JP6439397B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
本実施形態の二次電池では、電極体と非水電解液とが電池ケースに収容されている。電極体は、正極と、負極と、セパレータとを備える。正極は、正極集電体と、正極集電体に設けられた正極合剤層とを有し、正極合剤層は、正極活物質を含む。負極は、負極集電体と、負極集電体に設けられた負極合剤層とを有し、負極合剤層は、負極活物質を含む。セパレータは、正極合剤層と負極合剤層との間に設けられている。非水電解液は、正極合剤層、負極合剤層及びセパレータの少なくとも1つに保持されている。
正極では、正極合剤層の密度が1.5g/cm3以上2.8g/cm3以下であり、正極活物質の球形度が0.8以上1未満である。このように、本実施形態では、正極活物質の球形度が高く、且つ、正極合剤層の密度が低い。これにより、非水電解液が正極活物質の表面全体に濡れ易くなる。また、正極合剤層の空孔度を高めることができる。
正極活物質では、比表面積が0.8m2/g以上1.4m2/g以下であり、平均粒径が3μm以上である。これにより、正極活物質において非水電解液による濡れ面積を確保できるので、充放電反応がより一層スムーズに進行する。好ましくは、正極活物質では、比表面積が1.0m2/g以上1.3m2/g以下であり、平均粒径が4μm以上8μm以下である。
好ましくは、負極活物質では、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部が非晶質炭素で被覆され、平均粒径が8μm以上であり、亜麻仁油の吸油量が35(mL/100g)以上である。これにより、二次電池の抵抗と二次電池の製造コストとを低く抑えることができる。
[実施例1]
<正極活物質の作製>
(核生成)
硫酸ニッケル(NiSO4)、硫酸コバルト(CoSO4)及び硫酸マンガン(MnSO4)を水に溶解させ、第1水溶液を得た。得られた第1水溶液では、Ni:Co:Mnのモル比が約0.34:0.33:0.33であり、Ni、Co及びMnの合計濃度が1.8mol/Lであった。
次に、第1水溶液、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液及び25質量%のアンモニア水のそれぞれの上記反応槽への供給速度を調節して反応液のpHを12.0未満(具体的にはpH10.5〜11.9)に調整し、液相のアンモニア濃度を1〜20g/Lの範囲の所定濃度に制御しながら、上記(核生成)で生成された核を粒子成長させた。
続いて、得られた生成物を上記反応槽から取り出して、水洗し、乾燥させた。これにより、NiとCoとMnとを含む複合水酸化物(前駆体水酸化物)を得た。この前駆体水酸化物に、大気雰囲気中、150℃で12時間の熱処理を施した。その後、Li:(Ni+Co+Mn)のモル比が1.14:1となるように、Li2CO3(リチウム源)と上記前駆体水酸化物とを混合した。
質量比で90:8:2となるように、作製された正極活物質とアセチレンブラック(導電剤)とポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを混ぜた。得られた混合物をNMP(N-methylpyrrolidone)で希釈して、正極合剤ペーストを得た。
カウンター式ジェットミルを用いて、平均粒径が15μmになるまで鱗片状天然黒鉛(粒度:100メッシュ90%以上通過、純度:99%以上)を粉砕した。
質量比で98:1:1となるように、作製された負極活物質とCMC(carboxymethylcellulose)(増粘剤)とSBR(スチレンブタジエンゴム(Styrene-butadiene rubber))(結着剤)とを混ぜた。得られた混合物を水で希釈して、負極合剤ペーストを得た。
まず、Al箔が正極合剤層から露出する部分(正極露出部)とCu箔が負極合剤層から露出する部分(負極露出部)とがAl箔の幅方向においてセパレータから互いに逆向きに突出するように、正極と負極とセパレータとを配置した。その後、Al箔の幅方向に対して平行となるように巻回軸(不図示)を配置し、その巻回軸を用いて正極、セパレータおよび負極を巻回させた。このようにして得られた円筒型電極体に対して互いに逆向きの圧力を与え、電極体を得た。
体積比で1:1:1となるようにEC(ethylene carbonate)とDMC(dimethyl carbonate)とEMC(ethyl methyl carbonate)とを混合し、混合溶媒を得た。この混合溶媒に、濃度が1.0mol/LとなるようにLiPF6を添加した。このようにして得られた非水電解液を、蓋体に形成された注液口から注入した。その後、ケース本体内を減圧して非水電解液を正極合剤層、負極合剤層及びセパレータに含浸させ、注液口を封じた。このようにして本実施例のリチウムイオン二次電池を得た。
上記(核生成)における水酸化物の晶析条件を変更したことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって正極活物質を作製し、ジェット気流を槽内に吹き込む条件を変更したことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって負極活物質を作製した。このようにして得られた正極活物質及び負極活物質を用いることを除いては実施例1に記載の方法にしたがってリチウムイオン二次電池を製造した。正極活物質の球形度及び負極活物質の球形度については表1に示すとおりであった。
まず、リチウムイオン二次電池の電池容量(初期の電池容量)を測定した。次に、25℃で、リチウムイオン二次電池に対してハイレート充放電試験を行った。この試験では、リチウムイオン二次電池のSOC(state of charge)を60%に調整した後、100Aの電流での充電(10秒間)と10秒間の休止と20Aの電流での放電(50秒間)と10秒間の休止とを1サイクルとして10000サイクル行った。ハイレート充放電試験の終了後、リチウムイオン二次電池の電池容量(試験後の電池容量)を測定した。そして、下記式1を用いて容量維持率を求めた。その結果を表1及び図2に示す。容量維持率が高いほど、リチウムイオン二次電池に対してハイレート充放電を繰り返し行った場合であってもその性能が高く維持されている、と言える。
(容量維持率)=(試験後の電池容量)÷(初期の電池容量)×100・・・(式1)。
表1及び図2に示すように、正極活物質の球形度が0.8以上1未満であり、且つ、負極活物質の球形度が0.8以上1未満であれば、容量維持率が95%を超えた。よって、正極活物質の球形度が0.8以上1未満であり、且つ、負極活物質の球形度が0.8以上1未満であることが好ましいということが分かった。
Claims (4)
- 正極集電体と、前記正極集電体に設けられ、正極活物質を含む正極合剤層とを有する正極と、
負極集電体と、前記負極集電体に設けられ、負極活物質を含む負極合剤層とを有する負極と、
非水電解液と、
を備え、
前記正極合剤層は、密度が1.5g/cm3以上2.8g/cm3以下であり、
前記正極活物質は、中空構造を有し、比表面積が0.8m2/g以上1.4m2/g以下であり、平均粒径が3μm以上であり、球形度が0.8以上0.91以下であり、
前記負極合剤層は、密度が0.8g/cm3以上1.5g/cm3以下であり、
前記負極活物質は、球形度が0.8以上0.95以下であり、
前記正極活物質および前記負極活物質の球形度は、Lに対するSの割合の平均値を示す(ただしLは二次粒子のSEM画像における最大長を示し、Sは前記SEM画像において、前記最大長に対して垂直な方向における前記二次粒子の大きさを示す)、
二次電池。 - 前記負極活物質は、球形度が0.89以上である、
請求項1に記載の二次電池。 - 前記負極活物質は、球形度が0.89以下である、
請求項1に記載の二次電池。 - 前記負極活物質は、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部が非晶質炭素で被覆されてなり、平均粒径が8μm以上であり、亜麻仁油の吸油量が35mL/100g以上である、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
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