以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、本実施形態に係る充電制御装置100を示す構成図である。本実施形態に係る充電制御装置100は、図1に示すように、車両200a,200bにそれぞれ備えられたバッテリ210を充電するための装置である。なお、図1中においては、2台の車両200a,200bを例示して示したが、車両の数は特に限定されるものではない。
車両200a,200bは、図1に示すように、バッテリ210を備え、このバッテリ210により駆動することができる車両であり、たとえば、ハイブリッド自動車や電気自動車などが挙げられる。なお、車両200a,200bに備えられるバッテリ210としては、特に限定されず、たとえば、リチウムイオン二次電池などの各種二次電池により構成された電池モジュールを複数接続してなる組電池が挙げられる。
まず、本実施形態における、充電制御装置100について説明する。図1に示すように、充電制御装置100は、通信部1011,1012と、出力部1021,1022と、表示部103と、電流検出部1041,1042と、電圧検出部1051,1052と、制御部106と、充電所要時間予測部107とを備えている。なお、本実施形態においては、図1に示すように、通信部1011および出力部1021が車両200aに接続され、また、通信部1012および出力部1022が車両200bに接続される。
本実施形態の充電制御装置100は、上述したように車両200a,200bに備えられたバッテリ210の充電を行うことができ、この際においては、充電の方法として、バッテリ210の電圧が所定の電圧閾値Vmaxに到達するまでは定電流充電を行い、バッテリの電圧が電圧閾値Vmaxに到達した後は定電圧充電を行う定電流定電圧法を用いる。
ここで、図2に、車両200aのバッテリ210に対して定電流定電圧法による充電を行った際における、バッテリ210の充電電流および電圧の変化の一例を示す。本実施形態においては、充電制御装置100は、バッテリ210を定電流定電圧法により充電する際には、図2に示すように、まず、バッテリ210に対して、時刻t0から所定の上限電流Imaxで定電流充電を開始する。
そして、バッテリ210に定電流充電が行われることで、バッテリ210の電圧が上昇していき、これにより、バッテリ210の電圧が電圧閾値Vmaxに到達したタイミング(図2に示す時刻t1)において、充電制御装置100は、バッテリ210に対する充電を、定電流充電から定電圧充電に切り替える。
次いで、充電制御装置100は、バッテリ210に対して、時刻t1から電圧閾値Vmaxで定電圧充電を行い、図2に示すように、バッテリ210に流れる充電電流がゼロに近い値まで集束したタイミング(図2に示す時刻t2)で、充電を終了する。
なお、図2に示す例においては、充電制御装置100が、バッテリ210に流れる充電電流がゼロに近い値まで集束したタイミングで充電を終了する例を示したが、充電を終了するタイミングとしては、バッテリ210に流れる充電電流が所定の電流閾値Imin以下となったタイミングとしてもよい。電流閾値Iminとしては、バッテリ210を効率よく充電できる電流値の範囲に応じて設定すればよく、たとえば、上述した定電流充電を行う際における上限電流Imaxの何分の1かの値を設定することができる。これにより、本実施形態によれば、バッテリ210を充電する際に、充電電流が低下して充電効率が低下する前に、適切なタイミングで充電を終了することができるため、充電の効率を向上させることができる。
充電制御装置100の通信部1011,1012は、車両200a,200bに備えられた車両用通信部207と相互に通信し、車両200a,200bに備えられたバッテリ210の現在の電圧、温度、充電電流、充電容量および充電状態(SOC(State of Charge))、ならびに受入可能電流マップの情報をそれぞれ受信する。
なお、受入可能電流マップは、車両200a,200bに備えられたバッテリ210について、正常な充電を行うことができる充電電流の上限(バッテリ210が受け入れ可能な充電電流)が、バッテリ210の温度およびSOCごとに設定されたマップ情報であり、たとえば、図3に示すような情報である。図3においては、バッテリ210の温度およびSOCに対して、バッテリ210が受け入れ可能な充電電流をグラフで表している。なお、上述した例では、充電制御装置100が、バッテリ210の受け入れ可能な充電電流の情報を得るために、図3に示す受入可能電流マップを受信する例を示したが、本実施形態においては、充電制御装置100が、バッテリ210の受け入れ可能な充電電流の情報を受信する方法としては、このような図3に示すマップに限定されない。
出力部1021,1022は、車両200a,200bに備えられた入力部208とそれぞれ接続され、入力部208を介して、車両200a,200bのバッテリ210を充電するための充電電流を出力する。
電流検出部1041,1042および電圧検出部1051,1052は、出力部1021から車両200a,200bのバッテリ210に対して出力する充電電流および電圧を検出し、検出した充電電流および電圧の情報を、制御部106に送信する。
制御部106は、車両200a,200bが充電制御装置100に接続された際において、車両200a,200bのバッテリ210の状態に基づいて、出力部1021,1022から車両200a,200bのバッテリ210に対して出力する充電電流を制御し、バッテリ210に対する充電を制御する。
また、制御部106は、バッテリ210の充電に要する時間である充電所要時間の情報を、表示部103に表示させるとともに、車両200aまたは車両200bに送信する処理を行う。なお、充電所要時間は、後述する充電所要時間予測部107により算出されるものであり、充電制御装置100によりバッテリ210の充電が行われる際における、充電に要する時間の情報を示すものである。また表示部103は、充電所要時間の情報を表示することができるディスプレイなどにより構成される。これにより、充電制御装置100は、バッテリ210の充電に要する時間の情報をユーザに提供することができる。
充電所要時間予測部107は、通信部1011,1012から送信された情報に基づいて、充電制御装置100により各バッテリ210を充電する際における充電所要時間を算出することができ、図1に示すように、記憶部1071と、算出部1072と、推定部1073とを備える。
次いで、図4を参照し、充電制御装置100の制御部106により、車両200a,200bのバッテリ210を充電する方法を説明する。図4は、充電制御装置100に対して、先に車両200aが接続され、後に車両200bが接続された場面において、充電制御装置100の制御部106により、車両200a,200bの各バッテリ210を充電する際における、各バッテリ210の充電電流の変化を示すグラフである。
本実施形態においては、まず、制御部106は、図4に示すように、充電制御装置100が出力可能な電流に基づいて設定された上限電流Imaxを、出力部1021から、先に充電制御装置100に接続された車両200aに対して出力することにより、車両200aのバッテリ210に対して定電流充電を開始する。なお、図4においては、車両200aのバッテリ210に定電流充電を開始したタイミングを、時刻t0とした。また、図4に示す場面においては、時刻t0の時点では、上述した上限電流Imaxが、車両200aおよび車両200bのいずれのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流(図3の受入可能電流マップに示す充電電流)よりも小さいものとする。
次いで、制御部106は、車両200aのバッテリ210の電圧が所定の電圧閾値Vmaxに達したタイミング(図4に示す時刻t1)で、車両200aのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替える。なお、所定の電圧閾値Vmaxは、バッテリ210に印加可能な電圧の最大値に応じて設定することができる。
そして、制御部106は、時刻t1において、車両200aのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替えるとともに、車両200bのバッテリ210の充電を開始する。
この際においては、制御部106は、車両200bのバッテリ210に出力する充電電流を、上述した上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210に出力している充電電流との差分に基づいて設定する。すなわち、車両200aのバッテリ210に定電圧充電を行っている間(図4に示す時刻t1以降)には、図4に示すように、車両200aのバッテリ210に流れる充電電流が、上限電流Imaxに対して徐々に小さくなっていき、充電制御装置100が出力できる電流に余力が生じることとなる。
そのため、制御部106は、充電制御装置100が出力できる電流の余力である、上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210に出力している充電電流との差分に基づいて、車両200bのバッテリ210に出力する充電電流を設定することにより、車両200bのバッテリ210の充電を行う。これにより、本実施形態においては、複数のバッテリ210を充電する際に、充電制御装置100が出力可能な電流を効率よく利用することができるため、充電の所要時間を短縮することができる。
次いで、制御部106は、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210に定電圧充電を行い、該バッテリ210に流す充電電流が徐々に低下していき、車両200aのバッテリ210に対する充電電流がゼロに近い値まで集束したタイミング(図4に示す時刻t2)で、車両200aのバッテリ210に対する充電を終了する。さらに、制御部106は、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210に対して充電が行われている間に、充電制御装置100に、車両200bが接続された場合には、上述した時刻t2おいて、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210に対し、上限電流Imaxにて定電流充電を開始する。
そして、制御部106は、時刻t2の時点から、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210に定電流充電を行っている間に、車両200bのバッテリ210の電圧が所定の電圧閾値Vmaxに達したタイミング(図4に示す時刻t3)で、車両200bのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替える。その後、制御部106は、車両200bのバッテリ210に定電圧充電を行っている間に、該バッテリ210に流す充電電流を徐々に低下させてゼロに近い値まで集束したタイミング(図4に示す時刻t4)で、該バッテリ210に対する充電を終了する。
以上のようにして、充電制御装置100の制御部106により、2台の車両200a,200bのバッテリ210の充電が行われる。
本実施形態においては、充電制御装置100により複数のバッテリ210を充電する際において、特定のバッテリ210に対して定電流定電圧法により定電圧充電を行いながら、別のバッテリ210の充電を開始することができる。これにより、本実施形態によれば、複数のバッテリ210を充電する際における充電の所要時間を短縮することができる。
次いで、本実施形態の充電制御装置100により車両200a,200bのバッテリ210を充電する際の動作例を説明する。図5は、本実施形態の充電制御装置100に車両200aおよび車両200bのいずれかが接続された場面において、充電制御装置100の制御部106によりバッテリ210の充電を行う処理であるバッテリ充電処理の一例を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、バッテリ充電処理を説明する。
まず、ステップS1では、充電制御装置100の制御部106が、充電制御装置100に接続された車両が、現在充電制御装置100に何番目に接続されたかを検知する。
ステップS2では、制御部106は、充電制御装置100に接続された車両について、接続された順番が1番目であるか否かを判定する。すなわち、制御部106は、充電制御装置100に接続された車両が、先に(1番目に)接続された車両200aであるか、または後に(2番目に)接続された車両200bであるかを判定する。そして、ステップS2において、充電制御装置100に接続された順番が1番目であると判定された場合には、ステップS3へ進む。一方、ステップS2において、充電制御装置100に接続された順番が1番目ではない(すなわち、充電制御装置100に接続された順番が2番目である)と判定された場合には、ステップS9へ進む。
ステップS2において、充電制御装置100に接続された順番が1番目であると判定された場合には、すなわち、充電制御装置100に接続された車両が、先に(1番目に)接続された車両200aであると判定された場合には、ステップS3へ進み、ステップS3では、充電制御装置100の充電所要時間予測部107が、後述する充電所要時間算出処理(1台目)により、車両200aのバッテリ210を充電する際における充電所要時間ttotal_1を算出する。
ステップS4では、充電制御装置100の制御部106が、充電所要時間予測部107により算出された充電所要時間の情報を、車両200aに送信する。
ステップS5では、制御部106は、充電所要時間の情報を、表示部103に表示させる。
ステップS6では、制御部106は、車両200aのバッテリ210への充電を開始する。具体的には、図4に示すように、制御部106は、車両200aのバッテリ210に対して、時刻t0から、上限電流Imaxで定電流充電を開始する。次いで、制御部106は、車両200aのバッテリ210の電圧が所定の電圧閾値Vmaxに達したタイミング(図4に示す時刻t1)で、車両200aのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替え、時刻t1以降は定電圧充電を行う。
ステップS7では、制御部106は、現在充電を行っている車両200aのバッテリ210について、充電終了条件が満たされたか否かを判定する。ここで、充電終了条件としては、定電圧充電時のバッテリ210の充電電流がゼロに近い値まで集束することという条件が設定されているものとする。そして、ステップS7において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS8へ進む。一方、ステップS7において、充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS2に戻る。
ステップS7において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS8へ進み、ステップS8では、制御部106は、車両200aのバッテリ210への充電を終了する。
一方、ステップS2において、充電制御装置100に接続された順番が1番目ではないと判定された場合、すなわち、充電制御装置100に接続された車両が、後に(2番目に)接続された車両200bであると判定された場合には、ステップS9へ進み、ステップS9では、充電制御装置100から車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、充電制御装置100において設定された上限電流Imax未満であるか否かを判定する。すなわち、充電制御装置100において、車両200aのバッテリ210以外の他のバッテリ210に対して、充電電流を出力する余力があるか否かを判定する。
そして、ステップS9において、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、上限電流Imax未満であると判定された場合には、ステップS10へ進む。一方、ステップS9において、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、上限電流Imax未満ではないと判定された場合には、ステップS9で待機する。この際においては、充電制御装置100から車両200aのバッテリ210に対して行われる充電が、定電流充電から定電圧充電に切り替わり、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が上限電流Imax未満となるまで、ステップS9で待機する。
ステップS9において、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、上限電流Imax未満であると判定された場合には、ステップS10へ進み、ステップS10では、充電制御装置100の充電所要時間予測部107が、後述する充電所要時間算出処理(2台目)により、車両200bのバッテリ210を充電する際における充電所要時間ttotal_2を算出する。
ステップS11,S12では、充電制御装置100の制御部106が、上述したステップS3,S4と同様に、充電所要時間予測部107により算出された充電所要時間の情報を、車両200bに送信するとともに、表示部103に表示させる。
ステップS13では、制御部106は、車両200bのバッテリ210への充電を開始する。具体的には、図4に示すように、制御部106は、時刻t1において、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替えるとともに、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210の充電を開始する。
次いで、制御部106は、図4に示す時刻t2で、車両200aのバッテリ210に対する充電電流がゼロに近い値まで集束したタイミングで、車両200aのバッテリ210に対する充電を終了するとともに、車両200bのバッテリ210に対し、上限電流Imaxにて定電流充電を開始する。そして、制御部106は、時刻t2の時点から、車両200bのバッテリ210に定電流充電を行っている間に、車両200bのバッテリ210の電圧が所定の電圧閾値Vmaxに達したタイミング(図4に示す時刻t3)で、車両200bのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替え、時刻t3以降は定電圧充電を行う。
ステップS14では、制御部106は、現在充電を行っている車両200bのバッテリ210について、充電終了条件が満たされたか否かを判定する。ここで、充電終了条件としては、定電圧充電時のバッテリ210の充電電流がゼロに近い値まで集束することという条件が設定されているものとする。そして、ステップS14において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS15へ進む。一方、ステップS14において、充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS10に戻る。
ステップS14において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS15へ進み、ステップS15では、制御部106は、車両200bのバッテリ210への充電を終了する。
以上のとおり、本実施形態においては、充電制御装置100により複数のバッテリ210を充電する際において、特定のバッテリ210に対して定電流定電圧法により定電圧充電を行いながら、別のバッテリ210の充電を開始することができる。これにより、本実施形態によれば、複数のバッテリ210を充電する際における充電の所要時間を短縮することができる。
なお、上述した例においては、図5に示すステップS7,S14において、充電終了条件として、定電圧充電時のバッテリ210の充電電流がゼロに近い値まで集束することという条件が設定されている例を示したが、充電終了条件はこのような例に限定されない。たとえば、充電終了条件としては、充電開始から所定時間が経過すること、バッテリ210が所定のSOCまで充電されること、定電圧充電時の充電電流が所定の電流閾値Imin以下となることなどの条件が挙げられる。
ここで、充電終了条件として上記の所定時間が設定されている場合には、車両200a,200bのバッテリ210に対する充電は、図6(A)に示すように行われる。なお、図6(A)は、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210について、時刻t0〜t2の所定時間で充電を終了するとした場合における、車両200a,200bの各バッテリ210の充電電流の変化を示すグラフである。
本実施形態においては、充電終了条件として上記の所定時間が設定されている場合には、図6(A)に示すように、充電制御装置100の制御部106が、車両200aのバッテリ210に対する充電電流の供給を時刻t2で終了する。そして、この際においては、制御部106は、時刻t2の時点から、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210に対して、上限電流Imaxで定電流充電を開始する。
また、上述した図4に示す例においては、時刻t0の時点では、上限電流Imaxが、車両200aおよび車両200bのいずれのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流(図3の受入可能電流マップに示す充電電流)よりも小さい例を示したが、上限電流Imaxが、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流よりも大きい場合には、充電制御装置100は、次のように各バッテリ210の充電を制御する。
すなわち、充電制御装置100は、図6(B)に示すように、時刻t3’の時点から、先に接続された車両200aのバッテリ210に定電圧充電を行いながら、上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210に実際に出力している充電電流との差分の電流を用いて、後に接続された車両200bのバッテリ210に定電圧充電を開始することができる。なお、図6(B)における時刻t3’は、車両200bのバッテリ210に定電圧充電を開始した時刻であり、車両200bのバッテリ210の電圧が上述した電圧閾値Vmaxに達したタイミングを示す。これにより、本実施形態においては、複数のバッテリ210を充電する際に、バッテリ210の充電特性に応じた適切な充電電流で充電を行うことができるため、充電の効率をより向上させることができる。
次いで、本実施形態の充電制御装置100において、充電所要時間予測部107により、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210を充電する際の充電所要時間ttotal_1を算出する方法を説明する。
まず、充電所要時間予測部107は、通信部1011を介して、車両200aのバッテリ210について、現在の電圧、温度、充電電流およびSOC、ならびに受入可能電流マップの情報を取得し、記憶部1071に記憶させる。
そして、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、車両200aのバッテリ210について定電流充電に要する時間tCC_1(図4に示す、時刻t_0〜t_1)を算出する。
すなわち、まず、算出部1072は、記憶部1071に記憶させた車両200aのバッテリ210の受入可能電流マップを参照し、該バッテリ210における受け入れ可能な充電電流が、上述した上限電流Imaxと等しくなる際のSOCの値を、SOC_1として抽出する。
なお、このようなSOC_1は、車両200aのバッテリ210の定電流充電を定電圧充電に切り替えるタイミング(図4に示す、時刻t_1)における、バッテリ210のSOCであると推定することができる。すなわち、まず、バッテリ210の充電を開始する時点においては、バッテリ210の受け入れ可能な充電電流は、通常、充電制御装置100において設定される上限電流Imaxより大きいものである。一方で、この受け入れ可能な充電電流は、図3の受入可能電流マップに示すように、バッテリ210の充電が進んでSOCが大きくなるにつれて徐々に小さくなる性質を有する。
そのため、バッテリ210の充電を開始した後、バッテリ210の受け入れ可能な充電電流が上限電流Imaxより大きい間は、該バッテリ210に対して上限電流Imaxで定電流充電を行うことができるが、バッテリ210の充電が進むことにより、受け入れ可能な充電電流が上限電流Imaxと同程度まで小さくなると、バッテリ210のSOCが十分大きなものとなり(すなわち、バッテリ210の電圧が上述した電圧閾値Vmaxに達し)、制御部106は該バッテリ210に対する定電流充電を定電圧充電に切り替える。
そして、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について、このような定電流充電を定電圧充電に切り替えるタイミングにおけるSOCであるSOC_1を用いて、定電流充電に要する時間tCC_1を算出する。
具体的には、算出部1072は、通信部1011から受信した車両200aのバッテリ210の現在のSOCと、上記SOC_1との差分をΔSOC_1として算出し、算出したΔSOC_1に対応する充電容量ΔC_1(単位はAh)を求める。すなわち、算出部1072は、算出したΔSOC_1を、車両200aのバッテリ210の満充電容量に乗ずることで、ΔSOC_1に対応する充電容量ΔC_1を求める。そして、算出部1072は、下記式(1)にしたがい、求めた充電容量ΔC_1を、定電流充電の際にバッテリ210に流す電流値(上限電流Imax)で除することにより、定電流充電に要する時間tCC_1を算出する。
tCC_1=ΔC_1/Imax ・・・(1)
これにより、算出部1072は、車両200aの定電流充電に要する時間tCC_1を算出することができる。
次いで、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について、定電圧充電に要する時間tCV_1(図4に示す、時刻t_1〜t_2)を算出する。
具体的には、まず、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について設定された充電終了条件を確認する。ここで、充電終了条件としては、充電開始から所定時間が経過すること、定電圧充電時の充電電流が所定の電流閾値Imin以下となること、バッテリ210が所定のSOCまで充電されることなどの条件が挙げられる。なお、このような充電終了条件は、予め充電制御装置100に設定された条件であってもよく、ユーザによって設定された条件であってもよい。
ここで、充電終了条件として上記の所定時間が設定されている場合には、算出部1072は、この所定時間と、上述した定電流充電に要する時間tCC_1との差分を算出し、これを時間tCV_1として得る。たとえば、充電終了条件として、充電開始から30分で充電を終了するような条件が設定されている場合には、算出部1072は、設定された30分と、定電流充電に要する時間tCC_1との差分を求めることで、定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
一方、車両200aのバッテリ210の充電終了条件として、定電圧充電時の充電電流が所定の電流閾値Imin以下となることという条件が設定されている場合には、次のようにして時間tCV_1を算出する。すなわち、算出部1072は、通信部1011から受信したバッテリ210の受入可能電流マップを参照し、バッテリ210について、受け入れ可能な充電電流が所定の電流閾値Iminまで低下して、定電圧充電を終了させる際におけるSOCを、SOC_2として抽出する。
そして、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について、上述したSOC_1(定電流充電を定電圧充電に切り替えるが終了するタイミングにおけるSOC)と、上記SOC_2(定電圧充電が終了するタイミングにおけるSOC)との差分をΔSOC_2として算出し、次いで、算出したΔSOC_2に対応する充電容量ΔC_2(単位はAh)を求める。
その後、算出部1072は、バッテリ210の受入可能電流マップを参照し、バッテリ210の現在の温度におけるSOCと充電電流との関係から、図7(A)に示すように、充電容量ΔC_2(SOC_1時の充電容量と、SOC_2時の充電容量との間における充電容量)と、充電電流との関係を示すグラフを作成する。なお、図7(A)においては、バッテリ210のSOC_1に対応する充電容量をC1とし、SOC_2に対応する充電容量をC2としている。
そして、算出部1072は、作成した図7(A)に示すグラフに基づいて、図7(B)に示すように、C1とC2との間にC11〜C17を設定することで、C1とC2との間を一定量の充電容量Cαごとに区切る。
次いで、算出部1072は、充電容量Cαごとの各区切り内において、充電電流の平均値で充電容量Cαを除することで、その区切り分の定電圧充電に要する時間を求める。たとえば、C1〜C11の区切りにおいては、図7(B)に示すように、C1〜C11における充電電流の平均値Iave_11により、充電容量Cαを除することで、C1〜C11の区切り分の定電圧充電に要する時間を求める。そして、算出部1072は、同様の処理を、C11〜C2のすべての区切りにおいても実行し、すべての区切りにおいて求めた時間を合算することにより、C1とC2との間における定電圧充電に要する時間tCV_1を算出することができる。
一方、車両200aのバッテリ210について、充電終了条件として、バッテリ210が所定のSOCまで充電されることという条件が設定されている場合には、次のようにして時間tCV_1を算出する。すなわち、充電終了条件として、バッテリ210のSOCが、所定のSOC_3に達したタイミングで充電を終了するような条件が設定されている場合には、算出部1072は、上述したSOC_1(定電流充電を定電圧充電に切り替えるが終了するタイミングにおけるSOC)と、上記SOC_3(定電圧充電が終了するタイミングにおけるSOC)との差分をΔSOC_3として算出し、次いで、車両200aのバッテリ210について、算出したΔSOC_3に対応する充電容量ΔC_3(単位はAh)を求める。
そして、算出部1072は、バッテリ210の受入可能電流マップに基づいて、上述した図7(A)に示すように、充電容量ΔC_3と充電電流との関係を示すグラフを作成し、図7(B)に示す方法により、定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
これにより、算出部1072は、車両200aの定電圧充電に要する時間tCV_1を算出することができる。
そして、本実施形態においては、充電所要時間予測部107は、算出部1072により算出した時間tCC_1および時間tCV_1に基づいて、推定部1073により、下記式(2)にしたがって、車両200aのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_1を算出する。
ttotal_1=tCC_1+tCV_1 ・・・(2)
以上のようにして、充電所要時間予測部107は、車両200aの充電所要時間ttotal_1を算出する。
次いで、充電所要時間予測部107により、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210における充電所要時間ttotal_2を算出する方法を説明する。
まず、充電所要時間予測部107は、通信部1012を介して、車両200bのバッテリ210について、現在の電圧、温度、充電電流およびSOC、ならびに受入可能電流マップの情報を取得し、記憶部1071に記憶させる。
一方、充電所要時間予測部107は、通信部1011を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200aのバッテリ210の充電電流の情報を受信することで、図4または図6(A)に示すような車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報を得る。
ここで、本実施形態においては、上述したように、制御部106は、車両200bのバッテリ210に出力する充電電流を、上述した上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210に出力している充電電流との差分となるように制御している。そのため、充電所要時間予測部107は、車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報を得ることにより、図4または図6(A)に示す時刻t1〜t2の間における、車両200bのバッテリ210に流れる充電電流の時間変化の情報を得ることができる。
そして、充電所要時間予測部107は、車両200aのバッテリ210の充電が終了する時刻t2の時点における、車両200bのバッテリ210のSOCを取得する。具体的には、充電所要時間予測部107は、通信部1012を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200bのバッテリ210についてSOCの情報を取得することにより、時刻t2となった時点におけるSOCを取得する。
その後、充電所要時間予測部107は、車両200bのバッテリ210の受入可能電流マップを参照し、該バッテリ210について、時刻t2の時点でのSOCに対応する受け入れ可能な充電電流を抽出する。
ここで、車両200aのバッテリ210の充電が終了する時刻において、上限電流Imaxが、車両200bのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流がより小さい場合には、充電制御装置100は、車両200bのバッテリ210に対して、図4または図6(A)に示すように、時刻t2〜t3の間に上限電流Imaxで定電流充電を行い、その後、時刻t3〜t4の間に定電圧充電を行う。
この際においては、充電所要時間予測部107は、上述した車両200aについて定電流充電に要する時間tCC_1および定電圧充電に要する時間tCV_1を算出した方法と同様の方法により、算出部1072により、車両200bのバッテリ210について、定電流充電に要する時間tCC_2および定電圧充電に要する時間tCV_2を算出する。
なお、この際においては、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2は、図4または図6(A)に示すように、車両200aにおける時間tCV_1、ならびに、車両200bにおける時間tCC_2および時間tCV_2の合計値と等しくなる。そのため、充電所要時間予測部107は、推定部1073により、下記式(3)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
ttotal_2=tCV_1+tCC_2+tCV_2 ・・・(3)
一方、車両200aのバッテリ210の充電が終了する時刻において、上限電流Imaxが、車両200bのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流がより大きい場合には、充電制御装置100は、車両200bのバッテリ210に対して、図6(B)に示すように、定電流充電を行うことなく、時刻t3’で定電圧充電を開始し、時刻4で定電圧充電を終了する。
なお、図6(B)における時刻t3’は、車両200bのバッテリ210に定電圧充電を開始した時刻であり、車両200bのバッテリ210の電圧が上述した電圧閾値Vmaxに達したタイミングを示す。本実施形態においては、充電所要時間予測部107は、通信部1012を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200bのバッテリ210の電圧の情報を受信しておき、受信した情報に基づいて、車両200bのバッテリ210への充電が定電圧充電に切り替わる時点(時刻t3’)を検出し、これにより、図6(B)に示す時刻t1〜t3’の時間を、時間tαとして得る。
そして、充電所要時間予測部107は、上述した車両200aのバッテリ210について定電圧充電に要する時間tCV_1を算出した方法と同様の方法により、算出部1072により、車両200bのバッテリ210における定電圧充電に要する時間tCV_2を算出する。
なお、本実施形態においては、図6(B)に示すように、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2は、時刻t1〜t3’を示す時間tα、および車両200bにおける時間tCV_2の合計値と等しくなる。そのため、充電所要時間予測部107は、推定部1073により、下記式(4)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
ttotal_2=tα+tCV_2 ・・・(4)
以上のようにして、充電所要時間予測部107は、車両200bの充電所要時間ttotal_2を算出する。
本実施形態の充電制御装置100においては、複数のバッテリ210を充電する場合に、各バッテリ210における受入可能電流マップ(バッテリ210の温度およびSOCに対応して予め設定された受け入れ可能な充電電流の情報)に基づいて、各バッテリ210の充電所要時間を算出することができる。これにより、本実施形態によれば、バッテリ210を充電する際における充電所要時間を、早期かつ高精度に算出することができる。
次いで、本実施形態の充電制御装置100により、先に充電制御装置100に接続された車両200aのバッテリ210の充電所要時間ttotal_1を算出する際の動作例を説明する。ここで、図8は、充電制御装置100の制御部106により、車両200aのバッテリ210の充電を行う際の動作例を示すフローチャートであり、上述した図5に示すバッテリ充電処理におけるステップS3の充電所要時間算出処理(1台目)の一例を示している。以下、図8を参照して、充電所要時間算出処理(1台目)を説明する。
まず、図8に示すステップS301では、充電制御装置100の充電所要時間予測部107は、車両200aのバッテリ210について、現在の電圧、温度、充電電流およびSOC、ならびに受入可能電流マップの情報を取得し、記憶部1071に記憶させる。
ステップS302では、充電所要時間予測部107は、ステップS301で取得した受入可能電流マップの情報に基づいて、車両200aのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流が、充電制御装置100の上限電流Imaxと等しくなるようなSOCの値を、SOC_1として抽出する。
ステップS303では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、通信部1011から受信した車両200aのバッテリ210の現在のSOCと、ステップS302で抽出したSOC_1との差分をΔSOC_1として算出する。
ステップS304では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、ステップS303で算出したΔSOC_1に対応する充電容量ΔC_1(単位はAh)を求める。具体的には、算出部1072は、算出したΔSOC_1を、車両200aのバッテリ210の満充電容量に乗ずることで、ΔSOC_1に対応する充電容量ΔC_1を求める。
ステップS305では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、上記式(1)にしたがい、車両200aのバッテリ210の定電流充電に要する時間tCC_1を算出する。
ステップS306では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、車両200aのバッテリ210について、充電終了条件として、充電開始から所定時間が経過することで充電を終了させるという条件が設定されているか否かを判定する。そして、ステップS306において、充電終了条件として上記所定時間が設定されていないと判定された場合には、ステップS307へ進む。一方、ステップS306において、充電終了条件として上記所定時間が設定されていると判定された場合には、ステップS317へ進む。
ステップS306において、充電終了条件として上記所定時間が設定されていないと判定された場合には、ステップS307へ進み、ステップS307では、算出部1072は、充電終了条件として、車両200aのバッテリ210のSOCが所定のSOCとなった際に充電を終了するという条件が設定されているか否かを判定する。そして、ステップS307において、充電終了条件として上記所定のSOCが設定されていないと判定された場合には、ステップS308へ進む。一方、ステップS307において、充電終了条件として上記所定のSOCが設定されていると判定された場合には、ステップS313へ進む。
ステップS307において、充電終了条件として上記所定時間が設定されていないと判定された場合には、ステップS308へ進み、ステップS308では、算出部1072は、ステップS301で取得した受入可能電流マップの情報に基づいて、車両200aのバッテリ210について、受け入れ可能な充電電流が所定の電流閾値Iminまで低下する際におけるSOCを、SOC_2として抽出する。
ステップS309では、算出部1072は、ステップS302で抽出したSOC_1と、ステップS308で算出したSOC_2との差分をΔSOC_2として算出する。
ステップS310では、算出部1072は、ステップS309で算出したΔSOC_2に対応する充電容量ΔC_2(単位はAh)を求める。具体的には、算出部1072は、算出したΔSOC_2を、車両200aのバッテリ210の満充電容量に乗ずることで充電容量ΔC_2を求める。
ステップS311では、算出部1072は、ステップS301で取得した受入可能電流マップの情報に基づいて、バッテリ210の現在の温度におけるSOCと充電電流との関係から、図7(A)に示すように、充電容量ΔC_2と、充電電流との関係を示すグラフを作成する。そして、算出部1072は、作成した図7(A)に示すグラフを、図7(B)に示すように、一定量の充電容量ごとに区切り、上述した方法により区切りごとの定電圧充電に要する時間を求める。次いで、算出部1072は、各区切り分の定電圧充電に要する時間を合算することにより、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
ステップS312では、算出部1072は、算出した時間tCC_1、および算出した時間tCV_1に基づいて、上記式(2)にしたがって、車両200aのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_1を算出する。
一方、ステップS307において、充電終了条件として上記所定のSOCが設定されていると判定された場合には、ステップS313へ進み、ステップS313では、算出部1072は、上記所定のSOCを、SOC_3として特定する。
ステップS314では、算出部1072は、ステップS302で抽出したSOC_1と、ステップS313で特定したSOC_3との差分をΔSOC_3として算出する。
ステップS315では、算出部1072は、ステップS314で算出したΔSOC_3に対応する充電容量ΔC_3(単位はAh)を求める。具体的には、算出部1072は、算出したΔSOC_3を、車両200aのバッテリ210の満充電容量に乗ずることで充電容量ΔC_3を求める。
ステップS316では、算出部1072は、上述したステップS311と同様の方法により、図7(A)に示すような充電容量ΔC_3と、充電電流との関係を示すグラフを作成し、作成したグラフに基づいて、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
一方、ステップS306において、充電終了条件として上記所定時間が設定されていると判定された場合には、ステップS317へ進む。そして、本実施形態においては、ステップS317〜S320では、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
ここで、本実施形態においては、充電終了条件として上記所定時間が設定されている際には、充電開始から上記所定時間が経過した時点で充電を終了することとなるため、車両200aのバッテリ210の充電所要時間を算出する必要はない。しかしながら、車両200aのバッテリ210の次に充電を行うこととなる車両200bのバッテリ210においては、充電所要時間を算出する際に、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を必要とする場合がある。そのため、ステップS317〜S320においては、このような車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
ステップS317では、算出部1072は、通信部1011により車両200aから受信した情報に基づいて、車両200aのバッテリ210の充電時間が上記所定時間に達する際におけるSOCを、SOC_4として予測する。このようなSOC_4を予測する方法としては、特に限定されないが、たとえば、充電所要時間予測部107が、これまでに充電を行ったバッテリ210におけるSOCと、充電時間との関係を示す充電実績データを記憶部1071に記憶させておき、この充電実績データに基づいて、SOC_4を予測する方法が挙げられる。
ステップS318では、算出部1072は、ステップS302で抽出したSOC_1と、ステップS317で予測したSOC_4との差分をΔSOC_4として算出する。
ステップS319では、算出部1072は、ステップS318で算出したΔSOC_4に対応する充電容量ΔC_4(単位はAh)を求める。具体的には、算出部1072は、算出したΔSOC_4を、車両200aのバッテリ210の満充電容量に乗ずることで充電容量ΔC_4を求める。
ステップS320では、算出部1072は、上述したステップS311と同様の方法により、図7(A)に示すような充電容量ΔC_4と、充電電流との関係を示すグラフを作成し、作成したグラフに基づいて、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1を算出する。
以上により、充電所要時間算出処理(1台目)を終了する。なお、本実施形態においては、上述した図5に示すバッテリ充電処理において、ステップS7で充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS3に戻り、充電終了条件が満たされるまでステップS3の充電所要時間算出処理(1台目)により、充電所要時間ttotal_1を算出する処理を繰り返す。この際においては、バッテリ210に対する充電が進むことで、バッテリ210の温度が上昇することがあるため、制御部106は、充電所要時間算出処理(1台目)により充電所要時間ttotal_1の算出を行う際には、バッテリ210の温度の変化を考慮して、図3に示す受入可能電流マップから、バッテリ210の温度に応じたデータを抽出するようにし、バッテリ210の温度の変化に応じた充電所要時間ttotal_1を算出する。
次いで、本実施形態の充電制御装置100により、後に充電制御装置100に接続された車両200bのバッテリ210の充電所要時間ttotal_2を算出する際の動作例を説明する。ここで、図9は、充電制御装置100の制御部106により、車両200bのバッテリ210の充電を行う際の動作例を示すフローチャートであり、上述した図5に示すバッテリ充電処理におけるステップS10の充電所要時間算出処理(2台目)の一例を示している。以下、図9を参照して、充電所要時間算出処理(2台目)を説明する。
まず、図9に示すステップS1001では、充電制御装置100の充電所要時間予測部107は、車両200bのバッテリ210について、現在の電圧、温度、充電電流およびSOC、ならびに受入可能電流マップの情報を取得し、記憶部1071に記憶させる。
ステップS1002では、充電所要時間予測部107は、充電制御装置100に1台目に接続された車両200aに接続された通信部1011を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200aのバッテリ210の充電電流の情報を受信することで、図4に示すような車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報を取得する。
ステップS1003では、充電所要時間予測部107は、ステップS1002で取得した車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報に基づいて、車両200bのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報を取得する。すなわち、本実施形態においては、図4に示す時刻t1〜t2では、制御部106は、車両200bのバッテリ210に出力する充電電流を、充電制御装置100の上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210に出力している充電電流との差分となるように制御している。そのため、充電所要時間予測部107は、上限電流Imaxと、車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報に基づいて、車両200bのバッテリ210に流れる充電電流の時間変化の情報を得ることができる。
ステップS1004では、充電所要時間予測部107は、上述した充電所要時間算出処理(1台目)により算出された車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1の情報を取得する。
ステップS1005では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、充電制御装置100による車両200aのバッテリ210の充電が終了するタイミング(図4に示す時刻t2)における、車両200bのバッテリ210のSOCを予測する。このようなSOCを予測する方法としては、特に限定されないが、たとえば、充電所要時間予測部107が、ステップS1002で取得した車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報に基づいて、車両200aのバッテリ210の充電が終了するタイミングを検知することで得ることができる。
ステップS1006では、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、車両200aのバッテリ210の充電が終了するタイミング(図4に示す時刻t2)において、車両200bのバッテリ210に対して定電流充電を行うことができるか否かを判定する。具体的には、まず、算出部1072は、車両200bのバッテリ210について、ステップS1001で取得した受入可能電流マップの情報を参照し、ステップS1005で予想したSOC(車両200aのバッテリ210の充電が終了する時刻t2におけるSOC)に対応する受け入れ可能な充電電流の値を抽出する。次いで、算出部1072は、抽出した受け入れ可能な充電電流の値が、上限電流Imax未満である場合には、車両200bのバッテリ210に対して定電流充電を行うことができないと判定する。そして、ステップS1006において、車両200bのバッテリ210に定電流充電を行うことができると判定された場合には、ステップS1007へ進む。一方、ステップS1006において、車両200bのバッテリ210に定電流充電を行うことができないと判定された場合には、ステップS1009へ進む。
ステップS1006において、車両200bのバッテリ210に定電流充電を行うことができると判定された場合には、ステップS1007へ進み、ステップS1007では、算出部1072は、上述した図8の充電所要時間算出処理(1台目)に示すステップS302〜S320と同様の方法により、車両200bのバッテリ210における、定電流充電に要する時間tCC_2および定電圧充電に要する時間tCV_2を算出する。
ステップS1008では、算出部1072は、ステップS1004で取得した時間tCV_1、ならびにステップS1007で算出した時間tCC_2および時間tCV_2に基づいて、上記式(3)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
一方、ステップS1006において、車両200bのバッテリ210に定電流充電を行うことができないと判定された場合には、ステップS1009へ進み、ステップS1009では、算出部1072は、上述した図8の充電所要時間算出処理(1台目)に示すステップS306〜S320と同様の方法により、車両200bのバッテリ210における、定電圧充電に要する時間tCV_2を算出する。
ステップS1010では、算出部1072は、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。具体的には、まず、算出部1072は、車両200bに接続された通信部1012を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200bのバッテリ210の充電電流の情報を受信しておき、図6(B)に示す時刻t1〜t3’の間の時間を、時間tαとして取得する。次いで、算出部1072は、取得した時間tα、およびステップS1009で算出した時間tCV_2に基づいて、上記式(4)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
以上により、充電所要時間算出処理(2台目)を終了する。なお、本実施形態においては、上述した図5に示すバッテリ充電処理において、ステップS14で充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS10に戻り、充電終了条件が満たされるまでステップS10の充電所要時間算出処理(2台目)により、充電所要時間ttotal_2を算出する処理を繰り返す。この際においては、バッテリ210に対する充電が進むことで、バッテリ210の温度が上昇することがあるため、制御部106は、充電所要時間算出処理(2台目)により充電所要時間ttotal_2の算出を行う際には、バッテリ210の温度の変化を考慮して、図3に示す受入可能電流マップから、バッテリ210の温度に応じたデータを抽出するようにし、バッテリ210の温度の変化に応じた充電所要時間ttotal_2を算出する。
以上のとおり、本実施形態においては、複数のバッテリ210を充電する場合に、各バッテリ210における受入可能電流マップ(バッテリ210の温度およびSOCに対応して予め設定された受け入れ可能な充電電流の情報)に基づいて、各バッテリ210の充電所要時間を算出することができる。これにより、本実施形態によれば、バッテリ210を充電する際における充電所要時間を、早期かつ高精度に算出することができる。
次に、本実施形態における、車両200a,200bについて説明する。図1に示すように、車両200a,200bは、電圧検出部201と、温度検出部202と、電流検出部203と、充電容量検出部204と、受入可能電流情報取得部205と、制御部206と、車両用通信部207と、入力部208と、車両用表示部209と、バッテリ210とを備えている。
電圧検出部201、温度検出部202、電流検出部203および充電容量検出部204は、バッテリ210の電圧、温度、充電電流および充電容量を検出する検出器であり、検出した情報を制御部206に送信する。
受入可能電流情報取得部205は、図3に示すような受入可能電流マップを参照し、バッテリ210の現在の温度およびSOCに基づいて、バッテリ210が受け入れ可能な充電電流を取得し、取得した情報を制御部206に送信する。なお、受入可能電流マップの情報は、受入可能電流情報取得部205に備えられたメモリなど(不図示)に、予め記憶されている。また、バッテリ210の現在のSOCは、制御部206において、電圧検出部201により検出されたバッテリ210の電圧と、充電容量検出部204により検出されたバッテリ210の充電容量と、予め制御部206に記憶されたバッテリ210の満充電容量とに基づいて算出される。
入力部208は、車両200a,200bが充電制御装置100と接続された際に、充電制御装置100に備えられた出力部1021または出力部1022から出力される充電電流を、バッテリ210に入力する。
制御部206は、電圧検出部201、温度検出部202、電流検出部203、充電容量検出部204および受入可能電流情報取得部205から受信した情報に基づいて、バッテリ210の電圧、温度、充電電流、充電容量、SOCおよび受入可能電流マップの情報を、車両用通信部207を介して、充電制御装置100に備えられた通信部1011または通信部1012に送信する。
さらに、制御部206は、充電制御装置100において算出されたバッテリ210の充電所要時間ttotal_1または充電所要時間ttotal_2の情報を、充電制御装置100に備えられた通信部1011または通信部1012から、車両用通信部207を介して受信する。そして、制御部206は、受信した充電所要時間ttotal_1または充電所要時間ttotal_2の情報を、車両用表示部209に表示させる。
車両用表示部209は、制御部206から送信された充電所要時間ttotal_1または充電所要時間ttotal_2の情報を表示することができ、ディスプレイなどにより構成される。
<<第2実施形態>>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態における充電制御装置100は、上述した第1実施形態に係る充電制御装置100と同様に、図1に示すような構成を有しており、2台の車両200a,200bと接続されている。
本実施形態の充電制御装置100は、上述した図3に示す受入可能電流マップの情報を用いることなく、充電制御装置100に1番目に接続された車両200aのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_1、および充電制御装置100に2番目に接続された車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
以下、本実施形態において、充電制御装置100の充電所要時間予測部107により、車両200aのバッテリ210における充電所要時間ttotal_1を算出する方法を説明する。
具体的には、まず、充電所要時間予測部107は、通信部1011を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200aのバッテリ210の電圧の情報を受信することで、図2に示すような車両200aのバッテリ210における電圧の時間変化の情報、および充電電流の時間変化の情報を取得する。なお、図2は、バッテリ210に対して、充電制御装置100により、時刻t0〜t1において定電流充電を行い、時刻t1〜t2において定電圧充電を行った際における、該バッテリ210の充電電流および電圧の時間変化を示すグラフである。
次いで、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、車両200aのバッテリ210について取得した電圧の時間変化の情報に基づいて、該バッテリ210の電圧の時間変化を予測し、これにより時刻t1を予測する。
すなわち、算出部1072は、車両200aのバッテリ210の充電を開始する時刻t0から、通信部1011を介して、電圧の時間変化の情報を取得し、取得した情報に基づいて、電圧の時間変化を予測して電圧が電圧閾値Vmaxに達する際の時刻を、時刻t1と予測する。これにより、算出部1072は、予測した時刻t1に基づいて、車両200aのバッテリ210について定電流充電に要する時間tCC_1(図2に示す、時刻t_0〜t_1)を算出することができる。
次いで、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について取得した充電電流の時間変化の情報に基づいて、該バッテリ210の充電電流の時間変化を予測し、これにより時刻t2を予測する。
すなわち、算出部1072は、通信部1011を介して、充電電流の時間変化の情報を取得し、取得した情報に基づいて、充電電流の時間変化を予測して充電電流がゼロに近い値まで収束したタイミングを、時刻t2と予測する。これにより、算出部1072は、予測した時刻t1および時刻t2に基づいて、車両200aのバッテリ210について定電流充電に要する時間tCV_1(図2に示す、時刻t_1〜t_2)を算出することができる。
以上により、算出部1072は、車両200aのバッテリ210について、定電流充電に要する時間tCC_1および定電流充電に要する時間tCV_1を算出することができ、これにより、下記式(2)にしたがって、車両200aのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_1を算出する。
ttotal_1=tCC_1+tCV_1 ・・・(2)
なお、本実施形態においては、算出部1072により、車両200aのバッテリ210について電圧および充電電流の時間変化を予測する方法としては、特に限定されないが、通信部1011を介して取得した電圧および充電電流の時間変化の情報に基づいて、最小二乗法を用いて指数近似曲線または累乗近似曲線を求める方法が挙げられる。この際においては、算出部1072は、たとえば、図10に示すように、数秒ごとにバッテリ210の充電電流の実測値を取得してプロットし、充電電流の実測値が20プロット蓄積した際に、蓄積した情報に基づいて、最小二乗法を用いて指数近似曲線または累乗近似曲線を求めることができる。なお、図10においては、充電電流の実測値を20プロット以降もプロットしており、最小二乗法により求めた累乗近似曲線が、充電電流の実測値が示す変化に近いものとなる例を示した。
また、本実施形態において、充電所要時間予測部107により、車両200bのバッテリ210における充電所要時間ttotal_2を算出する方法を説明する。
具体的には、まず、充電所要時間予測部107は、通信部1012を介して、所定のタイミングで定期的に、車両200bのバッテリ210の電圧の情報を受信することで、車両200bのバッテリ210における電圧の時間変化の情報、および充電電流の時間変化の情報を取得する。
次いで、充電所要時間予測部107は、算出部1072により、上述した車両200aのバッテリ210における時間tCC_1および時間tCV_1を算出した方法と同様の方法により、車両200bのバッテリ210における定電流充電に要する時間tCC_2および定電流充電に要する時間tCV_2を算出する。
すなわち、算出部1072は、通信部1012から取得した情報に基づいて、車両200bのバッテリ210について、電圧の時間変化、および充電電流の時間変化を予測することで、車両200bのバッテリ210における定電流充電を定電圧充電に切り替える時刻、および定電圧充電を終了させる時刻を予測する。これにより、算出部1072は、予測した時刻に基づいて、車両200bのバッテリ210における定電流充電に要する時間tCC_2および定電流充電に要する時間tCV_2を算出する。
そして、充電所要時間予測部107は、推定部1073により、算出された時間tCC_2および時間tCV_2、ならびに上述した車両200aにおける時間tCV_1に基づいて、下記式(3)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
ttotal_2=tCV_1+tCC_2+tCV_2 ・・・(3)
あるいは、車両200bのバッテリ210について、上述した図6(B)に示すように、定電流充電を行うことなく、定電圧充電を行う場合においては、算出部1072は、通信部1012から取得した情報に基づいて、電圧の時間変化を予測することで、車両200bのバッテリ210の受け入れ可能な充電電流が上限電流Imaxとなり定電圧充電が開始される時刻である時刻t3’を予測する。これにより、算出部1072は、図6(B)に示す時刻t1〜t3’の間の時間を、時間tαとして得ることができる。
そして、充電所要時間予測部107は、推定部1073により、算出された時間tαおよび時間tCV_2に基づいて、下記式(4)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
ttotal_2=tα+tCV_2 ・・・(4)
これにより、第2実施形態においては、複数のバッテリ210を充電する際において、バッテリ210における実際の充電電流に基づいて、バッテリ210の充電電流の時間変化を予測し、予測した結果から、各バッテリ210の充電所要時間を算出することができる。そのため、第2実施形態によれば、バッテリ210の充電を開始した後に、早期かつ高精度に充電所要時間の算出を行うことができる。
次いで、第2本実施形態の動作例を説明する。図11は第2実施形態の充電制御装置100に2台の車両200a,200bが接続されている場合において、充電制御装置100により、車両200a,200bのバッテリ210を充電するとともに、充電所要時間を算出する方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS21では、充電制御装置100の制御部106は、充電制御装置100に接続された車両が、現在充電制御装置100に接続されている車両のうち、何番目に接続されたかを検知する。
ステップS22では、制御部106は、充電制御装置100に接続された車両について、接続された順番が1番目であるか否かを判定する。すなわち、制御部106は、充電制御装置100に接続された車両が、先に(1番目に)接続された車両200aであるか、または後に(2番目に)接続された車両200bであるかを判定する。そして、ステップS22において、充電制御装置100に接続された順番が1番目であると判定された場合には、ステップS23へ進む。一方、ステップS22において、充電制御装置100に接続された順番が1番目ではない(すなわち、充電制御装置100に接続された順番が2番目である)と判定された場合には、ステップS33へ進む。
ステップS22において、充電制御装置100に接続された順番が1番目であると判定された場合には、ステップS23へ進み、ステップS23では、制御部106は、先に(1番目に)接続された車両200aのバッテリ210に対して定電流充電を開始する。
ステップS24では、充電所要時間予測部107の算出部1072が、通信部1011を介して、車両200aのバッテリ210の定電流充電時における電圧の時間変化の情報を取得し、取得した情報に基づいて、車両200aのバッテリ210における電圧の時間変化を予測する。
ステップS25では、算出部1072は、ステップS24で予測した電圧の時間変化に基づいて、車両200aのバッテリ210の電圧が電圧閾値Vmaxに達する際の時刻(すなわち、定電流充電を定電圧充電に切り替える時刻)を、時刻t1と予測し、これにより、定電流充電に要する時間tCC_1(図2に示す、時刻t_0〜t_1)を算出する。
ステップS26では、御部106は、車両200aのバッテリ210に対する充電を、定電流充電から定電圧充電に切り替える。
ステップS27では、充電所要時間予測部107の算出部1072が、通信部1011を介して、車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化の情報を取得し、取得した情報に基づいて、車両200aのバッテリ210における充電電流の時間変化を予測する。
ステップS28では、算出部1072は、ステップS27で予測した充電電流の時間変化に基づいて、車両200aのバッテリ210の充電電流がゼロとなる際の時刻(すなわち、定電圧充電を終了させる時刻)を、時刻t2と予測し、これにより、定電流充電に要する時間tCV_1(図2に示す、時刻t_1〜t_2)を算出する。
ステップS29では、算出部1072は、ステップS25で算出した時間tCC_1、およびステップS28で算出した時間tCV_1に基づいて、上記式(2)にしたがって、車両200aのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_1を算出する。
ステップS30では、制御部106は、充電所要時間予測部107により算出された充電所要時間ttotal_1の情報を、車両200aに送信するとともに、表示部103に表示させる。
ステップS31では、制御部106は、車両200aのバッテリ210について、充電終了条件が満たされたか否かを判定する。充電終了条件としては、充電開始から所定時間が経過すること、定電圧充電時の充電電流が所定の電流閾値Imin以下となること、バッテリ210が所定のSOCまで充電されることなどの条件が挙げられる。そして、ステップS31において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS32へ進む。一方、ステップS31において、充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS27に戻る。本実施形態においては、制御部106は、充電終了条件が満たされるまで、ステップS27〜S31により充電所要時間ttotal_1を算出する処理を繰り返すことで充電所要時間ttotal_1の情報を補正する。
ステップS31において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS32へ進み、ステップS32では、制御部106は、車両200aのバッテリ210への充電を終了する。
一方、ステップS22において、充電制御装置100に接続された順番が2番目であると判定された場合には、ステップS33へ進み、ステップS33では、充電制御装置100に1番目に車両200aのバッテリ210に対して、充電制御装置100から出力されている充電電流が上限電流Imax未満であるか否かを判定する。すなわち、充電制御装置100において、車両200aのバッテリ210以外の他のバッテリ210に対して、充電電流を出力する余力があるか否かを判定する。そして、ステップS33において、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、上限電流Imax未満であると判定された場合には、ステップS34へ進む。一方、ステップS33において、車両200aのバッテリ210に対して出力されている充電電流が、上限電流Imax未満ではないと判定された場合には、ステップS33で待機する。
ステップS34では、充電所要時間予測部107は、上述したステップS23〜S28において算出された車両200aにおける定電圧充電に要する時間tCV_1の情報を取得する。
ステップS35〜S40では、上述したステップS23〜S28と同様に、制御部106は、後に(2番目に)接続された車両200bのバッテリ210について、充電を行いながら、電圧および充電電流の時間変化を予測し、予測した結果に基づいて、定電流充電に要する時間tCC_2および定電圧充電に要する時間tCV_2を算出する。
ステップS41では、算出部1072は、ステップS37で算出した時間tCC_2、およびステップS40で算出した時間tCV_2に基づいて、上記式(3)にしたがって、車両200bのバッテリ210の充電に要する充電所要時間ttotal_2を算出する。
ステップS42では、制御部106は、上述したステップS30と同様に、充電所要時間予測部107により算出された充電所要時間ttotal_2の情報を、車両200bに送信するとともに、表示部103に表示させる。
ステップS43では、制御部106は、上述したステップS31と同様に、車両200bのバッテリ210について、充電終了条件が満たされたか否かを判定する。そして、ステップS43において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS44へ進む。一方、ステップS43において、充電終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS39に戻る。本実施形態においては、制御部106は、充電終了条件が満たされるまで、ステップS39〜S43により充電所要時間ttotal_2を算出する処理を繰り返すことで充電所要時間ttotal_2の情報を補正する。
ステップS43において、充電終了条件が満たされたと判定された場合には、ステップS44へ進み、ステップS44では、制御部106は、車両200bのバッテリ210への充電を終了する。
以上のとおり、第2実施形態においては、複数のバッテリ210を充電する際において、バッテリ210における実際の充電電流に基づいて、バッテリ210の充電電流の時間変化を予測し、予測した結果から、各バッテリ210の充電所要時間を算出することができる。そのため、第2実施形態によれば、バッテリ210の充電を開始した後に、早期かつ高精度に充電所要時間の算出を行うことができる。
また、第2実施形態によれば、充電所要時間予測部107は、通信部1011,1012により取得した各バッテリ210の実際の充電電流の変化量に基づいて、バッテリ210の充電所要時間を算出する処理を繰り返すことで充電所要時間の情報を補正することができる。これにより、第2実施形態によれば、各バッテリ210の充電所要時間を、より精度よく算出することができる。
なお、図11に示すフローチャートにおいては、充電所要時間予測部107は、ステップS26〜S28に示すように、車両200aのバッテリ210の定電圧充電に要する時間tCV_1の算出を、バッテリ210に対する定電圧充電が開始された後に行っている。
そのため、充電所要時間予測部107は、時間tCV_1を算出するために、バッテリ210に対する定電圧充電が開始されるまで待機しなければならず、充電所要時間ttotal_1の情報をユーザに提供するのが遅れてしまう場合がある。
これに対し、第2実施形態においては、ステップS25において定電流充電に要する時間tCC_1を算出した後、過去にバッテリ210を充電した際における時間tCV_1の実績データなどに基づいて、時間tCV_1を推定してもよい。この際においては、たとえば、時間tCV_1としては、時間tCV_1の実績データなどに基づいて、時間tCC_1の3倍と推定することができる。
そして、第2実施形態においては、充電制御装置100は、ステップS25において、このように推定した時間tCV_1に基づいて、充電所要時間ttotal_1を算出し、算出した充電所要時間ttotal_1の情報を、車両200aに送信するとともに表示部103に表示させることで、ユーザに提供することができる。その後、バッテリ210に対して定電圧充電が開始された際には、上述したステップS26〜S29の処理により、より精度の高い時間tCV_1および充電所要時間ttotal_1を算出し、再度、充電所要時間ttotal_1の情報をユーザに提供する。
なお、この際においては、充電所要時間予測部107は、車両200aだけでなく、車両200bについても、同様の方法により、時間tCV_2を推定し、推定した時間tCV_2に基づいて算出した充電所要時間ttotal_2を車両200bに送信するとともに表示部103に表示させてもよい。その後、車両200bについても、バッテリ210に対して定電圧充電が開始された際に、より精度の高い時間tCV_2および充電所要時間ttotal_2を算出し、再度、充電所要時間ttotal_2の情報をユーザに提供する。
これにより、第2実施形態によれば、より早期に各バッテリ210の充電所要時間の情報をユーザに提供することができ、その後、より精度の高い充電所要時間が算出された場合には、算出された精度の高い充電所要時間の情報をユーザに提供することができる。
なお、上述した実施形態において、出力部1021,1022は本発明の充電器に、制御部106は本発明の充電制御手段に、通信部1011,1012は本発明の取得手段に、充電所要時間予測部107は本発明の予測手段、算出手段および補正手段に、それぞれ相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態においては、図4に示すように、車両200aのバッテリ210について、まず、定電流充電を行い、その後定電圧充電を行う例をしめしたが、車両200aに対して、定電流充電を行うことなく、充電開始タイミングから定電圧充電を行うこととしてもよい。この際においては、車両200aのバッテリ210に定電圧充電を開始している間に、車両200aのバッテリ210に定電圧充電を行いながら、車両200bのバッテリ210への充電を開始することができる。
また、上述した実施形態においては、充電制御装置100により2台の車両200a,200bのバッテリ210を充電する例を示したが、充電制御装置100は、3台以上の車両のバッテリ210を充電することもできる。たとえば、充電制御装置100により4台の車両のバッテリ210を充電する際においては、充電制御装置100は、各バッテリ210に対して、図12に示すように充電電流を出力することで充電を行う。
すなわち、まず、充電制御装置100は、時刻t0〜t4の間は、上述した図4に示す例と同様に、車両200aおよび車両200bのバッテリ210の充電を行う。
そして、充電制御装置100は、車両200bのバッテリ210に対する充電を定電流充電から定電圧充電に切り替えるタイミングである時刻t3において、車両200bのバッテリ210に定電圧充電を行いながら、3番目に充電制御装置100に接続された車両(車両200cとする)のバッテリ210の充電を開始する。
次いで、図12に示す例においては、時刻t5にて、車両200cのバッテリ210の電圧が上述した電圧閾値Vmaxに達し、充電制御装置100は、ここで車両200cに対して定電流定電圧法による定電圧充電を開始する。
この際においては、時刻t5から、車両200bおよび車両200cのバッテリ210に対してそれぞれ定電圧充電を行うこととなり、図12に示すように、充電制御装置100から車両200bおよび車両200cのバッテリ210に対して出力する充電電流は徐々に低下していく。そのため、充電制御装置100は、このような時刻t5から、出力できる充電電流の余力が発生し、余力分の充電電流を用いて、4番目に充電制御装置100に接続された車両(車両200dとする)のバッテリ210の充電を開始する。
ここで、時刻t5〜t4においては、充電制御装置100は、車両200bおよび車両200cに対して定電圧充電を行いながら、さらに車両200dの充電を行うこととなる。すなわち、充電制御装置100においては、複数のバッテリ210に対して、同時に定電流定電圧法による充電を行うことができ、さらに、複数のバッテリ210に対して同時に定電流定電圧法による充電を行いながら、さらに別のバッテリ210に対する充電を行うことができる。
その後、充電制御装置100は、時刻t4にて車両200bのバッテリ210に対する充電を終了し、さらに時刻t6にて車両200cのバッテリ210に対する充電を終了する。そして、充電制御装置100は、車両200dのバッテリ210に対して、時刻t6で定電流定電圧法による定電流充電を開始し、時刻t6〜t7で定電流充電を行った後、時刻t7にて定電流充電を定電圧充電に切り替え、時刻t8にて充電を終了する。
図12に示す例においては、以上のように、充電制御装置100は、4台の車両にそれぞれ備えられた複数のバッテリ210を充電する。
なお、図12に示す例においては、充電制御装置100は、複数のバッテリ210に充電を行っている間(すなわち、図12に示す時刻t1〜t2および時刻t3〜t6)には、充電制御装置100から各バッテリ210に出力する充電電流の合計値を上限電流Imaxとなるように制御している。これにより、充電制御装置100は、複数のバッテリ210を同時に充電する際に、充電制御装置100が出力可能な電流を効率よく利用することができるため、充電の所要時間を短縮することができる。
また、充電制御装置100は、複数のバッテリ210に充電を行っている間(すなわち、図12に示す時刻t1〜t2およびt3〜t6)には、充電制御装置100から各バッテリ210に出力する電力の合計値を、充電制御装置100が出力可能な所定の電力値に応じて設定した値となるように制御してもよい。これにより、充電制御装置100は、複数のバッテリ210を同時に充電する際に、充電制御装置100が出力可能な電力を効率よく利用することができるため、充電の所要時間を短縮することができる。
なお、上述した実施形態においては、ディスプレイなどから構成される充電制御装置100の表示部103および車両200a,200bの車両用表示部209を用いて、充電所要時間の情報をユーザに提供する例を示したが、充電所要時間の情報をユーザに提供する方法としては、特に限定されず、たとえば、スピーカによる音声のアナウンスなどにより提供する方法を用いてもよい。
また、上述した実施形態においては、充電制御装置100により充電を行う対象となるバッテリ210が車両に搭載されている例を示したが、バッテリ210としては、車両に搭載される用途に限定されず、任意の用途のバッテリを用いることができる。