(第1実施形態)
以下、図1〜図7を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2とベゼル3とを有している。ケース本体2は、硬質の合成樹脂に金属の補強部材2aをインサート成型によって形成した構成になっている。ベゼル3は、ウレタン樹脂などの合成樹脂からなり、ケース本体2の外周面にこれを覆うように設けられている。
この腕時計ケース1の上部開口部、つまりケース本体2の上部開口部には、図1および図2に示すように、時計ガラス4がパッキン4aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1の下部、つまりケース本体2の下部には、ステンレスなどの剛性の高い金属からなる裏蓋5が防水リング5aを介して取り付けられている。
この腕時計ケース1の内部、つまりケース本体2の内部には、図2に示すように、時計モジュール6が組み込まれている。この時計モジュール6は、図1に示す指針6aを運針するための時計ムーブメントやこの時計ムーブメントを駆動する回路基板など、時計機能に必要な各種の部品を備えている。
また、この腕時計ケース1は、図1および図2に示すように、12時と6時とに位置する外周面に時計バンド7がそれぞれ取り付けられるように構成されている。この時計バンド7が取り付けられるケース本体2の外周面には、図4および図5に示すように、バンド連結部材10が取り付けられる取付部8がそれぞれ一体に形成されている。
この取付部8は、図4および図5に示すように、その外端面が横長の長方形状の平坦面に形成されている。この取付部8の外周方向に位置する両側には、ねじ穴8aがそれぞれ設けられている。また、この取付部8の両側に位置する各下端部には、取付部8に対するバンド連結部材10の取付位置を規制するための規制突起部8bが、それぞれ外側に向けて突出して形成されている。
バンド連結部材10は、図1〜図4に示すように、腕時計ケース1に対して時計バンド7を取り付けるためのものであり、図6(a)に示すように、金属材料からなるベース部11と、このベース部11を覆うカバー部12とを有し、これらがインサート成型によって一体に形成された構成になっている。ベース部11は、ステンレスなどの剛性の高い金属板で形成されている。カバー部12は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂で形成されている。
このバンド連結部材10は、図4および図6に示すように、折り曲げ加工されたベース部11とこれを覆うカバー部12とによって、ケース本体2の取付部8に固定される固定部13と、この固定部13からケース本体2の外側下部(図4では左下側)に向けて傾斜するガイド部14とが一体に形成された構成になっている。固定部13は、ケース本体2の取付部8に対応する横長の長方形状の固定本体部13aと、この固定本体部13aの長手方向の両端部に設けられた一対の固定取付部13bとを有している。
この場合、固定本体部13aは、図6(a)に示すように、この固定本体部13aに対応するベース部11の一面つまりケース本体2の取付部8に対して反対側に位置するベース部11の外面にカバー部12の固定カバー部12aが設けられた構成になっている。この固定本体部13aには、図2、図4〜図6に示すように、固定ねじ15が挿入するねじ挿入孔16が、ケース本体2の取付部8に設けられたねじ穴8aに対応して設けられている。
これにより、固定部13は、図2および図4に示すように、固定ねじ15が固定本体部13aのねじ挿入孔16を通してケース本体2の取付部8のねじ穴8aに螺着することにより、ケース本体2の取付部8に取り付けられるように構成されている。一対の固定取付部13bは、図4および図6に示すように、固定本体部13aの両側端部からケース本体2に対して反対側に向けて突出した状態で設けられている。
これにより、固定部13は、図4および図5に示すように、固定本体部13aをケース本体2の取付部8に取り付ける際に、ケース本体2の取付部8に設けられた一対の規制突起部8bに一対の固定取付部13bの下面が当接することにより、ケース本体2の取付部8に対して位置規制されるように構成されている。また、これら一対の固定取付部13bには、締結部材17を取り付けるための各取付孔18が、同一軸上に互いに対向して設けられている。
この場合、一対の固定取付部13bは、図7に示すように、ベゼル3がケース本体2の外周面に取り付けられた際に、ベゼル3に一体に形成された一対のキャップ部19内にそれぞれ嵌着するように構成されている。これら一対のキャップ部19には、それぞれ各挿入孔19aが一対の固定取付部13bの各取付孔18に対応して設けられている。
締結部材17は、図7に示すように、先端部にねじ孔20aを有する第1ねじ部材20と、この第1ねじ部材20のねじ孔20aに螺着するねじ部21aを有する第2ねじ部材21とを有している。この締結部材17は、第1、第2の各ねじ部材20、21の先端部側が、ベゼル3に形成された一対のキャップ部19の各挿入孔19aを通して、一対の固定取付部13bの各取付孔18にそれぞれ挿入した状態で、第1ねじ部材20のねじ孔20aに第2ねじ部材21のねじ部21aが螺着するように構成されている。
一方、ガイド部14は、図6(a)および図6(b)に示すように、固定部13の固定本体部13aの下辺部からケース本体2の外部下側に向けて斜めに突出するガイド本体部14aと、このガイド本体部14aの両側に設けられた一対のガイド側板部14bとを有している。このガイド部14は、これに対応するベース部11の全面、つまりガイド本体部14aおよび一対のガイド側板部14bの各全面に亘ってガイドカバー部12bが設けられた構成になっている。
これら一対のガイド側板部14bは、図6(a)および図6(b)に示すように、ガイド本体部14aの両側端部からケース本体2に対して反対側に向けて突出した状態で設けられている。これら一対のガイド側板部14bには、図3に示すように、押え部材22を取り付けるための各取付孔23が同一軸上に互いに対向して設けられている。
この場合、押え部材22は、図3に示すように、一対のガイド側板部14b間に配置されるパイプ22aと、一対のガイド側板部14bの各取付孔23を通してパイプ22aの両端部のねじ穴部(図示せず)に螺着する各ねじ部22bとを有している。この押え部材22は、各ねじ部22bによってパイプ22aが一対のガイド側板部14b間に取り付けられた際に、このパイプ22aとバンド連結部材10のガイド部14との間に時計バンド7を挟み付けるように構成されている。
時計バンド7は、図1〜図3に示すように、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなる樹脂バンドであり、長手方向に対して直交する方向の長さ(幅)が、バンド連結部材10の固定部13の両側部に位置する一対の固定取付部13b間、およびバンド連結部材10のガイド部14の両側に位置する一対のガイド側板部14b間の各長さと同じか、それよりも短い長さで形成されている。
この時計バンド7の端部、つまり腕時計ケース1側に位置する時計バンド7の端部には、図7に示すように、締結部材17の第1、第2の各ねじ部材20、21が挿入する連結孔7aが、長手方向に対して直交する方向に貫通して設けられている。この連結孔7aは、時計バンド7の端部をバンド連結部材10の固定部13の両側部に位置する一対の固定取付部13b間に配置した際に、一対の固定取付部13bに設けられた各取付孔18およびベゼル3に形成された一対のキャップ部19の各挿入孔19aと同一軸上に対応するように形成されている。
次に、このような腕時計のバンド連結構造の作用について説明する。
まず、バンド連結部材10を製作する場合には、図6(b)に示すように、ベース部11の金属板を折り曲げて、固定部13の金属部とガイド部14の金属部とを形成する。このときには、固定部13の金属部が、固定本体部13aの金属部と、この固定本体部13aの金属部の両側に位置する一対の固定取付部13bの金属部とによって形成される。
また、このときには、図6(b)に示すように、ガイド部14の金属部が、固定部13の固定本体部13aの金属部の下辺部からケース本体2の外部下側に向けて斜めに突出するガイド本体部14aの金属部と、このガイド本体部14aの金属部の両側に位置する一対のガイド側板部14bの各金属部とによって形成される。
そして、この金属製のベース部11を成型用金型内に配置して、ベース部11の表面にカバー部12をインサート成型によって形成する。このときには、固定部13の固定本体部13aの金属部における一面、つまりケース本体2の取付部8に対して反対側に位置する金属部の外面に固定カバー部12aが形成される。また、ガイド部14の金属部の全面、つまりガイド本体部14aおよび一対のガイド側板部14bの各金属部の全面にガイドカバー部12bが形成される。
これにより、固定部13は、固定本体部13aに対応するベース部11の金属部、一対の固定取付部13bに対応するベース部11の金属部、および固定カバー部12aによって形成される。また、ガイド部14は、ガイド本体部14aに対応するベース部11の金属部、一対のガイド側板部14bに対応するベース部11の金属部、およびこれらに対応するベース部11の各金属部の全面に亘って設けられたガイドカバー部12bによって形成される。
このように形成されたバンド連結部材10を腕時計ケース1に取り付ける場合には、図2および図4に示すように、まず、バンド連結部材10の固定部13の固定本体部13aをケース本体2の取付部8に配置する。このときには、固定部13の一対の固定取付部13bをケース本体2の取付部8に設けられた一対の規制突起部8b上に配置して、固定部13をケース本体2の取付部8に対して位置規制すると共に、固定部13の固定本体部13aの各ねじ挿入孔16をケース本体2の取付部8の各ねじ穴8aに対応させる。
この状態で、図2および図4に示すように、固定ねじ15を固定部13の固定本体部13aの外側から固定本体部13aの各ねじ挿入孔16に挿入させてケース本体2の取付部8の各ねじ穴8aに螺合させ、この螺合した固定ねじ15を締め付ける。これにより、固定部13の固定本体部13aがケース本体2の取付部8に取り付けられることにより、バンド連結部材10がケース本体2に取り付けられる。
そして、このバンド連結部材10に時計バンド7を取り付ける場合には、図3および図7に示すように、まず、ケース本体2の外周面にベゼル3を装着する。すると、ベゼル3に形成された一対のキャップ部19内に、バンド連結部材10の固定部13の両側部に位置する一対の固定取付部13bが嵌合する。
このときには、図7に示すように、一対のキャップ部19の各挿入孔19aが一対の固定取付部13bの各取付孔18に同一軸上に対応する。この状態で、時計バンド7の端部をバンド連結部材10の固定部13の両側部に位置する一対の固定取付部13b間に配置し、時計バンド7の端部に設けられた連結孔7aを一対の固定取付部13bに設けられた各取付孔18に同一軸上に対応させる。
この状態で、図7に示すように、一対の固定取付部13bのうち、一方の固定取付部13bの外側からキャップ部19の挿入孔19aを通して、締結部材17の第1ねじ部材20を一方の固定取付部13bの取付孔18に挿入させて時計バンド7の連結孔7a内に挿入する。また、他方の固定取付部13bの外側からキャップ部19の挿入孔19aを通して、締結部材17の第2ねじ部材21を他方の固定取付部13bの取付孔18に挿入させて時計バンド7の連結孔7a内に挿入する。
そして、時計バンド7の連結孔7a内に挿入された第1ねじ部材20のねじ孔20aに、時計バンド7の連結孔7a内に挿入された第2ねじ部材21のねじ部21aを螺合させて、第1、第2の各ねじ部材20、21を締め付ける。これにより、第1ねじ部材20のねじ孔20aに第2ねじ部材21のねじ部21aが螺着して、時計バンド7の端部がバンド連結部材10に取り付けられる。
この後、図3に示すように、バンド連結部材10のガイド部14に押え部材22を取り付けて時計バンド7をガイド部14に押え付ける。このときには、時計バンド7の外側から押え部材22のパイプ22aを一対のガイド側板部14b間に配置し、このパイプ22aの両端部を一対のガイド側板部14bの各取付孔23に対応させる。この状態で、各ねじ部22bを一対のガイド側板部14bの各取付孔23からパイプ22aの両端部の各ねじ穴部(図示せず)に螺着させる。
これにより、図3に示すように、押え部材22のパイプ22aが一対のガイド側板部14b間に取り付けられ、このパイプ22aが時計バンド7をガイド部14に押し付ける。この状態では、時計バンド7が締結部材17の第1、第2の各ねじ部材20、21を中心に回転することなく、バンド連結部材10に取り付けられる。
このように、この腕時計のバンド連結構造によれば、外周面に取付部8が形成された腕時計ケース1と、この腕時計ケース1の取付部8に固定ねじ15によって固定される固定部13、およびこの固定部13から腕時計ケース1の外側下部に向けて傾斜するガイド部14が一体に形成されたバンド連結部材10と、このバンド連結部材10の固定部13に締結部材17によって連結される時計バンド7とを備えているので、時計バンド7が構造上の制約を受けずに、時計バンド7の取付強度を確保でき、かつ腕時計ケース1に対して時計バンド7を容易に取り付けることができる。
すなわち、このバンド連結構造では、腕時計ケース1の取付部8にバンド連結部材10の固定部13を固定ねじ15によって確実に固定することができると共に、この固定部13に時計バンド7を締結部材17によって容易に取り付けることができ、この時計バンド7をガイド部14によって腕時計ケース1の外側下部に向けて傾斜するようにガイドすることができる。このため、時計バンド7が構造上の制約を受けずに、バンド連結部材10によって時計バンド7の取付強度を確保することができると共に、腕時計ケース1に対して時計バンド7を容易に取り付けることができる。
この場合、時計バンド7をバンド連結部材10に取り付ける締結部材17は、先端部にねじ孔20aを有する第1ねじ部材20と、この第1ねじ部材20のねじ孔20aに螺着するねじ部21aを有する第2ねじ部材21とを有しているので、時計バンド7の端部をバンド連結部材10の一対の固定取付部13b間に配置した状態で、第1、第2の各ねじ部材20、21の先端部側を一対の固定取付部13bの各取付孔18から時計バンド7の連結孔7aに挿入させて、第1ねじ部材20のねじ孔20aに第2ねじ部材21のねじ部21aが螺着するだけで、簡単にかつ容易に時計バンド7を腕時計ケース1に取り付けることができる。
また、このバンド連結構造では、時計バンド7をバンド連結部材10に取り付ける際に、固定部13の一対の固定取付部13bがベゼル3に形成された一対のキャップ部19内にそれぞれ嵌合し、この状態で一対のキャップ部19が固定部13の一対の固定取付部13bに締結部材17によって取り付けられるので、ベゼル3をケース本体2に確実にかつ強固に取り付けることができる。
また、バンド連結部材7の固定部13およびガイド部14は、金属材料からなるベース部11とこのベース部11を覆う合成樹脂からなるカバー部12とを有し、これらがインサート成型によって一体に形成されていることにより、金属材料からなるベース部11によってバンド連結部材10の強度を確保することができる。これにより、時計バンド7の取付強度を高めることができると共に、カバー部12によって時計バンド7を傷つけないようにすることができる。
すなわち、腕時計ケース1は、硬質の合成樹脂に金属の補強部材2aをインサート成型してなるケース本体2と、このケース本体2の外周面に設けて軟質の合成樹脂からなるベゼル3とを有し、バンド連結部材10は、その固定部13に対応するベース部11の金属部がケース本体2の取付部8に取り付けられる構成であるから、バンド連結部材10をケース本体2に高い強度で取り付けることができる。
このため、ケース本体2が合成樹脂によって形成されていても、バンド連結部材10が金属製のベース部11を有しているので、バンド連結部材10の肉厚を薄く形成しても、十分な強度を確保することができる。これにより、バンド連結部材10全体の肉厚を薄く形成することができるので、外観性およびデザイン性を高めることができると共に、幅の広い時計バンド7を取り付けることができる。
また、時計バンド7をバンド連結部材10に取り付けた際には、時計バンド7を金属製のベース部11に直接接触させずに、カバー部12に接触させることができるので、時計バンド7を傷つけることなく、バンド連結部材10に確実にかつ良好に取り付けることができると共に、バンド連結部材10のガイド部14を物などにぶつけても、物を傷つけないようにすることができる。
この場合、バンド連結部材10のガイド部14には、押え部材22が取り付けられているので、この押え部材22によって時計バンド7をガイド部14に押し付けて固定することができる。これにより、時計バンド7が締結部材17を中心に回転するのを防ぐことができるので、時計バンド7をバンド連結部材10に良好に取り付けることができる。
(第2実施形態)
次に、図8(a)および図8(b)を参照して、この発明を腕時計に適用した第2実施形態について説明する。なお、図1〜図7に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図8(a)および図8(b)に示すように、腕時計ケース1に対して時計バンド7を取り付けるためのバンド連結部材25が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
すなわち、このバンド連結部材25は、第1実施形態と同様、金属材料からなるベース部11と、このベース部11を覆うカバー部12とを有し、これらがインサート成型によって一体に形成された構成になっている。ベース部11は、ステンレスなどの剛性の高い金属板で形成されている。カバー部12は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂で形成されている。
このバンド連結部材25は、図8(a)および図8(b)に示すように、折り曲げ加工されたベース部11とこれを覆うカバー部12とによって、ケース本体2の取付部8に固定される固定部13と、この固定部13からケース本体2の外側下部(図4では左下側)に向けて傾斜するガイド部26とが一体に形成された構成になっている。
固定部13は、第1実施形態と同様、ケース本体2の取付部8に対応する横長の長方形状の固定本体部13aと、この固定本体部13aの長手方向の両端部に設けられた一対の固定取付部13bとを有している。固定本体部13aは、図8(a)に示すように、これに対応するベース部11の一面つまりケース本体2の取付部8に対して反対側に位置するベース部11の外面にカバー部12の固定カバー部12aが設けられた構成になっている。
この固定本体部13aには、第1実施形態と同様、固定ねじ15が挿入するねじ挿入孔16が、ケース本体2の取付部8に設けられたねじ穴8aに対応して設けられている。また、一対の固定取付部13bは、固定本体部13aの両側端部からケース本体2に対して反対側に向けて突出した状態で設けられている。これら一対の固定取付部13bには、締結部材17を取り付けるための各取付孔18が、同一軸上に互いに対向して設けられている。
この場合にも、一対の固定取付部13bは、第1実施形態と同様、ベゼル3がケース本体2の外周面に取り付けられた際に、ベゼル3に一体に形成された一対のキャップ部19内にそれぞれ嵌着するように構成されている。これら一対のキャップ部19には、それぞれ各挿入孔19aが一対の固定取付部13bの各取付孔18に対応して設けられている。
一方、ガイド部26は、図8(a)および図8(b)に示すように、固定部13の固定本体部13aにおける下辺部の両側からそれぞれケース本体2の外部下側に向けて斜めに突出する一対のガイド本体部26aと、これら一対のガイド本体部26aの各側辺部にそれぞれ設けられた一対のガイド側板部26bと、これら一対のガイド本体部26aおよび一対のガイド側板部26bを覆うカバー部12bと、を有している。
このガイド部26は、図8(a)および図8(b)に示すように、ベース部11の金属部からなる一対のガイド本体部26aが固定本体部13aにおける下辺部の両側に設けられていることにより、一対のガイド本体部26a間に切欠き部26cが設けられた構成になっている。
また、このガイド部26は、図8(a)および図8(b)に示すように、一対のガイド本体部26aが固定本体部13aにおける下辺部の両側に切欠き部26cを介して設けられているため、固定本体部13aに対する一対のガイド本体部26aの各連結部分が切欠き部26cによって短くなり、これにより固定本体部13aに対して一対のガイド本体部26aがそれぞれ独立して弾力的に変形するように構成されている。
さらに、このガイド部26は、図8(a)および図8(b)に示すように、これが対応するベース部11の全面、つまり一対のガイド本体部26aおよび一対のガイド側板部26bの各全面に亘ってガイドカバー部12bが設けられているほか、一対のガイド本体部26a間に位置する切欠き部26cにもガイドカバー部12bが設けられた構成になっている。
これら一対のガイド側板部26bは、第1実施形態と同様、一対のガイド本体部26aの側端部からケース本体2に対して反対側に向けて突出した状態で設けられている。これら一対のガイド側板部26bには、図3に示したように、押え部材22を取り付けるための各取付孔23が、同一軸上に互いに対向して設けられている。
このような腕時計のバンド連結構造によれば、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、バンド連結部材25のガイド部26が、固定本体部13aにおける下辺部の両側に設けられた一対のガイド本体部26aを有し、これら一対のガイド本体部26a間に切欠き部26cを形成した構成であるから、一対のガイド本体部26aを固定本体部13aに対してそれぞれ独立して弾力的に変形させることができる。
このため、このバンド連結構造では、バンド連結部材25が衝撃を受けた際に、一対のガイド本体部26aが固定部13に対して弾力的に変形することによって、衝撃を緩衝することができるので、腕時計ケース1の取付部8に固定されたバンド連結部材25の固定部13に対する衝撃を一対のガイド本体部26aによって緩和することができ、これにより耐衝撃性の高いものを提供することができる。
この場合、ガイド部26は、これに対応するベース部11の全面、つまり一対のガイド本体部26aおよび一対のガイド側板部26bの各全面に亘ってガイドカバー部12bが設けられているほか、一対のガイド本体部26a間に位置する切欠き部26cにもガイドカバー部12bが設けられているので、第1実施形態と同様、時計バンド7を金属製のベース部11に直接接触させずに、カバー部12に接触させることができるので、時計バンド7を傷つけることなく、バンド連結部材25に確実にかつ良好に取り付けることができる。
(第3実施形態)
次に、図9〜図11を参照して、この発明を腕時計に適用した第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図7に示された第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図9に示すように、バンド連結部材10の固定部13に一対の突起部30を設け、これら一対の突起部30を裏蓋5の一対の係合孔部31にそれぞれ係合させた構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
固定部13の一対の突起部30は、図10(a)および図10(b)に示すように、固定本体部13aの下端部における両側から下側に向けてそれぞれ突出して形成されている。すなわち、これら一対の突起部30は、図9および図10(b)に示すように、固定本体部13aに対応するベース部11の金属部に一体に形成されている。また、これら一対の突起部30は、固定本体部13aの下端部から突出する突出長さが、裏蓋5の厚みとほぼ同じ長さに形成されている。
一方、裏蓋5の一対の係合孔部31は、図9および図11に示すように、裏蓋5がケース本体2の下部に配置された際に、固定部13の一対の突起部30がそれぞれ嵌着する矩形状の貫通孔である。これら一対の係合孔部31は、バンド連結部材10の固定部13がケース本体2の取付部8に取り付けられる際に、固定部13の一対の突起部30がそれぞれ対応する裏蓋5の個所に設けられている。この場合、裏蓋5は、ステンレスなどの剛性の高い金属によって形成されている。
次に、このような腕時計のバンド連結構造の作用について説明する。
バンド連結部材10を腕時計ケース1に取り付けて、裏蓋5を腕時計ケース1の下部に取り付ける場合には、まず、第1実施形態と同様、バンド連結部材10の固定部13を腕時計ケース1のケース本体2に設けられた取付部8に配置する。
このときには、第1実施形態と同様、固定部13の一対の固定取付部13bをケース本体2の取付部8に設けられた一対の規制突起部8b上に配置して、固定部13をケース本体2の取付部8に対して位置規制すると共に、固定部13の固定本体部13aの各ねじ挿入孔16をケース本体2の取付部8の各ねじ穴8aに対応させる。
このときには、図9に示すように、固定部13の下端部に形成された一対の突起部30がケース本体2の下面から下側に突出した状態で、固定部の固定本体部13aがケース本体2の取付部8に配置される。この状態で、図9に示すように、固定部13の固定本体部13aをケース本体2の取付部8に固定ねじ15によって取り付ける。
このときには、第1実施形態と同様、固定ねじ15を固定部13の固定本体部13aの外側から固定本体部13aの各ねじ挿入孔16に挿入させてケース本体2の取付部8の各ねじ穴8aに螺合させ、この螺合した固定ねじ15を締め付ける。これにより、固定部13の固定本体部13aがケース本体2の取付部8に取り付けられることにより、バンド連結部材10がケース本体2に取り付けられる。
そして、ケース本体2の下部に裏蓋5を取り付ける際には、図9に示すように、裏蓋5をケース本体2の下部に配置して、裏蓋5の各係合孔部31をバンド連結部材10の固定部13に形成された各突起部30に対応させる。このときには、固定部13の各突起部30がケース本体2の下側に突出しているので、この突出した各突起部30を裏蓋5の各係合孔部31に嵌着させる。
この状態で、裏蓋5をケース本体2の下面に複数のビス(図示せず)によって取り付ける。これにより、バンド連結部材10は、固定部13の固定本体部13aが固定ねじ15によってケース本体2の取付部8に取り付けられると共に、固定部13の一対の突起部30がケース本体2の下部取り付けられた裏蓋5の係合孔部31に嵌着して固定される。このため、バンド連結部材10は、ケース本体2に対して第1実施形態よりも強固に取り付けられる。
このように、この腕時計のバンド連結構造によれば、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、腕時計ケース1の下部に裏蓋5が取り付けられ、バンド連結部材10の固定部13に一対の突起部30が裏蓋5に向けて突出して設けられ、裏蓋5に固定部13の各突起部30が嵌着する係合孔部31がそれぞれ設けられているので、固定部13に加わる負荷を腕時計ケース1の取付部8と裏蓋5とに分散させることができる。このため、固定部13をケース本体2の取付部8に取り付けるための固定ねじ15に負荷が集中するのを防ぐことができるので、バンド連結部材10を腕時計ケース1に対して確実にかつ強固に取り付けることができる。
すなわち、裏蓋5は、ステンレスなどの剛性の高い金属によって形成されて、腕時計ケース1のケース本体2に取り付けられ、バンド連結部材10の固定部13は、ケース本体2の取付部8に固定ねじ15によって取り付けられ、かつこの状態で固定部13の一対の突起部30がケース本体2の下部取り付けられた裏蓋5の係合孔部31に嵌着して固定されるので、固定部13に加わる負荷が固定ねじ15に集中せず、その負荷を腕時計ケース1の取付部8と裏蓋5とに分散させることができ、このため第1実施形態よりも、バンド連結部材10を腕時計ケース1に対して強固に取り付けることができる。
また、バンド連結部材10の固定部13の上端部にも一対の突起部30を上側に突出するように設けて、ベゼル3の対応する箇所には係合孔部を設け、各突起部30が嵌着して固定されるようにしてもよい。さらに固定部13に加わる負荷を分散でき、より一層、バンド連結部材10を腕時計ケース1に対して強固に取り付けることができる。
また、バンド連結部材10の固定部13の上端部にだけ一対の突起部30を上側に突出するように設けて、ベゼル3の対応する箇所には係合孔部を設け、各突起部30が嵌着して固定されるようにしてもよい。この場合でも、固定部13に加わる負荷が固定ねじ15に集中せず、その負荷を腕時計ケース1の取付部8とベゼル3とに分散させることができ、第1実施形態よりも、バンド連結部材10を腕時計ケース1に対して強固に取り付けることができる。
なお、上述した実施形態では、時計バンド7がウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなる樹脂バンドである場合について述べたが、これに限らず、例えば金属駒を順次連結してなる金属バンドを用いた場合にも適用することができる。
また、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えば腕などの人体に装着して使用する血圧計や脈拍計などの電子機器にも適用することができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、外周面に取付部が形成されたケースと、このケースの前記取付部に固定部材によって固定される固定部、およびこの固定部から前記ケースの外側下部に向けて傾斜するガイド部が一体に形成されたバンド連結部材と、このバンド連結部材の前記固定部に締結部材によって取り付けられたバンドと、を備えていることを特徴とするバンド連結構造である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンド連結構造において、前記バンド連結部材の前記固定部および前記ガイド部は、金属材料からなるベース部とこのベース部を覆う合成樹脂からなるカバー部とを有し、これらがインサート成型によって一体に形成されていることを特徴とするバンド連結構造である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のバンド連結構造において、前記バンド連結部材の前記ガイド部は、前記ベース部に一対のガイド本体部が切欠き部を介して形成され、前記一対のガイド本体部が前記切欠き部と共に前記カバー部によって覆われていることを特徴とするバンド連結構造である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバンド連結構造において、前記ケースの下部には裏蓋が取り付けられ、前記バンド連結部材の前記固定部には前記裏蓋に向けて突出した突起部が設けられ、前記裏蓋には前記固定部の前記突起部が嵌着する係合部が設けられていることを特徴とするバンド連結構造である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンド連結構造を備えていることを特徴とする腕時計である。