JP6433181B2 - カテキン及びエピカテキン4〜6量体の製造方法 - Google Patents

カテキン及びエピカテキン4〜6量体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カテキン又はエピカテキンの4量体〜6量体を、光学選択的かつ効率的に製造する方法に関するものである。
カテキン又はエピカテキン等のフラボノイドが2つ以上重合した化合物は、プロシアニジンと総称され、抗酸化作用や抗ウイルス作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、動脈硬化抑制作用、胃潰瘍抑制作用、発ガン抑制作用、育毛活性作用、美白作用等の生理作用があり、健康食品や化粧品などの素材として広く利用されている。
プロシアニジンとしては、エピカテキン−(β4→8)−カテキンの構造を有するプロシアニジンB1、エピカテキン−(β4→8)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB2、カテキン−(α4→8)−カテキンの構造を有するプロシアニジンB3、カテキン−(α4→8)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB4、エピカテキン−(β4→6)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB5などが知られている。
これまでに、カテキン等のフラボノイドからプロシアニジン類を製造する方法として幾つか開示されている。(例えば、非特許文献1、2参照)
非特許文献1には、カテキンを公知の方法により求電子体と求核体の2種の反応性誘導体に変換し、四塩化チタンを触媒として、低温条件下(例えば、−20℃)に、1対4.5当量ずつ反応させて得られる2量体混合物から光学選択的にプロシアニジンB3誘導体を得る方法が開示されている。
また、非特許文献2には、同様にカテキンより変換された2種の反応性誘導体を、四塩化チタンを触媒として2対1で反応させることで、光学選択的に2量体誘導体に導く方法が開示されている。
前記のカテキン又はエピカテキン重合体の製造方法は、例えば、一方の製造原料を大過剰に使用することによる経済的な損失の問題、反応後の製造原料の残留による精製操作の煩雑さの問題等により著しく効率が悪いという問題があるものである。
さらに、例えば、低温条件(例えば、−20℃)での反応が必須で、低温を維持するための設備を必要とするという欠点や、得られる生成物の光学純度も低いという欠点もある。このような問題からこれらの合成反応は産業的にほとんど利用されていない。
これらの課題を解決すべく、本発明者らは先に、カテキン又はエピカテキンの2量体の製造方法を検討し、報告した。(例えば特許文献1参照)
当該製造方法は、求電子体と求核体の比率が1:0.8〜1.2という、極めて効率的な方法であり、反応後の処理、精製操作も簡便な方法である。本発明者らは、当該製造方法について、カテキン又はエピカテキンの2量体以上の重合体の製造を試み、カテキン又はエピカテキンの3量体を効率的に製造できることを確認した。(例えば非特許文献3、4参照)しかしながら、当該製造方法は、3量体は効率的に製造可能であるものの、4量体〜6量体の製造は極めて低収率で、非効率な事が判明した。
当該特許出願の他に、エピカテキン4量体又は5量体の製造方法(非特許文献5参照)及びカテキン6量体の製造方法(非特許文献6参照)が報告されている。
しかしながら、非特許文献5記載のエピカテキン4量体又は5量体の製造方法は、非特許文献1、2に記載の方法と同様に、求電子体のエピカテキン単量体に対して、求核体のエピカテキン3量体又は4量体を大過剰使用する方法であり、極めて非効率な方法である。
また、非特許文献6記載のカテキン6量体の製造方法は、求電子体と求核体の比率の点では、1:1.2と効率的であるものの、求電子体の臭化物の製造及びカテキン6量体製造後の、当該臭化物の臭素の除去に手間を要するものであり、必ずしも効率的とは言えない方法である。
さらに、カテキン4量体及び5量体はこれまで製造されていない。
本発明の製造方法は、これらの課題を解決するものであり、極めて効率よく、簡便に、カテキン又はエピカテキンの4〜6量体を製造できるものである。
特開2007−84536号公報
A. Saito et al., Tetrahedron, 2002, 58, 7829-7837 A. Saito et al., Tetrahedron, 2003, 44, 5449-5452 Y. Oizumi et al., Heterocycles, 2011, 83(4), 739-742 Y. Oizumi et al., Heterocycles, 2012, 85(9), 2241-2250 A. Saito et al., Tetrahedron, 2009, 65, 7422-7428 K. Ohmori et al., Angew. Chem. Int. Ed.2011, 50, 4862-4867
本発明の目的は、カテキン又はエピカテキンの4〜6量体を、光学選択的かつ効率的に製
造するための合成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは先に、カテキン又はエピカテキン重合体の光学選択的かつ効率的な製造方法を開発すべく研究を重ねた結果、カテキン又はエピカテキンより変換した求電子体と求核体の2種の反応性誘導体を、反応触媒として、イッテルビウムトリフラート(Yb(CFSO)、インジウムトリフラート(In(CFSO)、カッパートリフラート(Cu(CFSO)、ランタントリフラート(La(CFSO)又はスカンジウムトリフラート(Sc(CFSO)などの金属トリフラート若しくは四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)などのホウ素化合物を用いて反応させることにより、効率的にプロシアニジンB1〜B4などのカテキン又はエピカテキンの2量体を合成することができることを見出し、特許出願を行った。(特許文献1)
なお、金属トリフラートとはトリフルオロメタンスルホン酸と金属との塩であり、前記式中の(CFSO)を「OTf」と記載することもある。
本特許文献1記載の製造方法について、2量体以上のカテキン又はエピカテキンの重合体の製造を試みたところ、当該製造方法ではカテキン又はエピカテキンの3量体は効率的に製造できるものの(非特許文献3、4)、4量体以上の重合体の製造については極めて反応性が悪く、低収率で非効率である事が判明した。そこで、本発明者らは、カテキン又はエピカテキンの4量体以上の重合体を、光学選択的かつ効率的に製造できる合成方法について更に研究を進め、本発明を完成した。
本発明の製造方法によれば、カテキン又はエピカテキンの4〜6量体を、効率的に、且つ、光学純度よく製造することができる。
本発明の製造方法で得られる、カテキン又はエピカテキンの4〜6量体は、従来のプロシアニジンと同様に、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、動脈硬化抑制作用、胃潰瘍抑制作用、発ガン抑制作用、育毛活性作用、美白作用等の生理作用を示すことが期待され、健康食品や化粧品などの素材として有用である。
本発明者らは、前記のとおり、先に、カテキン又はエピカテキンより誘導した、求電子体と求核体の2種のカテキン又はエピカテキンの反応性誘導体を、反応触媒として、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))、インジウムトリフラート(In(OTf))、カッパートリフラート(Cu(OTf))、ランタントリフラート(La(OTf))又はスカンジウムトリフラート(Sc(OTf))などの金属トリフラート若しくは四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)などのホウ素化合物を用いて反応させることにより、効率的にプロシアニジンB1〜B4などのカテキン又はエピカテキン2量体を合成することができることを見出し、特許出願を行った。(特許文献1)
当該特許文献1記載の製造方法では、反応触媒として、金属トリフラート、好ましくは、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))、インジウムトリフラート(In(OTf))、カッパートリフラート(Cu(OTf))、ランタントリフラート(La(OTf))又はスカンジウムトリフラート(Sc(OTf))若しくはホウ素化合物、好ましくは、四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)の存在下、求電子体と求核体のカテキン又はエピカテキン単量体の反応性誘導体を反応させて、カテキン又はエピカテキンの2量体を製造している。
本発明者らは、当該製造方法に準じて、当該、上記、金属トリフラート、四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)を用いて、カテキン又はエピカテキンの4〜6量体の製造を試みたが、所望の収率及び純度で製造することが出来なかった。
そこで、種々の反応触媒及び使用比率等について鋭意検討を進めた結果、カテキン及びエピカテキンのそれぞれに対して、特定の反応触媒を組み合わせ、また、使用比率を限定することにより、特異的に製造できることを見出した。そして、これまでまだ製造が報告されていない、カテキン4量体および5量体を製造する事が出来た。
例えば、カテキン4量体は、求核体として、特許文献1記載の方法に準じて製造したカテキン3量体から誘導した反応性誘導体を用い、求電子体としてカテキン単量体の反応性誘導体を用いて、1.5当量の銀トリフラート(Ag(CFSO))の存在下に反応させることにより、効率よくカテキン4量体を製造することができる。さらに、カテキン5量体は、求核体として、上記で製造したカテキン4量体から誘導した反応性誘導体を用い、求電子体としてカテキン単量体の反応性誘導体を用いて、3当量の銀トリフラート(Ag(CFSO))の存在下に反応させることにより、効率よくカテキンの5量体を製造することができる。
一方、例えば、エピカテキン4量体は、カテキン4量体の製造方法と全く異なり、求核体として、特許文献1記載の方法で製造したエピカテキン2量体から誘導した反応性誘導体を用い、求電子体として、同じく特許文献1記載の方法で製造したエピカテキン2量体から誘導した反応性誘導体を用いて、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させることにより、効率よく、エピカテキン4量体を製造できる。
さらに、エピカテキン5量体は、求核体として、特許文献1記載の方法に準じ製造したエピカテキン3量体から誘導した反応性誘導体を用い、求電子体としては、エピカテキン4量体の製造と同じくエピカテキン2量体から誘導した反応性誘導体を用いて、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させることにより、効率よく、エピカテキン5量体を製造できる。
すなわち、本発明は、
[1]下記式(1)、
(式中、R〜R12は互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、X〜Xは水素原子又は互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、mは0又は1〜3の整数である)
で表される、カテキン又はエピカテキンの2〜5量体の反応性誘導体と、
下記式(2)、
(式中、R13〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、Y及びYは互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、Zは脱離基であり、nは0又は1である)
で表される、カテキン又はエピカテキンの単量体又は2量体の反応性誘導体とを、銀トリフラート(Ag(CFSO))又は亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させて、下記式(3)
(式中、R〜R20、X〜X、Y、Y、m及びnは前記と同じ意味を持つ)
で表されるカテキン又はエピカテキンの4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(4)
(式中、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるカテキン又はエピカテキンの4〜6量体化合物の製造方法に関する。
また本発明は、
[2][1]に記載の製造方法であって、下記式(1−1)、
(式中、R〜R12、X〜X及びmは前記と同じ意味を持つ)で表される、カテキン2〜5量体の反応性誘導体と、
下記式(2−1)、
(式中、R13〜R20、Y、Y、Z及びnは前記と同じ意味を持つ)で表される、カテキン単量体又は2量体の反応性誘導体とを、銀トリフラート(Ag(CFSO))の存在下に反応させて、下記式(3−1)
(式中、R〜R20、X〜X、Y、Y、m及びnは、前記と同じ意味を持つ)
で表されるカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(4−1)
(式中、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるカテキン4〜6量体化合物の製造方法、
[3][2]に記載の製造方法であって、下記式(5)、
(式中、R〜R12及びX〜Xは前記と同じ意味を持ち、pは1〜3の整数である)で表される、カテキン3〜5量体の反応性誘導体と、下記式(6)、
(式中、R17〜R20、Y及びZは前記と同じ意味を持つ)で表される、カテキン単量体の反応性誘導体とを反応させて、下記式(7)
(式中、R〜R12、R17〜R20、X〜X、Y及びpは、前記と同じ意味を持つ)で表されるカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R12及びR17〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(8)
(式中、pは前記と同じ意味を持つ)で表されるカテキン4〜6量体化合物の製造方法、
[4]式中のR〜R20がベンジル基、X〜Xが水素原子であり、Y及びYがアセチル基である、[2]又は[3]に記載のカテキン4〜6量体化合物の製造方法、及び、
[5]Zがメトキシ基である、[4]に記載のカテキン4〜6量体化合物の製造方法、に関する。
さらに本発明は、
[6][3]〜[5]の何れかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする、下記式(8−1)、
で表されるカテキン4量体化合物、
及び、
[7][3]〜[5]の何れかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする、下記式(8−2)、
で表されるカテキン5量体化合物に関する。
さらにまた本発明は、
[8][1]に記載の製造方法であって、下記式(1−2)、
(式中、R〜R12、X〜X及びmは前記と同じ意味を持つ)で表される、エピカテキン2〜5量体の反応性誘導体と、
下記式(2−2)、
(式中、R13〜R20、Y、Y、Z及びnは前記と同じ意味を持つ)で表される、
エピカテキン単量体又は2量体の反応性誘導体とを、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させて、下記式(3−2)
(式中、R〜R20、X〜X、Y、Y、m及びnは、前記と同じ意味を持つ)
で表されるエピカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(4−2)
(式中、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法、
[9][8]に記載の製造方法であって、下記式(9)、
(式中、R〜R12及びX〜Xは前記と同じ意味を持ち、qは0又は1〜2の整数である)で表される、エピカテキン2〜4量体の反応性誘導体と、下記式(10)、
(式中、R13〜R20、Y、Y及びZは前記と同じ意味を持つ)で表される、エピカテキン2量体の反応性誘導体とを反応させて、下記式(11)
(式中、R〜R20、X〜X、Y、Y及びqは、前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(12)
(式中、qは前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法、
[10]式中のR〜R20がベンジル基、X〜Xが水素原子であり、Y及びYがアセチル基である、[8]又は[9]に記載のエピカテキンの4〜6量体化合物の製造方法、
及び、
[11]Zがエトキシエトキシ基である、[10]に記載のエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法、に関する。
本発明の、前記化学式(1)〜化学式(3)、化学式(1−1)〜化学式(3−1)、化学式(1−2)〜化学式(3−2)、化学式(5)〜化学式(7)及び化学式(9)〜化学式(11)で表される化合物において、式中のR〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、好ましくは脂肪族又は芳香族の炭化水素基である。
好ましくは、アルキル、ベンジル、置換ベンジル、アリールアルキル、置換アリールアルキルなどを挙げることができ、より好ましくはアルキル又はベンジルであり、さらに好ましくはベンジルである。
「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。
これらのアルキル置換基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。
上記、R〜R20のフェノール性水酸基の保護基は、それぞれ、互いに同一であっても異なってもよいが、同一であれば、その調製が容易になるという利点がある。
前記化学式(1)〜化学式(3)、化学式(1−1)〜化学式(3−1)、化学式(1−2)〜化学式(3−2)、化学式(5)〜化学式(7)及び化学式(9)〜化学式(11)で表される化合物において、式中のX〜Xは、水素原子又は互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、Y及びYは互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基である。
アルコール性水酸基の保護基としては、好ましくは、アシル、置換アシル、ベンジル、置換ベンジル、アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルを挙げることができる。
「アシル」としては、それぞれ、独立して、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸のアシルが挙げられる。
「置換アシル」としては、芳香族カルボン酸のアシルのアリールが置換されたアシルが挙げられ、具体的には、アリール(より具体的には例えば、フェニル)が、置換基、例えば、アルキルで置換されたアシルが挙げられる。
置換ベンジル及び置換アリールアルキルは、前記、フェノール性水酸基の保護基と同様に、「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。
これらのアルキル置換基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。
前記化学式(2)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(6)及び化学式(10)で表される化合物の式中のZは、化学式(1)、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(5)及び化学式(9)で表される化合物との反応の際に脱離する基であり、好ましくは、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリールアルキルオキシ基である。
アルキルオキシ基のアルキル基の大きさは、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。
より好ましくは、C〜Cアルキルである。さらに好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、アリルなどである。最も好ましくはメチルである。
アルキルオキシアルキルオキシ基のアルキルオキシ基の大きさは、それぞれ炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましい。
好ましくは、メトキシメトキシ基などであり、最も好ましくはエトキシエトキシ基である。
アリールアルキルオキシ基の大きさは、炭素数7〜20であることが好ましく、炭素数7〜10であることがより好ましい。
より好ましくは、炭素数7〜10のフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルである。
本発明の製造方法に用いる製造原料のカテキン単量体の反応性誘導体としては、天然由来、合成由来を問わず、前記化学式に該当する限り、いずれのカテキンから誘導したものであっても用いることができる。また、公知の有機合成化学的方法により合成したものも用いることができる。
もう一方の製造原料のカテキン3量体の反応性誘導体は、特許文献1記載の方法で製造したカテキン2量体を用いて、当該特許文献1記載の製造方法に準じて製造したカテキン3量体から誘導することにより得ることができる。
本発明の製造方法に用いる製造原料のエピカテキン2量体の反応性誘導体は、前記、カテキン2量体の反応性誘導体と同様に、特許文献1記載の方法で製造したエピカテキン2量体から誘導することができる。
エピカテキン3量体の反応性誘導体は、前記、カテキン3量体の反応性誘導体と同様に、特許文献1記載の方法で製造したエピカテキン2量体を用いて、当該特許文献1記載の製造方法に準じて製造したエピカテキン3量体から誘導することにより得ることができる。
本発明の方法において反応触媒として用いるルイス酸としては、銀トリフラート(Ag(CFSO))又は亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)が好ましい。
さらに、カテキン4〜6量体の場合、銀トリフラート(Ag(CFSO))が好ましく、エピカテキン4〜6量体の場合、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)が好ましい。
これらの反応触媒の金属トリフラートは、市販されている試薬として入手できる。
使用される金属トリフラートの形態は、特に限定されず、粉末状態のものでも結晶化したものでもよいが、粉末状態のものが好ましい。
反応触媒として用いるルイス酸の添加量は、特に限定されないが、カテキン又はエピカテキンの種類及び4、5、6量体毎に好適な使用量が異なる。
例えば、カテキン4量体の製造においては、銀トリフラートの添加量は、約1.5当量程度が好ましく、3当量以上用いると大幅に収率が低下する。
一方、カテキン5量体の製造においては、銀トリフラートの添加量は、約3当量程度が好ましい。
本発明の製造方法は、製造原料の、求電子体と求核体の2種のカテキン又はエピカテキン反応性誘導体の使用比率がほぼ1:1である点に、大きな特徴点を有している。
従来の製造方法、例えば、非特許文献1〜3に記載の方法は、一方の製造原料を大過剰、例えば1:2〜1:4.5当量用いるものであり、非常に効率が悪く、反応後の精製処理にも手間を要する方法である。
本発明の製造方法は、求電子体と求核体の反応性誘導体の使用比率が、1:0.8〜1.2と極めて効率的な方法であり、また、保護基の除去及び残留原料の除去等の反応後の処理操作も極めて簡単な方法である。
本発明の製造方法の実施形態としては、以下の工程で行われる。
工程1:
化学式(1)、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(5)又は化学式(9)で表される化合物と、化学式(2)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(6)又は化学式(10)で表される化合物をカップリング反応させて、化学式(3)、化学式(3−1)、化学式(3−2)、化学式(7)又は化学式(11)で表される化合物を製造する工程
工程2:
化学式(3)、化学式(3−1)、化学式(3−2)、化学式(7)又は化学式(11)で表される化合物のフェノール性水酸基の保護基及びアルコール性水酸基の保護基を脱保護して、化学式(4)、化学式(4−1)、化学式(4−2)、化学式(8)又は化学式(12)で表される化合物を製造する工程
工程1の製造原料として用いられる、化学式(1)、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(5)又は化学式(9)で表される化合物は、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体に置換基を導入することによって得られる。
すなわち、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体のフェノール性水酸基に、保護基のR〜R12を導入し、必要に応じて、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体のアルコール性水酸基に、保護基のX〜Xを導入して製造する。
具体的には、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体のフェノール性水酸基に、R〜R12として、脂肪族又は芳香族の炭化水素基を、より好ましい具体例としては、ベンジル
基を導入する。
前記ベンジル基の導入手順としては、例えば、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体に臭化ベンジルを添加して反応させることにより行うことができる。
臭化ベンジルとの反応は、例えば、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いることにより好適に行うことができる。
工程1のもう一方の製造原料として用いられる、化学式(2)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(6)又は化学式(10)で表される化合物は、例えば、カテキン又はエピカテキンの単量体又は2量体に置換基を導入することによって得られる。
すなわち、カテキン又はエピカテキンの単量体又は2量体のフェノール性水酸基に、保護基のR13〜R20を導入し、次いで、アルコール性水酸基に、保護基のY及びYを導入し、さらに、脱離基Zを導入する。
具体的には、カテキン又はエピカテキン単量体又は2量体を用いて、以下のような手順で調整する。
(1)フェノール性水酸基に、保護基のR13〜R20を導入する手順、
(2)アルコール性水酸基に、保護基のY及びYを導入する手順、
(3)脱離基Zを導入する手順

好ましい具体例としては、例えば、以下の手順が行われる。
(1)フェノール性水酸基に、保護基のR13〜R20としてベンジル基を導入する手順、
(2)アルコール性水酸基に、保護基のY及びYとしてアセチル基を導入する手順、
(3)カテキン反応性誘導体の脱離基Zとしてメトキシ基を導入する手順、又はエピカテキン反応性誘導体のZとしてエトキシエトキシ基(OEE)を導入する手順
(1)のベンジル基の導入は、例えば、カテキン又はエピカテキンの単量体又は2量体に臭化ベンジルを添加して反応させることにより行うことができる。
臭化ベンジルの添加は、前記、カテキン又はエピカテキンの3〜5量体の反応性誘導体の製造と同じく、例えば、溶媒としてDMFを用いて行うことができる。
(2)のアセチル基の導入は、例えば、無水酢酸を添加して反応させることにより行うこ
とができる。無水酢酸の添加は、例えば、溶媒としてのピリジン中で行うことができる。
(3)のメトキシ基の導入は、例えば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−パラ−ベンゾキノン(DDQ)を添加して、メタノールと反応させることにより行うことができる。当該メトキシ基の導入は、例えば、溶媒としてのジクロロメタン中で行うことができる。
また、エトキシエトキシ基(OEE)の導入は、例えば前述のメトキシ基と同様に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−パラ−ベンゾキノン(DDQ)を添加して、エトキシエタノールと反応させることによって行うことが出来る。
前記(1)〜(3)の反応手順の順序としては、(1)フェノール性水酸基の保護基のR13〜R20の導入→(2)アルコール性水酸基の保護基のY及びYの導入→(3)脱離基Zの導入の順序、又は(1)フェノール性水酸基の保護基のR13〜R20の導入→(3)脱離基Zの導入→(2)アルコール性水酸基の保護基のY及びYの導入の順序で行うことが好ましい。
化学式(1)、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(5)又は化学式(9)で表される化合物と、化学式(2)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(6)又は化学式(10)で表される化合物とのカップリング反応工程は、具体的には、以下のような手順で行うことができる。
すなわち、カテキン4〜6量体の製造においては、銀トリフラート(Ag(CFSO))の存在下に行うことが好ましく、エピカテキン4〜6量体の製造においては、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に行うことが好ましい。
また、反応触媒の添加量もカテキン又はエピカテキンの種類及び4、5、6量体毎に好適な使用量が異なることから、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整した方がよい。
例えば、カテキン4量体の製造においては、銀トリフラートの使用量としては1.5当量が好ましく、カテキン5量体の製造においては、銀トリフラートの使用量としては3当量用が好ましい。
このカップリング反応に用いる溶媒は、反応に影響を及ぼさない溶媒であればいずれであっても良い。例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドなどの溶媒を、単独もしくは混合して使用することができる。
これらの溶媒の中で、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレンが好ましく、塩化メチレンが最も好ましい。
本発明の反応時間は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。反応時間が短すぎる場合、反応が不十分であり未反応の原料が残り生産物の収率が低下する場合がある。また、反応時間が長すぎる場合、作業効率が悪化するだけでなく、生産物同士もしくは生産物と未反応原料が不規則に反応し目的以外の夾雑物が生産され、かえって反応効率が低下する場合がある。
具体的には、4量体の製造の場合、カテキン及びエピカテキンの4量体のいずれにおいても、約24時間程度が好ましい。5量体では反応時間が長くなり、カテキン5量体の場合、約72時間、エピカテキン5量体の場合、約47時間程度が好ましい。
本発明の製造方法の特徴点として、反応温度が特に制限されない事が挙げられる。
従来の製造方法、例えば非特許文献1記載の方法は、低温条件(例えば、−20℃)を要するものであるのに対して、本発明の方法はこのような低温条件を要しない。
また、本発明の方法における反応温度は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。
具体的には、−10℃以上であればよく、0℃以上である事が好ましく、より好ましくは10℃以上であり、20℃以上が特に好ましい。
また、最高温度としては、90℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることがさらに好ましく、40℃以下であることが特に好ましく、30℃以下であることが最も好ましい。
本発明の製造方法の、前記工程1において用いる、化学式(1)、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(5)又は化学式(9)で表される化合物と、化学式(2)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(6)又は化学式(10)で表される化合物の使用比率は、1:1のモル比に近い配合とすることが好ましく、1対0.8〜1.2等量で反応させることが好ましい。
このように、添加割合をほぼ同量にすることで原料の過剰使用の無駄を防ぎ、さらに残留原料の除去等を含む精製操作を簡略化することもできる。
本発明の製造方法の、前記工程2の化学式(3)、化学式(3−1)、化学式(3−2)、化学式(7)又は化学式(11)で表される化合物の脱保護工程における、脱保護の方法としては、公知の方法を用いることが可能である。
具体的には、例えば、アルコール性水酸基の保護基X1〜X、Y及びYとしてアセチル基が存在する場合には、ナトリウムメトキシドを添加する方法などにより、アセチル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、メタノールを使用することができる。
また、例えば、フェノール性水酸基の保護基R〜R20としてベンジル基が存在する場合には、水素雰囲気下、水酸化パラジウム(Pd(OH))を添加する方法などにより、ベンジル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、水の混合溶媒を使用することができる。
以下に、本発明の実施の態様について、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、本発明の方法で製造したカテキン又はエピカテキンの4〜6量体の、エピカテキン4量体(cinnamtannin A2)及びエピカテキン5量体(cinnamtannin A3)並びにカテキン4量体及びカテキン5量体の化学式を以下に示す。
カテキン4量体の合成
特許文献1記載の方法に準じ、下記反応式(1)に従って、カテキン3量体の求核剤1を合成した。
次いで、この求核剤1と求電子体であるモノマー2を製造原料として用い、反応触媒としてAgOTfを1.5当量用いて、塩化メチレン中、室温下に24時間反応させることにより、カテキン4量体の縮合物3を得た。(収率約53%)
この化合物3を用い、無水酢酸の添加による水酸基のアセチル化、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)の添加によるアセチル基の脱保護及び水素雰囲気下水酸化パラジウムの添加による脱ベンジル(2工程)を行って、カテキン4量体を製造した。(収率約68%)
[式1]
カテキン5量体の合成
実施例1で製造したカテキン4量体から、4量体の求核剤4を合成し、この4量体の求核剤4とモノマー2とを用い、下記反応式(2)に従って、反応触媒としてAgOTfを3当量用いて、塩化メチレン中、反応温度約20℃で、72時間反応させることにより、収率約50%でカテキン5量体の縮合物5を得た。
この化合物5を用い、実施例1と同様な操作により、脱ベンジルを行って、カテキン5量体を製造した。(収率約73%)
[式2]
エピカテキンの4量体の合成
特許文献1記載の方法に準じて製造した、エピカテキン2量体の求核体6と2量体の求電子剤7を製造原料として用い、下記反応式(3)に従って、反応触媒としてZn(OTf)2を2.5当量用いて、塩化メチレン中、反応温度約20℃で、24時間反応させることにより、収率約55%でエピカテキン4量体の縮合物8を得た。
この縮合物8から実施例1と同様な操作により、脱ベンジルを行って、エピカテキンの4量体であるcinnamtannin A2を製造した。(収率約63%)
[式3]
エピカテキンの5量体の合成
特許文献1記載の方法に準じて製造した、エピカテキン3量体の求核剤9と2量体の求電子体10を製造原料として用い、下記反応式(4)に従って、反応触媒としてZn(OTf)2を3当量用いて、塩化メチレン中、反応温度約20℃で、47時間反応させることにより、収率約50%でエピカテキン5量体の縮合物11を得た。
この縮合物11から実施例1と同様な操作により、脱ベンジルを行って、エピカテキンの5量体であるcinnamtannin A3を製造した。(収率約78%)
[式4]
本発明によれば、反応触媒として、銀トリフラート又は亜鉛トリフラートを用いることにより、製造原料の、求電子体と求核体の2種のカテキン又はエピカテキン誘導体の使用比率を、約1:1(1:0.8〜1.2)としても、高収率で、光学選択的にカテキン又はエピカテキンの4量体〜6量体を製造することができる。
本発明の方法によれば、従来の製造方法の問題点であった、一方の製造原料を大過剰に使用することによる無駄を省き、効率的な製造ができる。また、反応後の残留原料の除去を含む精製工程の操作も簡略化でき、製造コストの低減化も可能となる。
さらに、本発明の方法によれば、目的の重合度以外の副生成オリゴマーの生成率を劇的に低減することが可能となり、選択的に目的の重合体を立体選択的に得ることが可能となる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)、
    (式中、R〜R12は互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、X〜Xは水素原子又は互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、mは0、1又は2の整数である)
    で表される、ピカテキンの2〜5量体の反応性誘導体と、
    下記式(2)、
    (式中、R13〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、Y及びYは互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、Zは脱離基であり、nはである)
    で表される、ピカテキンの2量体の反応性誘導体とを、銀トリフラート(Ag(CFSO))又は亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させて、下記式(3)
    (式中、R〜R20、X〜X、Y、Y、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるピカテキンの4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(4)
    (式中、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるピカテキンの4〜6量体化合物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法であって、下記式(1−2)、
    (式中、R〜R12、X〜X及びmは前記と同じ意味を持つ)で表される、エピカテキン2〜5量体の反応性誘導体と、
    下記式(2−2)、
    (式中、R13〜R20、Y、Y、Z及びnは前記と同じ意味を持つ)で表される、エピカテキン単量体又は2量体の反応性誘導体とを、亜鉛トリフラート(Zn(CFSO)の存在下に反応させて、下記式(3−2)
    (式中、R〜R20、X〜X、Y、Y、m及びnは、前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする
    、下記式(4−2)
    (式中、m及びnは前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法。
  3. 請求項に記載の製造方法であって、下記式(9)、
    (式中、R〜R12及びX〜Xは前記と同じ意味を持ち、qは0又は1〜2の整数である)で表される、エピカテキン2〜4量体の反応性誘導体と、下記式(10)、
    (式中、R13〜R20、Y、Y及びZは前記と同じ意味を持つ)で表される、エピカテキン2量体の反応性誘導体とを反応させて、下記式(11)
    (式中、R〜R20、X〜X、Y、Y及びqは、前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体誘導体を製造する工程(工程1)と、これを必要に応じ、常法により、フェノール性水酸基の保護基のR〜R20並びにアルコール性水酸基の保護基のX〜X、Y及びYを除去する工程(工程2)を含むことを特徴とする、下記式(12)
    (式中、qは前記と同じ意味を持つ)で表されるエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法。
  4. 式中のR〜R20がベンジル基、X〜Xが水素原子であり、Y及びYがアセチル基である、請求項又はに記載のエピカテキンの4〜6量体化合物の製造方法。
  5. Zがエトキシエトキシ基である、請求項に記載のエピカテキン4〜6量体化合物の製造方法。
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