以下、本発明に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機1を、図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係る遊技システム1000の全体の構成について説明する。
図1は本実施形態の遊技システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、遊技システム1000は、遊技店に設置されるパチンコ遊技機1と、遊技者の遊技履歴を管理する管理サーバ300と、遊技者の所持する携帯端末200とを含む。なお、図1に示すように、遊技システム1000は、複数のパチンコ遊技機1を含んでいてもよい。また、これら複数のパチンコ遊技機1は、同じ遊技店に設置されているものでもよいし、異なる遊技店に設置されているものであってもよい。
以下、遊技システム1000の構成要素であるパチンコ遊技機1及び管理サーバ300の構成及び動作、ならびに、携帯端末200の構成及び動作について個別に説明を行う。
図2は携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、携帯端末200は、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、音声入出力部250と、無線通信部260と、アンテナ261と、赤外線通信部280と、カメラ部290とを含む。
記憶部220は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ等の半導体メモリで構成される。記憶部220は、携帯端末200の各種機能を制御部210に実行させるためのアプリケーションプログラム等のプログラムやデータを記憶する。
操作部230は、電話番号や各種データ等の数字やアルファベットやその他の文字等を入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。操作部230は、ユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部210に受け渡す。
表示部240は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部240は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から受けた文字データ及び画像データを表示する。
音声入出力部250は、マイク及びスピーカで構成される。音声入出力部250は、外部からマイクに入力された音声を電気信号に変えて、制御部210に受渡し、制御部210からの電気信号を音声に変換して、スピーカで外部に出力する。
無線通信部260は、他の携帯端末又はサーバからアンテナ261で受信した信号を制御部210に受渡し、制御部210から他の携帯端末又はサーバへ送信する信号をアンテナ261から出力させる。
赤外線通信部280は、他の装置から赤外線で受信した信号を制御部210に受渡し、他の装置へ送信する信号を制御部210から受け取り、赤外線で送信する。
カメラ部290は、撮影対象を撮像して、撮像された画像を画像データに変換して、変換された画像データを制御部210に出力する。本実施形態においては、2次元コードを撮像する。
制御部210は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下、「MPU」という)で構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたアプリケーションプログラム等のプログラムに従って、記憶部220、操作部230、音声入出力部250、無線通信部260、赤外線通信部280、又は、カメラ部290から入力されたデータを処理して、記憶部220、表示部240、音声入出力部250、無線通信部260、又は、赤外線通信部280に出力する。
なお、本実施形態においては、携帯端末200は、音声入出力部250を含んでも含まなくてもよい。
図3は管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、管理サーバ300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、通信部360とを含む。
記憶部320は、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリやRAM等の揮発性メモリ等の半導体メモリ、及び、ハードディスク等の外部記憶装置で構成される。記憶部320には、管理サーバ300の各種機能を制御部310に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
操作部330は、キーボード及びマウス等の入力装置で構成される。操作部330は、管理サーバ300の管理者等のユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部310に受け渡す。
表示部340は、LCDで構成される。なお、表示部340は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等他の表示装置で構成されてもよい。表示部340は、制御部310から受けた文字データ及び画像データを表示する。
通信部360は、携帯端末200又は他のサーバから、インターネット網400を介して受信したデータを制御部310に受渡し、制御部310からインターネット網400を介して携帯端末200又は他のサーバに送信するデータを出力する。
制御部310は、MPUで構成される。制御部310は、記憶部320に記憶されたプログラムに従って、記憶部320、操作部330、又は、通信部360から入力されたデータを処理して、記憶部320、表示部340、又は、通信部360に出力する。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図4はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、図4に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3が設けられている。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握し易くすることができる。
なお、演出表示装置9とは別に、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1特別図柄に対応した第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2特別図柄に対応した第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器とを備えるようにしてもよい。この場合、第1飾り図柄表示器及び第2飾り図柄表示器は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御され、例えば、2つのLEDや7セグメントのLEDによって構成される。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。本実施形態では、第1特別図柄表示器8aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御され、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば、7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(又は、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御され、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば、7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(又は、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、特別図柄表示器が1つの表示器として構成され、そのうちの一部の表示領域が第1特別図柄の可変表示を行う第1可変表示部を形成し、他の一部の表示領域が第2特別図柄の可変表示を行う第2可変表示部を形成していてもよい。この場合、例えば、特別図柄表示器が4つの7セグメントLEDを含む1つの表示器として構成され、そのうちの2つの7セグメントLEDが第1可変表示部を形成し、他の2つの7セグメントLEDが第2可変表示部を形成していてもよい。
本実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(又は、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件又は第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、本実施形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうち第2始動入賞口14への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させる。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行する。なお、第1始動入賞口13への入賞及び第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ又は全く同じであって、可変表示の期間がほぼ同じ又は全く同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し易い。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はし難いものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口又は始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞し易い。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列によって遊技球を第1始動入賞口13に導き難くして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶又は始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合計保留記憶数)を表示する領域(以下、合計保留記憶表示部18cという)が設けられている。合計数を表示する合計保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握し易くすることができる。なお、合計保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18a及び第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、本実施形態では、図4に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14の何れについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図4に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、及び第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。本実施形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、且つ、開放回数が増加される。また、本実施形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、又は、開放回数が増加される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
本実施形態では、打球供給皿(上皿)3に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。本実施形態の操作ボタン120は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。操作ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(本実施形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図6参照)に出力される。本実施形態の操作ボタン120は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。操作ボタン120が遊技者によって回転されると、回転検出信号が演出制御用マイクロコンピュータ100に出力される。
なお、操作ボタン120は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えば、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチ(スティックコントローラ)のような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン120に替えて、例えば、赤外線センサ、CCDセンサ、CMOSセンサ等のように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン120は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。また、図4に示す例では、操作ボタン120は打球供給皿(上皿)3に設けられているが、他の箇所(例えば、打球操作ハンドル5の真上)に設けられていてもよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図5は主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
なお、図5には主基板31だけでなく払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。
図5に示すように、主基板(遊技制御基板)31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(又はCPU56)が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部又は全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合計保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、及び大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
本実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図6は中継基板、演出制御基板、ランプドライバ基板及び音声出力基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の表示制御を行うための演出制御基板80と、音出力装置27の音出力制御を行うための音声出力基板70と、各LED25,28a,28b,28cの表示制御を行うためのランプドライバ基板35とを含む。なお、本実施形態では、複数の制御基板(演出制御基板80,音声出力基板70、ランプドライバ基板35)を用いて、演出表示装置9の表示制御や、音出力装置27の音出力制御、各LED25,28a,28b,28cの表示制御を行う場合を説明するが、1つの制御基板(例えば、1つの演出制御基板)を用いて行ってもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、ROM84、RAM85及びI/Oポート87を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM85は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵又は外付けのROM84に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102及び入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えば、ダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35に搭載されたランプドライバ352に対してランプ(LED)を駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して装飾LED25や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、球切れLED51、賞球LED52等の各ランプに供給する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声出力基板70に搭載された音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば、飾り図柄の変動期間)における効果音又は音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプ(LED)を駆動する信号及び音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ352及び音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM89から必要なデータを読み出す。キャラクタROM89は、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形又は記号等(飾り図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROM89から読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータに基づいて演出表示装置9の表示制御を実行する。
本実施形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAM83をマッピングする。VRAM83は、VDP109によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM83内の画像データを演出表示装置9に出力する。
また、本実施形態では、ランプドライバ基板35には、現在時刻を出力するリアルタイムクロック(RTC)353が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、リアルタイムクロック353から現在の日付(年、月、日、曜日)を示す日付信号や現在の時刻(時、分、秒)を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。リアルタイムクロック353は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、ランプドライバ35に搭載されたバックアップ電源回路355(例えば、バッテリ)から供給される電源によって動作する。従って、リアルタイムクロック353は、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、リアルタイムクロック353は、遊技機に電源が供給されているときであってもバックアップ電源回路355から供給される電源によって動作するようにしてもよい。
また、バックアップ電源回路355の電源は、ランプドライバ基板35に搭載されているバックアップRAM356にも供給される。すなわち、バックアップRAM356は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源が供給され、遊技機の電源が切られているときには、ランプドライバ35に搭載されたバックアップ電源回路355から電源が供給される。なお、バックアップRAM356は、遊技機に電源が供給されているときであってもバックアップ電源回路355から電源が供給されてもよい。
なお、リアルタイムクロック353をランプドライバ基板35ではなく、演出制御基板80や音声出力基板70に搭載してもよい。また、リアルタイムクロック353を主基板31に搭載するようにしてもよい。また、リアルタイムクロック353を設けずに、バックアップRAM356に設けたカウンタをカウントアップする(例えば、遊技機の電源をオンしてからの始動入賞回数をカウントアップする)ことによって計時してもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、バックアップRAM356に設けたカウンタのカウント値に基づいて各種処理を実行してもよい。
また、本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からの操作信号に基づいて、デモ画面(デモンストレーション画面)の表示中に大当りの発生を期待させる演出図柄(その演出図柄に対応つけられているキャラクタ)を表示する制御を行う。なお、操作ボタン120からの操作信号ではなく、ランプドライバ基板35に設けられた設定スイッチ354からのオン/オフ信号に基づいて、大当りの発生を期待させる演出図柄(その演出図柄に対応つけられているキャラクタ)を表示する制御を行うようにしてもよい。また、設定スイッチ354を演出制御基板80又は音声出力基板70に設けてもよい。また、設定スイッチ354は、ディップスイッチやプッシュロックスイッチ、ロータリスイッチのようにスイッチ側でオン/オフを固定できるものであってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示は、第1始動入賞口13に進入した遊技球が第1始動口スイッチ13aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後に、例えば、前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14に進入した遊技球が第2始動口スイッチ14aによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後に、例えば、前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示では、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特別図柄の可変表示での可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特別図柄の可変表示での可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特別図柄の可変表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
本実施形態では、大当り図柄となる「1」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば、29秒間)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば、「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば、0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば、「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくとも何れか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間又は第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、本実施形態では、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示された場合には、通常大当りと確変大当りとの何れかの大当りとなる。15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことに基づいて通常大当りとなり、15ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態、後述する確変状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えば、システムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。本実施形態では、通常大当りによる大当り遊技終了後に、時短状態は、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。
15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことに基づいて確変大当りとなり、15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、例えば、通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特別図柄の可変表示や飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。本実施形態では、確変状態は、確変状態となった後に、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。なお、確変状態は、特別図柄の可変表示の実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。また、確変状態において所定回数の特別図柄の可変表示が実行されたり可変表示結果が「大当り」となったりする以前であっても、特別図柄の可変表示が開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば、特別可変入賞球装置20が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくとも何れか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示における普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普通図柄の可変表示で普通図柄の可変表示結果が「普通図柄当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普通図柄当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立し易くなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。従って、本実施形態では、確変状態及び時短状態以外の通常状態においては、第2始動入賞口14と比較して第1始動入賞口13の方が始動入賞し易いのであるが、確変状態又は時短状態においては、第1始動入賞口13と比較して第2始動入賞口14の方が始動入賞し易い。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア(「左」の飾り図柄表示エリア9a:演出表示装置9の表示領域において左図柄の可変表示が行われる領域、「中」の飾り図柄表示エリア9b:演出表示装置9の表示領域において中図柄の可変表示が行われる領域、「右」の飾り図柄表示エリア9c:演出表示装置9の表示領域において右図柄の可変表示が行われる領域)における確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア等)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば、「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば、「中」の飾り図柄表示エリア9b等)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、演出表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。本実施形態では、「滑り」、「擬似連」、「イントロ」、「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」といった特定演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア等)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば、1つ又は2つ)の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」の飾り図柄表示エリア9aと「右」の飾り図柄表示エリア9cの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば、揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の特定演出では、特別図柄の可変表示の第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば、最大4回まで)行う。一例として、「擬似連」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、擬似連の何れかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア9aに表示(停止表示又は仮停止表示)される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア9bに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア9cに表示される飾り図柄である。なお、擬似連チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
「イントロ」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に、例えば、リーチ演出にて行われる演出表示の導入部分(イントロ部分)といった、所定の演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一例として、「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、発展チャンス目の何れかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。そのため、発展チャンス目の何れかが仮停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する、遊技者の期待感が高められる。
「発展チャンス目終了」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる演出表示が行われる。一例として、「発展チャンス目終了」の特定演出では、「発展チャンス目」の特定演出で仮停止表示される発展チャンス目の何れかが、確定飾り図柄として停止表示される。
さらに、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や特定演出とは異なり、例えば、所定のキャラクタ画像やメッセージ画像を表示すること等といった、飾り図柄の可変表示態様以外の表示態様により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。本実施形態では、「キャラクタ表示」、「ステップアップ画像」、「メール表示」といった予告演出が実行可能に設定されている。
「キャラクタ表示」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア等)にて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置9の表示領域における所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ画像」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置9の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示が行われることがある。なお、「ステップアップ画像」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうち何れか1つ(例えば、所定の順番において最初に表示される演出画像等)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。
「メール表示」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、例えば、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示を変更させる(メール受信待ち状態からメール着信状態に変更させる)といった、演出動作が変化する演出表示が行われる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄、あるいは、特殊組合せのうち発展チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄が、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され通常大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の通常大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄の何れか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。なお、本実施形態では、通常大当りには、第1通常大当りと第2通常大当りとの2つがある。第1通常大当りとなった場合には、演出表示装置9において非確変図柄が停止表示されるのみで、確変昇格演出(確変に昇格するか否かを報知する演出)は実行されない。第2通常大当りとなった場合には、演出表示装置9において非確変図柄が停止表示された後、大当り遊技演出において確変昇格演出が実行される。そして、特別図柄の可変表示における確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常表示態様」の可変表示態様(通常大当りの可変表示態様ともいう)と称される。
なお、本実施形態では、所定の有効ラインとして、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて1つのライン上に飾り図柄が表示される場合を示しているが、演出表示装置9上に1ラインの有効ラインが表示される場合に限らず、複数ライン(例えば、5ライン)の有効ラインが表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、確変大当りには、第1確変大当り、第2確変大当り第3確変大当り及び第4確変大当りの4つがある。本実施形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され確変大当りとなる場合には、第1確変表示態様(第1確変大当りの場合)、第2確変表示態様(第2確変大当りの場合)及び第3確変表示態様(第3確変大当り又は第4確変大当りの場合)の3つの表示態様のうちの何れかの表示態様で、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われる。なお、第1確変表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常表示態様」である場合と同様のリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)を実行し、又はリーチ演出を実行せずに、飾り図柄の停止図柄として確変大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄を高い確率で停止表示する表示態様である(低い確率で、通常大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄(非確変図柄)が停止表示される)。また、第2確変表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常表示態様」である場合とは異なるリーチ演出(例えば、スーパーリーチ)を実行し、飾り図柄の停止図柄として確変大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄を高い確率で停止表示する表示態様である。また、第3確変表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常表示態様」である場合と同様のリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)を実行し、又はリーチ演出を実行せずに、確変大当りであるにもかかわらず、飾り図柄の停止図柄として通常大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄(非確変図柄)を停止表示する表示態様である。また、第3確変大当りとなった場合には、演出表示装置9において非確変図柄が停止表示された後、大当り遊技演出において確変昇格演出が実行され、第4確変大当りとなった場合には、演出表示装置9において非確変図柄が停止表示された後、大当り遊技演出においても確変昇格演出が実行されない。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第1確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常表示態様」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の確変大当りを想起させる組合せとなる確定飾り図柄が高い確率で停止表示されることがある。ここで、確変大当りを想起させる大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄の何れか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第2確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、可変表示態様が「通常表示態様」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当りを想起させる大当り組合せとなる確定飾り図柄(確変図柄)が高い確率で停止表示される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第3確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常表示態様」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当りを想起させる大当り組合せの確定飾り図柄(非確変図柄)が停止表示される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、発展チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、突確チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。なお、突確チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。また、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確表示態様」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」の表示態様ともいう)の可変表示態様と称される。こうして「突確表示態様」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示態様が「突確表示態様」である場合と同様にして飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、発展チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が小当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「小当り表示態様」の可変表示態様と称される。ここで、突確チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄は、飾り図柄の可変表示態様が「突確表示態様」となる場合に限り停止表示され、可変表示態様が「小当り表示態様」となる場合等には確定飾り図柄として停止表示されない。すなわち、飾り図柄の可変表示にて突確チャンス目の何れかとなる確定飾り図柄が停止表示された場合には、「突確表示態様」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となることが確定する。なお、突確チャンス目を、突然確変大当りの場合と小当りの場合とで共通に用いるようにしてもよい。そのようにすれば、突然確変大当りであるか小当りであるか(すなわち、遊技状態が確変状態に移行されるか否か)を分かりにくくすることによって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、可変表示結果が「小当り」となった後には、2ラウンド大当り状態と同様の可変入賞動作が行われる小当り遊技状態に制御され、その小当り遊技状態が終了すると、遊技状態が変更されないことから、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。なお、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、確変状態や時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に通常状態へと制御するようにしてもよく、小当りとなる変動表示の終了時に通常状態へと制御するようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される制御コマンドについて説明する。中継基板15を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27L,27Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図7は演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図7に示すように、演出制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図7(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図7(A)に示す例において、コマンド8001(H)は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002(H)は、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XX(H)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXX(H)は、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する表示結果コマンドである。表示結果コマンドでは、例えば、図7(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」の何れとなるかの事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合に「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「第3確変大当り」、「第4確変大当り」、「突然確変大当り」の何れとなるかの大当り種別判定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。
具体的には、コマンド8C00(H)は、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示す第1表示結果コマンドである。コマンド8C01(H)は、可変表示結果が「第1通常大当り」となる旨の判定結果を示す第2表示結果コマンドである。コマンド8C02(H)は、可変表示結果が「第2通常大当り」となる旨の判定結果を示す第3表示結果コマンドである。なお、第3表示結果コマンドは、第2通常大当りを指定するとともに、確変昇格演出の実行も指定するコマンドである。コマンド8C03(H)は、可変表示結果が「第1確変大当り」となる旨の判定結果を示す第4表示結果コマンドである。コマンド8C04(H)は、可変表示結果が「第2確変大当り」となる旨の判定結果を示す第5表示結果コマンドである。コマンド8C05(H)は、可変表示結果が「第3確変大当り」となる旨の判定結果を示す第6表示結果コマンドである。なお、第6表示結果コマンドは、第3確変大当りを指定するとともに、確変昇格演出の実行も指定するコマンドである。コマンド8C06(H)は、可変表示結果が「第4確変大当り」となる旨の判定結果を示す第7表示結果コマンドである。なお、第7表示結果コマンドは、第4確変大当りを指定するとともに、確変大当り演出を実行しないこと(潜伏確変)も指定するコマンドである。コマンド8C07(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「突確表示態様」となる旨の判定結果を示す、すなわち突然確変大当りであることを指定する第8表示結果コマンドである。コマンド8C08(H)は、可変表示結果が「小当り」となる旨の判定結果を示す第9表示結果コマンドである。
コマンド8F00(H)は、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンドである。なお、本実施形態では、第1特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示を行う場合と、第2特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示を行う場合とで、共通の飾り図柄停止指定コマンドを用いる。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)であり、コマンド9501(H)は、遊技状態が高確率状態であるときに送信される演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。以下、コマンド9500(H),9501(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、演出表示装置9に表示する背景の種類(例えば、色)を選択する。なお、本実施形態では、遊技状態が高確率状態を伴わない時短状態に制御されている場合にも、通常状態背景指定コマンド(コマンド9500(H))が送信される。
A0XX(H)は、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば、表示結果コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。例えば、図7(B)に示すように、表示結果コマンドでは、大当りの種類が第1通常大当り、第2通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、突然確変大当りの何れであるか、又は小当りであるかに応じてEXTデータとして「01」〜「08」のデータが設定されるのであるが、大当りの種類や小当りであるかにかかわらず、当り開始指定コマンドではEXTデータとして同じデータ(例えば、「01」)が設定されるようにしてもよい。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えば、ラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば、15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば、「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンド(「エンディングコマンド」ともいう)である。当り終了指定コマンドでは、例えば、表示結果コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。例えば、図7(B)に示すように、表示結果コマンドでは、大当りの種類が第1通常大当り、第2通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、突然確変大当りの何れであるか、又は小当りであるかに応じてEXTデータとして「01」〜「08」のデータが設定されるのであるが、大当りの種類や小当りであるかにかかわらず、当り終了指定コマンドではEXTデータとして同じデータ(例えば、「01」)が設定されるようにしてもよい。
コマンドA4XX(H)は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確大当り」であることに基づく2ラウンド大当り状態や、可変表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作で大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作の終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば、2ラウンド大当り状態におけるラウンドや小当り遊技状態における可変入賞動作の実行回数(例えば、「1」又は「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
なお、本実施形態では、可変表示結果が「小当り」である場合にも、大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドを送信する場合を示すが、可変表示結果が「小当り」である場合には、大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
コマンドB001(H)は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002(H)は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、演出表示装置9の表示領域に設けられた合計保留記憶表示部18c等にて合計保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば、第1始動条件と第2始動条件の何れかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドの何れかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば、後述する合計保留記憶数カウンタの値(例えば、「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件の何れかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、合計保留記憶数を特定することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560における遊技制御処理において用いられる各乱数について説明する。主基板31では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路503等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。
図8は主基板の側においてカウントされる乱数値の一例を示す説明図である。
図8に示すように、本実施形態では、主基板31の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路503は、これらの乱数値MR1、MR2−1、MR2−2、MR3、MR4の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。
なお、CPU56は、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1、MR2−1、MR2−2、MR3、MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示における特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別判定用の乱数値MR2−1は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「第3確変大当り」、「第4確変大当り」及び「突然確変大当り」の大当り種別の何れかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ判定用の乱数値MR2−2は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「239」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類の何れかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類の何れかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「251」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、リーチ状態とする場合にどの種類のリーチの変動パターン種別とするか(例えば、スーパーリーチとするか)に分類したり、リーチ状態としない場合に特定の演出(例えば、「滑り」演出)のある変動パターン種別とするか否かに分類するための乱数値である。そして、分類したあとに、乱数値MR4を用いて、分類した変動パターン種別中のどの変動パターンとするか(例えば、分類したスーパーリーチの変動パターン種別のうちのどのスーパーリーチを含む変動パターンとするか)が決定される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が記憶されている。
図9は特図表示結果判定テーブルの構成の一例を示す図である。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、例えば、図9(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図9(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが含まれている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第1特図表示結果判定テーブル130は、後述する確変フラグがオフであるかオンであるか(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データや小当り判定値データ、ハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)等から構成されている。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに割り当てる決定用データ等から構成されている。
なお、図9に示す例では、第2特図表示結果判定テーブル130Bが大当り判定値データとハズレ判定値データのみを含む場合を示すが、第2特図表示結果判定テーブル130Bは、さらに小当り判定値データを含んでいてもよい。そして、第2特図表示結果判定テーブル130Bを用いて、第2特別図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定されるとともに、第2特別図柄の可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かが決定されるようにしてもよい。
図10は大当り種別判定テーブルの構成の一例を示す図である。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図10に示す大当り種別判定テーブル131が含まれている。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2−1に基づき、「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「第3確変大当り」、「第4確変大当り」、「突然確変大当り」といった複数種類の大当り種別の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131は、後述する特別図柄ポインタの値(特別図柄ポインタ値)が1であるか2であるか(第1特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか、第2特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか)に応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を、「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」〜「第4確変大当り」、「突確大当り」の大当り種別に割り当てる決定用データ等から構成されている。また、大当り種別判定テーブル131は、後述する大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別判定用の乱数値MR2−1に基づいて決定された大当り種別に対応した「00」〜「06」の何れかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。なお、「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」〜「第3確変大当り」の割合を、後述する特別図柄ポインタの値(特別図柄ポインタ値)が1であるか2であるか(第1特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか、第2特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか)に応じて異ならせていてもよい。
本実施形態では、図10に示す大当り種別判定テーブル131の設定では、特別図柄ポインタ値が1であるか2であるかに応じて、「突確大当り」の大当り種別に対する大当り種別判定用の乱数値MR2−1の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄ポインタ値が1である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2−1のうち「93」〜「100」の範囲の値が「突確大当り」の大当り種別に割り当てられる一方で、特別図柄ポインタ値が2である場合には、「突確大当り」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2−1が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類の何れかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類の何れかに決定する場合とで、大当り種別を「突確大当り」に決定する割合を、異ならせることができる。
次に遊技機の動作について説明する。
図11は遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
図12は図11の続きのフローチャートである。
パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始され、遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、図11及び図12に示すメイン処理を実行する。
リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
本実施形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源等の各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回又は2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。本実施形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば、2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。本実施形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91及びS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って停電復旧中であることを報知することを指定する停電復旧指定コマンドをサブ基板(演出制御基板)に送信する処理を実行する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
次いで、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理を実行する(ステップS95)。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路がパチンコ遊技機1に内蔵されている場合には、乱数回路の設定(例えば、乱数回路の動作を開始させる)を行う。また、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する主基板エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
なお、ハードウェア乱数を生成する乱数回路503は、パチンコ遊技機1に内蔵してもよいし、パチンコ遊技機1に外付けで備えてもよい。本実施形態では、図5に示したように、乱数回路503は、ROM54及びRAM55とともに1チップ内(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)に内蔵されている。
そして、CPU56は、所定時間(例えば、2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば、2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示図柄乱数更新処理(ステップS17)及び初期値決定用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示図柄乱数更新処理及び初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示図柄乱数更新処理及び初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示図柄乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。本実施形態では、表示図柄乱数として、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4等が用いられる。本実施形態では、これらの乱数値は、例えば、リフレッシュレジスタを用いて、更新する対象や更新時の加算値を異ならせることによってランダムに更新することができる。そのようにすることによって、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に用いる変動パターンをよりランダムに決定するようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値決定用乱数とは、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。また、例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、及び変動パターン判定用の乱数値MR4のうちソフトウェアによって更新する乱数がある場合には、その乱数を発生するためのカウンタのカウント値の初期値を決定するための乱数も初期値決定用乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、又は他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理及び初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理及び初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS25,S26でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば、電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、遊技制御処理について説明する。
図13はタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間においてタイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。図13に示すタイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1加算する。
次いで、CPU56は、第1特別図柄表示器8aや、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、状態表示灯等の各種表示器へのDG信号の出力やクリアを行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞を検出したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップS23)。具体的には、後述する特別図柄プロセス処理において大入賞口を開放する前である(具体的には、後述するステップS300〜S303の処理の段階である)にもかかわらず、カウントスイッチ23のオンを検出した場合に、大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(乱数更新処理:ステップS24)。また、CPU56は、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値決定用乱数更新処理:ステップS25)。さらに、CPU56は、表示図柄乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示図柄乱数更新処理:ステップS26)。
乱数更新処理、初期値決定用乱数更新処理及び表示図柄乱数更新処理を行うと、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS29)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、本実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS34)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄及び第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1加算する。なお、開始フラグ及び終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(本実施形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(本実施形態では3)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1加算するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示を実行する。そして、CPU56は、終了フラグがセットされ、又は特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値となると、特別図柄プロセス処理で決定されている特別図柄の停止図柄を第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに導出表示する。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。
さらに、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS37)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)である場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯1の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯2の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。
なお、遊技機への電源投入時以外の時に状態表示灯表示処理を実行する場合には、遊技状態が時短状態である場合にのみ、時短状態であることを示す状態表示灯2の表示を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態が確変状態であることが内部的に決定されている場合であっても、遊技者に確変状態であることを認識できないようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、遊技制御処理は定期的(例えば、2ms毎)に起動されることになる。なお、本実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、例えば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことに基づいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、本実施形態において、ステップS21〜S37の処理(ステップS30及びS32を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。
図14は特別図柄プロセス処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄プロセス処理において、後述する図15に示す始動口スイッチ通過処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちの何れかの処理を行う。第1始動入賞口13又は第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちの何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技又は小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン種別判定用の乱数MR3及び変動パターン判定用の乱数値MR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
なお、本実施形態では、各乱数値を始動入賞発生時に抽出する場合を示すが、変動パターン種別判定用の乱数MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4等変動パターンを決定するための乱数値については、特別図柄の変動開始時に(すなわち、変動パターン決定のタイミングで(ステップS331,S333参照))抽出するようにしてもよい。そのようにすれば、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14に偶然同じタイミングで遊技球が入賞してしまった場合であっても、変動開始のタイミングで変動パターンを決定するための乱数値を読み出すことによって、読み出す乱数値を異ならせることができ、異なる変動パターンで変動表示を行なうことができる。従って、特別図柄の可変表示の演出バリエーションを増加させることができる。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308:特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態を終了するための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図15は始動口スイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、図15に示すように、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
本実施形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図16は保留記憶特定情報記憶領域及び保留バッファの構成例を示す説明図である。
図16(A)は保留記憶特定情報記憶領域である保留特定領域の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図16(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」又は「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、本実施形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち何れか多い方に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行し、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には保留記憶特定情報記憶領域にセットされている入賞順が早い方の特別図柄の変動表示を実行するのであるが、常に第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち何れか多い方に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域はなくてもよい。また、遊技状態が確変状態や時短状態であるかに応じて何れかの特別図柄の変動表示を優先して実行する場合や、予め定められた何れか一方の特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域はなくてもよい。そのようにすれば、RAM55の必要容量を削減することができる。
図16(B)は保留記憶に対応する乱数等を保存する領域である保留バッファの構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。
次いで、CPU56は、第1始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値に基づいて、合計保留記憶数を示す保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS218)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第1始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。
次いで、CPU56は、第2始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値に基づいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS228)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第2始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
図17は特別図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
図18は図17の続きのフローチャートである。
ステップS300で実行される特別図柄通常処理において、CPU56は、図17に示すように、まず、合計保留記憶数の値を確認する(ステップS1501)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。特別図柄通常処理では、CPU56は、まず、合計保留記憶数カウント値等に基づき、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS1501)。
合計保留記憶数が「0」であれば、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出を行うためのデモ表示設定処理を実行する(ステップS1502)。具体的には、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出が実行されていることを示すデモ表示フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、そのまま特別図柄通常処理を終了する。セットされていなければ、CPU56は、デモ表示フラグをセットし、客待ちデモンストレーションの表示を指定するデモ表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
合計保留記憶数が「0」でなければ、CPU56は、保留特定領域(図16(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS1503)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS1503;Y)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS1504)。一方、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS1503;N)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS1505)。
以上のように、ステップS1503〜S1505の処理が実行されることによって、CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータから順番に特別図柄の変動表示を実行するように制御する。なお、本実施形態では、1番目のデータから順番に特別図柄の変動表示を実行したが、例えば、無条件で第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行するようにしたり、無条件で第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行するようにしたりしてもよい。また、例えば、条件付きで第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行するようにしたり、条件付きで第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行するようにしたりしてもよい。具体的には、例えば、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄の変動表示を実行するように制御したり、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄の変動表示を実行するように制御したりしてもよい。このように制御することにより、無効な始動入賞が発生する事態が低減される。
また、例えば、遊技状態が通常状態である場合に第1始動入賞口13が始動入賞し易く、遊技状態が確変状態や時短状態であるときに第2始動入賞口14が始動入賞し易く構成されている場合には、合計保留記憶数が0でないと判定したときに、確変状態であることを示す確変フラグや時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、第2保留記憶数が0でないことを条件にステップS1505に移行し、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する用にしてもよい。また、確変フラグや時短フラグがセットされていなければ、第1保留記憶数が0でないことを条件にステップS1504に移行し、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態に応じて保留記憶が溜まりやすい方の特別図柄の変動表示を優先して実行することができ、無効な始動入賞が発生する事態を低減することができる。
また、例えば、第2保留記憶数が0でないことを条件に常に第2特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよいし、第1保留記憶数が0でないことを条件に常に第1特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
CPU56は、図18に示すように、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS1508)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1509)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、各保存領域の内容をシフトする。また、この際、CPU56は、保留特定領域に設定されているデータのうち、特別図柄ポインタが示す方の最も古いデータを削除し、且つ、各保留特定領域の内容をシフトする。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、保留特定領域に設定されている最も古い「第1」のデータを削除し、且つ、各保留特定領域の内容をシフトする。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、保留特定領域に設定されている最も古い「第2」のデータを削除し、且つ、各保留特定領域の内容をシフトする。
次いで、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1減算し(ステップS1510)、減算後の合計保留記憶数カウンタの値に基づいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS1511)。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特図表示結果判定テーブルをセットする(ステップS1512)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」、「小当り」の何れとするかを判定するための使用テーブルとして、図9(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aを選択してセットする。この場合、例えば、ステップS1512の処理では、RAM55の所定領域に設けられた判定テーブルポインタ等に、ROM54における第1特図表示結果判定テーブル130Aの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」、「小当り」の何れとするかを判定するための使用テーブルとして、図9(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bを選択してセットする。この場合、例えば、ステップS1512の処理では、RAM55の所定領域に設けられた判定テーブルポインタ等に、ROM54における第2特図表示結果判定テーブル130Bの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。
次いで、CPU56は、ステップS1512でセットした第1特図表示結果判定テーブル130A又は第2特図表示結果判定テーブル130Bを参照することにより、ステップS1508にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS1513)。なお、この場合、CPU56は、確変フラグがオン状態であるか否かを確認し、確変フラグがオン状態であれば、図9に示す確変フラグオンに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。また、確変フラグがオフ状態であれば、図9に示す確変フラグオフに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。そのようにすることによって、遊技状態が確変状態である場合には、通常状態や時短状態である場合と比較して高い割合で大当りとすることに決定する。
乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS1513;Y)、CPU56は、大当りと決定したことを示す大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS1514)。次いで、CPU56は、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、図10に示す大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS1515)。そして、CPU56は、ステップS1508で読み出した大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データに基づき、ステップS1515にてセットした大当り種別判定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「第3確変大当り」、「第4確変大当り」、「突確大当り」という複数種類の何れかに決定する(ステップS1516)。なお、この場合、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「1」である場合には、図10に示す特別図柄ポインタ「1」に対応する大当り種別バッファ値に基づいて、大当りの種別を決定する。また、特別図柄ポインタの値が「2」である場合には、図10に示す特別図柄ポインタ「2」に対応する大当り種別バッファ値に基づいて、大当りの種別を決定する。
また、本実施形態では、ステップS1516で「第2通常大当り」又は「第3確変大当り」に決定された場合には、大当り遊技中に確変昇格演出が実行される。従って、本実施形態では、ステップS1516における大当り種別判定用の乱数値MR2−1を用いた判定処理において、大当りの種別を通常大当り、確変大当り又は突然確変大当りの何れとするかが決定されるとともに、大当り遊技中に確変昇格演出を実行するか否かが決定される。
なお、本実施形態では、通常大当りのうち第2通常大当りのときにのみ確変昇格演出を実行する場合を示しているが、通常大当りと決定した場合には必ず確変昇格演出を実行するように構成してもよい。また、通常大当りや確変大当りと決定した場合に限らず、例えば、突然確変大当りや小当りと決定したときにも確変昇格演出を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当り種別とともに確変昇格演出の有無を決定する場合を示しているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種別を決定するのみで、確変昇格演出を実行するか否かについては決定しないようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、例えば、変動開始コマンドや変動パターンコマンド等の変動開始時の演出制御コマンドを受信したことに基づいて、確変昇格演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の処理負担を軽減することができる。
なお、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「2」に設定した場合には、図10に示すように、大当り種別判定テーブル131にて「突確大当り」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2−1が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確大当り」に決定されることはない。そのように構成することによって、突然確変大当り後に確変状態に移行されているときにさらに突然確変大当り又は小当りとなることを防止することができる。そのため、遊技者が損をしたと感じることを防止することができ、遊技に対する興趣が低下する事態を防止することができる。例えば、突然確変大当り後に確変状態に移行されているときに突然確変大当りが発生すると、遊技者が1回の大当りを逃してしまったかのように感じ損をしたと感じるおそれがあるが、そのような事態を防止することができる。
そして、CPU56は、ステップS1517にて決定した大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「00」〜「05」の何れかに設定する(ステップS1517)。
乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS1513;N)、ステップS1508にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、小当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS1518)。なお、この場合、CPU56は、確変フラグがオン状態であるか否かを確認し、確変フラグがオン状態であれば、図9に示す確変フラグオンに対応する小当り判定値データと合致するか否かを判定する。また、確変フラグがオフ状態であれば、図9に示す確変フラグオフに対応する小当り判定値データと合致するか否かを判定する。
なお、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「2」に設定した場合には、図9に示すように、第2特図表示結果判定テーブル130Bにて小当り判定値データが割り当てられてないことから、小当りと決定されることはない。従って、本実施形態では、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「1」に設定した場合のみ(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ)、小当りと決定される場合がある。
特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致すれば(ステップS1518;Y)、CPU56は、小当りと決定したことを示す小当りフラグをオン状態にセットし(ステップS1519)、ステップS1521に移行する。特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データとも合致しなければ(ステップS1518;N)、ステップS1521に移行する。
次いで、CPU56は、可変表示結果の判定や大当り種別の決定を行った結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS1521)。一例として、ステップS1518で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データとも合致しなかった場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS1518で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致した場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の判定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、ステップS1513で乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS1516における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」の数字を示す特別図柄の何れかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「第1通常大当り」、「第2通常大当り」、「第1確変大当り」〜「第4確変大当り」の何れかとする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突確大当り」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
次いで、CPU56は、遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1522)。この場合、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、高確率状態背景指定コマンド(図7に示すコマンド9501(H))を送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンド(図7に示すコマンド9500(H))を送信する制御を行う。従って、本実施形態では、遊技状態が確変状態であれば高確率状態背景指定コマンドが送信され、確変状態以外の遊技状態(通常状態又は時短状態)であれば通常状態背景指定コマンドが送信される。なお、遊技状態が通常状態である場合にのみ通常状態背景指定コマンドを送信するようにし、遊技状態が時短状態であれば(例えば、時短状態であることを示す時短フラグがセットされていれば)、時短状態背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS1523)。
図19は変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301で実行される変動パターン設定処理では、CPU56は、図19に示すように、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。大当りフラグがオンであれば(ステップS321;Y)、CPU56は、後述する図20(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS322)。そして、ステップS333に移行する。
図20(A)は大当り変動パターン決定テーブルの構成の一例を示す図である。
ここで、大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別判定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、変動パターンPB5−1、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、及び変動パターンPB5−1に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、及び変動パターンPB5−1に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、及び変動パターンPB5−1に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。
図19に戻り、大当りフラグがオフである場合には(ステップS321;N)、CPU56は、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS323)。小当りフラグがオンであれば(ステップS323;Y)、CPU56は、後述する図20(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS324)。そして、ステップS333に移行する。
図20(B)は小当り変動パターン決定テーブルの構成の一例を示す図である。
ここで、小当り変動パターン決定テーブル132Bは、特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、小当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別判定テーブル132Bでは、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
図19に戻り、小当りフラグがオフである場合には(ステップS323;N)、すなわち、はずれである場合には、後述する図20(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS325)。そして、ステップS333に移行する。
図20(B)は小当り変動パターン決定テーブルの構成の一例を示す図である。
ここで、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が「通常状態」、「確変状態」、「時短状態」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPA2−1、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPB3−1のいずれかに割り当てられている。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。
図19に戻り、次いで、CPU56は、変動パターン判定用の乱数値MR4に基づき、ステップS322、S324、S325でセットした変動パターン判定テーブルを参照することにより、後述する図20(D)に示す複数種類の変動パターンのうちの何れかを決定する(ステップS333)。
なお、本実施形態では、変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて変動パターンを決定したが、例えば、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と変動パターン判定用の乱数値MR4とに基づいて変動パターンを決定してもよい。例えば、変動パターン種別判定用の乱数値MR3で変動パターン種別を特定した上で、図20に示す変動パターン決定テーブルよりも変動パターンが特定された変動パターン種別によって限定されたテーブルを用いて変動パターンを決定する2段階の判定方法を採用してもよい。
図20(D)は変動パターンの一例を示す図である。
ここで、本実施形態では、図20(D)に示すように、変動パターンPA1−1として、特図変動時間が12000(ms)、内容が「短縮なし→非リーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPA1−2として、特図変動時間が3000(ms)、内容が「短縮あり→非リーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPA1−3として、特図変動時間が12000(ms)、内容が「滑り→非リーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPA1−4として、特図変動時間が24000(ms)、内容が「擬似連変動(1回)→非リーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。
また、変動パターンPA2−1として、特図変動時間が25000(ms)、内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB2−1として、特図変動時間が35000(ms)、内容が「擬似連変動(1回)→ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB2−2として、特図変動時間が50000(ms)、内容が「擬似連変動(2回)→ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPA3−1として、特図変動時間が70000(ms)、内容が「擬似連変動(3回)→ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB3−1として、特図変動時間が48000(ms)、内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターンが設定されている。
また、変動パターンPA4−1として、特図変動時間が25000(ms)、内容が「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB4−1として、特図変動時間が50000(ms)、内容が「擬似連変動(1回)→ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB4−2として、特図変動時間が65000(ms)、内容が「擬似連変動(2回)→ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPA5−1として、特図変動時間が70000(ms)、内容が「擬似連変動(3回)→スーパーリーチ(大当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPB5−1として、特図変動時間が48000(ms)、内容が「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターンが設定されている。
また、変動パターンPC1−1として、特図変動時間が12000(ms)、内容が「2回開放チャンス目停止(突確・小当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPC1−1として、特図変動時間が19500(ms)、内容が「滑り→2回開放チャンス目停止(突確・小当り)」の変動パターンが設定されている。また、変動パターンPC1−3として、特図変動時間が29000(ms)、内容が「擬似連変動(1回)→2回開放チャンス目停止(突確・小当り)」の変動パターンが設定されている。
なお、本実施形態では、変動保留数の値に関わらずランダムに変動パターンが決定されるように変動パターン決定テーブルが設定されているが、例えば、変動保留数の値が大きくなるに連れて特図変動時間の短い変動パターンに決定し易くなるように変動パターン決定テーブルを設定してもよい。
図19に戻り、次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始する(ステップS334)。例えば、ステップS35の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS35の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみに基づいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS334において、CPU56は、第1特別図柄又は第2特別図柄の何れの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、CPU56は、ステップS333の変動パターンの判定結果に応じて、特図変動時間を変動時間タイマに設定する(ステップS335)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS336)。例えば、特別図柄ポインタ値が1である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタ値が2である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行う。なお、コマンドの送信は、具体的には、ステップS336における設定に従って、CPU56によって演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)が実行されることによってなされる。
ステップS336の処理を実行することによって、CPU56は、同一のタイマ割込内で変動開始コマンド及び変動パターン指定コマンドを送信する。そして、CPU56は、変動開始コマンド及び変動パターン指定コマンドを送信した後に、表示結果コマンド及び保留記憶数通知コマンドの順に、2msec毎(又は4msec毎でもよい)に送信する。そのようにすれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、少なくとも演出表示装置9における液晶表示に関するコマンドを確実に受信することができる。
また、本実施形態では、CPU56がステップS336の処理を行い、ステップS336の設定に従って演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)を実行することによって、少なくとも特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行させるか否かと可変表示パターン(変動パターン)とを特定可能なコマンドを送信するコマンド送信手段が実現される。なお、コマンド送信手段は、本実施形態に示すように、変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドと表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを別々のコマンドとして送信するようにしてもよいし、1つのコマンド(例えば、変動パターンと表示結果との両方を特定可能な変動パターンコマンド)のみを送信するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS337)。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への遊技球の入賞時に、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、及び変動パターン判定用の乱数値MR4の全てを抽出して第1保留記憶バッファ又は第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納するようにする場合を示したが、変動パターン種別判定用の乱数値MR3及び変動パターン判定用の乱数値MR4を、始動入賞時ではなく第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始時に乱数値MR3,MR4を抽出するようにする場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理において、第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aのオンを検出したときに(ステップS211,S221参照)、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、及びリーチ判定用の乱数値MR2−2のみを抽出して第1保留記憶バッファ又は第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する(ステップS215,S225参照)。また、CPU56は、変動パターン設定処理のステップS331において、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、変動パターン設定処理のステップS333において、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動パターン判定用の乱数値MR4を抽出し、抽出した変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて変動パターンを決定する。
例えば、変動パターン種別判定用の乱数値MR3及び変動パターン判定用の乱数値MR4を含む全ての乱数値を、始動入賞時に抽出して第1保留記憶バッファ又は第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納するようにすると、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに偶然同時に遊技球が入賞したような場合には、第1保留記憶バッファの保存領域と第2保留記憶バッファの保存領域とに同じ乱数値が格納されてしまう可能性がある。そうすると、その後に実行される第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、ともに同じ変動パターンに従って変動表示が実行される事態が生じてしまう。これに対して、上記に示したように、変動パターン種別判定用の乱数値MR3及び変動パターン判定用の乱数値MR4を変動開始時に抽出するようにすれば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに偶然同時に遊技球が入賞したような場合であっても、その後に実行される第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで変動パターンを異ならせることができる。
また、本実施形態では、リーチ判定用の乱数値MR2−2や、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を、例えば、リフレッシュレジスタを用いてランダムに更新することができる。そのようにすることによって、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に用いる変動パターンをよりランダムに決定するようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図21は特別図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS302で実行される特別図柄変動処理において、CPU56は、図21に示すように、まず、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352;N)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352;Y)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図22は特別図柄変動停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS303で実行される特別図柄変動停止処理において、CPU56は、図22に示すように、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS1301)。例えば、CPU56は、ステップS35の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う。また、CPU56は、演出表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンド(8F00(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1302)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS1303;Y)、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1304)。そして、CPU56は、当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305)。
次いで、CPU56は、大当りフラグをリセットする(ステップS1306)とともに、セットされていれば、確変フラグや時短フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS1307)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1308)。
ステップS1303で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1309)。セットされていなければ、そのままステップS1313に移行する。セットされていれば、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS1310)とともに、時短回数カウンタの減算後の値が0であるか否かを確認する(ステップS1311)。なお、時短回数カウンタとは、時短状態に移行してからの特別図柄及び飾り図柄の変動表示の実行回数をカウントするためのカウンタである。
時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、そのままステップS1313に移行する。時短回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS1312)。すなわち、大当り終了後に時短状態に移行した後に、特別図柄及び飾り図柄の変動表示を所定回数(例えば、100回)終了した場合であるので、時短フラグをリセットし、通常状態に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1313)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS1313;Y)、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(小当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1314)。そして、CPU56は、当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1315)。
次いで、CPU56は、小当りフラグをリセットする(ステップS1316)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する(ステップS1317)。
ステップS1313で小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS1318)。
図23は大当り終了処理を示すフローチャートである。
ステップS307で実行される大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS461)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS462)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS462;N)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0であれば(ステップS462;Y)、CPU56は、ステップS1516で決定した大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS463)。次いで、CPU56は、読み出した大当り種別バッファ値が「通常大当り」の大当り種別に対応した「00」又は「01」であるか否かを判定する(ステップS464)。この場合、CPU56は、大当り種別バッファ値が「00」又は「01」であれば(ステップS464;Y)、時短状態への制御を開始するために、時短フラグをセットする(ステップS465)とともに、時短回数カウンタに所定値(例えば、「100」)をセットする(ステップS466)。そして、ステップS470に移行する。
ステップS464で大当り種別バッファ値が「00」及び「01」以外である場合には(ステップS313;N)、確変状態への制御を開始するために、確変フラグをセットする(ステップS467)とともに、時短フラグをセットする(ステップS468)。また、時短回数カウンタに所定値(例えば、「100」)をセットする(ステップS469)。そして、ステップS470に移行する。なお、ステップS469で時短回数カウンタに所定値をセットせずに、次の大当りが発生するまで時短状態を継続するようにしてもよい。
そして、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS470)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図24は演出制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。図24に示すメイン処理では、演出制御用CPU101は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、33ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行し(ステップS702)、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。次に、演出制御用CPU101は、後述する図33に示す遊技履歴関連処理を実行する(ステップS707)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS702の処理に戻す。
図25はコマンド解析処理の流れを示すフローチャートである。
図26は図25の続きのフローチャートである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。図25及び図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:81XX(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1614)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1615)。
受信した演出制御コマンドが、表示結果指定の演出制御コマンド(表示結果コマンド:8CXX(H))であれば(ステップS1616)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける表示結果コマンド格納領域に格納し(ステップS1617)、表示結果受信フラグをセットする(ステップS1618)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A0XX(H))であれば(ステップS1619)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1620)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1621)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:A3XX(H))であれば(ステップS1622)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1623)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1624)。
また、受信した演出制御コマンドが、高確率状態背景指定コマンド(コマンド9501(H))であれば(ステップS1625)、演出制御用CPU101は、確変状態であることを報知していない確変状態時(潜伏確変状態時)であること(潜伏確変中であること)を示す潜伏確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1626)。潜伏確変フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に背景色として赤色の背景を表示する制御を行う(ステップS1627)。潜伏確変フラグがセットされていれば、ステップS1629に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、通常状態背景指定コマンド(コマンド9500(H))であれば(ステップS1628)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に背景色として緑色の背景を表示する制御を行う(ステップS1629)。また、ステップS1625で潜伏確変フラグがセットされていた場合にも、演出制御用CPU101は、ステップS1629に移行して演出表示装置9に背景色として緑色の背景を表示する制御を行う。
ステップS1625〜S1629の処理が実行されることによって、確変大当りと決定された後に大当りが実行された後であって確変となることが既に報知されている場合には、演出表示装置9において赤色の背景が表示され、確変状態であることを認識可能な状態で飾り図柄の変動表示等の演出が行われる。また、通常大当りと決定された後に大当りが実行された後や、確変大当りと決定された後に大当りが実行された後であっても潜伏確変中である場合には、演出表示装置9において緑色の背景が表示され、確変状態であるか否かが認識不能な状態で飾り図柄の変動表示等の演出が行われる。なお、この確変状態であるか否かが認識不能な演出は、飾り図柄の変動表示中も継続される。また、本実施形態では、確変大当りと決定された場合であっても直ちに確変大当りであることが報知されず確変昇格演出が実行される場合もあるので、確変大当りと決定された後に大当りが実行された後であっても確変昇格演出において確変への昇格操作に失敗し確変となることが報知されていない場合にも、ステップS1629に移行して確変状態であるか否かが認識不能な状態で飾り図柄の変動表示等の演出が行われる。
なお、通常状態背景指定コマンドを受信した場合には、遊技状態が通常状態であることを示す背景色(例えば、青色)で演出表示装置9に背景を表示するようにしてもよい。そして、この場合に、潜伏確変中である場合や、確変大当りと決定されている場合であっても確変昇格演出において確変への昇格操作に失敗し確変となることが報知されていない場合には、遊技状態が通常状態である場合と同様の背景色(例えば、青色)で演出表示装置9に背景を表示するようにしてもよい。そのようにしても、通常大当りと決定されている場合や、確変大当りと決定されている場合であっても、潜伏確変中である場合や、確変昇格演出において確変への昇格操作に失敗し確変となることが報知されていない場合には、確変状態であるか否かが認識不能な状態で飾り図柄の変動表示等の演出を行うことができる。
また、例えば、遊技状態が時短状態である場合に時短状態背景指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出表示装置9は、時短状態背景指定コマンドを受信した場合に、さらに異なる背景色(例えば、黄色)で演出表示装置9に背景を表示するようにしてもよい。また、確変となることが既に報知されている場合に常に赤色の背景を表示するのではなく、高確率状態のみに移行されている場合と、高確率状態に移行されるとともに時短状態にも移行されている場合とで、異なる背景色の背景を演出表示装置9に表示するようにしてもよい。なお、この場合、遊技球が始動入賞し易い高ベース状態である場合には時短状態の場合と同じ背景色(例えば、黄色)を表示するようにし、遊技球が始動入賞しにくい低ベース状態である場合には通常状態の場合と同じ背景色(例えば、青色)を表示するようにしてもよい。
また、受信した演出制御コマンドが、第1変動開始指定コマンド(コマンド8001(H))であれば(ステップS1630)、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を開始することを示す第1変動開始フラグをセットする(ステップS1631)。
また、受信した演出制御コマンドが、第2変動開始指定コマンド(コマンド8002(H))であれば(ステップS1632)、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を開始することを示す第2変動開始フラグをセットする(ステップS1633)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄停止指定コマンド(コマンド8F00(H))であれば(ステップS1634)、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止指定コマンドを受信したことを示す飾り図柄停止指定受信フラグをセットする(ステップS1635)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1636)。
図27は演出制御プロセス処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS706で実行される演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、図27に示すように、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちの何れかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドの何れを受信したかを確認する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる第1変動開始コマンド受信フラグや、第2変動開始コマンド受信フラグ、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドの何れかと変動パターンコマンドとを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)又は変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドに基づいてラウンド数の表示制御等を行う。また、確変昇格演出を実行することに決定されている場合には、確変昇格演出を実行する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドに基づいてインターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28はプロセステーブルの構成の一例を示す説明図である。
本実施形態のプロセステーブルは、図28に示すように、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図28に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図29は飾り図柄変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
図30は図29の続きのフローチャートである。
ステップS801で実行される飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、図29に示すように、表示結果コマンド格納領域から表示結果コマンド、又は表示結果コマンドを示すデータを読み出す(ステップS820)。そして、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS821)。可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS821;Y)、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンド、又は変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS822)。そして、演出制御用CPU101は、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS823)。
非リーチ変動パターンであると判定した場合には(ステップS823;Y)、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであるか否かを判定する(ステップS824)。
「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定した場合には(ステップS824;Y)、演出制御用CPU101は、発展チャンス目の何れかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS825)。そして、ステップS838Aに移行する。
「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンではないと判定した場合には(ステップS824;N)、演出制御用CPU101は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する非リーチ図柄決定処理を実行する(ステップS826)。そして、ステップS838Aに移行する。
非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS823;N)、演出制御用CPU101は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定するリーチ図柄決定処理を実行する(ステップS827)。そして、ステップS838Aに移行する。
可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS821;N)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「小当り」であること、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確大当り」であることのうち、何れか一方であるか、又は、それら以外であるかを判定する(ステップS828)。可変表示結果が「小当り」である場合、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確大当り」である場合には(ステップS828;Y)、演出制御用CPU101は、突確チャンス目の何れかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS831)。そして、ステップS838Aに移行する。
可変表示結果が「小当り」ではなく、大当り種別が「突確大当り」でもない場合には(ステップS828;N)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「第1通常大当り」と「第2通常大当り」のうち、何れか一方であるか、又は、それら以外であるかを判定する(ステップS832)。大当り種別が「第1通常大当り」である場合、もしくは、大当り種別が「第2通常大当り」である場合には(ステップS832;Y)、演出制御用CPU101は、第1通常大当りや第2通常大当りにおける大当り図柄を決定するための第1最終停止図柄決定テーブルを用いて最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS833)。この場合、演出制御用CPU101は、第1最終停止図柄決定テーブルを参照することにより、非確変図柄である偶数図柄となる左中右最終停止図柄の組合せを、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS838Aに移行する。
大当り種別が「第1通常大当り」でも「第2通常大当り」でもない場合には(ステップS832;N)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「第3確変大当り」又は「第4確変大当り」であるか否かを判定する(ステップS834)。大当り種別が「第3確変大当り」又は「第4確変大当り」である場合には(ステップS834;Y)、演出制御用CPU101は、第3確変大当りや第4確変大当りにおける大当り図柄を決定するための第2最終停止図柄決定テーブルを用いて最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS835)。この場合、演出制御用CPU101は、第2最終停止図柄決定テーブルを参照することにより、非確変図柄である偶数図柄となる左中右最終停止図柄の組合せ、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS838Aに移行する。
大当り種別が「第3確変大当り」及び「第4確変大当り」でもない場合には(ステップS834;N)、演出制御用CPU101は、大当り種別が「第1確変大当り」と「第2確変大当り」の何れかであることに対応して、第1確変大当りや第2確変大当りにおける大当り図柄を決定するための第3最終停止図柄決定テーブルを用いて最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS836)。この場合、演出制御用CPU101は、第3最終停止図柄決定テーブルを参照することにより、確変図柄である奇数図柄又は非確変図柄である偶数図柄の何れかとなる左中右最終停止図柄の組合せを、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS838Aに移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、図30に示すように、予告演出設定処理を実行し(ステップS838A)、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS839)。なお、本実施形態の予告演出設定処理では、例えば、後述する図38に示す操作要求演出の実行の有無等が設定される。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS840)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ27L,27R)の制御を実行する(ステップS841)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27L,27Rからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS842)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS843)。
図31は飾り図柄変動中処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS802で実行される飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、図31に示すように、飾り図柄停止指定受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1831)。なお、飾り図柄停止指定受信フラグは、コマンド解析処理において、飾り図柄停止指定コマンドを受信したことに基づいてセットされる(ステップS1635参照)。飾り図柄停止指定受信フラグがセットされていれば、ステップS1839に移行する。セットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS1832)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、ステップS1839に移行する。そして、ステップS1839では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する。
なお、本実施形態では、飾り図柄停止指定コマンドを受信したか否かを判断するとともに(ステップS1831参照)、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断して(ステップS1832参照)、飾り図柄変動停止処理に移行する場合を示すが、飾り図柄停止指定コマンドを受信したか否かのみを判断して飾り図柄変動停止処理に移行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS1831で飾り図柄停止指定受信フラグがセットされていなければ、ステップS1832を実行することなく、そのままステップS1833に移行するようにすればよい。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS1833)、変動時間タイマを1減算する(ステップS1834)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27L,27R)の制御を実行する(ステップS1835)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1836)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1837)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1838)。
図32は飾り図柄変動停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS803で実行される飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、図32に示すように、まず、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS871)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS877に移行する。本実施形態では、後述するように、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄又は小当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS870で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S873の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄又は小当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。そして、ステップS872で大当り図柄又は小当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873;N)には、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止指定受信フラグ等をリセットし(ステップS874)、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS875)。
ステップS872で大当り図柄又は小当り図柄を表示する場合には(ステップS873;Y)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS877)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS877;Y)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS879)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS880A)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS882)。
図33は演出制御用マイクロコンピュータが実行する遊技履歴関連処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS707で実行される遊技履歴関連処理において、演出制御用CPU101は、図33に示すように、後述する図34で示すステップS1110〜ステップS1118の処理を実行する(ステップS1101)。そして、演出制御用CPU101は、後述する図37に示す履歴更新処理を実行し(ステップS1102)、後述する図38に示す途中遊技履歴表示処理を実行し(ステップS1103)、処理を終了する。
図34は遊技システムにおけるミッションの達成に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図34に示す処理のうち、パチンコ遊技機1で行なわれるステップS1110〜ステップS1118の処理は、図33のステップS1101で実行される処理である。すなわち、このステップS1110〜ステップS1118の処理は、パチンコ遊技機1の演出制御基板80でタイマ割込が掛かる毎に実行される。
パチンコ遊技機1において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、ステップS1110で、後述する図35で説明するミッション達成判定処理を実行する。
図35は演出制御用マイクロコンピュータが実行するミッション達成判定処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、図35に示すように、まず、クリアしたミッション等の遊技履歴を取得するモードであることを示す履歴取得フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS1121)。
履歴取得フラグがオフ状態であると判断した場合(ステップS1121;N)、演出制御用CPU101は、遊技履歴の取得を開始する履歴取得開始操作が遊技者から受付けられたか否かを判断する(ステップS1143)。
履歴取得開始操作があったと判断した場合(ステップS1143;Y)、演出制御用CPU101は、履歴取得フラグをオン状態にする(ステップS1144)。
履歴取得開始操作がないと判断した場合(ステップS1143;N)、又は、ステップS1144の後、演出制御用CPU101は、実行する処理を、この処理の呼出元の図34のステップS1110に戻す。
履歴取得フラグがオン状態であると判断した場合(ステップS1121;Y)、演出制御用CPU101は、ステップS1122以降の処理を実行する。これにより、履歴取得開始操作が行なわれている場合のみ、ステップS1122以降の処理が実行されることとなる。ステップS1122からステップS1136の処理は、ミッション毎に実行される。
図36は、ミッションの内容の一例を示す表である。
図36に示すように、本実施形態におけるミッションの一例には、ミッション番号が第1番から第10番のミッションが含まれる。
第1番のミッションは、ミッション内容が「遊技機のガイダンスを見た」であり、達成条件が「ガイダンス閲覧をした」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「閲覧後の変動開始時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。なお、第1番のミッションにおける遊技機のガイダンスとは、例えば、デモ画面表示中に操作ボタン120を操作することで表示可能なメニュー画面で表示されるパチンコ遊技機1の説明(例えば、遊技の進め方の説明)をする画像である。なお、ガイダンスの内容については一般的なパチンコ遊技機の遊技の進め方の説明のみに限定されず、例えば、一般的なパチンコ遊技機の遊技の進め方の説明を初級編とし、予告や演出の期待度に関する法則性等の説明を中級編とし、パチンコ遊技機1固有の隠し要素(例えば、示唆演出(例えば、操作手順を示唆する演出や操作ボタン120を発光させる演出等)で示唆しない操作ボタン120を操作することで実行される演出の実行タイミング等)の説明を上級編とする複数種類のガイダンスがあってもよい。
第2番のミッションは、ミッション内容が「1回の遊技で総回転数が500回転を突破」であり、達成条件が「履歴取得開始操作後500回転目の変動が行なわれた」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「変動開始時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第3番のミッションは、ミッション内容が「2回連続リーチ」であり、達成条件が「リーチ変動が2回連続で行なわれた」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「2回目の右図柄停止時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第4番のミッションは、ミッション内容が「2回連続スーパーリーチ」であり、達成条件が「スーパーリーチ変動が2回連続で行なわれた」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「2回目のリーチで発展したとき」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第5番のミッションは、ミッション内容が「履歴取得開始後50回転以内で大当り」であり、達成条件が「履歴取得開始操作後50回転以内で大当りが発生した」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「大当り終了演出時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「大当り終了演出時」である。
第6番のミッションは、ミッション内容が「所定の予告演出を見た」であり、達成条件が「予告演出が実行されたとき」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「予告演出の開始時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第7番のミッションは、ミッション内容が「スーパーリーチAを見た」であり、達成条件が「スーパーリーチAが実行されたとき」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「スーパーリーチAの実行時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第8番のミッションは、ミッション内容が「復活演出を見た」であり、達成条件が「復活演出が実行されたとき」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「復活演出の開始時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「変動終了時」である。
第9番のミッションは、ミッション内容が「所定の演出で大当り」であり、達成条件が「所定の演出で大当りが発生した」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「大当り終了演出時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「大当り終了演出時」である。
なお、第6番のミッションにおける所定の予告演出や第9番のミッションにおける所定の演出とは、例えば、大当り確定となるキャラクタや背景等が表示されるプレミア予告や、大当りの期待度が高く選択される割合(選択率、出現率)が低い特殊表示の保留変化や、スーパーリーチへ発展する演出のうち特別なもの(特別スーパーリーチ発展演出)等の遊技者にとって出現率が低い(レア性が高い)と感じる内容の予告演出や特別演出であればよい。
第10番のミッションは、ミッション内容が「1回の遊技で大当りが3回を突破」であり、達成条件が「履歴取得開始操作後3回転目の大当り状態に制御された」との条件であり、仮フラグをオン状態にするタイミングが「大当り終了演出時」であり、ミッションクリアの表示タイミングが「大当り終了演出時」である。なお、本実施形態では、第10番のミッションを「1回の遊技で大当りが3回を突破」としたが、大当りに関するミッションについてはこれに限定されず、例えば、「1回の遊技で有利状態(例えば、時短状態、確変状態)における大当りの連続回数(連荘数)が3回を突破」としてもよい。また、例えば、「1回の遊技で大当りが5回を突破し、且つ、有利状態における連荘数が3回を突破」としてもよい。
なお、ミッション番号が第1番〜第4番、第6番、第7番のミッションのように、ミッション達成の表示タイミングが変動終了時であるミッションについては、表示タイミングは、飾り図柄の変動表示で再変動が行なわれない場合は、原則通り「変動終了時」とするが、再変動が行なわれる場合は、例外的に「仮停止の時」とする。
ただし、ミッション番号が第8番の「復活演出を見た」のミッションのように、再変動時の演出等に関するミッションについては、再変動が行なわれる場合であるが、仮停止時に「復活演出を見た」とのミッションを達成した旨の表示が行なわれると、復活演出が実行されることが遊技者に察知されてしまうため、表示タイミングは、原則通り「変動終了時」とする。
なお、本実施形態では、ミッション達成報知の表示タイミングは、「変動終了時」や「仮停止の時」や「大当り終了演出時」としたが、表示タイミングはこれに限定されず、例えば、「ミッション達成判定時(ミッション達成時)」としてもよい。
図35に戻って、演出制御用CPU101は、まず、図36で示すミッションのうち第1番のミッションについて以下の処理を実行するように設定する(ステップS1122)。
また、演出制御用CPU101は、当該ミッションが、高信頼度の大当り等の予告演出が実行されたとの達成条件のようなミッションであるか否かを判断する(ステップS1123)。例えば、図36の第6番〜第9番のミッションであるか否かが判断される。
高信頼度の大当り等の予告演出が実行されたとの達成条件のようなミッションであると判断した場合(ステップS1123;Y)、演出制御用CPU101は、当該ミッションが誤判別を制限可能なミッションであるか否かを判断する(ステップS1124)。
誤判別を制限可能なミッションとは、ミッションの達成条件の成否の判断基準が2つ以上あるようなミッションである。例えば、変動パターン指定コマンドで所定の演出で大当りとなる変動パターンが指定されているか否かが達成条件の成否の判断基準となっている図36の第9番のミッションの場合、表示結果コマンドで大当りが指定されているか否か、及び、当り開始指定コマンドで大当りが指定されているか否かが、他の判断基準として考えられる。
誤判別を制限可能なミッションであると判断した場合(ステップS1124;Y)、演出制御用CPU101は、当該ミッションが、両コマンドの不整合で判別可能なミッションであるか否かを判断する(ステップS1125)。なお、両コマンドの不整合で制限可能なミッションとは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100への2種類のコマンドの不整合で、ミッションの達成条件の成否の誤判別を制限可能なミッションである。例えば、図36の第9番のミッションは、変動パターン指定コマンド及び表示結果コマンド(又は当り開始指定コマンド)の不整合で、ミッションの達成条件の成否の誤判別を制限可能なミッションである。
両コマンドの不整合で判別可能なミッションであると判断した場合(ステップS1125;Y)、演出制御用CPU101は、両コマンドを、受信すべきタイミングで受信したか否かを判断する(ステップS1126)。
両コマンドを受信すべきタイミングで受信したと判断した場合(ステップS1126;Y)、ステップS1127で、演出制御用CPU101は、両コマンドの内容が不整合であるか否かを判断する。
両コマンドを受信すべきタイミングで受信していないと判断した場合(ステップS1126;N)、又は、両コマンドの内容が不整合であると判断した場合(ステップS1127;Y)、演出制御用CPU101は、コマンドに基づく当該ミッションの内容の実行を禁止し(ステップS1128)、ステップS1135に進む。例えば、図36の第7番の「スーパーリーチAを見た」のミッションの場合、変動パターンのプロセステーブルをスーパーリーチAに対応したものから別のスーパーリーチBに対応したものに変更するようにする。これにより、結果的に当該ミッションの内容であるスーパーリーチAの演出の実行が禁止される。
両コマンドの内容が不整合でないと判断した場合(ステップS1127;N)、演出制御用CPU101は、コマンドがミッションの達成条件を満たす内容のコマンドであるか否かを判断する(ステップS1131)。
ミッションの達成条件を満たす内容のコマンドであると判断した場合(ステップS1131;Y)、演出制御用CPU101は、当該ミッションの達成条件を満たした旨の仮フラグをオン状態にする(ステップS1132)。
ミッションの達成条件を満たす内容のコマンドでないと判断した場合(ステップS1131;N)、又は、ステップS1132の処理の実行後、演出制御用CPU101は、ステップS1135の処理に進む。
一方、高信頼度の大当り等の予告演出が実行されたとの達成条件のようなミッションでないと判断した場合(ステップS1123;N)、誤判別を制限可能なミッションでないと判断した場合(ステップS1124;N)、又は、両コマンドの不整合で判別可能なミッションでないと判断した場合(ステップS1125;N)、演出制御用CPU101は、ステップS1133の処理に進む。
また、演出制御用CPU101は、当該ミッションの達成条件を満たすか否かを判断する(ステップS1133)。達成条件を満たすと判断した場合(ステップS1133;Y)、演出制御用CPU101は、当該ミッションの達成条件を満たした旨の仮フラグをオン状態にする(ステップS1134)。
当該ミッションの達成条件を満たさないと判断した場合(ステップS1133;N)、又は、ステップS1134の処理の実行後、演出制御用CPU101は、ステップS1135の処理に進む。
また、演出制御用CPU101は、次の判別対象のミッションがあるか否かを判断する(ステップS1135)。例えば、図36に示すように判別対象のミッションが9つある場合、8つ目までについてステップS1123〜ステップS1134の処理を実行した場合は、次の判別対象の第10番のミッションがあると判断され、10個目までについてステップS1123〜ステップS1134の処理を実行した場合は、次の判別対象のミッションがないと判断される。
次の判別対象のミッションがあると判断した場合(ステップS1135;Y)、演出制御用CPU101は、図36で示すようなミッションのうち次のミッションについて以下の処理を実行するよう設定する(ステップS1136)。以降、次のミッションに対して、ステップS1123〜ステップS1134の処理を実行する。
次の判別対象のミッションがないと判断した場合(ステップS1135;N)、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドを正常に受信し、変動に関する他のコマンド(例えば、表示結果コマンド、飾り図柄停止指定コマンド)も正常に受信したか否かを判断する(ステップS1141)。
何れのコマンドも正常に受信したと判断した場合(ステップS1141;Y)、演出制御用CPU101は、履歴取得開始後の回転数を1加算する(ステップS1142)。この回転数は、例えば、図36に示す第2番及び第5番のミッションの判定で用いられる。その後、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
何れかのコマンドが正常に受信されていないと判断した場合(ステップS1141;N)、演出制御用CPU101は、回転数を1加算せずに、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図34に戻り、演出制御用CPU101は、仮フラグがオン状態のミッションの報知タイミングであるか否かを判断する(ステップS1111)。報知タイミングでないと判断した場合(ステップS1111;N)、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS1114以降の処理に進める。
一方、仮フラグがオン状態のミッションの報知タイミングであると判断した場合(ステップS1111;Y)、演出制御用CPU101は、ミッション達成が誤判別であるか否かを判断する(ステップS1112)。例えば、図36に示す第9番の「所定の演出で大当り」のミッションを達成したと判断したが、その後に、大当りの当り開始指定コマンドが送信されてこない場合に、ミッション達成が誤判別であったと判断される。
ミッション達成が誤判別であったと判断した場合(ステップS1112;Y)、演出制御用CPU101は、当該ミッションを達成した旨の仮フラグをオフ状態に変更する(ステップS1115)。一方、ミッション達成が誤判別でないと判断した場合(ステップS1112;N)、演出制御用CPU101は、当該ミッションの達成を報知し(ステップS1113)、当該ミッションを達成した旨の本フラグをオン状態にする(ステップS1114)。これにより、仮フラグがオン状態のミッションの報知タイミングに、ミッション達成が誤判別でなければ、当該ミッションの達成が報知され、その旨の本フラグがオン状態とされる。
誤判別であったと判断して仮フラグをオフ状態に変更後、又は、誤判別でないと判断して本フラグをオン状態にした後、演出制御用CPU101は、2次元コードの出力指示の入力が遊技者から受付けられたか否かを判断する(ステップS1116)。出力指示が受付けられていないと判断した場合(ステップS1116;N)、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS1118以降の処理、つまり、図33のステップS1101以降の処理に進む。
一方、2次元コードの出力指示の入力が受付けられたと判断した場合(ステップS1116;Y)、演出制御用CPU101は、本フラグがオン状態であるミッションを特定可能な2次元コードを作成し(ステップS1117)、作成した2次元コードを演出表示装置9に表示させる(ステップS1118)。なお、この2次元コードでは、管理サーバ300の遊技者の遊技履歴を管理するサイトのURLも特定可能とされる。また、2次元コード表示後、演出制御用CPU101は、履歴取得フラグをオフにし、更新された履歴変動回数、履歴大当り回数及び履歴リーチ回数をクリアする。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS1118以降の処理、つまり、図33のステップS1101以降の処理に進む。
遊技者は、所持する携帯端末200の2次元コード読み取機能を用いて、パチンコ遊技機1の演出表示装置9に表示された2次元コードを読み取る。
携帯端末200の制御部210は、撮影指示が入力されたか否かを判断する(ステップS2111)。なお、2次元コードが認識されると自動的に撮影指示が入力されたと判断するようにしてもよい。撮影指示が入力されたと判断した場合(ステップS2111;Y)、で、制御部210は、撮影された2次元コードで示されるURLに、携帯端末200の記憶部220に予め記憶されている当該携帯端末200の端末ID及び2次元コードで示される達成ミッションを特定可能な情報を送信するよう無線通信部260を制御する(ステップS2112)。
管理サーバ300においては、管理サーバ300の制御部310は、当該管理サーバの遊技履歴を管理するサイトのURLにアクセスがあって、携帯端末200から達成ミッション及び端末ID等を受信したか否かを判断する(ステップS3111)。受信したと判断した場合(ステップS3111;Y)、制御部310は、受信した端末IDに対応付けて達成ミッションを特定可能に、記憶部320に記憶させる(ステップS3112)。
これにより、パチンコ遊技機1から出力された2次元コードで示される達成ミッションが遊技者ごとに管理される。
次に、携帯端末200の制御部210は、達成ミッションの閲覧をする指示の入力が遊技者から受付けられたか否かを判断する(ステップS2113)。閲覧指示の入力が受付けられたと判断した場合(ステップS2113;Y)、制御部210は、端末IDを含む達成ミッションの閲覧要求を、管理サーバ300に送信する(ステップS2114)。具体的には、管理サーバ300の達成ミッションの閲覧サイトのURLにアクセスされて、端末IDが管理サーバ300に送信される。
管理サーバ300では、管理サーバ300の制御部310は、閲覧要求を受信したか否かを判断する(ステップS3113)。閲覧要求を受信したと判断した場合(ステップS3113;Y)、制御部310は、受信した端末IDに対応して記憶部320に記憶されている達成ミッションのリストを閲覧可能なウェブページを、携帯端末200に送信する(ステップS3114)。
携帯端末200では、制御部210は、管理サーバ300から達成ミッションリストのウェブページを受信したか否かを判断する(ステップS2115)。受信したと判断した場合(ステップS2115;Y)、制御部210は、達成ミッションリストを表示部240に表示するよう制御する(ステップS2116)。
図37は履歴更新処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1102で実行される履歴更新処理において、演出制御用CPU101は、図37に示すように、履歴更新フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS1151)。演出制御用CPU101は、履歴更新フラグがオフである場合(ステップS1151;N)、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1102の処理に戻り、履歴更新フラグがオンである場合(ステップS1151;Y)、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理に対応した値になったか否かを判断することにより、飾り図柄の変動が開始されたか否かを判断する(ステップS1152)。なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を参照して飾り図柄の変動が開始されたか否かを判断したが、飾り図柄の変動が開始の判断方法についてはこれに限定されず、例えば、図7(A)に示す変動パターン指定コマンドや表示結果コマンドや飾り図柄停止指定コマンド等の演出制御コマンドの受信に基づいて判断してもよい。
飾り図柄の変動が開始された場合(ステップS1152;Y)、演出制御用CPU101は、RAM85に記憶された履歴変動回数を更新する(ステップS1153)。履歴変動回数更新後、又は、飾り図柄の変動が開始されない場合(ステップS1152;N)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理に対応した値になったか否かを判断することにより、大当り状態が開始されたか否かを判断する(ステップS1154)。なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を参照して大当り状態が開始されたか否かを判断したが、大当り状態の開始の判断方法についてはこれに限定されず、例えば、図7(A)に示す当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンド(ファンファーレコマンド)や飾り図柄停止指定コマンド等の演出制御コマンド(エンディングコマンド)の受信に基づいて判断してもよい。
大当り状態が開始された場合(ステップS1154;Y)、演出制御用CPU101は、RAM85に記憶された履歴大当り回数を更新する(ステップS1155)。履歴大当り回数更新後、又は、大当り状態が開始されない場合(ステップS1154;N)、演出制御用CPU101は、変動パターンがノーマルリーチ又はスーパーリーチを含むか否かを判断することにより、リーチが開始されたか否かを判断する(ステップS1156)。なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド等を参照してリーチが開始されたか否かを判断したが、リーチ開始の判断方法についてはこれに限定されず、例えば、リーチ演出のプロセスデータに基づいて判断してもよい。
リーチが開始された場合(ステップS1156;Y)、演出制御用CPU101は、RAM85に記憶された履歴リーチ回数を更新する(ステップS117)。履歴リーチ回数更新後、又は、リーチが開始されない場合(ステップS1156;N)、演出制御用CPU101は、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1102の処理に戻る。
図38は途中遊技履歴表示処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1103で実行される途中遊技履歴表示処理において、演出制御用CPU101は、図38に示すように、まず、後述する図39(A)に示す履歴表示操作報知画像が表示中であるか否かを判断する(ステップS1201)。演出制御用CPU101は、履歴表示操作報知画像が表示中でない場合(ステップS1201;N)、後述する図39(B)に示す途中遊技履歴画像が表示中であるか否かを判断する(ステップS1202)。途中遊技履歴画像が表示中である場合(ステップS1202;Y)、演出制御用CPU101は、後述する表示終了操作を検出したか否かを判断する(ステップS1203)。
一方、途中遊技履歴画像が表示中でない場合(ステップS1202;N)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理、飾り図柄変動中処理又は飾り図柄変動停止処理に対応した値になったか否かを判断することにより、飾り図柄が変動している状態に制御されているか否かを判断する(ステップS1204)。すなわち、演出制御用CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技が進行しているか否かを判断する。なお、本実施形態では、「遊技が進行しているとき」とは、2次元コードを表示等するための画面(メニュー画面)を表示できないときであり、例えば、飾り図柄の変動が停止するための停止時間や後述する図41に示す変動停止後の操作無効時間(例えば、変動停止後から2秒間)等も含まれる。
飾り図柄が変動している状態に制御されていない場合(ステップS1204;N)、演出制御用CPU101は、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻る。一方、飾り図柄が変動している状態に制御されている場合(ステップS1204;Y)、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理において設定されたプロセスデータを参照し(図30のステップS838参照)、飾り図柄の変動中において遊技を進行させるために操作ボタン120を押下する操作を要求する図示しない操作要求演出が実行されるか否かを判断する(ステップS1205)。
操作要求演出が実行される場合(ステップS1205;Y)、演出制御用CPU101は、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻る。一方、操作要求演出が実行されない場合(ステップS1205;N)、演出制御用CPU101は、後述する図39(A)に示す履歴表示操作報知画像の表示を開始する(ステップS1206)。
図39(A)は飾り図柄変動中に表示される履歴表示操作報知画像の一例を示す図である。
ここで、履歴表示操作報知画像とは、遊技が進行しているときに表示開始操作で途中遊技履歴が表示される旨を報知する画像である。なお、本実施形態では、表示開始操作及び表示終了操作として、操作ボタン120の回転操作(ジョグダイアル操作)が予め設定されている。このため、本実施形態の履歴表示操作報知画像は、図39(A)に示すように、演出表示装置9に表示される「ジョグダイアルを回すと途中の遊技履歴を確認できます」との文字列を含む画像である。なお、本実施形態の履歴表示操作報知画像は、図39(A)に示すように、演出表示装置9の下部に左右方向に延びて設けられており、上方の変動中の飾り図柄と重複しないように表示され、画像内の文字列が左方向にスクロール移動するように表示される。具体的には、途中遊技履歴画像の文字列は、表示開始時に演出表示装置9の右端下部から左端の「ジ」の文字が表示され、スクロール移動するに連れて左部、中央部、右部の順に表示されて右端の「す」の文字が表示されることにより全体表示される。また、途中遊技履歴画像の文字列は、右端の「す」の文字が表示された後も更にスクロール移動して左端の「ジ」の文字から再表示される(ループする)。
図38に戻り、履歴表示操作報知画像の表示開始後、又は、履歴表示操作報知画像が表示中である場合(ステップS1201;Y)、演出制御用CPU101は、回転検出信号が出力されたか否かを判断することにより、表示開始操作、すなわち、操作ボタン120の回転操作(ジョグダイアル操作)を検出したか否かを判断する(ステップS1207)。演出制御用CPU101は、表示開始操作を検出しなかった場合(ステップS1207;N)、飾り図柄が変動している状態が終了して演出表示装置9にデモ画面が表示されたか否かを判断する(ステップS1208)。なお、本実施形態では、デモ画面の表示中にのみメニュー画面を表示する操作が可能となるように制御されている。このため、本実施形態では、デモ画面が表示されたか否かを判断することにより、遊技が進行していないか否かを判断することが可能となっている。なお、本実施形態では、「遊技が進行していないとき」をデモ画面の表示中としたが、これに限定されず、メニュー画面を表示できるときであれば、例えば、飾り図柄が停止し、操作無効時間が経過してからデモ画面が表示されるまでの期間がある場合には、デモ画面が表示されるまでの期間も含まれるようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、デモ画面が表示されない場合(ステップS1208;N)、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻り、デモ画面が表示された場合(ステップS1208;Y)、履歴表示操作報知画像の表示を終了し(ステップS1209)、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻る。
一方、表示開始操作を検出した場合(ステップS1207;Y)、演出制御用CPU101は、履歴表示操作報知画像の表示を終了する(ステップS1210)。また、演出制御用CPU101は、後述する図39(B)に示す途中遊技履歴画像の表示を開始し(ステップS1211)、タイマを15秒間にセットする(ステップS1212)。
図39(B)は飾り図柄変動中に表示される途中遊技履歴画像の一例を示す図である。
ここで、途中遊技履歴画像とは、今回の遊技の途中でパチンコ遊技機1に記憶された遊技者の遊技履歴を示す画像である。本実施形態では、遊技履歴として、履歴取得開始操作が遊技者から受付けられてから演出制御用CPU101によってRAM85に記憶された履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数が設定されている。このため、本実施形態の途中遊技履歴画像は、図39(B)に示すように、演出表示装置9に表示される「[現在の遊技履歴]」、「変動:○○回」、「リーチ:□回」、「大当り:△回」、「ダイアルを回すと表示終了」の各文字列を含む画像である。なお、本実施形態の途中遊技履歴画像は、図39(B)に示すように、演出表示装置9の右側下部に設けられており、上方の変動中の飾り図柄と重複しないように表示される。また、本実施形態では、途中遊技履歴画像自体が演出表示装置9の右端下部から左方向にスライド移動して表示される。具体的には、途中遊技履歴画像は、表示開始時に演出表示装置9の右端下部から左端が表示され、スライド移動するに連れて左部、中央部、右部の順に表示され、右端まで表示されたときにスライド移動が停止して全体表示される。
なお、図38に示すように、本実施形態では、演出表示装置9に飾り図柄や履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を表示したが、演出表示装置9に表示される画像はこれに限定されず、例えば、飾り図柄の変動保留数を示す保留表示や時短状態に制御される残り回数や実行中のリーチや予告演出の期待度等を表示してもよい。リーチや予告演出の期待度を表示する場合、期待度は、例えば、設計上の数値(例えば、実行中のリーチ発生時の大当りの当選率の設定値)であってもよく、パチンコ遊技機1の稼働中における実績上の数値(例えば、実行中のリーチ発生時の大当りの当選率の実測値、3回実行中1回当選であれば「1/3」)であってもよい。
図38に戻り、タイマのセット後、又は、表示終了操作、すなわち、操作ボタン120の再度の回転操作(ジョグダイアル再操作)を検出しなかった場合(ステップS1203;N)、演出制御用CPU101は、タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS1213)。演出制御用CPU101は、タイマがタイムアップしていない場合(ステップS1213;N)、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻る。
一方、演出制御用CPU101は、タイマがタイムアップした場合(ステップS1213;Y)、又は、表示終了操作を検出した場合(ステップS1203;Y)、途中遊技履歴画像の表示を終了し(ステップS1214)、処理を終了して遊技履歴関連処理のステップS1103の処理に戻る。なお、本実施形態の途中遊技履歴画像は、表示終了時に右方向にスライド移動して、右部、中央部、左部の順に非表示となる。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の具体的な制御について説明する。
図40は操作ボタン操作によって履歴表示報知画像から途中遊技履歴画像に表示変更する一例を示す画面遷移図である。
図41は履歴表示報知画像及び途中遊技履歴画像の表示可能期間を説明するためのタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御用CPU101は、例えば、図40(A)及び図41に示すように、飾り図柄の変動中で遊技が進行していれば、履歴表示操作報知画像を表示する。また、演出制御用CPU101は、履歴表示操作報知画像を確認した遊技者による表示開始操作(ジョグダイアル操作)を検出すると、図40(B)及び図41に示すように、途中遊技履歴画像を表示する。
このとき、本実施形態では、演出制御用CPU101は、遊技者による表示終了操作(ジョグダイアル再操作)を検出しなければ、途中遊技履歴画像を15秒間表示する。このため、演出制御用CPU101は、例えば、図40(C)に示すように、途中遊技履歴画像の表示開始から15秒間が経過する前に飾り図柄の変動が停止して遊技が進行しなくなっても途中遊技履歴画像の表示を継続する。そして、演出制御用CPU101は、図40(D)に示すように、飾り図柄の変動停止後に途中遊技履歴画像の表示開始から15秒間が経過すると途中遊技履歴画像の表示を終了する。また、演出制御用CPU101は、例えば、図40(E)に示すように、飾り図柄の変動停止後に飾り図柄の変動が再開して再び遊技が進行しても途中遊技履歴画像の表示を継続し、表示開始から15秒間が経過すると途中遊技履歴画像の表示を終了する。
なお、演出制御用CPU101は、図41に示すように、飾り図柄の変動停止後にデモ画面を表示して遊技が進行していなければ、2次元コードを表示するためのメニュー画面を表示することが可能となっている。
また、演出制御用CPU101は、例えば、図40(D)及び図41に示すように、飾り図柄の変動停止後の操作無効時間やデモ画面を表示して遊技が進行していなければ、履歴表示操作報知画像が表示されず、図40(E)に示すように、遊技者による表示開始操作を検出しても途中遊技履歴画像の表示を規制する。
以上が、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の具体的な制御についての説明である。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU101は、RAM85に履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等の遊技履歴を記憶する。また、演出制御用CPU101は、飾り図柄が変動している状態に制御されているとき、すなわち、遊技が進行しているときに遊技者による表示開始操作を検出すると、途中遊技履歴画像を演出表示装置9に表示する。
このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技が進行しているときに途中遊技履歴画像を表示しないパチンコ遊技機よりも遊技者が遊技の進行を停止することなく遊技履歴を確認することができるので、パチンコ遊技機1の稼働の低下を低減できる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU101は、途中遊技履歴画像の表示を開始してから15秒後に表示を終了しており、15秒が経過するまでにリーチが発生したり、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されたりして更に遊技が進行したときにも途中遊技履歴画像の表示を継続することが可能となっている。
このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、途中遊技履歴画像の表示を開始してから更に遊技が進行したときに途中遊技履歴画像の表示を停止するパチンコ遊技機よりも遊技者が遊技履歴を容易に確認することができるので、パチンコ遊技機1の利便性が向上する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU101は、飾り図柄が変動している状態に制御されていないとき、すなわち、デモ画面表示中等の遊技が進行していないときに遊技者による表示開始操作を検出しても途中遊技履歴画像の表示が規制される。そして、演出制御用CPU101は、遊技が進行していないときに途中遊技履歴画像の表示が規制されているにも関わらず、途中遊技履歴画像の表示を開始してから15秒が経過するまでに飾り図柄の変動が停止したり、変動停止後にデモ画面が表示されたりして遊技が進行しなくなったときにも途中遊技履歴画像の表示を継続することが可能となっている。
このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、途中遊技履歴画像の表示を開始してから遊技の進行が停止したときに途中遊技履歴画像の表示を終了するパチンコ遊技機よりも遊技者が遊技履歴を容易に確認することができるので、パチンコ遊技機1の利便性が向上する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU101は、回転検出信号が出力されたか否かを判断することにより、操作ボタン120の回転操作(ジョグダイアル操作)、すなわち、表示開始操作を検出したか否かを判断することが可能となっている。また、演出制御用CPU101は、遊技が進行しているときに履歴表示操作報知画像を演出表示装置9に表示して表示開始操作によって途中遊技履歴画像が表示される旨を報知する。
このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技者が表示開始操作を行うことで途中遊技履歴画像が表示される旨を報知しないパチンコ遊技機よりも遊技者が不要な動作を行うことを低減できるので、パチンコ遊技機1の利便性が向上する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU101は、遊技を進行させるための操作(操作ボタン120を押下する操作)を要求する操作要求演出が実行されているときに履歴表示操作報知画像の表示を規制する。
このようにすることで、遊技者が操作要求演出と履歴表示操作報知画像とを混同して遊技を進行させるための操作が操作ボタン120を押下する操作であることを認識できなくなることを防止できる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、表示開始操作や表示終了操作として、操作要求演出によって遊技を進行させるために要求する操作(操作ボタン120を押下する操作)とは異なる操作ボタン120の回転操作(ジョグダイアル操作)が設定されている。すなわち、遊技の進行に不要な操作であるジョグダイアル操作が表示開始操作や表示終了操作として設定されている。
このようにすることで、遊技の進行に不要な操作であるジョグダイアル操作が行われたときにのみ途中遊技履歴画像の表示・非表示が行われるため、遊技者が意図しない遊技履歴の表示・非表示が行われることが防止できる。
なお、本実施形態では、表示開始操作や表示終了操作を遊技の進行に不要な操作であるジョグダイアル操作としたが、これに限定されず、その他の遊技の進行に不要な操作としてもよい。例えば、タッチパネルの接触操作・押圧操作、レバー型スイッチの傾動操作、十字ボタンの押圧操作、赤外線センサ等に検知させるための操作(例えば、手をかざす等の動作)、生体認証装置による生体認証操作等としてもよい。また、本実施形態のように、遊技の進行に不要な操作を表示開始操作や表示終了操作とすることが好ましいが、例えば、遊技の進行に必要な操作を表示開始操作や表示終了操作としてもよい。また、例えば、遊技の進行に必要な操作と遊技の進行に不要な操作とを組み合わせた操作を表示開始操作や表示終了操作としてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像は、変動中の飾り図柄と重複しないように飾り図柄の下方に表示される。
このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技者による飾り図柄の視認を妨げないようにすることができる。
なお、本実施形態では、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を変動中の飾り図柄と重複しないように表示して遊技者による飾り図柄の視認を妨げないようにしたが、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を飾り図柄の一部と重複する期間があってもよい。この場合、飾り図柄が変動中でなくても、少なくとも飾り図柄の確定表示時間に重複しないようにすることが好ましい。なお、例えば、変動中は停止図柄が確定していないので、一部重複する表示等で遊技者が停止図柄を誤認する可能性が低い態様であれば重複表示してもよい。また、例えば、一部重複する表示とした上で、飾り図柄が変動再開したときには重複しない位置に移動させて表示してもよい。
また、本実施形態では、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像が重複しないように表示する画像を変動中の飾り図柄としたが、例えば、飾り図柄の変動保留数を示す保留表示や時短状態に制御される残り回数や実行中のリーチや予告演出の期待度等が表示されている場合についても、これらの画像に重複しないようにこれらの画像の上方に表示したり、一部重複表示したりして遊技者の視認を妨げないようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を飾り図柄が表示される演出表示装置9に表示したが、これに限定されず、例えば、演出表示装置9をメイン液晶とし別途サブ液晶をメイン液晶の上方・左方・右方等に設けた場合に、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像をサブ液晶に表示してもよい。このようにすることで、本実施形態のパチンコ遊技機1と同様に、遊技者による飾り図柄の視認を妨げないようにすることができる。
図42は飾り図柄変動中に表示される途中遊技履歴画像の変更例1の一例を示す図である。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、途中遊技履歴画像に表示する遊技履歴として、履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等が設定されているが、これに限定されず、例えば、前回の当りから今回の当りまでの変動回数の履歴を設定してもよい。また、回数の履歴に限定されず、種類の履歴を設定してもよい。例えば、リーチの種類(スーパーリーチ等の期待度が高いリーチ)や当りの種類(通常の当り、確変状態での当り、時短状態での当り、各ラウンド数の当り等)の履歴を設定してもよい。また、例えば、途中遊技履歴画像に表示する遊技履歴としてミッション達成履歴、すなわち、達成ミッション(達成済ミッション)や今回の遊技において達成可能なミッション(未達成ミッション)等を設定してもよい。この場合、例えば、遊技が進行しているときに遊技者による表示開始操作を検出すれば、本実施形態の途中遊技履歴画像に替えて図42に示す変更例1の途中遊技履歴画像を演出表示装置9に表示してもよい。
ここで、変更例1の途中遊技履歴画像は、図42(A)に示す「[現在の遊技履歴]」の画像と、図42(B)に示す「[達成済ミッション]」の画像と、図42(C)に示す「[達成可能なミッション]」の画像とを含む画像である。図42(A)に示す「[現在の遊技履歴]」の画像には、例えば、「変動:○○回」、「大当り:△回」、「ミッション達成:○×/□△」の各文字列の画像と、ダイアルを反時計回りに回転させるアイコン及び「次の画面」の文字列の次画面ボタンの画像と、ダイアルを時計回りに回転させるアイコン及び「表示終了」の文字列の表示終了ボタンの画像とが含まれている。また、図42(B)に示す「[達成済ミッション]」の画像には、例えば、「ガイダンスを見た」、「2回連続リーチ」、「復活演出を見た」、「予告演出を見た」等の各文字列の画像と、次画面ボタン及び表示終了ボタンの各画像とが含まれている。また、図42(C)に示す「[達成可能なミッション]」の画像には、例えば、「変動数500回」、「2回連続スーパーリーチ」、「所定の演出で大当たり」等の各文字列と、次画面ボタン及び表示終了ボタンの各画像とが含まれている。
なお、図42に示す変更例1の途中遊技履歴画像を表示可能とするために、例えば、ミッション達成判定処理において、達成済みのミッションを判定するだけでなく、未達成のミッションから今回の遊技において達成可能なミッションを判定可能とする必要がある。
このようにすることで、達成可能な未達成ミッションを示唆しない遊技機よりも達成可能な未達成ミッションがあることを遊技者が認識し易くなり、遊技者に対して未達成ミッションを達成することに尽力させ易くすることができるので、遊技に対する遊技者の意欲を向上させることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、今回の遊技において達成可能なミッションを判定する場合、例えば、ミッション毎に達成難度を定義して達成容易なミッションから達成可能であると判定するようにしてもよい。具体的には、「変動数100回」、「変動数300回」、「変動数500回」のミッションがある場合において、最も達成容易な「変動数100回」から順番に達成可能であると判定してもよい。また、パチンコ遊技機1が導入から1ヶ月、3ヶ月、半年、1年等の期間が経過したときに解除されるミッションがある場合、解除されたミッションについては解除後の期間が長いものから順番に達成可能であると判定してもよい。さらに、導入時から解除されているミッションと、導入から所定期間経過後に解除されるミッションとがある場合には、導入から所定期間経過後に解除されるミッションを導入時から解除されているミッションよりも優先して達成可能であると判定して途中遊技履歴画像に表示してもよい。
なお、達成可能なミッション(導入時から解除されているミッション、導入から所定期間経過後に解除されるミッション)については、例えば、履歴取得操作として管理サーバ300から携帯端末200に送信されたパスワードを入力する場合において、入力するパスワードから特定可能としてもよい。この場合、パスワードから特定可能なミッションについては、パチンコ遊技機1が判定することに限定されず、管理サーバ300が判定するようにしてもよい。また、パチンコ遊技機1が判定するミッションとして、リアルタイムクロック(RTC)353の出力信号に基づいて演出制御用CPU101が達成可能か否かを判定するミッション(例えば、「稼働後100日経過までに大当り100回突破」等のカレンダー情報に基づくミッション)を設けてもよい。
なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、遊技者による表示終了操作(ジョグダイアル再操作)を検出しない限りにおいて途中遊技履歴画像を15秒間表示したが、例えば、変更例1の途中遊技履歴画像において、図42(A)〜図42(C)に示す各画像の表示中に表示を変更する表示変更操作(ジョグダイアルを反時計回りに回転させる操作)を検出したときに、変更後の画像の表示を延長してもよい。例えば、表示開始操作によって途中遊技履歴画像が表示されたときにタイマが15秒間セットされ、その後、表示変更操作を検出する度に5秒間リセットされるように構成して、変更後の画像が少なくとも5秒間表示されるようにしてもよい。
図43は飾り図柄変動中に表示される途中遊技履歴画像の変更例2の一例を示す図である。
なお、本願における「特定可能な態様で出力」とは、本実施形態の途中遊技履歴画像のように、文字列のような直接視認可能となる情報でもよいが、2次元コードのような携帯端末200で読み取ることで遊技者が認識可能となるものでもよい。この場合、例えば、遊技が進行しているときに遊技者による表示開始操作を検出すれば、本実施形態の途中遊技履歴画像に替えて図43に示す変更例2の途中遊技履歴画像を演出表示装置9に表示してもよい。
ここで、変更例2の途中遊技履歴画像は、図43に示すように、演出表示装置9に表示される「[現在の遊技履歴]」、「携帯電話で読み取ってください」、「ダイアルを回すと表示終了」の各文字列と、2次元コードとを含む画像である。なお、変更例2の2次元コードには、管理サーバ300に接続して遊技履歴を取得するためするための情報(遊技者個人の遊技履歴の情報を含むURL)が含まれるものとしたが、例えば、2次元コードに遊技履歴の情報自体を含めてもよい。この場合、管理サーバ300に接続しなくても2次元コードを携帯端末200で読み取ることで遊技履歴を取得して表示することができる。また、変更例2の2次元コードは、管理サーバ300から遊技履歴を取得するための情報が含まれるものとしたが、2次元コードに含む情報は遊技履歴を取得するための情報に限定されず、遊技履歴取得に不要な情報が含まれていてもよい。例えば、パチンコ遊技機1が前回の2次元コードを表示してから記憶したパチンコ遊技機1のエラー履歴情報(例えば、エラー種別及び種別毎の発生回数)、パチンコ遊技機1が前回の2次元コードを表示してから記憶したパチンコ遊技機1全体の遊技履歴(履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等)の遊技システム1の管理者側が運用状況を確認するために用いる情報であって、遊技者には表示されない情報が含まれていてもよい。この場合、管理者側が運用状況を確認するために用いる情報については、例えば、URL変換時に遊技者個人の遊技履歴の部分と異なる変換アルゴリズムを用いる等してURLを取得した遊技者等に容易に特定され難いようにすることが好ましい。
なお、本実施形態では、途中遊技履歴画像に表示する遊技履歴として、遊技者による履歴取得開始操作後からの履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等が設定されているが、これに限定されず、例えば、パチンコ遊技機1全体の履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等であってもよい。この場合、例えば、1日分(当日分)のパチンコ遊技機1全体の遊技履歴を設定したり、複数日分(例えば、過去3日分、起動後から全部)のパチンコ遊技機1全体の遊技履歴を設定したりしてもよい。また、例えば、遊技システム1全体の履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等であってもよい。この場合、例えば、管理サーバ300がパチンコ遊技機1に遊技システム1全体の履歴変動回数等を配信可能な構成とする必要がある。これらの場合、例えば、リーチの種類(スーパーリーチ等の期待度が高いリーチ)や当りの種類(通常の当り、確変状態での当り、時短状態での当り、各ラウンド数の当り等)の履歴が設定されている場合、リーチや当りが発生する度に過去10回分や1日分の全履歴を一覧表示してもよい。
なお、本実施形態では、途中遊技履歴画像を演出表示装置9に表示することにより、遊技者に対して遊技履歴を出力したが、遊技者に対して遊技履歴を出力する態様については文字列や2次元コード等の画像表示に限定されず、例えば、遊技者が直接認識可能な遊技履歴や、管理サーバ300から遊技履歴を取得するためのURLや、携帯端末200が遊技履歴やURLを特定可能な音声出力や照明出力LED照明装置や7セグメント表示器(所謂7セグ)等による照明出力)であってもよい。また、例えば、文字列や2次元コード等の画像表示と音声出力と照明出力等とを複数組み合わせた出力であってもよい。
このように、本願における「特定可能な態様で出力」とは、遊技者が直接目や耳でパチンコ遊技機100から特定可能な情報でもよく、携帯端末200が遊技者にとって特定可能な情報に変換するパチンコ遊技機100からの出力情報であってもよく、携帯端末200が遊技者にとって特定可能な情報を管理サーバ200を介して情報を取得するためのパチンコ遊技機100からの出力情報であってもよい。
なお、本実施形態では、遊技が進行しているときに遊技者による表示開始操作を検出すると途中遊技履歴画像を表示したが、例えば、パチンコ遊技機1に記憶された各遊技者の履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数等に基づいて、変動回数、リーチ回数、大当り回数等のランキングを表示したり、今回の遊技でランキングの最上位になる可能性がある遊技履歴を表示したりするランキング画像を表示してもよい。また、例えば、途中遊技履歴画像やランキング画像を含む複数の画像を同時に表示したり、表示変更操作で表示変更可能として各画像をそれぞれ表示したりしてもよい。
なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、飾り図柄が変動している状態に制御されているときを遊技が進行しているときであると判断したが、遊技が進行しているときはこれに限定されず、例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されているときにも遊技が進行しているときであると判断してもよい。
なお、本実施形態では、操作要求演出が実行されているときに履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を規制したが、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を規制する条件はこれに限定されず、例えば、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ等の特定表示が行われたときにも履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を規制してもよい。
なお、本実施形態のように、遊技者が操作要求演出と履歴表示操作報知画像とを混同して遊技を進行させるための操作を認識できなくなることを防止するために、操作要求演出が実行されているときには履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を規制することが好ましいが、操作要求演出が実行されているときにも履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を表示してもよい。
なお、本実施形態のように、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示中にリーチが発生したり、大当り状態や小当り状態に制御されたりする等して更に遊技が進行したときであっても履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を継続することが好ましいが、更に遊技が進行したときに履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示を終了してもよい。
なお、本実施形態のように、遊技が進行していないデモ画面の表示中に履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像の表示が規制されることが好ましいが、遊技が進行していないときにも履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を表示してもよい。
このようにすることで、遊技が進行していないときに途中遊技履歴画像を表示するとパチンコ遊技機1の稼働が低下する虞があるが、遊技が進行しているときにも途中遊技履歴画像を表示可能であるため、遊技が進行していないときにのみ途中遊技履歴画像を表示可能な従来のパチンコ遊技機よりもパチンコ遊技機1の稼働の低下を低減できるという本発明の目的を達成できる。
なお、本実施形態の履歴表示操作報知画像は、画像内の文字列がスクロール移動するように表示したが、表示開始操作の報知態様これに限定されず、遊技者が表示開始操作を認識可能である限りにおいて任意に報知可能である。例えば、スクロール移動せずに文字列を固定して表示してもよい。また、例えば、文字列を固定して表示・非表示を繰り返す点灯表示をしたり、音声出力や照明出力をしたり、これらの出力を複数組み合わせてもよい。
なお、本実施形態では、遊技が進行しているときに途中遊技履歴画像を表示可能とし、遊技が進行していないときにメニュー画面で選択可能となる遊技履歴の表示を実行したが、遊技が進行しているときにメニュー画面で選択可能となるその他の項目も実行できるようにしてもよい。具体的には、通常のメニュー画面で選択可能な項目を「遊技ガイダンスを見る」、「パスワード入力(履歴取得開始)」、「途中遊技履歴表示」、「遊技終了(遊技履歴表示)」、「音量調整/輝度調整」とした場合に、途中遊技履歴画像に替えて変動中メニュー画面を表示可能とし、「遊技ガイダンスを見る」と「遊技終了(遊技履歴表示)」とを除く「パスワード入力(履歴取得開始)」と「途中遊技履歴表示」と「音量調整/輝度調整」と各項目を選択可能としてもよい。この場合、例えば、「パスワード入力(履歴取得開始)」が選択されてパスワード入力(履歴取得開始操作)が行われたときには変動中の図柄変動から履歴取得を開始し、「途中遊技履歴表示」が選択される操作(表示開始操作)が行われたときに途中遊技履歴画像を表示し、「音量調整/輝度調整」が選択されて音量や輝度が変更する操作が行われたときに変動中の図柄変動から音量や輝度を変更してもよい。
このようにすることで、遊技が進行していないときにメニュー画面でのみ行うことが可能であった制御が遊技が進行しているときにも変動中メニュー画面で行うことができるようになり、遊技が進行しているときに変動中メニュー画面を表示しないパチンコ遊技機よりもパチンコ遊技機1の稼働の低下を低減できる。
なお、本願における「遊技履歴の少なくとも一部」には、本実施形態のように、RAM85が記憶する遊技履歴のうちの一部である遊技者による履歴取得開始操作後からの履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数の3種類の回数の履歴であることが含まれるが、3種類の履歴に限定されず、例えば、1種類又は2種類の履歴であることも含まれ、4種類以上の履歴であることも含まれる。例えば、ミッション達成履歴を追加した4種類の履歴も含まれ、ミッション達成履歴のみの1種類の履歴や、ミッション達成履歴と履歴大当り回数との2種類の履歴も含まれる。
また、本願における「遊技履歴の少なくとも一部」には、RAM85が記憶する全ての遊技履歴であることも含まれる。例えば、RAM85が記憶する全ての遊技履歴が遊技者による履歴取得開始操作後からの履歴変動回数、履歴大当り回数、ミッション達成履歴のみである場合、変更例1の途中遊技履歴画像によって全ての遊技履歴を表示することも本願発明の構成に含まれる(図43参照)。
また、本願における「遊技履歴の少なくとも一部」には、例えば、パチンコ遊技機1が1日分の複数の遊技者の遊技履歴をそれぞれ記憶する場合において全遊技者のうちの現在遊技中の遊技者の遊技履歴のみとすることも含まれる。
さらに、本願における「遊技履歴の少なくとも一部」には、例えば、パチンコ遊技機1が3日分の遊技履歴を記憶する場合において、3日分の遊技履歴のうちの本日分の遊技者の遊技履歴のみとすることも含まれる。
さらに、本願における「遊技履歴の少なくとも一部」には、例えば、パチンコ遊技機1が1日分の大当りの種類の履歴を記憶する場合において、1日分の大当りの種類の履歴のうちの過去10回分の大当りの種類の履歴のみとすることも含まれる。
なお、本実施形態では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では、2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにも適用することができる。
なお、スロットマシンに適用した場合、途中遊技履歴画像で表示する遊技履歴は、履歴変動回数、履歴リーチ回数、履歴大当り回数に替えて、例えば、履歴ゲーム数、履歴ボーナス回数、履歴払い出し回数等とすればよい。また、履歴表示操作報知画像や途中遊技履歴画像を表示可能な「遊技が進行しているとき」を飾り図柄が変動している状態に制御されているときではなく、例えば、今回のゲームのBETが行われてからリールの第3停止が行われるまでの間とすればよい。よって、例えば、リプレイ入賞による自動BETやBET操作、スタートスイッチの操作、ストップスイッチによるリールの第1停止操作から第3停止操作が行われる期間であるか否かを判断することで遊技が進行しているか否かを判断すればよい(図38のステップS1204参照)。逆に、「遊技が進行していないとき」は、例えば、リールの第3停止が行われてから次回のゲームのBETが行われるまでの間とすればよい。よって、例えば、リールの第3停止から次のBET操作が行われていないか否か、次の遊技が可能となるまでのウエイト期間であるか否か、デモ画面が表示されているか否か等を判断することで遊技が進行してないか否かを判断すればよい(図38のステップS1208参照)。
なお、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えば、パチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態や、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。