JP4864512B2 - 連続焼鈍炉におけるシール装置 - Google Patents
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そこで、例えば特許文献1では高温区間を浮揚式支持装置で支持することにより、押疵の発生がなく、高温焼鈍が可能となる製造技術が開示されている。
このような複数の雰囲気条件を単一の炉で使い分けるためには、処理鋼帯の熱処理条件や品質の確保、炉内構造物の酸化などによる劣化防止、防爆などの観点から、炉内雰囲気を帯域ごとに縁切りするシール装置が必要となってくる。
しかし、特許文献1と同様に、鋼板をフロータ設備を用いて浮揚通板させる、いわゆるフロータ炉では、鋼板下面側にハースロールがなく、しかも、板厚や張力によって炉中のカテナリー形状が変化するため、ハースロール炉のように、ロールや仕切板を鋼板に接触させたり近接させたりするシール方法は、フロータ炉には適用できない問題がある。
この方式はフロータ炉でも有効であるが、水素などの可燃性ガスを使用する連続焼鈍炉で循環ファンを稼動させる場合には、外気の混入による爆発や異常燃焼を防止するために一定(例えば10Pa以上)の炉内圧力を保持する必要があり、中間室で排気する方法では炉内圧力の維持のため高価な雰囲気ガスをさらに大量に使用することとなる。 また、排気するガスを回収・分離して再利用する場合には、炉内圧力調整機構や分離装置などが必要で設備費が高額となる。
しかし、その装置においては、シール効果を得るために圧力を蓄える中間室を設けているが、中間室に圧力を蓄え、その圧力を制御するには、加熱帯前後などの高温環境下に複雑な装置を多数配置する必要があり、設備費が高額となる。さらに、効果的に中間室に圧力を蓄えるには、シール装置を鋼板に近接し、かつ炉高・炉幅を可能な限り小さくする必要があり、この結果メンテナンス性や板通しの作業性などで劣るという問題がある。
請求項1のシール装置の発明は、複数の吹出口を有するフロータ設備から吹込まれる雰囲気循環ガスを用いて帯状鋼板を浮揚通板させ、雰囲気循環ガスの一部を吸込口から吸込むことにより雰囲気循環ガスを循環させる連続焼鈍炉におけるシール装置であって、前記フロータ設備の通板方向前後に仕切板を配置し、フロータ設備の前段側端末の吹出口から後段側に向かって各吹出口の雰囲気循環ガス流量を順次積算した積算値が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える位置とフロータ設備後の仕切板の間に前記吸込口を配置したことにより、前記フロータ設備前の仕切板の前段からフロータ設備側への雰囲気ガスの流入を抑制することを特徴とする。
請求項3のシール装置の発明は、該請求項に記載されているように、前記フロータ設備を複数個連続的に設けるとともに、仕切板を各フロータ設備の通板方向前後に位置するように配置し、各フロータ設備において、前記吸込口を請求項1あるいは請求項2に記載の位置に配置したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、後段からの雰囲気ガス供給が存在する場合でも、シール効果の高いシール装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、複数のシール装置を連続的に設けたことにより、さらにシール効果の高いシール装置を提供することができる。
そして、複数の吹出口から炉内に吹込まれる雰囲気循環ガスを用いて帯状鋼板を浮揚通板させ、吹込まれた雰囲気循環ガスの一部を吸込口から吸込むことにより雰囲気循環ガスを循環させるフロータ設備を用いて帯状鋼板を通板する際の雰囲気ガスの流れを、実機試験ならびにシミュレーションにより種々検討した結果、雰囲気循環ガスが循環される際に、吸込口より前段側の吹出口から吹込まれた雰囲気ガスが吸込口に吸込まれるまでの圧力損失に応じて、吸込口より前段側の炉圧が変化する、という知見を得た。
本発明は、そのような知見をもとに、さらに吸込口前後の炉圧差を用いてシールする手段について検討した結果なされたものである。
図1は、フロータ設備1の複数の吹出口2a〜2iから吹込まれる雰囲気循環ガスを用いて帯状鋼板(図示せず)を浮揚通板させ、雰囲気循環ガスの一部を吸込口4から吸込むことにより雰囲気循環ガスを循環させる装置構成において、吸込口4の位置によって、吸込口前後の炉圧分布10が変化することを説明するための模式図である。
図1は、炉の通板長手方向(通板方向は図中矢印に示す)の側面図であり、各吹出口からの吹出し風量の大きさを2a〜2iの矢印の長さで示し、通板長手方向の炉圧分布を炉圧分布10として示す。また、2aから2gの炉圧差をΔp1、2iと2gの炉圧差をΔp2とする。
本発明は、この仕切板の設置と上記のような吸込口の位置の調整によって大きなシール効果を得ることができる。
また、フロータ設備後の仕切板より後段からフロータ設備側へ雰囲気ガスが供給される場合は、図1の2aから2bに記載のとおり、前段では後段から供給された雰囲気ガスが、フロータ設備前の仕切板より前段に流出しようとする際の圧力損失が生じるため、フロータ設備の前段の炉圧を後段の炉圧より高めるためには、前記積算値からフロータ設備後の仕切板より後段からの雰囲気ガスの供給量Q1を差し引いた値が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える位置よりも後段側に前記吸込口を配置することが必要である。
図2は連続焼鈍炉5の一部を示しており、A室は輻射管式加熱帯、B、C室は冷却帯、D室は急速冷却帯となっており、各室間は仕切板6で仕切られている。
A室では帯状鋼板3が1000℃まで加熱され、C室後段までに800℃に冷却される。ハースロールでの押疵を防止するため、A室からC室まではフロータ設備1から噴出される雰囲気循環ガスで浮揚支持され、D室以降はハースロール7で支持されている。
A室から後段への水素流出を防止するため、冷却帯をB室とC室に分け、それぞれにシール装置を設けた。シール装置は、前記仕切板6とフロータ設備1と吸込口4およびフロータ設備1間を接続する耐熱性のある循環ファン8で構成され、後段側の吸込口4から雰囲気循環ガスを吸込み、ガスクーラー9で所定温度まで冷却した後、フロータ設備1の吹出口2より雰囲気循環ガスを吹込み、鋼板の冷却と浮揚支持も同時に行えるものとした。
また、吸込口から吸込むガス流量を450m3/minと設定したときの、この装置における前段側端末の吹出口から積算した雰囲気循環ガス流量の積算値が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える吹出口位置は前段の仕切板から2.25mであり、前記積算値から、後段からの雰囲気ガス供給量Q1を差し引いた値が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える吹出口位置は前段の仕切板から2.5mであり、吸込口はそれらの位置より後方に設けられている。
また、引用文献4と比較すると、炉内の上部風箱、風箱の吊り金物や昇降装置が不要となり、シール装置の炉内構造物の費用は引用文献4の場合と比較して約1/2とすることができた。
2 雰囲気循環ガスの吹出口
3 帯状鋼板
4 雰囲気循環ガスの吸込口
5 連続焼鈍炉
6 仕切板
7 ハースロール
8 循環ファン
9 ガスクーラー
10 炉圧分布
Claims (3)
- 複数の吹出口を有するフロータ設備から吹込まれる雰囲気循環ガスを用いて帯状鋼板を浮揚通板させ、雰囲気循環ガスの一部を吸込口から吸込むことにより雰囲気循環ガスを循環させる連続焼鈍炉におけるシール装置であって、
前記フロータ設備の通板方向前後に仕切板を配置し、フロータ設備の前段側端末の吹出口から後段側に向かって各吹出口の雰囲気循環ガス流量を順次積算した積算値が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える位置とフロータ設備後の仕切板の間に前記吸込口を配置したことにより、前記フロータ設備前の仕切板の前段からフロータ設備側への雰囲気ガスの流入を抑制することを特徴とするシール装置。 - 前記積算値から、前記フロータ設備後の仕切板の後段からの雰囲気ガス流入量を差し引いた量が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える位置と前記フロータ設備後の仕切板の間に前記吸込口を配置したことを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 複数の吹出口を有するフロータ設備から吹込まれる雰囲気循環ガスを用いて帯状鋼板を浮揚通板させ、雰囲気循環ガスの一部を吸込口から吸込むことにより雰囲気循環ガスを循環させる連続焼鈍炉におけるシール装置であって、
前記フロータ設備を複数個連続的に設けるとともに、仕切板を各フロータ設備の通板方向前後に位置するように配置し、各フロータ設備において、フロータ設備の前段側端末の吹出口から後段側に向かって各吹出口の雰囲気循環ガス流量を順次積算した積算値、あるいは、該積算値から、フロータ設備後の仕切板の後段から前段への雰囲気ガス流入量を差し引いた量が、前記吸込口から吸込むガス流量の1/2を超える位置とフロータ設備後の仕切板の間に前記吸込口を配置したことにより、フロータ設備前の仕切板の前段から後段への雰囲気ガスの流入を抑制することを特徴とするシール装置。
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