JP6446796B2 - 保護部材および腕時計 - Google Patents

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Description

この発明は、人体に装着して使用する計時装置に用いられる保護部材およびそれを備えた腕時計に関する。
例えば、腕時計においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースの外面に保護部材の金属線を取り付け、この金属線に設けられた保護部材の緩衝部を腕時計ケースの時計ガラス上に配置することにより、時計ガラスを衝撃から保護するように構成されたものが知られている。
特開2002−228772号公報
このような保護部材は、2つに分割されて形成され、時計バンドがそれぞれ取り付けられる12時側と6時側とに個別に取り付けられるように構成されている。このため、保護部材を腕時計ケースから取り外す際には、時計バンドを腕時計ケースから取り外さなければ、保護部材を腕時計ケースから取り外すことができないという問題がある。
そこで、このような問題を解消するために、腕時計ケースの裏面側に位置する保護部材の金属線を3時側と9時側とに配置し、腕時計ケースの表面側に位置する金属線と腕時計ケースの裏面側に位置する金属線とを連結して、1本の金属線で連続させて形成した構成のものも開発されている。
しかしながら、このような保護部材では、金属線が細ければ、変形し易いので、腕時計ケースに対して簡単にかつ容易に着脱することができるが、衝撃に対する保護性が確保できないという問題があり、また強度を確保するため金属線を太くすると、衝撃に対する保護性を確保することができても、腕時計ケースに対する着脱作業が煩雑で面倒になるという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、強度を確保しても、着脱作業が簡単にできる保護部材およびそれを備えた腕時計を提供することである。
この発明は、ケースの外面に取り付けられる保護部材であって、前記ケースの表面に互いに平行に配置される上辺部と、前記ケースの裏面に互いに平行に配置されて前記上辺部に対して直交する下辺部と、前記ケースの側面に配置され、かつ前記上辺部と前記下辺部との各両端を連結する側辺部と、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のいずれか又はそれらの中間が切り取られた箇所に弾性変形可能に設けられた弾性変形部と、を備え、前記弾性変形部は、弾力的に捩れ変形する捩れ変形部と、この捩れ変形部を捩れ変形させるレバー部とを有していることを特徴とする保護部材である。
この発明によれば、上辺部、下辺部、側辺部が弾性変形部を介して連続した構成であっても、弾性変形部を弾性変形させることができるので、上辺部、下辺部、側辺部の剛性を高めて強度を確保しても、ケースに対する着脱作業が簡単にできる。
この発明を適用した腕時計の第1実施形態を示した拡大正面図である。 図1に示された腕時計のA−A矢視における拡大断面図である。 図1に示された腕時計を3時側から見た拡大側面図である。 図1に示された腕時計を6時側から見た拡大側面図である。 図1に示された腕時計の保護部材を示した拡大斜視図である。 図4に示された腕時計ケースに取り付けられた保護部材の3時側の下辺部を腕時計ケースから取り外す状態を示した拡大側面図である。 この発明を適用した腕時計の第2実施形態を示した拡大正面図である。 図7に示された腕時計を3時側から見た拡大側面図である。 図7に示された腕時計を6時側から見た拡大側面図である。 図7に示された腕時計の保護部材を示した拡大斜視図である。 この発明を適用した腕時計の第3実施形態を示した拡大正面図である。 図11に示された腕時計を3時側から見た拡大側面図である。 図11に示された腕時計を6時側から見た拡大側面図である。 図11に示された腕時計を裏面側から見た拡大裏面図である。 図11に示された腕時計の保護部材を示した拡大斜視図である。
(第1実施形態)
以下、図1〜図6を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2とベゼル3とを備えている。ケース本体2は、硬質の合成樹脂からなり、その内部に金属製の補強部材2aが埋め込まれた構成になっている。ベゼル3は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなり、ケース本体2の外面にビス3a(図3参照)によって取り付けられている。
この腕時計ケース1の上部開口部、つまりケース本体2の上部開口部には、図2に示すように、時計ガラス4がパッキン4aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1の下部、つまりケース本体2の下部には、裏蓋5が防水リング5aを介して取り付けられている。この腕時計ケース1の内部、つまりケース本体2の内部には、時計モジュール6が設けられている。
また、この腕時計ケース1の3時側および9時側に位置する側面には、図1〜図4に示すように、スイッチ釦7がそれぞれ設けられている。これら各スイッチ部7は、その外周がベゼル3に設けられた保護部によって保護されている。この腕時計ケース1の12時側および6時側に位置する側面には、バンド取付部8がそれぞれ側方(図3では左右方向)に突出して設けられている。このバンド取付部8は、時計バンド9の端部9aが締結部材10によって取り付けられるように構成されている。
すなわち、このバンド取付部8は、図1、図3および図4に示すように、一対の取付突起部11を有している。時計バンド9は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなり、その端部9aがバンド取付部8の一対の取付突起部11間に配置されるように構成されている。締結部材10は、第1ねじ部12と第2ねじ部13とを備え、第1ねじ部12の雄ねじが第2ねじ部13の雌ねじに螺合するように構成されている。
これにより、締結部材10は、図1、図3および図4に示すように、時計バンド9の端部9aをバンド取付部8の一対の取付突起部11間に配置した状態で、一対の取付突起部11の両側から時計バンド9の端部9a内に第1ねじ部12と第2ねじ部13とを挿入させ、第1ねじ部12の雄ねじを第2ねじ部13の雌ねじに螺合させて締め付けることにより、時計バンド9の端部9aをバンド取付部8に取り付けるように構成されている。
ところで、腕時計ケース1の外面には、図1〜図4に示すように、保護部材14が取り付けられている。この保護部材14は、図5に示すように、1つの線状部材を環状に折り曲げた構成になっている。すなわち、この保護部材14は、腕時計ケース1の上面に位置する上辺部14aと、腕時計ケース1の下面に位置する下辺部14bと、腕時計ケース1の側面に位置する側辺部14cと、この側辺部14cに弾性変形可能に設けられた弾性変形部15と、を備えている。
この場合、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cは、図1、図3〜図5に示すように、金属線で形成されている。また、弾性変形部15は、後述するように、弾力を有する材料で形成されている。上辺部14aは、腕時計ケース1の上面における12時側と6時側とにそれぞれ互いに平行な状態で配置されるように構成されている。
これら上辺部14aのうち、12時側の上辺部14aは、図1、図3〜図5に示すように、1時と11時との間に配置され、6時側の上辺部14aは、5時と7時との間に配置されるように構成されている。これら各上辺部14aは、その各下面が時計ガラス4に接触することなく、時計ガラス4の上方に浮き上がった状態で、各上面部がベゼル3の上面よりも上方に突出するように構成されている。
下辺部14bは、図1、図3〜図5に示すように、腕時計ケース1の下面における3時側と9時側とにそれぞれ互いに平行な状態で配置されるように構成されている。これら各下辺部14bのうち、3時側の下辺部14bは、各上辺部14aに対して直交する状態で、1時と5時との間に配置されており、9時側の下辺部14bは、各上辺部14aに対して直交する状態で、7時と11時との間に配置されている。
側辺部14cは、図1、図3〜図5に示すように、腕時計ケース1のベゼル3の側面に設けられた各係合溝3b内にそれぞれ配置され、各上辺部14aと各下辺部14bとの各両端をそれぞれ連結するように構成されている。この場合、各係合溝3bは、スイッチ部7の外周を保護するベゼル3の保護部と腕時計ケース1のバンド取付部8との間に位置する個所に、ベゼル3の上面から側面の下端部に亘って形成されている。
これら各側辺部14cのうち、1時側に位置する側辺部14cは、図1、図3〜図5に示すように、12時側に位置する上辺部14aにおける1時側の端部と、3時側に位置する下辺部14bにおける1時側の端部とを連結するように構成されている。また、11時側に位置する側辺部14cは、12時側に位置する上辺部14aにおける11時側の端部と、9時側に位置する下辺部14bにおける11時側の端部とを連結するように構成されている。
同様に、5時側に位置する側辺部14cは、図1、図3〜図5に示すように、6時側に位置する上辺部14aにおける5時側の端部と、3時側に位置する下辺部14bにおける5時側の端部とを連結するように構成されている。さらに、7時側に位置する側辺部14cは、6時側に位置する上辺部14aにおける7時側の端部と、9時側に位置する下辺部14bにおける7時側の端部とを連結するように構成されている。
これら各側辺部14cは、図1、図3〜図5に示すように、それぞれ各中間部が切り取られ、この切り取られた個所に各弾性変形部15がそれぞれ形成された構成になっている。これら各弾性変形部15は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エラストマーなどの弾力を有する合成樹脂、または天然ゴムなどからなり、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cの金属線よりも太い線状に形成されている。
すなわち、これら各弾性変形部15は、図5に示すように、インサート成型によって各側辺部14cの各中間部の切り取られた個所に一体に形成されている。また、これら各弾性変形部15は、各側辺部14cと共に、腕時計ケース1のベゼル3の側面に設けられた各係合溝3b内にそれぞれ配置されるように構成されている。
これにより、各弾性変形部15は、図5に示すように、各側辺部14cの各中間部の切り取られた個所をそれぞれ伸縮自在に連結するように構成されている。すなわち、これら弾性変形部15は、図1、図3、図4に示すように、ベゼル3の各係合溝3b内にそれぞれ配置された際に、それぞれ元の自然な形状に収縮するように構成されている。
このため、各弾性変形部15は、図1、図3、図4に示すように、各側辺部14cの各中間部の切り取られた個所を収縮変形によって互いに引き寄せて、各上辺部14aを腕時計ケース1の上面に押し付けると共に、各下辺部14bを腕時計ケース1の下面に押し付けるように構成されている。
また、これら各弾性変形部15は、図1〜図4に示すように、ベゼル3の各係合溝3b内にそれぞれ配置された状態で、各下辺部14bを腕時計ケース1の下側に引き下げると、それぞれ弾力的に伸びるように構成されている。このため、各弾性変形部15は、弾力的に伸びた際に、各下辺部14bを腕時計ケース1の下面から離脱させ、この状態でそれぞれ弾力的に屈曲することにより、保護部材14を腕時計ケース1から取り外せるように構成されている。
これにより、保護部材14は、図1〜図4に示すように、各上辺部14aが腕時計ケース1の12時側と6時側とに位置する各上面にそれぞれ配置され、各下辺部14bが腕時計ケース1の3時側と9時側とに位置する各下面にそれぞれ配置され、各側辺部14cが腕時計ケース1の側面であるベゼル3の各係合溝3bに各弾性変形部15と共にそれぞれ配置され、この状態で腕時計ケース1に取り付けられるように構成されている。
この場合、保護部材14は、図1〜図4に示すように、各弾性変形部15が元の自然な形状に収縮することにより、各上辺部14aを腕時計ケース1の上面に押し付け、各下辺部14bを腕時計ケース1の下面に押し付け、各上辺部14aと各下辺部14bとが腕時計ケース1を弾力的に挟み付けた状態で、腕時計ケース1に取り付けられるように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
この腕時計を組み立てる場合には、まず、腕時計ケース1のケース本体2の上部開口部に時計ガラス4を取り付け、このケース本体2内に時計モジュール6を組み付ける。この状態でケース本体1の外面にベゼル3をビス3aによって取り付ける。そして、腕時計ケース1の3時側および9時側に複数のスイッチ釦7を取り付けた後、腕時計ケース1のケース本体2の下面に裏蓋5を取り付ける。
この後、腕時計ケース1の一対のバンド取付部8にそれぞれ時計バンド9を取り付ける。このときには、時計バンド9の端部9aをバンド取付部8の一対の取付突起部11間に配置する。この状態で、締結部材10の第1ねじ部12を一方の取付突起部11側から時計バンド9の端部9aに挿入すると共に、第2ねじ部13を他方の取付突起部11側から時計バンド9の端部9aに挿入する。
この状態で、第1ねじ部12を第2ねじ部13に押し付けながら、第1ねじ部12の雄ねじを第2ねじ部13の雌ねじ13cに螺合させて締め付ける。これにより、第1ねじ部12と第2ねじ部13とによって、時計バンド9の端部9aが腕時計ケース1のバンド取付部8に取り付けられる。
次に、このように組み立てられた腕時計ケース1に保護部材14を取り付ける場合について説明する。
この場合には、まず、保護部材14の各下辺部14bのうち、一方の下辺部14bを例えば腕時計ケース1の9時側の下面に配置させた状態で、この下辺部14bの両端に位置する各側辺部14cを各弾性変形部15と共に、腕時計ケース1のベゼル3における7時と11時とに位置する各係合溝3bに対応させ、各上辺部14aを腕時計ケース1の12時側と6時側との上方に傾斜させて対応させる。
この状態では、保護部材14の各下辺部14bのうち、他方の下辺部14bが腕時計ケース1の3時側の上面に位置する。このため、この他方の下辺部14bを腕時計ケース1の3時側の側面に向けて押し下げる。すると、各側辺部14cに設けられた各弾性変形部15がそれぞれ弾力的に屈曲変形しながら伸びる。これにより、他方の下辺部14bが腕時計ケース1の3時側の側面を乗り越えて、腕時計ケース1の3時側の下面に配置される。
このときには、一方の下辺部14bが腕時計ケース1の9時側の下面に配置された状態で、9時側に位置する各側辺部14cがベゼル3の7時と11時とに位置する各係合溝3bに各弾性変形部15と共に係合し、各上辺部14aが腕時計ケース1の12時側と6時側とに位置する各上面に接触することなく配置される。また、このときには、3時側に位置する各側辺部14cがベゼル3の1時と5時とに位置する各係合溝3bに各弾性変形部15と共に係合し、3時側の下辺部14bが腕時計ケース1の3時側の下面に配置される。
これにより、保護部材14が腕時計ケース1に取り付けられる。この状態では、各弾性変形部15がそれぞれ元の自然な形状に収縮することにより、各側辺部14cの各中間部の切り取られた個所を互いに引き寄せる。このため、各上辺部14aと各下辺部14bとが互いに引き寄せられ、各上辺部14aが各弾性変形部15の収縮力によって腕時計ケース1の上面に押し付けられ、各下辺部14bが各弾性変形部15の収縮力によって腕時計ケース1の下面に押し付けられる。
一方、腕時計ケース1から保護部材14を取り外す場合には、保護部材14の各下辺部14bのうち、例えば3時側に位置する一方の下辺部14bを腕時計ケース1の下側に引き下げる。すると、3時側に位置する下辺部14bの両端に位置する各弾性変形部15がそれぞれ弾力的に伸びる。この状態で、3時側に位置する下辺部14bを腕時計ケース1の3時側の側面に押し上げる。
このときには、図6に示すように、各弾性変形部15がそれぞれ弾力的に伸びた状態で屈曲変形することにより、3時側に位置する下辺部14bが腕時計ケース1の3時側の側面を下側から上側に向けて乗り越える。これにより、3時側に位置する下辺部14bが腕時計ケース1の上方に離脱する。この状態で、9時側に位置する下辺部14bを腕時計ケース1の側方に離脱させることにより、保護部材14を腕時計ケース1から取り外すことができる。
この場合には、腕時計ケース1のバンド取付部8から時計バンド9を取り外す必要がなく、腕時計ケース1のバンド取付部8に時計バンド9を取り付けた状態で、保護部材14を腕時計ケース1から取り外すことができる。このため、ドライバなどの工具を用いる必要がなく、簡単にかつ容易に指先で保護部材14を腕時計ケース1から取り外すことができると共に、保護部材14を腕時計ケース1に簡単に取り付けることができる。
このように、この腕時計の保護部材14によれば、腕時計ケース1の上面に互いに平行に配置される上辺部14aと、腕時計ケース1の下面に互いに平行に配置されて上辺部14aに対して直交する下辺部14bと、腕時計ケース1の側面に配置され、かつ上辺部14aと下辺部14bとの各両端を連結する側辺部14cと、この側辺部14cに弾性変形可能に設けられた弾性変形部15と、を備えていることにより、強度を確保しても、着脱作業が簡単にできる。
すなわち、この腕時計の保護部材14では、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cが弾性変形部15を介して連続した構成であっても、側辺部14cに設けられた弾性変形部15を弾性変形させることができる。このため、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cを金属線で形成し、その金属線を太くして、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cの剛性を高めて強度を確保しても、腕時計ケース1に対する着脱作業が簡単にできる。
この場合、弾性変形部15は、弾力を有する合成樹脂で伸縮自在に形成されていることにより、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cを線径の太い金属線で形成して、強度を高めても、保護部材14全体の形状を弾性変形部15によって自由に変形させることができる。このため、腕時計ケース1に時計バンド9を取り付けた状態においても、保護部材14を腕時計ケース1の外面に簡単にかつ容易に取り付けることができると共に、腕時計ケース1の外面にから簡単にかつ容易に取り外すことができる。
また、この弾性変形部15は、腕時計ケース1の側面に配置され、かつ上辺部14aと下辺部14bとの各両端を連結する各側辺部14cに設けられていることにより、保護部材14を腕時計ケース1に着脱する際に、弾性変形部15を伸縮自在に屈曲させて、下辺部14bを腕時計ケース1の外方に押し広げることができるので、保護部材14を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができる。
このため、腕時計ケース1から時計バンド9を取り外したり、腕時計を分解したりする必要がなく、保護部材14を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができるので、修理や点検などのアフターサービスの作業を向上させることができるほか、ユーザが自分の好みに応じて、自由に保護部材14を交換することができる。
この場合、弾性変形部15は、側辺部14cの中間部が切り取られた箇所に、インサート成形によって形成されていることにより、側辺部14cの中間部が切り取られていても、この切り取られた側辺部14cの個所を弾性変形部15で確実に連結することができ、これにより側辺部14cの中間部を伸縮自在に屈曲させることができるので、保護部材14を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができる。
また、保護部材14を腕時計ケース1に取り付けた状態で、上辺部14aが衝撃を受けた際には、その衝撃を弾性変形部15によっても緩衝することができる。また、腕時計ケース1を腕に装着して使用する際に、腕時計ケース1と腕との間に保護部材14の下辺部14bを配置することができるので、使用時に保護部材14が腕時計ケース1から不用意に外れないようにすることができる。
なお、上述した第1実施形態では、弾性変形部15を側辺部14cに設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば上辺部14aに弾性変形部15を設けても良く、また下辺部14bに弾性変形部15を設けても良く、またこれらに限らず、上辺部14a、下辺部14b、側辺部14cのすべてに弾性変形部15を設けても良い。
(第2実施形態)
次に、図7〜図10を参照して、この発明を適用した腕時計の第2実施形態について説明する。なお、図1〜図6に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図7に示すように、腕時計ケース1の外面に取り付けられる保護部材20の上辺部20aに弾性変形部であるばね部21を設けた構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
この場合にも、保護部材20は、図7〜図10に示すように、1つの線状部材を環状に折り曲げた構成になっている。すなわち、この保護部材20は、腕時計ケース1の上面に位置する上辺部20aと、腕時計ケース1の下面に位置する下辺部20bと、腕時計ケース1の側面に位置する側辺部20cと、上辺部20aに設けられて弾性変形するばね部21と、を備えている。
上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cは、第1実施形態と同様、線径の太い金属線で形成されている。ばね部21は、図7〜図10に示すように、伸縮自在なコイルばねであり、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cの金属線と同じ太さの金属線で形成しても良く、またその金属線の一部を細く形成し、この細く形成された部分の金属線をコイル状に形成した構成であっても良い。
この場合、上辺部20aは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1の12時側と6時側とに互いに平行な状態でそれぞれ配置されるように構成されている。また、下辺部20bは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1の3時側と9時側とに互いに平行な状態で上辺部20aに対して直交する状態で配置されるように構成されている。側辺部20cは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1のベゼル3の側面に設けられた各係合溝3b内にそれぞれ配置され、各上辺部20aと各下辺部20bの各両端をそれぞれ連結するように構成されている。
ところで、各上辺部20aは、図7〜図10に示すように、その両端部を残して、中間部が切り取られ、この切り取られた中間部にばね部21がそれぞれ設けられている。すなわち、これら各ばね部21は、図7に示すように、各上辺部20aの両端部から各上辺部20aが切り取られた中間部に向けてそれぞれコイル状に形成され、このコイル状の端部同士が中間点において溶接やロー付けによって固着され、この状態で各上辺部20aの両端部にそれぞれ取り付けられるように構成されている。
この場合、各ばね部21のうち、12時側に位置するばね部21は、図7および図10に示すように、その一端部が1時側に位置する上辺部20aの一端部に連結され、他端部が11時側に位置する上辺部20aの他端部に連結されるように形成されている。また、6時側に位置するばね部21は、その一端部が5時側に位置する上辺部20aの一端部に連結され、他端部が7時側に位置する上辺部20aの他端部に連結されるように形成されている。
これにより、各ばね部21は、図7〜図10に示すように、各上辺部20aの各両端部をそれぞれ伸縮自在に連結するように構成されている。すなわち、これらばね部21は、元の自然な形状に収縮することにより、各上辺部20aの両側に位置する各側辺部20cを互いに引き寄せて、ベゼル3の各係合溝3b内にそれぞれ押し付けて配置するように構成されている。
また、これら各ばね部21は、図7〜図9に示すように、各側辺部20cがベゼル3の各係合溝3b内にそれぞれ配置された状態で、各下辺部14bを腕時計ケース1の下側から外部側方に向けて引っ張ると、それぞれ弾力的に伸びることにより、各下辺部14bを腕時計ケース1の下面から離脱させて、保護部材14を腕時計ケース1から取り外せるように構成されている。
これにより、保護部材20は、図7〜図9に示すように、各上辺部20aが各ばね部21と共に腕時計ケース1の12時側と6時側とに位置する各上面にそれぞれ配置され、各下辺部20bが腕時計ケース1の3時側と9時側とに位置する各下面にそれぞれ配置され、各側辺部20cがベゼル3の各係合溝3bにそれぞれ配置され、この状態で腕時計ケース1に取り付けられるように構成されている。
この場合、保護部材20は、図7〜図9に示すように、各ばね部21のばね力によって、各側辺部20cが腕時計ケース1の側面に両側から弾力的に押し付けられることにより、各側辺部20cが腕時計ケース1の側面を両側から挟み付け、この状態で腕時計ケース1に取り付けられるように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
この場合には、第1実施形態と同様に、予め、腕時計を組み立て、腕時計ケース1のバンド取付部8に時計バンド9の端部9aを取り付ける。この状態で、腕時計ケース1に保護部材20を取り付ける。
このときには、保護部材20の各下辺部20bのうち、一方の下辺部20bを例えば腕時計ケース1の9時側の下面に配置させる。この9時側の下辺部20bの両端に位置する各側辺部20cを腕時計ケース1のベゼル3における7時と11時とに位置する各係合溝3bに対応させ、各上辺部20aをばね部21と共に腕時計ケース1の12時側と6時側との上方に傾斜させて対応させる。
この状態で、3時側の下辺部20bを各上辺部20aの各ばね部21のばね力に抗して腕時計ケース1の3時側の外部側方に向けて指先で引っ張りながら、腕時計ケース1の3時側の下側に移動させ、この3時側の下辺部20bの両端に位置する各側辺部20cを腕時計ケース1のベゼル3における1時と5時とに位置する各係合溝3bに対応させる。
そして、3時側の下辺部20bから指先を離すと、3時側の下辺部20bが各上辺部20aの各ばね部21のばね力によって腕時計ケース1の3時側の下面に引き寄せられる。すると、3時側に位置する各側辺部20cがベゼル3における1時と5時とに位置する各係合溝3bに係合し、3時側の下辺部20bが腕時計ケース1の3時側の下面に配置される。これにより、腕時計ケース1に保護部材20が取り付けられる。
一方、腕時計ケース1から保護部材20を取り外す場合には、保護部材20の各下辺部20bのうち、例えば3時側に位置する一方の下辺部20bを各上辺部20aの各ばね部21のばね力に抗して腕時計ケース1の3時側の外部側方に向けて引っ張る。すると、各上辺部20aの各ばね部21が弾力的に伸びて、3時側に位置する下辺部20bが腕時計ケース1の3時側の外部側方に移動する。
この状態で、3時側に位置する下辺部14bを腕時計ケース1の3時側の側面の下側から上側に向けて移動させる。すると、3時側に位置する下辺部14bが腕時計ケース1の上方に離脱する。この状態で、9時側に位置する下辺部14bを腕時計ケース1の側方に離脱させることにより、保護部材14を腕時計ケース1から取り外すことができる。
この場合にも、第1実施形態と同様、腕時計ケース1のバンド取付部8から時計バンド9を取り外す必要がなく、腕時計ケース1のバンド取付部8に時計バンド9を取り付けた状態で、保護部材20を腕時計ケース1から取り外すことができる。このため、ドライバなどの工具を用いる必要がなく、指先で簡単にかつ容易に保護部材20を腕時計ケース1から取り外すことができると共に、保護部材20を腕時計ケース1に簡単に取り付けることができる。
このように、この腕時計の保護部材20によれば、腕時計ケース1の上面に互いに平行に配置される上辺部20aと、腕時計ケース1の下面に互いに平行に配置されて上辺部20aに対して直交する下辺部20bと、腕時計ケース1の側面に配置され、かつ上辺部20aと下辺部20bとの各両端を連結する側辺部20cと、上辺部20aに弾性変形可能に設けられた弾性変形部であるばね部21と、を備えていることにより、第1実施形態と同様、強度を確保しても、着脱作業が簡単にできる。
すなわち、この腕時計の保護部材20では、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cがばね部21を介して連続した構成であっても、上辺部20aに設けられたばね部21を弾性変形させることができる。このため、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cを金属線で形成し、その金属線を太くして、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cの剛性を高めて強度を確保しても、第1実施形態と同様、腕時計ケース1に対する着脱作業が簡単にできる。
この場合、弾性変形部であるばね部21は、伸縮自在に弾性変形するコイルばねであることにより、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cを線径の太い金属線で形成して、強度を高くしても、保護部材20全体をばね部21によって自由に変形させることができる。このため、腕時計ケース1に時計バンド9を取り付けた状態においても、保護部材20を腕時計ケース1の外面に簡単にかつ容易に取り付けることができると共に、腕時計ケース1の外面にから簡単にかつ容易に取り外すことができる。
また、このばね部21は、腕時計ケース1の上面に配置される上辺部20aに設けられていることにより、保護部材20を腕時計ケース1に着脱する際に、ばね部21をそのばね力に抗して伸縮自在に引き伸ばして、下辺部20bを腕時計ケース1の外方に押し広げることができるので、保護部材20を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができる。
このため、第1実施形態と同様、腕時計ケース1から時計バンド9を取り外したり、腕時計を分解したりする必要がなく、保護部材20を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができるので、修理や点検などのアフターサービスの作業を向上させることができるほか、ユーザが自分の好みに応じて、自由に保護部材20を交換することができる。
また、この保護部材20においても、腕時計ケース1を腕に装着して使用する際に、第1実施形態と同様、腕時計ケース1と腕との間に保護部材20の下辺部20bを配置することができるので、使用時に保護部材20が腕時計ケース1から不用意に外れないようにすることができる。
なお、上述した第2実施形態では、弾性変形部であるばね部21を上辺部20aに設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば下辺部20bにばね部21を設けても良く、また側辺部20cにばね部21を設けても良く、またこれらに限らず、上辺部20a、下辺部20b、側辺部20cのすべてにばね部21を設けても良い。
(第3実施形態)
次に、図11〜図15を参照して、この発明を適用した腕時計の第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図6に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図11〜図15に示すように、腕時計ケース1の外面に取り付けられる保護部材25の下辺部25bに弾性変形部26を設けた構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
この場合にも、保護部材25は、図11〜図15に示すように、1つの線状部材を環状に折り曲げた構成になっている。すなわち、この保護部材25も、腕時計ケース1の上面に位置する上辺部25aと、腕時計ケース1の下面に位置する下辺部25bと、腕時計ケース1の側面に位置する側辺部25cと、下辺部25bに設けられた弾性変形部26と、を備えている。
上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cは、第1実施形態と同様、線径の太い金属線で形成されている。弾性変形部26は、図14および図15に示すように、上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cと同じ金属線で、弾力的に捩れ変形するように構成されている。この場合、上辺部25aは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1の12時側と6時側とに互いに平行な状態でそれぞれ配置されるように構成されている。
また、下辺部25bは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1の3時側と9時側とに互いに平行な状態で上辺部25aに対して直交する状態で配置されるように構成されている。さらに、側辺部25cは、第1実施形態と同様、腕時計ケース1のベゼル3の側面に設けられた各係合溝3b内にそれぞれ配置され、各上辺部25aと各下辺部25bの各両端をそれぞれ連結するように構成されている。
ところで、弾性変形部26は、図14および図15に示すように、各下辺部25bのうち、例えば3時側に位置する下辺部25bの中間部を裏蓋5の下面の中央部に向けて折り曲げた構成になっている。すなわち、この弾性変形部26は、弾力的に捩れ変形する捩れ変形部27と、この捩れ変形部27を捩れ変形させるレバー部28とを有している。
捩れ変形部27は、図14および図15に示すように、下辺部25bが中間部に向けて延びる一方の端部が裏蓋5の下面の中央部に向けてほぼ直角に折り曲げられて捩れ変形する角部27aと、下辺部25bが中間部に向けて延びる他方の端部が裏蓋5の下面の中央部に向けてほぼ直角に折り曲げられて捩れ変形する角部27bと、を有している。レバー部28は、各角部27a、27bから裏蓋5の下面の中央部に向けて延び、この延びた各先端が連結された構成になっている。
これにより、弾性変形部26は、図14に示すように、保護部材25が腕時計ケース1に取りけられた際に、捩れ変形部27とレバー部28とが腕時計ケース1の下面側に配置され、この状態で捩れ変形部27の各角部27a、27bが元の自然な形状に捩れ変形してレバー部28を裏蓋5の下面に弾力的に押し付けるように構成されている。
このため、この弾性変形部26は、図14に示すように、捩れ変形部27の捩れ変形に伴ってレバー部28が裏蓋5の下面に弾力的に押し付けられることにより、各上辺部25aが腕時計ケース1の上面に押し付けられて、腕時計ケース1を各上辺部25aとレバー部28とで弾力的に挟み付けるように構成されている。
また、この弾性変形部26は、図14に示すように、保護部材25が腕時計ケース1に取りけられて、レバー部28が裏蓋5の下面に弾力的に押し付けられた状態で、レバー部28を指先で下側(図14では紙面の表面側)に引き下げると、捩れ変形部27の各角部27a、27bがそれぞれ弾力的に捩れ変形するように構成されている。
これにより、この弾性変形部26は、図14に示すように、捩れ変形部27が弾力的に捩れ変形する際に、この捩れ変形部27の捩れ変形に伴って、3時側の下辺部25bを腕時計ケース1の下側から側面に移動させ、この3時側の下辺部25bを腕時計ケース1の側面から離脱させて、保護部材25を腕時計ケース1から取り外せるように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
この場合にも、第1実施形態と同様に、予め、腕時計を組み立て、腕時計ケース1のバンド取付部8に時計バンド9の端部9aを取り付ける。この状態で、腕時計ケース1に保護部材25を取り付ける。
このときには、まず、保護部材25の各下辺部25bのうち、一方の下辺部25bを例えば腕時計ケース1の9時側の下面に配置させる。そして、この9時側の下辺部25bの両端に位置する各側辺部25cを腕時計ケース1のベゼル3における7時と11時とに位置する各係合溝3bに対応させ、各上辺部25aを腕時計ケース1の12時側と6時側との上方に傾斜させて対応させる。
この状態で、3時側の下辺部23bに設けられた弾性変形部26の捩れ変形部27の各角部27a、27bを中心に、弾性変形部26のレバー部28を指先で下側に向けて回転させる。すると、捩れ変形部27の各角部27a、27bがそれぞれ弾力的に捩れ変形しながら、レバー部28および3時側の下辺部25bを腕時計ケース1の上側から側面に移動させる。
そして、この移動した3時側の下辺部25bが腕時計ケース1の側面から下側に配置される。この状態で、レバー部28から指先を離すと、捩れ変形部27の各角部27a、27bが元の自然な形状に捩れ変形して、レバー部28を裏蓋5の下面に弾力的に押し付ける。このときには、3時側の下辺部25bの両端に位置する各側辺部25cが腕時計ケース1のベゼル3における1時と5時とに位置する各係合溝3bに係合する。
この状態では、レバー部28が裏蓋5の下面に弾力的に押し付けられるので、各上辺部25aが腕時計ケース1の上面に押し付けられる。このため、各上辺部25aとレバー部28とが腕時計ケース1を弾力的に挟み付ける。これにより、腕時計ケース1に保護部材25が取り付けられる。
一方、腕時計ケース1から保護部材25を取り外す場合には、保護部材25の各下辺部25bのうち、例えば3時側に位置する一方の下辺部25bに設けられた弾性変形部26の捩れ変形部27の各角部27a、27bを中心に、弾性変形部26のレバー部28を指先で腕時計ケース1の下側に向けて回転させて押し下げる。
すると、捩れ変形部27の各角部27a、27bがそれぞれ弾力的に捩れ変形しながら、3時側の下辺部25bが腕時計ケース1の下側から側面に移動すると共に、この側面から腕時計ケース1の上方に離脱する。この状態で、9時側に位置する下辺部25bを腕時計ケース1の側方に離脱させることにより、保護部材25を腕時計ケース1から取り外すことができる。
この場合にも、第1実施形態と同様、腕時計ケース1のバンド取付部8から時計バンド9を取り外す必要がなく、腕時計ケース1のバンド取付部8に時計バンド9を取り付けた状態で、保護部材25を腕時計ケース1から取り外すことができる。このため、ドライバなどの工具を用いる必要がなく、簡単にかつ容易に保護部材25を腕時計ケース1から取り外すことができると共に、保護部材25を腕時計ケース1に簡単に取り付けることができる。
このように、この腕時計の保護部材25によれば、腕時計ケース1の上面に互いに平行に配置される上辺部25aと、腕時計ケース1の下面に互いに平行に配置されて上辺部25aに対して直交する下辺部25bと、腕時計ケース1の側面に配置され、かつ上辺部25aと下辺部25bとの各両端を連結する側辺部25cと、下辺部25bに捩れ変形可能に設けられた弾性変形部26と、を備えていることにより、第1実施形態と同様、強度を確保しても、着脱作業が簡単にできる。
すなわち、この腕時計の保護部材25では、上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cが弾性変形部26を介して連続した構成であっても、下辺部25bに設けられた弾性変形部26を弾力的に捩れ変形させることができる。このため、上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cを金属線で形成し、その金属線を太くして、上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cの剛性を高めて強度を確保しても、第1実施形態と同様、腕時計ケース1に対する着脱作業が簡単にできる。
この場合、弾性変形部26は、弾力的に捩れ変形する捩れ変形部27と、この捩れ変形部26aを捩れ変形させるレバー部28とを有していることにより、上辺部25a、下辺部25b、側辺部25cを線径の太い金属線で形成して、強度を高めても、弾性変形部26を弾力的に捩れ変形させることができる。このため、腕時計ケース1に時計バンド9を取り付けた状態においても、保護部材25を腕時計ケース1の外面に簡単にかつ容易に取り付けることができると共に、腕時計ケース1の外面にから簡単にかつ容易に取り外すことができる。
すなわち、弾性変形部26の捩れ変形部27は、下辺部25bが中間部に向けて延びる一方の端部が裏蓋5の下面の中央部に向けてほぼ直角に折り曲げられて捩れ変形する角部27aと、下辺部25bが中間部に向けて延びる他方の端部が裏蓋5の下面の中央部に向けてほぼ直角に折り曲げられて捩れ変形する角部27bと、を有し、レバー部28は、各角部27a、27bから裏蓋5の下面の中央部に向けて延び、この延びた各先端が連結された構成であることにより、レバー部28によって捩れ変形部27を容易に捩れ変形させることができる。
このため、この弾性変形部26は、保護部材25が腕時計ケース1に取りけられた際に、捩れ変形部27とレバー部28とが腕時計ケース1の下面側に配置され、この状態で捩れ変形部27の各角部27a、27bが元の自然な形状に捩れ変形してレバー部28を裏蓋5の下面に弾力的に押し付けることができる。これにより、各上辺部25aを腕時計ケース1の上面に押し付けて、腕時計ケース1を各上辺部25aとレバー部28とで弾力的に挟み付けることができるので、保護部材25を腕時計ケース1に確実にかつ良好に取り付けることができる。
また、この弾性変形部26は、腕時計ケース1の下面に配置される下辺部25bに設けられていることにより、保護部材25を腕時計ケース1に着脱する際に、レバー部28によって捩れ変形部27の各角部27a、27bを弾力的に捩れ変形させて、下辺部25bを腕時計ケース1の外方に向けて押し広げることができるので、保護部材25を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができる。
このため、腕時計ケース1を腕に装着して使用する際に、第1実施形態と同様、腕時計ケース1と腕との間に保護部材25の下辺部25bおよび弾性変形部26を配置することができるので、使用時に保護部材25が腕時計ケース1から不用意に外れないようにすることができる。
また、この保護部材25においても、第1実施形態と同様、腕時計ケース1から時計バンド9を取り外したり、腕時計を分解したりする必要がなく、保護部材25を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に着脱することができるので、修理や点検などのアフターサービスの作業を向上させることができるほか、ユーザが自分の好みに応じて、自由に保護部材25を交換することができる。
なお、上述した第3実施形態では、弾性変形部26を下辺部25bに設け、上辺部25aおよび側辺部25cを金属線で形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば第1実施形態のように、側辺部25cに弾性変形可能な弾性変形部15を設けた状態で、下辺部25bに弾性変形部26を設けた構成でも良く、また第2実施形態のように、上辺部25aにばね部21を設けた状態で、下辺部25bに弾性変形部26を設けた構成でも良い。
また、上述した第1〜第3の各実施形態およびその各変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、これに限らず、例えば腕などの人体に装着して使用する計時装置などの腕装着型の電子機器にも適用することができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、ケースの外面に取り付けられる保護部材であって、前記ケースの表面に互いに平行に配置される上辺部と、前記ケースの裏面に互いに平行に配置されて前記上辺部に対して直交する下辺部と、前記ケースの側面に配置され、かつ前記上辺部と前記下辺部との各両端を連結する側辺部と、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のいずれかに弾性変形可能に設けられた弾性変形部と、を備えていることを特徴とする保護部材である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、弾力を有する合成樹脂で伸縮自在に形成されていることを特徴とする保護部材である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のうち、少なくとも前記側辺部に設けられていることを特徴とする保護部材である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、伸縮自在なばね部材であることを特徴とする保護部材である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の保護部材において、前記ばね部材は、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のうち、少なくとも前記上辺部に設けられていることを特徴とする保護部材である。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、弾力的に捩れ変形する捩れ変形部と、この捩れ変形部を捩れ変形させるレバー部とを有していることを特徴とする保護部材である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、前記下辺部に設けられていることを特徴とする保護部材である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載された保護部材を備えていることを特徴とする腕時計である。
1 腕時計ケース
2 ケース本体
3 ベゼル
3a 係合溝
4 時計ガラス
5 裏蓋
8 バンド取付部
9 時計バンド
14、20、25 保護部材
14a、20a、25a 上辺部
14b、20b、25b 下辺部
14c、20c、25c 側辺部
15、26 弾性変形部
21 ばね部
27 捩れ変形部
27a、27b 角部
28 レバー部

Claims (8)

  1. ケースの外面に取り付けられる保護部材であって、
    前記ケースの表面に互いに平行に配置される上辺部と、前記ケースの裏面に互いに平行に配置されて前記上辺部に対して直交する下辺部と、前記ケースの側面に配置され、かつ前記上辺部と前記下辺部との各両端を連結する側辺部と、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のいずれか又はそれらの中間が切り取られた箇所に弾性変形可能に設けられた弾性変形部と、を備え
    前記弾性変形部は、弾力的に捩れ変形する捩れ変形部と、この捩れ変形部を捩れ変形させるレバー部とを有していることを特徴とする保護部材。
  2. 請求項1に記載の保護部材において、前記ケースは、ケース本体と前記ケース本体の外面に取り付けられたベゼルを備え、
    前記弾性変形部は、前記ベゼルの側面に配置されることを特徴とする保護部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、弾力を有する合成樹脂で伸縮自在に形成されていることを特徴とする保護部材。
  4. 請求項3に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のうち、少なくとも前記側辺部に設けられていることを特徴とする保護部材。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、伸縮自在なばね部材であることを特徴とする保護部材。
  6. 請求項5に記載の保護部材において、前記ばね部材は、前記上辺部、前記下辺部、前記側辺部のうち、少なくとも前記上辺部に設けられていることを特徴とする保護部材。
  7. 請求項に記載の保護部材において、前記弾性変形部は、前記下辺部に設けられていることを特徴とする保護部材。
  8. 請求項1〜請求項のいずれかに記載された保護部材を備えていることを特徴とする腕時計。
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