JP6436408B1 - ポンプ流量計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ吐出流量の流量計測装置として、ポンプ全揚程曲線と管路抵抗曲線の交点流量から流量を求める方法が知られている。この方法は管路抵抗の流量依存性が大きく、管路抵抗を正確に求めることおよびポンプ並列運転等において全揚程曲線を作成することが困難である。
【解決手段】ポンプ出口圧力、吐出槽液体レベルおよび液体温度を計測する。ポンプ出口圧力、吐出実揚程、液体温度、液体密度、液体粘度、管損失係数、管摩擦係数および管寸法を用いて、吐出管路と吐出槽にベルヌーイの定理とダルシー・ワイスバッハの式を適用することにより導出した第一管摩擦係数・レイノルズ数関数と、管内壁面の粗さに依存し、液体の種類に依存しない第二管摩擦係数・レイノルズ数関数を作成し、両関数を連立方程式として解くことにより管摩擦係数、レイノルズ数を直接演算により求め、ポンプ流量を計測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非圧縮性流体ポンプの吐出流量を計測するポンプ流量計測装置に関する。
本発明は、ポンプ吐出圧力、流体温度、吐出槽液体レベルを測定して、ポンプ吐出流量を演算により求めるポンプ流量計測装置である。
特開平3−64694 特開昭64−29692 特願2017−137074特許文献1および特許文献2はポンプの全揚程曲線を利用してポンプ流量を求めている方式の代表例である。(1)特許文献1は管路抵抗損失曲線と全揚程曲線の交点から流量を求める方式に分類される1例である。全揚程曲線の関数近似方式、回転数制御、ポンプ並列運転方式などの相違により多数の特許が出願されている。(2)特許文献2は吐出管および吸込み管が短く吐出管および吸込み管の抵抗損失が無視できる場合であり、吐出圧、全揚程および流速より、流量を求める方式であり、複数の特許が出願されている。本願はポンプの全揚程曲線を利用せずポンプの吐出圧を計測して流量を求める方式である。流量の求め方は特許文献3の管流量計測装置の流量計測の方法を応用している。
ポンプ流量の計測用として、従来では、代表的な方式として電磁式流量計、超音波式流量計が用いられている。これら流量計は設置位置の上下流部に大きな直管部を必要とする。このための設置スペースが必要となり、また流量計測装置として高価である。
電磁式流量計、超音波式流量計以外のポンプ吐出流量の流量計測装置として、ポンプ全揚程曲線と管路抵抗曲線の交点流量から流量を求める方法が知られている。この方法は第一に、ポンプ並列運転において、合成吸込み管路損失の把握が困難なために合成全揚程曲線を正確に求めることが困難な課題がある。
また、第二として、管路抵抗の求め方として、図3に示すムーディ線図と呼ばれるレイノルズ数と摩擦係数の関係を示す線図と公知のダルシー・ワイスバッハの式を用いて流量に対応して、管摩擦係数の探索を逐次的に行う方法が考えられるが、ムーディ線図の読取りの煩雑さ、読取精度の悪さ、演算過程の複雑化から流量の自動計測用として困難であった。
これら二つの課題を解決して、多くのポンプ流量計測に適用可能で、計測精度が高く、安価なポンプ流量計測装置の開発が課題である。
本発明は、前記の「発明が解決しようとする課題」を解決するためになされたものである。図1は本発明の基本構成図である。
図2はポンプ1の揚程、管路損失、ポンプ出口圧力、速度等のエネルギーの関係を位置エネルギー(ヘッド)で表した図である。
ポンプ1の吐出管5には吐出液体の圧力を測定する吐出圧力計2および吐出液体の温度を測定する液体温度計3を設置する。吐出管の末端には吐出槽6を設置し、吐出槽6の吐出液体のレベルを測定する吐出槽液体レベル計4を設置する。前記液体温度計3は温度変化に伴う液体粘度と密度を補正するものである。
吐出圧力計2、液体温度計3および吐出槽液体レベル計4の測定値はそれぞれ信号線17を介して、流量演算装置18の第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部9に入力する。
図1および図2において、吐出管5の吐出圧力計2の位置をA点とし、吐出槽6の入口の位置をB点とする。

吐出圧力計の圧力 P1[Pa]
吐出圧力計の圧力ヘッド Hp=P1/ρ・g[m]
ただし、
液体の密度 ρ[kg/m
重力の加速度 g[m/s
とする。
A点とB点間の吐出管5の距離 L[m]
A点とB点間の吐出管5の液体の平均流速 u[m/s]
吐出管内径 d[m]
ポンプの中心レベル L3[m]
吐出槽の液面底部のレベル L1[m]
吐出槽入口吐出管中心レベル L2[m]
吐出槽液体レベル(L1に対する液面の高さ) W1[m]
管摩擦係数 λ[無次元数]
レイノルズ数 Re[無次元数]
吐出槽液体レベルW1とL2との高低差 h1[m]

とし、吐出管5のA点とB点間に、エネルギー損失を考慮して、ベルヌーイの定理を適用する。吐出管5は一様な断面であり、曲がりを有する円形管とする。
A点における総ヘッド(エネルギー和)は数式1で示される。
Figure 0006436408
B点における総ヘッド(エネルギー和)は数式2で示される。
Figure 0006436408
ただし、ΣΔhはA点とB点間の総損失(ヘッド)[m]であり、数式3で示される。
Figure 0006436408
ただし、数式3の右辺第1項は吐出管5のn組ある曲り部の抵抗損失係数
ζ、ζ、ζ・・・ζによる管路抵抗損失の合計である。
また、右辺第2項はダルシー・ワイスバッハの式による吐出管5の管路抵抗損失である。
数式3を数式2へ代入して、数式1と等しいとすれば数式4となる。
Figure 0006436408
ポンプの中心レベルL3を高さの基準として、0[m]とする。h1+L2は吐出実揚程H1であり、吐出槽の液面底部のレベルL1と吐出槽液体レベルW1の和である。

管内を流れる液体の粘度 μ[Pa・s]
動粘度 ν=μ/ρ[m/s]

とすれば、レイノルズ数Reは数式5で示される。
Figure 0006436408
数式4と数式5から平均速度uを消去し、P1/ρg=Hpの関係を用いて、λについて整理した式を数式6に示す。
Figure 0006436408
数式6は吐出管5にベルヌーイの定理およびダルシー・ワイスバッハの式を適用して管摩擦係数λとレイノルズ数Reの関係を導出したものであり、第一管摩擦係数・レイノルズ数関数と定義する。
本関数の係数を演算する第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部9において、数式6の管摩擦係数λ、レイノルズ数Re以外の係数の値を決定する。
吐出圧力計2、液体温度計3、吐出槽液体レベル計4で測定した吐出圧力P1、液体温度T、液体レベルW1を信号線17により伝送して第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部9において、吐出圧力計の圧力ヘッドHpはHp=P1/ρgの関係を用いて測定した吐出圧力P1を用いて求める。
液体温度計3により測定した液体温度Tは液体密度、粘度を設定する液体パラメータ設定部12により設定されている基準温度における液体密度、粘度を測定した液体温度Tにおける液体密度、粘度に換算する。換算はあらかじめ設定されている換算テーブルを参照して換算値を求めるか、または粘度の場合は公知のアンドレード粘度換算数式により換算する。
換算した液体密度ρ、粘度μは数式6に代入して係数値を決定する。
吐出槽液面レベル計4により測定した液体レベルW1は数式6のW1に代入して係数値を決定する。
この他に第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部9に管の水力直径として円形管の場合は管内径d、吐出圧力計2と吐出槽6間の吐出管の距離L、吐出槽の液面底部のレベルL1、ポンプ中心レベルL3(ポンプ中心を基準点としL3=0とする)、吐出管5に曲がりがある場合は曲がり毎の曲がりの抵抗損失係数ζiを管および吐出槽パラメータ設定部11により設定する。
曲りの抵抗損失係数ζiは吐出管5の曲がり角度θ等から管および吐出槽パラメータ設定部11で求める。
曲りの抵抗損失係数ζiの求め方の例は段落0011に示す。
以上により、数式6の係数値はすべて決定して、第一管摩擦係数・レイノルズ数関数は管摩擦係数λ、レイノルズ数Reのみを変数とする関数となる。
第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部9においては、液体の種類、吐出管5の内径寸法d、曲り箇所毎の曲り角度、吐出槽6のポンプ中心レベルL3を基準とした高さL1、吐出圧力計2と吐出槽6間の吐出管5の距離L、測定した吐出圧力P1、液体温度T、吐出槽液体レベルW1に依存する第一管摩擦係数・レイノルズ数関数の係数値を求めている。
第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部10においては、層流、層流から乱流域に遷移する遷移流、乱流毎に数式が異なり、液体の種類、管寸法に依存せず、管内壁の粗さのみに依存する管摩擦係数・レイノルズ数関数を第二管摩擦係数・レイノルズ数関数と定義する。層流の場合の管摩擦係数、レイノルズ数の関数は公知の式として、数式7となる。
Figure 0006436408
乱流の場合の管摩擦係数、レイノルズ数の関数はレイノルズ数の適用範囲が広く、管内面の粗さにも対応できる式として、数式8に示す公知のコールブルックの式を適用する。
ここで、εは絶対粗さで、管内径dとの比ε/dは相対粗さと呼ばれている。
ε/dは管相対粗さ設定部13により設定する。
図4に管内壁の絶対粗さと相対粗さの関係を示す。
Figure 0006436408
数式8においてε/d=0とすれば、管内面の粗さが滑らかな管に相当し、数式9のように置き換えることができる。数式9は公知の式であり、プラントル・カルマンの式と呼ばれている。
Figure 0006436408
また、数式8においてε/dが大きくなり、管内面が粗く摩擦係数がレイノルズ数の影響を無視できる場合は、数式10のように置き換えることができる。数式10は公知の式であり、カルマン・ニクラーゼの式と呼ばれている。
Figure 0006436408
乱流の場合、ε/dの値により、数式9は滑らかな管の場合、数式10は粗い管の場合となるが、いずれもε/dの値を選べば数式8が適用可能なため、以下数式8により第二管摩擦係数・レイノルズ数関数の係数を計算する。
第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部10に管相対粗さを管相対粗さ設定部13により設定し、臨界レイノルズ数を臨界レイノルズ数設定部14により設定する。
層流から乱流に変化する遷移流の管摩擦係数に対するレイノルズ数の関数として、下記によるものとする。
(1)臨界レイノルズ数は下限、上限がある。
(2)下限、上限間のレイノルズ数と摩擦係数の関係は層流と乱流曲線を結ぶ直線近似とする。
これは下限、上限間のレイノルズ数と摩擦係数の関係は図5に示す実験データから下限、上限間のレイノルズ数と摩擦係数の関係は直線的に近似可能となるためである。
(3)遷移流となる上、下限のレイノルズ数は管と流体依存性が大きく確定できないために設定値とする。
(4)層流と遷移流、遷移流と乱流への変化時に摩擦係数対レイノルズ数曲線は不連続とならない。

層流と遷移流の境界の臨界レイノルズ数 Re
遷移流と乱流の境界の臨界レイノルズ数 Re
層流と遷移流の境界の摩擦係数 λ
遷移流と乱流の境界の摩擦係数 λ

とし、レイノルズ数Reを横軸、摩擦係数λを縦軸にとった時の遷移流の直線の方程式は数式11となる。
臨界レイノルズ数Re およびReは臨界レイノルズ数設定部14により設定する。
Figure 0006436408
ここで、λは数式7により、λL= 64/ Reにより計算する。
また、λは乱流曲線の数式8において、レイノルズ数Reを代入した数式12により計算される。
流量計測対象管のε/dの値は管の粗さに対応して設定する。
Figure 0006436408
なお、実用管について直径dと相対粗さの例を図6に示す。
以上により数式12は乱流域と接続する摩擦係数λ以外の係数は与えられ、
λについて解くことが可能である。数式12は陰関数のためλの値はニュートン・ラプソン法等を用いて数値的に解くか、Excel等の表計算ソフトであるゴールシーク、ソルバーなどを流量演算装置18に組込むことにより演算で求める。
λが求められたことにより、遷移流のλ、Reの直線の方程式の係数が求められた。
以上、第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部10の係数と数式が求められた。図7に第二管摩擦係数・レイノルズ数関数の遷移域における直線近似の方法を示す。
連立管摩擦係数・レイノルズ数演算部15においては第一および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数を連立して管摩擦係数、レイノルズ数を演算する。
第一管摩擦係数・レイノルズ数関数は数式6である。
第二管摩擦係数・レイノルズ数関数は層流、遷移流、乱流に対して別々の数式による。
層流については数式7
遷移流については数式11
乱流については数式8
である。
表1に、これらの数式を整理して示す。
Figure 0006436408
表1の第一および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数の係数は第一および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部で値が求められているために、いずれの数式も管摩擦係数λおよびレイノルズ数Reのみを変数とする関数である。
連立管摩擦係数、レイノルズ数演算部15では、第一管摩擦係数・レイノルズ数関数および層流、遷移流、乱流毎に求めた第二管摩擦係数・レイノルズ数関数を連立方程式として、摩擦係数λ、レイノルズ数Reを求める。
演算の順は、図8に示す手順を自動的に選択して行う。
第一に乱流について摩擦係数λ、レイノルズ数Reを求める。
レイノルズ数Reが上限の臨界レイノルズ数Re以上の時は乱流と判定する。
臨界レイノルズ数Reより小さい時は遷移流と仮定してレイノルズ数Reを求める。遷移流と仮定して求めたレイノルズ数Reが上限の臨界レイノルズ数Reより小さく下限の臨界レイノルズ数Re以上の時は遷移流と判定する。
求めたレイノルズ数Reが下限の臨界レイノルズ数Reより小さい時は層流について摩擦係数λ、レイノルズ数Reを求める。レイノルズ数Reが下限の臨界レイノルズ数Re以下の時は層流と判定する。
乱流の場合において、第一管摩擦係数・レイノルズ数関数および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数の連立方程式を解くにあたり数式が陰関数となる場合、ニュートン・ラプソン法等を用いて数値的に解くか、Excel等の表計算ソフトであるゴールシーク、ソルバーなどを流量演算装置18に組込むことにより演算で求める。
ポンプ流量を演算して表示する流量演算表示部16においては、連立管摩擦係数・レイノルズ数演算部15で求められた摩擦係数λ、レイノルズ数Reを用いて演算する。
λで表現した場合の管流量Qは数式5のレイノルズ数Reを数式6に代入し、平均流速uを求め、この平均流速uを数式13に代入することにより求められる。
Figure 0006436408
また、Reで表現した場合の管流量Qは数式5を用いて、数式14の計算により求められる。
Figure 0006436408
流量演算装置18の流量演算表示部16において、数式13または数式14により計算した流量Qを表示する。
特許文献1および特許文献2はポンプの全揚程曲線を利用してポンプ流量を求めている方式の代表例である。
(1)特許文献1は管路抵抗損失曲線と全揚程曲線の交点から流量を求める方式に分類される1例である。全揚程曲線の関数近似方式、回転数制御、ポンプ並列運転方式などの相違により多数の特許が出願されている。
(2)特許文献2は吐出管および吸込み管が短く吐出管および吸込み管の抵抗損失が無視できる場合であり、吐出圧、全揚程および流速より、流量を求める方式であり、複数の特許が出願されている。
本願はポンプの全揚程曲線を利用せずポンプの吐出圧を計測して流量を求める方式である。流量の求め方は特許文献3の管流量計測装置の流量計測の方法を応用している。
曲がり管路の代表例として、曲率半径Rでθ度の角度で曲がる図9に示すベンドと曲線を描かないでθ度の角度で曲がる図10に示すエルボがある。
ベンドの損失ヘッドΔhおよびエルボの損失ヘッドΔhの公知の公式を、それぞれ数式15および数式17に示す。
Figure 0006436408
ただし、ζはベンドの損失係数であり、数式16による。
Figure 0006436408
となる。
Figure 0006436408
ただし、ζはエルボの損失係数であり、数式18による。
Figure 0006436408
となる。
ベンドまたはエルボの合計でn組ある曲りの抵抗損失係数の和は、
ζ+ζ+ζ・・・+ζ となり、曲がりによる損失ヘッドの合計は数式19となる。
Figure 0006436408
なお、管の曲がりによる損失以外、例えば管のフランシによる継ぎ目などによる流速の2乗に比例する損失ζが発生する場合、抵抗損失係数は数式19の損失係数にζを加えたものとなる。
図1の管および吐水槽パラメータ設定部11において、水力直径の設定が必要である。円形管の場合の水力直径は管内径dである。円形管以外の場合の水力直径は円径管の管内径dと等価なパラメータを選定する必要がある。
管の断面積をA、断面の周辺の長さ(ぬれ縁という)をSとし、m=A/S は断面積Aとぬれ縁Sの比であり、水力平均深さと呼ばれている。
任意断面の水力直径deは、de=4×mとなる。
例として、
円形の場合 m=A/S={π(d/2)}/{2π(d/2)}=d/4であるから de=4×m=d
正方形の場合 一辺をBとして m=A/S=B/4B=B/4であるから d=4×m=Bとなる。
本発明の管流量計測装置は、吐出管の抵抗損失が無視でき、吐出圧を直接、速度水頭に変換して放出するポンプ以外のポンプの流量測定に適用可能である。
吐出管の抵抗損失係数が無視できるポンプ設備は極めて限定されるため、本発明のポンプ流量測定としての用途は広い。多くのポンプ設備には吐出圧を測定する吐出圧測定用の圧力計が設置されている。また、吐水槽には液面レベル測定用のレベル計が設置されている。
このため、新たに設置するセンサとしては液面温度計のみとなる場合が多い。
従来ではポンプ流量計の設置のために、流量計はポンプから所定の距離を離して設置する必要がありポンプ室の建物が大きくなる。
流量計を屋外に設置する場合は、流量計ボックスのスペースが必要となり、流量計以外のコストが高価になる欠点がある。
また、流量計のコストが必要になる欠点があったがこれらの欠点を除くことが
可能である。
本発明によればポンプシステムとして、吐出弁により流量制御を行うシステム、回転数制御により流量制御するシステム、ポンプ並列運転により流量制御するシステムとの親和性が高い。
さらに、ポンプ固有の全揚程曲線を必要としないために、ポンプシステム毎に必要とする全揚程曲線の作成の必要性がなくなり、全揚程曲線の関数近似にもとづく流量誤差が防止できる。
下記の値を設定値とする。
(1)液体 水
(2)液体密度 0℃において 999.8Kg/m3
(3)液体粘度 0℃において 0.001782Pa・s
(4)管の種類 配管用鋼管 呼び径 1,350 mm
(5)管壁絶対粗さ ε=0.045mm
(6)臨界レイノルズ数
下限臨界 2,000
上限臨界 4,000
(7)吐出管 A点とB点の距離 L=87m
(8)管の敷設 図11参照
管内径 d=1.35m
ポンプの中心レベル L3=0m(基準レベル)
吐出槽の液面底部のレベル L1=39m
吐出槽入口吐出管中心レベル L2=40m
吐出管の曲がり(ベンド)30度 2ヶ所
曲がりによる損失係数は下記による。

ξ=[0.131+0.1632(d/R)3.5]*θ/90
θ=30 d=1.35 R=3 として ξ=0.047
2ヶ所の損失係数は 2ξ=0.094

測定値として、下記の値を得ている。
(1)吐出圧力P1 499 KPa
(2)液体温度 20 ℃
(3)吐出槽液体レベル(L1に対する液面の高さ) W1 6m

以上の条件でポンプ流量を求めた結果 18.0 m3/sである。
流量演算の結果を表2に示す。
Figure 0006436408
は 「請求項1」の発明の基本構成図である。 は ポンプの位置エネルギー(ヘッド)を示した図である。 は レイノルズ数と摩擦係数の関係を示すムーディ線図である。 は 管内壁の絶対粗さεと相対粗さε/dの説明図である。 は 層流域と乱流域の間を遷移する遷移域のレイノルズ数と摩擦係数の関係が直線近似可能なことを示す実験データである。 は 実用管について直径dと相対粗さε/dの関係を示す線図である。 は レイノルズ数、摩擦係数関数の遷移域における直線近似方法の説明図である。 は 管流量計測において自動的に層流、遷移流、乱流を判定するためのフロー図である。 は曲率半径Rの円を描いて曲がるベンド管の説明図である。 は角度θで曲がるエルボ管の説明図である。 はポンプの流量計測の実施例の説明図である。 は複数の配水池に配水する配水管理用流量計測の実施形態の構成図である。
図12は広域に分散した農業用幹線管路のポンプ揚水流量を把握して管理する農業用水管理システムの例を示している。
各流量計測区間の上流側ポンプはポンプ吐出圧力を測定する、また、下流側の吐水槽の水位を計測する。下流側で再度揚水するカスケード形のシステムにおいては下流側の吐水槽は吸水槽を兼ねる。
幹線管路の代表地点には用水の温度を測定する液体温度計を設置する。
流量計測は各加圧ポンプ場にポンプ流量計測装置を設置して、個別に流量計測をおこなう個別方式と中央の管理所に各ポンプ場の吐出圧、吐水槽または吸水槽の水位をテレメータで収集して、共通の流量演算装置により処理し流量計測を行い、経済的に流量計測をおこなう管理所一括方式の流量計測がある。
管理所一括方式の場合、各ポンプ場と管理所間の伝送路は経済性、信頼性等を考慮して、有線、無線の選択、通信事業者用、自営用の伝送路を選択する。
本願の発明を実施するための形態として、吐出管5より液体を直接、大気中に放流する形態がある。この形態は吐出槽6が無限に大きな平面を有する吐出槽6の場合である。この場合、吐出槽液体レベルW1と吐出槽入口吐出管中心レベルL2との高低差h1がない状態として取扱うことができる。
すなわち、数式20として取扱う。
Figure 0006436408

数式20を数式6に代入すれば、数式21となる。
Figure 0006436408

数式6の代わりに数式21を用いることになる。
すなわち、W1および吐出槽の液面底部のレベルL1が不要となり、L2が必要となる。また、吐出槽液体レベル計4が不要となる。
以上のとおり、大気中に吐出管5により直接放流する形態は、吐出槽5が無限大の
平面を有する場合として扱うことができる。
この形態は、本願発明の一つの形態であり、本発明に含まれる。
本発明のポンプ流量計測装置は液体ポンプの吐出流量の多くの計測に利用可能である。
用途として農業用の用水路、水道用幹線、石油または液化天然ガスパイプライン、化学プラントにおける液体をポンプアップするシステムに適用可能である。
本発明のポンプ流量計測装置は並列運転ポンプ、回転数制御ポンプ、吐出弁による流量制御ポンプ等のポンプシステムの流量制御システムとの親和性が高く、適用に当たってポンプシステムの改修等は基本的に必要としない。

Claims (1)

  1. ポンプ吐出管の液体吐出圧力を測定する吐出圧力計と、
    前記液体の温度を測定する液体温度計と、
    吐出槽液体レベルを測定する吐出槽液体レベル計と、
    前記ポンプ吐出管にベルヌーイの定理と公知のダルシー・ワイスバッハの式の管流速をレイノルズ数に変換した式において、前記液体吐出圧力、液体密度、液体粘度、管の水力直径、前記吐出圧力計と前記吐出槽入口間の前記吐出管の距離、ポンプ中心レベル、吐水槽の液面底部レベル、吐出管の曲がり抵抗損失係数を求めることにより管摩擦係数とレイノルズ数のみを変数とした第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部と
    前記吐出圧力計、前記液体温度計および前記吐出槽液体レベル計で測定した前記吐出圧力、前記液体温度および前記吐出槽液体レベルを前記第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部に電気信号により入力する信号線と、
    前記第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部に液体密度、粘度を設定する液体パラメータ設定部と、
    前記第一管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部に前記吐出管の水力直径、前記吐出圧力計と吐出槽入口間の前記吐出管の距離、ポンプ中心レベル、吐水槽の液面底部レベル、吐出管の曲がり抵抗損失係数を設定する管および吐出槽パラメータ設定部と、
    層流域においては公知の管摩擦係数=64/レイノルズ数の式、乱流域においては係数として管相対粗さを含む公知のコールブルックの式、層流域と乱流域を相互に遷移する遷移域においては、遷移点の臨界レイノルズ数間を補間する直線補間式をもちいて、前記管相対粗さ、前記臨界レイノルズ数を設定することにより、管摩擦係数とレイノルズ数のみを変数とした第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部と
    前記第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部に管相対粗さを設定する管相対粗さ設定部と、前記第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部に臨界レイノルズ数を設定する臨界レイノルズ数設定部と
    前記第一および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数係数演算部で係数を演算により求めた前記第一および第二管摩擦係数・レイノルズ数関数を連立方程式として管摩擦係数、レイノルズ数を演算する連立管摩擦係数・レイノルズ数演算部と、
    前記連立管摩擦係数・レイノルズ数関数演算部で求めた管摩擦係数またはレイノルズ数を用いて前記吐出管流量を演算して表示する流量演算表示部と、
    を具備するポンプ流量計測装置。
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