相当する。また、子対象のボーンデータBODにおいても、メイン親対象のボーンデータBODから一列に並ぶボーンデータBOD間においてはメイン親対象のボーンデータBODに対して連結が近い側のボーンデータBODが遠い側のボーンデータBODに対して親対象の関係となる。したがって、メイン親対象のボーンデータBODが移動した場合には予め定められたボーン重み付けデータBWD1に従って、他のボーンデータBODも移動することとなる。また、メイン親対象のボーンデータBODが移動しない場合であっても、当該メイン親対象のボーンデータBODから一列に並ぶ複数のボーンデータBODのうち親対象の関係にあるボーンデータBODが移動した場合にはそれに対して子対象の関係にあるボーンデータBODも予め定められたボーン重み付けデータBWD1に従って移動することとなる。
皮膚データSKD1は多数の頂点データTDを有しており、3個又は4個の頂点データTDによって一のポリゴンが規定され、多数のポリゴンにより皮膚データSKD1が表現されている。各頂点データTDは、一又は複数のボーンデータBODに対して皮膚重み付けデータSWD1に従って関連付けられている。これにより、ボーンデータBODが移動した場合には皮膚重み付けデータSWD1に従って各頂点データTDの座標データが変更され、それに伴って皮膚データSKD1が変形され、最終的にボーンデータBODの動作に応じた態様でボーン表示用キャラクタCH10が動作するとともに当該ボーン表示用キャラクタCH10の皮膚部分が変形する。
ボーンモデル表示演出においては、ボーン表示用キャラクタCH10を含めて複数のボーン表示用キャラクタが表示される。当該ボーンモデル表示演出を実行するためのデータ構成について説明する。図56はボーンモデル表示を行うためのデータ構成を説明するための説明図である。
図56に示すように、メモリモジュール133には、ボーンモデル表示を行うための画像データを記憶するためのエリアとして、ボーン表示用キャラクタCH10の骨格データFRD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した骨格データが予め記憶された骨格データ記憶エリア161と、ボーン表示用キャラクタCH10の皮膚データSKD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した皮膚データが予め記憶された皮膚データ記憶エリア162と、ボーン表示用キャラクタCH10のテクスチャデータBTD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応したテクスチャデータが予め記憶されたテクスチャデータ記憶エリア163と、が設けられている。骨格データ及び皮膚データは既に説明したとおりである。テクスチャデータBTD1は、ボーン表示用キャラクタCH10の色情報を決定付けるデータであり、皮膚データSKD1の頂点データとの関係で色情報が定められている。したがって、骨格データFRD1に皮膚データSKD1を適用した後にテクスチャデータBTD1を適用することで、ボーン表示用キャラクタCH10を表示することが可能となる。これら骨格データFRD1、皮膚データSKD1及びテクスチャデータBTD1はVDP135により使用される。
メモリモジュール133には、ボーンモデル表示を行うためのデータとして画像データ以外にも制御用データが予め記憶されている。当該制御用データを記憶するためのエリアとして、ボーン表示用キャラクタCH10のボーン重み付けデータBWD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応したボーン重み付けデータが予め記憶されたボーン重み付けデータ記憶エリア164と、ボーン表示用キャラクタCH10の皮膚重み付けデータSWD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した皮膚重み付けデータが予め記憶された皮膚重み付けデータ記憶エリア165と、ボーン表示用キャラクタCH10のボーンアニメーションデータBAD1を含めて複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応したボーンアニメーションデータが予め記憶されたボーンアニメーションデータ記憶エリア166と、が設けられている。
ボーン重み付けデータBWD1は、骨格データFRD1に含まれる複数のボーンデータBODにおける親対象と子対象との関係を定めるとともに親対象のボーンデータBODが移動した場合の移動量を子対象のボーンデータBODに対して反映させる場合の割合を定める。皮膚重み付けデータSWD1は、ボーンデータBODと皮膚データSKD1の各頂点データとの対応関係を定めるとともにボーンデータBODが移動した場合の移動量を各頂点データに対して反映させる場合の割合を定める。
ボーンアニメーションデータBAD1は、ボーン表示用キャラクタCH10に複数の更新タイミングに亘って所定の動作を行わせるために、各更新タイミングにおけるボーンデータBODの座標を決定付けるデータである。ボーンアニメーションデータBAD1には、連番となるようにして複数のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報のそれぞれには移動設定対象となるボーンデータBODのそれぞれについて前回の座標データからの今回の差分データが設定されている。この場合、当該差分データの設定対象となるボーンデータBODはボーン表示用キャラクタCH10の大まかな動きを決定付けるのに必要となる一部のボーンデータBODについてのみ差分データが設定されており、残りのボーンデータBODについてはボーン重み付けデータBWD1に従って座標データが決定される。また、差分データの設定対象となっているボーンデータBODであっても、他のボーンデータBODに対して子対象の関係にある場合にはボーンアニメーションデータBAD1により定められた差分データだけでなく、親対象のボーンデータBODの座標データとボーン重み付けデータBWD1に従って座標データが決定される。
ここで、各ボーン表示用キャラクタCH10を表示させる場合には、対応する骨格データFRD1の各ボーンデータBODの座標データが演算により決定される。骨格データFRD1には、図57(a)の説明図に示すように複数のボーンデータBOD1〜BOD50が設定されている。具体的には、第1〜第50ボーンデータBOD1〜BOD50の50個のボーンデータが設定されている。なお、ボーンモデル表示演出において表示されるボーン表示用キャラクタCH10はいずれも最大50個の範囲内でボーンデータBOD1〜BOD50を複数備えている。これら各ボーンデータBOD1〜BOD50の座標データを演算するためのエリアとして、図57(b)の説明図に示すようにワークRAM132には座標演算用エリア169が設けられている。座標演算用エリア169にはボーン表示用キャラクタCH10のボーンデータBOD1〜BOD50の最大数に相当する50個の単位演算用エリアが設けられており、各単位演算用エリアに1対1で対応させてアドレス(第1〜第50アドレス)が設定されている。
以下、ボーンモデル表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図58は、表示CPU131にて実行されるボーンモデル表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。ボーンモデル表示演出用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2209の演出用演算処理にて実行される。当該ボーンモデル表示演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいてボーンモデル表示演出についての情報が設定されている場合に起動される。
ボーンモデル表示演出の開始タイミングである場合(ステップS2801:YES)、今回のボーンモデル表示演出において表示されることとなる複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した制御用データをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す。具体的には、表示対象となる複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応したボーン重み付けデータ、皮膚重み付けデータ及びボーンアニメーションデータを読み出す(ステップS2802)。続くステップS2803では、複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれを表示するための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する。当該画像データには、複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した骨格データ、皮膚データ及びテクスチャデータが含まれる。その後、ステップS2804にて、ボーンモデル表示演出を開始すべきことをVDP135に認識させるためのボーンモデル表示演出の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS2801にて否定判定をした場合又はステップS2804の処理を実行した場合、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する(ステップS2805)。当該画像データには、複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応した骨格データ、皮膚データ及びテクスチャデータが含まれる。
その後、ステップS2806にて、ワークRAM132に設けられたボーンモデル数カウンタに今回の表示対象となっているボーン表示用キャラクタの数に対応した値をセットする。続くステップS2807では、ワークRAM132に設けられた単位ボーン数カウンタへのセット処理を実行する。単位ボーン数カウンタへのセット処理では、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタの骨格データに含まれるボーンデータの数を単位ボーン数カウンタにセットする。
その後、ステップS2808にて、ワークRAM132の座標演算用エリア169に含まれる各単位演算用エリアを「0」クリアする。続くステップS2809では、今回の座標演算対象となっているボーン表示用キャラクタにおける各ボーンデータの前回の更新タイミングにおいて設定された座標データを当該ボーン表示用キャラクタに対応させて確保されているエリアから読み出し、座標演算用エリア169の対応する各単位演算用エリアにセットする。
その後、ステップS2810にて座標演算処理を実行する。座標演算処理は今回の座標演算対象となっているボーン表示用キャラクタに対応する全てのボーンデータに対して実行されるが、その実行順序はメイン親対象のボーンデータが最初であり、その後は親対象としての優先度が高いボーンデータから順に行われる。これにより、メイン親対象のボーンデータの座標データが最初に算出され、その後は当該メイン親対象のボーンデータに近い側の親対象のボーンデータから順に座標データが算出され、最後に末端の子対象のボーンデータの座標データが算出される。
座標演算処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。単位ボーン数カウンタの現状の値に対応したボーンデータがメイン親対象のボーンデータではない場合(ステップS2901:NO)、ステップS2902にて、今回のボーンデータに対して親対象の関係にあるボーンデータについて今回の更新タイミング用に新たに算出された座標データと前回の更新タイミングにおいて設定された座標データ(すなわち座標演算用エリア169において現状の演算対象のボーンデータに対応した単位演算用エリアに書き込まれている座標データ)との差分データを算出するとともに、その算出した差分データと、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタに対応するボーン重み付けデータとから現状の演算対象のボーンデータに適用すべき座標データの差分データを算出する。そして、その差分データを現状の演算対象のボーンデータにおける前回の更新タイミングにおける座標データ(すなわち座標演算用エリア169において現状の演算対象のボーンデータに対応した単位演算用エリアに書き込まれている座標データ)に適用することで、新たな座標データを算出する。この算出された座標データは、座標演算用エリア169において現状の演算対象のボーンデータに対応した単位演算用エリアに書き込まれる。
ステップS2901にて肯定判定をした場合又はステップS2902の処理を実行した場合、ステップS2903にて、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタに対応するボーンアニメーションデータに、現状の演算対象のボーンデータについて差分データが設定されているか否かを判定する。差分データが設定されている場合(ステップS2903:YES)、ステップS2904にて、そのボーンアニメーションデータに設定されている差分データを、座標演算用エリア169において現状の演算対象のボーンデータに対応した単位演算用エリアに書き込まれている座標データに対して適用し、その適用後の座標データを当該単位演算用エリアに書き込む。
ボーンモデル表示演出用の演算処理(図58)の説明に戻り、ステップS2810にて座標演算処理を実行した後は、ステップS2811にて、ワークRAM132の単位ボーン数カウンタの値を1減算する。その1減算後の単位ボーン数カウンタの値が1以上である場合(ステップS2812:NO)、単位ボーン数カウンタの現状の値に対応したボーンデータについて座標演算処理(ステップS2810)を実行する。
単位ボーン数カウンタの値が「0」である場合(ステップS2812:YES)、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタについて全てのボーンデータの座標演算処理が完了したことを意味する。この場合、ステップS2813にて座標データの更新処理を実行する。座標データの更新処理では、座標演算用エリア169の単位演算用エリアに書き込まれている今回の更新タイミングに対応する座標データを、ワークRAM132において今回の演算対象となったボーン表示用キャラクタに対応させて確保されたエリアに書き込む。
続くステップS2814では、皮膚データの座標演算処理を実行する。皮膚データの座標演算処理では、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタに対応する皮膚重み付けデータを参照しながら、当該ボーン表示用キャラクタの各ボーンデータの座標データに対応させて皮膚データの各頂点データの座標データを算出する。そして、それら座標データを、ワークRAM132において今回の演算対象となったボーン表示用キャラクタに対応させて確保されたエリアに書き込む。
続くステップS2815では、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタについて、ボーンデータの座標データ及び皮膚データの座標データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132において今回の演算対象となったボーン表示用キャラクタに対応させて確保されたエリアに書き込む。
その後、ステップS2816にて、ワークRAM132のボーンモデル数カウンタの値を1減算する。その1減算後のボーンモデル数カウンタの値が1以上である場合(ステップS2817:NO)、ボーンモデル数カウンタの現状の値に対応したボーン表示用キャラクタについてステップS2807〜ステップS2816の処理を実行する。ボーンモデル数カウンタの値が「0」である場合(ステップS2817:YES)、ステップS2818にて、ボーンモデル表示演出の実行期間であることをVDP135に認識させるためのボーンモデル表示演出の指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
上記のようにボーンモデル表示演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、表示対象となる複数のボーン表示用キャラクタに対応する骨格データ、皮膚データ及びテクスチャデータの使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、各ボーン表示用キャラクタにおけるボーンデータの座標データ及び皮膚データの各頂点データの座標データを含めて、各画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストにはボーンモデル表示演出の指定情報が設定され、さらにボーンモデル表示演出の開始タイミングにおいてはボーンモデル表示演出の開始指定情報が設定される。
次に、VDP135にて実行されるボーンモデル表示演出用の設定処理を、図60のフローチャートを参照しながら説明する。ボーンモデル表示演出用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2303にて実行される演出用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいてボーンモデル表示演出の指定情報が設定されている場合に、ボーンモデル表示演出用の設定処理が実行される。
今回の描画リストにボーンモデル表示演出の開始指定情報が設定されている場合(ステップS3001:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133において今回の表示対象となっている複数のボーン表示用キャラクタに対応する骨格データ、皮膚データ及びテクスチャデータが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133からこれら画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS3002)。
ステップS3001にて否定判定をした場合、又はステップS3002の処理を実行した場合、ステップS3003にて、今回の更新タイミングに対応した種類の画像データを把握する。また、ステップS3004にて、表示対象となっている各ボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応する各ボーンデータのワールド座標系における座標データを今回の描画リストから把握し、ステップS3005にて、表示対象となっている各ボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応する皮膚データの各頂点データのワールド座標系における座標データを今回の描画リストから把握し、さらにステップS3006にて、表示対象となっている各ボーン表示用キャラクタについての他のパラメータ情報を今回の描画リストから把握する。そして、ステップS3007にて、ステップS3003〜ステップS3006の把握結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。
上記のようにボーンモデル表示演出用の設定処理が実行されることにより、ワールド座標系に今回の表示対象となっている複数のボーン表示用キャラクタのそれぞれに対応する骨格データ及び皮膚データが配置されるとともに、各ボーンデータ及び皮膚データの座標データとしてボーン重み付けデータ、皮膚重み付けデータ及びボーンアニメーションデータを利用して導出された座標データが適用される。これにより、表示面Pでは、複数のボーン表示用キャラクタが動作するように動画表示が行われる。
<集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の説明>
ここで、ボーン表示用キャラクタの1種として、集合キャラクタ群CHGが設定されている。図61(a)及び図61(b)は当該集合キャラクタ群CHGを説明するための説明図である。
図61(a)に示すように、集合キャラクタ群CHGは、複数(具体的には5個)の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5からなる。各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5はいずれも、図61(b)に示すように、複数のボーンデータABD及び複数のジョイントデータAJDを有する集合用骨格データFRD2と、集合用皮膚データSKD2と、集合用テクスチャデータBTD2とを利用して表示される。各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5について既に説明したボーンモデル表示演出用の演算処理(図58)及びボーンモデル表示演出用の設定処理(図60)が実行されることにより、所定の座標データに設定された集合用骨格データFRD2に対して集合用皮膚データSKD2が適用され、図61(b)に示すようにワールド座標系において各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の3D表示が行われる。そして、それに対して集合用テクスチャデータBTD2を適用しながら描画を行うことで図61(a)に示すように表示面Pにおいて各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の画像表示が行われる。なお、これら各データFRD2,SKD2,BTD2は図56に示すようにメモリモジュール133に予め記憶されている。
各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5はいずれも、図61(a)に示すように、同一の形状、模様及びサイズのキャラクタであると遊技者に認識される態様で表示される。これら集合単位キャラクタCHG1〜CHG5は例えばボーン表示用キャラクタCH10が所定の動作をするように表示面Pにて表示されている状況において、当該ボーン表示用キャラクタCH10の周囲で特定の動作をするように表示面Pにて表示される。この場合、ボーン表示用キャラクタCH10にて大当たり結果といった利益の付与期待度を示す動作表示が行われるのに対して、そのような付与期待度を示す動作表示が集合単位キャラクタCHG1〜CHG5においては行われない。そうすると、遊技者はボーンモデル表示演出が実行された場合、ボーン表示用キャラクタCH10に注目することとなる。このような事情において、ボーン表示用キャラクタCH10においては細かな動きが必要となるのに対して、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5においては細かな動きが必要とならない。そこで、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABDの数はボーン表示用キャラクタCH10のボーンデータBODの数よりも少なく設定されており、さらに各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を表示するために必要なデータ量を少なくするための工夫及び各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を表示するための処理負荷を低減するための工夫が施されている。
以下、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を表示するためのデータ構成について詳細に説明する。図62は各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の骨格データFRD2を説明するための説明図であり、図63(a)〜図63(c)はボーン表示用キャラクタCH10と集合単位キャラクタCHG1〜CHG5との各データ量を比較するための説明図である。
図62に示すように、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10の数、第2集合単位キャラクタCHG2のボーンデータABD11〜ABD20の数、第3集合単位キャラクタCHG3のボーンデータABD21〜ABD30の数、第4集合単位キャラクタCHG4のボーンデータABD31〜ABD40の数、及び第5集合単位キャラクタCHG5のボーンデータABD41〜ABD50の数はいずれも10個となっており、全ての集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の数は合計で50個となっている。そして、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50は一の集合用骨格データFRD2に集約させて設定されている。
各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の合計数は、ボーン表示用キャラクタCH10のボーンデータBODの合計数と同一となっている。したがって、図63(a−1)及び図63(a−2)に示すように、骨格データFRD1によりボーン表示用キャラクタCH10という1キャラクタのみが表示され、集合用骨格データFRD2により第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5という5キャラクタの表示が可能であるにも関わらず、ボーン表示用キャラクタCH10を表示するための骨格データFRD1と各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を表示するための集合用骨格データFRD2とはデータ量が同一又は略同一となっている。この場合、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のそれぞれに対応させてボーン表示用キャラクタCH10と同数のボーンデータを設定する構成に比べデータ容量を削減することが可能となる。また、各骨格データFRD1,FRD2にはVDP135にて参照されるヘッダデータが付随することとなるが、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5毎に骨格データを個別に設定するのではなく一の集合用骨格データFRD2として集約することにより、そのような付随するデータを削減することが可能となる。
各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の数が50個であり、これらボーンデータABD1〜ABD50が一の集合用骨格データFRD2に集約して設定されていることにより、ボーン表示演出用の演算処理(図58)では、各ボーンデータABD1〜ABD50の座標データの演算が一のボーン表示用キャラクタのボーンデータと同様にまとめて行われる。
詳細には、ボーン表示演出用の演算処理(図58)では、既に説明したとおり、各ボーンデータの座標データが演算に導出されることとなるが、この演算に際しては一の骨格データに含まれるボーンデータがまとめて読み出されてまとめて処理される(ステップS2808〜ステップS2813)。そして、この演算処理に際しては、ワークRAM132に設けられた座標演算用エリア169を利用することとなるが、座標演算用エリア169において各ボーンデータの座標データを演算するためのデータを格納可能な単位演算用エリアの数は50個となっている。これに対して、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50は上記のとおり一の集合用骨格データFRD2に集約させて設定されているとともに、当該ボーンデータABD1〜ADB50の合計数は座標演算用エリア169における単位演算用エリアの合計数以下となっている。したがって、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の座標データを演算する場合にはそれらボーンデータABD1〜ABD50を一度に読み出して演算処理を実行することが可能となる。よって、集合単位キャラクタCHG1〜CHG5毎に個別にデータの読み出しを行い、一の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5についてのボーンデータの座標データの演算が完了した後に次の一の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5についてのボーンデータの座標データの演算を行う構成に比べて、処理負荷の低減が図られる。
集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の各ボーンデータABD1〜ABD50が一の集合用骨格データFRD2に集約させて設定されている構成において、各ボーンデータABD1〜ABD50の親対象と子対象との関係が異なるキャラクタ間で設定されている。具体的には、図62に示すように、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の数は同一であり、さらに図61(b)に示すように、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5におけるボーンデータABD1〜ABD50の配列態様が相互に同一であることにより各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の骨格は同一形状及び同一サイズとなっている。この場合、図62において同一のグループG1〜G10に含まれる各ボーンデータABD1〜ABD50は、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5において同一の位置の骨格部分に対応している。例えば、第1グループG1に含まれる第1ボーンデータABD1、第11ボーンデータABD11、第21ボーンデータABD21、第31ボーンデータABD31及び第41ボーンデータABD41は、それぞれ対応する集合単位キャラクタCHG1〜CHG5において頭の骨格部分に対応しており、第10グループG10に含まれる第10ボーンデータABD10、第20ボーンデータABD20、第30ボーンデータABD30、第40ボーンデータABD40及び第50ボーンデータABD50は、それぞれ対応する集合単位キャラクタCHG1〜CHG5において右足の骨格部分に対応している。
各グループG1〜G10のそれぞれにおいて第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10が、第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50に対して親対象の関係に設定されている。例えば、第1グループG1においては第1集合単位キャラクタCHG1の第1ボーンデータABD1が第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5の第11ボーンデータABD11、第21ボーンデータABD21、第31ボーンデータABD31及び第41ボーンデータABD41のそれぞれに対して親対象の関係に設定されている。
その一方、それ以外については、同一の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50間及び異なる集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50間のいずれにおいても親対象と子対象との関係は設定されていない。例えば、第1集合単位キャラクタCHG1の第1〜第10ボーンデータABD1〜ABD10間において親対象と子対象との関係は設定されていない。また、例えば第1グループG1における第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5の第11ボーンデータABD11、第21ボーンデータABD21、第31ボーンデータABD31及び第41ボーンデータABD41間において親対象と子対象との関係は設定されていない。
上記のように親対象と子対象との関係が設定されている構成において、メモリモジュール133に記憶された集合用ボーン重み付けデータBWD2(図56参照)は、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10のいずれかに対して座標データの差分データが適用される場合には、その差分データの適用対象となるボーンデータABD1〜ABD10と同一グループG1〜G10に含まれる他の集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50に対してそのまま適用されるように設定されている。したがって、第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5は第1集合単位キャラクタCHG1が移動する場合にはそれに追従することとなる。
その一方、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10間においては親対象と子対象との関係が設定されていないため、第1集合単位キャラクタCHG1の一のボーンデータABD1〜ABD10が移動したとしても他のボーンデータABD1〜ABD10がそれに追従して移動することはない。これは第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5においても同様である。また、第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50間においては親対象と子対象との関係が設定されていないため、例えば第2集合単位キャラクタCHG2のボーンデータABD11〜ABD20が移動したとしても、第3〜第5集合単位キャラクタCHG3〜CHG5のボーンデータABD31〜ABD50がそれに追従して移動することはない。なお、当然のことながら、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10は第2集合単位キャラクタCHG2のボーンデータABD11〜ABD20に対して親対象の関係にあるため、第2集合単位キャラクタCHG2のボーンデータABD11〜ABD20が移動したとしても、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10がそれに追従して移動することはない。
各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を動作させるための集合用ボーンアニメーションデータBAD2及び当該集合用ボーンアニメーションデータBAD2を利用した場合における各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の動作内容について、図64及び図65を参照しながら説明する。図64は集合用ボーンアニメーションデータBAD2を説明するための説明図であり、図65は各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の動作内容を説明するための説明図である。
図64に示すように、集合用ボーンアニメーションデータBAD2には画像の一の更新タイミングに対応したポインタ情報が設定されているとともに、各ポインタ情報に対応させて差分データが設定されている。「0」〜「m」のポインタ情報に対しては、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10に対してのみ差分データが設定されている。当該差分データは第1集合単位キャラクタCHG1の形状を維持したまま一方向に移動させるデータに対応している。
かかる差分データが設定された期間においては、図65(a)に示すように各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5が動画表示されることとなる。具体的には、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の初期表示位置においては、図65(a−1)に示すように、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5が相互に同一の形状となった状態で所定方向に等間隔で並んでいる。この場合に、「0」〜「m」のポインタ情報に設定されている差分データが第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10に適用された場合には、当該差分データがそのまま第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50に適用されるため、図65(a−2)に示すように、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5が形状及び間隔を維持したまま一方向に移動する。
図64に示す集合用ボーンアニメーションデータBAD2の説明に戻り、「m+1」〜「n」のポインタ情報に対しては、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10に対してだけでなく、第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50に対しても差分データが設定されている。これら差分データは第1集合単位キャラクタCHG1についてはその形状を維持したまま一方向に移動させるデータに対応しており、第2集合単位キャラクタCHG2及び第4集合単位キャラクタCHG4についてはその形状を維持したまま上記一方向とは逆方向に移動させるデータに対応しており、第3集合単位キャラクタCHG3及び第5集合単位キャラクタCHG5についてはその形状を変更させるデータに対応している。
かかる差分データが設定された期間においては、図65(b)に示すように各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5が動画表示されることとなる。具体的には、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5が図65(b−1)に示すように表示されている状態から、図65(b−2)に示すように第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の全体として一方向に移動しながら、第2集合単位キャラクタCHG2と第3集合単位キャラクタCHG3との間の距離及び第4集合単位キャラクタCHG4と第5集合単位キャラクタCHG5との間の距離が短くなるとともに、第3集合単位キャラクタCHG3及び第5集合単位キャラクタCHG5の形状が変更される。
次に、集合用皮膚データSKD2及び集合用テクスチャデータBTD2のデータ量について説明する。
各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50に対しては共通の集合用皮膚データSKD2が設定されているとともに、共通の集合用テクスチャデータBTD2が設定されている。つまり、集合用皮膚データSKD2は1個の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50に適用されるデータとして設定されている。さらに言うと、集合用皮膚データSKD2は10個のボーンデータに適用されるデータとして設定されている。そして、第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50に集合用皮膚データSKD2が適用される場合には、メモリモジュール133から読み出された一の集合用皮膚データSKD2が第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50のそれぞれに対して適用される。
当該適用を行うための集合用皮膚データSKD2の各頂点データATDの座標データは、メモリモジュール133に記憶された集合用皮膚重み付けデータSWD2を参照することにより決定される。集合用皮膚重み付けデータSWD2においては、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10と集合用皮膚データSKD2との対応関係、第2集合単位キャラクタCHG2のボーンデータABD11〜ABD20と集合用皮膚データSKD2との対応関係、第3集合単位キャラクタCHG3のボーンデータABD21〜ABD30と集合用皮膚データSKD2との対応関係、第4集合単位キャラクタCHG4のボーンデータABD31〜ABD40と集合用皮膚データSKD2との対応関係、及び第5集合単位キャラクタCHG5のボーンデータABD41〜ABD50と集合用皮膚データSKD2との対応関係が設定されている。
第1集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50が一の集合用骨格データFRD2に集約させて設定された構成において、集合用皮膚データSKD2が1個の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50に適用されるデータとして設定されていることにより、図63(b−1)及び図63(b−2)に示すように、ボーン表示用キャラクタCH10を表示するための皮膚データSKD1に対して、集合用皮膚データSKD2は1/5のデータ量となっている。
集合用テクスチャデータBTD2についても同様に、集合用テクスチャデータBTD2は1個の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5に適用されるデータとして設定されている。そして、集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を表示するために集合用テクスチャデータBTD2が適用される場合には、メモリモジュール133から読み出された一の集合用テクスチャデータBTD2が第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のそれぞれに対して適用される。これにより、図63(c−1)及び図63(c−2)に示すように、ボーン表示用キャラクタCH10を表示するためのテクスチャデータBTD1に対して、集合用テクスチャデータBTD2は1/5のデータ量となっている。
ボーンモデル表示演出用の演算処理(図58)では、複数のボーン表示用キャラクタのボーンデータの座標データを演算する場合、一の骨格データに含まれるボーンデータに対応するデータをワークRAM132の座標演算用エリア169にまとめて読み出し、これらボーンデータに対して座標データの演算が完了した後に、次の骨格データについてボーンデータの座標データの演算を行う。これにより、座標データの演算が一の骨格データの単位で行われることとなり、一の骨格データに含まれるボーンデータの座標データを演算するための各種設定が複数回に分けて実行される構成に比べて、ステップS2808及びステップS2809の処理の実行回数を抑えられる点で処理負荷を低減することが可能となる。
細かな動きの制御を必要としない複数の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5については各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の数が少なく抑えられているとともにそれらボーンデータABD1〜ABD50が一の集合用骨格データFRD2に集約して設定されている。これにより、複数の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の座標データを演算する場合に、それらボーンデータABD1〜ABD50の座標演算をまとめて行うことが可能となり、集合単位キャラクタCHG1〜CHG5毎に座標データを演算するための各種設定が行われる構成に比べて処理負荷を低減することが可能となる。
集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50が一の集合用骨格データFRD2に集約して設定されている構成において、第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10が第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5のボーンデータABD11〜ABD50に対して親対象の関係に設定されている。これにより、集合用ボーンアニメーションデータBAD2において第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10に対する座標データの設定を行うだけで、第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の全てを一体的に移動させることが可能となる。よって、集合用ボーンアニメーションデータBAD2のデータ量を少なく抑えながら、第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5を一体的に移動させることが可能となる。その一方、親対象のボーンデータABD1〜ABD10の座標データに影響を与えないようにしながら、各子対象のボーンデータABD11〜ABD50の座標データを調整することが可能である。これにより、上記のように第1集合単位キャラクタCHG1のボーンデータABD1〜ABD10に対する座標データの設定を行うだけで第1〜第5集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の全てを一体的に移動させることを可能としながら、第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5の表示位置を個別に変化させることが可能となる。
集合用皮膚データSKD2は1個の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5に適用されるデータとして設定されており、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5に対しては同一の集合用皮膚データSKD2が適用される。これにより、皮膚データを予め記憶するために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。同様に、集合用テクスチャデータBTD2は1個の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5に適用されるデータとして設定されており、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5に対しては同一の集合用テクスチャデータBTD2が適用される。これにより、テクスチャデータを予め記憶するために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
<ボーンモデル表示演出に係る構成の別形態>
・集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の合計数が、ボーン表示用キャラクタCH10のボーンデータBODの合計数よりも少ない構成としてもよく、多い構成としてもよい。また、集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50の合計数が、座標演算用エリア169の単位演算用エリアの数よりも少ない構成としてもよい。
・一の集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のボーンデータABD1〜ABD50間においては親対象と子対象との関係が設定されている構成としてもよい。この場合、各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5の動作をよりリアルに表現することが可能となる。
・第1の骨格データに含まれるボーンデータと第2の骨格データに含まれるボーンデータとの間で親対象と子対象との関係が設定されている構成としてもよい。この場合、第1の骨格データにより表示されるキャラクタ、及び第2の骨格データにより表示されるキャラクタのうち一方を移動させた場合にはそれに追従させて他方のキャラクタを移動させることが可能となる。
・各集合単位キャラクタCHG1〜CHG5のそれぞれにおいてボーンデータABD1〜ABD50の数及び配列態様が同一である構成に限定されることはなく、ボーンデータABD1〜ABD50の数及び配列態様の少なくとも一方が相違するものの、数及び配列態様が略同一である構成としてもよい。
・表示CPU131におけるボーンモデル表示演出用の演算処理(図58)においてステップS2808及びステップS2809による導出前状態への設定の後において複数の個別画像についてまとめて算出されるパラメータ情報は骨格データの座標データに限定されることはなく、回転角度、スケール、ライトの情報、及びカメラの情報といった他のパラメータ情報であってもよい。
<平面影表示を行うための構成>
次に、平面影表示を行うための構成について説明する。図66(a)及び図66(b)は平面影表示の内容を説明するための説明図である。図67は平面影表示を行うために必要なメモリモジュール133のデータ構成を説明するための説明図である。
平面影表示とは、図66(a)及び図66(b)に示すように、顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識される演出用キャラクタCH11が歩いて移動している動画表示が行われている状況において、地面を表す地面画像BGに対して演出用キャラクタCH11の影画像CH12を表示する表示内容である。影画像CH12の表示内容は演出用キャラクタCH11の動きに合わせて変化する。具体的には、図66(a)に示すように演出用キャラクタCH11が左腕を前に出し右腕を後に出している表示内容においてはそれに対応した形状の影画像CH12が表示され、図66(b)に示すように演出用キャラクタCH11が右腕を前に出し左腕を後に出している表示内容においてはそれに対応した形状の影画像CH12が表示される。
演出用キャラクタCH11を表示するための画像データとして、図67に示すように、メモリモジュール133にはキャラクタ用オブジェクトデータCODとキャラクタ用テクスチャデータCTDとが予め記憶されている。また、地面画像BGを表示するための画像データとして、メモリモジュール133には地面用オブジェクトデータBGDと地面用テクスチャデータBGTDとが予め記憶されている。また、影画像CH12を表示するための画像データとして、メモリモジュール133には平面影用板状オブジェクトデータBSDと平面影用テクスチャデータBST1,BST2とが予め記憶されている。
影画像CH12の表示に際しては、ワールド座標系において平面影用板状オブジェクトデータBSDが演出用キャラクタCH11を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータCODと地面画像BGを表示するための地面用オブジェクトデータBGDとの間に配置される。平面影用板状オブジェクトデータBSDは、肉厚のない平面状に構成され、人などのキャラクタを表示するための肉厚を有する通常オブジェクトに比べて単位表示面当たりのポリゴン数が少ないオブジェクトデータである。そして、平面影用板状オブジェクトデータBSDに対して影画像CH12を表示するための平面影用テクスチャデータBST1,BST2が適用されることにより、影画像CH12が表示される。
平面影用板状オブジェクトデータBSDは、ワールド座標系において地面用オブジェクトデータBGDよりも距離X分(具体的には1ピクセル分)、上方に離間させた位置に配置され、当該平面影用板状オブジェクトデータBSDの上方にキャラクタ用オブジェクトデータCODが配置される。このように地面用オブジェクトデータBGDに対して上方に離間させた位置に平面影用板状オブジェクトデータBSDを配置することにより、地面画像BGの上方に影画像CH12が確実に表示される。平面影用テクスチャデータBST1,BST2は複数種類設定されており、具体的には図66(a)に示す形状の影画像CH12を表示させるための第1平面影用テクスチャデータBST1と、図66(b)に示す形状の影画像CH12を表示させるための第2平面影用テクスチャデータBST2とが設定されている。
以下、平面影表示を実行するための具体的な処理構成を説明する。図68は、表示CPU131にて実行される平面影表示用の演算処理を示すフローチャートである。平面影表示用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2209の演出用演算処理にて実行される。当該平面影表示用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて平面影表示についての情報が設定されている場合に起動される。
平面影表示の開始タイミングである場合(ステップS3101:YES)、平面影表示を行うための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する(ステップS3102)。当該画像データには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD、キャラクタ用テクスチャデータCTD、地面用オブジェクトデータBGD、地面用テクスチャデータBGTD、平面影用板状オブジェクトデータBSD、第1平面影用テクスチャデータBST1及び第2平面影用テクスチャデータBST2が含まれる。その後、ステップS3103にて、平面影表示を開始すべきことをVDP135に認識させるための平面影表示の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3101にて否定判定をした場合又はステップS3103の処理を実行した場合、ステップS3104にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDを把握する。そして、これら地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データBGD,BGTDに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3105)。この場合、地面画像BGを所定範囲に亘って表示させることが可能なように、地面用オブジェクトデータBGDの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
また、ステップS3106にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとしてキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDを把握する。そして、これらキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データCOD,CTDに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3107)。この場合、演出用キャラクタCH11が図66(a)に示す第1表示態様及び図66(b)に示す第2表示態様を交互に繰り返しながら移動しているかのように表示されるように、キャラクタ用オブジェクトデータCODの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
その後、ステップS3108にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして平面影用板状オブジェクトデータBSDを把握する。続くステップS3109では、今回の更新タイミングが第1影表示期間であるか否かを判定する。第1影表示期間は影画像CH12を表示するためのテクスチャデータとして第1平面影用テクスチャデータBST1が使用される期間であり、第2影表示期間は影画像CH12を表示するためのテクスチャデータとして第2平面影用テクスチャデータBST2が使用される期間である。第1影表示期間である場合(ステップS3109:YES)、ステップS3110にて第1平面影用テクスチャデータBST1を把握し、第2影表示期間である場合(ステップS3109:NO)、ステップS3111にて第2平面影用テクスチャデータBST2を把握する。
これら第1影表示期間及び第2影表示期間は、演出用キャラクタCH11が図66(a)に示すように第1表示態様となっている場合に影画像CH12を表示するための画像データとして当該第1表示態様に対応する第1平面影用テクスチャデータBST1が使用され、演出用キャラクタCH11が図66(b)に示すように第2表示態様となっている場合に影画像CH12を表示するための画像データとして当該第2表示態様に対応する第2平面影用テクスチャデータBST2が使用されるように設定されている。つまり、演出用キャラクタCH11が移動するように表示される場合において第1表示態様と第2表示態様との間で交互に表示態様が切り換えられる場合に、その表示態様の切り換わりに合わせて使用対象となる平面影用テクスチャデータBST1,BST2が切り換えられる構成となっている。
ステップS3110の処理を実行した場合又はステップS3111の処理を実行した場合、ステップS3112にて、平面影用板状オブジェクトデータBSD及び今回の使用対象の平面影用テクスチャデータBST1,BST2について、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データBSD,BST1,BST2に対応させて確保されたエリアに書き込む。その後、ステップS3113にて、平面影表示の実行期間であることをVDP135に認識させるための平面影表示指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
この場合、平面影用板状オブジェクトデータBSDのワールド座標系における座標データとして、図66(a)及び図66(b)に示すように演出用キャラクタCH11の下方に影画像CH12を表示させることが可能なように、ステップS3107にて把握したキャラクタ用オブジェクトデータCODの座標データに対応する座標データを把握する。また、この場合に把握される座標データは、地面画像BGから離れる側に1ピクセル分、離れた位置に平面影用板状オブジェクトデータBSDが配置されるように、ステップS3105にて把握した地面用オブジェクトデータBGDの座標データに対応する座標データとなる。
ここで、平面影用板状オブジェクトデータBSDには既に説明したとおり、平面影用テクスチャデータBST1,BST2が適用されることとなるが、その適用位置はUV座標データを利用して決定される。詳細には、平面影用板状オブジェクトデータBSDにはベースUV座標データが設定されており、平面影用テクスチャデータBST1,BST2にはUV座標データが設定されている。そして、平面影用テクスチャデータBST1,BST2のUV座標データが平面影用板状オブジェクトデータBSDのベースUV座標データと対応するように、平面影用テクスチャデータBST1,BST2の色情報が適用される。この場合に、UV座標データは平面影用テクスチャデータBST1,BST2において固定のデータとして設定されているため表示CPU131においてUV座標データを変更することはできない。一方、平面影用板状オブジェクトデータBSDのベースUV座標データは表示CPU131において変更可能であるが、当該ベースUV座標データは平面影表示の実行期間において変更されない。例えば第1影表示期間及び第2影表示期間のいずれであってもベースUV座標データ及びUV座標データは一定である。これにより、演出用キャラクタCH11が移動するように表示されそれに合わせて平面影用板状オブジェクトデータBSDの座標データが変更されるとしても、当該平面影用板状オブジェクトデータBSDの各ピクセルにおける平面影用テクスチャデータBST1,BST2の適用対象は変更されない。
上記のように平面影表示用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD、キャラクタ用テクスチャデータCTD、地面用オブジェクトデータBGD、地面用テクスチャデータBGTD及び平面影用板状オブジェクトデータBSDの使用指示の情報が設定されるとともに、第1影表示期間であれば第1平面影用テクスチャデータBST1の使用指示の情報が設定され、第2影表示期間であれば第2平面影用テクスチャデータBST2の使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、これら各画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには平面影表示指定情報が設定され、さらに平面影表示の開始タイミングにおいては平面影表示の開始指定情報が設定される。
次に、VDP135にて実行される平面影表示用の設定処理を、図69のフローチャートを参照しながら説明する。平面影表示用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2303にて実行される演出用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて平面影表示指定情報が設定されている場合に、平面影表示用の設定処理が実行される。
今回の描画リストに平面影表示の開始指定情報が設定されている場合(ステップS3201:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133において今回の表示対象となっている各種画像データが記憶されているアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133から各種画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS3202)。当該画像データには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD、キャラクタ用テクスチャデータCTD、地面用オブジェクトデータBGD、地面用テクスチャデータBGTD、平面影用板状オブジェクトデータBSD、第1平面影用テクスチャデータBST1及び第2平面影用テクスチャデータBST2が含まれる。
ステップS3201にて否定判定をした場合、又はステップS3202の処理を実行した場合、ステップS3203にて、今回の描画リストに基づき地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3204にて、それら地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、地面用オブジェクトデータBGDの各ピクセルのワールド座標系における座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。
その後、ステップS3205にて、今回の描画リストに基づきキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3206にて、それらキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、演出用キャラクタCH11が図66(a)に示す第1表示態様及び図66(b)に示す第2表示態様を交互に繰り返しながら移動しているかのように表示されるようにするためのキャラクタ用オブジェクトデータCODの各ピクセルのワールド座標系における座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。
その後、ステップS3207にて、今回の描画リストに基づき平面影用板状オブジェクトデータBSDを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3208にて、当該平面影用板状オブジェクトデータBSDの座標データを今回の描画リストに基づき把握する。この場合、図66(a)及び図66(b)に示すように演出用キャラクタCH11の下方に影画像CH12を表示させるための平面影用板状オブジェクトデータBSDの各ピクセルのワールド座標系における座標データを把握する。また、この場合に把握される座標データは、地面画像BGから離れる側に1ピクセル分、離れた位置に平面影用板状オブジェクトデータBSDが配置されるように、ステップS3204にて把握した地面用オブジェクトデータBGDの座標データに対応する座標データとなる。また、ステップS3209にて、平面影用板状オブジェクトデータBSDについて、座標データ以外のパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、平面影用板状オブジェクトデータBSDに適用される固定のベースUV座標データを描画リストに基づき把握する。
その後、ステップS3210にて、今回の描画リストに基づき今回の影表示期間に対応する平面影用テクスチャデータBST1,BST2を表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3211にて、平面影用テクスチャデータBST1,BST2に適用される固定のUV座標データを当該テクスチャデータBST1,BST2から把握する。また、ステップS3212にて、平面影用テクスチャデータBST1,BST2に適用されるUV座標データ以外のパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。
その後、ステップS3213にて、ステップS3203〜ステップS3212の把握結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。
上記のように平面影表示用の設定処理が実行されることにより、ワールド座標系に地面用オブジェクトデータBGD、キャラクタ用オブジェクトデータCOD及び平面影用板状オブジェクトデータBSDが配置されるとともに、表示CPU131において演算により導出された座標データを含めて各種パラメータ情報が各オブジェクトデータBGD,COD,BSDに適用される。また、各オブジェクトデータBGD,COD,BSDには対応するテクスチャデータBGTD,CTD,BST1,BST2が適用される。これにより、表示面Pでは、図66(a)及び図66(b)に示すように、地面画像BG上を演出用キャラクタCH11が歩いて移動しているような動画表示が行われるとともに演出用キャラクタCH11の移動に合わせて影画像CH12が変形しながら追従するような動画表示が行われる。
以上のように演出用キャラクタCH11に追従するようにして影画像CH12を表示する場合に、キャラクタ用オブジェクトデータCODの下方に平面影用板状オブジェクトデータBSDを配置するとともに当該平面影用板状オブジェクトデータBSDに平面影用テクスチャデータBST1,BST2を適用する構成である。これにより、光源データとの関係で影画像の表示を演算により行う構成に比べて処理負荷の低減が図られる。また、地面用オブジェクトデータBGDに対して平面影用テクスチャデータBST1,BST2を直接適用する構成も想定されるが、地面用オブジェクトデータBGDには地面用テクスチャデータBGTDが適用されるため、影画像CH12を演出用キャラクタCH11に追従させて移動させようとするとベースUV座標データとUV座標データとの関係が複雑化してしまう。これに対して、キャラクタ用オブジェクトデータCODの位置を変化させることに対応させて平面影用板状オブジェクトデータBSDの位置を変化させるとともに、その平面影用板状オブジェクトデータBSDに平面影用テクスチャデータBST1,BST2を適用する構成とすることにより、そのような不都合を生じさせることなく影画像CH12を表示することが可能となる。
影画像CH12を表示するために地面用オブジェクトデータBGDとは別にオブジェクトデータを設ける構成において、当該平面影用板状オブジェクトデータBSDは肉厚のない平面状に構成された平面影用板状オブジェクトデータBSDである。これにより、メモリモジュール133において画像データを予め記憶しておくために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
平面影用板状オブジェクトデータBSDは地面用オブジェクトデータBGDに対して1ピクセル分上方に離間させた位置に配置される。これにより、地面画像BGに埋没してしまわないようにしながら影画像CH12を表示することが可能となる。
演出用キャラクタCH11の表示態様の変更に合わせて影画像CH12の形状を変更させる構成において、平面影用テクスチャデータBST1,BST2が複数設けられており、演出用キャラクタCH11の表示態様に対応させて使用対象とする平面影用テクスチャデータBST1,BST2が変更される。これにより、処理負荷の低減を図りながら影画像CH12の形状を変更させることが可能となる。
<平面影表示に係る構成の別形態>
上記実施形態では平面影用板状オブジェクトデータBSDに適用する平面影用テクスチャデータBST1,BST2の種類を変更することにより、演出用キャラクタCH11の表示態様の変更に合わせて影画像CH12の形状を変更する構成としたが、本別形態では、図70(a)及び図70(b)に示すように、平面影用板状オブジェクトデータBSDに適用する平面影用テクスチャデータBST3の種類を変更することなく平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状を変更することによって影画像CH12の形状を変更する構成となっている。
以下、平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状を変更することで影画像CH12の形状を変更するための処理構成について説明する。図71は、本別形態における表示CPU131にて実行される平面影表示用の演算処理を示すフローチャートである。
平面影表示の開始タイミングである場合(ステップS3301:YES)、平面影表示を行うための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する(ステップS3302)。当該画像データには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD、キャラクタ用テクスチャデータCTD、地面用オブジェクトデータBGD、地面用テクスチャデータBGTD、平面影用板状オブジェクトデータBSD、及び平面影用テクスチャデータBST3が含まれる。その後、ステップS3303にて、平面影表示を開始すべきことをVDP135に認識させるための平面影表示の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3301にて否定判定をした場合又はステップS3303の処理を実行した場合、ステップS3304にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDを把握する。そして、これら地面用オブジェクトデータBGD及び地面用テクスチャデータBGTDについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データBGD,BGTDに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3305)。この場合、地面画像BGを所定範囲に亘って表示させることが可能なように、地面用オブジェクトデータBGDの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
また、ステップS3306にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとしてキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDを把握する。そして、これらキャラクタ用オブジェクトデータCOD及びキャラクタ用テクスチャデータCTDについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データCOD,CTDに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3307)。この場合、演出用キャラクタCH11が図70(a)に示す第1表示態様及び図70(b)に示す第2表示態様を交互に繰り返しながら移動しているかのように表示されるように、キャラクタ用オブジェクトデータCODの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
その後、ステップS3308にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして平面影用板状オブジェクトデータBSDを把握する。続くステップS3309では、今回の更新タイミングが第1影表示期間であるか否かを判定する。第1影表示期間は図70(a)に示すように影画像CH12の形状が演出用キャラクタCH11の第1表示態様に対応する第1形状態様となるように平面影用板状オブジェクトデータBSDに適用する形状データとして第1形状データを使用する期間であり、第2影表示期間は図70(b)に示すように影画像CH12の形状が演出用キャラクタCH11の第2表示態様に対応する第2形状態様となるように平面影用板状オブジェクトデータBSDに適用する形状データとして第2形状データを使用する期間である。第1影表示期間である場合(ステップS3309:YES)、ステップS3310にて第1形状データを把握し、第2影表示期間である場合(ステップS3309:NO)、ステップS3311にて第2形状データを把握する。ステップS3310又はステップS3311にて把握した形状データは、ワークRAM132において平面影用板状オブジェクトデータBSD及び平面影用テクスチャデータBST3に対応させて確保されたエリアに書き込む。
ステップS3310の処理を実行した場合又はステップS3311の処理を実行した場合、ステップS3312にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして平面影用テクスチャデータBST3を把握する。その後、ステップS3313にて、平面影用板状オブジェクトデータBSD及び平面影用テクスチャデータBST3について、平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状データ以外のパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データBSD,BST3に対応させて確保されたエリアに書き込む。その後、ステップS3314にて、平面影表示の実行期間であることをVDP135に認識させるための平面表示指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
上記別形態によれば、平面影用テクスチャデータBST3の種類を変更するのではなく、平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状を変更することで影画像CH12の形状を変更する構成であるため、平面影用テクスチャデータBST3を予め記憶しておくのに必要なデータ容量を抑えながら演出用キャラクタCH11の表示態様に合わせて影画像CH12の形状を変更することが可能となる。
<平面影表示に係る構成のさらなる別形態>
・演出用キャラクタCH11の各表示態様に対応させて平面影用テクスチャデータBST1,BST2が設けられている構成において、演出用キャラクタCH11が移動するように表示される場合の表示態様として第1表示態様及び第2表示態様以外にもこれら表示態様の間の動作経路に対応する表示態様が存在している構成としてもよい。この場合、各表示態様に1対1で対応させて平面影用テクスチャデータBST1,BST2が設定されている構成としてもよく、かかる構成によれば影画像CH12の表示態様を演出用キャラクタCH11の表示態様に対して詳細に対応付けることが可能となる。一方、所定の第1動作期間に対応する第1表示態様グループに含まれる各表示態様(第1表示態様を含む)に対して第1平面影用テクスチャデータBST1を使用対象とし、所定の第2動作期間に対応する第2表示態様グループに含まれる各表示態様(第2表示態様を含む)に対して第2平面影用テクスチャデータBST2を使用対象とする構成としてもよい。この場合、平面影用テクスチャデータBST1,BST2を予め記憶するためのデータ容量を抑えながら、影画像CH12の表示態様を演出用キャラクタCH11の表示態様にある程度対応させることが可能となる。
・演出用キャラクタCH11の各表示態様に対応させて平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状データが設けられている構成において、演出用キャラクタCH11が移動するように表示される場合の表示態様として第1表示態様及び第2表示態様以外にもこれら表示態様の間の動作経路に対応する表示態様が存在している構成としてもよい。この場合、各表示態様に1対1で対応させて平面影用板状オブジェクトデータBSDの形状データが設定されている構成としてもよく、これにより影画像CH12の表示態様を演出用キャラクタCH11の表示態様に対して詳細に対応付けることが可能となる。一方、所定の第1動作期間に対応する第1表示態様グループに含まれる各表示態様(第1表示態様を含む)に対して第1形状データを使用対象とし、所定の第2動作期間に対応する第2表示態様グループに含まれる各表示態様(第2表示態様を含む)に対して第2形状データを使用対象とする構成としてもよい。この場合、形状データを予め記憶するためのデータ容量を抑えながら、影画像CH12の表示態様を演出用キャラクタCH11の表示態様にある程度対応させることが可能となる。
・影画像CH12を表示するために地面用オブジェクトデータBGDとは別に設けるオブジェクトデータは板状オブジェクトデータに限定されることはなく、キャラクタ用オブジェクトデータCODなどと同様に肉厚のある立体状に構成されたオブジェクトデータとしてもよい。
・地面用オブジェクトデータBGDとは別に設けられたオブジェクトデータを利用して演出用キャラクタCH11の影画像CH12を表示する構成を、演出用キャラクタCH11が水面に反射している様子を示す反射画像を表示するために利用してもよい。
<段差影表示を行うための構成>
次に、段差影表示を行うための構成について説明する。図72(a)は段差影表示の内容を説明するための説明図であり、図72(b)は段差影表示を行うために必要なメモリモジュール133のデータ構成を説明するための説明図である。
段差影表示とは、図72(a)に示すように、顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識される演出用キャラクタCH13が階段を使って移動する動画表示が行われている状況において、階段を表す階段画像SGに対して演出用キャラクタCH13の影画像CH14を表示する表示内容である。この場合、影画像CH14は階段形状に沿うようにして表示されている。具体的には、一の踏面からその直下の踏面に亘って影画像CH14が表示されているとともに、それら踏面の間に蹴上による段差が生じていることに対応させて影画像CH14は段差状に表示されている。
影画像CH14の表示内容は演出用キャラクタCH13の動きに合わせて変化する。具体的には、演出用キャラクタCH13が階段を上るのに合わせて一の踏面において影画像CH14が表示されている範囲が変化するとともに影画像CH14の表示対象となる踏面の種類も変化する。例えば、連続する2個の踏面とその間を繋ぐ蹴上に亘って影画像CH14が段差状に表示されている状況において演出用キャラクタCH13が階段を上るように移動するのに合わせて、下側の踏面において影画像CH14が表示されている範囲が徐々に小さくなるとともに上側の踏面において影画像CH14が表示されている範囲が徐々に大きくなる。そして、上側の踏面と当該踏面に連続する蹴上とに亘って影画像CH14が表示される状態を経由して、さらに上側の踏面に影画像CH14の一部が表示される状態となる。
演出用キャラクタCH13を表示するための画像データとして、図72(b)に示すように、メモリモジュール133にはキャラクタ用オブジェクトデータCOD1とキャラクタ用テクスチャデータCTD1とが予め記憶されている。また、階段画像SGを表示するための画像データとして、メモリモジュール133には階段用オブジェクトデータSGDと階段用テクスチャデータSGTDとが予め記憶されている。また、影画像CH14を表示するための画像データとして、メモリモジュール133には段差影用板状オブジェクトデータSSDと段差影用テクスチャデータSSTとが予め記憶されている。
影画像CH14の表示に際しては、ワールド座標系において段差影用板状オブジェクトデータSSDが演出用キャラクタCH13を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータCOD1と階段画像SGを表示するための階段用オブジェクトデータSGDとの間に配置される。段差影用板状オブジェクトデータSSDは、肉厚のない平面状のオブジェクトを階段の形状に合わせて段差状とされたオブジェクトであり、人などのキャラクタを表示するための肉厚を有する通常オブジェクトに比べて単位表示面当たりのポリゴン数が少ないオブジェクトデータである。段差影用板状オブジェクトデータSSDは、階段用オブジェクトデータSGDよりも小さいサイズに設定されており、階段画像SGにより表示される階段部分のうち影画像CH14が表示され得る一部の範囲に対応させて設定されている。そして、段差影用板状オブジェクトデータSSDに対して段差影用テクスチャデータSSTが適用されることにより、影画像CH14が表示される。
段差影用板状オブジェクトデータSSDは、ワールド座標系において階段用オブジェクトデータSGDよりも所定距離分(具体的には1ピクセル分)、上方に離間させた位置に配置され、当該段差影用板状オブジェクトデータSSDの上方にキャラクタ用オブジェクトデータCOD1が配置される。このように階段用オブジェクトデータSGDに対して上方に離間させた位置に段差影用板状オブジェクトデータSSDを配置することにより、階段画像SGの上方に影画像CH14が確実に表示される。
段差影用テクスチャデータSSTは1種類のみ設定されている。演出用キャラクタCH13の移動に合わせて影画像CH14を移動させる場合には、段差影用板状オブジェクトデータSSDに対して段差影用テクスチャデータSSTを適用する位置を演出用キャラクタCH13の移動に合わせて変化させる。具体的には、段差影用テクスチャデータSSTの所定の色情報を段差影用板状オブジェクトデータSSDに適用する場合、当該色情報に設定されているUV座標データに対応するベースUV座標データが設定されている段差影用板状オブジェクトデータSSDのピクセルに当該色情報を適用する構成において、段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データを演出用キャラクタCH13の移動に合わせて変化させることにより、段差影用板状オブジェクトデータSSDにおいて段差影用テクスチャデータSSTが適用される位置が変化することとなる。例えば、ベースUV座標データが(1,1)に設定されている段差影用板状オブジェクトデータSSDのピクセルに対して、UV座標データが(1,1)に設定されている段差影用テクスチャデータSSTの色情報が適用される構成において、ベースUV座標データが(1,1)に設定されることとなるピクセルを変化させることにより、段差影用板状オブジェクトデータSSDに対して段差影用テクスチャデータSSTが適用される位置が変化することとなる。なお、段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データは表示CPU131において変更可能であるが、UV座標データは段差影用テクスチャデータSSTにおいて固定のデータとして設定されているため表示CPU131において変更することができない。
段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データを画像の各更新タイミングにおいて変更させるためのデータとして、図72(b)に示すようにメモリモジュール133にはUV座標用アニメーションデータUADが予め記憶されている。UV座標用アニメーションデータUADには、演出用キャラクタCH13が階段上を移動するように動画表示される期間の各更新タイミングに1対1で対応させて段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データを変化させるためのデータが設定されている。当該変化させるためのデータとは、段差影用板状オブジェクトデータSSDの各ピクセルに設定されている各ベースUV座標データが一定の方向に同じ量だけずれるようにこれら各ベースUV座標データに対して加算する値のデータである。UV座標用アニメーションデータUADを利用することにより、段差影用板状オブジェクトデータSSDの各ピクセルのベースUV座標データが各更新タイミングにおいて一定の方向に同じ量だけずれることとなる。そして、各更新タイミングにおいて一定のUV座標データを利用して段差影用テクスチャデータSSTを適用することにより、影画像CH14が各更新タイミングにおいて一定の方向に同じ量だけずれながら移動表示されることとなる。
以下、段差影表示を行うための具体的な処理構成を説明する。図73は、表示CPU131にて実行される段差影表示用の演算処理を示すフローチャートである。段差影表示用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2209の演出用演算処理にて実行される。当該段差影表示用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて段差影表示についての情報が設定されている場合に起動される。
段差影表示の開始タイミングである場合(ステップS3401:YES)、UV座標用アニメーションデータUADをメモリモジュール133からワークRAM132に読み出す(ステップS3402)。また、段差影表示を行うための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する(ステップS3403)。当該画像データには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1、キャラクタ用テクスチャデータCTD1、階段用オブジェクトデータSGD、階段用テクスチャデータSGTD、段差影用板状オブジェクトデータSSD及び段差影用テクスチャデータSSTが含まれる。その後、ステップS3404にて、段差影表示を開始すべきことをVDP135に認識させるための段差影表示の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3401にて否定判定をした場合又はステップS3404の処理を実行した場合、ステップS3405にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして階段用オブジェクトデータSGD及び階段用テクスチャデータSGTDを把握する。そして、これら階段用オブジェクトデータSGD及び階段用テクスチャデータSGTDについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データSGD,SGTDに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3406)。この場合、階段画像SGを所定範囲に亘って表示させることが可能なように、階段用オブジェクトデータSGDの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
また、ステップS3407にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとしてキャラクタ用オブジェクトデータCOD1及びキャラクタ用テクスチャデータCTD1を把握する。そして、これらキャラクタ用オブジェクトデータCOD1及びキャラクタ用テクスチャデータCTD1について、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データCOD1,CTD1に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3408)。この場合、演出用キャラクタCH13が階段を上る様子が動画表示されるように(図72(a)参照)、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1の各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
その後、ステップS3409にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして段差影用板状オブジェクトデータSSDを把握する。続くステップS3410では、ワークRAM132に既に読み出しているUV座標用アニメーションデータUADから今回の更新タイミングに対応したベースUV座標データの増加分のデータを読み出し、その読み出したデータを現状のベースUV座標データに加算することで今回の更新タイミングに対応したベースUV座標データを導出する。そして、その導出したベースUV座標データをワークRAM132において段差影用板状オブジェクトデータSSDに対応させて確保されたエリアに書き込む。
その後、ステップS3411にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして段差影用テクスチャデータSSTを把握する。続くステップS3412では、段差影用板状オブジェクトデータSSDにおけるベースUV座標データ以外のパラメータ情報及び段差影用テクスチャデータSSTのパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データSSD,SSTに対応させて確保されたエリアに書き込む。その後、ステップS3413にて、段差影表示の実行期間であることをVDP135に認識させるための段差影表示指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
この場合、段差影用板状オブジェクトデータSSDのワールド座標系における座標データとして、演出用キャラクタCH11の下方に影画像CH12を表示させることが可能なように、ステップS3408にて把握したキャラクタ用オブジェクトデータCOD1の座標データに対応する座標データを把握する。また、この場合に把握される座標データは、階段画像SGから離れる側に1ピクセル分、離れた位置に段差影用板状オブジェクトデータSSDが配置されるように、ステップS3406にて把握した階段用オブジェクトデータSGDの座標データに対応する座標データとなる。
上記のように段差影表示用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1、キャラクタ用テクスチャデータCTD1、階段用オブジェクトデータSGD、階段用テクスチャデータSGTD、段差影用板状オブジェクトデータSSD及び段差影用テクスチャデータSSTの使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、これら各画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには段差影表示指定情報が設定され、さらに段差影表示の開始タイミングにおいては段差影表示の開始指定情報が設定される。
次に、VDP135にて実行される段差影表示用の設定処理を、図74のフローチャートを参照しながら説明する。段差影表示用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2303にて実行される演出用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて段差影表示指定情報が設定されている場合に、段差影表示用の設定処理が実行される。
今回の描画リストに段差影表示の開始指定情報が設定されている場合(ステップS3501:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133において今回の表示対象となっている各種画像データが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133から各種画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS3502)。当該画像データには、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1、キャラクタ用テクスチャデータCTD1、階段用オブジェクトデータSGD、階段用テクスチャデータSGTD、段差影用板状オブジェクトデータSSD及び段差影用テクスチャデータSSTが含まれる。
ステップS3501にて否定判定をした場合、又はステップS3502の処理を実行した場合、ステップS3503にて、今回の描画リストに基づき階段用オブジェクトデータSGD及び階段用テクスチャデータSGTDを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3504にて、それらデータSGD,SGTDのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、階段用オブジェクトデータSGDの各ピクセルのワールド座標系における座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。
その後、ステップS3505にて、今回の描画リストに基づきキャラクタ用オブジェクトデータCOD1及びキャラクタ用テクスチャデータCTD1を表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3506にて、それらデータCOD1,CTD1のパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、演出用キャラクタCH13が階段を上る様子が動画表示されるように(図72(a)参照)、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1の各ピクセルのワールド座標系における座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。
その後、ステップS3507にて、今回の描画リストに基づき段差影用板状オブジェクトデータSSDを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3508にて、段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データを今回の描画リストに基づき把握するとともに、ステップS3509にて、当該データSSDに適用する他のパラメータ情報を把握する。この場合、演出用キャラクタCH13の下方に影画像CH14を表示させるための段差影用板状オブジェクトデータSSDの各ピクセルのワールド座標系における座標データを把握する。また、この場合に把握される座標データは、階段画像SGから離れる側に1ピクセル分、離れた位置に段差影用板状オブジェクトデータSSDが配置されるように、ステップS3504にて把握した階段用オブジェクトデータSGDの座標データに対応する座標データとなる。
その後、ステップS3510にて、今回の描画リストに基づき段差影用テクスチャデータSSTを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3511にて、段差影用テクスチャデータSSTの固定のUV座標データを当該テクスチャデータSSTから把握するとともに、ステップS3512にて、当該テクスチャデータSSTに適用する他のパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。
その後、ステップS3513にて、ステップS3503〜ステップS3512の把握結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。
上記のように段差影表示用の設定処理が実行されることにより、ワールド座標系に階段用オブジェクトデータSGD、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1及び段差影用板状オブジェクトデータSSDが配置されるとともに、表示CPU131において演算により導出された座標データを含めて各種パラメータ情報が各オブジェクトデータSGD,COD1,SSDに適用される。また、各オブジェクトデータSGD,COD1,SSDには対応するテクスチャデータSGTD,CTD1,SSTが適用される。これにより、表示面Pでは、図72(a)に示すように、階段画像SGの階段上を演出用キャラクタCH13が移動しているような動画表示が行われるとともに演出用キャラクタCH13の移動に合わせて影画像CH14が階段の形状に沿って変形しながら追従するような動画表示が行われる。
以上のように階段上を移動するように演出用キャラクタCH13が表示される構成において、階段の形状に合わせて形成された段差影用板状オブジェクトデータSSDに段差影用テクスチャデータSSTを適用することで影画像CH14を表示する構成である。これにより、階段の形状に沿うようにして影画像CH14を表示することが可能となる。
段差影用板状オブジェクトデータSSDを階段において影画像CH14が表示され得る全体の範囲に対応させて設定し、段差影用板状オブジェクトデータSSDのベースUV座標データを変更することで影画像CH14の表示位置を変更する構成とすることにより、影画像CH14の各表示位置に対応する段差影用板状オブジェクトデータを複数種類用意する構成に比べて、画像データを記憶するために必要なデータ容量を削減することが可能となる。
階段用オブジェクトデータSGDに対して段差影用テクスチャデータSSTを適用するのではなく、段差影用板状オブジェクトデータSSDを別に設定して段差影用テクスチャデータSSTを適用することにより、ベースUV座標データを変更することで影画像CH14の表示位置を変更する場合において階段用テクスチャデータSGTDの表示位置に影響を与えないようにすることが可能となる。
<段差影表示に係る構成の別形態>
・テクスチャのUV座標データを変更することなくオブジェクトデータのベースUV座標データを変更することで画像の表示位置を変更する構成を、既に説明した平面状の影画像CH12を表示するために利用してもよい。この場合、平面影用板状オブジェクトデータBSDのサイズを地面用オブジェクトデータBGDの全体分に対応させるのではなく、地面用オブジェクトデータBGDにおいて影画像CH12が表示され得る一部の範囲に対応させることにより、平面影用板状オブジェクトデータBSDのデータ容量を小さくすることが可能となる。
・テクスチャのUV座標データを表示CPU131において変更可能な構成とした場合には、段差影用板状オブジェクトデータSSDを利用することなく、段差影用テクスチャデータSSTを階段用オブジェクトデータSGDに適用する構成としてもよい。この場合、階段用オブジェクトデータSGDに階段用テクスチャデータSGTDを適用した後に、表示CPU131において設定されたUV座標データに対応する位置に対して、段差影用テクスチャデータSSTを上書きするように適用する。本構成によれば、段差影用板状オブジェクトデータSSDが不要となる点でデータ容量の削減を図ることができるとともに、オブジェクトデータのベースUV座標データを変更しなくてもUV座標データとの関係で影画像CH14の階段形状に沿った移動表示を行うことが可能となる。
・影画像CH14を表示するために階段用オブジェクトデータSGDとは別に設けるオブジェクトデータは板状オブジェクトデータに限定されることはなく、キャラクタ用オブジェクトデータCOD1などと同様に肉厚のある立体状に構成されたオブジェクトデータとしてもよい。
・階段用オブジェクトデータSGDとは別に設けられたオブジェクトデータを利用して演出用キャラクタCH13の影画像CH14を表示する構成を、演出用キャラクタCH13が水面に反射している様子を示す反射画像を表示するために利用してもよい。
<変動表示演出を行うための構成>
次に、変動表示演出を行うための構成について説明する。図75(a)は変動表示演出の内容を説明するための説明図であり、図75(b)はVRAM134の展開用バッファ141において変動表示演出の実行に際して利用されるエリアの構成を説明するための説明図である。
変動表示演出とは、図75(a)に示すように、顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識される演出用キャラクタCH15が移動表示されている手前にて複数の図柄表示部CH16〜CH18が変動表示される演出である。なお、変動表示演出では、第1図柄表示部CH16、第2図柄表示部CH17及び第3図柄表示部CH18の3種類が変動表示されるが、図柄表示部の数は1個でもよく、他の複数であってもよい。各図柄表示部CH16〜CH18はそれぞれ同一の外観形状をしており、周回方向に並ぶ各面のそれぞれに演出図柄が付されている。一の図柄表示部CH16〜CH18において周回方向に並ぶ演出図柄の種類は全て相違している一方、各図柄表示部CH16〜CH18に設定されている演出図柄の種類は同一となっている。
変動表示演出は、開閉実行モードにおける昇格演出として実行される。昇格演出は、通常大当たり結果の場合及び15R高確大当たり結果の場合のいずれにおいても発生し得る演出である。具体的には、遊技回用の演出の終了に際しては図柄表示装置41にて通常大当たり結果に対応した偶数図柄の組合せを最終停止表示させながら、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R高確大当たり結果であった場合には開閉実行モード中に高確対応演出が行われ、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が通常大当たり結果であった場合には開閉実行モード中に低確対応演出が行われる演出である。変動表示演出は、開閉実行モード中に開始され、15R高確大当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば、複数の図柄表示部CH16〜CH18の変動表示が停止される場合に同一の演出図柄の組合せが停止表示され、通常大当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば、複数の図柄表示部CH16〜CH18の変動表示が停止される場合に同一の演出図柄の組合せが停止表示されない。
変動表示演出が実行される場合、少なくとも所定期間に亘って各図柄表示部CH16〜CH18が半透明で表示される。この場合に、各図柄表示部CH16〜CH18はメモリモジュール133に予め記憶されたオブジェクトデータとテクスチャデータとを利用して3次元画像として表示されるが、オブジェクトデータに対してそのまま半透明化処理を施すと、立体データとして設定されたオブジェクトデータの裏側の画像などがそのまま透過して見えてしまうおそれがある。これに対して、各図柄表示部CH16〜CH18を表示するためのオブジェクトデータに半透明化処理を施すのではなく、演出用キャラクタCH15とは別に作成した各図柄表示部CH16〜CH18の2次元描画データに対して半透明化処理を施し、それを演出用キャラクタCH15を表示するための2次元描画データに重ね合わせることで、図75(a)に示すように、演出用キャラクタCH15の手前にて半透明の各図柄表示部CH16〜CH18が変動表示されるようにしている。
当該表示制御を行うためにVRAM134の展開用バッファ141には、図75(b)に示すように描画用バッファBF1と、第1保存用バッファBF2と、第2保存用バッファBF3と、第3保存用バッファBF4と、第4保存用バッファBF5とが設けられている。これら各バッファBF1〜BF5はいずれもフレームバッファ142の各フレーム領域142a,142bと同一数の単位エリアが設定されており、各単位エリアにはRGB各色に1バイトが割り当てられている。したがって、各バッファBF1〜BF5にはフレーム領域142a,142bに描画される描画データと同様の描画データを描画することが可能となる。また、各単位エリアにはRBG各色のエリア以外にもα値を設定するための1バイトのエリアが設定されている。
描画用バッファBF1は、演出用キャラクタCH15を表示するための2次元描画データ、各図柄表示部CH16〜CH18を表示するための2次元描画データを描画する場合に利用される。第1保存用バッファBF2は、描画用バッファBF1を利用して作成された演出用キャラクタCH15の2次元描画データを一時的に記憶しておくために利用される。第2保存用バッファBF3は、描画用バッファBF1を利用して作成された第1図柄表示部CH16の2次元描画データを一時的に記憶しておくために利用される。第3保存用バッファBF4は、描画用バッファBF1を利用して作成された第2図柄表示部CH17の2次元描画データを一時的に記憶しておくために利用される。第4保存用バッファBF5は、描画用バッファBF1を利用して作成された第3図柄表示部CH18の2次元描画データを一時的に記憶しておくために利用される。
以下、変動表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図76は、表示CPU131にて実行される変動表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。変動表示演出用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2209の演出用演算処理にて実行される。当該変動表示演出用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて変動表示演出についての情報が設定されている場合に起動される。
変動表示演出の開始タイミングである場合(ステップS3601:YES)、変動表示演出を行うための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する(ステップS3602)。当該画像データには、演出用キャラクタCH15を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータと、第1図柄表示部CH16を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第2図柄表示部CH17を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第3図柄表示部CH18を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、が含まれる。その後、ステップS3603にて、変動表示演出を開始すべきことをVDP135に認識させるための変動表示演出の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3601にて否定判定をした場合又はステップS3603の処理を実行した場合、ステップS3604にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき今回の使用対象のデータとして、演出用キャラクタCH15を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータを把握する。そして、これらキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3605)。この場合、演出用キャラクタCH15が表示面P手前側に向かって走っていると認識される表示内容となるように、キャラクタ用オブジェクトデータの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。
また、ステップS3606にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき今回の使用対象のデータとして、各図柄表示部CH16〜CH18を表示するための各図柄用オブジェクトデータ及び各図柄用テクスチャデータを把握する。そして、これら各図柄用オブジェクトデータ及び各図柄用テクスチャデータについて、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データに対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3607)。この場合、各図柄表示部CH16〜CH18が演出用キャラクタCH15の手前にて所定方向に周回していると認識される表示内容となるように、各図柄用オブジェクトデータの各ピクセルのワールド座標系における座標データが更新される。また、変動表示演出の全期間において各図柄用オブジェクトデータに適用するα値は表示面Pの奥側にて重なることとなる画像を透過させない不透明の情報に設定される。
その後、ステップS3608にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、各図柄表示部CH16〜CH18を半透明状態で表示する半透明期間であるか否かを判定する。半透明期間である場合(ステップS3608:YES)、ステップS3609にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき半透明値データを把握する。また、ステップS3610にて、半透明期間であることをVDP135に認識させるための半透明指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3608にて否定判定をした場合、又はステップS3610の処理を実行した場合、ステップS3611にて、変動表示演出の実行期間であることをVDP135に認識させるための変動表示演出指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
上記のように変動表示演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、演出用キャラクタCH15を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータと、第1図柄表示部CH16を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第2図柄表示部CH17を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第3図柄表示部CH18を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータとの使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、これら各画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには変動表示演出指定情報が設定され、さらに変動表示演出の開始タイミングにおいては変動表示演出の開始指定情報が設定されるとともに、半透明期間においては半透明指定情報が設定される。さらにまた、半透明指定情報が設定される場合には、描画リストに半透明値データが設定される。
次に、VDP135にて実行される変動表示演出用の設定処理を、図77のフローチャートを参照しながら説明する。変動表示演出用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2303にて実行される演出用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて変動表示演出指定情報が設定されている場合に、変動表示演出用の設定処理が実行される。
今回の描画リストに変動表示演出の開始指定情報が設定されている場合(ステップS3701:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133において今回の表示対象となっている各種画像データが記憶されているアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133から各種画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS3702)。当該画像データには、演出用キャラクタCH15を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータと、第1図柄表示部CH16を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第2図柄表示部CH17を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、第3図柄表示部CH18を表示するための図柄用オブジェクトデータ及び図柄用テクスチャデータと、が含まれる。
ステップS3701にて否定判定をした場合、又はステップS3702の処理を実行した場合、ステップS3703にて、今回の描画リストに基づき演出用キャラクタCH15を表示するためのキャラクタ用オブジェクトデータ及びキャラクタ用テクスチャデータを表示対象のデータとして把握する。また、ステップS3704にて、それら画像データのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、演出用キャラクタCH15が表示面P手前側に向かって走っていると認識される表示内容とするための座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。
その後、ステップS3705にて、今回の描画リストに基づき各図柄表示部CH16〜CH18を表示するための各図柄用オブジェクトデータ及び各図柄用テクスチャデータを把握する。また、ステップS3706にて、それら画像データのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する。この場合、各図柄表示部CH16〜CH18が演出用キャラクタCH15の手前にて所定方向に周回していると認識される表示内容とするための座標データを含めて各種パラメータ情報を把握する。また、各図柄用オブジェクトデータに適用するα値として、表示面Pの奥側にて重なることとなる画像を透過させない不透明の情報を把握する。
その後、ステップS3707にて、ステップS3703〜ステップS3706の把握結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。これにより、ワールド座標系においては、図75(a)に示すような変動表示演出用の画像に対応した描画データの作成を可能とする位置関係で、演出用キャラクタCH15のオブジェクトデータ、第1図柄表示部CH16のオブジェクトデータ、第2図柄表示部CH17のオブジェクトデータ及び第3図柄表示部CH18のオブジェクトデータが設定される。つまり、演出用キャラクタCH15のオブジェクトデータの手前に各図柄表示部CH16〜CH18のオブジェクトデータが配置されるとともに、左に第1図柄表示部CH16のオブジェクトデータが配置され、中央に第2図柄表示部CH17のオブジェクトデータが配置され、右に第3図柄表示部CH18のオブジェクトデータが配置される。
次に、VDP135にて実行される変動表示演出用の描画データ作成処理を、図78のフローチャートを参照しながら説明する。変動表示演出用の描画データ作成処理は、描画リストにおいて変動表示演出指定情報が設定されている場合に、描画処理(図44)のステップS2311にて実行される演出及び図柄用の描画データ作成処理の一部の処理として実行される。
なお、以下の説明では図79(a)〜図79(c)及び図80(a)〜図80(e)の説明図を適宜参照する。図79(a)は第2保存用バッファBF3に保存された第1図柄表示部CH16の描画データを説明するための説明図であり、図79(b)は第3保存用バッファBF4に保存された第2図柄表示部CH17の描画データを説明するための説明図であり、図79(c)は第4保存用バッファBF5に保存された第3図柄表示部CH18の描画データを説明するための説明図である。また、図80(a)〜図80(e)は各保存用バッファBF2〜BF5に保存された描画データを利用して変動表示演出用画像の描画データが作成される様子を説明するための説明図である。
まずステップS3801にて展開用バッファ141の描画用バッファBF1の初期化処理を実行する。初期化処理に際しては、描画用バッファBF1の各単位エリアを初期化する。これにより、各単位エリアにおいてRGB各色に対応した1バイトのデータが「0」クリアされるとともに、各単位エリアにおいてα値に対応した1バイトのデータが完全透明に対応するように「0」クリアされる。
続くステップS3802では、演出用キャラクタの描画処理を実行する。当該描画処理では、ワールド座標系において演出用キャラクタCH15に対応するオブジェクトデータ以外をマスクすることで当該オブジェクトデータのみをスクリーン領域PC12に投影する。そして、投影後の描画データを描画用バッファBF1に書き込む。この場合、演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データが、最終的な演出用キャラクタCH15の表示位置に対応する描画用バッファBF1の単位エリアに書き込まれる。当該表示対象データが描画される各単位エリアのα値は不透明に対応するデータに設定され、当該表示対象データが描画されない各単位エリアのα値は完全透明に対応するデータに維持される。その後、ステップS3803にて、第1保存用バッファBF2への保存処理を実行する。この場合、ステップS3802の処理後における描画用バッファBF1の各単位エリアのデータ状態がそのまま第1保存用バッファBF2に保存される。
続くステップS3804では、ステップS3801と同様に描画用バッファBF1の初期化処理を実行する。これにより、描画用バッファBF1の各単位エリアにおいてRGB各色に対応した1バイトのデータが「0」クリアされるとともに、各単位エリアにおいてα値に対応した1バイトのデータが完全透明に対応するように「0」クリアされる。
その後、ステップS3805にて、第1図柄表示部の描画処理を実行する。当該描画処理では、ワールド座標系において第1図柄表示部CH16に対応するオブジェクトデータ以外をマスクすることで当該オブジェクトデータのみをスクリーン領域PC12に投影する。そして、投影後の描画データを描画用バッファBF1に書き込む。この場合、図79(a−1)に示すように第1図柄表示部CH16を表示するための表示対象データが、最終的な第1図柄表示部CH16の表示位置に対応する描画用バッファBF1の単位エリアに書き込まれる。当該表示対象データが描画される各単位エリアのα値は、図79(a−2)に示すように不透明に対応するデータに設定され、当該表示対象データが描画されない各単位エリアのα値は完全透明に対応するデータに維持される。その後、ステップS3806にて、第2保存用バッファBF3への保存処理を実行する。この場合、ステップS3805の処理後における描画用バッファBF1の各単位エリアのデータ状態がそのまま第2保存用バッファBF3に保存される。
続くステップS3807では、ステップS3801と同様に描画用バッファBF1の初期化処理を実行する。これにより、描画用バッファBF1の各単位エリアにおいてRGB各色に対応した1バイトのデータが「0」クリアされるとともに、各単位エリアにおいてα値に対応した1バイトのデータが完全透明に対応するように「0」クリアされる。
その後、ステップS3808にて、第2図柄表示部の描画処理を実行する。当該描画処理では、ワールド座標系において第2図柄表示部CH17に対応するオブジェクトデータ以外をマスクすることで当該オブジェクトデータのみをスクリーン領域PC12に投影する。そして、投影後の描画データを描画用バッファBF1に書き込む。この場合、図79(b−1)に示すように第2図柄表示部CH17を表示するための表示対象データが、最終的な第2図柄表示部CH17の表示位置に対応する描画用バッファBF1の単位エリアに書き込まれる。当該表示対象データが描画される各単位エリアのα値は、図79(b−2)に示すように不透明に対応するデータに設定され、当該表示対象データが描画されない各単位エリアのα値は完全透明に対応するデータに維持される。その後、ステップS3809にて、第3保存用バッファBF4への保存処理を実行する。この場合、ステップS3808の処理後における描画用バッファBF1の各単位エリアのデータ状態がそのまま第3保存用バッファBF4に保存される。
続くステップS3810では、ステップS3801と同様に描画用バッファBF1の初期化処理を実行する。これにより、描画用バッファBF1の各単位エリアにおいてRGB各色に対応した1バイトのデータが「0」クリアされるとともに、各単位エリアにおいてα値に対応した1バイトのデータが完全透明に対応するように「0」クリアされる。
その後、ステップS3811にて、第3図柄表示部の描画処理を実行する。当該描画処理では、ワールド座標系において第3図柄表示部CH18に対応するオブジェクトデータ以外をマスクすることで当該オブジェクトデータのみをスクリーン領域PC12に投影する。そして、投影後の描画データを描画用バッファBF1に書き込む。この場合、図79(c−1)に示すように第3図柄表示部CH18を表示するための表示対象データが、最終的な第3図柄表示部CH18の表示位置に対応する描画用バッファBF1の単位エリアに書き込まれる。当該表示対象データが描画される各単位エリアのα値は、図79(c−2)に示すように不透明に対応するデータに設定され、当該表示対象データが描画されない各単位エリアのα値は完全透明に対応するデータに維持される。その後、ステップS3812にて、第4保存用バッファBF5への保存処理を実行する。この場合、ステップS3811の処理後における描画用バッファBF1の各単位エリアのデータ状態がそのまま第4保存用バッファBF5に保存される。
続くステップS3813では、第1保存用バッファBF2に保存されている描画データをスクリーン用バッファ144における演出及び図柄用のバッファに書き込む。この場合、演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データが、最終的な演出用キャラクタCH15の表示位置に対応する演出及び図柄用のバッファの単位エリアに書き込まれる。当該表示対象データが描画される各単位エリアのα値は不透明に対応するデータに設定され、当該表示対象データが描画されない各単位エリアのα値は完全透明に対応するデータに維持される。
その後、ステップS3814にて今回の描画リストに半透明指定情報が設定されているか判定をする。半透明指定情報が設定されている場合には、ステップS3815にて今回の描画リストから半透明値データを読み出す。
ステップS3814にて否定判定をした場合又はステップS3815の処理を実行した場合、ステップS3816にて、第2〜第4保存用バッファBF3〜BF5に保存されている各描画データをスクリーン用バッファ144における演出及び図柄用のバッファに書き込む。この場合、各描画データのそれぞれに対応した図柄表示部CH16〜CH18を表示するための表示対象データが、最終的な各図柄表示部CH16〜CH18の各表示位置に対応する演出及び図柄用のバッファの単位エリアに書き込まれる。
ここで、ステップS3815の処理が実行されていない場合には、書き込み対象の各描画データにおいて対応する表示対象データには不透明のα値が設定されているとともに、対応する表示対象データ以外には完全透明のα値が設定されている。したがって、既に書き込まれている演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データのうち各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データと重なる部分については各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データが演出用キャラクタCH15の表示対象データに対して上書きされ、各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データと重ならない部分については演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データがそのまま維持される。また、各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データにおいて演出用キャラクタCH15の表示対象データと重ならない部分については、各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データが不透明のα値が付加された状態で設定される。なお、演出及び図柄用のバッファの各単位エリアにおいて演出用キャラクタCH15の表示対象データ及び図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データのいずれもが書き込まれない単位エリアは完全透過のα値が設定された状態となる。
一方、ステップS3815の処理が実行されている場合には、書き込み対象の各描画データにおいて対応する表示対象データには半透明のα値(例えば「0.5」)が設定されているとともに、対応する表示対象データ以外には完全透明のα値が設定されている。したがって、既に書き込まれている演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データのうち各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データと重なる部分については前者の表示対象データと後者の表示対象データとで上記半透明のα値によるブレンド処理が実行される。例えば、所定の単位エリアにおける前者の表示対象データの色情報を「r10,g10,b10」とし、後者の表示対象データの色情報を「r20,g20,b20」とし、さらに半透明のα値を「α20」とした場合、
R:r10×(1−α20)+r20×α20
G:g10×(1−α20)+g20×α20
B:b10×(1−α20)+b20×α20
となる。
また、既に書き込まれている演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データのうち各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データと重ならない部分については演出用キャラクタCH15を表示するための表示対象データがそのまま維持される。また、各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データにおいて演出用キャラクタCH15の表示対象データと重ならない部分については、各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データが上記半透明のα値が付加された状態で設定される。なお、演出及び図柄用のバッファの各単位エリアにおいて演出用キャラクタCH15の表示対象データ及び図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データのいずれもが書き込まれない単位エリアは完全透明のα値が設定された状態となる。
上記描画データ作成処理が実行されることにより、図80(a)〜図80(d)に示すように第1〜第4保存用バッファBF2〜BF5に保存された各描画データが合成されて図80(e)に示すように変動表示演出用の画像が表示されることとなる。この場合、図80(b)〜図80(d)に示すように不透明のα値が設定されたオブジェクトデータから各図柄表示部CH16〜CH18を表示するための表示対象データを作成し、その表示対象データに対して半透明のα値を設定して演出用キャラクタCH15の表示対象データへの重ね合わせを行う構成である。これにより、オブジェクトデータの本来表示すべきではない裏側の画像などがそのまま透過して見えてしまうといった事象の発生を防止しながら、半透明の状態で図柄表示部CH16〜CH18を表示することが可能となる。
演出用キャラクタCH15及び各図柄表示部CH16〜CH18の描画データを個別に作成するためのバッファとして描画用バッファBF1を兼用することにより、描画データの作成に際して作成先の描画用バッファBF1を変更する必要がないため、処理設計の容易化が図られる。
演出用キャラクタCH15及び各図柄表示部CH16〜CH18の描画データを描画用バッファBF1に作成する前に、当該描画用バッファBF1の各単位エリアのα値を完全透明に対応する「0」とする構成であることにより、描画用バッファBF1への作成後の描画データにおいて演出用キャラクタCH15及び各図柄表示部CH16〜CH18を表示するための単位エリア以外の単位エリアについては後処理を要することなくα値を完全透明に対応する「0」とすることが可能となる。
<変動表示演出に係る構成の別形態>
・描画用バッファBF1に対する各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データの作成を個別に行い、それぞれに対応した表示対象データを異なる保存用バッファBF3〜BF5に保存する構成としたが、これに限定されることはなく、描画用バッファBF1に各図柄表示部CH16〜CH18の表示対象データをまとめて作成し、そのまとめて作成した表示対象データを一の保存用バッファに保存する構成としてもよい。これにより、描画用バッファの初期化処理、表示対象データの作成処理及び表示対象データの保存処理を実行する回数を少なくすることが可能となり、処理負荷を低減することが可能となる。
・第2保存用バッファBF3、第3保存用バッファBF4及び第4保存用バッファBF5のそれぞれに別保存した描画データに対して同一の半透明値データを設定する構成に限定されることはなく、設定する半透明値データを描画データ毎に異ならせてもよい。
<歪み背景表示を行うための構成>
次に、歪み背景表示を行うための構成について説明する。図81(a)及び図81(b)は歪み背景表示の内容を説明するための説明図である。図82(a)〜図82(c)は歪み背景表示を行うための画像データを説明するための説明図である。
歪み背景表示とは、図81(a−1)に示すように歪みが生じていないと遊技者に認識されるように表示されている背景画像BGGを、図81(a−2)に示すように歪みが生じていると遊技者に認識されるように表示することである。この場合、X軸、Y軸及びZ軸のうちの2軸(具体的にはX軸及びY軸)において歪みが生じていると遊技者に認識されるように、歪み背景表示が行われる。
背景画像BGGは、図82(a)に示すようにメモリモジュール133に予め記憶された背景用板状オブジェクトデータGSDと背景用テクスチャデータGTD1とが利用される。背景用板状オブジェクトデータGSDは、肉厚のない平面状に構成され、人などのキャラクタを表示するための肉厚を有する通常オブジェクトに比べて単位表示面当たりのポリゴン数が少ないオブジェクトデータである。そして、ワールド座標系に設定された背景用板状オブジェクトデータGSDに対して背景用テクスチャデータGTD1が適用されて背景用の描画データが作成されることにより、背景画像BGGを表示することが可能となる。
歪み背景表示は、背景用板状オブジェクトデータGSDをワールド座標系において図81(a−2)に示すように歪ませることで行われるのではなく、背景用テクスチャデータGTD1のデータを調整することで行われる。具体的には、背景用テクスチャデータGTD1が図81(b−1)に示すような色情報として設定されていると仮定した場合に、図81(b−2)に示すように所定の縦列の色情報の横幅が広くなるように色情報を調整することで、図81(a−2)に示すように歪みが生じていると遊技球に認識されるように背景画像BGGを表示する。このように3次元データである背景用板状オブジェクトデータGSDを歪ませるのではなく、2次元データである背景用テクスチャデータGTD1の色情報を調整することによって歪み背景表示を行う構成とすることにより、当該歪み背景表示を行う場合に調整すべきデータを2次元データに留めることが可能となり、処理負荷を低減することが可能となる。
歪み背景表示を行うための背景用テクスチャデータGTD1の色情報の調整態様は、当該背景用テクスチャデータGTD1とは別に設けられたテクスチャデータに設定されている。当該テクスチャデータとして、図82(a)に示すようにメモリモジュール133に第1屈折用テクスチャデータGTD2及び第2屈折用テクスチャデータGTD3が予め記憶されている。
これら第1屈折用テクスチャデータGTD2及び第2屈折用テクスチャデータGTD3はピクセル数が、背景用テクスチャデータGTD1のピクセル数と同一であり、各屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3の各ピクセルと背景用テクスチャデータGTD1の各ピクセルとは1対1で対応している。背景用テクスチャデータGTD1の各ピクセルには、図82(b)に示すようにRGB各色に1対1で対応する1バイトのエリアが設定されており、屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3にも、図82(c)に示すようにRGB各色に1対1で対応する1バイトのエリアが設定されている。つまり、各ピクセルに設定されている内容は各テクスチャデータGTD1〜GTD3で個々に相違するものの、基本的なデータ構成は背景用テクスチャデータGTD1と各屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3とで同一となっている。
各屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3の各ピクセルに設定されているRGB各色に対応したデータ(以下、R値、G値、B値ともいう)は、色情報として利用されるのではなく、歪ませる度合の情報として利用される。具体的には、R値はX軸に歪ませる度合の情報として利用され、G値はY軸に歪ませる度合の情報として利用され、B値はZ軸に歪ませる度合の情報として利用される。但し、背景画像BGGの歪みをX軸、Y軸及びZ軸の全てに対して生じさせるのではなく、既に説明したとおりX軸及びY軸の2軸に対してのみ生じさせる。したがって、各屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3の各ピクセルにおいてR値及びG値には歪み用のデータが設定されているが、B値は全ビットが「0」となるように一定のデータが設定されている。
第1屈折用テクスチャデータGTD2と第2屈折用テクスチャデータGTD3とは、背景用テクスチャデータGTD1の色情報の調整態様が相違するように各ピクセルのR値及びG値が設定されている。具体的には、第1屈折用テクスチャデータGTD2は、図81(a−2)に示すように背景画像BGGにおいて横方向の中央側が後方に凹むとともにその左右両側が前方に膨らんでいると遊技者に認識されるようにするための色情報の調整態様が設定されているのに対して、第2屈折用テクスチャデータGTD3は背景画像BGGにおいて横方向の中央側が前方に膨らむとともにその左右両側が後方に凹んでいると遊技者に認識されるようにするための色情報の調整態様が設定されている。当該構成であることにより、背景用テクスチャデータGTD1への適用対象の屈折用テクスチャデータとして第1屈折用テクスチャデータGTD2と第2屈折用テクスチャデータGTD3とを交互に切り換えることにより、背景画像BGGが一定のパターンで前後に波打っていると遊技者に認識させるような表示を行うことが可能となる。
以下、歪み背景表示を行うための具体的な処理構成を説明する。図83は、表示CPU131にて実行される歪み背景表示用の演算処理を示すフローチャートである。歪み背景表示用の演算処理は、タスク処理(図42)におけるステップS2206の背景用演算処理にて実行される。当該歪み背景表示用の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて歪み背景表示についての情報が設定されている場合に起動される。
歪み背景表示の開始タイミングである場合(ステップS3901:YES)、歪み背景表示を行うための画像データのメモリモジュール133における各アドレスを把握する(ステップS3902)。当該画像データには、背景用板状オブジェクトデータGSD、背景用テクスチャデータGTD1、第1屈折用テクスチャデータGTD2及び第2屈折用テクスチャデータGTD3が含まれる。その後、ステップS3903にて、歪み背景表示を開始すべきことをVDP135に認識させるための歪み背景表示の開始指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
ステップS3901にて否定判定をした場合又はステップS3903の処理を実行した場合、ステップS3904及びステップS3905にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の使用対象のデータとして背景用板状オブジェクトデータGSD及び背景用テクスチャデータGTD1を把握する。そして、これら背景用板状オブジェクトデータGSD及び背景用テクスチャデータGTD1について、パラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM132においてこれら画像データGSD,GTD1に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3906)。この場合、背景用板状オブジェクトデータGSDのワールド座標系における形状データ(すなわち各ピクセル相互の相対的な位置)は歪み背景表示が行われる期間において一定とされる。
その後、ステップS3907にて、現状設定されている実行対象テーブルに基づき今回の更新タイミングが第1歪み表示期間であるか否かを判定する。第1歪み表示期間は屈折用テクスチャデータとして第1屈折用テクスチャデータGTD2を使用する期間であり、第2歪み表示期間は屈折用テクスチャデータとして第2屈折用テクスチャデータGTD3を使用する期間である。第1歪み表示期間である場合(ステップS3907:YES)、ステップS3908にて第1屈折用テクスチャデータGTD2を把握し、第2歪み表示期間である場合(ステップS3907:NO)、ステップS3909にて第2屈折用テクスチャデータGTD3を把握する。ステップS3908又はステップS3909の処理を実行した場合、ステップS3910にて、歪み背景表示の実行期間であることをVDP135に認識させるための歪み背景表示指定情報を表示CPU131のレジスタに記憶する。
上記のように歪み背景表示用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS609)においてVDP135に送信される描画リストには、背景用板状オブジェクトデータGSD及び背景用テクスチャデータGTD1の使用指示の情報が設定されるとともに、第1屈折用テクスチャデータGTD2及び第2屈折用テクスチャデータGTD3のうち今回の使用対象となっている側の使用指示の情報が設定される。また、当該描画リストには、これら各画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには歪み背景表示指定情報が設定され、さらに歪み背景表示の開始タイミングにおいては歪み背景表示の開始指定情報が設定される。
次に、VDP135にて実行される歪み背景表示用の設定処理を、図84のフローチャートを参照しながら説明する。歪み背景表示用の設定処理は、描画処理(図44)のステップS2302にて実行される背景用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて歪み背景表示指定情報が設定されている場合に、歪み背景表示用の設定処理が実行される。
今回の描画リストに歪み背景表示の開始指定情報が設定されている場合(ステップS4001:YES)、当該描画リストに設定されているアドレスの情報から、メモリモジュール133において今回の表示対象となっている各種画像データが記憶されているエリアのアドレスを把握し、その把握結果に基づきメモリモジュール133から各種画像データをVRAM134の展開用バッファ141に読み出す(ステップS4002)。当該画像データには、背景用板状オブジェクトデータGSD、背景用テクスチャデータGTD1、第1屈折用テクスチャデータGTD2及び第2屈折用テクスチャデータGTD3が含まれる。
ステップS4001にて否定判定をした場合、又はステップS4002の処理を実行した場合、ステップS4003及びステップS4004にて、今回の描画リストに基づき背景用板状オブジェクトデータGTD1及び背景用テクスチャデータGTD1を表示対象のデータとして把握する。また、ステップS4005にて、今回の描画リストに基づき今回の歪み表示期間に対応する屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を表示対象のデータとして把握する。その後、ステップS4006にて、上記各種画像データのパラメータ情報を把握する。
続くステップS4007では、今回の使用対象となっている屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を背景用テクスチャデータGTD1に適用するための屈折適用処理を実行する。
屈折適用処理では、図85のフローチャートに示すように、まず背景用テクスチャデータGTD1をVRAM134の展開用バッファ141に設けられた背景用別保存エリア141aに別保存する(ステップS4101)。これにより、展開用バッファGTD1に背景用テクスチャデータGTD1が既に読み出されている状況において当該背景用テクスチャデータGTD1と同一のデータが背景用別保存エリア141aに記憶保持されることとなる。なお、以下の説明では、メモリモジュール133からVRAM134の展開用バッファ141に読み出された背景用テクスチャデータGTD1を描画対象の背景用テクスチャデータGTD1といい、背景用別保存エリア141aに書き込まれた背景用テクスチャデータGTD1を別保存対象の背景用テクスチャデータGTD1という。その後、ステップS4102にて、VDP135のレジスタ153に設けられた適用カウンタに、背景用テクスチャデータGTD1の総ピクセル数と同一数をセットする。
続くステップS4103では、今回の使用対象となっている屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3において現状の適用カウンタに対応する一のピクセルからR値及びG値を抽出する。そして、ステップS4104にて、それら抽出したR値及びG値を利用した屈折用演算処理を実行する。
屈折用演算処理では、背景用テクスチャデータGTD1において現状の適用カウンタの値に対応したピクセルを基準ピクセルとした場合に基準ピクセルから連続する何個分のピクセルをブレンド処理の実行対象とするかを決定付けるデータと、それらブレンド処理の実行対象となった各ピクセルを基準ピクセルからの距離との関係でどのような重み付けでブレンド処理を実行するかを決定付けるデータとを、ステップS4103にて抽出したR値及びG値を利用して所定の演算式から算出する。この場合、ブレンド処理の実行対象となるピクセルは、基準ピクセルに対して1軸上(具体的には図81(a)においてX軸)に並ぶピクセルに限られ、他の1軸上(具体的には図81(a)においてZ軸)に並ぶピクセルは含まれない。当該屈折用演算処理は、VDP135において専用回路として設けられた屈折用演算部154により行われる。また、既に説明したとおり、R値はX軸に歪ませる度合の情報として利用されるとともにG値はY軸に歪ませる度合の情報として利用され、R値及びG値のそれぞれは1バイトのデータ量となっているため、0〜255の値を取り得る。屈折用演算部154では、Y軸に歪ませる度合の情報に対応するG値に基づきブレンド処理の実行対象として含めるピクセルを特定するための対象ピクセルデータを導出し、X軸に歪ませる度合の情報に対応するR値に基づき基準ピクセルからの距離との関係でのブレンド処理の重み付けを特定するための重み付けデータを導出する。
ステップS4104にて屈折用演算処理を実行した後は、ステップS4105にて、ステップS4104の屈折用演算処理の演算結果に対応したピクセルの色情報を、上記対象ピクセルデータを利用して、別保存対象の背景用テクスチャデータGTD1から抽出する。そして、それら各ピクセルの色情報に対して上記重み付けデータに対応する各ブレンド値を積算し、積算後の各値の和を算出する(ステップS4106)。この場合、当該ブレンド処理は、各ピクセルのRGB各色について個別に行われる。その後、ステップS4106にて算出したRGBの各値を、描画対象の背景用テクスチャデータGTD1において現状の適用カウンタの値に対応するピクセルに上書きする。これにより、現状の適用カウンタの値に対応する描画対象の背景用テクスチャデータGTD1のピクセルについて、使用対象の屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3に対応する色情報の調整処理が実行される。
その後、ステップS4108にてレジスタ153の適用カウンタの値を1減算し、その1減算後の適用カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS4109)。適用カウンタの値が1以上である場合(ステップS4109:NO)、その更新後の適用カウンタの値に対応したピクセルについてステップS4103〜ステップS4107の処理を実行する。
歪み背景表示用の設定処理の説明に戻り、ステップS4007にて屈折適用処理を実行した後は、ステップS4008にて、ステップS4003〜ステップS4007の処理結果に対応した内容に従ってワールド座標系への設定処理を実行する。
上記のように歪み背景表示用の設定処理が実行されることにより、ワールド座標系に背景用板状オブジェクトデータGSDが配置されるとともに、表示CPU131において演算により導出された各種パラメータ情報が当該背景用板状オブジェクトデータGSDに適用される。また、今回の使用対象となっている屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を利用して色情報の調整処理が実行された後の背景用テクスチャデータGTD1が、背景用板状オブジェクトデータGSDに適用される。これにより、表示面Pでは、X軸及びY軸に歪みが生じていると遊技者に認識されるように背景画像BGGが表示される。
以上のように屈折を適用するためのデータがテクスチャデータとして設けられていることにより、テクスチャデータのデータ構成をそのまま利用して画像に対して屈折効果を生じさせることが可能となる。この場合、屈折を生じさせるための専用のデータ構成となったデータをメモリモジュール133に記憶させる必要がない点で、他のテクスチャデータを読み出す場合と同様の扱いで屈折を適用するためのデータをメモリモジュール133から読み出すことが可能となる。例えば、屈折を生じさせるための専用のデータ構成となっている場合には、展開用バッファ141にデータを展開するための処理内容がテクスチャデータとは異なるものとなるが、屈折を適用するためのデータがテクスチャデータとして設けられていることにより、当該展開するための処理内容を通常のテクスチャデータの場合と同一のものとすることが可能となる。よって、処理構成の簡素化が図られる。
テクスチャデータにはRGB各色に対応したデータが設定されている構成において、屈折用演算部154はそれら全てのデータを利用するのではなく一部のデータとしてR値及びG値のみを利用して背景用テクスチャデータGTD1の色情報の調整処理を実行する。これにより、RGBの各データを利用する構成に比べて処理を簡素化することが可能となり、背景用テクスチャデータGTD1の色情報の調整処理に要する時間を短縮化することが可能となる。
3次元データである背景用板状オブジェクトデータGSDを歪ませるのではなく、2次元データである背景用テクスチャデータGTD1の色情報を調整することによって歪み背景表示を行う構成とすることにより、当該歪み背景表示を行う場合に調整すべきデータを2次元データに留めることが可能となり、処理負荷を低減することが可能となる。
<歪み背景表示に係る構成の別形態>
・屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を利用して背景用テクスチャデータGTD1の色情報を調整する構成に代えて、屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を利用して背景用板状オブジェクトデータGSDの各ピクセルの座標データを調整することにより当該背景用板状オブジェクトデータGSDを歪ませ、その結果として歪み背景表示を行う構成としてもよい。
・背景用テクスチャデータGTD1に対して屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3が常に適用される構成に代えて、屈折用テクスチャデータGTD2,GTD3を適用することなく背景用テクスチャデータGTD1がそのまま描画対象となる期間が歪み背景表示期間よりも前又は後に設定されている構成としてもよい。この場合、背景画像BGGが歪んでいることを遊技者に認識させ易くなる。
・テクスチャデータのR値、G値及びB値のうち2個の値を利用して画像を屈折させるためのパラメータ情報を導出する構成に代えて、1個の値又は全ての値を利用して当該パラメータ情報を導出する構成としてもよい。
・テクスチャデータを利用して画像を屈折するためのパラメータ情報を導出する構成に代えて、テクスチャデータを利用して画像の透明値といった他のパラメータ情報を導出する構成としてもよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)音光側MPU62が表示CPU72に演出の実行指示をする場合、第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3からなるコマンドによって第2段階の演出内容を指示する構成としたが、第2段階の演出の実行有無が指示される構成としてもよく、演出内容が指示される場合と第2段階の演出の実行有無が指示される場合とが存在している構成としてもよい。
(2)第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3からなる一のコマンドが、一の演出に含まれる複数種類の第2段階の内容のそれぞれに対応させて送信される構成に代えて、一の演出に含まれる複数種類の第2段階の内容のそれぞれに対応するコマンドデータを含む一のコマンドが送信される構成としてもよい。具体的には、第1段階の演出内容に対応した一のコマンドデータと、各第2段階の内容のそれぞれに対応した各コマンドデータとを含むコマンドが送信される構成としてもよい。この場合であっても、各第2段階の内容のそれぞれがバイト単位で区別されていることが好ましい。
(3)第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3からなる一のコマンドが、一の演出に含まれる複数種類の第2段階の内容のそれぞれに対応させて送信される構成において、終了コマンドが送信されるまでに送信された各コマンドの第1コマンドデータCD1が一致しない場合には表示CPU72から音光側MPU62にコマンドの再送信が要求され、当該再要求があった場合には音光側MPU62から表示CPU72に同一のコマンドが再度送信される構成としてもよい。これにより、電気的なノイズによりコマンドが書き換えられてしまった場合であってもコマンドを再送信することで、演出や報知の実行を正確に行うことが可能となる。
(4)第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2及び第3コマンドデータCD3からなる一のコマンドが、一の演出に含まれる複数種類の第2段階の内容のそれぞれに対応させて送信される構成において、一の演出に対応した複数種類のコマンドが送信される前に開始コマンドが送信される構成としてもよい。これにより、一の演出に対応したコマンドが送信されている状況であるか否かを表示CPU72において明確に把握することが可能となる。
(5)タスク処理(図19)に含まれるステップS906の背景用演算処理、ステップS909の演出用演算処理及びステップS912の図柄用演算処理の実行途中であっても、V割込み処理(図15)の新たな処理回が開始され得る構成としてもよい。この場合、V割込み処理の次回の処理回において中断された演算処理の途中からタスク処理が再開される構成としてもよく、中断された演算処理の最初からタスク処理が再開される構成としてもよい。かかる構成によれば、V割込み処理の新たな処理回を早期に開始することが可能となる。
(6)表示CPU72において報知用の実行対象テーブルが実行対象として読み出されている場合には、タスク処理(図19)の実行途中でV割込み処理(図15)の新たな処理回が開始されたとしても、次回のタスク処理の実行回では中断した途中から処理を再開するのではなく、実行対象テーブルにおける新たなポインタ情報に対応した情報を利用してタスク処理を実行する構成としてもよい。これにより、報知の内容の進行を優先することが可能となる。
(7)タスク処理(図19)の実行途中でV割込み処理(図15)の新たな処理回が開始されるとともに次回のタスク処理の実行回において中断した途中から処理が再開される場合には、表示CPU72から音光側MPU62に遅延コマンドが送信されることで、音光側MPU62において制御パターンテーブルのポインタ情報の調整が行われる構成としたが、当該調整が行われない構成としてもよい。
(8)上記第2の実施形態では、カメラ(視点)がワールド座標系に配置される画像データ毎に個別に設定される構成としたが、これに代えて、ワールド座標系に配置される全画像データに対して単一のカメラが共通して設定される構成としてもよい。
(9)上記第2の実施形態では、ワールド座標系に配置された画像データは、背景画像、演出画像及び図柄画像の単位で投影される構成としたが、背景画像及び演出画像の単位でまとめて投影される構成としてもよく、演出画像及び図柄画像の単位でまとめて投影される構成としてもよく、全てがまとめて投影される構成としてもよい。
(10)上記第2の実施形態において、色情報の設定処理(ステップS2309)を行う場合に、投影される面のみにテクスチャの貼り付けといった色情報の設定を行う構成としてもよい。この場合、レンダリングの処理負荷を低減させることができる。また、これに代えて、投影前にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行うのではなく、投影後にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行う構成としてもよい。この場合、投影に際して、投影平面を構成する各ピクセルの座標情報を記憶しておくようにして、その座標情報を元にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行うようにすればよい。
(11)主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置60により表示制御装置90が制御される構成に代えて、主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置90が音声発光制御装置60を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置60と表示制御装置90とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置50に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置50に集約されていてもよい。また、主制御装置50から音声発光制御装置60に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置60から表示制御装置90に送信されるコマンドの構成も任意である。
(12)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
データ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データ(描画データ)を用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備え、
前記データ生成手段は、前記生成データを生成するために用いられる制御情報(座標データ)を導出する情報導出手段(表示CPU131におけるステップS2807〜ステップS2815の処理を実行する機能)を備え、
当該情報導出手段は、
導出用記憶手段(座標演算用エリア169)を導出前状態に設定する導出前設定手段(表示CPU131におけるステップS2808及びステップS2809の処理を実行する機能)と、
前記導出前状態に設定された前記導出用記憶手段を利用して前記制御情報を導出する導出実行手段(表示CPU131におけるステップS2810の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記導出前設定手段による前記導出前状態への設定は、一の画像の更新タイミングにおける前記生成データを生成するために複数回実行され得る構成であり、
前記導出実行手段は、前記導出前設定手段により前記導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、複数種類の個別画像(集合単位キャラクタCHG1〜CHG5)に対応した前記制御情報を導出する複数対応導出手段(集合用骨格データFRD2についての座標データを導出する場合における表示CPU131のステップS2810の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、制御情報を利用して画像表示用の生成データを生成することにより、制御情報を変化させることで生成データの内容を変化させることが可能となり、画像の表示態様を多様化することが可能となる。また、制御情報を導出する場合には導出用記憶手段を利用するとともに導出用記憶手段を導出前状態に設定した後に制御情報の導出を開始することにより、制御情報の導出を好適に行うことが可能となる。
この場合に、導出用記憶手段に対して導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、複数種類の個別画像に対応した制御情報が導出される。これにより、一の個別画像毎に導出前状態の設定が行われる構成に比べて、制御情報を導出するための処理負荷を低減することが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴A2.前記導出前設定手段は、前記導出用記憶手段を初期化した後に前記制御情報の導出対象となる個別画像についての導出前情報をその初期化後の導出用記憶手段に設定することで、当該導出用記憶手段を前記導出前状態に設定することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、制御情報が導出される場合、導出用記憶手段の初期化と導出前情報の設定とが行われることにより、制御情報の導出を適切に行うことが可能となる。この場合に、導出前状態の設定が行われた後であって導出前状態の設定が新たに行われる前に、複数種類の個別画像に対して制御情報が導出されるため、導出用記憶手段の初期化及び導出前情報の設定回数を少なくすることが可能となり、制御情報を導出するための処理負荷を低減することが可能となる。
特徴A3.前記データ生成手段は、前記複数対応導出手段により前記制御情報がまとめて導出される対象となる前記複数種類の個別画像を表示するために、一の画像データ(集合用骨格データFRD2)を利用することを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、一の画像データによって複数種類の個別画像を表示する構成であることにより、まとめて導出した制御情報を複数の画像データに適用するのではなくその一の画像データに適用すればよい。したがって、制御情報の適用対象となる画像データを特定するための処理を簡素化することが可能となる。
特徴A4.前記データ生成手段は、個別画像が動作する画像を表示するための生成データを作成する場合に、当該個別画像に対応させて設定されたデータであって動きの基準となる基準データ(骨格データFRD1、集合用骨格データFRD2)と、当該基準データに応じて変形する変形データ(皮膚データSKD1、集合用皮膚データSKD2)と、当該変形データに適用する色情報が定められた色データ(テクスチャデータBTD1、集合用テクスチャデータBTD2)とを用いることが可能な構成であり、
前記複数対応導出手段により前記制御情報がまとめて導出される対象となる前記複数種類の個別画像のそれぞれは、前記基準データ、前記変形データ及び前記色データを利用することで表示可能となる画像であり、
前記制御情報により、前記複数種類の個別画像の動作態様が変化するようにそれら複数種類の個別画像に対応した前記基準データの内容が変更されることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、基準データ、変形データ及び色データを利用して複数種類の個別画像の動画表示が行われる構成であるため、複数種類の個別画像の動画表示をリアルに表現することが可能となる。この場合に、基準データの内容を変更するための制御情報が複数種類の個別画像についてまとめて導出されるため、基準データ、変形データ及び色データを利用する構成であったとしても処理負荷が極端に高くなってしまうことを防止することが可能となる。
特徴A5.前記データ生成手段は、特定の個別画像(ボーン表示用キャラクタCH10)が動作する画像を表示するための生成データを作成する場合、前記基準データ、前記変形データ及び前記色データを利用する構成であり、
前記複数種類の個別画像を表示するための前記基準データの合計のデータ容量が、前記特定の個別画像を表示するための前記基準データの合計のデータ容量以下であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、基準データ、変形データ及び色データを利用して複数種類の個別画像を同時に表示する場合であっても、それら複数種類の個別画像を表示するための基準データの合計のデータ容量が特定の個別画像を表示するための基準データの合計のデータ容量以下となっているため、制御情報の導出及びその導出した制御情報の適用に関して対象となるデータ量を抑えることが可能となり処理負荷を低減することが可能となる。
特徴A6.前記基準データは、複数の単位基準データ(ボーンデータBOD1〜BOD50,ABD1〜ABD50)を有し、それら複数の単位基準データの相対的な位置関係が変更されることにより当該基準データに対応する個別画像の動作態様が変更される構成であり、
前記複数の単位基準データは、メイン単位基準データの位置データが変更された場合にサブ単位基準データの位置データがそれに追従して変更されるようにデータ関係が設定されており、
前記複数種類の個別画像のうちサブ個別画像に対応する単位基準データは、メイン個別画像に対応する単位基準データに対してサブ単位基準データの関係に設定されていることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、メイン単位基準データの位置データが変更された場合にはサブ単位基準データの位置データが変更されるため、一の基準データによって一の個別画像の動作態様が決定される構成においてはその個別画像の動作態様をよりリアルに表現することが可能となる。この場合に、複数種類の個別画像のうちサブ個別画像に対応する単位基準データは、メイン個別画像に対応する単位基準データに対してサブ単位基準データの関係に設定されている。これにより、メイン個別画像とサブ個別画像とをまとめて移動させる場合には、基準データにおけるメイン単位基準データとサブ単位基準データとのデータ関係を利用することで、メイン単位基準データについての位置データを変更するように制御情報を調整するだけで足りる。
特徴A7.前記メイン単位基準データの位置データに影響を与えることなく、前記サブ単位基準データの位置データを変更することが可能であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、メイン個別画像とサブ個別画像とでメイン単位基準データとサブ単位基準データとのデータ関係が設定されている構成であっても、メイン個別画像とは無関係にサブ個別画像を動作させることが可能となる。
特徴A8.前記メイン個別画像に対応する単位基準データと、前記サブ個別画像に対応する単位基準データとは1対1で対応しており、それぞれ対応する単位基準データ間においてメイン個別画像の単位基準データがメイン単位基準データとなりサブ個別画像の単位基準データがサブ単位基準データとなるようにデータ関係が設定されていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、メイン個別画像とサブ個別画像との関連付けを単位基準データの単位で詳細に行うことが可能となる。
特徴A9.前記メイン個別画像と前記サブ個別画像とは、単位基準データの数及び配列が同一又は略同一であり、
前記変形データ及び前記色データのうち少なくとも一方が前記メイン個別画像及び前記サブ個別画像間において兼用されることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、メイン個別画像とサブ個別画像とで、変形データ及び色データのうち少なくとも一方が兼用されるため、各種データを記憶するために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
なお、特徴A1〜A9のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
データ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データ(描画データ)を用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備え、
前記データ生成手段は、個別画像が動作する画像を表示するための生成データを作成する場合に、当該個別画像に対応させて設定されたデータであって動きの基準となる基準データ(集合用骨格データFRD2)と、当該基準データに応じて変形する変形データ(集合用皮膚データSKD2)と、当該変形データに適用する色情報が定められた色データ(集合用テクスチャデータBTD2)とを用いることが可能な構成であり、
前記基準データは、複数の単位基準データ(ボーンデータABD1〜ABD50)を有し、それら複数の単位基準データの相対的な位置関係が変更されることにより当該基準データに対応する個別画像の動作態様が変更される構成であり、
前記複数の単位基準データは、メイン単位基準データの位置データが変更された場合にサブ単位基準データの位置データがそれに追従して変更されるようにデータ関係が設定されており、
複数種類の個別画像のうちサブ個別画像(第2〜第5集合単位キャラクタCHG2〜CHG5)に対応する単位基準データは、メイン個別画像(第1集合単位キャラクタCHG1)に対応する単位基準データに対して前記サブ単位基準データの関係に設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、メイン単位基準データの位置データが変更された場合にはサブ単位基準データの位置データが変更されるため、一の基準データによって一の個別画像の動作態様が決定される構成においてはその個別画像の動作態様をよりリアルに表現することが可能となる。この場合に、複数種類の個別画像のうちサブ個別画像に対応する単位基準データは、メイン個別画像に対応する単位基準データに対してサブ単位基準データの関係に設定されている。これにより、メイン個別画像とサブ個別画像とをまとめて移動させる場合には、基準データにおけるメイン単位基準データとサブ単位基準データとのデータ関係を利用することで、メイン単位基準データについての位置データを変更するように制御情報を調整するだけで足りる。
特徴B2.前記メイン単位基準データの位置データに影響を与えることなく、前記サブ単位基準データの位置データを変更することが可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、メイン個別画像とサブ個別画像とでメイン単位基準データとサブ単位基準データとのデータ関係が設定されている構成であっても、メイン個別画像とは無関係にサブ個別画像を動作させることが可能となる。
特徴B3.前記メイン個別画像に対応する単位基準データと、前記サブ個別画像に対応する単位基準データとは1対1で対応しており、それぞれ対応する単位基準データ間においてメイン個別画像の単位基準データがメイン単位基準データとなりサブ個別画像の単位基準データがサブ単位基準データとなるようにデータ関係が設定されていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、メイン個別画像とサブ個別画像との関連付けを単位基準データの単位で詳細に行うことが可能となる。
特徴B4.前記メイン個別画像と前記サブ個別画像とは、単位基準データの数及び配列が同一又は略同一であり、
前記変形データ及び前記色データのうち少なくとも一方が前記メイン個別画像及び前記サブ個別画像間において兼用されることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、メイン個別画像とサブ個別画像とで、変形データ及び色データのうち少なくとも一方が兼用されるため、各種データを記憶するために必要なデータ容量を抑えることが可能となる。
特徴B5.前記複数種類の個別画像のそれぞれに対応する単位基準データは、一の基準データに含まれていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、複数種類の個別画像のそれぞれに対応する単位基準データが一の基準データに集約されているため、基準データを読み出すための処理及び基準データを利用する処理に関して処理負荷を低減することが可能となる。
特徴B6.前記データ生成手段は、特定の個別画像(ボーン表示用キャラクタCH10)が動作する画像を表示するための生成データを作成する場合、前記基準データ、前記変形データ及び前記色データを利用する構成であり、
前記複数種類の個別画像を表示するための前記基準データの合計のデータ容量が、前記特定の個別画像を表示するための前記基準データの合計のデータ容量以下であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、基準データ、変形データ及び色データを利用して複数種類の個別画像を同時に表示する場合であっても、それら複数種類の個別画像を表示するための基準データの合計のデータ容量が特定の個別画像を表示するための基準データの合計のデータ容量以下となっているため、基準データを制御するための情報の導出及びその導出した情報の適用に関して対象となるデータ量を抑えることが可能となり処理負荷を低減することが可能となる。
なお、特徴B1〜B6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.仮想3次元空間内に3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP135におけるステップS2302〜ステップS2304の処理を実行する機能)と、前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP135におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データ(描画データ)を生成する描画用設定手段(VDP135におけるステップS2310〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、を有するデータ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データを記憶する生成データ記憶手段(フレームバッファ142)と、
当該生成データ記憶手段に記憶された生成データに対応した画像を表示手段(図柄表示装置41)に表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備えている遊技機において、
前記配置手段は、第1個別画像(演出用キャラクタCH11,CH13)の影画像及び反射画像のうちいずれかである対応画像(影画像CH12,CH14)を第2個別画像(地面画像BG、階段画像SG)の一部に対して重ねるようにして表示する場合、前記対応画像を表示するためのオブジェクトデータである対応オブジェクトデータ(平面影用板状オブジェクトデータBSD、段差影用板状オブジェクトデータSSD)を、前記第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータ(地面用オブジェクトデータBGD、階段用オブジェクトデータSGD)とは別に前記仮想3次元空間に配置することを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータとは別に対応画像を表示するためのオブジェクトデータである対応オブジェクトデータが設定されていることにより、第2個別画像を表示するためのデータ設定とは独立して、対応画像を表示するためのデータ設定を行うことが可能となる。これにより、第1個別画像の影画像及び反射画像のうちいずれかである対応画像を第2個別画像の一部に対して重ねるようにして表示する場合であっても、対応画像の表示内容とは無関係に第2個別画像を表示するためのデータ設定を行うことが可能となり、これら画像を表示させるための設計の容易化が図られる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.前記対応オブジェクトデータは、板状ポリゴンであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、オブジェクトデータを記憶するために必要なデータ容量の増加を抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C3.前記配置手段は、前記対応オブジェクトデータを、前記第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータに対して表示位置が手前となる側に離間させて配置することを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、仮想3次元空間において対応オブジェクトデータは第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータに対して重ねて配置されるのではなく、表示位置が手前となる側に離間させて配置されるため、仮想3次元空間における配置位置との関係で表示対象の画像を決定する構成を利用しながら、対応画像を第2個別画像に重ねて表示することが可能となる。
特徴C4.前記データ生成手段は、前記第1個別画像を表示するためのオブジェクトデータの前記仮想3次元空間における位置を変更する場合、それに合わせて前記対応オブジェクトデータの前記仮想3次元空間における位置を変更する手段(表示CPU131におけるステップS3112及びステップS3313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、仮想3次元空間における対応オブジェクトデータの表示位置を変更するだけで、第1個別画像の移動表示に追従させて対応画像を移動表示させることが可能となる。
特徴C5.前記データ生成手段は、前記オブジェクトデータに対してテクスチャデータを設定するテクスチャ設定手段(VDP135におけるステップS2309の処理を実行する機能)を備え、
当該テクスチャ設定手段は、前記第1個別画像の表示態様が第1表示態様である場合、前記対応画像を表示するためのテクスチャデータとして第1対応テクスチャデータ(第1平面影用テクスチャデータBST1)を前記対応オブジェクトデータに設定し、前記第2個別画像の表示態様が第2表示態様である場合、前記対応画像を表示するためのテクスチャデータとして第2対応テクスチャデータ(第2平面影用テクスチャデータBST2)を前記対応オブジェクトデータに設定することを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、対応オブジェクトデータに設定するテクスチャデータを切り換えるだけで、対応画像の表示態様を第1個別画像の表示態様に合わせることが可能となる。
特徴C6.前記データ生成手段は、前記第1個別画像の表示態様が第1表示態様である場合、前記対応オブジェクトデータの形状を決定付ける形状データとして第1形状データを利用し、前記第1個別画像の表示態様が第2表示態様である場合、前記対応オブジェクトデータの形状を決定付ける形状データとして第2形状データを利用する手段(表示CPU131におけるステップS3309〜ステップS3311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、対応オブジェクトデータに対して利用する形状データを変更することで、対応画像の表示態様を第1個別画像の表示態様に合わせることが可能となる。
特徴C7.前記データ生成手段は、前記オブジェクトデータに対してテクスチャデータを設定するテクスチャ設定手段(VDP135におけるステップS2309の処理を実行する機能)を備え、
当該テクスチャ設定手段は、前記第1個別画像の表示位置が変更される場合、前記仮想3次元空間における前記対応オブジェクトデータの位置が変更されない状況において前記対応画像を表示するためのテクスチャデータの前記対応オブジェクトデータに対する設定位置関係を変更する設定位置変更手段(表示CPU131におけるステップS3410の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、対応オブジェクトデータに対するテクスチャデータの設定位置関係を変更することによって第1個別画像の移動表示に対応画像を追従させることにより、仮想3次元空間における対応オブジェクトデータの位置を変更することが好ましくない状況であっても対応画像の移動表示を行うことが可能となる。
特徴C8.前記第2個別画像において前記対応画像が重ねて表示される領域に対応する当該第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータの形状データに対応させて、前記対応オブジェクトデータの形状データが設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、対応オブジェクトデータが第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータの形状に対応させて設定されているため、対応オブジェクトデータを利用して対応画像を表示する構成であっても第2個別画像に対する対応画像の重ね合わせを好適に行うことが可能となる。
また、当該特徴C8の構成において上記特徴C7にて限定した構成を適用することにより、対応画像の移動表示は対応オブジェクトデータに対するテクスチャデータの設定位置関係の変更により行われることとなり、第2個別画像を表示するためのオブジェクトデータの形状に対応させて設定された対応オブジェクトデータを仮想3次元空間において複雑に移動させなくても対応画像の移動表示を行うことが可能となる。
なお、特徴C1〜C8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備え、
前記表示用記憶手段は、動画像を再生するために用いられる圧縮された動画像データ(ベース動画データBMD)を記憶しており、
前記表示制御手段は、
前記動画像データを展開用領域(展開用バッファ81)に展開して、その動画像データに対応した画像について複数の更新タイミング分の静止画像データを作成する展開手段(VDP76におけるステップS1303の処理を実行する機能、動画デコーダ93)と、
当該展開手段により展開された複数の更新タイミング分の静止画像データを、前記動画像データにおいて定められている順序で用いることで、当該動画像データに対応した動画対応画像(色替え演出用キャラクタCH1)を表示させる動画像表示実行手段(表示CPU72におけるステップS1206の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS1306の処理を実行する機能)と、
前記表示用記憶手段から追加画像データ(第1〜第nパーツ画像データPD1〜PD3)を読み出し、前記静止画像データを利用する場合に当該追加画像データを利用することにより、当該追加画像データに対応する追加個別画像(色替え対象領域CR)を前記動画対応画像に追加する追加実行手段(表示CPU72におけるステップS1206の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS1307の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、一の更新タイミングにおける画像を表示する場合に、動画像データを展開することで得られる静止画像データだけを利用するのではなく、追加画像データも利用することで、動画対応画像に対して追加個別画像を追加表示する構成である。これにより、例えば動画対応画像の一部を変更する必要が生じた場合であっても、追加画像データを利用してその一部の変更に対応することで、動画像データをそのまま利用することが可能となる。また、例えば動画対応画像の一部の内容が異なる複数種類の動画が必要となった場合であっても、追加画像データを利用してその一部の内容を異ならせることで、動画像データを複数種類用意する必要がなくなる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴D2.前記追加個別画像を複数の更新タイミングにおいて変化させることが可能なように、複数の更新タイミングにおいて異なる前記追加画像データを利用可能な構成であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、複数の更新タイミングにおいて異なる追加画像データを利用可能な構成であることにより、動画対応画像の内容に合わせて追加個別画像の内容を変化させることが可能となる。
特徴D3.前記複数の更新タイミング分の静止画像データのそれぞれに対応する前記追加画像データを利用可能な構成であることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、動画対応画像の表示期間の全体に亘って、当該動画対応画像の内容に応じた追加個別画像を表示することが可能となる。
特徴D4.複数の更新タイミング分の前記追加画像データは、動画像データとして圧縮されることなく前記表示用記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴D2又はD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、追加画像データが動画像データとして圧縮されることなく記憶されていることにより、動画対応画像に追加個別画像を追加表示させる場合に複数種類の動画像データの展開処理を同時に行う必要が生じない。
特徴D5.前記追加画像データには半透明又は透明に対応する透明値のデータが設定されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、追加画像データに半透明又は透明に対応する透明値のデータが設定されていることにより、追加個別画像の追加表示に際して透明値を利用した表示を行うことが可能となる。例えば、追加個別画像としてエフェクト画像を表示することが可能となり、それ以外にも追加個別画像として所定の部分が透明又は半透明の画像を表示することが可能となる。また、上記特徴D4の構成を備え、半透明又は透明に対応する透明値データが設定された追加画像データが動画像データとして圧縮されることなく記憶されていることにより、追加個別画像の画質が劣化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴D6.前記追加個別画像は、前記動画対応画像の一部の画像部分に対応していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、追加個別画像を利用して動画対応画像の一部の画像部分の内容を変更することが可能となる。
特徴D7.前記表示制御手段は、前記追加画像データに適用する色情報を変更する色情報変更手段(表示CPU72におけるステップS1204の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS1305及びステップS1403〜ステップS1406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、追加画像データに適用する色情報が変更される構成であるため、複数種類の色情報のそれぞれに対応させて追加画像データを設ける構成に比べて、画像データを記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
なお、特徴D1〜D7のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
複数の単位設定領域(単位エリア121)を有する設定用記憶手段(フレームバッファ82)に前記画像データを設定することで当該設定用記憶手段に描画データを作成し、当該描画データに応じた画像信号を前記表示手段に出力することに基づき前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
複数の個別画像(エフェクト演出用キャラクタCH2、エフェクト画像EG2)を前記表示部の奥行き方向に重なるように表示する場合において、それら複数の個別画像が前記表示部の奥行き方向に重なることとなる前記単位設定領域のデータについて、奥側個別画像(エフェクト演出用キャラクタCH2)の重なり箇所の画像データである奥側画像データが手前側個別画像(エフェクト画像EG2)の重なり箇所の画像データである手前側画像データに対して反映された状態となるようにする重複反映手段(VDP76におけるステップS1701、ステップS1709及びステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該重複反映手段により前記手前側画像データに対して前記奥側画像データが反映される場合に、手前側画像データ及び奥側画像データのうち少なくとも一方の反映割合を低減させる反映低減手段(VDP76におけるステップS1705〜ステップS1708の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該反映低減手段は、前記手前側画像データ及び前記奥側画像データのうち一方の低減対象画像データの反映割合を低減する場合、前記手前側画像データ及び前記奥側画像データのうち一方の低減量参照画像データの内容に応じて当該反映割合の低減量を異ならせることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、低減対象画像データを反映させる割合を低減させた状態で、手前側画像データ及び奥側画像データの重複反映が行われる。これにより、例えば手前側画像データ及び奥側画像データをそのまま重複反映させると画像の表示を良好に行えない場合などにおいては少なくとも一方の画像データの反映割合を低減させて、重複反映させた画像の表示を良好に行うことが可能となる。
この場合に、低減量参照画像データの内容に応じて、低減対象画像データの反映割合の低減量を異ならせる構成である。これにより、低減対象画像データの反映割合を一律で低減する構成に比べて、低減量参照画像データの内容に応じた態様で低減対象画像データを低減させることが可能となり、画像データの重複反映を行う場合において表示効果をより高めるための細かな調整を行うことが可能となる。
以上より、表示制御を好適に行うことが可能となる。
なお、、重複反映手段の構成として具体的には、「前記画像データは、色情報を規定する数値情報が対応付けられた単位画像データ(ピクセル122)を複数有しており、前記重複反映手段は、前記複数の個別画像において相互に重なる各単位画像データの数値情報を用いて予め定められた演算処理を実行する演算処理実行手段と、当該演算処理の演算結果のデータを、前記設定用記憶手段において前記相互に重なる各単位画像データに対応した単位設定領域に設定する設定処理実行手段と、を備えている」という構成が挙げられ、さらにより具体的な構成として「前記各単位設定領域は、限界数値までの範囲内において数値情報を設定可能な構成であり、前記表示制御手段は、当該数値情報として大きな数値が設定されているほどその単位設定領域に対応したドットにおいて明るい色が表示されるように前記画像信号を出力する構成であり、前記演算処理実行手段は、前記予め定められた演算処理として、前記複数の個別画像において相互に重なる各単位画像データの数値情報を加算する加算処理を実行する」という構成が挙げられる。
特徴E2.前記画像データは、色情報を規定する数値情報が対応付けられた単位画像データ(ピクセル122)を複数有しており、
前記単位設定領域は、限界数値までの範囲内において数値情報を設定可能な構成であり、
前記表示制御手段は、当該数値情報として大きな数値が設定されているほどその単位設定領域に対応した前記表示部のドットにおいて明るい色が表示されるように前記画像信号を出力する構成であり、
前記反映低減手段は、前記数値情報が相対的に大きい前記低減量参照画像データの単位画像データに対応する前記低減対象画像データの単位画像データの方が、前記数値情報が相対的に小さい前記低減量参照画像データの単位画像データに対応する前記低減対象画像データの単位画像データよりも、前記反映割合の低減量を大きくすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、大きな数値の数値情報が設定されている単位設定領域に対応したドットほど明るい色が表示される構成であるため、当該ドットの表示制御の複雑化が抑えられる。この場合に、数値情報が相対的に大きい低減量参照画像データの単位画像データに対応する低減対象画像データの単位画像データの方が、数値情報が相対的に小さい低減量参照画像データの単位画像データに対応する低減対象画像データの単位画像データよりも反映割合の低減量が大きい。これにより、各個別画像の画像データを重複反映させると単位設定領域の限界数値に達する可能性がある部分については限界数値に達しないようにすることを優先して反映割合の低減量を大きくし、限界数値に達する可能性がない部分については各個別画像の画像データの内容を重複反映させることを優先して反映割合の低減量を小さくすることが可能となる。
特徴E3.前記画像データは、色情報を規定する数値情報が対応付けられた単位画像データ(ピクセル122)を複数有しており、
前記反映低減手段は、前記低減量参照画像データに含まれる前記単位画像データの数値情報のそれぞれに応じた前記反映割合の低減量により、前記低減対象画像データの反映割合を低減させることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、単位画像データの単位で反映割合の低減量を調整することが可能となるため、反映割合の低減を優先させる箇所と重複反映を優先させる箇所との調整を細かく行うことが可能となる。
特徴E4.前記単位設定領域は、限界数値までの範囲内において数値情報を設定可能な構成であり、
前記画像データは、前記限界数値までの範囲内において色情報を規定する数値情報が対応付けられた単位画像データを複数有しており、
前記反映低減手段は、前記低減量参照画像データに含まれる前記単位画像データの色情報を前記限界数値から引き算した結果の値を当該限界数値で除算した結果の値を、その単位画像データが設定される前記単位設定領域に対応する前記低減対象画像データの単位画像データに積算することにより、当該低減対象画像データの反映割合を低減させることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、重複反映の対象となる各画像データ自体を利用して、低減量参照画像データの内容に応じた反映割合の低減を行うことが可能となる。よって、各種データを事前に記憶しておくためのデータ容量を抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴E5.前記低減量参照画像データを利用して前記反映割合が低減される前記低減対象画像データは、前記手前側画像データ及び前記奥側画像データのうち前記低減対象画像データとは異なる側の画像データであることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、重複反映の相手側の画像データの内容に応じて画像データの反映割合を低減することが可能となる。
特徴E6.前記低減量参照画像データは前記手前側画像データであり、前記低減対象画像データは前記奥側画像データであることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、奥側画像データの反映割合を一律で低減する構成に比べて、手前側個別画像の内容に応じた態様で奥側画像データを反映させることが可能となり、画像データの重複反映を行う場合において表示効果をより高めるための細かな調整を行うことが可能となる。
なお、特徴E1〜E6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.仮想3次元空間内に3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP135におけるステップS2302〜ステップS2304の処理を実行する機能)と、前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP135におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影された投影データに基づいて生成データ(描画データ)を生成する描画用設定手段(VDP135におけるステップS2310〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、を有するデータ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データを記憶する生成データ記憶手段(フレームバッファ142)と、
当該生成データ記憶手段に記憶された生成データに対応した画像を表示手段(図柄表示装置41)の表示部(表示面P)に表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備えている遊技機において、
前記データ生成手段は、前記投影データに対して半透明に対応する透明値を設定する透明値設定手段(VDP135におけるステップS3815の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、投影データの作成後に半透明に対応する透明値が設定される構成であるため、オブジェクトデータを半透明な状態としなくても最終的に半透明の画像表示を行うことが可能となる。オブジェクトデータを半透明な状態とした後に投影データを作成すると、オブジェクトデータとして本来表示したくない裏側の画像部分が表示されてしまう可能性があり、それを回避しながら投影データを作成しようとすると処理が複雑化してしまう可能性がある。これに対して、オブジェクトデータを半透明な状態としなくても最終的に半透明の画像表示を行うことが可能であるため、当該半透明の画像表示を好適に行うことが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴F2.前記データ生成手段は、前記透明値設定手段による前記半透明に対応する透明値の設定対象となる個別画像(図柄表示部CH16〜CH18)を表示するためのオブジェクトデータに対して、前記半透明に対応する透明値を設定しないことを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、オブジェクトデータを半透明な状態としない構成であることにより、オブジェクトデータとして本来表示したくない裏側の画像部分が表示されてしまわないようにすることが可能となる。そして、上記特徴F1の構成を備え、投影データに対して半透明に対応する透明値を設定する構成であるため、上記のような不都合が生じしないようにしながら、半透明の画像表示を行うことが可能となる。
特徴F3.前記データ生成手段は、
複数の個別画像(演出用キャラクタCH15、図柄表示部CH16〜CH18)を表示する場合、これら複数の個別画像の一部の個別画像に対応する所定投影データを作成し、それとは別に、前記複数の個別画像のうち前記所定投影データに含まれない個別画像に対応する前記特定投影データを作成する個別作成手段(VDP135におけるステップS3802、ステップS3803、ステップS3805、ステップS3806、ステップS3808、ステップS3809、ステップS3811及びステップS3812の処理を実行する機能)と、
前記特定投影データが設定された記憶領域に対して前記透明値に応じた態様で前記所定投影データを設定する生成実行手段(VDP135におけるステップS3816の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、投影データを複数回に亘って作成し、一部の投影データに対して半透明に対応する透明値の設定を行いながら複数の投影データを合成するだけで、複数の個別画像が表示部の奥行き方向に重なるように表示されるとともに奥側個別画像の重なり箇所の内容が手前側個別画像の重なり箇所に反映された状態となるようにすることが可能となる。
特徴F4.前記個別作成手段は、
前記所定投影データ及び前記特定投影データを含めた各投影データを投影データ用記憶手段(描画用バッファBF1)に順次作成するデータ作成手段(VDP135におけるステップS3802、ステップS3805、ステップS3808及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
前記投影データ用記憶手段に作成した投影データを保存記憶手段(第1〜第4保存用バッファBF2〜BF5)に書き込む手段(VDP135におけるステップS3803、ステップS3806、ステップS3809及びステップS3812の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、投影データを複数作成した後にそれら投影データを合成することで生成データを生成する構成において、投影データの作成先となる記憶手段を投影データ用記憶手段に集約することが可能となる。これにより、投影データの作成に際して作成先の記憶手段を変更する必要がないため、処理設計の容易化が図られる。また、投影データ用記憶手段に作成された投影データを保存する保存記憶手段が設けられているため、作成済みの投影データを合成実行時まで別保存しておくことが可能となる。
特徴F5.前記個別作成手段は、前記所定投影データ及び前記特定投影データを含めた各投影データを投影データ用記憶手段(描画用バッファBF1)に作成するものであり、
前記投影データ用記憶手段は複数の投影単位記憶エリアを有し、
それら各投影単位記憶エリアは、色情報と透明値の情報とを設定可能な構成であり、
前記個別作成手段は、前記投影データ用記憶手段における各投影単位記憶エリアの透明値の情報として透明に対応する透明値の情報を設定した後に前記所定投影データを作成し、当該所定投影データにおいて表示対象の個別画像に対応するデータが書き込まれる投影単位記憶エリアには透明値の情報として不透明に対応する透明値の情報が設定されそれ以外の投影単位記憶エリアには透明値の情報として前記透明に対応する透明値の情報が維持されるようにすることを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、投影データ用記憶手段における各投影単位エリアに透明に対応する透明値の情報が設定された後に当該投影データ用記憶手段に投影データが作成される構成であるため、投影データにおいて個別画像が描画されない部分の透明値の情報を投影データの作成後の後処理を実行することなく透明とすることが可能となる。これにより、最終的に複数の投影データを単に重ね合わせることで生成データを生成する構成であっても、各投影データにおいて投影対象となった個別画像のデータ部分がブランクのデータ部分によって上書きされてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴F1〜F5のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備え、
前記表示用記憶手段には、所定画像(増加時用エフェクト画像EG6)を表示するための画像データとして、第1所定画像データ(通常エフェクト用画像データED5)と、当該第1所定画像データよりも解像度が低く設定された第2所定画像データ(簡易エフェクト用画像データED6)と、が記憶されており、
前記表示制御手段は、前記第2所定画像データを用いる場合であっても前記第1所定画像データを用いる場合と同様のサイズで前記所定画像が表示されるように当該第2所定画像データを拡大させる画像拡大手段(VDP76におけるステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、所定画像を表示するための画像データとして第1所定画像データだけでなく、当該第1所定画像データよりも解像度が低く設定された第2所定画像データが記憶されている。そして、第2所定画像データを利用する場合には第1所定画像データを用いる場合と同様のサイズで所定画像が表示されるように第2所定画像データが拡大して使用される。これにより、画質が高い状態で所定画像を表示する場合には第1所定画像データを利用し、画質が低下したとしても画像データの読み出しに要する時間を短縮化する必要がある場合には第2所定画像データを利用することが可能となる。よって、状況に応じた態様で所定画像を表示するためのデータ設定を行うことが可能となり、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴G2.前記第1所定画像データを読み出すのに要する処理時間と前記第2所定画像データを読み出すのに要する処理時間との差分よりも、前記画像拡大手段において前記第2所定画像データを拡大するのに要する処理時間の方が短いことを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、第2所定画像データを読み出してそれを拡大した後に使用する場合の処理時間を、第1所定画像データを読み出して使用する処理時間よりも短くすることが可能となる。これにより、処理負荷が大きい状況においては第2所定画像データを敢えて使用することで、処理負荷が大きい状況であっても所定画像を表示することが可能となる。
特徴G3.前記画像拡大手段は、前記第2所定画像データを拡大させた後の拡大後画像データを所定記憶手段(展開用バッファ81)に記憶させ、
前記表示制御手段は、前記第2所定画像データを利用して前記所定画像を表示する期間においては、前記所定記憶手段に記憶された前記拡大後画像データを使用することを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、第2所定画像データを拡大させた後は拡大後画像データが所定記憶手段において記憶保持されるため、第2所定画像データを複数の更新タイミングに亘って使用する場合における処理負荷を低減することが可能となる。
特徴G4.前記表示制御手段は、前記所定画像を表示するための画像データとして、前記第2所定画像データの前記画像拡大手段による拡大後の拡大後画像データを使用する状態から前記第1所定画像データを使用する状態に切り換える使用対象設定手段(表示CPU72におけるステップS2015〜ステップS2020の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS2111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、所定画像の表示を継続しながら、処理負荷を低減すべく第2所定画像データを使用する状況から画質を向上させるべく第1所定画像データを使用する状況に切り換えることが可能となる。
特徴G5.前記使用対象設定手段は、前記表示部に表示される個別画像の数が増加するタイミングにおいて前記所定画像の表示を開始する場合、前記所定画像を表示するための画像データとして、前記拡大後画像データを使用し、その後に前記所定画像を表示するための画像データを前記第1所定画像データに切り換えることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、個別画像の数が増加するタイミングにおいて所定画像の表示を開始しようとする場合、そのタイミングにおける画像データの読み出しに要する時間が局所的に長時間化するおそれがあるが、当該タイミングにおいては第2所定画像データを拡大した後の拡大後画像データを使用して所定画像を表示することで、当該読み出しに要する時間の長時間化を抑えることが可能となる。その一方、当該タイミングよりも後において第1所定画像データを使用することにより、画像データの読み出しに要する時間に余裕がある状況において第1所定画像データを読み出して所定画像の画質を高めることが可能となる。
特徴G6.前記表示制御手段は、前記第1所定画像データを用いて前記所定画像を表示する場合、複数の更新タイミングにおいて異なる前記第1所定画像データを用いることで前記所定画像の表示態様を変化させ、前記第2所定画像データを用いて前記所定画像を表示する場合、当該所定画像の表示態様を変化させないことを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、第1所定画像データを用いて所定画像を表示する場合には当該所定画像の表示態様を変化させることで表示内容が画一化してしまわないようにすることができる一方、第2所定画像データを用いて所定画像を表示する場合には処理負荷の低減を優先させることが可能となる。
特徴G7.前記第1所定画像データは前記所定画像の表示態様を複数の更新タイミングに亘って変化させることができるように複数設けられており、前記第2所定画像データは1個のみ設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、第1所定画像データが複数設けられていることにより所定画像の表示態様を変化させることができるようにしながら、第2所定画像データは1個のみ設けられているため第2所定画像データを利用して所定画像を表示する場合の処理構成を簡素化することが可能となる。
なお、特徴G1〜G7のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
データ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データ(描画データ)を用いて前記表示部に画像を表示させ、更新タイミングとなることで画像の内容を更新させる表示制御手段(VDP135)と、
を備え、
前記データ生成手段は、前記表示部に第1特定個別画像(ループ演出用AキャラクタCH8)及び第2特定個別画像(ループ演出用BキャラクタCH9)を含めて複数の個別画像が表示されている状況において、前記第1特定個別画像の表示態様を変更するために必要な第1表示情報(座標データ)を導出すべく情報導出処理(補間表示期間用処理)の実行を開始し、前記第2特定個別画像の表示態様を変更するために必要な第2表示情報を導出すべく前記情報導出処理の実行を開始する導出処理実行手段(表示CPU131における補間表示期間用処理を実行する機能)を備え、
当該導出処理実行手段は、一の更新タイミングから次の更新タイミングまでの期間を特定期間とした場合に、前記第1表示情報及び前記第2表示情報のうち一方である所定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行を所定の特定期間において開始し、前記第1表示情報及び前記第2表示情報のうち他方である特定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行を前記所定の特定期間よりも後の前記特定期間において開始することを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、表示部に第1特定個別画像及び第2特定個別画像を含めて複数の個別画像が表示されている状況においてそれら第1特定個別画像及び第2特定個別画像の表示態様が変更される場合、当該表示態様を変更するために必要な第1表示情報の導出開始と、第2表示情報の導出開始とが異なる特定期間において行われる。これにより、第1表示情報の導出開始と第2表示情報の導出開始とが同一の特定期間において行われる構成に比べ、一の特定期間において処理負荷が極端に高くなってしまう事象が発生しないようにすることが可能となる。よって、第1特定個別画像及び第2特定個別画像の表示態様の変更を好適に行うことが可能となり、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴H2.前記導出処理実行手段は、前記特定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行を前記所定の特定期間に対して次の前記特定期間において開始することを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、第1表示情報の導出開始タイミングと第2表示情報の導出開始タイミングとのずれを最小限に抑えながら、一の特定期間において処理負荷が極端に高くなってしまう事象が発生しないようにすることが可能となる。
特徴H3.前記表示制御手段は、前記所定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行が開始された場合、前記特定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行が開始されていなくても、前記第1特定個別画像及び前記第2特定個別画像のうち前記所定表示情報の使用対象となる側において当該所定表示情報を使用した表示を開始することを特徴とする特徴H1又はH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、第1表示情報の導出開始タイミングと第2表示情報の導出開始タイミングとを意図的にずらした構成であっても、第1特定個別画像及び第2特定個別画像の表示態様の変更を早期に開始することが可能となる。
特徴H4.前記表示制御手段は、前記第1特定個別画像が第1所定動作表示(ループ演出用AキャラクタCH8の第1ループ演出態様)に続けて第1特定動作表示(ループ演出用AキャラクタCH8の補間表示期間の態様)を行い、前記第2特定個別画像が前記第2所定動作表示(ループ演出用BキャラクタCH9の第1ループ演出態様)に続けて第2特定動作表示(ループ演出用BキャラクタCH9の補間表示期間の態様)を行うように画像の内容を更新し、
前記第1表示情報は前記第1特定動作表示を行わせるための情報であり、前記第2表示情報は前記第2特定動作表示を行わせるための情報であることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H4によれば、各表示情報の導出を開始する特定期間をずらすことで第1特定個別画像及び第2特定個別画像の特定動作表示の開始タイミングがずれたとしても、第1特定個別画像及び第2特定個別画像のそれぞれが所定動作表示に続けて特定動作表示を行う構成であるため、そのずれの内容も動作表示の一連の内容であると遊技者に認識させることが可能となる。よって、遊技者に違和感を与えないようにしながら処理負荷を分散させることが可能となる。
特徴H5.前記所定表示情報を導出するための前記情報導出処理の実行を開始するタイミングにおける前記第1特定個別画像の動作態様と前記第2特定個別画像の動作態様とが相違していることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
特徴H5によれば、各表示情報の導出を開始する特定期間をずらすことで第1特定個別画像及び第2特定個別画像の特定動作表示の開始タイミングがずれたとしても、情報導出処理の実行を開始するタイミングにおける第1特定個別画像の動作態様と第2特定個別画像の動作態様とが相違していることにより、その動作態様の相違によって開始タイミングのずれが目立たなくなる。よって、遊技者に違和感を与えないようにしながら処理負荷を分散させることが可能となる。
特徴H6.前記第1所定動作表示が終了するタイミングにおける前記第1特定個別画像の動作態様は予め定められた態様であり、前記第2所定動作表示が終了するタイミングにおける前記第2特定個別画像の動作態様は予め定められた態様であり、
前記所定表示情報は前記第1表示情報であり、前記特定表示情報は前記第2表示情報であることを特徴とする特徴H4又はH5に記載の遊技機。
特徴H6によれば、第1表示情報及び第2表示情報のうちいずれから情報導出処理を開始するのかが予め定められていることにより、情報導出処理を先に開始する対象を状況に応じて変更する必要がない点で処理構成の簡素化が図られる。また、所定動作表示が終了するタイミングにおける各特定個別画像の動作態様が定められているため、第1表示情報及び第2表示情報のうちいずれから情報導出処理を開始するのかが予め定められていたとしても、表示内容を視認した遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴H7.前記第1特定個別画像が前記第1所定動作表示を行い前記第2特定個別画像が前記第2所定動作表示を行っている状況において不規則に発生する切換契機が発生したことに基づいて、前記第1特定動作表示及び前記第2特定動作表示が開始される構成であり、
前記導出処理実行手段は、前記切換契機が発生したタイミングに応じて、前記第1表示情報及び前記第2表示情報のうち前記情報導出処理を先に開始する対象を決定する先開始決定手段(表示CPU131におけるステップS2702の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H4又はH5に記載の遊技機。
特徴H7によれば、所定動作表示を行っている状況から特定動作表示を行っている状況への切換契機が不規則に発生する構成であるため、表示内容を多様化することが可能となる。この場合に、切換契機が発生したタイミングに応じて、第1表示情報及び第2表示情報のうちいずれから情報導出処理を開始するのかが決定されるため、遊技者に違和感を与えづらい順序で特定動作表示を開始することが可能となる。
特徴H8.前記データ生成手段は、
予め記憶された第1所定動作情報(Aキャラクタ用の第1アニメーションデータAD1)に従って、前記第1特定個別画像に前記第1所定動作表示を行わせるための情報を導出する手段(表示CPU131におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
予め記憶された第1特別動作情報(Aキャラクタ用の第2アニメーションデータAD2)に従って、前記第1特定個別画像に第1特別動作表示(ループ演出用AキャラクタCH8の第2ループ演出態様)を行わせるための情報を導出する手段(表示CPU131におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
予め記憶された第2所定動作情報(Bキャラクタ用の第1アニメーションデータAD3)に従って、前記第2特定個別画像に前記第2所定動作表示を行わせるための情報を導出する手段(表示CPU131におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
予め記憶された第2特別動作情報(Bキャラクタ用の第2アニメーションデータAD4)に従って、前記第2特定個別画像に第2特別動作表示(ループ演出用BキャラクタCH9の第2ループ演出態様)を行わせるための情報を導出する手段(表示CPU131におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定動作表示は前記第1所定動作表示が行われた後であって前記第1特別動作表示が行われる前に行われ、
前記第2特定動作表示は前記第2所定動作表示が行われた後であって前記第2特別動作表示が行われる前に行われ、
前記導出処理実行手段は、前記第1所定動作情報と前記第1特別動作情報とを使用して前記情報導出処理を実行することにより前記第1表示情報を導出し、前記第2所定動作情報と前記第2特別動作情報とを使用して前記情報導出処理を実行することにより前記第2表示情報を導出することを特徴とする特徴H4乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H8によれば、各所定動作表示と各特別動作表示との間において、予め記憶された所定動作情報及び特別動作情報を利用して導出された情報に基づき特定動作表示が行われることにより、予め情報を記憶しておくのに必要な情報量を抑えながら、所定動作表示を行っている状態から特別動作表示を行っている状態に表示内容を滑らかに変化させることが可能となる。但し、所定動作情報及び特別動作情報を利用して表示情報を導出する処理を一の特定期間においてまとめて行おうとすると処理負荷が極端に大きくなってしまうおそれがあるが、上記特徴H1にて記載した構成を備え、第1特定個別画像と第2特定個別画像とで異なる特定期間において表示情報の導出が開始されるため、処理負荷を分散することが可能となる。
なお、特徴H1〜H8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
データ生成手段(表示CPU131、ジオメトリ演算部151及びレンダリング部152)によって生成された生成データ(描画データ)を用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備え、
前記データ生成手段は、色情報を規定する数値情報が対応付けられた単位データを複数有する色規定画像データ(背景用テクスチャデータGTD1)を表示用記憶手段(メモリモジュール133)から読み出して利用することにより前記生成データを生成する構成であり、
前記表示用記憶手段は、前記色規定画像データと同様に前記単位データを複数有する調整用データ(第1屈折用テクスチャデータGTD2、第2屈折用テクスチャデータGTD3)を予め記憶しており、
前記データ生成手段は、前記調整用データの前記単位データから導出される数値情報を色情報とは異なる所定調整情報として利用することにより、前記色規定画像データを用いて表示される対応個別画像の表示内容を調整する内容調整手段(VDP135におけるステップS4103〜ステップS4107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定調整情報を利用することにより対応個別画像の表示内容が調整されるため、同一の色規定画像データを利用しながら表示内容を多様化させることが可能となる。この場合に、所定調整情報は、色規定画像データと同様に複数の単位データを有する調整用データを利用して導出される。これにより、色規定画像データと同様のデータとして表示用記憶手段に記憶されている調整用データを利用して対応個別画像の表示内容を調整することが可能となり、色規定画像データとはデータ形式が異なるデータとして調整用データを用意する構成に比べ、データを読み出すための処理及び読み出した後の一時記憶するための処理内容を共通化しながら対応個別画像の表示内容を調整することが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴I2.前記単位データは、ベース色に対応したベース色対応データ(R値、G値、B値)を複数有しており、
前記内容調整手段は、前記調整用データの前記単位データに設定されている複数のベース色対応データから導出される数値情報を利用して前記所定調整情報を特定することを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、調整用データの単位データに設定されている複数のベース色対応情報を利用して所定調整情報を導出することにより、所定調整情報の内容を細かく制御することが可能となる。
特徴I3.前記単位データは、ベース色に対応したベース色対応データ(R値、G値、B値)を複数有しており、
前記内容調整手段は、前記調整用データの前記単位データに設定されている複数のベース色対応データのうち一部のデータから導出される数値情報を利用して前記所定調整情報を特定することを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、調整用データの単位データに設定されている複数のベース色対応データのうち一部のデータを利用して所定調整情報を導出することにより、全てのベース色対応データを利用して所定調整情報を導出する構成に比べて所定調整情報を導出するための処理負荷を低減することが可能となる。
特徴I4.前記データ生成手段は、
仮想3次元空間内に3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP135におけるステップS2302〜ステップS2304の処理を実行する機能)と、
前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP135におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、
前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データを生成する描画用設定手段(VDP135におけるステップS2310〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
を有し、
前記色規定画像データは、前記オブジェクトデータに対して設定されるテクスチャデータであることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、テクスチャデータとして用意されている調整用データを利用して所定調整情報を導出することが可能となる。
特徴I5.前記内容調整手段は、前記所定調整情報を利用することにより前記オブジェクトデータの内容を調整するのではなく、前記テクスチャデータにおける前記単位データの内容を調整することを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
特徴I5によれば、所定調整情報を利用してオブジェクトデータの内容を調整するのではなく、テクスチャデータにおける単位データの内容を調整する構成であるため、調整する対象を3次元情報ではなく2次元情報とすることが可能となり、調整を行うための処理負荷を低減することが可能となる。
特徴I6.前記内容調整手段は、前記オブジェクトデータに設定する前の状態において前記所定調整情報を利用して前記テクスチャデータの内容を調整することを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、テクスチャデータをオブジェクトデータに設定した後におけるデータ状態に影響を受けることなく所定調整情報を利用した調整を行うことが可能であるため、当該調整を行い易くなる。
特徴I7.前記内容調整手段は、前記所定調整情報を利用することにより、前記色規定画像データを用いて表示される対応個別画像の歪み表示を行わせることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I7によれば、色規定画像データと同様のデータとして表示用記憶手段に記憶されている調整用データを利用して対応個別画像の歪み表示を行うことが可能となる。
なお、特徴I1〜I7のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.仮想3次元空間内に3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP135におけるステップS2302〜ステップS2304の処理を実行する機能)と、前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP135におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データ(描画データ)を生成する描画用設定手段(VDP135におけるステップS2310〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、を有するデータ生成手段によって生成された生成データを記憶する生成データ記憶手段(フレームバッファ142)と、
当該生成データ記憶手段に記憶された生成データに対応した画像を表示手段(図柄表示装置41)に表示させる表示制御手段(VDP135)と、
を備えている遊技機において、
前記データ生成手段は、所定調整情報に基づいてオブジェクトデータ(背景用板状オブジェクトデータGSD)の内容を調整するのではなく、当該オブジェクトデータに対して設定されるテクスチャデータ(背景用テクスチャデータGTD1)の内容を前記所定調整情報に基づき調整することにより、これらオブジェクトデータ及びテクスチャデータを用いて表示される対応個別画像の表示内容を調整する内容調整手段(VDP135におけるステップS4103〜ステップS4107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、所定調整情報を利用してオブジェクトデータの内容を調整するのではなく、テクスチャデータにおける単位データの内容を調整する構成であるため、調整する対象を3次元情報ではなく2次元情報とすることが可能となり、調整を行うための処理負荷を低減することが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴J2.前記内容調整手段は、前記オブジェクトデータに設定する前の状態において前記所定調整情報を利用して前記テクスチャデータの内容を調整することを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
特徴J2によれば、テクスチャデータをオブジェクトデータに設定した後におけるデータ状態に影響を受けることなく所定調整情報を利用した調整を行うことが可能であるため、当該調整を行い易くなる。
なお、特徴J1〜J2のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群〜上記特徴J群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴K群>
特徴K1.演出の実行内容を決定する第1制御手段(音光側MPU62)と、
当該第1制御手段が送信した送信情報に基づいて演出実行手段(図柄表示装置41)を制御する第2制御手段(表示CPU72)と、
を備え、
所定実行契機が発生した場合に前記演出実行手段において契機対応演出(予告表示)が実行される構成であり、
当該契機対応演出は、実行有無及び内容の少なくとも一方である変動対象内容が変動する演出要素(第2種別の内容)を複数有し、
それら複数の演出要素についての変動対象内容の組合せパターンにより前記契機対応演出の実行パターンが相違する構成であり、
前記第1制御手段は、前記契機対応演出を実行させるための送信情報を送信する場合、所定の演出要素の前記変動対象内容に対応する対応送信情報(第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2、第3コマンドデータCD3)と、他の演出要素の前記変動対象内容に対応する対応送信情報(第1コマンドデータCD1、第2コマンドデータCD2、第3コマンドデータCD3)とを区別して送信する情報送信手段(音光側MPU62におけるコマンド選択処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、複数の演出要素についての変動対象内容の組合せパターンにより契機対応演出の実行パターンが相違する構成であるため、契機対応演出の演出内容を多様化することが可能となる。この場合に、所定の演出要素の変動対象内容に対応する第1対応送信情報と、他の演出要素の変動対象内容に対応する第2対応送信情報とが区別して送信される構成であるため、演出要素の数を増減させる場合や、変動対象内容を変更する場合であっても、対応する演出要素の単位で対応送信情報の変更を行えばよいため、送信情報の設計の容易化が図られる。
特徴K2.前記所定の演出要素及び前記他の演出要素のそれぞれは同時に実行される演出内容を決定付けることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、同時に実行される演出内容を決定付ける複数の演出要素であっても、それら演出要素の変動対象内容を第2制御手段に特定させるための対応送信情報が演出要素の種類毎に送信される構成であるため、送信情報の設計の容易化が図られる。
特徴K3.前記第1制御手段は、前記契機対応演出を実行させるために必要な対応送信情報の全てを送信したことを示す終了送信情報(終了コマンド)を送信する終了送信手段(音光側MPU62におけるステップS509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1又はK2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、演出要素の単位で対応送信情報が送信される構成において契機対応演出を実行させるために必要な対応送信情報の全てが送信された場合には終了送信情報が送信されるため、契機対応演出に含まれる演出要素の数を固定しなくても契機対応演出を実行するために必要な全ての対応送信情報の送信が完了したことを第2制御手段に認識させることが可能となる。
特徴K4.前記第2制御手段は、
受信した前記対応送信情報を情報格納手段(コマンド格納バッファ101)に格納する格納実行手段(表示CPU72におけるコマンド割込み処理を実行する機能)と、
前記終了送信情報を受信した場合に、前記情報格納手段に格納されている複数の対応送信情報に対応する前記契機対応演出を実行するために用いられる参照情報(実行対象テーブル)を設定する参照情報設定手段(表示CPU72におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、第2制御手段は契機対応演出を実行するために必要な全ての対応送信情報を受信した後に、契機対応演出を実行するために用いられる参照情報を設定する構成であるため、演出要素の変動対象内容のそれぞれに対応する参照情報を設定するのではなく、全ての演出要素の変動対象内容の全てに対応する一の参照情報を設定することが可能となる。
特徴K5.前記対応送信情報は、当該対応送信情報に対応する演出要素の大枠の内容を特定するための大枠情報(第1コマンドデータCD1)と、当該大枠情報に対応する大枠の内容に含まれる分岐内容のうちいずれを実行するのかを特定するための分岐情報(第2コマンドデータCD2、第3コマンドデータCD3)と、を含むことを特徴とする特徴K1乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K5によれば、一の対応送信情報においても大枠情報と分岐情報とに区分けされているため、一の対応送信情報についても設計の容易化が図られる。
特徴K6.前記第2制御手段は、同一の前記分岐情報の内容であっても前記大枠情報の内容により前記分岐情報から異なる内容を把握することを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、複数の対応送信情報間において分岐情報が共通して使用される構成であるため、送信対応情報を予め記憶しておくために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
なお、特徴K1〜K6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴K群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、一の制御手段から送信されたコマンドを利用して他の制御手段にて当該コマンドに対応した制御が実行される構成が知られている。
例えば、パチンコ機においては遊技の進行を制御する主制御手段から送信されたコマンドに基づいて演出用の制御手段にて演出の実行制御が行われる構成や、一の演出用の制御手段から送信されたコマンドに基づいて他の演出用の制御手段にて演出の実行制御が行われる構成が知られている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、演出を実行させるために一の制御手段から他の制御手段に送信される送信情報の構成の好適化を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴L群>
特徴L1.開始契機が発生した場合に演算用情報(実行対象テーブル)を利用して演算処理を開始する演算実行手段(表示CPU72におけるタスク処理を実行する機能)と、
前記演算処理の演算結果を利用して特定処理を実行する結果利用手段(表示CPU72におけるステップS609の処理を実行する機能、VDP76)と、
を備え、
前記演算実行手段は、所定の実行回における前記演算処理の途中で終了条件が成立して当該演算処理を途中で終了させた場合、当該所定の実行回に対して次の実行回において当該所定の実行回にて利用対象として設定された前記演算用情報を利用した前記演算処理を実行するための再実行手段(表示CPU72におけるステップS606、ステップS610及びステップS916の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、演算処理の途中で終了条件が成立した場合には当該演算処理が途中で終了される構成であるため、演算処理の処理時間が変動して他の処理の実行が大きく制限されてしまうという事象の発生を阻止することが可能となる。また、演算処理が途中で終了された場合には次の実行回の演算処理において、その途中で終了した演算処理にて利用対象とされた演算用情報を利用した演算処理が再度実行される。これにより、演算処理が途中で終了され得る構成であったとしても、各演算用情報を利用した演算処理の実行を完了させることが可能となる。
特徴L2.前記再実行手段は、前記所定の実行回に対して次の実行回において、前記所定の実行回にて終了した途中の内容から前記演算処理を再開することを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
特徴L2によれば、前回の実行回において利用対象となった演算用情報を利用した演算処理が再度実行される場合には、前回の実行回にて終了した途中の内容から演算処理が再開されるため、新たな実行回において再開した演算処理を終了するのに要する時間を短縮することが可能となる。
特徴L3.前記演算処理は複数種類の個別演算処理(ステップS902、ステップS903、ステップS906、ステップS909、ステップS912〜ステップS914)を含み、前記演算処理の各実行回においてそれら複数種類の個別演算処理が順次実行対象となる構成であり、
前記演算実行手段は、前記個別演算処理の実行途中において前記終了させる条件が成立したとしても当該個別演算処理の終了後に今回の前記演算処理を終了させることを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
特徴L3によれば、演算処理が途中で終了される場合であっても個別演算処理の途中で終了されることはないため、演算処理を途中から再開するための情報の設定処理の複雑化を抑えることが可能となる。
特徴L4.前記演算処理は定期的に実行条件が成立する定期処理(V割込み処理)の一部の処理として実行され、
前記演算実行手段は、前記演算処理の途中で前記終了条件として前記実行条件が成立することで、当該演算処理を途中で終了させることを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L4によれば、定期処理の定期的な実行を担保しながら、各演算用情報を利用した演算処理の実行を完了させることが可能となる。
特徴L5.前記演算実行手段は、前記所定の実行回において前記演算処理を途中で終了させた場合であっても優先事象(報知用の実行対象テーブルのセット)が発生している場合には、当該所定の実行回に対して次の実行回において、前記所定の実行回にて利用対象として設定された前記演算用情報を利用するのではなく、前記優先事象に対応する前記演算用情報を利用した前記演算処理を実行することを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L5によれば、途中で終了した演算処理にて演算用情報を利用した演算処理の再開よりも、優先事象に対応する演算用情報を利用した演算処理の実行が優先されるため、優先事象に対応する演算用情報を利用した演算処理の実行を遅延させないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴L6.前記演算実行手段を有する特定制御手段は、前記再実行手段による前記演算処理の再実行の設定が行われることとなる場合、再実行対応情報(遅延コマンド)を送信する再実行対応送信手段(表示CPU72におけるステップS611の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L6によれば、所定の実行回における演算処理が途中で終了されるとともにその次の実行回において当該演算処理が再度実行される場合には再実行対応情報が送信されるため、特定制御手段以外の動作を当該演算処理の再実行に対応させることが可能となる。
特徴L7.前記特定制御手段とは別に所定制御手段(音光側MPU62)を備え、
当該所定制御手段は、前記再実行対応情報を受信した場合、所定処理の実行内容を調整する処理調整手段(音光側MPU62における表示側コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L6に記載の遊技機。
特徴L7によれば、演算処理の再実行が行われる場合には所定制御手段における所定処理の実行内容が調整されるため、特定処理の処理内容と所定処理の処理内容とを対応させることが可能となる。
特徴L8.前記結果利用手段は、前記特定処理として、前記演算処理の演算結果を利用して特定演出実行手段(図柄表示装置41)における演出の実行制御を行い、
前記所定制御手段は、前記所定処理として、所定演出実行手段(表示発光部44、スピーカ部45)における演出の実行制御を行うことを特徴とする特徴L7に記載の遊技機。
特徴L8によれば、特定演出実行手段における演出の実行制御を行うために実行される演算処理において演算結果の導出が遅延した場合には、所定演出実行手段における演出の実行制御を行うために実行される所定処理の処理内容も調整されるため、各演出実行手段における演出の内容を相互に対応させることが可能となる。
特徴L9.前記結果利用手段は、前記所定の実行回において前記演算処理の途中で前記終了条件が成立して当該演算処理を途中で終了させた場合、当該所定の実行回よりも前の実行回における前記演算処理の演算結果を利用して前記特定処理を実行することを特徴とする特徴L1乃至L8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L9によれば、演算処理が途中で終了される場合にはその演算途中の内容を利用して特定処理が実行されるのではなく、それよりも前に完了している演算処理の演算結果を利用して特定処理が実行されるため、特定処理の実行内容が異常な内容となってしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴L1〜L9のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B6、特徴C1〜C8、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I7、特徴J1〜J2、特徴K1〜K6、特徴L1〜L9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴L群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUが実装されているとともに制御プログラムが記憶されたメモリ等の素子が実装された制御手段を備えており、その制御手段において演算処理が実行されることを通じて遊技を行わせることを可能とするための制御が行われている。なお、CPUやメモリが個別に制御手段に実装されているのではなく、それらが集積化された状態で制御手段に実装された構成も知られている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、制御手段における演算処理を好適に実行することが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、41…図柄表示装置、44…表示発光部、45…スピーカ部、62…音光側MPU、72…表示CPU、74…メモリモジュール、76…VDP、81…展開用バッファ、82…フレームバッファ、93…動画デコーダ、101…コマンド格納バッファ、121…単位エリア、122…ピクセル、131…表示CPU、133…メモリモジュール、135…VDP、142…フレームバッファ、151…ジオメトリ演算部、152…レンダリング部、169…座標演算用エリア、ABD1〜ABD50…ボーンデータ、AD1〜AD4…アニメーションデータ、BF1…描画用バッファ、BF2〜BF5…保存用バッファ、BG…地面画像、BGD…地面用オブジェクトデータ、BMD…ベース動画データ、BOD1〜BOD50…ボーンデータ、BSD…平面影用板状オブジェクトデータ、BST1…第1平面影用テクスチャデータ、BST2…第2平面影用テクスチャデータ、BTD1…テクスチャデータ、BTD2…集合用テクスチャデータ、CD1〜CD3…コマンドデータ、CH1…色替え演出用キャラクタ、CH2…エフェクト演出用キャラクタ、CH8…ループ演出用Aキャラクタ、CH9…ループ演出用Bキャラクタ、CH10…ボーン表示用キャラクタ、CH11…演出用キャラクタ、CH12…影画像、CH13…演出用キャラクタ、CH14…影画像、CH15…演出用キャラクタ、CH16〜CH18…図柄表示部、CHG1〜CHG5…集合単位キャラクタ、CR…色替え対象領域、ED5…通常エフェクト用画像データ、ED6…簡易エフェクト用画像データ、EG2…エフェクト画像、EG6…増加時用エフェクト画像、FRD1…骨格データ、FRD2…集合用骨格データ、GSD…背景用板状オブジェクトデータ、GTD1…背景用テクスチャデータ、GTD2,GTD3…屈折用テクスチャデータ、P…表示面、PD1〜PD3…パーツ画像データ、SG…階段画像、SGD…階段用オブジェクトデータ、SKD1…皮膚データ、SKD2…集合用皮膚データ、SSD…段差影用板状オブジェクトデータ。

Claims (1)

  1. 表示部を有する表示手段と、
    データ生成手段によって生成された生成データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段と、
    を備え、
    前記データ生成手段は、
    前記生成データを生成するために用いられる制御情報を導出する情報導出手段と、
    当該情報導出手段により導出された前記制御情報を、当該制御情報の適用対象となる個別画像に対応させて設定されたデータであって動きの基準となるデータである基準データに適用する情報適用手段と、
    を備え、
    前記基準データは複数の単位基準データを有し、前記情報適用手段によりそれら複数の単位基準データに前記制御情報が適用されることでそれら複数の単位基準データの相対的な位置関係が変更されることにより当該基準データに対応する個別画像の表示態様が変更される構成であり、
    前記情報導出手段は、
    導出用記憶手段を導出前状態に設定する導出前設定手段と、
    前記導出前状態に設定された前記導出用記憶手段を利用して前記制御情報を導出する導出実行手段と、
    を備え、
    前記導出前設定手段による前記導出前状態への設定は、一の画像の更新タイミングにおける前記生成データを生成するために複数回実行され得る構成であり、
    前記導出実行手段は、
    前記導出前設定手段により前記導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、所定種類の個別画像に対応した前記制御情報を導出する第1対応導出手段と、
    前記導出前設定手段により前記導出前状態の設定が行われた後であって当該導出前状態の設定が新たに行われる前に、複数種類の個別画像に対応した前記制御情報を導出する第2対応導出手段と、
    を備え
    前記所定種類の個別画像に対応する前記単位基準データの個数は所定個数であり、当該単位基準データは1個の前記基準データに設定されており、
    前記複数種類の個別画像に対応する前記単位基準データの合計個数は前記所定個数以下であり、当該単位基準データは1個の前記基準データに集約させて設定されていることを特徴とする遊技機。
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