JP6442308B2 - テープ型使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、感圧式テープファスナーが取り付けられたサイドフラップの両横側に突出するサイドウイングの肌当接面に位置するトップ層が吸汗、通気性を有するオムツが開示されている。このオムツは、肌非当接面に位置するバック層が液不透過、通気性を有する。このオムツでは、着用時に互いに重なって肌に当接する前後サイドウイング域における通気性が得られて蒸れが極力抑制されるとともに汗を吸収するとされている。
また、特許文献2には、肌当接面を形成する内側親水性シートと、該内側親水性シートの非肌当接面側に配される外側親水性シートとを有する親水性シートがウエストフラップに配されている使い捨ておむつが開示されている。この使い捨ておむつは、外側親水性シートは、内側親水性シートよりも、液体の拡散性が高いシートであるため、液体である汗の拡散性が高いので、湿疹、あせも、かぶれ等の発生を軽減することができるとされている。
また、おむつ本体に接合され、タブ等を構成しているテープ基材を有するおむつでは、テープ基材の先端に配した止着部とおむつ本体とを結合しておむつを装着させている。そのため、テープ基材は、結合時に引き裂けないように、厚く、強度を有するように作製されている。
しかし、特許文献3に記載されたテープ基材を用いたタブ等のテープ部を有するおむつでは、テープ部の強度を確保するためにその厚さを厚く作製していた。そのようなテープ部は、通気性が低下して蒸れやすくなる。また、テープ部が疎水性不織布で作製されるため、汗が吸収されにくく、吸汗性が低くなる。その結果、肌面の蒸れやかぶれのような肌荒れを引き起こすことがあった。このような状況の発生により、おむつの着用者が不快に感じることがあり、改善の余地があった。
テープ型使い捨ておむつ10は、装着時において装着者の腹部領域に当接する前方部F、装着者の股下部領域に位置する中間部C、装着者の臀部に当接する後方部Rに区分される。テープ型使い捨ておむつ10の形状から明確に各部位が区分できないときは、テープ型使い捨ておむつ10を長手方向(Y方向)に3等分し、装着者の腹側寄りに配される領域から順に、前方部F、中間部C、後方部Rと区分する。以下、テープ型使い捨ておむつ10は単におむつ10ともいう。
一方、上記裏面シート2の非肌当接面側には、その全面を覆うように不織布からなる外装シート8が配されていてもよい。この外装シート8によって、おむつ10の外側は柔らかな肌触りおよび風合いのあるものとなる。
本実施形態においては、おむつ10(10A)は、展開状態の平面視における外形が、長手方向の中央部分が幅狭に括れた形状を有している。表面シート1および裏面シート2は、それぞれ、おむつ10Aの外形に等しい外形を有している。なお、後述するように、使い捨ておむつ10は、吸収性本体4が矩形であってもよい。
上記テープ部18および受け部20によっておむつ10を装着固定するとき、おむつ長手方向中央を緩やかに内側に折り曲げて、吸収体3が装着者の臀部から下腹部にわたって沿うように装着する。これにより排泄物が的確に吸収体3に吸収保持される。本実施形態のおむつ10においては、さらに機能的な構造部材やシート部材等を設けてもよい。
これに対して図3(c)に示すように、凹凸部を持つ親水性不織布が配されていない場合には、裏面シート2にテープ部18が密着するようになるため、上記の作用効果を得ることができない。そのため、蒸れの改善や通気性に改善の余地があった。
親水性不織布18Aの坪量は、5g/m2以上、特に10g/m2以上であることが好ましく、そして60g/m2以下、特に50g/m2以下であることが好ましい。また5g/m2以上60g/m2以下、特に10g/m2以上50g/m2以下であることが好ましい。
親水性不織布18Aの伸長状態における凸部18Tの高さは、0.5mm以上、特に0.6mm以上であることが好ましく、3.0mm以下、特に2.5mm以下であることが好ましい。また0.5mm以上3.0mm以下、特に0.6mm以上2.5mm以下であることが好ましい。
親水性不織布18Aの伸長状態における凸部18Tの幅は、1.0mm以上、特に1.5mm以上であることが好ましく、そして7.0mm以下、特に6.0mm以下であることが好ましい。また1.0mm以上7.0mm以下、特に1.5mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
親水性不織布18Aの伸長状態における凹部18Hの幅は、0.5mm以上、特に0.8mm以上であることが好ましく、そして5.0mm以下、特に4.0mm以下であることが好ましい。また0.5mm以上5.0mm以下、特に0.8mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
テープ部18の自然状態における厚みは、3.0mm以上、特に4.0mm以上であることが好ましく、そして12.0mm以下、特に11.0mm以下であることが好ましい。
上記のように、強度と風合いを両立させた不織布であることから、凹凸部18Bの形状が確保され、通気性と親水性の上層不織布18aによる肌面SA側から裏面シート2を透過してきた蒸気の吸収性が向上される。すなわち、通気性と吸収性が向上される。
また、親水性不織布18Aは、単層から複数層の構造であってもよく、肌面側は不織布、非肌面側に凹凸のフィルム層(一般的に生理用表面材に使用されている公知のフィルム不織布など)とした2層構造体でもよい。親水性不織布18Aは、特に通気性と蒸気の透過性との両方を向上される観点から、単層または2層が好ましい。また、平坦な2枚の不織布を、それぞれの速度差を異ならせながら貼り合わせることにより、凹凸形状を作ることもできる。
自然状態とは、テープ部18をテープ型使い捨ておむつから切り出し、止着部19が他の箇所に係合している場合はそれを剥がし、弾性体による収縮が発現されている状態を言う。一方、伸長状態とは、自然状態のテープ部において、弾性体が伸びきる程度であり、かつ、各部材が破けない程度に伸長させた状態を言う。
厚みは、株式会社尾崎製作所PEACOCK定圧厚み測定器スタンダードタイプFFAシリーズにより、2.5g/cm2の荷重下で測定する。
凸部18Tの高さは、伸長状態におけるテープ部18の厚みから、伸長状態におけるテープ基材18Cの厚みを引いたものである。
伸長状態の糸ゴムにテープ基材18Cと凹凸部18Bを有する親水性不織布18Aを接着させる。
そのため、収縮時には、接着したテープ基材18Cと親水性不織布18Aも弾性体31の糸ゴムにより、縮むことになり、凹凸部18Bを有する親水性不織布18Aに由来した凹凸ではなく、皺による凹凸がさらに形成された状態となる。
これにより、多層シートのテープ部18の強度を確保することが容易になる。
テープ部18全体の引張強度は、40N/50mm以上、特に50N/50mm以上が好ましい。そして、通気性、コシなどの点から100N/50mm以下、特に90N/50mm以下が好ましい。また40N/50mm以上100N/50mm以下であり、特に50N/50mm以上90N/50mm以下が好ましい。このような引張強度を有することから、テープ部18が破断することなく、通気性とコシが確保される。
テープ基材18Cの引張強度は、40N/50mm以上、特に50N/50mm以上が好ましく、風合いの観点から100N/50mm以下、特に90N/50mm以下が好ましい。
親水性不織布18Aの引張強度は、1N/50mm以上、特に20N/50mm以上が好ましく、40N/50mm以下、特に30N/50mm以下が好ましい。
テープ基材18Cの不織布は、スパンボンド法、エアースルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法、エアレイド法やそれらの製法の組み合わせ等により製造される不織布が好ましい。特にスパンボンド法、ポイントボンド法、メルトブロー法により製造された不織布が高強度の不織布であるため好ましい。
テープ基材18Cの坪量は、40g/m2以上、特に60g/m2以上が好ましく、そして120g/m2以下、特に110g/m2以下がより好ましい。また、40g/m2以上120g/m2以下、特に60g/m2以上110g/m2以下がより好ましい。このように、坪量を高くできるのは、テープ部18が非肌面側になるため、風合いよりも引張強度を求めることができるためである。
例えば、親水性不織布18Aは、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出し内部空間を有する凸部18Tと、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に凹む凹部18Hとを有している。凸部18Tは第2面側Z2からみると凹部になっていて、凹部18Hは第2面側Z2からみると凸部になっている。これらの凸部18T、凹部18Hは、親水性不織布18Aの全面にわたって平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配されている。上記異なる方向とは、具体的一例として、上記異なる方向の1方向であるX方向と、このX方向とは異なり、上記異なる方向の1方向であるY方向である。
Tの字型の使い捨ておむつ10(10B)は、吸収体3を含む吸収性本体4と、吸収体3の両側縁から延出する延出部17を備えている。この第2実施形態では、この延出部17の更に幅方向外方にサイドパネル9を有している。両側それぞれのサイドパネル9、9は、おむつ10Bの背側部Rに配されている。そして、サイドパネルは腹側部Fには配されていない。したがって、おむつの外形がTの字型になっている。
上記吸収性本体4は図1によって説明したおむつ10の吸収性本体4と同様な構成を有する。
上記サイドパネル9、9は、それぞれの延出方向(X方向)の先端側に、止着部19付きのテープ部18が設けられている。このテープ部18および止着部19は、前述の図1から図6によって説明したものと同様の構成を有する。
一方、おむつ10Bの腹側部Fの外面には、止着部19を止着させる受け部20が配されている。
このおむつ10Bを装着する際には、テープ部18を手で引っ張り、そのテープ部18受け部20に押し付け、テープ部18の止着部19を受け部20に止着して、着用者に装着する。
したがって、吸収体3から横漏れしてきた液体の拡散を疎水性領域の背側フラップ部17Rで防ぐことができるので、吸収体3の横漏れが防止される。それとともに、親水性不織布18Aによって吸汗性が確保される。
表面シート1は、肌触りが良く液透過性の部材からなり、例えば、親水性不織布が好ましく、エアースルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布が挙げられる。その不織布の繊維は、ポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましい。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌当接面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
また上記吸収体ギャザー弾性体73によって吸収体3の側部が伸縮するため脚周り、特に大腿部付け根周りのフィット性が向上し、その部分の漏れを防止することができる。
表面シート、裏面シート、および両シートの間に介在配置された吸収体を含む縦長の吸収性本体を備え、
前記吸収体の両側縁より幅方向外方に張り出して配された延出部と、
前記吸収性本体の長手方向一端部の両側に位置する前記延出部の外側に配されたテープ部と、
前記テープ部の前記幅方向外方の端部側に配された止着部とを有し、
前記止着部より前記吸収性本体側の前記テープ部が肌面側に凹凸部を持つ親水性不織布を有するテープ型使い捨ておむつ。
<2>
前記親水性不織布はエアースルー不織布である<1>に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<3>
前記テープ部の自然状態における厚みは、3.0mm以上、特に4.0mm以上であることが好ましく、そして12.0mm以下、特に11.0mm以下であることが好ましい<1>または<2>に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<4>
前記テープ部は、複数枚のシートが積層された多層構造であり、少なくとも肌面側に配されたシートは前記凹凸部を有する親水性不織布である<1>から<3>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<5>
前記テープ部は、複数枚のシートが積層された多層構造であり、該複数枚のシートに前記幅方向に伸縮性を有する弾性体が挟まれ、
前記弾性体の伸長時に、前記凹凸部が肌面側に凹凸形状を残す<1>から<4>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<6>
前記親水性不織布の伸長状態における凸部の高さは、0.5mm以上、特に0.6mm以上であることが好ましく、3.0mm以下、特に2.5mm以下であることが好ましい<1>から<5>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<7>
前記親水性不織布の伸長状態における凸部の幅は、1.0mm以上、特に1.5mm以上であることが好ましく、そして7.0mm以下、特に6.0mm以下であることが好ましく、また1.0mm以上7.0mm以下、特に1.5mm以上6.0mm以下であることが好ましい<1>から<6>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<8>
前記親水性不織布の伸長状態における凹部の幅は、0.5mm以上、特に0.8mm以上であることが好ましく、そして5.0mm以下、特に4.0mm以下であることが好ましく、また0.5mm以上5.0mm以下、特に0.8mm以上4.0mm以下であることが好ましい<1>から<7>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<9>
前記親水性不織布の引張強度は、1N/50mm以上、特に20N/50mm以上が好ましく、40N/50mm以下、特に30N/50mm以下が好ましい<1>から<8>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<10>
前記テープ部は基材と前記親水性不織布を有し、前記基材の引張強度は、40N/50mm以上、特に50N/50mm以上が好ましく、風合いの観点から100N/50mm以下、特に90N/50mm以下が好ましい<1>から<9>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<11>
前記テープ部は基材と前記親水性不織布を有し、前記基材の坪量は、40g/m2以上、特に60g/m2以上が好ましく、そして120g/m2以下、特に110g/m2以下がより好ましい<1>から<10>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<12>
肌面側に配された前記凹凸部を有するシートより、その厚さ方向の非肌面側のシートの方が、引張強度が大きい<1>から<11>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<13>
前記テープ基材の不織布は、高強度の不織布であり、スパンボンド法、ポイントボンド法またはメルトブロー法により製造された不織布が好ましい<1>から<12>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<14>
前記凹凸部の凹凸形状は前記幅方向および前記長手方向に凸部と凹部が交互に並んでいる<1>から<13>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<15>
前記テープ部の引張強度は、40N/50mm以上、特に50N/50mm以上が好ましく、そして、通気性、コシなどの点から100N/50mm以下、特に90N/50mm以下が好ましい<1>から<14>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<16>
前記凸部はドーム状である<1>から<15>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<17>
前記吸収性本体が矩形である<1>から<16>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<18>
Tの字型の使い捨ておむつは、吸収体を含む吸収性本体と、吸収体の両側縁から延出する延出部を備え、この延出部の更に幅方向外方にサイドパネルを有している。両側それぞれのサイドパネル9、9は、おむつ10Bの背側部Rに配されている<1>から<17>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<19>
前記止着部と前記吸収体との間に前記止着材側から前記吸収体側に向かって、肌面側に親水性領域と疎水性領域が順に配されている<1>から<18>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
<20>
前記テープ部における前記親水性不織布が親水性領域になり、前記延出部であるフラップ部の背側フラップ部が疎水性領域になっている<1>から<19>のいずれか1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
2 裏面シート
3 吸収体
4 吸収性本体
5 被覆シート
7 サイドシート
8 外装シート
9 サイドパネル
10、10A、10B 使い捨ておむつ
17 延出部
17F 腹側フラップ部
17R 背側フラップ部
18 テープ部
18A 親水性不織布
18B 凹凸部
18T 凸部
18H 凹部
19 止着部
20 受け部
31 弾性体
41 立体ギャザー
41b 起立端
41f 自由端
71 立体ギャザー弾性体
73 吸収体ギャザー弾性体
75 レッグギャザー弾性体
F 前方部
C 中間部
R 後方部
SA 肌面
Z1 第1面側
Z2 第2面側
Claims (7)
- 表面シート、裏面シート、および両シートの間に介在配置された吸収体を含む縦長の吸収性本体を備え、
前記吸収体の両側縁より幅方向外方に張り出して配された延出部と、
前記吸収性本体の長手方向一端部の両側に位置する前記延出部の外側に配されたテープ部と、
前記テープ部の前記幅方向外方の端部側に配された止着部とを有し、
前記止着部より前記吸収性本体側の前記テープ部が肌面側に凸部と凹部とが前記幅方向および前記長手方向に交互に並んでいる凹凸部を持つ親水性不織布を有するテープ型使い捨ておむつ。 - 前記テープ部は、複数枚のシートが積層された多層構造であり、少なくとも肌面側に配されたシートは前記凹凸部を有する親水性不織布である請求項1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記テープ部は、複数枚のシートが積層された多層構造であり、該複数枚のシートに前記幅方向に伸縮性を有する弾性体が挟まれ、
前記弾性体の伸長時に、前記凹凸部が肌面側に凹凸形状を残す請求項1または2に記載のテープ型使い捨ておむつ。 - 肌面側に配された前記凹凸部を有するシートより、その厚さ方向の非肌面側のシートの方が、引張強度が大きい請求項2または3に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記凹凸部の凹凸形状は前記幅方向および前記長手方向に凸部と凹部が交互に並んでいる請求項1から4のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記吸収性本体が矩形である請求項1から5のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
- 前記止着部と前記吸収体との間に前記止着部側から前記吸収体側に向かって、肌面側に親水性領域と疎水性領域が順に配されている請求項1から6のいずれか1項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
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