JP6435209B2 - 発熱体の冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電気自動車等に搭載される走行用モーターに電力を供給する車両用バッテリ等の発熱体の冷却構造に関するものである。
従来より、電気自動車やハイブリッド自動車等には、走行用モーターと、該走行用モーターに電力を供給するバッテリとが搭載されている。走行用モーターに電力を供給するバッテリは電力供給時の発熱量が大きいので、従来の電装品用のバッテリとは異なり、冷却構造が要求される(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3では、バッテリを収容したケースの内部に冷却風が流れる冷却風通路を形成し、冷却ファンによって冷却風通路に冷却風を送るようにしている。冷却風通路は、バッテリの上方及び下方に形成されており、冷却ファンから送られてきた冷却風がバッテリの上方や下方を流れた後、ケースの外部へ排出される。
特開2013−71729号公報 特許第5034316号公報 特許第5277362号公報
ところで、走行用モーターに電力を供給するバッテリの発熱量は大きく、特許文献1〜3のように冷却風通路に冷却風を流しただけでは冷却不足を招くことが考えられるので、冷却効率をより一層向上させたいという要求がある。
また、特許文献1〜3のように冷却風通路に冷却風を流すようにした場合、冷却風の流れ方向上流側から下流側に向かって冷却風の温度が徐々に上昇していく。したがって、仮に、バッテリの発熱量が部位によって同じであると仮定すると、冷却風の流れ方向上流側に位置する部位が最も冷却の度合いが高く、下流側へ行くに従って冷却度合いが低下することになるので、バッテリの冷却を均一化できなくなる。こうなるとバッテリの温度が高い部位に合わせて充放電を抑制する制御を行わなければならず、出力の低下を招く。
また、バッテリの部位によって発熱量が異なる場合や、例えばケースの中央部近傍に収容されているバッテリはケースの側壁近傍に収容されているバッテリに比べて熱がこもりやすく、温度が上昇しやすいといった場合がある。このような場合には、バッテリの高温になりやすい部位とそうでない部位とができるので、高温になりやすい部位の冷却度合いを高めたいのであるが、特許文献1〜3のように冷却風を冷却風通路の上流側から下流側へ単純に流すようにしただけでは、バッテリの高温になりやすい部位の冷却度合いを高めることはできない。
また、バッテリ以外にも、例えばインバータ装置やモーター等の発熱体では、高温になりやすい部位とそうでない部位とがあり、同様な問題が生じ得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発熱体の冷却を全体的に均一化できるようにすることにある。
上記目的を達成するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、
車両に搭載された状態で所定方向に並ぶように配置される複数のバッテリで構成された発熱体を冷却するための冷却風が流通する冷却風通路を、上記バッテリの並ぶ方向に直線状に延びるように形成する通路構成部材と、
上記冷却風通路に冷却風を導入する冷却風導入部とを備えた発熱体の冷却構造において、
上記通路構成部材は、上記発熱体が収容された収容空間の外部に設けられ、
上記発熱体は、使用時に高温になる高温部と、該高温部よりも低温になる低温部とを有し、上記高温部が上記低温部よりも上記冷却風の下流側に位置するように配置され、
上記通路構成部材における上記冷却風通路の内面には、冷却風に乱流を発生させるための凸部からなる乱流発生部が設けられ、
上記乱流発生部は、上記発熱体の高温部に対応する部位と上記発熱体の低温部に対応する部位とに配置され
上記乱流発生部は、冷却風流れ方向と交差する方向に延びる第1傾斜凸部と第2傾斜凸部とを備え、上記第1傾斜凸部の冷却風流れ方向に対する交差角度と、上記第2傾斜凸部の冷却風流れ方向に対する交差角度とが異なっており、
上記発熱体の高温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部は、上記発熱体の低温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部に比べて突出高さが高く、かつ、幅が広く設定され、
上記発熱体の高温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部は、上記発熱体の低温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部よりも密に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、冷却風導入部から導入された冷却風が冷却風通路を流れることで発熱体が冷却される。このとき、例えば、冷却風通路の下流側では上流側に比べて冷却風の温度が上昇しているので発熱体が高温になりやすい。また、例えば、複数のセルを並べて構成したバッテリが発熱体の場合、中央に配置されるセルはその周囲に配置されるセルに比べて熱のこもりによって高温になりやすい。この発明では、発熱体の高温部に対応するように乱流発生部が配置される。乱流発生部は、冷却風通路を流れる冷却風に乱流を発生させるので、乱流発生部が配置された部位の冷却効率が向上する。よって、発熱体の高温部の冷却が促進され、その結果、発熱体の冷却が全体的に均一化される。
第2の発明は、第1の発明において
上記乱流発生部は、冷却風の幅方向に延びる凸部で構成され、
上記凸部の突出高さは、冷却風通路の幅方向中央部が両側に比べて高く設定されていることを特徴とする。
すなわち、冷却風通路の幅方向中央部を流れる冷却風は両側を流れる冷却風に比べて温度が上昇しやすくなり、発熱体が高温になりやすいが、この発明では、凸部の突出高さが冷却風通路の幅方向中央部において高くなっているので、凸部による乱流発生効果が幅方向両側に比べて高まる。よって、発熱体の高温部の冷却が促進される
第1の発明によれば、乱流発生部を発熱体の高温になる部位に対応するように配置したので、発熱体の冷却を全体的に均一化することができ、発熱体の寿命を長期化できる。
第2の発明によれば乱流発生部を凸部で構成し、凸部の突出高さは、冷却風通路の幅方向中央部が両側に比べて高くなっているので、発熱体の高温部の冷却を促進して発熱体の冷却を全体的に均一化することができる
実施形態1に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 実施形態1の変形例に係る図2相当図である。 実施形態2に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 実施形態3に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 実施形態4に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 実施形態5に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 図7におけるVIII−VIII線断面図である。 図8におけるIX−IX線断面図である。 実施形態6に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 図10におけるXI−XI線断面図である。 実施形態6の変形例に係る図11相当図である。 実施形態7に係る車両用バッテリユニットの断面図である。 図13におけるXIV−XIV線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用バッテリユニット1の断面図である。車両用バッテリユニット1は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車(プラグインハイブリッド自動車を含む)に搭載されるものであり、これら自動車の走行用モーターに電力を供給するように構成されている。
車両用バッテリユニット1は、第1〜第7バッテリ2A〜2Gからなるバッテリ(発熱体)2と、バッテリケース3と、ダクト(通路構成部材)10と、送風機(冷却風導入部)Aとを備えている。第1〜第7バッテリ2A〜2Gは、例えばリチウムイオン電池等の二次電池であり、図1における左から右に順に並んでいる。第1〜第7バッテリ2A〜2Gの各々は、図示しないが、複数のバッテリセルと該バッテリセルを収容するケースとを有しており、バッテリセルは電極によって接続されている。また、第1〜第7バッテリ2A〜2Gは、直列または並列に接続されており、外部からの電力供給によって全てのバッテリ2A〜2Gに同時に充電可能となっている。また、走行用モーターに電力を供給する際には、全てのバッテリ2A〜2Gから同時に供給可能となっている。尚、バッテリの数や配置は図示したものに限られず、例えば、バッテリを上下方向に2段や3段に並べて配置してもよい。
バッテリケース3は、第1〜第7バッテリ2A〜2Gを収容する収容空間Rを形成するためのものであり、例えば樹脂材を成形してなる。バッテリケース3の下部には外方へ延出するフランジ3aが形成されている。尚、バッテリケース3は省略することもできる。
ダクト10は、第1〜第7バッテリ2A〜2Gを冷却するための冷却風が流通する冷却風通路Sを構成するものであり、収容空間Rの外部においてバッテリケース3の下部に設けられている。ダクト10は扁平な形状である。ダクト10の延びる方向は、第1〜第7バッテリ2A〜2Gの並ぶ方向であり、この実施形態では、冷却風が図1の左側から右側へ向かって流れるようになっている。ダクト10は、第1〜第7バッテリ2A〜2Gの並ぶ方向に延びる上壁部11と、上壁部11と略平行に延びる下壁部12と、図2に示す上壁部11の幅方向両端部から下壁部12まで延びる側壁部13、13とを有している。上壁部11の周縁部にバッテリケース3のフランジ3aが接合され、収容空間Rは、外部の埃や水等が入らないように密閉されている。尚、ダクト10は、バッテリケース3の上部に設けてもよいし、側部に設けてもよい。ダクト10は、直線状に延びる形状であってもよい。
送風機Aは、ダクト10の上流側に設けられており、冷却風をダクト10の冷却風通路Sに導入するためのものである。冷却風としては、例えば車室外の空気や車室内の空気を使用することができる。送風機Aは、ダクト10の下流側に設けて冷却風を冷却風通路Sに上流側から導入するように構成してもよい。
バッテリ2の熱はダクト10の上壁部11に伝わり、ダクト10の冷却風通路Sを流れる冷却風が上壁部11の熱を奪うことによってバッテリ2が冷却される。したがって、冷却風通路Sを流れる冷却風の温度は、冷却風通路Sの上流側が最も低く、下流側へ行くほど高くなる。このため、バッテリ2は、使用時(充放電時)において高温になる高温部と、その高温部よりも低温になる低温部とを有している。
具体的には、冷却風通路Sにおいて冷却風の温度が高くなる下流側に配置される第6バッテリ2F及び第7バッテリ2Gの温度は、それらバッテリ2F、2Gよりも上流側に配置される第1〜第5バッテリ2A〜2Eの温度よりも高くなる。また、第1〜第5バッテリ2A〜2Eの中では、第4バッテリ2D及び第5バッテリ2Eの温度が、第1〜第3バッテリ2A〜2Cの温度よりも高くなる。この実施形態では、第4〜第7バッテリ2D〜2Gが高温部であり、第1〜第3バッテリ2A〜2Cが低温部である。第4〜第7バッテリ2D〜2Gの中でも、第7バッテリ2Gが最も高温になる。
ダクト10には、第1〜第7バッテリ2A〜2Gの温度をできるだけ均一化するための構造として、冷却風に乱流を発生させて高温部の冷却促進効果を得るための第1〜第7凸部(乱流発生部)21〜27が設けられている。第1〜第7凸部21〜27は、ダクト10の上壁部11の内面(冷却風通路Sの内面)から下方へ突出し、冷却風の流れ方向と交差する方向、即ち、冷却風通路Sの幅方向に延びている。第1〜第7凸部21〜27の両端部は、ダクト10の側壁部13、13に連なっている。
第1凸部21の突出高さは、冷却風通路Sの幅方向全体に亘って同じ高さとされている。第2〜第7凸部22〜27の突出高さも、それぞれ、冷却風通路Sの幅方向全体に亘って同じ高さとされている。ダクト10の上壁部11に第1〜第7凸部21〜27を一体成形することで、第1〜第7凸部21〜27が上壁部11のリブとして機能することになるので、ダクト10の剛性を高めることができる。尚、ダクト10の下壁部12の内面や、側壁部13、13の内面に同様な凸部を形成してもよい。
第1〜第7凸部21〜27は冷却風の流れ方向上流側から下流側へ向かって順に形成されており、流れ方向に互いに間隔をあけて配置されている。この実施形態では、第1〜第7凸部21〜27の間隔は略等間隔に設定しているが、これに限らず、不等間隔であってもよい。第1〜第7凸部21〜27は、バッテリ2の高温部である第4〜第7バッテリ2D〜2Gの直下方に位置付けられており、これにより、第1〜第7凸部21〜27がバッテリ2の高温部に対応する部位に配置されることになる。
冷却風通路Sの内面に第1〜第7凸部21〜27を形成することで、冷却風通路Sの上側で乱流を積極的に発生させることができる。すなわち、第1〜第7凸部21〜27の断面形状は、下に頂点が位置する略三角形である。第1〜第7凸部21〜27の断面形状を略三角形とすることで、第1〜第7凸部21〜27における冷却風流れ方向上流側の面は、下側へ行くほど下流側に位置するように傾斜し、また、第1〜第7凸部21〜27における冷却風流れ方向下流側の面は、下側へ行くほど上流側に位置するように傾斜する。これにより、冷却風通路Sの上側を流れる冷却風が第1〜第7凸部21〜27の上流側の面に当たって下方へ案内され、その後、下流側の面に沿って上方へ流れて上壁部11の内面に当たり、このような冷却風の流れによって冷却風通路Sの上側で乱流が発生する。冷却風の流れが上壁部11の内面に当たることで、上壁部11の内面近傍を流れる空気に乱流が発生し、これにより、上壁部11の内面近傍の空気の流れをさらに乱し、上壁部11の内面近傍において断熱層となりやすい層流が形成されるのを抑制する。よって、冷却効率が向上する。尚、第1〜第7凸部21〜27の断面形状は、正三角形であってもよいし、二等辺三角形であってもよい。また、略逆U字状であってもよい。
第1〜第7凸部21〜27の突出高さは、第1凸部21が最も低く、第7凸部27が最も高くなっており、第1凸部21〜第7凸部27まで次第に突出高さが高くなっている。また、第1〜第7凸部21〜27の冷却風流れ方向の寸法は、第1凸部21が最も短く、第7凸部27が最も長くなっており、第1凸部21〜第7凸部27まで次第に長くなっている。つまり、冷却風通路S内への突出量は、第1凸部21が最も小さく、第7凸部27が最も大きくなっているので、第1凸部21の形成による乱流の発生量が最も小さく、第7凸部27の形成による乱流の発生量が最も大きくなる。このため、バッテリ2の高温部に対応する部位の冷却効率が、バッテリ2の低温部に対応する部位の冷却効率よりも高くなる。
第1〜第7凸部21〜27の最大突出高さは、冷却風通路Sの上下方向の寸法の1/2以下とするのが好ましい。これにより、第1〜第7凸部21〜27を形成したことによる冷却風通路Sの圧力損失を抑制して冷却風の流量を十分に確保しながら、第1〜第7凸部21〜27による乱流発生効果を得ることができる。
以上説明したように、この実施形態1に係る車両用バッテリ2の冷却構造によれば、送風機Aから導入された冷却風が冷却風通路Sを流れることで充放電中のバッテリ2が冷却される。このとき、冷却風通路Sの下流側では上流側に比べて冷却風の温度が上昇しているので下流側に位置する第4〜第7バッテリ2D〜2Gが高温になりやすいが、第4〜第7バッテリ2D〜2Gに対応するように第1〜第7凸部21〜27を配置しているので、第4〜第7バッテリ2D〜2Gの冷却効率が向上する。よって、第4〜第7バッテリ2D〜2Gの冷却を促進することができ、その結果、バッテリ2の冷却を全体的に均一化して寿命を長期化できる。
尚、図示しないが、冷却風通路Sの凸部は、バッテリ2の低温部である第1〜第3バッテリ2A〜2Cの直下方、即ち、第1〜第3バッテリ2A〜2Cに対応する部位に設けてもよい。この場合、第1〜第3バッテリ2A〜2Cに対応する部位に設ける凸部は、第4〜第7バッテリ2D〜2Gに対応する部位に設ける第1〜第7凸部21〜27よりも低くするのが好ましい。
また、図3に示す実施形態1の変形例のように、第1〜第7凸部21〜27の突出高さ(図3では第4凸部24のみ示す)を冷却風通路Sの幅方向で変化させてもよい。第1〜第7凸部21〜27の突出高さは、冷却風通路Sの幅方向中央部が両側に比べて高く設定されており、最も高いのは幅方向中央部である。使用中のバッテリ2の温度は、上述したように冷却風の流れ方向上流側と下流側とで異なる以外にも、冷却風通路Sの幅方向についても部位によって異なる。冷却風通路Sの幅方向両側は外気に近いので低温部となりやすく、冷却風通路Sの幅方向中央部は外気から遠いので高温部となりやすい。また、バッテリ2における幅方向両側は外気による冷却が期待できるので低温部となりやすい一方、バッテリ2における中央部は熱がこもりやすいので高温部となりやすい。変形例では、バッテリ2の高温部に対応する部位(幅方向中央部)の第1〜第7凸部21〜27の突出高さが、バッテリ2の低温部に対応する部位(幅方向両側)の第1〜第7凸部21〜27の突出高さに比べて高く設定されているので、バッテリ2の高温部の冷却効率を高めることができる。
また、実施形態1では、第1〜第7凸部21〜27を設けているが、これに限らず、凸部の数を6つ以下にしてもよいし、8つ以上にしてもよい。
また、実施形態1では、第1〜第7凸部21〜27が冷却風通路Sの幅方向に連続して延びているが、これに限らず、凸部は冷却風通路Sの幅方向に断続して設けてもよいし、幅方向の一部にのみ設けてもよい。凸部の形状は、例えば柱状であってもよいし、角錐状や円錐状であってもよい。また、凸部の断面形状は略矩形であってもよい。
また、第1〜第7凸部21〜27と、冷却風の流れ方向と交差する方向に延びる凸部(図示せず)とを同じダクト10に設けてもよい。これにより、冷却風の流れをより一層乱すことができる。
また、実施形態1において、冷却風通路Sの内面に乱流発生用凹部を形成してもよい。凹部は冷却風流れ方向に延びる形状であってもよいし、冷却風の流れ方向と交差する方向に延びる形状であってもよい。また、凹部は断続的に設けてもよい。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態2では、冷却風通路Sに設ける凸部の数が実施形態1のものより多く設定されるとともに、その凸部の高さが実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
実施形態2では、ダクト10の上壁部11の内面に第1〜第9凸部21〜29を設けている。第1凸部21は、バッテリ2の低温部である第3バッテリ2Cの直下方、即ち、バッテリ2の低温部に対応する部位に設けられている。そして、第1凸部21〜第7凸部27までは突出高さが次第に高くなるように形成され、第8凸部28は第7凸部27よりも突出高さが低く、第9凸部29は第8凸部28よりも突出高さが低くなるように形成されている。
第7バッテリ2Gは、冷却風流れ方向の最も下流側に配置されているが、バッテリケース3の端壁部に最も近い。このため、外気による冷却効果によって第7バッテリ2Gが低温部となることがある。この実施形態2では、第7バッテリ2Gが低温部であり、第6バッテリ2Fが高温部である場合の形態であり、第7バッテリ2Gに対応する部位に設ける第8凸部28及び第9凸部29の突出高さは、第6バッテリ26に対応する部位に設ける第7凸部27の突出高さよりも低くなっている。
この実施形態2に係る車両用バッテリ2の冷却構造によれば、実施形態1と同様にバッテリ2の高温になりやすい部位の冷却を促進することができ、その結果、バッテリ2の冷却を全体的に均一化して寿命を長期化できる。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態3では、冷却風通路Sに設ける凸部の数が実施形態1のものより多く設定されるとともに、それら凸部の高さは同じにし、凸部の分布を実施形態1のものとは変えている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
第1〜第15凸部21〜35の突出高さは全て同じにしている。第1〜第15凸部21〜35のうち、第1凸部21は実施形態2と同様にバッテリ2の低温部に対応する部位に設けられている。この実施形態3では、第5〜第7バッテリ2E〜2Gが高温部であり、温度は、第5バッテリ2Eから第7バッテリ2Gに向けて高くなっている。第3〜第15凸部23〜35はバッテリ2の高温部に対応する部位に設けられている。第1〜第15凸部21〜35の間隔は、冷却風の流れ方向下流側へ行くほど狭くなっている。
そして、バッテリ2の高温部に対応する部位に配置される第3〜第15凸部23〜35は、低温部に対応する部位に配置される第1凸部21、第2凸部22よりも密に設けられる。これにより、バッテリ2の高温部に対応する部位の冷却を促進することができるので、バッテリ2の冷却を全体的に均一化して寿命を長期化できる。
尚、乱流発生用凸部は、第1〜第3バッテリ2A〜2Cに対応する部位に複数設けてもよい。また、第1〜第15凸部21〜35の突出高さを変えてもよい。
(実施形態4)
図6は、本発明の実施形態4に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態4では、冷却風通路Sに、乱流発生用凸部の代わりに乱流発生用凹部(乱流発生部)を設けている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
ダクト10の上壁部11の内面には、第1〜第7凹部41〜47が、実施形態1の凸部の形成部位と同じ部位に設けられている。第1〜第7凹部41〜47は、冷却風の流れ方向と交差する方向、即ち、冷却風通路Sの幅方向に延びている。第1凹部41の深さは、冷却風通路Sの幅方向全体に亘って同じとされている。第2〜第7凹部42〜47の深さも、それぞれ、冷却風通路Sの幅方向全体に亘って同じ深さとされている。
冷却風通路Sの内面に第1〜第7凹部41〜47を形成することで、冷却風通路Sの上側で乱流を積極的に発生させることができる。すなわち、第1〜第7凹部41〜47における冷却風流れ方向の断面形状は、下方に開放する略V字状である。第1〜第7凹部41〜47の断面形状を略V字状とすることで、冷却風通路Sの上側を流れる冷却風が第1〜第7凹部41〜47の内面に沿って上方へ流れた後、下方へ流れるようになり、このような冷却風の流れによって冷却風通路Sの上側で乱流が発生する。これにより、上壁部11の内面近傍において断熱層となりやすい層流が形成されるのを抑制する。よって、冷却効率が向上する。
第1〜第7凹部41〜47の深さは、第1凹部41が最も浅く、第7凹部47が最も深くなっており、第1凹部41〜第7凹部47まで次第に深くなっている。また、第1〜第7凹部41〜47の冷却風流れ方向の寸法は、第1凹部41が最も短く、第7凹部47が最も長くなっており、第1凹部41〜第7凹部47まで次第に長くなっている。つまり、第1凹部41の断面積が最も小さく、第7凹部47の断面積が最も大きくなっているので、第1凹部41の形成による乱流の発生量が最も小さく、第7凹部47の形成による乱流の発生量が最も大きくなる。このため、バッテリ2の高温部に対応する部位の冷却効率が、バッテリ2の低温部に対応する部位の冷却効率よりも高くなる。
この実施形態4に係る車両用バッテリ2の冷却構造によれば、実施形態1と同様にバッテリ2の高温になりやすい部位の冷却を促進することができ、その結果、バッテリ2の冷却を全体的に均一化して寿命を長期化できる。
尚、実施形態4では、第1〜第7凹部41〜47が冷却風通路Sの幅方向に延びているが、これに限らず、凹部は冷却風通路Sの幅方向に断続して設けてもよいし、幅方向の一部にのみ設けてもよい。また、第1〜第7凹部41〜47の数は任意に設定することができる。さらに、第1〜第7凹部41〜47は、冷却風通路Sの下壁部12の内面に設けてもよい。
(実施形態5)
図7〜図9は、本発明の実施形態5に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態5では、冷却風通路Sの乱流発生用凸部の形状が実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図9に示すように、第1凸部21は、冷却風流れ方向と交差する方向に延びる第1傾斜凸部21aと第2傾斜凸部21bとを備えており、第1傾斜凸部21aと第2傾斜凸部21bは、冷却風通路Sの幅方向に交互に形成されて連続している。第1傾斜凸部21aの冷却風流れ方向に対する交差角度と、第2傾斜凸部21bの冷却風流れ方向に対する交差角度とは異なっており、第1傾斜凸部21aと第2傾斜凸部21bによって波形の第1凸部21となる。第1傾斜凸部21aと第2傾斜凸部21bの断面は、実施形態1と同様に略三角形である。
同様に、第2凸部22は第1傾斜凸部22aと第2傾斜凸部22bとを備え、また、第3凸部23は第1傾斜凸部23aと第2傾斜凸部23bとを備え、また、第4凸部24は第1傾斜凸部24aと第2傾斜凸部24bとを備え、また、第5凸部25は第1傾斜凸部25aと第2傾斜凸部25bとを備え、また、第6凸部26は第1傾斜凸部26aと第2傾斜凸部26bとを備え、また、第7凸部27は第1傾斜凸部27aと第2傾斜凸部27bとを備えている。
実施形態5では、第1〜第7凸部21〜27が波形であるため、冷却風の流れをより一層乱すことができる。
この実施形態5に係る車両用バッテリ2の冷却構造によれば、実施形態1と同様にバッテリ2の高温になりやすい部位の冷却を促進することができ、その結果、バッテリ2の冷却を全体的に均一化して寿命を長期化できる。
(実施形態6)
図10及び図11は、本発明の実施形態6に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態6では、冷却風通路Sの内面の形状が実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
ダクト10の上壁部11の内面には、冷却風の流れ方向に延びる複数の突条部51、51、…が設けられている。突条部51は、冷却風通路Sの幅方向に互いに間隔をあけて配置されている。突条部51は、バッテリ2の低温部である第3バッテリ2Cに対応する部位から高温部である第7バッテリ2Gに対応する部位まで連続して延びている。突条部51の突出高さは、第7バッテリ2Gに対応する部位が第3バッテリ2Cに対応する部位に比べて高く設定されており、第3バッテリ2Cに対応する部位から第7バッテリ2Gに対応する部位まで次第に高くなっている。突条部51を上壁部11に一体成形することで、突条部51が上壁部11のリブとして機能することになり、ダクト10の剛性を高めることができる。
第3〜第7バッテリ2C〜2Gの熱が突条部51の外面を介して冷却風に伝わるので、充放電中の第3〜第7バッテリ2C〜2Gの冷却効率が向上する。そして、突条部51の突出高さを、第7バッテリ2Gに対応する部位が高くなるようにしているので、突条部51による放熱効果が第7バッテリ2Gにおいてより一層高まる。よって、バッテリ2の高温部の冷却が促進され、その結果、バッテリ2の冷却が全体的に均一化されるので、実施形態1と同様な効果を奏することができる。
また、図12に示す実施形態6の変形例のように、突条部51の突出高さを冷却風通路Sの幅方向で変化させてもよい。冷却風通路Sの幅方向中央部に位置する突条部51の突出高さを最も高くし、幅方向両側へ行くほど突条部51の突出高さを低くする。これにより、バッテリ2の高温部に対応する部位(冷却風通路Sの幅方向中央部)の突条部51の突出高さがバッテリ2の低温部に対応する部位(冷却風通路Sの幅方向両側)に比べて高く設定されているので、バッテリ2の高温部の冷却効率を高めることができる。
尚、突条部51は、冷却風の流れ方向に断続していてもよい。また、突条部51は、冷却風通路Sの下壁部12の内面に設けてもよい。また、図示しないが、突条部51の頂部に切欠部を設けて凹凸状にしてもよい。
(実施形態7)
図13及び図14は、本発明の実施形態7に係る車両用バッテリ2の冷却構造を示すものである。実施形態7では、冷却風通路Sの内面の形状が実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
ダクト10の上壁部11の内面には、冷却風の流れ方向に延びる複数の凹条部61、61、…が設けられている。凹条部61は、冷却風通路Sの幅方向に互いに間隔をあけて配置されている。凹条部61は、バッテリ2の低温部である第3バッテリ2Cに対応する部位から高温部である第7バッテリ2Gに対応する部位まで連続して延びている。凹条部61の深さは、第7バッテリ2Gに対応する部位が第3バッテリ2Cに対応する部位に比べて深く設定されており、第3バッテリ2Cに対応する部位から第7バッテリ2Gに対応する部位まで次第に深くなっている。
第3〜第7バッテリ2C〜2Gの熱が凹条部61の内面を介して冷却風に伝わるので、充放電中の第3〜第7バッテリ2C〜2Gの冷却効率が向上する。そして、凹条部61の深さを、第7バッテリ2Gに対応する部位が深くなるようにしているので、凹条部61による放熱効果が第7バッテリ2Gにおいてより一層高まる。よって、バッテリ2の高温部の冷却が促進され、その結果、バッテリ2の冷却が全体的に均一化されるので、実施形態1と同様な効果を奏することができる。
尚、凹条部61の深さを冷却風通路Sの幅方向で変化させてもよい。図示しないが、冷却風通路Sの幅方向中央部に位置する凹条部61の深さを最も深くし、幅方向両側へ行くほど凹条部61の深さを浅くする。これにより、バッテリ2の高温部に対応する部位(冷却風通路Sの幅方向中央部)の凹条部61の深さがバッテリ2の低温部に対応する部位(冷却風通路Sの幅方向両側)に比べて深く設定されているので、バッテリ2の高温部の冷却効率を高めることができる。
尚、凹条部61は、冷却風の流れ方向に断続していてもよい。また、凹条部61は、冷却風通路Sの下壁部12の内面に設けてもよい。
また、図示しないが、凹条部61を形成する場合に、深い部分と浅い部分が交互に繰り返される形状としてもよい。
また、上記実施形態では、冷却風通路Sを収容空間Rの外部に設けた場合について説明したが、これに限らず、例えば、収容空間Rの内部に冷却風通路Sを設けてもよい。バッテリ2を収容空間Rの内部において上下方向に複数段配置する場合には、上下に隣り合うバッテリ2の間に冷却風通路Sを設けてもよい。
また、上記実施形態においてバッテリ2の高温部と低温部は相対的なものなので、例えば、第5バッテリ2Eと第6バッテリ2Fとの関係では第5バッテリ2Eが低温部となり、第6バッテリ2Fが高温部となり、また、第1バッテリ2Aと第2バッテリ2Bとの関係では第1バッテリ2Aが低温部となり、第2バッテリ2Bが高温部となる。
また、上記実施形態では、発熱体がバッテリである場合について説明したが、これに限らず、例えばインバータ装置やモーター等を発熱体として冷却するように構成してもよい。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用バッテリの冷却構造は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車のバッテリユニットに適用することができる。
1 車両用バッテリユニット
2 バッテリ(発熱体)
2A〜2G 第1〜第7バッテリ
10 ダクト(通路構成部材)
21〜27 第1〜第7凸部(乱流発生部)
21a 第1傾斜凸部
21b 第2傾斜凸部
41〜47 第1〜第7凹部(乱流発生部)
51 突条部
61 凹条部
A 送風機(冷却風導入部)
R 収容空間
S 冷却風通路

Claims (2)

  1. 車両に搭載された状態で所定方向に並ぶように配置される複数のバッテリで構成された発熱体を冷却するための冷却風が流通する冷却風通路を、上記バッテリの並ぶ方向に直線状に延びるように形成する通路構成部材と、
    上記冷却風通路に冷却風を導入する冷却風導入部とを備えた発熱体の冷却構造において、
    上記通路構成部材は、上記発熱体が収容された収容空間の外部に設けられ、
    上記発熱体は、使用時に高温になる高温部と、該高温部よりも低温になる低温部とを有し、上記高温部が上記低温部よりも上記冷却風の下流側に位置するように配置され、
    上記通路構成部材における上記冷却風通路の内面には、冷却風に乱流を発生させるための凸部からなる乱流発生部が設けられ、
    上記乱流発生部は、上記発熱体の高温部に対応する部位と上記発熱体の低温部に対応する部位とに配置され
    上記乱流発生部は、冷却風流れ方向と交差する方向に延びる第1傾斜凸部と第2傾斜凸部とを備え、上記第1傾斜凸部の冷却風流れ方向に対する交差角度と、上記第2傾斜凸部の冷却風流れ方向に対する交差角度とが異なっており、
    上記発熱体の高温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部は、上記発熱体の低温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部に比べて突出高さが高く、かつ、幅が広く設定され、
    上記発熱体の高温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部は、上記発熱体の低温部に対応する部位に配置される上記第1傾斜凸部及び上記第2傾斜凸部よりも密に設けられることを特徴とする発熱体の冷却構造。
  2. 請求項1に記載の発熱体の冷却構造において、
    上記乱流発生部は、冷却風の幅方向に延びる凸部で構成され、
    上記凸部の突出高さは、冷却風通路の幅方向中央部が両側に比べて高く設定されていることを特徴とする発熱体の冷却構造。
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