以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態)を図面に基づいて説明する。なお、図面において同一又は対応する構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略することがある。
[1.音量制御装置の構成]
本実施形態に係る音量制御装置は、音の音量を制御するコンピュータである。音量とは、音の大きさである。音量制御装置は、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯用ゲーム機、又は業務用ゲーム機等によって実現される。ここでは、音量制御装置がスマートフォンによって実現される一例を説明する。
図1は、音量制御装置10の外観の一例を示す図である。図2は、音量制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図1及び図2に示すように、音量制御装置10は、制御部11、記憶部12、読取部13、通信部14、操作部15、タッチパネル16、表示部17、及び音声出力端子18を含み、出力部20に接続されている。
制御部11は、例えば、1又は複数のマイクロプロセッサ等を含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたオペレーティングシステムやその他のプログラムに従って処理を実行する。記憶部12は、例えば、主記憶部(例えば、RAM)及び補助記憶部(例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ)を含む。記憶部12は、種々のプログラムやデータを記憶する。読取部13は、例えば、メモリカードスロット等を含む。読取部13は、情報記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶されたプログラムやデータを読み取るためのものである。通信部14は、通信ネットワークを介してデータ通信するためのものである。
例えば、記憶部12に記憶されるプログラムやデータは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体から、読取部13を介して音量制御装置10に供給される。なお、音量制御装置10は、読取部13を備えていなくてもよい。この場合、プログラムやデータは、通信部14及び通信ネットワークを介して遠隔地から音量制御装置10に供給されるようにしてもよい。
操作部15は、例えば、ボタン又はキーボード等を含み、ユーザが操作を行うために用いられる。タッチパネル16は、一般的なタッチパネルであり、ユーザによって接触された位置を検出する。なお、ここでは、操作部15とタッチパネル16を区別して記載するが、タッチパネル16は操作部15に含まれていてもよい。
タッチパネル16は、ユーザによって接触された複数の位置を検出できるようになっている。タッチパネル16としては、例えば、静電容量方式のタッチパネルが用いられる。静電容量方式のタッチパネルでは、タッチパネルの表面がユーザによって接触された場合に生じる電荷の変化に基づいて、ユーザによって接触された位置が検出される。ユーザによって接触された位置は、例えば、図1に示すような、タッチパネル16の左上頂点を原点Osとし、かつ、右方向及び下方向をそれぞれXs軸正方向及びYs軸正方向とするXs−Ys座標系の座標値によって表される。
タッチパネル16は、ユーザによって接触された位置に応じた情報をオペレーティングシステムに供給する。オペレーティングシステムは、タッチパネル16から供給される情報に基づいて、ユーザによって接触されている位置を取得する。例えば、ユーザによって複数の位置が接触されている場合、オペレーティングシステムはそれら複数の接触位置を取得し、それら複数の接触位置を示す接触位置データを記憶部12に記憶させる。オペレーティングシステムによって記憶部12に記憶された接触位置データはオペレーティングシステム以外のプログラムによって参照される。
なお、タッチパネル16は、後述の表示部17に重畳して設けられる。別の言い方をすれば、タッチパネル16は、表示部17の表示領域に重なるように配置されている。即ち、タッチパネル16は、表示部17の表示領域を覆うように配置されている。このため、ユーザはタッチパネル16の表面を触ることによって、表示部17に表示される画面内の位置を指定することができる。なお、ユーザは自らの指(手)をタッチパネル16の表面に接触させるようにしてもよいし、ユーザが指(手)以外の部位をタッチパネル16の表面に接触させるようにしてもよい。他にも例えば、ユーザが把持する物体(タッチペン等)をタッチパネル16の表面に接触させるようにしてもよい。
表示部17は、例えば、液晶パネルである。表示部17は、制御部11からの指示に従って画面を表示する。音声出力端子18は、出力部20のプラグの差込口である。音量制御装置10は、音声出力端子18を介して出力部20から音を出力する。
出力部20は、音声出力端子18と接続されたイヤホン、ヘッドフォン、又はスピーカーである。出力部20は、制御部11の指示に従って音を出力する。本実施形態では、出力部20は、第1の出力部21と第2の出力部22とを含む。例えば、第1の出力部21は、左耳用のイヤホンであり、第2の出力部22は、右耳用のイヤホンである。
なお、ここでは、音量制御装置10と出力部20とが有線接続される場合を説明するが、これらは通信部14を介して無線接続されるようにしてもよい。この場合、出力部20は、音量制御装置10等のコンピュータと通信するための通信部を含む。また、出力部20は音量制御装置10に内蔵されるスピーカーであってもよい。
なお、音量制御装置10のハードウェア構成は、上記の例に限られない。例えば、読取部13、通信部14、操作部15、タッチパネル16、表示部17、及び音声出力端子18は、音量制御装置10に含まれていなくてもよく、音量制御装置10に接続される外部装置であってもよい。一方、出力部20は、音量制御装置10に含まれていてもよい。
[2.音量制御装置において出力される音の概要]
本実施形態では、音量制御装置10がゲームを実行し、当該ゲームに係る音の音量を制御する場合を例に挙げて説明する。なお以下では、音量制御装置10で実行されるゲームの一例として、仮想空間における村を発展させて、他の村を攻撃したり敵からの攻撃から村を守ったりすることを目指すゲームについて説明する。
仮想空間とは、仮想的に設定された空間である。別の言い方をすれば、仮想空間とは、オブジェクト(詳細後述)が配置される仮想的な空間である。仮想空間は、2次元空間であってもよいし、3次元空間であってもよい。本実施形態では、仮想空間が2次元空間である場合を例に挙げて説明する。
図3は、仮想空間の一例を示す図である。図3に示すように、仮想空間には、互いに直行する2つの座標軸(Xw軸及びYw軸)が設定されている。仮想空間に配置される各オブジェクトの位置は、Xw−Yw座標系の2次元座標で特定される。
オブジェクトとは、表示部17に表示される対象である。本実施形態のように、仮想空間の様子が表示部17に表示されるのであれば、仮想空間内にあるキャラクタ、建物、又は乗物等が「オブジェクト」に相当する。即ち、仮想空間内のキャラクタ、建物、又は乗物等のうち、表示部17への表示対象領域DA(詳細後述)内にあるキャラクタ、建物、又は乗物等が「オブジェクト」に相当する。
別の言い方をすれば、本実施形態のように、仮想空間が2次元空間なのであれば、2次元空間に配置されたキャラクタ画像、建物画像、又は乗物画像等が「オブジェクト」に相当し、後述の変形例で説明するように、仮想空間が3次元空間なのであれば、3次元空間に配置されたキャラクタ、建物、又は乗物等が「オブジェクト」に相当する。
図3に示すように、仮想空間には、背景を表すオブジェクトである背景オブジェクトOB1が配置される。ここでは、背景オブジェクトOB1の左上に原点Owが設定される。背景オブジェクトOB1上には、キャラクタを表すオブジェクトであるキャラクタオブジェクトOB2−1〜OB2−4(以降、これらをまとめて単にキャラクタオブジェクト2ともいう。)と、建物を表すオブジェクトである建物オブジェクトOB3−1〜OB3−7(以降、これらをまとめて単に建物オブジェクトOB3ともいう。)と、乗物を表すオブジェクトである乗物オブジェクトOB4と、が配置される。
キャラクタオブジェクトOB2は、ユーザの指示や所与のアルゴリズムのもとで、仮想空間内で動作する。例えば、キャラクタオブジェクトOB2は、新たに建物オブジェクトOB3を建設したり、既に建設された建物オブジェクトOB3を壊したりする。また例えば、キャラクタオブジェクトOB2は、乗物オブジェクトOB4に乗って仮想空間内を移動する。
また、図3に示すように、仮想空間には、表示対象領域DAが設定される。表示部17には、仮想空間内の表示対象領域DAが表示される。表示対象領域DAとは、仮想空間内のうち、表示部17への表示対象となる領域である。仮想空間内の一部領域が表示部17に表示される場合には、当該一部領域が「表示対象領域DA」に相当し、仮想空間の全体が表示部17に表示される場合には、仮想空間全体が「表示対象領域DA」に相当する。表示部17には、仮想空間のうち表示対象領域DA内の様子を表すゲーム画面G1が表示される。
図4は、ゲーム画面G1の一例を示す図である。図4に示すように、ゲーム画面G1には、表示対象領域DA内の背景オブジェクトOB1と、キャラクタオブジェクトOB2−1及びOB2−2、建物オブジェクトOB3−1〜OB3−4、及び乗物オブジェクトOB4が表示される。ゲーム画面G1のアスペクト比(縦横比)と表示対象領域DAのアスペクト比(縦横比)は、同じである。
ゲーム画面G1が表示部17に表示されると、ゲームのBGMとともに、各オブジェクトによって生じる効果音(Sound Effect)が出力部20から出力される。効果音は、例えば、ゲームの演出の一環として出力される音である。別の言い方をすれば、効果音は、現実世界において生じる音に似せて作成された音であり、オブジェクトから音が鳴っているかのように出力されるものである。ここでは、効果音は、キャラクタオブジェクトOB2が建物オブジェクトOB3を建築したり壊したりする音や、キャラクタオブジェクトOB2が乗物オブジェクトOB4に乗って移動する音である。
本実施形態では、表示対象領域DAが移動したり大きさが変わったりすることで、ゲーム画面G1に表示される仮想空間の領域が変化する。例えば、ユーザがタッチパネル16から所定の操作を行うと、表示対象領域DAの大きさを変化させることができる。その結果、ユーザは、見たいオブジェクトを拡大して表示させたり、仮想空間を全体的に眺めるように表示させたりすることができる。
例えば、ユーザがピンチアウト操作をすると、表示対象領域DAが小さくなり、見たいオブジェクトを大きく表示させることができる。ピンチアウト操作とは、タッチパネル16が検出した2つの位置の間隔を広げるような操作である。即ち、例えば、ピンチアウト操作とは、タッチパネル16に接触させた2本の指の間隔を広げるように、それらの指の少なくとも一方を動かす操作である。
図5は、ユーザがピンチアウト操作をした場合のゲーム画面G1の変化を示す図である。図5に示すように、ゲーム画面G1−1の状態からユーザがピンチアウト操作をすると、ゲーム画面G1−2に示すように、表示対象領域DA内のオブジェクトが大きく表示され、そのオブジェクトに注目しているような表示となる。なお、図5では、アイコンIを省略している。本実施形態では、図5のようにゲーム画面G1が拡大表示されると、BGMの音量が小さくなる。
図6は、ゲーム画面G1とBGMの音量との関係を示す図である。図6の横軸は、ゲーム画面G1にオブジェクトが拡大表示されるか縮小表示されるかを示し、縦軸は、BGMの音量を示す。図6に示す例では、ゲーム画面G1−3には、ゲーム画面G1−4よりも表示対象領域DA内のオブジェクトが大きく表示される。ゲーム画面G1−4には、ゲーム画面G1−5よりも表示対象領域DA内のオブジェクトが大きく表示される。
図6の実線L1に示すように、ゲーム画面G1に表れるオブジェクトの大きさと、BGMの音量と、は反比例するようになっている。例えば、表示対象領域DA内のオブジェクトが最も小さく表示されるゲーム画面G1−5の状態では、BGMの音量が最も大きくなる。そして、ゲーム画面G1−4の状態では、ゲーム画面G1−5よりもBGMの音量が小さくなる。同様に、ゲーム画面G1−3の状態では、ゲーム画面G1−4よりもBGMの音量が更に小さくなる。
上記のように、ゲーム画面G1が拡大されるほど、BGMの音量が小さくなり、ゲーム画面G1が縮小されるほど、BGMの音量が大きくなる。このように、本実施形態では、ゲーム画面G1が拡大表示に応じてBGMの音量が小さくなるため、効果音の音量を極端に大きくしなくても、効果音を目立たせることができる。その結果、ユーザがキャラクタオブジェクトOB2−1及びOB2−2に注目しているような感覚を与えることができるようになっている。
なお、本実施形態では、ゲーム画面G1が拡大表示されると、キャラクタオブジェクトOB2−1が建物オブジェクトOB3−1を壊す効果音やキャラクタオブジェクトOB2−2が乗物オブジェクトOB4に乗る効果音の音量が大きくなるようにもなっている。
一方、ユーザがピンチイン操作をすると、表示対象領域DAが大きくなり、仮想空間を全体的に眺めるように表示させることができる。ピンチイン操作とは、タッチパネル16が検出した2つの位置の間隔を狭めるような操作である。即ち、例えば、ピンチイン操作とは、タッチパネル16に接触させた2本の指の間隔を狭めるように、それらの指の少なくとも一方を動かす操作である。
図7は、ユーザがピンチイン操作をした場合のゲーム画面G1の変化を示す図である。図7に示すように、ゲーム画面G1−6の状態からユーザがピンチイン操作をすると、ゲーム画面G1−7に示すように、表示対象領域DA内のオブジェクトが小さく表示され、各オブジェクトから遠ざかって仮想空間の様子を全体的に眺めるような表示となる。
本実施形態では、図7のようにゲーム画面G1が縮小表示されると、図6に示すように、BGMの音量が大きくなる。その結果、効果音が目立たなくなり、ユーザが各オブジェクトから遠ざかって仮想空間の様子を全体的に眺めるような感覚を与えることができるようになっている。
なお、本実施形態では、ゲーム画面G1が縮小表示されると、キャラクタオブジェクトOB2−1が建物オブジェクトOB3−1を壊す効果音やキャラクタオブジェクトOB2−2が乗物オブジェクトOB4に乗る効果音の音量が小さくなるようにもなっている。
なお、本実施形態では、上記のようなピンチアウト操作及びピンチイン操作以外にも、ユーザは、ゲーム画面G1に表示されたアイコンIをタップすることでも、表示対象領域DAの大きさを変化させることができる。
図8は、ユーザがアイコンIをタップした場合のゲーム画面G1の変化を示す図である。図8に示すように、表示対象領域DAが最も小さい状態(ゲーム画面G1−8の状態)でユーザがアイコンIをタップすると、表示対象領域DAが大きくなり、表示対象領域DA内のオブジェクトが小さく表示される(ゲーム画面G1−9の状態)。そして、ユーザがもう一度アイコンIをタップすると、表示対象領域DAが更に大きくなり最大の状態(ゲーム画面G1−10の状態)となり、表示対象領域DA内のオブジェクトが更に小さく表示される。
表示対象領域DAが最大の状態(ゲーム画面G1−10の状態)でユーザがアイコンIをタップすると、表示対象領域DAが小さくなり、表示対象領域DA内のオブジェクトが大きく表示される(ゲーム画面G1−11の状態)。そして、ユーザがもう一度アイコンIをタップすると、表示対象領域DAが更に小さくなり最小の状態(ゲーム画面G1−8の状態)となり、表示対象領域DA内のオブジェクトが大きく表示される。以降、ユーザがアイコンIをタップすると、表示対象領域DAが最大の状態と最小の状態との間で段階的に変化する。なお、ここでは、表示対象領域DAの大きさが3段階で変化することとして説明したが、表示対象領域DAの大きさは2段階で変化するようにしてもよいし、4段階以上の段階で変化するようにしてもよい。
この場合でも、図5〜図7を参照して説明したように、ゲーム画面G1の拡大や縮小に応じて、BGMの音量が変化するようになっている。即ち、ゲーム画面G1−8の状態では、BGMの音量が最小となり、ゲーム画面G1−9の状態になると、BGMの音量が大きくなる。ゲーム画面G1−10の状態では、BGMの音量が最大となり、ゲーム画面G1−11の状態になると、BGMの音量が小さくなる。
なお、本実施形態では、図8に示す場合でも、効果音の音量も変化する。即ち、ゲーム画面G1−8の状態では、効果音の音量が最大となり、ゲーム画面G1−9の状態になると、効果音の音量が小さくなる。ゲーム画面G1−10の状態では、効果音の音量が最小となり、ゲーム画面G1−11の状態になると、効果音の音量が大きくなる。
上記のように、本実施形態の音量制御装置10は、オブジェクトに注目するような感覚や仮想空間の様子を全体的に眺めるような感覚を音量の調節によって表現する場合に、効果音の音量を極端に大きくすることなく、効果音を目立たせることができるような構成になっている。以降、当該構成について詳細に説明する。
[3.音量制御装置において実現される機能]
図9は、音量制御装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、音量制御装置10は、データ記憶部100、出力制御部110、表示制御部120、及び音量制御部130を含む。音量制御装置10では、制御部11が記憶部12に記憶されるプログラムに従って処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。
[3−1.データ記憶部]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。データ記憶部100は、音量制御装置10が音の音量を制御するための各種データを記憶する。ここでは、データ記憶部100が記憶するデータの一例として、音マスタテーブルTBL100、オブジェクトテーブルTBL101、及びゲーム状況データDT100を説明する。
図10は、音マスタテーブルTBL100のデータ格納例を示す図である。図10に示すように、音マスタテーブルTBL100には、出力部20から出力される音を表す音データに関する情報が格納される。ここでは、音マスタテーブルTBL100には、音データを一意に識別する音データ識別情報と、音の種類を示すカテゴリ情報と、音データの格納場所(フォルダやファイル名等)と、音データを再生するための再生条件(詳細後述)と、基本音量を示すパラメータと、が関連付けられて格納される。カテゴリ情報は、後述する第1の音(例えば、効果音)であるか第2の音(例えば、BGM)であるかを識別するための情報である。
基本音量は、基準となる音量であり、標準音量ともいえる。本実施形態では、音量を示すパラメータは、音量の大小を表す数値や記号である。数値や記号に応じた大きさの音が出力される。例えば、数値が大きくなるほど大きい音が出力され、数値が小さくなるほど小さい音が出力される。また例えば、第1の記号の場合、第1の音量となり、第2の記号の場合、第1の音量とは異なる第2の音量となる。第2の音量は、第1の音量よりも大きい音量又は小さい音量である。
なお、本実施形態では、データ記憶部100が音データを記憶しているものとして説明するが、音データ自体は、音量制御装置10とは異なる外部のコンピュータに記憶されていてもよい。この場合、音マスタテーブルTBL100の音データの格納場所は、当該コンピュータを示すことになる。
図11は、オブジェクトテーブルTBL101のデータ格納例を示す図である。図11に示すように、オブジェクトテーブルTBL101は、オブジェクトと、音データと、の関連付けを示すデータである。オブジェクトテーブルTBL101には、オブジェクトの種類を示す種類情報と、音データ識別情報と、が関連付けられて格納される。本実施形態では、複数種類のオブジェクトが用意されており、これら複数種類のオブジェクトのうちの少なくとも一つが仮想空間に配置されるので、オブジェクトテーブルTBL101は、各オブジェクトによってどの効果音が生じるかを定義したデータといえる。
図12は、ゲーム状況データDT100のデータ格納例を示す図である。図12に示すように、ゲーム状況データDT100は、ゲームの現在の状況を示すゲーム状況情報を含む。例えば、ゲームの現在の状況が所定の状況であるか否かを示す情報が「ゲーム状況情報」に相当する。ここでは、ゲームにおいて発生する複数の状況が用意されており、これら複数の状況の何れであるかを示す情報がゲーム状況情報として格納される。本実施形態では、ゲーム状況情報は、仮想空間において戦闘が行われている状況である「戦闘時」、又は、戦闘時以外の状況である「通常時」の何れかを示す場合を例に挙げて説明する。
また、ゲーム状況データDT100は、各オブジェクトに関するオブジェクト情報を含む。例えば、オブジェクト情報は、仮想空間に配置されたオブジェクトを一意に識別するオブジェクトID、オブジェクトの種類を示す種類情報、オブジェクトの位置を示す座標情報、再生中の音データの音データ識別情報、現在音量を示すパラメータ、及び目標音量を示すパラメータを含む。
詳細は後述するが、本実施形態では、音量が急激に変化しないように、現在の音量から目標とする音量に段階的に音量が変化するようになっているので、現在音量と目標音量の2つのパラメータがある。なお、同じ種類の複数のオブジェクトが仮想空間に配置された場合、これらのオブジェクトIDは異なるものが割り当てられる。
また、ゲーム状況データDT100は、再生中のBGMに関するBGM情報を含む。例えば、BGM情報は、再生中のBGMの音データ識別情報、現在音量を示すパラメータ、及び目標音量を示すパラメータを含む。
また、ゲーム状況データDT100は、表示対象領域DAに関する表示対象領域情報を含む。ここでは、表示対象領域情報は、表示対象領域DAの位置を示す座標情報、及び表示対象領域DAの大きさを示す拡大率情報を含む。拡大率情報は、後述する表示サイズを決定するための情報であり、例えば、数値(以降、拡大率という。)で表される。拡大率は、所定の最大拡大率(例えば、400%)と最小拡大率(例えば、25%)との間の数値をとる。別の言い方をすれば、拡大率情報は、表示対象領域DAの大きさを決定するための情報である。
図13は、拡大率と表示対象領域DAとゲーム画面G1との関係を示す図である。図13に示すように、拡大率が大きくなるほど、表示対象領域DAは小さくなり、ゲーム画面G1が拡大表示される。一方、拡大率が小さくなるほど、表示対象領域DAは大きくなり、ゲーム画面G1が縮小表示される。即ち、表示対象領域DAが小さくなることは、ゲーム画面G1が拡大表示されることであり、オブジェクトが大きく表示されることである。一方、表示対象領域DAが大きくなることは、ゲーム画面G1が縮小表示されることであり、オブジェクトが小さく表示されることである。なお、各拡大率での表示対象領域DAの形状は、互いに相似の関係にある。
図13に示す例では、拡大率が100%のときの表示対象領域DAの横の長さをX0とし、縦の長さをY0とすると、拡大率が25%のときは表示対象領域DAの横の長さが2*X0となり、縦の長さが2*Y0となる。一方、拡大率が400%のときは表示対象領域DAの横の長さがX0/2となり、縦の長さがY0/2となる。このように、本実施形態では、拡大率と表示対象領域DAの面積とが反比例する。拡大率と表示対象領域DAとの関係を示す情報は、データ記憶部100に予め記憶されているものとする。この情報は、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。
なお、データ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、各オブジェクトを表示させるためのデータを記憶していてもよい。この場合、データ記憶部100は、各オブジェクトの画像データや3Dモデルデータを記憶する。他にも例えば、データ記憶部100は、ゲームのセーブデータを記憶していてもよい。
[3−2.出力制御部]
出力制御部110は、制御部11を主として実現される。出力制御部110は、表示部17に表示されるオブジェクトによって生じる第1の音(例えば、効果音)と、当該第1の音とは異なる第2の音(例えば、BGM)と、を出力部20から出力させる。
第1の音(例えば、効果音)は、オブジェクトによって生じる音を表す音データを再生することで出力される音である。「オブジェクトによって生じる音」とは、例えば、オブジェクトから発せられる音、又は、オブジェクトが動作することによって生じる音である。
例えば、キャラクタオブジェクトOB2の場合、キャラクタの音声、キャラクタの足音、キャラクタが他のオブジェクトを攻撃する音や、キャラクタが建物を建てる音等が「オブジェクトによって生じる音」の例に相当する。例えば、建物オブジェクトOB3の場合、建物を建てる際の音や、建物が攻撃を受けている音等が「オブジェクトによって生じる音」の例に相当する。例えば、乗物オブジェクトOB4の場合、乗物の動作音(例えば、エンジン音)等が「オブジェクトによって生じる音」の例に相当する。
別の言い方をすれば、第1の音(例えば、効果音)は、オブジェクトに関連付けられた音データを再生することで出力される音である。本実施形態では、オブジェクトを識別する情報(例えば、オブジェクトの種類情報)と、音データ識別情報と、がオブジェクトテーブルTBL101において関連付けられている。
また、先述のように、オブジェクトに関連付けられた音データを再生するための再生条件が定められている。この再生条件が満たされた場合に、出力制御部110は、オブジェクトに関連付けられた音データを再生し、オブジェクトによって生じる音を出力する。例えば、本実施形態のようにゲームが実行される場合、再生条件は、ゲームが所定の状況になったか否かを示している。ここでの所定の状況とは、例えば、オブジェクトが所定の位置にいること、オブジェクトが所定の動作をすること、オブジェクトが移動すること、又はオブジェクト同士が接触することである。
第2の音(例えば、BGM)は、第1の音(例えば、効果音)ではない音である。即ち、第2の音は、オブジェクトによって生じる音以外の音である。別の言い方をすれば、第2の音は、第1の音を表す音データとは異なる音データを再生することで出力される音である。例えば、第1の音が出力される期間の少なくとも一部と、第2の音が出力される期間の少なくとも一部とは重なっている。より具体的には、例えば、第2の音は、第1の音が出力される期間を含む期間において、一定音量以上の音が出力される状態が継続する音である。例えば、楽曲が「第2の音」に相当し、本実施形態では、第2の音は、バックグラウンドミュージックの再生音である。ここでの楽曲とは、第1の音とともに出力される楽曲であり、第1の音が出力されていない場合にも出力される楽曲である。なお、第2の音は、連続して出力され続ける環境音(波の音、滝の音、小鳥のさえずり等)でもよい。
先述のように、本実施形態では、第2の音(例えば、BGM)にも、第2の音を表す音データを再生するための再生条件が定められている。この再生条件が満たされた場合に、出力制御部110は、第2の音を表す音データを再生し、BGMを出力する。例えば、本実施形態のようにゲームが実行される場合、再生条件は、ゲームが所定の状況になったか否かを示している。ここでの所定の状況とは、予め用意された複数の状況のうちの何れかになることである。
なお、第2の音(例えば、BGM)の再生条件は上記の例に限られない。例えば、複数種類の画面の中で表示される画面が切り替わるような場合には、第2の音の再生条件は、表示部17に表示される画面の種類であってもよい。この場合、画面の種類と、第2の音を示す音データと、が関連付けられてデータ記憶部100に記憶されていることになる。表示制御部120が表示部17に表示させる画面の種類に関連付けられた音データを、出力制御部110が再生することによって、第2の音を出力する。
本実施形態の出力制御部110は、オブジェクトが表示されるゲームの実行中において、第1の音(例えば、効果音)と第2の音(例えば、BGM)とを出力部20から出力させる。オブジェクトが表示されるゲームとは、ゲーム画面G1内にオブジェクトが表示されるゲームである。別の言い方をすれば、ゲーム内の仮想空間にオブジェクトが配置されているゲームである。
本実施形態の出力制御部110は、第1の音(例えば、効果音)を複数の出力部20(ここでは、出力部20−1及び18−2)から出力させる。また、本実施形態では、出力制御部110は、第2の音(例えば、BGM)も複数の出力部20から出力させる。
[3−3.表示制御部]
表示制御部120は、制御部11を主として実現される。表示制御部120は、オブジェクトの表示サイズを変化させる。表示サイズとは、表示部17に表示されたオブジェクトのサイズである。表示サイズは、表示部17の表示領域のうち、オブジェクトが占める割合である。この割合が変化することが、表示サイズが変化することに相当する。また、表示サイズは、オブジェクトが表示部17に表示されている領域の広さともいえる。この領域の広さが変化することが、表示サイズが変化することに相当する。別の言い方をすれば、表示サイズは、表示部17の表示領域の全画素に対してオブジェクトが占める画素数である。この画素数が変化することが、表示サイズが変化することに相当する。
本実施形態では、表示部17には、仮想空間内の表示対象領域DAが表示されるので、表示制御部120は、表示対象領域DAの広さを変化させることによって、表示対象領域DA内にあるオブジェクトの表示サイズを変化させる。例えば、表示制御部120は、拡大率情報を変化させることによって、表示対象領域DAの広さを変化させる。先述のように、表示制御部120は、拡大率と表示対象領域DAとの関係を示す情報と、現在の拡大率情報と、に基づいて、表示対象領域DAの広さを変化させる。
例えば、表示制御部120は、仮想空間の表示対象領域DAを狭めることによって、ゲーム画面G1を拡大表示させ、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが大きくなるようにする。例えば、表示制御部120が表示対象領域DAを狭めて、狭められた表示対象領域DAを拡大して表示部17の表示領域に表示させる(即ち、狭められた表示対象領域DA内が表示領域に表示されるように、ゲーム画面G1を拡大表示させる)ことによって、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが大きくなる。
また例えば、表示制御部120は、仮想空間の表示対象領域DAを広げることによって、ゲーム画面G1を縮小表示させ、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが小さくなるようにする。また例えば、表示制御部120が表示対象領域DAを広げて、広げられた表示対象領域DAを縮小して表示部17の表示領域に表示させる(即ち、広げられた表示対象領域DA内が表示領域に表示されるように、ゲーム画面G1を縮小表示させる)ことによって、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが小さくなる。
例えば、表示制御部120は、仮想空間の表示対象領域DAを表示部17の表示領域全体にわたって表示させる場合には、仮想空間の表示対象領域DAを狭めて、狭められた表示対象領域DAを表示部17の上記表示領域全体にわたって拡大して表示させる(即ち、狭められた表示対象領域DA内が表示領域全体にわたって表示されるように、ゲーム画面G1を拡大表示させる)ことによって、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが大きくなるようにする。また例えば、表示制御部120は、仮想空間の表示対象領域DAを広げて、広げられた表示対象領域DAを表示部17の上記表示領域全体にわたって縮小して表示させる(即ち、広げられた表示対象領域DA内が表示領域全体にわたって表示されるように、ゲーム画面G1を縮小表示させる)ことによって、表示対象領域DA内のオブジェクトの表示サイズが小さくなるようにする。
本実施形態では、表示制御部120は、オブジェクトの表示サイズを変えるための操作に応じて、オブジェクトの表示サイズを変化させる。この操作は、オブジェクトを拡大して表示させるための操作、及び/又は、オブジェクトを縮小して表示させるための操作である。
例えば、上記操作は、表示部17に重畳して備えられるタッチパネル16を介して検出されるピンチイン操作又はピンチアウト操作である。即ち、ここでは、タッチパネル16が検出するピンチイン操作及び/又はピンチアウト操作が「オブジェクトの表示サイズを変えるための操作」に相当する。
また例えば、上記操作は、表示部17に重畳して備えられるタッチパネル16を介して検出される、表示部17に表示された所定の画像を指定する操作である。所定の画像とは、オブジェクトを拡大及び/又は縮小して表示させるための画像である。例えば、アイコンIである。即ち、ここでは、オブジェクトを拡大及び/又は縮小して表示させるための所定の画像を選択する操作(例えば、タッチパネルを介して所定画像に触れる操作)が「オブジェクトの表示サイズを変えるための操作」に相当する。
[3−4.音量制御部]
音量制御部130は、制御部11を主として実現される。音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、第2の音(例えば、BGM)の音量が小さくなるように、第2の音の音量を制御する。即ち、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に、第2の音の音量が小さくなり、オブジェクトの表示サイズが小さくなる場合に、第2の音の音量が大きくなるように、第2の音の音量を変化させる。
以下、音量制御部130の機能について詳しく説明する。なお以下では、出力制御部110によって効果音が第1の音として出力部20から出力され、BGMが第2の音として出力部20から出力される場合を想定して、音量制御部130の機能について説明する。
例えば、音量制御部130は、BGM(第2の音の一例)の音量を表すパラメータを変化させることによって、BGMの音量を変化させる。音量制御部130は、パラメータが表す数値又は記号を変化させることによって、BGMの音量を変化させる。例えば、音量制御部130は、数値を小さくすることによって、BGMの音量を小さくし、数値を大きくすることによって、BGMの音量を大きくする。また例えば、第1の記号を第2の記号にすることによって、BGMの音量を変化させる。
本実施形態では、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、効果音(第1の音の一例)の音量が大きくなり、かつ、BGMの音量が小さくなるように、効果音の音量及びBGMの音量を制御する。即ち、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に、効果音の音量が大きくなり、オブジェクトの表示サイズが小さくなる場合に、効果音の音量が小さくなるように、効果音の音量を変化させる。
例えば、音量制御部130は、効果音の音量を表すパラメータを変化させることによって、効果音の音量が変化する。音量制御部130は、パラメータが表す数値又は記号を変化させることによって、効果音の音量を変化させる。例えば、音量制御部130は、数値を小さくすることによって、効果音の音量を小さくし、数値を大きくすることによって、効果音の音量を大きくする。また例えば、音量制御部130は、第1の記号を第2の記号にすることによって、効果音の音量を変化させる。
本実施形態では、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズと効果音の音量との対応関係を示す対応関係情報に基づいて、効果音の音量を制御する。対応関係情報は、データ記憶部100に記憶されているものとする。
図14は、対応関係情報の内容を示す図である。図14に示すように、対応関係情報は、オブジェクトの表示サイズの変化に応じて、効果音の音量がどのように変化するのかを示す情報である。ここでは、対応関係情報には、拡大率と、基本音量からの倍率と、の関係が示されている。基本音量に倍率を乗算した数値が、目標音量を示すパラメータに格納されることになる。
対応関係情報は、オブジェクトの表示サイズを示す数値(例えば、拡大率)を代入することによって効果音の音量を示す数値が算出されるような数式形式の情報であってもよいし、オブジェクトの表示サイズと効果音の音量とが対応づけられているようなテーブル形式の情報であってもよい。対応関係情報は、データ記憶部100に記憶されているものとする。
本実施形態では、音量制御部130は、ゲームの状況を示すゲーム状況情報に基づいて、対応関係情報を変える。対応関係情報を変えるとは、「オブジェクトの表示サイズの変化に応じて音量をどのように変化させるのか」をゲーム状況情報に基づいて変えることである。例えば、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズの変化量が同じだった場合の音量の変化量をゲーム状況情報に基づいて異ならせる。
ここでは、図14に示すようにゲーム状況情報が示す状況ごとに、対応関係情報が用意されている。例えば、本実施形態では、「戦闘時」と「通常時」の2種類の状況が発生するので、戦闘時用の対応関係情報と、通常時用の対応関係情報とが用意されている。戦闘時の対応関係情報は、図14の破線L2で表し、通常時の対応関係情報は、一点鎖線L3で表している。
上記の対応関係情報は、例えば、下記の数式によって表される。
(式1)VRatio=(E1−EMIN)/(EMAX−EMIN)
(式2)VBattle=KBattle+(1−KBattle)*(1−VRatio)
(式3)VNormal=KNormal+(1−KNormal)*(1−VRatio)
VRatio:音量の倍率を決めるために計算する値(例えば、最大拡大率のときに1となり最小拡大率のときに0となる値)、E1:現在の拡大率、EMAX:最大拡大率、EMIN:最小拡大率、VBattle:戦闘時の音量倍率、KBattle:戦闘時の音量倍率を決めるために定められた係数(例えば、戦闘時に最小拡大率であるときの音量倍率)、VNormal:通常時の音量倍率、KNormal:通常時の音量倍率を決めるために定められた係数(例えば、通常時に最小拡大率であるときの音量倍率)
例えば、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズの変化量がある量である場合の音量の変化量を、ゲーム状況情報が第1の状況を示す場合には第1の変化量とし、ゲーム状況データDT100が第2の状況を示す場合には第1の変化量とは異なる第2の変化量とする。第2の変化量は、第1の変化量よりも大きい又は小さい量である。図14に示す例では、実行中のゲームの状況が「戦闘時」である場合、状況が「通常時」である場合よりも、表示サイズの変化による音量の変化量が大きい。
なお、図14に示すように、対応関係情報は、オブジェクトの表示サイズとBGMの音量との対応関係を示す情報を含んでいてもよい。この場合、対応関係情報は、オブジェクトの表示サイズの変化に応じて、BGMの音量がどのように変化するのかを示す。対応関係情報は、オブジェクトの表示サイズを示す数値を代入することによってBGMの音量を示す数値が算出されるような数式形式の情報であってもよいし、オブジェクトの表示サイズとBGMの音量とが対応づけられているようなテーブル形式の情報であってもよい。BGMの対応関係情報は、図14の実線L4で表している。
上記の対応関係情報は、例えば、下記の数式によって表される。
(式4)VBGM=KBGM+(1−KBGM)*VRatio
VBGM:BGMの音量倍率、KBGM:BGMの音量倍率を決めるために定められた係数(例えば、最小拡大率であるときの音量倍率)
本実施形態では、音量制御部130は、基準時間あたりの音量の変化量が所定の上限を超えないようにしつつ、効果音の音量を大きくする。基準時間は、予め定められた長さの時間であり、例えば、1秒である。基準時間あたりの音量の変化量は、現時点の音量と、現時点の基準時間後の音量と、の差である。
例えば、音量制御部130は、効果音の音量を現在音量V1から目標音量V2まで大きくする場合には、各基準時間における効果音の音量の変化量が上限以下となるようにして、効果音の音量を現在音量V1から目標音量V2まで大きくする。例えば、音量制御部130は、基準時間における変化量の上限をΔVuとした場合において、ΔVu<V2−V1<2*ΔVuの関係が成立している場合、最初の基準時間内において、効果音の現在音量を音量V1+ΔVuまで変化させ、次の基準時間内において、効果音の現在音量を音量V2まで変化させる。なお、音量制御部130が効果音の音量を小さくする場合も、上記と同様にして、基準時間における変化量が上限を超えないようにする。
本実施形態では、音量制御部130は、基準時間あたりの音量の変化量が所定の上限を超えないようにしつつ、BGMの音量を小さくする。例えば、音量制御部130は、BGMの音量を現在音量V2から目標音量V1まで小さくする場合には、各基準時間におけるBGMの音量の変化量(絶対値)が上限以下となるようにして、BGMの音量を現在音量V2から目標音量V1まで小さくする。また例えば、音量制御部130は、基準時間における変化量の上限をΔVuとした場合において、ΔVu<V2−V1<2*ΔVuの関係が成立している場合、最初の基準時間内において、BGMの現在音量を音量V2−ΔVuまで変化させ、次の基準時間内において、BGMの現在音量を音量V1まで変化させる。なお、音量制御部130がBGMの音量を大きくする場合も、上記と同様にして、基準時間における変化量が上限を超えないようにする。
[4.音量制御装置において実行される処理]
図15及び図16は、音量制御装置10において実行される処理の一例を示す図である。図15及び図16に示す処理は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて実行するものである。
図15に示すように、制御部11は、ゲームを開始すると、記憶部12に仮想空間を構築する(S100)。S100においては、制御部11は、仮想空間に各オブジェクトを配置する。記憶部12にセーブデータが記憶されている場合には、制御部11は、当該セーブデータに基づいて各オブジェクトを配置することによって、ユーザはゲームの続きをプレイすることができる。なお、セーブデータが記憶されていない場合には、初めからゲームを開始することになる。この場合には、仮想空間の初期状態を示すデータが記憶部12に記憶されており、制御部11は、当該データに基づいて仮想空間にオブジェクトを配置する。
制御部11は、表示対象領域DAを設定する(S102)。S102においては、制御部11は、拡大率の初期値(例えば、100%)に基づいて定まる大きさの表示対象領域DAを初期位置に設定する。拡大率の初期値を示す情報と、表示対象領域DAの初期位置を示す情報は、記憶部12に予め記憶されているものとする。
制御部11は、ゲーム画面G1を表示部17に表示させる(S104)。S104においては、制御部11は、仮想空間のうち表示対象領域DA内のオブジェクトを表示部17に表示させることになる。本実施形態では、仮想空間が2次元空間なので、制御部11は、表示対象領域DA内の画像を切り出すことによってゲーム画面G1を表示させる。
制御部11は、音マスタテーブルTBL100を参照して、出力すべきBGMを決定する(S106)。S106においては、制御部11は、各BGMに関連付けられた再生条件のうち、ゲーム状況情報が示す状況が満たす再生条件を特定することになる。
制御部11は、S106で決定したBGMの出力を開始する(S108)。S108においては、制御部11は、S106で決定したBGMの音データ識別情報をBGM情報に格納する。そして、制御部11は、対応関係情報と拡大率の初期値とに基づいて、BGMの音量を決定して、BGM情報の現在音量を示すパラメータとして格納する。制御部11は、その音量でBGMを出力する。以降、ゲームの状況変化に応じて、ゲーム状況データDT100が随時更新されることになる。
制御部11は、BGMを変更するか否かを判定する(S110)。S110においては、制御部11は、現在再生中ではないBGMの音データに関連付けられた再生条件が満たされるか否かを判定する。現在再生中ではないBGMの音データに関連付けられた再生条件が満たされる場合、制御部11は、BGMを変更すると判定する。この再生条件に関連付けられたBGMが、変更後のBGMとなる。
BGMを変更すると判定された場合(S110;Y)、制御部11は、BGMを変更する(S112)。S112においては、制御部11は、変更後のBGMの音データ識別情報をBGM情報に格納する。そして、制御部11は、BGMの対応関係情報と現在の拡大率とに基づいて、BGMの音量を決定して、BGM情報の現在音量を示すパラメータとして格納する。制御部11は、変更後のBGMを上記決定した音量で出力を開始する。
制御部11は、新たに出力すべき効果音があるか否かを判定する(S114)。S114においては、制御部11は、ゲーム状況データDT100のオブジェクト情報を参照して、表示対象領域DA内のオブジェクトを特定する。そして、制御部11は、オブジェクトテーブルTBL101を参照して、表示対象領域DA内のオブジェクトに関連付けられた音データ識別情報のうち、現在再生中ではない効果音の音データ識別情報を特定する。制御部11は、音マスタテーブルTBL100を参照して、当該音データ識別情報に関連付けられた再生条件とゲーム状況情報とを比較して、再生条件が満たされるか否かを判定する。制御部11は、再生条件が満たされると判定した場合に、新たに出力すべき効果音があると判定することになる。
新たに出力すべき効果音があると判定された場合(S114;Y)、制御部11は、現在の拡大率に基づいて音量を決定する(S116)。S116においては、制御部11は、ゲーム状況情報を参照して、利用する対応関係情報を決定する。即ち、制御部11は、戦闘時用の対応関係情報を利用するか、通常時用の対応関係情報を利用するか、を決定する。制御部11は、この対応関係情報と現在の拡大率とに基づいて、新たに出力すべき効果音の音量を決定する。
制御部11は、効果音の出力を開始する(S118)。S118においては、制御部11は、新たに出力する効果音の音データ識別情報をオブジェクト情報に格納する。そして、制御部11は、S116で決定した音量を、オブジェクト情報の現在音量を示すパラメータとして格納する。S118において、制御部11は、S116で決定した音量で新たに出力すべき効果音の出力を開始する。
制御部11は、出力中の効果音を停止するか否かを判定する(S120)。S120においては、制御部11は、ゲーム状況データDT100のオブジェクト情報を参照して、出力中の効果音の音データ識別情報を特定する。制御部11は、音マスタテーブルTBL100を参照して、音データ識別情報に関連付けられた再生条件とゲーム状況情報とを比較して、再生条件が満たされるか否かを判定する。制御部11は、再生条件が満たされないと判定した場合に、出力中の効果音を停止すると判定する。
出力中の効果音を停止すると判定された場合(S120;Y)、制御部11は、効果音の出力を停止する(S122)。S122においては、制御部11は、出力を停止する効果音の音データ識別情報をオブジェクト情報から削除する。そして、制御部11は、出力中の効果音の出力を停止させる。
制御部11は、システム効果音を出力させるか否かを決定する(S124)。システム効果音は、オブジェクトから生じる効果音以外の効果音である。例えば、ユーザが所定の操作を行ったり、ユーザに所定の通知を行ったりする場合に発生する効果音が、システム効果音に相当する。システム効果音を表す音データは、記憶部12に記憶されているものとする。システム効果音の音データにも再生条件が定められている。S124においては、制御部11は、システム効果音の音データに関連付けられた再生条件が満たされるか否かを判定することになる。
システム効果音を出力させると決定された場合(S124;Y)、制御部11は、システム効果音を所定の音量で出力させる(S126)。本実施形態では、BGM及び効果音の音量は拡大率に応じて変化するが、システム効果音の音量は拡大率によらず一定値となる。
図16に移り、制御部11は、タッチパネル16からの信号に基づいて、ピンチアウト操作が行われたか否かを判定する(S128)。ピンチアウト操作が行われたと判定された場合(S128;Y)、制御部11は、拡大率を増加させる(S130)。S130においては、制御部11は、表示対象領域DA情報を参照して、ピンチアウト操作の操作量に応じた増加量だけ、拡大率を増加させる。ピンチアウト操作の操作量とは、ピンチアウト操作が開始された場合の各接触位置の距離と、現在の各接触位置の距離と、の差である。制御部11は、この差が大きくなるほど拡大率が大きくなるように、拡大率を増加させる。なお、拡大率は、予め定められた最大拡大率より大きくならないようになっている。
ピンチアウト操作が行われたと判定されない場合(S128;N)、制御部11は、タッチパネル16からの信号に基づいて、制御部11は、ピンチイン操作が行われたか否かを判定する(S132)。ピンチイン操作が行われたと判定された場合(S132;Y)、制御部11は、拡大率を減少させる(S134)。S134においては、制御部11は、表示対象領域DA情報を参照して、ピンチイン操作の操作量に応じた減少量だけ、拡大率を減少させる。ピンチイン操作の減少量とは、ピンチイン操作が開始された場合の各接触位置の距離と、現在の各接触位置の距離と、の差である。制御部11は、この差が小さくなるほど拡大率が小さくなるように、拡大率を減少させる。なお、拡大率は、予め定められた最小拡大率より小さくならないようになっている。
ピンチイン操作が行われたと判定されない場合(S132;N)、制御部11は、タッチパネル16からの信号に基づいて、アイコンIがタップされたか否かを判定する(S136)。アイコンIがタップされたと判定された場合(S136;Y)、制御部11は、変化フラグを参照する(S138)。変化フラグは、アイコンIがタップされた場合に拡大率を増加させるか減少させるかを特定するためのフラグであり、予め記憶部12に記憶されているものとする。変化フラグは、拡大率を増加することを示す「増加」、又は、拡大率を減少させることを示す「減少」の何れかの値をとる。
変化フラグが増加を示している場合(S138;増加)、制御部11は、拡大率を増加させる(S140)。S140においては、制御部11は、表示対象領域DA情報を参照して、拡大率を所定値だけ増加させる。一方、変化フラグが減少を示している場合(S138;減少)、制御部11は、拡大率を減少させる(S142)。S142においては、制御部11は、表示対象領域DA情報を参照して、拡大率を所定値だけ減少させる。
制御部11は、現在の拡大率を参照する(S144)。現在の拡大率が最大拡大率である場合(S144;最大)、制御部11は、変化フラグを減少に変える(S146)。現在の拡大率が最小拡大率である場合(S144;最小)、制御部11は、変化フラグを増加に変える(S148)。なお、最大拡大率及び最小拡大率は、記憶部12に予め記憶されているものとする。
現在の拡大率が最大拡大率でも最小拡大率でもない場合(S144;中間)、制御部11は、現在の拡大率に基づいて表示対象領域DAを変化させ、オブジェクトの表示サイズを変化させる(S150)。S150においては、制御部11は、現在の拡大率に基づいて定まる大きさの表示対象領域DA内のオブジェクトをゲーム画面G1に表示させる。
制御部11は、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、効果音の音量を大きくして、かつ、BGMの音量を小さくするための音量制御処理の実行タイミングが到来したか否かを判定する(S152)。実行タイミングは、ゲームの実行中に繰り返し到来する。例えば、実行タイミングは、所定時間ごとに到来する。実行タイミングが到来したと判定された場合(S152;Y)、制御部11は、音量制御処理を実行する(S154)。
図17は、S154で実行される音量制御処理を示す図である。図17に示すように、制御部11は、現在の拡大率に基づいて、BGMの音量を決定する(S1540)。S1540においては、制御部11は、対応関係情報と現在の拡大率とに基づいて、BGMの音量を決定して、BGM情報の目標音量を示すパラメータとして格納する。
制御部11は、BGMの現在音量から目標音量に近づくように、BGMの音量変化を開始する(S1542)。以降、制御部11は、BGM情報を参照して、目標音量を示すパラメータに近づくように、現在音量を示すパラメータを、基準時間内での変化量が上限値を超えないように、所定値ずつ変化させる。制御部11は、現在音量を示すパラメータの変化に応じて、BGMの音量を変化させて出力部20から出力することになる。
制御部11は、ゲーム状況情報を参照する(S1544)。ゲーム状況情報が「通常時」を示す場合(S1544;通常時)、制御部11は、通常時用の対応関係情報に基づいて、各オブジェクトの効果音の音量を決定する(S1546)。ここでは、記憶部12に、通常時用の対応関係情報と、戦闘時用の対応関係情報と、が記憶されているものとする。S1546においては、制御部11は、通常時用の対応関係情報と現在の拡大率とに基づいて音量を決定して、オブジェクト情報の目標音量を示すパラメータとして格納する。
ゲーム状況情報が「戦闘時」を示す場合(S1544;戦闘時)、制御部11は、戦闘時用の対応関係情報に基づいて、各オブジェクトの効果音の音量を決定する(S1548)。S1548においては、制御部11は、戦闘時用の対応関係情報と現在の拡大率とに基づいて音量を決定して、オブジェクト情報の目標音量を示すパラメータとして格納する。
制御部11は、S1546又はS1548で決定した目標音量に近づくように、効果音の音量変化を開始する(S1550)。以降、制御部11は、オブジェクト情報を参照して、目標音量を示すパラメータに近づくように、現在音量を示すパラメータを、基準時間内での変化量が上限値を超えないように、所定値ずつ変化させる。制御部11は、現在音量を示すパラメータの変化に応じて、各オブジェクトの効果音の音量を変化させて出力部20から出力することになる。
図16に戻り、制御部11は、終了条件が満たされるか否かを判定する(S156)。終了条件は、本処理を終了するために定められた所定条件であり、例えば、ゲームの終了指示がタッチパネル16から入力されたか否かである。終了条件が満たされないと判定された場合(S156;N)、S110の処理に戻る。この場合、BGM及び効果音の各々の目標音量と現在音量とに差がある場合は、目標音量に徐々に近づくように、BGM及び効果音の音量が変化することになる。
終了条件が満たされると判定された場合(S156;Y)、本処理は終了する。なお、制御部11は、このタイミングでセーブデータを生成して記憶部12に記録するようにしてもよい。セーブデータの生成方法自体は、公知の種々の方法を適用可能であるので、詳細な説明は省略する。
以上説明した音量制御装置10によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる効果音とは異なるBGMの音量が小さくなるため、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に効果音を目立たせることができる。その結果、オブジェクトを近くから見ている感覚をより効果的にユーザに与えることができる。また、効果音とは異なるBGMの音量を小さくすることによって、オブジェクトによって生じる効果音を目立たせるため、オブジェクトによって生じる効果音の音量を極端に大きくすることのないようにすることができる。
また、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる効果音が大きくなり、かつ、効果音とは異なるBGMが小さくなるため、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に効果音をより目立たせることができる。その結果、オブジェクトを近くから見ている感覚をさらに効果的にユーザに与えることができる。また、BGMの音量を小さくするとともに、効果音の音量を大きくするため、オブジェクトによって生じる音の音量を極端に大きくすることのないようにすることができる。
また、オブジェクトの表示サイズと効果音の音量との対応関係がゲームの状況に基づいて変わるため、オブジェクトの表示サイズの変化による効果音の音量の変化の程度を、ゲームの状況に応じて大きくしたり小さくしたりすることができる。
また、オブジェクトの表示サイズが急に大きくなった場合に効果音の音量が急に大きくなってしまうと、ユーザに不自然さを感じさせてしまうおそれがあるが、効果音の音量の変化量が所定の上限を超えないように制限されるため、上記のような不自然さをユーザに感じさせないように担保することができる。
また、オブジェクトの表示サイズが急に大きくなった場合にBGMの音量が急に小さくなってしまうと、ユーザに不自然さを感じさせてしまうおそれがあるが、BGMの音量の変化量が所定の上限を超えないように制限されるため、上記のような不自然さをユーザに感じさせないように担保することができる。
また、ピンチイン操作やピンチアウト操作によりオブジェクトの表示サイズが変化するため、オブジェクトの表示サイズを変えるための操作をより直観的な操作とすることができる。
また、表示部17に表示される画像を指定することによりオブジェクトの表示サイズが変化するため、オブジェクトの表示サイズを変えるための操作を比較的簡易な操作とすることができる。例えば、ピンチイン操作やピンチアウト操作は、2本の指が必要となるが、画像に触れる操作は、1本の指で行うことができる。このため、例えば、音量制御装置10が携帯端末の場合には、片手での操作が可能となる。
また、一般的に、バックグラウンドミュージックは連続的に音が出力されるものである。連続的に出力される音は連続的に出力されない音に比べて、他の音を聞くうえで妨げになる。このため、バックグラウンドミュージックは、効果音を聞くための妨げになってしまうことがある。この点、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、バックグラウンドミュージックのような連続的な音の音量が小さくなるため、オブジェクトによって生じる効果音が目立ちやすくなる。
[5.変形例]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
(1)例えば、オブジェクトによって生じる効果音が複数の出力部20から出力される場合に、各出力部20で音量差を設けると、そのオブジェクトの位置を感じることができる。例えば、ゲーム画面G1の中心点よりも左側にあるオブジェクトによって生じる効果音を、左耳用のイヤホンである第1の出力部21からの音量を大きくし、右耳用のイヤホンである第2の出力部22からの音量を小さくすると、オブジェクトが本当に左側にあるような感覚を与えることができる。
このような感覚を与えるための制御を一般的にパンニング制御というが、音量制御装置10は、パンニング制御を実行することによって、オブジェクトに注目しているような感覚やオブジェクトから離れて仮想空間を全体的に見渡しているような感覚をより効果的に与えるようにしてもよい。
本変形例の音量制御部130は、複数の出力部20の各々について、効果音の音量を制御している。即ち、音量制御部130は、出力部20ごとに、効果音の音量を決定している。本実施形態では、音量制御部130は、第1の出力部21及び第2の出力部22の各々の音量を決定するための数値(以降、パンニング値という。)によって、これらの音量を決定している。
図18は、パンニング値と各出力部20の音量との関係を示す図である。図18に示すように、ここでは、パンニング値が大きくなるほど、第1の出力部21からの音量(図18の一点鎖線L5で示す。)が小さくなり、かつ、第2の出力部22からの音量(図18の実線L6で示す。)が大きくなる。例えば、このパンニング値は、第1の値(図18では「−1」)と第2の値(図18では「1」)との間の値をとる。なお、パンニング値と各出力部20の音量との関係を示す情報は、データ記憶部100に記憶されているものとする。この情報は、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。
例えば、音量制御部130は、オブジェクトごとにパンニング値を計算して、オブジェクト情報に格納する。第1の出力部21から出力される効果音の目標音量は、オブジェクト情報に格納される目標音量に、図18の一点鎖線L5で定まる比率を乗算させたものである。第2の出力部21から出力される効果音の目標音量は、オブジェクト情報に格納される目標音量に、図18の実線L6で定まる比率を乗算させたものである。
パンニング値が−1であることは、第1の出力部21のみから効果音を出力し、第2の出力部21からの効果音の音量が0であることを示す。この場合、左耳用のイヤホンである第1の出力部21のみから効果音が出力されるので、オブジェクトが左側にあるように感じることができる。
一方、パンニング値が1であることは、第2の出力部21のみから効果音を出力し、第1の出力部21からの効果音の音量が0であることを示す。この場合、右耳用のイヤホンである第2の出力部21のみから効果音が出力されるので、オブジェクトが右側にあるように感じることができる。
パンニング値が0であることは、第1の出力部21からの効果音の音量と、第2の出力部21からの効果音の音量と、が同じことを示す。この場合、左耳用のイヤホンである第1の出力部21と右耳用のイヤホンである第2の出力部21との音量が均等になるので、オブジェクトが正面にあるように感じることができる。
例えば、音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、複数の出力部20の各々から出力される効果音の間の音量差が大きくなるように、複数の出力部20の各々から出力される効果音の音量を制御する。
例えば、出力部20の数をn(n:2以上の整数)とすると、音量制御部130は、第mの出力部(m:1〜nの整数)に、第mの音量で効果音を出力させる。音量制御部130は、第m1の出力部20(m1:1〜nの整数)からの効果音の音量m1と、第m2の出力部20(m2:1〜nの整数であって、m1とは異なる整数)からの効果音の音量m2と、の差をΔmとすると、表示サイズが大きくなった場合に、Δmが大きくなるように、音量m1及び/又は音量m2を変え、表示サイズが小さくなった場合に、Δmが小さくなるように、音量m1及び/又は音量m2を変える。
また例えば、音量制御部130は、オブジェクトの位置が表示対象領域DAの中心点から離れているほど、複数の出力部20の各々から出力される効果音の間の音量差が大きくなるように、複数の出力部20の各々から出力される効果音の音量を制御してもよい。中心点とは、表示対象領域DAの中心を示す位置である。別の言い方をすれば、中心点は、表示対象領域DAの輪郭が示す形状の重心ともいえる。例えば、表示対象領域DAが正方形又は長方形なのであれば、正方形又は長方形の中心の位置である。
例えば、オブジェクトの表示位置と表示対象領域DAの中心点との距離をdとする。音量制御部130は、第m1の出力部20(m1:1〜nの整数)からの効果音の音量m1と、第m2の出力部20(m2:1〜nの整数であって、m1とは異なる整数)からの効果音の音量m2と、の差をΔmとすると、dが大きくなった場合に、Δmが大きくなるように、音量m1及び/又は音量m2を変え、dが小さくなった場合に、Δmが小さくなるように、音量m1及び/又は音量m2を変える。
本変形例では、音量制御部130は、拡大率及び距離dの2つの要素によって、パンニング値を計算している。例えば、拡大率及び距離dと、パンニング値と、の関係を示す情報がデータ記憶部100に記憶されているものとする。この情報は、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。音量制御部は、この情報と拡大率及び距離dとに基づいて、オブジェクトごとにパンニング値を計算して、オブジェクト情報に格納する。
例えば、音量制御部130は、拡大率が大きくなるほど(表示対象領域DAが小さくなるほど)、パンニング値の絶対値が大きくなるように、パンニング値を決定する。また、音量制御部130は、距離dが大きくなるほど、パンニング値の絶対値が大きくなるように、パンニング値を決定する。なお、パンニング値の正負は、オブジェクトの位置と表示対象領域DAの中心点との位置関係によって定まる。オブジェクトが表示対象領域DAの中心点よりも左側にある場合は、パンニング値はマイナスとなり、オブジェクトが表示対象領域DAの中心点よりも右側にある場合は、パンニング値はプラスとなる。
例えば、パンニング値は、下記の数式によって計算される。なお、下記の「(Xso−Xsc)」は、上記の距離dと同じ意味である。
(式5)PLimit=1−KLimit*VRatio
(式6)P=(Xso−Xsc)*E2/(XSMAX/2)*PLimit
PLimit:パンニング値を求めるために計算する値、KLimit:PLimitを求めるための係数(例えば、0以上1未満の数値)、P:パンニング値、Xso:オブジェクトのXS座標、Xsc:中心点のXS座標、E2:現在の拡大率に対応する数値(例えば、現在の拡大率が%で表される場合、現在の拡大率を100で割った数値)、XSMAX:ゲーム画面G1の横幅(Xs軸方向の長さ)
音量制御部130は、各オブジェクトの効果音の目標音量とパンニング値とに基づいて、各出力部20からの音量を決定することになる。例えば、音量制御部130は、図18に示す関係とパンニング値とに基づいて音量の比率を出力部20ごとに取得する。そして、音量制御部130は、各出力部20から、当該取得した比率と目標音量とを乗算した音量で効果音を出力する。
なお、本変形例でも、実施形態と同様の処理(図15〜図17)が実行されるが、S154の音量制御処理において、制御部11が、S1546又はS1548で決定した音量と、上記のように決定したパンニング値とに基づいて、各出力部20の目標音量を決定する点が異なる。他の処理については、実施形態と同様である。
一般的に、音を生じさせる物体が遠くにあるときは、左右の耳のそれぞれと物体との位置関係がほとんど変わらないため、左右の耳で感じる音量差は比較的少ない。一方、物体が近くにあるときは、左右の耳のそれぞれと物体との位置関係の違いが大きいため、左右の耳で感じる音量差は比較的大きい。この点、変形例(1)によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、複数の出力部20の各々からの効果音の音量差が大きくなるので、オブジェクトに近寄っているように感じさせることができる。その結果、オブジェクトに注目している感覚を与えることができる。
また、一般的に、オブジェクトによって生じる音を複数の出力部20から出力する場合に、各出力部20で音量差を設けると、出力部20の間に物体が存在しているように感じさせることができる。例えば、音を左右のイヤホンから出力するときに、左のイヤホンからの音量を右のイヤホンからの音量よりも大きくすることで、その音を生じさせる物体が左側にあるように感じさせることができる。この点、変形例(1)によれば、オブジェクトの位置が表示対象領域DAの中心点から離れているほど、複数の出力部20の各々からの効果音の音量差が大きくなるため、効果音の音量差によって、オブジェクトの位置を感じさせることができる。
なお、変形例(1)では、拡大率及び距離dの2つの要素によってパンニング値が決定される場合を説明したが、拡大率及び距離dの何れか一方のみでパンニング値を決定してもよい。
(2)また例えば、ユーザはゲーム画面G1の中心点付近を見ることが多いため、中心点から遠いオブジェクトについては、効果音の音量を小さくすることで、中心点付近に注目しているような感覚を与えるようにしてもよい。
音量制御部130は、表示対象領域DAの中心点を含む領域外にオブジェクトがある場合の効果音の音量を、領域内にオブジェクトがある場合の効果音の音量よりも小さくする。以降、この領域を中心領域という。
図19は、中心領域の一例を示す図である。図19に示すように、中心領域CAは、領域内に表示対象領域DAの中心点ODAが位置するような領域である。ここでは、2つの中心領域CA1及びCA2が設定される。中心領域CA1は、表示対象領域DAの中心点ODAを中心とする半径r1の円形領域である。中心領域CA2は、表示対象領域DAの中心点ODAを中心とする半径r2(r2>r1)の円形領域である。なお、中心領域CAは、表示対象領域DAの中心点ODAを中心とする正方形又は長方形領域であってもよく、中心領域CAの形状は、円形に限られない。なお、r1及びr2は、表示部17の表示領域の大きさに応じて定められていてもよい。
音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが同じだった場合に、中心領域CA外にオブジェクトがある場合の効果音の音量を、中心領域CA内にオブジェクトがある場合の効果音の音量よりも小さくする。例えば、音量制御部130は、中心領域CA1内のオブジェクトの効果音については、音量を小さくしない。一方、音量制御部130は、中心領域CA1外であり、かつ、中心領域CA2内のオブジェクトの効果音については、音量を小さくする。また、音量制御部130は、中心領域CA2外にあるオブジェクトの効果音の音量を0とする。即ち、音量制御部130は、中心領域CA2内のオブジェクトに関連付けられた効果音の音データのみを出力するようにしてもよい。
音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、中心領域CAを小さくする。音量制御部130は、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に中心領域CAを小さくし(狭くし)、オブジェクトの表示サイズが小さくなる場合に中心領域CAを大きくする(広げる)。例えば、オブジェクトの表示サイズと、中心領域CAの大きさと、の関係を示す情報がデータ記憶部100に記憶されているものとする。音量制御部130は、この情報と、オブジェクトの表示サイズと、に基づいて中心領域CAの大きさを変化させる。
なお、音量制御部130は、オブジェクトの位置が表示対象領域DAの中心点ODAから離れているほど、効果音の音量が小さくなるように、効果音の音量を制御するようにしてもよい。音量制御部130は、オブジェクトの位置と表示対象領域DAの中心点ODAとの距離dが大きくなる場合に効果音の音量を小さくし、この距離dが小さくなる場合に効果音の音量を大きくする。例えば、オブジェクトの位置と表示対象領域DAの中心点ODAとの距離dと、効果音の音量と、の関係を示す情報がデータ記憶部100に記憶されているものとする。音量制御部130は、この情報と、オブジェクトの位置と表示対象領域DAの中心点ODAとの距離と、に基づいて効果音の音量を決定する。
例えば、本変形例では、距離dが距離r1を超えている場合、音量制御部130は、下記の数式によって計算されるVRateを、目標音量に乗算する。VRateが0以下の場合には0とする。
(式7)VRate=1−(d*E1−r1)/(r2−r1)
VRate:音量の倍率に乗算する係数、E1:現在の拡大率に対応する数値(例えば、現在の拡大率が%で表される場合、現在の拡大率を100で割った数値)
なお、本変形例でも、実施形態と同様の処理(図15〜図17)が実行されるが、S154の音量制御処理において、制御部11が、S1546又はS1548において、中心領域CA内のオブジェクトについて、表示サイズ及び距離dに基づいて目標音量を決定する点が異なる。他の処理については、実施形態と同様である。
一般的に、物体が発する音が大きくなると、その物体に注目するような感覚を与えることができる。変形例(2)によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる効果音の音量を大きくするための領域が中心付近に集まり、オブジェクトによって生じる効果音の音量を小さくするための領域が広くなる。オブジェクトが中心点に比較的近いときにのみオブジェクトによって生じる効果音が大きくなり、その結果、中心付近にあるオブジェクトをより強く注目している感覚を与えることができる。例えば、ある物に近づいて注視するときに注視点付近に注目するような感覚を、オブジェクトによって生じる効果音の音量によって表現することができる。
また、一般的に、物体が発する音が大きくなると、その物体に注目するような感覚を与えることができる。変形例(2)によれば、オブジェクトが中心点から離れているほど効果音が小さくなるため、オブジェクトによって生じる効果音の音量によって、表示対象領域DAの中心付近に注目している感覚を与えることができる。例えば、ある物に近づいて注視するときに注視点付近に注目するような感覚を、オブジェクトによって生じる効果音の音量によって表現することができる。
なお、変形例(2)では、表示サイズと距離dの2つの要素によって音量が決定される場合を説明したが、表示サイズと距離dの何れか一方のみで音量を決定してもよい。
(3)以上では、単体の音量制御装置10によって音量が制御される場合について説明したが、出力部20から音を出力させる端末装置がサーバと通信することによって音量が制御されるようにしてもよい。すなわち、本発明は、例えば複数のコンピュータを含む音量制御システム1にも適用することが可能である。
図20は、音量制御システム1の構成を示す図である。図20に示すように、音量制御システム1では、端末装置30と音量制御サーバ40とを含む。端末装置30と音量制御サーバ40は、ネットワークNに接続され、相互にデータ通信が可能である。
端末装置30は、制御部31、記憶部32、読取部33、通信部34、操作部35、タッチパネル36、表示部37、及び音声出力端子38を含み、出力部20に接続されている。端末装置30のハードウェア構成は、音量制御装置10と同様であるので説明を省略する。
音量制御サーバ40は、例えば、サーバコンピュータによって実現される。図20に示すように、音量制御サーバ40は、制御部41、記憶部42、及び通信部43を含む。これらのハードウェアは、それぞれ、制御部11、記憶部12、及び通信部14の各々と同様であってよい。
音量制御システム1によって実現される機能は、実施形態及び上記変形例で説明したものと同様であるが、各機能が、音量制御サーバ40によって実現されるようにしてもよい。この場合、音量制御サーバ40が、本発明に係る音量制御装置に相当する。音量制御サーバ40は、制御部41が記憶部42に記憶されるプログラムに従って処理を実行することにより、各機能を実現する。
例えば、データ記憶部100が、音量制御サーバ40によって実現されるようにしてもよい。この場合、データ記憶部100は、音量制御サーバ40の記憶部42を主として実現される。音量制御装置10が効果音及びBGMの音量を制御して出力する場合には、ネットワークNを介してデータ記憶部100に記憶された各データを取得することになる。
また例えば、出力制御部110が、音量制御サーバ40によって実現されるようにしてもよい。この場合、出力制御部110は、音量制御サーバ40の制御部41を主として実現される。出力制御部110は、データ記憶部100に記憶された音データと、当該音データを出力部20から出力するための指示と、を音量制御装置10に送信する。音量制御装置10は、当該指示に従って、受信した音データを出力部20から出力する。
また例えば、表示制御部120が、音量制御サーバ40によって実現されるようにしてもよい。この場合、表示制御部120は、音量制御サーバ40の制御部41を主として実現される。表示制御部120は、データ記憶部100に記憶されたゲーム状況データに基づいて、ゲーム画面G1の表示データを音量制御装置10に送信する。音量制御装置10は、この表示データを受信すると、ゲーム画面G1を表示部17に表示させる。なお、音量制御装置10において表示サイズを変更するための操作が行われた場合、音量制御装置10は、当該操作が行われたことを示す通知を音量制御サーバ40に送信する。音量制御サーバ40は、この通知を受け取ると、表示制御部120は、オブジェクトの表示サイズを変更してゲーム画面G1の表示データを生成し、音量制御装置10に送信する。
また例えば、音量制御部130が、音量制御サーバ40によって実現されるようにしてもよい。この場合、音量制御部130は、音量制御サーバ40の制御部41を主として実現される。音量制御部130は、効果音の現在音量及び目標音量を表すパラメータを計算して音量制御装置10に送信する。音量制御装置10は、受信した現在音量及び目標音量を表すパラメータに従って効果音を出力部20から出力させる。同様に、音量制御部130は、BGMの現在音量及び目標音量を表すパラメータを計算して音量制御装置10に送信する。音量制御装置10は、受信した現在音量及び目標音量を表すパラメータに従ってBGMを出力部20から出力させる。
また例えば、各機能が音量制御サーバ40だけで実現されるのではなく、端末装置30と音量制御サーバ40とで分担されるようにしてもよい。即ち、データ記憶部100、出力制御部110、表示制御部120、及び音量制御部130の各々は、端末装置30と音量制御サーバ40の何れかにより実現されるようにしてもよい。
例えば、端末装置30が出力制御部110、表示制御部120、及び音量制御部130を実現して、音量制御サーバ40がデータ記憶部100を実現するようにしてもよい。この場合、端末装置30は、ネットワークNを介して各データを取得することによって、上記各機能を実現する。更に、データ記憶部100は、音量制御システム1とは異なるシステムが実現するようにしてもよい。この場合、音量制御システム1は、ネットワークNを介して当該システムから各データを取得することになる。
また例えば、端末装置30が表示制御部120及び音量制御部130を実現して、音量制御サーバ40が出力制御部110を実現するようにしてもよい。なお、この場合、音量制御サーバ40が音マスタテーブルTBL100及びオブジェクトテーブルTBL101を記憶しており、端末装置30がゲーム状況データDT100を記憶していてもよい。音量制御サーバ40が音データを端末装置30に送信し、端末装置30は、受信した音データに基づいてBGMや効果音を出力することになる。
また例えば、端末装置30が音量制御部130を実現して、音量制御サーバ40が出力制御部110及び表示制御部120を実現するようにしてもよい。なお、この場合、音量制御サーバ40が音マスタテーブルTBL100及びオブジェクトテーブルTBL101を記憶しており、端末装置30がゲーム状況データDT100を記憶していてもよい。音量制御サーバ40が音データやゲーム画面G1の表示データを端末装置30に送信し、端末装置30は、受信した音データに基づいてBGMや効果音を出力したり、受信した表示データに基づいてゲーム画面G1を表示させたりすることになる。
また例えば、端末装置30が出力制御部110及び音量制御部130を実現して、音量制御サーバ40が表示制御部120を実現するようにしてもよい。なお、この場合、音量制御サーバ40がゲーム状況データDT100を記憶しており、端末装置30が音マスタテーブルTBL100及びオブジェクトテーブルTBL101を記憶していてもよい。音量制御サーバ40が音量を示す情報を端末装置30に送信し、端末装置30は、当該情報に基づいて定まる音量でBGMや効果音を出力することになる。
上記音量制御システム1によっても音量制御装置10と同様の効果が奏される。
(4)また例えば、オブジェクトの表示サイズは、オブジェクトが表示部17に表示された状態で変化してもよいし、オブジェクトが表示部17に表示されていない状態で変化してもよい。例えば、表示制御部120が仮想空間に配置されたオブジェクトを表示させる場合、表示対象領域DA内にオブジェクトが表示されていない状態で、表示対象領域DA外にあるオブジェクトの表示サイズを変化させるようにしてもよい。この場合、表示対象領域DA又はオブジェクトが移動して表示対象領域DA内にオブジェクトが含まれた場合に、表示制御部は、オブジェクトが比較的大きい状態で表示部17に表示させることになる。更に、出力制御部110は、表示対象領域DA外のオブジェクトから生じる効果音を出力するようにしてもよい。この場合、ゲーム画面G1に表示されていないオブジェクトの表示サイズの変化に応じて、効果音やBGMの音量が変化することになる。
また例えば、仮想空間は、3次元空間であってもよい。この場合、仮想空間には、3次元座標軸が設定され、各オブジェクトの位置は、3次元座標によって示される。表示制御部120は、仮想空間に配置された各オブジェクトの頂点座標を、所定の座標変換演算を用いて3次元座標から2次元座標に座標変換することによって、ゲーム画面G1を表示部17に表示させる。この場合、表示制御部120は、オブジェクトと視点(仮想カメラ)との距離を変化させること、又は、視点に設定される拡大率(ズーム)を変化させること、により、視点の視野に含まれるオブジェクトの表示サイズが変化する。
また例えば、第1の出力部21及び第2の出力部22がある場合を説明したが、出力部20は一つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また例えば、音量制御装置10や音量制御システム1において実行されるゲームは上記の例に限られない。オブジェクトが表示されるゲームが実行されるようにすればよい。更に、音量制御装置10や音量制御システム1は、ゲームを実行しなくてもよい。表示部17にオブジェクトが表示される場合に、上記のような音量制御が行われるようにすればよい。
また例えば、実施形態と複数の変形例を組み合わせてもよい。
[6.発明のまとめ]
以上のような記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様に係る音量制御装置(10)は、表示手段(17)に表示されるオブジェクトによって生じる第1の音と、当該第1の音とは異なる第2の音と、を出力手段(20)から出力させる出力制御手段(110)と、前記オブジェクトの表示サイズを変化させる表示制御手段(120)と、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記第2の音の音量が小さくなるように、前記第2の音の音量を制御する音量制御手段(130)と、を含むことを特徴とする。
13)本発明の一態様に係る音量制御システム(1)は、表示手段(17)に表示されるオブジェクトによって生じる第1の音と、当該第1の音とは異なる第2の音と、を出力手段(20)から出力させる出力制御手段(110)と、前記オブジェクトの表示サイズを変化させる表示制御手段(120)と、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記第2の音の音量が小さくなるように、前記第2の音の音量を制御する音量制御手段(130)と、を含むことを特徴とする。
14)本発明の一態様に係るプログラムは、表示手段(17)に表示されるオブジェクトによって生じる第1の音と、当該第1の音とは異なる第2の音と、を出力手段(20)から出力させる出力制御手段(110)、前記オブジェクトの表示サイズを変化させる表示制御手段(120)、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記第2の音の音量が小さくなるように、前記第2の音の音量を制御する音量制御手段(130)、としてコンピュータを機能させる。
15)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、上記14)に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
上記の1)及び13)〜15)の各態様によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる第1の音とは異なる第2の音の音量が小さくなるため、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に第1の音(オブジェクトによって生じる音)を目立たせることができる。その結果、オブジェクトを近くから見ている感覚をより効果的にユーザに与えることができる。また、第1の音(オブジェクトによって生じる音)とは異なる第2の音の音量を小さくすることによって、オブジェクトによって生じる音を目立たせるため、オブジェクトによって生じる音の音量を極端に大きくすることのないようにすることができる。
2)本発明の一態様では、1)に記載の音量制御装置(10)において、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記第1の音の音量が大きくなり、かつ、前記第2の音の音量が小さくなるように、前記第1の音の音量及び前記第2の音の音量を制御する、ことを特徴とする。
2)の態様によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる第1の音が大きくなり、かつ、第1の音とは異なる第2の音が小さくなるため、オブジェクトの表示サイズが大きくなる場合に第1の音(オブジェクトによって生じる音)をより目立たせることができる。その結果、オブジェクトを近くから見ている感覚をさらに効果的にユーザに与えることができる。また、第2の音の音量を小さくするとともに、第1の音の音量を大きくするため、オブジェクトによって生じる音の音量を極端に大きくすることのないようにすることができる。
3)本発明の一態様では、2)に記載の音量制御装置(10)において、前記出力制御手段(110)は、前記オブジェクトが表示されるゲームの実行中において、前記第1の音と前記第2の音とを前記出力手段(20)から出力させ、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの表示サイズと前記第1の音の音量との対応関係を示す対応関係情報に基づいて、前記第1の音の音量を制御し、前記音量制御手段(130)は、前記ゲームの状況を示すゲーム状況情報に基づいて、前記対応関係情報を変える、ことを特徴とする。
3)の態様によれば、オブジェクトの表示サイズと第1の音の音量との対応関係がゲームの状況に基づいて変わるため、オブジェクトの表示サイズの変化による第1の音の音量の変化の程度を、ゲームの状況に応じて大きくしたり小さくしたりすることができる。
4)本発明の一態様では、2)又は3)に記載の音量制御装置(10)において、前記音量制御手段(130)は、基準時間あたりの音量の変化量が所定の上限を超えないようにしつつ、前記第1の音の音量を大きくする、ことを特徴とする。
例えば、オブジェクトの表示サイズが急に大きくなった場合に第1の音の音量が急に大きくなってしまうと、ユーザに不自然さを感じさせてしまうおそれがあるが、4)の態様によれば、第1の音の音量の変化量が所定の上限を超えないように制限されるため、上記のような不自然さをユーザに感じさせないように担保することができる。
5)本発明の一態様では、1)〜4)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記音量制御手段(130)は、基準時間あたりの音量の変化量が所定の上限を超えないようにしつつ、前記第2の音の音量を小さくする、ことを特徴とする。
例えば、オブジェクトの表示サイズが急に大きくなった場合に第2の音の音量が急に小さくなってしまうと、ユーザに不自然さを感じさせてしまうおそれがあるが、5)の態様によれば、第2の音の音量の変化量が所定の上限を超えないように制限されるため、上記のような不自然さをユーザに感じさせないように担保することができる。
6)本発明の一態様では、1)〜5)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、本発明の一態様に係る音量制御装置(10)は、前記出力制御手段(110)は、前記第1の音を複数の出力手段(20)から出力させ、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記複数の出力手段(20)の各々から出力される前記第1の音の間の音量差が大きくなるように、前記複数の出力手段(20)の各々から出力される前記第1の音の音量を制御する、ことを特徴とする。
一般的に、音を生じさせる物体が遠くにあるときは、左右の耳のそれぞれと物体との位置関係がほとんど変わらないため、左右の耳で感じる音量差は比較的少ない。一方、物体が近くにあるときは、左右の耳のそれぞれと物体との位置関係の違いが大きいため、左右の耳で感じる音量差は比較的大きい。この点、6)の態様によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、複数の出力手段の各々からの第1の音の音量差が大きくなるので、オブジェクトに近寄っているように感じさせることができる。その結果、オブジェクトに注目している感覚を与えることができる。
7)本発明の一態様では、1)〜6)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記出力制御手段(110)は、前記第1の音を複数の出力手段(20)から出力させ、前記表示手段(17)には、仮想空間内の表示対象領域が表示され、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの位置が前記表示対象領域の中心点から離れているほど、前記複数の出力手段(20)の各々から出力される前記第1の音の間の音量差が大きくなるように、前記複数の出力手段(20)の各々から出力される前記第1の音の音量を制御する、ことを特徴とする。
一般的に、オブジェクトによって生じる音を複数の出力手段から出力する場合に、各出力手段で音量差を設けると、出力手段の間に物体が存在しているように感じさせることができる。例えば、音を左右のイヤホンから出力するときに、左のイヤホンからの音量を右のイヤホンからの音量よりも大きくすることで、その音を生じさせる物体が左側にあるように感じさせることができる。この点、7)の態様によれば、オブジェクトの位置が表示対象領域の中心点から離れているほど、複数の出力手段の各々からの第1の音の音量差が大きくなるため、第1の音の音量差によって、オブジェクトの位置を感じさせることができる。
8)本発明の一態様では、1)〜7)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記表示手段(17)には、仮想空間内の表示対象領域が表示され、前記音量制御手段(130)は、前記表示対象領域の中心点を含む領域外に前記オブジェクトがある場合の前記第1の音の音量を、前記領域内に前記オブジェクトがある場合の前記第1の音の音量よりも小さくし、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、前記領域を小さくする、を含むことを特徴とする。
一般的に、物体が発する音が大きくなると、その物体に注目するような感覚を与えることができる。8)の態様によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、オブジェクトによって生じる音(第1の音)の音量を大きくするための領域が中心付近に集まり、オブジェクトによって生じる音(第1の音)の音量を小さくするための領域が広くなる、オブジェクトが中心点に比較的近いときにのみオブジェクトによって生じる音(第1の音)が大きくなり、その結果、中心付近にあるオブジェクトをより強く注目している感覚を与えることができる。例えば、ある物に近づいて注視するときに注視点付近に注目するような感覚を、オブジェクトによって生じる音(第1の音)の音量によって表現することができる。
9)本発明の一態様では、1)〜8)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記表示手段(17)には、仮想空間内の表示対象領域が表示され、前記音量制御手段(130)は、前記オブジェクトの位置が前記表示対象領域の中心点から離れているほど、前記第1の音の音量が小さくなるように、前記第1の音の音量を制御する、ことを特徴とする。
一般的に、物体が発する音が大きくなると、その物体に注目するような感覚を与えることができる。9)の態様によれば、オブジェクトが中心点から離れているほど第1の音が小さくなるため、オブジェクトによって生じる音(第1の音)の音量によって、表示対象領域の中心付近に注目している感覚を与えることができる。例えば、ある物に近づいて注視するときに注視点付近に注目するような感覚を、オブジェクトによって生じる音(第1の音)の音量によって表現することができる。
10)本発明の一態様では、1)〜9)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記表示制御手段(120)は、前記オブジェクトの表示サイズを変えるための操作に応じて、前記オブジェクトの表示サイズを変化させ、前記操作は、前記表示手段(17)に重畳して備えられるタッチパネルを介して検出されるピンチイン操作又はピンチアウト操作である、ことを特徴とする。
10)の態様によれば、ピンチイン操作やピンチアウト操作によりオブジェクトの表示サイズが変化するため、オブジェクトの表示サイズを変えるための操作をより直観的な操作とすることができる。
11)本発明の一態様では、1)〜10)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記表示制御手段(120)は、前記オブジェクトの表示サイズを変えるための操作に応じて、前記オブジェクトの表示サイズを変化させ、前記操作は、前記表示手段(17)に重畳して備えられるタッチパネルを介して検出される、前記表示手段(17)に表示された所定の画像を指定する操作である、ことを特徴とする。
11)の態様によれば、表示手段に表示される画像を指定することによりオブジェクトの表示サイズが変化するため、オブジェクトの表示サイズを変えるための操作を比較的簡易な操作とすることができる。例えば、ピンチイン操作やピンチアウト操作は、2本の指が必要となるが、画像に触れる操作は、1本の指で行うことができる。このため、例えば、音量制御装置が携帯端末の場合には、片手での操作が可能となる。
12)本発明の一態様では、1)〜11)の何れかに記載の音量制御装置(10)において、前記第2の音は、バックグラウンドミュージックの再生音であることを特徴とする。
一般的に、バックグラウンドミュージックは連続的に音が出力されるものである。連続的に出力される音は連続的に出力されない音に比べて、他の音を聞くうえで妨げになる。このため、バックグラウンドミュージックは、第1の音を聞くための妨げになってしまうことがある。12)の態様によれば、オブジェクトの表示サイズが大きくなるほど、バックグラウンドミュージックのような連続的な音の音量が小さくなるため、オブジェクトによって生じる音(第1の音)が目立ちやすくなる。