実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。また、打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)が行われた場合に、遊技球が第1始動入賞口13へ入賞可能であるよう構成されている。
また、演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32と、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)が行われた場合に、遊技球がゲート32を通過可能であるとともに、第2始動入賞口14へ入賞可能であるよう構成されている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられている。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別可変入賞球装置20aが設けられている。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。
また、図1に示すように、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2特別可変入賞球装置20bが設けられている。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。また、この実施の形態では、第2特別可変入賞球装置20b内の第2カウントスイッチ23bが設けられている領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検出スイッチ22で検出される。なお、この実施の形態では、上流側に第2カウントスイッチ23bが設けられ、その下流側に特定検出スイッチ22が設けられているので、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ23bで検出された遊技球は、殆ど全て特定領域に入賞し特定検出スイッチ22で検出されることになる。そして、この実施の形態では、第2カウントスイッチ23bで遊技球が検出されたことにもとづいて15個の賞球払出が行われ、特定検出スイッチ22で検出されたことにもとづいて確変状態に制御されることが確定する。
以下、第1特別可変入賞球装置20aと第2特別可変入賞球装置20bとを特別可変入賞球装置と総称することがあり、第1大入賞口と第2大入賞口とを大入賞口と総称することがある。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される。そして、この実施の形態では、後述するように大当り遊技中の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが確定する。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(一般入賞口)33,39も設けられている。一般入賞口33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ33a,39aで検出される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、特定検出スイッチ22、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ23b、入賞口スイッチ33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置20aを開閉するソレノイド21aおよび第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置20bを開閉するソレノイド21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。なお、スティックコントローラ122を振動動作させた際には、振動が遊技機全体(例えば、打球操作ハンドル5、打球供給皿(上皿)3、および余剰球受皿(下皿)4)に伝搬される構成である。すなわち、遊技者は、振動動作時にスティックコントローラ122を把持していない場合であっても、遊技機(例えば、打球操作ハンドル5、打球供給皿(上皿)3、または余剰球受皿(下皿)4)に触れていれば該振動動作を認識可能である。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(大当りA、大当りB、大当りC、大当りD、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図11参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、特定検出スイッチ22、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ23bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1大入賞口、および第2大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ23bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ23bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、変動パターン毎に変動中の演出が決定されているものである。この実施の形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スティックコントローラ122を振動動作させるスーパーリーチB(振動あり)、およびスティックコントローラ122を振動動作させないスーパーリーチB(振動なし)が設けられている。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100側の抽選によってスティックコントローラ122の振動の有無が決定される構成としてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する大当りA、大当りB、大当りC、大当りD)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する大当りA、大当りB、大当りC、大当りD)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「大当りD」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図8(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示が行われる場合には、大当り種別として「大当りA」または「大当りB」のいずれかに決定される。また、図8(C)に示すように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、大当り種別として「大当りC」または「大当りD」のいずれかに決定される。
図9および図10は、大当りにおける第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを示す説明図である。まず、図9(1)を用いて、大当り種別が大当りAにおける第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が大当りAである場合には、図9(1)に示すように、内部制御上は11ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、大当り種別が大当りAである場合には、図9(1)に示すように、第1ラウンドから第4ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第5ラウンドでは、第1大入賞口を0.05秒間の極めて短い期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第6ラウンドでは、第2大入賞口を0.05秒間の極めて短い期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第7ラウンドでは、第1大入賞口を0.05秒間の極めて短い期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第8ラウンドから第10ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。そして、第11ラウンドでは、第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後1.0秒間閉鎖状態に制御する。図9(1)に示すように、大当り種別が大当りAである場合には、第1ラウンド〜第4ラウンドおよび第8ラウンド〜第11ラウンドでは第1大入賞口が29.5秒間の長期間開放状態に制御され第1大入賞口への入賞が期待できるのであるが、第5ラウンド〜第7ラウンドでは第1大入賞口や第2大入賞口の開放時間が0.05秒と極めて短く殆ど入賞を期待できない。従って、大当り種別が大当りAである場合には、内部制御上は11ラウンドの大当り遊技状態に制御されるものの見た目上は8ラウンドの大当り遊技状態に制御されることになる。
次に、図9(2)を用いて、大当り種別が大当りBにおける第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が大当りBである場合には、図9(2)に示すように、内部制御上は11ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、大当り種別が大当りBである場合には、図9(2)に示すように、第1ラウンドから第5ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第6ラウンドでは、第2大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第7ラウンドから第8ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第9ラウンドから第10ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を0.05秒間の極めて短い期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。そして、第11ラウンドでは、第1大入賞口を0.05秒間の極めて短い期間開放状態に制御した後1.0秒間閉鎖状態に制御する。図9(2)に示すように、大当り種別が大当りBである場合には、第1ラウンド〜第8ラウンドでは第1大入賞口や第2大入賞口が29.5秒間の長期間開放状態に制御され第1大入賞口や第2大入賞口への入賞が期待できるのであるが、第9ラウンド〜第11ラウンドでは第1大入賞口の開放時間が0.05秒と極めて短く殆ど入賞を期待できない。従って、大当り種別が大当りBである場合には、内部制御上は11ラウンドの大当り遊技状態に制御されるものの見た目上は8ラウンドの大当り遊技状態に制御されることになる。
次に、図10(1)を用いて、大当り種別が大当りCにおける第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が大当りCである場合には、図10(1)に示すように、内部制御上は6ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、大当り種別が大当りCである場合には、図10(1)に示すように、第1ラウンドから第5ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。そして、第6ラウンドでは、第2大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後3.0秒間閉鎖状態に制御する。図10(1)に示すように、大当り種別が大当りCである場合には、第1ラウンド〜第6ラウンドの全てにおいて第1大入賞口や第2大入賞口が29.5秒間の長期間開放状態に制御され第1大入賞口や第2大入賞口への入賞が期待できる。従って、大当り種別が大当りCである場合には、内部制御上6ラウンドの大当り遊技状態に制御されるとともに見た目上も6ラウンドの大当り遊技状態に制御されることになる。
次に、図10(2)を用いて、大当り種別が大当りDにおける第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が大当りDである場合には、図10(2)に示すように、内部制御上は16ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、大当り種別が大当りDである場合には、図10(2)に示すように、第1ラウンドから第5ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第6ラウンドでは、第2大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。次いで、第7ラウンドから第15ラウンドまでは、1ラウンドあたり第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後0.1秒間閉鎖状態に制御する。そして、第16ラウンドでは、第1大入賞口を29.5秒間の長期間開放状態に制御した後3.0秒間閉鎖状態に制御する。図10(2)に示すように、大当り種別が大当りDである場合には、第1ラウンド〜第16ラウンドの全てにおいて第1大入賞口や第2大入賞口が29.5秒間の長期間開放状態に制御され第1大入賞口や第2大入賞口への入賞が期待できる。従って、大当り種別が大当りDである場合には、内部制御上16ラウンドの大当り遊技状態に制御されるとともに見た目上も16ラウンドの大当り遊技状態に制御されることになる。
なお、図9および図10において、第1大入賞口や第2大入賞口が29.5秒間の長期間開放されるラウンドであっても、後述するように、29.5秒間が経過する前に第1大入賞口や第2大入賞口への入賞数が10個に達した場合にも第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖され、そのラウンドが終了する。
この実施の形態では、図9および図10に示すように、大当り遊技中に第1ラウンドから最終ラウンドの1つ前のラウンドを終了した後である場合には、そのラウンド終了後のインターバル期間としてA=0.1秒に設定されている。また、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に決定される大当りAや大当りBである場合には、大当り遊技中に最終ラウンド(本例では、第11ラウンド)を終了した後である場合には、そのラウンド終了後のインターバル期間としてB=1.0秒に設定されている(図9参照)。さらに、第2特別図柄の変動表示が実行される場合に決定される大当りCや大当りDである場合には、大当り遊技中に最終ラウンド(本例では、第6ラウンドまたは第16ラウンド)を終了した後である場合には、そのラウンド終了後のインターバル期間としてC=3.0秒に設定されている(図10参照)。このように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて制御される大当り遊技では、第1特別図柄の変動表示にもとづいて制御される大当り遊技と比較して、最終ラウンド後のインターバル期間として長い期間が設定されている。
この実施の形態では、図9および図10に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ、内部制御上も見た目上も16ラウンドの大当り遊技となる大当りDに決定される場合がある。そして、この実施の形態では、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が1つ入賞するごとに15個の賞球が払い出され、1ラウンドあたり第1大入賞口や第2大入賞口に最大で10個の入賞が期待できる。従って、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ、大当りDとなり、大当り遊技中に最大で15個×10×16=2400個の賞球が得られる場合がある。そして、この実施の形態では、大当りDにもとづく大当り遊技の最後の第16ラウンドにおいて10個目の入賞を検出し2400個の賞球が払い出された場合には、2400個の賞球が払い出されたことを報知する賞球数報知が実行される場合があるのであるが、最終ラウンド後の3.0秒間のインターバル期間にまたがって賞球数報知が実行されることになる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合であっても、大当りCとなった場合には、6ラウンドの大当り遊技しか行われないのであるから賞球数報知が実行される場合はないのであるが、図10に示すように、最終ラウンド後のインターバル期間はC=3.0秒で共通としている。そのように、この実施の形態では、大当り種別に関係なく、第2特別図柄の変動表示にもとづく大当り遊技の最終ラウンド後のインターバル期間をC=3.0秒で統一することによって、不必要にインターバル期間の期間管理が複雑になることを防止している。
また、この実施の形態では、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口が開放状態に制御されているときに、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞した場合には、大当り遊技終了後に確変状態に制御されることが確定する。そして、この実施の形態では、第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変状態に制御されることが確定した場合には、後述するように、確変状態に制御されることが確定したことを報知する確変確定報知が実行される。この場合、大当りCにもとづく大当り遊技では、第2大入賞口が開放される第6ラウンドが最終ラウンドであることから、第6ラウンドの終了時や終了直前もしくは終了直後に特定領域に入賞した場合には、最終ラウンド(本例では、第6ラウンド)後の3.0秒間のインターバル期間にまたがって確変報知演出が実行される場合がある。
なお、第1特別図柄の変動表示が実行される場合であって大当りAとなった場合には、第6ラウンドにおいて0.05秒と極めて短い期間しか第2大入賞口が開放されないのであるから、特定領域への入賞も殆ど期待できず、実質的に確変状態への制御は期待できない。なお、例えば、第2大入賞口内の特定領域に蓋部などを設けるようにし、大当りAにもとづく大当り遊技の第6ラウンドでは、その蓋部により特定領域を閉鎖して、たとえ0.05秒の極めて短い開放期間に第2大入賞口に遊技球が入賞したとしても特定領域には入賞できないようにして、確変状態に制御される場合が全くないように構成してもよい。さらに、例えば、大当りAにもとづく大当り遊技の第6ラウンドでは、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したとしても、特定検出スイッチ22による検出を無効とし、確変状態に制御される場合が全くないように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別として、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「大当りD」の4種類がある場合を示しているが、4種類にかぎらず、例えば、5種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が4種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類または3種類のみ設けられていてもよい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「大当りD」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図11および図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11および図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。また、コマンドA402(H)は、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特定検出指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11および図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図11および図12に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13および図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(確定表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図27参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が確定表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、第1大入賞口や第2大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、第1大入賞口や第2大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して第1大入賞口や第2大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、第1大入賞口や第2大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第1大入賞口や第2大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図15(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図15(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図15(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図16は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図16に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
次に、図15(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合を示しているが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し確変状態に制御することが確定された場合に、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
なお、ランダムRの値が大当り判定値に一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、または「大当りD」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「大当りD」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「2」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「大当りA」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「大当りB」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「大当りC」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「大当りD」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞せず確変状態に制御することが確定しなかった場合に、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し確変状態に制御することが確定された場合に、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)を選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)を選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS93のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS182,S183参照)、ステップS93でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(時短用)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S97の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)が選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(時短用)が選択される。この場合、後述するステップS98の処理で短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS100の処理で変動パターンとして短縮変動用の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(時短用)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(短縮用)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S95、S96またはS97の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、いずれかの当り変動パターン判定テーブルまたははずれ変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「大当りA」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「大当りA」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が「大当りB」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「大当りB」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が「大当りC」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115,S116)。なお、「大当りC」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、「大当りA」、「大当りB」、および「大当りC」のいずれでもないときには(すなわち、「大当りD」であるときには)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS132)。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、大当り遊技開始時に時短状態に制御されていたこと(確変状態とともに時短状態に制御されていた場合を含む)を示す時短記憶フラグをセットする(ステップS133)。次いで、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、CPU56は、時間計測タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、CPU56は、ラウンド数カウンタに大当り種別に応じたラウンド数(例えば、「大当りA」や「大当りB」の場合には「11」。「大当りC」の場合には「6」。「大当りD」の場合には「16」。)をセットする(ステップS137)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS139)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS141)、時短フラグをリセットする(ステップS142)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、時間計測タイマの値を−1する(ステップS1401)。なお、第1ラウンドの開始前である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、特別図柄停止処理のステップS136でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、第1ラウンドの開始前の大当り表示時間(ファンファーレ期間)が計測されることになる。また、第1ラウンド以降である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、後述する大入賞口開放中処理のステップS1469でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、各ラウンド後(最終ラウンド後を除く)のインターバル期間が計測されることになる。
なお、この実施の形態では、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを共通の時間計測タイマを用いて計測する場合を示しているが、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを別々のタイマを用いて時間を計測するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、現在が第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であるか否かを確認する(ステップS1402)。なお、現在が第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であるか否かは、例えば、大当り種別バッファにより特定される大当り種別およびラウンド数カウンタの値を確認することにより判定できる。
第6ラウンド以外のラウンドを終了した後のインターバル期間であれば(ステップS1402のN)、CPU56は、第1カウントスイッチ23aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1403)。第1カウントスイッチ23aがオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1403のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1404)。そして、ステップS1411に移行する。
第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であれば(ステップS1402のY)、CPU56は、特定検出スイッチ22からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1405)。特定検出スイッチ22がオンしたら、すなわち、第2大入賞口内の特定領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1405のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に特定検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1406)。次いで、CPU56は、確変状態に制御することが確定したことを示す確変確定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1407)。確変確定フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変状態に制御することが確定済みであれば)、ステップS1409に移行する。確変確定フラグがセットされていなければ、CPU56は、確変確定フラグをセットする(ステップS1408)。そして、ステップS1409に移行する。
特定検出スイッチ22がオンでなかった場合(ステップS1405のN)、既に確変確定フラグがセット済みであった場合(ステップS1407のY)、またはステップS1408で確変確定フラグをセットした場合には、CPU56は、第2カウントスイッチ23bからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1409)。第2カウントスイッチ23bがオンしたら、すなわち第2大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1409のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1410)。そして、ステップS1411に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技のラウンド期間を終了してインターバル期間に移行した場合であっても、第1大入賞口や第2大入賞口を閉鎖状態に制御する直前に遊技球が第1大入賞口内や第2大入賞口内に進入した場合は、賞球処理(ステップS30参照)で入賞が検出されて賞球払出が行われる場合がある。そこで、この実施の形態では、ステップS1402〜S1404やS1409〜S1410の処理が実行されることによって、大当り遊技のラウンド期間を終了した後のインターバル期間であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への入賞を検出して大入賞口入賞指定コマンドを送信することが可能である。また、ステップS1405〜S1410の処理が実行されることによって、特にインターバル期間に第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞した場合にも、大入賞口入賞指定コマンドが送信されるとともに特定検出指定コマンドも送信される。
時間計測タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS1411)、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1412)。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1413)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、開始するラウンドに応じて第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1414)。すなわち、第6ラウンド以外のラウンドを開始する場合であれば第1大入賞口を開放状態に制御し、第6ラウンドを開始する場合であれば第2大入賞口を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口を開放状態に制御する場合であれば、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置20aを開放状態にする。また、第2大入賞口を開放状態に制御する場合であれば、ソレノイド21bを駆動して第2特別可変入賞球装置20bを開放状態にする。
次いで、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間を、第1大入賞口や第2大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1415)。この場合、CPU56は、大当りAの第1ラウンド〜第4ランドや第8ラウンド〜第11ラウンド、大当りBの第1ラウンド〜第8ラウンド、大当りCの第1ラウンド〜第6ラウンド、または大当りDの第1ラウンド〜第16ラウンドを開始する場合であれば、開放時間タイマに29.5秒に相当する値をセットする。また、大当りAの第5ラウンド〜第7ラウンド、または大当りBの第9ラウンド〜第11ラウンドを開始する場合であれば、開放時間タイマに0.05秒に相当する値をセットする(図9および図10参照)
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1416)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、現在のラウンドが第6ラウンドであるか否かを確認する(ステップS1451)。なお、現在のラウンドが第6ラウンドであるか否かは、例えば、大当り種別バッファにより特定される大当り種別およびラウンド数カウンタの値を確認することにより判定できる。
第6ラウンド以外のラウンドであれば(ステップS1451のN)、CPU56は、第1カウントスイッチ23aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1452)。第1カウントスイッチ23aがオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1452のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1453)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1454)。そして、ステップS1462に移行する。
第6ラウンドであれば(ステップS1451のY)、CPU56は、特定検出スイッチ22からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1455)。特定検出スイッチ22がオンしたら、すなわち、第2大入賞口内の特定領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1455のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に特定検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1456)。次いで、CPU56は、確変状態に制御することが確定したことを示す確変確定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1457)。確変確定フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変状態に制御することが確定済みであれば)、ステップS1459に移行する。確変確定フラグがセットされていなければ、CPU56は、確変確定フラグをセットする(ステップS1458)。そして、ステップS1459に移行する。
特定検出スイッチ22がオンでなかった場合(ステップS1455のN)、既に確変確定フラグがセット済みであった場合(ステップS1457のY)、またはステップS1458で確変確定フラグをセットした場合には、CPU56は、第2カウントスイッチ23bからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1459)。第2カウントスイッチ23bがオンしたら、すなわち第2大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1459のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1460)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1461)。そして、ステップS1462に移行する。
この実施の形態では、ステップS1452〜S1454やステップS1459〜S1461の処理が実行されることによって、大当り遊技のラウンド中に第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞するごとに大入賞口入賞指定コマンドが送信される。また、ステップS1455〜S1461の処理が実行されることによって、特に大当り遊技のラウンド中に第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞した場合には、大入賞口入賞指定コマンドが送信されるとともに特定検出指定コマンドも送信される。
なお、この実施の形態では、第1大入賞口に遊技球が入賞した場合と第2大入賞口に遊技球が入賞した場合とで共通の大入賞口入賞指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1大入賞口に遊技球が入賞した場合と第2大入賞口に遊技球が入賞した場合とで別々のコマンド(例えば、第1大入賞口入賞指定コマンドと第2大入賞口入賞指定コマンド)を送信するように構成してもよい。特に、例えば、第1大入賞口に入賞した場合と第2大入賞口に入賞した場合とで異なる数の賞球数(例えば、15個と20個)を払い出すように構成した場合には、第1大入賞口入賞指定コマンドと第2大入賞口入賞指定コマンドとのいずれのコマンドを受信したかによって、演出制御用マイクロコンピュータ100側で賞球数を正確に把握することができる。
また、この実施の形態では、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞するごとに特定検出指定コマンドを送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2大入賞口内の特定領域に1つ目の遊技球が入賞したとき(確変状態に制御されることが確定したとき)のみ特定検出指定コマンドを送信するようにし、第2大入賞口内の特定領域に2つ目以降の遊技球が入賞した場合には特定検出指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する(ステップS1462)。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、ステップS1465に移行する。従って、この実施の形態では、第1大入賞口や第2大入賞口の開放期間(例えば、29.5秒)が経過する前であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への入賞数が10個に達した場合には、ステップS1462でYと判定されてステップS1465に移行し、第1大入賞口や第2大入賞口を閉鎖状態に制御してそのラウンドを終了する場合がある。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば(ステップS1462のN)、CPU56は、開放時間タイマを1減算し(ステップS1463)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1464)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、第1大入賞口が開放されている場合には第1大入賞口を閉鎖状態に制御し、第2大入賞口が開放されている場合には第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1465)。具体的には、第1大入賞口を閉鎖状態に制御する場合であれば、ソレノイド21aの駆動を停止して第1特別可変入賞球装置20aの開閉板を閉状態にする。また、第2大入賞口を閉鎖状態に制御する場合であれば、ソレノイド21bの駆動を停止して第2特別可変入賞球装置20bの開閉板を閉状態にする。また、CPU56は、現在のラウンド数をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1466)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を1減算する(ステップS1467)とともに、減算後のラウンド数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1468)。ラウンド数カウンタの値が0となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンド(大当りAまたは大当りBの場合には第1ラウンド〜第11ラウンド。大当りCの場合には第1ラウンド〜第6ラウンド。大当りDの場合には第1ラウンド〜第16ラウンド。)が終了している場合)には、CPU56は、時間計測タイマに大当り種別に応じたインターバル期間(最終ラウンド後のインターバル演出を行う期間に相当)に相当する値を設定する(ステップS1471)。具体的には、大当りAまたは大当りBである場合には、時間計測タイマに1.0秒に相当する値を設定する。また、大当りCまたは大当りDである場合には、時間計測タイマに3.0秒に相当する値を設定する(図9および図10参照)。そして、CPU56は、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1472)。
ラウンド数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、時間計測タイマにインターバル期間(最終ラウンド後以外のインターバル演出を行う期間に相当)に相当する値(本例では、0.1秒)を設定する(ステップS1469)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1470)。
図25および図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS177に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU56は、時間計測タイマの値を1減算する(ステップS161)。
次いで、CPU56は、最終ラウンドとして第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であるか否かを確認する(ステップS162)。なお、最終ラウンドとして第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であるか否かは、例えば、今回終了する大当り遊技の大当り種別が大当りCであるか否か(例えば、大当り種別バッファに大当りCを示す「03」の値がセットされているか否か)を確認することにより判定できる。
最終ラウンドとして第6ラウンド以外のラウンドを終了した後のインターバル期間であれば(ステップS162のN)、CPU56は、第1カウントスイッチ23aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS163)。第1カウントスイッチ23aがオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS163のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS164)。そして、ステップS171に移行する。
最終ラウンドとして第6ラウンドを終了した後のインターバル期間であれば(ステップS162のY)、CPU56は、特定検出スイッチ22からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS165)。特定検出スイッチ22がオンしたら、すなわち、第2大入賞口内の特定領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS165のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に特定検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS166)。次いで、CPU56は、確変状態に制御することが確定したことを示す確変確定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS167)。確変確定フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変状態に制御することが確定済みであれば)、ステップS169に移行する。確変確定フラグがセットされていなければ、CPU56は、確変確定フラグをセットする(ステップS168)。そして、ステップS169に移行する。
特定検出スイッチ22がオンでなかった場合(ステップS165のN)、既に確変確定フラグがセット済みであった場合(ステップS167のY)、またはステップS168で確変確定フラグをセットした場合には、CPU56は、第2カウントスイッチ23bからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS169)。第2カウントスイッチ23bがオンしたら、すなわち第2大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS169のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。
ステップS163〜S164やS169〜S168の処理が実行されることによって、大当り遊技の最終のラウンド期間を終了した後のインターバル期間であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への入賞を検出して大入賞口入賞指定コマンドを送信することが可能である。また、ステップS165〜S170の処理が実行されることによって、特に大当りCにもとづく大当り遊技の最終ラウンド後のインターバル期間に第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞した場合にも、大入賞口入賞指定コマンドが送信されるとともに特定検出指定コマンドも送信される。
次いで、CPU56は、減算後の時間計測タイマの値が0となったか否かを確認する(ステップS171)。時間計測タイマの値が0となっていれば(すなわち、最終ラウンド後のインターバル期間を経過していれば)、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS172)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS173)。
次いで、CPU56は、時短記憶フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS174)。時短記憶フラグがセットされていなければ(すなわち、大当り遊技開始時に通常状態に制御されていた場合であれば)、CPU56は、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において低ベース状態に対応した大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値(例えば、10秒間に相当する値)を設定し(ステップS175)、処理を終了する。
一方、時短記憶フラグがセットされていれば(すなわち、大当り遊技開始時に時短状態に制御されていた場合(確変状態とともに時短状態に制御されていた場合を含む)であれば)、CPU56は、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において高ベース状態に対応した大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値(例えば、6秒間に相当する値)を設定し(ステップS176)、処理を終了する。
ステップS177では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS177)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS178)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS178のY)、CPU56は、確変確定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS179)。確変確定フラグがセットされていなければ(すなわち、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞せず確変状態への制御が確定しなかった場合であれば)、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS180)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS181)。
確変確定フラグがセットされていれば(すなわち、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変状態への制御が確定した場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS182)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS183)。
なお、この実施の形態では、ステップS179〜S183の処理が実行されることによって、大当り遊技の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すれば一律に次の大当りが発生するまで確変状態および時短状態が継続するようにし、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞しなければ一律に時短継続回数(本例では、100回)の変動表示を終了するまで時短状態を継続する(ただし、100回の変動表示を終了する前に大当りが発生した場合には時短状態を終了する)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御する場合であっても、所定の確変継続回数が経過すれば確変状態を終了するようにしてもよく、この場合、大当り種別が大当りA〜大当りDのいずれであるかに応じて確変継続回数を異ならせてもよい。また、例えば、大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに制御する場合であっても、大当り種別が大当りA〜大当りDのいずれであるかに応じて時短継続回数を異ならせてもよく、様々な制御態様が考えられる。
次いで、CPU56は、セットされていれば、時短記憶フラグや確変確定フラグをリセットする(ステップS184)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS185)。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を確定表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が確定表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで確定表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を確定表示させるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、報知演出設定処理を行う(ステップS704a)。報知演出設定処理では、所定条件(第1条件〜第4条件)が成立した場合に遊技者に報知するための報知演出に関する設定処理を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11および図12参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図30および図31は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果8指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに応じた大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS629)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが特定検出指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことを示す特定検出フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS636)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS638)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS639)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS640)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS641)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS642)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS643)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS645)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図32は、報知演出設定処理を示すフローチャートである。報知演出設定処理は、所定条件(第1条件〜第4条件)が成立した場合に遊技者に報知するための報知演出に関する設定を行うための処理である。「報知演出」としては、第1条件(第1保留記憶数または第2保留記憶数が上限値に達すること)が成立した場合にその旨を報知する「保留上限報知」、第2条件(一般入賞口33,39に遊技球が入賞すること)が成立した場合にその旨を報知する「一般入賞報知」、第3条件(所定のタイミング(例えば、大当り発生時、大当り終了後の高ベース状態開始時、高ベース状態終了時)になること)が成立した場合に打ち方(右打ち、左打ち)を報知する「打ち方報知」、および第4条件(演出モードが変化すること)が成立した場合にその旨を報知する「モード変化報知」が設けられている。
報知演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、デモ表示(保留記憶数が「0」であり、変動中でも大当り遊技状態でもないときに行われる演出)中であるか否かを判定し(ステップS4501)、デモ表示中でない場合には、そのまま報知演出設定処理を終了する。デモ表示中である場合、いずれかの操作部材(プッシュボタン120、スティックコントローラ122、トリガボタン121)への操作を遊技者から受け付けたか否かを判定し(ステップS4502)、受け付けていない場合には、そのまま報知演出設定処理を終了する。受け付けた場合、受け付けた操作がメニュー表示操作であるか否かを判定し(ステップS4503)、メニュー表示操作でない場合にはステップS4505へ移行する。メニュー表示操作とは、例えば、メニュー表示を行っていないときにおけるプッシュボタン120への押下操作である。メニュー表示操作である場合には、メニュー表示を開始し(ステップS4504)、ステップS4505へ移行する。
ここで、メニュー表示の詳細について説明する。図35は、本実施の形態におけるメニュー表示の表示例を示す説明図である。本実施の形態におけるメニュー表示は、メニュー表示が開始される際に表示される第1メニュー(図35(A)参照)と、第1メニューにおける「MENU終了」以外の選択肢が選択された際に切替表示される第2メニュー(図35(B)参照)と、第2メニューにおける「戻る」以外の選択肢が選択された際に切替表示される第3メニュー(図35(C),(D)参照)とに区分される。なお、第1メニューにて「MENU終了」が選択された場合はメニュー表示が終了し、第2メニューにて「戻る」が選択された場合は第1メニューに切替表示され、第3メニューにて「戻る」が選択された場合は第2メニューに切替表示されるものとする。
図35(A)に示すように、第1メニューには、スピーカ27から出力される音声に関する設定(例えば、音量設定)を行う「音声設定」、演出表示装置9における表示に関する設定(例えば、輝度設定)を行う「液晶設定」、および報知演出における設定を行う「報知演出設定」が選択肢(演出設定カテゴリ)として提示される。なお、「音声設定」や「液晶設定」に代えて、もしくは加えて、枠LED28や遊技盤6に設けられたLEDなどの発光部材の輝度の設定を行う「ランプ設定」が提示されるものであってもよい。
図35(B)に示すように、図35(A)に示した第1メニューにおいて「報知演出設定」が選択された場合に切替表示される第2メニューには、保留上限報知に関する設定を行う「保留上限報知」、一般入賞報知に関する設定を行う「一般入賞報知」、打ち方報知に関する設定を行う「打ち方報知」およびモード変化報知に関する設定を行う「モード変化報知」が選択肢(演出設定カテゴリ)として提示される。
図35(C)に示すように、図35(B)に示した第2メニューにおいて「保留上限報知」が選択された場合に切替表示される第3メニューには、保留上限報知における報知態様(スピーカ27からの音声出力の有無を示す「音声」、スティックコントローラ122の振動の有無を示す「振動」、および枠LED28の発光の有無を示す「LED」。なお、「LED」は、枠LED28に代えて、もしくは加えて、遊技盤6に設けられたLEDの発光の有無を示すものとしてもよい。)が選択肢として提示される。ここでいずれかの報知態様が選択される(実行態様設定操作がなされる)と、保留上限報知における報知態様のON/OFFの表示が切り替わるとともに、切替後の設定内容が記憶されるものである。また、図35(D)に示すように、図35(B)に示した第2メニューにおいて「一般入賞報知」が選択された場合に切替表示される第3メニューにおいても同様に、一般入賞報知における報知態様が選択肢として提示される。ここでいずれかの報知態様が選択されると、一般入賞報知における報知態様のON/OFFの表示が切り替わるとともに、切替後の設定内容が記憶されるものである。図35(B)に示した第2メニューにおいて「打ち方報知」または「モード変化報知」が選択された場合も同様である。なお、「音声」、「振動」および「LED」が全てOFFとされている場合には、該当する報知演出を実行しないよう設定(非実行設定)されるものである。
ステップS4505において、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作がメニュー表示切替操作であるか否かを判定し(ステップS4505)、メニュー表示切替操作でない場合にはステップS4507へ移行する。メニュー表示切替操作とは、例えば、スティックコントローラ122への傾倒操作によりカーソルを動かすとともにプッシュボタン120またはトリガボタン121を押下することにより選択肢(「MENU終了」および第3メニューにおける報知態様(例えば、「音声」、「振動」および「LED」)を除く)を選択する操作である。メニュー表示切替操作である場合には、メニュー表示の切り替えを行い(ステップS4506)、ステップS4507へ移行する。例えば、「戻る」以外の選択肢が選択された場合には、選択肢に応じた表示に(第1メニューから第2メニューへ、または第2メニューから第3メニューへ)切り替えられる一方、「戻る」が選択された場合には段階が一つ上位であるメニュー表示(第2メニューから第1メニューへ、または第3メニューから第2メニューへ)に切り替えられる。
ステップS4507では、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作が実行態様設定操作であるか否かを判定し(ステップS4507)、実行態様設定操作でない場合にはステップS4510へ移行する。実行態様設定操作とは、例えば、スティックコントローラ122への傾倒操作によりカーソルを動かすとともにプッシュボタン120またはトリガボタン121を押下することにより、第3メニューにおけるいずれかの報知態様を選択する操作である。実行態様設定操作である場合には、操作に応じた表示の切り替え(具体的には、ON/OFFの表示切替)を行うとともに(ステップS4508)、操作に応じた設定内容を記憶(具体的には、ON/OFFを記憶)し(ステップS4509)、ステップS4510へ移行する。
ステップS4510では、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作がメニュー表示終了操作であるか否かを判定し(ステップS4510)、メニュー表示終了操作でない場合には報知演出設定処理を終了する。メニュー表示操作とは、第1メニューにおいてスティックコントローラ122への傾倒操作により「MENU終了」にカーソルを合わせてプッシュボタン120またはトリガボタン121を押下する操作である。メニュー表示終了操作である場合には、メニュー表示を終了させ(ステップS4511)、報知演出設定処理を終了する。なお、特定の条件(所定期間経過、遊技球の打ち出しの開始、ゲート32、始動入賞口、または一般入賞口への遊技球の通過または入賞、変動の開始など)が成立した場合にメニュー表示を強制的に終了するものであってもよい。
この実施の形態では、報知演出設定処理を実行することにより、デモ表示中に遊技者の動作にもとづいて報知演出の実行に関する設定を行うことが可能となる。なお、この実施の形態では、後述するラウンド中報知演出設定処理を実行することにより、大当り遊技中にも遊技者の動作にもとづいて報知演出の実行に関する設定を行うことが可能となる。
図33は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理は、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9や、枠LED28、スピーカ27などの各演出装置の制御を実行する処理である。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、報知演出を実行するための報知演出実行処理を行い(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。また、演出内容の異なる複数の演出モードが設けられており、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において、演出モードを変化させるか否かを抽選により決定し、抽選結果にもとづいて演出モードを変化させることが可能である。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。なお、演出モードは、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることに対する信頼度とはかかわらないもの(例えば、春、夏、秋、冬、春・・・の順に背景が変化する演出モード)であってもよいし、信頼度を示唆するもの(例えば、大当りとなる保留記憶が記憶されていることに対する信頼度を示唆する演出モード(先読みゾーン)、擬似連において大当りになることに対する信頼度を示唆する演出モード(擬似連専用背景))であってもよい。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。なお、本実施の形態では、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において、変動パターンに応じた演出を選択するとともに、演出図柄変動中処理(ステップS802)において、選択した演出を実行するものである。すなわち、図6に示した変動パターンに応じた演出は、ステップS801,S802にて実行されるものである。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図34は、報知演出実行処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。報知演出実行処理において、演出制御用CPU101は、まず、保留記憶数が上限値になったか否か(4つ目の第1保留記憶または第2保留記憶が記憶されたか否か)を判定し(ステップS4601)、上限値になっていない場合にはステップS4604へ移行する。保留記憶数が上限値になった場合、演出制御用CPU101は、保留上限報知が非実行設定となっているか否かを判定し(ステップS4602)、非実行設定となっている場合にはステップS4604へ移行する。非実行設定となっていない場合には、設定に応じた保留上限報知を実行し(ステップS4603)、ステップS4604へ移行する。なお、本実施の形態では、第1保留記憶または第2保留記憶が上限値になった場合にて保留上限報知を実行することとしたが、これに限るものではなく、制御されている遊技状態に応じた保留記憶数が上限値になったことにもとづいて保留上限報知を実行するものであってもよい。例えば、低ベース状態である場合には第1保留記憶数が上限値となったことにもとづいて保留上限報知を実行する一方、高ベース状態である場合には第2保留記憶数が上限値となったことにもとづいて保留上限報知を実行することとしてもよい。また、高ベース状態であるときには第2保留記憶数が頻繁に上限値となることが想定されるため、強制的に保留上限報知を非実行設定とすることにより、保留上限報知の頻度が高すぎて遊技者に煩わしく感じさせてしまうことを防止することとしてもよい。
ステップS4604において、演出制御用CPU101は、一般入賞口33,39への入賞が発生したか否か(具体的には、一般入賞口33,39への入賞が発生したことを示すコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したか否か)を判定し(ステップS4604)、入賞していない場合にはステップS4607へ移行する。入賞した場合、演出制御用CPU101は、一般入賞報知が非実行設定となっているか否かを判定し(ステップS4605)、非実行設定となっている場合にはステップS4607へ移行する。非実行設定となっていない場合には、設定に応じた一般入賞報知を実行し(ステップS4606)、ステップS4607へ移行する。なお、複数の一般入賞口が設けられている遊技機であれば、特定の一般入賞口への入賞を一般入賞報知の報知対象としてもよいし、複数(全てであってもよい)の一般入賞口への入賞を一般入賞報知の報知対象としてもよい。また、複数の一般入賞口への入賞を一般入賞報知の報知対象とする場合、同時に、または連続して複数の一般入賞口への入賞が発生した場合には、一般入賞報知の報知期間を延長したり、一般入賞報知を複数回行ったり、一の一般入賞口への入賞(例えば、最先の入賞)に対してのみ一般入賞報知を実行することとしてもよい。
ステップS4607において、演出制御用CPU101は、打ち方報知の実行タイミング(大当り発生時、大当り終了時(高ベース状態開始時)、高ベース状態終了時)であるか否かを判定し(ステップS4604)、打ち方報知の実行タイミングでない場合にはステップS4610へ移行する。打ち方報知の実行タイミングである場合、打ち方報知が非実行設定となっているか否かを判定し(ステップS4608)、非実行設定となっている場合にはステップS4610へ移行する。非実行設定となっていない場合には、設定に応じた打ち方報知を実行し(ステップS4609)、ステップS4610へ移行する。ステップS4609では、具体的に、大当り発生時および大当り終了時(高ベース状態開始時)においては、右打ちを報知する打ち方報知を実行する一方、高ベース状態終了時においては、左打ちを報知する打ち方報知を実行するものである。すなわち、実行タイミングによって異なる内容を報知する打ち方報知を行うこととしたが、これに限るものではなく、いずれの打ち方報知の実行タイミングであっても共通する内容(例えば、打ち方の切り替えを指示する内容)を報知する打ち方報知を行うこととしてもよい。
ステップS4610において、演出制御用CPU101は、演出モードが変化したか否かを判定し(ステップS4610)、変化していない場合にはそのまま報知演出実行処理を終了する。演出モードが変化した場合、モード変化報知が非実行設定となっているか否かを判定し(ステップS4611)、非実行設定となっている場合にはそのまま報知演出実行処理を終了する。非実行設定となっていない場合には、設定に応じたモード変化報知を実行し(ステップS4612)、報知演出実行処理を終了する。
なお、本実施の形態では、図34に示したように、所定条件(第1条件〜第4条件)が成立したか否かを判定し、成立したと判定した後に、対応する報知演出が非実行設定であるか否かを判定することとしたが、これらの処理の順序はこれに限るものではない。例えば、各報知演出が非実行設定であるか否かを判定し、非実行設定でない報知演出に対応する所定条件に限り、成立したか否かを判定することとしてもよい。この場合、報知演出の非実行設定がなされているときには所定条件の成立の有無を判定しないこととなるため、処理負担を軽減することができる。
図36は、図33に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図36に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図37は、図33に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図38は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図38に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「大当りA」〜「大当りD」のいずれかを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれかである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり、予告演出の演出態様(例えば、ステップアップ予告演出や、遊技者の操作を伴うボタン予告演出や、会話予告演出、可動物予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出)を設定したりする予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、および予告演出を決定した場合には予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS8003で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図39は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図39に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8007)。
図40は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図41は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において停止表示中の左中右の演出図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS8302)。そして、ステップS8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8304)。次いで、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8306)。なお、演出制御用CPU101は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8311)。
図42は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。
次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1908)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1910)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1911)。
図43は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2901)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS2901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2903)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS2905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2906)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことを示す特定検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2922)。特定検出フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU101は、特定検出フラグをリセットし(ステップS2923)、確変確定報知を開始したことを示す確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2924)。確変確定報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、確変状態に制御されることが確定したことを報知する確変確定報知の実行を開始する(ステップS2925)。なお、確変確定報知については、開始から所定期間経過すると終了するようにしてもよいし、大当り遊技状態が終了するまで実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド中報知演出設定処理を実行する(ステップS2926)。その後、ラウンド中処理を終了する。なお、ラウンド中報知演出設定の詳細については後述する。
ステップS2901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2927)。
次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS2928)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2929)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS2930)。
次いで、演出制御用CPU101は、特定検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2939)。特定検出フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU101は、特定検出フラグをリセットし(ステップS2940)、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2941)。確変確定報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を開始する(ステップS2942)。
ステップS2939〜S2942の処理が実行されることによって、第2大入賞口への入賞数が10個に達したことにもとづいて第6ラウンドが終了する場合に、1〜9個目の入賞では第2大入賞口内の特定領域以外の領域にしか入賞せず、10個目の入賞で第2大入賞口内の特定領域に入賞した場合であっても、確変確定報知を実行することができる。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2944)。
図44は、ラウンド中報知演出設定処理(ステップS2926)を示すフローチャートである。ラウンド中報知演出設定処理は、ラウンド中に報知演出に関する設定を行うための処理である。この実施の形態では、報知演出設定処理を実行することにより、デモ表示中に遊技者の動作にもとづいて報知演出の実行に関する設定を行うことが可能となっているが、ラウンド中報知演出設定処理を実行することにより、ラウンド中にも遊技者の動作にもとづいて報知演出の実行に関する設定を行うことが可能となる。また、この実施の形態では、デモ表示中とラウンド中とで同じ設定を行うことができるように構成されている。すなわち、デモ表示中とラウンド中とで設定可能な項目や選択可能な選択肢が同じであるように構成されている。
ラウンド中報知演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、最終2ラウンドであるか否かを判定し(ステップS4601)、最終2ラウンドでない場合には、そのままラウンド中報知演出設定処理を終了する。なお、この実施の形態では、大当り遊技のうちの最終2ラウンドである場合(例えば、ラウンド数が16の大当りDの場合には、第15ラウンドと第16ラウンドとのいずれかである場合)に報知演出に関する設定を行うことができるように構成されているが、報知演出に関する設定を行うことができるラウンドは、最終2ラウンドに限らず、他のラウンドであってもよいし、全ラウンドであってもよい。また、例えば、大当り種別ごとに、報知演出に関する設定を行うことができるラウンドが異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合にのみ報知演出に関する設定を行うことができるようにしてもよい。
最終2ラウンドである場合、演出制御用CPU101は、メニュー表示操作に対応した操作部材(例えば、プッシュボタン120、スティックコントローラ122またはトリガボタン121)への操作を遊技者から受け付けたか否かを判定し(ステップS4602)、受け付けていない場合には、そのままラウンド中報知演出設定処理を終了する。受け付けた場合、受け付けた操作がメニュー表示操作であるか否かを判定し(ステップS4603)、メニュー表示操作でない場合にはステップS4505へ移行する。メニュー表示操作である場合には、ラウンド中用メニュー表示を開始し(ステップS4604)、ステップS4605へ移行する。
ここで、ラウンド中用メニュー表示の詳細について説明する。図45(A),(B)は、本実施の形態におけるラウンド中用メニュー表示の表示例を示す説明図である。本実施の形態におけるラウンド中用メニュー表示は、デモ表示中に表示されるメニュー表示と同様に、第1メニュー、第2メニューおよび第3メニューに区分され、第1メニューにて「MENU終了」が選択された場合はメニュー表示が終了し、第2メニューにて「戻る」が選択された場合は第1メニューに切替表示され、第3メニューにて「戻る」が選択された場合は第2メニューに切替表示される。
また、ラウンド中とデモ表示中とで同じ設定を行うことができるため、例えば、図45(B)に示すように、第1メニューにおいて「報知演出設定」が選択された場合に切替表示される第2メニューには、保留上限報知に関する設定を行う「保留上限報知」、一般入賞報知に関する設定を行う「一般入賞報知」、打ち方報知に関する設定を行う「打ち方報知」およびモード変化報知に関する設定を行う「モード変化報知」が選択肢(演出設定カテゴリ)として提示される。
ラウンド中用メニュー表示の特徴的な点は、デモ表示中に表示されるメニュー表示が演出表示装置9の全画面に表示されるのに対して、図45(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面右下の一部領域(表示領域200)において表示されることである。この実施の形態では、ラウンド中には、演出表示装置9において、ラウンド中演出(図45(A),(B)では「大当り中」の文字が示されているが、例えば、動画像等が表示される)が実行されるため、メニュー表示を全画面表示すると、ラウンド中演出の妨げとなってしまうおそれがある。そこで、ラウンド中には、メニュー表示を一部領域において縮小表示するように構成している。このように構成することにより、ラウンド中演出の妨げとなることなく、ラウンド中にも報知演出の実行に関する設定を行うことが可能となる。
また、ラウンド中には、例えば、図45に示されるように、演出表示装置9の表示領域左上にラウンド数が表示され(図45の例では「15R」と表示されている)、表示領域右上に導出表示された大当り図柄が表示され(図45の例では「777」と表示されている)、表示領域左下に大入賞口への入賞に対する賞球数の合計である獲得球数が表示される(図45の例では「2000ポイントゲット!」と表示されている)が、ラウンド中用メニュー表示はそれらの妨げにならないように表示される。なお、獲得球数として、連荘中の累積獲得球数を表示するようにしてもよい。
ステップS4605において、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作がメニュー表示切替操作であるか否かを判定し(ステップS4605)、メニュー表示切替操作でない場合にはステップS4607へ移行する。メニュー表示切替操作である場合には、メニュー表示の切り替えを行い(ステップS4606)、ステップS4607へ移行する。
ステップS4607では、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作が実行態様設定操作であるか否かを判定し(ステップS4607)、実行態様設定操作でない場合にはステップS4610へ移行する。実行態様設定操作である場合には、操作に応じた表示の切り替え(具体的には、ON/OFFの表示切替)を行うとともに(ステップS4608)、操作に応じた設定内容を記憶(具体的には、ON/OFFを記憶)し(ステップS4609)、ステップS4610へ移行する。
ステップS4610では、演出制御用CPU101は、遊技者から受け付けた操作がメニュー表示終了操作であるか否かを判定し(ステップS6510)、メニュー表示終了操作でない場合にはラウンド中報知演出設定処理を終了する。メニュー表示終了操作である場合には、ラウンド中用メニュー表示を終了させ(ステップS4611)、ラウンド中報知演出設定処理を終了する。
この実施の形態では、第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示よりも優先して実行されるように構成されている(ステップS52〜S54参照)。また、第1特別図柄の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合よりも第2特別図柄の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合の方が高くなるように構成されている(例えば、図8(B),(C)、図9〜図10に示されるように、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、大当り遊技後に確変状態(かつ高ベース状態)に制御される割合が高い大当りCまたは大当りD(いずれも第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞可能となる第6ラウンドが設けられている)に決定されるように構成されている)。そのため、例えば、高ベース状態において第1保留記憶と第2保留記憶とをそれぞれ記憶している場合に、有利に遊技を進めるためには、第1保留記憶にもとづいて第1特別図柄の可変表示が行われないように、第2保留記憶にもとづいて第2特別図柄の可変表示が行われるようにする(すなわち、第2始動入賞口14への始動入賞を発生させるために右打ちを継続して行う)ことになる。しかし、デモ表示中にのみ報知演出に関する設定が可能な構成では、第2保留記憶を消化し、第1保留記憶も消化した後(すなわち第1特別図柄の可変表示が行われた後)でなければ、設定を行うことができない。つまり、有利に遊技を進めたい遊技者にとっては、実質的に報知演出に関する設定を行うことができない。そこで、この実施の形態では、デモ表示中に加えて、ラウンド中にも演出に関する設定を行うことができるように構成している。このように構成することにより、遊技者の好みに応じた演出を実行可能にすることができる。
この実施の形態では、デモ表示中とラウンド中とにおいて報知演出に関する設定を行うことができるように構成されているが、これに加えて、高ベース状態における可変表示中にも報知演出に関する設定を行うことができるようにしてもよい。例えば、メニュー設定用のボタン(専用であってもよいし、他の機能と併用であってもよい)を操作することにより、デモ表示中、ラウンド中および高ベース状態中の任意のタイミングで報知演出に関する設定を行うことができるようにしてもよい。このように構成することにより、高ベース状態において、第2保留記憶を消化して(すなわち第1保留記憶にもとづく第1特別図柄の可変表示を実行させて)デモ表示が行われる状態にすることなく、報知演出に関する設定を行うことができ、遊技者の好みに応じた演出を実行可能にすることができる。なお、この場合にも、演出図柄の可変表示や可変表示に伴う演出の妨げとならないように、図46(A)に示すように、高ベース中用メニュー表示が、演出表示装置9の一部領域において表示されることが望ましい。
高ベース状態中の任意のタイミングで報知演出に関する設定を行うことができるようにすると、変動表示中にも設定を行うことができるようになるため、例えば、いわゆるボタン演出(具体的には、遊技者により特定の動作が行われたことにもとづいて実行される演出)に対する操作が有効な期間と、設定を行うための操作が有効な期間とが重なる可能性がある。このように、ボタン演出に対する操作と、設定を行うための操作とのいずれも有効な期間には、操作を検出すると、いずれか一方に対する操作を有効とし、他方に対する操作を無効とするようにしてもよい。また、例えば、操作が有効な期間が重なるときには、ボタン演出に対する操作と設定を行うための操作とで、操作対象を異ならせるようにしてもよい。具体的には、プッシュボタン120の押下操作をボタン演出に対する操作とし、スティックコントローラ122の傾倒操作を、設定を行うための操作としてもよい。また、そもそも操作が有効な期間が重ならないようにボタン演出の実行を禁止するようにしてもよい。
なお、図45(A),(B)、図46(A)で示した例では、ラウンド中用メニュー表示や高ベース中用メニュー表示が、デモ表示中に表示されるメニュー表示を単純に縮小した態様により表示されているが、これに限らず、色やレイアウト等が異なる態様により表示されるようにしてもよい。例えば、図46(B)に示すように、メニューとして表示される項目を拡大表示し、スクロール操作(例えば、頂点が下向きの三角形(十字キーの下方向に対応する)を選択する操作)を行うことにより各項目(「音声設定」、「液晶設定」および「報知演出設定」)が順に表示されるようにしてもよい。このように構成することにより、演出表示装置9の全画面ではなく一部領域においてラウンド中用メニュー表示や高ベース中用メニュー表示が表示されても、項目が見づらくなることを防止することができる。
図47および図48は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3904)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
次いで、演出制御用CPU101は、特定検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3923)。特定検出フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU101は、特定検出フラグをリセットし(ステップS3924)、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3925)。確変確定報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を開始する(ステップS3926)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3928)。
次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3929)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3930)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS3931)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS3933)。
ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3934)。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3935)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマおよびプロセスタイマをスタートさせ(ステップS3940)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS3941)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS3942)。
以上に説明したように、この実施の形態では、有利状態(本例では、大当り遊技状態や高ベース状態)と有利状態とは異なる非有利状態(本例では、デモ表示中)とにおいて、遊技者の動作にもとづいて演出に関する設定を行うことが可能な設定手段と、有利状態と非有利状態とで異なる態様により演出の設定に関する表示を行うことが可能な表示手段(本例では、図35、図45に示されるメニュー表示とラウンド中用メニュー表示とで態様が異なる)とを備えるように構成されている。また、設定手段は、複数の演出に関する設定を行うことが可能である(例えば、音声設定や、液晶設定、報知演出設定(保留上限報知、一般入賞報知、打ち方報知およびモード変化報知)など)。そのため、有利状態と非有利状態とのいずれにおいても、実行中の演出等を妨げることなく、演出に関する設定を行うことができ、遊技者の好みに応じた演出を実行可能にすることができる。
また、この実施の形態では、設定手段は、有利状態と非有利状態とにおいて同じ設定を行うことが可能である(例えば、図35、図45参照)ように構成されている。そのため、有利状態と非有利状態とのいずれにおいても、同じように演出に関する設定を行うことができ、遊技者の好みに応じた演出を実行可能にすることができる。
また、この実施の形態では、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示よりも第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を優先して実行し、第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合よりも第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合の方が高くなるように構成されている(本例では、図8(B),(C)、図9〜図10に示されるように、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、大当り遊技後に確変状態(かつ高ベース状態)に制御される割合が高い大当りCまたは大当りD(いずれも第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞可能となる第6ラウンドが設けられている)に決定されるように構成されている)。有利状態は、第2識別情報の可変表示の実行頻度が高くなる高頻度状態(例えば、高ベース状態)を含むように構成されていてもよい。また、有利状態は、入賞領域に遊技媒体が入賞容易となる特定状態(例えば、大当り遊技状態)を含むように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とで、大当りとなる割合が同じであるように構成されているが(例えば、図8(A)に示される大当り判定テーブルを参照)、大当りとなる割合が異なるように構成されていてもよい。例えば、複数の大当り判定テーブルを設け、第2特別図柄の可変表示の場合には、第1特別図柄の可変表示に比べて大当りとなる割合が高くなるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示よりも第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を優先して実行し、第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合よりも第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される割合の方が高くなるように構成されている。そのため、例えば、第1保留記憶と第2保留記憶とをそれぞれ記憶している場合に、有利に遊技を進めるためには、第1保留記憶にもとづいて第1識別情報の可変表示が行われないように、第2保留記憶にもとづいて第2識別情報の可変表示が行われるようにする(本例では、第2始動入賞口14への始動入賞を発生させるために右打ちを継続して行う)ことになる。しかし、デモ表示中等の遊技が行われていないときにのみ演出に関する設定が可能な構成では、第2保留記憶を消化し、第1保留記憶も消化した後でなければ(すなわち、第1識別情報の可変表示が行われた後でなければ)、設定を行うことができない。つまり、有利に遊技を進めたい遊技者にとっては、実質的に演出に関する設定を行うことができない。そこで、この実施の形態では、非有利状態中(本例では、デモ表示中)に加えて、有利状態中(本例では、大当り遊技状態や高ベース状態中)にも演出に関する設定を行うことができるように構成している。このように構成することにより、遊技者の好みに応じた演出を実行可能にすることができる。
なお、この実施の形態では、所定条件(本例では、第1条件〜第4条件)の成立にもとづいて報知を行う報知演出(本例では、保留上限報知、一般入賞報知、打ち方報知、モード変化報知)を実行可能な構成について説明したが、「所定条件」は、上述したものに限られない。例えば、保留記憶に対応する保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出(具体的には、始動入賞時に大当りとなるか否かを判定し、該判定対象となった保留記憶に対応する保留表示の表示態様を、該判定の判定結果を示唆するものに変化させる演出)の発生、実行中の変動に対応する表示(アクティブ表示)の表示態様を変化させるアクティブ変化演出の発生、特定の演出の発生(例えば、予め情報公開がされている信頼度の高い演出の発生)、特定の入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14または大入賞口)に対する規定数を超えた入賞の発生、特定のタイミングになること(例えば、時刻情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)の出力情報が特定時刻を示すこと、遊技開始から特定期間(遊技者の動作にもとづいて設定可能であってもよい)が経過したこと)、獲得賞球数が所定数に到達したこと、大当り確定となったことなどの条件が、第1条件〜第4条件に代えて、または加えて設けられていることとしてもよい。
また、複数の所定条件に対応する各報知演出は、全てが共通する報知態様(「音声」、「振動」および「LED」のON/OFFの組み合わせ)にて実行可能であるよう構成されているが、一部、または全ての報知演出の報知態様が共通しないものであってもよい。また、同一の所定条件が成立した場合であっても、所定条件の成立回数や成立タイミングによって報知演出の報知態様を変化させる(例えば、振動の強さが段階的に変化したり、LEDの発光色が変化したりする)ものであってもよい。
また、この実施の形態では、表示手段(本例では、図35、図45に示されるメニュー表示とラウンド中用メニュー表示)において、演出の設定に関する表示(本例では、図35(A)に示すように、第1メニューでは、「音声設定」、「液晶設定」および「報知演出設定」が選択肢(演出設定カテゴリ)として提示される。)を行うように構成されているが、このような構成に加えて、一般入賞口への入賞数を表示するようにしてもよい。例えば、第1メニューとして「一般入賞口入賞数表示」という選択肢を設け、当該選択肢が選択されたときに、一般入賞口への入賞数を表示するようにしてもよいし、各選択肢とは別に一般入賞口への入賞数を常時表示するようにしてもよい。入賞数の表示については、一般入賞口33,39への入賞数の合計を表示する形式であってもよいし、一般入賞口33への入賞と一般入賞口39への入賞とで賞球が異なるような場合には、それぞれ別に入賞数を表示する形式であってもよい。また、遊技者が表示の形式を選択できるようにしてもよい。
また、表示手段において一般入賞口への入賞数を表示可能とする場合には、例えば、計数した入賞数が電源OFFによりリセットされる(バックアップしない)構成とし、電断などの事故が無ければ一日分の入賞数が表示されるようにしてもよいし、計数した入賞数をバックアップRAMに記憶させる構成とし、累計の入賞数が表示されるようにしてもよい。また、例えば、計数した入賞数をRTC(リアルタイムクロック)から提供された日付と対応付けて記憶することにより、表示手段において過去の入賞数を表示可能な構成とし、例えば何月何日にどれだけ入賞数があったかを遡って確認できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ラウンド中報知演出設定処理により、最終2ラウンド中に報知演出の設定が行うことができるように構成されているが、例えば、報知演出の設定が行うことができる期間になると、その旨を報知する(例えば、演出表示装置9において「ボタンを操作すると設定を変更できます」というメッセージを表示したり、特定の演出音を出力したり、ランプを点灯させたりする)ようにしてもよい。また、遊技状態が高ベース状態であって、報知演出の設定が行うことができる期間にも、その旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、設定手段は、有利状態(本例では、大当り遊技中や高ベース中)と非有利状態(本例では、デモ表示中)とにおいて同じ設定を行うことが可能である(例えば、図35、図45、図46参照)ように構成されているが、設定可能な項目が異なるようにしてもよい。例えば、有利状態においてのみ設定可能な項目が設けられていてもよい。
実施の形態2.
以下、第2の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、「ボタン演出」や「レバー演出」といった複数種類の予告演出が実行可能に設定されている。「ボタン演出」と「レバー演出」とは、大当り期待度を示唆する予告演出である。なお、「ボタン演出」や「レバー演出」は、大当り期待度を示唆する演出に限定されず、例えばリーチ期待度や、確変期待度などといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に示唆するための演出であってもよい。
「ボタン演出」が実行される場合には、例えば変動表示が開始されてから、2つ以上の演出図柄が停止表示されるより前に、ボタン操作有効期間中演出となる演出動作が行われる。ボタン操作有効期間中演出は、例えば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるプッシュボタン120の押下操作を促進する演出動作である。このように、遊技者によるプッシュボタン120の押下操作を促すボタン操作有効期間中演出は、第1促進演出としてのボタン操作促進演出ともいう。ボタン操作有効期間中演出が行われるときには、遊技者によるプッシュボタン120などの操作を有効に検出する操作有効期間となる。操作有効期間内に遊技者によるプッシュボタン120の押下操作などが検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、ボタン操作有効期間中演出の実行を停止するとともに、特定演出の演出動作が行われる。こうして、プッシュボタン120に対する押下操作が操作有効期間内に検出されたときに、ボタン操作有効期間中演出を特定演出に切り替えることなどにより、演出態様を変化させることができればよい。
「レバー演出」が実行される場合には、例えば変動表示が開始されてから、2つ以上の演出図柄が停止表示されるより前に、レバー操作有効期間中演出となる演出動作が行われる。レバー操作有効期間中演出は、例えば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるスティックコントローラ122の傾倒操作を促進する演出動作である。このように、遊技者によるスティックコントローラ122の傾倒操作を促すレバー操作有効期間中演出は、第2促進演出としてのレバー操作促進演出ともいう。なお、第1促進演出と第2促進演出とを、単に「促進演出」ともいう。レバー操作有効期間中演出が行われるときには、遊技者によるスティックコントローラ122などの操作を有効に検出する操作有効期間となる。操作有効期間内に遊技者によるスティックコントローラ122の傾倒操作などが検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、レバー操作有効期間中演出の実行を停止するとともに、特定演出の演出動作が行われる。こうして、スティックコントローラ122に対する傾倒操作といった所定の操作が、操作有効期間内に検出されたときに、レバー操作有効期間中演出を特定演出に切り替えることなどにより、演出態様を変化させることができればよい。
この実施の形態では、1回の演出図柄の可変表示中に、予告演出として「ボタン演出」と「レバー演出」とのいずれかが実行可能となっている。そして、ボタン演出におけるボタン操作有効期間中演出が行われるときや、レバー演出におけるレバー操作有効期間中演出が行われるときの操作有効期間内には、プッシュボタン120に対する押下操作及びスティックコントローラ122に対する傾倒操作が検出可能に設定されており、操作有効期間内にプッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれかに対する操作が検出されたときに、後述するチャンス演出や激アツ演出といった特定演出が実行される。例えば、ボタン操作有効期間中演出が行われるときの操作有効期間内に、スティックコントローラ122に対する操作が検出されたときにも、特定演出が実行される。また、レバー操作有効期間中演出が行われるときの操作有効期間内に、プッシュボタン120に対する操作が検出されたときにも、特定演出が実行される。なお、遊技者による所定の操作を促す演出動作としては、演出表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域内あるいは遊技領域外に設けられた演出用模型が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。
この実施の形態では、プッシュボタン120は、ボタン操作有効期間中演出が行われているときには白色に発光し、ボタン操作有効期間中演出が行われていないときには消灯するものとなっている。スティックコントローラ122は、レバー操作有効期間中演出が行われているときには白色に発光し、レバー操作有効期間中演出が行われていないときには消灯するものとなっている。
この実施の形態では、特定演出として、「チャンス演出」(第1特定演出)と、「激アツ演出」(第2特定演出)とがあり、促進演出における操作有効期間内に遊技者による操作が検出されたときに、「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれかが実行される。「チャンス演出」と「激アツ演出」とは、例えば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、大当り期待度を示唆する予告演出である。なお、「チャンス演出」や「激アツ演出」は、大当り期待度を示唆する予告演出に限定されず、例えばリーチ期待度や、確変期待度などといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に示唆するための演出であってもよい。
この実施の形態では、一例として、「レバー演出」(レバー操作有効期間中演出)が実行されたときに、「ボタン演出」(ボタン操作有効期間中演出)が実行されたときと比べて高い割合で、大当り遊技状態に制御されるように設定されている。従って、「レバー演出」が実行されたときには、「ボタン演出」が実行されたときよりも大当り期待度が高いことが示唆される。また、この実施の形態では、「激アツ演出」が実行されたときに、「チャンス演出」が実行されたときと比べて高い割合で、大当り遊技状態に制御されるように設定されている。従って、「激アツ演出」が実行されたときには、「チャンス演出」が実行されたときよりも大当り期待度が高いことが示唆される。
この実施の形態では、遊技者がレバー演出の実行頻度を複数の選択候補の中から選択することができるようになっている。なお、遊技者に加えて遊技店の店員もレバー演出の実行頻度の選択をできるようにしてもよく、また、遊技者に替えて遊技店の店員がレバー演出の実行頻度の選択をできるようにしてもよい。レバー演出の実行頻度を選択する処理は、演出制御基板80の演出制御用CPU101により実行される。
図49は、レバー演出の実行頻度の選択画面の一例を示す図である。例えば、デモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン120などの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出された場合に、図49に示すように演出表示装置9にレバー演出の実行頻度を選択するためのレバーカスタマイズ画面が表示される。そして、遊技者によるスティックコントローラ122やプッシュボタン120の操作により、レバー演出の実行頻度として、「高い」、「普通」及び「低い」のうちのいずれかが選択される。なお、第1の実施の形態における報知演出に関する設定を行うことができるタイミング(具体的には、デモ表示中やラウンド中、高ベース状態中)でレバー演出に関する設定を行うことができるようにしてもよい。この場合には、例えば、図35(A)に示される第1メニューにおいて、「音声設定」、「液晶設定」および「報知演出設定」に加えて、「レバー演出設定」の項目を設けるようにすればよい。
レバー演出の実行頻度が「高い」に選択された場合には、レバー演出の実行頻度が「普通」や「低い」に選択された場合と比べて、促進演出としてレバー演出が実行される頻度が高くなる。レバー演出の実行頻度が「普通」に選択された場合には、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択された場合と比べて、促進演出としてレバー演出が実行される頻度が高くなる。また、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択された場合には、レバー演出の実行頻度が「高い」や「普通」に選択された場合と比べて、促進演出としてレバー演出が実行される頻度が低くなる。なお、レバー演出の実行頻度が「高い」に選択された場合には、レバー演出が実行されたときの信頼度(大当り期待度)が低く(「低」)、レバー演出の実行頻度が「普通」に選択された場合には、レバー演出の実行頻度が「高い」に選択されたときの信頼度よりも高く(「中」)、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択された場合には、レバー演出の実行頻度が「高い」、「普通」に選択されたときの信頼度よりも高く(「高」)なる。
この実施の形態では、演出図柄の可変表示が開始されるときに、特定演出決定処理が実行される。例えば、演出図柄変動開始処理において特定演出決定処理が実行される。演出制御基板80の演出制御用CPU101は、一例として、特定演出の有無や特定演出の種類を決定するための使用テーブルとして、予めROMの所定領域に記憶するなどして用意された特定演出決定テーブルを選択してセットする。特定演出決定テーブルでは、特定演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定演出を実行しない「実行なし」や、特定演出を実行する場合における複数種類の特定演出に対応した「激アツ演出」または「チャンス演出」といった決定結果に、割り当てられている。演出制御用CPU101は、例えば乱数回路やRAMの所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどから抽出した特定演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特定演出決定テーブルを参照することにより、「チャンス演出」や「激アツ演出」となる特定演出を実行するか否かや、特定演出を実行する場合に「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれを実行するかを決定する。
図50は、特定演出の決定例を示している。この決定例において、特定演出を実行するか否かや、特定演出を実行する場合に「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれを実行するかは、主基板31から伝送された演出制御コマンドなどにより特定される可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で決定される。例えば、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合には、可変表示結果が「大当り」となる場合よりも高い割合で、「チャンス演出」に決定され、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、「激アツ演出」に決定される。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、「激アツ演出」よりも「チャンス演出」に決定される割合が高く、可変表示結果が「大当り」となる場合には、「チャンス演出」よりも「激アツ演出」に決定される割合が高くなる。こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、特定演出として「激アツ演出」が実行される場合には、「チャンス演出」が実行される場合よりも、大当り期待度が高いことを示唆できる。また、図50に示す確変状態の有無に応じた各特定演出の全体平均は、確変状態であるか否かに応じた可変表示結果の決定割合と、図50に示す激アツ演出とチャンス演出との実行割合(A1、A2、B1、B2)とから導き出される。確変状態であるときには、確変状態ではないときと比べて可変表示結果が「大当り」となる割合が高いので、図50に示すように、激アツ演出の全体の平均的な実行割合は、「非確変」のときよりも「確変」のときの方が高くなっている。なお、「確変」のときのみ特定演出を実行可能にしてもよく、また、「非確変」のときのみ特定演出を実行可能にしてもよい。
この実施の形態では、特定演出決定処理が実行されて「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれかを実行すると決定された後には、促進演出決定処理が実行される。演出制御用CPU101は、促進演出の種類を決定するための使用テーブルとして、予めROMの所定領域に記憶するなどして用意された促進演出決定テーブルを選択してセットする。促進演出決定テーブルは、図49に示したレバー演出の実行頻度である「高い」、「普通」及び「低い」に応じて、複数設けられている。促進演出決定テーブルでは、特定演出として「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれが実行されるかや、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて、促進演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、「レバー演出」または「ボタン演出」といった決定結果に、割り当てられている。演出制御用CPU101は、例えば乱数回路やRAMの所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどから抽出した促進演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、促進演出決定テーブルを参照することにより、促進演出として「ボタン演出」と「レバー演出」とのいずれを実行するかを決定する。なお、この実施の形態では、上記した特定演出決定処理にて「実行なし」に決定された場合には、促進演出決定処理が実行されることがない。従って、特定演出が実行されないときには、促進演出も実行されないこととなる。
この実施の形態では、上述したようにレバー演出の実行頻度を「高い」、「普通」及び「低い」のうちからいずれかに選択することができる(図49参照)。これにより、促進演出決定処理で用いられる促進演出決定テーブルが決定されることになる。促進演出決定テーブルでは、図51(A)〜(C)に示すようにレバー演出とボタン演出との実行割合が予め設定されている。従って、図49に示すようにレバー演出の実行頻度を選択することにより、レバー演出とボタン演出との実行割合を、レバー演出の実行頻度の選択数に応じた数から選択できるようになっている。
図51は、促進演出の決定例を示している。なお、図51では、確変状態ではないときの例を示し、確変状態であるときの例については省略する。図51の決定例において、促進演出として「レバー演出」と「ボタン演出」とのいずれを実行するかは、特定演出が「チャンス演出」であるか「激アツ演出」であるか、及び、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか、に応じて異なる割合で決定される。例えば、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合には、特定演出がいずれであるかにかかわらず、可変表示結果が「大当り」となる場合よりも高い割合で、「ボタン演出」に決定され、可変表示結果が「大当り」となる場合には、特定演出がいずれであるかにかかわらず、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、「レバー演出」に決定される。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、「レバー演出」よりも「ボタン演出」に決定される割合が高く、可変表示結果が「大当り」となる場合には、「ボタン演出」よりも「レバー演出」に決定される割合が高くなる。こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、促進演出として「レバー演出」が実行される場合には、「ボタン演出」が実行される場合よりも、大当り期待度が高いことを示唆できる。図51に示す特定演出に応じた各促進演出の平均は、各特定演出の実行割合(A1、A2、B1、B2)と、各促進演出の実行割合とから導き出される。また、各促進演出の全体平均は、特定演出に応じた各促進演出の平均から導き出される。図51(A)〜(C)に示すように、レバー演出の全体平均は、レバー演出の実行頻度が「高い」、「普通」、「低い」の順に下がっている。
図52は、レバー演出の実行頻度の違いによるチャンス演出と激アツ演出との実行割合を示す図である。図52に示すように、レバー演出が実行された後にチャンス演出が実行される割合は、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択されたときには、約3.5%であり、レバー演出の実行頻度が「普通」に選択されたときには、約10.5%であり、レバー演出の実行頻度が「高い」に選択されたときには、約15.7%である。これに対して、レバー演出が実行された後に激アツ演出が実行される割合は、レバー演出の実行頻度が「低い」、「普通」及び「高い」のいずれに選択されたときにも、約0.5%となっている。即ち、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択されたときと比べて高く設定されたとき(「普通」や「高い」に選択されたとき)には、レバー演出の実行頻度が高くなった分に対応する特定演出がチャンス演出として実行されるようになっている。このように、この実施の形態では、例えばレバー演出の実行頻度が「高い」に選択されたときには、レバー演出の実行頻度が「普通」や「低い」に選択されたときと比べて、レバー演出が実行された後の特定演出としてチャンス演出が高い割合により実行されるようになっている。
この実施の形態では、演出図柄変動中処理において、ボタン演出動作制御処理とレバー演出動作制御処理とが実行される。図53は、演出制御用CPU101が実行するボタン演出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。図53に示すボタン演出において、演出制御用CPU101は、ボタン演出を実行するためのボタン演出期間であるか否かを判定する(ステップS511)。ステップS511にてボタン演出期間であるときには(ステップS511;Yes)、ボタン演出期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS512)。ステップS512にてボタン演出期間の開始タイミングであるときには(ステップS512;Yes)、プッシュボタン120(ボタン)及びスティックコントローラ122(レバー)の操作有効期間を開始させるための設定を行う(ステップS513)。このように、ボタン演出が実行される場合に、まずは操作有効期間を開始させて、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122といった操作手段に対する所定の操作を有効に検出可能とする。ステップS512にてボタン演出期間の開始タイミングではないときには(ステップS512;No)、操作有効期間であるか否かを判定する(ステップS514)。
ステップS513の処理を実行した後や、ステップS514にて操作有効期間であるときには(ステップS514;Yes)、ボタン操作有効期間中演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS515)。ステップS515の処理では、遊技者の操作をプッシュボタン120やスティックコントローラ122によって検出可能な有効期間を示す指標表示を行う。指標表示は、例えば、操作有効期間の残り時間が減少することに応じて表示量が減少してゆくメーター(ゲージ)を示す演出画像(メーター画像)を表示させることにより行われる。操作有効期間の残り時間が「0」となるときには、表示量が「0」のメーター画像を表示させることにより、操作有効期間が終了したことを示す指標表示が行われる。操作有効期間が終了したことを示す指標表示を、特に終了指標表示という。また、操作有効期間中において、プッシュボタン120が白色に発光する。
ステップS515の処理を実行した後には、プッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作といった、遊技者による所定の指示操作が検出される操作検出ありか否かを判定する(ステップS516)。このとき、操作検出ありと判定されたときには(ステップS516;Yes)、ボタン操作有効期間中演出を終了するための制御を行う(ステップS517)。ステップS517の処理では、例えば、表示量が残っているメーター画像から、表示量が「0」のメーター画像に切り替える。即ち、操作有効期間が終了する前に、プッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作といった、遊技者による所定の指示操作が検出される操作検出ありと判定されたときにも、上記終了指標表示を行う。
また、ステップS516にて操作検出なしと判定されたときには(ステップS516;No)、操作有効期間を終了させるか否かを判定する(ステップS518)。ステップS517の処理を実行した後や、ステップS518にて操作有効期間を終了させるときには(ステップS518;Yes)、特定演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップS519)。なお、操作有効期間を終了させるときには特定演出となる演出動作を開始するための設定を行わなくてもよい。この場合には、操作有効期間が終了して終了指標表示が行われた後に、特定演出が実行されなくなる。ステップS519の処理を実行した後には、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の操作有効期間を終了させるための設定を行う(ステップS520)。これにより、操作有効期間の終了後は、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122に対する所定の操作を検出不可能とすればよい。ステップS520の処理を実行した後や、ステップS511にてボタン演出期間でないとき(ステップS511;No)、ステップS514にて操作有効期間でないとき(ステップS514;No)、ステップS518にて操作有効期間を終了させないときには(ステップS518;No)、ボタン演出動作制御処理を終了する。
なお、演出制御用CPU101が実行するレバー演出動作制御処理は、図53に示すボタン演出動作制御処理と同様の処理となっている。例えば、レバー演出動作制御処理では、図53に示すボタン演出動作制御処理のステップS511、S512、S515、S517において、「ボタン」が「レバー」に替わるだけで、その他の内容についてはボタン演出動作制御処理と同じである。上述した促進演出決定において「ボタン演出」を実行することに決定された場合には、可変表示中にボタン演出動作制御処理が実行され、上述した促進演出決定において「レバー演出」を実行することに決定された場合には、可変表示中にレバー演出動作制御処理が実行されることとなる。
図54は、ボタン演出を実行したときの演出画面の一例を示している。例えば図54(A)に示すように演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始された後、ボタン演出期間の開始タイミングにて、操作有効期間が開始するとともに、操作有効期間中演出が開始される。操作有効期間中演出が開始されると、図54(B)に示すように演出表示装置9の画面上にプッシュボタン120を模したボタン画像BTや、「PUSH!」といったメッセージを示すメッセージ画像MS0が表示される。これにより、プッシュボタン120に対する押下操作を有効に検出する操作有効期間となることを遊技者が認識可能に報知される。また、操作有効期間を示す演出画像としてメーター画像MTが表示される。さらに、プッシュボタン120が白色に発光する。なお、このときスティックコントローラ122は消灯している。こうした操作有効期間中演出の実行により、プッシュボタン120に対する押下操作を遊技者に促す。操作有効期間であるときには、プッシュボタン120に対する押下操作などが検出されない限り、操作有効期間の残り時間に応じて図54(C)に示すようにメーターの表示量を減少させるように、メーター画像MTの表示が更新される。
また、操作有効期間が終了するタイミングの前に、プッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作がなされたときには、図54(D)に示すように表示量が「0」のメーター画像MTが表示される終了指標表示が行われて、操作有効期間が終了する。このように操作有効期間の残り時間が「0」となる前であっても、遊技者による操作が検出されたことに応じてメーターの表示量が「0」になるとともに、操作有効期間中演出の実行が終了する。その後、特定演出として「チャンス演出」と「激アツ演出」とのうちのいずれかが実行される。「チャンス演出」が実行された場合には、図54(E1)に示すような第1のキャラクタ画像CH1が表示されるとともに、「チャンス!」といったメッセージ画像MS1が表示される。また、「激アツ演出」が実行された場合には、図54(E2)に示すような第2のキャラクタ画像CH2が表示されるとともに、「激アツ!」といったメッセージ画像MS2が表示される。
また、図54(C)に示す状態から、プッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作が検出されずに所定時間経過すると、図54(F)に示すように表示量が残り少ないメーター画像MTに更新される。そして、操作有効期間が終了するまでプッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作が検出されないと、図54(G)に示すように表示量が「0」のメーター画像MTが表示される終了指標表示が行われて、操作有効期間が終了する。このように操作有効期間の残り時間が「0」となることに応じメーターの表示量が「0」になるとともに、操作有効期間中演出の実行が終了する。その後、特定演出として「チャンス演出」と「激アツ演出」とのうちのいずれかが実行される(図54(E1)または(E2))。なお、操作有効期間を終了させるときにステップS519の処理(特定演出となる演出動作を開始するための設定)を行わないようにしたときには、特定演出は実行されない。
なお、レバー演出を実行したときの演出画面は、図54に示すボタン演出を実行したときの演出画面と同様の画面となっている。例えば、レバー演出を実行したときの演出画面では、図54に示すボタン演出を実行したときの演出画面の図54(B)〜(D)、(F)、(G)において、プッシュボタン120を模したボタン画像BTがスティックコントローラ122を模したレバー画像に替わり、「PUSH!」といったメッセージ画像MSが「PULL!」といったメッセージ画像に替わる。また、操作有効期間中演出においてスティックコントローラ122が白色に発光し、プッシュボタン120は消灯する。レバー演出を実行したときの特定演出は、ボタン演出を実行したときの特定演出(図54(E1)、(E2)に示す演出)と同じ演出であってもよいし、異なる演出であってもよい。例えば、レバー演出を実行したときの特定演出では、ボタン演出を実行したときの特定演出で登場したキャラクタとは異なるキャラクタが登場してもよい。
以上説明したように、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、遊技者によるプッシュボタン120の操作を促進するボタン操作有効期間中演出が実行可能となっており、また、遊技者によるスティックコントローラ122の操作を促進するレバー操作有効期間中演出が実行可能となっている。ボタン操作有効期間中演出が行われるときや、レバー操作有効期間中演出が行われるときの操作有効期間では、プッシュボタン120に対する押下操作及びスティックコントローラ122に対する傾倒操作が検出可能であり、操作有効期間内にプッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれかに対する操作が検出されたときに、チャンス演出や激アツ演出といった特定演出が実行される。また、例えば、図49に示すようにレバー演出の実行頻度を選択することにより、レバー演出とボタン演出との実行割合を、レバー演出の実行頻度の選択数に応じた数から選択できる。このようにレバー演出とボタン演出との実行割合を選択できるので、検出手段を用いた演出の興趣を向上させることができる。また、ボタン演出やレバー演出といった促進演出時には、常にプッシュボタン120とスティックコントローラ122の両方とも検出可能となるため、遊技者の設定に応じてボタン演出とレバー演出との実行割合を異ならせることができるにもかかわらず、遊技者の設定に応じて検出可能とする検出手段の切り替えを行わずに済む。従って、制御の負担を軽減することができる。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、図51の促進演出決定テーブルに示されるように、レバー演出とボタン演出との実行割合が予め設定されている。このテーブルに設定された実行割合により、促進演出として「レバー演出」が実行される場合には、「ボタン演出」が実行される場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆できる。従って、ボタン演出やレバー演出といった促進演出に対する期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、プッシュボタン120は、ボタン操作有効期間中演出が行われているときには白色に発光し、ボタン操作有効期間中演出が行われていないときには消灯する。また、スティックコントローラ122についても同様である。従って、促進演出を効果的に実行できる。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、「激アツ演出」が実行される場合には、「チャンス演出」が実行される場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆できる。また、レバー演出の実行頻度が「低い」に対応した図51(C)に示す実行割合と、レバー演出の実行頻度が「普通」に対応した図51(B)に示す実行割合と、レバー演出の実行頻度が「高い」に対応した図51(A)に示す実行割合と、のいずれかに選択可能である。そして、図52に示すように、レバー演出の実行頻度が「高い」に選択されたときには、レバー演出の実行頻度が「普通」や「低い」に選択されたときと比べて、レバー演出が実行された後の特定演出としてチャンス演出が高い割合により実行されるようになっている。従って、特定演出への期待感を保つことができる。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、操作有効期間の残り時間が減少することに応じて表示量が減少してゆくメーター画像を表示する。そして、操作有効期間の残り時間が「0」となるときには、表示量が「0」のメーター画像を表示する。また、ステップS516にて操作検出ありと判定された場合には(ステップS516;Yes)、ボタン操作有効期間中演出を終了するための制御を行う(ステップS517)。ステップS517の処理では、例えば、表示量が残っているメーター画像から、表示量が「0」のメーター画像に切り替える。これにより、遊技者の操作により操作有効期間が終了したことが分かりやすくなる。
なお、この発明は、この実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
この実施の形態では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122は、促進演出が行われているときに白色に発光するものとして説明した。しかし、促進演出の実行中における発行色は白色に限定されず、青色や黄色、緑色、赤色などであってもよい。また、大当り期待度やリーチ期待度、確変期待度などといった遊技の有利度に応じて異なる色に発光してもよい。例えば、ボタン操作有効期間中演出において、プッシュボタン120は、大当り期待度やリーチ期待度、確変期待度などに応じて赤色や黄色、青色などに発光してもよい。この場合には、プッシュボタン120の発光色が赤色や黄色、青色などのいずれであるかにかかわらず、例えば、図54(B)〜(D)、(F)、(G)に示すようなボタン画像BTやメッセージ画像MS0、メーター画像MTなどを表示するボタン操作有効期間中演出を共通に実行してもよい。また、レバー操作有効期間中演出において、スティックコントローラ122は、大当り期待度やリーチ期待度、確変期待度などといった遊技の有利度に応じて赤色や黄色、青色などに発光してもよい。この場合には、スティックコントローラ122の発光色が赤色や黄色、青色などのいずれであるかにかかわらず、例えば、図54(B)〜(D)、(F)、(G)に示す演出と同様のレバー操作有効期間中演出を共通に実行してもよい。このようにすれば、演出の効果が向上することになる。なお、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の態様の変化に応じて、異なるボタン操作有効期間中演出やレバー操作有効期間中演出を実行してもよい。このようにすれば、演出の興趣を向上することができる。
また、この実施の形態では、ボタン演出を実行する場合、大当り期待度が高いか否かにかかわらず、共通のボタン画像として、図54(B)〜(D)、(F)、(G)に示すようなボタン画像BTを演出表示装置9に表示した。なお、ボタン演出を実行する場合、大当り期待度などの遊技の有利度に応じて、異なるボタン画像を演出表示装置9に表示してもよい。例えば、遊技の有利度が高いときには大きなサイズのボタン画像が表示され、遊技の有利度が低いときには小さなサイズのボタン画像が表示されるようにしてもよい。また、遊技の有利度が高いときには赤色のボタン画像が表示され、遊技の有利度が低いときには青色のボタン画像が表示されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1検出手段をプッシュボタン120により構成し、第2検出手段をスティックコントローラ122により構成したが、検出手段はプッシュボタン120やスティックコントローラ122に限定されない。例えば、検出手段を接触式のタッチセンサなどにより構成し、遊技者が接触部を手でタッチする動作を検出可能としたり、検出手段を非接触式のタッチセンサなどにより構成し、遊技者が検知部に手をかざす動作を検出可能としたり、してもよい。また、検出手段をジョグダイヤルやタッチパネルなどで構成し、遊技者の動作(操作)を検出可能としてもよい。
また、この実施の形態では、プッシュボタン120やスティックコントローラ122などの検出手段を、操作有効期間中演出が行われているときに発光するものとして説明したが、検出手段は、発光するものに限定されない。例えば、検出手段は、操作有効期間中演出が行われているときに振動するものや、操作有効期間中演出が開始するときに前方(遊技者に向かう方向)に移動し、操作有効期間中演出が終了するときに後方(遊技者から離れる方向)に移動するもの(進退動作をするもの)などであってもよい。また、検出手段は、大当り期待度に応じて発光や、振動、進退動作などのいずれかを行うものであってもよい。この場合にも、検出手段が発光や、振動、進退動作などのいずれを行うかにかかわらず、共通の促進演出を実行可能であればよい。なお、検出手段が発光や、振動、進退動作などのいずれを行うかに応じて、異なる促進演出を実行可能としてもよい。
また、この実施の形態では、操作有効期間中演出は、全図柄変動が開始されてから、2つ以上の演出図柄が停止表示されるより前に、実行されることとした。しかし、操作有効期間中演出の実行タイミングは、上記したタイミングに限定されず、例えば、高速変動中や、リーチ状態成立時、リーチ演出中、ノーマルリーチからスーパーリーチへの発展時、大当り遊技状態発生時、大当り遊技状態中などであってもよい。また、操作有効期間中演出は、1回の可変表示中に複数回実行されてもよい。例えば、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに、演出図柄の可変表示を一旦仮停止させた後に再び変動(擬似連変動)させる演出表示を所定回(例えば最大3回)行うことができる「擬似連」の可変表示演出を実行可能とした場合に、擬似連変動毎に操作有効期間中演出が実行されてもよい。この場合には、擬似連変動の実行回数が多くなるほど、大当り期待度の低いボタン演出よりも大当り期待度の高いレバー演出が実行されやすく構成してもよい。また、1回目と2回目の擬似連変動においてボタン演出を実行した後、3回目の擬似連変動においてレバー演出を実行するといったように、擬似連変動の実行回数が多くなるに連れて大当り期待度が高くなる操作演出に昇格するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、操作有効期間が終了する前に、プッシュボタン120に対する押下操作又はスティックコントローラ122に対する傾倒操作といった、遊技者による所定の指示操作が検出される操作検出ありと判定されたとき(ステップS516;Yes)、ステップS517の処理にて表示量が残っているメーター画像から、表示量が「0」のメーター画像に一気に切り替えた。なお、ステップS517の処理では、表示量が「0」のメーター画像に一気に切り替えずに、メーター画像の残っている表示量が急激に減少して、最終的に表示量が「0」のメーター画像が表示されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図52に示すようにレバー演出が実行された後に激アツ演出が実行される割合は、レバー演出の実行頻度が「低い」、「普通」及び「高い」のいずれに選択されたときにも、約0.5%となるように設定した。なお、この割合は、レバー演出の実行頻度に応じて異なるように設定してもよい。例えば、レバー演出の実行頻度が「低い」に選択されたときの上記割合が約0.5%、レバー演出の実行頻度が「普通」に選択されたときの上記割合が約0.6%、レバー演出の実行頻度が「高い」に選択されたときの上記割合が約0.7%といったように、レバー演出の実行頻度が高くなるほど上記割合が高くなるように設定してもよい。この場合には、レバー演出の実行頻度が高くなることによって増えたチャンス演出の実行割合の増え幅よりも小さい増え幅で、激アツ演出の実行割合が増えればよい。また、レバー演出の実行頻度が高くなるほど上記割合が低くなるように設定してもよい。
また、この実施の形態では、図50に示すように「チャンス演出」と「激アツ演出」とのいずれを実行するかを、可変表示結果が「大当り」であるか否かに応じて異なる割合で決定したが、例えば、リーチ状態となるか否かや、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否か、複数のスーパーリーチのうちいずれのスーパーリーチのリーチ演出が実行されるか、擬似連変動の有無、擬似連変動の実行回数などに応じて異なる割合で決定してもよい。
また、この実施の形態では、図51に示すように、促進演出として「レバー演出」と「ボタン演出」とのいずれを実行するかを、特定演出が「チャンス演出」であるか「激アツ演出」であるか、及び、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか、に応じて異なる割合で決定したが、特定演出が「チャンス演出」であるか「激アツ演出」であるかにかかわらずに決定してもよい。例えば、「レバー演出」と「ボタン演出」とのいずれを実行するかを、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか、に応じて異なる割合で決定してもよい。また、「レバー演出」と「ボタン演出」とのいずれを実行するかを、リーチ状態となるか否かや、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否か、複数のスーパーリーチのうちいずれのスーパーリーチのリーチ演出が実行されるか、擬似連変動の有無、擬似連変動の実行回数などに応じて異なる割合で決定してもよい。
なお、上記の第2の実施の形態に示した構成については、一部の構成のみを第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよいし、全ての構成を第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。例えば、所定条件(例えば、役(ビッグボーナスやレギュラーボーナス)の当落の決定、所定の演出の実行、RT(リプレイタイム)抽選結果の決定、AT(アシストタイム)抽選結果の決定、ART(アシストリプレイタイム)抽選結果の決定など)が成立した場合に報知する報知演出(音声出力、LEDの発光、所定部位(操作レバー、ストップボタン、リール、筐体自体)の振動など)を実行可能であり、遊技者の動作にもとづいて該報知演出の実行に関する設定が可能であることとしてもよい。その場合、所定条件は、有利状態に制御するか否かの判定結果にもとづかないものであることとしてもよい。また、複数種類の所定条件のうちいずれかが成立したことにもとづいて報知を行う報知演出を実行可能であり、複数種類の所定条件のうちいずれが成立した場合にも共通の報知演出を実行可能であることとしてもよい。また、遊技者の皮膚感覚を刺激する報知演出を実行可能であり、複数種類の所定条件のうちいずれの所定条件が成立した場合に報知演出を実行するかを設定可能であることとしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。