以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置(MFP)1の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、この画像処理装置1の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)10と、このCPU10に接続されたROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、画像読取部13と、プリンタ部14と、画像処理部15と、不揮発メモリ16と、自動原稿搬送部(ADF)17と、ファクシミリ通信部18と、ネットワーク通信部19と、操作表示部20とを備えている。
CPU10は、OSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。また、CPU10は、後述する操作表示部20に表示される表示領域30(図3参照)に対する一連の制御を実行する。
ROM11には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU10が各種処理を実行することで画像処理装置1の各機能が実現される。また、ROM11には、後述する表示領域30に対する一連の制御を実行するためのプログラムが格納される。
RAM12は、CPU10がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
画像読取部13は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像読取部13は、例えば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動ユニットと、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備える。
プリンタ部14は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
画像処理部15は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
不揮発メモリ16は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。また、不揮発メモリ16には、画像処理装置1に対する操作指示を入力するための複数の選択肢がリストとして格納される。
自動原稿搬送部(ADF)17は、原稿台にセットされた原稿をその最上のものから1枚ずつ順に繰り出して搬送し、画像読取部13の読み取り位置を通過させて所定の排紙位置へ排紙する機能を果たす。
ファクシミリ通信部18は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて画像データを送受信する。
ネットワーク通信部19は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて端末装置やその他の外部装置との間でデータを通信する。
操作表示部20は、ディスプレイ部20aと、タッチセンサ部20bとを備える。ディスプレイ部20aは、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。また、ディスプレイ部20aには、画像処理装置1に対する操作指示の際に、後述する画像処理装置1に対する操作指示を入力するための複数の選択肢をリストとして表示するための表示領域30や、この表示領域30をスクロール操作するためのスクロールバー32(図3参照)などが表示される。
タッチセンサ部20bは、ディスプレイ部20aの画面上に設けられており、タッチペンや指などで画面が押下された座標位置や、表示領域30に対するフリック操作やドラッグ操作、スクロールバー32に対する操作を検出するタッチパネルなどを備える。
図2は、フリック操作またはドラッグ操作が実行される場合における表示領域30に対する一連の制御を示すフローチャートである。この一連の制御は、画像処理装置1に対する操作指示を入力するための複数の選択肢を操作表示部20のディスプレイ部20aに表示する表示領域30にフリック操作またはドラッグ操作が実行される場合における表示領域30に対する制御である。ここで、複数の選択肢とは、例えば、ファクシミリ通信における予め登録された複数の宛先などが挙げられる。
以下の説明の中で、表示領域30の初期状態とは、表示領域30が、表示領域30に対してフリック操作等のスクロール操作が実行される前の大きさを有し、さらに、複数の選択肢がリストとして表示領域30内に表示されている状態をいう。
まず、表示領域30が初期状態であるとき、ディスプレイ部20aに表示されている表示領域30に対してタッチペンなどを使用して実行されるフリック操作またはドラッグ操作がタッチセンサ部20bによって検出される(ステップS101;Yes)。タッチセンサ部20bによってフリック操作等が検出されると、CPU10によりこの表示領域30が拡大対象領域か否かが所定の判断基準に基づいて判断される(ステップS102)。上記所定の判断基準として、例えば、フリック操作等が実行される前にこの表示領域30に表示しきれない選択肢の数が所定数以上である場合、この表示領域30が拡大対象領域であると判断されてもよいし、または、選択肢のリストの種別によってこの表示領域30が拡大対象領域であるか否かが判断されてもよい。
当該表示領域30が拡大対象領域であると判断された場合(ステップS102;Yes)、CPU10からの指示信号により、この表示領域30は拡大され、この拡大された状態でスクロールされる(ステップS103)。一方、当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS102;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS104)。
ステップS103において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、この表示領域30に表示されている何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS105)。
選択肢に対応するタッチセンサ部20bの箇所をタッチペンなどで押下することによって選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断される(ステップS105;Yes)。CPU10からの指示信号により、ステップS103において拡大された表示領域30が初期状態のサイズに戻される(ステップS106)。すなわち、拡大された表示領域30は、フリック操作等が実行される前の大きさに縮小される。さらに、初期状態に戻された表示領域30内に選択された選択肢が表示されるように表示領域30がCPU10によって制御され、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS103において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、例えば、所望の操作指示に対応する選択肢が見つからないなどにより、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS105;No)、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40(図3参照)が選択されたか否かが判断される(ステップS107)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS107;Yes)、表示領域30が初期状態に戻される(ステップS108)。具体的には、表示領域30以外の画面の領域に対応するタッチセンサ部20bの箇所をタッチペンなどで押下することによって非関連領域40の選択が検出されると、CPU10からの指示信号により、拡大された表示領域30が初期状態に戻され、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS107において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS107;No)、再びステップS105に戻り、選択肢の選択(ステップS105)または非関連領域40の選択(ステップS107)の検出を監視する状態が継続される。
一方、ステップS102において当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS102;No)、この表示領域30が拡大されずにスクロールされた後(ステップS104)、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS109)。
選択肢に対応するタッチセンサ部20bの箇所をタッチペンなどで押下することによって選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断され、(ステップS109;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
また、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS109;No)、ステップS107と同様に、上記非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS110)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS110;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS110において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS110;No)、再びステップS109に戻り、選択肢の選択(ステップS109)または非関連領域40の選択(ステップS110)の検出を監視する状態が継続される。
図3(a)、(b)及び(c)は、表示領域30がフリック操作またはドラッグ操作によって拡大される場合、すなわち、当該表示領域30が拡大対象領域であると判断される場合(図2中のステップS102;Yes参照)における表示領域30の状態の変化を示す説明図である。
図3(a)、(b)及び(c)において、操作表示部20のディスプレイ部20aには、複数の選択肢等を表示する表示領域30と、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40が表示される。
表示領域30は、複数の選択肢をリストとして表示するリスト表示領域31と、スクロール操作を実行するためのスクロールバー32を含む。図3(a)、(b)及び(c)に示される例では、リスト表示領域31には、ファクシミリ通信等における宛先一覧が表示され、それぞれの選択肢は予め登録された宛先を表す。
非関連領域40には、表示領域30が初期状態であるときに表示領域30の上方に表示されるTAB1、TAB2などのタブ情報、Homeという表示、”Select Desired Destination.”などのメッセージを表示するためのメッセージ欄など、表示領域30のリスト表示領域31に表示される複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるときに使用されない情報が表示される。
まず、表示領域30にフリック操作等が実行されてから、表示領域30が拡大され、表示領域30に表示されている複数の選択肢の中から特定の選択肢が選択されることによって表示領域30が初期状態に戻されるまでの表示領域30の状態の変化について説明する。
図3(a)において、表示領域30が初期状態であるとき、A1からC3までの9個の選択肢(登録された宛先)が3行X3列の形で表示される。この初期状態で、表示領域30のリスト表示領域31にフリック操作またはドラッグ操作が上下方向に実行される。
リスト表示領域31にフリック操作等が上方向または下方向に実行されると、図3(b)に示されるように、表示領域30が、上下方向にディスプレイ部20aの表示画面の上端および下端まで拡大する。また、表示領域30とともにリスト表示領域31が上下方向に拡大され、スクロールバー32が上下方向に延びる。
表示領域30が上下方向に拡大されて拡大状態にあるとき、非関連領域40に表示される一部の情報が拡大された表示領域30によって隠される。隠された情報には、上記初期状態において表示領域30の上方に表示されるTAB1、TAB2などのタブ情報、Homeという表示、”Select Desired Destination.”などのメッセージを表示するためのメッセージ欄の一部と、表示領域30の下方に表示されるDetailボタンなどが含まれる。これらの情報は、表示領域30のリスト表示領域31に表示される複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるときに使用されない情報、すなわち、上記特定の選択肢の選択に関連しない情報である。表示領域30に対するフリック操作等により表示領域30が拡大された後、複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるとき、ディスプレイ部20aには、複数の選択肢と、必要に応じてこれら選択肢に関する付随情報などが表示されていればよく、特定の選択肢の選択に関連しないタブ情報などが表示される必要がない。従って、選択肢の選択に関連しない情報を隠すように表示領域30が拡大されても、選択肢の選択には影響しない。
表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、A1からE3までの15個の選択肢(登録された宛先)が5行X3列の形で表示される。この拡大状態で、画像処理装置1に対する所望の操作指示に対応する選択肢B2(図3(b)の例では、ファクシミリ通信等における送信先)が選択される。
表示領域30が拡大状態であるときに上記選択肢B2が選択されると、図3(c)に示されているように表示領域30は初期状態に戻される。すなわち、拡大された表示領域30は、フリック操作等が実行される前の大きさに縮小される。表示領域30とともにリスト表示領域31が縮小され、スクロールバー32が短くなる。また、縮小された表示領域30は、図3(a)と同様の位置に配置される。タブ情報など、拡大された表示領域30によって隠された情報が、図3(a)と同様に再び表示される。
表示領域30が初期状態に戻されたとき、選択された選択肢B2は縮小されたリスト表示領域31に表示される。図3(c)に示される例では、表示領域30が初期状態に戻されたとき、選択肢B2はリスト表示領域31の最上行に表示される。さらに、表示領域30が拡大状態にあったときに隠された情報は、再びディスプレイ部20aに表示される。
図3(c)では、表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢B2は縮小されたリスト表示領域31の最上行の中央に表示されるとしたが、選択された選択肢が縮小されたリスト表示領域31に表示されれば、選択された選択肢が表示される位置は任意でよい。
次に、表示領域30がフリック操作等により拡大された状態で、表示領域30に表示されている複数の選択肢の中から特定の選択肢が選択されず、選択肢の選択に関連しない非関連領域40を選択することによって表示領域30が初期状態に戻されるまで(図2中のステップS107;YesおよびステップS108参照)の表示領域30の状態の変化について、図3(b)および(c)を参照しながら説明する。
表示領域30が拡大状態にあるときに、例えば、フリック操作等が実行されても所望の操作指示に対応する選択肢が見つからず、当該選択肢が選択されない場合、上記拡大状態をキャンセルするために、図3(b)に示されている非関連領域40が選択される。具体的には、非関連領域40に対応するタッチセンサ部20bの箇所をタッチペンなどで押下することによって非関連領域40が選択されると、CPU10からの指示信号により、拡大された表示領域30は、図3(c)に示されるような初期状態に戻される。
図3(b)において、非関連領域40には、Searchボタン、Appボタンなどが表示されているが、SearchボタンやAppボタンを押下することによって表示領域30が初期状態に戻されてもよい。また、非関連領域40におけるSearchボタンやAppボタン以外の空白の領域や、表示領域30の拡大状態時に隠されないメッセージ欄の一部を押下することによって、表示領域30が初期状態に戻されてもよい。
図4(a)、(b)及び(c)は、フリック操作前におけるリスト表示領域30のスクロール位置がリストの先頭にある場合における表示領域30の状態の変化を模式的に示す説明図である。
図4(a)、(b)及び(c)では、A1からU3までの63個の選択肢がリストして不揮発メモリ16等に格納されるが、表示領域30のリスト表示領域31には63個の選択肢全てが一度に表示されない。リスト表示領域31にフリック操作を実行することにより、リスト表示領域31がスクロールされ、選択肢がスクロール方向に順々にリスト表示領域31に表示される。
図4(a)、(b)及び(c)に示されている「デフォルト領域」とは、表示領域30が初期状態であるときにおけるリスト表示領域31の表示範囲である。図4(a)、(b)及び(c)の例では、「デフォルト領域」に、9個の選択肢が3行X3列の形で表示される。「拡大領域」とは、表示領域30が拡大状態であるときにおける、デフォルト領域からさらに拡大された分の表示範囲である。図4(a)、(b)及び(c)の例では、フリック操作が上方向に実行されると、デフォルト領域の上側に2行X3列分の表示範囲が、デフォルト領域の下側に1行X3列分の表示範囲が、それぞれ拡大領域として、リスト表示領域31の表示範囲に追加される。従って、図4(a)、(b)及び(c)の例では、表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、最大18個の選択肢が6行X3列の形で表示される。なお、図4(a)、(b)及び(c)で、白いマスで示されている部分は、表示領域30の各状態におけるリスト表示領域31の表示範囲を表し、グレーのマスで示される部分(選択された選択肢を除く)は、表示領域30の各状態において、リスト表示領域31によって表示されない範囲を表す。
図4(a)において、表示領域30が初期状態であるとき、デフォルト領域のみがリスト表示領域31の表示範囲である。また、フリック操作前におけるリスト表示領域31のスクロール位置がリストの先頭にあるので、リスト表示領域31にはA1からC3までの9個の選択肢が表示される。
表示領域30が図4(a)に示される初期状態であるときにリスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されると、リスト表示領域31の表示範囲に拡大領域が追加される。また、リスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されるので、デフォルト領域は下方向にスクロールされる。さらにデフォルト領域とともに追加された拡大領域も下方向にスクロールされる。
図4(b)の例では、デフォルト領域は、フリック操作により初期状態からリストの2行分下方向にスクロールされる。また、拡大領域もデフォルト領域とともにリストの2行分下方向にスクロールされる。従って、表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、A1からF3までの18個の選択肢が表示される。
表示領域30が拡大状態であるときに選択肢B2が選択されると、図4(c)のように、表示領域30が初期状態に戻され、リスト表示領域31の表示範囲はデフォルト領域のみとなる。すなわち、選択肢B2が選択されたときに、表示領域30のリスト表示領域31が拡大領域の分だけ縮小される。
表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢B2は、デフォルト領域、すなわち、縮小されたリスト表示領域31の最上行の中央に表示される。選択された選択肢B2が縮小されたリスト表示領域31に表示されることにより、リスト表示領域31が縮小された後でも選択された選択肢を確認することができる。
図4(c)では、表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢B2はデフォルト領域の最上行の中央に表示されるとしたが、選択された選択肢がデフォルト領域に表示されれば、選択された選択肢が表示される位置は任意でよい。
図5(a)、(b)及び(c)は、フリック操作前におけるリスト表示領域31のスクロール位置がリストの中間にある場合における表示領域30の状態の変化を模式的に示す説明図である。
図5(a)、(b)及び(c)に示される選択肢のリストは、図4(a)、(b)及び(c)に示される選択肢のリストと同様である。また、図5(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用される「デフォルト領域」の意味や具体例および「拡大領域」の意味や具体例は、図4(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用されたものと同様である。さらに、白いマスやグレーのマスに関する意味についても、図4(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用されたものと同様である。
図5(a)において、表示領域30が初期状態であるとき、デフォルト領域のみがリスト表示領域31の表示範囲である。また、リスト表示領域31にはJ1からL3までの9個の選択肢が表示される。
表示領域30が図5(a)に示される初期状態であるときにリスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されると、リスト表示領域31の表示範囲に拡大領域が追加される。また、リスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されるので、デフォルト領域は下方向にスクロールされる。さらにデフォルト領域とともに追加された拡大領域も下方向にスクロールされる。
図5(b)の例では、デフォルト領域は、フリック操作により初期状態からリストの2行分下方向にスクロールされる。また、拡大領域もデフォルト領域とともにリストの2行分下方向にスクロールされる。従って、表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、J1からO3までの18個の選択肢が表示される。
表示領域30が拡大状態であるときに選択肢K2が選択されると、図5(c)のように、表示領域30が初期状態に戻され、リスト表示領域31の表示範囲はデフォルト領域のみとなる。すなわち、選択肢K2が選択されたときに、表示領域30のリスト表示領域31が拡大領域の分だけ縮小される。
表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢K2は、デフォルト領域、すなわち、縮小されたリスト表示領域31の最上行の中央に表示される。選択された選択肢K2が縮小されたリスト表示領域31に表示されることにより、リスト表示領域31が縮小された後でも選択された選択肢を確認することができる。
図5(c)では、表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢K2はデフォルト領域の最上行の中央に表示されるとしたが、選択された選択肢がデフォルト領域に表示されれば、選択された選択肢が表示される位置は任意でよい。
図6(a)、(b)及び(c)は、フリック操作前におけるリスト表示領域31のスクロール位置がリストの最後尾付近にある場合における表示領域30の状態の変化を模式的に示す説明図である。
図6(a)、(b)及び(c)に示される選択肢のリストは、図4(a)、(b)及び(c)に示される選択肢のリストと同様である。また、図6(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用される「デフォルト領域」の意味や具体例および「拡大領域」の意味や具体例は、図4(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用されたものと同様である。さらに、白いマスやグレーのマスに関する意味についても、図4(a)、(b)及び(c)に関する説明で使用されたものと同様である。
図6(a)において、表示領域30が初期状態であるとき、デフォルト領域のみがリスト表示領域31の表示範囲である。また、リスト表示領域31にはQ1からS3までの9個の選択肢が表示される。
表示領域30が図6(a)に示される初期状態であるときにリスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されると、リスト表示領域31の表示範囲に拡大領域が追加される。また、リスト表示領域31に対して上方向にフリック操作が実行されるので、デフォルト領域は下方向にスクロールされる。さらにデフォルト領域とともに追加された拡大領域も下方向にスクロールされる。
図6(b)の例では、デフォルト領域は、フリック操作により初期状態からリストの2行分下方向にスクロールされる。また、拡大領域もデフォルト領域とともにリストの2行分下方向にスクロールされる。デフォルト領域の下側に追加される拡大領域は、選択肢U1、U2及びU3が表示される行より1行下の空白の行を表示する。従って、表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、Q1からU3までの15個の選択肢と空白の1行が表示される。デフォルト領域の下側に追加される拡大領域に空白の行を表示することにより、リスト表示領域31のスクロール位置がリストの最後尾にあることをユーザに認識させることができる。
表示領域30が拡大状態であるときに選択肢R2が選択されると、図6(c)のように、表示領域30が初期状態に戻され、リスト表示領域31の表示範囲はデフォルト領域のみとなる。すなわち、選択肢R2が選択されたときに、表示領域30のリスト表示領域31が拡大領域の分だけ縮小される。
表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢R2は、デフォルト領域、すなわち、縮小されたリスト表示領域31の最上行の中央に表示される。選択された選択肢R2が縮小されたリスト表示領域31に表示されることにより、リスト表示領域31が縮小された後でも選択された選択肢を確認することができる。
図6(c)では、表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢R2はデフォルト領域の最上行の中央に表示されるとしたが、選択された選択肢がデフォルト領域に表示されれば、選択された選択肢が表示される位置は任意でよい。
図7は、表示領域30のスクロールバー32に対する操作が実行される場合における表示領域30に対する一連の制御を示すフローチャートである。この一連の制御は、画像処理装置1に対する操作指示を入力するための複数の選択肢を操作表示部20のディスプレイ部20aに表示する表示領域30のスクロールバー32に対する操作が実行される場合における表示領域30に対する制御である。
図7に示されるステップS202からS210は、図2中に示されるステップS102からS110とほぼ同一である。従って、図7に示される表示領域30に対する一連の制御に関する説明の中で、これらステップS202からS210については簡単に説明する。
まず、表示領域30が初期状態であるとき、ディスプレイ部20aに表示されている表示領域30のスクロールバー32に対する操作がタッチペンなどを使用して実行されることがタッチセンサ部20bによって検出される(ステップS201;Yes)。タッチセンサ部20bによってスクロールバー32に対する操作が検出されると、CPU10によりこの表示領域30が拡大対象領域か否かが所定の判断基準に基づいて判断される(ステップS202)。
当該表示領域30が拡大対象領域であると判断された場合(ステップS202;Yes)、CPU10からの指示信号により、この表示領域30は拡大され、この拡大された状態でスクロールされる(ステップS203)。一方、当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS202;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS204)。
ステップS203において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、この表示領域30に表示されている何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS205)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断される(ステップS205;Yes)。CPU10からの指示信号により、ステップS203において拡大された表示領域30が初期状態のサイズに戻される。さらに、初期状態に戻された表示領域30内に選択された選択肢が表示されるように表示領域30がCPU10によって制御され(ステップS206)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS203において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS205;No)、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS207)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS207;Yes)、表示領域30が初期状態に戻される(ステップS208)。そして、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS207において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS207;No)、再びステップS205に戻り、選択肢の選択(ステップS205)または非関連領域40の選択(ステップS207)の検出を監視する状態が継続される。
一方、ステップS202において当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS202;No)、この表示領域30が拡大されずにスクロールされた後(ステップS204)、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS209)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断され、(ステップS209;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
また、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS209;No)、ステップS207と同様に、上記非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS210)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS210;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS210において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS210;No)、再びステップS209に戻り、選択肢の選択(ステップS209)または非関連領域40の選択(ステップS210)の検出を監視する状態が継続される。
図8(a)、(b)及び(c)は、表示領域30のスクロールバー32に対する操作によって拡大される場合、すなわち、当該表示領域30が拡大対象領域であると判断される場合(図7中のステップS202;Yes参照)における表示領域30の状態の変化を示す説明図である。
図8(a)、(b)及び(c)において、操作表示部20のディスプレイ部20aには、複数の選択肢等を表示する表示領域30と、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40が表示される。
表示領域30は、複数の選択肢をリストとして表示するリスト表示領域31と、スクロール操作を実行するためのスクロールバー32を含む。図8(a)、(b)及び(c)に示される例では、リスト表示領域31には、ファクシミリ通信等における宛先一覧が表示され、それぞれの選択肢は予め登録された宛先を表す。スクロールバー32は、スクロールバー32の両端に備えられる上下の矢印(アロー)32a、32bと、上下の矢印32a、32bとの間に備えられる領域バー32cとを有する。また、領域バー32cには、ノブ32dが備えられる。
非関連領域40には、表示領域30が初期状態であるときに表示領域30の上方に表示されるTAB1、TAB2などのタブ情報、Homeという表示、”Select Desired Destination.”などのメッセージを表示するためのメッセージ欄など、表示領域30のリスト表示領域31に表示される複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるときに使用されない情報が表示される。
以下では、表示領域30のスクロールバー32に対する操作が実行されてから、表示領域30が拡大され、表示領域30に表示されている複数の選択肢の中から特定の選択肢が選択されることによって表示領域30が初期状態に戻されるまでの表示領域30の状態の変化について説明する。その他の表示領域30の状態の変化の説明ついては、上述の表示領域30がフリック操作またはドラッグ操作によって拡大される場合における表示領域30の状態の変化についての説明とほぼ同一であるので、省略する。
図8(a)において、表示領域30が初期状態であるとき、A1からC3までの9個の選択肢(登録された宛先)が3行X3列の形で表示される。この初期状態で、表示領域30のスクロールバー32に対する操作が実行される。
スクロールバー32の上下の矢印32a、32bの何れか一方を押下する(クリック、長押し等)こと、ノブ32dを領域バー32cの範囲内でドラックすること、領域バー32cをクリックや長押しをすることなどによって、スクロールバー32が操作されると、図8(b)に示されるように、表示領域30が、スクロールバー32の長手方向、すなわち、上下方向に、ディスプレイ部20aの表示画面の上端および下端まで拡大する。また、表示領域30とともにリスト表示領域31が上下方向に拡大され、スクロールバー32が上下方向に延びる。
表示領域30が上下方向に拡大されて拡大状態にあるとき、非関連領域40に表示される一部の情報が拡大された表示領域30によって隠される。隠された情報には、上記初期状態において表示領域30の上方に表示されるTAB1、TAB2などのタブ情報、Homeという表示、”Select Desired Destination.”などのメッセージを表示するためのメッセージ欄の一部と、表示領域30の下方に表示されるDetailボタンなどが含まれる。これらの情報は、表示領域30のリスト表示領域31に表示される複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるときに使用されない情報、すなわち、上記特定の選択肢の選択に関連しない情報である。表示領域30のスクロールバー32に対する操作により表示領域30が拡大された後、複数の選択肢から特定の選択肢が選択されるとき、ディスプレイ部20aには、複数の選択肢と、必要に応じてこれら選択肢に関する付随情報などが表示されていればよく、特定の選択肢の選択に関連しないタブ情報などが表示される必要がない。従って、選択肢の選択に関連しない情報を隠すように表示領域30が拡大されても、選択肢の選択には影響しない。
表示領域30が拡大状態であるとき、リスト表示領域31には、A1からE3までの15個の選択肢(登録された宛先)が5行X3列の形で表示される。この拡大状態で、画像処理装置1に対する所望の操作指示に対応する選択肢B2(図8(b)の例では、ファクシミリ通信等における送信先)が選択される。
表示領域30が拡大状態であるときに上記選択肢B2が選択されると、図8(c)に示されているように表示領域30は初期状態に戻される。すなわち、拡大された表示領域30は、スクロールバー32に対する操作が実行される前の大きさに縮小される。また、表示領域30とともにリスト表示領域31が縮小され、スクロールバー32が短くなる。また、縮小された表示領域30は、図8(a)と同様の位置に配置される。タブ情報など、拡大された表示領域30によって隠された情報が、図8(a)と同様に再び表示される。
表示領域30が初期状態に戻されたとき、選択された選択肢B2は縮小されたリスト表示領域31に表示される。図8(c)に示される例では、表示領域30が初期状態に戻されたとき、選択肢B2はリスト表示領域31の最上行に表示される。さらに、表示領域30が拡大状態にあったときに隠された情報は、再びディスプレイ部20aに表示される。
図8(c)では、表示領域30が初期状態に戻されるとき、選択された選択肢B2は縮小されたリスト表示領域31の最上行の中央に表示されるとしたが、選択された選択肢が縮小されたリスト表示領域31に表示されれば、選択された選択肢が表示される位置は任意でよい。
以上のように、実施の形態に係る画像処理装置1では、操作表示部20のタッチセンサ部20bが、画面内に複数の選択肢を表示するための表示領域30に対するスクロール操作を検出し、CPU10は、スクロール操作の検出結果に基づいて表示領域30を上下方向、すなわちスクロール方向に沿って拡大する。これにより、複数の選択肢の中から所望の操作指示に対応する選択肢が表示領域30に表示されるまでの表示領域30に対するスクロール操作回数を抑えることができる。
<変形例1>
図9は、変形例1に係る表示領域30に対する一連の制御を示すフローチャートである。
変形例1では、図2で示された表示領域30に対する一連の制御に、さらにフリック操作の速度またはドラッグ操作の速度を検出し、そのフリック操作の速度またはドラッグ操作の速度の検出結果に基づいて、表示領域30が拡大されるか否かを判断する工程が追加される。
図9に示されるステップS301およびS302は、図2中に示されるステップS101およびS102とほぼ同一である。また、図9に示されるステップS304からS311は、図2中に示されるステップS103からS110とほぼ同一である。従って、図9に示される表示領域30に対する一連の制御に関する説明の中で、これらステップS301、S302およびS304からS311については簡単に説明する。
表示領域30が初期状態であるときにフリック操作またはドラッグ操作がタッチセンサ部20bによって検出されると(ステップS301;Yes)、CPU10によりこの表示領域30が拡大対象領域か否かが所定の判断基準に基づいて判断される(ステップS302)。
当該表示領域30が拡大対象領域であると判断された場合(ステップS302;Yes)、ステップS303へ進む。一方、当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS302;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS304)。
表示領域30が拡大対象領域であると判断された後(ステップS302;Yes)、ステップS301でタッチセンサ部20bによって検出されたフリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が、CPU10により所定閾値以上であるか否かが判断される(ステップS303)。
フリック操作の速度とは、フリック操作時においてタッチセンサ部20bとタッチペン等が接触している間のタッチペン等の移動速度のことである。また、ドラッグ操作の速度とは、ドラッグ操作時においてタッチセンサ部20bとタッチペン等が接触している間のタッチペン等の移動速度のことである。
タッチセンサ部20bによって検出されたフリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が所定閾値以上であるとCPU10によって判断された場合(ステップS303;Yes)、CPU10からの指示信号により、この表示領域30は拡大され、この拡大された状態でスクロールされる(ステップS305)。一方、フリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が所定閾値未満であるとCPU10によって判断された場合(ステップS303;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS304)。
上記所定閾値は、操作表示部20の操作性に応じて、ユーザによって適宜設定されてもよい。また、フリック操作またはドラッグ操作が複数回実行された場合、操作表示部20の操作性に応じて、初回のフリック操作の速度または初回のドラッグ操作の速度を上記所定閾値と比較してもよい。また、検出された複数回のフリック操作の速度または複数回のドラッグ操作の速度から最大値を選択し、その最大値を上記所定閾値と比較してもよい。例えば、1回目のフリック操作の速度が大きく、当該速度が所定閾値以上であると判断された場合には、表示領域30が拡大される。この場合、2回目以降のフリック操作の速度については、所定閾値との比較を行わなくともよい。また、1回目のフリック操作の速度が小さく、当該速度が所定閾値未満であると判断された場合には、表示領域30が拡大されない。そして、2回目のフリック操作の速度が大きく、当該速度が所定閾値以上であると判断された場合には、表示領域30が拡大され、3回目以降のフリック操作の速度については、所定閾値との比較を行わなくともよい。
ステップS305において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS306)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断される(ステップS306;Yes)。CPU10からの指示信号により、ステップS305において拡大された表示領域30が初期状態のサイズに戻される(ステップS307)。すなわち、拡大された表示領域30は、フリック操作等が実行される前の大きさに縮小される。さらに、初期状態に戻された表示領域30内に選択された選択肢が表示されるように表示領域30がCPU10によって制御され、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS305において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS306;No)、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS308)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS308;Yes)、表示領域30が初期状態に戻される(ステップS309)。そして、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS308において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS308;No)、再びステップS306に戻り、選択肢の選択(ステップS306)または非関連領域40の選択(ステップS308)の検出を監視する状態が継続される。
一方、ステップS302において当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS302;No)、または、ステップS303においてフリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が所定閾値未満であると判断された場合(ステップS303;No)、この表示領域30が拡大されずにスクロールされた後(ステップS304)、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS310)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断され、(ステップS310;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
また、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS310;No)、ステップS308と同様に、上記非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS311)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS311;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS311において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS311;No)、再びステップS310に戻り、選択肢の選択(ステップS310)または非関連領域40の選択(ステップS311)の検出を監視する状態が継続される。
変形例1において、フリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が所定閾値以上か否かが判断され、上記速度が所定閾値以上であるとき表示領域30が拡大され、上記速度が所定閾値未満であるとき表示領域30は拡大されない。フリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が大きい場合、通常、ユーザは、フリック操作等が実行されるときのスクロール位置からリスト中の遠く離れた選択肢を探す傾向にある。表示領域30がより大きくスクロールされるので、所望の選択肢を探すために表示領域30を拡大させる必要性がより高くなる。逆に、フリック操作の速度またはドラッグ操作の速度が小さい場合、ユーザは、フリック操作等が実行されるときのスクロール位置からリスト中の比較的近い選択肢を探す傾向にある。スクロール位置を微調整すれば所望の選択肢を探すことができることが多いので、表示領域30を拡大する必要性がより低くなる。フリック操作の速度等により表示領域30を拡大させるか否かが決定されるので、操作表示部20の操作性がより高くなる。また、フリック操作等の速度が大きい場合、通常、表示領域30のスクロール速度も大きくなる。変形例1では、フリック操作等の速度が所定閾値以上であると判断された場合に表示領域30がスクロール方向に沿って拡大されるので、表示領域30のスクロール速度が大きくても、ユーザは複数の選択肢を目で追いやすくなる。
<変形例2>
図10は、変形例2に係る表示領域30に対する一連の制御を示すフローチャートである。
変形例2では、図2で示された表示領域30に対する一連の制御に、スクロール方向におけるスクロール残量に基づいて、表示領域30が拡大されるか否かを判断する工程が追加される。
図10に示されるステップS401およびS402は、図2中に示されるステップS101およびS102とほぼ同一である。また、図10に示されるステップS404からS411は、図2中に示されるステップS103からS110とほぼ同一である。従って、図10に示される表示領域30に対する一連の制御に関する説明の中で、これらステップS401、S402およびS404からS411については簡単に説明する。
表示領域30が初期状態であるときにフリック操作またはドラッグ操作がタッチセンサ部20bによって検出されると(ステップS401;Yes)、この表示領域30が拡大対象領域か否かが所定の判断基準に基づいて判断される(ステップS402)。
当該表示領域30が拡大対象領域であると判断された場合(ステップS402;Yes)、ステップS403へ進む。一方、当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS402;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS404)。
表示領域30が拡大対象領域であると判断された後(ステップS402;Yes)、フリック操作またはドラッグ操作が実行される前の表示領域30のスクロール位置に基づいて、スクロール方向におけるスクロール残量が、CPU10により所定閾値以上であるか否かが判断される(ステップS403)。
スクロール方向におけるスクロール残量とは、フリック操作等が実行されるときのスクロール位置からスクロール方向に向かってあとどのくらい表示領域30をスクロールさせることができるかを示す残りのスクロール量である。
スクロール方向におけるスクロール残量が所定閾値以上であるとCPU10によって判断された場合、CPU10からの指示信号により、この表示領域30は拡大され、この拡大された状態でスクロールされる(ステップS405)。一方、スクロール方向におけるスクロール残量が所定閾値未満であるとCPU10によって判断された場合(ステップS403;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS404)。
上記所定閾値は、操作表示部20の操作性に応じて、ユーザによって適宜設定されてもよいし、デフォルト値として、ある固定値に設定されてもよい。例えば、スクロール方向におけるスクロール残量が、初回のフリック操作の速度に相当するスクロール量より小さければ、表示領域30は拡大されないように上記所定閾値が設定されてもよい。また、スクロール操作によって表示領域30の初期状態から追加されるべき分の表示範囲(拡大領域)のスクロール方向に沿った長さより、上記スクロール残量が小さければ、表示領域30は拡大されないように上記所定閾値が設定されてもよい。
ステップS405において表示領域30が拡大された状態で、スクロールされた後、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS406)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断される(ステップS406;Yes)。CPU10からの指示信号により、ステップS405において拡大された表示領域30が初期状態のサイズに戻される(ステップS407)。すなわち、拡大された表示領域30は、フリック操作等が実行される前の大きさに縮小される。さらに、初期状態に戻された表示領域30内に選択された選択肢が表示されるように表示領域30がCPU10によって制御され、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS405において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS406;No)、選択肢の選択に関連しない表示領域30以外の領域である非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS408)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS408;Yes)、表示領域30が初期状態に戻される(ステップS409)。そして、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS408において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS408;No)、再びステップS406に戻り、選択肢の選択(ステップS406)または非関連領域40の選択(ステップS408)の検出を監視する状態が継続される。
一方、ステップS402において当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS402;No)、または、ステップS403においてスクロール方向におけるスクロール残量が所定閾値未満であると判断された場合(ステップS403;No)、この表示領域30が拡大されずにスクロールされた後(ステップS404)、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS410)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断され、(ステップS410;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
また、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS410;No)、ステップS408と同様に、上記非関連領域40が選択されたか否かが判断される(ステップS411)。
上記非関連領域40の選択がタッチセンサ部20bによって検出されると、非関連領域40が選択されたことがCPU10によって判断され(ステップS411;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
さらに、ステップS411において、非関連領域40の選択が検出されないと(ステップS411;No)、再びステップS410に戻り、選択肢の選択(ステップS410)または非関連領域40の選択(ステップS411)の検出を監視する状態が継続される。
変形例2において、スクロール方向におけるスクロール残量が所定閾値以上か否かが判断され、上記スクロール残量が所定閾値以上であるとき表示領域30が拡大され、上記スクロール残量が所定閾値未満であるとき表示領域30は拡大されない。上記スクロール残量が大きい場合、フリック操作等が実行されるときのスクロール位置から表示領域30をスクロール方向に大きくスクロールさせることができる。従って、所望の選択肢を探すために表示領域30を拡大させる必要性がより高くなる。逆に、上記スクロール残量が小さい場合、フリック操作等が実行されるときのスクロール位置から表示領域30をスクロール方向にあまりスクロールさせることができない。この場合、表示領域30に対するスクロール操作により表示することができる選択肢は少ないので、表示領域30を拡大させる必要性がより低くなる。上記スクロール残量により表示領域30を拡大させるか否かが決定されるので、操作表示部20の操作性がより高くなる。
<変形例3>
図11は、変形例3に係る表示領域30に対する一連の制御を示すフローチャートである。
変形例3では、図2で示された表示領域30に対する一連の制御に、ステップS107およびS110の代わりに、主に、表示領域30の拡大状態が所定時間継続した後に当該表示領域30を初期状態に戻すために、表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したか否かを判断する工程が実行される。
図11に示されるステップS501からS506は、図2中に示されるステップS101およびS106とほぼ同一である。また、図11に示されるステップS508およびS509は、図2中に示されるステップS108およびS109とほぼ同一である。従って、図11に示される表示領域30に対する一連の制御に関する説明の中で、これらステップS501からS506、S508およびS509については簡単に説明する。
表示領域30が初期状態であるときにフリック操作またはドラッグ操作がタッチセンサ部20bによって検出されると(ステップS501;Yes)、この表示領域30が拡大対象領域か否かが所定の判断基準に基づいて判断される(ステップS502)。
当該表示領域30が拡大対象領域であると判断された場合(ステップS502;Yes)、CPU10からの指示信号により、この表示領域30は拡大されながらスクロールされる(ステップS503)。一方、当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS502;No)、この表示領域30は拡大されずにスクロールされる(ステップS504)。
ステップS503において表示領域30が拡大された状態で、スクロールされた後、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS505)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断される(ステップS505;Yes)。CPU10からの指示信号により、ステップS503において拡大された表示領域30が初期状態のサイズに戻される(ステップS506)。すなわち、拡大された表示領域30は、フリック操作等が実行される前の大きさに縮小される。さらに、初期状態に戻された表示領域30内に選択された選択肢が表示されるように表示領域30がCPU10によって制御され、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS503において表示領域30が拡大された状態でスクロールされた後、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS505;No)、表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したか否かが、CPU10によって判断される(ステップS507)。
何らかの操作とは、表示領域30のスクロール停止後に表示領域30に対してさらに実行されるフリック操作等のスクロール操作や、所望の選択肢の選択等である。上記所定時間は、操作表示部20の操作性に応じて、ユーザによって適宜設定されてもよい。
表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したことが判断されると(ステップS507;Yes)、表示領域30が初期状態に戻され(ステップS508)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
一方、ステップS502において当該表示領域30が拡大対象領域でないと判断された場合(ステップS502;No)、この表示領域30が拡大されずにスクロールされた後(ステップS504)、この表示領域30に表示された何れかの選択肢が選択されたか否かが判断される(ステップS509)。
選択肢の選択が検出されると、何れかの選択肢が選択されたことがCPU10によって判断され、(ステップS509;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
ステップS504において表示領域30がスクロールされた後、選択肢の選択が検出されない場合(ステップS509;No)、表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したか否かが、CPU10によって判断される(ステップS510)。
表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したことが判断されると(ステップS510;Yes)、表示領域30に対する一連の制御が終了する。
変形例3において、表示領域30が拡大状態にあるとき、表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したか否かが判断される。表示領域30に対して何らかの操作が実行されない状態が所定時間継続したと判断された場合、表示領域30が初期状態に戻される。従って、表示領域30が拡大状態で複数の選択肢から所望の選択肢を選択するまでの待機状態を無駄に維持することがなくなる。
変形例1におけるステップS303の工程、変形例2におけるステップS403の工程および変形例3におけるステップS507の工程については、これらの工程のうち2以上が、本実施の形態の基本例である図2に示された一連の制御に適宜組み込まれてもよい。
以上、本発明の実施の形態および各変形例を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本実施の形態では、表示領域30に対してスクロール操作が実行されるとき、表示領域30は、スクロール方向に平行な方向、すなわち、上方向および下方向に拡大されたが、例えば、表示領域30が上方向にスクロールされる場合には、表示領域30が上方向のみに拡大され、表示領域30が下方向にスクロールされる場合には、表示領域30が下方向のみに拡大されてもよい。
また、本実施の形態では、表示領域30のスクロール方向が上方向または下方向である場合について説明したが、表示領域30が左方向または右方向にスクロールされるときに、表示領域30が左右方向に拡大されてもよい。また、表示領域30が左方向にスクロールされる場合には、表示領域30が左方向のみ拡大され、表示領域30が右方向にスクロールされる場合には、表示領域30が右方向のみに拡大されてもよい。また、表示領域30が斜め方向(左右方向または上下方向以外の方向)にスクロールされる場合には、表示領域30が上下方向および左右方向に拡大されてもよい。表示領域30が上下方向および左右方向に拡大されるので、結果的に、表示領域30のスクロール方向である斜め方向に表示領域30が拡大されることになる。
また、本実施の形態では、スクロール操作が上方向または下方向に表示領域30に対して実行されるとき、ディスプレイ部20aの表示画面の上端および下端まで表示領域30が拡大された。しかしながら、スクロール方向に沿った方向におけるディスプレイ部20aの表示画面の両端まで表示領域30が拡大される必要はなく、操作表示部20の操作性に応じて、表示領域30の拡大範囲が決定されてもよい。