JP6436576B2 - 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム - Google Patents

動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム Download PDF

Info

Publication number
JP6436576B2
JP6436576B2 JP2015167870A JP2015167870A JP6436576B2 JP 6436576 B2 JP6436576 B2 JP 6436576B2 JP 2015167870 A JP2015167870 A JP 2015167870A JP 2015167870 A JP2015167870 A JP 2015167870A JP 6436576 B2 JP6436576 B2 JP 6436576B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
test object
model
state
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015167870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017044604A (ja
Inventor
直樹 大野
直樹 大野
紳一郎 梶井
紳一郎 梶井
智 時山
智 時山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2015167870A priority Critical patent/JP6436576B2/ja
Publication of JP2017044604A publication Critical patent/JP2017044604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6436576B2 publication Critical patent/JP6436576B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Description

本発明は、動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システムに関する。
自動車の開発に際しては、車体の空力特性を評価・検証するために風洞実験が行われることが一般的である。風が流れる風洞中に例えばクレイモデルとして構築された車体の模型を設置して、各種センサ、計測機器によって特性を取得する。
ところで、近年では、このような風洞実験による空力特性の評価・検証に加えて、例えば路面状態の変化による車体への振動や、風切音等の評価を風洞内で行える技術が提唱されている(下記特許文献1)。
特許文献1に記載された風洞試験方法では、風洞内の車両載置台をアクチュエータによって6自由度のもと加振する。これにより、風洞内を流れる風による空力特性の評価を行うとともに、車両載置台を同時に駆動することによる路面状態の変化による車両への影響も模擬することができるとされている。
特許第3716158号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、車両に作用する空気力に比べて、アクチュエータによる加振力が大きくなってしまう。このため、相対的に小さな空気力の成分のみを検出・測定することに困難を生じる可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、試験対象物が運用される状態を精度高く模擬することが可能な動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る動的空気力の取得方法は、送風状態で試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である送風状態変位を取得する工程と、無風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である無風状態変位を取得する工程と、前記試験対象物の加振・変位モデルを作成する工程と、前記無風状態変位と前記加振・変位モデルとを比較することで、前記加振・変位モデルのパラメータを特定する工程と、前記パラメータが特定された前記加振・変位モデルを使用して、前記送風状態変位を再現する試験対象物への加振力を演算する工程と、前記演算した加振力と、前記試験対象物への実際の加振力との差分から動的空気力を取得する工程と、を含む。
この構成によれば、試験対象物を実際に加振して、無風状態変位、及び送風状態変位を取得し、加振・変位モデルのパラメータに反映することから、該加振・変位モデルの挙動の確からしさを高めることができる。
さらに、この加振・変位モデルを用いて送風状態変位を再現する加振力を演算した後、この加振力と実際の加振力との差分を求める。これにより、上記の無風状態変位と送風状態変位とを比較するだけでは特定し得ない微小な動的空気力の値を正確に取得することができる。
本発明の一態様に係る動的空気力の取得方法では、前記加振・変位モデルは、前記試験対象物のFEMモデルであってもよい。
この構成によれば、FEM(有限要素法)モデルによって、試験対象物をより精緻に模擬することができる。
本発明の一態様に係る動的空気力の取得方法では、前記試験対象物は、複数のモジュールを有し、前記FEMモデルは、それぞれの前記モジュールに対応するFEM分割モデルを有してもよい。
この構成によれば、試験対象物を一体のFEMモデルによって模擬した場合に比べて、より精緻に模擬することができる。
本発明の一態様に係る動的空気力の取得方法では、前記加振・変位モデルは、前記無風状態で前記試験対象物を加振した際の加振入力と、前記無風状態変位との間で成立する伝達関数であってもよい。
この構成によれば、試験対象物の挙動を伝達関数のみによって容易かつ精緻に模擬することができる。これにより、計算資源の運用に要するコスト、時間を削減することができる。
本発明の一態様に係る動的空気力の取得システムは、送風状態、及び無風状態で試験対象物を試験可能な風洞と、前記風洞内で前記試験対象物を加振する加振装置と、前記送風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である送風状態変位、及び前記無風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である無風状態変位を取得する変位計測部と、前記試験対象物の加振・変位モデルを格納するモデル格納部と、前記加振・変位モデルと前記無風状態変位とを比較することで、該加振・変位モデルのパラメータを特定するパラメータ演算部と、前記パラメータが特定された前記加振・変位モデルを使用して、前記送風状態変位を再現する試験対象物への加振力を演算し、前記加振装置を駆動する加振制御部と、を備える。
この構成によれば、試験対象物を加振装置によって実際に加振して、無風状態変位、及び送風状態変位を取得し、加振・変位モデルのパラメータに反映することから、該加振・変位モデルの挙動の確からしさを高めることができる。
さらに、この加振・変位モデルを用いて送風状態変位を再現する加振力を演算した後、この加振力と実際の加振力との差分を求める。これにより、上記の無風状態変位と送風状態変位とを比較するだけでは特定し得ない微小な動的空気力の値を正確に取得することができる。
本発明によれば、試験対象物が運用される状態を精度高く模擬することが可能な動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る動的空気力の取得システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る動的空気力の取得方法のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る動的空気力の取得システムの変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る加振・変位モデルとしての伝達関数の例を示す図である。
本発明の実施形態について、図1と図2を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る動的空気力の取得システム1は、風洞2と、加振装置3と、変位計測部4と、制御演算装置5と、を備えている。
風洞2は、その内部に載置された試験対象物6に対して風を当てることで、該試験対象物6の空力特性を評価するための装置である。本実施形態に係る風洞2は、送風機21と、消音機22と、これら送風機21と消音機22との間の領域に設けられる測定部23と、を有する。送風機21によって測定部23の上流側から下流側に向かって風を流通させることが可能とされている。さらに、送風機21の回転数は任意に調整することができる。これにより、測定部23を流れる風の速度を任意に変化させることができる。
測定部23には、試験対象物6が載置される。この試験対象物6には、上記送風機21から送られた風が直接当たる。これにより、試験対象物6の各種特性を評価することが可能とされている。消音機22は、測定部23を通過した風による擦過音や、送風機21の動作音を吸収・減衰させる装置である。
以上のように構成された風洞2の内部(測定部23)には、試験対象物6を支持しつつ、加振する加振装置3が設けられている。加振装置3は、複数のアクチュエータ31と、このアクチュエータ31によって下方から支持される架台32と、この架台32上に設けられたムービングベルト33と、を備えている。アクチュエータ31として、本実施形態では複数の油圧シリンダを採用している。これら油圧シリンダを複合的に動作させることで、上記の架台32を6自由度の下で変位させることができる。
架台32の上面には、ムービングベルト33が設けられている。このムービングベルト33は、一対の回転軸34と、該回転軸34同士の間に架け渡されたベルト本体35と、を有している。回転軸34は不図示の駆動源によって自身の軸線回りに回転駆動される。これにより、ベルト本体35は一方向に回動する。
さらに、上記ムービングベルト33上には、試験対象物6としての車両が載置される。本実施形態では、このような車両として4輪の自動車を採用している。すなわち、この自動車の前輪と後輪とが、一対の加振装置3によってそれぞれ支持されている。これにより、ムービングベルト33上で走行させることで、実際の走行状態を模擬することができる。また、加振装置3によって車両を加振することで、車両が実際に走行する際に路面の凹凸から受ける振動や変位を模擬することができる。
変位計測部4は、上記の風洞2(測定部23)の壁面上に配置された複数のレーザー変位計40を有している。特に、本実施形態では、測定部23の壁面上に少なくとも6つのレーザー変位計40が設けられている。より具体的には、測定部23の天井面24、側面25、前方面26にそれぞれ2つずつのレーザー変位計40が設けられている。
測定部23の天井面24上には、車両の前後方向に2つの天井部レーザー変位計41が配列されている。測定部23の側面25(すなわち、車両の幅方向における一方側と対向する面)上には、車両の前後方向に2つの側面部レーザー変位計42が配列されている。車両の前方側と対向する壁面(前方面26)上には、車両の幅方向に2つの前部レーザー変位計43が配列されている。
天井部レーザー変位計41が測定部23の天井部上で車両の前後方向に2つ配列されていることから、車両の高さ方向における振動や変位に加えて、ピッチングによる変位をも計測することができる。なお、ここで、ピッチングとは、車両の幅方向に延びる回転軸回りに車両が揺動する動きを表す。
さらに、側面部レーザー変位計42が測定部23の側面25上で車両の前後方向に2つ配列されていることから、車両の幅方向における振動や変位に加えて、ヨーイングによる変位をも計測することができる。なお、ここで、ヨーイングとは、車両の高さ方向に延びる回転軸回りに車両が揺動する動きを表す。
加えて、前部レーザー変位計43が測定部23の前方面26上で車両の幅方向に2つ配列されていることから、車両の前後方向における振動や変位に加えて、ローリングによる変位をも計測することができる。なお、ここで、ローリングとは、車両の前後方向に延びる回転軸回りに車両が揺動する動きを表す。
以上のように構成された加振装置3、変位計測部4は、それぞれ制御演算装置5に電気的に接続されており、該制御演算装置5との間で電気信号の授受を行う。
制御演算装置5は、試験対象物6(車両)を模した加振・変位モデル(FEMモデル:Finite Element Methodモデル)を格納するモデル格納部51と、このモデルの各種パラメータを演算するパラメータ演算部52と、モデルの挙動に基づいて加振装置3の動作を演算する加振制御部53と、を備えている。
モデル格納部51には、試験対象物6(車両)を模擬したFEMモデルMが格納されている。このFEMモデルMは、車両の主要部品(モジュール)にそれぞれ対応する複数のFEM分割モデルを有している。FEM分割モデルの一例として、車両のタイヤ・ホイールのみを表現したFEM分割モデル、ホワイトボディのみを表現したFEM分割モデル、エンジンマウント等のゴム部品のみを表現したFEM分割モデル、及びサスペンションのみを表現したFEM分割モデル等が考えられる。これらFEM分割モデルは、個々の体系において、要素試験結果を再現できるように、振動特性パラメータを予め合わせこんでおく。このような複数のFEM分割モデルを、予め定められた境界条件の下で互いに結合することで、試験対象物6としての車両全体を模擬したFEMモデルMが構築される。
このFEMモデルMには、試験対象物6の振動特性(固有振動数等)を模した振動特性パラメータが設定されている。すなわち、この振動特性パラメータを適宜に変更することで、FEMモデルMの振動特性(応答特性)を変化させることができる。
パラメータ演算部52は、この振動特性パラメータをFEMモデルM上での演算によって求める。パラメータ演算部52には、上述した変位計測部4が電気的に接続されている。すなわち、ある加振力Fの下で加振された試験対象物6(車両)の変位量Qは、変位計測部4によって計測された後、電気信号としてパラメータ演算部52に送られる。パラメータ演算部52は、上記の加振力Fと変位量Qとに基づいて、振動特性パラメータを演算する。このように演算された振動特性パラメータは、モデル格納部51に送られて、FEMモデルMに反映される。すなわち、このFEMモデルMでは、その振動特性パラメータが最適化された状態となる。このときのFEMモデルMを、以下の説明では、最適化済みFEMモデルMと呼ぶ。
加振制御部53は、上記のFEMモデルMの振動特性(応答特性)に基づいて、試験対象物6としての車両を加振するための加振力Fを演算する。さらに、加振制御部53は、この加振力Fに基づいて加振装置3を駆動する。
すなわち、加振制御部53は、ある加振力FをFEMモデルMに入力した場合における応答特性を、実際の試験対象物6で再現するために必要となる加振力として演算する。加振装置3は、演算によって求められた加振力の下で、試験対象物6を加振することができる。
以上のように構成された動的空気力の取得システム1の動作、及びこれに基づく動的空気力の取得方法について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る動的空気力の取得方法は、送風状態で試験対象物6を加振した際の該試験対象物6の変位である送風状態変位を取得する工程(S1工程)と、無風状態で試験対象物6を加振した際の該試験対象物6の変位である無風状態変位を取得する工程(S2工程)と、試験対象物6の加振・変位モデルを作成する工程(S3工程)と、無風状態変位と前記加振・変位モデルとを比較する(S4−1工程)ことで、加振・変位モデルのパラメータを特定する工程(S4−2工程)と、パラメータが特定された加振・変位モデルを使用して、送風状態変位を再現する試験対象物6への加振力を演算する工程(S5工程)と、演算した加振力及び試験対象物6への実際の加振力との差分から動的空気力を取得する工程(S6工程)と、を含む。
S1工程では、ある加振力F1のもとで試験対象物6を加振した状態で、送風機21による送風を行うことで、試験対象物6の3次元6方向における各変位量、及び上記したピッチング、ヨーイング、ローリングの各変位量を計測する。この時の変位量のマトリックスを送風状態変位Q1と呼ぶ。この関係を数式によって模式的に表現すれば、下記の式(1)のようになる。
(F1+α)×A=Q1 ・・・(1)
なお、ここでαは送風機21からの風による加振成分を表すマトリックスであり、Aは試験対象物6の振動特性パラメータ(形状関数)である。
S2工程では、同じく加振力F1のもとで試験対象物6を加振した状態で、送風機21による送風を行わずに(無風状態で)試験対象物6の3次元6方向における各変位量、及び上記したピッチング、ヨーイング、ローリングの各変位量を計測する。この時の変位量のマトリックスを無風状態変位Q2と呼ぶ。この関係を数式によって表現すれば、下記の式(2)のようになる。
F1×A=Q2 ・・・(2)
S3工程では、上述した試験対象物6のFEMモデルM(加振・変位モデル)を作成する。作成当初のFEMモデルMの、振動特性パラメータ(以下、単にパラメータと呼ぶことがある。)は、FEM分割モデルの個々の体系において、要素試験結果を再現できるように振動特性パラメータを予め合わせこんでおくか、又は任意に決定された初期値とされる。
次いで、S4−1工程では、FEMモデルMを上記の加振力F1のもと制御演算装置5上で仮想的に加振し、その変位量Q3を計測する。このとき、以下の式(3)の関係が成立する。
F1×B=Q3 ・・・(3)
なお、ここでBは試験対象物6の振動特性パラメータである。
上記の変位量Q3は、パラメータ演算部52によって上記の無風状態変位Q2と比較される。パラメータ演算部52は、FEMモデルMの応答特性が無風状態変位Q2と同一になるように、FEMモデルMのパラメータを演算(特定)し、該FEMモデルMに入力・反映する(S4−2工程)。すなわち、この時のFEMモデルMは、上述した最適化済みFEMモデルMとなる。この関係を数式で表現すれば、まず、Q2=Q3とすることで、上記式(2)と式(3)から、FEMモデルMのパラメータBが求まる(B=A)。
さらに、S5工程では、最適化済みFEMモデルMを用いて、送風状態変位Q1を再現することが可能な加振力F2を演算する。このとき、パラメータBを用いて、以下の式(4)の関係が成立する。
F2×B=Q1 ・・・(4)
ここで、上記のように、送風機21からの風による加振成分をαとすれば、F2の値は、下記式(5)のように表現される。
F2=F1+α ・・・(5)
以上の式(3)、(4)、(5)により、下記式(6)の関係が導かれる。
Q1/B=Q3/B+α ・・・(6)
上記式(6)から、風による加振成分αは、下記式(7)のように表現される。
α=(Q1−Q3)/B ・・・(7)
以上、説明したように、実際の試験対象物6によって計測された送風状態変位Q1と、FEMモデルM(加振・変位モデル)に基づく演算によって求められた変位量Q3とを比較することで、風による加振成分α(動的空気力α)を算出することができる。
ここで、上記式(1)、式(2)のみに基づいて、すなわち、実際の試験対象物6による風洞実験のみに基づいて、動的空気力αを求める方法も考えられる。しかしながら、上記したように、風による加振成分αは、加振力F1に比べて微小な値であることから、Q1の値は、Q2の値とおおむね同等となる(Q1≒Q2)。このため、式(1)、式(2)のみによっては、有意な値としてαを求めることができない場合がある。
一方で、本実施形態に係る動的空気力の取得方法では、無風状態変位Q2に代えて、FEMモデルMに基づく変位量Q3が送風状態変位Q1と比較される。これにより、微小な値である動的空気力αを、有意な値として導くことが可能となる。すなわち、試験対象物6としての車両に働く空気力をより精緻に検出・評価することが可能となる。
さらに、上記の構成、及び方法によれば、試験対象物6を加振装置3によって実際に加振して、無風状態変位、及び送風状態変位を取得し、加振・変位モデルのパラメータに反映することから、該加振・変位モデルの挙動の確からしさを高めることができる。これにより、試験対象物が運用される状態を精度高く模擬することが可能となる。
そして、この加振・変位モデルを用いて送風状態変位を再現する加振力を演算した後、この加振力と実際の加振力との差分を求める。これにより、上記の無風状態変位と送風状態変位とを比較するだけでは特定し得ない微小な動的空気力の値を正確に取得することができる。
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明した。なお、上記の構成は一例に過ぎず、これに種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では試験対象物6として4輪の自動車(車両)を用いた例について説明した。しかしながら、試験対象物6の態様はこれに限定されず、2輪自動車や、鉄道用の車両、さらには船舶等を試験対象物6として採用することも可能である。
さらに、上記実施形態では、加振・変位モデルとして、FEMモデルMを用いた例について説明した。しかしながら、FEMモデルMに代えて、伝達関数モデルを用いることも可能である(図3参照)。伝達関数モデルは、上記のFEMモデルMにおける振動特性パラメータ(A、B等)と同様に、ある系への入力(加振入力)を出力(変位)に変換する関数である。例えば、入力点をn個、出力点(応答点)をm個有する線形な振動系を考えた場合、その伝達関数マトリックスHを変位マトリックスXと外力マトリックスFによるコンプライアンスの形で表すことができる(式(8))。
Figure 0006436576
以上のような伝達関数モデルを用いて、上述の無風状態変位を再現するように、伝達関数モデルの各成分を同定する。このときの伝達関数のイメージを図4に示す。続いて、上記のように各成分が同定された伝達関数モデルを用いて、送風状態変位を再現するように、加振力Fをイタレーションによって求める。
以上のように伝達関数モデルを用いた方法によっても、動的空気力を精緻に求めることができる。
1…動的空気力の取得システム
2…風洞
3…加振装置
4…変位計測部
5…制御演算装置
6…試験対象物
21…送風機
22…消音機
23…測定部
24…天井面
25…側面
26…前方面
31…アクチュエータ
32…架台
33…ムービングベルト
34…回転軸
35…ベルト本体
40…レーザー変位計
41…天井部レーザー変位計
42…側面部レーザー変位計
43…前部レーザー変位計
M…FEMモデル
51…モデル格納部
52…パラメータ演算部
53…加振制御部

Claims (5)

  1. 送風状態で試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である送風状態変位を取得する工程と、
    無風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である無風状態変位を取得する工程と、
    前記試験対象物の加振・変位モデルを作成する工程と、
    前記無風状態変位と前記加振・変位モデルとを比較することで、前記加振・変位モデルのパラメータを特定する工程と、
    前記パラメータが特定された前記加振・変位モデルを使用して、前記送風状態変位を再現する試験対象物への加振力を演算する工程と、
    前記演算した加振力と、前記試験対象物への実際の加振力との差分から動的空気力を取得する工程と、
    を含む動的空気力の取得方法。
  2. 前記加振・変位モデルは、前記試験対象物のFEMモデルである請求項1に記載の動的空気力の取得方法。
  3. 前記試験対象物は、複数のモジュールを有し、
    前記FEMモデルは、それぞれの前記モジュールに対応するFEM分割モデルを有する請求項2に記載の動的空気力の取得方法。
  4. 前記加振・変位モデルは、前記無風状態で前記試験対象物を加振した際の加振入力と、前記無風状態変位との間で成立する伝達関数である請求項1に記載の動的空気力の取得方法。
  5. 送風状態、及び無風状態で試験対象物を試験可能な風洞と、
    前記風洞内で前記試験対象物を加振する加振装置と、
    前記送風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である送風状態変位、及び前記無風状態で前記試験対象物を加振した際の該試験対象物の変位である無風状態変位を取得する変位計測部と、
    前記試験対象物の加振・変位モデルを格納するモデル格納部と、
    前記加振・変位モデルと前記無風状態変位とを比較することで、該加振・変位モデルのパラメータを特定するパラメータ演算部と、
    前記パラメータが特定された前記加振・変位モデルを使用して、前記送風状態変位を再現する試験対象物への加振力を演算し、前記加振装置を駆動する加振制御部と、
    を備える動的空気力の取得システム。
JP2015167870A 2015-08-27 2015-08-27 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム Active JP6436576B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015167870A JP6436576B2 (ja) 2015-08-27 2015-08-27 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015167870A JP6436576B2 (ja) 2015-08-27 2015-08-27 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017044604A JP2017044604A (ja) 2017-03-02
JP6436576B2 true JP6436576B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=58211804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015167870A Active JP6436576B2 (ja) 2015-08-27 2015-08-27 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6436576B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19527742A1 (de) * 1995-07-28 1997-01-30 Audi Ag Verfahren und Windkanalwaage bei aerodynamischen Messungen an Fahrzeugen
JP2001041846A (ja) * 1999-08-02 2001-02-16 Nkk Corp 風洞試験の模型支持方法及びその装置
JP3716158B2 (ja) * 2000-05-17 2005-11-16 三菱重工業株式会社 車両の風洞試験方法及び装置
JP4362593B2 (ja) * 2006-05-26 2009-11-11 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 磁力支持天秤装置を用いた衝撃力および力積の非接触計測
JP4773992B2 (ja) * 2007-02-16 2011-09-14 三菱重工業株式会社 車両の空気力測定装置及び空気力測定方法
JP2010210281A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Nikon Corp 流れ算出方法、流れ算出装置およびプログラム
JP5157983B2 (ja) * 2009-03-23 2013-03-06 株式会社豊田中央研究所 車両空気力算出装置、車両運動解析装置及び車両サスペンション制御装置
JP2013032944A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Toyota Central R&D Labs Inc 車両の空気力測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017044604A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6549892B2 (ja) 車両試験システム、試験管理装置、試験管理プログラム及び車両試験方法
KR20100018536A (ko) 로딩 시스템 및 차량 모델에 의한 차축 평가 및 조율 방법 및 시스템
JP4892281B2 (ja) 鉄道車両用防振体の試験装置
KR101581489B1 (ko) 풍동 장치에 이용되는 오토파일럿 시스템
US7971486B2 (en) Apparatus and method for the vibroacoustic inspection of a motor vehicles
CN105452833B (zh) 用于在试验台中减少振动的方法
CN103090960B (zh) 用于获取振动数据并对振动数据去噪声的系统和方法
US20010002459A1 (en) Dynamic test fixture for a vehicle exhaust system capable of twelve DOF
Chen et al. Interior Noise Prediction of the Automobile Based on Hybrid FE‐SEA Method
JP2011179911A (ja) 模擬車輪装置および車両試験装置
KR20110090785A (ko) 차량 또는 차량 부-시스템 시험 방법
JP6652910B2 (ja) 軌道試験装置
JP6966198B2 (ja) 車両試験装置、車両試験方法及び車両試験装置用プログラム
JP6012502B2 (ja) エンジン模擬試験方法
GB2494712A (en) Test rig and method for testing a subsystem of a vehicle
JP2019035628A (ja) 空間音響解析方法及びそのシステム
JP6436576B2 (ja) 動的空気力の取得方法、及び動的空気力の取得システム
JPH11352022A (ja) 車両用振動試験装置
CN108731908A (zh) 用于模拟行车过程的外界激励加载试验装置
JP2008202963A (ja) 車両の空気力測定装置及び空気力測定方法
JP5722144B2 (ja) 車両試験装置
Gillaugh et al. Mistuning evaluation comparison via as-manufactured models, traveling wave excitation, and compressor rigs
JP3970263B2 (ja) 空力音源探査システム及び空力音源探査方法
JP7488952B2 (ja) 車両の通過騒音を低減する方法
JP2004294327A (ja) パワートレーン系試験装置及び試験方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6436576

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350