JP6433268B2 - 検査システムおよび検査方法 - Google Patents

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    • G01N2201/12Circuits of general importance; Signal processing

Description

本発明の実施形態は、検査システムおよび検査方法に関する。
従来、被検査体に光を照射し、当該被検査体の表面からの反射光を画像データとして撮像し、当該画像データの輝度変化等に基づいて、被検査体の異常を検出する技術が提案されている。
その際に被検査体に照射する光の強度を周期的に変化させ、撮像された画像データの輝度変化に基づいて、異常を検出する技術が提案されている。
特開2014−2125号公報
しかしながら、従来技術においては光の強度を変化させているが、撮像された画像データには光の強度を変化させた際の時間の遷移に関する情報が含まれていない。このため、撮影された画像データで被検査体の異常を検出する際に、検出精度が低くなる可能性がある。
実施形態の検査システムは、検査対象面からの反射光の強度信号と、検査対象面上に与えられる光の強度の時間の経過に応じた空間的な変化に基づく光の強度の時間変化に対応して周期的に変化する参照信号と、を乗算する撮像システムによって時間相関画像を生成する時間相関画像生成部と、検査対象面上で光を連続的な時間経過に応じて空間的に変化させることにより検査対象面に撮像システムの1露光時間内での光の強度の連続的かつ周期的な時間変化および空間変化を与える面的な照明部と、時間相関画像より、検査対象面の法線ベクトルの分布と対応した特徴であって、周囲との違いおよび参照表面との違いのうち少なくとも一方によって異常を検出する特徴を算出する、演算処理部と、を備えた。
図1は、第1の実施形態の検査システムの構成例を示した図である。 図2は、第1の実施形態の時間相関カメラの構成を示したブロック図である。 図3は、第1の実施形態の時間相関カメラで時系列順に蓄積されたフレームを表した概念図である。 図4は、第1の実施形態の照明装置が照射する縞パターンの一例を示した図である。 図5は、第1の実施形態の時間相関カメラによる、被検査体の異常の第1の検出例を示した図である。 図6は、図5に示される異常が被検査体にある場合に、当該異常に応じて変化する、光の振幅の例を表した図である。 図7は、第1の実施形態の時間相関カメラによる、被検査体の異常の第2の検出例を示した図である。 図8は、第1の実施形態の時間相関カメラによる、被検査体の異常の第3の検出例を示した図である。 図9は、第1の実施形態の照明制御部が照明装置に出力する縞パターンの例を示した図である。 図10は、第1の実施形態のスクリーンを介した後の縞パターンを表した波の形状の例を示した図である。 図11は、第1の実施形態の異常検出処理部における振幅に基づく異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 図12は、第1の実施形態の異常検出処理部における、位相に基づく異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 図13は、第1の実施形態の異常検出処理部における振幅および強度に基づく異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 図14は、第1の実施形態の検査システムにおける被検査体の検査処理の手順を示すフローチャートである。 図15は、変形例2の照明制御部が出力する縞パターンの切り替え例を示した図である。 図16は、変形例2の照明制御部が、異常(欠陥)を含めた表面に縞パターンを照射した例を示した図である。 図17は、y方向に縞パターンを変化させた場合における、異常(欠陥)とスクリーン上の縞パターンの関係を示した図である。 図18は、変形例3の照明制御部が照明装置に出力する縞パターンの例を示した図である。 図19は、第2の実施形態の照明制御部が照明装置に出力する縞パターンの例を示した図である。 図20は、第2の実施形態の検査システムにおけるイメージセンサと、スクリーンと、被検査体の表面形状と、の対応関係を示した図である。 図21は、第2の実施形態の検査システムの検査対象である、二階微分fxx<0の場合の被検査体の表面形状の例を示した図である。 図22は、第2の実施形態の検査システムの検査対象である、fxx>0の場合の被検査体の表面形状の例を示した図である。 図23は、縞パターンにおける縞幅を種々に変化させた場合の、g/pを示すグラフである。 図24は、第2の実施形態の検査システムが用いる、振幅比対応テーブルの例を示した図である。 図25は、第3の実施形態の検査システムによる、被検査体の表面形状に合わせた縞パターンを、スクリーンから照射した例を示した図である。 図26は、第3の実施形態の検査システムにおける被検査体の検査処理の手順を示すフローチャートである。 図27は、第3の実施形態の照明装置がスクリーンに表示する縞パターンの例を示した図である。 図28は、図27の縞パターンを生成するための被検査体またはスクリーンの表面での初期の位相分布(空間位相分布)を明暗(濃淡)で表した例を示した図である。 図29は、球面状の被検査体上に投影された縞パターンであって、図25で示したように、時間相関カメラからの視線では移動する平行な縞となる縞パターンの例を示した図である。 図30は、第5の実施形態において位相限定ラプラシアンを用いた処理が実行される前の位相画像データの例を示した図である。 図31は、図30における位相の変化の例を示した概略図である。 図32は、第5の実施形態の検査システムで用いられる位相限定ラプラシアンに対応するラプラシアンフィルタの例を示した図である。 図33は、第5の実施形態において位相限定ラプラシアンを用いた処理が実行された後の位相画像データの例を示した図である。 図34は、ラプラシアンフィルタの他の例を示した図である。 図35は、ラプラシアンフィルタの他の例を示した図である。 図36は、ラプラシアンフィルタの他の例を示した図である。
(第1の実施形態)
本実施形態の検査システムについて説明する。第1の実施形態の検査システムは、被検査体を検査するために様々な構成を備えている。図1は、本実施形態の検査システムの構成例を示した図である。図1に示されるように、本実施形態の検査システムは、PC100と、時間相関カメラ110と、照明装置120と、スクリーン130と、アーム140と、を備えている。
アーム140は、被検査体150を固定するために用いられ、PC100からの制御に応じて、時間相関カメラ110が撮影可能な被検査体150の表面の位置と向きを変化させる。
照明装置120は、被検査体150に光を照射する装置であって、PC100からの縞パターンに従って、照射する光の強度を領域単位で制御できる。さらに、照明装置120は、周期的な時間の遷移に従って当該領域単位の光の強度を制御できる。換言すれば、照明装置120は、光の強度の周期的な時間変化及び空間変化を与えることができる。なお、具体的な光の強度の制御手法については後述する。
スクリーン130は、照明装置120から出力された光を拡散させた上で、被検査体150に対して面的に光を照射する。本実施形態のスクリーン130は、照明装置120から入力された周期的な時間変化及び空間変化が与えられた光を、面的に被検査体150に照射する。なお、照明装置120とスクリーン130との間には、集光用のフレネルレンズ等の光学系部品(図示されず)が設けられてもよい。
なお、本実施形態は、照明装置120とスクリーン130とを組み合わせて、光強度の周期的な時間変化及び空間変化を与える面的な照射部を構成する例について説明するが、このような組み合わせに制限するものではなく、例えば、LEDを面的に配置して照明部を構成してもよい。
時間相関カメラ110は、光学系210と、イメージセンサ220と、データバッファ230と、制御部240と、参照信号出力部250と、を備えている。図2は、本実施形態の時間相関カメラ110の構成を示したブロック図である。
光学系210は、撮影レンズ等を含み、時間相関カメラ110の外部の被写体(被検査体を含む)からの光束を透過し、その光束により形成される被写体の光学像を結像させる。
イメージセンサ220は、光学系210を介して入射された光の強弱を光強度信号として画素毎に高速に出力可能なセンサとする。
本実施形態の光強度信号は、検査システムの照明装置120が被写体(被検査体を含む)に対して光を照射し、当該被写体からの反射光を、イメージセンサ220が受け取ったものである。
イメージセンサ220は、例えば従来のものと比べて高速に読み出し可能なセンサであり、行方向(x方向)、列方向(y方向)の2種類の方向に画素が配列された2次元平面状に構成されたものとする。そして、イメージセンサ220の各画素を、画素P(1,1),……,P(i,j),……,P(X,Y)とする(なお、本実施形態の画像サイズをX×Yとする。)。なお、イメージセンサ220の読み出し速度を制限するものではなく、従来と同様であってもよい。
イメージセンサ220は、光学系210によって透過された、被写体(被検査体を含む)からの光束を受光して光電変換することで、被写体から反射された光の強弱を示した光強度信号(撮影信号)で構成される、2次元平面状のフレームを生成し、制御部240に出力する。本実施形態のイメージセンサ220は、読み出し可能な単位時間毎に、当該フレームを出力する。
本実施形態の制御部240は、例えばCPU、ROM、及びRAM等で構成され、ROMに格納された検査プログラムを実行することで、転送部241と、読出部242と、強度画像用重畳部243と、第1の乗算器244と、第1の相関画像用重畳部245と、第2の乗算器246と、第2の相関画像用重畳部247と、画像出力部248と、を実現する。なお、CPU等で実現することに制限するものではなく、FPGA、またはASICで実現してもよい。
転送部241は、イメージセンサ220から出力された、光強度信号で構成されたフレームを、データバッファ230に、時系列順に蓄積する。
データバッファ230は、イメージセンサ220から出力された、光強度信号で構成されたフレームを、時系列順に蓄積する。
図3は、本実施形態の時間相関カメラ110で時系列順に蓄積されたフレームを表した概念図である。図3に示されるように、本実施形態のデータバッファ230には、時刻t(t=t0,t1,t2,……,tn)毎の複数の光強度信号G(1,1,t),……,G(i,j,t),……,G(X,Y,t)の組み合わせで構成された複数のフレームFk(k=1,2,……,n)が、時系列順に蓄積される。なお、時刻tで作成される一枚のフレームは、光強度信号G(1,1,t),……,G(i,j,t),……,G(X,Y,t)で構成される。
本実施形態の光強度信号(撮像信号)G(1,1,t),……,G(i,j,t),……,G(X,Y,t)には、フレーム画像Fk(k=1,2,……,n)を構成する各画素P(1,1),……,P(i,j),……,P(X,Y)が対応づけられている。
イメージセンサ220から出力されるフレームは、光強度信号のみで構成されており、換言すればモノクロの画像データとも考えることができる。なお、本実施形態は、解像度、感度、及びコスト等を考慮して、イメージセンサ220がモノクロの画像データを生成する例について説明するが、イメージセンサ220としてモノクロ用のイメージセンサに制限するものではなく、カラー用のイメージセンサを用いてもよい。
図2に戻り、本実施形態の読出部242は、データバッファ230から、光強度信号G(1,1,t),……,G(i,j,t),……,G(X,Y,t)をフレーム単位で、時系列順に読み出して、第1の乗算器244と、第2の乗算器246と、強度画像用重畳部243と、に出力する。
本実施形態の時間相関カメラ110は、読出部242の出力先毎に画像データを生成する。換言すれば、時間相間カメラ110は、3種類の画像データを作成する。
本実施形態の時間相関カメラ110は、3種類の画像データとして、強度画像データと、2種類の時間相関画像データと、を生成する。なお、本実施形態は、3種類の画像データを生成することに制限するものではなく、強度画像データを生成しない場合や、1種類又は3種類以上の時間相関画像データを生成する場合も考えられる。
本実施形態のイメージセンサ220は、上述したように単位時間毎に、光強度信号で構成されたフレームを出力している。しかしながら、通常の画像データを生成するためには、撮影に必要な露光時間分の光強度信号が必要になる。そこで、本実施形態では、強度画像用重畳部243が、撮影に必要な露光時間分の複数のフレームを重畳して、強度画像データを生成する。なお、強度画像データの各画素値(光の強度を表す値)G(x,y)は、以下に示す式(1)から導き出すことができる。なお、露光時間は、t0とtnの時間差とする。
これにより、従来のカメラの撮影と同様に、被写体(被検査体を含む)が撮影された強度画像データが生成される。そして、強度画像用重畳部243は、生成した強度画像データを、画像出力部248に出力する。
時間相関画像データは、時間遷移に応じた光の強弱の変化を示す画像データである。つまり、本実施形態では、時系列順のフレーム毎に、当該フレームに含まれる光強度信号に対して、時間遷移を示した参照信号を乗算し、参照信号と光強度信号と乗算結果である時間相関値で構成された、時間相関値フレームを生成し、複数の時間相関値フレームを重畳することで、時間相関画像データを生成する。
ところで、時間相関画像データを用いて、被検査体の異常を検出するためには、イメージセンサ220に入力される光強度信号を、参照信号に同期させて変化させる必要がある。このために、照明装置120が、上述したように、スクリーン130を介して周期的に時間変化および縞の空間的な移動を与えるような、面的な光の照射を行うこととした。
本実施形態では、2種類の時間相関画像データを生成する。参照信号は、時間遷移を表した信号であればよいが、本実施形態では、複素正弦波e-jωtを用いる。なお、角周波数ω、時刻tとする。参照信号を表す複素正弦波e-jωtが、上述した露光時間(換言すれば強度画像データ、時間相関画像を生成するために必要な時間)の一周期と相関をとるように、角周波数ωが設定されるものとする。換言すれば、照明装置120およびスクリーン130等の照明部によって形成された面的かつ動的な光は、被検査体150の表面(反射面)の各位置で第一の周期(時間周期)での時間的な照射強度の変化を与えるとともに、表面に沿った少なくとも一方向に沿った第二の周期(空間周期)での空間的な照射強度の増減分布を与える。この面的な光は、表面で反射される際に、当該表面のスペック(法線ベクトルの分布等)に応じて複素変調される。時間相関カメラ110は、表面で複素変調された光を受光し、第一の周期の参照信号を用いて直交検波(直交復調)することにより、複素信号としての時間相関画像データを得る。このような複素時間相関画像データに基づく変復調により、表面の法線ベクトルの分布に対応した特徴を検出することができる。
複素正弦波e-jωtは、e-jωt=cos(ωt)−j・sin(ωt)と表すこともできる。従って、時間相関画像データの各画素値C(x,y)は、以下に示す式(2)から導き出すことができる。
本実施形態では、式(2)において、実数部を表す画素値C1(x,y)と、虚数部を表す画素値C2(x,y)と、に分けて2種類の時間相関画像データを生成する。
このため、参照信号出力部250は、第1の乗算器244と、第2の乗算器246と、に対してそれぞれ異なる参照信号を生成し、出力する。本実施形態の参照信号出力部250は、複素正弦波e-jωtの実数部に対応する第1の参照信号cosωtを第1の乗算器244に出力し、複素正弦波e-jωtの虚数部に対応する第2の参照信号sinωtを第2の乗算器246に出力する。このように本実施形態の参照信号出力部250は、互いにヒルベルト変換対をなす正弦波および余弦波の時間関数として表される2種類の参照信号を出力する例について説明するが、参照信号は時間関数のような時間遷移に応じて変化する参照信号であればよい。
そして、第1の乗算器244は、読出部242から入力されたフレーム単位で、当該フレームの光強度信号毎に、参照信号出力部250から入力された複素正弦波e-jωtの実数部cosωtを乗算する。
第1の相関画像用重畳部245は、撮影に必要な露光時間分の複数のフレームについて、第1の乗算器244の乗算結果を画素毎に重畳する処理を行う。これにより、第1の時間相関画像データの各画素値C1(x,y)が、以下の式(3)から導出される。
そして、第2の乗算器246は、読出部242から入力されたフレームの光強度信号に対して、参照信号出力部250から入力された複素正弦波e-jωtの虚数部sinωtを乗算する。
第2の相関画像用重畳部247は、撮影に必要な露光時間分の複数のフレームについて、第2の乗算器246の乗算結果を画素毎に重畳する処理を行う。これにより、第2の時間相関画像データの各画素値C2(x、y)が、以下の式(4)から導出される。
上述した処理を行うことで、2種類の時間相関画像データ、換言すれば2自由度を有する時間相関画像データを生成できる。
また、本実施形態は、参照信号の種類を制限するものでない。例えば、本実施形態では、複素正弦波e-jωtの実部と虚部の2種類の時間相関画像データを作成するが、光の振幅と、光の位相と、による2種類の画像データを生成してもよい。
なお、本実施形態の時間相関カメラ110は、時間相関画像データとして、複数系統分作成可能とする。これにより、例えば複数種類の幅の縞が組み合わされた光が照射された際に、上述した実部と虚部とによる2種類の時間相関画像データを、縞の幅毎に作成可能とする。このために、時間相関カメラ110は、2個の乗算器と2個の相関画像用重畳部とからなる組み合わせを、複数系統分備えるとともに、参照信号出力部250は、系統毎に適した角周波数ωによる参照信号を出力可能とする。
そして、画像出力部248が、2種類の時間相関画像データと、強度画像データと、をPC100に出力する。これにより、PC100が、2種類の時間相関画像データと、強度画像データと、を用いて、被検査体の異常を検出する。そのためには、被写体に対して光を照射する必要がある。
本実施形態の照明装置120は、高速に移動する縞パターンを照射する。図4は、本実施形態の照明装置120が照射する縞パターンの一例を示した図である。図4に示す例では、縞パターンをx方向にスクロール(移動)させている例とする。白い領域が縞に対応した明領域、黒い領域が縞と縞との間に対応した間隔領域(暗領域)である。
本実施形態では、時間相関カメラ110が強度画像データ及び時間相関画像データを撮影する露光時間で、照明装置120が照射する縞パターンが一周期分移動させる。これにより、照明装置120は、光の強度の縞パターンの空間的な移動により光の強度の周期的な時間変化を与える。本実施形態では、図4の縞パターンが一周期分移動する時間を、露光時間と対応させることで、時間相関画像データの各画素には、少なくとも、縞パターン一周期分の光の強度信号に関する情報が埋め込まれる。
図4に示されるように、本実施形態では、照明装置120が矩形波に基づく縞パターンを照射する例について説明するが、矩形波以外を用いてもよい。本実施形態では、照明装置120がスクリーン130を介して照射されることで、矩形波の明暗の境界領域をぼかすことができる。
本実施形態では、照明装置120が照射する縞パターンをA(1+cos(ωt+kx))と表す。すなわち、縞パターンには、複数の縞が反復的に(周期的に)含まれる。なお、被検査体に照射される光の強度は0〜2Aの間で調整可能とし、光の位相kxとする。kは、縞の波数である。xは、位相が変化する方向である。
そして、フレームの各画素の光強度信号f(x,y,t)の基本周波数成分は、以下の式(5)として表すことができる。式(5)で示されるように、x方向で縞の明暗が変化する。
f(x,y,t)=A(1+cos(ωt+kx))
=A+A/2{ej(ωt+kx)+e-j(ωt+kx)}……(5)
式(5)で示されるように、照明装置120が照射する縞パターンの強度信号は、複素数として考えることができる。
そして、イメージセンサ220には、当該照明装置120からの光が被写体(被検査体を含む)から反射して入力される。
したがって、イメージセンサ220に入力される光強度信号G(x,y,t)を、照明装置120が照射された際のフレームの各画素の光強度信号f(x,y,t)とできる。そこで、強度画像データを導出するための式(1)に式(5)を代入すると、式(6)を導出できる。なお、位相kxとする。
式(6)から、強度画像データの各画素には、露光時間Tに、照明装置120が出力している光の強度の中間値Aを乗じた値が入力されていることが確認できる。さらに、時間相関画像データを導出するための式(2)に式(5)を代入すると、式(7)を導出できる。なお、AT/2を振幅とし、kxを位相とする。
これにより、式(7)で示された複素数で示された時間相関画像データは、上述した2種類の時間相関画像データと置き換えることができる。つまり、上述した実部と虚部とで構成される時間相関画像データには、検査体に照射された光強度変化における位相変化と振幅変化とが含まれている。換言すれば、本実施形態のPC100は、2種類の時間相関画像データに基づいて、照明装置120から照射された光の位相変化と、光の振幅変化と、を検出できる。そこで、本実施形態のPC100が、時間相関画像データ及び強度画像データに基づいて、画素毎に入る光の振幅を表した振幅画像データと、画素毎に入る光の位相変化を表した位相画像データと、を生成する。
さらに、PC100は、生成した振幅画像データと位相画像データとに基づいて、被検査体の異常を検出する。
ところで、被検査体の表面形状に凹凸に基づく異常が生じている場合、被検査体の表面の法線ベクトルの分布には異常に対応した変化が生じている。また、被検査体の表面に光を吸収するような異常が生じている場合、反射した光の強度に変化が生じる。法線ベクトルの分布の変化は、光の位相変化及び振幅変化のうち少なくともいずれか一つとして検出される。そこで、本実施形態では、時間相関画像データ及び強度画像データを用いて、法線ベクトルの分布の変化に対応した、光の位相変化及び振幅変化のうち少なくともいずれか一つを検出する。これにより、表面形状の異常を検出可能となる。次に、被検査体の異常、法線ベクトル、及び光の位相変化又は振幅変化の関係について説明する。
図5は、第1の実施形態の時間相関カメラ110による、被検査体の異常の第1の検出例を示した図である。図5に示される例では、被検査体500に突形状の異常501がある状況とする。当該状況においては、異常501の点502の近傍領域においては、法線ベクトル521、522、523が異なる方向を向いていることを確認できる。そして、当該法線ベクトル521、522、523が異なる方向を向いていることで、異常501から反射した光に拡散(例えば、光511、512、513)が生じ、時間相関カメラ110のイメージセンサ220の任意の画素531に入る縞パターンの幅503が広くなる。
図6は、図5に示される異常501が被検査体500にある場合に、当該異常に応じて変化する、光の振幅の例を表した図である。図6に示される例では、光の振幅を実部(Re)と、虚部(Im)に分けて2次元平面上に表している。図6では、図5の光511、512、513に対応する光の振幅611、612、613として示している。そして、光の振幅611、612、613は互いに打ち消し合い、イメージセンサ220の当該任意の画素531には、振幅621の光が入射する。
したがって、図6に示される状況で、検査体500の異常501が撮像された領域で振幅が小さいことが確認できる。換言すれば、振幅変化を示した振幅画像データで、周囲と比べて暗くなっている領域がある場合に、当該領域で光同士の振幅の打ち消し合いが生じていると推測できるため、当該領域に対応する被検査体500の位置で異常501が生じていると判断できる。
本実施形態の検査システムは、図5の異常501のように傾きが急峻に変化しているものに限らず、緩やかに変化する異常も検出できる。図7は、第1の実施形態の時間相関カメラ110による、被検査体の異常の第2の検出例を示した図である。図7に示される例では、正常な場合は被検査体の表面が平面(換言すれば法線が平行)となるが、被検査体700に緩やかな勾配701が生じた状況とする。このような状況においては、勾配701上の法線ベクトル721、722、723も同様に緩やかに変化する。したがって、イメージセンサ220に入力する光711、712、713も少しずつずれていく。図7に示される例では、緩やかな勾配701のために光の振幅の打ち消し合いは生じないため、図5、図6で表したような光の振幅はほとんど変化しない。しかしながら、本来スクリーン130から投影された光が、そのままイメージセンサに平行に入るはずが、緩やかな勾配701のために、スクリーン130から投影された光が平行の状態でイメージセンサに入らないために、光に位相変化が生じる。従って、光の位相変化について、周囲等との違いを検出することで、図7に示したような緩やかな勾配701による異常を検出できる。
また、被検査体の表面形状(換言すれば、被検査体の法線ベクトルの分布)以外にも異常が生じる場合がある。図8は、第1の実施形態の時間相関カメラ110による、被検査体の異常の第3の検出例を示した図である。図8に示される例では、被検査体800に汚れ801が付着しているため、照明装置120から照射された光が吸収あるいは拡散反射し、時間相関カメラ110の、汚れ801を撮影している任意の画素領域では光がほとんど強度変化しない例を表している。換言すれば、汚れ801を撮影している任意の画素領域では、光強度は位相打ち消しを起こし振動成分がキャンセルされ、ほとんど直流的な明るさになる例を示している。
このような場合、汚れ801を撮影している画素領域においては、光の振幅がほとんどないため、振幅画像データを表示した際に、周囲と比べて暗くなる領域が生じる。したがって、当該領域に対応する被検査体800の位置に、汚れ等の異常801があることを推定できる。
このように、本実施形態では、時間相関画像データに基づいて、光の振幅の変化と、光の位相の変化と、を検出することで、被検査体に異常があることを推定できる。
図1に戻り、PC100について説明する。PC100は、検出システム全体の制御を行う。PC100は、アーム制御部101と、照明制御部102と、制御部103と、を備える。
アーム制御部101は、被検査体150の時間相関カメラ110による撮像対象となる表面を変更するために、アーム140を制御する。本実施形態では、PC100において、被検査体の撮影対象となる表面を複数設定しておく。そして、時間相関カメラ110が被検査体150の撮影が終了する毎に、アーム制御部101が、当該設定に従って、時間相関カメラ110が設定された表面を撮影できるように、アーム140が被検査体150を移動させる。なお、本実施形態は撮影が終了する毎にアームを移動させ、撮影が開始する前に停止させることを繰り返すことに制限するものではなく、継続的にアーム140を駆動させてもよい。なお、アーム140は、搬送部、移動部、位置変更部、姿勢変更部等とも称されうる。
照明制御部102は、被検査体150を検査するために照明装置120が照射する縞パターンを出力する。本実施形態の照明制御部102は、少なくとも3枚以上の縞パターンを、照明装置120に受け渡し、当該縞パターンを露光時間中に切り替えて表示するように照明装置120に指示する。
図9は、照明制御部102が照明装置120に出力する縞パターンの例を示した図である。図9(B)に示す矩形波に従って、図9(A)に示す黒領域と白領域とが設定された縞パターンが出力されるように、照明制御部102が制御を行う。
本実施形態で照射する縞パターン毎の縞の間隔は、検出対象となる異常(欠陥)の大きさに応じて設定されるものとしてここでは詳しい説明を省略する。
また、縞パターンを出力するための矩形波の角周波数ωは、参照信号の角周波数ωと同じ値とする。
図9に示されるように、照明制御部102が出力する縞パターンは、矩形波として示すことができるが、スクリーン130を介することで、縞パターンの境界領域をぼかす、すなわち、縞パターンにおける明領域(縞の領域)と暗領域(間隔の領域)との境界での光の強度変化を緩やかにする(鈍らせる)ことで、正弦波に近似させることができる。図10は、スクリーン130を介した後の縞パターンを表した波の形状の例を示した図である。図10に示されるように波の形状が、正弦波に近づくことで、計測精度を向上させることができる。また、縞に明度が多段階に変化するグレー領域を追加したり、グラデーションを与えたりしてもよい。また、カラーの縞を含む縞パターンを用いてもよい。
図1に戻り、制御部103は、振幅−位相画像生成部104と、異常検出処理部105と、を備え、時間相関カメラ110から入力された強度画像データと、時間相関画像データと、により、被検査体150の検査対象面の法線ベクトルの分布と対応した特徴であって、周囲との違いによって異常を検出する特徴を算出するための処理を行う。なお、本実施形態は、検査を行うために、複素数で示した時間相関画像データ(複素時間相関画像データと称す)の代わりに、複素数相関画像データの実部と虚部とで分けた2種類の時間相関画像データを、時間相関カメラ110から受け取る。
振幅−位相画像生成部104は、時間相関カメラ110から入力された強度画像データと、時間相関画像データと、に基づいて、振幅画像データと、位相画像データと、を生成する。
振幅画像データは、画素毎に入る光の振幅を表した画像データとする。位相画像データは、画素毎に入る光の位相を表した画像データとする。
本実施形態は振幅画像データの算出手法を制限するものではないが、例えば、振幅−位相画像生成部104は、2種類の時間相関画像データの画素値C1(x,y)及びC2(x,y)から、式(8)を用いて、振幅画像データの各画素値F(x,y)を導き出せる。
そして、本実施形態では、振幅画像データの画素値(振幅)と、強度画像データの画素値と、に基づいて、異常が生じている領域があるか否かを判定できる。例えば、強度画像データの画素値(AT)を2で除算した値と、振幅画像データの振幅(打ち消し合いが生じない場合にはAT/2となる)と、がある程度一致する領域は異常が生じていないと推測できる。一方、一致していない領域については、振幅の打ち消しが生じていると推測できる。なお、具体的な手法については後述する。
同様に、振幅−位相画像生成部104は、画素値C1(x,y)及びC2(x,y)から、式(9)を用いて、位相画像データの各画素値P(x,y)を導き出せる。
異常検出処理部105は、振幅−位相画像生成部104により生成された振幅画像データ、及び位相画像データにより、検査対称面の法線ベクトルの分布と対応した特徴であって、周囲との違いによって、被検査体150の異常に関連する特徴を検出する。本実施形態では、法線ベクトルの分布に対応した特徴として、複素時間相関画像の振幅の分布を用いた例について説明する。なお、複素時間相関画像の振幅の分布とは、複素時間相関画像の各画素の振幅の分布を示したデータであり、振幅画像データに相当する。
次に、本実施形態の異常検出処理部105における振幅に基づく異常検出処理について説明する。図11は、本実施形態の異常検出処理部105における当該処理の手順を示すフローチャートである。
まず、異常検出処理部105は、振幅画像データの各画素に格納された、光の振幅値(を表した画素値)から、当該画素を基準(例えば中心)として、N×N領域の平均振幅値を減算し(ステップS1101)、振幅の平均差分画像データを生成する。振幅の平均差分画像データは、振幅の勾配に対応する。なお、整数Nは実施の態様に応じて適切な値が設定されるものとする。
次に、異常検出処理部105は、減算により生成された振幅の平均差分画像データに対して、予め定められた振幅の閾値を用いたマスク処理を行う(ステップS1102)。
さらに、異常検出処理部105は、平均差分画像データのマスク領域内について画素毎に標準偏差を算出する(ステップS1103)。なお、本実施形態では、標準偏差に基づいた手法について説明するが、標準偏差を用いた場合に制限するものではなく、例えば平均値等を用いてもよい。
そして、異常検出処理部105は、平均を引いた振幅画素値が−4.5δ(δ:標準偏差)より小さい値の画素を、異常(欠陥)がある領域として検出する(ステップS1104)。
上述した処理手順により、各画素の振幅値(換言すれば、振幅の分布)から、被検査体の異常を検出できる。しかしながら、本実施形態は、複素時間相関画像の振幅の分布から異常を検出することに制限するものではない。検査対称面の法線ベクトルの分布と対応した特徴として、位相の分布の勾配を用いてもよい。そこで、次に位相の分布の勾配を用いた例について説明する。
次に、本実施形態の異常検出処理部105における位相に基づく異常検出処理について説明する。図12は、本実施形態の異常検出処理部105における当該処理の手順を示すフローチャートである。
まず、異常検出処理部105は、位相画像データの画素毎の光の位相値(を表した画素値)から、当該画素を基準(例えば中心)として、N×N領域の平均位相値を減算し(ステップS1201)、位相の平均差分画像データを生成する。位相の平均差分画像データは、位相の勾配に対応する。
次に、異常検出処理部105は、減算により生成された位相の平均差分画像データの大きさ(絶対値)と、閾値とを比較し、平均差分画像データの大きさが閾値以上となる画素を、異常(欠陥)のある画素として検出する(ステップS1202)。
このS1202の検出結果により、異常検出処理部105は、平均差分画像データの正負、すなわち、画素の位相値と平均位相値との大小関係によって、凹凸を判別することができる(ステップS1203)。画素の位相値と平均位相値とのどちらが大きい場合に凸となるかは、各部の設定によって変化するが、大小関係が異なると、凹凸が異なる。
なお、他の手法によって得られた位相の分布の勾配から、異常を検出することができる。例えば、異常検出処理部105は、別の手法として、正規化された時間相関画像データのN×Nの領域の平均ベクトルと、正規化された各画素のベクトルとの差の大きさが、閾値よりも大きい場合に、異常(欠陥)がある画素として検出することができる。また、位相の分布の勾配に限られず、位相の分布に対応する情報に基づいて被検査体の異常を検出すればよい。
次に、本実施形態の異常検出処理部105における振幅および強度に基づく異常検出処理について説明する。図13は、本実施形態の異常検出処理部105における当該処理の手順を示すフローチャートである。
まず、異常検出処理部105は、時間相関画像データと強度画像データとから、各画素について、次の式(100)を用いて、振幅(を表す画素値)C(x,y)(式(7)参照)と強度(を表す画素値)G(x,y)(式(6)参照)との比R(x,y)を算出する(ステップS1301)。
R(x,y)=C(x,y)/G(x,y)……(100)
次に、異常検出処理部105は、比R(x,y)と閾値とを比較し、比R(x,y)の値が対応する閾値以下となる画素を、異常(欠陥)のある画素として検出する(ステップS1302)。また、異常検出処理部105は、比R(x,y)と閾値とを比較し、比R(x,y)の値が対応する別の閾値以上となる画素を、ムラ(汚れ等)のある画素として検出する(ステップS1303)。法線ベクトルの分布の異常により、振幅の打ち消し合い(減殺)が顕著となった場合には、強度に比べて振幅がより大きく下がる。一方、法線ベクトルの分布にはそれほどの異常は無いものの被検査体150の表面の汚れ等によって光の吸収が顕著となった場合には、振幅に比べて強度がより大きく下がる。よって、異常検出処理部105は、ステップS1302およびステップS1303による異常種別の検出が可能となる。
次に、本実施形態の検査システムにおける被検査体の検査処理について説明する。図14は、本実施形態の検査システムにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。なお、被検査体150は、すでにアーム140に固定された状態で、検査の初期位置に配置されているものとする。
本実施形態のPC100が、照明装置120に対して、被検査体を検査するための縞パターンを出力する(ステップS1401)。
照明装置120は、PC100から入力された縞パターンを格納する(ステップS1421)。そして、照明装置120は、格納された縞パターンを、時間遷移に従って変化するように表示する(ステップS1422)。なお、照明装置120が表示を開始する条件は、縞パターンが格納された際に制限するものではなく、例えば検査者が照明装置120に対して開始操作を行った際でもよい。
そして、PC100の制御部103が、時間相関カメラ110に対して、撮影の開始指示を送信する(ステップS1402)。
次に、時間相関カメラ110が、送信されてきた撮影指示に従って、被検査体150を含む領域について撮像を開始する(ステップS1411)。次に、時間相関カメラ110の制御部240が、強度画像データと、時間相関画像データと、を生成する(ステップS1412)。そして、時間相関カメラ110の制御部240が、強度画像データと、時間相関画像データと、を、PC100に出力する(ステップS1413)。
PC100の制御部103は、強度画像データと、時間相関画像データと、を受け取る(ステップS1403)。そして、振幅−位相画像生成部104は、受け取った強度画像データと時間相関画像データとから、振幅画像データと、位相画像データとを生成する(ステップS1404)。
そして、異常検出処理部105が、振幅画像データと、位相画像データとに基づいて、被検査体の異常検出制御を行う(ステップS1405)。そして、異常検出処理部105は、異常検出結果を、PC100が備える(図示しない)表示装置に出力する(ステップS1406)。
異常検出結果の出力例としては、強度画像データを表示するとともに、振幅画像データと位相画像データとに基づいて異常が検出された領域に対応する、強度画像データの領域を、検査者が異常を認識できるように装飾表示するなどが考えられる。また、視覚に基づく出力に制限するものではなく、音声等で異常が検出されたことを出力してもよい。
制御部103は、当該被検査体の検査が終了したか否かを判定する(ステップS1407)。検査が終了していないと判定した場合(ステップS1407:No)、アーム制御部101が、予め定められた設定に従って、次の検査対象となる被検査体の表面が、時間相関カメラ110で撮影できるように、アームの移動制御を行う(ステップS1408)。アームの移動制御が終了した後、制御部103が、再び時間相関カメラ110に対して、撮影の開始指示を送信する(ステップS1402)。
一方、制御部103は、当該被検査体の検査が終了したと判定した場合(ステップS1407:Yes)、終了指示を時間相関カメラ110に対して出力し(ステップS1409)、処理を終了する。
そして、時間相関カメラ110は、終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1414)。終了指示を受け付けていない場合(ステップS1414:No)、再びステップS1411から処理を行う。一方、終了指示を受け付けた場合(ステップS1414:Yes)、処理を終了する。
なお、照明装置120の終了処理は、検査者が行ってもよいし、他の構成からの指示に従って終了してもよい。
また、本実施形態では、時間相関カメラ110を用いて生成された強度画像データと、時間相関画像データと、を生成する例について説明した。しかしながら、強度画像データと、時間相関画像データと、を生成するために時間相関カメラ110を用いることに制限するものではなく、アナログ的な処理で実現可能な時間相関カメラや、それと等価な動作をする撮像システムを用いてもよい。例えば、通常のデジタルスチルカメラが生成した画像データを出力し、情報処理装置が、デジタルスチルカメラが生成した画像データを、フレーム画像データとして用いて参照信号を重畳することで、時間相関画像データを生成してもよいし、イメージセンサ内で光強度信号に参照信号を重畳するようなデジタルカメラを用いて、時間相関画像データを生成してもよい。
(変形例1)
本実施形態では、周囲との違いに基づいて、異常に関連する特徴を検出する例について説明したが、周囲との違いに基づいて当該特徴を検出することに制限するものではなく、参照形状のデータ(参照データ、例えば、時間相関データや、振幅画像データ、位相画像データ等)との差異に基づいて当該特徴を検出してもよい。この場合、参照データの場合とで、空間位相変調照明(縞パターン)の位置合わせおよび同期が必要となる。
本変形例では、異常検出処理部105が、予め(図示しない)記憶部に記憶された、参照表面から得られた振幅画像データ及び位相画像データと、被検査体150の振幅画像データ及び位相画像データと、を比較し、被検査体150の表面と参照表面との間で、光の振幅及び光の位相とのうちいずれか一つ以上について所定の基準以上の違いがあるか否かを判定する。
本変形例は、第1の実施形態と同じ構成の検査システムを用い、参照表面として正常な被検査体の表面を用いる例とする。
照明装置120がスクリーン130を介して縞パターンを照射している間に、時間相関カメラ110が、正常な被検査体の表面を撮像し、時間相関画像データを生成する。そして、PC100が、時間相関カメラ110で生成された時間相関画像データを入力し、振幅画像データ及び位相画像データを生成し、PC100の図示しない記憶部に振幅画像データ及び位相画像データを記憶させておく。そして、時間相関カメラ110が、異常が生じているか否か判定したい被検査体を撮像し、時間相関画像データを生成する。そして、PC100が、時間相関画像データから、振幅画像データ及び位相画像データを生成した後、記憶部に記憶されていた、正常な被検査体の振幅画像データ及び位相画像データと比較する。その際に、正常な被検査体の振幅画像データ及び位相画像データと、検査対象の被検査体の振幅画像データ及び位相画像データと、の比較結果を、異常を検出する特徴を示したデータとして出力する。そして、異常を検出する特徴が、当該所定の基準以上の場合に、被検査体150に対して異常があると推測できる。
これにより、本変形例では、正常な被検査体の表面と差異が生じているか否か、換言すれば、被検査体の表面に異常が生じているか否かを判定できる。なお、振幅画像データ及び位相画像データの比較手法は、どのような手法を用いてもよいので、説明を省略する。
さらに、本変形例では参照表面の違いに基づいて、異常を検出する特徴を示したデータを出力する例について説明したが、参照表面の違いと、第1の実施形態で示した周囲との違いと、を組み合わせて、異常を検出する特徴を算出してもよい。組み合わせる手法は、どのような手法を用いてもよいので、説明を省略する。
(変形例2)
第1の実施形態では、x方向に縞パターンを動かして、被検査体の異常(欠陥)を検出する例について説明した。しかしながら、x方向に垂直なy方向で急峻に法線の分布が変化する異常(欠陥)が被検査体に生じている場合、x方向に縞パターンを動かすよりも、y方向に縞パターンを動かす方が欠陥の検出が容易になる場合がある。そこで、変形例では、x方向に移動する縞パターンと、y方向に移動する縞パターンとを、交互に切り替える例について説明する。
本変形例の照明制御部102は、所定の時間間隔毎に、照明装置120に出力する縞パターンを切り替える。これにより、照明装置120は、一つの検査対象面に対して、異なる方向に延びた複数の縞パターンを出力する。
図15は、本変形例の照明制御部102が出力する縞パターンの切り替え例を示した図である。図15の(A)では、照明制御部102は、照明装置120が表示する縞パターンをx方向に遷移させる。その後、(B)に示されるように、照明制御部102は、照明装置120が表示する縞パターンをy方向に遷移させる。
そして、PC100の制御部103は、図15の(A)の縞パターン照射から得られた時間相関画像データに基づいて、異常検出を行い、図15の(B)の縞パターン照射から得られた時間相関画像データに基づいて、異常検出を行う。
図16は、本変形例の照明制御部102が、異常(欠陥)1601を含めた表面に縞パターンを照射した例を示した図である。図16に示す例では、異常(欠陥)1601が、x方向に延びている。この場合、照明制御部102は、x方向に交差するy方向、換言すれば異常(欠陥)1601の長手方向に交差する方向に縞パターンが移動するように設定する。当該設定により、検出精度を向上させることができる。
図17は、y方向、換言すれば欠陥1601の長手方向に直交する方向に縞パターンを変化させた場合における、異常(欠陥)1701とスクリーン130上の縞パターンの関係を示した図である。図17に示されるように、y方向に幅が狭く、且つ当該y方向に交差するx方向を長手方向とする異常(欠陥)1701が生じている場合、照明装置120から照射された光は、x方向に交差するy方向で光の振幅の打ち消しが大きくなる。このため、PC100では、y方向に移動させた縞パターンに対応する振幅画像データから、当該異常(欠陥)を検出できる。
本変形例の検査システムにおいて、被検査体に生じる欠陥の長手方向がランダムな場合には、複数方向(例えば、x方向、及び当該x方向に交差するy方向等)で縞パターンを表示することで、欠陥の形状を問わずに当該欠陥の検出が可能となり、異常(欠陥)の検出精度を向上させることができる。また、異常の形状に合わせた縞パターンを投影することで、異常の検出精度を向上させることができる。
(変形例3)
また、上述した変形例2は、x方向の異常検出と、y方向の異常検出と、を行う際に、縞パターンを切り替える手法に制限するものでない。そこで、変形例3では、照明制御部102が照明装置120に出力する縞パターンをx方向及びy方向同時に動かす例について説明する。
図18は、本変形例の照明制御部102が照明装置120に出力する縞パターンの例を示した図である。図18に示される例では、照明制御部102が縞パターンを、方向1801に移動させる。
図18に示される縞パターンは、x方向では1周期1802の縞パターンを含み、y方向では一周期1803の縞パターンを含んでいる。つまり、図18に示される縞パターンは、幅が異なる交差する方向に延びた複数の縞を有している。なお、x方向の縞パターンの幅と、y方向の縞パターンの幅と、を異ならせる必要がある。これにより、x方向に対応する時間相関画像データと、y方向に対応する時間相関画像データと、を生成する際に、対応する参照信号を異ならせることができる。なお、縞パターンによる光の強度の変化の周期(周波数)が変化すればよいので、縞の幅を変化させるのに変えて、縞パターン(縞)の移動速度を変化させてもよい。
そして、時間相関カメラ110が、x方向の縞パターンに対応する参照信号に基づいて、x方向の縞パターンに対応する時間相関画像データを生成し、y方向の縞パターンに対応する参照信号に基づいて、y方向の縞パターンに対応する時間相関画像データを生成する。その後、PC100の制御部103は、x方向の縞パターンに対応する時間相関画像データに基づいて、異常検出を行った後、y方向の縞パターンに対応する時間相関画像データに基づいて、異常検出を行う。これにより、本変形例では、欠陥の生じた方向を問わずに検出が可能となり、異常(欠陥)の検出精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、照明装置120が、x方向に縞の幅が一種類の縞パターンを表示する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態はx方向の縞の幅を一種類に制限するものではなく、x方向の縞の幅を複数種類にしてもよい。そこで、本実施形態では、x方向の縞の幅を複数種類とする例について説明する。
本実施形態は、被検査体の一つの検査対象面について、x方向に縞の幅を複数種類用いて、換言すれば縞が異なる複数の縞パターンを用いて、被検査体で生じた異常が突形状か否かを判定する例とする。
第2の実施形態の検査システムは、第1の実施形態の検査システムと同様の構成を備えているため、説明を省略する。次に、第2の実施形態の照明制御部102が出力する縞パターンについて説明する。
図19は、第2の実施形態の照明制御部102が照明装置120に出力する縞パターンの例を示した図である。図19に示されるように、照明制御部102は、幅が異なる同一方向に延びた複数の縞を有する縞パターンを出力するよう制御する。
図19に示される例では、図19の矩形波(A)と、矩形波(B)と、を重畳した矩形波(C)に対応する縞パターン(D)が照明制御部102により出力される。本実施形態では、距離1901の間に、矩形波(A)が1周する間に、矩形波(B)が8周する。
本実施形態では、矩形波(B)で表される縞の数が、矩形波(A)で表される縞の数の、偶数倍になるように設定されている。これは、矩形波には奇数倍の高調波成分が重畳されていることに基づくものであり、偶数倍にすることで高調波成分と干渉するのを抑止できる。
複数種類の縞パターンを用いて解析処理を行う場合、複数種類間の縞パターンについて、適宜な縞幅の差があるのが好ましい。例えば、一方の縞の幅に対して、他方の縞の幅が6倍以上であれば好ましい解析結果が得られる。そこで、本実施形態では、例として、一方の縞の幅に対して、他方の縞の幅が8倍になるように設定した。
なお、本実施形態では、矩形波(A)が1周するのに対して、矩形波(B)が8周する例について説明したが、このような例に制限するものではなく、矩形波(A)と、矩形波(B)と、の周波数(周期)が異なっていればよい。
そして、照明装置120が、照明制御部102から出力された図19で示されるような縞パターンを、スクリーン130を介して、被検査体150に対して照射する。これに伴い、時間相関カメラ110は、図19に示される縞パターンの、被検査体からの反射光を撮影する。本実施形態の時間相関カメラ110は、撮影結果として、2系統分の時間相関画像データを生成する。
具体的には、時間相関カメラ110は、矩形波(A)の縞パターンに対応する参照信号に基づいて、矩形波(A)の縞パターンに対応する時間相関画像データを生成し、矩形波(B)の縞パターンに対応する参照信号に基づいて、矩形波(B)の縞パターンに対応する時間相関画像データを生成する。出力された2種類(2系統)の時間相関画像データと、強度画像データは、PC100に出力される。なお、1種類の時間相関画像データ毎に、第1の実施の形態で示したように、実部と虚部との時間相関画像データを含んでいる。
その後、PC100の制御部103は、矩形波(A)の縞パターンに対応する時間相関画像データと、矩形波(B)の縞パターンに対応する時間相関画像データと、に基づいて、被検査体の異常検出を行う。
本実施形態のPC100は、矩形波(A)の縞パターンに対応する時間相関画像データと、矩形波(B)の縞パターンに対応する時間相関画像データと、を受け取ることで、第1の実施形態で示したような、位相の違いに基づく異常と振幅の違いに基づく異常との他に、被検査体の表面の形状を確認することが容易となる。
なお、本実施形態では、一つの縞パターンに複数種類の縞幅を重畳した例について説明するが、複数種類の縞幅を用いる手法として、重畳する手法に制限するものではなく、一つの検査対象面について幅が異なる複数の縞パターンを出力できればどのような手法を用いてもよく、例えば、幅が異なる複数の縞パターンを切り替えて表示するように制御してもよい。
図20は、本実施形態の検査システムにおけるイメージセンサ220と、スクリーン130と、被検査体の表面形状と、の対応関係を示した図である。図20に示される例では、スクリーン130を介して照射される縞パターンがx方向に移動し、当該スクリーン130から照射された光が被検査体の表面形状2001で反射して、イメージセンサ220に入るものとする。イメージセンサ220の画素2011の幅pとする。図20で示す例では、被検査体の表面形状2001のうち、当該座標2002を中心に−p/2〜p/2の領域1902で反射した光が、画素2011に入るものとする。xは、空間位相変調照明(縞パターン)の移動方向(位相変化方向)、x’は、xから距離H離れたxと平行な方向である。スクリーン130およびイメージセンサ220は、このx’に沿って位置されているものとする。z方向は、x方向およびx’方向との直交方向である。nは、法線ベクトル、αは、計測対象位置のx方向の勾配(角度)であるとともに、z方向と法線ベクトルとの角度、θは、スクリーン130とz方向とのなす角度である。
ここで、x方向の被検査体の表面形状をf(x)と定義する。この場合、f(x)をテイラー展開した結果、以下の式(10)で表すことができる。式(10)において、被検査体の表面形状の初期位置f0(オフセット)であり、被検査体の表面形状の曲率をR(=1/fxx)とする。fxxは、f(x)の2階微分である。なお、fx、fxxx等については、シフト量に応じたスクリーン位置からの反射のみを考えればよいため省略できる。
f(x)=f0+1/2fxx2…(10)
次に二階微分fxxについて説明する。図21は、二階微分fxx<0の場合の被検査体の表面形状の例を示した図である。図21に示されるように、二階微分fxx<0の場合、被検査体の表面形状2001は、突形状となる。この場合、イメージセンサ220の各画素の幅より、当該画素に入る光を照射するスクリーン130の幅の方が広くなる。
図22は、fxx>0の場合の被検査体の表面形状の例を示した図である。図22に示されるように、fxx>0の場合、被検査体の表面形状2001は、窪み形状となる。この場合、イメージセンサ220の各画素の幅より、当該画素に入る光を照射するスクリーン130の幅が狭くなる。つまり、図21,22から、二階微分fxxの正負を導出できれば、視認せずとも、被検査体の表面形状を把握できることがわかる。
図20に戻り、被検査体の座標2002における表面形状の傾きαとした場合に以下の式(11)の関係が成り立つ。
tanα=fxxx…(11)
視線の反射角は、以下の式(12)から算出できる。
なお、γはtanθである。ここで、式(12)の左辺に含まれる(θ+2α)は、表面形状2001上の検査対象位置(図20ではx=0)に対応したイメージセンサ220からの視線に対応した検査対象位置でのz方向に対する反射角であり、位相と対応する(比例する)。また、式(12)の右辺に含まれるfxxxは、式(11)より、tanαである。したがって、図20から明らかであるとも言えるが、この式(12)は、法線ベクトルnを特徴づける角度αが、空間位相変調照明(縞パターン)の位相と対応することを示している。
被検査体の表面形状の座標xに光を照射するスクリーン130の座標x’は、以下の式(13)で導出できる。なお、座標2002のx軸方向の座標x0とする。距離Hは、座標2002から、イメージセンサ220及びスクリーン130が配置された面までの距離とする。
x’=x−Htan(θ0+2α)…(13)
画素2011に入る複素相関画素値gは、スクリーン130から出力される位相ejkx’を画素2011の幅pで積分することで求められる。つまり、複素相関画素値gは、式(14)から導出できる。なお、縞の波数k=2π/λとし、λを縞の幅とする。

ここで、変数wは以下の式(15)とする。
w=1−2H(1+γ)fxx …(15)
本実施形態の検査システムにおいては、照明装置120が複数種類の縞幅が重畳された縞パターンを照射した場合に、時間相関カメラ110が、2種類の縞幅に対応する2種類の時間相関画像データを、実部と虚部とに分けて生成する。そして、PC100の振幅−位相画像生成部104は、入力された時間相関画像データから、縞幅毎に、振幅画像データと位相画像データとを生成する。
図23は、縞パターンにおける縞幅を種々に変化させた場合の、g/pを示すグラフである。図23の横軸はw、縦軸はg/pである。式(15)から、w=1を境に、fxx>0の場合とfxx<0の場合とが分かれることになる。ここで、変数wの値は、被検査体150の表面の法線ベクトルの分布および検査システムの位置関係(図20)に変化が無ければ、被検査位置に応じた値となる。したがって、図23から、縞の幅を変えた場合のそれぞれの結果としての複数のg/pの値を得て、それらの比率と合致する変数wを探すことにより、変数wの値、ひいてはfxxの値を推定することが可能となることが、理解できる。
具体的には、例えば、式(14)から導出される次の式(16)を用いる。
変数αは、式(14)の縞の幅が広い場合の複素相関画素値(振幅値)g1と、縞の幅が狭い場合の複素相関画素値(振幅値)g2と、の比g2/g1に相当する。なお、波数k1,k2については、k1<k2とする。
図24は、振幅比対応テーブルの例を示した図である。図24に示される振幅比対応テーブルは、式(16)を示している。図24の横軸はwであり、縦軸はαである。この振幅比対応テーブルは、予め制御部103内の(図示しない)記憶部に格納されているものとする。
ここで、特定の被検査位置(画素)について、縞幅を変えた結果に基づく次の式(17)で示される値αを得る。

そして、図24に示されるように、式(16)において、α=αを満たす変数wを得ることができる。二つの変数wのうち一方を選択できる条件下であれば、選択された変数wに基づいて、式(15)から、fxxを導出できる。これにより、例えば、被検査体150で生じた欠陥(異常)が、突形状であるか否かを判定することができる。このように、本実施形態では、複数種類の縞幅による縞パターンを用いることで、被検査体の検査精度を向上させることができる。
また、図23から、各sinc関数で、w>0の場合、最初のg/pが0となる変数w(最初の横軸切片となるw)よりも変数wが大きい範囲であれば、g/pの最大値に対する減少、すなわち振幅の打ち消し合いが検出されやすいことがわかる。sinc関数が0となる条件から、式(14)で、(π・p・w/λ)>πとなればよく、次の式(18)
p・w/λ>1 … (18)
を満たすよう、縞幅(すなわち空間位相変調照明の位相変化方向の周期長)を設定すればよい。また、図23から、実際には、変数wがさらにその半分程度でもg/pの差異による検出性は確保できると考えられるので、次の式(19)
p・w/λ>0.5 … (19)
を満たすよう、縞幅(すなわち空間位相変調照明の位相変化方向の周期長)を設定すればよい。
(第3の実施形態)
第1〜第2の実施形態では、明暗が等間隔の縞パターンを、被検査体に照射する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は等間隔の縞パターンを照射することに制限するものではない。そこで、第3の実施形態では、被検査体の形状に合わせて、縞パターンの間隔を変更する例について説明する。
検査システムにおいては、検査対象となる被検査体の形状を制限するものではないため、被検査体の表面形状としては様々な形状が考えられる。そして、本実施形態の検査システムのPC100は、被検査体を撮影する際に、アーム140を制御して、被検査体の表面が適切に検査できるように被検査体の位置を設定する。その際に、PC100は、被検査体の表面に適した縞パターンを、照明装置120に対して、受け渡す。
図25は、被検査体2501の表面形状に合わせた縞パターンを、スクリーン130から照射した例を示した図である。図25に示される例では、検査システムが被検査体2501の異常を検出するために、時間相関カメラ110に入力される縞パターンが等間隔であることが好ましい。このため、図25に示される例のように、被検査体2501を反射した後の縞パターンが等間隔になるように、照明装置120がスクリーン130に対して縞パターンを照射する。
PC100の記憶部では、被検査体2501の撮影対象となる表面毎に、対応する(反射した後に等間隔となる)縞パターンを記憶しておく。当該縞パターンは、被検査体2501の検査対象となる表面の傾きに応じて設定された縞パターンとする。例えば、当該表面で反射した後、時間相関カメラ110に入力される際に縞の幅がほぼ均等になるような縞パターンとする。
そして、PC100が、被検査体2501の撮影対象となる表面をアーム140で変更させる毎に、当該表面の傾きに応じて設定された縞パターンを照明装置120に出力する。そして、照明装置120が入力された縞パターンの照射を開始する。これにより、被検査体2501の表面形状に適した縞パターンの照射を実現できる。
次に、本実施形態の検査システムにおける被検査体の検査処理について説明する。図26は、本実施形態の検査システムにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。なお、被検査体150は、すでにアーム140に固定された状態で、検査の初期位置に配置されているものとする。
本実施形態のPC100が、照明装置120に対して、アームの位置に応じた縞パターンを出力する(ステップS2601)。つまり、本実施形態では、アームの位置に対応づけられた縞パターンが、当該アームに固定された被検査体の撮影対象となる表面形状に適した縞パターンとなる。
照明装置120は、PC100から入力された縞パターンを格納する(ステップS2621)。そして、照明装置120は、検査対象の初期位置に対応する縞パターンを、時間遷移に従って変化するように表示する(ステップS2622)。
その後、図14で示したステップS1402〜S1406、ステップS1411〜S1413と同様の処理で、撮影から被検査体の異常検出結果の出力まで行われる(ステップS2602〜S2606、ステップS2611〜S2613)。
その後、制御部103は、当該被検査体の検査が終了したか否かを判定する(ステップS2607)。検査が終了していないと判定した場合(ステップS2607:No)、アーム制御部101が、予め定められた設定に従って、次の検査対象となる被検査体の表面が、時間相関カメラ110で撮影できるように、アームの移動制御を行う(ステップS2608)。
ステップS2608のアームの移動制御が終了した後、制御部103が、再び、照明装置120に対して、アームの位置に応じた縞パターンを出力する(ステップS2601)。これにより、撮影対象となる表面が切り替わる毎に、出力する縞パターンを切り替えることができる。
一方、制御部103は、当該被検査体の検査が終了したと判定した場合(ステップS2607:Yes)、終了指示を時間相関カメラ110に対して出力し(ステップS2609)、処理を終了する。
そして、時間相関カメラ110は、終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS2614)。終了指示を受け付けていない場合(ステップS2614:No)、再びステップS2611から処理を行う。一方、終了指示を受け付けた場合(ステップS2614:Yes)、処理を終了する。
なお、照明装置120の終了処理は、検査者が行ってもよいし、他の構成からの指示に従って終了してもよい。
(第4の実施形態)
上述した実施形態及び変形例では、照明装置120が直線状の縞パターンを表示する例について説明した。しかしながら、照明装置120が直線状の縞パターンを表示する場合に制限するものではなく、他の態様の縞パターンを表示してもよい。そこで、第4の実施形態では、上述した実施形態と異なる縞パターンを表示する例について説明する。
図27は、本実施形態の照明装置120がスクリーン130に表示する縞パターンの例を示した図である。図27に示される縞パターンでは、発生点2701,2702(沸き出し点)で発生した縞パターンが、収束点2703(吸い込み点)に収束していくように表示される。図27に示されるように、光の強度が所定の間隔で変化していれば、被検査体の異常(欠陥)を検出できる。次に縞パターンの生成手法について説明する。
図28は、図27の縞パターンを生成するための被検査体150またはスクリーン130の表面での初期の位相分布φ(x,y)(空間位相分布)を明暗(濃淡)で表した例を示した図である。白い点(明るい点)の値がπ、黒い点(暗い点)の値が−πである。図28では、例えば、点2701での値をπ、点2702での値をπ/2、点2703(底点)での初値を−πとし、それらの点を拘束条件として、各点を頂点または底点とし各点からの距離に応じた例えば釣り鐘型の分布が生じるよう、初期の位相分布φ(x,y)を設定する。
図28の位相分布φ(x,y)に基づいて、図27の縞パターンを生成する。頂点と底点との間の縞の数は、波数kによって調整することができる。この例では、波数kは、頂点と底点との間の縞の本数である。波数kを加味した位相分布φ(x,y)は、φ(x,y)=k・φ(x,y)となる。白黒の縞を形成する場合は、φ(x,y)の値によって二値化すればよい。具体的には、例えば、位相φ(x,y)が−πから0までの領域を暗領域、0からπまでの領域を明領域とすればよい。これにより、図27に示されるような静止した縞パターンが得られる。静止した縞パターンは、R[ejφ(x,y)]と表せる。ここにR[]は、複素数の実部をとる演算である。動く縞パターンは、変調項ejωtを乗算して、R[ejωt・ejφ(x,y)]と表せる。このように、動く縞パターンは、ejωt・ejφ(x,y)に基づいて生成することができる。ここで例示した位相分布φ(x,y)および縞パターンは、一例である。被検査体150の形状に応じた初期位相分布を適宜に設定することにより、任意の縞パターンを得ることができる。波数kは、検出する欠陥のサイズに応じて適切な値が設定されるものとする。
図28に示す例では、被検査体の表面における任意の点を、光強度が強い点2801,2802、及び光強度が弱い点2803と設定した。しかしながら、位相分布を生成する際に、光強度が強い点と、光強度が弱い点と、被検査体の表面形状に応じて設定することも考えられる。
図29は、球面状の被検査体150上に投影された縞パターンであって、図25で示したように、時間相関カメラ110からの視線では移動する平行な縞となる縞パターンの例を示した図である。図29の例では、左右方向では左側ほど傾斜(勾配)が大きく、上下方向では中央よりも上側および下側に向かうほど傾斜(勾配)が大きい。本実施形態によれば、被検査体150の形状に応じた位相分布φ(x,y)を設定することにより、より適切な検査結果を得やすい縞パターンを得ることができる。CADデータに基づいて位相分布φ(x,y)を設定することもできる。なお、被検査体150の立体形状を考慮した位相分布φ(x,y)から、当該被検査体150の表面における縞パターンを設定し、当該表面における縞パターンを座標変換等することにより、スクリーン130等の照明部における縞パターンを算出することができる。
(第5の実施形態)
上述した第1の実施形態では、複素時間相関画像の位相の分布の勾配に関する特徴を算出する手法の例として、複素時間相関画像から得られる位相画像データに基づいて位相の平均差分をとる手法(図12参照)を説明した。しかしながら、位相の平均差分をとる手法以外の他の手法で、位相の分布の勾配に関する特徴を算出してもよい。そこで、第5の実施形態では、異常検出処理部105a(図1参照)が、位相限定ラプラシアンを用いて位相の分布の勾配に関する特徴を算出する例について説明する。
上記の式(9)から分かるように、位相画像データの各画素値は、−π〜πの範囲に折りたたまれる。したがって、位相画像データの各画素値は、−πからπに、またはπから−πに不連続に変化し得る(位相ジャンプ)。このような位相ジャンプは、検査対象面が、凹凸などの局所的な異常(欠陥)を含まない平坦になっている場合でも、位相画像データ上にエッジとして現れる。
図30は、実施形態の検査システムによって得られる位相画像データの例を示した図である。この図30の位相画像データは、上記の位相ジャンプの影響で周期的に現れる複数のエッジ部分3001と、本来の検出対象である局所的な異常部分3002とを含んでいる。
ここで、図30に示すように、異常部分3002における画素値の変化は、エッジ部分3001における画素値の変化よりも小さい。したがって、図30の位相画像データに対して閾値などを用いた通常の検出処理を行うだけでは、エッジ部分3001がノイズとなって、異常部分3002を検出することが容易でない。
また、図31は、図30における位相の変化の例を示した概略図である。図31に示すように、局所的な異常部分3002では、位相が急峻に変化している一方、異常部分3002以外の平坦な部分では、位相が滑らかに(線形に)変化している。したがって、平坦部分における定常的な位相の変化を無視することができれば、局所的な異常部分3002における急峻な位相の変化のみを容易に検出することができ、有益である。
そこで、第5の実施形態では、異常検出処理部105a(図1参照)は、時間相関カメラ110によって得られる時間相関画像データに、位相限定ラプラシアンを用いた処理を施すことにより、上記の位相ジャンプの影響を無視した位相の分布の勾配に関する特徴を算出する。ここで、位相限定ラプラシアンとは、振幅および位相を含む複素数で表現される時間相関画像データのうち、振幅部分を無視した位相部分にのみ2階微分を施すための演算式であり、位相の定常的な変化を無視し、位相の急峻な変化を検出するための演算式である。
一例として、図32に示したラプラシアンフィルタに対応する位相限定ラプラシアンについて説明する。この図32のラプラシアンフィルタは、通常の実数の画素値を有する画像データにおいて、処理対象の画素の画素値と、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の画素値との差分をとるための、いわゆる8近傍ラプラシアンフィルタである。より具体的には、図32のラプラシアンフィルタは、通常の実数の画素値を有する画像データにおいて、処理対象の画素の画素値を8倍した値から、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の画素値の総和を引いた値を、処理対象の画素の新たな画素値とするためのフィルタである。
ところで、上述のように、時間相関カメラ110によって得られる時間相関画像データの各画素値は、振幅および位相を含む複素指数関数で表現される。ここで、位相は、複素指数関数の指数部分に含まれる。したがって、時間相関画像データの位相部分に図32のラプラシアンフィルタに対応する処理を施したい場合、まず、処理対象の画素の画素値(gω(i,j)とする)の位相を8倍するために、処理対象の画素の画素値を8乗する必要がある。
そして、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の画素値gω(i−1,j−1),gω(i−1,j),gω(i−1,j+1),gω(i,j−1),gω(i,j+1),gω(i+1,j−1),gω(i+1,j),gω(i+1,j+1)の位相の総和を求めるために、これら8個の画素の画素値を全て掛け合わせる必要がある。
そして、処理対象の画素の画素値の位相を8倍にしたものと、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の位相の総和と、の差を求めるために、処理対象の画素の画素値を8乗したものを、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の画素値を掛け合わせたもので割る必要がある。
上記の3つの演算を式で表すと、下記の式(18)〜(20)のようになる。


ここで、式(18)においてgω(i,j)を8乗ではなく9乗している理由は、式(19)における乗算にgω(i,j)が含まれているからである。これにより、式(18)の値を式(19)の値で割った値の指数部分が、処理対象の画素の画素値gω(i,j)の位相を8倍にしたものと、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素の位相の総和と、の差に対応する。なお、式(20)では、式(18)の値を式(19)の値で割った後、位相のみ(arg)を取り出している。
以上の式(18)〜(20)で示した位相限定ラプラシアンを用いた処理を、時間相関画像データの全画素について実行することにより、時間相関画像データから、2階微分が施された位相画像データを算出することができる。
一例として、図30の位相画像データに対応する時間相関画像データに位相限定ラプラシアンを用いた処理を施すことによって算出した位相画像データを図33に示す。図33の位相画像データには、図30の位相画像データに見られたような周期的なエッジ部分が無く、局所的な異常部分3202のみが現れている。したがって、図33の位相画像データによれば、閾値などを用いた通常の検出処理をするだけで、位相ジャンプの影響を受けることなく、異常部分3202を容易に検出することができる。
つまり、第5の実施形態の異常検出処理部105a(図1参照)は、上述した位相限定ラプラシアンを用いた演算を実行することで、時間相関画像データから、2階微分が施された位相を適切に算出し、検査対象の異常部分3202を、閾値などを用いた通常の検出処理によって容易に検出するように構成されている。
なお、上述した位相限定ラプラシアンを用いた異常検出は、たとえばメタリック塗装が施された表面の異常検出に有効である。メタリック塗装では、鏡面反射する微粒子がランダムにばらまかれているため、照明角度がわずかに変化するだけで、撮像した際の輝度値の分布が大きく変化する。このため、通常の異常検出手法では、たとえばひっかき傷のような位相の勾配が急峻に変化する欠陥部と、微粒子によるランダムな輝度値の変化と、の違いを識別することが容易でない。
しかしながら、第5の実施形態の検査システムでは、微粒子によるランダムな輝度値の変化を、位相の変化ではなく、振幅の変化として検出する。そして、第5の実施形態の異常検出処理部105aは、位相限定ラプラシアンを用いて、位相の変化(位相の勾配の変化)のみに着目して異常を検出するため、微粒子によるランダムな輝度値の変化にかかわらず、位相が急峻に変化する欠陥部を検出することができる。
なお、上記では、欠陥部として、ひっかき傷のような、位相が急峻に変化する欠陥部を例示したが、位相の変化として検出できる欠陥部であれば、欠陥部がひっかき傷以外のものであってもよい。また、上記では、検査対象として、メタリック塗装された物体を例示したが、表面形状が定まっている物体であれば、検査対象がメタリック塗装された物体以外のものであってもよい。
さらに、上記では、図32のラプラシアンフィルタに対応する位相限定ラプラシアンを用いる例について説明した。しかしながら、他の例として、図34〜図36に示すようなラプラシアンフィルタに対応する位相限定ラプラシアンを用いてもよい。
ここで、図34は、処理対象の画素と、処理対象の画素の上下および左右に隣接する4個の画素との差分をとるための、いわゆる4近傍ラプラシアンフィルタである。また、図35および図36は、図32および図34に示した3×3のラプラシアンフィルタとは異なる、5×5のラプラシアンフィルタの例を示している。5×5のラプラシアンフィルタでは、処理対象の画素の周囲に隣接する8個の画素に加えて、それら8個の画素の周囲にさらに隣接する16個の画素の情報も考慮されるので、たとえば3×3のラプラシアンフィルタに比べて、より精度の高い2階微分処理を実行することができる。
上記の図32、および図34〜図36のラプラシアンフィルタを含む一般的なラプラシアンフィルタに対応する位相限定ラプラシアンは、下記の式(21)〜(23)で表される。


式(21)は、フィルタ係数が正となる画素の集合Pのそれぞれの画素値をフィルタ係数で重み付けしたものを掛け合わせる、すなわちフィルタ係数で重み付けした位相の総和をとるための式である。この式(21)において、M(k,l)は、処理対象の画素の位置を(i,j)とした場合における、位置(i+k,j+l)の画素に対応するフィルタ係数(正の値)である。
また、式(22)は、フィルタ係数が負となる画素の集合Nのそれぞれの画素値をフィルタ係数で重み付けしたものを掛け合わせる、すなわちフィルタ係数で重み付けした位相の総和をとるための式である。この式(22)において、N(k,l)は、処理対象の画素の位置を(i,j)とした場合における、位置(i+k,j+l)の画素に対応するフィルタ係数(負の値)の符号を反転させたものである。
そして、式(23)は、式(21)の値を式(22)の値で割ることにより、フィルタ係数が正となる画素の集合Pのフィルタ係数で重み付けした位相の総和と、フィルタ係数が負となる画素の集合Nのフィルタ係数で重み付けした位相の総和との差分をとり、その差分を取り出すための式である。
上述した位相限定ラプラシアンは、時間相関カメラ110で撮像した時間相関画像以外にも適用可能である。つまり、位相限定ラプラシアンは、振幅および位相を含む複素数で表現される画素値を有する複素画像の異常を検出するための特徴として、複素画像の位相の分布の勾配の変化に着目する場合に有益である。
たとえば、R(赤)、G(緑)、およびB(青)の3色のインクが混ざり合って形成されるカラー画像における色相の違い、すなわち3色のインクの混ざり具合の違いを検出する場合に、位相限定ラプラシアンが有益である。つまり、カラー画像を複素数で表現すると、色相は、位相に対応するので、カラー画像に位相限定ラプラシアンを用いた処理を実行すれば、色相以外の明度および彩度の違いに影響を受けず、色相の違いのみを検出することができる。
また、位相限定ラプラシアンは、電磁波を用いて地上を撮像するシステムや、光音響画像を撮像するシステムなどにおける検査にも有益である。
上述した実施形態のPC100で実行される検査プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述した実施形態のPC100で実行される検査プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述した実施形態のPC100で実行される検査プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…PC、101…アーム制御部、102…照明制御部、103…制御部、104…振幅−位相画像生成部、105,105a…異常検出処理部、110…時間相関カメラ、120…照明装置、130…スクリーン、140…アーム、210…光学系、220…イメージセンサ、230…データバッファ、240…制御部、241…転送部、242…読出部、243…強度画像用重畳部、244…第1の乗算器、245…第1の相関画像用重畳部、246…第2の乗算器、247…第2の相関画像用重畳部、248…画像出力部、250…参照信号出力部。

Claims (10)

  1. 検査対象面からの反射光の強度信号と、前記検査対象面上に与えられる光の強度の時間の経過に応じた空間的な変化に基づく光の強度の時間変化に対応して周期的に変化する参照信号と、を乗算する撮像システムによって時間相関画像を生成する時間相関画像生成部と、
    前記検査対象面上で光を連続的な時間経過に応じて空間的に変化させることにより前記検査対象面に前記撮像システムの1露光時間内での光の強度の連続的かつ周期的な時間変化および空間変化を与える面的な照明部と、
    前記時間相関画像より、検査対象面の法線ベクトルの分布と対応した特徴であって、周囲との違いおよび参照表面との違いのうち少なくとも一方によって異常を検出する特徴を算出する、演算処理部と、
    を備えた検査システム。
  2. 前記時間相関画像生成部は、複素時間相関画像を生成し、
    前記特徴は、前記複素時間相関画像の位相の分布に対応する、請求項1に記載の検査システム。
  3. 前記特徴は、前記位相の分布の勾配である、請求項2に記載の検査システム。
  4. 前記特徴は、前記複素時間相関画像に位相限定ラプラシアンを用いた処理を施すことによって得られた前記位相の分布の勾配の変化である、請求項3に記載の検査システム。
  5. 前記特徴は、検査対象面の法線ベクトル分布の勾配に対応する請求項2に記載の検査システム。
  6. 前記時間相関画像生成部は、複素時間相関画像を生成し、
    前記特徴は、前記複素時間相関画像の振幅の分布に対応する、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の検査システム。
  7. 前記撮像システムによって強度画像が得られ、
    前記特徴は、前記振幅と前記強度との比の分布である、請求項6に記載の検査システム。
  8. 振幅および位相を含む複素数で表現される画素値を有する複素画像の異常を検出するための特徴として、前記複素画像に位相限定ラプラシアンを用いた処理を施すことによって得られた前記複素画像の位相の分布の勾配の変化を算出する演算処理部、
    を備えた検査システム。
  9. 検査対象面からの反射光の強度信号と、前記検査対象面に与えられる光の強度の時間の経過に応じた空間的な変化に基づく光の強度の時間変化に対応して周期的に変化する参照信号と、を乗算する撮像システムにより、前記検査対象面上で光を連続的な時間経過に応じて空間的に変化させることにより前記検査対象面に前記撮像システムの1露光時間内での光の強度の連続的かつ周期的な時間変化および空間変化を与える面的な照明で照らされた前記検査対象面について時間相関画像を生成し、
    前記時間相関画像より、検査対象面の法線ベクトルの分布と対応した特徴であって、周囲との違いおよび参照表面との違いのうち少なくとも一方によって異常を検出する特徴を算出する、
    検査方法。
  10. 振幅および位相を含む複素数で表現される画素値を有する複素画像の異常を検出するための特徴として、前記複素画像に位相限定ラプラシアンを用いた処理を施すことによって得られた前記複素画像の位相の分布の勾配の変化を算出する、
    検査方法。
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