JP6440535B2 - 測定装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は測定装置及びプログラムに関し、特に被験者の血圧測定を行う測定装置及びプログラムに関する。
被験者の血圧の測定方法として、オシロメトリック血圧計が広く使用されている。一般的なオシロメトリック血圧計の使用時には、被験者は所定位置(好適には上腕)にカフを取り付ける。オシロメトリック血圧計は、カフ圧を最高血圧以上の圧力から最低血圧以下の圧力の間で変化させ、その際のカフ圧に重畳した脈波の振幅変化から収縮期血圧(最高血圧)、平均血圧、及び拡張期血圧(最低血圧)を算出する。
特開2014−230671号公報 特開平10−276994号公報
嶋津秀昭、健康を支える医療機器 簡単で奥の深い血圧測定、Clin Eng 9巻1号、P26−33 吉川公彦、閉塞性動脈硬化症診断におけるABI測定と脈波形の重要性、第8回臨床血圧脈波研究会 症例検討会3、P58〜P60 Colin Information Service, [online]、平成27年2月23日検索]、インターネット<URL: http://www.colin.omron.co.jp/colininfo/pdf/11.pdf> Denis Chemla et. al,. al, aortic pressure is the geometric mean of systolic and diastolic aortic pressure in resting humans"aortAppl Physiol 99:2278-2284, 2005
上述のようにオシロメトリック血圧計では、最高血圧以上の圧力を被験者にかける必要がある。そのため患者負担の負担が大きいといった問題や、測定時間が長いといった問題がある。また動脈硬化が進行した被験者を対象とした場合、オシロメトリック血圧計はカフ圧に重畳する脈波の最大振幅を明確に決定できない。そのためオシロトリック血圧計では、平均血圧の算出精度が悪いという問題もあった。なお被験者の負担を軽減する技術として例えば特許文献1の血圧推定装置が挙げられるが、マイクロ波センサ等を必要とする構成である。そのため特許文献1の構成は、安価な構成で上述した問題を十分に解決できるものではない。
また特許文献2に記載の測定装置は、測定速度を短縮するために暫定的な血圧値を表示する構成が開示されている。当該手法では、最高血圧と平均血圧の履歴を使用し、現在の最高血圧が算出された時点で平均血圧を推定する(特許文献2段落0033、0034)。しかしながら当該手法では最低血圧を考慮していないため、正確な血圧推定が出来ない可能性がある。
よって本発明は、オシロメトリック血圧計を用いた場合の種々の問題を解決する測定装置、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
本発明にかかる測定装置の一態様は、
被験者の第1血圧値と第2血圧値を算出する血圧算出部と、
各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報と、前記第1血圧値と、前記第2血圧値と、に基づいて第3血圧値を推定する血圧推定部と、
を備えるものである。
測定装置は、一般的な手法を用いて取得した第1血圧値と第2血圧値、及び各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報を用いて第3血圧値を算出する。人間の血圧値として3つの血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)がある。測定装置は、このうちの2つの血圧値(第1血圧値、第2血圧値)と比率情報を用いて第3血圧値を算出する。3つ全ての血圧値を算出しないことによって測定時間を短縮でき、被験者の負担を軽減することができる。また別のケースでは、測定装置は一般的な測定方法では不正確と思われる血圧値を比率情報を用いて推定する。これにより、一般的なオシロメトリック法で問題となる種々の問題を解決することができる。
本発明は、オシロメトリック血圧計を用いた場合の種々の問題を解決する測定装置、及びプログラムを提供することができる。
実施の形態1にかかる測定装置1の構成を示すブロック図である。 カフ圧を加圧して最低血圧及び平均血圧を算出する算出概念を示す概念図である。 動脈血管の圧力と容積の関係を模式的に示す図である。 脈波の波形を示す概念図である。 血圧波形を示す概念図である。 脈波の波形を示す概念図である。 実施の形態2にかかる測定装置1の構成を示すブロック図である。 実施の形態4にかかる測定装置1の構成を示すブロック図である。 %MAPの概念を示す図である。 カフ圧と%MAPの関係性を示す図である。 動脈硬化が進んだ被験者から測定したカフ圧の脈波を示す概念図である。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、被験者の負担や測定時間の短縮等を目的とし、最高血圧を推定する構成について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる測定装置1の構成を示すブロック図である。測定装置1は、脈波測定部11、血圧算出部12、圧力制御部13、血圧推定部14、表示部15、及び報知部16を備える。なお図示しないものの測定装置1は、記憶装置(例えばハードディスク)等も適宜備える。測定装置1は、例えば生体情報モニタ、医用テレメータ、血圧計等であればよい。測定装置1は、カフ21と接続する。
カフ21は、一般的な非観血血圧測定において用いられる空気袋である。カフ21は、被験者の所定部位(好適には上腕)に取り付けられる。圧力制御部13は、カフ21の加圧/減圧制御を行う。ここで圧力制御部13は、カフ圧(カフ21から被験者の所定位置にかかる圧力)が0の状態から徐々に加圧していき、最低血圧と平均血圧を血圧算出部12が算出し終わった後に加圧を終了する(減圧を開始する)。圧力制御部13は、加圧制御の詳細については、図2を参照して後述する。
脈波測定部11は、被験者の脈波を非侵襲的に測定する。詳細には脈波測定部11は、カフ圧を検出する。ここでカフ圧には、被験者の脈波が重畳されている。脈波測定部11は、検出したカフ圧に対して信号処理を行うことにより、カフ圧に重畳された脈波を取得する。ここで脈波測定部11は、カフ21に印加されている圧力が静脈の脈波成分を含まない範囲の圧力となっている間に脈波を測定する。例えば、静脈の脈波成分を含まない圧力(静脈圧よりも大きな圧力)として、20mmHg以上の圧力が考えられる。これにより静脈圧の影響をキャンセルして動脈圧に関する脈波成分のみを抽出でき、精度の高い脈波測定が可能になる。また脈波測定部11は、最低血圧以下と想定される圧力下での加圧中(40mmHg〜50mmHg)に脈波を測定することが望ましい。これにより動脈を閉塞しすぎず、精度の高い脈波を測定できる。脈波測定部11は、測定した脈波を血圧算出部12及び血圧推定部14に供給する。
血圧算出部12は、脈波とカフ圧を基にして最低血圧と平均血圧を算出する。最低血圧と平均血圧の算出方法を図2を参照して説明する。図2は、カフ21を用いた加圧をして最低血圧及び平均血圧を算出する算出概念を示す概念図である。
血圧算出部12は、カフ21を用いた加圧過程においてカフ圧に重畳された脈波の振幅(図2における棒グラフ部分)を検出する。血圧算出部12は、脈波の最大振幅に対応するカフ圧を平均血圧(MEAN)として検出する。また血圧算出部12は、この最大振幅を基に最低血圧(DIA)を算出する。血圧の算出方法は様々なものがあるが、血圧算出部12は、脈波の振幅が急激に大きくなる点のカフ圧を基に最低血圧(DIA)を算出する。圧力制御部13は、最低血圧及び平均血圧が算出できた後(または算出できるようなった状態の後)にカフ21の減圧を開始する。すなわち最高血圧値以下と推定される圧力以下での加圧期間中に測定した脈波から最低血圧と平均血圧を算出している。最高血圧値以下での加圧となるため、被験者の負担を小さくできる。血圧算出部12は、算出した最低血圧及び平均血圧を血圧推定部14に供給する。
再び図1を参照する。血圧推定部14には、脈波、最低血圧、及び平均血圧が入力される。血圧推定部14は、脈波、最低血圧(第1血圧値)、及び平均血圧(第2血圧値)を用いて最高血圧(第3血圧値)を算出する。血圧算出部12は、この算出の際に脈波、動脈血管容積、及び血圧の関係性を用いて最高血圧を算出する。そのため、まず脈波、動脈血管容積、及び血圧の関係性について説明する。
図3(非特許文献1を引用)は、動脈血管の圧力と容積の関係を模式的に示す図である。図の縦軸は血管内圧を示し、横軸は動脈血管容積を示す。カフ21の印加圧が拡張期血圧よりも大きい場合、印加圧以下の内圧の血管が閉塞する。そのため、動脈血管容積の変化は、不連続な波形となる。よって(血圧からカフ圧を引いた値)と(動脈血管容積)の関係は、図3で示すように非線形の関係となる。
しかしカフ21の印加圧が拡張期血圧よりも小さい場合、動脈血管容積の変化は血圧波形と近い形となる。そのためカフ21の印加圧が拡張期血圧よりも小さい範囲(図3Dまたは図3E)では、動脈血管容積の変化と血圧変化は概ね線形の関係となる。以上が、動脈血管容積と血圧変化の関係である。
次に脈波と動脈血管容積の関係について説明する。脈波の変動は、動脈血管容積の変化によってカフ容積が変化したことによって生じる。ここでカフ圧をP、カフ容積をV、動脈血管容積の変化によるカフ容積変化をΔV、脈波の振幅をΔPとすると、ボイルシャルルの法則から下記の式(1)が成立する。
Figure 0006440535
ΔP及びΔVはP及びVと比べて値が小さい。そのため上記の式(1)においてΔP×ΔVの項を無視しても影響は少ない。そのため、以下の式(2)及び式(3)が概ね成り立つ。
Figure 0006440535
Figure 0006440535
式(2)及び式(3)においてP及びVが一定とすると、ΔPはΔVに比例する。すなわち脈波の振幅ΔPは、動脈血管容積の変化と相似の関係とみなすことができる。
以上の説明をまとめると以下のようになる。
(特性1)動脈血管容積の変化と血圧の変化は(カフ圧が拡張期血圧以下の範囲では)概ね線形の関係となる。
(特性2)脈波の振幅は、動脈血管容積の変化と相似の関係になる。
上記の2つの特性を鑑みると、脈波の振幅と血圧の変化との間には関連性が認められる。この血圧推定部14は、この脈波の振幅と血圧の関係に着目して、上述の入力(最低血圧、平均血圧、脈波)から最高血圧を推定する。以下、詳細について説明する。
前述のように脈波は、血圧の変化(すなわち血圧波形)との関連性が認められる。すなわち脈波の波形は、血圧波形と相似形とみなすことができる。そこで血圧推定部14は、この脈波の波形を血圧波形と同形(相似形)であるとみなして処理を行う。図4は、脈波の波形を示す概念図である。
血圧推定部14は、図4に示す脈波波形の一振幅において、この一振幅波形の面積が同一となるように分割する圧力値Y1(mmHg)を算出する。そして血圧推定部14は、図中におけるa:bの比率(Y1−一振幅内の最小圧値Y3:一振幅内の最大圧値Y2−Y1)を算出する。以下の説明ではa:bの比率が1:2であったものとする。
次に血圧推定部14は、この比率、最低血圧、及び平均血圧を用いて最大血圧を推定する。図5は、血圧波形を示す概念図である。上述のように血圧波形と脈波波形(図4)は相似形とみなすことができる。血圧算出部12は、前述のように最低血圧と平均血圧を算出している。以下の説明では、最低血圧が70mmHgとし、平均血圧が90mmHgとする。ここで平均血圧は、血圧波形の一振幅を面積とした場合に、面積を1/2ずつに分ける値である。ここで図4により算出した比率(a:b)は1:2である。上述のように血圧波形と脈波波形(図4)は相似形とみなすことができるため、血圧推定部14は、(最低血圧−平均血圧):(最高血圧−平均血圧)=1:2と扱う。そして血圧推定部14は、この比率(a:b=1:2)、最低血圧(70mmHg)、平均血圧(90mmHg)を基に最高血圧を130mmHg(90mmHg+(90mmHg−70mmHg)×(2/1))であると推定する。
この血圧推定部14の最高血圧の推定方法について更に詳しく説明する。上述の血圧推定部14は、脈波波形の形状を基に最高血圧を推定している。様々な脈波形状の例と、それに基づく最高血圧の推定方法について図6を参照して説明する。
図6(A)は、脈波波形の第1例を示している。図6(A)では、当該波形の面積を1/2に分割する比率a:bが1:2となっている。図6(B)は、脈波波形の第2例を示している。図6(B)では、当該波形の面積を1/2に分割する比率a:bが2:3となっている。すなわち脈波の波形形状が異なる場合、波形の面積を1/2に分割する比率a:bが変化する。上述のように血圧波形と脈波波形(図4)は相似形とみなすことができる。そこで血圧推定部14は、脈波の波形によって、血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)の関係も変化するものとして扱う。換言すると血圧推定部14は、この脈波の形状を各血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)の関係性を示す比率として扱って最高血圧の推定を行う。
再び図1を参照する。表示部15は、血圧算出部12が算出した最低血圧と平均血圧、及び血圧推定部14が推定した最高血圧を測定装置1に備え付けられたディスプレイ等に表示する。報知部16は、血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)が以上であった場合にアラーム音を出力する。
続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。上述のように測定装置1は、2つの血圧値(最低血圧(第1血圧値)、平均血圧(第2血圧値))を基に最高血圧(第3血圧値)を算出する構成である。圧力制御部13は、最低血圧と平均血圧の算出に際してカフ21を加圧する。そして血圧算出部12は、加圧過程において最低血圧と平均血圧を算出している。そして2つの血圧値の算出が終わった後に加圧を終了している(図2)。換言すると最高血圧以上と推定される圧力での加圧を行わない。これにより、一般的なオシロメトリック法による血圧測定と比べて、測定時間が短時間で済むと共に、被験者の負担(すなわち所定部位にかかるカフ圧)を軽減することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態にかかる測定装置1は、過去に測定した血圧値を用いて最高血圧を推定することを特徴とする。本実施の形態について実施の形態1と異なる点を説明する。
はじめに本実施の形態にかかる測定装置1が必要とされるユースケースの一例について説明する。手術室において麻酔をかける場合、麻酔科医は麻酔の利き具合を判断するために頻繁に被験者の血圧を測定する。この際に麻酔科医は、正確な測定値よりも、前回からの血圧の推移(すなわち前回から上昇傾向にあるのか、それとも下降傾向にあるのか)を認識することを重視する場合が多い。このように以前の血圧の測定結果が残っており、かつ血圧推移を即座に把握したい場合に有効な測定装置1を以下に説明する。
図7は、本実施の形態にかかる測定装置1の構成を示すブロック図である。図7に示す測定装置1は、図1の構成に加えて履歴記憶部17を更に有する構成である。また、以下の点において各処理部の処理が実施の形態1と異なる。
血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いた一般的な血圧測定を、被験者に対して少なくとも1回行う。血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いて算出した血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)を履歴記憶部17に格納する。すなわち圧力制御部13は、最高血圧以上と推定される圧力までカフ21を加圧し、その後に減圧する。血圧算出部12は、その減圧過程において脈波の振幅を基に最低血圧、平均血圧、及び最高血圧を算出する。血圧算出部12は、算出した血圧値(最低血圧、平均血圧、及び最高血圧)を参照値として履歴記憶部17に格納する。
以下、履歴記憶部17が記憶する血圧値を総称して参照血圧値と呼称する。また履歴記憶部17が記憶する最低血圧、平均血圧、及び最高血圧をそれぞれ参照最低血圧、参照平均血圧、及び参照最高血圧と呼称する。履歴記憶部17は、例えば測定装置1に備え付けられたハードディスクにより実現されれば良い。
その後に測定装置1は、定期的または手動指示により被験者の血圧を算出する。その際に測定装置1は、実施の形態1と同様に最高血圧以上の力で加圧を行うことなく、最高血圧を推定する。
詳細は以下のとおりである。圧力制御部13は、カフ圧(カフ21から被験者の所定位置にかかる圧力)が0の状態から徐々に加圧していき、最低血圧と平均血圧を血圧算出部12が算出し終わった後に加圧を終了する(減圧を開始する)。血圧算出部12は、図2と同様の方法で最低血圧と平均血圧を算出する。血圧推定部14は、この算出した最低血圧と平均血圧に加え、履歴記憶部17から読み出した参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)を基に最高血圧を推定する。
推定方法は以下のとおりである。以下の説明では、参照血圧値が以下の通りであったとする。
・参照最低血圧=70mmHg
・参照平均血圧=90mmHg
・参照最高血圧=130mmHg
血圧推定部14は、上記の参照血圧値から比率(参照平均血圧−参照最低血圧:参照最高血圧−参照平均血圧)を1:2と算出する。血圧推定部14は、この比率と一致するように最高血圧を推定する。たとえば血圧算出部12が算出した平均血圧が92mmHgであり、最低血圧が70mmHgであったとする。この場合血圧推定部14は、現在の最高血圧を136mmHg(92mmHg+(92mmHg−70mmHg)×(2/1))と推定する。
この他の処理については、実施の形態1と同様である。続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。測定装置1は、参照血圧値、及び血圧算出部12が算出した最低血圧と平均血圧を用いて最高血圧を推定する。血圧算出部12は、事前に一般的なオシロメトリック法を用いて参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)を算出する。オシロメトリック法を用いた算出を行うため、参照血圧値は正確な値となる。血圧推定部14は、この正確な参照血圧値を用いて最高血圧を推定する。これにより、最高血圧を精度良く推定することができる。
特に上述の麻酔導入時の血圧測定では、速やかな血圧測定が要求される。このような場合であっても、測定装置1は被験者の血圧のトレンドに応じた最高血圧を速やかに算出することができる。
<実施の形態3>
本実施の形態にかかる測定装置1は、実施の形態2と同様に過去の血圧値(参照血圧値)を用いて最高血圧を推定する。本実施の形態にかかる測定装置1について実施の形態2と異なる点を以下に説明する。
測定装置1の構成は実施の形態2(図7)と同様である。血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いた一般的な血圧測定を、被験者に対して少なくとも1回行う。算出した参照血圧値は、履歴記憶部17に格納される。またオシロメトリック法による血圧測定の時(ほぼ同じタイミング)に、脈波測定部11はカフ圧に重畳した脈波を測定して履歴記憶部17に格納する。
以下の説明では、参照血圧値が以下の値であり、オシロメトリック法の測定時の脈波波形の面積を1/2に分割する比率a:b(図5)が以下の値であったとする。
・参照最低血圧=80mmHg
・参照平均血圧=98mmHg
・参照最高血圧=125mmHg
・比率a:b=1:2
ここで実測値(オシロメトリック法を用いて算出した参照血圧値)に基づく比率は、(参照平均血圧−参照最低血圧:参照最高血圧−参照平均血圧)=2:3となる。そのため血圧推定部14は、脈波から算出した比率a:bを補正するための補正値を6/5(=((2/(2+3))/(1/(1+2)))と算出する。
以上がオシロメトリック法を用いた前提処理である。続いて実施の形態1や実施の形態2と同様に加圧過程における血圧測定や脈波測定を任意のタイミングで行う。すなわち血圧算出部12は、加圧過程において最低血圧と平均血圧を算出する。加圧は、平均血圧の算出後に速やかに終了する。また脈波測定部11は、カフ圧に重畳された脈波を取得する。
血圧推定部14は、血圧算出部12が算出した最低血圧及び平均血圧、及び脈波測定部11が測定した脈波、及び補正値(6/5)を用いて最高血圧を推定する。血圧算出部12が算出した最低血圧及び平均血圧は以下の通りとする。ここで脈波の形状が変化し、脈波波形の面積を1/2に分割する比率a:b(図5)が以下の値となったとする。
・最低血圧=80mmHg
・平均血圧=98mmHg
・比率a:b=3:7
ここで血圧推定部14は、まず補正値(6/5)を用いて上記の比率(3:7)を以下のように補正する。
・補正比率a’:b’= 3*(6/5):(3+7)−3*(6/5)=3.6:6.4
血圧推定部14は、この補正比率(3.6:6.4)、最低血圧(80mmHg)、平均血圧(98mmHg)を用いて最高血圧を以下のように推定する。
・最高血圧=98mmHg+(98mmHg−80mmHg)×(6.4/3.6)=130mmHg
その他の処理は、実施の形態1と同様であればよい。続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。測定装置1は、上述のように事前にオシロメトリック法を用いて取得した参照血圧値を用いて補正値を求める。そして測定装置1は、脈波と補正値から補正比率を算出し、補正比率を用いて最高血圧を推定する。参照血圧値は、一般的な血圧測定で使用されるオシロメトリック法を用いて算出されるため、精度の高い値となる。この参照血圧値を用いた補正を行うことにより、血圧推定部14は脈波の形状が時間の経過により変化したような場合であっても正確に最高血圧を推定することができる。
<実施の形態4>
本実施の形態では、%MAP(Mean Artery Pressure)を参照して最高血圧を推定することを特徴とする。以下、本実施の形態にかかる測定装置1について他の実施の形態と異なる点を説明する。
本実施の形態にかかる測定装置1の構成を図8に示す。図8に示すように、本実施の形態にかかる測定装置1は、図1の構成に加えてMAP算出部18を更に備える。まず、MAP算出部18の説明に先立ち、%MAPについて説明する。%MAPは、図9に示すように波形の面積平均値を脈波の振幅で割り、百分率で示したものである(非特許文献2図1)。ここで血管の狭窄や閉塞がある場合には、%MAPの数値が大きくなる(図9参照)。一般的に%MAPが45%未満であると正常となる。
次にカフ圧(圧力制御部13の加圧力)と%MAPの関係性について図10を参照して説明する。図10では、横軸にカフ圧(被験者の所定部位にカフ21が与えた圧力)を記載し、縦軸に%MAPを記載している。
カフ圧が高い場合(例えば40mmHg以上である場合)、血管がつぶれた状態と考えられるため、%MAPは大きくなる。一方、カフ圧が低いほど、血管内圧が高くなる。すなわち血管にほとんど外部から圧力がかからない状態となる。これによりカフ圧が低いほど、血管内圧と血管断面積の関係は線形に近くなる。
MAP算出部18は、この図10のカフ圧と%MAPの関係を基にカフ圧が0の場合(圧力制御部13による加圧が解除された場合)の%MAPを算出(推定)する。推定手法の一例を以下に説明する。
まず脈波測定部11は、カフ圧に重畳した脈波をMAP算出部18に供給する。MAP算出部18は、脈波を基に、図10相当のカフ圧と%MAPの関係を算出する。そしてMAP算出部18は、カフ圧が0の場合の%MAPの推定値を算出する。例えばMAP算出部18は、図10に示すような%MAPの近似式を算出し、当該近似式からカフ圧が0の場合の%MAPを算出する。なおカフ圧が低いほど近似式の関係は線形になるため、MAP算出部18はカフ圧が所定値以下の範囲を対象として近似式を作成してもよい。MAP算出部18は、算出した%MAPを血圧推定部14に供給する。
血圧推定部14は、血圧算出部12が算出した最低血圧及び平均血圧と、%MAPを用いて最高血圧を推定する。以下の例では最低血圧、平均血圧、及びカフ圧0の際の%MAPの推定値が以下の値であったとして説明する。
・最低血圧=70mmHg
・平均血圧=100mmHg
・%MAP=40%
血圧推定部14は、上記の値であった場合に以下のように最高血圧を推定する。
・最高血圧=70mmHg+(100mmHg−70mmHg)/0.4=145mmHg
続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。本実施の形態にかかる測定装置1は、カフ圧と%MAPの関係を用いて最高血圧を推定している。測定装置1は、上述のようにカフ圧と%MAPの推移の関係からカフ圧が0の際の%MAPを算出している。そして測定装置1は、この%MAPを用いて最高血圧を推定している。%MAPは脈波の面積平均値に関する指標であるため、血圧推定部14はこの%MAPを用いることにより、脈波形状が時間経過に伴って変化した場合であっても、精度良く最高血圧を推定することができる。
<実施の形態5>
以下の実施の形態5〜8は平均血圧を推定する測定装置1について開示するものであるが、その処理は実施の形態1〜4とそれぞれ対応するものである。実施の形態5にかかる測定装置1は、最低血圧、最高血圧、及び脈波を基にして平均血圧を推定する構成である。推定手法は、基本的に実施の形態1と対応する。そこで実施の形態1と異なる点を以下に説明する。
はじめに本実施の形態が想定しているユースケースの一例について説明する。動脈硬化が進行した患者が被験者とする。一般的なオシロメトリック血圧計は、この被験者に対してカフ圧に重畳する脈波の最大振幅を明確に決定できない場合がある。図11(非参照文献3から引用)は、動脈硬化が進んだ被験者から測定した脈波を示す概念図である。図示するように、振幅が最大値となる点が明確ではない。そのため一般的なオシロメトリック血圧計は、振幅が最大値となる点に対応する血圧である平均血圧を正確に算出することができない。本実施の形態にかかる測定装置1は、このような被験者であっても平均血圧を正確に算出することを主な目的としている。
本実施の形態にかかる測定装置1の構成は、図1に示す構成と同様であるが、以下の点で動作が異なる。血圧算出部12は、最低血圧と最高血圧を算出する。そのため圧力制御部13は、最高血圧以上の圧力を被験者の所定位置(好適には上腕)に加える。血圧算出部12による最低血圧と最低血圧の算出方法は、一般的なオシロメトリック法の算出方法と同様であればよい。
以下の説明では、最高血圧が130mmHg、最低血圧が70mmHg、上述の比率a:b(図4と同様、脈波の一振幅内における比率)が1:2であるものとする。血圧推定部14は、これらの値から平均血圧が90mmHg(70mmHg+(130mmHg−70mmHg)×(1/3))と推定する。
続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。上述のように一般的なオシロメトリック法を用いた血圧測定では、動脈硬化が進行した被験者の平均血圧を正確に測定できない場合がある。一方、本実施の形態にかかる測定装置1は、上述のように最高血圧、最低血圧、及び脈波から算出した比率を用いて平均血圧を推定する。すなわち測定装置1は、オシレーション振幅を用いることなく平均血圧を推定する。これにより、オシレーション振幅の最大値が明確に特定できない場合であっても正確な平均血圧を算出することができる。
<実施の形態6>
本実施の形態にかかる測定装置1は、最低血圧、最高血圧、及び参照血圧値を基にして平均血圧を推定する構成である。推定手法は、基本的に実施の形態2と対応する。そこで実施の形態2と異なる点を以下に説明する。
測定装置1の構成は、図7に示す構成と同様である。また本実施の形態にかかる測定装置1のユースケースの一例は、実施の形態5(動脈硬化の進んだ被験者)と同様である。以下、図7を参照しながら実施の形態2と異なる処理について説明する。
血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いた一般的な血圧測定を、被験者に対して少なくとも1回行う。血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いて参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)を履歴記憶部17に格納する。
その後に測定装置1は、定期的または手動指示により被験者の血圧を算出する。血圧算出部12は、脈波とカフ圧を基にして最低血圧と最高血圧を算出する。血圧推定部14は、この算出した最低血圧と最高血圧に加え、履歴記憶部17から読み出した参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)を基に平均血圧を推定する。
推定方法は以下のとおりである。以下の説明では、参照血圧値が以下の通りであったとする。
・参照最低血圧=70mmHg
・参照平均血圧=90mmHg
・参照最高血圧=130mmHg
血圧推定部14は、上記の参照血圧値から比率(参照平均血圧−参照最低血圧:参照最高血圧−参照平均血圧)を1:2と算出する。血圧推定部14は、この比率と一致するように平均血圧を推定する。たとえば血圧算出部12が算出した最低血圧が70mmHgであり、最高血圧が133mmHgであったとする。この場合血圧推定部14は、現在の平均血圧を91mmHg(70mmHg+(133mmHg−70mmHg)×(1/3))と推定する。
この他の処理については、実施の形態2と同様である。続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。測定装置1は、参照血圧値、最低血圧、最高血圧を用いて平均血圧を推定する。血圧推定部14は、オシロメトリック法により取得した正確な参照血圧値を用いて平均血圧を推定する。これにより、平均血圧を精度良く推定することができる。
<実施の形態7>
本実施の形態にかかる測定装置1は、実施の形態6と同様に過去の血圧値(参照血圧値)を用いて平均血圧を推定する。実施の形態7の測定装置1の処理は、実施の形態3の測定装置1の処理と対応する。そこで実施の形態3と異なる点を以下に説明する。
測定装置1の構成は実施の形態2(図7)と同様である。血圧算出部12及び圧力制御部13は、オシロメトリック法を用いた一般的な血圧測定を、被験者に対して少なくとも1回行う。算出した参照血圧値は、履歴記憶部17に格納される。またオシロメトリック法による血圧測定の時(ほぼ同じタイミング)に、脈波測定部11はカフ圧に重畳した脈波を測定して履歴記憶部17に格納する。
以下の説明では、参照血圧値が以下の値であり、オシロメトリック法の測定時の脈波波形の面積を1/2に分割する比率a:b(図5)が以下の値とする。
・参照最低血圧=80mmHg
・参照平均血圧=98mmHg
・参照最高血圧=125mmHg
・比率a:b=1:2
ここで実測値(オシロメトリック法を用いて算出した参照血圧値)に基づく比率は、(参照平均血圧−参照最低血圧:参照最高血圧−参照平均血圧)=2:3となる。そのため血圧推定部14は、脈波から算出した比率a:bを補正するための補正値を6/5(=((2/(2+3))/(1/(1+2)))と算出する。
以上がオシロメトリック法を用いた前提処理である。続いて血圧算出部12は、血圧測定(最低血圧、最高血圧)を任意のタイミングで行う。また脈波測定部11は、カフ圧に重畳された脈波を取得する。
血圧推定部14は、血圧算出部12が算出した最低血圧及び最高血圧、及び脈波測定部11が測定した脈波、及び補正値(6/5)を用いて平均血圧を推定する。血圧算出部12が算出した最低血圧及び最高血圧は以下の通りとする。ここで脈波の形状が変化し、脈波波形の面積を1/2に分割する比率a:b(図5)が以下の値となったとする。
・最低血圧=80mmHg
・最高血圧=130mmHg
・比率a:b=3:7
ここで血圧推定部14は、まず補正値(6/5)を用いて上記の比率(3:7)を以下のように補正する。
・補正比率a’:b’= 3*(6/5):(3+7)−3*(6/5)=3.6:6.4
血圧推定部14は、この補正比率(3.6:6.4)、最低血圧(80mmHg)、最高血圧(130mmHg)を用いて平均血圧を以下のように推定する。
・平均血圧=80mmHg+(130mmHg−80mmHg)×(3.6/(6.4+3.6))=98mmHg
続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。測定装置1は、上述のように事前にオシロメトリック法を用いて取得した参照血圧値を用いて補正値を求める。そして測定装置1は、脈波と補正値から補正比率を算出し、補正比率を用いて平均血圧を推定する。この参照血圧値を用いた補正を行うことにより、血圧推定部14は脈波の形状が時間の経過により変化したような場合であっても正確に平均血圧を推定することができる。
<実施の形態8>
本実施の形態では、%MAP(Mean Artery Pressure)を参照して平均血圧を推定することを特徴とする。実施の形態8にかかる測定装置1の処理は、実施の形態4と対応する。そこで実施の形態4と異なる点について以下に説明する。
測定装置1の構成は、実施の形態4の構成(図8)と同様である。すなわち測定装置1は、MAP算出部18を有する構成である。MAP算出部18は、実施の形態4と同様に%MAPを算出する。
血圧算出部12は、一般的なオシロメトリック法を用いて最低血圧と最高血圧を算出する。血圧推定部14は、血圧算出部12が算出した最低血圧及び最高血圧と、%MAPの推定値を用いて平均血圧を推定する。以下の例では最低血圧、最高血圧、及びカフ圧0の場合(圧力制御部13による加圧が解除された場合)の%MAPの推定値が以下の値であったとして説明する。
・最低血圧=70mmHg
・最高血圧=120mmHg
・%MAP=40%
血圧推定部14は、上記の値であった場合に以下のように平均血圧を推定する。
・平均血圧=70mmHg+(120mmHg−70mmHg)×(0.4)=90mmHg
続いて本実施の形態にかかる測定装置1の効果について説明する。本実施の形態にかかる測定装置1は、カフ圧と%MAPの関係を用いて平均血圧を推定している。測定装置1は、上述のようにカフ圧と%MAPの推移の関係からカフ圧が0の際の%MAPを算出している。そして測定装置1は、この%MAPを用いて平均血圧を推定している。%MAPは脈波の面積平均値に関する指標であるため、血圧推定部14はこの%MAPを用いることにより精度良く平均血圧を推定することができる。
(実施の形態1〜8にかかる測定装置1の処理概要)
上述の実施の形態1〜8にかかる測定装置1に共通する処理の概要について改めて以下に説明する。血圧算出部12は、オシロメトリック法を用いて2つの血圧値(第1血圧値、第2血圧値)を算出する。なお血圧算出部12は、オシロメトリック法に限られず、正確な2つの血圧値が取れる手法であれば、この他の手法を用いてもよい。実施の形態1〜4では、第1血圧値として最低血圧値を算出し、第2血圧値として平均血圧値を算出する。実施の形態5〜8では、第1血圧値として最低血圧値を算出し、第2血圧値として最高血圧値を算出する。
血圧推定部14は、この第1血圧値と第2血圧値に加え、各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報を基に、第3血圧値を推定する。実施の形態1〜4では第3血圧値として最高血圧を推定し、実施の形態5〜8では第3血圧値として平均血圧を推定する。ここで比率情報とは、(平均血圧−最低血圧)と(最高血圧−平均血圧)の大きさの比率で示したものである。なお比率情報を(最高血圧−最低血圧)と(平均血圧−最低血圧)の大きさの比率と捉えることも勿論可能である。
この比率情報は、各実施の形態において異なる方法で算出されている。実施の形態1及び5では、脈波測定部11が脈波を取得する。そして血圧推定部14は、脈波の振幅と血圧の変化との間には関連性があることに着目し、脈波の形状を基に比率情報(図5におけるa:b)を算出している。そして血圧推定部14は、この比率情報と2つの血圧値(第1血圧値、第2血圧値)を用いて第3血圧値の推定をしている。
実施の形態2及び6では、血圧推定部14は以前に正確に手法(例えばオシロメトリック法)で取得した参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)を基に上述の比率情報を算出している。血圧推定部14は、例えば(参照平均血圧−参照最低血圧:参照最高血圧−参照平均血圧)を上述の比率情報として血圧推定処理を行っている。
実施の形態3及び7では、血圧推定部14は実施の形態1及び5と同様に脈波形状から比率情報を算出している。そして血圧推定部14は、参照血圧値(参照最低血圧、参照平均血圧、参照最高血圧)から算出した補正値を用いて比率情報を補正した後に、血圧推定を行っている。
実施の形態4及び8では、MAP算出部18はカフ圧と%MAPの推移から、カフ圧が0の場合の%MAPを算出している。この%MAPは、波形の面積平均値を脈波の振幅で割って百分率で示したものであり、上述の比率情報の一種と捉えることができる。血圧推定部14は、この%MAPと第1血圧値と第2血圧値を用いて第3血圧値の血圧推定を行っている。
このように各実施の形態の測定装置1は、一般的な手法を用いて取得した第1血圧値と第2血圧値、及び各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報を用いて第3血圧値を算出する。人間の血圧値として3つの血圧値(最低血圧、平均血圧、最高血圧)がある。測定装置1は、このうちの2つの血圧値(第1血圧値、第2血圧値)と比率情報を用いて第3血圧値を算出する。3つ全ての血圧値を算出しないことによって測定時間を短縮でき、被験者の負担を軽減することができる(実施の形態1〜4)。また別のケースでは、測定装置1は一般的な測定方法では不正確と思われる血圧値を比率情報を用いて推定する(実施の形態5〜8)。これにより、一般的なオシロメトリック法で問題となる種々の問題を解決することができる。
なお上述の実施の形態1〜8では、比率情報を測定中に算出する例を説明したが必ずしもこれに限られない。一般的に(最低血圧+脈圧×(1/3))が平均血圧となると言われている。そのため、比率情報として規定値、すなわち(平均血圧−最低血圧):(最高血圧−平均血圧)=1:2を用いてもよい。また測定装置1のユーザが任意にこの規定値を設定できるようにしてもよい。この規定値は、非特許文献4に示すように様々な算出方法が考えられる。そのためユーザは、被験者の状態等を考慮して最も適切な規定値を設定することにより、被験者に関する所望の血圧値を適切に測定することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
たとえば、実施の形態1〜4において最高血圧を推定するとともに、オシロメトリック法で算出する構成であっても良い。つまり圧力制御部13は、平均血圧が算出出来た後であっても減圧を開始せず、最高血圧がオシロメトリック法で算出できるまで加圧を続ける。血圧推定部14は、上述の手法で最低血圧と平均血圧を基に最高血圧を推定する。表示部15は、最低血圧、平均血圧、及び推定した最高血圧を表示する。表示部15は、オシロメトリック法で最高血圧が算出できた後に、推定した最高血圧をオシロメトリック法で算出した最高血圧で上書きするように表示を切り替える。
これにより、測定装置1を参照する医師等は、素早く最高血圧を含む血圧値の概算状況を把握できるとともに、オシロメトリック法で算出した正確な最高血圧を参照することができる。
なお上述の脈波測定部11、血圧算出部12、血圧推定部14、及びMAP算出部18の処理の一部又は全部は、測定装置1内で動作するコンピュータプログラムとして実現することができる。ここでプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 測定装置
11 脈波測定部
12 血圧算出部
13 圧力制御部
14 血圧推定部
15 表示部
16 報知部
17 履歴記憶部
18 MAP算出部
21 カフ

Claims (6)

  1. 被験者の第1血圧値と第2血圧値を算出する血圧算出部と、
    前記被験者の脈波を測定する脈波測定部と、
    前記脈波の測定時に前記被験者の所定位置を加圧する圧力制御部と、
    前記圧力制御部の加圧力と前記脈波の波形から%MAP(Mean Artery Pressure)の変化を算出し、%MAPの変化を基に前記圧力制御部による加圧が解除された場合の%MAPの推定値を各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報として算出するMAP算出部と、
    前記比率情報と、前記第1血圧値と、前記第2血圧値と、に基づいて第3血圧値を推定する血圧推定部と、
    を備える測定装置。
  2. 前記圧力制御部は、静脈圧よりも高いと想定される所定圧力以上で前記被験者の所定部位を加圧する、ことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  3. 前記圧力制御部は、前記第1血圧値と前記第2血圧値を算出する際に、前記被験者の所定位置を徐々に加圧していき、算出し終わった後に減圧する、ことを特徴とする請求項または請求項に記載の測定装置。
  4. 前記第1血圧値は最低血圧であり、前記第2血圧値は平均血圧であり、前記第3血圧値は最高血圧である、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の測定装置。
  5. 前記第1血圧値は最低血圧であり、前記第2血圧値は最高血圧であり、前記第3血圧値は平均血圧である、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. コンピュータに、
    被験者の第1血圧値と第2血圧値を算出する血圧算出ステップと、
    前記被験者の脈波を測定する脈波測定ステップと、
    前記脈波の測定時に前記被験者の所定位置を加圧する圧力制御ステップと、
    前記圧力制御ステップにおける加圧力と前記脈波の波形から%MAP(Mean Artery Pressure)の変化を算出し、%MAPの変化を基に前記圧力制御ステップによる加圧が解除された場合の%MAPの推定値を各血圧値の差の大きさの関係を示す比率情報として算出するMAP算出ステップと、
    前記比率情報と、前記第1血圧値と、前記第2血圧値と、に基づいて第3血圧値を推定する血圧推定ステップと、を実行させるプログラム。
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