JP6432079B2 - ガスセンサとガス検出装置 - Google Patents
ガスセンサとガス検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6432079B2 JP6432079B2 JP2014127782A JP2014127782A JP6432079B2 JP 6432079 B2 JP6432079 B2 JP 6432079B2 JP 2014127782 A JP2014127782 A JP 2014127782A JP 2014127782 A JP2014127782 A JP 2014127782A JP 6432079 B2 JP6432079 B2 JP 6432079B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- reagent
- sensor
- nanowire
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 CCCC*(C)(CC*1(C)C)*11OC(C)CC(C)O1 Chemical compound CCCC*(C)(CC*1(C)C)*11OC(C)CC(C)O1 0.000 description 1
Images
Description
図1(a)、図1(b)に、実施の形態1のガスセンサーシステム100を示す。図1(a)は、全体のガスセンサーシステム100の構成を示す図である。図1(b)は、ガスセンサ104部分の断面を示す図である。ガスセンサーシステム100は、センサーユニット101とホンプ105とからなる。
センサーユニット101は、雰囲気ガス、呼気中のガスを検出するための基本ユニットである。
ホトセンサ102は、ガスセンサ104で反射した光を検出するものである。光の強度からガス濃度を判断する。
ガスセンサ104は、送られてくるガスにより発色するものである。
ガス通路106は、ガスをガスセンサ104へ送る通路である。
なお、ポンプ105は、必須でなく、例えば、別途、手動でガスをガスセンサ104に吹き付けてもよい。ガス通路106も必須でなく、ガスを直接、ガスセンサ104の表面にあててもよい。
<ガスセンサ104>
図2(a)から図2(d)に、実施の形態のガスセンサ104を示す。図2(a)は、ガスセンサ104の斜視図である。図2(b)〜図2(d)は、ガスセンサ104の模式的な断面を示す図である。
図2(c)に示すように、このナノワイヤ10間に試薬12が配置されている。この状態で、ガス13が試薬12に触れると、図2(d)のようにガス13が吸着される。この場合、試薬12はガス13により、その色が変化する。この変化を検出することで、ガスを検出する。
ここで、ナノワイヤ10の役割は、試薬12を長時間、安定保持すること、一端、試薬12に吸着したガス13を、蒸発させることである。つまり、ナノワイヤ10を加熱させ、吸着したガス13を放出させる。短時間で、新たなガスを検出できる。
また、振動を激しくかけ、溶剤などもちいて、試薬12をナノワイヤ10から取り除き、を新たな試薬12へ交換することも可能である。
なお、試薬12はナノワイヤ10の内部に存在するのが好ましい。ナノワイヤ10より外部へ出ると、乾燥しやすい。また、ナノワイヤ10の熱が試薬12に伝わりにくい。さらに、試薬12の下部に水分層を設けることができる。水分層により試薬12を湿った状態にできる。下部なので水分層は蒸発でせず、長時間湿った状態を維持できる。水分層以外に、下部に各試薬12の働きを長時間維持できる層を保持させることができる。
ナノワイヤ10は、ナノレベルの細線のワイヤである。ワイヤを通じて熱を試薬12に伝達し、吸収されたガス13を放出させる。細線であり、試薬12全体に渡っていることから、付着したガス13が残ることなく放出される。さらに、全体の試薬12の温度も、短時間に均一に上げることができ、ガス13を放出されることができる。
図2では、上下方向へ伸びたナノワイヤ10であるが、水平方向へ伸びたナノワイヤ10でもよい。碁盤の目状のナノワイヤ10でもよい。
より詳細には、実施の形態によれば、従来のナノワイヤ、ナノチューブ、ナノロープ、及びナノベルトは全て、ナノワイヤであると考えられる。さらに、材料の種類に関して具体的に言及する場合、必ずしも単一の構成成分からなることを意味しない。
使用する試薬12は、検出目的のガスの種類に応じて、選択する必要がある。たとえば、アンモニアを検出する場合は、アンモニアと反応し、色が変化する試薬12が必要である。色の変化でガスを検出する。
(実施の形態1)
実施の形態1のイオン液体は、特定の構造を有する金属錯体を用いることにより、有機溶媒等の分子が前記金属錯体の中心金属に対し配位又は脱離して色調、融点、粘度及び磁性等の変化を起こす。前記配位又は脱離する分子は、気相に存在するものであってもよく、液相、固相に存在するものであってもよい。 実施の形態1のイオン液体は、下記一般式(1)
前記R1〜R11の全てがそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、オキソ基、ニトロ基、ニトリル基、ビニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいメチル基、置換基を有していてもよいエチル基、置換基を有していてもよいメトキシ基、tert−ブチル基又はiso−ブチル基である場合には、得られるイオン性物質の融点が非常に高くなり、イオン液体が得られない。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。また、「置換基を有していても良い」という表現における「置換基」とは、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、ニトロ基、アセチル基、アミノ基、水酸基、アリール基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、アミノスルホニル基及びオキソ基等が挙げられ、合成が容易であることから、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、ニトロ基、アセチル基、アリール基、及びシアノ基等が好ましい。
前記一般式(1)で表される実施の形態の金属錯体のうち、さらに好ましい形態としては、合成が容易で、安定性が高く、かつ分子の配位又は脱離時の変化が顕著である点等から、下記一般式(2)
で表されるものが挙げられる。
また、実施の形態1の金属錯体は、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、ソルバトクロミックな金属錯体であることが好ましい。実施の形態において、ソルバトクロミックな金属錯体とは、ソルバトクロミズムを示す金属錯体、即ち溶媒の極性の変化によって色調が変化する金属錯体を表す。
<実施例>
以下、実施例を用いて実施の形態を具体的に説明するが、実施の形態はこれらに限定されるものではなく、実施の形態の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
イオン液体の粘度は、粘度計(東機産業社製、TV−22L)を用いて、25℃における粘度を測定した。測定条件は、ローターNo.7(3′×R7.7)を使用し、回転速度は100rpmとした。
Cu(NO3)2・3H2O(和光純薬社製、242mg,1.0mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、アセチルアセトン(和光純薬社製、0.10mL,1.0mmol)と乳鉢で粉砕した炭酸ナトリウム(和光純薬社製、53mg,0.5mmol)を加えた。さらに、系中に、N−ブチル−N,N’,N’−トリメチルエチレンジアミン(0.19mL,1.0mmol)を滴下して加えた。反応溶液を30分間撹拌後、未反応の炭酸ナトリウムと析出したNaNO3をろ過により取り除き、ろ液にLiTFSA(和光純薬社製、574mg,1.5mmol)を加え数分撹拌した。溶媒を留去後ジクロロメタンに溶解させ、水で数回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、溶媒を留去した後、生成物を70℃で一晩真空加熱乾燥し、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品1:[Cu(acac)(BuMe3en)]+[TFSA]−、暗紫色液体、収量499mg、収率83%)。
アセチルアセトンの代わりに3−ブチル−2,4−ペンタンジオン(東京化成社製、1.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で合成を行い、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品2:[Cu(Bu−acac)(BuMe3en)]+[TFSA]−、暗紫色固体、収量510mg、収率78%)。合成直後は暗褐色の過冷却液体であったが、室温、大気中で数日放置すると結晶化した。
Ni(NO3)2・6H2O(小宗化学社製、582mg,2.0mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、アセチルアセトン(和光純薬社製、0.20mL,2.0mmol)と乳鉢で粉砕した炭酸ナトリウム(和光純薬社製、106mg,1.0mmol)を加えた。さらに、系中にN−ブチル−N,N’,N’−トリメチルエチレンジアミン(0.38mL,2.0mmol)を滴下して加えた。反応溶液を30分間撹拌後、未反応の炭酸ナトリウムと析出したNaNO3をろ過により取り除き、ろ液にLiTFSA(和光純薬社製、1.14g,4.0mmol)を加え数分撹拌した。溶媒を留去後ジクロロメタンに溶解させ、水で数回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、溶媒を留去した後、生成物を70℃で一晩真空加熱乾燥し、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品3:[Ni(acac)(BuMe3en)]+[TFSA]−、暗赤色液体、収量567mg、収率95%)。
アセチルアセトンの代わりに3−ブチル−2,4−ペンタンジオン(東京化成社製、2.0mmol)を用い、反応時間を10分間とした以外は、実施例3と同様の操作で合成を行い、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品4:[Ni(Bu−acac)(BuMe3en)]+[TFSA]−、暗赤色液体、収率91%)。
ガラス製のサンプル瓶に実施例品1及び実施例品3を20mg秤取し、それぞれ10mLの有機溶媒を入れたサンプル瓶とともにガラス容器に入れ、蓋をした。前記有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、メタノール、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ピリジンの6種類を用い、実験を行った。イオン液体をナノワイヤに保持させ、気相を通じてイオン液体に対し2当量の有機溶媒分子を吸着したことを秤量により確認し、その時点で目視による色調変化の評価とUV−Vis−NIR吸収スペクトルの測定を行った。
実施例品1は、単体では暗紫色だが、配位能の異なる有機分子を気相から吸収することで、紫色(アセトニトリル、アセトン)、濃青色(メタノール)、青色(DMF、DMSO)、緑色(ピリジン)へと色調変化した。実施例品1単体、及びメタノール、DMF、DMSOを吸着した試料のUV−Vis−NIR吸収スペクトルを示した。実施例品1は単体で549nmに吸収極大波長を有するが、有機分子を吸収した試料では567nm(メタノール)、591nm(DMF)、611nm(DMSO)に吸収極大が見られた。アニオンの配位能が高いほど吸収極大は高波長シフトした。
実施例品3は、単体では暗赤色だが、気相から有機分子を吸収することによって、赤色(アセトニトリル)、茶褐色(アセトン、メタノール)、薄緑色 (DMF、DMSO)、緑色(ピリジン)へと色調が変化した。実施例品3がメタノールを吸収したものは、室温では茶褐色であるが、さらにサーモクロミズムを示し、60℃では赤色、0℃では薄緑色へと色変化を示した。
試験例1と同じ条件下で、実施例品1に対するDMSO蒸気の吸収速度を、一定時間ごとに秤量を行うことで70時間まで計測した。DMSOが2当量付加するのに要する時間は約33時間であり、この間の吸収速度は0.18mg/hであった。2当量以上では吸収は緩やかとなり、吸収速度は0.09mg/hとなった。
実施例品1及び実施例品1にDMSO蒸気を吸収させた試料について、DSC測定によって熱物性を評価した。実施例品1は−160℃〜100℃で結晶化せず、ガラス転移(−48.8℃)のみを示したが、DMSOを1〜2当量吸収した試料は、昇温過程において低温(−30℃付近)で液体状態から結晶化を起こした。すなわち有機分子の付加によって、液体から結晶への変化が起こるようになった。生成した結晶の融点は室温付近(6〜24℃)であり、融点及びガラス転移点は、DMSO含量の増加に伴って低下した。
実施例品3は、融点59.6℃であり、室温で固体として存在するが、DMSO分子の付加によって液体(Tg=−83.9℃)に変化した。
〔試験例5〕
DMSOを4当量吸収させた実施例品1の熱測定では、昇温過程において低温(−50.1℃)で全体が液体状態から結晶化した後、DMSOの融解(−30.0℃)とイオン液体の融解(5.6℃)が独立に観測された。このことから、この液体が六配位錯体と過剰なDMSOの混合物であることがわかる。
25℃における実施例品1の粘度は1188mPa・sであった。DMSOを1当量又は2当量吸収させた試料の粘度は、それぞれ191.3mPa・s、119.5mPa・sとなった。このように、分子付加によって顕著な粘度の変化が起こった。
エタノール(1〜10vol%)又は1−プロパノール(10vol%)を含むヘキサンに実施例品1を少量加えたところ、イオン液体の液滴が、それぞれ気相からエタノール、1−プロパノールを吸収した場合と同様の色調変化を起こした。低濃度(1vol%)の場合には色調変化に時間を要し、変色の度合いも小さかったものの、色変化自体は確認可能であった。このことから、実施の形態のイオン液体は、低極性液体とは混和せず、液滴として相分離するため、低極性液体中に溶解している配位性分子の検出も可能であることが明らかになった。
実施例品1に対して、下式で表されるゲル化剤PVdF−HFP(ポリ(ビニリデンフルオリド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、シグマアルドリッチ社製)を20wt%又は50wt%加え、アセトン中で混合した。この溶液をナノワイヤへ塗布し、室温で静置することで、溶媒が完全に蒸発し、紫色のイオンゲルが得られた。
製造例1で作製したナノワイヤ(イオン液体、ゲル化剤濃度20wt%又は50wt%)を用いて、気相の分子に対する応答性を評価した。ナノワイヤをメタノール蒸気下におくと、蒸気を吸収し、数分(10分程度)で紫色から青色へと変色した。また、この状態のナノワイヤを大気下へ取り出すと、数秒(5秒程度)で元の紫色へと戻った。このことから、ゲル状態でも分子の可逆な脱着が可能であることが示された。
製造例1で作成したナノワイヤ(イオン液体、ゲル化剤濃度20wt%)を、トリエチルアミンを20wt%含む水溶液に浸すと、1分以内にナノワイヤが紫から青に変色した。このことから、実施の形態のイオン液体から製造されたゲルを用いると、水中に溶解している配位性分子を検知できることが示された。
(効果)
ガスセンサ104中のナノワイヤ10は、試薬12としてのイオン液体を保持する。イオン液体はガスにより色変化があり、ガスを検出できる。ナノワイヤ10を加熱することで、ガスを放出し、再度のガス検出ができる。
アンモニアを検出する場合、試薬12は、デジルトリメチルアンモニウム、または、ローダミン系色素を用いることができる。ローダミンは、通常固体化により発光性を失うが、ナノワイヤ10中に保持させることで、発光性を失わない。このローダミン系色素は、水溶液中でpHの増加に伴い、強い発光性陽イオンから無発光性のラクトン型へ分子内環化反応により変化する。この分子内環化反応をナノワイヤ10中で誘発することで色変化をさせる。
(1)ローダミン含む水溶液へナノワイヤ10を浸し、攪拌後、ナノワイヤを取り出す方法。
(2)ローダミンを含む水溶液とイオン交換性無機層状化合物のナノシートコロイド懸濁液とデシルトリメチルアンモニウムとの混合溶液に、ナノワイヤを浸し、攪拌後、ナノワイヤを取り出す方法。具体的には以下である。
水1 dm3(1000cm3)中、1molHCl溶液溶けている水溶液に3日間、この層状チタネイトを漬け、層間のCsイオンを取り除く。毎日液は新しいものに交換する。
撹拌後、減圧濾過にて固相を回収し、水/エタノール(50/50v/v)で十分洗浄後、ナノワイヤに浸漬し、取り出す。
(3)ナノワイヤ10の一部に、ローダミン含む水溶液を滴下する方法。検出領域15に滴下する方法である。
(効果)
ガスセンサ104中のナノワイヤ10は、試薬12を保持する能力が高く、安定して試薬12を保持できる。この結果、ガスセンサ104中で、試薬12とガスの反応が安定して起こる。結果、試薬12の色が変わり、ガスを検出できる。色を検出するので、微量でも検出できる。
また、実施の形態1のイオン液体を、上記チタネイトの層間に入れてもよい。層状チタネイトに限定させず、無機化合物の層状体なら利用できる。イオン交換性粘土などである。
層状チタネイト、シリカモノリスの場合は、ガスを強制的に、それらを通過するようにすべきである。それらの表面へガスを吹き付けだけでは、効率が低い。
(実施の形態3)
実施の形態1、2との違いは、試薬12を変更したことである。色素としては、4−アミノヒドラジン−5メルカプト−1,2,4−トリアゾール(AHMT)を用いた。AHMTのHCl水溶液とKOH水溶液の1:1混合液に対して、実施の形態2の方法(1)から(3)の方法で、試薬12を添加した。
フィルタ着色強度は、0.04〜1ppmのHCHO濃度範囲で、試料採取時間と共に増加した。3minの試料採取時間で、0.04ppmのホルムアルデヒドの検出限界が達成できた。この方法は、シックビル症候群(Sick building syndrome; SBS)を引き起こす他のアルデヒドおよび揮発性有機化合物には応答しなかった。WHO標準規制値(0.08ppm)のホルムアルデヒドを3min以内の試料採取時間で検出可能であった。このセンサは迅速に,選択的に,簡単にホルムアルデヒドガスの検出が可能で,現場での検出に適している。
(実施の形態4)
上記実施の形態との違いは試薬12である。試薬12として、以下を用いる。つまり、酵素の1つであるFA脱水素酵素(formaldehydedehydrogenase:FALDH)は、FA(ホルムアルデヒド)と、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)とから、ギ酸と還元型のNADHを生成する。反応生成物であるNADHは340nmの紫外線が照射されると、491nmの蛍光を発する特性が有る。その蛍光強度を調べて、FAを定量できる。
ナノワイヤ10に、実施の形態2の方法(1)から(3)の方法で、得られた溶液を試薬12として添加し、ガスセンサ104を作製した。ガスセンサ104は、図1から図3のガスセンサ104として使用できる。
FAガスに対するこのガスセンサ104の特性を評価したところ、FAガスを流入すると、NADHの蛍光強度の増加と安定が確認され、センサの外観写真清浄空気を流入すると、蛍光強度の減少が観察されました。本センサのFAガスに対する定量特性を調べたところ、厚生労働省の室内濃度指針値である80ppbを含む30.0ppb〜17800ppbの広いダイナミックレンジが得られました。また、本センサの他のガスに対する影響を調べたところ、FAガスに対する高い選択性が確認できた。
また、本実施の形態において発色系との組み合わせによるホルムアルデヒドの検出のために種々の公知の発色系成分を加えることが可能である。かかる発色波長に従い検出波長を選択することが可能である。特に本実施の形態においては、PMS(フェナジン=メトスルファート)−NTB(ニトロブルーテトラゾリウム)を含むものが好ましい。かかる場合、生成するDiformazan(ジホルマザン)の570nm吸光度を測定することによりホルムアルデヒドを簡便に検出することが可能となる。
また、さらに本発明は、酵素反応を促進するためにトリトンーXを成分として含むものである。
また、本実施の形態においては、ホルムアルデヒド脱水素酵素、アルブミン、およびニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドをナノワイヤ膜に吸着させて、さらに適当な架橋剤により架橋反応を施すことを特徴とする。かかる架橋剤により、前記ホルムアルデヒド脱水素酵素、共存するアルブミン、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドの少なくとも一部がグルタルアルデヒドで架橋される。架橋剤としては、公知の種々の架橋剤が使用可能であるが、本実施の形態においては特にグルタルアルデヒドが好ましい。
さらに、架橋の仕方についても、密閉容器中でグルタルアルデヒド(原液)を気化させて担体上の酵素を架橋させる方法(1〜3時間程度)や、グルタルアルデヒド溶液(約2〜5%、数分)による方法が可能である。架橋の程度は架橋反応時間を制御することにより適宜選択することが可能である。
2PMS(還元型)+NTB―>2PMS+Diformaszan
ここで、ホルムアルデヒドが反応するに際し、NADがNADHに還元される。また、NADHが、PMS−NTBとの組み合わせによりジホルマザン(570nm)を検出する。
このジホルマザンの検出方法によるホルムアルデヒドの検出限度は、酵素量、酵素反応時間、他成分量等により異なるが、最適化することは容易である。たとえば、粗酵素の状態では酵素量が0.2U/mlでは0.05ppmまでであるが、2U/mlでは0.001ppmまで測定可能である。
また、1サンプルごとの測定であるのか、または、特定時間積算して測定するのかでも、酵素の量、他成分の量等、適宜最適化することが可能である。
硫酸ヒドロキシルアミン1.0グラムを100ミリリットルの精製水に溶解して第1の液を調製する。硫酸に対して呈色反応を示す水素イオン濃度指示薬メタニールイエロー0.02グラム、グリセリン15ミリリットルをメタノールで全量100ミリリットルとなるように溶解して第2の液を調整する。第1、及び第2の液を混合することにより、発色液を調製する。この発色液を用い、実施の形態2の方法(1)から(3)にて、ナノワイヤに試薬12を添加する。その後、40°C程度で有機溶媒を自然乾燥させる。これにより、ナノワイヤ、1平方メートル当たり、硫酸ヒドロキシルアミン0.35グラム、メタニールイエロー0.15グラム、及びグリセリン21グラムが展開されたガスセンサ104ができあがる。
被検ガスがガスセンサ104を通過する過程で、ガスセンサ104上のグリセリンが保持している水分が、ホルマリンを取り込み、元から存在する硫酸ヒドロキシルアミンが2HCHO+(NH2OH)2H2SO4→2H2C=NOH+H2SO4+2H2Oなる反応により硫酸を発生する。この硫酸は、ナノワイヤに存在するメタニールイエローと反応して、その濃度、つまりホルマリンの濃度に比例してメタニールイエロを呈色反応させてガスセンサ104上に反応痕を生じさせる。このようにして所定のサンプリング時間、例えば40秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反応痕の光学的濃度の測定工程に移る。LED光源103からの光は、ガスセンサ104表面に形成された反応痕の光学的濃度に応じて吸収を受けるので、測定開始前の光学的濃度、つまりガスセンサ104のバックグランド濃度との光学的濃度差を求めることによりガスセンサ104を通過したホルマリンの濃度を知ることができる。
以下実施例に即して本発明を説明するが本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
上記各実施の形態は組み合わせることができる。
上記では試薬12の色の変化を検出したが、試薬12がガスと接触することによって、物性が変化し、それをナノワイヤ10間の抵抗値、電流、キャパシタンスなどで検出してもよい。
11 基板
12 試薬
15 検出領域
100 ガスセンサーシステム
101 センサユニット
102 ホトセンサ
103 LED光源
104 ガスセンサ
105 ポンプ
106 ガス通路
Claims (8)
- 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
を含み、
前記ナノワイヤは、前記試薬に吸着された前記ガスを放出するために、前記試薬に熱を提供するものであるガスセンサ。 - 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
を含み、
前記試薬は、イオン交換性の無機層状化合物に保持されたガスセンサ。 - 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
を含み、
前記試薬は、前記ガスにより色が変化するガスセンサ。 - 前記試薬は、イオン液体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記試薬は、前記ガスによりその物性が変化し、前記物性の変化を前記ナノワイヤで検出する請求項1、2、4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記ガスセンサが複数の領域に設けられ、
前記複数の領域毎に、前記試薬の種類が異なる請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - ガス導入部と、
前記ガスが表面に導かれる請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサと、
前記センサに光を照射する光源部と、
前記センサで反射された光を検出する検出部と、
を含むガス検出装置。 - ガス導入部と、
前記ガスが表面に導かれるセンサと、
前記センサに光を照射する光源部と、
前記センサで反射された光を検出する検出部と、
を含むガス検出装置であり、
前記センサは、基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
を含むセンサであるガス検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014127782A JP6432079B2 (ja) | 2014-06-22 | 2014-06-22 | ガスセンサとガス検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014127782A JP6432079B2 (ja) | 2014-06-22 | 2014-06-22 | ガスセンサとガス検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016008820A JP2016008820A (ja) | 2016-01-18 |
JP6432079B2 true JP6432079B2 (ja) | 2018-12-05 |
Family
ID=55226481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014127782A Active JP6432079B2 (ja) | 2014-06-22 | 2014-06-22 | ガスセンサとガス検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6432079B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6810583B2 (ja) * | 2016-11-29 | 2021-01-06 | ジーエルサイエンス株式会社 | 酵素センサー |
CN108267544B (zh) * | 2017-01-04 | 2024-01-26 | 深圳市普晟传感技术有限公司 | 甲醛模组标定方法及其使用装置 |
JP7124579B2 (ja) * | 2018-09-06 | 2022-08-24 | 日本精工株式会社 | ガスセンサ |
KR102298184B1 (ko) * | 2020-02-24 | 2021-09-07 | 국방과학연구소 | 화학가스 검출기판 및 이의 제작 방법 |
KR102487394B1 (ko) * | 2020-06-02 | 2023-01-12 | 울산과학기술원 | 유해 가스 탐지 변색 센서용 물질 및 이를 포함하는 변색 센서 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1062350A (ja) * | 1996-08-14 | 1998-03-06 | Ebara Corp | ガス反応性色素を用いたガス検知方法及びガス検知装置 |
KR20020053862A (ko) * | 1999-11-18 | 2002-07-05 | 바누치 유진 지. | 광학 수소 검출기 |
US7312095B1 (en) * | 2002-03-15 | 2007-12-25 | Nanomix, Inc. | Modification of selectivity for sensing for nanostructure sensing device arrays |
JP2007505323A (ja) * | 2003-09-12 | 2007-03-08 | ナノミックス・インコーポレーテッド | 二酸化炭素用ナノ電子センサー |
JP2006242495A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 冷蔵庫等の扉開放装置 |
EP2049436B1 (en) * | 2006-08-11 | 2012-10-17 | Agency for Science, Technology and Research | Nanowire sensor, nanowire sensor array and method of fabricating the same |
JP2008209249A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | National Institutes Of Natural Sciences | 酸素ガス検出素子、及び酸素ガス検出素子用ナノワイヤ |
FR2936604B1 (fr) * | 2008-09-29 | 2010-11-05 | Commissariat Energie Atomique | Capteurs chimiques a base de nanotubes de carbone, procede de preparation et utilisations |
WO2010141610A1 (en) * | 2009-06-05 | 2010-12-09 | Arizona Board Of Regents Acting For And On Behalf Of Arizona State University | Integrated optoelectrochemical sensor for nitrogen oxides in gaseous samples |
JP6083065B2 (ja) * | 2012-06-22 | 2017-02-22 | 株式会社 京都モノテック | ガスセンサとそのガスセンサを用いたガス検出装置 |
-
2014
- 2014-06-22 JP JP2014127782A patent/JP6432079B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016008820A (ja) | 2016-01-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6432079B2 (ja) | ガスセンサとガス検出装置 | |
Li et al. | Luminescent lanthanide metal-organic framework test strip for immediate detection of tetracycline antibiotics in water | |
Liu et al. | A high-response formaldehyde sensor based on fibrous Ag-ZnO/In2O3 with multi-level heterojunctions | |
Shi et al. | N, S-self-doped carbon quantum dots from fungus fibers for sensing tetracyclines and for bioimaging cancer cells | |
Guan et al. | Luminescent films for chemo-and biosensing | |
Feng et al. | Sensitive detection of melamine by an electrochemiluminescence sensor based on tris (bipyridine) ruthenium (II)-functionalized metal-organic frameworks | |
Kumar et al. | Advances in In2O3-based materials for the development of hydrogen sulfide sensors | |
You et al. | Superhydrophobic silica aerogels encapsulated fluorescent perovskite quantum dots for reversible sensing of SO2 in a 3D-printed gas cell | |
Li et al. | A novel electrochemiluminescence sensor based on Ru (bpy) 32+/N-doped carbon nanodots system for the detection of bisphenol A | |
Boroujerdi et al. | State of the art in alcohol sensing with 2D materials | |
Oter et al. | Ratiometric sensing of CO2 in ionic liquid modified ethyl cellulose matrix | |
Ameen et al. | Visual monitoring of silver ions and cysteine using bi-ligand Eu-based metal organic framework as a reference signal: Color tonality | |
CN104807795A (zh) | 一种亲生物性铜纳米簇的快速制备方法 | |
Zuo et al. | Multifunctional N, S co-doped carbon dots for sensitive probing of temperature, ferric ion, and methotrexate | |
Saleh et al. | Efficient detection of CO2 by nanocomposites: Environmental and energy technologies | |
Li et al. | Encapsulating a ruthenium (II) complex into metal organic frameworks to engender high sensitivity for dopamine electrochemiluminescence detection | |
Gheorghe et al. | Metal–organic framework based systems for CO 2 sensing | |
Liu et al. | Brown carbon: An underlying driving force for rapid atmospheric sulfate formation and haze event | |
Nikhar et al. | Biological metal organic framework (Bio-MOF) for detection of voltaic organic compounds (VOC’s) | |
Wu et al. | CdS quantum dots as fluorescence probes for the sensitive and selective detection of highly reactive HSe− ions in aqueous solution | |
Dong et al. | Nitrogen‐doped hollow Co3O4 nanofibers for both solid‐state pH sensing and improved non‐enzymatic glucose sensing | |
Zhang et al. | Copper-based metal–organic xerogels on paper for chemiluminescence detection of dopamine | |
Liao et al. | Selective turn-on fluorescence detection of formaldehyde in the gas phase | |
Feng et al. | Facile synthesis of ultrathin MnO2 nanobelts anchoring on porous carbon with high oxidase mimetic activity for L-cysteine colorimetric detection | |
Parikh et al. | Effect of temperature on metal-organic frameworks chemical sensors detection properties |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170619 |
|
RD07 | Notification of extinguishment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427 Effective date: 20170710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170904 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180605 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181009 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6432079 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |