JP4413645B2 - 管内流体計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、幹線下水道などの管路内に流れる、下水、工場廃水等の流体の水位、流速、流量などを測定可能な管内流体計測装置に関する。
幹線下水道などの管路内には、下水、工場廃水等の流体が流れる。このような管路(以下、幹線下水道を例にとって説明する)に流れる流体については、その水位、流速、流量を計測できることが望ましい。
通常、下水道に関する制御については、複数の雨水ポンプにより河川へ排出する雨水排水施設への雨水流入量を予測したり、ポンプ場施設における雨水ポンプ運転や流入ゲート運用に関する支援情報を運転員に提供したり、或いは、雨水ポンプ運転や流入ゲート運用を自動で制御することなどが行われている。このような制御を行うためには、下水道に流れる流体の流量を直接的に計測できると便利である。
従来、流体の流量を直接的に計測する手段として、電磁流量計、超音波式流量計、せき式流量計等がある。しかし、管径が大きく、長大な幹線下水道に多くの計測器を設置することは、複数地点に設置するためのコストや維持管理面の問題から、事実上難しかった。すなわち、このような計器を用いて、幹線内全体の雨水量や雨水の挙動を直接的に知ることは困難であった。
また、流入幹線内の流体の挙動をシミュレーションするパッケージソフトもあるが、幹線の土木データ、土地の利用状況のデータ等、多くの項目を設定する必要があり、その利用の多くは、オフライン系での利用である。
予測技術として、降雨レーダ、幹線水位計・流量計、地上雨量計等を用いて、ポンプ場への雨水流入量の予測、あるいは幹線内の雨水貯留量の予測等を行い、その予測結果から雨水ポンプや流入ゲートの運転支援を行うことも行われている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、予測の周期や精度等の問題もあり、雨水ポンプ制御や流入ゲート運用への適用はあまり行われていないのが実状である。
特開平5−128092号公報 特開平11−22650号公報
このように、大口径で広範囲にわたる幹線下水道などでは、流量計により、流体の流量を直接的に計測することが困難であり、降雨量などに基づき予測を行うことが一般的であったが、精度などの面で改善すべき問題があった。
本発明の目的は、管内を流れる流体の諸量を直接的に計測できる管内流体計測装置を提供することにある。
本発明の管内流体計測装置は、管路内の流体に浮遊させた発信器と、前記管路内天井部に設けられ、前記流体の流れに伴って移動する前記発信器から発信される電波もしくは超音波を受信する受信器と、この受信器で計測された電波もしくは超音波の強さにより、受信器から前記発信器までの距離を求める演算手段とを備え、前記受信器は、発信器から発信された電波もしくは超音波の強さと周波数とを計測する機能を有し、前記演算手段は、ある時刻における第1の発信器位置までの第1の距離d1及び所定時間後における第2の発信器位置までの第2の距離d2をそれぞれ求めると共に、これら第1及び第2の距離d1、d2、前記第1の発信器位置からの受信電波もしくは超音波の周波数Fiおよび、この受信周波数Fiと既知の発信周波数Foとの差ΔF、発信された電波もしくは超音波の速度c、前記所定時間の値Δtから、前記第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θを求めかつ、前記第1の発信器位置からの受信電波もしくは超音波の周波数Fiおよび、この受信周波数Fiと既知の発信周波数Foとの差ΔF、発信された電波もしくは超音波の速度c、前記第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θによる余弦角cosθから、発信器の移動速度Vpを求める演算機能を有することを特徴とする。
また、本発明では、演算手段は、第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θによる正弦角sinθと前記第1の距離d1とから管路内天井に設置された受信器から流体表面までの距離Δhを求め、この距離Δhと管路内の上下高さから流体表面高さhを求める演算機能を有する。
また、本発明では、演算手段は、管路内の流体表面高さhと予め求められている管路の形状寸法に関する土木データとから流体の断面積Sを求め、この流体の断面積Sと発信器の移動速度Vpに基づく流体の流速とから流体の流量Qを求める演算機能を有する。
また、本発明では、受信器は、管路の流れ方向に沿う複数箇所にそれぞれ設けられ、演算手段はこれら各受信機により計測された値により各地点の演算を行う。
また、本発明では、演算手段は、受信器が設けられた各地点における流体の表面高さ、流速、流量をそれぞれ求めている。
また、本発明では、演算手段により求められた各地点の値を相互に比較して、各地点の値が適切か否かを判定する適正値判定手段を有する。
また、本発明では、演算手段により求められた各地点の値と管路の形状寸法に関する土木データとから、管路内の流体量を求める流体量算出手段を有する。
また、本発明では、各時刻における流体量の差分をとり、管路内への流体流入量を算出する流入量算出手段を有する。
また、本発明では、発信器は複数個用意され、管路の上流側から順次間隔を保って管路内に投入される。
また、本発明では、管路は雨水が流入する下水配管であり、発信器は雨量計からの降雨量信号もしくは気象データをもとに降雨継続中のみ投入される。
また、本発明では、演算手段や各種算出手段で求められた各値を表示する監視装置を有する。
また、本発明では、監視装置は、演算手段で求められた流体表面高さの値に基づき、管路内の流体表面状態をグラフィック表示する。
また、本発明では、演算手段により求められた管路内の流体の各値と、この管路に連結された流入ゲートやポンプの運転状況とを比較して、流入ゲートやポンプに対する適切なガイダンスを監視装置に出力するガイダンス出力手段を有する。
また、本発明では、監視装置に出力され、表示される情報をWebブラウザに表示させるWebサーバを有する。
また、本発明では、監視装置に出力され、表示される情報を外部端末に表示させる外部表示手段を有する。
さらに、本発明では、演算手段により求められた管路内の流体の各値と、この管路に連結された流入ゲートやポンプの運転状況とを比較して、流入ゲートやポンプに対する制御指令を出力する制御出力手段を有する。
本発明によれば、管路内の流体に発信器を浮遊させ、管路内天井部に受信器を設け、この受信器により、流体の流れに伴って移動する発信器からの電波もしくは超音波を受信することにより、管路内を流れる流体に関する諸量を直接的に計測することができる。
以下、本発明による管内流体計測装置の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1はこの実施の形態の基本構成を示している。図1において、1は例えば、下水道の幹線などを形成する管路(以下、下水道の幹線として説明する)で、その内部には雨水を含む下水、工場廃水等の流体が流れる。この流体は、下流側に位置する図示しないポンプ場に流入し、このポンプ場に設けられた雨水ポンプ10により放流先(河川等)へ排出される。この幹線1の中間部には流入支線2が連結されており、下水が途中流入する。
3は発信器で、所定出力(強さ)Wo、所定周波数Foで、発信器3毎の識別信号を含む電波もしくは超音波(以下、電波のみについて説明するが、本発明は超音波も含む)を発信する。この発信器3は多数用意され、幹線1の上流側に設けられた投入機構7により、幹線1内に間隔を保って順次投入される。また、これら発信器3は、幹線1内の流体上に浮遊し、流体の流れに伴って下流側に移動する。
4は受信器で、幹線1内の流体の流れ方向に沿う複数箇所において、天井部(幹線1の断面が円形の場合は内面頂部)にそれぞれ設けられている。これら受信器4は、それぞれ流体上に浮遊して移動する各発信器3からの電波を受信し、発信器3毎に、信号入力(強さ)Wi、受信周波数Fiを計測する。
5はプロセスコントローラで、受信器4による計測信号や雨量計12による計測信号などを入力して所定の演算を行う。そして、その演算により得られる流入幹線内の情報を運転員に提供すべく伝送路9を介して運転支援装置6へ送ったり、演算された各値をもとにして、ポンプ場の雨水ポンプ10や、流入ゲート11に対する制御信号を出力する。
プロセスコントローラ5は、図2で示すように、演算手段50、適正値判定手段51、流体量算出手段52、流入量算出手段53、ガイダンス出力手段54、制御出力手段55を持っている。
演算手段50は、受信器4で計測された受信信号40と、プロセスコントローラ5内で保持された流入幹線1に関する既知の土木データ(流入幹線の各地点における管の断面形状、管径、管底高、等を示すデータ)56とをもとに、流入幹線1内における複数地点の流体の表面高さ(以下、水位として説明する)、流速・流量などを算出する。
この演算手段50の演算フローを図3に示す。演算手段50には、図3に示すように、既知のデータとして発信器3から発信される電波の信号出力Wo及び発信周波数Foが設定されている。また、受信器4からの受信信号40として、受信電波の信号入力Wi及び受信周波数Fiが入力されている。
そして、発信器3から発信される電波の信号出力Woと受信器4による信号入力Wiとを用いて、第1の演算501により、図4で示す、受信器4から発信器までの距離dを求める。
第1の演算501では、発信器3から発信された電波が受信器4に届くまでに減衰する特性を利用して、受信電波の強さにより、受信器4から発信器3までの距離dを算出する。通常、波動は距離のn乗に反比例して減衰するので、つぎの式が成り立つ。
Wi/Wo=k・d−n ・・・(1)
(1)式において、k:定数である。
これをdについて解くと、つぎのようになる。
d=(k・Wo/Wi)1/n ・・・(2)
ここで、nは環境に応じて与えられる定数であるが、流入幹線1内という特性を事前に演算式に反映しておく必要がある。
また、同電波の発信周波数Foと受信周波数Fiを用いて、第2の演算502によりドップラー効果を利用した演算を行う。
第2の演算502では、ドップラー効果の原理を利用し、発信器3からの発信周波数と受信器4での受信周波数との差により、発信器3の移動速度(表面流速)Vpを以下の式で算出する。
Vp={ΔF/(Fi・cosθ)}・c ・・・(3)
(3)式において、Fi:受信周波数、ΔF:周波数の差(=Fi−Fo)、c:発信された電波の速度、θ:水平面(流体表面)と発信器3−受信器4を結んだ(距離d方向の)仮想線との成す角度である。なお、この角度θは、後述する第3の演算にて決定する。
なお、(3)式はつぎのように導出される。すなわち、固定された受信器4に、発信器3が近づいてくる場合、発信器3の発信周波数をFo、発信器3の移動速度をVp、電波の速度をcとすると、受信器4で実際に受ける周波数Fiは次の式で求められる。
Fi=Fo・c/(c−Vp・cosθ)
∴Fi・c−Fi・Vp・cosθ=Fo・c
∴Fi・Vp・cosθ=Fi・c−Fo・c
Fi−Fo=ΔFとすると、Vpはつぎのように求められる。
∴Fi・Vp・cosθ=ΔF・c
∴Vp={ΔF/(Fi・cosθ)}・c
これら第1の演算501及び第2の演算502の演算結果及び既知の土木データ56を用いて、第3の演算503により発信器3の位置Lや水位hを求める。
第3の演算503では、図4で示す、発信器3までの距離d、発信器3の移動速度(表面流速)Vpと土木データ(管底高)から、発信器の位置L及びその地点の水位hを、例えば、つぎのような方法で算出する。
図5で示すように、ある時刻tの発信器3までの距離がd1と測定されたとする。また、時刻t+Δt(Δtは微小な時間)の発信器までの距離がd2と測定されたとする。微小な時間を仮定すると、発信器3はある時刻tで計測された発信器3の移動速度(表面流速)Vpで、その水位を保ったまま移動すると考えることができる。このとき、d1、d2、Vp・Δtを3辺とし、図5のような関係を満たすようなθを、以下の余弦定理を用い、求めることができる。
=B+C−2・B・C・cosθ ・・・(4)
この(4)式に、A=d2、B=d1、C=Vp・Δtを代入して解く。代入した結果、下式となる。
d2=d1+[{ΔF/(Fi・cosθ)}・c・Δt]−2・d1
・{ΔF/(Fi・cosθ)}・c・Δt・cosθ ・・・(5)
(5)式をcosθについて解く。
[{ΔF/(Fi・cosθ)}・c・Δt]=d2−d1
+2・d1・(ΔF・c・Δt/Fi)
∴(ΔF・c・Δt/Fi) ・(1/cosθ)
d2−d1+2・d1・(ΔF・c・Δt/Fi)
∴(1/cosθ)={d2−d1+2・d1・
(ΔF・c・Δt/Fi)}/(ΔF・c・Δt/Fi)
∴cosθ=(ΔF・c・Δt/Fi)/{d2−d1
2・d1・ΔF・c・Δt/Fi)}
∴cosθ=±[(ΔF・c・Δt/Fi)/{d2−d1
2・d1・ΔF・c・Δt/Fi)}]1/2 ・・・(6)
(6)において、右辺はd2、d1、c、Fi、ΔF、Δtのいずれの変数も既知の値であり、cosθは、この(6)式により求めることができる。なお、(6)式右辺の複合(±)は、発信器3が受信器4の位置よりも上流にある場合が+、下流に有る場合が−に相当する。
そして、このθにより、発信器3の移動速度(流体の表面速度)Vpおよび流体表面と幹線1の天井面との距離Δh(=d・sinθ)、発信器3までの水平方向の距離ΔL(=d・cosθ)を求めることができる。これらの結果、受信器4から水平方向に距離ΔL離れた地点が発信器3の位置Lとなる。そして、発信器3の位置Lの管底高h、受信器4の位置の管頂高h、Δhより、発信器3の位置の水位hを求める。
次に、上記演算によって求められた値や土木データ56を用いて第4の演算504により、幹線1を流れる流体の断面積Sを求める。
第4の演算504では、水位hと土木データ(管の形状、管径)から、その地点の断面積Sを算出する。例えば、図6で示すように、幹線1が管径Dの円管の場合、水位hの流体の断面積Sは以下の式で求められる。
S=(1/8)×(φ−sinφ)・D ・・・(7)
ここで、D:地点Lにおける管径、φ:中心角(管径と水位から求まる)である。
すなわち、図6(a)で示すように、水位が円管の中心以下であれば、中心角φで、2辺の長さがそれぞれD/2の扇形の面積から、中心角φで、2辺の長さがそれぞれD/2の二等辺三角形の面積を減算することにより、流体の断面積Sを得ることができる。また、図6(b)で示すように、水位が円管の中心以上であれば、中心角φで、2辺の長さがそれぞれD/2の扇形の面積に、中心角(360°−φ)で、2辺の長さがそれぞれD/2の二等辺三角形の面積を加算することにより、流体の断面積Sを得ることができる。
また、第3の演算で求めた流体の表面流速(点流速)Vpと水位hを用いて、第5の演算505により、流体の平均流速を求める。
第5の演算505では、点流速Vpと水位hとから、その面の平均流速Vaに換算する演算(Va=kp・Vp)を行う。例えば、幹線1における管内の流速分布が対数則で表され、管路が粗面であるものと仮定した場合、点流速を平均流速に変換する係数kpを求める式の一例として、下記の式がある。
kp={1+n・g1/2・R−1/6・(8.5−Ar+5.75log10(y/R))}−1
・・・(8)
ここで、n:管路面の粗度係数、R:径深(管の形状、水位により変化する値)、y:点流速測定水深(=その地点の水位h)、g:重力加速度、Ar:Rとnにより変化する値である。
このようにして求めた流体の平均流速Vaと断面積Sとから、第6の演算506により、流体の流量Qを求める。
第6の演算506では、第5の演算505にて、水面の流速Vpを平均流速に換算した値Vaと、第4の演算504にて水位hと土木データ56とから演算された断面積Sをかけて流体流量Qを算出する。これらの演算を、受信器4の信号受信範囲内にある各発信器3に対して、一定周期ごとに繰り返し行う。
このようにして演算手段50による複数の受信器4ごとの各演算を繰り返し実行することにより、幹線1内の各部における流体の、例えば、水位、流速、流量などの諸量(以下、水位、流速、流量として説明する)が求められる。
適正値判定手段51は、演算手段50により求められた各地点の値を相互に比較して、各地点の値が適切か否かを判定する。すなわち、得られた流入幹線1内の複数地点の水位・流速・流量について、不適切な値があるかどうかを判定する。
例えば、図1で示したように、幹線1と支線2が接合する箇所では、支線2からの流入により部分的に不規則な激しい流れが生じ、発信器3が一時的に水中に深く沈んでしまったりすることがある。このような現象が生じた発信器3からの電波により演算した数値は異常な値を示すことが考えられる。そこで、適正値判定手段51は、各地点の値を相互に比較して、各地点の値が適切か否かを判定し、不適切な値があれば値を演算から除去する。
これらの結果、適切な水位、流速、流量が得られるので、これらの値を、図1で示した運転支援装置6の監視装置60に、例えば、図7で示すように表示する。図7は監視装置60の表示画面を表しており、A幹線、B幹線、C幹線にポンプ場が接続している状態を模擬的に表示している。上記適切な水位、流速、流量は、各幹線の各地点についてそれぞれ求められるので、これを図示のように幹線毎の各地点での数値61として表示する。
流体量算出手段52は、演算手段50により求められ、適正値判定手段51で適正値と判断された各地点の値と幹線1の形状寸法に関する土木データ56とから、幹線1内の流体量(以下、雨水量として説明する)を求める。この雨水量演算の一例を、図8を用いて説明する。
まず、計測された発信器3の位置をもとに雨水量を算出する区間を分割する。例えば、発信器3と発信器3との中間位置Lh,L1、L2、・・・、Ll-2、Ll-1、Llを分割位置とし、その分割位置と分割位置との間をひとつの区間とする。これにより、ひとつの区間に、ひとつの発信器3が入ることになる。
なお、図中、Lc1、・・・、Lcnは、発信器3の位置である。また、雨水量を算出する区間は、流入幹線1の上流側の計測開始地点Lhから流入幹線下流側の計測終了地点Llまでとする。計測開始地点Lhおよび計測終了地点Llを含む端の区間においても、それぞれひとつの発信器3が入る。
このように設定された各区間において、その区間内にある発信器3の地点の水位をその区間の水位として、土木データ56の値から、その区間の雨水量を算出する。そして、各区間の雨水量V1〜Vnを算出し、これらの雨水量を合計することにより、幹線1内の雨水量とする。この場合、適正値判定手段51にて、不適切な箇所の計測値を除去していることにより、雨水量の演算精度を高めることが可能である。
流入量算出手段53は、各時刻における流体(雨水)量の差分をとり、幹線1内への流体(雨水)流入量を算出する。すなわち、雨水流入量を算出する流入量算出手段53は、ある時刻の雨水量とある時刻の1ステップ前の雨水量との差分を求めることにより、この時間に流入した雨水流入量を算出する。このようにして求められた流入量は、図7で示すように、監視装置60上の幹線毎の数値62として表示される。
ガイダンス出力手段54は、図1で示した運転支援装置6の監視装置60に各種のガイダンスを出力するものである。すなわち、演算手段50などで求められた幹線1内の流体の各値と、この幹線1に連結されたポンプ場の流入ゲート11の運用状況111やポンプ10の運転状況101とを入力し、これらを互いに比較して、図7で示すように、流入ゲート11やポンプ10に対する適切なガイダンス63を監視装置60上に表示出力する。
制御出力手段55は、演算手段50などにより求められた幹線1の流体の各値と、この幹線1に連結されたポンプ場の流入ゲート11運用状況111やポンプ10の運転状況101を入力し、これらを互いに比較して、流入ゲート11やポンプ10に対する制御指令551を出力する。すなわち、制御出力手段55は、幹線1内の各種計測情報と、雨水ポンプ運転状況や流入ゲート運用状況との比較結果により、雨水ポンプ10への適切な運転・停止指令を出力すると共に、流入ゲート11への運用指令を出力する。
ここで、雨水ポンプ10の制御例としては、つぎのような方法があげられる。例えば、算出された雨水流入量と現在の雨水ポンプ10の吐出流量を比較すれば、今後、ポンプ場のポンプ井水位が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかを知ることができる。そして、必要に応じて雨水ポンプ10の運転台数を増やしたり、減らしたりといった制御が可能となる。これをプロセスコントローラ5内で自動的に演算、判断することにより、雨水ポンプ10の自動制御を行うことも可能となる。流入ゲート11の運用についても同様である。
前記運転支援装置6の監視装置60による支援画面の一例を図7に示す。ポンプ場への各流入幹線A,B,Cにおける発信器3の位置、およびその位置の水位、流速、流量を、前述のように数値61で表示する。また、各流入幹線A,B,Cにおける雨水流入量を数値62で表示することにより、現在雨水がどの程度、各流入幹線A,B,Cに流入しているかどうかを見ることができる。
さらに、各流入幹線A,B,Cの縦断面図64をグラフィック表示し、流入幹線内における発信器3の位置での水位を図示のように繋いで表示することにより、現在の各幹線における全体の水面の状況を知ることができる。また、これらの計測値をもとにした運用ガイダンス63を提示することも可能である。
このような画面により、流入幹線A,B,Cの状況を表示し、雨水ポンプ制御、流入ゲート運用に関する有効な情報を運転員に提供することが可能となる。
また、これらの情報は、プロセスコントローラ5にWebサーバ機能をもたせることで、Webブラウザでの表示も可能である。さらに、外部の端末(パソコン、携帯電話、PDA等)への情報提供も可能となる。
ここで、本発明の重要な構成要素である発信器3についてみると、発信器3は多数用意され、図1で示したように、幹線1の上流に設けられた投入機構7によって順次投入される。この発信器3の投入については、例えば、降雨継続中の間のみ投入する、あるいは降雨継続中は投入間隔を短くする等、投入機構7からの投入タイミングを制御することが可能である。これらの投入タイミングはプロセスコントローラ5から出力すればよい。
降雨が継続しているかどうかの判定については、地上雨量計12からの降雨量信号、図示しない降雨レーダ(レーダ雨量計)からの降雨量信号、外部から配信される気象データ等を利用すればよい。
流入幹線1内を流下する発信器3の数が多くなれば、多くの地点の各種計測を行うことができる。また、流入幹線1内の雨水量の演算精度も向上することになる。
なお、流入幹線1を流下してポンプ場施設に到達した発信器3は、ポンプ場施設の除塵設備により除去したり、もしくはポンプ場施設に設置された回収機構により回収する。
このように、流体ともに流下する複数の発信器3からの信号をもとに、流入幹線1内の複数地点の水位、流速、流量等を直接的に計測できる。また、その情報に基づいて、設備運転のためのガイダンスを行ったり、雨水ポンプ運転、流入ゲート運用を行うことができる。
これらを従来の計測手段と比較すると、例えば、超音波式流量計のひとつである水位・流速演算方式流量計では、流速センサを管底部に敷設する必要があり、また水位センサについても測定の不感帯を考慮しなければならない。これに対し、上記実施の形態によれば、受信器4を管頂付近に取付ければ良く、管内のセンサ取付けの問題や不感帯の問題も不要となり、施工的、コスト的にみても有効な装置といえる。
さらに、これまであまり知ることのできなかった流入幹線1内の雨水の流下、貯留、支線2からの横流入等、流入幹線1内の雨水の複雑な挙動を知ることができ、水理学的に非常に有効なデータを得ることが可能となる。
これらの結果をまとめると、次のように列挙される。
(1)幹線水位計、流量計を流入幹線に数多く設置することなく複数地点の各種計測が可能になり、安価に実現することができる。また、設置後の維持管理費用も抑えることができる。さらに、従来の計測装置と比べて施工的にも容易である。
(2)流入幹線内の状況が精度良く計測できることにより、これを利用した雨水ポンプ制御あるいは流入ゲート運用への適用も可能である。
(3)流入幹線内の流体の流下、貯留、支線からの横流入等、流入幹線内の流体の水面の複雑な挙動を知ることが可能となる。
なお、上記実施の形態では、管路として、下水道幹線を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の流体を流通させる管路に適用することができる。
本発明による管内計測装置の一実施の形態を示す全体構成図である。 同上一実施の形態に用いるプロセスコントローラの構成を示す機能ブロック図である。 同上一実施の形態に用いるプロセスコントローラ内の演算過程を説明するブロック図である。 同上一実施の形態における発信器と受信器との位置関係を説明する図である。 同上一実施の形態における角度θを求める演算手法の説明図である。 同上一実施の形態における流体断面積を求める演算手法の説明図である。 同上一実施の形態における監視装置の運転支援画面を示す図である。 同上一実施の形態における管路内の流体量を求める演算手法の説明図である。
符号の説明
1 管路
3 発信機
4 受信器
10 ポンプ
11 流入ゲート
50 演算手段
51 適正地判定手段
52 流体量算出手段
53 流入量算出手段
54 ガイダンス出力手段
55 制御出力手段
60 監視装置
61 管路内各地点の数値表示
62 流入量の数値表示
63 ガイダンス表示
64 管路内縦断面のグラフィック表示

Claims (16)

  1. 管路内の流体に浮遊させた発信器と、
    前記管路内天井部に設けられ、前記流体の流れに伴って移動する前記発信器から発信される電波もしくは超音波を受信する受信器と、
    この受信器で計測された電波もしくは超音波の強さにより、受信器から前記発信器までの距離を求める演算手段とを備え、
    前記受信器は、発信器から発信された電波もしくは超音波の強さと周波数とを計測する機能を有し、
    前記演算手段は、ある時刻における第1の発信器位置までの第1の距離d1及び所定時間後における第2の発信器位置までの第2の距離d2をそれぞれ求めると共に、これら第1及び第2の距離d1、d2、前記第1の発信器位置からの受信電波もしくは超音波の周波数Fiおよび、この受信周波数Fiと既知の発信周波数Foとの差ΔF、発信された電波もしくは超音波の速度c、前記所定時間の値Δtから、前記第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θを求め、
    かつ、前記第1の発信器位置からの受信電波もしくは超音波の周波数Fiおよび、この受信周波数Fiと既知の発信周波数Foとの差ΔF、発信された電波もしくは超音波の速度c、前記第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θによる余弦角cosθから、発信器の移動速度Vpを求める演算機能を有する
    ことを特徴とする管内流体計測装置。
  2. 演算手段は、前記第1の距離方向の仮想線と流体表面との角度θによる正弦角sinθと前記第1の距離d1とから管路内天井に設置された受信器から流体表面までの距離Δhを求め、この距離Δhと管路内の上下高さから流体表面高さhを求める演算機能を有することを特徴とする請求項1に記載の管内流体計測装置。
  3. 演算手段は、管路内の流体表面高さhと予め求められている管路の形状寸法に関する土木データとから流体の断面積Sを求め、この流体の断面積Sと発信器の移動速度Vpに基づく流体の流速Vaとから流体の流量Qを求める演算機能を有することを特徴とする請求項2に記載の管内流体計測装置。
  4. 受信器は、管路の流れ方向に沿う複数箇所にそれぞれ設けられ、演算手段はこれら各受信器により計測された値により管路内各地点の演算を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の管内流体計測装置。
  5. 演算手段は、受信器からの計測信号により管路内の各地点における流体の表面高さ、流速、流量をそれぞれ求めることを特徴とする請求項4に記載の管内流体計測装置。
  6. 演算手段により求められた各地点の値を相互に比較して、各地点の値が適切か否かを判定する適正値判定手段を有することを特徴とする請求項5に記載の管内流体計測装置。
  7. 演算手段により求められた各地点の値と管路の形状寸法に関する土木データとから、管路内の流体量を求める流体量算出手段を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の管内流体計測装置。
  8. 各時刻における前記流体量の差分をとり、管路内への流体流入量を算出する流入量算出手段を有することを特徴とする請求項7に記載の管内流体計測装置。
  9. 発信器は複数個用意され、管路の上流側から順次間隔を保って管路内に投入されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の管内流体計測装置。
  10. 管路は雨水が流入する下水配管であり、発信器は雨量計からの降雨量信号もしくは気象データをもとに降雨継続中のみ投入されることを特徴とする請求項9に記載の管内流体計測装置。
  11. 演算手段や各種算出手段で求められた各値を表示する監視装置を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の管内流体計測装置。
  12. 監視装置は、演算手段で求められた流体表面高さの値に基づき、管路内の流体表面状態をグラフィック表示することを特徴とする請求項11に記載の管内流体計測装置。
  13. 演算手段により求められた管路内の流体の各値と、この管路に連結された流入ゲートやポンプの運転状況とを比較して、流入ゲートやポンプに対する適切なガイダンスを監視装置に出力するガイダンス出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の管内流体計測装置。
  14. 監視装置に出力され、表示される情報をWebブラウザに表示させるWebサーバを有することを特徴とする請求項13に記載の管内流体計測装置。
  15. 監視装置に出力され、表示される情報を外部端末に表示させる外部表示手段を有することを特徴とする請求項13に記載の管内流体計測装置。
  16. 演算手段により求められた管路内の流体の各値と、この管路に連結された流入ゲートやポンプの運転状況とを比較して、流入ゲートやポンプに対する制御指令を出力する制御出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の管内流体計測装置。
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