JP6433780B2 - エレベータのフラットロープ清掃装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの主索等に用いられるフラットロープを効率良く清掃するためのエレベータのフラットロープ清掃装置に関する。
エレベータ装置の昇降路内を昇降するかごと巻上機とを連係するメインロープ(主索)としては、古くから断面略円形状(丸形)のワイヤロープが広く用いられているが、これに代えて、一部では例えば特許文献1,2に記載されているように、いわゆるフラット形(平形)のロープが用いられている。
また、上記丸形のワイヤロープを用いたエレベータ装置では、例えば特許文献3に記載されているように、複数本のワイヤロープに付着したグリスを効率良く除去するための清掃治具が提案されているが、フラットロープについては未だかかる効率的な清掃手段が提案されるには至っていない。
特開2004−1919号公報 特開2012−12172号公報 特開2013−249153号公報
上記のようなフラットロープを用いたエレベータ装置では、例えば据え付け時あるいは通常運転時において、昇降路内の粉塵や埃がフラットロープに付着して騒音の原因になることがある。また、通常運転に伴って、フラットロープのジャケット部に含まれているワックス成分が時間の経過と共に徐々に減少して枯渇傾向となることがある。この場合、上記と同様に騒音が発生したり、あるいは摩擦係数が上昇することでフラットロープの表面のジャケット部にダメージを与えてしまうおそれがある。
このようなことから、フラットロープについても丸形のワイヤロープの場合と同様に効率的に清掃を施すとともに、必要に応じてフラットロープのジャケット部でのワックス成分の再生処理を施すことが可能な清掃装置の実用化の要請がある。
本発明はこのような要請に応えるためになされたものであり、特にフラットロープについて効率良く清掃を施すことができるエレベータのフラットロープ清掃装置を提供するものである。
本発明は、請求項1に記載のように、清掃対象となる平形のフラットロープをその表裏両面側から挟み込んた上で当該フラットロープと相対摺動動作することでそのフラットロープに清掃を施す装置であって、上記フラットロープを挟んで対向配置された一対の基板と、上記各基板のフラットロープ側の面に脱着可能に配置されたパッドと、上記一対の基板同士を脱着可能に且つ所定距離隔てて接近離間可能に連結しているとともに、各パッドをフラットロープに押し付ける方向に付勢している複数の連結手段と、を備えていて、上記各パッドは剛性の高いバックアップ部材の表面に軟質の表皮材を脱着交換可能に装着したものであることを特徴とする。
この場合において、上記パッドのより具体的な構造としては、例えば請求項2に記載のように、断面略チャンネル状のバックアップ部材の凸側表面に表皮材を脱着交換可能に装着したものとする。表皮材としては、例えばフェルト材のほか、木綿やメリヤス等の布生地をフェルト材にて裏打ちしたものを用いる。
また、上記各連結手段のより具体的な構成としては、例えば請求項3に記載のように、一方の基板に立設され他方の基板に挿通されたスタッドボルトと、上記スタッドボルトの挿通端部に螺合されたナット部材と、上記他方の基板とナット部材との間に介装された弾性手段と、から構成されているものとする。
ここで、フラットロープに洗浄液として例えば水または専用のクリーナー液を塗布しながらこれを拭き取ることを主眼とする清掃仕様の場合には、請求項4に記載のように、上記各基板のフラットロープ側の面に当該フラットロープの走行方向に沿って複数段にわたってパッドが配置されていて、一方の基板側のパッドと他方の基板側のパッドとがフラットロープをはさんで正対していることが望ましい。
より具体的には、請求項5に記載のように、上記各基板における複数のパッドのうちいずれか一つのパッドの表皮材は洗浄液を含浸させた湿式のものであり、残りのパッドの表皮材は洗浄液拭き取り用の乾式のものであることが望ましい。
他方、フラットロープの清掃作業の仕上げ工程としてフラットロープにワックスが含まれた仕上げ液を塗布するような場合には、請求項6に記載のように、一方の基板のフラットロープ側の面に当該フラットロープの走行方向に沿って一対のパッドが配置されているとともに、上記一方の基板側におけるパッド同士の配置間隔内に位置するように、他方の基板のフラットロープ側の面に単一のパッドが配置されていることが望ましい。
より具体的には、請求項7に記載のように、上記双方の基板におけるそれぞれのパッドの表皮材はワックスを含んだ仕上げ液を含浸させた湿式のものであることが望ましい。
この場合において、請求項8に記載のように、上記湿式の表皮材を有するパッドは、フラットロープに押し付けられた状態でバックアップ部材の背面側から洗浄液または仕上げ液の補給が可能となっていることが望ましい。
より具体的には、請求項9に記載のように、上記パッドのバックアップ部材には表皮材への洗浄液または仕上げ液の補給のための窓部が開口形成されているとともに、各基板のうち上記窓部に対応する位置には開口部が形成されていることが望ましい。
さらに、請求項10に記載のように、複数のフラットロープが並設されている場合には、各パッドはこれらの複数のフラットロープをカバーし得るだけの長さを有していて、上記湿式の表皮材を有するパッドのバックアップ部材には個々のフラットロープに対応する位置に窓部が形成されていることがより望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、清掃対象となるフラットロープをその表裏両面側から複数のパッドで挟み込んた上で例えばかごを低速走行させることにより、各パッドがフラットロープと相対摺動動作することでそのフラットロープに清掃が施されることになる。
以上のように本発明に係るフラットロープ清掃装置によれば、当該清掃装置をフラットロープに対して位置決めした上で両者を相対摺動動作させることにより、手作業に頼ることなくフラットロープの清掃を施すことができ、異音発生の原因となりやすい埃等を効率良く除去することができるから、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
また、基板に対してパッドが脱着可能になっているとともに、パッドのバックアップ部材に対して表皮材が脱着可能となっているので、必要に応じてパッドの配置変更を行うことで、例えば清掃後のフラットロープに対してワックス等の仕上げ液を塗布することも可能となるほか、パッドそのものあるいは表示材のみの交換も容易に行うことができる。
本発明に係るフラットロープ清掃装置の実施の形態を示す図で、当該清掃装置をフラットロープに装着して相対位置決めを施した状態の斜視図。 図1のa方向矢視図。 図1に示した各パッドユニット単独での詳細な斜視図。 図1に示したフラットロープ清掃装置の正面図。 図1に示したフラットロープ清掃装置の平面図。 図1,2で使用されているスタッドボルト単独での側面説明図。 図3に示した各パッドの詳細を示す図で、(A)はパッド単独での正面斜視図、(B)は同じくパッド単独での背面斜視図、(C)は同図(A)のb方向矢視図。 図7に示したパッドの分解斜視図。 エレベータ概略構造を示す説明図。 同じくエレベータ概略構造を示す説明図。 図1に示したフラットロープ清掃装置で仕様を変更した場合の斜視図。 図11のc方向斜視図。 図1に示した各パッドユニット単独での詳細な斜視図。 図11に示したフラットロープ清掃装置の正面図。 図11に示したフラットロープ清掃装置の平面図。
図1以下の図面は本発明に係るフラットロープ清掃装置を実施するためのより具体的な形態を示し、特に図1は当該フラットロープ清掃装置をフラットロープに装着して相対位置決めを施した状態の斜視図を、図2は図1のa方向矢視図をそれぞれ示している。また、図3は図1に示した各パッドユニット単独での詳細な斜視図を示している。さらに、図4は図1に示したフラットロープ清掃装置の正面図を、図5はその平面図をそれぞれ示している。
図1,2に示すように、フラットロープ清掃装置(以下、単に「清掃装置」と言う。)1は、並設された複数(本実施の形態では3本)のフラットロープ2を挟んで対向配置されることになる一対のパッドユニット3A,3Bをもって構成される。なお、フラットロープ2は特許文献1にも記載されているように、金属材料をもって形成された長尺状の芯材たるコードを、断面略偏平矩形状のジャケット内に並列に複数埋設したものである。また、ジャケットはウレタン樹脂に代表されるような可撓性のある合成樹脂材料をもって形成されている一方、各コードは複数の素線を撚り合わせた柔軟性を有するものであって、フラットロープロープ2全体としては当該フラットロープ2の厚み方向で撓み変形自在にとなっているものである。
一方のパッドユニット3Aは、図3に示すように、基板としての略矩形状のベースプレート4のうちフラットロープ2と対面する側の面に、フラットロープ2の走行方向に沿って三段にわたって同一サイズのパッド5を配置したものである。このパッドユニット3Aのベースプレート4のうちその四箇所には取付穴6が形成されていて、図1,2に示すようにこの取付穴6に対してナット8との締結をもって段付き軸状のスタッドボルト7が立設されている。このスタッドボルト7は、図6に示すように、取付穴6に挿入されてナット8との締結部となる一端のおねじ部7aと、それとは反対側の他端のおねじ部7bと、円筒状のガイド軸部7c、および大径軸部7dとをもって形成されていて、大径軸部7dの外周面には二組の二面幅部9を形成してある。さらに、ガイド軸部7cとおねじ部7bとの間には段部7eを形成してある。
他方のパッドユニット3Bは上記パッドユニット3Aとほぼ同様な構造であって、図3に示すように、ベースプレート4よりも一回り小さな基板としての略矩形状のベースプレート10のうちフラットロープ2と対面する側の面に、フラットロープ2の走行方向に沿って三段にわたって同一サイズのパッド5を配置したものである。この他方のパッドユニット3Bのベースプレート10のうちその四箇所には取付穴11が形成されていて、図1,2に示すように、これらの取付穴11が各スタッドボルト7のガイド軸部7cに対してスライド可能に挿入される。なお、一方のパッドユニット3Aと他方のパッドユニット3Bでは共に共通のパッド5が仕様される。
そして、図1,2に示すように、複数のフラットロープ2を挟んで双方のパッドユニット3A,3Bの各パッド5同士を突き合わせるようにして双方のパッドユニット3A,3Bを対向配置し、他方のパッドユニット3Bにおけるベースプレート10の背面側よりスタッドボルト7に弾性体としての圧縮コイルスプリング12を挿入しつつ、スタッドボルト7のおねじ部7bに対してナット13を締め込むことにより、双方のパッドユニット3A,3B同士が互いに脱着可能に連結されるとともに、双方のパッドユニット3A,3Bの各パッド5が複数のフラットロープ2の表裏両面に弾性的に押し付けられることになる。結果として、双方のパッドユニット3A,3Bの各パッド5が複数のフラットロープ2をその表裏両面から挟み込むかたちとなる。以上の説明から明らかなように、スタッドボルト7と弾性体としての圧縮コイルスプリング12およびナット8,13の四者は、双方のパッドユニット3A,3B同士を連結する連結手段を形成している。
なお、各スタッドボルト7のおねじ部7bに対してナット13を締め込む際に、おねじ部7bの端面とナット13の端面とが面一になるまでナット13を締め込むことで各スタッドボルト7におけるナット13の締め込み量を均一化することができる。
ここで、図1,3に示す一方のパッドユニット3A側のベースプレート4には、例えば昇降路内の梁等の固定部材にアタッチメントを介して清掃装置1を固定するための長穴14が形成されているほか、パッドユニット3Aを把持する際の把手部となる角穴15が形成されている。同様に、図1,3に示す他方のパッドユニット3B側のベースプレート10についても把手部となる角穴16が形成されている。さらに、図1,3に示すように、双方のパッドユニット3A,3Bにおけるベースプレート4,10には、各パッド5が装着される部位のほぼ全長にわたって長尺な角穴状の開口部17が形成されている。
図7の(A)はパッド5単独での正面斜視図を、同図(B)は同じくパッド5単独での背面斜視図をそれぞれ示していて、さらに同図(C)は同図(A)のb方向矢視図を示している。さらに、図8は上記パッド5の分解斜視図を示している。
図7の(A)〜(C)に示すように、パッド5は、バックアップ部材としての剛性の高いホルダ18、例えば金属板を断面略チャンネル状に折り曲げて形成したホルダ18の凸側表面にそれよりも軟質の表皮材19を被せるようにして装着したものである。ホルダ18は、図7のほか図8に示すように、一般部18aとその上下の側壁部18bのほか、下側の側壁部18bからさらに延長形成した下側フランジ部18cを有していて、下側フランジ部18cには長手方向に沿っていわゆるだるま穴形状の複数の長穴20を形成してある。
その一方、各パッド5が装着されることになる双方のベースプレート4,10には、図1,2および図4,5に示すように、ベースプレート4,10から所定量だけ浮き上がっている頭部を有する複数のピン21が打ち込まれている。そして、各ベースプレート4,10にパッド5を装着するに際して、ホルダ18側の長穴20の大径部とピン21の頭部とを合致させるようにしてパッド5をベースプレート4,10に押し当てた上で、長穴20の小径部とピン21の軸部とが合致するようにパッド5を長手方向にスライドさせることで、パッド5が相手側となるベースプレート4,10に対して脱着可能に且つ堅固に固定されることになる。
上記各パッド5のホルダ18に対する表皮材19のより詳細な装着形態としては、図7のほか図8に示すように、ホルダ18の上下の側壁部18bにそれぞれ内側から複数のボルト22のおねじ部を突出させるとともに、そのおねじ部にカラー23を外挿した上でそのカラー23に対して表皮材19の端部に予め形成してある取付穴24を挿入する。そして、さらに表皮材19の端部に薄いプレート状のリテーナ25を重ねた上でボルト22のおねじ部にナット26を締め込むことで、ホルダ18の凸側表面にそれよりも軟質の表皮材19を被せるようにして脱着可能に固定される。
この場合において、カラー23を併用することにより、ボルト22のおねじ部に対するナット26の過剰な締め込みや締め込み不足を防止することができる。また、表皮材19としては、後述するように当該表皮材19に洗浄液として水または専用のクリーナー液あるいは仕上げ液を含浸させた湿式のものとして用いる場合には、例えば厚みが5mm程度の羊毛長尺フェルト材を使用する。その一方、上記湿式の表皮材19を有するパッド5との併用を前提としつつ、表皮材19を余剰洗浄液等の拭き取りに主眼をおいた乾式のものとして用いる場合には、上記フェルト材の表裏両面のそれぞれに例えば木綿とメリヤスとで二枚重ねにした布地を縫い合わせていわゆる裏打ちした複合構造の表皮材19を用いるものとする。
図7の(B)および図8に示すように、上記ホルダ18の一般部18aには長手方向に沿って複数の丸穴状の窓部27が開口形成されている。これらのそれぞれの窓部27の位置は図1に示す各フラットロープ2の位置と一致または対応していて、同時に、それぞれの窓部27の位置は図1,4に示す各ベースプレート4,10の開口部17の位置と一致または対応している。
次に、上記のように構成された清掃装置1の具体的な機能について説明する。
本実施の形態の清掃装置1は、エレベータのかごが昇降する昇降路内の梁等の固定部材、カウンタウエイト部、あるいは機械室等に設置される。
図9,10は一例としていずれもエレベータの概略構造を示していて、図9では、巻上機30側のトラクションシーブ31とかご32の下側のプーリ33およびカウンタウエイト334の上側のプーリ35との間に、図1に示した三本のフラットロープ2が巻き掛けられている。そして、フラットロープ2の清掃に際しては、巻上機30が据え付けられた梁部材等の固定部材36に対して、図1,2に示した清掃装置1がパッドユニット3A側のベースプレート4に形成された長穴14と図示外のアタッチメントとを介して固定されることになる。
また、図10では、巻上機37側のトラクションシーブ38と、かご39の上側のプーリ40およびカウンタウエイト41の上側のプーリ42に加えて、固定部材43側のプーリ44および昇降路最上部の梁等の固定部材45側の複数のプーリ46を備えていて、トラクションシーブ38と各プーリ42,44,46との間に、図1に示した三本のフラットロープ2が巻き掛けられている。
そして、フラットロープ2の清掃に際しては、図10に示すように2台の清掃装置1を用いるものとし、それぞれの清掃装置1は図10のように固定部材に固定することなく、かご39側のプーリ40の上部とカウンタウエイト41側のプーリ42の上部に、移動自由度を持たせた状態で配置するものとする。なお、上記清掃装置は図9,10に例示したような所定位置に常時設置されているものではなく、フラットロープ2の清掃作業時に一時的に設置されるものであって、清掃作業終了後には取り外されることになる。
図9,10に示したいずれの場合でも清掃装置1によって発揮される機能は共に同じである。
図1,2に示すように、上下三段にわたってパッド5が配置された双方のパッドユニット3A,3Bは、圧縮コイルスプリング13によって付与される押し付け力のもとで三本のフラットロープ2を挟み込んでいる。そして、フラットロープ2の清掃作業に際して、例えばかご32または39を通常運転時よりも低速にて走行させれば、それに応じて双方のパッドユニット3A,3Bの各パッド5とフラットロープ2の表裏両面とが相対摺動動作することになる。
この場合において、実際の清掃形態としては、フラットロープ2の表裏両面に所定の水分を与えながらそのフラットロープ2の表裏両面に付着している埃等を拭き取るものとする。そこで、本実施の形態では、各パッドユニット3A,3Bの上下三段のパッド5のうち真ん中のパッド5については湿式のものとし、残りの上下二つのパッド5は乾式のものとする。
湿式のパッド5については、図8に示す表皮材19として例えばフェルト材を用い、それにフラットロープ2に付与すべき洗浄液として水または専用のクリーナー液(液体クリーナー)を予め含浸させておくものとする。また、乾式のパッド5については、フラットロープ2に付与された余剰の洗浄液を拭き取ることに主眼をおき、図8に示す表皮材19として例えば上記フェルト材の表裏両面のそれぞれに木綿とメリヤスとで二枚重ねにした布地を縫い合わせて裏打ちした複合構造のものを用いるものとする。
したがって、図1,2に示した形態のもとに、かご32または39の低速走行に基づいて双方のパッドユニット3A,3Bの各パッド5とフラットロープ2の表裏両面とが相対摺動動作することにより、湿式のパッド5と乾式のパッド5とが同時並行的に併用されることになり、フラットロープ2の清掃効果が発揮される。そのため、フラットロープ2の表裏両面に洗浄液を付与しながら拭き取ることで、フラットロープ2の表裏両面に付着している埃等が綺麗に払拭除去されることになる。
ここで、上記清掃動作中において湿式のパッド5の表皮材19が保有している洗浄液が不足気味となることがある。その場合には、図1,8に示すように、各ベースプレート4,10に形成されている開口部17および湿式のパッド5のホルダ18に形成されている丸穴状の窓部27を通して、清掃作業を中断することなく例えば注液ガン等により湿式のパッド5の表皮材19に洗浄液を補給することができる。
また、必要に応じて、双方のパッドユニット3A,3B同士を連結している各スタッドボルト7に螺合しているナット13の締め込み加減を調節することで、フラットロープ2に対する各パッド5の押し付け力を調整することができる。
なお、図1,2の形態では、各パッドユニット3A,3Bの上下三段のパッド5のうち真ん中のパッド5については湿式のものとし、残りの上下二つのパッド5は乾式のものとしたが、湿式のパッド5の位置や数は任意に変更可能ある。例えば各パッドユニット3A,3Bの上下三段のパッド5のうち真ん中のパッド5については取り外し、上下いずれか一方のパッド5を湿式のものとし、他方のパッド5を乾式のものとしても良い。
ここで、上記洗浄液を用いたフラットロープ2の清掃は、一方でフラットロープ2のジャケット部に含まれているワックス成分までも除去してしまうことにも繋がりかねない。そこで、上記フラットロープ2の清掃作業の仕上げ工程として、表裏両面の拭き取り清掃を終えたばかりのフラットロープ2に対して、仕上げ液としてワックス成分を含有したコンディショナー液を塗布し、ワックス成分の再生を施すことが望ましい。このようなワックスの塗布にも本実施の形態の清掃装置1は対応可能である。
図11,12は、図1,2と比較すると明らかなように、ワックスの塗布を目的として清掃装置1のパッド5の配置を変えた場合の例を示している。なお、図14は図11に示した清掃装置1の正面図を、図15はその平面図をそれぞれ示している。
このワックス塗布仕様の清掃装置1では、図11,12および図13に示すように、一方のパッドユニット3Aについては、上下三段のパッド5のうち真ん中のパッド5のみを残してそれ以外のパッド5を取り外す。また、他方のパッドユニット3Bについては、逆に真ん中のパッド5を取り外して上下それぞれのパッド5を残すものとする。
こうすることにより、双方のパッドユニット3A,3Bのパッド5がいわゆる互い違いの関係となり、他方のパッドユニット3B側の上下のパッド5同士の間にもう一方のパッドユニット3A側のパッド5が位置するかたちとなる。そして、三つのパッド5のいずれについても湿式のものとして、それぞれのパッド5の表皮材19に予め仕上げ液としてワックス成分を含有したコンディショナー液を含浸させておくものとする。
図11,12に示したワックス塗布仕様の形態では、双方のパッドユニット3A,3Bのパッド5同士がフラットロープ2を挟んで互い違いの関係となって、図2のようにパッド5同士がフラットロープ2を挟んで正対しなくなるので、図11,12では双方のパッドユニット3A,3B同士の離間距離が図1,2に比べてわずかながら小さくなる。そこで、双方のパッドユニット3A,3B同士を複数のスタッドボルト7にて連結するにあたって、図6に示したスタッドボルト7のおねじ部7bに螺合されるナット13をガイド軸部7cとおねじ部7bとの間の段部7eに当接するまで締め込むものとする。こうすることにより、双方のパッドユニット3A,3B同士が図1,2に比べて接近したとしても、各スタッドボルト7に外挿されている圧縮コイルスプリング12の弾性力に基づく適度な押し付け力をもって各パッド5をフラットロープ2に押し付けることができる。
そして、図1,2の状態で、図9,10に示したかご32または39を低速走行させ、各フラットロープ2と各パッド5とを相対摺動動作させることで、コンディショナー液に含まれているワックスが各フラットロープ2の表裏両面に塗布される。これにより、各フラットロープ2のジャケット部でのワックス成分が再生されることになる。
この場合において、上記ワックス塗布仕様の動作中において湿式のパッド5の表皮材19が保有しているコンディショナー液が不足気味となることがある。その場合には、図11,12に示すように、各ベースプレート4,10に形成されている開口部17および湿式のパッド5のホルダ18に形成されている丸穴状の窓部27を通して、ワックス塗布作業を中断することなく例えば注液ガン等により湿式のパッド5の表皮材19にコンディショナー液を補給することができる。
ここで、図1,2に示した仕様のもとでのフラットロープ2の清掃作業に続いて、図11,12に示した仕様のもとでのワックス塗布作業を行う場合には、フラットロープ2からの清掃装置1そのもの脱着やパッド5等の脱着を行って、図1,2の仕様から図11,12の仕様へとその都度更することでも良いが、仕様変更に相応の時間を要することになる。そこで、このような場合には、図1,2の仕様の清掃装置一式と図11,12の仕様の清掃装置一式とを予め個別に容易しておき、清掃装置1全体の脱着交換をもって清掃作業仕様からワックス塗布作業仕様へと仕様変更することが効率的である。
もちろん、図1,2の仕様のままであっても、湿式のパッド5のみを残したり、あるいは全てのパッド5を湿式のものとすれば、上記ワックス塗布作業に対応するは可能である。
このように本実施の形態の清掃装置1によれば、当該清掃装置1をフラットロープ2に対して位置決めした上で両者を相対摺動動作させることにより、手作業に頼ることなくフラットロープ2の清掃を施すことができ、異音発生の原因となりやすい埃等を効率良く除去することができるから、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
さらに、各パッドユニット3A,3Bのベースプレート4,10に対して各パッド5が脱着可能になっているとともに、各パッド5のホルダ18に対しても表皮材19が脱着可能となっているので、必要に応じてパッド5の配置変更を行うことで、例えば清掃作業終了後のフラットロープに対してワックスを塗布することも可能となり、汎用性の面でも有利となるほか、表皮材19の汚れがひどくなった場合にはパッド5そのものあるいは表皮材19のみの交換も容易に行うことができる。
1…フラットロープ清掃装置
2…フラットロープ
3A,3B…パッドユニット
4…ベースプレート(基板)
5…パッド
7…スタッドボルト(連結手段)
8…ナット(連結手段)
12…弾性手段としての圧縮コイルスプリング(連結手段)
13…ナット(連結手段)
10…ベースプレート(基板)
17…開口部
18…ホルダ(バックアップ部材)
19…表皮材
27…窓部

Claims (10)

  1. 清掃対象となる平形のフラットロープをその表裏両面側から挟み込んた上で当該フラットロープと相対摺動動作することでそのフラットロープに清掃を施す装置であって、
    上記フラットロープを挟んで対向配置された一対の基板と、
    上記各基板のフラットロープ側の面に脱着可能に配置されたパッドと、
    上記一対の基板同士を脱着可能に且つ所定距離隔てて接近離間可能に連結しているとともに、各パッドをフラットロープに押し付ける方向に付勢している複数の連結手段と、
    を備えていて、
    上記各パッドは剛性の高いバックアップ部材の表面に軟質の表皮材を脱着交換可能に装着したものであることを特徴とするエレベータのフラットロープ清掃装置。
  2. 上記パッドは断面略チャンネル状のバックアップ部材の凸側表面に表皮材を脱着交換可能に装着したものであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  3. 上記各連結手段は、
    一方の基板に立設され他方の基板に挿通されたスタッドボルトと、
    上記スタッドボルトの挿通端部に螺合されたナット部材と、
    上記他方の基板とナット部材との間に介装された弾性手段と、
    から構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  4. 上記各基板のフラットロープ側の面に当該フラットロープの走行方向に沿って複数段にわたってパッドが配置されていて、
    一方の基板側のパッドと他方の基板側のパッドとがフラットロープをはさんで正対していることを特徴とする請求項3に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  5. 上記各基板における複数のパッドのうちいずれか一つのパッドの表皮材は洗浄液を含浸させた湿式のものであり、残りのパッドの表皮材は洗浄液拭き取り用の乾式のものであることを特徴とする請求項4に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  6. 一方の基板のフラットロープ側の面に当該フラットロープの走行方向に沿って一対のパッドが配置されているとともに、
    上記一方の基板側におけるパッド同士の配置間隔内に位置するように、他方の基板のフラットロープ側の面に単一のパッドが配置されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  7. 上記双方の基板におけるそれぞれのパッドの表皮材は保護液を含浸させた湿式のものであることを特徴とする請求項6に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  8. 上記湿式の表皮材を有するパッドは、フラットロープに押し付けられた状態でバックアップ部材の背面側から洗浄液または保護液の補給が可能となっていることを特徴とする請求項5または7に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  9. 上記パッドのバックアップ部材には表皮材への洗浄液または保護液の補給のための窓部が開口形成されているとともに、各基板のうち上記窓部に対応する位置には開口部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
  10. 複数のフラットロープが並設されているとともに、
    各パッドはこれらの複数のフラットロープをカバーし得るだけの長さを有していて、
    上記湿式の表皮材を有するパッドのバックアップ部材には個々のフラットロープに対応する位置に窓部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載のエレベータのフラットロープ清掃装置。
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