JP6435774B2 - マスターバッチ、およびそれを用いた樹脂組成物、繊維強化樹脂組成物、成形品 - Google Patents

マスターバッチ、およびそれを用いた樹脂組成物、繊維強化樹脂組成物、成形品 Download PDF

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Description

本発明は、高温成形プロセスにおいて取り扱い性に優れ、かつ保管時の接着性向上などのポリカルボジイミドの添加剤としての機能安定性に優れたマスターバッチに関し、具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂にポリカルボジイミドを添加したマスターバッチに関する。
マスターバッチは、強度、衝撃、難燃、着色などの機能付与のための添加剤を予め樹脂に配合し、マトリックス樹脂に少量配合するだけで機能発現させることが可能な成形材料である。添加剤の多くは粉末状や細かなフレーク状であるため取り扱い性が難しいものが多く、使用に際してはマスターバッチ化した方が取り扱い性が容易なため、樹脂の改質や機能性付与に幅広く用いられている。
近年はマトリックス樹脂の中でも、耐熱性の高い樹脂、例えばガラス転移温度が140℃以上のポリカーボネートや、スーパーエンジニアリングプラスチックと分類される耐熱性の極めて高い熱可塑性樹脂が、自動車分野では車体軽量化の目的として金属の代替材料に使用され、電気・電子分野では環境面から鉛フリーハンダの使用が多くなり、ハンダを溶融させるのにより高温が必要となり、その結果使用する樹脂材料にはより厳しい耐熱性を求められる場面が多くなったことから、使用される機会が増えている。
耐熱性樹脂の使用が広まる一方で、これらの樹脂を成形する場合、当然ながら高いプロセス温度が必要であり、このようなプロセスにおいても、作業性や取り扱い性の良好なマスターバッチが必要となる。
例えば、熱可塑性樹脂と強化繊維からなる繊維強化熱可塑性樹脂は、軽量性と力学特性のバランスに優れることから、航空機や自動車、船舶などの構造用部材、電気・電子機器筐体やスポーツ用途、建材などの工業材料として幅広く用いられているが、更なる耐熱性要求から、高温でもマトリックス樹脂の改質や機能性付与、強化繊維との接着性改善が可能なマスターバッチが求められている。
特許文献1には、ポリエステルにカルボジイミド化合物を含む末端封止剤が添加され、押出機によって溶融混練されたマスターペレットが開示されている。このマスターペレットは、ポリエステル以外の樹脂に対してはマトリックス樹脂が異なるため、マスターバッチとしては適用には大きな制限があった。
一方で、特許文献2および特許文献3には、ポリフェニレンスルフィドにカルボジイミド化合物を添加したマスターバッチを用いた樹脂組成物および繊維が開示されている。これらの文献に記載されているマスターバッチは、カルボジイミド化合物のマスターバッチ中での存在状態に関する記載はなく単純にカルボジイミド化合物を添加しただけでは、一旦開封した袋内で保管するとカルボジイミド化合物が吸水し、目的とする機能発現が低下してしまう問題があった。
特開2013−49790号公報 特開平5−86291号公報 特開平10−251918号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、特に300℃以上の高温成形プロセスにおいて、取り扱い性の向上および保管時の機能安定性に優れたマスターバッチを提供することを課題とする。
発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成において得られたマスターバッチのモルフォロジーを制御することで、高温成形プロセスにおいてもブロッキングやブリッジングの発生を抑制し、保管時の機能安定性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かかる問題点を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、
(I)ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(A)40〜90質量%と、カルボジイミド基を1分子内に2個以上有するポリカルボジイミド化合物(B)10〜60質量%を含んで構成されるマスターバッチであって、成分(A)に成分(B)が分散した海島構造のモルフォロジーであり、成分(B)の分散粒子の平均粒子径が1〜100μmであるマスターバッチ。
(II)ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(A)40〜90質量%と、カルボジイミド基を1分子内に2個以上有するポリカルボジイミド化合物(B)10〜60質量%を含んで構成されるマスターバッチであって、成分(B)が連続構造のモルフォロジーであり、連続相の平均厚みが1〜100μmであるマスターバッチ。
(III)前記マスターバッチの表面積(S)にしめる前記マスターバッチの表面に現れるポリカルボジイミド化合物(B)の面積(Sb)の露出度(Sb/S)と、前記マスターバッチの体積(V)にしめる前記マスターバッチ中のポリカルボジイミド化合物(B)の体積(Vb)の割合(Vb/V)が、次式(1)、(2)の関係を示す、上記のマスターバッチ。
(IV)前記マスターバッチが柱状体であり、断面の長径が1〜10mm、かつアスペクト比が1〜10である、上記のマスターバッチ。
(V)前記マスターバッチの断面の長径/短径の比が1〜2である、上記のマスターバッチ。
(VI)成分(A)が、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、上記のマスターバッチ。
(VII)成分(A)が、チオール基、カルボキシル基、水酸基から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂である、上記のマスターバッチ。
(VIII)前記成分(B)の質量平均分子量が1,000〜40,000である、上記のマスターバッチ。
(IX)前記成分(B)の350℃における熱質量減少が5%以下である、上記のマスターバッチ。
(X)さらに、ウレア構造を1分子内に2個以上有するポリウレア化合物(C)0〜30質量%を含む、上記のマスターバッチ。
(XI)上記のマスターバッチを用いた樹脂組成物。
(XII)の樹脂組成物に強化繊維が含まれてなる繊維強化樹脂組成物。
(XIII)上記の樹脂組成物または上記の繊維強化樹脂組成物が成形されてなる成形品。
である。
本発明のマスターバッチは、高温成形プロセスにおいて、取り扱い性に優れ、保管時に生じる吸水・吸湿による機能低下を抑制することが可能である。
さらに本発明では、添加剤の濃度を高濃度化することも可能であり、マスターバッチを用いた樹脂組成物や繊維強化樹脂組成物において、添加剤の含有濃度調整範囲が広い。
第1の発明に係るマスターバッチのモルフォロジーの模式図である。 第2の発明に係るマスターバッチのモルフォロジーの模式図である。 本発明に係るマスターバッチの流れ時間の測定方法を説明するための模式図であり、(a)流れ時間の測定開始前の状態を示す模式図、(b)流れ時間の測定開始直後の状態を示す模式図である。 本発明に係るマスターバッチのブロッキング性の測定方法を説明するための模式図であり、(a)メスシリンダー内に計量したマスターバッチを投入した状態を示す模式図、(b)おもりを載せ、マスターバッチに荷重を負荷した状態を示す模式図、(c)おもりを外し、ブロッキング性の測定開始前の状態を示す模式図、(d)メスシリンダーを反転させ、ブロッキング性の測定開始直後の状態を示す模式図である。
本発明のマスターバッチは、熱可塑性樹脂(A)とポリカルボジイミド化合物(B)を含んで構成される。まず各成分について説明する。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明における熱可塑性樹脂(A)は、耐熱性の高い樹脂を対象としており、ガラス転移温度が140℃以上の樹脂や、スーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられる。具体的にはポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である。これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂環式ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用いることができる。
<ポリアリーレンスルフィド>
ポリアリーレンスルフィドとしては、ポリフェニレンスルフィドが代表的である。
ポリフェニレンスルフィドは、下記構造式で示される構造単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体である。
また、構造単位の30モル%未満を、下記構造式で示される構造単位で構成することが可能である。
これらポリフェニレンスルフィドの溶融粘度は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、マスターバッチ化をする際にポリカルボジイミド化合物をより多く配合する観点から低粘度であることが好ましく、具体的には10〜50,000ポイズ(300℃、剪断速度1,000/秒)の範囲であることが好ましく、特に好ましくは10〜5,000ポイズの範囲である。
<ポリエーテルイミド>
ポリエーテルイミドとは、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーである。溶融成形性を有するポリマーで有れば特に限定されない。また、本発明の効果を阻害しない範囲で有れば、ポリエーテルイミドの主鎖に環状イミド、エーテル結合以外の構造単位、例えば、エステル単位、オキシカルボニル単位などが含有されていても良い。
具体的なポリエーテルイミドとしては、下記一般式で示されるポリマーが好ましく使用される。
ただし、上記式中Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。上記RおよびRとしては、例えば、下記式群から選ばれた基が好ましく使用される。
ポリエーテルイミドの分子量には特に制限はないが、GPC−MALLSで測定した質量平均分子量で、好ましくは3万〜12万、より好ましくは4万〜11万、とりわけ好ましくは5万〜10万の範囲のポリエーテルイミドを用いることが、より優れた靱性、特に低温でも優れた靱性を発現すること、および高温クリープ特性が大幅に向上することから好ましい。
<ポリエーテルスルホン>
ポリエーテルスルホンとは、芳香族基がスルホン基およびエーテル基により結合された骨格を有するものを総称する。例えば、下記一般式(X)〜(Z)からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位からなるポリエーテルスルホンが挙げられる。
式(5)中、ArおよびArは同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。式(6)中、Ar〜Arは同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、Xは炭素数1〜15の二価の炭化水素基である。式(7)中、Ar〜Arは同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。
上記のポリエーテルスルホンは公知の方法で重合して得ることができる。例えばアルカリ金属炭酸塩の存在下、非プロトン性極性溶媒中で水酸基およびハロゲン基を末端に有するモノマーを重縮合することにより得ることができる。例えば、このポリエーテルスルホンは、“レーデル(登録商標)”の商標でソルベイアドバンストポリマーズ社から、“ウルトラゾーン(登録商標)”の商標でビーエーエスエフ社から、“スミカエクセル(登録商標)”の商標で住友化学社から市販されているものを用いることができる。
<ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、>
ポリエーテルケトンおよびポリエーテルエーテルケトンは、例えば“VICTREX(登録商標)”の商標でビクトレックス社から市販されているものを用いることができる。また、ポリエーテルケトンケトンは、例えば、“OXPEKK(登録商標)”の商標でオックスフォードパフォーマンスマテリアルズ社から市販されているものを用いることができる。
これらの中でも、高耐熱性という観点からは、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトンからなる群から選択される少なくとも1種を熱可塑性樹脂(A)として用いることが好ましい。
<ポリカルボジイミド化合物(B)>
ポリカルボジイミド化合物(B)は、カルボジイミド基を1分子内に2個以上有するポリカルボジイミド化合物であり、脂肪族ポリカルボジイミドおよび芳香族ポリカルボジイミドが例示できる。ポリカルボジイミド化合物(B)は、肪族ポリカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドいずれかに限定されるものではないが、カルボジイミド基の反応性が高く、これらを含有するマスターバッチを用いて得られる樹脂組成物および成形品の力学特性に優れるために、脂肪族ポリカルボジイミドであることが好ましい。
脂肪族ポリカルボジイミドとは、一般式 −N=C=N−R − (式中、R はシクロヘキシレンなどの脂環式化合物の2価の有機基、またはメチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレンなどの脂肪族化合物の2価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。
芳香族ポリカルボジイミドとは、一般式 −N=C=N−R − (式中、R はベンゼン、トルエン、キシレン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンなどの環状不飽和化合物の2価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。
芳香族ポリカルボジイミドとしては、ラインケミー社製“スタバクゾール(登録商標)”Pやラインケミー社製“スタバクゾール(登録商標)”P400などが挙げられる。
本発明で用いるポリカルボジイミド化合物(B)は、その質量平均分子量が、好ましくは1,000〜40,000であり、より好ましくは2,000〜5,000である。ポリカルボジイミド化合物(B)の質量平均分子量がこの範囲にあると、マスターバッチを添加した樹脂組成物や成形品の力学特性の向上効果が大きく好ましい。なお、ポリカルボジイミド化合物(B)の質量平均分子量はSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)などの分析方法によって求めることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂(A)とポリカルボジイミド化合物(B)との配合比は、(A):(B)=40〜90質量%:10〜60質量%である。マスターバッチ本来の目的である高濃度の添加剤を含有し、目的のマトリックス樹脂に少量のマスターバッチを添加することで十分な効果を得る観点から、ポリカルボジイミド化合物(B)の含有率が20〜50質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。10質量%未満では、少量の添加では十分な添加剤の効果を得ることが厳しく難しい。また、ポリカルボジイミド化合物(B)の含有率が60質量%を超えると、高温成形プロセスにおいて、ブロッキングやブリッジングが発生し、マスターバッチの取り扱い性が低下する。またマスターバッチ表面に存在するポリカルボジイミド化合物(B)が増加することから、保管中に吸水・吸湿によって、ポリカルボジイミド化合物本来の添加効果を発現することができなくなることと、保管条件についても真空保管や密封保管をする必要があるなど制約が生じる。
本発明のマスターバッチを得るための一例として、押出機を用いて溶融混練を行う方法が例示できる。押出機としては、単軸押出機や二軸押出機が例示でき、中でも混練性に優れる二軸押出機を好ましく用いることができる。二軸押出機としては、スクリュー長さLとスクリュー直径Dの比L/Dが20〜100であるものが例示できる。さらに、二軸押出機のスクリューは、一般的にフルフライトやニーディングディスクなどの長さや形状的特長が異なるスクリューセグメントが組み合わされて構成されるが、混練性を向上させ、時間短縮の点から、1個以上のニーディングディスクを含むことが好ましい。また、溶融混練の際のシリンダー温度としては、混練性向上の点から300〜400℃が好ましく、320〜400℃がより好ましい。
本発明の第1の態様において、熱可塑性樹脂(A)の海にポリカルボジイミド化合物(B)の島が分散した海島構造のモルフォロジーを形成してなり、このときのポリカルボジイミド化合物(B)の分散粒子の平均粒子径が1〜100μmである。2種以上の材料を一体化し、取り扱い性を向上させる観点から、分散粒子の平均粒子径が10〜90μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。分散粒子の平均粒子径が1μm未満では、熱可塑性樹脂(A)にポリカルボジイミド化合物(B)と熱可塑性樹脂(A)との化学反応が過度に進行してしまい、マスターバッチに含有されるポリカルボジイミド化合物(B)のカルボジイミド基が減少し添加剤による成形品の力学特性向上効力を低減させてしまう。また分散粒子の平均粒子径が100μmを超えると、相対的にマスターバッチ表面に露出するポリカルボジイミド化合物(B)も多くなり、マスターバッチのブロッキングやブリッジング発生の可能性を高め、取り扱い性が低下する。
本発明の第2の態様においては、熱可塑性樹脂(A)にポリカルボジイミド化合物(B)が連続構造のモルフォロジーを形成してなり、このとき、ポリカルボジイミド化合物(B)からなる連続相の平均厚みが1〜100μmである。ここで言う「連続相の平均厚み」とは、任意の熱可塑性樹脂(An)からポリカルボジイミド化合物(B)を介して最も近接する熱可塑性樹脂(Am)までの最短距離をポリカルボジイミド化合物(B)の連続相の厚みとし、その連続層の厚みを複数個所で測定し平均したものである。2種以上の材料を一体化し、取り扱い性を向上させる観点から、連続相の平均厚みが10〜90μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。連続相の平均厚みが1μm未満では、ポリカルボジイミド化合物(B)の含有量を増加させることが困難であり、マスターバッチ本来の目的を達成することが出来ない。また連続相の平均厚みが100μmを超えると、反対に分散状態が不均一となり、取り扱い時にマスターバッチの形状が崩れ、ブロッキングやブリッジング発生の可能性を高め、取り扱い性が低下する。かかるモルフォロジーを観察するための手法としては、透過型電子顕微鏡にて観察する方法が例示できる。
マスターバッチの表面積(S)において、ポリカルボジイミド化合物(B)の表面に現れる面積(Sb)の露出度(Sb/S)と、前記マスターバッチの総体積(V)にしめる前記マスターバッチ中の成分(B)の体積(Vb)の割合(Vb/V)が次式(1)、(2)を満たすことが好ましい。
すなわち、高温成形プロセスに用いる成形機の材料投入口(ホッパー)付近には、ブロッキング発生を抑制する観点から、冷却水の循環や投入口付近の設定温度を下げるなどの工夫が一般的に用いられているが、高温成形プロセスにおいては、耐熱性の高い熱可塑性樹脂を溶融させるために設定温度を高くする必要があり、熱伝導により材料投入口付近の表面温度が高温となるため、マスターバッチ表面に存在するポリカルボジイミド化合物(B)が少ないことが好ましく、上記式(1)、(2)を満たすマスターバッチがこれを実現できていることを意味する。
含有するポリカルボジイミド化合物(B)は、熱可塑性樹脂(A)と比較して低融点のものが多く、高温成形プロセスにおいてブロッキング発生を低減させて取り扱い性を向上させる観点から、面積(Sb)の露出度(Sb/S)は0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。同様に、面積(Sb)の露出度(Sb/S)と体積(Vb)の割合(Vb/V)との関係は(0.8×(Vb/V))未満が好ましく、(0.5×(Vb/V))未満がより好ましい。このとき体積(Vb)の割合(Vb/V)は、ポリカルボジイミド化合物(B)の構成比に比例した閾値であり、含有するポリカリボジイミド化合物(B)の割合に対し、ポリカルボジイミド化合物(B)の露出度(Sb/S)がこの値未満であることは、高温プロセスにおいてブロッキング発生を低減させる観点から好ましい。
マスターバッチの形状としては、柱状体が好ましく、底面の形状を円形とした場合、円柱、円錐柱、曲円柱、くびれが存在する円柱などが例示される。この中でも、取り扱い性と生産性の観点から、断面形状が変化しない柱状体(底面の形状が円の場合は、円柱)がより好ましい。また底面の形状としては、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、多角形、星形などが例示される。ブリッジングの発生抑制の観点から、円形や楕円形の底面形状が好ましい。
マスターバッチの形状において、断面の長径が1〜10mmであることが好ましい。ここで言う「断面の長径」とは、マスターバッチでペレットを形成した際に、ペレットの長さ方向と直角方向において、外接円を描いたときの直径を指す。好ましくは1〜8mmであり、より好ましくは2〜5mmである。またマスターバッチを添加するマトリックス樹脂ペレットの断面の長径と合わせることがより好ましい。
マスターバッチの形状において、アスペクト比が1〜10であることが好ましい。ここで言う「アスペクト比」とは、後述するマスターバッチの断面の長径Dmと長さLmの比を指す。成形プロセスにおいて、ブリッジングの発生抑制の観点から、アスペクト比は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。
マスターバッチの形状において、断面の長径/短径の比が1〜2であることが好ましい。ここで言う「断面の短径」とは、マスターバッチの長さ方向と直角方向において、内接円を描いたときの直径を指す。成形プロセスにおいて、ブリッジングの発生抑制の観点から、断面の長径/短径の比は、1〜1.8が好ましく、1.2〜1.5がより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)が有する官能基としては、チオール基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、スルホン酸基などが例示できる。この中でも、カルボジイミド基との反応性の面でチオール基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、アミノ基、水酸基が、マスターバッチとして使用する際に、得られる成形品の強度を向上させる目的として好ましく、チオール基、カルボキシル基、水酸基が特に好ましい。
ポリカルボジイミド化合物(B)において、マスターバッチとして使用する際に、得られる成形品の強度を向上させる目的として350℃における熱質量減少が5%以下であることが好ましい。熱質量減少が4%以下であることがより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
本発明のマスターバッチにおいて、さらにウレア構造を1分子内に2個以上有するポリウレア化合物(C)を0〜30質量%含んでも良い。本発明のマスターバッチを用いて得られる樹脂組成物および成形品の樹脂や強化繊維との接着性をより高めることが可能となる。
ウレア構造を有する化合物としては、ジイソシアネートを、複数のアミノ基を含む化合物(例えば、ヒドラジン、ジヒドラジドなど)を含むジアミンと反応させる事により得られたものを使用できる。別法として、ポリウレアは、イソシアネートを水と反応させて不安定なカルバミン酸を形成する事により合成し得る。カルバミン酸は分解して二酸化炭素を発生し、直ちに過剰のイソシアネートと反応してウレア架橋を形成するアミノ基を形成する。また、ウレア構造を有する化合物は、カルボジイミド構造を有する化合物を水で処理して、カルボジイミドをウレアへと反応させることでも得られる。
<その他の添加剤>
本発明のマスターバッチには、本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマーあるいはゴム成分などの耐衝撃性向上剤、他の充填材や添加剤を含有しても良い。添加剤の例としては、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、あるいは制泡剤が挙げられる。
本発明のマスターバッチは、他の熱可塑性樹脂や繊維強化樹脂組成物に添加して用いことが出来る。このとき、他の熱可塑性樹脂は特に限定されないが、マスターバッチに用いた熱可塑性樹脂(A)と同じ樹脂組成物が好ましく、ポリカルボジイミド化合物(B)と反応する官能基を有した熱可塑性樹脂組成物や強化繊維を含有した繊維強化樹脂組成物が好ましい。
<強化繊維>
かかる強化繊維としては、特に限定されないが、成形品の軽量化や高剛性化、比弾性率、比強度に優れた炭素繊維が特に好ましい。強化繊維として、炭素繊維以外にも、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、および炭化ケイ素繊維などの繊維を用いることができ、これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。また、これらの強化繊維は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などが挙げられる。
<Sz剤>
かかるサイジング剤としては、特に限定されないが、カルボキシル基、アミノ基、水酸基およびエポキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を1分子中に3個以上有する化合物が好ましい。前記官能基は1分子中に2種類以上が混在しても良く、1種類の官能基を1分子中に3個以上有する化合物を2種類以上併用しても良い。
また強化繊維の形態としては、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維、単一のトウ、織物、ニット、不織布、マット、組み紐などの繊維構造物を用いることができる。
<マスターバッチを用いた樹脂組成物の適応製品>
本発明のマスターバッチを用いた樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、次のような用途に好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、電子機器筐体として好適であり、コンピューター(パーソナルコンピューターを含む)、携帯電話、テレビ、カメラ、オーディオプレイヤーなどの筐体に好適に使用され、また、パーソナルコンピューターの内部でキーボードを支持する部材であるキーボード支持体に代表されるような電気・電子機器用部材にも好適に使用される。特に、強化繊維として、導電性を有する炭素繊維束を使用した場合、このような電気・電子機器用部材では、電磁波シールド性が付与されるためより好ましく使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、電気電子部品用途に好適であり、コネクター、LEDランプ、ソケット、光ピックアップ、端子板、プリント基板、スピーカー、小型モーター、磁気ヘッド、パワーモジュール、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーターなどに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、家庭・事務電気製品部品に好適であり、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、“レーザーディスク(登録商標)”、冷蔵庫、エアコンなどに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、自動車用部品や車両関連部品、部材および外板に好適であり、安全ベルト部品、インストルメントパネル、コンソールボックス、ピラー、ルーフレール、フェンダー、バンパー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、ガーニッシュ、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、ウィンドウォッシャーノズル、ワイパー、バッテリー周辺部品、ワイヤーハーネスコネクター、ランプハウジング、ランプリフレクター、ランプソケット、ドアビーム、アンダーカバー、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンド、シリンダーヘッドカバー、ベアリングリテーナ、ペダルなどに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、航空機関連部品、部材および外板に好適であり、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリング、リブなどに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、建材として好適であり、土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震制振部材関連部品、ライフライン関連部品などに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、工具類として好適であり、モンキー、レンチなどに好適に使用される。
上記樹脂組成物、特に繊維強化樹脂組成物は、スポーツ用品として好適であり、ゴルフクラブのシャフト、ゴルフボールなどのゴルフ関連用品、テニスラケットやバトミントンラケットなどのスポーツラケット関連用品、アメリカンフットボールや野球、ソフトボールなどのマスク、ヘルメット、胸当て、肘当て、膝当てなどのスポーツ用身体保護用品、釣り竿、リール、ルアーなどの釣り具関連用品、スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ関連用品などに好適に使用される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
まず、本発明に使用した評価方法を下記する。
(評価方法1)ポリカルボジイミド化合物(B)の分散粒子の平均粒子径の測定
得られたマスターバッチの長さ方向に対して直角方向に切断し、その断面の中心部から、−20℃で0.1μm以下の薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡にて、400倍に拡大して観察した際の任意の50個の成分(B)について、図1に示すように、まずそれぞれの外接円と内接円の直径を測定して平均値をその分散粒子径とし、その後、それらの平均値を平均粒子径とした。
(評価方法2)ポリカルボジイミド化合物(B)の連続相の平均厚みの測定
ポリカルボジイミド化合物(B)の分散粒子の平均粒子径の測定と同様にして、マスターバッチの薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡にて、400倍に拡大して観察した際の任意の50個の熱可塑性樹脂(A)を選択し、図2に示すように任意の熱可塑性樹脂(A)からポリカルボジイミド化合物(B)を介して最も近接する成分(A)までの最短距離を成分(B)の連続相の厚みとし、その後、それらの平均値を平均厚みとした。
(評価方法3)マスターバッチの断面の長径の測定
任意の50個のマスターバッチを長さ方向と直角方向が観察できるようにエポキシ樹脂で包埋し、エポキシ樹脂の硬化後、観察面の研磨を行い、断面観察用サンプルを作製した。マスターバッチの断面全体を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)(株式会社キーエンス製)を使用して拡大倍率200倍で撮影した。断面全体を撮影した画像より解析アプリケーションVK−H1A9を使用して、マスターバッチの外接円の直径を測定した。その後、それらの平均値を算出し、マスターバッチの断面の長径とした。
(評価方法4)マスターバッチのアスペクト比の算出
マスターバッチの長さ方向の長さをマイクロメーターで測定し、最大値をマスターバッチの長さLmとした。前記マスターバッチの断面の長径Dmと長さLm、次式(3)より、マスターバッチのアスペクト比Amを算出した。
(評価方法5)マスターバッチの長径/短径比の算出
評価方法3で作製した断面観察用サンプルを用い、同様に断面全体を撮影した画像より解析アプリケーションVK−H1A9を使用して、マスターバッチの内接円の直径を測定し、平均値を断面の短径とした。前記マスターバッチの断面の長径Dmlと短径Dms、次式(4)より、マスターバッチの長径/短径比を算出した。
(評価方法6)ポリカルボジイミド化合物(B)の露出度(Sb/S)の測定
評価方法1と同様にして任意の点の薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡にて、マスターバッチの外周を400倍に拡大して観察し、ポリカルボジイミド化合物(B)が占める長さ(Lb)を測定した。なお、マスターバッチの全ての表面について、ポリカルボジイミド化合物(B)の面積(Sb)を測定することは、非常に時間がかかるため、便宜的にマスターバッチの任意の断面の外周長さ(L)とポリカルボジイミド化合物(b)の占める長さ(Lb)を測定しても差し支えなく、これを用いて露出度を算出することとした。すなわち、こうして測定した50個の断面のマスターバッチの外周長さ(L)と長さ(Lb)、次式(5)を用いて算出した値の平均値をポリカルボジイミド化合物(B)の露出度(Sb/S)とした。
また、マスターバッチの体積(V)におけるポリカルボジイミド化合物(B)の体積(Vb)の割合(Vb/V)は、熱可塑性樹脂(A)の質量%(Wa)および比重ρa、ポリカルボジイミド化合物(B)の質量%(Wb)および比重ρbを用い、次式(6)から算出した。
(評価方法7)成分(B)の熱質量減少の測定
熱質量測定装置(TAインスツルメント社製)により、窒素100ml/min雰囲気中、30℃から400℃まで10℃/minで昇温させ、100℃のときの質量Msを基準として、350℃到達時の質量Meから次式(7)から算出した。
(評価方法8)マスターバッチの流れ時間の測定
JIS K6935−2に準拠し、図3(a)に示す底面部の内径13が60mmである漏斗12を準備した。またメスシリンダーを用いてマスターバッチを300cc計量した。底面部を蓋14で塞ぎ、表面温度を100℃に温度調整した漏斗12の中にマスターバッチを入れた。3分後、図3(b)に示すように蓋14を取り外し、漏斗12から全てのマスターバッチが流れ落ちるまでの時間を計測した。
評価は、測定によって得られたマスターバッチの流れ時間が5秒以下の場合を◎、5秒を超え10秒以下の場合を○、10秒を超え20秒以下の場合を△、20秒超えるまたは全ての材料が流れない場合を×とした。
(評価方法9)ブロッキング性の測定
図4(a)に示す内径が60mmのメスシリンダー17を用いてマスターバッチを300cc計量し、マスターペレットの質量(M1)も合わせて測定した。測定後、図4(b)に示すように蓋19をして1kgのおもり20を乗せ、5分間荷重を負荷した状態とした。その後、図4(c)および図4(d)に示すようにメスシリンダーを反転させ、30秒ほど放置した。このとき、メスシリンダーに残存したマスターバッチの質量(M2)を測定した。これらの質量と次式(8)より、マスターバッチのブロッキング性を測定した。
評価は、算出された値が100%の場合を◎、90%以上100%未満の場合を○、70%以上90%未満の場合を△、70%未満の場合を×とした。
(評価方法10)吸水・吸湿による力学特性低下率の測定
300gに計量したマスターバッチ1およびマスターバッチ2を準備し、マスターバッチ1は25℃の真空乾燥機で乾燥を行い、マスターバッチ2は25℃の相対湿度80%の恒温恒湿槽で加速吸湿させた。24時間後、それぞれのマスターバッチを取り出し、マトリックス樹脂とドライブレンドを行い、射出成形機(JSW社 J150EII−P)を用いて、ASTM D638に準拠したType−Iのダンベル試験片を成形した。このとき、マスターバッチ1をブレンドしたものを成形品1、マスターバッチ2をブレンドしたものを成形品2とした。
得られた成形品1および2を150℃で2時間アニール処理した後に空冷して試験に供した。各成形品をASTM D638に準拠し、得られたType−Iのダンベル試験片を用い、試験機として、“インストロン(登録商標)”万能試験機(インストロン社製)を用いた。引張強度とは、破断点の荷重を断面積で除したものを指す。このとき、成形品1の引張強度をσ1とし、成形品2の引張強度をσ2とした。
得られた引張強度の値と次式(9)より、マスターバッチの力学特性低下率を測定した。
評価は、算出された値が5%未満の場合を◎、5%以上10%未満の場合を○、10%以上20%未満の場合を△、20%以上の場合を×とした。
実施例および比較例に用いた熱可塑性樹脂(A)は、以下の通りである。
(A−1)融点285℃のポリフェニレンスルフィド(ペレット)
(A−2)繊維径8μmのポリフェニレンスルフィド繊維からなる不織布
(A−3)繊維径4μmのポリフェニレンスルフィド繊維からなる不織布
(A−4)“スミカエクセル(登録商標)”4100G(住友化学社製)、ポリエーテルスルホン
(A−5)“VICTREX(登録商標)”HT G22(ビクトレックス社製)、ポリエーテルケトン。
実施例および比較例に用いたポリカルボジイミド化合物(B)は、以下の通りである。
(B−1)脂肪族ポリカルボジイミド“カルボジライト(登録商標)”HMV−8CA(日清紡ケミカル社製)(カルボジイミド基当量278、質量平均分子量3,000)
(B−2)芳香族ポリカルボジイミド“スタバクゾール(登録商標)”P400(ラインケミー社製)(質量平均分子量20,000)
(B−3)芳香族ポリカルボジイミド“スタバクゾール(登録商標)”P(ラインケミー社製)(質量平均分子量4,000)。
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A−1)、ポリカルボジイミド化合物(B−1)を用いて、以下の手順によりマスターバッチを得た。
二軸押出機(JSW社 TEX−30α、L/D=31.5)を使用し、熱可塑性樹脂(A−1)およびポリカルボジイミド化合物(B−1)をメインフィードして溶融混練を行った。溶融混練はシリンダー温度300℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量10kg/時で行い、吐出物を引き取りながら水冷バスで冷却することでガットとし、前記ガットを切断することでマスターバッチを柱状体のペレットとした。このときの断面の長径やアスペクト比などの測定結果を表1に示す。また得られたマスターバッチ(M−1)と評価方法7〜9を用いて得られた評価結果を表1に示す。
(実施例2)
熱可塑性樹脂(A−2)、ポリカルボジイミド化合物(B−1)を用いて、以下の手順によりマスターバッチを得た。
110℃加熱されたロール上に、ポリカルボジイミド化合物(B−1)を加熱溶融した液体の被膜を形成させた。ロール上に一定した厚みの被膜を形成するためキスコーターを用いた。このロール上を、幅3cmの熱可塑性樹脂(A−2)を接触させながら通過させて、熱可塑性樹脂(A−2)にポリカルボジイミド化合物(B−1)を付着させた。次に、ポリカルボジイミド化合物(B−1)が付着した熱可塑性樹脂(A−2)に撚りをかけて棒状となるようにして、130℃に加熱された、ベアリングで自由に回転する一直線上に配置された10本の直径50mmのロールの上下を、交互に通過させた。この操作により、ポリカルボジイミド化合物(B−1)を不織布の内部まで含浸させ、空冷後、ガットを切断することでマスターバッチを柱状体のペレットとした。測定および評価結果を表1に示す。
(実施例3)
熱可塑性樹脂(A−2)を熱可塑性樹脂(A−3)に変更した以外は、実施例2と同様にして、マスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(実施例4)
熱可塑性樹脂(A−2)を熱可塑性樹脂(A−4)に変更し、溶融混練時のシリンダー温度を330℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(実施例5)
熱可塑性樹脂(A−2)を熱可塑性樹脂(A−5)に変更し、ポリカルボジイミド化合物(B−1)をポリカルボジイミド化合物(B−2)に変更し、溶融混練時のシリンダー温度を390℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリカルボジイミド化合物(B−1)をポリカルボジイミド化合物(B−3)に変更した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(実施例7)
成分(C)として、ポリカルボジイミド化合物(B−2)を80℃の熱水中で5日間浸漬し、カルボジイミドをウレアへと反応したポリウレア化合物を得た。なお、カルボジイミドがウレアへと反応したことを、化合物のIRスペクトル測定で、カルボジイミドの吸収ピークが消失することで確認した。
得られたポリウレア化合物(E−1)を追加し、熱可塑性樹脂(A−1)とポリカルボジイミド化合物(B−3)との構成比を表5に示すように変更してメインフィードした以外は、実施例6と同様にマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(比較例1)
熱可塑性樹脂(A−1)とポリカルボジイミド化合物(B−1)との構成比を表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(比較例2)
熱可塑性樹脂(A−1)を、押出機を用いて押出成形を行い、幅3mmの矩形断面となる帯状のガットを成形した。ついで、110℃に加熱されたホットメルト装置のポットで溶融させたポリカルボジイミド化合物(B−1)を、前記した帯状のガットの上に塗布し、空冷後、ガットを切断することで柱状体のペレットとしたマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
(比較例3)
スクリュー回転数を150rpmから250rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。測定および評価結果を表1に示す。
表1の実施例および比較例より以下のことが明らかにされた。
実施例1および実施例4〜7は、本発明の第1の態様における全ての要件を満たすため、高温成形プロセスにおいて取り扱い性に優れ、かつ保管時の機能安定性に優れる。
実施例2および3は、本発明の第2の態様におけるすべての要件を満たすため、高温成形プロセスにおいて取り扱い性に優れ、かつ保管時の機能安定性に優れる。
実施例1と実施例4、実施例5を比較すると、熱可塑性樹脂(A)を変更した場合においても、取り扱い性および機能安定性に優れるため、本発明のマスターバッチを用いた樹脂組成物や繊維強化樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂に適した熱可塑性樹脂(A)を選択可能なことがわかる。
実施例1と実施例6を比較すると、ポリカルボジイミド化合物(B)を変更した場合においても、取り扱い性および機能安定性に優れるため、本発明のマスターバッチを用いた樹脂組成物や繊維強化樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂や強化繊維に適したポリカルボジイミド化合物(B)を選択可能なことがわかる。
実施例6と実施例7を比較すると、ポリウレア化合物(C)を含有することで、取り扱い性を保ちつつ、吸湿時の物性低下を改善可能なことがわかる。
比較例1は、ポリカルボジイミド化合物(B)の構成比が高く、マスターペレット表面における露出度も高いため、高温成形プロセスにおいて取り扱い性が悪く、吸湿時の物性低下が著しく、機能安定性が問題となることがわかる。
比較例2は、ポリカルボジイミド化合物(B)の平均厚みが厚く、取り扱い時にマスターバッチが2層に剥離してしまい、ブロッキングやブリッジングが発生しやすくなることがわかる。
比較例3は、ポリカルボジイミド化合物(B)の平均粒子径が小さく、反応が過度に進んだ状態となっているため、取り扱い性も低下し、吸湿時の物性低下のみならず、絶乾時の物性低下も生じていることがわかる。
(実施例8)
実施例1で作製したマスターバッチ(M−1)、熱可塑性樹脂(A−1)、強化繊維として炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700SC−12K−50C(東レ社製)を6mmの長さに切断したチョップドストランドを用い、以下の手順により繊維強化樹脂組成物および成形品を得た。
繊維強化樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)76質量%、ポリカルボジイミド化合物(B)4質量%、強化繊維20質量%の割合となるように、マスターバッチ(M−1)と熱可塑性樹脂(A−1)を容器内に入れてドライブレンド行った。二軸押出機(JSW社 TEX−30α、L/D=31.5)を使用し、前記ドライブレンドした樹脂ペレットをメインフィード、前記チョップドストランドをサイドフィードして各成分の溶融混練を行った。溶融混練はシリンダー温度300℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量10kg/時で行い、吐出物を引き取りながら水冷バスで冷却することでガットとし、前記ガットを6mmの長さに切断することで繊維強化樹脂ペレットとした。
射出成形機(JSW社 J150EII−P)を使用し、前記繊維強化樹脂ペレットの射出成形を行うことで評価用の繊維強化樹脂成形品を作製した。射出成形は、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で行った。得られた成形品は、150℃で2時間アニール処理した後に、空冷して評価に供した。
本発明で得られたマスターバッチを用いることで、二軸押出機で混練する際、メインフィードのホッパー付近でのブロッキングやブリッジングは発生せず、取り扱い性に優れることを確認した。またマスターバッチを用いた繊維強化樹脂組成物からなる成形品も高い力学特性を発現することを確認した。
本発明のマスターバッチは、従来品に比べ、高温成形プロセスにおいて取り扱い性を飛躍的に向上させることが可能である。さらに本発明のマスターバッチは、成分(A)と成分(B)のモルフォロジーを規定することで添加剤の含有量を高濃度化することが可能でありながら、保管時の機能安定性も兼ね備えたブロッキングやブリッジングの発生を抑制した取り扱い性に優れたマスターバッチである。このため、本発明のマスターバッチは、電子機器筐体、電気電子部品用途、自動車用部品や車両関連部品、建材、スポーツ用品などに好適に使用される強化繊維樹脂組成物や成形品に使用することができる。
1 マスターバッチ
2 熱可塑性樹脂(A)
3 ポリカルボジイミド化合物(B)
4 内接円
5 外接円
6 マスターバッチ
7 熱可塑性樹脂(A)
8 ポリカルボジイミド化合物(B)
9 任意に選択された熱可塑性樹脂(An)
10 任意に選択された熱可塑性樹脂(An)に最近接する熱可塑性樹脂(Am)
11 ポリカルボジイミド化合物(B)連続相の厚み
12 漏斗
13 漏斗の内径
14 蓋
15 マスターバッチ
16 容器
17 メスシリンダー
18 マスターバッチ
19 蓋
20 おもり

Claims (10)

  1. ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(A)40〜90質量%と、カルボジイミド基を1分子内に2個以上有するポリカルボジイミド化合物(B)10〜60質量%を含んで構成されるマスターバッチであって、成分(A)に成分(B)が分散した海島構造のモルフォロジーであり、成分(B)の分散粒子の平均粒子径が1〜100μmであるマスターバッチ。
  2. ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(A)40〜90質量%と、カルボジイミド基を1分子内に2個以上有するポリカルボジイミド化合物(B)10〜60質量%を含んで構成されるマスターバッチであって、成分(B)が連続構造のモルフォロジーであり、連続相の平均厚みが1〜100μmであるマスターバッチ。
  3. 前記マスターバッチの表面積(S)にしめる前記マスターバッチの表面に現れるポリカルボジイミド化合物(B)の面積(Sb)の露出度(Sb/S)と、前記マスターバッチの体積(V)にしめる前記マスターバッチ中のポリカルボジイミド化合物(B)の体積(Vb)の割合(Vb/V)が、次式(1)および(2)の関係を示す、請求項1または2に記載のマスターバッチ。
  4. 前記マスターバッチが柱状体であり、断面の長径が1〜10mm、かつアスペクト比が1〜10である、請求項1〜3のいずれかに記載のマスターバッチ。
  5. 前記マスターバッチの断面の長径/短径の比が1〜2である、請求項4に記載のマスターバッチ。
  6. 成分(A)が、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載のマスターバッチ。
  7. 成分(A)が、チオール基、カルボキシル基、水酸基から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂である、請求項1〜6のいずれかに記載のマスターバッチ。
  8. 前記成分(B)の質量平均分子量が1,000〜40,000である、請求項1〜7のいずれかに記載のマスターバッチ。
  9. 前記成分(B)の350℃における熱質量減少が5%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載のマスターバッチ。
  10. さらに、ウレア構造を1分子内に2個以上有するポリウレア化合物(C)0〜30質量%を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のマスターバッチ
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