JP6441117B2 - ロール - Google Patents

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本発明は、フィルムやシートの成型機、貼合機および搬送機等の一般工業用産業装置に用いられるロールに関する。
樹脂製のフィルムおよびシート等の基材の成型機、貼合機および搬送機等の一般工業用産業装置には、基材を搬送または加工するために複数のロールが用いられている。例えば、図10Aに示すように、基材1を搬送する際には、所定圧力で圧接した一対のロール2,3間を通して基材1を搬送する。また、図10Bに示すように、2枚のフィルム1a,1bを貼り合わせて基材1を加工(製造)する際には、一対のロール2,3のうち、一方のロール2で第1フィルム1aを案内するとともに、他方のロール3で第2フィルム1bを案内し、ロール2,3間でフィルム1a,1bを圧着して1枚の基材1とする。
特許文献1には、表面温度を調節可能としたロールが開示されている。このロールは、円筒状の内筒と、内筒と同軸に配置した円筒状の外筒とを備える二重管構造である。内筒と外筒とは、両端に配置した端板に接合されている。端板には、軸受けに軸着する軸部が突設されている。軸部には冷却液体を流動させる流路が形成されている。内筒には、両端近傍に内周部を閉塞する隔壁が設けられ、隔壁の軸方向外側に連通孔が設けられている。一方の軸部から供給された冷却液体は、内筒と外筒の間の外側流路を通り、他方の軸部から外部へ排出される。これによりロールの表面が設定温度に調節される。
しかしながら、特許文献1のロールは、図10A,Bに示すように、対向配置したロールに向けて荷重を加えると弾性的に撓み、両端の軸部側に加わる圧力が高く、中央側に加わる圧力が低くなる。よって、ロールの軸方向全域にかけて、一定のニップ圧で基材に圧力(荷重)を加えることができない。なお、この問題を解消するには、ロールの直径を大きくしたり、撓みを防止するためのバックアップロールを更に配置する方法がある。しかし、これらの方法ではロールを用いた装置が大型化するうえ、複雑になる。また、ロールの撓みは、対向配置したロールに向けて荷重を加えた場合に限らず、例えば基材に所定の荷重を加えて搬送する場合にも生じることがある。
一方、特許文献2には、基材に対して一定のニップ圧で荷重を加えることを可能としたロールが開示されている。このロールは、特許文献1と同様に内筒と外筒とを備える。内筒には、両端に軸部が接合され、中央に径方向外向きに突出する突出部が設けられている。外筒は、内筒の突出部に接合されている。内筒と外筒との間には、突出部の軸方向両側に空隙部が形成されている。このロールは、対向配置したロールに向けて荷重を加えると、内筒に撓みが生じる。この内筒の撓みを空隙部内で逃がすことで、基材に接触する外筒に撓みが生じることを抑制ないし実質的に防止している(低撓み機能)。
特許文献2のロールは、低撓み機能により高い搬送能力を発揮できるため、種々の一般工業用産業装置に使用されている。しかし、温調機能が備わっていないため、基材またはロール自体の冷却または加熱(昇温)を要する部分には用いることができない。例えば、Tダイ押出機直下の冷却を要する成型ロールやラミネートロール等には用いることはできなかった。
特開2010−143212号公報 PCT出願国際公開第WO2014/156807号
本発明は、温調機能と低撓み機能を兼ね備えたロールを提供することを課題とする。
本発明は、回転軸と一体に設けられ、前記回転軸の軸方向から見た外形が円形状で、軸方向中央側の部分に径方向外向きに突出する突出部を有する内側部材と、前記内側部材の前記突出部に固着され、前記突出部から軸方向両側へ突出する円筒状で、表面温度を調節する温調部を有する外側部材とを備え、前記内側部材の前記突出部の軸方向両側に、前記内側部材の外周面と前記外側部材の内周面とが間隔をあけて位置する空隙部を有しており、前記温調部は、温調用媒体を流動させる第1流路であり、前記回転軸または前記内側部材に前記温調用媒体を流動させる第2流路を設けるとともに、弾性的に変形可能な筒状の接続部材を有し、前記第1流路および第2流路を連通させる連通路を設けた、ロールを提供する。なお、内側部材は、回転軸を一体成形した構成、および、別体の回転軸を一体に固着した構成の両方を含む。また、内側部材は、軸方向に貫通した貫通部を備える円筒状、および、貫通部が無い円柱状の両方を含む。
このロールは、円筒状の外側部材が内側部材の中央側で固着され、突出部の軸方向両側に空隙部が形成されているため、内側部材に撓みが生じても、外側部材が撓むことを抑制ないし実質的に防止できる。また、外側部材に温調部を設けているため、基材またはロール自体の冷却または加熱を要する部分に用いることができる。即ち、ロールの直径を大きくしたり、バックアップロールを更に配置することなく、基材に対して一定のニップ圧で荷重を加えることができるうえ、ロールの表面温度を調節できる。よって、フィルムやシート等の基材の成型機、貼合機および搬送機等の一般工業用産業装置の簡素化を図り、大型化を防止できる。
前記温調部は、温調用媒体を流動させる第1流路であるため、第1流路に所定温度の温調用媒体を流動させることで、ロールの表面を設定温度に調整できる。また、前記回転軸または前記内側部材に前記温調用媒体を流動させる第2流路を設け、前記第1流路および第2流路を連通させる連通路を設けているため、回転部材であるロールに対して安定して温調用媒体を供給することができる。しかも、前記連通路は弾性的に変形可能な筒状の接続部材を有するため、内側部材が変形した状態でも、確実に温調用媒体を循環供給することができる。
詳しくは、前記外側部材は、円筒状の内筒部と、前記内筒部の外側に間隔をあけて位置する円筒状の外筒部とを有する二重管構造であり、前記第1流路は、前記内筒部と前記外筒部との間の空間からなる。このようにすれば、外側部材の部品点数は増加するが、個々の部品を簡素化できるため、製造コストを低減できる。
本発明のロールは、突出部の両側の外側部材と内側部材との間に空隙部が形成されているため、外側部材の撓みを抑制ないし実質的に防止し、基材に対して一定のニップ圧で荷重を加えることができる。また、外側部材に温調部を設けているため、基材またはロール自体の冷却または加熱を要する部分に用いることができる。よって、複数のロールを用いる一般工業用産業装置の簡素化を図り、大型化を防止できる。
本発明の第1実施形態のロールの横断面図。 図1Aのロールの端面図。 外筒部材の分解斜視図。 図1Aのロールが撓んだ状態を示す横断面図。 第2実施形態のロールの横断面図。 図4Aのロールの縦断面図。 第3実施形態のロールの横断面図。 図5Aのロールの縦断面図。 第4実施形態のロールの横断面図。 第5実施形態のロールの横断面図。 図7Aのロールの縦断面図。 外筒部材に形成する外側流路の変形例を示す展開図。 ロールの変形例を示す横断面図。 基材の搬送状態を示す概念図。 基材の貼り合わせ状態を示す概念図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1Aから図3は、本発明の第1実施形態に係るロール10を示す。なお、図1Aはロール10の横断面図であり、図1Bはロール10の端面図である。また、図2はロール10の軸方向の全長を短く作図した外筒部材14の分解斜視図である。また、図3はロール10の使用状態の一例を示す横断面図である。
ロール10は、樹脂製のフィルムやシート等の基材の成型機、貼合機および搬送機等の一般工業用産業装置に適用される。この種の装置は、複数のロールによって、例えば肉厚が薄い軟質の基材を搬送または加工する。本実施形態のロールは、この種の装置において、基材またはロール10自体の冷却または加熱を要する部分に使用される。
図1Aに示すように、ロール10は、回転軸13を一体に固着した内筒部材(内側部材)11と、内筒部材11の外側に固着した外筒部材(外側部材)14とを備える。これらの部材11,14は、全て金属(例えばステンレスや炭素鋼)製である。ロール10は、外筒部材14の撓みを抑制ないし実質的に防止した低撓み機能と、外筒部材14の表面温度を調整する温調機能とを兼ね備えている。
図1A,Bに示すように、内筒部材11は、軸方向から見た外形が真円形状の円筒体である。内筒部材11の軸方向の中央部分には、径方向外向きに突出した突出部12が設けられている。図1Bに示すように、突出部12は、内筒部材11から同心円状をなすように突設されている。図1Aに示すように、突出部12は、軸方向に対して直交する方向から見ると、台形状に形成されている。
内筒部材11の軸方向両端には、軸線が一致するように回転軸13,13がそれぞれ固着されている。詳しくは、内筒部材11を加熱して回転軸13を嵌合(焼きばめ)した後、内筒部材11と回転軸13の境界部分を溶接することにより、接合されている。本実施形態では、内筒部材11と回転軸13とを別体で形成して一体に固着しているが、内筒部材11に回転軸13を一体成形してもよい。
図1Aおよび図2に示すように、外筒部材14は、搬送する基材の横幅(搬送方向と直交する方向の寸法)より長く、内筒部材11の軸方向の全長より短い円筒体である。外筒部材14の内径は、内筒部材11の突出部12の両側部分の外径d1より大きく、突出部12の外径d2より僅かに小さい寸法設定である。この外筒部材14には、軸方向の中央部に内筒部材11の突出部12が配置され、一体に固着されている。詳しくは、外筒部材14を加熱して内筒部材11を圧入(焼きばめ)している。これにより、外筒部材14の軸線と内筒部材11の軸線が一致する。また、外筒部材14は、突出部12から軸方向両側へ突出する。
図1Aに示すように、内筒部材11の突出部12の軸方向両側には、内筒部材11の外周面11aと外筒部材14の内周面14aとが間隔をあけて位置する空隙部15が形成されている。空隙部15は、外筒部材14の内径と内筒部材11の外径の寸法差(=d2−d1)により形成される。空隙部15の径方向の寸法(d2−d1)は、内筒部材11の全長と材質、そして対向するローラまたは基材へ加える荷重に基づいて、想定される内筒部材11の弾性的な撓み(変形)量より大きく設定されている。即ち、空隙部15は、内筒部材11の弾性的な変形を許容する空間である。この空隙部15により、内筒部材11が弾性的に変形しても、外筒部材14が変形することを防止する(低撓み機能)。
内筒部材11の回転軸13および外筒部材14には、連通路17,24によって互いに連通された流路16,19が設けられている。流路16,19には、流体供給部30から供給された温調用媒体(例えば冷水や温水)が流動される。これにより外筒部材14の表面が設定温度に調節される(温調機能)。
内筒部材11の回転軸13には、流体供給部30の配管31,32が接続された内側流路(第2流路)16が設けられている。内側流路16は、回転軸13の軸方向の外端から内端側へ向けて延びている。内側流路16の内端は閉塞され、外筒部材14の外端の径方向内側に位置されている。また、回転軸13には、内側流路16から径方向に延びる第1連通路17が設けられている。第1連通路17は、一端が内側流路16の内端近傍に連続し、他端側が径方向外向きに延びて回転軸13の外周面で開口している。第1連通路17は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では4個)設けられている。内筒部材11には、回転軸13の第1連通路17と一致する第1接続孔18が設けられている。
図1Aに示すように、外筒部材14には、基材に接触する表面の温度を調節する温調部として、外側流路(第1流路)19が設けられている。詳しくは、外筒部材14は、円筒状の内筒部20と、内筒部20の外側に間隔をあけて配置された円筒状の外筒部21とを備える二重管である。図2を併せて参照すると、内筒部20と外筒部21とは、円環状の端板部22を介して軸線が一致するように溶接(接合)されている。例えば、内筒部20を加熱し、内筒部20を内筒部材11の突出部12の外周に配置(焼きばめ)した後、内筒部20の外周に外筒部21を配置し、内筒部20と外筒部21の端部に端板部22を溶接することにより、組み立てられる。
二重管構造の外筒部材14に形成された内筒部20と外筒部21の間の空間が外側流路19である。内筒部20の外周部には、外筒部21の内周部に向けて突出する隔壁部23が設けられている。隔壁部23は、内筒部20の軸方向の一端側から他端側に向けて螺旋状に連続する。この隔壁部23により内筒部20と外筒部21の間には螺旋状の外側流路19が形成されている。なお、内筒部20と隔壁部23とは、それぞれ別体で形成して接合により一体に固着してもよいし、切削加工等により一体に設けてもよい。また、隔壁部23は、外筒部21に設けてもよい。
図1A,Bに示すように、内側流路16に連通する第1連通路17と外側流路19とは、第2連通路24によって接続されている。第2連通路24は、弾性的に変形可能な筒状の接続部材であるゴム製のチューブ25の内部空間からなる。チューブ25の一端は、内筒部材11の第1接続孔18に第1シール部材26を介して配置されている。第1シール部材26は筒状であり、第1接続孔18と第1連通路17、および、第1接続孔18とチューブ25との間をシールする。チューブ25の他端は、端板部22に形成した第2接続孔27に第2シール部材28を介して配置されている。第2シール部材28は、円環状であり、第2接続孔27の外側流路19側(内部側)に配置されている。第2シール部材28は、内筒部20の外径より大きい内径で、外筒部21の内径より大きい外径であり、内筒部20と外筒部21との間をシールする。第2シール部材28には、第2接続孔27と対応してチューブ25をシールするシール孔29が形成されている。このように、本実施形態では、外筒部材14の両端に配置した複数のチューブ25により、内側流路16と外側流路19とが連通されている。
このロール10は、対向配置したロール10または基材に向けて設定した荷重を加えた状態で配置される。この状態で回転されることにより、基材に対して設定したニップ圧で荷重を加えながら、基材を送り出す。図3に示すように、ロール10に対して下向きの荷重を加えると、軸受けに支持された回転軸13に対して、一体に接合された内筒部材11の中央側が弾性的に下向きに撓む。しかし、ロール10は、基材に接触する外筒部材14が内筒部材11の中央で固着され、突出部12の軸方向両側に空隙部15が形成されているため、内筒部材11に撓みが生じても、外筒部材14が撓むことを抑制ないし実質的に防止できる。そのため、ロール10の直径を大きくしたり、バックアップロールを更に配置することなく、基材に対して一定のニップ圧で荷重を加えることができる。
また、図1Aに示すように、ロール10には、流体供給部30の供給側配管31が一方の回転軸13に接続され、回収側配管32が他方の回転軸13に接続される。そして、流体供給部30から設定温度の温調用媒体が循環供給されることで、外筒部材14の表面が設定温度に温調される。詳しくは、温調用媒体は、一方の回転軸13の内側流路16から注入され、第1連通路17から第2連通路24を介して外側流路19に流入する。そして、螺旋状の外側流路19を通過する際に外筒部材14を熱交換により冷却または昇温した後、他方の回転軸13から排出される。そのため、基材またはロール10自体の冷却または加熱を要する部分に用いることができる。
このように、本実施形態のロール10は、基材に対して一定のニップ圧で荷重を加えつつ、基材またはロール10自体の温調が可能であるため、フィルムやシート等の基材の搬送や加工に用いる機器等の一般工業用産業装置の簡素化を図り、大型化を防止できる。また、図3に示すように、内筒部材11側の内側流路16と外筒部材14側の外側流路19とは、弾性的に変形が可能なチューブ25によって接続されているため、回転部材であるロール10に対して安定して温調用媒体を供給することができる。詳しくは、内筒部材11が変形した状態でも、チューブ25が弾性的に変形することで、確実に外筒部材14の外側流路19に温調用媒体を循環供給し続けることができる。
また、本実施形態の外筒部材14は、内筒部20と外筒部21とを有する二重管構造であり、これらの間の空間により外側流路19を形成しているため、外筒部材14の部品点数は増加するが、個々の部品を簡素化できるため、製造コストを低減できる。また、内筒部20と外筒部21の間には、外側流路19を区画する隔壁部23を設けているため、温調用媒体が流動する距離を十分に確保し、確実に外筒部材14の温度を調節できる。
(第2実施形態)
図4A,Bは第2実施形態のロール10を示す。この第2実施形態では、内側流路16と外側流路19とを接続する接続部材として、内筒部材11と外筒部材14との間の空隙部15に、弾性的に変形可能な円環状のパッキン33を配設した点で、第1実施形態と相違する。
詳しくは、第1実施形態と同様に、回転軸13には内側流路16と第1連通路17とが形成され、内筒部材11には第1接続孔18が形成されている。また、外筒部材14は、内筒部20、外筒部21、端板部22および隔壁部23を備えている。そして、内筒部20と外筒部21との間の空間が外側流路19を構成する。外側流路19側の第2接続孔27は、第1接続孔18の径方向外側に位置するように、内筒部20に設けられている。
パッキン33は、第1および第2接続孔18,27の内外周部に位置するように、内筒部材11と外筒部材14との間に配置されている。パッキン33は、内径が内筒部材11の外径より大きく、外径が外筒部材14の内径より大きく、内筒部材11と外筒部材14の間に弾性的に変形可能に配置されている。パッキン33には、径方向の内外に位置する第1および第2接続孔18,27を連通させるための第2連通路24が径方向に貫通するように設けられている。
この第2実施形態のロール10は、荷重を加えることにより内筒部材11が変形すると、パッキン33が径方向に伸縮する。これにより、外筒部材14の変形を抑制ないし実質的に防止しつつ、内側流路16と外側流路19との連通状態を維持する。そのため、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図5A,Bは第3実施形態のロール10を示す。この第3実施形態では、軸方向に貫通した貫通部を備える円筒状の内筒部材11の代わりに、貫通部が無い中実の円柱体からなる内側部材34を用い、外筒部材14に対して軸方向の中央側から温調用媒体を注入および排出するようにした点で、第1実施形態と相違する。
詳しくは、内側部材34には、第1実施形態と同様の形状の回転軸部35が両端に一体成形されている。また、内側部材34には、軸方向に延びる内側流路16と、径方向に延びる第1連通路17とが形成されている。内側流路16は、内側部材34に設けた突出部12の径方向内側である中央近傍まで延びている。第1連通路17は、一端が内側流路16の内端近傍に連続し、他端側が径方向外向きに延びて突出部12の外周面で開口している。
外筒部材14は、一対の内筒部20,20と、外筒部21と、端板部22とを備える。内筒部20,20は、突出部12の軸方向両側にそれぞれ固着されている。内筒部20,20の外側に外筒部21を配置し、端板部22を溶接する。これにより、突出部12を含む内筒部20と外筒部21との間に外側流路19が形成されている。なお、第3実施形態のロール10には、弾性的に変形可能な接続部材からなる第2連通路24は無い。
この第3実施形態のロール10は、内側部材34と外筒部材14とを接合した突出部12の部分で内側流路16と外側流路19とを接続しているため、内側部材34が荷重により変形しても、内外の流路16,19の連通状態を確実に維持できる。また、内側部材34が変形しても、突出部12の両側の空隙部15により外筒部材14が変形することを抑制ないし実質的に防止できる。よって、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図6は第6実施形態のロール10を示す。この第4実施形態では、第3実施形態と同様に外筒部材14に対して軸方向の中央側から温調用媒体を注入および排出する一方、内側部材34A,34Bを中央で分割した点で、第3実施形態と相違する。
内側部材34A,34Bには、外筒部材14の外側に位置する外端側にそれぞれ回転軸部35A,35Bが設けられている。外筒部材14内に位置する内端側には、それぞれ突出部12A,12Bが設けられている。また、内側部材34A,34Bには、外端から内端近傍にかけて延びる内側流路16A,16Bが設けられている。内側流路16A,16Bの内端側には、径方向外向きに延びる連通路17A,17Bが設けられている。
外筒部材14は、第1実施形態と同様に、円筒状の内筒部20と、内筒部20より大径の円筒状の外筒部21と、これらを連結する円環状の端板部22とを備える。そして、内側部材34A,34Bの連通路17A,17Bと一致するように、内筒部20には接続孔27がそれぞれ設けられている。なお、連通路17A,17Bと接続孔27,27の間には、図示しないシール部材が配設されている。なお、第3実施形態は、一対の円筒部20,20を用いたが、第4実施形態のように1個の内筒部20で構成してもよい。また、第4実施形態は、第3実施形態のように一対の内筒部20,20で構成してもよい。
この第4実施形態のロール10は、第3実施形態と同様に、内側部材34A,34Bが荷重により変形しても、内外の流路16A,16B,19の連通状態を確実に維持できる。また、内側部材34A,34Bが変形しても、突出部12A,12Bの両側の空隙部15により外筒部材14が変形することを抑制ないし実質的に防止できる。よって、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図7A,Bは第5実施形態のロール10を示す。この第5実施形態では、第3実施形態と同様に、中実の円柱体からなる内側部材34を用いている。そして、温調用媒体を流動させる外側流路19の代わりに、ヒータ管39を外筒部材14に配設した点で、第3実施形態と相違する。
詳しくは、内側部材34は、第3実施形態と同様に、両端に回転軸部35をそれぞれ備える。また、内側部材34には、図7A中左側に位置する一方の回転軸部35から右側に位置する他方の回転軸部35に向けて延びる配線通路36が設けられている。また、内側部材34には、配線通路36から径方向に延びる連通路37が設けられている。連通路37は、一端が配線通路36に連続し、他端側が径方向外向きに延びて外周面で開口している。連通路37は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では12個)設けられている。この連通路37の群は、両端の回転軸部35,35の近傍にそれぞれ設けられている。
外筒部材14は、所定肉厚の円筒体であり、各実施形態のように内筒部20と外筒部21とを有する二重管構造ではない。外筒部材14には、軸方向に沿って貫通した配管孔38が、周方向に間隔をあけて連通路37と同数で設けられている。配管孔38には、発熱体を有する加熱部材であるヒータ管39が配設されている。ヒータ管39の一端には、配線通路36を通して一端側の連通路37から導出された配線40が電気的に接続されている。ヒータ管39の他端には、配線通路36を通して他端側の連通路37から導出された配線40が電気的に接続されている。
この第5実施形態のロール10は、各実施形態と同様に、荷重を加えることにより内側部材34が変形しても、突出部12の両側の空隙部15により外筒部材14が変形することを抑制ないし実質的に防止できる。また、ヒータ管39に通電することにより外筒部材14を所定温度に容易かつ確実に設定温度に昇温できる。よって、各実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、第5実施形態では、温調用媒体の漏出を考慮した防水設計を施す必要がないため、ロール10の構成部品の点数を削減し、構造の簡素化を図ることができる。
なお、本発明のロール10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、第1および第2実施形態では、中空の円筒体からなる内筒部材11を用いたが、第3から第5実施形態のように中実の円柱体からなる内側部材34を用いてもよい。また、第3から第5実施形態では、中実の円柱体からなる内側部材34を用いたが、第1および第2実施形態のように、中空の円筒体からなる内筒部材11を用いてもよい。第3および第4実施形態のように、ロール10の軸方向中央側で温調用媒体を注入および排出する場合、内側流路16には連通路17の代わりに接続パイプを配管することが好ましい。
また、第1から第4実施形態では、内筒部20と外筒部21とを備える二重管構造の外筒部材14としたが、第5実施形態のように軸方向に延びる配管孔38を備える外筒部材14とし、配管孔38に温調用媒体を流動させるようにしてもよい。また、配管孔38は、貫通する孔を穿設して設けてもよいし、別体のパイプをインサート成形して設けてもよい。
また、第1および第2連通路17,24の数と、ヒータ管(加熱部材)39と連通路37の数とは、希望に応じて変更が可能である。また、第1から第4実施形態では、一端側から温調用媒体を注入し、他端側から温調用媒体を排出したが、複式ロータリージョイントを用いて一端側から温調用媒体を注入および排出させてもよい。
また、第1から第4実施形態では、隔壁部23によって螺旋状の外側流路19を形成したが、図8の展開図に示すように、軸方向に延びて往復流動する構造等、温調用媒体の流路構造は希望に応じて変更が可能である。また、第1−3,5実施形態では、1個の内筒部材11および内側部材34に台形状に突出する1箇所の突出部12を設けたが、図9に示すように、軸方向に間隔をあけて2箇所に突出部12,12を設けてもよく、突出部12を形成する数も希望に応じて変更が可能である。
また、内筒部材11および内側部材34は、第1−3,5実施形態では1個で構成したが、第4実施形態のように2個に分割して構成してもよい。また、各実施形態のロール10は、フィルムやシートの成型機、貼合機および搬送機等の一般工業用産業装置に用いることを例に挙げて説明したが、これらに使用可能な装置は限定されない。
1…基材
2,3…従来のロール
10…本発明のロール
11…内筒部材(内側部材)
11a…外周面
12,12A,12B…突出部
13…回転軸
14…外筒部材(外側部材)
14a…内周面
15…空隙部
16,16A,16B…内側流路(第2流路)
17…第1連通路(連通路)
18…第1接続孔
19…外側流路(第1流路)
20…内筒部
21…外筒部
22…端板部
23…隔壁部
24…第2連通路(連通路)
25…チューブ(接続部材)
26…第1シール部材
27…第2接続孔
28…第2シール部材
29…シール孔
30…流体供給部
31…供給側配管
32…回収側配管
33…パッキン(接続部材)
34,34A,34B…内側部材
35,35A,35B…回転軸部
36…配線通路
37…連通路
38…配管孔
39…ヒータ管(加熱部材)
40…配線

Claims (2)

  1. 回転軸と一体に設けられ、前記回転軸の軸方向から見た外形が円形状で、軸方向中央側の部分に径方向外向きに突出する突出部を有する内側部材と、
    前記内側部材の前記突出部に固着され、前記突出部から軸方向両側へ突出する円筒状で、表面温度を調節する温調部を有する外側部材とを備え、
    前記内側部材の前記突出部の軸方向両側に、前記内側部材の外周面と前記外側部材の内周面とが間隔をあけて位置する空隙部を有しており、
    前記温調部は、温調用媒体を流動させる第1流路であり、
    前記回転軸または前記内側部材に前記温調用媒体を流動させる第2流路を設けるとともに、
    弾性的に変形可能な筒状の接続部材を有し、前記第1流路および第2流路を連通させる連通路を設けた、ロール。
  2. 前記外側部材は、円筒状の内筒部と、前記内筒部の外側に間隔をあけて位置する円筒状の外筒部とを有する二重管構造であり、前記第1流路は、前記内筒部と前記外筒部との間の空間からなる、請求項に記載のロール。
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