JP6445090B2 - 加力試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋭角に交差して交点部で連結される2部材に対する加力試験装置に関するものである。
上階の床スラブ又は梁などの建物の構造体から吊りボルトによって吊り下げられた野縁受け及び野縁等からなる鋼製下地を有する吊り天井構造において、建物構造体の下面と鋼製下地との間に斜めにブレースが取り付けられることによって、耐震性が向上することが知られている(特許文献1,2など参照)。
一方、非特許文献1に開示されているように、吊りボルトとブレースとが所要の角度で交差する斜め部材の上端接合部の試験方法を実施するための加力ジグが知られている。
この加力ジグは、吊り元の躯体(床スラブ等)に相当するものとなっており、加力ジグは立ち上がり角度が45度の場合のみ試験できる設計となっている。またこの加力ジグを使用した試験装置では、ジャッキによる加力線と斜め部材の軸線との間にズレが生じている。
特許第4845212号公報 特許第4963484号公報
天井及びその部材・接合部の耐力・剛性の設定方法のための試験方法について その1 接合部の試験方法、建材試験情報4'14、一般財団法人建材試験センター、平成26年4月1日、Vol.50、pp.15-21
しかしながら実際の吊り天井構造においては、必ずしもブレースの立ち上がり角度が45度となる場合ばかりではなく、別の角度の試験を実施しなければならない場合がある。
また、試験装置の加力線と斜め部材の軸線との間にズレが生じていると、試験時に斜め部材の上端接合部に偏心荷重がかかり、構造性能を正しく検証できない可能性がある。さらに、吊り元と斜め部材の上端接合部となる金物との間に偏心が生じている場合、偏心を考慮できない非特許文献1の加力ジグでは実情を正確に再現できていないことになる。
そこで本発明は、様々な態様で鋭角に交差して交点部で連結される2部材に対して、実情に即した正確な試験を行うことが可能な加力試験装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の加力試験装置は、鋭角に交差して交点部で連結される2部材に対する加力試験装置であって、第1部材の交点部側の端部を固定させる反力架台部と、前記交点部と反対側となる第2部材の端部側に配置されて軸方向の荷重を作用させる加力部と、前記加力部によって載荷された荷重を計測する荷重計測部とを備え、前記反力架台部は前記第1部材と前記第2部材との交差角度に対応可能な角度調整機構を有していることを特徴とする。
ここで、前記加力部による荷重の作用方向と前記第2部材の軸線方向とを一致させるために前記反力架台部を水平方向に移動可能とする水平位置調整機構を有している構成とすることができる。
また、前記反力架台部は、底面部の両側縁から側壁が立ち上げられた下半部と、前記側壁のそれぞれに重ね合わせる垂れ壁及び前記垂れ壁間に架け渡されて前記第1部材を固定させる反力面部を有する上半部とを備え、前記角度調整機構は、前記下半部に対して前記上半部を重ね合わせる角度によって前記交差角度に対応可能となる構成とすることができる。
さらに、前記下半部及び前記上半部のいずれか一方には円弧状の円弧長穴が形成され、かつ他方には締結穴が形成され、前記締結穴と前記円弧長穴とに通したボルトによって前記上半部を重ね合わせる角度を固定する構成とすることができる。
また、前記荷重計測部はセンターホール型荷重計であって、前記第2部材の端部より細い軸力材に変換させる変換アダプタを介して前記センターホール型荷重計に接続させる構成とすることができる。
さらには、前記第1部材は、保護プレートを介して前記反力架台部に固定される構成とすることができる。また、前記第2部材は前記加力部を挟んだ上下の一対の前記荷重計測部に接続可能となる構成とすることができる。
このように構成された本発明の加力試験装置は、第1部材の交点部側の端部を固定させる反力架台部が、第1部材と第2部材との交差角度に対応可能な角度調整機構を有している。このため、様々な態様で鋭角に交差して交点部で連結される2部材に対して、実情に即した正確な試験を行うことができる。
また、加力部による荷重の作用方向と第2部材の軸線方向とを一致させるための水平位置調整機構を備えていれば、反力架台部を水平方向に移動させることで、実際の位置関係と同じ状態を容易に再現させることができる。
さらに、反力架台部が下半部に対して上半部を重ね合わせる角度によって交差角度に対応させる構成であれば、操作性に優れており、迅速に所望する角度に設定することができる。
特に、下半部及び上半部のいずれか一方に円弧状の円弧長穴を形成して角度を調整する機構であれば、無段階で角度の調整ができ、様々な交差角度に対応させることが可能になる。
また、センターホール型荷重計を使用する場合は、第2部材の端部より細い軸力材に変換させる変換アダプタを介して接続させる構成とすることで、高精度の計測器を使用することができるようになる。
さらに、保護プレートを介して第1部材を反力架台部に固定する構成であれば、試験によって反力架台部が損傷するのを防ぐことができる。また、反力架台部とは別体の保護プレートであれば、損傷しても簡単に交換することができる。
そして、加力部を挟んだ上下の一対の荷重計測部に第2部材を接続可能な構成とすることで、引張方向と圧縮方向との両方向の荷重を正確に計測することができる。
本発明の実施の形態の加力試験装置の構成を示した説明図である。 図1のA−A矢視方向で見た加力試験装置の側面図である。 吊り天井構造の構成を例示した説明図である。 反力架台部の組み立て前の下半部を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 反力架台部の組み立て前の上半部を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 試験体を説明する図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 ブレースの立ち上がり角度が48°のときの反力架台部の状態を示した説明図である。 ブレースの立ち上がり角度が53°のときの反力架台部の状態を示した説明図である。 ブレースの立ち上がり角度が60°で交点金物が偏心した位置に取り付けられているときの反力架台部の状態を示した説明図である。 実施例で説明する試験体を加力試験装置にセットした状態を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B矢視方向で見た側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1,2は本実施の形態の加力試験装置1の構成を説明するための図であり、図3は加力試験装置1によって斜め部材であるブレースS2の上端接合部の要素試験が行われる吊り天井構造Sの構成を例示して説明する図である。
吊り天井構造Sは、例えば体育館、集会場、災害応急対策の拠点となる公共施設、オフィスビルなどの様々な建物に設けられる。図3に示すように、建物の構造体となる梁や上階の床スラブS3の下面には、間隔を置いて複数の吊り材としての吊りボルトS1,・・・が吊り下げられており、吊りボルトS1の下端のハンガーS11に鋼製下地となる野縁受け部S4が吊り下げられる。
そして、野縁受け部S4の軸方向に間隔を置いて、略直交する方向に向けて鋼製下地となる野縁部S5が取り付けられる。さらに平行に配置された複数の野縁部S5,・・・の下面には、石こうボードなどの天井板材S6が取り付けられる。さらに、野縁受け部S4と野縁部S5との交差部には、連結強度の高い補強クリップS7,S8が設置される。なお、図3では補強クリップS7,S8を使って鋼製下地を構成した場合を例示したが、一般のクリップを使用することもできる。
図3は、野縁受け部S4の軸方向に沿って側面視略V形に一対のブレースS2,S2が配置された状態を示している。一方、野縁部S5の軸方向に沿っても、側面視略V形に一対のブレースS2,S2を配置することができる。
このブレースS2の上端は、吊りボルトS1の上部に交点金物S21を介して固定される。一方、ブレースS2の下端は、野縁受け部S4に取り付けられた接合金具S9に固定される。
この接合金具S9は、ブレースS2の下端が固定できるものであればいずれの形態のものでもよく、公知の金具が使用できる。また、ブレースS2の下端を、天井面側の鋼製下地となる野縁受け部S4や野縁部S5などに、直接固定することもできる。
ここで、ブレースS2が床スラブS3の下面となす角度を立ち上がり角度θ2とする。一方、交差する吊りボルトS1とブレースS2とがなす角度を交差角度θ1とする。さらに、吊りボルトS1とブレースS2との交点部となる交点金物S21と床スラブS3の下面との距離を、偏心距離eとする。
この種の天井の構造性能の検証方法としては、ユニット試験、要素試験が知られている。本実施の形態の加力試験装置1は、例えば上述したような吊り天井構造Sの斜め部材(ブレースS2)の上端接合部の構造性能を検証するのに適した要素試験装置である。具体的には、図3に例示されたようなブレースS2の上端接合部の構造性能を確認するための要素試験などに使用される。図3に例示された吊り天井構造Sにおいては、ブレースS2の上端は、床スラブS3に上端が固定された吊りボルトS1に上端接合部金物となる交点金物S21によって接合されている。
そして、以下では本実施の形態の加力試験装置1を使用した「斜め部材の上端接合部の構造性能を検証するための、斜め部材上端接合部試験体の要素試験」を例に説明を行う。
吊り天井構造Sの吊りボルトS1による吊り長さは、設計により様々であり、その際、吊り元となる床スラブS3の下面とブレースS2の立ち上がり角度θ2も変化する。また、床スラブS3の下面とブレースS2の交点金物S21との間にすき間(偏心距離e)が空き、偏心が生じる場合がある。
そこで、立ち上がり角度θ2、換言すれば吊りボルトS1とブレースS2とが交差する交差角度θ1を変動させることが可能な加力試験装置1が必要となる。要するに、本実施の形態の加力試験装置1は、設計条件により変動する立ち上がり角度θ2(交差角度θ1)、及び吊り元(床スラブS3)と斜め部材(ブレースS2)の上端接合部金物(交点金物S21)との間に偏心が生じた場合の偏心距離eに対応できる試験装置である。
まず、吊り天井構造Sの吊りボルトS1、ブレースS2及び交点金物S21を模した試験体Mについて、図6を参照しながら説明する。図6(b)に示すように、加力試験装置1に試験体Mをセットする際には、第1部材となる吊りボルトM1の方を斜めに配置する。吊りボルトM1は、軸線X1方向に延伸される吊りボルトS1を模した軸力材である。
これに対して、第2部材となるブレースM2は、鉛直に立てて配置する。ブレースM2は、軸線X2方向に延伸されるブレースS2を模した軸力材である。そして、鋭角に交差する吊りボルトM1とブレースM2の下端M21とを交点部において交点金物M3で連結させる。なお、交点金物M3は図示した構成に限定されるものではなく、吊りボルトM1の上端又はその周辺にブレースM2を連結させる機能を有しているものであればよい。
このような試験体Mに対して、引張、圧縮又はそれらの荷重の繰り返し載荷試験が加力試験装置1によって行われる。この加力試験装置1は、図1,2に示すように、吊りボルトM1の交点金物M3側の端部となる下端M11を固定させる反力架台部2と、交点金物M3と反対側となるブレースM2の端部(上端M22)側に配置されて軸方向の荷重を作用させる加力部となるクロスヘッド41と、クロスヘッド41によって載荷された荷重を計測する荷重計測部(3A,3B)とによって主に構成される。
クロスヘッド41は、加力試験装置1の載荷部分を構成する万能試験機4に設けられている。万能試験機4は、ベースとなる基礎部43と、その基礎部43上に間隔を置いて立てられる柱部42,42と、柱部42,42の上端間に架け渡される梁部44と、基礎部43と梁部44との間で上下動する梁部44に平行なクロスヘッド41とによって主に構成される。すなわち、柱部42,42に沿ってクロスヘッド41を上昇させると、クロスヘッド41に接続された試験体Mには引張力が作用し、柱部42,42に沿ってクロスヘッド41を下降させると、クロスヘッド41に接続された試験体Mには圧縮力が作用することになる。
クロスヘッド41を介して試験体Mに載荷された荷重の大きさは、クロスヘッド41の上側、下側又は両方に配置された荷重計測部(3A,3B)によって計測される。本実施の形態では、クロスヘッド41を挟んだ上下に一対の荷重計測部(3A,3B)を配置する場合について説明する。
詳細にはクロスヘッド41の上側に、センターホール型荷重計である引張用ロードセル3Aを配置する。そして、クロスヘッド41の下側には、センターホール型荷重計である圧縮用ロードセル3Bを配置する。
センターホール型荷重計は、センターホールを通したボルトやロッドなどの軸力材と加圧板31やナット32を介して接続されており、作用した圧縮力の大きさをひずみゲージなどの検出素子によって検出させる計測器である。
引張用ロードセル3A及び圧縮用ロードセル3Bの上下には、加圧板31,31がそれぞれ配置される。引張用ロードセル3Aによって試験体Mに作用した引張力を計測するときには、万能試験機4のクロスヘッド41を上昇させて、上方の加圧板31をナット32(図1参照)に接触させることで引張用ロードセル3Aに引張力に相当する圧縮力を導入させる。他方、圧縮用ロードセル3Bによって試験体Mに作用した圧縮力を計測するときには、ナット32を緩めて万能試験機4のクロスヘッド41を下降させる。
引張用ロードセル3Aは、センターホールの口径が小さいほど、分解能が高く高精度の測定が行えるようになる。他方、圧縮用ロードセル3B周辺の圧縮側は、座屈が起きない程度の太径の部材で構成しておく必要がある。
そこで、引張用ロードセル3Aと圧縮用ロードセル3Bの両方を配置する場合には、例えば図6に示すような変換アダプタ34を使用する。変換アダプタ34は、試験体M側の上部ジグ35に固定される長ナット342と、その長ナット342にねじ込まれる太径(例えばM24)の変換ボルト340と、変換ボルト340の内空に刻まれた雌ねじ溝にねじ込まれる細径(例えばM16)の細ボルト341とによって主に構成される。
変換ボルト340は、長ナット342よりも長く形成されており、長ナット342の上方に突出した変換ボルト340の外周には、ナット33,33がねじ込まれる。また、変換アダプタ34の長ナット342が溶接接合される上部ジグ35は、取付ボルト351,・・・によって試験体MとなるブレースM2の上端M22に連結される。
そして、ナット33より上方に延伸された軸力材となる細ボルト341は、圧縮用ロードセル3Bのセンターホールを通ってクロスヘッド41の貫通穴411を通過し、引張用ロードセル3Aを通り抜けて、加圧板31上ではナット32が装着される(図1,2参照)。このようにして、試験体Mを圧縮用ロードセル3Bと引張用ロードセル3Aの両方に接続可能な構成とすることができる。
試験体Mの下端を固定させる反力架台部2は、吊りボルトM1とブレースM2との様々な交差角度θ1に対応可能な角度調整機構を有している。詳細には、反力架台部2は、基礎部43上に設置される下半部21と、その上に重ね合わせる上半部22とによって、主に構成される。
図4に、下半部21のみの正面図、側面図及び平面図を示した。下半部21は、基礎部43に固定させる底面部211と、底面部211の両側縁から立ち上げられる側壁212,212とによって主に構成される。
底面部211は、図4(c)に示すように、平面視長方形の鋼板などによって形成される。底面部211には、長方形の長辺と略平行に延びる長穴215,215が短辺方向に間隔を置いて2列に穿孔されている。この長穴215,215は、長手方向となる水平方向に反力架台部2を移動可能とするための水平位置調整機構を構成する。
一方、側壁212は、図4(a)に示すように、側面視台形状に形成される。側壁212は、台形の高さとなる長さが底面部211の長辺の長さより短く、上底と下底が鉛直方向に延びるように底面部211上に取り付けられる。
また、側壁212の台形で言う下底側には、下半部21に対して上半部22を重ね合わせる角度を変更する際の中心となる支点穴213が穿孔される。また、側壁212の上底側には、上半部22を所望する角度で固定させるための締結穴214が穿孔される。
図5には、上半部22のみの正面図、側面図及び平面図を示した。上半部22は、吊りボルトM1の下端M11を固定させる反力面部221と、反力面部221の両側縁から垂下される垂れ壁222,222とによって主に構成される。
反力面部221は、図5(c)に示すように、平面視長方形の鋼板などによって形成される。反力面部221には、吊りボルトM1の下端M11を挿し込む固定穴225が穿孔される。この固定穴225には、雌ねじ溝を刻み、吊りボルトM1の下端M11をねじ込んで実際の吊り天井構造Sと同じ固定態様にさせることができる。
一方、垂れ壁222は、図5(a)に示すように、側面視台形状に形成される。側面視台形である垂れ壁222の下底側には、下半部21に対して上半部22を重ね合わせる角度を変更する際の中心となる支点穴223が穿孔される。また、垂れ壁222の上底側には、上半部22を所望する角度に変更させるための円弧長穴224が穿孔される。すなわち、円弧状に成形された円弧長穴224の範囲であれば、任意の角度に上半部22を傾けることができる。この円弧長穴224と締結穴214との関係は、上半部22と下半部21とで、上記説明と反対にして設けることもできる。
そして、図1,2に示すように、反力架台部2は、底面部211の下面を基礎部43の上面に接触させた下半部21に対して、上半部22を覆い被せるようにして組み立てる。
下半部21の側壁212,212の外側にそれぞれ上半部22の垂れ壁222,222が重ね合わされ、支点穴213,223に通した支点ボルト24によって両者は連結される。
また、円弧長穴224と締結穴214にも締結ボルト25が通される。上半部22の垂れ壁222を、下半部21の側壁212よりも薄い鋼板によって形成しておくことで、下半部21及び上半部22の製作精度が低くても、支点ボルト24及び締結ボルト25を締め付けることで、垂れ壁222を側壁212に密着させて角度を強固に固定させることができるようになる。
一方、下半部21の底面部211の長穴215には、基礎部43に向けて設置ボルト23が挿し込まれる。下半部21は、長穴215の範囲内で水平方向に移動させることができるので、反力架台部2に固定された試験体MのブレースM2が鉛直方向に向く位置に調整した後に、設置ボルト23を締結して反力架台部2を基礎部43に固定させる。要するに、ブレースM2の軸線X2を万能試験機4の加力線と容易に一致させることができる。
図7−図9に、様々な交差角度θ1となる試験体Mの設置例を示した。なお、図面には、反力面部221とブレースM2との間の立ち上がり角度θ2を数値(48°、53°、60°)で例示している。
図2に示すように、吊りボルトM1の下端M11は、反力面部221上に設置された長方形の保護プレート26を通って反力面部221に挿し込まれ、図7に示すように下方に突出される下端M11は、雌ねじ溝を刻んだ固定穴225とナットM12によって反力架台部2に固定される。
ブレースM2の下端M21には、ボルトM31によって交点金物M3が取り付けられている。交点金物M3は、吊りボルトM1を収容する箇所が窪んだ一対の金具板によって形成されており、吊りボルトM1を挟んでボルトM31,31で締結することによって挟持させる。
図7は、ブレースM2の立ち上がり角度θ2が比較的に小さい場合を再現している。加力試験装置1では、ブレースM2は荷重の作用方向となる鉛直方向に常に向けられているため、上半部22を起き上がり方向に傾けて、ブレースM2と吊りボルトM1との交差角度θ1に対応させる。
図8は、ブレースM2の立ち上がり角度θ2が図7よりも少し大きい場合を再現している。さらに図9は、ブレースM2の立ち上がり角度θ2が最大の場合を再現している。すなわち、円弧長穴224の端に締結ボルト25が位置しているので、ブレースM2と吊りボルトM1との交差角度θ1はこれよりも小さくすることができない。
また、図9の設置例では、交点金物M3の偏心距離eも再現されている。すなわち、床スラブS3の下面に該当する反力面部221から偏心距離eの位置に交点金物M3が配置される場合を再現した設置例となる。
加力試験装置1によって試験体Mによる要素試験を行う場合は、引張用ロードセル3A及び圧縮用ロードセル3Bによって、載荷された荷重の大きさが計測される。
さらに、図1,2,6に示すように、変位計測部5における鉛直方向の変位も測定される。変位計測部5では、矢印で模式的に図示した変位計51によって、鉛直方向の変位が計測される。
変位計51には、例えば50mmまでの変位の計測が可能な高感度変位計が使用できる。例えば、試験体Mの側面から水平に張り出された板状の変位計測部5に、伸縮する変位計51の先端を接触させることで変位計測を行うことができる。図6(a)に示すように、試験体Mを挟んで両側に配置される変位計51,51は、軸線X2を中心に等距離に配置される。また、変位計51は、反力架台部2が鋼製の場合は、マグネットスタンドなどによって簡単に取り付けることができる。
次に、本実施の形態の加力試験装置1の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の加力試験装置1は、吊りボルトM1の下端M11を固定させる反力架台部2が、吊りボルトM1とブレースM2との交差角度θ1に対応可能な角度調整機構を有している。このため、様々な態様で鋭角に交差して交点部で連結される2部材(M1,M2)に対して、実情に即した正確な試験を行うことができる。
また、クロスヘッド41による荷重の作用方向とブレースM2の軸線X2方向とを一致させるための水平位置調整機構を備えているので、反力架台部2を長穴215の範囲内で水平方向に移動させることで、実際の位置関係と同じ状態を容易に再現させることができる。要するに、加力試験装置1の加力線とブレースM2の軸線X2との間にズレが生じないように一致させることができる。
さらに、反力架台部2が下半部21に対して上半部22を重ね合わせる角度によって交差角度θ1に対応させる構成であれば、スライドさせるだけでよく操作性に優れており、迅速に所望する角度に設定することができる。
特に、上半部22に円弧長穴224を形成してその円弧の範囲内で角度を調整する機構であれば、無段階で角度の調整ができ、様々な交差角度θ1に対応させることが可能になる。
また、センターホール型荷重計を引張用ロードセル3Aとして使用する場合は、ブレースM2の上端M22より細い細ボルト341に変換させる変換アダプタ34を介して接続させる構成とすることで、高精度の計測器を使用することができるようになる。
さらに、保護プレート26を介して吊りボルトM1の下端M11を反力架台部2の反力面部221に固定する構成であれば、試験時に載荷させた荷重によって反力架台部2が損傷するのを防ぐことができる。すなわち、吊りボルトM1の下端M11付近に載荷によってねじれが生じると、交点金物M3などが反力面部221に接触して損傷させるおそれがある。そのような場合にでも、保護プレート26が介在されていれば、保護プレート26が損傷するだけで、反力面部221の損傷を防ぐことができる。また、反力架台部2とは別体の保護プレート26であれば、損傷しても簡単に交換することができる。
そして、加力部となるクロスヘッド41を挟んだ上下の一対の引張用ロードセル3Aと圧縮用ロードセル3BにブレースM2の上端M22を接続可能な構成とすることで、引張方向と圧縮方向との両方向の荷重を正確に計測することができる。
以下、前記実施の形態で説明した加力試験装置1を使用して行われる吊り天井構造Sの要素とは別の試験体Hによる試験について、図10を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を用いて説明する。
本実施例では、例えば鉄骨の柱間にブレースが斜め部材として架け渡される建物などの構造物の側面部に設けられる接合部の要素試験について説明する。すなわち、鋭角に交差して交点部で連結される2部材は、柱材H1とブレースH2であり、それらの上端又は下端の交点部周辺の要素試験となる。
本実施例の試験体Hは、第1部材となる柱材H1の方を斜めに配置する。柱材H1は、軸線Y1方向に延伸される鉄骨柱を模した軸力材である。この柱材H1は、例えばH形鋼によって形成されている。
これに対して、第2部材となるブレースH2は、鉛直に立てて配置する。ブレースH2は、軸線Y2方向に延伸される斜め部材を模した軸力材である。そして、鋭角に交差する柱材H1とブレースH2の下端H21とを交点部となる交点プレートH3で連結させる。
交点プレートH3は、5角形状のガセットプレートで、柱材H1のウエブに溶接によって接合される。また、柱材H1の交点プレートH3側の端部となる下端プレートH11を、アンカーボルトH12によって反力架台部2の反力面部221に固定する。
また、交点プレートH3には、ブレースH2の下端H21をボルトで接合し、交点プレートH3と反対側となるブレースH2の端部(上端H22)側は、上部ジグ35や変換アダプタ34を介して加力部となるクロスヘッド41に接続させる。
ここでブレースH2は、柱材H1の偏心した位置に取り付けられた交点プレートH3に接合されている。このような場合、鉛直方向の偏心距離により偏心モーメントが作用してアンカーボルトH12に大きな引張力が生じることがある。また、水平方向の偏心距離により柱のねじりモーメントとなる偏心モーメントが生じ、アンカーボルトH12が変形するような応力が発生することがある。このため、実情に即した正確な試験体Hを使って、要素試験で構造性能の検証を行う必要がある。
このように柱材H1とブレースH2とが様々な交差角度で交差していても、さらには偏心した位置の交点部で連結されていても、加力試験装置1を使ってそれらの実情に対応した検証試験を行うことができる。要するに、鋭角に交差して交点部で連結される2部材であれば、柱材H1とブレースH2など、吊り天井構造S以外の接合部に対しても、実情を正確に再現した試験を行うことができる。
なお、実施例のこの他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、側面視略V字形にブレースS2が配置された吊り天井構造Sを例について説明したが、これに限定されるものではなく、側面視略X字形に斜め部材が配置された場合などの試験にも適用することができる。また、鋼製下地在来工法の天井を耐震化する場合だけでなく、システム天井に斜め部材等を導入する場合にも、加力試験装置1を使用した精度の高い検証試験を行うことができる。
また、前記実施の形態では、万能試験機4のクロスヘッド41を加力部として説明したが、これに限定されるものではなく、油圧ジャッキなどが加力部となる構成であってもよい。
さらに、前記実施の形態では、円弧長穴224によって無段階に角度を変更できる反力架台部2の構成について説明したが、これに限定されるものではなく、円弧方向に間隔を置いて複数のボルト穴を設ける構成とすることで、予め決められた複数の角度に迅速に切り替えることができるようになる。
また、前記実施の形態では、下半部21の底面部211に長穴215を設けて水平位置調整機構としたが、これに限定されるものではなく、例えば基礎部43にガイドレールを取り付けて、それに沿って移動と固定が可能となる水平位置調整機構とすることもできる。
1 加力試験装置
2 反力架台部
21 下半部
211 底面部
212 側壁
214 締結穴
215 長穴(水平位置調整機構)
22 上半部
221 反力面部
222 垂れ壁
224 円弧長穴
26 保護プレート
3A 引張用ロードセル(荷重計測部、センターホール型荷重計)
3B 圧縮用ロードセル(荷重計測部、センターホール型荷重計)
34 変換アダプタ
341 細ボルト(軸力材)
41 クロスヘッド(加力部)
θ1 交差角度
M 試験体
M1 吊りボルト(第1部材)
M11 下端(端部)
M2 ブレース(第2部材)
M22 上端(端部)
M3 交点金物(交点部)
H 試験体
H1 柱材(第1部材)
H11 下端プレート(端部)
H2 ブレース(第2部材)
H22 上端(端部)
H3 交点プレート(交点部)

Claims (7)

  1. 鋭角に交差して交点部で連結される2部材に対する加力試験装置であって、
    第1部材の交点部側の端部を固定させる反力面部を有する反力架台部と、
    前記交点部と反対側となる第2部材の端部側に配置されて軸方向の荷重を作用させる加力部と、
    前記加力部によって載荷された荷重を計測する荷重計測部とを備え、
    前記反力架台部は前記第1部材と前記第2部材との交差角度に対応可能な角度調整機構を有するとともに、前記反力面部には前記第1部材の端部をねじ込んで固定するための雌ねじ溝を有する固定穴が穿孔されていることを特徴とする加力試験装置。
  2. 前記加力部による荷重の作用方向と前記第2部材の軸線方向とを一致させるために前記反力架台部を水平方向に移動可能とする水平位置調整機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の加力試験装置。
  3. 前記反力架台部は、底面部の両側縁から側壁が立ち上げられた下半部と、前記側壁のそれぞれに重ね合わせる垂れ壁及び前記垂れ壁間に架け渡されて前記第1部材を固定させる前記反力面部を有する上半部とを備え、
    前記角度調整機構は、前記下半部に対して前記上半部を重ね合わせる角度によって前記交差角度に対応可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の加力試験装置。
  4. 前記下半部及び前記上半部のいずれか一方には円弧状の円弧長穴が形成され、かつ他方には締結穴が形成され、前記締結穴と前記円弧長穴とに通したボルトによって前記上半部を重ね合わせる角度を固定することを特徴とする請求項3に記載の加力試験装置。
  5. 前記荷重計測部はセンターホール型荷重計であって、前記第2部材の端部より細い軸力材に変換させる変換アダプタを介して前記センターホール型荷重計に接続させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加力試験装置。
  6. 前記第1部材は、保護プレートを介して前記反力面部に固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加力試験装置。
  7. 前記第2部材は前記加力部を挟んだ上下の一対の前記荷重計測部に接続可能となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の加力試験装置。
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