JP6432079B2 - ガスセンサとガス検出装置 - Google Patents

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本発明は、ガスセンサおよびそれを利用したガス検出装置に関する。
従来、雰囲気ガス分析用ガスセンサとしては、特定ガスにより色が変化する試薬を用いるものがあった(特許文献1、2)。ガスが試薬に吸着されることで、試薬の色が変化する。その変化によりガスを検出する。
特開平7−55792号公報 特開2003−207498号公報
ここで、従来のガスセンサでは、ガスがセンサの試薬に吸着した後、試薬の色が変化する。しかし、再度、ガスを検知するには、ガスを放出させるための時間が必要であった。短時間内での繰り返しのガス検出ができなかった。このため、ガスの濃度が短時間に変化した場合に、検出することが困難であった。
この発明では、ガスセンサとして、短時間でガスを再検出できるガスセンサおよびそのガスセンサを利用したガス検出装置を実現することを課題とする。
上記課題を解決するために、基板上に設けられた複数のナノワイヤと、複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、を含むなるガスセンサを用いる。また、このガスセンサを用いたガス検出装置を用いる。
本願発明のガスセンサでは、ナノワイヤを使用し、吸着したガスを短時間で放出するので、短時間に繰り返しガスを検出できる。また、色変化を検出するので、微量ガスの検出ができる。
(a)実施の形態のガスセンサーシステムの斜視図、(b)ガスセンサの断面図 (a)実施の形態のガスセンサの斜視図、(b)〜(d)実施の形態のガスセンサの断面図 実施の形態のガスセンサの斜視図
<ガスセンサーシステム100>
図1(a)、図1(b)に、実施の形態1のガスセンサーシステム100を示す。図1(a)は、全体のガスセンサーシステム100の構成を示す図である。図1(b)は、ガスセンサ104部分の断面を示す図である。ガスセンサーシステム100は、センサーユニット101とホンプ105とからなる。
センサーユニット101は、ホトセンサ102と、LED光源103と、ガスセンサ104、ガス流路106と、からなる。
センサーユニット101は、雰囲気ガス、呼気中のガスを検出するための基本ユニットである。
ポンプ105は、センサーユニット101にガスを送り込むポンプである。風船状のもので、手で押さえてガスを押し出してもよい。雰囲気中のガスを分析する場合には、この方法でもよい。簡易ポンプ装置を用いてもよい。息中のガスを分析する場合には、ポンプ105の代わりに、直接、呼気を吹き込んでもよい。ポンプ105は必須ではない。
センサーユニット101は、ホトセンサ102と、LED光源103と、ガスセンサ104と、を内部に含む。
ホトセンサ102は、ガスセンサ104で反射した光を検出するものである。光の強度からガス濃度を判断する。
LED光源103は、ガスセンサ104に光を照射するものである。あらかじめ、ガスセンサ104で変化する色がわかっているので、その色に合わせた波長の色とする。
ガスセンサ104は、送られてくるガスにより発色するものである。
制御部と表示部を設け、ホトセンサ102の出力により、ガス濃度を表示するようにしてもよい。
ガス通路106は、ガスをガスセンサ104へ送る通路である。
図1(b)は、ガスセンサ104の部分の断面である。ガスが、ガス通路106を通じて、ガスセンサ104の表面に導かれ、ガスセンサ104の上面の色が変化する。その変化を、上記に示したLED光源103とホトセンサ102にて検出するものである。
なお、ポンプ105は、必須でなく、例えば、別途、手動でガスをガスセンサ104に吹き付けてもよい。ガス通路106も必須でなく、ガスを直接、ガスセンサ104の表面にあててもよい。
ホトセンサ102と、LED光源103とも必須でなく、目視でガスセンサ104を見て判断してもよい。
<ガスセンサ104>
図2(a)から図2(d)に、実施の形態のガスセンサ104を示す。図2(a)は、ガスセンサ104の斜視図である。図2(b)〜図2(d)は、ガスセンサ104の模式的な断面を示す図である。
図2(b)に示すように、ガスセンサ104は、基板11に、検出領域15があり、その検出領域にナノワイヤ10が設けられている。
図2(c)に示すように、このナノワイヤ10間に試薬12が配置されている。この状態で、ガス13が試薬12に触れると、図2(d)のようにガス13が吸着される。この場合、試薬12はガス13により、その色が変化する。この変化を検出することで、ガスを検出する。
図3は、図2(a)の変形例である。図2(a)では、検出領域15が1つであったが、図3では、複数の検出領域15を有している。各々の検出領域15に、異なるガスを検出するための試薬12を、複数設ける。図1(a)のLED光源103として、多波長の複数LEDのユニットを利用して、マルチガス検出をしてもよい。この場合、ガスセンサ104側と、LED光源103とホトセンサ102側とを相対的に移動させると、よりよく、マルチでガスの検出ができる。
ただし、1つの領域内に複数の試薬12を入れ込み、複数種類のガスを検出することも可能である。
ここで、ナノワイヤ10の役割は、試薬12を長時間、安定保持すること、一端、試薬12に吸着したガス13を、蒸発させることである。つまり、ナノワイヤ10を加熱させ、吸着したガス13を放出させる。短時間で、新たなガスを検出できる。
さらに、別途温調装置を設け、ナノワイヤの温度を制御することで試薬12の温度を制御できる。たとえば、蒸発しやすい試薬12や、水分の保持が必要な試薬12の場合、低温に設定できる。低温にすることで空気中の水分も吸収しやすい。特に、ナノワイヤ10が、細く、試薬12間に入り込んでいるので、全体として、温度制御ができる。さらに、検出すべきガスが試薬12に吸着されやすいように、ナノワイヤ10の温度を上げることもできる。温調装置としてはペルチェ素子を使用すれば、低温から高温まで制御できる。
また、ナノワイヤ10に、振動を与えることで、試薬12に振動を与えることができる。振動により、吸着したガスを放出でき、再度のガス検査が可能である。振動は超音波振動が好ましい。
また、振動を激しくかけ、溶剤などもちいて、試薬12をナノワイヤ10から取り除き、を新たな試薬12へ交換することも可能である。
また、試薬12は、シート状にされたものをナノワイヤ10へ圧入し保持することも可能できる。
なお、試薬12はナノワイヤ10の内部に存在するのが好ましい。ナノワイヤ10より外部へ出ると、乾燥しやすい。また、ナノワイヤ10の熱が試薬12に伝わりにくい。さらに、試薬12の下部に水分層を設けることができる。水分層により試薬12を湿った状態にできる。下部なので水分層は蒸発でせず、長時間湿った状態を維持できる。水分層以外に、下部に各試薬12の働きを長時間維持できる層を保持させることができる。
<ナノワイヤ10>
ナノワイヤ10は、ナノレベルの細線のワイヤである。ワイヤを通じて熱を試薬12に伝達し、吸収されたガス13を放出させる。細線であり、試薬12全体に渡っていることから、付着したガス13が残ることなく放出される。さらに、全体の試薬12の温度も、短時間に均一に上げることができ、ガス13を放出されることができる。
加熱の仕方は、ナノワイヤ10に電流を流して加熱してもよいし、別途、加熱源を設け、伝熱することでナノワイヤ10を加熱してもよい。ナノワイヤ10は、細く、試薬12に入り込み、試薬12を緩やかに加温する。このことで、試薬12に影響少なく、吸着したガス13のみを放出できる。
ナノワイヤ10がない状態で、基板11を加熱する方法では、試薬12も加熱で、蒸発したり、加熱で部分的にダメージを受けたりする。
図2では、上下方向へ伸びたナノワイヤ10であるが、水平方向へ伸びたナノワイヤ10でもよい。碁盤の目状のナノワイヤ10でもよい。
ナノワイヤ10は、従来の成長法を用いて成長させたり、製造技術を用いて製造したりすることができる。成長させる場合は、数例を挙げると、化学気相成長法(CVD)、ナノインプリント法、ナノテンプレート法、及び/又は電気蒸着法などの、幾つかの方法のうちの1つを使用し得る。一方、ナノワイヤ10の成長のための他のスキームもまた、実行し得る。例えば、ナノワイヤ10の成長物質は、例えば、レーザ等で、固体標的を切断することによりもたらすことができる。製造方法は、基材を用いて又は基材を用いずに実施し得る。他の実施形態においては、例えば、高圧注入法、電子線リソグラフィー法、及びナノインプリント法等の製造技術を実施し得る。
ナノワイヤ10には、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、酸化スズ、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化カドミウム等の半導体物質からなる細長い構造体が包含され、それは幅の狭い断面、例えば100nm未満の断面を有する。また、カーボン、炭素の場合もある。均一に試薬12を加熱するため、体積密度として、30%以上がナノワイヤとなっているのが好ましい。
ナノワイヤ10は、約5より大きいアスペクト比(長さ対幅)を有することができる。即ち、ナノワイヤ10は一般に、或る軸が、それとは垂直な他の軸に対して、少なくとも5倍細長い。アスペクトが大きいほど、試薬12に多く触れることができよい。5以上あれば好ましい。
用語「ナノワイヤ」とは、その構造がワイヤ状でなければならないという意はなく、単に当該構造体が、その1つの軸に沿って細長いことを意味している。例えば、ワイヤ状、チューブ状、ロープ状、又はベルト状の構造体は、ナノワイヤであると考えられる。
より詳細には、実施の形態によれば、従来のナノワイヤ、ナノチューブ、ナノロープ、及びナノベルトは全て、ナノワイヤであると考えられる。さらに、材料の種類に関して具体的に言及する場合、必ずしも単一の構成成分からなることを意味しない。
例えば、「シリコンナノワイヤ」とは、主にあるいは全てがシリコンで構成されている従来のナノワイヤ、ナノチューブ、ナノロープ及びナノベルトであるか、又は例えば、ホウ素ドープドシリコンのナノワイヤ、ナノチューブ、ナノロープ及びナノベルトのような複合ナノワイヤ、即ちハイブリッドナノワイヤであり得る。半導体ナノワイヤは、例えば、電子線リソグラフィー又はナノインプリント法を用いてナノワイヤを形成する成長法又は製造法などの、幾つかの方法のうちの1つによって調製することができる。
基材上でナノワイヤを成長させる場合、核形成サイトとして触媒ナノ粒子を用いた化学気相成長法を利用することができる。したがって、十分に制御された寸法、パターン及び/又は密度のナノワイヤを、アレイ状に成長させることが可能である。これらのナノワイヤは、基材に取り付けられたままで化学的又は生物学的センサとして使用することができ、又は化学的又は生物学的センサへ導入するために収集することができる。ナノワイヤ10を形成するための他の具体的方法の例としては、テンプレート補助法(template assistance method)、電気化学蒸着法、高圧注入法、化学気相成長法、及びレーザ補助法(laser assisted method)が挙げられ、これらの各々が、当分野において広く知られている。特定の大きさに限定はされないが、ある実施形態では、個別の半導体ナノワイヤの幅は、約10nm〜100nmとする。
<試薬12>
使用する試薬12は、検出目的のガスの種類に応じて、選択する必要がある。たとえば、アンモニアを検出する場合は、アンモニアと反応し、色が変化する試薬12が必要である。色の変化でガスを検出する。
以下の実施の形態で、各々の試薬12の例を示す。
(実施の形態1)
実施の形態1では、試薬12として、イオン液体を使用する。ここでイオン液体とは、融点が100℃以下でカチオン成分とアニオン成分とからなるイオン性物質のことを表す。また、使用の形態によっては、室温(約10〜35℃)で液体であることが好ましい。
実施の形態1のイオン液体は、特定の構造を有する金属錯体を用いることにより、有機溶媒等の分子が前記金属錯体の中心金属に対し配位又は脱離して色調、融点、粘度及び磁性等の変化を起こす。前記配位又は脱離する分子は、気相に存在するものであってもよく、液相、固相に存在するものであってもよい。 実施の形態1のイオン液体は、下記一般式(1)
Figure 0006432079
(式中、R〜R11は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、オキソ基、ニトロ基、ニトリル基、ビニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基を示し、かつ前記R〜R11のうち少なくとも1以上は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数3〜20のアルキル基(但し、tert−ブチル基及びiso−ブチル基は除く。)、又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数2〜20のアルコキシ基を示す。Mは、銅原子、ニッケル原子、パラジウム原子又は白金原子を示す。)で表される金属錯体をカチオンとして含有することを特徴とする。
前記R〜R11の全てがそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、オキソ基、ニトロ基、ニトリル基、ビニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいメチル基、置換基を有していてもよいエチル基、置換基を有していてもよいメトキシ基、tert−ブチル基又はiso−ブチル基である場合には、得られるイオン性物質の融点が非常に高くなり、イオン液体が得られない。
前記一般式(1)において、Mで表される中心金属元素は、ニッケル、銅、パラジウム又は白金であり、安定な錯体を形成できる、色調変化が視認しやすい等の点から、ニッケル又は銅であることが好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。また、「置換基を有していても良い」という表現における「置換基」とは、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、ニトロ基、アセチル基、アミノ基、水酸基、アリール基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、アミノスルホニル基及びオキソ基等が挙げられ、合成が容易であることから、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、ニトロ基、アセチル基、アリール基、及びシアノ基等が好ましい。
前記直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基としては、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基及びヘキサデシル基等が挙げられ、合成が容易である等の点から、直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜10のアルキル基が好ましく挙げられる。
前記直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基としては、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、トリチルオキシ基、メトキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、2−トリメチルシリルエトキシ基及び2−トリメチルシリルエトキシメトキシ基等が挙げられ、合成が容易である等の点から、直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく挙げられる。
前記一般式(1)で表される実施の形態の金属錯体のうち、さらに好ましい形態としては、合成が容易で、安定性が高く、かつ分子の配位又は脱離時の変化が顕著である点等から、下記一般式(2)
Figure 0006432079
(式中、R12は、水素原子又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基を、R13は、置換基を有していても良い直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基を示し、かつ前記R12及びR13のうち少なくとも1以上は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数3〜20のアルキル基(但し、tert−ブチル基及びiso−ブチル基は除く。)、又は置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐状の炭素数2〜20のアルコキシ基を示す。Mは、銅原子又はニッケル原子を示す。)
で表されるものが挙げられる。
また、前記一般式(2)のR12及びR13は、実施の形態のイオン液体が溶媒を吸着したときの安定性が高い等の点から、直鎖の飽和アルキル基又は直鎖の飽和アルコキシ基であることがさらに好ましい。
また、実施の形態1の金属錯体は、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、ソルバトクロミックな金属錯体であることが好ましい。実施の形態において、ソルバトクロミックな金属錯体とは、ソルバトクロミズムを示す金属錯体、即ち溶媒の極性の変化によって色調が変化する金属錯体を表す。
実施の形態1のイオン液体を構成するアニオンは、実施の形態の効果を妨げない限り特に限定されないが、安定なイオン液体を構成できる等の点から、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(以下、TFSAともいう。)、ビス(フルオロスルホニル)アミド(以下、FSAともいう。)、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)アミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)アミド、ジシアナミド及びトリシアノメタニド等が好ましく、TFSA及びFSA等がより好ましく、TFSAが最も好ましい。
実施の形態1のイオン液体は、前記カチオン及びアニオン以外にも、実施の形態の効果を妨げない限りの範囲において、適宜添加剤等の他の成分を含んでいてもよく、そのような成分としては、例えば、ゲル化剤(ポリビニリデンフルオリ‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)、界面活性剤(ポリエチレングリコール等)、他のイオン液体(1‐ブチル‐3‐メチルイミダゾリウムTFSA等)及び溶媒(ジクロロメタン等)等が挙げられる。
実施の形態1のイオン液体は、広く公知の方法で製造することができる。実施の形態のイオン液体は、例えば、前記金属錯体の中心金属となる金属の硝酸塩、ジアミン配位子及びジケトナート配位子をモル比1:1:1の割合でエタノール中に溶解させ、25℃、常圧下で30分混合して反応させた後、リチウムTFSAを用いてアニオン交換を行うことによって合成されてもよい。
また、前記金属錯体の中心金属に対する分子の配位又は脱離は可逆的であり、実施の形態のイオン液体は、可逆的に分子を吸脱着することが可能であるため、分子を吸着させた状態の液体は、分子の徐放性を持つ液体となり、分子の徐放剤として利用できる。分子の放出度合いは、色等により簡単に判別できる。
また、実施の形態のイオン液体には、分子を吸着することで固体になる性質を有するものも包含される。そのようなイオン液体に液体状態で分子を吸収させ、固体状態にすることで容易に回収、運搬が可能となり、分子吸蔵剤として好ましく用いられる。また、前記固体状態のものを分子徐放剤として用いることもできる。
実施の形態のイオン液体は、低極性液体に溶解せず液滴として相分離し、濃度に応じて変色等の状態変化を生じるため、気相のみならず、低極性液体中の配位性分子の濃度検出にも用いられる。
<実施例>
以下、実施例を用いて実施の形態を具体的に説明するが、実施の形態はこれらに限定されるものではなく、実施の形態の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
N−ブチル−N,N’,N’−トリメチルエチレンジアミンは、N−ブチルエチレンジアミン(東京化成社製)と35%ホルムアルデヒド水溶液(和光純薬社製)、ギ酸(和光純薬社製)のモル比1:7:3混合溶液を24時間還流し、中和後ジエチルエーテルで抽出することで合成した。その他の試薬と溶媒は市販のものを用いた。
UV−Vis−NIR(紫外・可視・近赤外)スペクトルの測定には、紫外可視近赤外分光光度計(V−570、日本分光社製)及び積分球装置(ISN−470型、日本分光社製)を使用した。FT-IRスペクトルはThermo Nicolet Avatar 360を用い、サンプルをKbr板にはさみ、ペレット状に成形して測定した。
示差走査熱量測定は、示差走査熱量計(Q100 DSC、TA Instruments社製)を用いて行った。なお、温度範囲は−160℃〜100℃、昇温および冷却速度は特に断りの無い場合、10K/minとした。
イオン液体の粘度は、粘度計(東機産業社製、TV−22L)を用いて、25℃における粘度を測定した。測定条件は、ローターNo.7(3′×R7.7)を使用し、回転速度は100rpmとした。
〔実施例1〕
Cu(NO・3HO(和光純薬社製、242mg,1.0mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、アセチルアセトン(和光純薬社製、0.10mL,1.0mmol)と乳鉢で粉砕した炭酸ナトリウム(和光純薬社製、53mg,0.5mmol)を加えた。さらに、系中に、N−ブチル−N,N’,N’−トリメチルエチレンジアミン(0.19mL,1.0mmol)を滴下して加えた。反応溶液を30分間撹拌後、未反応の炭酸ナトリウムと析出したNaNOをろ過により取り除き、ろ液にLiTFSA(和光純薬社製、574mg,1.5mmol)を加え数分撹拌した。溶媒を留去後ジクロロメタンに溶解させ、水で数回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、溶媒を留去した後、生成物を70℃で一晩真空加熱乾燥し、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品1:[Cu(acac)(BuMeen)][TFSA]、暗紫色液体、収量499mg、収率83%)。
Figure 0006432079
〔実施例2〕
アセチルアセトンの代わりに3−ブチル−2,4−ペンタンジオン(東京化成社製、1.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で合成を行い、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品2:[Cu(Bu−acac)(BuMeen)][TFSA]、暗紫色固体、収量510mg、収率78%)。合成直後は暗褐色の過冷却液体であったが、室温、大気中で数日放置すると結晶化した。
Figure 0006432079
〔実施例3〕
Ni(NO・6HO(小宗化学社製、582mg,2.0mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、アセチルアセトン(和光純薬社製、0.20mL,2.0mmol)と乳鉢で粉砕した炭酸ナトリウム(和光純薬社製、106mg,1.0mmol)を加えた。さらに、系中にN−ブチル−N,N’,N’−トリメチルエチレンジアミン(0.38mL,2.0mmol)を滴下して加えた。反応溶液を30分間撹拌後、未反応の炭酸ナトリウムと析出したNaNOをろ過により取り除き、ろ液にLiTFSA(和光純薬社製、1.14g,4.0mmol)を加え数分撹拌した。溶媒を留去後ジクロロメタンに溶解させ、水で数回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、溶媒を留去した後、生成物を70℃で一晩真空加熱乾燥し、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品3:[Ni(acac)(BuMeen)][TFSA]、暗赤色液体、収量567mg、収率95%)。
Figure 0006432079
〔実施例5〕
アセチルアセトンの代わりに3−ブチル−2,4−ペンタンジオン(東京化成社製、2.0mmol)を用い、反応時間を10分間とした以外は、実施例3と同様の操作で合成を行い、実施の形態のイオン液体を得た(実施例品4:[Ni(Bu−acac)(BuMeen)][TFSA]、暗赤色液体、収率91%)。
Figure 0006432079
〔試験例1〕
ガラス製のサンプル瓶に実施例品1及び実施例品3を20mg秤取し、それぞれ10mLの有機溶媒を入れたサンプル瓶とともにガラス容器に入れ、蓋をした。前記有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、メタノール、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ピリジンの6種類を用い、実験を行った。イオン液体をナノワイヤに保持させ、気相を通じてイオン液体に対し2当量の有機溶媒分子を吸着したことを秤量により確認し、その時点で目視による色調変化の評価とUV−Vis−NIR吸収スペクトルの測定を行った。
実施例品1は、単体では暗紫色だが、配位能の異なる有機分子を気相から吸収することで、紫色(アセトニトリル、アセトン)、濃青色(メタノール)、青色(DMF、DMSO)、緑色(ピリジン)へと色調変化した。実施例品1単体、及びメタノール、DMF、DMSOを吸着した試料のUV−Vis−NIR吸収スペクトルを示した。実施例品1は単体で549nmに吸収極大波長を有するが、有機分子を吸収した試料では567nm(メタノール)、591nm(DMF)、611nm(DMSO)に吸収極大が見られた。アニオンの配位能が高いほど吸収極大は高波長シフトした。
実施例品1の色調変化に必要な時間は数秒(アセトン)から数十時間(DMSO)であり、蒸気圧の高い分子ほど短時間であった。この色変化は可逆であり、大気中で放置すると分子が脱離し、元の暗紫色へと戻った。
実施例品3は、単体では暗赤色だが、気相から有機分子を吸収することによって、赤色(アセトニトリル)、茶褐色(アセトン、メタノール)、薄緑色 (DMF、DMSO)、緑色(ピリジン)へと色調が変化した。実施例品3がメタノールを吸収したものは、室温では茶褐色であるが、さらにサーモクロミズムを示し、60℃では赤色、0℃では薄緑色へと色変化を示した。
〔試験例2〕
試験例1と同じ条件下で、実施例品1に対するDMSO蒸気の吸収速度を、一定時間ごとに秤量を行うことで70時間まで計測した。DMSOが2当量付加するのに要する時間は約33時間であり、この間の吸収速度は0.18mg/hであった。2当量以上では吸収は緩やかとなり、吸収速度は0.09mg/hとなった。
〔試験例3〕
実施例品1及び実施例品1にDMSO蒸気を吸収させた試料について、DSC測定によって熱物性を評価した。実施例品1は−160℃〜100℃で結晶化せず、ガラス転移(−48.8℃)のみを示したが、DMSOを1〜2当量吸収した試料は、昇温過程において低温(−30℃付近)で液体状態から結晶化を起こした。すなわち有機分子の付加によって、液体から結晶への変化が起こるようになった。生成した結晶の融点は室温付近(6〜24℃)であり、融点及びガラス転移点は、DMSO含量の増加に伴って低下した。
〔試験例4〕
実施例品3は、融点59.6℃であり、室温で固体として存在するが、DMSO分子の付加によって液体(Tg=−83.9℃)に変化した。
〔試験例5〕
DMSOを4当量吸収させた実施例品1の熱測定では、昇温過程において低温(−50.1℃)で全体が液体状態から結晶化した後、DMSOの融解(−30.0℃)とイオン液体の融解(5.6℃)が独立に観測された。このことから、この液体が六配位錯体と過剰なDMSOの混合物であることがわかる。
〔試験例6〕
25℃における実施例品1の粘度は1188mPa・sであった。DMSOを1当量又は2当量吸収させた試料の粘度は、それぞれ191.3mPa・s、119.5mPa・sとなった。このように、分子付加によって顕著な粘度の変化が起こった。
エタノール(1〜10vol%)又は1−プロパノール(10vol%)を含むヘキサンに実施例品1を少量加えたところ、イオン液体の液滴が、それぞれ気相からエタノール、1−プロパノールを吸収した場合と同様の色調変化を起こした。低濃度(1vol%)の場合には色調変化に時間を要し、変色の度合いも小さかったものの、色変化自体は確認可能であった。このことから、実施の形態のイオン液体は、低極性液体とは混和せず、液滴として相分離するため、低極性液体中に溶解している配位性分子の検出も可能であることが明らかになった。
〔製造例1〕
実施例品1に対して、下式で表されるゲル化剤PVdF−HFP(ポリ(ビニリデンフルオリド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、シグマアルドリッチ社製)を20wt%又は50wt%加え、アセトン中で混合した。この溶液をナノワイヤへ塗布し、室温で静置することで、溶媒が完全に蒸発し、紫色のイオンゲルが得られた。
Figure 0006432079
〔試験例8〕
製造例1で作製したナノワイヤ(イオン液体、ゲル化剤濃度20wt%又は50wt%)を用いて、気相の分子に対する応答性を評価した。ナノワイヤをメタノール蒸気下におくと、蒸気を吸収し、数分(10分程度)で紫色から青色へと変色した。また、この状態のナノワイヤを大気下へ取り出すと、数秒(5秒程度)で元の紫色へと戻った。このことから、ゲル状態でも分子の可逆な脱着が可能であることが示された。
〔試験例9〕
製造例1で作成したナノワイヤ(イオン液体、ゲル化剤濃度20wt%)を、トリエチルアミンを20wt%含む水溶液に浸すと、1分以内にナノワイヤが紫から青に変色した。このことから、実施の形態のイオン液体から製造されたゲルを用いると、水中に溶解している配位性分子を検知できることが示された。
上記実施例の試料で、ナノワイヤ10を加熱することで、吸収したガスを即座に無理なく放出できる。再度のガスが検出できる。ガス検出装置として、図1に示すガスセンサーシステム100を利用できる。
(効果)
ガスセンサ104中のナノワイヤ10は、試薬12としてのイオン液体を保持する。イオン液体はガスにより色変化があり、ガスを検出できる。ナノワイヤ10を加熱することで、ガスを放出し、再度のガス検出ができる。
特に、上記イオン液体は、以下の試薬12と比較して、いくつか良い点がある。このイオン液体は、常温で液体であり、ナノワイヤ10に入れ込むと、イオン液体の状態が長期間保持できる。熱伝導性もあり均質に温度を、ナノワイヤ10を通じて上げることができ、吸着したガス13を放出させやすい。粘度が低く、ナノワイヤ10間に入りやすい。蒸発性が低く、加熱でガス13を放出するときも蒸発しない。
(実施の形態2)
アンモニアを検出する場合、試薬12は、デジルトリメチルアンモニウム、または、ローダミン系色素を用いることができる。ローダミンは、通常固体化により発光性を失うが、ナノワイヤ10中に保持させることで、発光性を失わない。このローダミン系色素は、水溶液中でpHの増加に伴い、強い発光性陽イオンから無発光性のラクトン型へ分子内環化反応により変化する。この分子内環化反応をナノワイヤ10中で誘発することで色変化をさせる。
結果、塩基性ガスを色変化で検出できる。たとえば、アンモニアガスと触れると、pHがあがり、発光が消える。ただし、水分が必要である。よって、グリセリンなどで、ガスセンサ104から水分が蒸発しないようにするか、ナノワイヤ中に水分保持のための材料、例えば、ランダム型アルキレンオキシド誘導体やソルビトールを導入することができる。
ナノワイヤ10へのローダミン付与の方法は以下3つがある。
(1)ローダミン含む水溶液へナノワイヤ10を浸し、攪拌後、ナノワイヤを取り出す方法。
(2)ローダミンを含む水溶液とイオン交換性無機層状化合物のナノシートコロイド懸濁液とデシルトリメチルアンモニウムとの混合溶液に、ナノワイヤを浸し、攪拌後、ナノワイヤを取り出す方法。具体的には以下である。
CsCO粉末とTiO粉末を1:2.65の割合で、混ぜて、1073K、40時間で焼結させることで、Cs0.7Ti1.8250.175(□は空孔)の層状チタネイトを作製する。
水1 dm3(1000cm3)中、1molHCl溶液溶けている水溶液に3日間、この層状チタネイトを漬け、層間のCsイオンを取り除く。毎日液は新しいものに交換する。
この層状チタネイト0.4gを、室温のTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム )溶液100cmに入れ、かき混ぜる。TBA濃度は、0.017moldm−3である。結果、層が剥離し、単層のチタネイトができる。混合溶液は、10日間振り混ぜられ、チタン酸ナノシートコロイドが作製される。
チタン酸ナノシートの陽イオン交換容量(4.12meq./g)に対して、0.02%のローダミン3Bと100%のデシルトリメチルアンモニウムブロマイドを加え室温で1時間撹拌する。
撹拌後、減圧濾過にて固相を回収し、水/エタノール(50/50v/v)で十分洗浄後、ナノワイヤに浸漬し、取り出す。
なお、他の例においても、チタン酸ナノシートに試薬12を上記のように保持させ、ナノワイヤにさらに保持させると、安定して、長期間にわたってガスセンサ104が利用できる。
(3)ナノワイヤ10の一部に、ローダミン含む水溶液を滴下する方法。検出領域15に滴下する方法である。
上記で作製されたナノワイヤがガスセンサ104である。この場合、ホトセンサ102、LED光源103は、色素に合わせて、600nm前後の波長のものにする。また、この色素は水分が必要であるので、上記のように、グリセリンなどで覆い乾燥しないようにするか、水分保持剤を層間に導入するか、定期的に水分を供給する仕組みが必要である。
このセンサは、上記図1から図3のガスセンサ104として使用できる。
(効果)
ガスセンサ104中のナノワイヤ10は、試薬12を保持する能力が高く、安定して試薬12を保持できる。この結果、ガスセンサ104中で、試薬12とガスの反応が安定して起こる。結果、試薬12の色が変わり、ガスを検出できる。色を検出するので、微量でも検出できる。
特に、層状チタネイト、層状のセラミックを用いることで、試薬12を安定して保持でき、ガスを試薬12へ導くことができる。結果、ガス検出が安定してできる。さらに、ナノワイヤ10により、吸着したガス13を放出することも容易にでき、短時間で再生できる。
なお、上記でデシルトリメチルアンモニウムブロマイドの代わりに、ベンジルジメチルデシルアンモニウムを用いた場合、ベンゼンやトルエン、フェノールを検出することができる。
また、実施の形態1のイオン液体を、上記チタネイトの層間に入れてもよい。層状チタネイトに限定させず、無機化合物の層状体なら利用できる。イオン交換性粘土などである。
また、試薬を保持したシリカモノリスを、上記同様にナノワイヤ10へ入れ込んでもよい。同様に、シリカモノリス内を気体が流れる時に、試薬12とガスが接し、試薬12の色が変化する。
層状チタネイト、シリカモノリスの場合は、ガスを強制的に、それらを通過するようにすべきである。それらの表面へガスを吹き付けだけでは、効率が低い。

(実施の形態3)
実施の形態1、2との違いは、試薬12を変更したことである。色素としては、4−アミノヒドラジン−5メルカプト−1,2,4−トリアゾール(AHMT)を用いた。AHMTのHCl水溶液とKOH水溶液の1:1混合液に対して、実施の形態2の方法(1)から(3)の方法で、試薬12を添加した。
ガス検出装置、ガスセンサ104は上記と同じである。このガスセンサ104をホルムアルデヒドガスに暴露した時の変色を540nmのLEDで照射し,その反射光をフォトダイオードで検出した。
フィルタ着色強度は、0.04〜1ppmのHCHO濃度範囲で、試料採取時間と共に増加した。3minの試料採取時間で、0.04ppmのホルムアルデヒドの検出限界が達成できた。この方法は、シックビル症候群(Sick building syndrome; SBS)を引き起こす他のアルデヒドおよび揮発性有機化合物には応答しなかった。WHO標準規制値(0.08ppm)のホルムアルデヒドを3min以内の試料採取時間で検出可能であった。このセンサは迅速に,選択的に,簡単にホルムアルデヒドガスの検出が可能で,現場での検出に適している。
このセンサは、図1から図3のガスセンサ104として使用できる。
(実施の形態4)
上記実施の形態との違いは試薬12である。試薬12として、以下を用いる。つまり、酵素の1つであるFA脱水素酵素(formaldehydedehydrogenase:FALDH)は、FA(ホルムアルデヒド)と、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)とから、ギ酸と還元型のNADHを生成する。反応生成物であるNADHは340nmの紫外線が照射されると、491nmの蛍光を発する特性が有る。その蛍光強度を調べて、FAを定量できる。
ホルムアルデヒド脱水素酵素1mg(東洋紡(株)製、Formaldehyde Dehydrogenase)と、アルブミン2mg(和光純薬工業(株)社製)と、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド2.4mg(和光純薬工業(株)社製)とを2mlのリン酸緩衝液(pH7.5、50mM)に十分溶解させた。
ナノワイヤ10に、実施の形態2の方法(1)から(3)の方法で、得られた溶液を試薬12として添加し、ガスセンサ104を作製した。ガスセンサ104は、図1から図3のガスセンサ104として使用できる。
(開発したセンサの性能評価)
FAガスに対するこのガスセンサ104の特性を評価したところ、FAガスを流入すると、NADHの蛍光強度の増加と安定が確認され、センサの外観写真清浄空気を流入すると、蛍光強度の減少が観察されました。本センサのFAガスに対する定量特性を調べたところ、厚生労働省の室内濃度指針値である80ppbを含む30.0ppb〜17800ppbの広いダイナミックレンジが得られました。また、本センサの他のガスに対する影響を調べたところ、FAガスに対する高い選択性が確認できた。
実施の形態で測定(定性分析および定量分析を含む)の対象となるホルムアルデヒドを含む被検体(サンプル)には特に制限はなく、大気中、溶液中、または固体中に含まれるホルムアルデヒドを広く含むものである。また、かかるサンプルに含まれるホルムアルデヒドの濃度についても特に制限はなく、適当な前処理(希釈、濃縮等)、測定条件の最適化を行うことにより、広い範囲の濃度で測定することが可能となる。
本実施の形態にかかるガスセンサ104は、その基本構成として、ナノワイヤ10に、ホルムアルデヒド脱水素酵素を吸着させ、さらに前記酵素を架橋して固定して作製するものである。さらに、高感度、簡便に測定可能とするために、発色反応系と組み合わせて作製するものである。
実施の形態において使用可能なホルムアルデヒド脱水素酵素についても特に制限はない。かかる酵素の選択については該酵素の特性(基質種類、濃度、温度、pH、安定性、立体特異性、選択性等)を考慮して選択することが可能である。また、酵素は、公知若しくは市販品(例えばTOYOBOから市販されているホルムアルデヒド脱水酵素である。酵素純度は5.42U/mg)として入手可能であり、必要ならば大量培養により、また適当な手段により精製した後使用することが可能である。さらに、入手した酵素は従来公知の方法により純度、活性等を測定することが可能である。
また、本実施の形態においては、該酵素とともに、適当な蛋白質を共存させることが好ましく、例えば、アルブミンが挙げられる。かかる共存蛋白質は該酵素とともに吸着され、かつ以下説明する架橋剤により架橋され、担体上でより安定な構造を維持することを可能とするものである。
また、本実施の形態において発色系との組み合わせによるホルムアルデヒドの検出のために種々の公知の発色系成分を加えることが可能である。かかる発色波長に従い検出波長を選択することが可能である。特に本実施の形態においては、PMS(フェナジン=メトスルファート)−NTB(ニトロブルーテトラゾリウム)を含むものが好ましい。かかる場合、生成するDiformazan(ジホルマザン)の570nm吸光度を測定することによりホルムアルデヒドを簡便に検出することが可能となる。
また、さらに本発明は、酵素反応を促進するためにトリトンーXを成分として含むものである。
また、本実施の形態においては、ホルムアルデヒド脱水素酵素、アルブミン、およびニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドをナノワイヤ膜に吸着させて、さらに適当な架橋剤により架橋反応を施すことを特徴とする。かかる架橋剤により、前記ホルムアルデヒド脱水素酵素、共存するアルブミン、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドの少なくとも一部がグルタルアルデヒドで架橋される。架橋剤としては、公知の種々の架橋剤が使用可能であるが、本実施の形態においては特にグルタルアルデヒドが好ましい。
さらに、架橋の仕方についても、密閉容器中でグルタルアルデヒド(原液)を気化させて担体上の酵素を架橋させる方法(1〜3時間程度)や、グルタルアルデヒド溶液(約2〜5%、数分)による方法が可能である。架橋の程度は架橋反応時間を制御することにより適宜選択することが可能である。
実施の形態1の図1と同じガス検出装置を使用できる。本実施の形態で使用可能な測定方法は、該酵素とホルムアルデヒドとの反応により生じる化学的変化による発色変化を検出できる方法であれば特に制限はなく、公知の種々の手段が選択可能である。該反応により得られるNADH自体に基づく反応、若しくはそれと組み合わせた化学反応による方法が挙げられる。かかる発色系との組み合わせた例を以下に示す。
HCHO+NAD+HO―>HCOOH+NADH+HNADH+PMS―>NAD+PMS(還元型)
2PMS(還元型)+NTB―>2PMS+Diformaszan
ここで、ホルムアルデヒドが反応するに際し、NADがNADHに還元される。また、NADHが、PMS−NTBとの組み合わせによりジホルマザン(570nm)を検出する。
このジホルマザンの検出方法によるホルムアルデヒドの検出限度は、酵素量、酵素反応時間、他成分量等により異なるが、最適化することは容易である。たとえば、粗酵素の状態では酵素量が0.2U/mlでは0.05ppmまでであるが、2U/mlでは0.001ppmまで測定可能である。
また、1サンプルごとの測定であるのか、または、特定時間積算して測定するのかでも、酵素の量、他成分の量等、適宜最適化することが可能である。
(実施の形態5)
硫酸ヒドロキシルアミン1.0グラムを100ミリリットルの精製水に溶解して第1の液を調製する。硫酸に対して呈色反応を示す水素イオン濃度指示薬メタニールイエロー0.02グラム、グリセリン15ミリリットルをメタノールで全量100ミリリットルとなるように溶解して第2の液を調整する。第1、及び第2の液を混合することにより、発色液を調製する。この発色液を用い、実施の形態2の方法(1)から(3)にて、ナノワイヤに試薬12を添加する。その後、40°C程度で有機溶媒を自然乾燥させる。これにより、ナノワイヤ、1平方メートル当たり、硫酸ヒドロキシルアミン0.35グラム、メタニールイエロー0.15グラム、及びグリセリン21グラムが展開されたガスセンサ104ができあがる。
図1のガスセンサーシステム100において、LED光源103として、ピーク波長555nmの発光ダイオードを用い、波長560nmに最大感度を有するホトセンサ102として、pin型フォトダイオードを用いた。
被検ガスがガスセンサ104を通過する過程で、ガスセンサ104上のグリセリンが保持している水分が、ホルマリンを取り込み、元から存在する硫酸ヒドロキシルアミンが2HCHO+(NHOH)SO→2HC=NOH+HSO+2HOなる反応により硫酸を発生する。この硫酸は、ナノワイヤに存在するメタニールイエローと反応して、その濃度、つまりホルマリンの濃度に比例してメタニールイエロを呈色反応させてガスセンサ104上に反応痕を生じさせる。このようにして所定のサンプリング時間、例えば40秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反応痕の光学的濃度の測定工程に移る。LED光源103からの光は、ガスセンサ104表面に形成された反応痕の光学的濃度に応じて吸収を受けるので、測定開始前の光学的濃度、つまりガスセンサ104のバックグランド濃度との光学的濃度差を求めることによりガスセンサ104を通過したホルマリンの濃度を知ることができる。
このガスセンサ104を上記実施の形態1のガス検出装置にセットして、ホルマリンの濃度を、1000ppm、2000ppm、3000ppmと変えながら反応痕の光学的濃度を測定したところ、濃度3000ppm程度まで高い直線性でもって検出することができた。またサンプリング時間を40秒から60秒に延長すると、同一のホルマリン濃度に対する光学的濃度が高くなった。
ところで、上述の実施例では担体にグリセリンを含有させているが、濃度1000ppm以上のホルマリンを検出対象とする場合には、グリセリンの有無に関りなく同一感度を示した。このことからグリセリンは、特に低濃度のホルマリンを検出する場合には有効な添加剤であることが確認できた。
なお、この実施例においてはホルマリンと反応して酸を生じる物質として硫酸ヒドロキシルアミンを用いたが、ホルマリンにより分解されて水素イオン濃度指示薬であるメタニールイエロに反応痕を生じさせる酸を生じる他のヒドロキシルアミンの強酸塩として、塩酸ヒドロキシルアミンがあり、これを用いても同様の作用を奏することが確認された。また、ヒドロキシルアミンの強酸塩とホルマリンとの反応により生じる酸に対して呈色反応を示す水素イオン濃度指示薬としては、メタニールイエロの他に、アリザリンイエロー、ベンジルイエロー、及びメチルイエロー等が存在し、これらを用いても同様の作用効果を奏することが確認された。
ところで、メタニールイエロは、水素イオン濃度pH1.2乃至pH2.3に変色域を有する水素イオン濃度指示薬であるから、空気中に存在する炭酸ガスや、フッ化水素等の弱酸性ガスや、アルカリ性ガスであるアンモニア、さらにはアルコール等の有機溶媒に対しては全く反応しないから、ホルマリンを高い選択性で検出することができるばかりでなく、空気中の炭酸ガス等の弱酸性ガスにも反応しないから、長期保存性を有することになる。
なお、サンプリング時間を3分程度に延長すると、数ppm程度の低い濃度のホルマリンを検出することができる。
以下実施例に即して本発明を説明するが本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(なお書き)
上記各実施の形態は組み合わせることができる。
上記では試薬12の色の変化を検出したが、試薬12がガスと接触することによって、物性が変化し、それをナノワイヤ10間の抵抗値、電流、キャパシタンスなどで検出してもよい。
本願発明のガスセンサは、短時間にガスを検出できる。色で検出するので、部分的に変化しても即座に検出できる。
10 ナノワイヤ
11 基板
12 試薬
15 検出領域
100 ガスセンサーシステム
101 センサユニット
102 ホトセンサ
103 LED光源
104 ガスセンサ
105 ポンプ
106 ガス通路

Claims (8)

  1. 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
    前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
    を含み、
    前記ナノワイヤは、前記試薬に吸着された前記ガスを放出するために、前記試薬に熱を提供するものであるガスセンサ。
  2. 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
    前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
    を含み、
    前記試薬は、イオン交換性の無機層状化合物に保持されたガスセンサ。
  3. 基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
    前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
    を含み、
    前記試薬は、前記ガスにより色が変化するガスセンサ。
  4. 前記試薬は、イオン液体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記試薬は、前記ガスによりその物性が変化し、前記物性の変化を前記ナノワイヤで検出する請求項1、2、4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 前記ガスセンサが複数の領域に設けられ、
    前記複数の領域毎に、前記試薬の種類が異なる請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  7. ガス導入部と、
    前記ガスが表面に導かれる請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサと、
    前記センサに光を照射する光源部と、
    前記センサで反射された光を検出する検出部と、
    を含むガス検出装置。
  8. ガス導入部と、
    前記ガスが表面に導かれるセンサと、
    前記センサに光を照射する光源部と、
    前記センサで反射された光を検出する検出部と、
    を含むガス検出装置であり、
    前記センサは、基板上に設けられた複数のナノワイヤと、
    前記複数のナノワイヤ間に設けられ、ガスを検出する試薬と、
    を含むセンサであるガス検出装置。
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