JP6436819B2 - 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用 - Google Patents

表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用 Download PDF

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Description

本発明は、トリアジン化合物を含有する表面処理剤、該表面処理剤を用いた銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板に関する。
また、本発明は、樹脂またはその硬化前化合物とトリアジン化合物とを含有する樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたソルダーレジストインク、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔、プリント配線板および半導体封止材料に関する。
近年、プリント配線板は、電子機器・電子部品の小型化、薄型化等に対応すべく多層化が進められており、所謂多層プリント配線板は、片面または両面に銅箔等からなる回路を設けた内層用の回路板に、プリプレグを介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを一体化することによって製造されている。ところで、このような多層プリント配線板においては、内層用の回路板に形成された銅回路と、外層用回路板または銅箔を積層させるプリプレグの絶縁接着樹脂との間の接着性の確保が重要な課題となっている。
特許文献1には、銅箔とプリプレグの接着性と、銅箔とプリプレグを接着して得られる銅張積層板の半田耐熱性を向上させる銅箔表面処理剤に関する発明が記載されている。この文献には、該表面処理剤の成分として、イミダゾール環を有するトリアルコキシシラン化合物とテトラアルコキシシラン化合物を併用する点が開示されている。
特許文献2には、銅の表面をエッチング等の粗化処理を行うことなく、銅と樹脂等の絶縁材との間の密着性を維持することができる銅の表面調整組成物および表面処理方法に関する発明が記載されている。この文献には、絶縁材との密着性に優れているという理由から、表面調整組成物の成分として、アルコキシル基を有するシランカップリング剤、例えばシラノール、トリシラノール等も好ましい点、そして、その中でも、銅とエポキシ樹脂等の絶縁材との密着性を向上させるという理由から、メルカプト基を有するシランカップリング剤が好ましい点が開示されている。また、当該表面調整組成物を含む溶液が、該組成物を、水と有機溶媒との混合溶媒に溶解させることにより調製し得る点が開示され、銅の表面に前記溶液を接触させた後は、水洗してから乾燥させても、水洗せずに乾燥させてもよい点、そして、水洗してから乾燥させた場合は、均一な厚さの膜が得られ、一方、水洗せずに乾燥した場合には、絶縁材との高い密着性が得られる点が開示されている。
特許文献3には、シランカップリング剤溶液の製造方法、シランカップリング剤溶液、それを用いた基材の表面処理方法等に関する発明が記載されている。この文献には、有機ケイ素化合物を水と混合して十分にシラノール基を形成させた後、さらにアルコールを混合すれば、高いシラノール化率を実現でき、かつ、均一な塗工も可能となり、優れた密着性が実現する点、そして、シラノール化率として60〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい点が開示されている。そして、前記の有機ケイ素化合物として、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランや、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが開示されている。なお、有機高分子化合物や無機材料から構成される基材と、液晶性化合物との密着性を優れたものとする点が発明の課題とされており、銅を基材とする場合の密着性については言及されていない。
特許文献4には、シランカップリング剤およびポリマー組成物に関する発明が記載されている。この文献には、ガラスや金属とゴムの接着用プライマーに使用されるシランカップリング剤の成分として、トリアゾールやチアジアゾール等の含窒素複素環と、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等のシリル基が、チオエーテル(スルフィド)結合等を有する有機基を介して結合された構造の物質が種々開示されている。なお、金属が銅である点の開示はない。
特開平7−286160号公報 特開2009−263790号公報 特開2006−045189号公報 特開2002−363189号公報
本発明の目的は、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性を高めることができる表面処理剤を提供することにある。
また、この表面処理剤を用いて製造される銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板を提供することにある。
本発明の他の目的は、金属や無機材料に対して高い接着性を有する樹脂層を形成できる樹脂組成物を提供することにある。
また、この樹脂組成物を用いて製造されるソルダーレジストインク、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔、プリント配線板および半導体封止材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するトリアジン化合物を含有する表面処理剤を用いると、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性、特に金属と樹脂材料との接着性を大きく向上できることを見いだした。また、前記トリアジン化合物を含有する樹脂組成物を用いると、樹脂と金属または無機材料との接着性を大きく向上できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づき、さらに検討を重ねて完成したものである。
すなわち、第1の発明は、化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有する表面処理剤である。
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R1が1分子中に複数ある場合、複数のR1は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R2が1分子中に複数ある場合、複数のR2は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。)
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。)
第2の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された銅箔である。
第3の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理されたプリプレグである。
第4の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された銅張積層板である。
第5の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された層間絶縁材である。
第6の発明は、銅箔と樹脂層が第1の発明の表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔である。
第7の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された部材を備えるプリント配線板である。
第8の発明は、化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物である。
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R1が1分子中に複数ある場合、複数のR1は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R2が1分子中に複数ある場合、複数のR2は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。)
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。)
第9の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインクである。
第10の発明は、第9の発明のソルダーレジストインクから形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板である。
第11の発明は、基材と第8の発明の樹脂組成物から構成されたプリプレグである。
第12の発明は、銅箔と第11の発明のプリプレグから構成された銅張積層板である。
第13の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成された層間絶縁材である。
第14の発明は、銅箔と第8の発明の樹脂組成物により形成された樹脂層から構成された樹脂付銅箔である。
第15の発明は、第8の発明の樹脂組成物により形成された樹脂層を備えるプリント配線板である。
第16の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成された半導体封止材料である。
本発明の表面処理剤によれば、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料間の接着性を高めることができる。そのため、該表面処理剤を用いることにより、被積層体に対する接着性やそれ自体の層間接着性に優れた銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板等を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物によれば、金属や無機材料に対して高い接着性を有する樹脂層を形成できる。そのため、この樹脂組成物を用いることにより、被積層体との接着性やそれ自体の層間接着性に優れた銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板、半導体封止材料等を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物を必須成分として含有する表面処理剤である。また、本発明の樹脂組成物は、化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを必須成分として含有する樹脂組成物である。
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R1が1分子中に複数ある場合、複数のR1は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R2が1分子中に複数ある場合、複数のR2は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。)
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。)
化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物は、分子中にスルフィド(チオエーテル)結合を有する化合物である。なお、化学式(I)で示されるトリアジン化合物と化学式(II)で示されるトリアジン化合物とを、「本発明のトリアジン化合物」と総称することがある。
化学式(I)で示されるトリアジン化合物の例としては、
2,4−ジアミノ−6−[2−(カルボキシルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(メトキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(エトキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(プロピルオキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ブトキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ヘキシルオキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(オクチルオキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(デシルオキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(オクタデシルオキシカルボニルメチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[(2−エチルヘキシル)オキシカルボニルメチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[(3−メトキシブチル)オキシカルボニルメチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(2−カルボキシルエチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(メトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(エトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(プロピルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(ブトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(ヘキシルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(オクチルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(デシルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−(2−{2−[(2−エチルヘキシル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−(2−{2−[(3−メトキシブチル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
化学式(II)で示されるトリアジン化合物の例としては、
2,4−ジアミノ−6−[2−(メチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(エチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(プロピルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(イソプロピルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ブチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(イソブチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ペンチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ヘキシルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(オクチルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(デシルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(ドデシルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−(オクタデシルチオ)エチル]−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[(3−ヒドロキシプロピル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−{2−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
これらのトリアジン化合物は、化学式(III)で示される2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジンと、化学式(IV)または化学式(V)で示されるチオール化合物とを、適量の反応溶媒中において、適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより、合成することができる。
Figure 0006436819
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3と、nおよびmは、前記と同様である。)
Figure 0006436819
(式中、R1、R2およびR3と、tは、前記と同様である。)
化学式(IV)で示されるチオール化合物の例としては、
メルカプト酢酸、
メルカプト酢酸メチル、
メルカプト酢酸エチル、
メルカプト酢酸プロピル、
メルカプト酢酸ブチル、
メルカプト酢酸ヘキシル、
メルカプト酢酸オクチル、
メルカプト酢酸デシル、
メルカプト酢酸オクタデシル、
メルカプト酢酸2−エチルヘキシル、
メルカプト酢酸メトキシブチル、
3−メルカプトプロピオン酸、
3−メルカプトプロピオン酸メチル、
3−メルカプトプロピオン酸エチル、
3−メルカプトプロピオン酸プロピル、
3−メルカプトプロピオン酸ブチル、
3−メルカプトプロピオン酸ヘキシル、
3−メルカプトプロピオン酸オクチル、
3−メルカプトプロピオン酸デシル、
3−メルカプトプロピオン酸オクタデシル、
3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、
3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル等が挙げられる。
また、化学式(V)で示されるチオール化合物の例としては、
メタンチオール、
エタンチオール、
プロパンチオール、
ブタンチオール、
ペンタンチオール、
ヘキサンチオール、
オクタンチオール、
デカンチオール、
ドデカンチオール、
オクタデカンチオール、
2−メルカプトエタノール、
3−メルカプトプロパノール、
3−メルカプト−1,2−プロパンジオール等が挙げられる。
前記の反応溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤や、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤が挙げられる。
前記の反応温度については、室温〜100℃の範囲内で適宜設定することができる。また、前記の反応時間については、設定した反応温度に応じて決定されるが、0.5〜24時間とすることが好ましく、1〜6時間とすることがより好ましい。
(表面処理剤)
本発明の表面処理剤は、本発明のトリアジン化合物を必須成分として含有する。なお、本発明の表面処理剤は、本発明のトリアジン化合物の1種を含有するものであってもよいし、2種以上を含有するものであってもよい。また、本発明の表面処理剤は、化学式(I)で示される化合物と化学式(II)で示される化合物のいずれか一方のみを含有するものであってもよいし、両方を含有するものであってもよい。
本発明の表面処理剤は、本発明のトリアジン化合物とともに溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液が挙げられる。この場合の表面処理剤は、本発明のトリアジン化合物と溶媒とを適宜な混合手段を用いて混合することにより調製できる。なお、表面処理剤を処理液と云うことがある。
前記有機溶剤としては、可溶化剤として作用するものであれば、液体または固体を問わず、特に制限なく使用されるが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、炭酸ジメチル、エチレンカーボネート、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、グリセリン酸、マロン酸、コハク酸、レブリン酸、フェノール、安息香酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジンが好ましい。これらの有機溶剤(可溶化剤)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、固体の可溶化剤を使用する場合には、水および/または液体の可溶化剤と組み合わせて使用する。
溶媒として水と有機溶剤の混合液を用いる場合、表面処理剤の調製方法としては、本発明のトリアジン化合物と水を混合した後に有機溶剤を加えてもよいし、本発明のトリアジン化合物と水および有機溶剤の混合液を混合してもよいし、本発明のトリアジン化合物と有機溶剤を混合した後に水を加えてもよい。また、表面処理剤の調製に使用される水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましい。
本発明の表面処理剤中における本発明のトリアジン化合物の濃度は、0.001〜20重量%の範囲であることが好ましい。
該トリアジン化合物の濃度が0.001重量%未満の場合、接着性の向上効果が十分に得られない虞があり、20重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、トリアジン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
表面処理剤の安定性や皮膜の均一性を向上させるために、塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオンや銅イオン、鉄イオン、亜鉛イオン等の金属イオンを生成する物質を使用することもできる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のカップリング剤を併用してもよい。公知のカップリング剤としては、チオール基(メルカプト基)、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、クロロプロピル基等を有するシラン系カップリング剤が挙げられる。
このようなシラン系カップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等のビニルフェニルシラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピルシラン化合物、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン化合物等を挙げることができる。その他、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等も挙げることができる。
なお、本発明の表面処理剤は、上記のほか、適用する被処理材(後述)の種類、用途等に応じて、適宜の添加剤を含有していてもよい。
(被処理材)
本発明の表面処理剤を適用する被処理材としては、例えば、金属、無機材料、樹脂材料等から形成された粒状、針状、繊維状、薄膜状、板状、無定形等のものが挙げられる。
前記の金属としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、銀、金およびこれらの合金等が挙げられる。前記合金の具体例としては、銅合金では、銅を含む合金であれば特に限定されず、例えば、Cu−Ag系、Cu−Te系、Cu−Mg系、Cu−Sn系、Cu−Si系、Cu−Mn系、Cu−Be−Co系、Cu−Ti系、Cu−Ni−Si系、Cu−Zn−Ni系、Cu−Cr系、Cu−Zr系、Cu−Fe系、Cu−Al系、Cu−Zn系、Cu−Co系等の合金が挙げられる。また、その他の合金では、アルミニウム合金(Al−Si合金)、ニッケル合金(Ni−Cr合金)、鉄合金(Fe−Ni合金、ステンレス)等が挙げられる。これらの金属の中では、銅および銅合金が好ましい。
また、金属の態様としては、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に用いられる箔(例えば、電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(例えば、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において用いられるものが挙げられる。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
前記の無機材料としては、例えば、シリコン、セラミックや、フィラーとして使用されるカーボン、無機塩およびガラス等が挙げられる。具体的には、シリコン、炭化ケイ素、シリカ、ガラス、珪藻土、珪酸カルシウム、タルク、硝子ビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等のケイ素化合物、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、石膏等の硫酸塩、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、鱗片状黒鉛(天然黒鉛)、膨張黒鉛、膨張化黒鉛(合成黒鉛)等のグラファイト類、活性炭類、炭素繊維類、カーボンブラック等が挙げられる。これらの無機材料の中では、シリコン、セラミック(アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素やチタン酸バリウム)、ガラスおよび無機塩が好ましい。
前記の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよい。具体的には、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。また、これらの樹脂の重合度に特に制限はなく、表面処理後に、適宜重合(硬化)したものであってもよい。これらの樹脂材料の中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
(表面処理方法)
本発明の表面処理剤を被処理材の表面に接触させる方法としては、特に制限はなく、浸漬、塗布、スプレー等の手段を採用することができる。表面処理剤と被処理材を接触させる時間(処理時間)については、1秒〜10分とすることが好ましく、5秒〜3分とすることがより好ましい。処理時間が1秒未満の場合には、被処理材表面に形成される皮膜の膜厚が薄くなり、材質の異なる材料間の接着力が十分に得られず、一方10分より長くしても、皮膜の膜厚に大差はなく、接着性の向上も期待できない。また、表面処理剤を被処理材表面に接触させる際の表面処理剤の温度については、5〜50℃とすることが好ましいが、前記の処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
本発明の表面処理剤と被処理材を接触させた後は、水洗してから乾燥させてもよいし、水洗せずに乾燥させてもよい。乾燥は、室温〜150℃の温度とすることが好ましい。なお、水洗に用いる水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましいが、水洗の方法や時間には特に制限なく、スプレーや浸漬等の手段による適宜の時間で構わない。
本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させる場合は、その前に、銅イオンを含む水溶液を当該金属の表面に接触させてもよい。この銅イオンを含む水溶液は、金属の表面に形成される皮膜の厚みを均一にさせる機能を有する。銅イオンを含む水溶液の銅イオン源としては、水に溶解する銅塩であれば特に限定されず、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、ギ酸銅、酢酸銅等の銅塩が挙げられる。銅塩を水に可溶化するために、アンモニアや塩酸等を添加してもよい。また、本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させた後に、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液を当該金属の表面に接触させてもよい。この酸性水溶液またはアルカリ性水溶液も、前記の銅イオンを含む水溶液と同様に、金属の表面に形成される皮膜の厚みを均一にさせる機能を有する。酸性水溶液およびアルカリ性水溶液は、特に限定されないが、酸性水溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸を含む水溶液や、ギ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、アミノ酸等の有機酸を含む水溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、エタノールアミン、モノプロパノールアミン等のアミン類等を含む水溶液が挙げられる。
本発明の表面処理剤は、前記の金属、無機材料および樹脂材料から選択される少なくとも1つの被処理材の表面を処理するために用いることができる。本発明の表面処理剤を用いて被処理材の表面を処理することで、被処理材表面に皮膜を形成し、他の材料との接着性を高めることができる。この皮膜は耐熱性が高く、例えば、はんだリフロー加熱(260℃程度)によっても接着力は保持される。なお、この処理による効果を高めるために、表面処理した被処理材を加熱処理してもよい。
(接着方法)
本発明において、前記の金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの材料を本発明の表面処理剤を用いて接着させることができる。本発明の表面処理剤により形成される皮膜を介して2つの材料を接着することで、互いの親和性を向上させることができるため、材質の異なる材料同士であってもより強固に接着することができる。前記皮膜の厚みは、0.0001〜1μm、好ましくは0.001〜0.5μmである。
接着方法としては、公知の方法を採用することができる。金属、無機材料または樹脂材料から選択される被処理材の表面に本発明の表面処理剤を接触させて皮膜を形成し、形成した皮膜の一部または全体に他の被処理材を塗布、圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組合わせて接着する方法が挙げられる。
また、金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの被処理材の表面に、本発明の表面処理剤を接触させて、2つの被処理材の表面にそれぞれ皮膜を形成し、2つの被処理材を塗布、圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組合わせて接着する方法が挙げられる。
(表面処理剤の利用)
本発明の表面処理剤を用いることにより、前記のように2つの材料、特に材質の異なる2つの材料を接着させることができるので、電気・電子用途(各種電気・電子部品やプリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に好適に利用することができる。
本発明の表面処理剤は、金属、特に銅または銅合金から形成される被処理材に対して、好適に用いることができる。例えば、銅回路(銅配線層)と、半硬化または硬化したプリプレグやソルダーレジスト、半硬化または硬化したドライフィルム(絶縁樹脂層)との間の接着性(密着性)を高めることを目的とする場合に好適であり、銅配線層に接して絶縁樹脂層を有するプリント配線板において、銅配線層と絶縁樹脂層との間の接着性を高めることができる。
本発明の表面処理剤を材料の表面処理に用いた例として、当該表面処理剤により処理された銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、シート状部材や、銅箔と樹脂層とが当該表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔の他、これらの部材を備えたプリント配線板等を挙げることができる。
前記のプリント配線板は、例えば、本発明の表面処理剤と銅配線層の表面を接触させて、その後水洗・乾燥した後、銅配線層表面に絶縁樹脂層を形成させることにより製造することができる。この接触の方法については、前述のとおりであり、表面処理剤中への銅配線層の浸漬または該表面処理剤による銅配線層表面へのスプレー等が簡便かつ確実であり好ましい。
また、前記の水洗の方法についても特に制限はないが、洗浄水中への銅配線層の浸漬または洗浄水による銅配線層表面へのスプレーが簡便かつ確実であり好ましい。前記の絶縁樹脂層の形成には、公知の方法、例えば半硬化の樹脂材料を貼り付ける方法や溶剤を含む液状の樹脂材料を塗布する手段等を採用することができる。次いで、上下の配線を導通させる為に、ビアホールを形成する。このプロセスを繰り返すことにより、多層プリント配線板を製造できる。
前記の銅配線については、無電解メッキ法、電解メッキ法、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等どのような方法で作製されたものでもよく、インナービアホール、スルーホール、接続端子等を含んだものでもよい。
また、本発明に係る「銅」とは、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に用いられる箔(電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において用いられるものである。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
ところで、特開2009−19266号公報には、金属表面にシランカップリング剤を含む液を塗布する工程と、前記液を塗布した金属表面を、25〜150℃の温度で且つ5分以内で乾燥を行う工程と、乾燥させた金属表面を水洗する工程を含むことを特徴とするシランカップリング剤皮膜の形成方法に関する発明が記載されている。また、前記金属表面には、予め表面処理として、浸漬めっき液によりスズ等の接着性金属層を形成してよいとされている。本発明の表面処理剤は、前記のシランカップリング剤を含む液として用いることができるものである。なお、この特許公報に記載された事項は、引用により本明細書の一部を成すものとする。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、本発明のトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを必須成分として含有する。なお、本発明の樹脂組成物は、本発明のトリアジン化合物の1種を含有するものであってもよいし、2種以上を含有するものであってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、化学式(I)で示される化合物と化学式(II)で示される化合物のいずれか一方のみを含有するものであってもよいし、両方を含有するものであってもよい。
前記「樹脂またはその硬化前化合物」は、熱可塑性樹脂、熱または活性エネルギー線硬化性樹脂(硬化物)、それらの原料モノマー、該モノマーの部分重合物または半硬化物を包含する。熱または活性エネルギー線硬化性樹脂の場合、Aステージ樹脂、Bステージ樹脂、Cステージ樹脂の何れの状態であってもよい。
前記の樹脂としては、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。これらの樹脂材料の中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物中の本発明のトリアジン化合物の含有量は、0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。本発明のトリアジン化合物の含有量が樹脂組成物中0.001重量%未満である場合には、接着性の向上効果が十分ではなく、含有量が10重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、本発明のトリアジン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
当該樹脂組成物には、樹脂またはその硬化前化合物と、本発明のトリアジン化合物のほか、用途等に応じて、溶媒(水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液)、添加剤(硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、滑剤、フィラー等)等を適宜量含んでいてもよい。上記有機溶剤としては、前述の有機溶剤(可溶化剤)として例示したものを使用できる。
当該樹脂組成物は公知の方法により調製することができる。例えば、本発明のトリアジン化合物を有機溶剤に溶解させ、固形または液状の樹脂材料に混合することにより、樹脂組成物を調製することができる。また、本発明のトリアジン化合物を液状の樹脂材料に直接添加して混合して、樹脂組成物を調製してもよい。
(樹脂組成物の利用)
本発明の樹脂組成物は、本発明のトリアジン化合物を含むので、硬化後の樹脂層は、隣接する層や部材、例えば、金属または無機材料の層や部材と高い強度で密着(接着)する。そのため、各種電気・電子用途(電気・電子部品等や、プリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に好適に利用することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた具体例としては、例えば、本発明の樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインク、該ソルダーレジストインクにより形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)と本発明の樹脂組成物から構成されたプリプレグ、該プリプレグと銅箔から構成された銅張積層板、本発明の樹脂組成物から構成された層間絶縁材(層間絶縁膜等)、銅箔と、本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層とから構成された樹脂付銅箔、本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層を備えるプリント配線板、本発明の樹脂組成物から構成された半導体封止材料等を挙げることができる。
前記ソルダーレジストは、本発明のトリアジン化合物と硬化前化合物(硬化性化合物)とを含有する本発明の樹脂組成物からなるソルダーレジストインクを適宜な基板上に塗布し、乾燥して形成される硬化性樹脂層を、熱や活性エネルギー線を用いて硬化させることにより得られる。前記プリント配線板は、前記ソルダーレジストインクを用い公知の方法で製造できる。前記プリプレグは、例えば、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)に本発明の樹脂組成物を塗布したり、前記基材を当該樹脂組成物中に浸漬して含浸させることにより製造できる。前記銅張積層板は、前記のプリプレグと銅箔とを積層することにより製造できる。前記層間絶縁材は、本発明の樹脂組成物を適宜な基板上に塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。前記樹脂付銅箔は、銅箔上に本発明の樹脂組成物を塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。前記プリント配線板において、「本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層」には、前記ソルダーレジスト、プリプレグ、層間絶縁材、樹脂付銅箔における樹脂のほか、種々のものが含まれる。本発明の樹脂組成物は半導体封止材料として用いることができる。
また、本発明の表面処理剤や樹脂組成物を適用した部材には、優れた接着性、耐熱性、絶縁性等を付与できるので、必要に応じて適宜の助剤を含有させることにより、導電性ペースト、アンダーフィル、ダイアタッチ材、半導体チップマウンティング材、非導電性接着剤、液晶シール剤、ディスプレイ材料、リフレクター、塗料、接着剤、硬化剤、ワニス、エラストマー、インク、ワックス、シール剤等とすることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において使用したトリアジン化合物の合成例を参考例1〜3に示す。また、これらの合成に使用した主原料は、以下のとおりである。
[主原料]
・2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン(四国化成工業社製)
・3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル(東京化成工業社製)
・3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル(同上)
・3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(同上)
〔参考例1〕
<2,4−ジアミノ−6−(2−{2−[(2−エチルヘキシル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)−1,3,5−トリアジンの合成>
温度計を備えた100mLフラスコに、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン2.74g(20.0mmol)、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル4.37g(20.0mmol)およびメタノール20mLを投入して、反応液を調製した。
この反応液を攪拌しながら、65℃にて1時間反応を行い、続いて、反応液を減圧下にて濃縮して、白色の結晶6.75g(収率95%)を得た。
得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:75.3〜76.8℃
1H-NMR(CDCl3) δ:5.44 (br, 4H), 3.80-4.06 (m, 2H), 2.92 (t, 2H), 2.76-2.84 (m, 4H), 2.63 (t, 2H), 1.55-1.63 (m, 1H), 1.28-1.39 (m, 8H), 0.87-0.91 (m, 6H).
このスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(I-1)で示される標題のトリアジン化合物であるものと同定した。以下、化学式(I-1)で示される化合物を「密着性付与剤1」と云うことがある。
Figure 0006436819
〔参考例2〕
<2,4−ジアミノ−6−(2−{2−[(3−メトキシブチル)オキシカルボニル]エチルチオ}エチル)−1,3,5−トリアジンの合成>
3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル4.37g(20.0mmol)の代わりに、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル3.84g(20.0mmol)を使用した以外は、参考例1と同様の操作を行って、白色の結晶6.59g(収率100%)を得た。
得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:59.0〜60.6℃
1H-NMR(d6-DMSO) δ:6.57 (br, 4H), 4.08 (t, 2H), 3.33-3.39 (m, 1H), 3.20 (s, 3H), 2.83 (t, 2H), 2.71 (t, 2H), 2.56-2.60 (m, 4H), 1.63-1.75 (m, 2H), 1.07 (d, 3H).
このスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(I-2)で示される標題のトリアジン化合物であるものと同定した。以下、化学式(I-2)で示される化合物を「密着性付与剤2」と云うことがある。
Figure 0006436819
〔参考例3〕
<2,4−ジアミノ−6−{2−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)チオ]エチル}−1,3,5−トリアジンの合成>
2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジンの使用量を、2.74g(20.0mmol)から1.37g(10.0mmol)に変更し、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル4.37g(20.0mmol)の代わりに、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール1.08g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例1と同様の操作を行って、白色の結晶2.33g(収率95%)を得た。
得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:151.2〜153.6℃
1H-NMR(d6-DMSO) δ:6.59 (br, 4H), 4.75 (d, 1H), 4.56 (t, 1H), 3.52-3.57 (m, 1H), 3.34-3.38 (m, 2H), 2.83 (t, 2H), 2.43-2.51 (m, 4H).
このスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(II-1)で示される標題のトリアジン化合物であるものと同定した。以下、化学式(II-1)で示される化合物を「密着性付与剤3」と云うことがある。
Figure 0006436819
実施例および比較例において使用したトリアジン化合物以外の主な原材料は、以下のとおりである。
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、商品名「YDCN−704」)
・フェノールノボラック樹脂(DIC社製、商品名「TD−2131」)
・2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、商品名「2E4MZ」、以下、「2E4MZ」と略記する)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「jER838」);実施例4〜6、比較例2
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「jER828」);実施例10〜12、比較例4
・フィラー(龍森社製、商品名「MSR−25」、シリカ);実施例4〜6、比較例2
・フィラー(エボニック社製、商品名「アエロジル300」、シリカ);実施例10〜12、比較例4
〔実施例1〕
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂、密着性付与剤1および2E4MZを表1記載の組成となるように常温で配合した後、90〜100℃で溶融混練した。これを冷却した後、粉砕して、エポキシ樹脂組成物(半導体用封止材)を調製した。
次いで、2枚の銅合金板(TP技研製C1020P、サイズ:100mm×25mm×0.16mm)をエポキシ樹脂組成物で貼り合わせて、175℃×8時間の条件にて加熱硬化させて、試験片を作製した。
この試験片について、「JIS K6850」に従って、室温でAUTOGRAPH AG−X(島津製作所社製)を用い、引張速度5mm/分にて2枚の銅合金板を逆方向に引っ張って最大荷重を測定し、最大荷重を接着面積で割ることでせん断強度を計算した。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例2〜3〕
密着性付与剤1の代わりに、密着性付与剤2〜密着性付与剤3を各々配合した以外は、実施例1と同様にして、表1記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔比較例1〕
密着性付与剤1を配合しない以外は、実施例1と同様にして、表1記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、実施例1と同様にして、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
Figure 0006436819
〔実施例4〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フィラー、2E4MZおよび密着性付与剤1を表2記載の組成となるように配合し、3本ロールをかけて、液状のエポキシ樹脂組成物を調製した。
次いで、2枚の銅合金板(TP技研製C1020P、サイズ:100mm×25mm×0.16mm)をエポキシ樹脂組成物で貼り合わせて、175℃×8時間の条件にて加熱硬化させて、試験片を作製した。
この試験片について、「JIS K6850」に従って、室温でAUTOGRAPH AG−X(島津製作所社製)を用い、引張速度5mm/分にて2枚の銅合金板を逆方向に引っ張って最大荷重を測定し、最大荷重を接着面積で割ることでせん断強度を計算した。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
〔実施例5〜6〕
密着性付与剤1の代わりに、密着性付与剤2〜密着性付与剤3を各々配合した以外は、実施例4と同様にして、表2記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
〔比較例2〕
密着性付与剤1を配合しない以外は、実施例4と同様にして、表2記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、実施例4と同様にして、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
Figure 0006436819
〔実施例7〕
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂、密着性付与剤1および2E4MZを表3記載の組成となるように配合し、そこにメチルエチルケトンを加えて、ワニスを調製した。
次いで、仕様7628タイプのガラス織布基材(積層板用無アルカリ平織ガラスクロス)に、前記ワニスを樹脂含量がおよそ50%になるように含浸した後、乾燥して、プリプレグを作製した。
続いて、このプリプレグを8枚重ねて、銅箔(厚み:35μm)を片側に重ねた後、これを175℃、40kg/cm2の加熱・加圧条件にて90分間プレスすることにより銅張積層板を作製した。
この銅張積層板について、「JIS C6418」に従って、幅1cmの試験片を作製し、銅箔のピール強度を測定した。得られた試験結果は、表3に示したとおりであった。
〔実施例8〜9〕
密着性付与剤1の代わりに、密着性付与剤2〜密着性付与剤3を各々配合した以外は、実施例7と同様にして、ワニスを調製した。
次いで、実施例7と同様にして、銅張積層板を作製した後、ピール強度を測定した。
得られた試験結果は、表3に示したとおりであった。
〔比較例3〕
密着性付与剤1を配合しない以外は、実施例7と同様にして、表3記載の組成を有するワニスを調製した。
次いで、実施例7と同様にして、銅張積層板を作製した後、ピール強度を測定した。
得られた試験結果は、表3に示したとおりであった。
Figure 0006436819
〔実施例10〕
エポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤として2E4MZを0.5重量部、フィラーとしてシリカを4重量部、密着性付与剤1を5重量部計量し、自転公転ミキサー(シンキー社製、商品名「あわとり練太郎」)にて5分間攪拌混合し、1分間脱泡してエポキシ樹脂組成物を調製した。
上記エポキシ樹脂組成物を鋼板に均一に塗布し、60℃×4時間の条件にて加熱し、続いて150℃×4時間の条件にて加熱硬化させた後、「JIS K6850」に従って、せん断強度を測定して、鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
〔実施例11〜12〕
密着性付与剤1の代わりに密着性付与剤2〜密着性付与剤3を各々配合した以外は、実施例10と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
次いで、実施例10と同様にしてせん断強度を測定し、鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
〔比較例4〕
密着性付与剤1を使用しない以外は実施例10と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
次いで、実施例10と同様にしてせん断強度を測定し、鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
Figure 0006436819
また、実施例13〜15および比較例5で採用した接着性試験方法は、以下のとおりである。
[接着性試験(イ)]
25cm×25cmの電解銅箔(厚み:33μm)のマット面に、黄銅をめっき被覆した後、亜鉛または酸化亜鉛と、クロム酸化物との混合物をめっき被覆し、これを試験片とした。次いで、この試験片を、表面処理剤に浸漬(室温×1分)した後、取り出して液切りした後、100℃の乾燥器内で、5分間乾燥した。そして、この試験片のマット面を、ガラス繊維クロスにエポキシ樹脂を含浸させた基材に接着し、「JIS C6481」に準拠して、常態ピール強度を測定した。
〔実施例13〕
メタノールに密着性付与剤1を表5記載の組成となるように溶解させて、表面処理剤を調製した。次いで、この表面処理剤を用いて、接着性試験(イ)を行ったところ、得られた試験結果は、表5に示したとおりであった。
〔実施例14〜15〕
実施例13と同様にして、表5記載の組成を有する表面処理剤を調製した。次いで、これらの表面処理剤を用いて、接着性試験(イ)を行ったところ、得られた試験結果は表5に示したとおりであった。
〔比較例5〕
銅箔に表面処理を施さずに、接着性試験(イ)を行った。この試験結果は表5に示したとおりであった。
Figure 0006436819
表1、表2、表4に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物のせん断強度を向上させることができる。
表3に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物を用いることにより、銅張積層板のピール強度を向上させることができる。
表5に示した試験結果によれば、本発明の表面処理剤を用いることにより、銅と樹脂との接着性を向上させることができる。
本発明によれば、金属、無機材料および樹脂材料の接着性(密着性)を十分に確保できるので、被処理材の表面を粗化することなく、平滑な状態に保持することができる。従って、本発明は、多層プリント配線板の小型化、薄型化、高周波化、高密度化等の実現に大いに貢献し得るものであるから、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (15)

  1. 化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有する表面処理剤。
    Figure 0006436819
    (式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R1が1分子中に複数ある場合、複数のR1は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R2が1分子中に複数ある場合、複数のR2は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。
    Figure 0006436819
    (式中、R1、R2およびR3は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。
  2. 請求項1記載の表面処理剤により処理された銅箔。
  3. 請求項1記載の表面処理剤により処理されたプリプレグ。
  4. 請求項1記載の表面処理剤により処理された銅張積層板。
  5. 請求項1記載の表面処理剤により処理された層間絶縁材。
  6. 銅箔と樹脂層が請求項1記載の表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔。
  7. 請求項1記載の表面処理剤により処理された部材を備えるプリント配線板。
  8. 化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインク。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
  9. 請求項記載のソルダーレジストインクから形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板。
  10. 基材と化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物から構成されたプリプレグ。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
  11. 銅箔と請求項10記載のプリプレグから構成された銅張積層板。
  12. 化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物から構成された層間絶縁材。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
  13. 銅箔と化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物により形成された樹脂層から構成された樹脂付銅箔。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
  14. 化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物により形成された樹脂層を備えるプリント配線板。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
  15. 化学式(I)または化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを含有する樹脂組成物から構成された半導体封止材料。
    Figure 0006436819
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。但し、R 1 が1分子中に複数ある場合、複数のR 1 は互いに独立して同一または異なっていてもよく、R 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR 2 は互いに独立して同一または異なっていてもよい。nは1〜2の整数を表し、mは0〜16の整数を表す。但し、mが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
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    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同様であり、tは0〜16の整数を表す。但し、tが0の場合は、R 3 はヒドロキシ基でもメトキシ基でもない。)
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