JP6443687B2 - ワイヤ張力調整装置 - Google Patents
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Description
このボート競技では、複数のコースが設定され、一斉にスタートする。コースは、スタート位置からゴール位置まで張られたコースワイヤに、コースワイヤを浮上させるためのブイが所定間隔ごとに配置されて設定される。そして、スタート位置とゴール位置とに、このコースワイヤを緊張させるためのワイヤ張力調整装置が設置される。
特許文献1に記載の浮設ワイヤ調整装置は、水面上に浮上し第一係合部を持つフロートと、フロートから浮力を受け、水中または水面に浮設される浮設ワイヤの端部が接続された浮設ワイヤ用接続部と、第二係合部(敷設ワイヤ係合リング)とを持つフロート側連結具と、水底に沈設されるウェイトと、ウェイトに接続され、第三係合部を持つウェイト側連結具と、水面上から、第一係合部、第二係合部、第三係合部の順に係合し、ウェイト側連結具に接続された調整ワイヤと、フロートとフロート側連結具との間に介装されたスペーサとを備えたものである。
特許文献1に記載の浮設ワイヤ調整装置によれば、岸にウインチやアンカーなどの構造物を設置しなくても、水上から調整ワイヤを弛張させることにより浮設ワイヤを調整することができる。
従って、特許文献1に記載の浮設ワイヤ調整装置では、部品点数が多く、持ち運びが容易ではない。
なお、連結とは、直接的または部材を介して間接的に繋がって固定されていることを示す。
このように構成することで、滑車部材が動滑車として機能するため、第2緊張用線材の緊張に要する力を減少させることができる。
本発明の実施の形態1に係るワイヤ張力調整装置について、図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すワイヤ張力調整装置10は、所定間隔を空けて平行に敷設され、各コースを区切るコースワイヤW1を被緊張線材として引っ張り、緊張状態とするものである。コースワイヤW1は、ステンレスワイヤと樹脂ワイヤなどから形成される。
ワイヤ張力調整装置10は、各コースワイヤW1の両端部(スタート地点,ゴール地点)に設置されている。
アンカー12は、水底Bに配置される錘である。
操作棒13は、ハンドル部14が上端に設けられ、下部にウォームギア15が設けられた軸部材13aと、軸部材13aが貫通する筒状部材13bとを備えている。
軸部材13aおよび筒状部材13bは、水に濡れて放置されても腐食し難い金属製棒体である。軸部材13aおよび筒状部材13bは、コースワイヤW1を所定の水深に維持するために、コースワイヤW1の水深に合わせて長さが設定される。
ウォーム15aは、金属製とすることができる。本実施の形態1ではステンレスにより形成されている。
ウォームホイール15bは、金属製としたり、樹脂製としたりすることができる。ウォームホイール15bを金属製とするときには真鍮製とすることができ、樹脂製とするときにはナイロン製とすることができる。
ケース部15cは箱状に形成され、外部にコースワイヤW1が連結されている。
ブイ21は、球形状のブイ本体21aと、ブイ本体21aの下端に、ロープ20を連結するための貫通孔が形成された三角形状の取付部21bとを備えた、水上に浮上する浮きである。また、滑車部材19には、錘22が連結されている。
図1に示すように作業者は、フロート11に、ボート(図示せず)などにより近づき、コースワイヤW1が弛んだ状態では、ハンドル部14の軸中心に形成された嵌合穴に、電動ドライバーにより挿入してハンドル部14を回転させ、コースワイヤW1が張った状態になると、ハンドル部14の把持部14cを掴んだり、円形状部14bを持ったりして、ハンドル部14を回転させる。
従って、ワイヤ張力調整装置10は、被緊張線材を容易に緊張させることができ、運搬時や設置時、保管時など、取り扱いが容易である。
しかし、コースワイヤW1は、ウォームギア15に連結されており、ウォームギア15はある程度の重量がある。従って、コースワイヤW1がウォームギア15に連結されていることで、ウォームギア15をコースワイヤW1の揺動を抑止する錘に兼ねさせることができる。従って、ワイヤ張力調整装置10では、コースワイヤW1の設置を安定させるための新たな錘を準備しなくてもよい。
しかし、滑車部材19を省略し、一端がリール部16により巻かれ、遠位端とした他端がアンカー12と連結された1本の緊張用線材としてもよい。このように構成しても、リール部16に緊張用線材の一端側が巻き取られることにより、ウォームギア15とアンカー12との距離が短くなるため、ウォームギア15に連結されたコースワイヤW1が引っ張られることで、コースワイヤW1を緊張させることができる。
本発明の実施の形態2に係るワイヤ張力調整装置を図面に基づいて説明する。なお、図5においては図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
実施の形態1に係るワイヤ張力調整装置10(図1参照)では、操作棒13がフロート11から垂下しており、アンカー12により緊張用線材17の遠位端を固定した。本実施の形態2に係るワイヤ張力調整装置では、図5に示すように護岸に設置される。
により護岸Gに固定されている。
そして、リール部16が巻き取る緊張用線材17xとして、コースワイヤW1に連結された滑車部材19と、滑車部材19を遠位端として、リール部16に巻き取られる側から滑車部材19に掛け回され、ウォームギア15に連結された第3緊張用線材173とを備えたものとしている。
ハンドル部14が回転することで、軸部材13aが筒状部材13bの中で軸回転して、実施の形態1と同様にウォームギア15が作動してリール部16が回転する。そうすると、第3緊張用線材の一端173aはウォームギア15のケース部15c(図3および図4参照)に連結された状態で、第3緊張用線材の他端173bがリール部16に巻き取られる(図5に示す矢線F5,F6参照)。そのため、緊張用線材17xの遠位端となる滑車部材19がウォームギア15側に引き寄せられる(図5に示す矢線F7参照)。滑車部材19がウォームギア15側に引き寄せられることで、コースワイヤW1が緊張する(図5に示す矢線F8参照)。
このように、ワイヤ張力調整装置10xでも、実施の形態1と同様に、地上からハンドル部14を操作することにより、コースワイヤW1を緊張させることができる。
11 フロート
12 アンカー
13 操作棒
13a 軸部材
13b 筒状部材
14 ハンドル部
14a 放射状部
14b 円形状部
14c 把持部
15 ウォームギア
15a ウォーム
15b ウォームホイール
15c ケース部
16 リール部
16a 軸芯部
16b 鍔部
17,17x 緊張用線材
171 第1緊張用線材
171a 一端
171b 他端
172 第2緊張用線材
172a 一端
172b 他端
173 第3緊張用線材
173a 一端
173b 他端
19 滑車部材
20 ロープ
21 ブイ
21a ブイ本体
21b 取付部
22 錘
23 固定用レール
24 コースブイ
S 水面
B 水底
G 護岸
W1 コースワイヤ
Claims (6)
- 水中に配設された被緊張線材を緊張するワイヤ張力調整装置において、
前記被緊張線材が配置される水深の長さに形成された軸部材と、
前記軸部材の水面上に設けられたハンドル部と、
前記軸部材の下部に設けられたウォームギアであり、前記軸部材と同軸に設けられたウォームと前記ウォームと噛み合うウォームホイールとを有するウォームギアと、
前記ウォームホイールと同軸に設けられたリール部と、
前記リール部により巻き取られる緊張用線材とを備え、
前記ウォームギアが前記被緊張線材に連結されていると共に、前記緊張用線材の巻き取られる側とは反対となる遠位端が水底に沈降されたアンカーに連結され、または前記ウォームギアが護岸に固定されていると共に、前記緊張用線材の巻き取られる側とは反対となる遠位端が前記被緊張線材に連結され、固定されているワイヤ張力調整装置。 - 前記ウォームギアが前記被緊張線材に連結され、前記緊張用線材の前記遠位端が前記アンカーに連結された場合に、
前記軸部材は、水面に浮上するフロートから垂下され、
前記ハンドル部は、前記フロートから突出した前記軸部材に設けられた請求項1記載のワイヤ張力調整装置。 - 前記緊張用線材は、前記アンカーに前記遠位端となる一端が連結された第1緊張用線材と、前記第1緊張用線材の他端が連結された滑車部材と、前記ウォームギアに一端が連結されていると共に、前記滑車部材に掛け回され、前記リール部に他端が巻き取られる第2緊張用線材とを備えた請求項2記載のワイヤ張力調整装置。
- 前記ウォームギアが護岸に固定され、前記緊張用線材の前記遠位端が前記被緊張線材に連結された場合に、
前記緊張用線材は、前記被緊張線材に連結された滑車部材と、前記リール部に巻き取られる側から、前記遠位端となる前記滑車部材に掛け回され、前記ウォームギアに連結された第3緊張用線材とを備えた請求項1記載のワイヤ張力調整装置。 - 前記滑車部材がロープを介して連結するブイが設けられた請求項3または4記載のワイヤ張力調整装置。
- 前記ウォームギアは、被緊張線材の揺動を抑止する錘を兼ねる請求項1から5のいずれかの項に記載のワイヤ張力調整装置。
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