JP6437307B2 - 固体電解質 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質に関する。
近年、パソコンや携帯電話の小型化、高機能化に伴い、小型かつ大容量の電源のニーズが高まっている。さらに電気自動車やハイブリット自動車などの開発も進み、高出力、大容量の電源が求められており、高出力かつ高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池の開発が進められている。一般的なリチウムイオン二次電池は電解質を正極材と負極材とで挟み込んだ構造である。
現在市販されているリチウムイオン二次電池に用いられる電解質は有機溶媒と電解質塩とを含む液体電解質、又は有機溶媒と電解質塩と高分子化合物とを含むポリマー電解質であり、液漏れや発火の危険性がある。そこで、電解質に固体電解質を用いた全固体電池が提案されている。固体電解質としては、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質が研究されている。硫化物系固体電解質は高いイオン伝導度を有する物が開発されているが、異常動作した場合に硫化水素などの危険な物質が生成する可能性がある。そのため、より安全性の高い酸化物系固体電解質の開発が望まれている。酸化物系固体電解質にアルミノケイ酸塩であるゼオライトを用いた例としては、ゼオライトと有機系高分子とを混合し、成膜した固体電解質(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。
特開2004−265764号公報
特許文献1に記載の、ゼオライトと有機系高分子とを混合し、成膜した固体電解質は、高いイオン伝導性を示すが、膜の水分量が10mmol%以上20mmol%以下であることが必須である。このような固体電解質を電池に組み込んだ場合、電極などに金属が存在すると、固体電解質中の水分は電極の腐食の原因となる可能性があるほか、水蒸気、酸素、水素などのガスを発生させ、電池を破壊する可能性があるなど、安定性の問題となりうる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、イオン伝導性が高く、安定性の高い酸化物系固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルミノケイ酸塩を含有する固体電解質において含水量を制御することで安定性の高い酸化物系固体電解質を提供することできることを見出した。さらに驚くべきことに、含水量を制御したアルミノケイ酸塩を含有する固体電解質は、特許文献1に記載のように有機系高分子と混合して成膜せずとも高いイオン伝導性を示すことが明らかとなり、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は次に示すとおりである。
[1]アルミノケイ酸塩を含有する固体電解質であって、水の含有量が0質量%以上15質量%以下であり、炭素元素及び窒素元素の合計含有量が1質量%未満である固体電解質。
[2]アルミノケイ酸塩が結晶性である[1]に記載の固体電解質。
[3]アルミノケイ酸塩がゼオライトである[1]又は[2]に記載の固体電解質。
[4]アルミノケイ酸塩が、LTA型、FAU型、ベータ型、MOR型、ABW型及びF型からなる群より選ばれる少なくとも1種のゼオライトである[1]〜[3]のいずれかに記載の固体電解質。
[5]アルミノケイ酸塩がアルミノケイ酸リチウムを含む[1]〜[4]のいずれかに記載の固体電解質。
[6]27℃でのイオン伝導度が0.3×10-4S/cm以上である[1]〜[5]のいずれかに記載の固体電解質。
本発明によれば、イオン伝導性が高く、安定性の高い酸化物系固体電解質を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の固体電解質は、アルミノケイ酸塩を含有する固体電解質であって、水の含有量が0質量%以上15質量%以下であり、炭素元素及び窒素元素の合計含有量が1質量%未満である。
〔アルミノケイ酸塩〕
アルミノケイ酸塩は、四面体構造を持つSiO4 4-とAlO4 5-が単位構造を形成し、四面体の4つの頂点の位置に存在する酸素をとなりの四面体と共有する。この時、AlO4 5-で不足した正電荷を、H+、Na+、Li+、Ca+、NH4 +等のカチオンで補う。これらのカチオンはSi−O及びAl−Oで形成される骨格構造からの束縛力が弱く、容易にイオン交換する。したがって、アルミノケイ酸塩に含まれるカチオンは微弱な電場や磁場の印加により運動性を有すると考えられ、イオン伝導性を発現する。
本実施形態に用いるアルミノケイ酸塩は結晶性であることが好ましい。アルミノケイ酸塩が結晶性である場合、カチオンをより高密度で含有することが可能であり、より高いイオン伝導性が期待できる。結晶性アルミノケイ酸塩のうち、多孔質性を持つものはゼオライトと総称されている。ゼオライトはSi−O及びAl−Oで形成された籠型の空間を有し、さらにそれらが3次元に接合し、サブナノサイズの細孔が3次元に連続している。ゼオライトにおいて、カチオンの多くはこの細孔内に存在しており、さらにこの細孔が3次元方向に連続しているため、この細孔がカチオンのイオン伝導の経路となるため、高いイオン伝導度を発現すると考えられる。したがって、本実施形態に用いるアルミノケイ酸塩はゼオライトであることがより好ましい。
特許文献1にも示されているように、アルミノケイ酸塩を含有する固体電解質膜において、含水量が10mmol/g以上(18.18質量%以上)20mmol/g以下である場合、吸着した水がH3+ホッピングの役割を果たすことで高いカチオン伝導性を発現することが出来ると推測されている。一方、本実施形態のように固体電解質中の含水量が0質量%以上15質量%以下になると、固体電解質は異なるメカニズムで導電性が発現すると考えられる。本発明者は、本実施形態の固体電解質が水に電荷が奪われることなく、イオン伝導に関与する運動性の高いカチオンの濃度を高めることができ、吸着した水によるH3+ホッピングがなくても高いイオン伝導性を発現するものと推測しているが、機序はこれに限定されない。
この時、固体電解質が0質量%以上15質量%以下の水及びアルミノケイ酸塩以外に不純物を含んでいる場合、その物質がイオン伝導の阻害となる場合がある。したがって、本実施形態の固体電解質は、不純物含有量が1質量%未満であればイオン伝導の阻害が十分少なくなる傾向にある。すなわち、本実施形態の固体電解質は、水とアルミノケイ酸塩とを合計で99質量%超含有することが好ましく、99.5質量%超含有すればより好ましい。
アルミノケイ酸塩は、水熱合成でも合成可能なため、焼成による合成よりも粒子径の制御が容易である。さらに結晶性アルミノケイ酸塩を合成する場合、高結晶性の結晶を合成することも容易であり、その結晶特有の粒子形状を形成させることも可能である。特にゼオライトは粒子径、粒子形状の制御、選択性に優れている。
アルミノケイ酸塩は、AlO4 5-が酸点となるため、酸性固体である。特にゼオライトは酸化触媒として広く用いられている。そのため、アルミノケイ酸塩は、空気中の二酸化炭素や水分と接触しても炭酸を吸収しづらく、含有するカチオンの炭酸塩を生成しにくい。従って、アルミノケイ酸塩は、リチウムイオン固体電解質として用いた場合も、空気に対する安定性が高いと考えられる。
アルミノケイ酸塩としては、非晶質アルミノケイ酸塩の他、結晶性アルミノケイ酸塩が挙げられる。結晶性アルミノケイ酸塩として、特に限定されないが、例えば、ゼオライト、ユークリプタイト、Petalite、Ussingiteが挙げられる。ゼオライトとして、特に限定されないが、例えば、アナルシム型(ANA型)、チャパサイト型(CHA型)、エリオナイト型(ERI型)、A型(LTA型)、ポーリンジャイト型(PAU型)、ユガワラライト型(YUG型)、フェリライト型(FER型)、ZSM−11型(MEL型)、ZSM−5型(MFI型)、ベータ型(BEA型)、フォージャサイト型(FAU型)、L型(LTL型)、モルデナイト型(MOR型)、フィリップサイト型(PHI)型、Li−ABW型(ABW型)などが挙げられる。カチオンのイオン伝導度はカチオンが多く含まれる方が高いと考えられることから、アルミノケイ酸塩としては、Si/Al比の低い構造であるが好ましい。したがって、アルミノケイ酸塩としては、LTA型、ベータ型(BEA型)、MOR型、FAU型、F型、ABW型のゼオライトが好ましく、さらに好ましくはLTA型、FAU型のゼオライトである。アルミノケイ酸塩はアルミノケイ酸リチウムを含むことがより好ましい。本実施形態において、アルミノケイ酸塩は1種単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
〔イオン交換〕
アルミノケイ酸塩のうち、非晶質アルミノケイ酸塩、ABW型ゼオライトなどはLiを合成時に含有させて合成することが可能である。その他の結晶性アルミノケイ酸塩はNaなどの他のカチオンを含有させた方が高い結晶性を得ることが容易な場合が多い。そのような結晶性アルミノケイ酸塩をLiイオン伝導固体電解質に用いる場合、結晶性アルミノケイ酸塩はNa型など他のカチオン型で合成した後、Liイオン交換すればよい。
アルミノケイ酸塩のLiイオン交換はLiイオンを高濃度で含有する水溶液(Liイオン含有水溶液)にアルミノケイ酸塩を含浸させることにより行うことができる。Liイオン含有水溶液のLiイオン濃度は0.1N以上が好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.5以上がより好ましい。Liイオン含有水溶液は、例えば、硝酸リチウムや水酸化リチウムなど水に容易に溶解する原料を用いて作製すればよく、原料は特に限定されない。Liイオン含有水溶液のpHはアルミノケイ酸塩の溶解を防ぐため、pH1.5以上pH9以下が好ましく、pH3以上pH8.5以下がより好ましく、pH5以上pH7.5以下がさらに好ましい。
アルミノケイ酸塩のLiイオン交換は、特に限定されないが、例えば、Liイオン含有水溶液を入れた容器にアルミノケイ酸塩を入れ、撹拌する溶液撹拌法や、カラムにアルミノケイ酸塩を入れ、Liイオン含有水溶液を流通させるカラム式が挙げられる。より高いLiイオン交換率を得るためにはカラム式の方が好ましい。
いずれの方法においても、Liイオン含有水溶液は、イオン交換するアルミノケイ酸塩のカチオンサイトの個数の5倍以上のLiイオンを含有する量が好ましく、より好ましくは8倍以上、さらに好ましくは10倍以上が好ましい。Liイオン含有水溶液の温度は水の蒸発を防ぐため100℃未満であることが好ましく、イオン交換速度を上げるため、30℃以上が好ましい。Liイオン含有水溶液の温度は、より好ましくは98℃以下、45℃以上、さらに好ましくは95℃以下、60℃以上である。イオン交換時間は交換率を上げるため長い方が好ましく1時間以上が好ましいが、生産性の観点から6時間以内が好ましい。イオン交換時間は、より好ましくは1.5時間以上、5.5時間以内、さらに好ましくは2時間以上5時間以内である。カラム式の場合は好ましいLiイオン含有水溶液を、好ましいイオン交換時間で流通させるように流速を調整すればよい。
〔含水量の調整〕
本実施形態の固体電解質は、水の含有量が0質量%以上15質量%以下であり、0質量%以上14質量%以下であることが好ましく、0質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の固体電解質において、水の含有量(含水量)が0質量%以上15質量%以下であれば、該含水量の調整法は特に限定されない。該含水量が多い場合は、例えば、真空乾燥機などで乾燥して含水量を調整することができる。乾燥する際の真空度は高い方が好ましい。乾燥する際の好ましい真空度は−50kPa以下であり、より好ましくは−80kPa以下、さらに好ましくは−100kPa以下である。乾燥する温度は細孔内の水分も揮発させるため、高い方が好ましいが、高温すぎるとアルミノケイ酸の構造が変化、破壊される可能性がある。これらの観点から、好ましい乾燥温度は100℃以上、200℃以下、より好ましくは120℃以上、190℃以下、さらに好ましくは140℃以上180℃以下である。本実施形態の固体電解質において、含水量を増加させたい場合の方法は、特に限定されないが、例えば、イオン交換水にアルミノケイ酸塩を含浸したのち、乾燥して調整する方法、湿度調整したデシケーターにアルミノケイ酸塩を保管する方法などが挙げられる。
本実施形態において、含水量の測定は、TG−DTA(熱分析装置)で300℃まで加熱して重量減少量から算出する方法、含水量調整するために真空乾燥した場合の温度より50℃高い温度で真空乾燥した時の重量減少量から測定する方法が挙げられる。アルミノケイ酸塩のうち、特にゼオライトのような多孔体は空気中に保管しただけで吸湿し、含水量が変化する。そのため、含水量の測定において、固体電解質における含水量を調整した後、ドライボックス等の水蒸気が存在しない雰囲気の中でサンプリングする。電池などに組み込んだ固体電解質における含水量を測定する場合も同様にドライボックス等の水蒸気が存在しない雰囲気の中でサンプリングする。
一方、これらの方法では、300℃以下に沸点、分解温度、燃焼温度を持つ有機物が存在した場合、その量も計上されてしまうため、CHN分析装置や熱分解GC−MS装置(ガスクロマトグラフ質量分析計)により有機物含有量を測定し、その量を差し引いて含水量を算出する。さらに、多くのカチオンを含有するアルミノケイ酸塩を空気中に長時間放置した場合などには、カチオンの炭酸塩を生成する場合がある。その場合は、含水量測定のサンプルとは別にサンプルを準備し、イオン交換水に含浸させて炭酸塩を溶解させたのちCHN分析装置あるいは熱分解GC−MSにより有機物含有量を測定する。
〔有機物の炭素元素及び窒素元素の含有量〕
本実施形態の固体電解質は、炭素元素及び窒素元素の合計含有量が1質量%未満であり、0.5質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。該炭素元素及び窒素元素の合計含有量の下限は、特に限定されないが、例えば、0質量%である。炭素元素及び窒素元素の含有量はCHN分析装置により測定する。
〔イオン伝導度〕
本実施形態の固体電解質は、27℃でのイオン伝導度が0.3×10-4S/cm以上であることが好ましく、1×10-4S/cm以上であることがより好ましく、1×10-3S/cm以上であることがさらに好ましい。該イオン伝導度の上限は、特に限定されないが、例えば、1×10-1S/cmである。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1〕
テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水と10質量%のリチウムポリケイ酸水溶液(poly−Li211Si6:シグマアルドリッチ製)とをモル比(イオン交換水:リチウムポリケイ酸水溶液)100:1で混合し、30分間撹拌したものをA液とした。A液中のSiの含有量と等モル量のAlを含有する硝酸アルミニウム九水和物(和光製)と、イオン交換水とをモル比(硝酸アルミニウム九水和物:イオン交換水)1:100で混合し、30分間撹拌したものをB液とした。A液中のSiの含有量の10倍のLiを含有する水酸化リチウム一水和物と、イオン交換水とをモル比(水酸化リチウム一水和物:イオン交換水)1:20で混合し、10分間撹拌したものをC液とした。
A液とC液とを混合し、10分間混合したものをD液とした。D液を300rpmで撹拌しながら、該D液中に5cc/分の速度でB液を滴下した。滴下完了後、5000rpmで30分撹拌して得られた液を原料液とした。原料液をテフロン(登録商標)製の容器に入れ、撹拌式オートクレーブを用いて、200rpmで撹拌しながら120℃で12時間加熱して粉体を得た。得られた粉体をろ過しイオン交換水2L/回で3回洗浄した後回収した。回収した粉体を−120kPa、160℃で24時間乾燥してアルミノケイ酸塩を含有する固体電解質を得た。
得られた固体電解質を誘導結合プラズマ発光分光(ICP−AES)により組成分析した結果、Li:Al:Siのモル比は1.7:1.0:1.0であった。得られた固体電解質におけるアルミノケイ酸塩の結晶構造は、リガク社製の粉末X線回折装置(XRD)「RINT2500型」(商品名)を用いて、X線源Cu管球(40kV、200mA)、測定範囲5〜90°(0.02°/step)、測定速度0.2°/分、スリット幅(散乱、発散、受光)1°、1°、0.15mmの条件で解析した。得られた固体電解質をXRD測定した結果、固体電解質におけるアルミノケイ酸塩は非晶質であり、他の結晶のピークは検出されなかった。したがって得られた固体電解質におけるアルミノケイ酸塩は非晶質アルミノケイ酸リチウムであることがわかった。
得られた固体電解質をジェイサイエンスラボ社製のCHN分析装置である「MICRO CORDER JM10」(商品名)を用いCHN分析した結果、C=8ppm、N=0ppmであり、固体電解質中に有機物はほとんど含有していないことが分かった。さらに固体電解質をRIGAKU社製のTG−DTA分析装置である「ThermoPlus TG8120」(商品名)を用い、キャリアガスにドライエアーを流し、10℃/分の昇温速度で20℃から900℃まで加熱した。90℃から300℃の間に減少した重量を固体電解質中の含水重量(A)とし、300℃での重量を重量(B)として固体電解質中の含水量(=(A)×100/(B))を計算した結果、13.4質量%であった。
ドライボックス中で固体電解質を120MPaで直径20mm、厚さ1.0mmの円盤状に圧縮成形した。得られた円盤状の固体電解質の両面に直径10mmの円状にPtをスパッタリングで製膜し、電極とし、イオン伝導度測定サンプルを作製した。このサンプルをインピーダンスアナライザー12608W(商品名:Solartron社製、10μ〜32MHz)を用いて、27℃で交流インピーダンスを測定し、Cole−Coleプロットして求めた抵抗値からイオン伝導度を算出した結果、0.6×10-4S/cmであった。
〔実施例2〕
和光純薬製のゼオライト(Na−FAU型)10gを恒温槽で140℃12時間乾燥した後、0.5N硝酸リチウム水溶液2リットルに入れ、80℃、500rpmで3時間撹拌してリチウムイオン交換した。イオン交換したLi−FAU型ゼオライトをろ過分離し、−120kPa、160℃で24時間乾燥してLi−FAU型ゼオライトを含有する固体電解質を得た。得られた固体電解質について、実施例1と同じ方法でCHN分析、含水量測定した結果、固体電解質中の有機物はC、Nとも50ppm未満であり、含水量は2.4質量%であった。また、得られた固体電解質を用いて実施例1と同じ方法でイオン伝導度測定サンプルを作製し、27℃でイオン伝導度を測定したところ5.1×10-4S/cmであった。
〔実施例3〕
アルミン酸ナトリウム(和光純薬製:Al/Na=0.79)17gをイオン交換水100gに入れ、30分撹拌したものをE液とした。水ガラス(和光純薬製:55質量%、SiO2/Na2O=2.2)32gをイオン交換水に入れ、30分撹拌したものをF液とした。水酸化ナトリウム(和光純薬製)16gをイオン交換水100gに入れ、10分間撹拌したものをG液とした。E液にG液を5cc/minで滴下しながら300rpmで撹拌し、全て滴下した後、さらに30分間撹拌したものをH液とした。F液にH液を5cc/minで滴下しながら300rpmで撹拌し、全て滴下した後、さらに30分間5000rpmで撹拌したものを原料液とした。原料液をテフロン(登録商標)製の容器に入れ、撹拌式オートクレーブを用いて、200rpmで撹拌しながら100℃で12時間加熱して粉体を得た。得られた粉体をろ過しイオン交換水2L/回で3回洗浄した後回収した。回収した粉体を120℃で24時間乾燥してアルミノケイ酸塩を含有する固体電解質を得た。
得られた固体電解質をXRD測定した結果、固体電解質中のアルミノケイ酸塩はNa−LTA型ゼオライトであることがわかった。得られたNa−LTA型ゼオライトを含有する固体電解質5gを恒温槽で140℃12時間乾燥した後、0.5N硝酸リチウム水溶液1リットルに入れ、80℃、500rpmで3時間撹拌してNa−LTA型ゼオライトのリチウムイオン交換をした。イオン交換したLi―LTA型ゼオライトを含有する固体電解質をろ過分離し、−120kPa、160℃で24時間乾燥した後、実施例1と同じ方法でCHN分析、含水量測定した。その結果、得られた固体電解質において、有機物はC、Nとも50ppm未満であり、含水量は5.4質量%であった。また、得られた固体電解質を用いて実施例1と同じ方法でイオン伝導度測定サンプルを作製し、27℃でイオン伝導度を測定したところ1.3×10-4S/cmであった。
〔実施例4〕
アルミニウムエトキシド(和光純薬製)9.73gをイオン交換水100gに入れ、24時間撹拌したものをI液とした。10質量%のリチウムポリケイ酸溶液(poly−Li211Si6:シグマアルドリッチ製)16.52gをイオン交換水100gに入れ、30分間撹拌したものをJ液とした。水酸化リチウム一水和物1.7gをイオン交換水100gに入れ、10分間撹拌したものをK液とした。I液にJ液を入れ、300rpmで30分間撹拌した後、5cc/minの速度でK液を滴下した。全て滴下した後、5000rpmで30分撹拌したものを原料液とした。原料液を、テフロン(登録商標)製の容器に入れ、撹拌式オートクレーブを用いて、200rpmで撹拌しながら100℃で48時間加熱して粉体を得た。得られた粉体をろ過しイオン交換水2L/回で3回洗浄した後回収した。回収した粉体を120℃で24時間乾燥してアルミノケイ酸塩を含有する固体電解質を得た。
得られた固体電解質をXRD測定した結果、固体電解質中のアルミノケイ酸塩はLi−F型ゼオライト(JCPDSカード番号01−079−1893)であることがわかった。得られた固体電解質を−120kPa、160℃で24時間乾燥した後、実施例1と同じ方法でCHN分析、含水量測定した。その結果、得られた固体電解質において、有機物はC、Nとも50ppm未満であり、含水量は8.4質量%であった。また、得られた固体電解質を用いて実施例1と同じ方法でイオン伝導度測定サンプルを作製し、27℃でイオン伝導度を測定したところ0.3×10-4S/cmであった。
〔実施例5〕
和光純薬製のゼオライト(Na−モルデナイト型)10gを恒温槽で140℃12時間乾燥した後、0.5N硝酸リチウム水溶液2リットルに入れ、80℃、500rpmで3時間撹拌してリチウムイオン交換した。イオン交換したLi−モルデナイト型ゼオライトをろ過分離し、−120kPa、160℃で24時間乾燥してLi−モルデナイト型ゼオライトを含有する固体電解質を得た。得られた固体電解質について、実施例1と同じ方法でCHN分析、含水量測定した結果、有機物はC、Nとも50ppm未満であり、含水量は4.6質量%であった。また、得られた固体電解質を用いて実施例1と同じ方法でイオン伝導度測定サンプルを作製し、27℃でイオン伝導度を測定したところ0.3×10-4S/cmであった。
また、実施例1〜5で得られた固体電解質は、含水量が特定範囲に制御されているので、電極などに金属が存在する電池に組み込んだ場合であっても、含水量が多い固体電解質に比べて、電極の腐食する可能性が低く、安定性に優れると考えられる。
〔比較例1〕
実施例3で得られたNa−LTA型ゼオライトを実施例3と同じ条件でLiイオン交換した後、常圧、100℃で12時間乾燥した。さらに温度25℃、湿度80%に調整した恒温槽で24時間保持してアルミノケイ酸塩を含有する固体電解質を得た。得られた固体電解質について、実施例1と同じ方法でCHN分析、含水量測定した。その結果、得られた固体電解質において、有機物はC、Nとも50ppm未満であり、含水量は28.8質量%であった。また、得られた固体電解質を用いて実施例1と同じ方法でイオン伝導度測定サンプルを作製し、27℃でイオン伝導度を測定したところ2.3×10-7S/cmであった。また、比較例1で得られた固体電解質は、含水量が多いので、電極などに金属が存在する電池に組み込んだ場合、電極を腐食する可能性が高く、安定性に劣ると考えられる。
本発明の固体電解質は、二次電池、一次電池、キャパシタなどの電気化学素子に使用できる。

Claims (6)

  1. アルミノケイ酸塩を含有する固体電解質であって、水の含有量が2.4質量%以上15質量%以下であり、水とアルミノケイ酸塩とを合計で99質量%超含有し、炭素元素及び窒素元素の合計含有量が1質量%未満である固体電解質。
  2. アルミノケイ酸塩が結晶性である請求項1に記載の固体電解質。
  3. アルミノケイ酸塩がゼオライトである請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. アルミノケイ酸塩が、LTA型、FAU型、ベータ型、MOR型、ABW型及びF型からなる群より選ばれる少なくとも1種のゼオライトである請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解質。
  5. アルミノケイ酸塩がアルミノケイ酸リチウムを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解質。
  6. 27℃でのイオン伝導度が0.3×10-4S/cm以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体電解質。
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