JP6433013B2 - フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート及びこれを用いた藻場造成方法 - Google Patents
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Description
コンクリートとは、セメントに、細骨材(砂など5mm以下のもの)、粗骨材(礫など5mm以上のもの)、水を適当な割合で配合、ねりまぜて型に流し込み、硬化させたものである。言い換えれば、コンクリートとは、砂や礫をセメントペースト(セメントを水でねったもの)によって、固着させたものである。コンクリートの全体積の65〜80%は骨材(細骨材+粗骨材)が占めている。この他に、コンクリートには各種性能の改善のためにさまざまな混和材料も添加される。混和材料は、使用量が比較的少ない「混和剤」と使用量が多くコンクリート容積に影響を与える「混和材(または、混合材)」に大別される。
加えて、海藻類の成長に必要な窒素、リンなどの肥料をポーラスコンクリート表面に被覆したり、肥料を含浸させたポーラスコンクリートも開発されている。また、微量栄養源の供給のため、粗骨材として鉄鉱石や転炉スラグなどの鉄系の粗骨材を使用したポーラスコンクリートも開発されている(特許文献1、非特許文献2)。これは、窒素、リン、鉄などの栄養源を継続して供給し、着床した海藻の成長を促進する効果を狙ったものである。
1)の手法(コンクリート・ブロック法)は、古くから藻場の造成手法として用いられている。コンクリートの設計圧縮強度は、消波ブロックの最低設計基準18〜21N/mm2(MPa)程度であり、波浪の強い海域で人工基質として用いても問題は少ないと考えられる。硬化が進んでいないコンクリートはアルカリ溶出(水酸化カルシウム起因)が多いが、標準養生期間(28日)以上養生したコンクリートはアルカリ溶出が少ないことが報告されており、実海域の場合にはコンクリート・ブロックに対して、海水容量も大きいため、海水自体のpHが上昇することは見られない。また、徐々に炭酸化カルシウムが表面に生成されるため、アルカリ溶出もおさまるとされている。しかしながら、海中に設置した直後のコンクリートの表面の数mmの境界層は、周辺の海水よりもpHが上昇し、海藻の受精卵の着床や生育に影響が出る可能性が考えられる。また、コンクリート基質表面の起伏や凹凸が小さいことや空隙率がほとんどないため、海流速の影響を受けやすく、海藻の付着や仮根伸長に不利となる。
本発明の要旨とするところは、次の(1)〜(7)である。
(1) セメント、混和材としてフライアッシュ及び粗骨材として比重が2.7〜3.0の火山岩を含有するポーラスコンクリートを海藻の受精卵およびまたは遊走子の着床基質として用いて、
前記フライアッシュから溶出するシリカと前記セメント由来のアルカリ成分とが反応により固化することで、前記アルカリ成分と前記火山岩が含有するシリカ成分とのアルカリ骨材反応を抑制することを特徴とする藻場造成方法。
(2) 前記ポーラスコンクリートを板状に成形したポーラスコンクリート板を海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付け、藻場を造成することを特徴とする請求項1に記載の藻場造成方法。
(3) 前記ポーラスコンクリートを板状に成形したポーラスコンクリート板の表面に、海藻の受精卵およびまたは遊走子を播種し、着床・発芽・成長させた後、前記ポーラスコンクリート板を海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付け、藻場を造成することを特徴とする請求項1に記載の藻場造成方法。
(4) 混和材としての前記フライアッシュの添加量が前記セメント使用量に対して15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
(5) 前記ポーラスコンクリートの圧縮強度が10N/mm2以上、および、空隙率が25%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
(6)前記海藻の受精卵がホンダワラ類の受精卵であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
(7)混和材としての前記フライアッシュが石炭火力発電所の副産物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
更に、本発明の要旨とするところは、次の(8)〜(12)である。
(8) セメント、混和材としてフライアッシュ及び粗骨材として比重が2.7〜3.0の火山岩を含有して成り、海藻の受精卵およびまたは遊走子の着床基質として用いられるものであり、
前記フライアッシュから溶出するシリカと前記セメント由来のアルカリ成分とが反応により固化することで、前記アルカリ成分と前記火山岩が含有するシリカ成分とのアルカリ骨材反応を抑制することを特徴とするポーラスコンクリート。
(9) 板状に成形され、海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付けられることで藻場の一部を構成することを特徴とする請求項8に記載のポーラスコンクリート。
(10) 混和材としての前記フライアッシュの添加量が前記セメント使用量に対して15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポーラスコンクリート。
(11) 圧縮強度が10N/mm2以上、および、空隙率が25%以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート。
(12) 混和材としての前記フライアッシュが石炭火力発電所の副産物であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート。
まず、フライアッシュ高含有ポーラスコンクリートについて説明する。
フライアッシュとは石炭火力発電所などの微粉炭ボイラの燃焼ガス中の灰分を電気集塵機で捕集したものであり、一般のコンクリート混和材に用いる場合、その品質がJISA6201(コンクリート用フライアッシュ)に規定されている。化学成分的には、非晶質の二酸化ケイ素(SiO2)を45.0%以上含むものである。ガラス状の球状の微粒子であり、比表面積は2400cm2/g、比重は1.95以上である。また、粒径によって規格が細分化されており、45μmふるい残分が小さいほど(粒径が小さいほど)良質のフライアッシュの製品となる。本発明のポーラスコンクリートの混和材としてフライアッシュを用いる場合も、上述したコンクリート用フライアッシュ規格に準じ、化学的・物理的性状が安定している石炭火力発電所から発生するフライアッシュを用いることが望ましい。
CaO+H2O→ Ca(OH)2
しかし、フライアッシュをポーラスコンクリート製造時に混合すると、フライアッシュから溶出するシリカやアルミナが、セメントペースト(セメントと水をねりまぜたもの)中の水酸化カルシウムと徐々に化合し、水に難溶性のカルシウムシリケート化合物(C-S-H化合物)(ポゾラン反応と呼ばれている)やカルシウムアルミネート化合物(C-A-H化合物)を作る。フライアッシュの添加量が多いほど、より低C/SのC-S-Hが形成されると考えられ、この低アルカリ性のC-S-H化合物や残存するフライアッシュによって、セメントによるアルカリ化が緩和されることとなる。
また、現在フライアッシュは相当量が埋め立て処理されており、埋立地確保や環境への悪影響という問題が指摘されていることから、本発明はフライアッシュを有効活用できるという利点も有する。
なお、ポーラスコンクリートに混和材として用いるフライアッシュの添加量は、セメント使用量に対して15質量%以上40質量%以下であることが望ましい。フライアッシュが15質量%未満ではセメント起因のアルカリ抑制効果が小さく、また、40質量%超になると、セメントペースト量が小さくなりすぎ、ポーラスコンクリートの強度を維持することが困難となるためである。
一方、本発明のような海藻受精卵の培養板として小型化したフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートを用いる場合には、海洋投入時に破損が避けられる10N/mm2以上の強度が確保されれば十分であり、18N/mm2以上の強度は必要としない。したがって、本発明のポーラスコンクリートではオートクレープが不要になり、製造コストを抑制できるという利点がある。また、この場合の小型化したフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板の大きさとは、海域で潜水夫が単独で運搬・作業できる大きさ・重量程度を意味する。小型化したフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板は、すでに海域に投入されたコンクリート製やフライアッシュコンクリート製ブロックあるいは岩盤などにアンカーボルトや接着剤等でとりつけて使用する。
粗骨材として用いる鉄鋼スラグとしては、高炉から発生する高炉スラグ、転炉から発生する製鋼スラグ、電気炉から発生する電気炉酸化スラグ、電気炉でステンレスの原料となるフェロニッケル製造時に発生するフェロニッケルスラグなどがあり、いずれを用いてもかまわない。近年、良質の天然骨材の枯渇が進んでおり、天然骨材の代替としてもこれらの鉄鋼スラグを用いることはCO2削減の視点からも望ましいことである。また、表1に示すように、鉄鋼スラグは、鉄の含有量が大きく、高炉から発生する高炉スラグ、転炉から発生する製鋼スラグ、電気炉から発生する電気炉酸化スラグの絶乾比重は、それぞれ2.5〜2.8、3.2〜3.6、3.4〜3.6と高く、海岸構造物として高含有ポーラスコンクリートを用いる場合、ある程度の重量をもたせる効果を期待することができる。
さらに、フライアッシュ高含有ポーラスコンクリートの粗骨材として火山岩を用いることもできる。火山岩としては、安山岩や流紋岩があるが、比重は2.7〜3.0程度である。これらの火山岩は表1に示すようにシリカ分の多い酸性岩であり、アルカリ骨材反応による骨材の膨張を起こしやすい欠点がある。このため、天然骨材でありながらも、そのコンクリートへの使用には注意が必要とされてきた。しかしながら、混和材としてフライアッシュを大量に用いる今回の発明のケースでは、フライアッシュから溶出するシリカとセメント由来のアルカリ成分が反応して固化しているので、アルカリ成分と骨材の含有するシリカ成分の反応を抑制することが可能となる。
本発明が造成の対象とする海藻は、褐藻類、紅藻類、緑藻類に属するいずれの海藻でもかまわないが、その中心は、海域の岩礁域に生育・繁殖するホンダワラ類(例えば、ホンダワラ、アカモク、ジョロモク、ヤツマタモク、ヒジキ)等の大型褐藻である。ホンダワラ類からなる藻場は、「ガラモ場」と呼ばれ、「ガラモ場」は、有用水産生物の生息、摂餌、産卵等の場として水産産業の面から重要な役割を果たしており、また、ホンダワラ類は全長が数メートルにも大型化することから、溶存CO2の吸収や窒素・リンなどの栄養塩摂取などの機能も有している。ホンダワラ類以外の大型褐藻、例えばコンブ、アラメ、カジメ、ワカメ等の食用として広く栽培されている大型褐藻の培養にもフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートの適用は可能である。このような海藻の場合は、ホンダワラ類とは異なり、受精卵ではなく遊走子によって成長することから、コンブ、アラメ、カジメ、ワカメ等の培養には遊走子を用いることになる。
小型化したフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板を製造し、この小型化したフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板を、すでに海域に投入されたコンクリート製やフライアッシュコンクリート製のブロックあるいは岩盤などにアンカーボルトや接着剤等でとりつければよい。大型のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート・ブロックを製造し、海藻の付着基質として、従来のコンクリート・ブロックにかえて海域にそのまま大型のブロックとして直接投入し、藻場を造成することも可能である。しかし、このような場合、前述したように強度の課題があり、前記で述べたように、通常の養生方法とは異なり、オートクレーブ養生などで18N/ mm2以上の強度を確保する必要がある。
海藻の受精卵および/または遊走子の着生用として、1種類の普通平板コンクリートと3種類の小型のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板(100mm*200mm*30mm)を製作した。平板コンクリート(No.1)とフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の概要を表2に示す。また、平板コンクリートとフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートの配合を表3、表4に示す。
No.2〜No.4のフライアッシュの添加量は、No.1の平板コンクリート中のセメント量244kg/m3の39質量%の96kg/m3とした。No.2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートは、使用した粗骨材が異なっており、No.2は、火山岩の一種である安山岩、No.3およびNo.4は鉄鋼スラグである。いずれも粒径は5〜20mmである。
さらに、製造した平板コンクリート(No.1)とフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の圧縮強度は、別途、円柱供試体(φ10*20cm)を作成し測定した。フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の海水養生、材齢28日後の圧縮強度は、10N/mm2を超えた。
ポーラスコンクリートの空隙率は、以下の方法で測定した。硬化したポーラスコンクリート試験体の容積(V)をノギスなどで正確に測定後、気中質量(W2、24時間屋内に自然放置し乾燥)と水中質量(W1、24時間水中浸漬後、試験体を水中で転がし、十分に空気を取り除く)から計算した。
空隙率 A =(1−(W2−W1)/V)×100(%)
フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の空隙率は、25体積%を超えた。
実施例1で作成した平板コンクリート(No.1)とフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の4種類をホンダワラ類の着床基盤に用いた。各コンクリートは、100mm*50mm*30mmである。容量10Lの海水槽内に設置した各コンクリート上にホンダワラ類(ヤツマタモク)の受精卵を1000個散布後、水温が15℃、光量が約15μmol/m2/s、光周期が12h明:12h暗の条件で5週間培養した。海水には1体積%、PES(栄養塩強化培地、Enriched Seawater by Provasoliの略称)を添加した。5週間後にホンダワラ類受精卵の着底・発芽状況を写真撮影し、着底・発芽状況を観測した。図2に5週間後、各コンクリ―ト上に着床し発芽したヤツマタモク数の比較結果を示す。
No.1の平板コンクリートの場合、実験初期から若干成長ムラが見られ、5週間後、基質を手で少し動かすと葉体がゆらゆら揺れると同時に、発芽体が容易に基質からはずれてしまうなど、着定状況が良くなかった。また、成長ムラも認められ、双葉まで成長した数はフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート系と比較して極めて少なかった。
一方、No.2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートでは、No.1と比較し、受精卵の着底と成長状況はともによく、4〜5週間でかなりの数が5mm程度まで成長し、また、5週間後、基質を手で動かしても発芽体が基質からはずれてしまうことは認められなかった。受精卵の着床率(図2)を比較すると、No.2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート系は、平板コンクリートの3〜5倍の結果となった。
No.2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート基質は、表面に1〜3cm程度のかなり大きい凹凸がある。これは受精卵(約200〜300μm)よりもかなり大きいが、このようなフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートの物理的特徴が受精卵の着底の促進と安定性を促している可能性がある。また、ポーラスコンクリートにはフライアッシュが混合材として大量に添加されていることから、表面付近のアルカリ化が抑制されるとともに、着底を促進する物質の溶出(シリカまたは鉄)があることが影響していることなども推定される。
実施例2で表面にホンダワラ類(ヤツマタモク)の受精卵を着生・発芽させた平板コンクリート(No.1)とフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート(No.2〜No.4)の4種類をホンダワラ類幼体の培養に用いた。表5にホンダワラ類(ヤツマタモク)の幼体の培養条件を示す。ホンダワラ類の発芽体が付着した4種類のコンクリートを、50Lの海水水槽内に設置し、継時的に成長状況を確認した。
ヤツマタモクの幼体は、実験開始の時点ではいずれの基質でも双葉の最大長が5mm程度であった。いずれも、70日目には、20〜25mm、112日目には25〜30mm、146日目には40〜50mmとなった。その後、いずれの基質も、急激に伸張し146日目には80〜120mmとなった。いずれの基質でも主枝長の増大が顕著となった理由は、気温の低下とともに水温も15〜17℃まで低下したことから、この水温の低下が成長の促進に影響した可能性が考えられる。いずれにせよ、すべての基質において、海域に設置する目安となる10cmを上回る結果が得られた。No.1の平板型のコンクリートとNo2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリートを同じ大型水槽に設置しているため、海水水質、光量、水温は同一条件であり、相違点はコンクリ−ト表面の性状のみであったため、幼体の主枝長の成長については、大きな差異は認められなかったと考えられる。ただし、目視観察の結果ではあるが、繁茂量についてはNo2〜No.4のフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート系が、No.1の平板型のコンクリートよりもはるかに多い結果となった。
図4にフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板を用いた藻場造成材1の実海域投入事例を示す。
まず、藻場造成の基盤材となる圧縮強度が18N/mm2以上のコンクリート・ブロック2(1m×1m×1m)を製造した。
続いて、フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板3(50cm×50cm×10cm)を製造した。
そして、1体のコンクリート・ブロック2について、フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板3を12枚(上面に4枚、側面に4枚×2面、計12枚)、アンカーボルト4(径19mm程度)を用いて各々の中央1箇所に固定した。なお、光照射がコンクリート・ブロック2の全ての側面に認められる場合には、全ての側面にフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板3を固定してもかまわない。
育成する海藻としてはカジメを選定した。カジメの胞子体は秋季に成熟すると葉体上に子嚢斑を形成し、子嚢斑から遊走子を放出する。海中に放出された遊走子は岩などに着底し、発芽して雌雄の配偶体となる。雌性配偶体は卵を形成し、受精後、受精卵は細胞分裂を繰り返し、カジメ胞子体の幼体に発育する。そこで11月に十分に成熟したカジメの胞子体5を海域から複数個体採取し、カジメ胞子体5の仮根部を各アンカーボルト4にひも等で1固体ずつ固定した。
固定後、直ちにコンクリート・ブロック2をフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板3およびカジメ胞子体5を結びつけた状態で吊り上げ設置用治具6を介してクレーンで吊り上げ、湾内の海底上に静かに設置し、カジメ胞子体5の子嚢斑から遊走子をフライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板3上に放出、着底、成長させた。
2 コンクリート・ブロック
3 フライアッシュ高含有ポーラスコンクリート板
4 アンカーボルト
5 カジメ
6 吊り上げ設置用治具
Claims (12)
- セメント、混和材としてフライアッシュ及び粗骨材として比重が2.7〜3.0の火山岩を含有するポーラスコンクリートを海藻の受精卵およびまたは遊走子の着床基質として用いて、
前記フライアッシュから溶出するシリカと前記セメント由来のアルカリ成分とが反応により固化することで、前記アルカリ成分と前記火山岩が含有するシリカ成分とのアルカリ骨材反応を抑制することを特徴とする藻場造成方法。
- 前記ポーラスコンクリートを板状に成形したポーラスコンクリート板を海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付け、藻場を造成することを特徴とする請求項1に記載の藻場造成方法。
- 前記ポーラスコンクリートを板状に成形したポーラスコンクリート板の表面に、海藻の受精卵およびまたは遊走子を播種し、着床・発芽・成長させた後、前記ポーラスコンクリート板を海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付け、藻場を造成することを特徴とする請求項1に記載の藻場造成方法。
- 混和材としての前記フライアッシュの添加量が前記セメント使用量に対して15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
- 前記ポーラスコンクリートの圧縮強度が10N/mm2以上、および、空隙率が25%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
- 前記海藻の受精卵がホンダワラ類の受精卵であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
- 混和材としての前記フライアッシュが石炭火力発電所の副産物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の藻場造成方法。
- セメント、混和材としてフライアッシュ及び粗骨材として比重が2.7〜3.0の火山岩を含有して成り、海藻の受精卵およびまたは遊走子の着床基質として用いられるものであり、
前記フライアッシュから溶出するシリカと前記セメント由来のアルカリ成分とが反応により固化することで、前記アルカリ成分と前記火山岩が含有するシリカ成分とのアルカリ骨材反応を抑制することを特徴とするポーラスコンクリート。
- 板状に成形され、海底に敷設してあるコンクリート漁礁あるいはフライアッシュコンクリート漁礁あるいは岩礁に取り付けられることで藻場の一部を構成することを特徴とする請求項8に記載のポーラスコンクリート。
- 混和材としての前記フライアッシュの添加量が前記セメント使用量に対して15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポーラスコンクリート。
- 圧縮強度が10N/mm2以上、および、空隙率が25%以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート。
- 混和材としての前記フライアッシュが石炭火力発電所の副産物であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート。
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