JP6434779B2 - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、ゴム組成物および該ゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤに関する。
ゴム組成物のウェットグリップ性を向上させる手段の一つとして、レジンを添加してガラス転移温度(Tg)を上げる方法が挙げられるが、初期グリップが低下してしまうという問題がある。また、他のウェットグリップ性を向上させる手段として、シリカの増量、可塑剤に対するフィラー含有量の増加、水酸化アルミニウムの添加などが知られているが、これらの場合は、耐摩耗性を低下させてしまうという問題がある。
特許文献1には、少なくともスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分、特定の無機化合物粉体、シリカ、および不飽和カルボン酸エステルを所定量含有することで、耐摩耗性等の耐破壊性およびウェットグリップ性能を改善できるゴム組成物が記載されているが、いまだ改善の余地がある。
特開2014−9250号公報
本発明は、ウェットグリップ性および耐摩耗性を改善できるゴム組成物、ならびに該ゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、特定のジエン系ゴム成分に、特定の樹脂を所定量含む可塑剤、および特定の水酸化アルミニウムを所定量含むフィラーを配合することで、前記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくともスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対し、スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂2〜50質量部を含む可塑剤、およびBET比表面積が10〜50m2/gであり、平均粒子径(D50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウム1〜50質量部を含むフィラーを含有するゴム組成物に関する。
可塑剤のフィラーに対する含有比率(可塑剤含有量/フィラー含有量)が0.7〜1.5であることが好ましい。
また、本発明は、前記ゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤが、競技用ウェットタイヤであることが好ましい。
本発明によれば、特定のジエン系ゴム成分に、特定の樹脂を含む可塑剤、および特定の水酸化アルミニウムを含むフィラーを含有することで、ヒステリシスロスが増加し、ウェットグリップ性および耐摩耗性において優れたゴム組成物および該ゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、特定のジエン系ゴム成分に、特定の樹脂を含む可塑剤、および特定の水酸化アルミニウムを含むフィラーを含有することを特徴とする。
<ジエン系ゴム成分>
本発明のジエン系ゴム成分とは、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含むものである。SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。また、末端を変性したS−SBR(変性S−SBR)またはE−SBR(変性E−SBR)を使用することもできる。変性S−SBRおよび変性E−SBRとしては、例えば、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ基などを含有する有機ケイ素化合物で変性したものなどが挙げられる。これらのSBRは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ウェットグリップ性に優れるという理由から、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。スチレン含有量が5質量%未満の場合は、転がり抵抗特性が向上せず、ウェットグリップ性が低下する傾向がある。また、SBRのスチレン含有量は、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。スチレン含有量が70質量%を超える場合は、脆化の問題(低温でのクラック発生など)が生じる恐れがある。
ジエン系ゴム成分中のSBRの含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。SBRの含有量が70質量%未満の場合は、十分なグリップ力が得られない傾向がある。最も好ましい態様においては、SBRの含有量は100質量%である。
ジエン系ゴム成分として含まれるSBR以外の他のゴム成分としては、通常のジエン系ゴムをいずれも使用することができ、例えば、天然ゴム(NR)やブチルゴム(IIR)の他、スチレンイソプレンゴム(SIR)等の共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)等の共役ジエン化合物の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、およびこれらの混合物である合成ゴムなどが挙げられ、その一部が、多官能型変性剤、例えば、四塩化スズ等によって変性され、分岐構造を有しているものを用いることもできる。また、これらのSBR以外のジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<可塑剤>
本発明における可塑剤は特定の樹脂として、スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂を含有する。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂とは、スチレンとα−メチルスチレンとを重合させて得られる樹脂である。スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の軟化点(Softening Point)は、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。軟化点が180℃を超える場合は、硬度が高くなる傾向がある。また、スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の軟化点の下限値については特に限定はないが、通常30℃以上である。なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の質量平均分子量(Mw)は、20000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。Mwが20000を超える場合は、硬度が高くなる傾向がある。また、Mwの下限値について特に限定はないが、通常約200程度である。なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めたものである。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、2質量部以上であり、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の含有量が2質量部未満の場合は、ウェットグリップ性の向上効果が得られなくなる傾向がある。また、スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の含有量は、50質量部以下であり、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂の含有量が50質量部を超える場合は、硬度が高くなり十分なグリップ力が得られなくなる傾向がある。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂以外の可塑剤としては特に限定されるものではないが、例えば、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイルなどのオイルが挙げられる。なかでも、引張強度および耐摩耗性の観点からは、アロマオイルが好ましく、ヒステリシスロスおよび低温特性の観点からは、ナフテンオイルおよびパラフィンオイルが好ましい。
オイルを含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。オイルの含有量が10質量部未満の場合は、ゴム成分が硬くなり、加工性が悪化する傾向がある。また、オイルの含有量は100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましい。オイルの含有量が100質量部を超える場合は、加硫ゴムの引張強度および低発熱性が悪化する傾向、ゴム成分が柔らかくなり、フィラーの分散不良が起こる可能性がある。なお、本明細書におけるオイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
<フィラー>
本発明におけるフィラーは特定のBET比表面積および平均粒子径(D50)を有する水酸化アルミニウムを含有する。
本発明のゴム組成物は、特定の水酸化アルミニウムを含有することにより、低温での硬度が低下し、良好なウェットグリップ性が得られる。
水酸化アルミニウムのBET比表面積は、10m2/g以上であり、11m2/g以上が好ましく、12m2/g以上がより好ましい。BET比表面積が、10m2/g未満の場合は、ウェットグリップ性が悪化する傾向がある。また、水酸化アルミニウムのBET比表面積は、50m2/g以下であり、45m2/g以下が好ましく、40m2/g以下がより好ましい。BET比表面積が、50m2/gを超える場合は、耐摩耗性が悪化する傾向がある。なお、本明細書における水酸化アルミニウムのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
水酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)は、0.1μm以上であり、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合は、水酸化アルミニウムの分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、水酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)は3.0μm以下が好ましく、2.0μmがより好ましい。平均粒子径が3.0μmを超える場合は、水酸化アルミニウムが破壊核となり、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本明細書における平均粒子径(D50)とは、粒子径分布測定装置により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。
水酸化アルミニウムのジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上であり、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が1質量部未満の場合は、ウェットグリップ性の改善効果が小さい傾向がある。また、水酸化アルミニウムの含有量は、50質量部以下であり、45質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が50質量部を超える場合は、分散不良が発生し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
水酸化アルミニウムに加え、フィラーとしてカーボンブラックを含有することが、着色効果、補強効果などが得られる点から好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのもの等が挙げられる。なかでも、耐摩耗性を向上させる観点から、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、15m2/g以上が好ましく、25m2/g以上がより好ましい。N2SAが15m2/g未満の場合は、十分な補強効果が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのN2SAは、50m2/g以下であることが好ましく、35m2/g以下であることがより好ましい。カーボンブラックのN2SAが50m2/gを超える場合は、初期グリップが低下する傾向がある。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックを含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が1質量部未満の場合は、着色効果、補強効果、耐紫外線劣化性改善効果などが十分に得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が40質量部を超える場合は、初期グリップが低下する傾向がある。
また、フィラーとしてシリカを含有することが、良好な低燃費性および補強効果が得られる点から好ましい。シリカとしては、特に限定されるものではないが、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)や、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、50m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。N2SAが50m2/g未満の場合は、ゴム強度が低下する傾向がある。また、シリカのN2SAは、250m2/g以下が好ましく、200m2/g以下がより好ましい。シリカのN2SAが250m2/gを超える場合は、加工性が悪化する傾向がある。なお、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましい。シリカの含有量が50質量部未満の場合は、ウェットグリップ性、補強効果などが十分に得られない傾向がある。また、シリカの含有量は、200質量部以下が好ましく、180質量部以下がより好ましく、160質量部以下がさらに好ましく、150質量部以下が特に好ましい。シリカの含有量が200質量部を超える場合は、耐破壊性、耐久性、加工性などを十分に確保することができない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、可塑剤のフィラーに対する含有比率(可塑剤含有量/フィラー含有量)を特定の範囲とすることが、ウェットグリップ性および耐摩耗性が優れるという点で好ましい。
可塑剤のフィラーに対する含有比率は、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。可塑剤のフィラーに対する含有比率が0.7未満の場合は、ゴムの硬度が高くなり、ウェットグリップ性が低下する傾向がある。また、可塑剤のフィラーに対する含有比率は、1.5以下が好ましく、1.4以下がより好ましい。可塑剤のフィラーに対する含有比率が1.5を超える場合は、加工性が悪くなるだけでなく、フィラーなどの分散不良が発生し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
<その他の配合剤>
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、前記シリカを含有する場合、さらにシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが特に好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が1質量部未満である場合は、分散性の改善などの効果が十分に得られない傾向がある。また、シランカップリング剤のシリカ100質量部に対する含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が20質量部を超える場合は、十分なカップリング効果が得られず補強効果が低下する傾向、十分なウェットグリップ性が得られない傾向がある。
前記老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。なかでも、アミン系が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンがより好ましい。ここで、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.2質量部以上がさらに好ましい。該含有量は、8質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下がさらに好ましい。
<ゴム組成物およびタイヤ>
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
こうして得られる本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホース、その他の工業製品等にも用いることができる。特に、ウェットグリップ性および耐摩耗性が改善できることから、本発明のゴム組成物で構成されるトレッドを有するタイヤとすることが好ましい。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを製造することができる。また、本発明のタイヤは、乗用車用、バス用、トラック用、競技用などとして使用することができるが、特に競技用の高性能ウェットタイヤとして好適に使用することができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
S−SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(スチレン含有量:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
変性SBR:JSR(株)製のHPR350(変性S−SBR、スチレン含有量:21質量%)
E−SBR:日本ゼオン(株)製のNipol1739(スチレン含有量:41質量%、Tg:−28℃、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックA(N110)(N2SA:145m2/g)
シリカ:Degussa社製のウルトラジルVN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:Degussa社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
STY−AMS樹脂(スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂):アリゾナケミカル社製のSylvares SA85(軟化点:85℃、Mw:700)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のダイアナプロセスオイルX140(アロマオイル)
水酸化アルミニウム1:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(平均粒子径(D50):3.7μm、BET:6.7m2/g)
水酸化アルミニウム2:住友化学(株)製のATH#B(平均粒子径(D50):0.6μm、BET:15m2/g)
水酸化アルミニウム3:昭和電工(株)製のハイジライトH−21(平均粒子径(D50):11.6μm、BET:1.3m2/g)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤BBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
なお、前記水酸化アルミニウム1〜3の平均粒子径(D50)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製のPartica LA−950V2)を用いて測定した数値より算出した値である。
実施例1〜10および比較例1〜8
表1および2に示す配合内容に従い、上記各種薬品(硫黄および加硫促進剤を除く)を、バンバリーミキサーにて、排出温度150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、排出温度100℃で3分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で12分間プレス加硫し、試験用カートタイヤ(サイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた試験用タイヤについて、下記試験方法により評価を行った。それぞれの試験結果を表1および2に示す。
<ウェットグリップ性能>
試験用カートタイヤを全輪に装着したカートにより、ドライアスファルトのウェット路面のテストコース8周(1周:2km)の実車走行を行った。その際における操舵時のコントロールの安定性を、比較例1のタイヤの初期グリップ性能、後半グリップ性能を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目のグリップ性能、後半グリップ性能は5〜8周目のグリップ性能を示す。
<耐摩耗性>
ウェットグリップ性能の評価においてテストコースを8周した試験用タイヤで、さらに同テストコース20周の再走行を行い、走行後の摩耗外観を観察した。比較例1のタイヤの摩耗外観を3点とし、5点満点で評価した。
Figure 0006434779
Figure 0006434779
本発明によれば、特定のジエン系ゴム成分に、特定の樹脂を含む可塑剤、および特定の水酸化アルミニウムを含むフィラーを配合することで、ウェットグリップ性および耐摩耗性を改善したゴム組成物および該ゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤを提供することができる。

Claims (4)

  1. 少なくともスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対し、
    スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂2〜50質量部を含む可塑剤、および
    BET比表面積が10〜50m2/gであり、平均粒子径(D50)が0.1〜3.0μmである水酸化アルミニウム1〜50質量部と、カーボンブラック1〜40質量部と、シリカ50〜200質量部とを含むフィラー
    を含有するゴム組成物。
  2. 可塑剤のフィラーに対する含有比率(可塑剤含有量/フィラー含有量)が0.7〜1.5である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 請求項1または2記載のゴム組成物で構成されるトレッドを備える空気入りタイヤ。
  4. 競技用ウェットタイヤである請求項3記載の空気入りタイヤ。
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