JP6445946B2 - 銅箔用の表面処理液およびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、銅箔用の表面処理液およびその利用に関する。
コンピューターや半導体装置、情報通信機器などの電子機器には、抵抗器、コンデンサやICなどの電子部品を搭載したプリント配線板が使用されている。このプリント配線板は、大きく2つの層から構成されており、一つは、回路が形成された銅箔からなる導電層であり、他は、この導電層の表面に積層された樹脂製の絶縁樹脂層である。これら2層の材料の表面特性は、大きく異なるので、両者の間の接着性が乏しい。そこで、例えば、2層間の接触面積を増加させるために、導電層を構成する銅箔の表面に凹凸(表面粗さが、最大高さで5〜8μm)を形成した後、2層間に化学的な処理層を設けることによって、両者の間の接着性の改善が行われている。
一方、近年の電子機器においては、使用される電気信号が高周波数にシフトしつつあり、10GHz以上の周波数も散見される。このような高周波信号を上述した一般的なプリント配線板に流した場合、銅箔の表面から数μmの深さの範囲で電流が流れる現象(表皮効果)が発生して、信号の減衰が大きくなるという問題が生じている。この原因としては、銅箔の接触面に形成された凹凸に沿って高周波信号が流れることが挙げられる。
このため、高周波信号の減衰を抑制する銅箔が開発されている。このような銅箔は、表面の凹凸が可能な限り小さくなるように表面加工されているので、かかる銅箔を用いてプリント配線板を製造した場合には、銅箔と絶縁樹脂層間においてアンカー効果による十分な接着性を得ることができず、両者間で剥離等が発生するという問題が生じている。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、銅箔の表面粗さを2.5μm以下に抑え、且つ銅箔の絶縁層との接着面に、耐熱処理層、防錆処理層、および窒素を有するシランカップリング剤からなる表面処理層を形成することが開示されている。
しかしながら、銅箔と絶縁層間に対し、未だ満足すべき接着性が得られていない。
特開2005−48269号公報
本発明は上記事情に鑑み、高周波信号に対応可能な銅箔を備えたプリント配線板において、かかる銅箔と絶縁樹脂層との接着性を向上させることができる銅箔用の表面処理液を提供することを目的とする。
また、絶縁樹脂層との接着強度を高めることができる銅箔を提供し、銅箔と絶縁樹脂層間の接着性を向上させた樹脂付き銅箔、銅張積層板およびプリント配線板を提供することを目的とする。
第1の発明は、化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物または、化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物を含有することを特徴とする銅箔用の表面処理液である。
第2の発明は、銅箔の表面に、第1の発明の表面処理液中の化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物または化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物に由来する化成皮膜層が形成されたことを特徴とする銅箔である。
第3の発明は、粗化処理層、耐熱処理層または防錆処理層から選択される少なくとも1種の層を備えていることを特徴とする第2の発明の銅箔である。
第4の発明は、化成皮膜層を形成させる面の表面粗さ(Rz)が1.0μm以下であることを特徴とする第2の発明または第3の発明の銅箔である。
第5の発明は、耐熱処理層が、窒素を含む化合物、ニッケル、亜鉛、クロム亜鉛、ニッケル合金、亜鉛合金またはクロム合金から選択される少なくとも1種から形成されたことを特徴とする第3の発明または第4の発明の銅箔である。
第6の発明は、防錆処理層が、窒素を含む化合物から形成されたか、または、亜鉛−クロメート処理もしくはクロメート処理により形成されたことを特徴とする第3の発明〜第5の発明の何れかの銅箔である。
第7の発明は、第1の発明の表面処理液と銅箔を接触させることにより、銅箔の表面に化成皮膜層を形成させることを特徴とする銅箔の表面処理方法である。
第8の発明は、第2の発明〜第6の発明の何れかの銅箔と絶縁樹脂層を備えていることを特徴とする樹脂付き銅箔である。
第9の発明は、第2の発明〜第6の発明の何れかの銅箔と絶縁樹脂層を使用することを特徴とする樹脂付き銅箔の製造方法である。
第10の発明は、第2の発明〜第6の発明の何れかの銅箔と絶縁樹脂層を備えていることを特徴とする銅張積層板である。
第11の発明は、第2の発明〜第6の発明の何れかの銅箔と絶縁樹脂層を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板である。
第12の発明は、第8の発明の樹脂付き銅箔を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板である。
第13の発明は、第10の発明の銅張積層板を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板である。
第14の発明は、第2の発明〜第6の発明の何れかの銅箔と絶縁樹脂層を、加熱圧着することを特徴とする銅張積層板またはプリント配線板の製造方法である。

(式中、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表し、nは0または1〜3の整数を表す。)
本発明によれば、銅箔と絶縁樹脂層との接着性を向上させることができる銅箔用の表面処理液を提供することができる。
また、絶縁樹脂層との接着強度を高めることができる銅箔を提供し、銅箔と絶縁樹脂層間の接着性を向上させた樹脂付き銅箔、銅張積層板およびプリント配線板を提供することが可能となる。
本発明の表面処理液で処理した銅張積層板の概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、銅箔用の表面処理液について説明する。
本発明の銅箔用の表面処理液は、下記の化学式(I)または化学式(II)に示されるアゾールシラン化合物を有効成分とするものである。
両者のアゾールシラン化合物は、それぞれ単独で使用されるが、両者を組合わせて使用してもよい。
(化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物)
化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物(以下、第1のアゾールシラン化合物という)について説明する。
Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表し、nは0または1〜3の整数を表す。
第1のアゾールシラン化合物は、以下の化学式(Ia)〜(Id)で示されるアゾールシラン化合物を包含する。
X、Y、Rおよびmは、前記と同様に、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表す。
即ち、化学式(Ia)で示されるアゾールシラン化合物は、前記の化学式(I)においてnが0である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(Ia)という)である。
化学式(Ib)で示されるアゾールシラン化合物は、同様にnが1である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(Ib)という)である。
化学式(Ic)で示されるアゾールシラン化合物は、同様にnが2である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(Ic)という)である。
化学式(Id)で示されるアゾールシラン化合物は、同様にnが3である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(Id)という)である。
アゾールシラン化合物(Ib)〜(Id)は、前記の表面処理液中に存在するアゾールシラン化合物(Ia)が、加水分解されて生成する種であり、これらは、アゾールシラン化合物(Ia)と共に、表面処理液の成分として好適なものである。
なお、第1のアゾールシラン化合物を使用して表面処理液を調製する場合、有効成分として、アゾールシラン化合物(Ia)を使用することが好ましい。なぜなら、アゾールシラン化合物(Ia)は化学的に安定であるが、アゾールシラン化合物(Ib)〜(Id)は化学的に不安定であるからである。
前記のアゾールシラン化合物(Ia)としては、例えば、
3−トリメトキシシリルメチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[6−(トリエトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[2−(トリエトキシシリル)エチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[4−(トリメトキシシリル)ブチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[10−(トリメトキシシリル)デシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−トリエトキシシリルメチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[2−(トリメトキシシリル)エチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[4−(トリエトキシシリル)ブチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[10−(トリメトキシシリル)デシルチオ]−1,2,4−トリアゾール(以上、Yが−NH−の場合)や、
2−トリメトキシシリルメチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、
2−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−[8−(トリエトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[12−(トリエトキシシリル)ドデシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[2−(トリエトキシシリル)エチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[10−(トリエトキシシリル)デシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[4−(トリメトキシシリル)ブチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールおよび
2−メチルチオ−5−[8−(トリエトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール(以上、Yが−S−の場合)等を挙げることができる。
なお、これらから選択される2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アゾールシラン化合物(Ia)は、下記の化学式(III)で示されるアゾール化合物(以下、単にアゾール化合物(III)という)と、下記の化学式(IV)で示されるハロゲン化アルキルシラン化合物(以下、単にハロゲン化アルキルシラン化合物(IV)という)を、脱ハロゲン化水素剤の存在下、適量の反応溶媒中において、適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより合成することができる(スキーム(A)参照)。
X、Y、Rおよびmは、前記と同様に、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表す。また、Halは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
前記のアゾール化合物(III)としては、例えば、
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−メチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
および2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
等を挙げることができる。
前記のハロゲン化アルキルシラン化合物(IV)としては、例えば、
クロロメチルトリメトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、
2−クロロエチルトリメトキシシラン、
2−クロロエチルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、
4−ブロモブチルトリメトキシシラン、
4−ブロモブチルトリエトキシシラン、
5−ブロモペンチルトリメトキシシラン、
5−ブロモペンチルトリエトキシシラン、
6−ブロモヘキシルトリメトキシシラン、
6−ブロモヘキシルトリエトキシシラン、
8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、
8−ブロモオクチルトリエトキシシラン、
10−ブロモデシルトリメトキシシラン、
10−ブロモデシルトリエトキシシラン、
12−ブロモドデシルトリメトキシシラン
および12−ブロモドデシルトリエトキシシラン
等を挙げることができる。
前記の反応溶媒としては、アゾール化合物(III)とハロゲン化アルキルシラン化合物(IV)に対して不活性な溶剤であれば特に限定されず、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;アセトニトリル、ジメチルスルホキシドやヘキサメチルホスホロアミド等を挙げることができる。
前記の脱ハロゲン化水素剤としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸アルカリ塩;ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基や水素化ナトリウム等を挙げることができる。
アゾール化合物(III)とハロゲン化アルキルシラン化合物(IV)の反応は、上述した反応スキーム(A)に示される如く、化学量論的に進行する。このときのアゾール化合物の使用量(仕込量)に対する、ハロゲン化アルキルシラン化合物の使用量(仕込量)は、反応温度や反応時間の他、使用する原料や反応溶媒の種類、反応スケール等の要因を考慮して、0.8〜1.2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
ハロゲン化アルキルシラン化合物の仕込み量が1.2倍モルよりも多いと、該化合物が重合してゲル化するおそれがあり、0.8倍モルよりも少ないと、生成物の純度が低下したり、生成物の分離操作が煩雑になる等のおそれがある。
また、脱ハロゲン化水素剤は、アゾール化合物とハロゲン化アルキルシラン化合物の反応により副生するハロゲン化水素を中和するために用いられるので、その使用量(仕込量)は、ハロゲン化アルキルシラン化合物の使用量に対して等モル以上であればよい。
前記の反応温度は、アゾール化合物のメルカプト基と、ハロゲン化アルキルシラン化合物が反応する温度範囲であれば特に限定されないが、0〜150℃の範囲が好ましく、5〜100℃の範囲がより好ましい。
前記の反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、30分〜10時間の範囲が好ましく、1〜5時間の範囲がより好ましい。
(化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物)
次に、化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物(以下、第2のアゾールシラン化合物という)について説明する。
第2のアゾールシラン化合物は、化学式(II)におけるZが、
−CO−NH−(CH−Si(OR)である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(IIa)という)、
−CO−NH−(CH−Si(OR)(OH)である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(IIb)という)、
−CO−NH−(CH−Si(OR)(OH)である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(IIc)という)
および、−CO−NH−(CH−Si(OH)である場合のアゾールシラン化合物(以下、単にアゾールシラン化合物(IId)という)
を包含する。
即ち、アゾールシラン化合物(IIa)は、前記の化学式(II)においてnが0である場合のアゾールシラン化合物である。
アゾールシラン化合物(IIb)は、同様にnが1である場合のアゾールシラン化合物である。
アゾールシラン化合物(IIc)は、同様にnが2である場合のアゾールシラン化合物である。
アゾールシラン化合物(IId)は、同様にnが3である場合のアゾールシラン化合物である。
アゾールシラン化合物(IIb)〜(IId)は、表面処理液中に存在するアゾールシラン化合物(IIa)が、加水分解されて生成する種であり、これらは、トリアルコキシ体のアゾールシラン化合物(IIa)と共に、表面処理液の成分として好適なものである。
なお、第2のアゾールシラン化合物を使用して表面処理液を調製する場合、有効成分として、アゾールシラン化合物(IIa)を使用することが好ましい。なぜなら、アゾールシラン化合物(IIa)は化学的に安定であるが、アゾールシラン化合物(IIb)〜(IId)は化学的に不安定であるからである。
前記のアゾールシラン化合物(IIa)としては、例えば、
2,2’−ジチオビス[1−(トリメトキシシリル)メチルカルバモイル]−1H−イミダゾール、
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{1−[6−(トリエトキシシリル)ヘキシルカルバモイル]−1H−イミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{1−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
2,2’−ジチオビス{5−アミノ−1−[2−(トリエトキシシリル)エチルカルバモイル]−1H−ベンズイミダゾール}、
3,3’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
3,3’−ジチオビス{1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
3,3’−ジチオビス{1−[4−(トリメトキシシリル)ブチルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[10−(トリエトキシシリル)デシルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}、
4,4’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}、
4,4’−ジチオビス{1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}、
4,4’−ジチオビス{1−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}、
5,5’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−テトラゾール}、
5,5’−ジチオビス{1−[3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−テトラゾール}
および、5,5’−ジチオビス{1−[8−(トリエトキシシリル)オクチルルカルバモイル]−1H−テトラゾール}
等を挙げることができる。
なお、これらから選択される2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アゾールシラン化合物(IIa)は、下記の化学式(V)で示されるジチオジアゾール化合物(以下、単にジチオジアゾール化合物(V)という)と、化学式(VI)で示されるイソシアナトアルキルシラン化合物(以下、単にイソシアナトアルキルシラン化合物(VI)という)を、適量の反応溶媒中において適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより合成される。
Rおよびmは、前記と同様に、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表す。
前記のジチオジアゾール化合物(V)としては、例えば、
2,2’−ジチオジ(1H−イミダゾール)、
2,2’−ジチオジ(1H−ベンズイミダゾール)、
2,2’−ジチオビス(5−アミノ−1H−ベンズイミダゾール)、
3,3’−ジチオジ(1H−1,2,4−トリアゾール)、
3,3’−ジチオビス(5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール)、
4,4’−ジチオジ(1H−1,2,3−トリアゾール)
および、5,5’−ジチオジ(1H−テトラゾール)
等を挙げることができる。
前記のイソシアナトアルキルシラン化合物(VI)としては、例えば、
イソシアナトメチルトリメトキシシラン、
イソシアナトメチルトリエトキシシラン、
2−イソシアナトエチルトリメトキシシラン、
2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、
3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、
3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
4−イソシアナトブチルトリメトキシシラン、
4−イソシアナトブチルトリエトキシシラン、
5−イソシアナトペンチルトリメトキシシラン、
5−イソシアナトペンチルトリエトキシシラン、
6−イソシアナトヘキシルトリメトキシシラン、
6−イソシアナトヘキシルトリエトキシシラン、
8−イソシアナトオクチルトリメトキシシラン、
8−イソシアナトオクチルトリエトキシシラン、
10−イソシアナトデシルトリメトキシシラン、
10−イソシアナトデシルトリエトキシシラン、
12−イソシアナトドデシルトリメトキシシラン
および12−イソシアナトドデシルトリエトキシシラン
等を挙げることができる。
前記のジチオジアゾール化合物(V)を2,2’−ジチオジ(1H−イミダゾール)とした場合の反応例を、以下のスキーム(B)に示す。
Rは前記と同様に、−CHまたは−CHCHを表す。
前記の反応溶媒としては、ジチオジアゾール化合物(V)およびイソシアナトアルキルシラン化合物(VI)に対して不活性な溶剤であれば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤やジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
前記のジチオジアゾール化合物(V)とイソシアナトアルキルシラン化合物(VI)の反応は、上述した反応スキーム(B)に例示される如く、化学量論的に進行する。このときのジチオジアゾール化合物の使用量(仕込量)に対する、イソシアナトアルキルシラン化合物の使用量(仕込量)は、反応温度や反応時間の他、使用する原料や反応溶媒の種類、反応スケール等の要因を考慮して、1.6〜2.4倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
イソシアナトアルキルシラン化合物の仕込み量が2.4倍モルよりも多いと、該化合物が重合してゲル化するおそれがあり、1.6倍モルよりも少ないと、生成物の純度が低下したり、生成物の分離操作が煩雑になる等のおそれがある。
前記の反応温度は、ジチオジアゾール化合物の環内窒素(−NH−)と、イソシアナトアルキルシラン化合物のイソシアナト基(−NCO)が反応する温度範囲であれば特に限定されないが、0〜100℃の範囲が好ましく、5〜60℃の範囲がより好ましい。
前記の反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、30分〜20時間の範囲が好ましく、1〜15時間の範囲がより好ましい。
(表面処理液)
次に、表面処理液について説明する。
第1または第2のアゾールシラン化合物を有効成分とする表面処理液もしくは、第1および第2のアゾールシラン化合物の両者を有効成分とする表面処理液は、当該アゾールシラン化合物と、水または有機溶剤を混合することにより調製されるが、水と共に有機溶剤を使用してもよい。
なお、水と有機溶剤を併用する場合の表面処理液の調製方法については、当該アゾールシラン化合物と水を混合した後に有機溶剤を加えてもよいし、該化合物に、水および有機溶剤の混合液を加えてもよいし、該化合物と有機溶剤を混合した後に水を加えてもよい。
また、表面処理液の調製に使用する水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましい。
前記の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、トリエチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、tert-ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ピロリドン、ホルムアミド、スルホラン、炭酸ジメチル、エチレンカーボネート、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、グリセリン酸、マロン酸、コハク酸、レブリン酸、フェノール、安息香酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランおよびジオキサンの他、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリエチルアミン、ピリジン等の水と自由に混和するものが好ましい。なお、これらから選択される2種以上を組み合わせて使用してもよい。
表面処理液中における第1または第2のアゾールシラン化合物の濃度は、トリアルコキシ体のアゾールシラン化合物(Ia)または同(IIa)の濃度に換算して、0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
なお、第1および第2のアゾールシラン化合物を併用する場合は、アゾールシラン化合物(Ia)および同(IIa)の濃度に換算した両者の和を上述のとおりとすればよい。
この濃度が0.001重量%未満である場合には、接着性の向上効果が十分ではなく、この濃度が10重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、アゾールシラン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
表面処理液の調製に際しては、アゾールシラン化合物(Ia)または同(IIa)の加水分解を促進させるために、酢酸や塩酸等の酸、もしくは、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリを使用してもよい。
同様に、表面処理液の安定性や化成皮膜層の均一性を向上させるために、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等のハロゲンイオンや銅イオン、鉄イオン、亜鉛イオンなどの金属イオンを生成する物質を使用してもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のカップリング剤を併用してもよい。公知のカップリング剤としては、チオール基(メルカプト基)、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、クロロプロピル基等を有するシラン系カップリング剤を挙げることができる。
このようなシラン系カップリング剤としては、例えば、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、
ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物、
p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン化合物、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン化合物、
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピルシラン化合物、
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン化合物および
3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナトシラン化合物
等を挙げることができる。
その他、公知のカップリング剤として、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等も挙げることができる。
表面処理液の有効成分であるアゾールシラン化合物(Ia)および同(IIa)は、水と接触すると加水分解される。この加水分解の態様をスキーム(C)に示す。
このスキーム(C)においては、上述したアゾールシラン化合物(Ia)、同(Ib)および同(Ic)と、同(IIa)、同(IIb)および同(IIc)の有するシリル基が加水分解される態様、即ち、トリアルコキシシリル基が、漸次、ジアルコキシヒドロキシシリル基、ジヒドロキシアルコキシシリル基、トリヒドロキシシリル基に変化する様が示される。
Xは、繰り返し単位の数を表す整数である。
一般に、分子中にアルコキシシリル基を有する物質は、シランカップリング剤として機能することが知られているが、本発明の実施において使用するアゾールシラン化合物も、シランカップリング剤として機能すると推定される。
例えば、銅箔と絶縁樹脂層との接着を例に挙げると、アゾールシラン化合物は、分子中にアゾール環とアルコキシシリル基(−Si−OR)を有しており、アゾール環は、銅箔の表面と絶縁樹脂層の表面の樹脂と相互作用し、化学結合を形成する。
また、アルコキシシリル基は、加水分解を受けて、ヒドロキシシリル基(−Si−OH)に変換され、このヒドロキシシリル基は銅箔の表面に点在する酸化銅と化学結合する。
したがって、銅箔の表面と表面処理液を接触させることにより、該銅箔の表面にはアゾール環やヒドロキシシリル基との結合により、第1または第2のアゾールシラン化合物に由来する化成皮膜層が形成されて、この化成皮膜層の表面に絶縁樹脂層を積層させた場合には、銅箔の表面に対して直接、絶縁樹脂層を積層させる場合に比べて、銅箔と絶縁樹脂層との接着性を向上させることができる。
ところで、表面処理液中に生成したヒドロキシシリル基を有するアゾールシラン化合物(Ib)〜(Id)または同(IIb)〜(IId)は、徐々に、互いに反応して脱水縮合し、ヒドロキシシリル基がシロキサン結合(Si−O−Si)を形成し(スキーム(C)参照)、水に溶け難いシランオリゴマー(スキーム(C)中の化学式(e)で示される基を有するアゾールシラン化合物)に変換される。
表面処理液中におけるシランオリゴマーの生成量が多くなると、不溶解分が析出して(処理液が白濁し)、処理槽や処理槽に接続された配管、処理液中に浸漬されて処理液の温度や液面を検出するためのセンサー類に付着し、円滑な表面処理が阻害されるおそれがある。
これを避けるために、表面処理液の調製に水を用いる場合は、水に難溶性であるシランオリゴマーの溶解剤として、前記の有機溶剤を表面処理液中に含有させることが好ましい。
有機溶剤の含有量については、水100重量部に対して0.1〜90重量部の割合とすることが好ましく、1〜50重量部の割合とすることがより好ましい。
(銅箔について)
銅箔は、電解銅箔や圧延銅箔を使用することができる。
銅箔の厚さに特に制限はなく、例えば、厚みのある銅箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付き銅箔に使用される極薄銅箔(厚さ:0.5〜12μm)や、大電流用途に使用される銅箔(厚さ:100μm程度)等、銅箔の厚みに関係なく使用することができる。
銅箔の表面粗さ(Rz)は、2.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以下がより好ましい。
なお、本発明に使用される銅箔の表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601−2001に準拠した測定方法で測定した値である。かかる表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601−1994およびJIS B 0601−1998の測定方法における最大高さRyに相当する。
(表面処理方法)
次に、表面処理液を使用する方法について説明する。
この表面処理液を銅箔の表面に接触させる方法は、特に限定されず、例えば、スプレー、浸漬や塗布等の手段を採用することができる。
上記のような手段によって、銅箔の表面に化成皮膜層が形成される。
表面処理液と銅箔の表面を接触させる時間(処理時間)については、1秒〜10分とすることが好ましく、5秒〜3分とすることがより好ましい。
処理時間が1秒未満の場合には、銅箔の表面に形成される化成皮膜層の厚みが薄くなり、銅箔と絶縁樹脂層の接着力が十分に得られない。一方、処理時間を10分より長くしても、化成皮膜層の厚みに大差はなく、接着性の向上も期待できない。
また、表面処理液を銅箔の表面に接触させる際の処理液の温度については、5〜50℃とすることが好ましいが、処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
表面処理液を銅箔の表面に接触させた後は、水洗してから乾燥してもよいし、水洗せずに乾燥させてもよい。
乾燥温度は、室温〜300℃の温度とすることが好ましい。
水洗に使用する水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましいが、水洗の方法や時間には特に制限はなく、例えば、スプレーや浸漬等の手段によって適宜の時間洗浄すればよい。
なお、表面処理液を銅箔の表面に接触させる前または接触させた後に、銅イオンを含む水溶液を銅箔の表面に接触させてもよい。この銅イオンを含む水溶液は、銅箔の表面に形成される化成皮膜層の厚みを均一にさせる機能を有する。
銅イオンを含む水溶液の銅イオン源としては、水に溶解する銅塩であれば特に限定されないが、例えば、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、ギ酸銅、酢酸銅などの銅塩を挙げることができる。銅塩を水に可溶化するために、アンモニアや塩酸などを添加してもよい。
また、表面処理液を銅箔の表面に接触させる前または接触させた後に、酸性あるいはアルカリ性の水溶液を銅箔の表面に接触させてもよい。この酸性あるいはアルカリ性の水溶液も、前記の銅イオンを含む水溶液と同様に、銅箔の表面に形成される化成皮膜層の厚みを均一にさせる機能を有する。
酸性水溶液およびアルカリ性水溶液としては、特に限定されないが、例えば、酸性水溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸を含む水溶液や、ギ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、アミノ酸などの有機酸を含む水溶液等を挙げることができる。また、アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、エタノールアミン、モノプロパノールアミン等のアミン類などを含む水溶液を挙げることができる。
更に、表面処理液を銅箔の表面に接触させる前または接触させた後に、ハロゲンイオンを含む水溶液を銅箔の表面に接触させてもよい。このハロゲンイオンを含む水溶液も、前記の銅イオンを含む水溶液と同様に、銅箔の表面に形成される化成皮膜層の厚みを均一にさせる機能を有する。
ハロゲンイオンを含む水溶液としては、特に限定されないが、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどを溶解させた塩素イオンを含む水溶液や、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウムなどを溶解させた臭素イオンを含む水溶液や、沃化カリウム、沃化ナトリウム、沃化アンモニウムなどを溶解させた沃素イオンを含む水溶液等を挙げることができる。ハロゲンイオンの含有量(濃度)としては、10〜30,000ppmが好ましい。
(機能層について)
本発明に使用する銅箔は、上述したような電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔そのもののほかに、このような銅箔の表面上に以下に説明する機能層を有する銅箔を使用してもよい(図1参照)。
図1に示したように、機能層としては、例えば、粗化処理による粗化処理層や、耐熱処理による耐熱処理層、防錆処理による防錆処理層などを挙げることができる。なお、この機能層は、任意の1種類の処理層であってもよいし、任意の複数の処理層から構成されて、任意の順番で積層されてもよい。
以下、各処理層について説明する。
(粗化処理層)
粗化処理層は、銅張積層板の銅箔Bの表面Bsに析出させた微細な粒状の銅粒子からなる。銅箔Bの表面Bsに微細な粒状の銅粒子が堆積するので、銅箔Bの表面Bsに形成される凹凸の間隔(凹凸の頭頂部と谷部の距離)を大きくすることができる。そして、銅張積層板の銅箔B層と絶縁樹脂層I層間の機械的な結合力を向上させることができる。
この粗化処理層を積層させる方法は、上記効果を奏する範囲であれば特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、電解銅箔製造装置を用いて印加する電圧および硫酸酸性硫酸銅溶液からなる電解溶液の濃度等を適宜調整することによって微細な粒状の銅粒子を銅箔Bの表面Bsに析出させることができる。
(耐熱処理層)
耐熱処理層を積層させた場合には、リフロー加熱等において発生する熱による銅箔Bと絶縁樹脂層Iの接着性の低下を抑制することができる。耐熱処理層は、窒素を含む化合物、ニッケル、亜鉛、クロム亜鉛、ニッケル合金、亜鉛合金またはクロム合金から選択される少なくとも1種から形成させることにより、上記機能を発揮させることができる。
この耐熱処理層を積層させる方法は、上記効果を奏する範囲であれば特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、窒素を含む化合物の場合には、水または有機溶剤に該化合物を溶解させて処理液を調製し、該処理液を銅箔Bの表面にスプレーや浸漬等の手段により接触させる方法を採用することができる。また、前記金属および合金の場合には、電気めっきや蒸着その他の方法を採用することができる。
(防錆処理層)
防錆処理層を積層させた場合には、銅箔Bの酸化等を防止することができる。この防錆処理層は、窒素を含む化合物から形成させるか、または、亜鉛−クロメートもしくはクロメート処理により形成させることにより、上記機能を発揮させることができる。
この防錆処理層を積層させる方法は、上記効果を奏する範囲であれば特に限定されず、公知の方法を採用することができる。窒素を含む化合物の場合は、前述のとおりである。また、例えば、電気クロメート処理を採用することにより、クロム酸化物等のクロメート皮膜を形成させることができる。
次に、本発明の銅張積層板について説明する。なお、以下に述べる例は、本発明の実施の態様の一部のバリエーションに過ぎず、これらの例により本発明が限定されないことは云うまでもない。
本発明の銅張積層板は、クラフト紙、リンター紙、ガラスクロス、ガラス不織布、セルロースペーパーや、アラミドペーパー等に樹脂を含浸し、半硬化状態(Bステージ)としたプリプレグと、その片面または両面に、本発明の銅箔を張り合わせて(積層)、樹脂を硬化させることにより製造される。
また、銅張り積層板の両面に回路形成を行って内層基板を作製し、更にプリプレグを介して、本発明の銅箔を当該両面あるいは片面に張り合わせて、樹脂を硬化させることにより、多層プリント配線板が製造される。
プリント配線板の表面には、レ一ザー光線やプラズマ照射により、バイアホールが設けられる。この際、樹脂として、ガラス繊維のような無機繊維を含有するプリプレグを使用した場合には、レーザー光線やプラズマ照射による加工の効率が低下するので、無機繊維を含有しない樹脂が絶縁樹脂層の形成に使用される。
即ち、液状の樹脂を内層回路上に塗布したり、半硬化状態の樹脂フィルムや、銅箔の片面に樹脂を塗布して半硬化状態(Bステージ)にした樹脂付き銅箔を、回路形成されたプリント配線板(内層基板)に積層し、外層銅箔の回路やバイアホールを形成してビルドアップ配線板が製造される。
上記の樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましく使用できるが、熱硬化性樹脂を変性して特性を改善する為に、熱硬化性樹脂と共に熱可塑性樹脂を併用してもよい。
本発明の銅箔の表面に、絶縁樹脂層を形成する方法としては、当該銅箔と前記の樹脂を張り合わせて、加熱加圧する方法や、樹脂を溶剤に溶解してワニスを調製し、ワニスを銅箔の表面に塗布して加熱する方法が挙げられる。
なお、樹脂としては、適用方法、適用条件や、求められる特性に応じて、熱硬化性樹脂に更に、硬化剤、硬化促進剤、重合開始剤、難燃剤、無機フィラー、シランカップリング剤等を助剤として配合して調製した樹脂組成物が絶縁樹脂層の形成に使用される。
前記の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は、常温で液状、半固形状または固形状であり、常温もしくは加熱時においては流動性を示すが、硬化剤および硬化促進剤の作用ならびに加熱によって、重合反応と共に網目状の三次元構造(架橋)を形成して、不溶不融化(硬化)する。
これらの熱硬化性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、脂環式炭化水素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、液晶樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記の硬化剤としては、アミン系、酸無水物系、フェノール樹脂系等の硬化剤が挙げられる。
前記の硬化促進剤としては、3級アミン、有機金属塩、芳香族ホスフィン、フェノール類等が挙げられる。
前記の重合開始剤としては、ジアゾ系、過酸化物系、アセトフェノン系、ベンゾイン系等のものが挙げられる。
前記の難燃剤としては、リン系、ハロゲン系の有機難燃剤や、ホウ素系の無機難燃剤等が挙げられる
前記の無機フィラーとしては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、球状シリカ、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母粉等が挙げられる。
前記のシランカップリング剤としては、前述の公知のシランカップリング剤を使用することができる。
前記の樹脂組成物は、各種塗布工程に合わせて有機溶剤を用いて希釈し、ワニスを調製することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を1種または2種以上組合わせて使用することができる。
前記の樹脂付き銅箔は、ワニスを、本発明の銅箔上に所定の厚みになるように、例えばロールコータ等によって塗布した後、半硬化状態とすることにより作製することができる。また、レーザー穴あけに対応したガラス布に樹脂を含浸して、半硬化状態にし、本発明の銅箔に貼り付けることにより作製してもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表面処理液を調製し、銅箔と樹脂の両者間の接着性を評価する試験(イ)〜(ニ)を行い、本発明の表面処理液の有用性を確認した。
下記に記載する処方の単位は、特に言及しない限り、「部」は「重量部」を意味する。
(接着性の評価試験(イ))
(1)銅箔
銅箔として、表面粗さ2.0μmの電解銅箔(厚み:18μm)を使用した。
なお、銅箔の表面粗さは、JIS B 0601−2001に準拠した測定方法で測定した値である。
(2)銅箔の処理
以下の各工程a〜cに示した手順で実施した。
a.脱脂清浄/1分間(室温)、水洗
b.酸清浄/1分間(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
c.銅箔の表面処理液に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)銅箔と樹脂の接着
得られた銅箔のM面(電解銅箔の製造におけるドラム表面側とは反対に位置する面)に、樹脂材料として使用したガラス布エポキシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プレスし、銅箔と樹脂を接着して銅張積層板を作製した。
なお、プレス条件は、真空下3MPa、170℃、90分間とした。
(4)接着性の評価
この銅張積層板から、幅10mmの試験片を作製し、プレッシャークッカー処理(121℃/湿度100%/100時間)した後、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
なお、引き剥がし強さは、JIS C6418に従って測定した。
(接着性の評価試験(ロ))
銅箔として、表面粗さ2.0μmの圧延銅箔(厚み:18μm)を使用した。
評価試験(イ)と同様の手順で、銅張積層板を作製し、銅箔と樹脂の接着性を評価した。
(接着性の評価試験(ハ))
銅箔として、表面粗さ0.8μmの電解銅箔(厚み:18μm)を使用した。
評価試験(イ)と同様の手順で、銅張積層板を作製し、銅箔と樹脂の接着性を評価した。
(接着性の評価試験(ニ))
(1)銅箔
銅箔として、表面粗さ2.0μmの電解銅箔(厚み:18μm)を使用した。
(2)銅箔の処理
以下の各工程a〜eに示した手順で実施した。
a.脱脂清浄/1分間(室温)、水洗
b.酸清浄/1分間(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
c.Niめっき処理
d.亜鉛−クロム処理
e.銅箔の表面処理液に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)銅箔と樹脂の接着
評価試験(イ)と同様の手順で、銅張積層板を作製し、銅箔と樹脂の接着性を評価した。
(第1のアゾールシラン化合物を含有する表面処理液の評価)
実施例において使用したアゾールシラン化合物と、比較例において使用したシラン化合物は、以下のとおりである。
・3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール(参考例1−1参照)
・3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール(参考例1−2参照)
・3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール(参考例1−3参照)
・5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール(参考例1−4参照)
・イミダゾールシラン化合物(参考例1−5参照)
・3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、品名:KBM−903)
[参考例1−1]
(3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成)
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール3.0g(30mmol)および脱水メタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5.8g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン8.7g(30mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に27〜30℃にて3時間30分間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物12.5gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、化学式(Ia−1)で示される標題のアゾールシラン化合物7.3g(27mmol、収率92.3%)を得た。
[参考例1−2]
(3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成)
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール6.96g(60mmol)および脱水メタノール100mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、ナトリウムメトキシド(固体)3.24g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.42g(60mmol)および脱水メタノール20mLからなる溶液を、室温にて30分間かけて滴下し、更に27〜30℃にて3時間30分間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物26.4gをジエチルエーテル100mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、化学式(Ia−2)で示される標題のアゾールシラン化合物9.20g(33mmol、収率55.1%)を得た。
[参考例1−3]
(3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成)
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール3.48g(30mmol)および脱水メタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5.8g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、6−ブロモヘキシルトリメトキシシラン9.4g(30mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に60℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物14.2gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、化学式(Ia−3)で示される標題のアゾールシラン化合物5.3g(16mmol、収率52%)を得た。
[参考例1−4]
(5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成)
5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール7.9g(60mmol)および脱水メタノール100mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液11.6g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.4g(60mmol)および脱水メタノール20mLからなる溶液を、室温にて30分間かけて滴下し、更に34〜40℃にて4時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物26.5gをジエチルエーテル80mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、化学式(Ia−4)で示される標題のアゾールシラン化合物16.9g(60mmol、収率99.9%)を得た。
[参考例1−5]
(イミダゾールシラン化合物の合成)
イミダゾール3.4g(0.05mol)を95℃で融解し、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン11.8g(0.05mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに95℃の温度で1時間反応させた。
反応生成物は透明な橙色の粘稠な液体として得られた(特開平5−186479号公報開示の方法)。
なお、特開平5−186479号公報では、反応生成物は、以下の化学式(VII−1)〜(VII−3)で表されるイミダゾールシラン化合物の混合物とされている。
(実施例1−1)
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Aという)を調製した。
この処理液Aについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(実施例1−2)
3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Bという)を調製した。
この処理液Bについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(実施例1−3)
3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Cという)を調製した。
この処理液Cについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(実施例1−4)
5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Dという)を調製した。
この処理液Dについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(実施例1−5)
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール10gに、水を用いずエチレングリコールモノブチルエーテルのみ1000gを加えて、表面処理液(以下、処理液Eという)を調製した。
この処理液Eについて、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(比較例1−1)
イミダゾールシラン化合物10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Fという)を調製した。
この処理液Fについて、イミダゾールシランのメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(比較例1−2)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Gという)を調製した。
この処理液Gについて、3−アミノプロピルトリメトキシシランのメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(比較例1−3)
エチレングリコールモノブチルエーテル200gと水790gのみを混合し、室温にて2時間撹拌して、表面処理液(以下、処理液Hという)を調製した。
この処理液Hについて、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
(第2のアゾールシラン化合物を含有する表面処理液の評価)
実施例において使用したアゾールシラン化合物は、以下のとおりである。
・2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}(参考例2−1参照)
・3,3’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール(参考例2−2参照)
・3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}(参考例2−3参照)
・4,4’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}(参考例2−4参照)
[参考例2−1]
(2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}の合成)
2,2’−ジチオジ(1H−イミダゾール)2.0g(10mmol)を、脱水ジメチルホルムアミド45gに加えて、室温にて撹拌して溶解し、これに3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン4.1g(20mmol)を滴下した。
発熱が収まった後、40℃にて6時間撹拌し、反応液を減圧濃縮し、化学式(IIa−1)で示される標題のアゾールシラン化合物6.5g(10mmol、収率100%)を得た。
[参考例2−2]
(3,3’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}の合成)
3,3’−ジチオジ(1H−1,2,4−トリアゾール)4.02g(20.1mmol)を、脱水ジメチルホルムアミド150gに加えて、室温にて攪拌して溶解し、これに3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン9.49g(46.2mmol)を滴下した。その10分後にトリエチルアミン0.92g(9.1mmol)を加え、60℃にて8時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、化学式(IIa−2)で示される標題のアゾールシラン化合物12.3g(20.1mmol、収率100%)を得た。
[参考例2−3]
(3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}の合成)
3,3’−ジチオビス(5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール)2.00g(8.7mmol)を脱水ジメチルホルムアミド45gに加えて、室温にて撹拌して溶解し、これに3−イソシアナトトリメトキシプロピルシラン3.56g(17.3mmol)を滴下した。その5分後にトリエチルアミン0.3g(3mmol)を加え、55℃にて5時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた濃縮物12.8gを脱水メタノールより2回再結晶し、減圧下に乾燥して、化学式(IIa−3)で示される標題のアゾールシラン化合物3.65g(5.7mmol、収率65.5%)を得た。
[参考例2−4]
(4,4’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}の合成)
4,4’−ジチオジ(1H−1,2,3−トリアゾール)8.67g(43.3mmol)を、脱水ジメチルホルムアミド50gに加えて、室温にて攪拌して溶解し、これに、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン18.7g(91.1mmol)を滴下し、その20分後にトリエチルアミン1.84g(18.2mmol)を加え、室温下、15時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮した後、液状の濃縮物をヘキサン130mLで洗浄し、減圧下に乾燥して、化学式(IIa−4)で示される標題のアゾールシラン化合物26.0g(42.6mmol、収率98.3%)を得た。
(実施例2−1)
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Iという)を調製した。
この処理液Iについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
(実施例2−2)
3,3’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Jという)を調製した。
この処理液Jについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
(実施例2−3)
3,3’−ジチオビス{5−アミノ−1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,4−トリアゾール}10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Kという)を調製した。
この処理液Kについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
(実施例2−4)
4,4’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−1,2,3−トリアゾール}10gに、エチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理液(以下、処理液Lという)を調製した。
この処理液Lについて、当該アゾールシラン化合物のメトキシシリル基が、ヒドロキシシリル基に加水分解されていることを確認し、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
(実施例2−5)
2,2’−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール10gに、水を用いずエチレングリコールモノブチルエーテルのみ1000gを加えて、表面処理液(以下、処理液Mという)を調製した。
この処理液Mについて、接着性の評価試験(イ)〜(ニ)を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
以上の結果から、銅張積層板の銅箔と樹脂との間に、本発明の表面処理液を使用して化成皮膜層を形成させることによって、両者間の接着性が高められたと認められる。
本発明の表面処理液は、コンピューターや半導体装置、情報通信機器などの電子機器に使用されるプリント配線板の銅箔と絶縁樹脂層を接着するために好適なものである。
B 銅箔
I 絶縁樹脂層

Claims (14)

  1. 化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物または、化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物を含有することを特徴とする銅箔用の表面処理液。
    (式中、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表し、mは1〜12の整数を表し、nは0または1〜3の整数を表す。)
  2. 銅箔の表面に、請求項1に記載の表面処理液中の化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物または化学式(II)で示されるアゾールシラン化合物に由来する化成皮膜層が形成されたことを特徴とする銅箔。
  3. 粗化処理層、耐熱処理層または防錆処理層から選択される少なくとも1種の層を備えていることを特徴とする請求項2に記載の銅箔。
  4. 化成皮膜層を形成させる面の表面粗さ(Rz)が1.0μm以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の銅箔。
  5. 耐熱処理層が、窒素を含む化合物、ニッケル、亜鉛、クロム亜鉛、ニッケル合金、亜鉛合金またはクロム合金から選択される少なくとも1種から形成されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の銅箔。
  6. 防錆処理層が、窒素を含む化合物から形成されたか、または、亜鉛−クロメート処理もしくはクロメート処理により形成されたことを特徴とする請求項3〜請求項5の何れかに記載の銅箔。
  7. 請求項1に記載の表面処理液と銅箔を接触させることにより、銅箔の表面に化成皮膜層を形成させることを特徴とする銅箔の表面処理方法。
  8. 請求項2〜請求項6の何れかに記載の銅箔と絶縁樹脂層を備えていることを特徴とする樹脂付き銅箔。
  9. 請求項2〜請求項6の何れかに記載の銅箔と絶縁樹脂層を使用することを特徴とする樹脂付き銅箔の製造方法。
  10. 請求項2〜請求項6の何れかに記載の銅箔と絶縁樹脂層を備えていることを特徴とする銅張積層板。
  11. 請求項2〜請求項6の何れかに記載の銅箔と絶縁樹脂層を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板。
  12. 請求項8に記載の樹脂付き銅箔を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板。
  13. 請求項10に記載の銅張積層板を使用して製造されたことを特徴とするプリント配線板。
  14. 請求項2〜請求項6の何れかに記載の銅箔と絶縁樹脂層を、加熱圧着することを特徴とする銅張積層板またはプリント配線板の製造方法。
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