JP6444470B1 - 荷役車両および荷役車両用止水部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転室のドア開口縁とドア周縁との接合部に段差等がある場合、ドア周縁に沿って配置されたシール部材に当接させる止水部材を提供する。【解決手段】荷役車両は、周縁に沿ってシール部材が配置されたドアの周縁形状に応じたフレーム面を有する車体フレームと、荷役車両の運転室を覆う屋根を支える異形断面形状を有するピラーを含み、ドアの周縁形状に相似する形状を有するドア枠構造と、ドア枠構造を車体フレームに取り付ける取付構造とを備え、取付構造は、車体フレームとピラーとの接続部を覆うカバーであって、上端部はピラーの異形断面形状と相似形状の断面形状を有し、上端部から下端部にかけて、上端部の異形断面形状が車体フレームのフレーム面に徐々に変形されているピラーカバーと、ピラーとピラーカバーとの接続部に形成され、ピラーの表面とピラーカバーの表面とを接続する形状を有し、ドアが閉じると、ドアのシール部材に当接する止水部材とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、荷役車両および荷役車両用止水部材に関する。
従来から、ドア開口縁に雨水浸入防止用シール部が形成された運転室と、このシール部と接してシールできるようにシール部材が周縁に設けられたドアとを有する作業車両が知られている(たとえば特許文献1)。
特許第4090822号
しかしながら、運転室のドア開口縁とドア周縁との接合部に段差等がある場合、シール部材による密閉性が損なわれるという問題がある。
本発明の第1の態様によると、荷役車両は、荷役車両のフレームであって、周縁に沿ってシール部材が配置されたドアの周縁形状に応じたフレーム面を有する車体フレームと、前記荷役車両の運転室を覆う屋根を支える異形断面形状を有するピラーを含み、前記ドアの周縁形状に相似する形状を有するドア枠構造と、前記ドア枠構造を前記車体フレームに取り付ける取付構造とを備え、前記取付構造は、前記車体フレームと前記ピラーとの接続部を覆うカバーであって、上端部は前記ピラーの異形断面形状と相似形状の断面形状を有し、前記上端部から下端部にかけて、上端部の異形断面形状が前記車体フレームの前記フレーム面に徐々に変形されているピラーカバーと、前記ピラーと前記ピラーカバーとの接続部に形成され、前記ピラーの表面と前記ピラーカバーの表面とを接続する形状を有し、前記ドアが閉じると、前記ドアのシール部材に当接する止水部材とを備える。
本発明の第2の態様によると、荷役車両の運転室を覆う屋根を支えるピラーと前記荷役車両の車体フレームとの接続部を覆うピラーカバーの上端部に形成され、異形断面を有する前記ピラーのうち前記荷役車両の前後方向に面する第1面と接する第1部分と、前記ピラーのうち前記荷役車両の左右方向の第2面と接する第2部分と、を有する荷役車両用止水部材は、前記第1部分の第1厚さは、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少し、前記第2部分の第2厚さは、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少し、前記第1部分および前記第2部分は、前記荷役車両のドアが閉じると、前記ドアの周縁に沿って配置されたシール部材に当接する。
本発明によれば、ピラーとピラーカバーとの接続部に形成され、ピラーの表面とピラーカバーの表面とを接続する形状を有する止水部材をドアのシール部材に隙間なく当接させることができる。
本発明の実施の形態による荷役車両の一例としてのフォークリフトの外観を模式的に示す側面図である。 実施の形態におけるフォークリフトが有する運転室の形状を模式的に示す外観図である。 実施の形態におけるフォークリフトの運転室が有するピラーの断面構造を模式的に示す図である。 実施の形態におけるフォークリフトの運転室のうち、第1ピラーとピラーカバーとの取り付け部分の近傍の外観を拡大して模式的に示す図である。 第1の実施の形態における止水部材の形状を示す外観図である。 ドアを閉じた状態の第1ピラーとピラーカバーとシール部材と止水部材との当接状態を模式的に示す図である。 第2の実施の形態における止水部材の形状を示す外観図である。 第2の実施の形態の止水部材と、第1ピラーとピラーカバーとの取り付け部分の近傍を拡大して示す図である。
−第1の実施の形態−
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態による荷役車両の一例としてフォークリフトを例に挙げて詳細に説明を行う。
図1は、実施の形態におけるフォークリフトの側面図である。フォークリフト1は、走行用車輪2および運転室3が設けられた車両本体4と、車両本体4の前部に設けられた荷役装置5とを備えている。荷役装置5には、車両本体4の前部に固定されるマスト6と、マスト6に昇降可能に配置された昇降体であるキャリッジ8と、キャリッジ8の前面側に設けられて荷物を保持する左右一対のフォーク9とを備えている。
図2は、フォークリフト1の運転室3の外観斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す運転室3から、後述する左ドアおよび止水部材を取り外した状態を示す外観斜視図である。運転室3は、屋根32と、前面ガラス45Fと、後面ガラス45Rと、右ドア35R、左ドア35Lとを備える。屋根32と、前面ガラス45Fと、後面ガラス45Rと、右ドア35R、左ドア35Lとはオーバーヘッドガード360に取り付けられ、オーバーヘッドガード360は車体フレーム36に取り付けられている。オーバーヘッドガード360は運転室3の左側面に設けられた左側枠構造330と、運転室3の右側面に設けられた右側枠構造340とを有し、右ドア35R、左ドア35Lが取り付けられている。車体フレーム36に設けた運転室3の底面には座席(シート)と、座席を取り付けるトップパネル31などが設けられている。実施の形態の運転室3はこのように密閉されている。
左側枠構造330は、運転室3の左側にて屋根32を支持するフロントピラー33Fと、リアピラー33Rとを含む。右側枠構造340は、運転室3の右側にて屋根32を支持するフロントピラー34Fと、リアピラー34Rとを含む。左側枠構造330は、左ドア35Lの周縁に沿った形状、すなわち左ドア35Lの周縁形状に相似する形状を有し、リアピラー33Rの下部にて、車体フレーム36とピラーカバー37を介して取り付けられる。リアピラー33Rは、後述するように、左ドア35Lを閉めた場合の密閉度を向上させるために、異形断面を有する。ピラーカバー37は、たとえば樹脂により形成され、ボルト等によって車体フレーム36に取り付けられる。右側枠構造340も同様に、右ドア35Rの周縁に沿った形状、すなわち右ドア35Rの周縁形状に相似する形状を有し、異形断面を有するリアピラー34Rの下部にて、車体フレーム36とピラーカバーを介して取り付けられる。
なお、左側枠構造330および右側枠構造340のリアピラー33Rおよびリアピラー34Rが異形断面であると説明したが、フロントピラー33Fと、両ピラー33R,33Fを接続する接続部材、およびフロントピラー34Fと、両ピラー34R、34Fを接続する接続部材も同様な異形断面を有する部材である。
また、以下の説明においては、フォークリフト1の運転室3の左側の構造を主として行うが、特に記載のない限り運転室3の右側の構造についても同様である。
左ドア35Lは、運転室3の後部においてヒンジ38によりリアピラー33Rに取り付けられる。左ドア35Lの周縁に沿ってシール部材39が取り付けられる。シール部材39は、たとえばゴム等の弾性を有する材料から製造される。シール部材39が弾性を有するため、左ドア35Lを閉めた際に、シール部材39は、リアピラー33Rおよびフロントピラー33F等からなる左側枠構造330と、ピラーカバー37と、トップパネル31と、サイドカバー44と密接する。これにより、シール部材39は、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入り込むことを防ぐ。なお、右ドア35Rも、左ドア35Lと同様に、右ドア35Rの周縁に沿って、第1シール部391と第2シール部392とを有するシール部材39を備える。
なお、本実施の形態においては、フォークリフト1が右ドア35Rと左ドア35Lとを備える場合を例に挙げて説明を行うが、右ドア35Rのみを有してもよいし、左ドア35Lのみを有してもよい。
以下、図3〜図6を参照して、左側枠構造330を車体フレーム36に取り付ける取付構造350について説明する。取付構造350は、左ドア35Lを閉めた場合に、特に、リアピラー33Rと左ドア35Lとを密閉させるための構造を有し、ピラーカバー37と止水部材40(図4〜図6参照)とにより構成される。
図3は、図2に示す運転室3の後方の領域R1において、本実施の形態のリアピラー33Rおよび左ドア35LのA1−A1面における断面形状の一例を示す。なお、A1−A1面は、リアピラー33Rとピラーカバー37とが接する面である。上述したように、本実施の形態においては、リアピラー33Rは異形断面に形成される。リアピラー33Rは、フォークリフト1の前方に面した第1ピラー面(以下、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部では第1前方面とも呼ぶ)331および第2ピラー面(以下、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部では第2前方面とも呼ぶ)332と、フォークリフト1の左方向に面した第3ピラー面333および第4ピラー面(以下、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部ではそれぞれ第1、第2左側方面とも呼ぶ)334とを有する。第1ピラー面331は第2ピラー面332よりも前方に形成される面であり、第3ピラー面333は、第4ピラー面334よりも右側、すなわち運転室3側に形成される面である。
これら第1〜第3ピラー面331、332、333により、リアピラー33Rは、フォークリフト1の左側側面において、階段状の断面形状を有する。階段状の断面形状部を段差と呼ぶことができる。なお、リアピラー33Rの断面形状は図3に示す形状に限定されるものではなく、リアピラー33Rの断面のうち運転室3の外側に面する領域が第1〜第3ピラー面331、332、333によって階段状に形成されればよい。
なお、左側枠構造330は上述したように左ドア35Lの周縁に沿った形状を有するため、上部の屋根32との接続部である領域R2においては、第1ピラー面331および第2ピラー面332はフォークリフト1の下方に向いた面となる。また、フォークリフト1の車体の前方である領域R3においては、第1ピラー面331および第2ピラー面332はフォークリフト1の後方に向いた面となる。
ピラーカバー37は、上述したようにフォークリフト1の左側面において階段状の断面を有するリアピラー33Rを、フォークリフト1の左側面(フレーム面)において階段状の断面を有していない車体フレーム36に見栄えよく取り付けるための部材である。ピラーカバー37の上部は、リアピラー33Rを外部から覆うように、リアピラー33Rの異形断面に対応した断面形状に形成される。すなわち、ピラーカバー37の上部における断面は、リアピラー33Rの異形断面の形状と相似形状の断面形状を有する。ピラーカバー37の下部は、車体フレーム36を外部から覆うように、フォークリフト1の左側側面において階段状の断面が形成されていない車体フレーム36の形状に対応した断面形状に形成される。換言すると、ピラーカバー37は、リアピラー33Rの異形断面形状から車体フレーム36の左側平面形状に徐々に形状を変化させる部材である。ピラーカバー37はリアピラー33Rまたは車体フレーム36にボルト等で取り付けられている。
左ドア35Lの周縁には、上述したシール部材39が設けられる。シール部材39は、第1シール部391と第2シール部392とを有する。なお、第2シール部392は、ドア周縁の全周に設けられるものではなく、リアピラー33Rとピラーカバー37の接続部に設けられる。すなわち、シール部材39の第2シール部392は、少なくとも後述する止水部材40に接する箇所(範囲)に設けられる。第1シール部391は、左ドア35Lを閉じたとき、リアピラー33Rの第2ピラー面332と第3ピラー面333とに当接する。第2シール部392は、左ドア35Lが閉じたとき、リアピラー33Rの第1ピラー面331と第3ピラー面333とに当接する。
図4(a)に、図2に示す領域R1、すなわちリアピラー33Rとピラーカバー37との取り付け部分の近傍を拡大して示す。なお、図4は左ドア35Lを閉じた時に、左ドア35Lの第2シール部392が当接する範囲を示す。ピラーカバー37は外側からリアピラー33Rを覆う。このため、図に示すように、ピラーカバー37の表面と、リアピラー33Rの第1ピラー面331、第2ピラー面332、第3ピラー面333および第4ピラー面334とには、段差が生じる。本実施の形態においては、この段差部分に、図4(b)に示すように、止水部材40を設ける。以下、止水部材40について詳細に説明する。
図5は、止水部材40の外観形状を示す斜視図であり、図5(a)は止水部材40の表面の外観を示し、図5(b)は止水部材40の上部からの外観を示し、図5(c)は止水部材40の裏面の外観を示す。なお、本明細書では、止水部材40が左ドア35Lのシール部材39と当接する面を表面と呼び、止水部材40がリアピラー33Rと当接する面を裏面と呼ぶ。なお、以下の説明では、リアピラー33Rの第1ピラー面331、第2ピラー面332、第3ピラー面333および第4ピラー面334は、フォークリフト1の上下方向に実質的に平行であるものとする。すなわち、運転室3の底面に垂直であるとする。
止水部材40は、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部の段差を埋める部材、言い換えると、段差を徐々に漸減して滑らかに繋ぐ部材である。止水部材40は、リアピラー33Rの第1ピラー面331、第3ピラー面333、第2ピラー面332とピラーカバー37との段差を埋めるように設けられている。止水部材40は、横断面が略L字状であり、その断面が上端縁から下端縁にかけて徐々に拡がり、止水部材40の表面がリアピラー33Rの表面からピラーカバー37の表面に滑らかに繋がる形状を呈している。
止水部材40は、フォークリフト1の前後方向に面し、裏面がリアピラー33Rの第1ピラー面331と接する第1部分(前方面部材)41と、左右方向に面し、裏面がリアピラー33Rの第3ピラー面333と接する第2部分(左側方面部材)42と、第1部分41および第2部分42の下方に設けられ、リアピラー33Rとピラーカバー37との間の隙間に挿入される取付部43とを有する。第1部分41と第2部分42とは、フォークリフト1の上下方向に沿って接続する。第1部分41と第2部分42とは、フォークリフト1の上下方向と直交する平面上において所定角度θ1を有して接続する。第1部分41と第2部分42とがなす所定角度θ1は、リアピラー33Rの第1ピラー面331と第3ピラー面333とがフォークリフト1の上下方向と直交する平面上においてなす角度である。なお、図3、図4においては、第1ピラー面331と第3ピラー面333とがなす角度が直角の場合を例に挙げて示している。この場合、第1部分41と第2部分42とがなす所定角度θ1は直角となる。
第1部分41は、表面側の第1側面411と、裏面側の第2側面412とを有する。第1側面411は、後述するようにフォークリフト1の上下方向に対して所定の傾きを有する。第2側面412は、リアピラー33Rの第1ピラー面331に対して実質的に平行である。このため、第1側面411と第2側面412との間の第1厚さは、フォークリフト1の上下方向の各位置において異なる。本実施の形態においては、第1部分41の下端、すなわち取付部43と接続する境界における第1側面411と第2側面412との間の第1厚さは、リアピラー33Rの第1ピラー面331とピラーカバー37とにより生じる段差と実質的に等しい。第1厚さは、取付部43からの距離が離れるほど、すなわち第1部分41の上部ほど減少する。
第2部分42は、表面側の第3側面421と、裏面側の第4側面422とを有する。第3側面421は、後述するようにフォークリフト1の上下方向に対して所定の傾きを有する。第4側面422は、リアピラー33Rの第3ピラー面333に対して実質的に平行である。このため、第3側面421と第4側面422との間の第2厚さは、フォークリフト1の上下方向の各位置において異なる。本実施の形態においては、第2部分42の下端、すなわち取付部43と接続する境界における第3側面421と第4側面422との間の第2厚さは、リアピラー33Rの第3ピラー面333とピラーカバー37とにより生じる段差と実質的に等しい。第2厚さは、取付部43からの距離が離れるほど、すなわち第2部分42の上部ほど減少する。
取付部43は、リアピラー33Rの第1ピラー面331および第2ピラー面332とピラーカバー37の内側の面との間に生じる隙間に入り込むことにより、止水部材40をリアピラー33Rおよびピラーカバー37に取り付ける。そのため、取付部43の厚さは、第1部分41の下端における第1厚さや第2部分42の下端における第2厚さよりも小さい。取付部43は、第1部分41の下部に位置する第1取付部431と、第2部分42の下部に位置する第2取付部432とを有する。第1取付部431と第2取付部432とは、第1部分41と第2部分42とが有する所定角度θ1を形成するように接続する。取付部43の厚さは、上方(第1部分41および第2部分42側)に比べて、下方の方が大きいかえり部433を有する。このため、止水部材40が取り付けられ、取付部43がリアピラー33Rとピラーカバー37との間の隙間に挿入されると、かえり部433がピラーカバー37の上端の裏面に系止される(図6(b)参照)。このため、取付部43をリアピラー33Rとピラーカバー37との間の隙間に挿入することにより、接着剤等を用いることなく止水部材40を脱落させることなく取り付けることが可能となる。
なお、取付部43は上述したかえり部433を備えていなくてもよい。この場合、図6(c)に示すように、取付部43がリアピラー33Rとピラーカバー37との間の隙間に挿入され、止水部材40が取り付けられる。
また、図5(d)に示すように、止水部材40が取付部43を備えていなくてもよい。この場合は、止水部材40を接着剤等を用いて取り付けるとよい。
図4(b)は、上述した形状を有する止水部材40がピラーカバー37に取り付けられた状態を示す。リアピラー33Rの第1ピラー面(第1前方面)331は、止水部材40の第1部分41の第1側面411を介してピラーカバー37の車体前面側の面と接続する。リアピラー33Rの第3ピラー面333(第1左側方面)は、止水部材40の第2部分42の第3側面421を介してピラーカバー37の左側の面と接続する。止水部材40の第1側面411と第2側面412との第1厚さは、取付部43からの距離が増すほど、すなわちピラーカバー37からの距離が増すほど小さくなる。同様に、止水部材40の第3側面421と第4側面422との第2厚さは、取付部43からの距離が増すほど、すなわちピラーカバー37からの距離が増すほど小さくなる。したがって、図4(a)に示すように止水部材40が取り付けられず、リアピラー33Rとピラーカバー37との間に段差が生じる場合とは異なり、リアピラー33Rとピラーカバー37とが止水部材40によって、左ドア35Lの周縁に沿って連続的に接続される、すなわち隙間なく当接できる。このため、左ドア35Lの周縁に沿った形状に応じて、上下方向に沿って変化する第1厚さおよび第2厚さの変化の割合を決定すればよい。
図6は、左ドア35Lが閉じられた場合におけるリアピラー33Rと左ドア35Lのシール部材39との当接状態を示す模式図である。図6(a)は図4(a)に示すように止水部材40が取り付けられていない状態を示し、図6(b)は図4(b)に示すように止水部材40が取り付けられた状態を示す。なお、図6は、フォークリフト1の後方から見た場合の、リアピラー33Rの第3ピラー面333とシール部材39の第1シール部391との当接状態を模式的に示している。
図6(a)に示すように、止水部材40が取り付けられていない場合には、リアピラー33Rとピラーカバー37とに段差が生じることにより、左ドア35Lを閉じた場合に、シール部材39の第1シール部391がリアピラー33Rに当接することができない箇所が発生する。すなわち、第1シール部391とリアピラー33Rとピラーカバー37との間に空間Sが生じる。この空間Sは、上下方向の上側であるほど、その幅が小さくなる。
これに対して、図6(b)に示すように、止水部材40が取り付けられる場合には、リアピラー33Rとピラーカバー37とに段差が生じない。図6(a)に示す空間Sを埋めるような形状に形成された止水部材40が取り付けられると、左ドア35Lを閉じた場合に、第1シール部391と止水部材40の第3側面421とが当接する。すなわち、止水部材40は、空間Sの幅の変化に応じて、第3側面421と第4側面422との間の第2厚さが変化するように形成されると、第1シール部391と、止水部材40の第3側面421および第3ピラー面333とを密接させることができる。
なお、止水部材40が取り付けられない場合には、リアピラー33Rの第1ピラー面331とピラーカバー37との間にも段差が生じるので、図6(a)に示すような空間Sと同様の空間が第1ピラー面331においても発生する。この空間を埋めるように、空間の幅の変化に応じて、止水部材40の第1側面411と第2側面412との間の第1厚さが変化するように形成されると、シール部材39の第2シール部392と止水部材40の第1側面411とを密接させることができる(図4(b)参照)。
これにより、シール部材39は、リアピラー33Rとピラーカバー37との間に空間を生じさせることなく、密接できる。
なお、フォークリフト1の右側も上述した左側の構造と同様の構造を有するため、右ドア35Rを閉じた時、シール部材は、リアピラー33Rとピラーカバーとの間に空間を生じさせることなく、密接できる。
また、シール部材39の第2シール部392は、左ドア35L、右ドア35Rを閉じた時、止水部材40にシール部材39の第1シール部391のリップ部分が前側に押されることを防ぐので、止水機能を保つことができる。
以上で説明した第1の実施の形態によると、以下の作用効果が得られる。
(1)フォークリフト1は、左ドア35Lの周縁形状に応じたフレーム面を有する車体フレーム36と、運転室3を覆う屋根32を支える異形断面形状を有するリアピラー33Rを含み、左ドア35Lの周縁形状に相似する形状を有する左側枠構造330と、左側枠構造330を車体フレーム36に取り付ける取付構造350とを備える。取付構造350は、ピラーカバー37と、止水部材40とを有する。ピラーカバー37は、車体フレーム36とリアピラー33Rとの接続部を覆うカバーであり、上端部はリアピラー33Rの異形断面形状と相似形状の断面形状を有し、上端部から下端部にかけて、上端部の異形断面形状が車体フレーム36フレーム面に徐々に変形されている。止水部材40は、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部に形成され、リアピラー33Rの表面とピラーカバー37の表面とを接続する形状を有し、左ドア35Lを閉じると、左ドア35Lのシール部材39に当接する。したがって、リアピラー33R表面とピラーカバー37の表面との段差を止水部材40により埋めて、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部を左ドア35Lの周縁形状で滑らかにつなぐことができる。シール部材39の第2シール部392が少なくとも止水部材40に接する箇所(範囲)に設けられることにより、左ドア35Lを閉じた時に、シール部材39の第1シール部391のリップ部が前側に押されるのを防ぐことができる。この結果、リアピラー33Rを車体フレーム36に見栄えよく取り付けるとともに、左ドア35Lを閉じた時に、左ドア35Lの周縁に沿って配置されたシール部材39の第1シール部391をリアピラー33R、止水部材40およびピラーカバー37に隙間なく当接できる。これにより、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入り込むことを防ぐことができる。なお、フォークリフト1の右側も左側と同様の構成を有するため、フォークリフト1の右側においても外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入ることを防ぐことができる。
(2)止水部材40は、リアピラー33Rの表面とピラーカバー37の表面と左ドア35Lの周縁とによって囲まれる空間に応じて、リアピラー33Rとピラーカバー37との接続部から上方に向けて厚さが小さくなる。すなわち、止水部材40の厚さを上方に向けて徐々に減少させることにより、ピラーカバー37の上端とリアピラー33Rとの間の段差をなくしている。したがって、左ドア35Lを閉じた時に、左ドア35Lの周縁に沿って配置されたシール部材39の第1シール部391をリアピラー33R、止水部材40およびピラーカバー37に隙間なく当接できる。これにより、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入り込むことを防ぐことができる。なお、フォークリフト1の右側も左側と同様の構成を有するため、フォークリフト1の右ドア35Rを閉じた時においても、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入ることを防ぐことができる。
(3)止水部材40は、リアピラー33Rの第1ピラー面331に接する第1部分41と、リアピラー33Rの第3ピラー面333に接する第2部分42とを有する。第1部分41の第1厚さと第2部分42の第2厚さとは、ピラーカバー37から上方に向けての距離の増加に伴って減少する。第1部分41および第2部分42は、フォークリフト1の左ドア35Lが閉じると、左ドア35Lの周縁に沿って配置されたシール部材39に当接する。これにより、左ドア35Lを閉めた際に、左ドア35Lとリアピラー33Rやピラーカバー37との間に空間が生じることを防ぎ、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入り込むことを防ぐことができる。なお、フォークリフト1の右側も左側と同様の構成を有するため、フォークリフト1の右ドア35Rを閉じた時においても、外部からの塵や埃や水等が運転室3の内部に入ることを防ぐことができる。
(4)止水部材40の第1厚さと第2厚さは、リアピラー33Rとピラーカバー37との間の段差を左ドア35Lの縁の形状に応じて連続的に接続するように、ピラーカバー37から上方に向けての距離の増加に伴って減少する。これにより、左ドア35Lを閉めた際の運転室3の密閉性を向上させることが可能となる。なお、フォークリフト1の右側も左側と同様の構成を有するため、フォークリフト1の右ドア35Rを閉めた際の運転室3の密閉度を向上させることができる。
−第2の実施の形態−
図面を参照して、第2の実施の形態の止水部材について説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、止水部材の形状が第1の実施の形態の止水部材40の形状とは異なる。
図7は、第2の実施の形態の止水部材50の外観形状を示す斜視図であり、図7(a)は止水部材50の表面の外観を示し、図7(b)は止水部材50の上部からの外観を示し、図7(c)は止水部材50の裏面の外観を示す。なお、第2の実施の形態においても、止水部材50が左ドア35Lのシール部材39と当接する面を表面と呼び、止水部材50がリアピラー33Rと当接する面を裏面と呼ぶ。なお、第2の実施の形態においても、フォークリフト1の運転室3の左側の構造を主として行うが、特に記載のない限り運転室3の右側の構造についても同様である。
止水部材50は、フォークリフト1の前後方向に面する第1部分41と、左右方向に面する第2部分51と、第1部分41および第2部分51の下方に設けられ、第1部分41および第2部分51と接続する取付部43とを有する。第1部分41と取付部43とは、第1の実施の形態の止水部材40が有する第1部分41と取付部43と同様である。第1部分41と第2部分51とは、第1の実施の形態と同様に、フォークリフト1の上下方向と直交する平面上において、所定角度θ1を有して接続する。
止水部材50の第2部分51は、表面側の第3側面521と、裏面側の第4側面522とを有する。第3側面521と第4側面522との第2厚さは、第1の実施の形態の第3側面421と第4側面422との第2厚さと同様である。すなわち、第2部分51の下端、すなわち取付部43と接続する境界において、リアピラー33Rの第3ピラー面333とピラーカバー37とにより生じる段差と実質的に等しい。第2厚さは、取付部43からの距離が離れるほど、すなわち第2部分51の上部ほど減少する。
なお、第2の実施の形態の止水部材50においても、取付部43がかえり部433を備えていない形状としてもよい。また、図7(d)に示すように、止水部材50が取付部43を有していなくてもよい。
第2部分51は、第1の実施の形態の止水部材40の第2部分42とは異なり、切欠きが形成される。具体的には、第2部分51のうち、フォークリフト1の後部側の端部52は、フォークリフト1の上下方向に対して所定の切欠き角度θ2を有する。これにより、第2部分51の第4側面522の幅、すなわち第1部分41と接続する境界523から端部52までのフォークリフト1の前後方向に沿った長さは、取付部43からのフォークリフト1の上下方向に沿った距離の増加に伴って減少する。
図8は、第2の実施の形態の止水部材50を取り付けた場合における、図2に示す領域R1、すなわちリアピラー33Rとピラーカバー37との取り付け部分の近傍を拡大して示す。本実施の形態においても、第1部分41の第1厚さと第2部分51の第2厚さとは、第1の実施の形態の止水部材40と同様の形状を有している。このため、左ドア35Lを閉じた場合には、左ドア35Lの周縁に沿って設けられたシール部材39と、止水部材50の第1部分41の第1側面411および第2部分51の第3側面521とが密接する。さらに、第2部分51は、上述した切欠きが形成される。これにより、リアピラー33Rの第3ピラー面333の上方からの水分は、切欠き角度θ2で切り欠かれた端部52の傾斜面を伝って、図8の矢印Aに示すようにフォークリフト1の車体下方に導かれる。このため、リアピラー33Rの第3ピラー面333の上方からの水分が第2部分51の上端に溜まり、第1部分41の上端を伝って運転室3の内部に浸入することが抑制される。
以上で説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態により得られた作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
第1部分41は、リアピラー33Rが有するフォークリフト1の前後方向に面する第1ピラー面331に当接し、第2部分51は、リアピラー33Rが有するフォークリフト1の左右方向に面する第3ピラー面333に当接する。第2部分51が有する、第1部分41と第2部分51との境界523からの幅は、ピラーカバー37から上方に向けての距離の増加に伴って減少する。これにより、リアピラー33Rの第3ピラー面333の上方からの水分が第2部分51の上端に溜まり、第1部分41の上端を伝って運転室3の内部に浸入することが抑制される。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)上述した各実施の形態においては、リアピラー33Rに止水部材40を設ける場合を例に挙げて説明を行ったが、この例に限定されない。フォークリフト1がフロントピラー33Fにおいてピラーカバーを介して車体フレーム36に取り付けられる構造を有する場合には、フロントピラー33Fとピラーカバーとにより生じる段差部に止水部材を設けることができる。
(2)上述した各実施の形態においては、止水部材40、50が取り付けられる荷役車両としてフォークリフト1を一例に挙げて説明を行ったが、ショベルローダーやホイールローダー等の産業車両が有する運転室に設けられるドアの取付構造に取り付けられてもよい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1…フォークリフト、33F…フロントピラー、33R…リアピラー、
34F…フロントピラー、34R…リアピラー、35L…左ドア、35R…右ドア
36…車体フレーム、37…ピラーカバー、39…シール部材、
40、50…止水部材、41…第1部分、42、51…第2部分、
43…取付部、44…サイドカバー、52…端部、330…左側枠構造
331…第1ピラー面、332…第2ピラー面、
333…第3ピラー面、334…第4ピラー面、340…右側枠構造、
350…取付構造、391…第1シール部、392…第2シール部、411…第1側面、
412…第2側面、421、521…第3側面、422、522…第4側面、

Claims (6)

  1. 荷役車両のフレームであって、周縁に沿ってシール部材が配置されたドアの周縁形状に応じたフレーム面を有する車体フレームと、
    前記荷役車両の運転室を覆う屋根を支える異形断面形状を有するピラーを含み、前記ドアの周縁形状に相似する形状を有するドア枠構造と、
    前記ドア枠構造を前記車体フレームに取り付ける取付構造とを備え、
    前記取付構造は、
    前記車体フレームと前記ピラーとの接続部を覆うカバーであって、上端部は前記ピラーの異形断面形状と相似形状の断面形状を有し、前記上端部から下端部にかけて、上端部の異形断面形状が前記車体フレームの前記フレーム面に徐々に変形されているピラーカバーと、
    前記ピラーと前記ピラーカバーとの接続部に形成され、前記ピラーの表面と前記ピラーカバーの表面とを接続する形状を有し、前記ドアが閉じると、前記ドアのシール部材に当接する止水部材とを備える荷役車両。
  2. 請求項1に記載の荷役車両において、
    前記ピラーカバーの前記異形断面は、前記荷役車両の外部に面した側面が階段状であり、
    前記フレーム面は、前記荷役車両の外部に面した側面は、前記異形断面とは異なる断面形状を有する荷役車両。
  3. 請求項1または2に記載の荷役車両において、
    前記止水部材は、前記ピラーの表面と前記ピラーカバーの表面と前記ドアの周縁とによって囲まれる空間に応じて、前記ピラーと前記ピラーカバーとの接続部から上方に向けて厚さが小さくなる荷役車両。
  4. 荷役車両の運転室を覆う屋根を支えるピラーと前記荷役車両の車体フレームとの接続部を覆うピラーカバーの上端部に形成され、異形断面を有する前記ピラーのうち前記荷役車両の前後方向に面する第1面と接する第1部分と、前記ピラーのうち前記荷役車両の左右方向の第2面と接する第2部分と、を有する荷役車両用止水部材であって、
    前記第1部分の第1厚さは、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少し、
    前記第2部分の第2厚さは、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少し、
    前記第1部分および前記第2部分は、前記荷役車両のドアが閉じると、前記ドアの周縁に沿って配置されたシール部材に当接する、荷役車両用止水部材。
  5. 請求項4に記載の荷役車両用止水部材において、
    前記第1厚さと前記第2厚さとは、前記ピラーと前記ピラーカバーとの間の段差を前記ドアの周縁の形状に応じて連続的に接続するように、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少する、荷役車両用止水部材。
  6. 請求項4または5に記載の荷役車両用止水部材において、
    前記第2部分が有する、前記第1部分と前記第2部分との境界からの幅は、前記ピラーカバーからの距離の増加に伴って減少する、荷役車両用止水部材。
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