JP6440436B2 - 円筒状板材コイルの熱処理設備および熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒状板材コイルの熱処理設備および熱処理方法に関するものである。
例えばEV/HEV用高圧端子等、大電流が流れる自動車部品において、高い導電性、および高温下でのバネの信頼性としての耐応力緩和特性を兼ね備えた銅合金が求められており、高導電材の更なる耐応力緩和特性向上が必要とされている。
伸銅品製造工程において、冷間圧延で加工硬化させた材料を軟化させるための熱処理として、或いは金属間化合物の析出や結晶粒径の調整などの組織制御のために、焼鈍が行われる。伸銅品は、板材がコイル状に巻かれた状態で焼鈍される場合がある。
焼鈍工程が行われる加熱室または冷却室内においては、雰囲気ガスが滞留すると、加熱または冷却効率が低下し、コストアップ及び生産性低下に繋がる。したがって、通常、加熱室や冷却室にはファンが設けられ、雰囲気ガスを攪拌している。
従来の焼鈍設備では、加熱炉内の天井ファンにより、雰囲気ガスが、コイル状の被処理体全体に向けて吹き下ろされ、中央のコイル中空部及び外側面に沿って流れ落ちていく。そのため、加熱時には、コイルの最内周部と最外周部が膨張しやすい。最内周部で膨張した板は、コイル外側方向への逃げ場が無いため、巻き緩んで外側の板と強く接触し、板表面にキズ等の欠陥が発生する原因となる。一方、冷却時には、コイルの最内周部と最外周部が冷却されやすく、最外周部が収縮すると、外側から巻き締まって内側の板と強く接触し、キズ等の欠陥が発生する原因となる。このように、コイル内で温度むらが生じると、位置によって加熱時の膨張および冷却時の収縮の差が生じ、それに伴って接触している板同士が擦れて表面にキズが発生する。
このようなコイルの巻き緩み及び巻き締まりを解消し、表面のキズを防止するために、例えば特許文献1には、コイルの最内面側に冷却ガスを吐出する冷却装置を設けることにより、焼鈍中にコイル内面側を冷却し、巻き締まりを防止する焼鈍方法が開示されている。また、特許文献2には、コイル内周面に冷却管を通して冷却し、コイル内温度分布の不均一を改善し、巻き緩み及び巻き締まりを防ぐ焼鈍方法が開示されている。
特開2012−153960号公報 特開2013−82974号公報
しかしながら、特許文献1、2の焼鈍方法は、いずれもバッチ式の炉に適用され、加熱時にも内周部を冷却するため、熱量に無駄が生じ、余計なコストがかかる。また、特許文献1に記載されているように、コイルの内面に冷却ガスの吐出ノズルを設ける方法や、特許文献2に記載されているように、コイル内周面に冷却管を通す方法では、焼鈍処理中にコイルを移動できないため、処理能力の高いトンネル炉では実施できないという問題点がある。
本発明の目的は、円筒状板材コイルを熱処理する際、コイル内温度分布の不均一による巻き緩み及び巻き締まりを解消して、表面キズの発生を防止することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、トンネル炉方式の連続焼鈍炉において、円筒状に巻かれた板材コイルを熱処理する設備であって、加熱室の天井にファンが設けられ、さらに、前記加熱室内に載置される前記板材コイルと前記ファンとの間に、雰囲気ガスの流れを部分的に遮る加熱用遮蔽板が設けられ、前記加熱用遮蔽板は、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの中空部への吹き付けを遮るように設けられており、前記加熱室内の雰囲気ガスが、前記ファンによって攪拌されて前記加熱室内の下方へ向けて吹き出され、前記加熱用遮蔽板によって一部が遮られて前記板材コイルに吹き付けられることを特徴とする、円筒状板材コイルの熱処理設備を提供する。
前記雰囲気ガスが前記板材コイルの外周部に吹き付けられることが好ましい。前記加熱用遮蔽板は、平面形状が円形であってもよい。前記加熱室が複数連続して設けられていてもよい。
また、前記加熱室に連続して冷却室が設置され、前記冷却室は、天井にファンが設けられ、さらに、前記冷却室内に載置される前記板材コイルと前記ファンとの間に、冷却用遮蔽板が設けられ、前記冷却室内の雰囲気ガスが、前記ファンによって攪拌されて前記冷却室内の下方へ向けて吹き出され、前記冷却用遮蔽板によって、前記板材コイルの外周部への吹き付けが遮られ、前記板材コイルの中空部に吹き付けられてもよい。前記冷却用遮蔽板は、平面形状が環状であってもよい。前記冷却室が複数連続して設けられていてもよい。
また、本発明によれば、トンネル炉方式の連続焼鈍炉において、円筒状に巻かれた板材コイルを熱処理する方法であって、加熱室内の雰囲気ガスを加熱し、前記加熱室の天井に設けられたファンによって前記雰囲気ガスを攪拌して前記加熱室内の下方へ向けて吹き出し、前記加熱室内に載置した前記板材コイルと前記ファンとの間に、加熱用遮蔽板を設けることによって、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの中空部への吹き付けを遮ることを特徴とする、円筒状板材コイルの熱処理方法が提供される。
前記雰囲気ガスを前記板材コイルの外周部に吹き付けることが好ましく、前記加熱用遮蔽板は、平面形状が円形であってもよい。前記加熱室を複数連続して設け、各加熱室で連続して加熱処理してもよい。
前記加熱室で熱処理した前記板材コイルを、前記加熱室に連続して設置された冷却室へ投入し、前記冷却室では、雰囲気ガスを冷却し、前記冷却室の天井に設けられたファンによって前記雰囲気ガスを攪拌して前記冷却室の下方へ向けて吹き出し、前記冷却室内に載置した前記板材コイルと前記ファンとの間に、冷却用遮蔽板を設けることによって、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの外周部への吹き付けを遮り、前記雰囲気ガスを前記板材コイルの中空部に吹き付けてもよい。
前記冷却用遮蔽板は、平面形状が環状であってもよい。前記冷却室を複数連続して設け、各冷却室で連続して冷却処理してもよい。
本発明によれば、加熱用遮蔽板を設けることにより、コイルに対する雰囲気ガスの吹き付け位置を限定することができる。また、冷却工程を有する場合には、冷却用遮蔽板を設けることにより、冷却時にも同様に、コイルに対する雰囲気ガスの吹き付け位置を限定することができる。そのため、コイル内の温度分布の不均一による部分的な膨張または収縮によって板同士が擦れてキズが発生するのを抑制し、表面欠陥の発生を低減させることができる。
本発明の実施の形態にかかる焼鈍炉を示す概略側面図である。 本実施形態にかかる加熱室を示す縦断面図である。 図2のコイルおよび加熱用遮蔽板を上から見た平面図である。 本実施形態にかかる冷却室を示す縦断面図である。 図4のコイルおよび冷却用遮蔽板を上から見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る焼鈍炉を示す。本実施形態において、焼鈍炉1は、被処理体を搬送しながら熱処理を行うトンネル炉方式の連続焼鈍炉であり、搬送方向上流側に、複数の加熱室2が連続して設けられた加熱ゾーンH、下流側に、複数の冷却室3が連続して設けられた冷却ゾーンCを有している。被処理体は、板材を円筒状に巻いたコイル4であり、搬送ローラ5により矢印の方向に搬送される。加熱ゾーンHの入口側と冷却ゾーンCの出口側には、それぞれ、1つのコイル4を収容できるスペースを挟んで、扉11、12、扉14、15と、二重の扉が設けられている。このような入口側および出口側の構成にしたのは、外気が加熱ゾーンH、冷却ゾーンCに侵入することを防止し、炉内の雰囲気や温度を良好に制御するためである。なお、円筒状に巻いた板材のコイル4には様々なサイズがあるが、通常、コイル4の外径(直径)は500〜1500mm程度、円筒状の中空部の直径は100〜600mm程度、板材の幅は200〜1000mm程度である。
図2は、加熱室2の縦断面図である。コイル4は、平面視において中央に中空部4aが位置するように横置きにして、コイル4の中空部4aと略一致する空洞が中央に形成された円環状のトレイ6に載置され、トレイ6ごと搬送ローラ5上に載置される。そして、上流側の扉11、12(図1参照)を順に開けて、コイル4が加熱室2に投入される。
加熱室2の炉壁21の内側には、例えばラジアントチューブ型のバーナ22が設けられている。チューブ式の間接加熱にすることにより、排ガスが加熱室2内に流れないため、好ましい。そして、バーナ22と、搬送ローラ5上に載置されたコイル4との間に、雰囲気ガスの流れを誘導するとともにバーナ22からコイル4への輻射加熱を遮る仕切り壁23が設けられている。また、加熱室2の天井部には、雰囲気ガスを攪拌するファン24が設けられ、さらに、コイル4とファン24との間に、平面形状が円形の加熱用遮蔽板25が設置されている。加熱用遮蔽板25は、コイル4の中空部4a付近へ雰囲気ガスが吹き付けられるのを遮って、コイル4の内周部の膨張を抑制するために設けられる。加熱用遮蔽板25は、図3に示すように、平面形状が、コイル4の中空部4aよりも少し大きい円形とし、中空部4aおよび中空部4a付近の一定範囲のコイル4の上方を覆うように設けられる。加熱用遮蔽板25が遮蔽する中空部4aからコイル4の外周側に向けた遮蔽範囲の幅は、コイル4の大きさや条材の材質などにより適宜調整すればよいが、コイル4の中空部4aよりも少し大きく、例えば中空部4aからコイル4の外周側に向けて、コイル4の上面から見たときのコイル幅の5〜30%程度が遮蔽されるのが好ましい。
図2中の矢印は、雰囲気ガスの流れを示す。加熱室2において、加熱時には、バーナ22で加熱された雰囲気ガスが、ファン24によって攪拌され、加熱室2の下方に向けて吹き付けられる。雰囲気ガスは、加熱用遮蔽板25に遮られて、加熱用遮蔽板25の下方には直接流れず、一部はコイル4の外周4bに沿って流れ、一部はコイル4の中空部4a付近よりも少し外周側の上面に当たりそのままコイル4の上面に沿ってその後主に外周4bへ流れる。ファン24は、雰囲気ガスの流れが滞留しないような強風速(例えば20m/sec以上)で雰囲気ガスを攪拌することが好ましく、このようにして雰囲気ガスをコイル4の外周部に沿って流すことにより、外周側から効率よくコイル4を加熱できる。搬送ローラ5の下方に達した雰囲気ガスは、ファン24の攪拌によるガスの流れや加熱室2内の対流により、仕切り壁23の外側に沿って上方に向けて流れる。
コイル4は、図1に示すトンネル炉方式の焼鈍炉1において、複数並べて設けられた加熱室2を、図1の矢印の方向に向けて搬送されながら熱処理され、加熱工程が終了すると、扉13を開けて冷却室3に投入される。本実施の形態においては、図1に示すように加熱室2は8室あり、仕切り壁23は加熱ゾーンHを連なっており、相互の加熱室2間に扉はない。
図4は、冷却室3の縦断面図である。炉壁31の内側に、例えば水冷式のクーラー32が設けられている。そして、クーラー32と、搬送ローラ5上に載置されたコイル4との間に、雰囲気ガスの流れを整えるとともにクーラー32からコイル4の外周4bへの直接的な冷却を遮るための仕切り壁33が設けられている。また、冷却室3の天井部にはファン34が設けられ、コイル4とファン34との間に、平面形状が円環状の冷却用遮蔽板35が設置されている。冷却用遮蔽板35は、コイル4の外周4bへの冷却を遮って、コイル4の外周部の収縮を抑制するために設けられる。冷却用遮蔽板35は、図5に示すように、平面形状が、コイル4の外周4bよりも少し小さい空洞を有し、外周が仕切り壁33の内壁に略接する大きさの円環形状とし、コイル4よりも外周側およびコイル4の外周4b付近の一定範囲のコイル4の上方を覆うように設けられる。冷却用遮蔽板35が遮蔽する外周4bからコイル4の中心に向けた遮蔽範囲の幅は、コイル4の大きさや条材の材質などにより適宜調整すればよいが、コイル4の外周4bよりも少し小さく、例えばコイル4の外周から中心に向けて、上面から見たときのコイル幅の5〜30%程度が遮蔽されるのが好ましい。なお、コイルの外周4bよりもさらに外側方向は、図5に示すように広く遮蔽するのが好ましい。
図4中の矢印は、雰囲気ガスの流れを示す。冷却室3において、冷却時には、クーラー32で冷却された雰囲気ガスは、ファン34によって攪拌され、冷却室の下方に向けて吹き付けられる。この場合にも、雰囲気ガスの流れが滞留しないような強風速(例えば20m/sec)で雰囲気ガスを攪拌することが好ましい。雰囲気ガスは、冷却用遮蔽板35を避けて下方へ流れるため、冷却用遮蔽板35の下方には直接流れず、一部はコイル4の中空部4aに直接流れ、一部はコイル4の外周4bよりも内周側の上面に当たりそのままコイル4の上面に沿ってその後主に内周に向けて流れる。搬送ローラ5の下方に達した雰囲気ガスは、ファン34の攪拌によるガスの流れや冷却室3内の対流により、仕切り壁33に沿って上方に向けて流れる。
コイル4は、複数並べて設けられた冷却室3を、図1の矢印の方向に向けて搬送されながら熱処理され、冷却工程が終了すると、扉14、15を開けて搬出される。
このようにして、加熱室2および冷却室3に、それぞれ加熱用遮蔽板25、冷却用遮蔽板35を取り付け、加熱時または冷却時それぞれの場合に雰囲気ガスが吹き付けられる部分を制限することにより、表面キズが発生しやすい位置の膨張または収縮を抑制し、焼鈍工程によるコイルの巻き締まり、巻き緩み起因の表面キズを防止することができる。すなわち、加熱時はコイル4の外周側から加熱し、外周側から優先的に膨張させることで、内周側から膨張して外側の板と強く接触し板表面にキズが発生するのを防ぐ。一方、冷却時は、コイルの内周側から冷却し、内周側から優先的に収縮させることで、内周側から外側の板と強く接触し板表面にキズが発生するのを防ぐ。加熱室2および冷却室3のファン24、34は、雰囲気ガスが、搬送ローラ5の下部や加熱室2または冷却室3内の角で滞留しないような風速で、十分に攪拌するようにし、効率よく加熱または冷却する。
なお、コイル4は加熱室2間、冷却室3間および加熱室2と冷却室3の間を間歇的(移動、停止を繰り返す)に搬送されることが好ましい。例えば、一つの加熱処理(冷却処理)を所定時間(例えば1時間)加熱室2で施し、連続する次の加熱室2(冷却室)等に搬送され、そこで所定時間処理され、次の工程に進むなどの動きである。処理中は前述の本発明の加熱処理、冷却処理が行われる。コイル4が一定速度で搬送ローラ5により搬送されると、ファン24、34とコイル4との位置関係は常時変化し、コイル4周辺の雰囲気ガスの流れも変化するので、このように間歇的な搬送である方が好ましい。本実施形態では、焼鈍炉1内の複数の加熱室2および冷却室3を、それぞれ1つのコイル4が入るスペースの加熱室2または冷却室3とする。そして、複数の各加熱室2に、図2に示すような熱源としてのバーナ22、ファン24、加熱用遮蔽板25を設置する。同様に、複数の各冷却室3に、図4に示すような冷却源としてのクーラー32、ファン34、冷却用遮蔽板35を設置する。このようにして、加熱工程および冷却工程のいずれも、各室毎に、雰囲気ガスの流れを制御する。また、仕切り壁23(33)は、各加熱室2間(各冷却室3間)にわたって延びて設けられていることが好ましい。
本実施形態によれば、加熱室2および冷却室3に、それぞれ雰囲気ガスの流れを制御する遮蔽板25、35を設けることで、焼鈍時の表面キズを防止し、生産性を向上させることができる。また、本発明では、コイル4の中空部に冷却ガスの吐出ノズルや冷却管等の装置を設置しないため、コイル4を搬送しながら熱処理を行うトンネル炉方式の連続焼鈍炉1に適用でき、量産時のコスト低減に寄与する。
また、本実施形態では、図1に示すように、焼鈍炉1の中に複数の加熱室2を備えた加熱ゾーンHと冷却ゾーンCとを有しているため、焼鈍炉1のコイル4の入口側に近い上流側の加熱室2において初めに高温側で焼鈍を行った後、下流側の加熱室2において温度を下げて低温側で更に焼鈍を行うことにより、1つの焼鈍炉1において、それぞれの温度域で異なる化合物を選択的に析出させて、高い導電性と耐応力緩和特性を両立させた組織を有する銅合金を製造することができる。
なお、本発明は、加熱室2のみを有する焼鈍炉でも適用可能であり、さらに、図1に示すようなトンネル炉方式の焼鈍炉に限ることはない。また、加熱用遮蔽板25の形状や配置は、コイル4の巻き方やコイル4の熱伝導率、載置方向等に応じて、表面キズが発生しやすい位置の膨張を抑制するように、雰囲気ガスの流れを部分的に遮るものであればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明にかかる焼鈍炉により、銅合金コイルの焼鈍を実施した。コイルは、図1で示される、入口側および出口側のコイル収容のスペースと加熱ゾーンHおよび冷却ゾーンCを備え、加熱ゾーンHに設けられた8室の加熱室2内において、約70分ごとに次の加熱室2(加熱ゾーンHから冷却ゾーンCに搬送される場合は冷却室3)に間歇的に搬送され、480〜500℃の到達温度で2時間以上保持され、その後、冷却ゾーンCに設けられた5室の冷却室3で冷却され、冷却室3間は約70分ごとに次の冷却室3に搬送され、焼鈍炉1から抽出されたときには100℃以下まで温度が下がっていた。焼鈍工程に要した合計時間(焼鈍炉1にコイル4が入ってから出てくるまでの時間)は17.9時間であった。
なお、雰囲気ガスは、入口側および出口側のコイル収容スペースも含めて、コストを抑えるために、バーナに使用するブタンガスを燃焼させた排ガスを使用した。酸素よりブタンガスをリッチに調整して燃焼させることで、排ガス中に2体積%程度のCOを生成させ、その排ガスを除湿し、炉内へ吹き込んだ。この雰囲気ガスは酸素濃度150ppm以下であり、ファンによる雰囲気ガスの流速は約20m/secとした。
同様の組織・特性を得る本発明の遮蔽板等を備えていない従来の焼鈍方法で焼鈍したものと比較すると、加熱速度を大きくできたため、到達温度での保持時間が45分増加し、また冷却時間も短くできたため、焼鈍工程に要する時間は9.4時間短縮した。
次に、本発明にかかる焼鈍炉により、最も表面キズの発生しやすい純銅系コイルを焼鈍した。巻き締まり及び巻き緩み起因の表面キズ発生率は5.3%であった。従来の焼鈍方法で焼鈍した場合のキズ発生率は29.5%であり、大幅に改善された。
以上から、本発明によれば、焼鈍工程における表面キズの低減および省エネルギ効果により、大幅なコスト削減を図れることがわかった。
本発明は、コイル状に巻かれた金属板の焼鈍に適用できる。
1 焼鈍炉
2 加熱室
3 冷却室
4 コイル
4a 中空部
4b 外周
5 搬送ローラ
6 トレイ
11、12、13、14、15 扉
21、31 炉壁
22 バーナ
23、33 仕切り壁
24、34 ファン
25 加熱用遮蔽板
32 クーラー
35 冷却用遮蔽板
H 加熱ゾーン
C 冷却ゾーン

Claims (14)

  1. トンネル炉方式の連続焼鈍炉において、円筒状に巻かれた板材コイルを熱処理する設備であって、
    加熱室の天井にファンが設けられ、さらに、前記加熱室内に載置される前記板材コイルと前記ファンとの間に、雰囲気ガスの流れを部分的に遮る加熱用遮蔽板が設けられ、
    前記加熱用遮蔽板は、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの中空部への吹き付けを遮るように設けられており、
    前記加熱室内の雰囲気ガスが、前記ファンによって攪拌されて前記加熱室内の下方へ向けて吹き出され、前記加熱用遮蔽板によって一部が遮られて前記板材コイルに吹き付けられることを特徴とする、円筒状板材コイルの熱処理設備。
  2. 前記雰囲気ガスが前記板材コイルの外周部に吹き付けられることを特徴とする、請求項1に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  3. 前記加熱用遮蔽板は、平面形状が円形であることを特徴とする、請求項2に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  4. 前記加熱室が複数連続して設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  5. 前記加熱室に連続して冷却室が設置され、
    前記冷却室は、天井にファンが設けられ、さらに、前記冷却室内に載置される前記板材コイルと前記ファンとの間に、冷却用遮蔽板が設けられ、
    前記冷却室内の雰囲気ガスが、前記ファンによって攪拌されて前記冷却室内の下方へ向けて吹き出され、前記冷却用遮蔽板によって前記板材コイルの外周部への吹き付けが遮られ、前記板材コイルの中空部に吹き付けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  6. 前記冷却用遮蔽板は、平面形状が環状であることを特徴とする、請求項5に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  7. 前記冷却室が複数連続して設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載の円筒状板材コイルの熱処理設備。
  8. トンネル炉方式の連続焼鈍炉において、円筒状に巻かれた板材コイルを熱処理する方法であって、
    加熱室内の雰囲気ガスを加熱し、前記加熱室の天井に設けられたファンによって前記雰囲気ガスを攪拌して前記加熱室内の下方へ向けて吹き出し、
    前記加熱室内に載置した前記板材コイルと前記ファンとの間に、加熱用遮蔽板を設けることによって、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの中空部への吹き付けを遮ることを特徴とする、円筒状板材コイルの熱処理方法。
  9. 前記雰囲気ガスを前記板材コイルの外周部に吹き付けることを特徴とする、請求項8に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
  10. 前記加熱用遮蔽板は、平面形状が円形であることを特徴とする、請求項8または9に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
  11. 前記加熱室を複数連続して設け、各加熱室で連続して加熱処理することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
  12. 前記加熱室で熱処理した前記板材コイルを、前記加熱室に連続して設置された冷却室へ投入し、
    前記冷却室では、雰囲気ガスを冷却し、前記冷却室の天井に設けられたファンによって前記雰囲気ガスを攪拌して前記冷却室の下方へ向けて吹き出し、
    前記冷却室内に載置した前記板材コイルと前記ファンとの間に、冷却用遮蔽板を設けることによって、前記雰囲気ガスの前記板材コイルの外周部への吹き付けを遮り、前記雰囲気ガスを前記板材コイルの中空部に吹き付けることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
  13. 前記冷却用遮蔽板は、平面形状が環状であることを特徴とする、請求項12に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
  14. 前記冷却室を複数連続して設け、各冷却室で連続して冷却処理することを特徴とする、請求項12または13に記載の円筒状板材コイルの熱処理方法。
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KR102278512B1 (ko) 2021-01-19 2021-07-20 정진욱 광화학 반응시켜 카나비디올 및 풀빅산을 함유하며, 상기 카나비디올 및 풀빅산 성분이 식용 곤충, 파충류, 연체류, 및 가축류로의 천이 가능한 사료 조성물 및 이의 제조방법

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